「飯豊まりえを出すな!」TBS『花のち晴れ』脚本家に、ジャニオタが抗議する地獄絵図

 ジャニーズファンの怒りの矛先が、思わぬ方向に――。

 5月29日にドラマ『花のち晴れ~花男Next Season~』(TBS系)の第7話が放送され、視聴率7.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。同回はKing&Prince・平野紫耀が演じる神楽木晴が父親から罵倒されるも、飯豊まりえ演じる人気モデル・メグリンが猛反論するという“メグリン回”だったが、この内容にジャニーズファンから脚本家への抗議が相次いでいるという。

「大ヒットドラマ『花より男子』(同)の“続編”ということで注目された『花晴れ』でしたが、視聴率は低空飛行。しかし、ネット上の注目度ランキングでは常に上位に位置しているという現象が起きています。その要因のひとつが、キンプリ・平野に飯豊が舞台裏で接近しているという情報が拡散されたこと。第7話はその飯豊が大活躍する内容だったため、脚本家のツイッターには『なんで彼女の出演を増やすの』『メグリンはもう見たくない』といったジャニーズファンの苦情が殺到したといいます」(テレビ誌ライター)

『花晴れ』の脚本家は吉田恵里香氏。2015年公開の映画『ヒロイン失格』のヒットで業界内外に知られるようになった若手の注目株だ。

「前シーズンの『花男』と脚本家が違うことには、放送前から旧作ファンの間で不安視されていました。実際、第7話で飯豊が平野にかけた優しい言葉が杉咲花演じるヒロインとほぼ同じだったことで、視聴者からは“立ち位置がかぶる”といった指摘も。そうした脚本へのダメ出しだけでなく、脚本家への批判がつづられたネット民の声をわざわざスクリーンショットにして送りつける悪質な投稿もあったようです。そうしたアンチに対しても吉田氏は『不快にさせてしまってごめんなさい』などと、わざわざ長文で返信しているため、彼女のメンタルを心配する声も出ています」(同)

 苦情を受け、今後、飯豊の出番は減ることになるのだろうか?

テレ朝、米倉涼子の2019年10月期スケジュールを確保で『ドクターX』新作確定? それとも別ドラマ?

 今や日本のテレビドラマ界を代表する人気シリーズとなった米倉涼子主演の『ドクターX』(テレビ朝日系)の第6シーズンが、2019年10月クールに放送されるのではないかとの情報が、業界内を駆け巡っている。

 写真週刊誌「FRIDAY」6月15日号(講談社)の『週刊「テレビのウラ側」』では、来年10月クールの枠でテレ朝が米倉のスケジュールを押さえている同局関係者の証言を紹介。この枠が『ドクターX』の新作となる可能性が極めて高いというのだ。

 米倉は今年の10月クールに、テレ朝で『ドクターX』ではない別作品の主演を務めることが決定しているが、これは米倉の『大門未知子以外の役をやりたい』という気持ちをくんでの企画なのだとか。

 テレビ朝日にとってはまさにドル箱企画である『ドクターX』だが、どうやら主演の米倉のほうがすでに飽きており、「できれば、もうやりたくない」のが本音の模様。そんな米倉に気を使って、テレ朝側が別ドラマを仕込んだといった形のようだ。ドラマ制作関係者はこう話す。

「米倉としては、別ドラマの主演をやるという条件で、来年10月期のスケジュールを『ドクターX』のために空けている形になっていますが、現状では、まだ確定ではないようです。あくまでもスケジュールをおさえているだけで、『ドクターX』ではない別のドラマが制作される可能性も残されています」

 今年の10月期のドラマでは米倉は弁護士役を演じるが、その役柄は大門未知子とは少々異なるそうだ。

「まだ細かい設定は明らかにされていませんが、民事ばかりを扱う弁護士になりそうとのこと。扱う裁判もそんなにシリアスなものではなく、とても身近な案件が多くなりそうだといわれています。どちらかというと重めな印象の『ドクターX』に比べると、だいぶライトで親しみやすいドラマのようですね」(同)

“安全パイ”の『ドクターX』の続編制作の希望がある一方で、もちろん、この新ドラマにもひそかに期待しているようだ。テレビ局関係者は、こう話す。

「もしもこの弁護士ドラマのほうが当たれば、『ドクターX』用に確保していた米倉のスケジュールを弁護士ドラマの第2シーズンに切り替える可能性もあり得るようです。テレ朝としては、『ドクターX』だけでなく、さらなる人気シリーズを抱えることができれば、2枚看板の盤石な布陣になりますからね。米倉にしても大門未知子を嫌々演じるよりも、新たなキャラクターを育てていければ、女優としてのモチベーションも高まるはずです」

 確かに、毎年のように『ドクターX』ばかりが放送されていたら、視聴者もさすがに飽きてくるし、内容も薄くなっていく。そうやって『ドクターX』の価値を下げるくらいなら、新たなシリーズに活路を見いだすこともアリなのかもしれない。

『コンフィデンスマンJP』コメディだけど社会風刺が魅力的! 視聴率ダウンも神回連発するワケ

(これまでのレビューはこちらから) 

 5月28日放送の第8話「美容編」。

 リチャード(小日向文世)が贔屓にしていたメンズエステのエステティシャン福田ほのか(堀川杏美)。ほのかは、美容関連の総合商社『ミカブランド』に採用される。しかし1年後、社長・美濃部ミカ(りょう)の「デブ」「豚」などの暴言やパワハラに耐えかね、ほのかは退社。ダー子(長澤まさみ)たちは、ミカに偽物の化粧水を売りつけ、代理復讐を果たそうとする。以上が導入部のあらすじである。

 第8話の面白さは、物語が思わぬ方向に転ぶ展開にあった。その魅力を語る上で欠かせない中盤から終盤のあらすじにも触れながら、第8話「美容編」を振り返りたい。

■第8話の“影のMVP”は、プロデューサーor編成の判断?

 中盤以降のあらすじは以下のようになっている。

 ダー子はフランスの老舗高級ブランドの人間としてミカに商談を持ち掛ける計画を立てるもアッサリ引き下がる。理由はミカの“美のアスリート”ともいえる、女性を美しくする執念を垣間見たから。儲け話ではミカを揺さぶることはできないと判断する。

 そこでダー子は40歳のド田舎の女に扮して、架空の村に伝わる化粧水・弁天水に興味を持たせることにした。ダー子の実年齢を知らぬミカは、40歳とは思えぬダー子の肌の美しさと弁天水に魅了される。ミカがついに弁天水の権利を3億で買うかと思いきや、ダー子を自分の主催する美人コンテストに出場を提案。ミカは田舎で暮らすダー子に美しさを賞賛される喜びを味合わせようとした。

「一緒に世界中の人を綺麗にしましょう。それまで(弁天水は)待ってるわ」とミカ。

 あとは「弁天水を売る」と宣言するだけ。しかし、ほのかが週刊誌にパワハラをリークしてミカは社長を退任。弁天水を売る計画は失敗に終わる。

 脚本家・古沢良太のブログには、「美容編」は序盤に書き上げ撮影も初期に行われたとあった。「美容編」の置き処を8話という終盤に遅らせた判断は正しかったと言える。「大幅な計画変更」「ターゲットの心理の読み違え」「計画の失敗」は、今までに無い要素だからこそ意外性が高まった。そして、最終話に手強いターゲットを置くならば、この辺りで計画を失敗させた方が、ハラハラしながら今後の話を楽しむことができる。

 プロデューサーか編成サイドの判断かはわからないが、「美容編」が第8話であることは得策だったと言える。

■『コンフィデンスマンJP』に潜む社会風刺

 第8話の魅力は、展開の意外性に留まらない。社会風刺的な一面もスパイスとして潜んでいた。

 パワハラのリークで手に入った50万円で、元気を取り戻す福田ほのか。もともと彼女はミカブランドの入社を喜び、傷つけばミカへのバッシングで癒さやれてしまう。彼女は他者への憧れか批判でしか、自分の価値を保つことができない。美容の仕事も自分をカッコよく見せるためのアクセサリーにすぎなかったのだろう。

 対照的に、ミカにとって美容は人生そのものだった。顔に火傷を負ったせいで、亭主に捨てられ、仕事すら見つからない母の苦労を見て育った。だから女性を美しくすることにストイックであるし、美容の仕事に就きながら痩せようとしないミカを叱責したのも頷ける。ミカは全てを失い団地暮らしとなった後も近所の奥様を綺麗にすることに喜びを感じていた。

「カリスマに勝って、凡人に負けた」

 ミカを騙せたが、ほのかのリークで計画が失敗したダー子の一言にはハッとさせられる。

 近年、パワハラやセクハラで多くの権力者が失脚している。ハラスメントそのものへの批判は仕方ないが、辞職にまで追い込む風潮は有益なのだろうか。批判するからにはその対象の過去の功績や失脚後の損失にも目を向けねばと、記事を書く人間として反省させられた。

■演出家の違いで出る、各話のテイストの違いとは?

 第8話の意外な展開も社会風刺も、“女性の願望”が起点となっている。りょう扮する美濃部ミカの美への執着心が、ダー子に大きく影響していた。計画変更を余儀なくされるし、詐欺師なので目立ってはいけないのに表舞台に出てしまうし、ミカへの共感から騙すことへの罪悪感まで持つ。

 第8話で演出を手掛けたのは、田中亮氏。第5話の「スーパードクター編」でも、かたせ梨乃演じる野々宮ナンシーの魅力が物語の肝になっていた。『ラストシンデレラ』『ディアシスター』(共にフジテレビ)など、女性の心理描写を得意とする田中氏にマッチした脚本だったと言える。

 通常、脚本家は“本打ち”と呼ばれる打ち合わせを重ね、脚本を執筆する。演出家やプロデューサーからのアイデアを脚本に反映することも多い。

 田中氏であれば女性の心境が深堀りされる回になり、「映画マニア編」や「遺跡発掘編」なの演出を手掛けた金井絋氏の回は小ネタやコスプレが多い。近年メガホンを撮り始めた三橋利行氏の場合は古沢良太の書く台詞を尊重し、一言一句が聞き取りやすいように丁寧な演出を心がけている印象だ。

 最終話の前に、今までの回を見直し、誰が演出する回が好きかを確かめてみるのも面白い。個人的には、三橋氏が手掛けた「美術商編」と「家族編」がお薦めである。

 残り2話、誰がメガホンを取るのかも楽しみにしつつ、第9話「スポーツ編」を心待ちにしたい。

(文=許婚亭ちん宝)

『コンフィデンスマンJP』コメディだけど社会風刺が魅力的! 視聴率ダウンも神回連発するワケ

(これまでのレビューはこちらから) 

 5月28日放送の第8話「美容編」。

 リチャード(小日向文世)が贔屓にしていたメンズエステのエステティシャン福田ほのか(堀川杏美)。ほのかは、美容関連の総合商社『ミカブランド』に採用される。しかし1年後、社長・美濃部ミカ(りょう)の「デブ」「豚」などの暴言やパワハラに耐えかね、ほのかは退社。ダー子(長澤まさみ)たちは、ミカに偽物の化粧水を売りつけ、代理復讐を果たそうとする。以上が導入部のあらすじである。

 第8話の面白さは、物語が思わぬ方向に転ぶ展開にあった。その魅力を語る上で欠かせない中盤から終盤のあらすじにも触れながら、第8話「美容編」を振り返りたい。

■第8話の“影のMVP”は、プロデューサーor編成の判断?

 中盤以降のあらすじは以下のようになっている。

 ダー子はフランスの老舗高級ブランドの人間としてミカに商談を持ち掛ける計画を立てるもアッサリ引き下がる。理由はミカの“美のアスリート”ともいえる、女性を美しくする執念を垣間見たから。儲け話ではミカを揺さぶることはできないと判断する。

 そこでダー子は40歳のド田舎の女に扮して、架空の村に伝わる化粧水・弁天水に興味を持たせることにした。ダー子の実年齢を知らぬミカは、40歳とは思えぬダー子の肌の美しさと弁天水に魅了される。ミカがついに弁天水の権利を3億で買うかと思いきや、ダー子を自分の主催する美人コンテストに出場を提案。ミカは田舎で暮らすダー子に美しさを賞賛される喜びを味合わせようとした。

「一緒に世界中の人を綺麗にしましょう。それまで(弁天水は)待ってるわ」とミカ。

 あとは「弁天水を売る」と宣言するだけ。しかし、ほのかが週刊誌にパワハラをリークしてミカは社長を退任。弁天水を売る計画は失敗に終わる。

 脚本家・古沢良太のブログには、「美容編」は序盤に書き上げ撮影も初期に行われたとあった。「美容編」の置き処を8話という終盤に遅らせた判断は正しかったと言える。「大幅な計画変更」「ターゲットの心理の読み違え」「計画の失敗」は、今までに無い要素だからこそ意外性が高まった。そして、最終話に手強いターゲットを置くならば、この辺りで計画を失敗させた方が、ハラハラしながら今後の話を楽しむことができる。

 プロデューサーか編成サイドの判断かはわからないが、「美容編」が第8話であることは得策だったと言える。

■『コンフィデンスマンJP』に潜む社会風刺

 第8話の魅力は、展開の意外性に留まらない。社会風刺的な一面もスパイスとして潜んでいた。

 パワハラのリークで手に入った50万円で、元気を取り戻す福田ほのか。もともと彼女はミカブランドの入社を喜び、傷つけばミカへのバッシングで癒さやれてしまう。彼女は他者への憧れか批判でしか、自分の価値を保つことができない。美容の仕事も自分をカッコよく見せるためのアクセサリーにすぎなかったのだろう。

 対照的に、ミカにとって美容は人生そのものだった。顔に火傷を負ったせいで、亭主に捨てられ、仕事すら見つからない母の苦労を見て育った。だから女性を美しくすることにストイックであるし、美容の仕事に就きながら痩せようとしないミカを叱責したのも頷ける。ミカは全てを失い団地暮らしとなった後も近所の奥様を綺麗にすることに喜びを感じていた。

「カリスマに勝って、凡人に負けた」

 ミカを騙せたが、ほのかのリークで計画が失敗したダー子の一言にはハッとさせられる。

 近年、パワハラやセクハラで多くの権力者が失脚している。ハラスメントそのものへの批判は仕方ないが、辞職にまで追い込む風潮は有益なのだろうか。批判するからにはその対象の過去の功績や失脚後の損失にも目を向けねばと、記事を書く人間として反省させられた。

■演出家の違いで出る、各話のテイストの違いとは?

 第8話の意外な展開も社会風刺も、“女性の願望”が起点となっている。りょう扮する美濃部ミカの美への執着心が、ダー子に大きく影響していた。計画変更を余儀なくされるし、詐欺師なので目立ってはいけないのに表舞台に出てしまうし、ミカへの共感から騙すことへの罪悪感まで持つ。

 第8話で演出を手掛けたのは、田中亮氏。第5話の「スーパードクター編」でも、かたせ梨乃演じる野々宮ナンシーの魅力が物語の肝になっていた。『ラストシンデレラ』『ディアシスター』(共にフジテレビ)など、女性の心理描写を得意とする田中氏にマッチした脚本だったと言える。

 通常、脚本家は“本打ち”と呼ばれる打ち合わせを重ね、脚本を執筆する。演出家やプロデューサーからのアイデアを脚本に反映することも多い。

 田中氏であれば女性の心境が深堀りされる回になり、「映画マニア編」や「遺跡発掘編」なの演出を手掛けた金井絋氏の回は小ネタやコスプレが多い。近年メガホンを撮り始めた三橋利行氏の場合は古沢良太の書く台詞を尊重し、一言一句が聞き取りやすいように丁寧な演出を心がけている印象だ。

 最終話の前に、今までの回を見直し、誰が演出する回が好きかを確かめてみるのも面白い。個人的には、三橋氏が手掛けた「美術商編」と「家族編」がお薦めである。

 残り2話、誰がメガホンを取るのかも楽しみにしつつ、第9話「スポーツ編」を心待ちにしたい。

(文=許婚亭ちん宝)

嵐・二宮和也『ブラックペアン』13.0%停滞中……連ドラなのに「連続していない」という地獄

 3日に放送された日曜劇場『ブラックペアン』(TBS系)の視聴率は、前回と同じ13.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。木曜21時の『未解決の女 警視庁文書捜査官』(テレビ朝日系)と今クールトップを争っているという図式ですが、画面から伝わってくる熱量のわりに、いかにも低調だと感じます。

『ブラックペアン』は長所と短所が実にハッキリした作品で、なんといっても長所は主人公である“孤高の天才外科医”渡海征司郎を演じる嵐・二宮和也の愛嬌です。もう第1話から、ずっとかわいい。今回もかわいかった。

 そして短所は……今回、もっとも顕著に出たので、そのあたりを中心に振り返ってみましょう。

前回までのレビューはこちらから

■連ドラなのに連続してない!

 毎回、無能な誰かが手術に失敗し、それを天才・渡海(二宮)が悪態をつきながらリカバリーするというパターンを繰り返してきた『ブラックペアン』。それ自体は悪いことじゃないんですが、渡海以外の人物像や設定が1回ごとにリセット・リニューアルされてしまうので、お話についていくのがとてもしんどいです。

 前回は、渡海が実の母親のオペで執刀したことが問題になりました。なんでも、渡海が勤務する東城大では「親族のオペ禁止」という奇妙なルールがあるのだそうです。

 同僚が手術中にミスったことで母ちゃんを殺されかけた渡海は、そのルールを知りつつオペ室に乗り込んでササっと処置を行い、母ちゃんの命を救いました。これでクビになるという設定でしたが、母ちゃんが手術の同意書に「ホントにヤバいときは息子に任せて!」的な但し書きをしていたことで、不問に付されます。なぜなら、「患者の意思が最優先」だから。

 このドラマにはたびたび、こうした「病院かくあるべし」「医療とは何ぞや」っぽい感じの理念めいた美辞麗句が登場します。医療とは「患者の意思が最優先である」。なるほど、言われてみればそうかもしれないし、なかなか説得力のある、よい言葉ではありませんか。患者の意思が最優先なら、渡海に処分が下されないのも当然です。

 しかし今回、冒頭で早くもこの理念が覆されます。理由はわからないんですが、病院側はやっぱり渡海を処分することにしたのです。1/3の減給だそうです。そんな折、渡海にはライバルである帝華大から「倍の報酬で来ないか」と誘いが来ていたそうで、さっくり移籍することになりました。

 前回言ってたことと違うじゃん! というだけなら、連ドラではよくある細かい矛盾なので、そんなに目くじらを立てるようなことでもないんです。しかし『ブラックペアン』は、妙に理念っぽいやつを挟み込んでしまっていることで、「渡海の肉親オペは不問」という事実が、その理念とともに強く印象づけられてしまっている。だから、こうした矛盾(ウソ)を叩きつけられたときのダメージがでかいんです。

 そもそも、オペ中に母ちゃんが死にかけてて、助けられるのが渡海しかいない状況でも「肉親のオペNG」という設定が効いてる時点で「ハァ?」となっているところ、まあ成功したし不問になったし別にいいか、からの「やっぱり処分します」。「ハァア!?」ですよ。要するに、ドラマのほうから「前回のことは忘れてね」と言っている。連続ドラマを「連続するドラマ」として楽しみたいと思っている視聴者にとって、こんなに悲しいことはないと思うんですよ。

■『半沢直樹』のダイジェスト?

 人物のほうで今回、リセットされたのが東城大の病院長・守屋(志垣太郎)でした。前回までほぼ“消えていた”守屋が、何か悪いものでも食べたのか、急に悪役として立ち上がったのです。

 その権力を振りかざし、私利私欲のために暴虐の限りを尽くした守屋でしたが、最後にはダークヒーロー渡海の餌食となり、失脚してしまいました。

 急に出てきて、急に失脚。なんなんだよ、って話なんですが、要するに毎回、渡海の“敵”を創出しなければならない構図に無理が生じているのだと思うんです。世間では、このドラマを指して『水戸黄門』方式といわれていますが、ずっと水戸黄門をやっていると、物語を終わることができません。今回も“いつものパターンの敵”として帝華大の武田医師(シソンヌ・長谷川忍)が渡海によって血祭りに上げられましたが、物語の進行上、もうひとり“敵”が必要になってしまった。基本的に手持ちのカードの中で勝負しなければいけない窮屈な人物配置の中で、ある程度みんなにエピソードを振ってしまったので、残っているのが守屋しかいなかったのでしょう。

 なんの印象もなかった人物がいきなりカメラの前に飛び出してきて、ひどいことを言いまくり、か弱い女の子を泣かせたりしまくり、最終的には無様に土下座をしている。志垣太郎は熱演でしたが、まるで『半沢直樹』のダイジェストを見ているような、奇妙な感触の回でした。

■命の重みを感じて泣きたいのに

 それと、このドラマに「重厚」とか「本格」というイメージを抱けない原因が、毎回必ず発生する医療ミスです。今回が第7話ですが、もし渡海がいなければ、劇中7~8人くらい、すでに医療ミスで死んでいることになります。

 つまりは、毎回「渡海は天才ですよ」と言いたいがために、ほかの誰かが医療ミスで患者を殺しかけないと話が進まないのです。結果、渡海は(視聴者も)、手術中の事故を待ち望むことになってしまう。人が死にかけないと話が進まないので、誰かが死にかけると「よっしゃ死にかけた! 渡海センセーの見せ場やで~!」という気分で、楽しくなってしまう。医療ドラマを見る上での「最大の泣き所」となる“命の重み”が、どんどん軽くなってしまう。どうせ助けるし。

 今回、何かと話題の治験コーディネーター・香織さん(加藤綾子)の過去が語られました。よくできたエピソードだったし、ビジネスモードとプライベートモード、さらに熱血モードをちゃんと演じ分けてみせたカトパンもすごくよかったんですが、「過去の医療ミスが……」という彼女の個人的なトラウマも、やっぱり軽く見えてしまいます。「気にすんなよ、東城大では毎週、誰かが医療ミスしてるよ」って思っちゃうもんね。このへんも、理念めいた表現が上滑りしている感じです。

■あと3回かな

 残すところ、あと3回でしょうか。ここまで来て、今さら整合性を求める気もありませんし、肝心の「ブラックペアン」をめぐる因縁についても、すっきりした解決はあまり望んでいません。

 なんだかんだ言ってますが、このドラマは面白いんです。お話はダメですし、お話を犠牲にしてまで描こうとした主人公としての渡海征司郎というキャラクターも、まだまだ描き切れていないように感じます。

「患者を生かし、医者を殺す」──オペ室の悪魔・渡海征司郎。

 実にカッコいいキャッチフレーズですし、雰囲気はそれなりに出てるんですが、患者を生かしまくる反面、まだ全然医者を殺してない渡海くん。高階講師(小泉孝太郎)にしろ佐伯教授(内野聖陽)にしろ、渡海くんがきっちり殺さないからキャラがブレブレになっちゃってるんです。あと3話、さぁ皆殺しにしてしまえ! 祭りだ祭りだ! みたいなやつが見たいです。はい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

綾野剛が『おっさんずラブ』に激ハマり中? 現場では男性スタッフとばかり仲良くする姿が……

 会社の上司(吉田鋼太郎)と後輩(林遣都)の2人に同時に告白された春田創一(田中圭)を主人公とするドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)が話題だが、イケメン俳優・綾野剛もまた、その虜になっているという。

「綾野剛さんが、『おっさんずラブ』にハマりまくっているそうです。現場では、同じく『おっさんずラブ』にハマっているスタッフを見つけては、その魅力を語り合っているらしいですよ」(テレビ局関係者)

 男性同士の淡く切ない恋模様を描く『おっさんずラブ』にハマっているという綾野について、こんな話も聞こえてくる。

「綾野さんは、現場でもとてもフレンドリーで、スタッフともすごく仲良くしています。でも、基本的に男性スタッフとばかり仲が良いイメージで、女性スタッフとはそんなに仲良くないんですよね……」(別のテレビ局関係者)

 普段の綾野剛にも少なからず“おっさんずラブ”な要素があるのだろうか……。

「純粋に作品が面白いからハマっているみたいですね。あと、綾野さんと同じ事務所で仲が良い田中圭さんが主演だということもあって、しっかりチェックしているんだと思います。それに現場で妙に女性と近いと何かといろいろと言われてしまうご時世ですから、女性スタッフとの距離を取ることで綾野さんもヘンに誤解されないようにしているのかもしれないですね」(同)

 フレンドリーすぎるがゆえに、女性スタッフにセクハラまがいの行為を働いてしまう俳優もいるというが、どうやら綾野にはそういった心配はなさそう。

 さらに「綾野さんはLGBTにすごく理解がある俳優さんです」とは映画関係者の言葉だ。

「映画『怒り』(2016)で綾野さんは、妻夫木聡とゲイカップル役を演じたんですが、役作りのために2人で2週間ほど一緒に生活したこともあったみたいですね。そもそも妙な偏見もないから、純粋に『おっさんずラブ』にハマっているのでしょう。現場で男性と特に仲が良いのも、性別関係なしの“人間愛”の現れですよ。そういう人だからこそ、現場では男性スタッフからも女性スタッフからも好かれていますね」(同)

 性別を超えて愛される俳優・綾野剛。仕事の幅はどんどん広がっていくだろう。

綾野剛が『おっさんずラブ』に激ハマり中? 現場では男性スタッフとばかり仲良くする姿が……

 会社の上司(吉田鋼太郎)と後輩(林遣都)の2人に同時に告白された春田創一(田中圭)を主人公とするドラマ『おっさんずラブ』(テレビ朝日系)が話題だが、イケメン俳優・綾野剛もまた、その虜になっているという。

「綾野剛さんが、『おっさんずラブ』にハマりまくっているそうです。現場では、同じく『おっさんずラブ』にハマっているスタッフを見つけては、その魅力を語り合っているらしいですよ」(テレビ局関係者)

 男性同士の淡く切ない恋模様を描く『おっさんずラブ』にハマっているという綾野について、こんな話も聞こえてくる。

「綾野さんは、現場でもとてもフレンドリーで、スタッフともすごく仲良くしています。でも、基本的に男性スタッフとばかり仲が良いイメージで、女性スタッフとはそんなに仲良くないんですよね……」(別のテレビ局関係者)

 普段の綾野剛にも少なからず“おっさんずラブ”な要素があるのだろうか……。

「純粋に作品が面白いからハマっているみたいですね。あと、綾野さんと同じ事務所で仲が良い田中圭さんが主演だということもあって、しっかりチェックしているんだと思います。それに現場で妙に女性と近いと何かといろいろと言われてしまうご時世ですから、女性スタッフとの距離を取ることで綾野さんもヘンに誤解されないようにしているのかもしれないですね」(同)

 フレンドリーすぎるがゆえに、女性スタッフにセクハラまがいの行為を働いてしまう俳優もいるというが、どうやら綾野にはそういった心配はなさそう。

 さらに「綾野さんはLGBTにすごく理解がある俳優さんです」とは映画関係者の言葉だ。

「映画『怒り』(2016)で綾野さんは、妻夫木聡とゲイカップル役を演じたんですが、役作りのために2人で2週間ほど一緒に生活したこともあったみたいですね。そもそも妙な偏見もないから、純粋に『おっさんずラブ』にハマっているのでしょう。現場で男性と特に仲が良いのも、性別関係なしの“人間愛”の現れですよ。そういう人だからこそ、現場では男性スタッフからも女性スタッフからも好かれていますね」(同)

 性別を超えて愛される俳優・綾野剛。仕事の幅はどんどん広がっていくだろう。

観月ありさがゴリ押しで27年連続連ドラ主演も……もはや何の価値もなし!?

 女優・観月ありさが7月15日に放送開始する連続ドラマ『捜査会議はリビングで!』(NHK BSプレミアム/日曜午後10時~)で、田辺誠一とのダブル主演ながら、主役に起用される。これにより、観月は27年連続31回目の連ドラ主演となり、連続主演記録を「27年」とした。

 観月はInstagramやブログで喜びの声を伝えているが、もはやこの記録に、いかほどの価値があるのだろうか?

 同ドラマは、夫婦である、刑事部特殊班所属の女刑事・章子(観月)と、ミステリー小説家の晶(田辺)が、近所や出先で起こる事件やナゾを解決していく作品。

 章子は強い正義感とあり余る体力を最大限にいかすべく警察官になった。事件となれば、猪突猛進、熱き魂で悪と向き合うが、家庭では極度の面倒くさがり屋で家事はまるでダメ。

 かたや、晶は類いまれな頭脳を持ち、穏やかで繊細で、先祖代々が警察官という一家に生まれながら、親の期待を裏切り、作家の道に進んだ。しかし、彼の小説は小難しすぎてまるでウケない。何気なく書いた家事ブログが大当たりし、今では“カリスマ主夫”と称される複雑な状況。

 そんなデコボコ夫婦に息子・直も加わって、自宅リビングは常に情報や推理が飛び交う捜査会議状態。笑える夫婦あるあるネタを交えながら、家事ネタにヒントを潜ませ、夫婦ならではのコンビプレーでナゾに挑むというストーリー。

 かつて、観月は代表作でもある『ナースのお仕事』シリーズ(1996年~2002年/フジテレビ系)、『斉藤さん』シリーズ(08年、13年/日本テレビ系)などがヒットしたが、近年主演したドラマは軒並み低調。

 14年1月期『夜のせんせい』(TBS系)は、全話平均6.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と大爆死、15年1月期『出入禁止の女~事件記者クロガネ~』(テレビ朝日系)は、あまりの低視聴率(平均6.4%)のため、第5話と第6話(最終回)が2時間スペシャルとなり、事実上の打ち切りといえる“早期終了”させられる事態となった。

 16年は地上波で主演オファーはなく、NHK BSプレミアムで9~10月に放送された『隠れ菊』で主演に起用され、かろうじて記録を「25年連続」に伸ばしたが、BSドラマということで、実質的に記録は「24年」でストップしたといっていい。

 昨年は4月期に『櫻子さんの足下には死体が埋まっている』(フジテレビ系)で主演したが、このフジ「日9」ドラマは、あまりの低視聴率ぶりに主役を引き受けてくれる俳優・女優がなかなか見つからなかったという、いわくつきの枠で、「何としても主役がやりたい」との観月側とフジの思惑が一致した。2年ぶりの地上波での主演となったが、視聴率は前評判の悪さ通り、平均5.4%と爆死。これが決定打となり、同ドラマ枠は次の7月期をもって廃止された。

「連続主演記録と言っても、この3年で2年はBS。もはや、観月に地上波での主演の需要はありません。観月の自己満足のため、所属事務所(ライジングプロダクション)がゴリ押しで仕事を取って来ている状態。NHKも、ライジングとの付き合いもあって、むげに断れないのでしょう。そうやって記録を更新させても、価値はありません。来年あたり、いよいよBSでも仕事が獲得できず、CSやネット配信ドラマで、『28年連続連ドラ主演』などと言ってるかもしれないですね」(テレビ制作関係者)

 私生活では、15年3月に、上原さくらの元夫で実業家の青山光司氏と結婚。青山氏は資産家でもあり、観月があくせく働く必要はない。もはや、この連続連ドラ主演記録更新も、観月の趣味の領域なのかもしれない。
(文=田中七男)

岩田剛典『崖っぷちホテル!』コメディが“茶番”になる瞬間……前回までで終わっておけばよかったのに!?

 岩田剛典主演の日曜ドラマ『崖っぷちホテル!』(日本テレビ系)も第7話。視聴率は7.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、第4話あたりから視聴者は増えもせず、減りもせず。気に入らなかった人は早々に離れ、気に入った人は離脱することなく見続けているようです。

 とはいえ、物語的には前回の第6話で、ひと段落。今回から新しいことが始まります。いったい何が始まったのか。そして、大丈夫なのか。振り返りましょう。

(前回までのレビューはこちらから)

 

■急に降って湧いた売却話。

 そもそもこのドラマは、ダメダメなホテルに革命児である宇海くん(岩田)がやってきて、従業員の意識を改革し、「いいホテルにする」ことを目標に始まりました。

 そして、一人ひとりに丁寧なエピソードが割り振りながら、「ホテルにとって何より大切なのは、お客様の笑顔です」という哲学が繰り返し語られました。ベルボーイ、清掃係、厨房、バー、事務方、そして支配人である佐那(戸田恵梨香)……全従業員がその哲学を理解することで、とりあえず「いいホテル」になった、というのが前回まででした。

 そして今回、そんな「いいホテル」になった「グランデ・インヴルサ」に存続の危機が訪れます。

 もともと若い娘っこである佐那が総支配人になったのは、亡き父の跡を継いだ兄・誠一(佐藤隆太)が借金を残してトンズラしたことがきっかけでした。その消息不明だった誠一が、急にホテルに舞い戻ってきたのです。

 誠一は、久しぶりに顔を見せたかと思いきや、いきなりホテルの乗っ取りを宣言。すでに取得している45%の株に加え、取引銀行の担当者・横山さんのお父さんが持っている6%も譲ってもらう算段が付いていて、合計で持ち株比率が51%になるとのこと。これを根拠に誠一は、まずは35%しか持っていない佐那から「総支配人」の立場を奪い取ります。肝心の宇海くんは「従うしかない」とニコニコ。

 新支配人となった誠一は、なぜか従業員たちのポジションの大シャッフルを提案。テキトーな感じで、シェフをベルマンに、フロントを清掃係に……などなど仕事を振り分けます。肝心の宇海くんは「おもしろいじゃないですか」とニコニコ。一流ホテルでも、ジェネラリストを育成するために、さまざまな仕事を体験させるという教育があるんだそうです。

 振り分けられたみんなは懸命に自分の仕事をこなしつつ、講習会を開いてお互いに仕事を教え合うなど、これはこれで和気あいあい、かつ充実した雰囲気。しかし、誠一の目的はホテルの再建ではなく、売却なのでした。

 銀行と勝手に話を進めた上、すでに看板工事まで発注していた誠一でしたが、ここでヒーロー宇海くんがヒーローパワーを発揮。6%を持っていた横山さんのお父さんから株を買い取り、さらに宇海くんに指図された古参従業員・時貞さん(渡辺いっけい)が全国各地を回ってかき集めた10%も加えて、佐那の持ち株比率は51%に。ホテルは売却のピンチを免れるのでした。

 こうして、誠一の登場によって降って湧いた売却話は一件落着。何事もなかったように、次回へ。

■あー、ドラマの腰が折れた。物語の底が抜けた。

 これまで“いい話”を積み重ねてきていたので、たいへん好印象だった『崖っぷちホテル!』でしたが、今回は実のないエピソードだったと感じます。

 兄妹の持ち株比率の数字についても、唐突に現れた横山パパの「6%」をめぐるやり取りも、まったく必然性がありません。兄・誠一の登場から乗っ取り、宇海にしてやられるまでの展開も、佐藤隆太の突飛なキャラクターに頼るばかりで行動原理が見えないので、まったく共感できない。ただ場を荒らすために出てきた野蛮人でしかないし、“基本いい奴”しかいなかったのが特徴の同ドラマでは、完全に浮いてしまっている。

 そして今回、ドラマの腰が折れた、と感じたのが、誠一が提案した「お仕事シャッフル」に嬉々として乗っかった宇海&従業員の面々の姿です。

 結果的に、それぞれが仕事を教え合う、それぞれの仕事への理解が進む、それぞれの仕事への帰属意識が再確認されるなどの効果が生まれ、「厄介な奴による厄介な企画だったが、思わぬ副産物もあったね」みたいな感じで処理されていますが、これはダメでしょう。割烹でバイト歴があって、たまたま調理師免許を持っていたからって、厨房を清掃係に任せちゃダメでしょう。フレンチ食いに来た客に、したり顔で肉じゃが出しちゃダメでしょう。

 第1話からここまで、従業員全員に(視聴者にも)丁寧に敷衍してきた「ホテルにとって何より大切なのは、お客様の笑顔です」という哲学を、完全に破棄してるんです。「客の都合を考えて動け」と言い続けてきたドラマが、ここにきていきなり客の都合を無視して、「従業員の結束が固くなったからいいじゃん」と言ってしまった。

 この物語に通底していたのは「このホテルには伝統と格式がある」という前提条件でした。第1話より以前、従業員たちは、その伝統と格式にあぐらをかいてダメダメになったり、伝統と格式があったはずのホテルが変わってしまったからこそダメダメになったりしていたわけです。そういう連中が宇海によって意識を改革され、プロフェッショナルなホテルマンとして本来の「伝統と格式」を取り戻そうと立ち上がるにいたったのが、前回までだったのです。

 今回、その物語の、底が抜けてしまった。プロフェッショナルでない人間の料理を、客に食わせてしまった。ベッドメイクも、ベルボーイも、事務経理でさえも「がんばれば誰にでもできる程度の仕事」と作品の中で定義づけてしまった。これにより、ホテル・インヴルサも「がんばれば誰にでも再生できる程度のホテル」に成り下がるし、宇海の起こしてきた数々のミラクルも価値を失うことになります。脚本家は「たった数日だし、清掃係も料理上手だから、別にいいじゃん」とでも考えたんでしょうか。宇海も、そう考えたんでしょうか。だとしたら、今まで見てきたものは、なんだったというのか……。

 あー、もったいない。ここまでいい感じで上品なコメディを紡いできただけに、本当にもったいない。格式を失ったコメディを、人は「茶番」と呼ぶのです。

 来週はフロントマンの大田原さん(野性爆弾・くっきー)が客に一目ぼれして云々だそうですよ。第1話のネタ振りを回収した第6話までで終わっときゃよかったのに、とならないことを祈りたいです。ここまで見てきて、今さらガッカリしたくなーい。
(文=どらまっ子AKIちゃん)

『Missデビル』は、まるでB級戦隊モノ? 残業アジトにショッカー社員、美女監禁……

 菜々緒が“悪魔”と称される冷徹な人事コンサルタント役を演じるドラマ『Missデビル 人事の悪魔・椿眞子』(日本テレビ系)の第7話が26日に放送され、平均視聴率7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.5ポイントダウンとなってしまいました。

(前回までのレビューはこちらから)

 今回、斉藤博史(Sexy Zone・佐藤勝利)が椿眞子(菜々緒)から新人研修へ赴くよう命じられたのは、CFD(クライアント・ファースト・ディビジョン)。この部署は、結成わずか1年ながら、営業・契約・顧客サービスを一本化し、大きな業績を上げているエリート軍団なのです。

 さっそくCFDへ足を運んだ博史は、リーダーの甘露路慶治(袴田吉彦)を筆頭に、先輩社員たちの熱血ぶりを見て圧倒されてしまいます。その一方、膨大な仕事をこなしながらも、全員が定時退社していることに違和感を覚えるのでした。

 そんな中、博史の教育係・里中純(永岡佑)が突然倒れ、入院することに。里中は肝臓と腎臓に持病を抱えているものの通院せず、奥さんによれば残業続きとのこと。さらに、里中は目を覚ました途端、「PJ150をやらなければならないんだ!」と、何やら定時後にも業務を行っていることをニオわす発言をしたため、博史は、CFDがどこかに残業するための基地をもっているのではないかと疑いを抱きます。

 残業アジトを見つけだすため、博史は部署内を盗聴。その結果、CFDが社長室の予算で6,000万円もするPCサーバーを購入していることが発覚します。その送付先が、つまりは彼らの隠れ家ということで、博史はサーバーを梱包する木箱の中に入り、アジトに潜入捜査するよう眞子から命じられます。

 トロイの木馬作戦でなんとかアジトに潜入することに成功した博史。そこで目にしたのは、猛烈な仕事ぶりをみせる社員たちと、CFDを胡散臭いと考え潜入したものの捕らえられ、縄で縛られてしまった人事部長・伊東千紘(木村佳乃)の姿でした。

 一方、会社内で甘露路に残業アジトの存在を問い詰めた眞子も、不意打ちを食らって気絶させられ、アジトに連れ込まれて千紘と一緒に拘束されてしまいます。

 ここで甘露路は、最近世の中を賑わす働き方改革への不満の想いを吐露し、身を粉にして働くことこそが会社や国の発展につながると長広舌。そして、PJ150とは、10年後に創業150周年を迎える共亜火災が、業界トップであるためのプロジェクトなのだということを明かします。

 甘露路が滔々と演説する間、こっそり縄抜けに成功した眞子は、得意のハイキックを社員どもに浴びせまくり撃破。CFDを壊滅させ、一件落着となったのでした。

 しかし、安心したのも束の間。自宅へ戻った眞子は、こっそり忍び込んでいた謎の男に襲われ、首にナイフを突きつけられたところで今回は終了となりました。

 さて感想ですが、今回、里中が病院のベッドで突如として「PJ150をやらなければならないんだ!」と、狂気に満ちた表情でセリフを吐いた瞬間、嫌な予感がしました。というのも、このドラマではこれまで、一見ノーマルな人物が突然ヒステリックな演技を始めると、その後にムチャクチャな展開が待ち構えていたからです。

 で、やっぱりといいますか、その後はB級戦隊モノのような酷い流れに。残業アジトはまるで悪の組織の秘密基地のようで、そこで働くCFDの社員たちはさながらショッカーといったところ。まるで、と書きましたが、眞子と千紘を鉄パイプで撲殺しようとしてましたから、こいつらは本当に悪者でした。

 そんな罪を犯してまで秘密を守ろうとするPJ150とは一体何なのかというと、要は“24時間働けますか”のコピーが躍った時代に憧れを抱く甘露路が、それを再現するべく設立した組織だったのです。

 このドラマはいわゆるお仕事モノですから、昨今、国を挙げて取り組まれている働き方改革がテーマに組み込まれることは当然といえば当然。その切り口も多々あることでしょう。今回のようにアンチテーゼを投げかけるのもアリだとは思いますけど、それを訴える方法は他になかったんですかね。

 奇抜な展開のせいでメッセージ性が完全に希薄化。というより、ほぼコントを見ているようでした。甘露路が、「エジソンは、アインシュタインは、マハトマ・ガンジーは、土日は休ませてくれと、自分の都合で早退したいと言いましたか? いいや、言っていない。彼らが寝る間も惜しんで必死に働いたからこそ、今の豊かさが、人類の進歩があるんです」と熱く語ったシーンはウケ狙いにしか思えず、実際に笑ってしまいました。ちなみにアインシュタインは、1日10時間以上の睡眠をとるロングスリーパーだったという説があるみたいですね。

 何はともあれドラマは終盤へ突入。どうやら眞子は、幼少期に起きた火事が原因で共亜火災に対し恨みを抱いているらしく、今回ラストに登場した謎の男はその辺りの事情を握っている様子。クライマックスに向けて盛り上がっていくことを期待したいと思います。
(文=大羽鴨乃)