「20代のバンドはどう食べていくか?」石田ショーキチが示す、これからの音楽家サバイバル術

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ライブ中心の音楽シーンについては、実演の重みが増すと肯定的に見る

【リアルサウンドより】  1993年にSpiral Lifeのメンバーとしてデビューした石田ショーキチが、自身のキャリアと20年間の音楽シーンの変化を語る集中連載第3回。Spiral Life以降に石田が歩んだ道のりと、その間の音楽ビジネスの変化と問題点を語った第2回に続いて、今回はポピュラー音楽を下支えする音楽教育のあり方についての話から、「20代のバンドがどうやって食べていくか」という具体的な問題の解決法にまで話が及んだ。 第1回:デビュー20周年の鬼才・石田ショーキチ登場 Spiral Lifeと90年代の音楽シーンを振り返る 第2回:「2004年頃、時代が変わった」石田ショーキチが語る、音楽ビジネスの苦境とその打開策 ――第2回でお話に出てきた「新人の育成機能」について、さらにうかがいます。かつては良くも悪くも、再販制度に守られたレコードメーカーの高い収益力とその再配分機能によって、育成機能は支えられた面があります。しかしCDの販売不振で、そうしたシステムが徐々に崩れてミュージシャンが自由になった分、若手がレコーディング技術などを学ぶ機会が減ってしまった、と。 石田:日本の音楽の考え方で嫌なのが、例えばピアノやヴァイオリンが高等で上品な“習い事教育”として捉えられていることです。しかも、上手くないと人前で演奏してはいけない、という空気がある。レコーディングで海外に行くと、スタッフから「うちの親父が酔っ払って、下手くそなヴァイオリンをギーコギーコやるんだよ」という話が、普通に出てきます。しかし日本では、学校は音楽教育にまったく重きを置いていないし、楽器が身近で気軽なものじゃなく、ハードルが高いものになっている。つまり、何の教育も受けず、幼いころから楽器と親しんでもいない子たちが、高校生になって突然バンドを始めるのですから、それはひどいものです。そういう子に理論的な指摘をすると、「いや、僕のフィーリングはこうなんです!」なんて、変なつっぱり方をされてしまう(笑)。これは算数や理科のように、学問として音楽を学ばずに成長してしまったことの弊害です。 ――なるほど、音楽教育のあり方を見直す必要もある、ということですね。また、業界全体を考えると、音楽で食べていくことは非常に難しくなってきたと言われます。今はライブで売り上げを立てる方向にシフトしていますが、その状況をどう見ますか? 石田:ある意味では、正しい方向に向かっていると思います。少しさかのぼると、90年代ごろからライブをめぐる状況は混乱していました。たとえば、80年代以前の歌番組では、ビッグバンドがさまざまな歌手の演奏を一手に引き受けていました。しかし、今はそういうことはやらない。理由のひとつとして、レコーディングでできあがった決まったトラックでしか、アーティストが表現できなくなっている、ということがあるでしょう。まったく同じ演奏、同じ歌じゃないと困ってしまう、レコーディングでできたフォーマットから離れられない、ということです。また、生演奏では口パクができない、ということもあるかもしれない。このように、人前で生演奏を行うことのハードルが上がったのか下がったのか分からない……というおかしな状況は、90年代ごろからありました。  これには番組の制作サイドの事情もあり、生演奏をさせると本番当日、音声さんの仕事量が増えてしまうし、カラオケをやらせておいたほうが効率がいい、ということになってしまった。また、アーティストが歌詞を間違えたときに、「字幕と違う」という苦情がくる……なんて理由で口パクをさせる。歌わせないし、演奏もさせないとなると、何のためにその番組を見て、音楽を聴いているのかという話になる。つまり、そこにある音楽は全部嘘です。そんな状況ですから、ライブ中心で実演することの重さが増していくのは、いいことだと思います。
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各ミュージシャンが独自の収入源を確立する必要性を強調した

――一方で、レコーディング芸術としての音楽がこのまま廃れていってしまうのではないか、という懸念もあります。 石田:そこには、先程も挙げた教育の不足という大きな問題があります。教育はどうしてもコストをかけなければできないところがある。僕らのようないい年のおっさんは自分のやり方次第でどうにでもなりますが、これから若者が新しいものを作っていく上で、かつてはメーカーが投入する資金で行われていた教育が欠落していることの影響は、これからさらに大きく出てくるでしょう。その反面、教育とは無関係な自由な表現、ベッドサイドミュージックは現に大きな広がりを見せているし、これからもっと広がっていくと思う。この二極化は、大きくなる一方です。 ――可能性があるのはベッドサイドミュージック、ということでしょうか。 石田:ベッドサイドミュージックの中に、必ずしも音楽理論的に正しくなくても、内容的に音楽性が高いものがあれば一番だと思いますが、そこには残念ながら過度には期待できない。そういう意味では、これからの若者はちょっとかわいそうですね。 ――レコードメーカーに守られながら技術を磨き、食べられるようになる……という道筋がなくなってきている中で、「20代のバンドがどうやって食べていくか」というのも今後の音楽シーンの大きなテーマになると思います。 石田:こういう状況になることはいわば時代の宿命。1982年にコンパクトディスクができた時点で運命づけられていたことで、僕もいずれはこうなると覚悟していました。ここで「CDが売れない」と嘆いていても仕方がない。レコード会社を頂点とした“音楽経済ヒエラルキー”のピラミッドがあり、その外にテレビを中心とした大きなメディアがあって……という構造が崩れた以上、今までのやり方で音楽で飯を食っていくことなんかできるわけがありません。  けれど、音楽の需要自体がなくなったわけではなく、経済的な方法論が通用しなくなったということなので、新しいやり方を考えればいいだけです。僕もギター1本を持って全国飛び回り、年間50本くらいアコースティックライブをやりますが、行けば必ず喜んでくれるお客さんがいて、自分にとっても収入になります。今まではコンサートというものもレコードを売るためにレコードメーカーがお金を出して……ということで、結局はピラミッド構造の中で制作されていました。それが崩れた以上、後は自分個人が、いかにリスナーと真摯に対峙するか、ということでしかない。パイは細分化しましたが、その分、個人対個人の時代になりましたから、それを自覚して「経済を自分で作っていく」という覚悟があるかないか、というだけの問題だと思います。 ――今の時代を正確に捉え、それぞれの新しい「音楽経済」を作るべきだと。 石田:そうです。ライブ活動には、アリーナのように大きなものから、ライブハウスの小さなものまでありますが、それぞれが大事で、それぞれに成り立つ方法論がある。お金の規模だけの話ではなく、どんな規模であれ成立させていくことが大事な時代だと思います。そういうものを丁寧につなげていくことで、新しい音楽経済ができあがるのではないでしょうか。例えば八百屋さんは、仕入れ値と売値と売り上げ個数を計算し、それを実現させないと生活できない。音楽で生活するにも、同じことをしなければならないんです。昔はそうしなくても、なんとなく漠然と大きなお金が流れていて、その中で漠然と飯が食えていましたが、ひとつひとつを事業として見た場合、それぞれがちゃんと黒字を出していたかというと、全然そんなことはなかった。つまり、売れているアーティストの利益を平べったく伸ばして、業界全体に再分配していただけです。それぞれのアーティストが個人レベルで利益を考えていくという状況は、八百屋の例を出すまでもなく、ごく自然なことだと思います。 ――最後に、活動20周年ということで今後の活動についてはいかがでしょうか。2007年の『love your life』以来となるソロアルバムの完成も期待しています。 石田:よく言われます(笑)。ただ、自分の音楽ってあまりモチベーションが上がらないんですよね。その反面、演劇やテレビアニメの曲の依頼はちょこちょこ受けていて、物語に対して音を作る、というのはすごく燃えるんです。でも、そのストーリーの中心が自分になる、というのは気持ちが悪い。とりあえずSpiral Lifeのリミックスをやれただけで僕もう満足しちゃっているところがあるので、これから考えることにします。 (撮影=金子山 取材・文=神谷弘一)

「2004年頃、時代が変わった」石田ショーキチが語る、音楽ビジネスの苦境とその打開策

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現在は黒沢秀樹らと共にライブ活動も数多く展開中

【リアルサウンドより】  1993年にSpiral Lifeのメンバーとして音楽界にデビューした石田ショーキチが、この20年で激動した音楽シーンを語る集中連載第2回。Spiral Lifeと90年代の音楽シーンを語った第1回に続き、今回はSpiral Life以降に石田が歩んだ道のりと、その間の音楽ビジネスの変化、さらに現在の音楽シーンの問題点まで率直に語ってもらった。 第1回:デビュー20周年の鬼才・石田ショーキチ登場 Spiral Lifeと90年代の音楽シーンを振り返る ――96年3月にSpiral Lifeが解散した後、9月にScudelia Electroがシングル「Truth」でデビューを果たし、プロデュースチームとして始めたプロジェクトがバンドとしての活動に移っていきました。 石田:レコードメーカーとしては、レコードを作らせないと商売になりませんからね(笑)。ただ、僕としては複雑な思いがあり、「これでは、結局普通のアーティスト扱いじゃないか」という矛盾を感じていました。僕としては自分の作品は2~3年に1枚作ればよくて、それよりも他人の作品を作りたいと思っていた。それなのに、「2年でアルバム3枚」のようなノルマがあり、ひどいときは1年に2枚も作らされました。しかも僕は、今で言うエレクトロニカのような音楽を率先してやっていきたかったのに、当時のディレクターはギターロックに持っていこうとする。なまじ根っこにブリティッシュビートがあったものだから、スタッフがSpiral Lifeから抜け出せず、そういうところに戻そうという節は感じました。「ギターを持つことが美しくてかっこいい」という暗示は強く、軋轢はすごかったです。 ――90年代後半まではギターロックが非常に人気があり、業界やシーン全体で「ギターバンドが基本」というムードもありましたね。 石田:そうなんです。下北沢を中心としたギターポップには本当にうんざりでした(笑)。「ギターを持って、ギターポップをやれ」と押し付けられるのは嫌でしたが、そうは言っても頑張るので、できちゃうのがまた皮肉なところで(笑)。Scudelia時代の3~4枚目が、そんな感じでした。自分自身もしんどくなっていたし、その担当ディレクターから離れた方がいい、と周りの誰もが僕に言うようになっていたので、お世話になったポリスターから離れることにしたんです。それからHip Landというプロダクションに行って、その後自分でレーベルを立ち上げたり、あるいは1作ごとに制作契約としてレコードメーカーと仕事をしていくようになります。それからは振り切ったように、やりたい放題やるようになりました。 ――“制作契約”とはどんなものでしょうか。 石田:レコードメーカーと専属で契約していれば、給料が出ます。給料自体は所属事務所から出るのですが、結局はレコードメーカーが事務所に払っている。それは「協力金」「アーティスト育成費」、あるいはそれらを含めて大きく「契約金」と呼ばれたりする。音楽事務所というのは、今でこそ原盤権を扱ったりするようになりましたが、当時は単純にアーティストの窓口として「いかにメーカーから金をとるか」という、経済のウワバミのようなところが多かった(笑)。僕の家は代々自営業だったので、売り上げに応じて自分の収入が変わるというのは当然だと思っていました。「売れようが売れまいが一律で給料などというものが支払われているから、日本では足下を見られて印税が安いんだ」と、音楽業界の経済的な仕組みの矛盾をずっと感じていました。  そこで、ポリスターを出てからは、1作ごとにレコードメーカーと「この原盤制作を○○円で請け負います」という風に契約して、それをコストを低く作って利益を上げる、というやり方をとったのです。それは、自分のアーティスト活動でもプロデュースワークでも同じです。そういうやり方で音楽の経済を作ってきた。そういう意味ではScudelia Electroの5枚目以降はすごく自由にやってきましたね。 ――Scudelia Electro が活躍した2000年代前半頃までは、CDがすごく売れていて業界全体も活況でした。これが変わってきたと実感したのはいつ頃からですか? 石田:自分にとっては2004年――MOTORWORKSを立ち上げた年が大きかったですね。そのときに販売実数を見て「CDも売れなくなってきているのか」と実感しました。鳴り物入りのメンバー(ホリノブヨシ、黒沢健一、田村明浩)ということもあり、いろいろな人たちがビジネス的なチャンスを求めて寄ってきたし、そこで大きなプロジェクトも進んでいたので、いつものように自分で予算管理をせず、人に任せてしまった。蓋を開けてみると、昔のようにCDは売れないし、大風呂敷を広げたプロジェクトになってしまっていたので、ビジネスとしてはうまく回りませんでした。  そこで僕は「時代が変わった」と考えました。その後は自分のソロアルバムやプロデュースワークをやるにあったって、ビジネス的に財布の紐を締めて「小さなパイでも良い作品を作る」という使命感を強く持つようになったんです。そういう意味で、自分一人でもレコードを作れることができるように、プロデューサーとエンジニアを兼任することの重大さを認識しています。人手が掛かればお金も掛かりますからね。そうこうしていると、2000年代の中程から、メジャーメーカーよりも、いわゆるインディーズメーカーからのプロデュース依頼が増えました。それは僕一人に頼めば最後までできちゃうし、安くていい音が録れるスタジオもたくさん知っていたので、コスト的に便利に使ってもらったんだと思います。時代の変遷をすごく感じましたね。  大きなメーカーがCDを作っても売れない時代になってきたのでリリース量も落ちたし、才能のある新人をつかまえて投資、ということをメーカーがしなくなりました。新人発掘量も本当に減りました。逆に、大きな回収が見越していない、低コストでどんどん作れるインディペンデントなメーカーがどんどん元気をつけていきました。
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最近では、若手ミュージシャンから直接プロデュース依頼を受けることも増えたという

――そういったインディーズシーンは当時の勢いを維持できていますか。 石田:今はもう一歩進んでいますね。面白いのが、若者が札束を持って「僕らの楽曲を録ってくれ」と訪ねて来るようになったこと。インディーズレーベルは今もたくさんありますが、それすらも超えて「自分たちで手売りするんだ」という気概を持った若者が増えている。流通が大メーカーからインディーズに移り、今やインディーズから個人に移る……というように、細分化が加速しているように見えます。 ――若手アーティストからプロデュースの依頼があったとき、それを引き受ける基準はどこにありますか? 石田:金額のことは、正直どっちでもいいところはあります。それよりも、今のサウンドを鳴らしている若者とリアルタイムで触れ合うということが、プロデューサーとして何よりの刺激になるんです。ただ、最近はちょっと「それだけではしんどいな」と思っています。 ――「しんどい」と言いますと? 石田:つまり、音楽作品を作るということは、やる気や根性だけではできない。演奏なり歌唱なりに関して、ある程度は理論に基づいた方法論があります。それを「こうやるんだ」と教えても、できない子がいる。当然、できるまでやらなければいけないのですが、そうすると時間がかかってしまいます。「この金額で、これだけの曲数を録ってください」と、一生懸命に集めてきたお金について、「時間がかかったから増額な」とは言えない。そうして、そもそも安い金額で請けている仕事の量だけがどんどん増えて、ほかの仕事が犠牲になる……ということが続いて。結局、試されるのは男気だけという状況です(笑)。 ――若者の基礎的なスキルについては、どんな変化が見られますか? 石田:二極化している気がします。例えばボーカロイドのように、必ずしもそれで「一発当てよう」と思わない多くの人たちがいろいろなものをシェアしながら、どんどん文化を広げているという状況がある。そこには、宅録でやっている人たちの技術的なスタンダードがどんどん上がっているという背景があると思います。デジタルオーディオレコーディングのツールもどんどん安くなっているし、使い方も上手くなっている。一人がいいものを作ると真似し合って、その連鎖が水準を上げていく――特にダンスミュージックやエレクトロニカの分野では、若者の力はすごく伸びていると思います。  一方で、いわゆるギターバンドの歩留まり感は「半端ねえな」と思います(笑)。歩留まり感、というより退化感、劣化感と言った方がいいかもしない。特にヴォーカル/ギターがいるバンドはひどいと思う。「リズム隊」という言い方がよくなくて、リズムやグルーヴは本来、ヴォーカルによるところが大きいんです。一番リズムに気をつけなければいけないのに、「リズム隊」という言葉で、リズムをドラムとベースに押し付け、ヴォーカルは知らん顔。また、ギターという楽器は本来、メロディは弾けるし、リズムは作れるし……と何でもできるはずですが、そこを飛ばして、日本のロックにはコードとギターソロの2つの演奏しか存在していません。それが何十年経っても日本のロックが世界に出て行くことができない大きな理由だと思います。  なんだかんだ言っても、レコードメーカーが潤沢にお金を出していた時代には、売れていても売れていなくても、現場できちんと教育されていたと思います。メーカーもプロデューサーも不在で、バンドだけで音を作ることが増えたことが、質の低下を招いたひとつの原因でしょう。 第3回に続く (撮影=金子山 取材・文=神谷弘一)

松井珠理奈が『いいとも』サプライズ出演! AKB48じゃんけん大会“パーだけで優勝”の裏話を語る

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AKB48『ミリオンがいっぱい~AKB48ミュージックビデオ集~スペシャルBOX』AKS

【リアルサウンドより】  9月18日に開催された『AKB48 34thシングル選抜じゃんけん大会』で優勝した松井珠理奈が、9月19日の『笑っていいとも!』にサプライズゲストとして出演した。  オープニングで木曜レギュラーが並んだ直後、タモリが「さぁ本日、おっ、ゲストが来ております」と話すと、会場にトロフィーを抱えた松井珠理奈が登場。普段の『笑っていいとも!』とは異なる展開に、会場からはどよめきが起こった。  優勝を報じた新聞紙面のパネルが持ち出され、レギュラー陣が「ずっとパーで勝ったんでしょ?」「この勝った時の表情、ハンパじゃないね」「顔もパーみたいになっている」と、優勝した瞬間の松井の表情をからかうと、松井は「やめてください、映さないでください(笑)」と照れ笑いを浮かべた。  タモリに、パーのみで優勝したことについて「ずっとパーって決めていったの?」と尋ねられると、松井は「そうですね。1回戦目にパーを出そうっていうのは決めていったんですけど、そこから2回目もパーで勝てたので、これは最後まで行こうかなと」と、パー戦略がいわゆる“決め打ち”だったことを明かした。  その後、『いいとも!』のセンターとして、タモリが松井にじゃんけんを挑むことに。笑福亭鶴瓶が「(松井は)絶対パーやって」と予想すると、タモリは「(そんなこと言うと)おかしなことになるって。(中略)勝っても負けてもイヤな気分になる」と、及び腰な姿勢を見せた。レフェリーは山崎弘也が担当、「じゃんけんぽい!」の掛け声で両者は共にパーを出し、1戦目は引き分けに。鶴瓶が「(松井は)素直やわー」と褒めると、タモリは「だからやめようって!」「ここで俺がチョキを出したら、世間はなんと言うか」と、世間体を気にした。2戦目も両者はともにパー、3戦目もパーであいこになり、いよいよどちらかが折れなければいけない状況に。4戦目、根負けしたタモリはグーを出し、松井の勝利に終わった。  松井は準レギュラー扱いで「2013年知っとくベッキーワード!ご当地お取り寄せ!新名物SP」のコーナーにも出演。途中、お笑い芸人の平成ノブシコブシが加わり、吉村崇は「本来、俺らがゲストだったんですよ」と、松井が急遽出演することにより、ゲスト枠を外されたことを明かした。また、相方の徳井健太は松井のファンであることを告白し、花束を渡した。  『AKB48 34thシングル選抜じゃんけん大会』で松井が優勝したことに対し、現在、ネット上では「ヤラセだったのでは」との憶測も飛び交っているが(参照:AKB48じゃんけん大会で松井珠理奈優勝 “7連続パー勝ち”にネットでは「ヤラセ」の声も)、『いいとも!』でタモリが松井に勝てなかったように、「場の空気」がじゃんけんの勝敗を分けることもある。なにを持って「ヤラセ」とするかは判断の難しいところだが、篠田麻里子から「後継者」と指名されるほど、これからのAKB48にとって重要なメンバーと認識されていた松井に対し、他のメンバーが「空気を読んだ」ということはあるのかもしれない。 (文=編集部)

松井珠理奈が『いいとも』サプライズ出演! AKB48じゃんけん大会“パーだけで優勝”の裏話を語る

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AKB48『ミリオンがいっぱい~AKB48ミュージックビデオ集~スペシャルBOX』AKS

【リアルサウンドより】  9月18日に開催された『AKB48 34thシングル選抜じゃんけん大会』で優勝した松井珠理奈が、9月19日の『笑っていいとも!』にサプライズゲストとして出演した。  オープニングで木曜レギュラーが並んだ直後、タモリが「さぁ本日、おっ、ゲストが来ております」と話すと、会場にトロフィーを抱えた松井珠理奈が登場。普段の『笑っていいとも!』とは異なる展開に、会場からはどよめきが起こった。  優勝を報じた新聞紙面のパネルが持ち出され、レギュラー陣が「ずっとパーで勝ったんでしょ?」「この勝った時の表情、ハンパじゃないね」「顔もパーみたいになっている」と、優勝した瞬間の松井の表情をからかうと、松井は「やめてください、映さないでください(笑)」と照れ笑いを浮かべた。  タモリに、パーのみで優勝したことについて「ずっとパーって決めていったの?」と尋ねられると、松井は「そうですね。1回戦目にパーを出そうっていうのは決めていったんですけど、そこから2回目もパーで勝てたので、これは最後まで行こうかなと」と、パー戦略がいわゆる“決め打ち”だったことを明かした。  その後、『いいとも!』のセンターとして、タモリが松井にじゃんけんを挑むことに。笑福亭鶴瓶が「(松井は)絶対パーやって」と予想すると、タモリは「(そんなこと言うと)おかしなことになるって。(中略)勝っても負けてもイヤな気分になる」と、及び腰な姿勢を見せた。レフェリーは山崎弘也が担当、「じゃんけんぽい!」の掛け声で両者は共にパーを出し、1戦目は引き分けに。鶴瓶が「(松井は)素直やわー」と褒めると、タモリは「だからやめようって!」「ここで俺がチョキを出したら、世間はなんと言うか」と、世間体を気にした。2戦目も両者はともにパー、3戦目もパーであいこになり、いよいよどちらかが折れなければいけない状況に。4戦目、根負けしたタモリはグーを出し、松井の勝利に終わった。  松井は準レギュラー扱いで「2013年知っとくベッキーワード!ご当地お取り寄せ!新名物SP」のコーナーにも出演。途中、お笑い芸人の平成ノブシコブシが加わり、吉村崇は「本来、俺らがゲストだったんですよ」と、松井が急遽出演することにより、ゲスト枠を外されたことを明かした。また、相方の徳井健太は松井のファンであることを告白し、花束を渡した。  『AKB48 34thシングル選抜じゃんけん大会』で松井が優勝したことに対し、現在、ネット上では「ヤラセだったのでは」との憶測も飛び交っているが(参照:AKB48じゃんけん大会で松井珠理奈優勝 “7連続パー勝ち”にネットでは「ヤラセ」の声も)、『いいとも!』でタモリが松井に勝てなかったように、「場の空気」がじゃんけんの勝敗を分けることもある。なにを持って「ヤラセ」とするかは判断の難しいところだが、篠田麻里子から「後継者」と指名されるほど、これからのAKB48にとって重要なメンバーと認識されていた松井に対し、他のメンバーが「空気を読んだ」ということはあるのかもしれない。 (文=編集部)

堂本剛を追うJuice=Juice チャートが映す、新旧アイドルの対照的な姿

【リアルサウンドより】

2013年09月09日~09月15日のCDシングル週間ランキング

1位:瞬き(堂本剛) 2位:ロマンスの途中/私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT)/五月雨美女がさ乱れる(MEMORIAL EDIT)(Juice=Juice) 3位:EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~(EXILE) 4位:青春花道(ポルノグラフィティ) 5位:乙女!Be Ambitious!(THE ポッシボー) 6位:暦の上ではディセンバー(ベイビーレイズ) 7位:恋するフォーチュンクッキー(AKB48) 8位:風は西から(奥田民生) 9位:メロンジュース(HKT48) 10位:戦姫絶唱シンフォギアG キャラクターソング7(獄鎌・イガリマ)(暁切歌/CV:茅野愛衣)  初週9.5万枚を売り上げ、この週の1位となったのは堂本剛のシングル『瞬き』。ソロとして4年ぶりの首位獲得となった今作は、2年前のシングル『Nijiの詩』に比べて初動売上枚数も大きく増加。本人主演のドラマ『天魔さんがゆく』主題歌という話題性やイベント参加応募を含めた特典もあり、単純には比較できないが、根強い人気を証明した形だ。  ここで改めて特筆すべきことは、このシングル、表題曲の作詞/作曲だけでなく、サウンドプロデュースも堂本剛本人が手掛けていること。音楽番組『新堂本兄弟』などを通して最近ではミュージシャンとしての卓越したスキルも広く知られるようになってきたが、そもそも2002年のソロデビュー当初から自ら作詞・作曲を担当し表現者としての活動を繰り広げてきたのが彼だ。とはいえ、アイドルのイメージを払拭するため別名義の「ENDLICHERI☆ENDLICHERI」を名乗るなど、そのアーティスト活動はなかなか容易にはいかなかった模様。しかもソロの音楽性は、Kinki Kidsのパブリックイメージとは違い、どちらかと言えば繊細な内面性をもとにしたメッセージ色の強いものが中心。「アイドルがアーティストとして活動する」ということには様々な壁があったはずだ。  しかし、ここ数年は再び「堂本剛」名義に戻し、今年5月には尾崎豊や吉田拓郎などの楽曲を歌ったカバーアルバム『カバ』をリリースするなど、真っ正面からミュージシャンとしての活動を展開している。おそらく10年以上かけて「アーティスト・堂本剛」としてのブランドを築き上げた自負もあるのだろう。筆者も一度ステージを観たことがあるが、ファンクの素養を持ち、大物ミュージシャンと渡り合いながら数々の楽器を弾きこなす彼のミュージシャンシップは確かなものだった。シングルのブックレットでは、Aメロの「手と手を合わせ」という箇所に「お墓参りのイメージがある」など、バラード調の楽曲に込めた思いも語っている。KinKi Kidsとして「デビュー以来連続32作シングル首位」というギネス記録を更新し続けながら、アーティストとしての「自己表現」も見せる彼。確実に一つのパイオニアと言っていいだろう。
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Juice=Juice『ロマンスの途中/私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT)/五月雨美女がさ乱れる(MEMORIAL EDIT)(初回生産限定盤B)』

 一方、2位となったJuice=Juiceは、まさにこのシングルでメジャーデビューを果たしたフレッシュな女性アイドルグループ。「ハロー!プロジェクトの未来を担う」と注目を集める期待のユニットだ(関連記事:ハロプロの将来は彼女たちの成功次第!? メジャーデビューのJuice=Juiceが背負う期待)。  ハロプロのモーニング娘。は今年1月リリースの「Help me!!」以降バキバキのEDMを導入し先鋭的なダンス・ミュージックへの接近を見せているが、Juice=Juiceも同じく海外のダンスシーンとリンクするようなサウンドが特徴。特に「私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT)」は、東欧ダンスポップのテイスト。アレクサンドラ・スタンやインナ、アムナなど、ルーマニア発の歌姫が次々と世界を席巻しているここ最近の趨勢を貪欲に取り入れたナンバーになっている。  一方、ドラマ「あまちゃん」挿入歌の「暦の上ではディセンバー」を歌ったベイビーレイズは6位にランクイン。自己最高位を大幅に更新する躍進となった。「乗り込み!乗っ取り!アイドル!!」をキャッチフレーズに活動してきたアイドルグループだけに、今回は「あまちゃん」ファンを「乗っ取り」人気を拡大した形。同曲が収録された「あまちゃん歌のアルバム」がシングルより先に発売されたこともあり、売り上げはそこまで大きく伸びなかったという見方もあるが、それでも目標の武道館に向けて弾みをつけた格好だ。  ジャニーズ系男性アイドルの中でも独自のアーティスト路線を歩む堂本剛と、シーンを勝ち抜くべく貪欲にファン拡大を狙う数々の女性アイドルグループ。オリコンチャートが映し出しているのは、新旧アイドルの対照的な姿と言えるかもしれない。 ■柴 那典 1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

堂本剛を追うJuice=Juice チャートが映す、新旧アイドルの対照的な姿

【リアルサウンドより】

2013年09月09日~09月15日のCDシングル週間ランキング

1位:瞬き(堂本剛) 2位:ロマンスの途中/私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT)/五月雨美女がさ乱れる(MEMORIAL EDIT)(Juice=Juice) 3位:EXILE PRIDE ~こんな世界を愛するため~(EXILE) 4位:青春花道(ポルノグラフィティ) 5位:乙女!Be Ambitious!(THE ポッシボー) 6位:暦の上ではディセンバー(ベイビーレイズ) 7位:恋するフォーチュンクッキー(AKB48) 8位:風は西から(奥田民生) 9位:メロンジュース(HKT48) 10位:戦姫絶唱シンフォギアG キャラクターソング7(獄鎌・イガリマ)(暁切歌/CV:茅野愛衣)  初週9.5万枚を売り上げ、この週の1位となったのは堂本剛のシングル『瞬き』。ソロとして4年ぶりの首位獲得となった今作は、2年前のシングル『Nijiの詩』に比べて初動売上枚数も大きく増加。本人主演のドラマ『天魔さんがゆく』主題歌という話題性やイベント参加応募を含めた特典もあり、単純には比較できないが、根強い人気を証明した形だ。  ここで改めて特筆すべきことは、このシングル、表題曲の作詞/作曲だけでなく、サウンドプロデュースも堂本剛本人が手掛けていること。音楽番組『新堂本兄弟』などを通して最近ではミュージシャンとしての卓越したスキルも広く知られるようになってきたが、そもそも2002年のソロデビュー当初から自ら作詞・作曲を担当し表現者としての活動を繰り広げてきたのが彼だ。とはいえ、アイドルのイメージを払拭するため別名義の「ENDLICHERI☆ENDLICHERI」を名乗るなど、そのアーティスト活動はなかなか容易にはいかなかった模様。しかもソロの音楽性は、Kinki Kidsのパブリックイメージとは違い、どちらかと言えば繊細な内面性をもとにしたメッセージ色の強いものが中心。「アイドルがアーティストとして活動する」ということには様々な壁があったはずだ。  しかし、ここ数年は再び「堂本剛」名義に戻し、今年5月には尾崎豊や吉田拓郎などの楽曲を歌ったカバーアルバム『カバ』をリリースするなど、真っ正面からミュージシャンとしての活動を展開している。おそらく10年以上かけて「アーティスト・堂本剛」としてのブランドを築き上げた自負もあるのだろう。筆者も一度ステージを観たことがあるが、ファンクの素養を持ち、大物ミュージシャンと渡り合いながら数々の楽器を弾きこなす彼のミュージシャンシップは確かなものだった。シングルのブックレットでは、Aメロの「手と手を合わせ」という箇所に「お墓参りのイメージがある」など、バラード調の楽曲に込めた思いも語っている。KinKi Kidsとして「デビュー以来連続32作シングル首位」というギネス記録を更新し続けながら、アーティストとしての「自己表現」も見せる彼。確実に一つのパイオニアと言っていいだろう。
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Juice=Juice『ロマンスの途中/私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT)/五月雨美女がさ乱れる(MEMORIAL EDIT)(初回生産限定盤B)』

 一方、2位となったJuice=Juiceは、まさにこのシングルでメジャーデビューを果たしたフレッシュな女性アイドルグループ。「ハロー!プロジェクトの未来を担う」と注目を集める期待のユニットだ(関連記事:ハロプロの将来は彼女たちの成功次第!? メジャーデビューのJuice=Juiceが背負う期待)。  ハロプロのモーニング娘。は今年1月リリースの「Help me!!」以降バキバキのEDMを導入し先鋭的なダンス・ミュージックへの接近を見せているが、Juice=Juiceも同じく海外のダンスシーンとリンクするようなサウンドが特徴。特に「私が言う前に抱きしめなきゃね(MEMORIAL EDIT)」は、東欧ダンスポップのテイスト。アレクサンドラ・スタンやインナ、アムナなど、ルーマニア発の歌姫が次々と世界を席巻しているここ最近の趨勢を貪欲に取り入れたナンバーになっている。  一方、ドラマ「あまちゃん」挿入歌の「暦の上ではディセンバー」を歌ったベイビーレイズは6位にランクイン。自己最高位を大幅に更新する躍進となった。「乗り込み!乗っ取り!アイドル!!」をキャッチフレーズに活動してきたアイドルグループだけに、今回は「あまちゃん」ファンを「乗っ取り」人気を拡大した形。同曲が収録された「あまちゃん歌のアルバム」がシングルより先に発売されたこともあり、売り上げはそこまで大きく伸びなかったという見方もあるが、それでも目標の武道館に向けて弾みをつけた格好だ。  ジャニーズ系男性アイドルの中でも独自のアーティスト路線を歩む堂本剛と、シーンを勝ち抜くべく貪欲にファン拡大を狙う数々の女性アイドルグループ。オリコンチャートが映し出しているのは、新旧アイドルの対照的な姿と言えるかもしれない。 ■柴 那典 1976年神奈川県生まれ。ライター、編集者。音楽ジャーナリスト。出版社ロッキング・オンを経て独立。ブログ「日々の音色とことば:」Twitter

AKB48じゃんけん大会で松井珠理奈優勝 “7連続パー勝ち”にネットでは「ヤラセ」の声も

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AKB48『恋するフォーチュンクッキー』(キングレコード)

【リアルサウンドより】  AKB48最新シングルの選抜メンバーをじゃんけんで決める『AKB48 34thシングル選抜じゃんけん大会』が、昨夜18日午後7時からフジテレビで生中継され、SKE48チームSとAKB48大島チームKを兼任する松井珠理奈が優勝した。  『じゃんけん大会』は、2010年より日本武道館で開催され、今年で4回目。第1回大会は内田眞由美、第2回大会は篠田麻里子、第3回大会は島崎遥香がセンターの座を勝ち取った。先月行われた予備選では、HKT48の指原莉乃やSKE48の松井玲奈、NMB48の山本彩といった人気メンバーが早くも敗退し、『じゃんけん大会』ならではのシビアさを感じさせる結果に。本戦には、AKB48から66名、SKE48からは予備選を勝ち抜いた8名、NMB48からは予備選を勝ち抜いた7名、HKT48からは予備選を勝ち抜いた3名の計84名が出場した。  大会は、中盤で高橋みなみ、渡辺麻友、柏木由紀、小嶋陽菜、島崎遥香、そして大島優子といった有名メンバーが次々と敗退。選抜メンバーとなるベスト16には、松井珠理奈、鵜野みずき、田野優花、古畑奈和、阿部マリア、北原里英、土保瑞希、平田梨奈、上枝恵美加、藤江れいな、菊池あやか、佐々木優佳里、名取稚菜、湯本亜美、大場美奈、大家志津香が勝ち抜き、松井以外は必ずしも有名とは言いがたいメンバーが揃った。  決勝では、松井珠理奈とNMB48の上枝恵美加が対戦。第1回戦からパーのみで6連続勝ちしていた松井は、生放送終了45秒前、やはりパーで上枝を下し、初の単独センターポジションを獲得。トロフィー授与後には「ずっとパーを出したら勝っていたので、最後もパーで勝てました」と話した。  この結果に対し、ネットでは「珠理奈優勝した!」「2位の上枝恵美加がカワイイ」「知名度低いメンバーにとってはチャンスだね、楽しかった」と、大会を楽しんだ様子の声がある一方、「去年は島崎遥香が全部チョキで優勝していたな」「じゃんけんには自信あるけど、AKBのじゃんけん大会では勝てる気がしない」「昨年に引き続きキナ臭い香りがぷんぷんします」と、八百長を疑う声も目立った。  松井は、じゃんけん大会の第2回優勝者である篠田麻里子から「後継者」として名を挙げられるなど、世代交代が進むAKB48において要となるメンバー。今年、5月から6月にかけて実施された『AKB48 32ndシングル選抜総選挙』では6位に選ばれ、存在感を増していた。そのため、ネットでは「たとえヤ ラセだとしても、勝つべきひとを勝たせたのだから、別に良いのでは?」「出来レースだとわかっていても珠理奈のセンターは嬉しい」と、経緯はどうにせよ、松井の優勝を認める声もあった。  八百長の真偽は不明だが、新生AKB48を印象づける結果となった今回のじゃんけん大会。その是非をめぐってファン同士の議論が過熱するとともに、3枚目のシングルが大きな注目を集めるのは間違いないだろう。 (文=編集部)

夏フェスで大雨が降ってもイベント会社が潰れないワケ

【リアルサウンドより】  9月14日 から16日にかけての3連休は、各地で多くのライブやフェスが予定されていた。しかし、台風18号の影響で荒天となり、公演スケジュールに変更が生じたり、中止を余儀なくされたイベントもあったようだ。  9月14日~15日 に千葉県袖ケ浦海浜公園で行われた『氣志團万博2013』は、2日目の序盤、どしゃ降りとなり会場の地面が泥だらけに。公式サイトでは「台風や局地的な大雨や落雷などの荒天の為、一時中断や中止となる場合もございます」とのアナウンスがあったが、天候トラブルも野外イベントの“醍醐味”として楽しむオーディエンスも多く、最後まで無事に行われた。  一方で、9月15日に東京・晴海客船ターミナル特設ステージでの開催が予定されていた『SUNSHINE IDOLIZED FES' 2013』は、荒天のため急遽中止に。イベントの公式ツイッター・アカウントによると、「会場の立地条件、また参加者の皆さまの安全を考慮して、 公演中止することに決定致しました」とのことで、海沿いという立地もイベント中止の要因となったようだ。また、チケット代に関しては「払戻しの詳細については現在調整中のため、決定次第、オフィシャルホームページ、各プレイガイドより改めてご連絡いたします」とアナウンスされている。  AKB48の渡辺麻友は16日、 さいたま市の大宮ソニックシティでソロ曲「ラッパ練習中」の発売記念ライブを昼夜2回行ったが、台風18号の影響で午後3時からの昼公演の開始時間を1時間遅らせることに。交通期間の乱れに考慮した形で、これにより5000人の観客は、ほとんどライブ開始に遅れることはなかった。  このように天候の影響を大きく受ける野外イベントだが、中止となった場合は観客だけではなく、主催者やアーティストも予定変更を余儀なくされ、場合によっては大きな損失が発生することもあるかもしれない。では、このような事態に備えて、イベントの主催者側はどのような対策をしているのか? 今回、雨天でのイベントを決行した『氣志團万博2013』の公演担当者に話を聞いてみた。 「イベント中止についての対策は、『興行中止保険』が中心になります。今回の『氣志團万博2013』ももちろん、保険には入っていました。今回は雨天でも決行することができましたが、それは保険会社の担当者が気象観測器を会場に持参し、『この雨ならすぐ抜ける』などの判断をしてくれた部分が大きかったです」  興行中止保険は、イベントの中止によって発生した損失を補填する保険。保険会社にとってもイベントの成否は重要な問題なので、現場に常駐することも多いという。 「やはり天候に関しては、スタッフだけでは判断しかねる部分が大きく『このくらいの雨なら危険はない』とは言い切れません。同じように、お客さんの怪我や病気についての判断も、我々にはできないこと。だからこそ、会場には医者や看護士も常駐しています。ある程度規模が大きいフェスなどであれば、中止保険に入って、天候などのトラブルに対する判断はその道のプロに行ってもらっている、というのが普通なのではないでしょうか」  また、別の大規模フェスの公演担当者は、中止保険について次のように話す。 「保険関係の話は経営にもかかわってくる部分なので、あまり詳しくは話せないのですが、ほとんどの大型イベントは複数の中止保険を組み合わせて使っているようです。中止保険にもいろいろと幅があり、ある保険は『事故には対応しているけど、雨には対応していない』ということもある。上手く組み合わせて、いざという時の損失を抑えるのも、イベント屋の大事な仕事です。もっとも、天候に関係なく、チケットが売れなくて中止になってしまうようなイベントでは、保険も空しく赤字になるでしょうが……」  野外イベントとは切っても切り離せない「天候」の問題。今回、台風の影響で中止になってしまったイベントもあるが、その対策はしっかりと行われているようだ。楽しみにしているイベントが中止になるのは残念なことだが、原因が天候なら不可抗力というもの。運営の判断を尊重し、次回の開催を期待するのがよさそうだ。 (文=リアルサウンド編集部)

“戦うAKBセンター”から“自由なアイドル女優”へ 前田敦子が輝きを取り戻したワケ

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前田敦子『タイムマシンなんていらない』(キングレコード)

【リアルサウンドより】  9月18日にサードシングル『タイムマシーンなんていらない』をリリースする前田敦子。前作『君は僕だ』から約1年半。その間にAKB48を卒業し、グループアイドルのセンターからアイドル女優へと進み出した。そして今、彼女はアイドル女優として歌の世界へと舞い戻ってきた。  アイドル女優には70年代から“歌”が付き物である。80年代には、『あまちゃん』で再び注目を集めている薬師丸ひろ子や、後にスウェディッシュポップでボーカリストとして再評価を受ける原田知世など、代表的なアイドル女優たちが歌い手として印象深い作品を数多く残している。90年代には、あくまでも女優業をメインに据えたまま活動しながら、松たか子、内田有紀、ともさかりえなどが音楽面でも活躍。00年代に入ると、上戸彩(奇しくも彼女もアイドルグループ『Z-1』を経てアイドル女優を踏み出した一人である)を筆頭に、深田恭子、福田沙紀、黒川芽以などが良作を残した。現在もドラマの主役を張る、綾瀬はるかや北乃きい、新垣結衣らも歌手としてデビューしている。  アイドル女優の作品は、映画やドラマであっても、音楽であっても“今だけの輝き”を閉じ込めることに大きな価値がある。一つの例として、綾瀬はるかを見てみよう。蔦谷好位置が楽曲を提供した名曲「飛行機雲」(2007年リリース)では、彼女らしい肩の力が抜けた柔らかい空気感と、当時『ホタルノヒカリ』で演じた“干物女”的な親しみ易さを、うまく楽曲中に封じ込めることに成功。綾瀬はるかが演じる“その時の綾瀬はるか”の作品として見事な完成度を示した。アイドル女優の楽曲においては、クリエイターが総力を尽くして“今のあるべき彼女の姿”を閉じ込めることで名作が生まれるのだ。  しかしここ数年、昨今のグループアイドルブームもあり、アイドル女優たちの歌手活動の場がグループへと移行してきている。川島海荷の9nine、桜庭みなみのbump.y、吉本実憂のX21……。そこでは、群像の一人としてのアイドル女優の姿を捉えることはできるが、“今のあるべき彼女の姿”を見い出すことは残念ながら難しい。  そんなアイドルシーンの中にドロップされたのが『タイムマシーンなんていらない』である。この曲では間違いなく、女優前田敦子が“今のあるべき前田敦子”を演じている。つまり、AKB48の重圧の中でセンターとして戦っていた前田敦子ではなく、気ままで自由な少女として前田敦子がいる。それは、秋元康氏が今の前田敦子に望むこれからの女優像、つまり未来像へのメッセージでもあるだろう。未来に目が向いているからこそ、『タイムマシーンなんていらない』のだ。  女優として前田敦子が歌う姿には、AKB48時代にはなかった彼女自身の魅力を感じることができる。それは前田敦子の今、そして理想のこれからが、しっかりと封じ込められた作品であるからだ。 ■エドボル 放送作家。『妄想科学デパートAKIBANOISE』(TOKYO FM水曜25:00-)『安田大サーカスクロちゃんのIdol St@tion』(目黒FM隔週木20:00-)、『Tokyo Idol Festival2013』(フジテレビNEXT)など、テレビ・ラジオなどの構成を担当。サイゾー、SPA!などでもアイドル関連のインタビューを中心に執筆中。

見事にハマった『あまちゃん』商法と、限界を迎えた“ベスト盤バラ売り”商法

【リアルサウンドより】

2013年09月02日~09月08日のCDアルバム週間ランキング

1位:Love Collection ~mint~(西野カナ) 2位:Love Collection ~pink~(西野カナ) 3位:ソナポケイズム SUPER BEST(ソナーポケット) 4位:遊音倶楽部 ~1st grade~(絢香) 5位:あまちゃん 歌のアルバム(Various Artists) 6位:Queen of J-POP(℃-ute) 7位:POPMAN’S WORLD~All Time Best 2003-2013~(スキマスイッチ) 8位:Heart Song(クリス・ハート) 9位:KYOSUKE HIMURO 25th Anniversary BEST ALBUM GREATEST ANTHOLOGY(氷室京介) 10位:AM(アークティック・モンキーズ)
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『あまちゃん 歌のアルバム』(ビクターエンタテイメント)

 まずは先週1位(今週は5位)の『あまちゃん 歌のアルバム』について(お気づきのようにこのリレー連載、毎週シングルチャートとアルバムチャートを交互に取り上げているので、前週のチャートにも触れさせてください)。9月に入ってから『あまちゃん』のストーリーは「震災後」に突入(劇中では「地元に帰ろう」も大フィーチャー)。9月第2週からメインの舞台も岩手・北三陸に戻って、「東京編」のいわゆる芸能界の裏側ドラマ的なノリは一気にトーンダウン。そう考えると、8月28日にリリースというタイミングはあまりにもドンピシャだった。  音楽界でも旋風を巻き起こしている『あまちゃん』だが、感心させられるのは各作品のリリース(及び配信)タイミングの的確さ。これまでもドラマの展開に合わせて、ネタバレにならないギリギリのところで、素早く「今、視聴者が最も欲しい音源」を出してきている。ちなみに先週は『あまちゃん 歌のアルバム』と同時発売の『春子の部屋~あまちゃん 80's HITS~ビクター編』が初登場10位、『春子の部屋~あまちゃん 80's HITS~ソニーミュージック編』が初登場12位、6月にリリースされた大友良英『オリジナル・サウンドトラック』も29位に再浮上と、なんとトップ30にアルバム4枚。特に、『ソニーミュージック編』以外の3枚のアルバムをリリースしている、小泉今日子のお膝元ビクターとの連携は見事だ。  一方で、ポニーキャニオンからようやく昨日(9月11日)リリースされたベイビーレイズのシングル『暦の上ではディセンバー』は、なぜか当初のリリース予定日から3週間も発売延期となっていたもの。うがった見方をすれば、同曲も収録されている『あまちゃん 歌のアルバム』のセールスを邪魔しないための処置にも思えてきて……。ちなみにベイビーレイズは能年玲奈と同じ事務所の後輩。そこに、春子とアキの芸能界パワーゲーム場外編を見たのは自分だけではないだろう。
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『Love Collection ~mint~』(ソニーミュージック)

 すいません、『あまちゃん』話が長くなりすぎました。今週、アルバムチャートの1、2フィニッシュを飾ったのは西野カナのベストアルバム。しかし、枚数を見るといずれも15万枚弱と、近作の西野カナのオリジナルアルバムの初週セールスも下回る数字で、初のベストアルバムとしてはかなり物足りない数字。  この、ベストアルバムを2枚組にするのではなく2つの作品に分けるというやり方。ハシリとなったのは1998年のB'z『Pleasure』『Treasure』(2枚合わせて1.000万枚超え!)だと記憶しているが、あの時は2作品のリリース間隔がちょっと空いていた。同発ベストとして最も印象に残っているのは2001年にMr.Childrenがリリースした『1992−1995』『1996-2000』(いずれの作品もダブルミリオン超え)だから、21世紀に入ってから一般化してきた手法と言えるだろう。  しかし、昨年のYUIや今年のBUMP OF CHICKENの2枚に分かれたベスト盤のセールス不振が象徴しているように、近年、この手法、というか「商売のやり方」に限界がきているように思うのだ。言うまでもなく、もし同じくらいの枚数が売れるのなら、2枚組にするより2枚に分けた方がレコード会社の儲けは大きい。でも、この「同じくらいの枚数が売れるのなら」という前提が、可処分所得の少ない若いリスナーを多く抱えているアーティストの作品では崩れてきているのではないか。  興味深いのは、桑田佳祐、山下達郎、松任谷由実、氷室京介といった、逆に可処分所得が多そうなリスナーを抱えているベテランアーティストによる近年のベスト盤に限って、このベスト盤バラ売り商法をとらずに、旧来のベスト盤のように一つのパッケージでリリースを死守していること。とりあえずリリースした作品はなんでも買ってくれる忠誠心の強いファン、そして、ベストアルバムで始めて作品を手に取ってくれる一見さん、それぞれのリスナーにとってベストアルバムとはどういう意味を持っているのか。長いキャリアの中で出た答えが「何枚組になったとしてもベストアルバムは一つのパッケージで出す」ということだとしたら、それが意味するものは重い。  ただでさえ、若い世代のリスナーはネットでのフリーな音楽環境に慣れ親しんでいる。その層に向けて作品をリリースするなら、せめてベストアルバムのようなファンの忠誠心が問われる「記念品」的なパッケージ作品は、できるだけリスナーの懐に優しいものであってほしい。というか、リスナーとの関係性を長い目で見れば、その方が商売的にも正解になってきているような気がするのだが……。 ■宇野維正 音楽・映画ジャーナリスト。音楽誌、映画誌、サッカー誌などの編集を経て独立。現在、「MUSICA」「クイック・ジャパン」「装苑」「GLOW」「BRUTUS」「ワールドサッカーダイジェスト」「ナタリー」など、各種メディアで執筆中。Twitter