元女囚が教える「ポン中」の見分け方――半永久的に続く覚醒剤の害

 覚醒剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■「あの人は、まだクスリをやってはる」って、すぐにわかりますよ

 最近、周囲におかしい人、いてないですか? ちょっと前ですが、友達の友達から、「最近付き合い始めたカレが、どうもおかしい」という相談を受け、会ってきました。

 現れたカレは、めっちゃイケメンで、ITの仕事でけっこう稼いでいるとのこと。うらやましい……と思ったのもつかの間、「めっちゃおかしいやん!」と驚きました。

 冷房の効いた喫茶店で、いつまでも汗をかき、ずっと唇をなめています。しかも、何かとリアクションがオーバーで、お冷やの入ったグラスを何度も口に運ぶなど、とにかく落ち着きがありません。これは、かなりの確率で覚醒剤中毒者ですよ。

 この時は何も言わずにお開きにして、その日の夜、彼女に電話しました。

「なんか、ヤバいクスリやってるんと違うかなあ」

「やっぱり……。いくら稼ぎがよくても、アカンですよね」

 彼女はがっかりしてましたが、「その道のプロ」だった私に言われて、あきらめもついたようでした。

 覚醒剤を使ったら、どのくらいカラダにとどまると思いますか? おしっこは1週間程度ですが、髪の毛や爪は、使い始めてから伸びた分を切るまで残るそうです。私の場合は、警察で、おしっこはもちろん、髪を100本近く切られ、爪も切られました。さらには、自宅に落ちていた髪も拾われています。一緒に使った人がいるか、見るためでしょうね。

 捜査いうより、ほとんどイヤガラセです。おしっこを採る時は、なんと男性警官もいてました。「なんでオトコがおんねん! SMか!」と抵抗しましたが、ダメでしたね。ひどいもんですが、まあ私も悪いことをしたので、しょうがない面もあります。

 そして、髪や爪以上に残るのが、「脳内」です。幻覚などの妄想は、半永久的に続くといわれています。使用をやめていたとしても、ちょっとしたストレスやお酒など、小さなきっかけで「フラッシュバック」が起こってしまうこともあるんです。

 覚醒剤は、使い始めて2~3カ月ほどで、幻覚や幻聴、被害妄想などの症状が出るといわれています。この時すぐに治療すれば治るそうですが、逮捕(パク)られるとわかっているのに、医者に行く人なんかいてませんよね。せやから、どんどんひどくなっていくんです。

 覚醒剤事件の場合、初犯だとまず執行猶予がつきますから、ここでも治療の機会はなくなります。つまり、シャブでムショにやってくるのは、2回以上の逮捕で、「シャブで妄想の症状がかなり進んだ」状態のコたちなんですよ。

 おかげさまで私はなんとか大丈夫なのですが、今でも覚醒剤をやってる人は、すぐにわかります。ムショに入ってくる新人ちゃんたちの4割は覚醒剤がらみ(※)で、「自分、ナニやって来たん?」「シャブの使用です」とか会話する前に「あ、このコはシャブやな」と、すぐにわかります。

 パクられて、判決が確定するまで、短くても何カ月か掛かるもんですが、そんな程度では抜けないほどの量を使っているんですね。そして、落ち着きがないくせに、ヘンな集中力はあるのも特徴です。手紙を書く時なんか、肩や顔にめっちゃ力が入って、唇がヨコにいってたり、足の指がぐーっと開いてたりします。あまりにも「ヘン顔」なんで、「唇、ヨコにいってるよ……」と教えたろかと思ったこともあります。あまりにも集中してて、声をかけるのが申し訳ないので、言うたことはないですけど。

 でも、そのくらいならまだいいです。ネットニュースで、歌手のASKAさんが収容先の病院で「お菓子のサブレを洗濯物のように干していた」と報道された時は、「これは、相当イッてるなあ」と思いました。その後も、ヘンなブログを書いてはったりしてますよね。

 同じポン中でも、10人に1人くらいの、いわば「選び抜かれた人」なのだと思いました。ここまで進んでしまうと、完全に治すのは難しいでしょうが、ファンも多いし、がんばってほしいですね。ただ、ASKAさんがパクられた時は、合成麻薬のMDMAも持っていたそうで、これはシャブよりも脳への影響はひどいといわれています。でも曲作りとかの才能には、きっと影響ないですよ。

※法務省『犯罪白書』によると、収容者の罪名はほぼ毎年同じ割合で、覚醒剤と窃盗(ほとんど万引)が4割ずつ、あとは詐欺が5%、殺人が2%くらいです。そのほかは暴行傷害とか、脅迫とか放火とか横領とかですね。バクチもありますが、やっぱり女性は少ないです。

nakanorumi16中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。経営するラウンジ「祭(まつり)

覚醒剤よりヤバい! ヤクザが「危険ドラッグは危険」と言う理由

 最近、危険ドラッグにまつわる事件が、また目立ってきましたね。しばらく見ない印象でしたが、ニュースの見出しだけでも「危険ドラッグを自宅で製造し密売、男逮捕」「京都新聞記者を逮捕 危険ドラッグ所持の疑いで」「東邦大病院の看護師を危険ドラッグ密輸容疑で告発」「危険ドラッグ密輸 青森市職員 起訴」などなど、すごいですね。

 特に、50代のTBS幹部社員がホテルで「30代知人女性」に危険ドラッグを「嗅がせよう」として、誤って顔にかけてしまい、赤く腫れたという事件には驚きましたね。おそらくは覚醒剤と成分が似ているといわれる「アロマリキッド」の類いだと思いますけど、顔が腫れるなんて超粗悪品ですよ。目的は、もちろんキメセクです。

 「ひどーい。こんなの今どきヤクザだってやらないわよね」と、思わずオットの遺影に話しかけてしまいました。

■オットの子分が「危険ドラッグは危険」と言ってます

 これらの報道には、「暴力団」の文字がほとんど見当たりませんでした。関与してないのではなく、バレないように巧妙に存在を消しているのだと思います。

 たとえば、危険ドラッグの製造密売で逮捕された30代男性は「派遣社員」でした。中国から安い指定薬物を密輸しようとして税関に見つかり、警察に通報されたそうです。ほかも、看護師や地方公務員ですから、「暴力団」との関係は一見薄そうですね。でも、関係ないわけがありません。ちなみに看護師さんと結婚してるヤクザは結構いるんですが、その話はまた。

 「危険ドラッグは儲かる」ということで、手を出しているヤクザは多いです。「覚醒剤と違ってテキトーに作れて、高く売れます」と、オットの若い衆も言っていました。銘柄としては「ラッシュ」が有名ですけど、同じ「ラッシュ」でも内容はバラバラなのだそうです。

 危険ドラッグは、大麻やそれに近い幻覚作用のある「ハーブ」に、薬局で売ってるカフェインや乾燥剤、さらには粉ワサビや洗剤、殺虫剤といった「舌に刺激を感じるもの」や「悪酔いするもの」などを混ぜた液体をスプレーして、もんで乾かすのが主流です。「問題は、『同じもの』をリクエストされた時ッスねー。テキトーに作ってるから、再現できないス」と笑っていた若い衆は、現在はカタギになって道路工事をしています。私のオットは指を詰めさせなかったので、社会復帰はしやすいと思います(ちょっと自慢)。

 ちなみに別の若い衆からは「姐さん、危険ドラッグだけはやったらダメですよ。シャブのほうがいいですよ」と言われたこともあります。「ほどほどにしときなさいよ」と言っておきましたが、「若い人たちはなんでもアリだなあ」と、極妻の私ですら思いました。

 これほど危険ドラッグの密売が盛んに行われているのは、「暴力団対策基本法」(暴対法)よりも「暴力団排除条例」(暴排条例)の影響が大きいと思います。「暴力団員」だけでなく、その家族や友達も排除する条例で、ほとんどのヤクザや周辺者が正業(土木や産廃、飲食関係が多いです)から排除されてしまいました。

 そういえば、2011年夏に突然、島田紳助さんが泣きながら記者会見して、「暴力団と交際していました」と謝ったのをご記憶の方も多いと思いますが、「ヤクザと付き合ったら芸能界追放」みたいなルールなんですね。この会見後の10月に、東京で暴排条例が施行されて、今ではすべての都道府県で条例ができています。

 こうなってしまったら、生活のために危険ドラッグや覚醒剤の密売、あるいは「オレオレ詐欺」をやるしかなくなりますよ。それに、条例の内容は自治体によって若干違うそうですが、だいたいは「ヤクザをやめてから5年以上たたないと、カタギとは認めない」的な決まりがあります。この5年間は、どうやって生活しろというのでしょうね。それに、5年後すぐに「カタギ」と認められる保証はありません。何かあれば必ず「元暴力団員」と報道されるでしょうしね。

 行き場を求めてヤクザになった彼らを追い込んだところで、ヤクザ以上に悪くなるのは当然でしょう。でも、「とにかく暴力団を排除しろ」という警察庁の号令に異議を申し立てれば、「ヤクザと関係があるのか?」と思われてしまいますから、政治家さんもお役人さんも「言いづらい」のだそうです。まあ、お気持ちはわかりますが、これからは、ますますヤクザは見えにくい存在、つまりマフィア的になっていくでしょう。

覚醒剤よりヤバい! ヤクザが「危険ドラッグは危険」と言う理由

 最近、危険ドラッグにまつわる事件が、また目立ってきましたね。しばらく見ない印象でしたが、ニュースの見出しだけでも「危険ドラッグを自宅で製造し密売、男逮捕」「京都新聞記者を逮捕 危険ドラッグ所持の疑いで」「東邦大病院の看護師を危険ドラッグ密輸容疑で告発」「危険ドラッグ密輸 青森市職員 起訴」などなど、すごいですね。

 特に、50代のTBS幹部社員がホテルで「30代知人女性」に危険ドラッグを「嗅がせよう」として、誤って顔にかけてしまい、赤く腫れたという事件には驚きましたね。おそらくは覚醒剤と成分が似ているといわれる「アロマリキッド」の類いだと思いますけど、顔が腫れるなんて超粗悪品ですよ。目的は、もちろんキメセクです。

 「ひどーい。こんなの今どきヤクザだってやらないわよね」と、思わずオットの遺影に話しかけてしまいました。

■オットの子分が「危険ドラッグは危険」と言ってます

 これらの報道には、「暴力団」の文字がほとんど見当たりませんでした。関与してないのではなく、バレないように巧妙に存在を消しているのだと思います。

 たとえば、危険ドラッグの製造密売で逮捕された30代男性は「派遣社員」でした。中国から安い指定薬物を密輸しようとして税関に見つかり、警察に通報されたそうです。ほかも、看護師や地方公務員ですから、「暴力団」との関係は一見薄そうですね。でも、関係ないわけがありません。ちなみに看護師さんと結婚してるヤクザは結構いるんですが、その話はまた。

 「危険ドラッグは儲かる」ということで、手を出しているヤクザは多いです。「覚醒剤と違ってテキトーに作れて、高く売れます」と、オットの若い衆も言っていました。銘柄としては「ラッシュ」が有名ですけど、同じ「ラッシュ」でも内容はバラバラなのだそうです。

 危険ドラッグは、大麻やそれに近い幻覚作用のある「ハーブ」に、薬局で売ってるカフェインや乾燥剤、さらには粉ワサビや洗剤、殺虫剤といった「舌に刺激を感じるもの」や「悪酔いするもの」などを混ぜた液体をスプレーして、もんで乾かすのが主流です。「問題は、『同じもの』をリクエストされた時ッスねー。テキトーに作ってるから、再現できないス」と笑っていた若い衆は、現在はカタギになって道路工事をしています。私のオットは指を詰めさせなかったので、社会復帰はしやすいと思います(ちょっと自慢)。

 ちなみに別の若い衆からは「姐さん、危険ドラッグだけはやったらダメですよ。シャブのほうがいいですよ」と言われたこともあります。「ほどほどにしときなさいよ」と言っておきましたが、「若い人たちはなんでもアリだなあ」と、極妻の私ですら思いました。

 これほど危険ドラッグの密売が盛んに行われているのは、「暴力団対策基本法」(暴対法)よりも「暴力団排除条例」(暴排条例)の影響が大きいと思います。「暴力団員」だけでなく、その家族や友達も排除する条例で、ほとんどのヤクザや周辺者が正業(土木や産廃、飲食関係が多いです)から排除されてしまいました。

 そういえば、2011年夏に突然、島田紳助さんが泣きながら記者会見して、「暴力団と交際していました」と謝ったのをご記憶の方も多いと思いますが、「ヤクザと付き合ったら芸能界追放」みたいなルールなんですね。この会見後の10月に、東京で暴排条例が施行されて、今ではすべての都道府県で条例ができています。

 こうなってしまったら、生活のために危険ドラッグや覚醒剤の密売、あるいは「オレオレ詐欺」をやるしかなくなりますよ。それに、条例の内容は自治体によって若干違うそうですが、だいたいは「ヤクザをやめてから5年以上たたないと、カタギとは認めない」的な決まりがあります。この5年間は、どうやって生活しろというのでしょうね。それに、5年後すぐに「カタギ」と認められる保証はありません。何かあれば必ず「元暴力団員」と報道されるでしょうしね。

 行き場を求めてヤクザになった彼らを追い込んだところで、ヤクザ以上に悪くなるのは当然でしょう。でも、「とにかく暴力団を排除しろ」という警察庁の号令に異議を申し立てれば、「ヤクザと関係があるのか?」と思われてしまいますから、政治家さんもお役人さんも「言いづらい」のだそうです。まあ、お気持ちはわかりますが、これからは、ますますヤクザは見えにくい存在、つまりマフィア的になっていくでしょう。

現役2世議員に覚せい剤使用のウワサ! 国会議員は「不逮捕特権」で逮捕されない!?

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 本当にいいニュースのない昨今ですが、のりピーこと酒井法子さんの元夫の高相祐一被告が、危険ドラッグを所持・使用していたとして、懲役1年の実刑判決(求刑懲役1年6カ月)を言い渡されました。たとえどんなに立派な業績があっても、「違法薬物をやっている」となったら、社会的信用は一気に失うのに、なんで手を出すんでしょうね。

 でも、そういう人は芸能界だけではなくて、残念ながら議員にもいます。

■与党の某2世議員の「覚せい剤使用疑惑」

 最近では昨年、トップ当選していた神奈川県葉山町議会の細川慎一議員が覚せい剤の使用で逮捕されて有罪判決を受けていますし、2005年にはコバケンこと小林憲司衆議院議員が、やはり覚せい剤の使用で秘書らとともに有罪判決を受け、民主党を除籍されています。

 実は神澤もけっこうツラい日々なんですが、どんなにツラくても、違法薬物には手を出そうとは思いません。

 そして、また今、与党の某2世議員の「覚せい剤使用疑惑」による逮捕が間近だというウワサでもちきりです。事情に詳しい医師でもある国会議員の話では、その議員の覚せい剤の入手ルートは2つあり、そのうちの1つはもう解明されているとか。そもそもは、この議員の「ある会合」での「大失態」が疑惑の発端のとのことでしたが、まだ逮捕されたわけではないので、伏せておきますね。

■政権に与える打撃は相当なもの

 すでに一部のマスメディアもこの情報を追っているようですが、現職の国会議員には、憲法50条に定める「不逮捕特権」というものがあります。会期中に議員を逮捕するには、国会法33条により所属議院の許諾が必要とされます。もちろん現行犯逮捕は例外ですので、実際に覚せい剤を購入・使用している現場を押さえられた場合などは逮捕されます。

 会期中に「疑惑」が生じた場合は在宅で事情聴取を行うのが通例ですが、鈴木宗男衆議院議員が、北海道の地元業者からワイロを受け取った容疑で逮捕・起訴された汚職事件、いわゆる「ムネオ疑惑」の持ち上がった2002年には、実際に鈴木議員に許諾請求が行われ、可決後に同議員は逮捕されました。

 ちなみに05年には自民党の中西一善衆議院議員が女性に抱きついて強制わいせつの疑いで現行犯逮捕されましたが、示談が成立したため、起訴はされませんでした。

 今疑惑の目が向けられている2世議員は、身の危険を察知しているようで、少なくとも会期中にまた覚せい剤を使用することはないだろうというのが、大方の予想です。なので、神澤も、逮捕まではないんじゃないかと思っています。でも、証拠写真などを週刊誌が入手している場合は、「疑惑」として大々的に報道されるでしょうね。なにしろ与党議員のスキャンダルですから、安倍政権に与える打撃は相当なものだと想像できます。

 すでに大阪では夜の街を中心にかなり有名な話だそうで、どうなるか気になりますね。安倍晋三首相の森友学園問題などもありますから、もしかすると引責で衆議院解散もあるかもしれません。選挙になったら、もちろん、しわ寄せは私たち秘書に来ます。また激務モードになるので、今のうちに睡眠時間を確保しておこうか、と秘書仲間と話しています。

現役2世議員に覚せい剤使用のウワサ! 国会議員は「不逮捕特権」で逮捕されない!?

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 本当にいいニュースのない昨今ですが、のりピーこと酒井法子さんの元夫の高相祐一被告が、危険ドラッグを所持・使用していたとして、懲役1年の実刑判決(求刑懲役1年6カ月)を言い渡されました。たとえどんなに立派な業績があっても、「違法薬物をやっている」となったら、社会的信用は一気に失うのに、なんで手を出すんでしょうね。

 でも、そういう人は芸能界だけではなくて、残念ながら議員にもいます。

■与党の某2世議員の「覚せい剤使用疑惑」

 最近では昨年、トップ当選していた神奈川県葉山町議会の細川慎一議員が覚せい剤の使用で逮捕されて有罪判決を受けていますし、2005年にはコバケンこと小林憲司衆議院議員が、やはり覚せい剤の使用で秘書らとともに有罪判決を受け、民主党を除籍されています。

 実は神澤もけっこうツラい日々なんですが、どんなにツラくても、違法薬物には手を出そうとは思いません。

 そして、また今、与党の某2世議員の「覚せい剤使用疑惑」による逮捕が間近だというウワサでもちきりです。事情に詳しい医師でもある国会議員の話では、その議員の覚せい剤の入手ルートは2つあり、そのうちの1つはもう解明されているとか。そもそもは、この議員の「ある会合」での「大失態」が疑惑の発端のとのことでしたが、まだ逮捕されたわけではないので、伏せておきますね。

■政権に与える打撃は相当なもの

 すでに一部のマスメディアもこの情報を追っているようですが、現職の国会議員には、憲法50条に定める「不逮捕特権」というものがあります。会期中に議員を逮捕するには、国会法33条により所属議院の許諾が必要とされます。もちろん現行犯逮捕は例外ですので、実際に覚せい剤を購入・使用している現場を押さえられた場合などは逮捕されます。

 会期中に「疑惑」が生じた場合は在宅で事情聴取を行うのが通例ですが、鈴木宗男衆議院議員が、北海道の地元業者からワイロを受け取った容疑で逮捕・起訴された汚職事件、いわゆる「ムネオ疑惑」の持ち上がった2002年には、実際に鈴木議員に許諾請求が行われ、可決後に同議員は逮捕されました。

 ちなみに05年には自民党の中西一善衆議院議員が女性に抱きついて強制わいせつの疑いで現行犯逮捕されましたが、示談が成立したため、起訴はされませんでした。

 今疑惑の目が向けられている2世議員は、身の危険を察知しているようで、少なくとも会期中にまた覚せい剤を使用することはないだろうというのが、大方の予想です。なので、神澤も、逮捕まではないんじゃないかと思っています。でも、証拠写真などを週刊誌が入手している場合は、「疑惑」として大々的に報道されるでしょうね。なにしろ与党議員のスキャンダルですから、安倍政権に与える打撃は相当なものだと想像できます。

 すでに大阪では夜の街を中心にかなり有名な話だそうで、どうなるか気になりますね。安倍晋三首相の森友学園問題などもありますから、もしかすると引責で衆議院解散もあるかもしれません。選挙になったら、もちろん、しわ寄せは私たち秘書に来ます。また激務モードになるので、今のうちに睡眠時間を確保しておこうか、と秘書仲間と話しています。

現役2世議員に覚せい剤使用のウワサ! 国会議員は「不逮捕特権」で逮捕されない!?

 国会議員秘書歴20年以上の神澤志万です。

 本当にいいニュースのない昨今ですが、のりピーこと酒井法子さんの元夫の高相祐一被告が、危険ドラッグを所持・使用していたとして、懲役1年の実刑判決(求刑懲役1年6カ月)を言い渡されました。たとえどんなに立派な業績があっても、「違法薬物をやっている」となったら、社会的信用は一気に失うのに、なんで手を出すんでしょうね。

 でも、そういう人は芸能界だけではなくて、残念ながら議員にもいます。

■与党の某2世議員の「覚せい剤使用疑惑」

 最近では昨年、トップ当選していた神奈川県葉山町議会の細川慎一議員が覚せい剤の使用で逮捕されて有罪判決を受けていますし、2005年にはコバケンこと小林憲司衆議院議員が、やはり覚せい剤の使用で秘書らとともに有罪判決を受け、民主党を除籍されています。

 実は神澤もけっこうツラい日々なんですが、どんなにツラくても、違法薬物には手を出そうとは思いません。

 そして、また今、与党の某2世議員の「覚せい剤使用疑惑」による逮捕が間近だというウワサでもちきりです。事情に詳しい医師でもある国会議員の話では、その議員の覚せい剤の入手ルートは2つあり、そのうちの1つはもう解明されているとか。そもそもは、この議員の「ある会合」での「大失態」が疑惑の発端のとのことでしたが、まだ逮捕されたわけではないので、伏せておきますね。

■政権に与える打撃は相当なもの

 すでに一部のマスメディアもこの情報を追っているようですが、現職の国会議員には、憲法50条に定める「不逮捕特権」というものがあります。会期中に議員を逮捕するには、国会法33条により所属議院の許諾が必要とされます。もちろん現行犯逮捕は例外ですので、実際に覚せい剤を購入・使用している現場を押さえられた場合などは逮捕されます。

 会期中に「疑惑」が生じた場合は在宅で事情聴取を行うのが通例ですが、鈴木宗男衆議院議員が、北海道の地元業者からワイロを受け取った容疑で逮捕・起訴された汚職事件、いわゆる「ムネオ疑惑」の持ち上がった2002年には、実際に鈴木議員に許諾請求が行われ、可決後に同議員は逮捕されました。

 ちなみに05年には自民党の中西一善衆議院議員が女性に抱きついて強制わいせつの疑いで現行犯逮捕されましたが、示談が成立したため、起訴はされませんでした。

 今疑惑の目が向けられている2世議員は、身の危険を察知しているようで、少なくとも会期中にまた覚せい剤を使用することはないだろうというのが、大方の予想です。なので、神澤も、逮捕まではないんじゃないかと思っています。でも、証拠写真などを週刊誌が入手している場合は、「疑惑」として大々的に報道されるでしょうね。なにしろ与党議員のスキャンダルですから、安倍政権に与える打撃は相当なものだと想像できます。

 すでに大阪では夜の街を中心にかなり有名な話だそうで、どうなるか気になりますね。安倍晋三首相の森友学園問題などもありますから、もしかすると引責で衆議院解散もあるかもしれません。選挙になったら、もちろん、しわ寄せは私たち秘書に来ます。また激務モードになるので、今のうちに睡眠時間を確保しておこうか、と秘書仲間と話しています。

知られざる女子刑務所ライフ 元女囚が明かす厳しい実態

 覚せい剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る。刑務所や拘置所など刑事収容施設への差し入れ代行業でテレビ出演し話題になった中野さんは、現在、大阪・堺でラウンジを経営、収容者や家族の相談に乗っているほか、日本財団による元収容者の就労支援策「職親(しょくしん)プロジェクト」にも携わっている。

■後悔をムダにしないために

 はじめまして、中野瑠美です。ムショ帰りを隠さず、むしろ同じようなつらさを抱えた人たちに寄り添いたいと思って、会社を作ったり、覚せい剤についてメディアにコメントしたりしています。そして、おかげさまで2016年春には念願のラウンジを故郷の堺にオープンできました。実は逮捕される前にも経営していたのですが、懲役ですべてがダメになってしまったのです。

 本当に、愚かなことをしました。なので、この私の経験をムダにしないために、いろいろな形で情報を発信していきたいと思っています。もちろん刑務所には入らないほうがいいに決まってますが、読者の皆様が万が一の際には「経験者」としてなんでも相談に乗りますので、お気軽にご連絡ください(笑)。

 では、そもそも刑務所とは、どんなところなのでしょうか? 第1回はそんなお話から始めたいと思います。

■そもそも「刑務所」とは?

 刑務所とか拘置所という名前は皆さんも耳にすることがあるでしょうが、違いなどはご存じないと思います。まず、覚せい剤や傷害などの「刑事事件」で警察に逮捕されると、警察署の留置場に留置されます。そして、取り調べの後に起訴されると拘置所、そして、刑が確定すると刑務所に収容されます。

 拘置所までは刑が確定していないので、「未決囚」としてわりに自由な生活が送れます。もちろん「看守」に見張られてはいますが、ジャージなどの私服がOKで、差し入れ屋さんでお菓子やお弁当、雑誌なども買えます。面会や手紙も毎日1回ずつ許され、工場などでの労働(刑務作業)もありません。同じ部屋(8人くらい)の人と大笑いしながら話もできますから、「いじめ」とかに遭っていない限り、楽しく過ごせる場所です。

 もちろん規則は厳しいです。お化粧はダメですし、首吊り自殺をしないようにパーカーやスウェットパンツのヒモを外すとか、ショーツはレースつきやTバックなど華美なものはダメなどの決まりがあります。最近ではラインストーンやボタンがついた下着、短すぎる短パンなどもダメですね。

 また、手紙を書いたり、ものを買ったりするのは基本的に「願箋」(がんせん)という用紙に必要事項を記入します。これがめんどくさいです。字が汚いと却下されることもあります。薬を飲む場合も、いちいち願箋に書いて飲むところを確認されます。飲んだフリをして溜めておいて、一気に飲んで自殺を図ることもあるからなのだそうです。

 そして、刑務所は拘置所と比べものにならないくらい何をするにも、とにかく「不自由」です。刑が確定して「既決囚」になると、舎房着(いわゆる囚人服)を着せられ、男性は丸刈りにされます。手紙や面会も、多くて月に4回程度になります。手紙を出す相手も、関係をしつこく聞かれたうえで「許可」か「不許可」が決まります。そして、許可をもらっていないのに勝手な行動をしたら、一瞬で「調査&懲罰の対象」になります。

 1日8時間は無言で「刑務作業」ですから、おしゃべりもできません。面会も許可されている人としかできないので、情報交換も次第にできなくなって、「浦島太郎」となっていきます。

■人殺しから万引まで一緒

 こうした規則の厳しさは、男性の刑務所とそんなに変わりません。男性との大きな違いは、人数ですね。『犯罪白書』(平成27年)によると、男性の既決囚約5万人に対して、女性は約5,000人と、10分の1くらいだそうです。ですから、女子刑務所の数は少なく、男性のように「LB」(累犯の長期受刑)などの区分もありません。人殺しから万引常習者まで、みんな一緒です。ちなみに一番多いのはナント「覚せい剤」関連です。自分で使ったり、バイ(密売)やバイ目的の所持ですね。

 刑務作業を行う工場は「初犯」と「累犯」に分けられ、さらに通称「モタ工」(モタモタ工場の略)という高齢者や障がい者向けの軽作業のグループもあります。「モタ工」は男女共通で、差別語かもしれませんが、刑務所では普通に使われています。このほか調理や高齢の収容者の介護などの担当もありますが、これは誰でもできるわけではなく、品行方正で真面目な人が担当します。堀江貴文さんや鈴木宗男さんなどは高齢者の介護を担当されていたそうですね。

 そして、初犯の工場のほうが、むしろ厳しくされます。「つらい仕打ちに耐えて、二度と戻ってこないように」という刑務官の親心なのかもしれませんが、この私でさえ、つらくて死にたくなったことがあるほどです。累犯のほうは、「また戻ってきたの? しゃあないなあ」って感じで、なれ合いすら感じます。いずれにしろ「きちんと更生しよう」という気持ちになれるシチュエーションではないですね。少なくとも、ムショは反省するところではないです。いわゆる模範囚も「早く仮出所したい」や「お菓子が食べたい」(問題を起こさないでいると、仮出所の審査の時に有利だったり、お菓子の購入や面会・手紙回数の増加などのご褒美があるんです)とか、そんな下心しかありません。

 懲役とは、簡単に言うと「働く」ことなので、基本的にこうした工場が生活の中心となります。寝起きする舎房も、工場のメンバーと一緒です。舎房ではケンカあり、イジメあり、笑いあり、涙ありと、いろいろあって面白いのですが、もう戻りたくはないです。では、続きはまたお話しします。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。
経営するラウンジ「祭(まつり)」  

高知東生が覚せい剤と一緒に大麻をやっていた理由 医療にも使われる植物の効果と危険性

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矢部武氏

 覚せい剤4gと大麻1.3gの所持と使用容疑で逮捕された高知東生被告の初公判が8月31日、東京地裁にて開かれる。所持量の多さと、同時に2種類を持っていたことにより、常習性が疑われている。なお、大麻については、7月の参議院選挙で新党改革から出馬した高樹沙耶氏が医療大麻解禁を公約に掲げていた。大麻とは覚せい剤同様に人を惑わす危険なものなのか、人を救う可能性を秘めた神様からの贈り物なのか。『大麻解禁の真実』(宝島社)の著者・矢部武氏に、大麻と覚せい剤の違い、また医療面での可能性を聞いた。

■覚せい剤と大麻の違い

――そもそも覚せい剤と大麻は、何が違うのでしょうか?

矢部武氏(以下、矢部) まず、覚せい剤はメタンフェタミンを主成分にした薬物であり、中枢神経を刺激し、神経伝達系のドーパミンの分泌を高めます。一言でいうと、元気になって24時間働き続けることができるんですね。ヘロイン、コカインと同様に耐性があり、常用すると効果が薄れてくるため、いつの間にか使用量が増え、過剰摂取で死に至る危険性もあります。1893年に日本人の薬学者・長井長義が合成に成功しており、長年、日本に蔓延しています。依存性が非常に高く、一度逮捕されても再犯率の高いことも特徴です。自分の力だけでは依存症から脱出するのは難しいのですが、日本には治療施設が少ないことも問題となっています。

 一方、大麻は植物です。葉と花の部分を乾燥させたマリファナ、葉や茎から採取した樹脂を固めたハシシの2種類があり、パイプなどで吸引します。気分がリラックスしてハイになり、多幸感があるのが特徴です。依存性は低く、カフェインと同程度。大量に摂取しても、死に至ることはありません。

――高知東生被告は、覚せい剤と大麻を所持・使用していました。興奮系の覚せい剤と、抑制する大麻を同時に使う理由とは、なんでしょうか?

矢部 高知被告がどれだけ理解していたかは疑問ですが、カリフォルニア大学バークレー校のアマンダ・レイマン博士は、大麻が覚せい剤依存症者の治療に役立つのではないかという研究を行っています。依存症者は薬が切れると「早くクスリを使え」という幻聴が現れるなど、脳の指令によって体が薬物を渇望するのですが、大麻を吸うと症状が落ち着き、幻聴がなくなるそうです。

 現在、研究は進行中なのですが、ハードドラッグ常習者が薬物を断ち切るために、一時的に依存性の低い大麻を使用することで回復できるのではないかと期待されています。高知容疑者がそれを知っていたかはわかりませんが、所持量から推察するに常習していたでしょうから、大麻の効果を体で知っていて、使い分けをしていたのかもしれません。

■暴走する危険ドラッグ

――相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件では、容疑者が大麻を所持していたという報道がありました。大麻と事件は関係があると思いますか?

矢部 一部には大麻使用と殺傷事件を関連づけた報道もありましたが、それは考えにくいですね。大麻を摂取すると暴力的な衝動は鈍くなり、ハイになって気持ちよく笑っている感じだと思います。もし犯行に関係があるとすれば、危険ドラッグなのではないでしょうか? 容疑者は、危険ドラッグも常用していたと報じられていました。危険ドラッグに含まれる合成カンナビノイドは大麻と似た成分ですが、ほかにさまざまな有害成分が混ざっているため、本物の大麻よりはるかに有害で危険です。意識障害、呼吸困難、痙攣などに襲われ、錯乱状態に陥り、多臓器不全で死に至るケースもあります。2014年の池袋暴走事件を起こした男も、これを使用していました。

■医療大麻は危険なのか?

――7月25日に亡くなった末期がん患者の山本正光さんは、治療のための大麻使用で逮捕され、公判で医療大麻の使用を認めるよう求めていました。また、今夏の参院選に新党改革から出馬した高樹沙耶氏は、医療大麻の解禁を公約に掲げていました。海外では医療大麻の使用を認める動きもあるようですが、医療大麻は、いわゆる嗜好品としての大麻とは、どのように違うのでしょうか?

矢部 本質的には同じものですが、用途が異なります。アメリカでは1996年にカリフォルニア州で医療大麻が合法化されました。現在25州、アメリカ全土の約半数が医療大麻を合法化しています。大麻には抗炎症・鎮痛作用があり、緑内障、リウマチ、多発性硬化症、てんかんの治療に用いられています。また現行の医薬品よりも副作用が少ないと判明しています。大麻を吸引することに抵抗がある高齢の方などは、クッキーやドリンクにして摂取しているようです。

――医療大麻が、それ以外の用途のために流出するという危険性はないのでしょうか?

矢部 全くないとは言い切れませんが、アメリカでは栽培者、販売者、使用者を登録制にして管理しています。さらに娯楽用大麻も4州が合法化、18州が非犯罪化しています。非犯罪化というのは、1オンス(約28g)以下の個人的な所持は交通違反程度の罰則で、逮捕・収監されることはありません。

――医療大麻に、副作用や毒性はないのでしょうか?

矢部 前述した通り、覚せい剤と比較すると、依存性、中毒性が軽微です。さらに、タバコのニコチンよりも、依存性がずっと低いんですね。注意すべきは、大麻を摂取すると軽い運動程度の心拍の上昇があるため、心臓に問題のある方は避けたほうがいいでしょう。またこれも研究段階ですが、未成年の脳には影響を与える可能性があるため、娯楽用を解禁しているアメリカのコロラド州でも21歳未満は使用を禁止しています。また動作が鈍くなるため、車の運転も避けたほうがいいでしょう。未成年禁止、服用時の運転も禁止というのは、アルコールに似ていますよね。娯楽用を解禁している州では、一定のルール内で使用すれば問題はないと考えられています。

■大麻は高齢化社会の希望?

――アメリカ以外で、医療用大麻を推進している国はありますか?

矢部 イスラエル政府が、医療用大麻の研究を支援しています。1960年代にヘブライ大学のラファエル・メコーラム教授(医療化学博士)が大麻から精神活性作用のあるTHC(テトラヒドロカンナビノール)を抽出し、同大学のルース・ガリリー名誉教授(免疫学博士)がCBD(カンナビジオール)に抗炎症性や抗不安作用があることを発見しました。

 現在は、THCの含有率が低くCBDが多い、医療向けの品種の改良が進んでいます。また、高齢者特有の関節炎、不眠、食欲不振、痙攣などに、現行の医療では何種類もの薬を大量に飲む必要がありますが、イスラエルの老人ホームで医療大麻を導入したところ、処方薬がほとんど必要なくなったそうです。超高齢化社会を迎える日本において、高齢者のQOL(生活の質)や医療コスト削減の面でも、参考になるケースです。

――アメリカでは今後、すべての州で医療大麻が導入される流れになるのでしょうか?

矢部 その方向で進んでいます。オバマ大統領も、この問題に対して前向きに取り組んでいます。医療大麻は連邦法では禁止されていますが、このまま合法化する州が増えていけば、連邦レベルの合法化もあり得ると思います。また、11月の選挙ではカリフォルニア州で娯楽用大麻の合法化案が住民投票にかけられますが、それが可決されると、医療用・娯楽用を含め、大麻解禁の流れが一気に進むでしょうね。

 日本においては、1996年にカリフォルニア州で医療大麻が合法化された直後に厚生労働省の担当者に取材した際は、連邦法が改正されたら日本でも検討することになるかもしれないとコメントしていたのですが、最近ではその可能性が出てきたためか、逆に慎重な姿勢を見せています。日本でも戦前は、大麻の使用は認められていたわけですし、まずは議論を深めていくことが、医療大麻導入の第一段階になるでしょう。
(松田美保)

高知東生が覚せい剤と一緒に大麻をやっていた理由 医療にも使われる植物の効果と危険性

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矢部武氏

 覚せい剤4gと大麻1.3gの所持と使用容疑で逮捕された高知東生被告の初公判が8月31日、東京地裁にて開かれる。所持量の多さと、同時に2種類を持っていたことにより、常習性が疑われている。なお、大麻については、7月の参議院選挙で新党改革から出馬した高樹沙耶氏が医療大麻解禁を公約に掲げていた。大麻とは覚せい剤同様に人を惑わす危険なものなのか、人を救う可能性を秘めた神様からの贈り物なのか。『大麻解禁の真実』(宝島社)の著者・矢部武氏に、大麻と覚せい剤の違い、また医療面での可能性を聞いた。

■覚せい剤と大麻の違い

――そもそも覚せい剤と大麻は、何が違うのでしょうか?

矢部武氏(以下、矢部) まず、覚せい剤はメタンフェタミンを主成分にした薬物であり、中枢神経を刺激し、神経伝達系のドーパミンの分泌を高めます。一言でいうと、元気になって24時間働き続けることができるんですね。ヘロイン、コカインと同様に耐性があり、常用すると効果が薄れてくるため、いつの間にか使用量が増え、過剰摂取で死に至る危険性もあります。1893年に日本人の薬学者・長井長義が合成に成功しており、長年、日本に蔓延しています。依存性が非常に高く、一度逮捕されても再犯率の高いことも特徴です。自分の力だけでは依存症から脱出するのは難しいのですが、日本には治療施設が少ないことも問題となっています。

 一方、大麻は植物です。葉と花の部分を乾燥させたマリファナ、葉や茎から採取した樹脂を固めたハシシの2種類があり、パイプなどで吸引します。気分がリラックスしてハイになり、多幸感があるのが特徴です。依存性は低く、カフェインと同程度。大量に摂取しても、死に至ることはありません。

――高知東生被告は、覚せい剤と大麻を所持・使用していました。興奮系の覚せい剤と、抑制する大麻を同時に使う理由とは、なんでしょうか?

矢部 高知被告がどれだけ理解していたかは疑問ですが、カリフォルニア大学バークレー校のアマンダ・レイマン博士は、大麻が覚せい剤依存症者の治療に役立つのではないかという研究を行っています。依存症者は薬が切れると「早くクスリを使え」という幻聴が現れるなど、脳の指令によって体が薬物を渇望するのですが、大麻を吸うと症状が落ち着き、幻聴がなくなるそうです。

 現在、研究は進行中なのですが、ハードドラッグ常習者が薬物を断ち切るために、一時的に依存性の低い大麻を使用することで回復できるのではないかと期待されています。高知容疑者がそれを知っていたかはわかりませんが、所持量から推察するに常習していたでしょうから、大麻の効果を体で知っていて、使い分けをしていたのかもしれません。

■暴走する危険ドラッグ

――相模原市の障害者施設「津久井やまゆり園」で起きた殺傷事件では、容疑者が大麻を所持していたという報道がありました。大麻と事件は関係があると思いますか?

矢部 一部には大麻使用と殺傷事件を関連づけた報道もありましたが、それは考えにくいですね。大麻を摂取すると暴力的な衝動は鈍くなり、ハイになって気持ちよく笑っている感じだと思います。もし犯行に関係があるとすれば、危険ドラッグなのではないでしょうか? 容疑者は、危険ドラッグも常用していたと報じられていました。危険ドラッグに含まれる合成カンナビノイドは大麻と似た成分ですが、ほかにさまざまな有害成分が混ざっているため、本物の大麻よりはるかに有害で危険です。意識障害、呼吸困難、痙攣などに襲われ、錯乱状態に陥り、多臓器不全で死に至るケースもあります。2014年の池袋暴走事件を起こした男も、これを使用していました。

■医療大麻は危険なのか?

――7月25日に亡くなった末期がん患者の山本正光さんは、治療のための大麻使用で逮捕され、公判で医療大麻の使用を認めるよう求めていました。また、今夏の参院選に新党改革から出馬した高樹沙耶氏は、医療大麻の解禁を公約に掲げていました。海外では医療大麻の使用を認める動きもあるようですが、医療大麻は、いわゆる嗜好品としての大麻とは、どのように違うのでしょうか?

矢部 本質的には同じものですが、用途が異なります。アメリカでは1996年にカリフォルニア州で医療大麻が合法化されました。現在25州、アメリカ全土の約半数が医療大麻を合法化しています。大麻には抗炎症・鎮痛作用があり、緑内障、リウマチ、多発性硬化症、てんかんの治療に用いられています。また現行の医薬品よりも副作用が少ないと判明しています。大麻を吸引することに抵抗がある高齢の方などは、クッキーやドリンクにして摂取しているようです。

――医療大麻が、それ以外の用途のために流出するという危険性はないのでしょうか?

矢部 全くないとは言い切れませんが、アメリカでは栽培者、販売者、使用者を登録制にして管理しています。さらに娯楽用大麻も4州が合法化、18州が非犯罪化しています。非犯罪化というのは、1オンス(約28g)以下の個人的な所持は交通違反程度の罰則で、逮捕・収監されることはありません。

――医療大麻に、副作用や毒性はないのでしょうか?

矢部 前述した通り、覚せい剤と比較すると、依存性、中毒性が軽微です。さらに、タバコのニコチンよりも、依存性がずっと低いんですね。注意すべきは、大麻を摂取すると軽い運動程度の心拍の上昇があるため、心臓に問題のある方は避けたほうがいいでしょう。またこれも研究段階ですが、未成年の脳には影響を与える可能性があるため、娯楽用を解禁しているアメリカのコロラド州でも21歳未満は使用を禁止しています。また動作が鈍くなるため、車の運転も避けたほうがいいでしょう。未成年禁止、服用時の運転も禁止というのは、アルコールに似ていますよね。娯楽用を解禁している州では、一定のルール内で使用すれば問題はないと考えられています。

■大麻は高齢化社会の希望?

――アメリカ以外で、医療用大麻を推進している国はありますか?

矢部 イスラエル政府が、医療用大麻の研究を支援しています。1960年代にヘブライ大学のラファエル・メコーラム教授(医療化学博士)が大麻から精神活性作用のあるTHC(テトラヒドロカンナビノール)を抽出し、同大学のルース・ガリリー名誉教授(免疫学博士)がCBD(カンナビジオール)に抗炎症性や抗不安作用があることを発見しました。

 現在は、THCの含有率が低くCBDが多い、医療向けの品種の改良が進んでいます。また、高齢者特有の関節炎、不眠、食欲不振、痙攣などに、現行の医療では何種類もの薬を大量に飲む必要がありますが、イスラエルの老人ホームで医療大麻を導入したところ、処方薬がほとんど必要なくなったそうです。超高齢化社会を迎える日本において、高齢者のQOL(生活の質)や医療コスト削減の面でも、参考になるケースです。

――アメリカでは今後、すべての州で医療大麻が導入される流れになるのでしょうか?

矢部 その方向で進んでいます。オバマ大統領も、この問題に対して前向きに取り組んでいます。医療大麻は連邦法では禁止されていますが、このまま合法化する州が増えていけば、連邦レベルの合法化もあり得ると思います。また、11月の選挙ではカリフォルニア州で娯楽用大麻の合法化案が住民投票にかけられますが、それが可決されると、医療用・娯楽用を含め、大麻解禁の流れが一気に進むでしょうね。

 日本においては、1996年にカリフォルニア州で医療大麻が合法化された直後に厚生労働省の担当者に取材した際は、連邦法が改正されたら日本でも検討することになるかもしれないとコメントしていたのですが、最近ではその可能性が出てきたためか、逆に慎重な姿勢を見せています。日本でも戦前は、大麻の使用は認められていたわけですし、まずは議論を深めていくことが、医療大麻導入の第一段階になるでしょう。
(松田美保)

「ムショには反省してない連中もいます」逮捕された元警部が語る、覚せい剤の誘惑と刑務所生活

<p> 2002年夏、北海道警察の現職警部が覚せい剤取締法違反(使用、所持)などで逮捕されるという前代未聞の「大事件」が起こった。逮捕されたのは、稲葉圭昭(よしあき)警部(当時48歳)。一審で懲役9年・罰金160万円の刑が確定、服役した稲葉氏は、2010年6月に仮出所した。翌11年10月には『恥さらし 北海道警 悪徳刑事の告白』(講談社)を出版、自らの罪と北海道警察の闇を綴って再び注目された。同書が綾野剛主演で映画化され、『日本で一番悪い奴ら』というタイトルで6 月25日から公開される。公開を前に稲葉氏に覚せい剤の誘惑や刑務所での生活について聞いた。</p>