秋篠宮家バッシングなぜ過熱? 眞子さまと小室圭さん、結婚騒動の今を皇室ウォッチャー解説

 5月1日、新しい天皇が即位し、「令和」の時代が開幕した。日本国民は祝福ムードに包まれているが、一方で、昨年から続く秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭さんの結婚延期問題が、平成のうちに決着しなかったことを問題視する向きもある。当初は、借金トラブルを隠していた小室さん側に国民の批判が集中していたものの、最近では、眞子さま、ひいては秋篠宮家バッシングも盛んになる中、この現状を皇室ウォッチャーX氏はどう見ているのか、話を聞いた。

――眞子さまと小室圭さんの結婚延期騒動がなかなか決着を見せず、世間では双方へのバッシングが吹き荒れています。

皇室ウォッチャーX氏(以下、X) 当初は借金トラブルを抱える小室家への批判が吹き荒れていましたが、今ではそんな圭さんと眞子さまのご結婚を許可した秋篠宮ご夫妻に対する批判に切り替わっている印象です。「小室家の借金トラブルを、きちんと調査をしていればよかったのに」という意見もあります。さらに、眞子さまが圭さんを結婚相手に選んだのは、秋篠宮家の「自由な家風」による教育の影響ではないかという批判も起こっているのではないでしょうか。

――世間の批判の矛先が、秋篠宮ご夫妻に向いたきっかけはありましたか。

X 「圭さんのアメリカ留学」ではないでしょうか。昨年8月に国際弁護士の資格取得を理由に、圭さんは3年間のアメリカ留学に発ちました。もちろん、この謎の留学に対しても批判は起こりましたが、圭さんが日本からいなくなったことにより、週刊誌も彼の取材を行うのが困難になったようで、近影はおろかニュース自体が減ってしまったのです。同時に、圭さんの母親・佳代さんもまったく姿を現さなくなりましたから。そんな中、秋篠宮家の方々がご公務を行う様子などは変わらず報じられていましたので、自然と批判の矛先が秋篠宮家に変わってしまったのだと考えます。

 もう一つ、これは「きっかけ」ではないですが、結婚延期から1年以上たったのにもかかわらず、秋篠宮ご夫妻が具体的な行動を取っていないのも、批判が起こった「理由」だと思います。かろうじて、昨年秋篠宮さまが、お誕生日会見で踏み込んだ発言をされたものの、事態はほとんど動いていない。そんなもやもやとした状況に国民が業を煮やしたのかもしれませんね。

――ネット上を見ていると、国民は秋篠宮家の方々それぞれに対して、意見や要望を訴えている様子が垣間見えます。

X 秋篠宮さまに対しては、小室家への調査が甘かったことを批判されている印象です。また、破談を望む国民からは「早く小室さんを説得して結婚辞退させてほしい」という意見が聞こえるように思います。紀子さまに関しては、眞子さまとのコミュニケーションが取れていないという週刊誌報道によって、「眞子さまと今以上に、結婚についての話し合いを進めてほしい」との声が上がっているのではないでしょうか。そして、眞子さまに対しては、やはり「なぜこれだけの批判が起こっているのに、皇族というお立場を考慮して結婚を諦めないのか」という批判が目立っています。さらに佳子さまは、最近大学を卒業する際に発表した文書で「姉個人の希望が叶ってほしい」と、眞子さまの結婚を応援するスタンスを取られたことで、一気に集中砲火が起こりました。また、悠仁さまご本人に対する直接的な批判は目立ってありませんが、問題を抱えている秋篠宮家が未来の天皇陛下である悠仁さまをきちんと教育できるのかといった不安の声があると思います。

――もともと皇室ウォッチャーの間で、秋篠宮家はどのようなご家族であるととらえられていたのでしょうか。

X 秋篠宮さまは幼い頃から、お兄様である天皇陛下に比べて、自由奔放なご性格だったように思います。学習院大学で紀子さまと出会われてご結婚したことも、皇族では珍しく「自由な恋愛をされた」と見る向きが強いです。また、ナマズや家禽類のご研究に没頭されていたり、お好きなことをやられている印象もあります。紀子さまは、秋篠宮家の職員への対応が時に厳しくなることがあるそうで、よく人員の入れ替えがあるという話も耳にしました。お出ましの際は、いつもにこやかにされている紀子さまですが、私生活では求めるハードルが高く、カリカリしている印象があります。

――平成のうちには、決着がつくだろうとみられていた結婚延期騒動ですが、結局何の動きもありませんでした。今後、どのような展開を見せると思われますか。

X とりあえず言えることは、今年中は即位関連の儀式が続くので、結婚延期騒動の決着はないでしょう。秋篠宮ご夫妻も、そんな大切な時期に事態を動かそうという思いはないと考えられます。あるとすれば、来年に入って早々、結婚延期が発表されてから2年たった頃なのではないかと思います。宮内庁の発表でも2020年までの延期とされていますし、ちょうど延期から2年たった節目は動きやすいのではないでしょうか。その際は、発表された内容同様に、結婚関連の儀式スケジュールが発表されるのか、もしくは圭さんから結婚の辞退が公表されるのか、もしくはさらなる延期期間を設けるかの3択しかないと思います。令和になっても、まだしばらくは騒動が終わることはないでしょう。

皇后となる雅子さま、「適応障害」は今――「小室圭さんがいい影響与えた」と精神科医が指摘

 5月1日、皇太子さまが新天皇として即位されるのに伴い、雅子さまが皇后となる。日本国民が新しい時代の幕開けに希望を抱きつつ、新たな天皇・皇后に期待を寄せているが、そんな中、今あらためて雅子さまの“病状”に関心が集まっているようだ。

 雅子さまは、2003年12月、体調を崩して宮内庁病院に入院。翌年7月には、精神科医・大野裕医師の診断によって「適応障害」との病名が発表された。その後、雅子さまは、長い療養生活に入り、ご公務や宮中行事を欠席されることが目立つように。また、長女・愛子さまが、学習院初等科での児童同士のトラブルから、体調不良となって学校を欠席されたとか、中等科でも不規則登校が続くとかいったことが起こるたび、雅子さまのメンタル面に心配の声が飛び交ったものだった。

 しかし17年頃から、その病状に関して、「ご快復著しい」と盛んに報道されるように。17年には、泊まりがけで、秋田県の「献血運動推進全国大会」に出席したほか、地方訪問を積極的に行い、昨年1月には、新年恒例の「講書始の儀」に15年ぶりに出席、また同11月にも、園遊会の全工程に15年ぶりに参加されたのだ。こうした雅子さまの変化は、「新皇后へのご自覚の現れ」などと言われているが、一方で、今年1月に行われた「歌会始の儀」は欠席、また2月の天皇皇后両陛下主催の茶会にも姿を見せず、「やはりご体調に波があるのか」「皇后になられることで、病状が悪化する可能性もあるのでは」などと、世間ではささやかれている。

 雅子さまの適応障害は今後どうなると考えられるのか。今回、『一億総他責社会』(イースト・プレス)や『高学歴モンスター~一流大学卒の迷惑な人たち~』(小学館)などの著者である精神科医・片田珠美氏に話を聞いた。

 片田氏はまず、雅子さまが「適応障害」であるとされている点について、こんな疑問を投げかける。

「雅子さまは、適応障害ではなく、『産後うつ』だと思います。産後うつは、妊娠・出産によるホルモンバランスの急激な変化、そして育児不安によって起こる抑うつ状態で、少なくとも10人に1人の割合で発症するとも言われるほど、珍しくない病気なんです。ホルモンバランスの急激な変化は、妊娠・出産した女性全てに起こりますし、育児不安という点に関しては、第1子出産直後に特に多い。愛子さまも、第1子ですし、雅子さまは育児に大きな不安を抱えていたと思います。加えて、雅子さまは完璧主義のように見受けられます。だからこそ、東大からハーバード、そして外交官へという輝かしい経歴を歩んでこられたのでしょうが、育児に関しても百点満点でなければならないと思われたのではないでしょうか。しかも“皇室の姫君”の育児をするわけですから、その重圧は、計り知れないほど大きかったはずです」

 つまり、雅子さまには、「産後うつになりやすい要因がかなりそろっていた」と片田氏。一方で、適応障害は、読んで字の如く「環境に適応できない」せいで、抑うつ気分や不安が生じ、行動面で支障をきたす障害であり、「6カ月くらいで治ることが多い」という。

「基本的に環境に慣れることによって病状は改善するので、雅子さまの場合、03年に体調を崩され、それから16年近く続くのは考えにくいと、私は思います。大野先生も、発表当時は、まさかここまで続くとは考えてらっしゃらなかったかもしれません。もしくは、これは個人的な見解ですが、もしかしたら『うつ』というのは体裁が悪いと判断され、『適応障害』と発表された可能性もあるのではないかと、思うところはありますね」

 しかし、産後うつは、これほどまで長期化するものだろうか。03年当時、2歳だった愛子さまは、現在17歳の高校生だ。

「雅子さまは、産後うつが“遷延化”したと考えられます。その原因は、愛子さまが女児であることから、『跡継ぎとなる第二子の男児を産んでほしい』というプレッシャーにさらされたことなのではないでしょうか。さらに決定的だったのが、03年、湯浅利夫宮内庁長官(当時)による『秋篠宮様のお考えはあると思うが、皇室と秋篠宮一家の繁栄を考えると、3人目を強く希望したい』という発言です。これはつまり、『雅子さまにはもう期待していない』ということで、当時、40歳を目前としていた雅子さまにとって、これほどショックな言葉はなかったのではないでしょうか。これまで成功を積み重ねてきた完璧主義の雅子さまには、耐え難い屈辱だったと思います」

 その後、愛子さまが成長すると、学校内でのトラブルから欠席が続くように。これもまた、雅子さまの精神面を揺るがしたのではないかと、世間では見る向きが強い。母親のメンタルの不調は、「子どもに伝染してしまうことがあり、特に雅子さまと愛子さまは母子一体感が強いのでなおさらでしょう」と片田氏は語る。皮肉なことに、雅子さまが「ご快復著しい」と言われるようになったのは、16年末、愛子さまが“激やせ”し、世間を騒がせたことがきっかけだったのではないかと片田氏。その際、「雅子さまは思い悩まれながらも、『子どもは思い通りになるわけではない』『子育ては完璧にやれるものではない』と受け入れられるになったように思います」という。そんな完璧主義からの脱却が、ご快復につながったと見ることもできるだろう。

 さらに、片田氏は、雅子さまご快復を後押しした最大の要因は、「少々、意地悪な見方かもしれませんが、『小室圭さん』ではないでしょうか」と話す。小室さんとは、言わずもがな、現在、秋篠宮家の長女・眞子さまとの結婚延期騒動の渦中にいる人物である。母親の借金トラブルが問題視される中、米大学に留学したことにより、国民から「本当に眞子さまと結婚する気があるのか」と、懐疑的な目で見られている。「結婚反対」を強く主張する者も少なくない状況だ。

「雅子さまはこれまでずっと、紀子さまと比較され続けてきたと思います。紀子さまは、男児である悠仁さまを出産され、娘である眞子さま、佳子さまが不登校になることも、摂食障害を疑われることもなかった。美智子さまから気に入られているという話もありますよね。雅子さまは、そんな紀子さまに対して、強いコンプレックスを抱かれていたのではないでしょうか。特に、『皇室に嫁いだが、男児を産めなかった』という点でのコンプレックスは、今の時代には見合わないかもしれませんが、払拭しがたいと思います。しかし、そんな順調にやってきた紀子さま、ひいては秋篠宮家が、小室さんの騒動で揉めに揉めている。何事も完璧にはいかないものだと、雅子さまはお気持ちが少し楽になられたと思いますよ。期せずして、小室さんが雅子さまの心を救った面はあるでしょう」

 そんな雅子さまが、5月1日より、皇后となる。今後、メンタル面はどうなるのかが気になるところだが……。

「安定していくことを願っていますが、やはり皇后のプレッシャーは大きいと思いますし、雅子さまは完璧主義なので、“ゼロヒャク思考”に陥ってしまうことはあり得ます。『完璧にできなければ意味がない』『完璧にできない私はダメだ』と思い詰め、不安定になってしまうこともあるかもしれませんね。やはり、完璧主義の呪縛に囚われすぎないようになさってほしいですし、何より『美智子さまとご自分を比べないこと』がとても重要だと思います。国民から敬愛される美智子さまのように『なれない』と思い悩むことで、ご公務に行けなくなってしまう可能性があるからです。やはりご公務を行わなければ、国民からの敬愛は得られませんが、ただご公務を完璧にやらなければいけないと重圧を感じることで、ご公務に行けなくなる恐れもあります。その折り合いをどうつけるかが大切だと思います」

 宮内庁関係者も「美智子さまはこうしておられました」などと、美智子さまと比較するようなものの言い方をするのは避けるべきと片田氏。もともと雅子さまは、「皇室外交をしたい」との思いから、皇室に入られたらしいが、「皇后になることで、その思いを実現できる、能力を発揮できると考えるのがよいと思います」という。新たな時代「令和」の皇后となる雅子さまのご活躍を、一国民として心から祈りたい。

皇后となる雅子さま、「適応障害」は今――「小室圭さんがいい影響与えた」と精神科医が指摘

 5月1日、皇太子さまが新天皇として即位されるのに伴い、雅子さまが皇后となる。日本国民が新しい時代の幕開けに希望を抱きつつ、新たな天皇・皇后に期待を寄せているが、そんな中、今あらためて雅子さまの“病状”に関心が集まっているようだ。

 雅子さまは、2003年12月、体調を崩して宮内庁病院に入院。翌年7月には、精神科医・大野裕医師の診断によって「適応障害」との病名が発表された。その後、雅子さまは、長い療養生活に入り、ご公務や宮中行事を欠席されることが目立つように。また、長女・愛子さまが、学習院初等科での児童同士のトラブルから、体調不良となって学校を欠席されたとか、中等科でも不規則登校が続くとかいったことが起こるたび、雅子さまのメンタル面に心配の声が飛び交ったものだった。

 しかし17年頃から、その病状に関して、「ご快復著しい」と盛んに報道されるように。17年には、泊まりがけで、秋田県の「献血運動推進全国大会」に出席したほか、地方訪問を積極的に行い、昨年1月には、新年恒例の「講書始の儀」に15年ぶりに出席、また同11月にも、園遊会の全工程に15年ぶりに参加されたのだ。こうした雅子さまの変化は、「新皇后へのご自覚の現れ」などと言われているが、一方で、今年1月に行われた「歌会始の儀」は欠席、また2月の天皇皇后両陛下主催の茶会にも姿を見せず、「やはりご体調に波があるのか」「皇后になられることで、病状が悪化する可能性もあるのでは」などと、世間ではささやかれている。

 雅子さまの適応障害は今後どうなると考えられるのか。今回、『一億総他責社会』(イースト・プレス)や『高学歴モンスター~一流大学卒の迷惑な人たち~』(小学館)などの著者である精神科医・片田珠美氏に話を聞いた。

 片田氏はまず、雅子さまが「適応障害」であるとされている点について、こんな疑問を投げかける。

「雅子さまは、適応障害ではなく、『産後うつ』だと思います。産後うつは、妊娠・出産によるホルモンバランスの急激な変化、そして育児不安によって起こる抑うつ状態で、少なくとも10人に1人の割合で発症するとも言われるほど、珍しくない病気なんです。ホルモンバランスの急激な変化は、妊娠・出産した女性全てに起こりますし、育児不安という点に関しては、第1子出産直後に特に多い。愛子さまも、第1子ですし、雅子さまは育児に大きな不安を抱えていたと思います。加えて、雅子さまは完璧主義のように見受けられます。だからこそ、東大からハーバード、そして外交官へという輝かしい経歴を歩んでこられたのでしょうが、育児に関しても百点満点でなければならないと思われたのではないでしょうか。しかも“皇室の姫君”の育児をするわけですから、その重圧は、計り知れないほど大きかったはずです」

 つまり、雅子さまには、「産後うつになりやすい要因がかなりそろっていた」と片田氏。一方で、適応障害は、読んで字の如く「環境に適応できない」せいで、抑うつ気分や不安が生じ、行動面で支障をきたす障害であり、「6カ月くらいで治ることが多い」という。

「基本的に環境に慣れることによって病状は改善するので、雅子さまの場合、03年に体調を崩され、それから16年近く続くのは考えにくいと、私は思います。大野先生も、発表当時は、まさかここまで続くとは考えてらっしゃらなかったかもしれません。もしくは、これは個人的な見解ですが、もしかしたら『うつ』というのは体裁が悪いと判断され、『適応障害』と発表された可能性もあるのではないかと、思うところはありますね」

 しかし、産後うつは、これほどまで長期化するものだろうか。03年当時、2歳だった愛子さまは、現在17歳の高校生だ。

「雅子さまは、産後うつが“遷延化”したと考えられます。その原因は、愛子さまが女児であることから、『跡継ぎとなる第二子の男児を産んでほしい』というプレッシャーにさらされたことなのではないでしょうか。さらに決定的だったのが、03年、湯浅利夫宮内庁長官(当時)による『秋篠宮様のお考えはあると思うが、皇室と秋篠宮一家の繁栄を考えると、3人目を強く希望したい』という発言です。これはつまり、『雅子さまにはもう期待していない』ということで、当時、40歳を目前としていた雅子さまにとって、これほどショックな言葉はなかったのではないでしょうか。これまで成功を積み重ねてきた完璧主義の雅子さまには、耐え難い屈辱だったと思います」

 その後、愛子さまが成長すると、学校内でのトラブルから欠席が続くように。これもまた、雅子さまの精神面を揺るがしたのではないかと、世間では見る向きが強い。母親のメンタルの不調は、「子どもに伝染してしまうことがあり、特に雅子さまと愛子さまは母子一体感が強いのでなおさらでしょう」と片田氏は語る。皮肉なことに、雅子さまが「ご快復著しい」と言われるようになったのは、16年末、愛子さまが“激やせ”し、世間を騒がせたことがきっかけだったのではないかと片田氏。その際、「雅子さまは思い悩まれながらも、『子どもは思い通りになるわけではない』『子育ては完璧にやれるものではない』と受け入れられるになったように思います」という。そんな完璧主義からの脱却が、ご快復につながったと見ることもできるだろう。

 さらに、片田氏は、雅子さまご快復を後押しした最大の要因は、「少々、意地悪な見方かもしれませんが、『小室圭さん』ではないでしょうか」と話す。小室さんとは、言わずもがな、現在、秋篠宮家の長女・眞子さまとの結婚延期騒動の渦中にいる人物である。母親の借金トラブルが問題視される中、米大学に留学したことにより、国民から「本当に眞子さまと結婚する気があるのか」と、懐疑的な目で見られている。「結婚反対」を強く主張する者も少なくない状況だ。

「雅子さまはこれまでずっと、紀子さまと比較され続けてきたと思います。紀子さまは、男児である悠仁さまを出産され、娘である眞子さま、佳子さまが不登校になることも、摂食障害を疑われることもなかった。美智子さまから気に入られているという話もありますよね。雅子さまは、そんな紀子さまに対して、強いコンプレックスを抱かれていたのではないでしょうか。特に、『皇室に嫁いだが、男児を産めなかった』という点でのコンプレックスは、今の時代には見合わないかもしれませんが、払拭しがたいと思います。しかし、そんな順調にやってきた紀子さま、ひいては秋篠宮家が、小室さんの騒動で揉めに揉めている。何事も完璧にはいかないものだと、雅子さまはお気持ちが少し楽になられたと思いますよ。期せずして、小室さんが雅子さまの心を救った面はあるでしょう」

 そんな雅子さまが、5月1日より、皇后となる。今後、メンタル面はどうなるのかが気になるところだが……。

「安定していくことを願っていますが、やはり皇后のプレッシャーは大きいと思いますし、雅子さまは完璧主義なので、“ゼロヒャク思考”に陥ってしまうことはあり得ます。『完璧にできなければ意味がない』『完璧にできない私はダメだ』と思い詰め、不安定になってしまうこともあるかもしれませんね。やはり、完璧主義の呪縛に囚われすぎないようになさってほしいですし、何より『美智子さまとご自分を比べないこと』がとても重要だと思います。国民から敬愛される美智子さまのように『なれない』と思い悩むことで、ご公務に行けなくなってしまう可能性があるからです。やはりご公務を行わなければ、国民からの敬愛は得られませんが、ただご公務を完璧にやらなければいけないと重圧を感じることで、ご公務に行けなくなる恐れもあります。その折り合いをどうつけるかが大切だと思います」

 宮内庁関係者も「美智子さまはこうしておられました」などと、美智子さまと比較するようなものの言い方をするのは避けるべきと片田氏。もともと雅子さまは、「皇室外交をしたい」との思いから、皇室に入られたらしいが、「皇后になることで、その思いを実現できる、能力を発揮できると考えるのがよいと思います」という。新たな時代「令和」の皇后となる雅子さまのご活躍を、一国民として心から祈りたい。

娘と性交した父親が無罪――性暴力サバイバーが「つらいし、悲しいし、おかしい」事件と判決を語る

 2017年、愛知県内で、抵抗できない状態の実の娘に対し、二度にわたって性交したとして、準強制性交の罪に問われた父親の男性被告に、名古屋地裁岡崎支部は、「被害者が抵抗不能な状態だったと認定することはできない」として、無罪判決(求刑懲役10年)を言い渡した。この判決に、世間からは「おかしい」「強い憤りを覚える」という声が上がり、いま性暴力/性犯罪の問題をあらためて考え直さなければいけないという気運が高まっている。

 女性は中学2年生の頃から、父親による性的虐待を受けていたという。公判では、検察側が「専門学校の学費を負担させた負い目から、心理的に抵抗できない状態にあった」と主張し、弁護側は「同意があり、抵抗可能だった」と反論。名古屋地裁岡崎支部は、同意はなかったと認めたものの、「以前に性交を拒んだ際に受けた暴力は恐怖心を抱くようなものではなく、暴力を恐れ、拒めなかったとは認められない」「従わざるを得ないような強い支配、従属関係にあったとまでは言い難い」と判断し、無罪となった。

 「抵抗できたのか/できなかったのか」が争点となった今回の裁判。「抵抗できた」という判決には、「本当に『抵抗できた』のか?」という疑問も、ネット上では多く見られる中、性暴力サバイバーであり、性被害当事者が生きやすい社会の実現を目指す当事者を中心とした団体「一般社団法人Spring」の代表理事・山本潤氏は、この事件、そして判決をどう見たのか。あわせてSpringが精力的に取り組んでいる「性犯罪刑法の見直し」についての見解もうかがった。

関係性のある人物に胸を触られて、とっさに殴れるか

――今回の判決を知り、率直にどのような感想を抱きましたか。

山本潤氏(以下、山本) つらいし、悲しいし、「またこんな判決が出るのか」と、信じられませんでした。被害者の女性は、これまで抵抗した際に、父親から殴られるなどの暴力を受けていたものの、名古屋地裁岡崎支部は「暴力は恐怖心を抱くようなものではなく、暴力を恐れ、拒めなかったとは認められない」と判断しています。しかしそれ以前に、中2の頃から性的虐待を受け続けてきたという経験は、なぜ「暴力」と認められないのか? と思いました。こうした性的虐待があっても、人格を完全に支配するまでの支配・従属関係ではないと判断すること自体、まったく性的虐待をわかっていないように感じます。

 虐待には、被害者が加害者に順応し、その状況を受け入れるようにマインドが働くという面があります。しかし彼女はそうならずに抵抗しようとした、また訴える力が残されていたわけですが、裁判所はそのことすら理解できていないのだなと、非常に腹立たしく思っています。

――なぜ、これまでの性的虐待が認められず、「抵抗できたはず」と判断されてしまったのか、疑問を抱かずにはいられません。

山本 裁判所が、性的虐待の影響を認めたケースもありました。16年、大阪で、18歳未満の娘に対し、長年性的虐待をしたとして、児童福祉法違反罪に問われた父親の判決公判があったのですが、被害者の娘と母親が「父親を許してほしい」と刑の減軽嘆願書を出したんです。しかし、そのときの裁判官は「性的虐待の影響により、被害者が加害者寄りの考え方になっている」と嘆願書を退け、懲役4年(求刑懲役6年)という実刑判決を下しました。こうした判決もある一方、今回のように、回避責任を被害者側に求めるような納得のいかない判決もあるのです。

――実の父親からという点においても、被害者のショックは計り知れません。

山本 被害を訴えるには、まず「これは自分にとって不当なこと」「自分は侵害されたのだ」と認識できないといけませんが、加害者が関係性のある人物の場合、その認識がなかなかできないのです。見知らぬ人である場合の方が、社会的にも「レイプ=夜道で知らない人にされるもの」というイメージが強いですから、「不当である」「侵害だ」と認識しやすいと思います。

 日常的に接し、あるときは自分を保護してくれる関係性のある人物に、いきなり自分の胸を触られたら、とっさに殴れるか。そんなこと、普通はできません。たぶんびっくりして、「あれは何だったんだろう」「もしかしたら私の勘違いかもしれない」「何か理由があったのではないか」「ちょっとした、はずみだったのかも」などと、一生懸命考えると思います。そうした中で、加害者の支配に飲み込まれていくと、さらに被害者は混乱し、判断力もなくなっていく。ダメージを受け続け、自分を守れなくなっていってしまうのです。

――父親の弁護側が「同意があった」と言っているのも、理解しがたいです。

山本 加害者が、自分の身を守るためという面もありますが、認知がゆがんでいることも考えられます。心の奥底では罪だとわかっていても、加害者は「スリル感を味わえる」「相手を支配できる」といった自己の目的を達成するため、相手は嫌がってなかった、喜んでいた、受け入れていたなどと、認知を歪めていきます。

――そもそも性犯罪においては、「被害者側に責任がある」とされ、問題視されることがよくあります。なぜこのようなことが起こるのでしょうか。

山本 日本には、貞操概念があるからでしょう。女性は家のために、命をかけて自分の処女性や体を守らなければいけない、それをしなかったため“責任”が生じるという考え方で、この「家のため」とは、家の血統を守るために、ほかの男に性交されてはいけないといった意味合いです。刑法は、今から112年前の1907年に作られたのですが、当時から性犯罪の構成要件に「暴行脅迫要件」があり、その保護法益(法令がある特定の行為を規制することによって保護、実現しようとしている利益)は「性的自由ないしは貞操」とされていました。つまり、「貞操は守らなければいけないものだけど、激しく暴行脅迫を受けたら、貞操を守れなくてもしょうがない」という考え方で、被害者個人の身体や意思決定を侵害したとは考えられていなかったわけです。それが受け継がれ、被害者に厳しい判決が下されて続けてきたという背景があります。

 性にはダブルスタンダードがあって、「女性は貞操を守り、男性の興味・関心を惹起しないようにおとなくしていなければならない」一方で「男性は、女性に対してグイグイ押していくのが男性らしい」というものです。そこに齟齬が生じていて、例えば痴漢事件でも「女性が短いスカートをはいているから悪い」「一人で夜道を歩いているから悪い」など、被害者の落ち度ばかりが着目され、加害者の犯罪性が問われないという状況が生まれてしまいます。

――17年に、110年ぶりに刑法性犯罪が改められ、名称が「強姦罪」から「強制性交等罪」になり、内容も一部変更となりました。しかし、今回の判決で、まだ問題点は多いと感じました。

山本 「監護者性交等罪」「監護者わいせつ罪」という18歳未満(17歳まで)の子どもを監護する親や児童養護施設職員など、その影響力に乗じて性交・わいせつ行為をした者を処罰できる罪が新設されたものの、今回の被害者女性は事件当時19歳だったので、適用されませんでした。「もっと年齢を上げておくべきだったのに」と思いましたね。

――被害者女性は、中2の頃から性的虐待を受けていたといいますが……。

山本 それは、今回の起訴内容には含まれていませんでした。検察側が、当時の場所や時間を特定できなかったのではないかという話を聞きましたが、子どもの頃から、日常的にそういったことをされていたら、「何月何日何時何分」なんてことは、わからなくて当然だと思います。

 時効の話になりますが、旧強姦罪の公訴時効は10年で、改正された強制性交等罪も10年なんです。しかし、ドイツの司法制度では、子どもの頃に性的虐待を受けた人が、コールセンターなどに電話をして相談できた平均年齢が46歳だったという調査結果から、性的虐待の場合、被害者の年齢が30歳まで時効停止、その後20年間、起訴可能となっています。日本でも、何歳まで虐待の影響下にいるのかという実態を把握した上で、刑法が作られるべき。「自分がされたことはおかしかった」と気づく頃には、もう訴えられないという状況はなくすべきだと感じます。

――「抵抗できたのか/できなかったのか」が争点になった点についてはどうでしょうか。

山本 旧強姦罪からある「暴行脅迫要件」に関しても問題だと思っています。暴行脅迫要件を満たせないから、検察が起訴してくれない。そういった被害者は山のようにいるのに、ニュースにはなりません。また、起訴できたとしても、「暴行脅迫の程度に達していない」「はっきり抵抗しなかったから相手はわからなかった」などと判断されることもあります。そもそも刑法は、性犯罪の実態や精神医学的知見を踏まえて作られたものではないので、普通に考えて「おかしい」と感じる判決が出るのです。

 一般的に、もっと「抵抗できないのが当たり前」という認識が広まってほしいと思います。昨年、イギリスに行ったのですが、性犯罪に遭うと、被害者はフリーズ状態になって抵抗できない、またそういうことがあってもすぐには訴えられないことが、「当然」と認識されているなと感じました。それは科学的な根拠をもって立証されているからであり、日本の裁判官も個人の経験則で判決を出すのはやめてほしいと感じます。

――海外には、性犯罪が「抵抗できたか/できなかったのか」ではなく「同意があったか/なかったか」によって判断される国もあります。

山本 イギリスでは不同意性交を性犯罪としています。法律で「同意とは何か」を定めているのですが、「同意とは、自由と能力があって初めて選択できるもの」とされているんです。相相手が教師などの目上の立場という地位関係性において、相手に従わなければいけない状態は自由ではない、また、薬物やアルコールにより意識状態が下がっている、また幼すぎたり、何らかの障害がある場合も、同意を選択できる能力がないとみなされます。なお、日本の刑法性犯罪は、17年の改正時、3年後を目処、つまり20年を目処として、「必要があると認めるときは見直しを検討する」とされています。

――今回の判決に対しては、世間から「おかしい」という声が多数上がっています。

山本 やはり、誰が見てもおかしい。今回の判決はそれがとてもわかりやすかったのではないかと思いました。被害者女性にとっては、裁判所には否定されけれど、世間がこうして声を上げてくれたことは、よかったと思います。こうしたことが許される世の中だったら、また同様の事件が起きてしまうかもしれず、それは彼女にとって、とても怖いことなのではないでしょうか。被害者の落ち度ではなく、加害者の責任を追及していくような流れになっていってほしいと思います。

 福岡・久留米で、テキーラの一気飲みによって意識がもうろうとなっていた女性を強姦した被告に、無罪判決が出た際も、「おかしい」という声が上がっていたので、性犯罪に対する世の中の意識が変わってきたのではないかとも思いますね。

――この「おかしい」という気持ちを、我々はどういったアクションにつなげていけばよいのでしょうか。

山本 Twitterなどで、事件や裁判のニュースをリツイートする、「おかしい」という意見を投稿することは非常に大切だと思います。また、私が代表理事をしている「一般社団法人Spring」では、20年の刑法見直しに向けて全国キャンペーンを行っています。法務省はまだ「見直しをする」と決定しているわけではないので、全国各地でイベントを行い、参加者の方に刑法見直しに関して話をしています。そこで、おかしい現状に対する「声」を集める「One Voice キャンペーン」を行い、それらをシートにまとめて、国会議員会館でイベントをして可視化しようと考えていて、あわせて署名活動も行う予定です。今回の判決に対して「おかしい」と感じた人は、ぜひ刑法性犯罪について調べたり、こうした活動に参加してほしいと思います。

山本潤(やまもと・じゅん)
1974年生まれ。看護師・保健師。性被害当事者が生きやすい社会の実現を目指す当事者を中心とした団体「一般社団法人Spring」の代表理事。13歳から20歳の7年間、父親から性暴力を受けたサバイバー、性暴力被害者支援看護師(SANE)として、その養成にも携わる。著書に『13歳、「私」をなくした私 性暴力と生きることのリアル』(朝日新聞出版)。
一般社団法人Spring公式サイト

木嶋佳苗死刑囚と獄中結婚! 「週刊新潮」デスクX氏に幹部は激怒、「出世コース外れた」の声も

 2009年に世間を震撼させた“婚活連続不審死事件”で逮捕され、2017年5月に死刑判決が確定した木嶋佳苗死刑囚が、昨年「週刊新潮」(新潮社)デスクと結婚していたことを、4月25日発売の「週刊文春」(文藝春秋)がスクープした。交際していた幾人かの男性を殺害した“毒婦”として、多くのメディアで大々的に取り上げられてきた木嶋死刑囚だが、今回の報道には、新潮社関係者も衝撃を受けているようだ。

 ライバル誌である「文春」の取材に対して、Xデスク、並びに編集部も回答を寄せ、双方とも結婚は「Xデスクの独断」であると語っている。

「X氏は記事にある通り、元SMAPの草なぎ剛をもう少しふっくらさせたような容貌。物腰は柔らかいし、服装もオシャレとあって、編集部内でもモテる方だと思います。現編集長からも信頼されていて、次期編集長候補のトップだったはずですが、この一件によって『出世コースから外された』とも言われています」(新潮社関係者)

 週刊誌のデスクが獄中の死刑囚と結婚したという今回の一件には、マスコミ関係者の間で、「木嶋死刑囚に対し、踏み込んだ“取材”を行うため、編集部ぐるみで獄中結婚を画策したのではないか」「ジャーナリストとしての職業倫理に反するのでは」といった疑問も浮上しているようだ。取材対象に食い込み、独自の情報を仕入れられるという意味では、結婚はこれ以上ない“手段”だと言えるが……。

「新潮社関係者が、この結婚を知ったのは、X氏が会社に入籍を報告したから。少なくとも、編集部ぐるみで……という話ではありません。『文春』がこの件を記事化するという話が出回るまで、社内にも結婚の情報はまったく流れていなかったんです。『新潮』の担当役員や前々編集長ら新潮社幹部は、この結婚について激怒したといいますよ。ちなみに、ウェブサイト『デイリー新潮』に掲載されていたXデスク執筆の木嶋死刑囚の手記も、いつの間にか削除されていました」(同)

 「文春」サイドも、当初はXデスク並びに「新潮」の職業倫理観を、かなり強い論調で批判する大々的な記事を想定していたようだが、「取材を進めるうちに、木嶋死刑囚との結婚は、X氏のスタンドプレーであることが明らかとなり、記事は1ページ足らずの小さな扱いに変わってしまったそうです」(出版関係者)という。

 すでにネット上でも、大きな反響が巻き起こっているこの結婚だが、果たして、木嶋死刑囚とX氏は、この現状をどのように見ているのだろうか。

高齢者運転事故で7人死傷も不起訴処分――池袋、87歳暴走事故はどう判断されるのか?

 4月19日、東京・池袋にて乗用車が暴走し、母子2人が車にはねられたことにより死亡、男女8人が重軽傷を負う事故が発生した。車は2つの交差点で赤信号を無視し、ブレーキもかけずに通行人を続々とはねていたと報じられている。この車を運転していたのは、87歳の旧通産省工業技術院・飯塚幸三元院長で、いわゆる“高齢者ドライバー”だった。

 池袋事故の犠牲者である女性の夫であり女児の父親は、24日に会見を開き、「最愛の妻と娘を突然失い、ただただ涙することしかできず、絶望しています」と苦しい胸の内を明かしている。また、「少しでも運転に不安がある人は、“車を運転しない”という選択肢を考えてほしい」と、痛ましい事件が再び起こらないよう訴えた。

 しかし、飯元元院長はこれだけの大きな事故を起こしたにもかかわらず、現行犯逮捕とはならなかった。車に搭載されたドライブレコーダーには、事故直前に「どうしたんだろう?」という音声が記録されていたとの報道や、自身もケガを負っていると報じられていることもあり、ネット上では「認知症なのでは?」「このまま不起訴になりそう」という声もある。

 16年には、88歳の男性が集団登校中の児童の列に軽トラックで突っ込み、7人が死傷する事故が起こっているものの、男性がアルツハイマー型認知症だったことで、“不起訴処分”になった事例がある。サイゾーウーマンでは、認知症者が起こした事件・事故について、弁護士が「どこから罪に問えるのか」解説した記事を掲載している。決して他人事ではないこの問題に向き合うため、再掲するこの機会に、ぜひ読んでいただきたい。
(編集部)

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(初出:2017年8月11日)

<今回の疑問>
認知症の人や高齢者が事故や事件を起こした場合、「法的責任」の境界線とは?

 2017年8月2日、仙台市の民家の駐車場に停められた乗用車内で、3歳の男児がぐったりした状態で見つかり、病院で死亡が確認された事件。死因は熱中症の可能性が高いとされている。

 この事件では、祖母が車内に男児がいることを忘れて、その場を離れたとみられており、ネットでは「認知症では?」などの声も上がっているが、認知症の加害者が事件や事故を起こした場合、どのような刑罰になるのだろうか? 近年、高齢者による自動車事故などが増えていることもあり、認知症者の責任能力について、アディーレ法律事務所の吉岡達弥弁護士に聞いた。

「犯罪の成立には責任能力が必要です。犯罪行為時に善悪の判断ができず、自分の行動を制御する能力が欠如している状態を『心神喪失』といい、心神喪失状態の行為を処罰することはできません。また、善悪の判断や、行動を制御する能力が著しく低い場合のことを『心神耗弱』といい、心神耗弱者の行為については刑が減刑されます。例えば、認知症の状態で自動車を運転し、傷害事故を起こした場合には、過失運転致傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)が成立します。しかし、心神喪失であれば処罰されませんし、心神耗弱であれば刑が減刑されます」

 では、過去の高齢者による事件、事故はどのように判断されているのだろうか? また、認知症で罪に問われなかった判例などはあるのだろうか?

「2016年に集団登校中の児童に軽トラックが突っ込み、7人が死傷した事故で、88歳の男性が自動車運転過失致死傷容疑で送検されましたが、不起訴処分になっています。男性はアルツハイマー型認知症で、刑事責任を問えないと判断したとみられます。また、減刑されたものとしては、(1)80代後半の男性がデパートで起こした窃盗事件。犯行当時、認知症の影響で行動制御能力が著しく減退しており、心神耗弱状態であったとして減刑。(2)30代女性の窃盗事件で、女性が認知症で心神耗弱状態にあったということで刑を軽くした。以上のような例があります」

 身内にも起こりうる高齢者や認知症の事件や事故を防ぐために、家族も然るべき対応が必要だろう。

アディーレ法律事務所

高齢者運転事故で7人死傷も不起訴処分――池袋、87歳暴走事故はどう判断されるのか?

 4月19日、東京・池袋にて乗用車が暴走し、母子2人が車にはねられたことにより死亡、男女8人が重軽傷を負う事故が発生した。車は2つの交差点で赤信号を無視し、ブレーキもかけずに通行人を続々とはねていたと報じられている。この車を運転していたのは、87歳の旧通産省工業技術院・飯塚幸三元院長で、いわゆる“高齢者ドライバー”だった。

 池袋事故の犠牲者である女性の夫であり女児の父親は、24日に会見を開き、「最愛の妻と娘を突然失い、ただただ涙することしかできず、絶望しています」と苦しい胸の内を明かしている。また、「少しでも運転に不安がある人は、“車を運転しない”という選択肢を考えてほしい」と、痛ましい事件が再び起こらないよう訴えた。

 しかし、飯元元院長はこれだけの大きな事故を起こしたにもかかわらず、現行犯逮捕とはならなかった。車に搭載されたドライブレコーダーには、事故直前に「どうしたんだろう?」という音声が記録されていたとの報道や、自身もケガを負っていると報じられていることもあり、ネット上では「認知症なのでは?」「このまま不起訴になりそう」という声もある。

 16年には、88歳の男性が集団登校中の児童の列に軽トラックで突っ込み、7人が死傷する事故が起こっているものの、男性がアルツハイマー型認知症だったことで、“不起訴処分”になった事例がある。サイゾーウーマンでは、認知症者が起こした事件・事故について、弁護士が「どこから罪に問えるのか」解説した記事を掲載している。決して他人事ではないこの問題に向き合うため、再掲するこの機会に、ぜひ読んでいただきたい。
(編集部)

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(初出:2017年8月11日)

<今回の疑問>
認知症の人や高齢者が事故や事件を起こした場合、「法的責任」の境界線とは?

 2017年8月2日、仙台市の民家の駐車場に停められた乗用車内で、3歳の男児がぐったりした状態で見つかり、病院で死亡が確認された事件。死因は熱中症の可能性が高いとされている。

 この事件では、祖母が車内に男児がいることを忘れて、その場を離れたとみられており、ネットでは「認知症では?」などの声も上がっているが、認知症の加害者が事件や事故を起こした場合、どのような刑罰になるのだろうか? 近年、高齢者による自動車事故などが増えていることもあり、認知症者の責任能力について、アディーレ法律事務所の吉岡達弥弁護士に聞いた。

「犯罪の成立には責任能力が必要です。犯罪行為時に善悪の判断ができず、自分の行動を制御する能力が欠如している状態を『心神喪失』といい、心神喪失状態の行為を処罰することはできません。また、善悪の判断や、行動を制御する能力が著しく低い場合のことを『心神耗弱』といい、心神耗弱者の行為については刑が減刑されます。例えば、認知症の状態で自動車を運転し、傷害事故を起こした場合には、過失運転致傷罪(自動車の運転により人を死傷させる行為等の処罰に関する法律)が成立します。しかし、心神喪失であれば処罰されませんし、心神耗弱であれば刑が減刑されます」

 では、過去の高齢者による事件、事故はどのように判断されているのだろうか? また、認知症で罪に問われなかった判例などはあるのだろうか?

「2016年に集団登校中の児童に軽トラックが突っ込み、7人が死傷した事故で、88歳の男性が自動車運転過失致死傷容疑で送検されましたが、不起訴処分になっています。男性はアルツハイマー型認知症で、刑事責任を問えないと判断したとみられます。また、減刑されたものとしては、(1)80代後半の男性がデパートで起こした窃盗事件。犯行当時、認知症の影響で行動制御能力が著しく減退しており、心神耗弱状態であったとして減刑。(2)30代女性の窃盗事件で、女性が認知症で心神耗弱状態にあったということで刑を軽くした。以上のような例があります」

 身内にも起こりうる高齢者や認知症の事件や事故を防ぐために、家族も然るべき対応が必要だろう。

アディーレ法律事務所

池袋暴走事故で親子死亡――高齢ドライバーが「免許返納」を拒む実情と、家族が抱える苦悩

 4月19日、東京都豊島区東池袋4丁目の都道交差点で、飯塚幸三さん(87歳)の乗用車が、歩行者を次々とはね、ゴミ収集車やトラックに衝突する事故を起こした。松永真菜さん(31歳)と長女・莉子ちゃん(3歳)は、病院で死亡が確認され、40~90代の男女8人が重軽傷を負った。

 飯塚さんは事故後、息子に電話をかけ「アクセルが戻らなくなって、人をたくさんひいてしまった」と話していたというが、交通捜査課によると、車内にアクセルペダルの動きを妨げるような障害物はなかったとのこと。また、事故現場には、ブレーキ痕もなかったと伝えられている。

 今回の事故で注目を集めたのが、飯塚さんの「年齢」だ。一般的に、高齢になると認知機能が低下するとされる中、87歳という年齢で自らハンドルを握り、事故を起こしたことに対して、世間からは「なぜ免許を返納しなかったのか」「自分の認知力を過信していたのでは」「家族は何も言わなかったのか」といった怒りと疑問の声が飛び交うことになった。真菜さんの夫も、24日に都内で記者会見を開き、「少しでも運転に不安がある人は、運転しないという選択肢を考えてほしい」と強く訴えた。

 しかし、高齢者の免許返納に関しては、さまざまな問題があるようだ。昨年5月、神奈川県茅ヶ崎市で、90歳の女が運転する乗用車が暴走し、1名が死亡する事故が発生した際、サイゾーウーマンでは、「家族による免許返納の説得が難航する現実」についての記事を掲載。高齢者の加齢性変化について知り、どのように、高齢者の免許返納問題に取り組んでいくべきかを考察している。池袋の事故のニュースを受け、「もし家族が高齢になったとき、車の運転をやめようとしなかったら……」という不安が頭をよぎったという人は、ぜひこの機会に読んでいただきたい。
(編集部)
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(初出:2018年6月2日)

「認知症でなくとも性格は変わる」高齢ドライバーの免許返納問題、家族の説得が難航するワケ

 5月28日、神奈川県茅ヶ崎市の国道で、90歳の女が運転する乗用車が、次々と歩行者をはね、うち1名が死亡するという事故が起こった。超高齢社会を迎えつつある日本において、“高齢ドライバーによる自動車事故”は、深刻な問題となっており、警視庁交通総務課によると、事故全体に占める高齢運転者(原付以上<特殊車を含む>を運転している65歳以上の者)の事故割合は、平成20年は11.1%だったが、29年には17.9%に増加しているという。

 警視庁のサイトを見ると、「高齢運転者は、自分で安全運転を心掛けているつもりでも、他人が客観的にみると安全運転とは言えないところがあると言われています」と指摘し、安全運転を支援するシステムを搭載した車(安全運転サポート車)の普及啓発に取り組んでいると紹介される一方、運転免許の自主返納サポートにも尽力していることがうかがえる。

 高齢運転者の事故と聞いて、一番に思い浮かぶのは、やはり“認知症”による影響だろう。2017年3月12日に施行された改正道路交通法では、75歳以上の免許保有者は、免許更新時に約30分の認知機能検査が必要となり、認知機能が低下している恐れがある場合は、実車指導と個別指導を含めた計3時間の「高度化講習」を受けて免許更新、また認知症の恐れがある場合は、後日臨時適性検査、または医師の診断が必要で、認知症だと判明した場合には、免許証の停止または取り消しとなる。これに加えて、特定の違反行為があった場合、臨時に認知機能検査も実施されているのだ。

 こうした対策が取られてはいるが、家族としては、認知症でなくとも高齢になれば運転を控えてほしい、免許を返納してほしいのが本音だろう。事実、今回事故を起こした容疑者も、3月に運転免許証を更新した際の認知機能検査で問題は見つからなかったものの、息子から免許返納を勧められていたとのこと。それでも、容疑者は免許を返納せず、大事故を起こしてしまったのだ。

 今回の事故をめぐっては、家族が高齢者に対して免許返納の説得をするのが難航する実情が浮き彫りになった。立正大学心理学部教授で、『高齢ドライバー』(文春新書)の著者・所正文氏は、今回の事故を「たとえ90歳になっても、運転免許を持っているような方は、まだ体が動くうちは運転し続けたいのでしょうね。車の運転は自立の象徴であるからです。運転断念後の生活の道筋ができていれば返納を受け入れると思いますが、単に周辺者が『危ないからやめろ』と言ってもなかなか受け入れません」と語る。

 確かに、「車の運転をやめるように言うのは、高齢者の尊厳を傷つけかねない行為」などといった論調で伝える新聞やテレビは多い。しかし、ネット上では「運転免許を取得できる年齢が定められているように、免許を返納する年齢も決めちゃえばいいのに」「地方だと、確かに足がなくなるって問題があるけど、免許返納ってそこまで重大なこと?」などとさまざまな声が上がっている。こうした意識の違いが、免許返納の説得を難しくさせている要因になっているのかもしれない。

 また、『介護というお仕事』(講談社)などの著者である介護ジャーナリスト・小山朝子氏は、加害者が「認知機能検査に問題がなく、ゴールド免許で、息子さんも『認知症のようには思えなかった』とお話されている点が、今回の事故の特徴だと思います」と前置きしつつ、認知症でなくとも、高齢者と家族間で、免許返納の話し合いが進まなくなるケースはあるという。実際に小山氏は、「娘の『免許返納』の提案を一切聞き入れない、ゴールド免許の80代」「地方に住んでいて、生活の足がなくなるのは困ると、返納を受け入れられない90代」など、さまざまな高齢者の話を見聞きしてきた。

「個人差はありますが、老年期(おもに65歳以上)になると、性格面で変化が生じることがあります。例えば、他者の意見を聞き入れない、用心深くなるなど。若い頃は、新しいものにチャレンジしようという意欲があった人でも、年を重ねると『危ない橋を渡りたくない』と考える傾向にあります。例えば、これまで食べたことがない、聞いたこともない食材が食卓に並んでいると、『食べたくない』と言う高齢者がいますが、『これを食べるとアレルギー反応が起きるのではないか?』『病気になるのではないか?』などと考えてしまう。このような不安の背景には、配偶者や友人を失うといった喪失体験が増え、自分の命に対する不安が増していることも考えられます」

 これらは“加齢性変化”といわれ、一般的に起こりうることで、苦労する家庭は少なくないという。こうした性格の変化が、少なからず免許返納の説得に影響を及ぼす可能性は否定できない。

 また、ほかの人から言われたことを、「批判ではないのに『批判されている』と受け取り、攻撃的になるなど、心理的な影響が大きくなる傾向があります。逆に傷つきやすくなって、抑うつ(気分が落ち込んで何もしたくない状態)になる人もいます」。

 先月11日、愛知県に住む83歳の男が、自宅に自ら放火し、警察の簡易聴取に「運転免許の返納をめぐって家族と口論になった。自暴自棄になり、死んでやろうと思って放火した」と供述していたというが、「このケースも、加齢性変化による心理的な影響があったことも考えられます」。

「高齢者に関する研究を行っていたアメリカの精神科医、ロバート・N・バトラー氏は『年を重ねると、自分を頼る、自分自身に誇りを持つ傾向がある』と示しています。“行動に強い責任感をもつようになる”ということです。免許返納をしたくないのは、『人に頼らないで、自分でできることはしたい』という意思の表れでもあるのではないでしょうか。一方、高齢者は新たな環境への適応が難しくなり、保守的傾向が強くなります。『運転しない生活への変化』に拒否感があることも考えられます」

 誰にでも起こりうる加齢性変化。しかし、家族がそのことを知らないままだと、「父母が、祖父母が変わってしまった」と大きなショックを受けることになるのではないか。

「免許返納の話をする以前に、高齢者とその家族の間で、コミュニケーションが取れていないケースも考えられますよね。このような場合は、医師やケアマネジャーなど、第三者を介入させるのも手かもしれません。2000年に、介護保険制度が始まり、介護をサービスとして頼むことへの敷居が低くなってきましたし、高齢者の運転事故が社会問題となっている現在、免許返納にしても、家族だけで抱えこむのは得策ではないかもしれません」

 そもそも「健常でも、年を取ると性格が変わる」と知ること、また「ほかの家も同じようなことで悩んでいる」と思うだけで、家族の心は少し楽になり、高齢者への接し方を工夫するきっかけになりうるという。こうしたちょっとした意識の変化が、免許返納への第一歩となるのかもしれない。

 なお、前出の所氏も「この問題は警察による免許規制や高齢ドライバーを抱える家族のみの問題だけではなく、広い視点で捉える必要があります。キーワードは『多職種連携』と『地域連携』です」と語り、高齢者の免許返納問題の発展的な対策を紹介してくれた。

「熊本県を皮切りに九州各県、鳥取県などで免許更新現場に看護師・保健師を同席させた注目すべきシステムが展開されております。これは、高齢ドライバーから健康状況をはじめ生活全般について親身に話を聞き、地域事情に精通した看護師たちが具体的に助言・指導するというシステムです。これによって、確実に免許返納が増えているようです。私は、この数年、現地調査を行っておりますが、西日本から徐々に浸透してきているこのシステムが、免許返納の今後の切り札になるように感じております」

 今後もさまざまな議論が繰り広げられるであろう高齢者の免許返納問題。二度と痛ましい事故が起こらないよう、誰もが他人事ではなく向き合っていくべきなのではないだろうか。

池袋暴走事故で親子死亡――高齢ドライバーが「免許返納」を拒む実情と、家族が抱える苦悩

 4月19日、東京都豊島区東池袋4丁目の都道交差点で、飯塚幸三さん(87歳)の乗用車が、歩行者を次々とはね、ゴミ収集車やトラックに衝突する事故を起こした。松永真菜さん(31歳)と長女・莉子ちゃん(3歳)は、病院で死亡が確認され、40~90代の男女8人が重軽傷を負った。

 飯塚さんは事故後、息子に電話をかけ「アクセルが戻らなくなって、人をたくさんひいてしまった」と話していたというが、交通捜査課によると、車内にアクセルペダルの動きを妨げるような障害物はなかったとのこと。また、事故現場には、ブレーキ痕もなかったと伝えられている。

 今回の事故で注目を集めたのが、飯塚さんの「年齢」だ。一般的に、高齢になると認知機能が低下するとされる中、87歳という年齢で自らハンドルを握り、事故を起こしたことに対して、世間からは「なぜ免許を返納しなかったのか」「自分の認知力を過信していたのでは」「家族は何も言わなかったのか」といった怒りと疑問の声が飛び交うことになった。真菜さんの夫も、24日に都内で記者会見を開き、「少しでも運転に不安がある人は、運転しないという選択肢を考えてほしい」と強く訴えた。

 しかし、高齢者の免許返納に関しては、さまざまな問題があるようだ。昨年5月、神奈川県茅ヶ崎市で、90歳の女が運転する乗用車が暴走し、1名が死亡する事故が発生した際、サイゾーウーマンでは、「家族による免許返納の説得が難航する現実」についての記事を掲載。高齢者の加齢性変化について知り、どのように、高齢者の免許返納問題に取り組んでいくべきかを考察している。池袋の事故のニュースを受け、「もし家族が高齢になったとき、車の運転をやめようとしなかったら……」という不安が頭をよぎったという人は、ぜひこの機会に読んでいただきたい。
(編集部)
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(初出:2018年6月2日)

「認知症でなくとも性格は変わる」高齢ドライバーの免許返納問題、家族の説得が難航するワケ

 5月28日、神奈川県茅ヶ崎市の国道で、90歳の女が運転する乗用車が、次々と歩行者をはね、うち1名が死亡するという事故が起こった。超高齢社会を迎えつつある日本において、“高齢ドライバーによる自動車事故”は、深刻な問題となっており、警視庁交通総務課によると、事故全体に占める高齢運転者(原付以上<特殊車を含む>を運転している65歳以上の者)の事故割合は、平成20年は11.1%だったが、29年には17.9%に増加しているという。

 警視庁のサイトを見ると、「高齢運転者は、自分で安全運転を心掛けているつもりでも、他人が客観的にみると安全運転とは言えないところがあると言われています」と指摘し、安全運転を支援するシステムを搭載した車(安全運転サポート車)の普及啓発に取り組んでいると紹介される一方、運転免許の自主返納サポートにも尽力していることがうかがえる。

 高齢運転者の事故と聞いて、一番に思い浮かぶのは、やはり“認知症”による影響だろう。2017年3月12日に施行された改正道路交通法では、75歳以上の免許保有者は、免許更新時に約30分の認知機能検査が必要となり、認知機能が低下している恐れがある場合は、実車指導と個別指導を含めた計3時間の「高度化講習」を受けて免許更新、また認知症の恐れがある場合は、後日臨時適性検査、または医師の診断が必要で、認知症だと判明した場合には、免許証の停止または取り消しとなる。これに加えて、特定の違反行為があった場合、臨時に認知機能検査も実施されているのだ。

 こうした対策が取られてはいるが、家族としては、認知症でなくとも高齢になれば運転を控えてほしい、免許を返納してほしいのが本音だろう。事実、今回事故を起こした容疑者も、3月に運転免許証を更新した際の認知機能検査で問題は見つからなかったものの、息子から免許返納を勧められていたとのこと。それでも、容疑者は免許を返納せず、大事故を起こしてしまったのだ。

 今回の事故をめぐっては、家族が高齢者に対して免許返納の説得をするのが難航する実情が浮き彫りになった。立正大学心理学部教授で、『高齢ドライバー』(文春新書)の著者・所正文氏は、今回の事故を「たとえ90歳になっても、運転免許を持っているような方は、まだ体が動くうちは運転し続けたいのでしょうね。車の運転は自立の象徴であるからです。運転断念後の生活の道筋ができていれば返納を受け入れると思いますが、単に周辺者が『危ないからやめろ』と言ってもなかなか受け入れません」と語る。

 確かに、「車の運転をやめるように言うのは、高齢者の尊厳を傷つけかねない行為」などといった論調で伝える新聞やテレビは多い。しかし、ネット上では「運転免許を取得できる年齢が定められているように、免許を返納する年齢も決めちゃえばいいのに」「地方だと、確かに足がなくなるって問題があるけど、免許返納ってそこまで重大なこと?」などとさまざまな声が上がっている。こうした意識の違いが、免許返納の説得を難しくさせている要因になっているのかもしれない。

 また、『介護というお仕事』(講談社)などの著者である介護ジャーナリスト・小山朝子氏は、加害者が「認知機能検査に問題がなく、ゴールド免許で、息子さんも『認知症のようには思えなかった』とお話されている点が、今回の事故の特徴だと思います」と前置きしつつ、認知症でなくとも、高齢者と家族間で、免許返納の話し合いが進まなくなるケースはあるという。実際に小山氏は、「娘の『免許返納』の提案を一切聞き入れない、ゴールド免許の80代」「地方に住んでいて、生活の足がなくなるのは困ると、返納を受け入れられない90代」など、さまざまな高齢者の話を見聞きしてきた。

「個人差はありますが、老年期(おもに65歳以上)になると、性格面で変化が生じることがあります。例えば、他者の意見を聞き入れない、用心深くなるなど。若い頃は、新しいものにチャレンジしようという意欲があった人でも、年を重ねると『危ない橋を渡りたくない』と考える傾向にあります。例えば、これまで食べたことがない、聞いたこともない食材が食卓に並んでいると、『食べたくない』と言う高齢者がいますが、『これを食べるとアレルギー反応が起きるのではないか?』『病気になるのではないか?』などと考えてしまう。このような不安の背景には、配偶者や友人を失うといった喪失体験が増え、自分の命に対する不安が増していることも考えられます」

 これらは“加齢性変化”といわれ、一般的に起こりうることで、苦労する家庭は少なくないという。こうした性格の変化が、少なからず免許返納の説得に影響を及ぼす可能性は否定できない。

 また、ほかの人から言われたことを、「批判ではないのに『批判されている』と受け取り、攻撃的になるなど、心理的な影響が大きくなる傾向があります。逆に傷つきやすくなって、抑うつ(気分が落ち込んで何もしたくない状態)になる人もいます」。

 先月11日、愛知県に住む83歳の男が、自宅に自ら放火し、警察の簡易聴取に「運転免許の返納をめぐって家族と口論になった。自暴自棄になり、死んでやろうと思って放火した」と供述していたというが、「このケースも、加齢性変化による心理的な影響があったことも考えられます」。

「高齢者に関する研究を行っていたアメリカの精神科医、ロバート・N・バトラー氏は『年を重ねると、自分を頼る、自分自身に誇りを持つ傾向がある』と示しています。“行動に強い責任感をもつようになる”ということです。免許返納をしたくないのは、『人に頼らないで、自分でできることはしたい』という意思の表れでもあるのではないでしょうか。一方、高齢者は新たな環境への適応が難しくなり、保守的傾向が強くなります。『運転しない生活への変化』に拒否感があることも考えられます」

 誰にでも起こりうる加齢性変化。しかし、家族がそのことを知らないままだと、「父母が、祖父母が変わってしまった」と大きなショックを受けることになるのではないか。

「免許返納の話をする以前に、高齢者とその家族の間で、コミュニケーションが取れていないケースも考えられますよね。このような場合は、医師やケアマネジャーなど、第三者を介入させるのも手かもしれません。2000年に、介護保険制度が始まり、介護をサービスとして頼むことへの敷居が低くなってきましたし、高齢者の運転事故が社会問題となっている現在、免許返納にしても、家族だけで抱えこむのは得策ではないかもしれません」

 そもそも「健常でも、年を取ると性格が変わる」と知ること、また「ほかの家も同じようなことで悩んでいる」と思うだけで、家族の心は少し楽になり、高齢者への接し方を工夫するきっかけになりうるという。こうしたちょっとした意識の変化が、免許返納への第一歩となるのかもしれない。

 なお、前出の所氏も「この問題は警察による免許規制や高齢ドライバーを抱える家族のみの問題だけではなく、広い視点で捉える必要があります。キーワードは『多職種連携』と『地域連携』です」と語り、高齢者の免許返納問題の発展的な対策を紹介してくれた。

「熊本県を皮切りに九州各県、鳥取県などで免許更新現場に看護師・保健師を同席させた注目すべきシステムが展開されております。これは、高齢ドライバーから健康状況をはじめ生活全般について親身に話を聞き、地域事情に精通した看護師たちが具体的に助言・指導するというシステムです。これによって、確実に免許返納が増えているようです。私は、この数年、現地調査を行っておりますが、西日本から徐々に浸透してきているこのシステムが、免許返納の今後の切り札になるように感じております」

 今後もさまざまな議論が繰り広げられるであろう高齢者の免許返納問題。二度と痛ましい事故が起こらないよう、誰もが他人事ではなく向き合っていくべきなのではないだろうか。

【沖縄米兵女性殺人事件】米軍機関紙が被害者の顔写真を掲載し、県民の怒りが爆発!

 またもや「基地の島」で悲劇が起きた。

 今月13日、沖縄・北谷町で発生した米兵による日本人女性(44)の殺害事件。玉城デニー県知事が在沖米軍トップのエリック・スミス四軍調整官に直接抗議し、衆議院外務委員会でも取り上げられるなど、日米関係を揺るがす事態となっている。

 地元紙などの報道によると、女性を殺害後、自殺したとされる米兵は在沖縄海兵隊に所属する3等兵曹(32)。昨年から、かつて交際関係にあった女性へのDVやストーカー行為を繰り返していたという。

 米国側の捜査機関、米軍憲兵隊や沖縄県警はこの経緯を把握しており、不測の事態が予想された中での悲劇だっただけに、日米双方の捜査当局に批判が集まっている。

「米軍は兵士に対して女性への接近禁止令を出し、兵士を女性の自宅から離れた基地に隔離していた。にもかかわらず、事件前日には外泊許可を出しており、ちぐはぐな対応だったと言わざるを得ません」(地元紙記者)

 沖縄では3年前にも、軍雇用員の男がジョギング中の女性を暴行し、殺害するという事件が発生している。相次ぐ米軍関係者による事件で、県民の怒りが高まっていることは想像に難くない。

 そんな中、事件そのものとは別に、県民の感情を逆なでするような事態も起きたという。

「今回の事件は、被害女性のプライバシーを鑑みて、地元紙も写真や氏名の公表を控えている。ところが、米軍の機関紙である星条旗新聞は、女性の顔写真やプロフィールを詳細に報じているんです。その一方で、殺人事件の被疑者である米兵については、氏名と年齢、軍隊での階級ぐらいしか明かしていない。『身内びいきが過ぎる』との批判は免れません」(同)

 この星条旗新聞は、3年前の女性殺害事件の際にも逮捕された男から届いた書簡を掲載し、物議を醸した経緯がある。男は書簡の中で、沖縄の捜査・司法機関への不信感を吐露し、沖縄以外での裁判を要求するなど、身勝手な主張を繰り返していた。被疑者側の一方的な言い分を垂れ流したことで、県民の怒りを買ったのだ。

 先の記者は、「米軍は問題が起きるたびに外出禁止令を出すなどのその場しのぎの策に終始し、根本的な解決を図ろうとはしてこなかった。彼らの根底にある沖縄県民、ひいては日本人に対する人権意識の低さが、機関紙にも表れていると言っていいでしょう」と吐き捨てた。

 日本人をナメるのも、大概にしてほしいものだ。