<p> SMAP主演のドラマが年々、魅力をなくしているのは、多くの人が薄々感じていることではないかと思う。中でも、香取慎吾のドラマは精細さを欠いており、現在放送中の『SMOKING GUN~決定的証拠~』(フジテレビ系)も、視聴率が急降下。第7話では5.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の最低視聴率を記録した。</p>
「ドラマレビュー」カテゴリーアーカイブ
『リバースエッジ』――テレビドラマの異物・オダギリジョーの自己完結性の魅力と焦燥
『リバースエッジ 大川端探偵社』公式サイトより
仮面ライダー俳優から個性派へ、アイドル俳優から実力派へ――ドラマでの若手俳優の起用法は、ここ10年で大きく変化した。ジャニーズとイケメン俳優の現在の立ち位置と魅力を、話題の起用作から読み解いていく。
『極悪がんぼ』(フジテレビ系)、『アリスの棘』(TBS系)、そして『リバースエッジ 大川端探偵社』(テレビ東京)と、今期はオダギリジョーの主演作が三本も続いている。中でもオダギリの個性が、最も生かされているのが『リバースエッジ 大川端探偵社』(以下、『リバースエッジ』)だ。
本作は「週刊まんがゴラク」(日本文芸社)で連載されている、原作・ひじかた憂峰、作画・たなか亜希夫の同名漫画をドラマ化した作品だ。浅草にある大川端探偵社には、毎回さまざまな依頼人が訪れる。物語は、調査員の村木(オダギリジョー)が依頼を受けて浅草の街をさまようことで、街と人が持つ裏の顔を知るという大人のおとぎ話。監督・脚本は大根仁。テレビ東京のドラマ24ならではの作家性の強い作品に仕上がっている。
『死神くん』――キャラクタードラマで際立つ嵐・大野智の“人生に期待していない”強さ
<p>「無駄に長生きして、余計な苦労を背負わずにすむんですよ。人間にとって、こんなおめでたいことはないはずですよねぇ」</p> <p> 黒いスーツを着た小柄の男がぷかぷかと宙に浮かびながら、飄々とした声で少女に語りかける。まだ死にたくないという少女に対し、男はこう切り返す。</p>
原作とNHKドラマ版をつなぐ、岩井俊二版『なぞの転校生』が描く主人公の“分身”
『なぞの転校生』(テレビ東京系)公式サイトより
テレビ東京で金曜日の深夜に放送されている枠「ドラマ24」は、局地戦ゆえに自由度が高い放送枠だ。園子温の『みんな!エスパーだよ!』や、入江悠の『クローバー』といった、映画監督がチーフ演出を務めるドラマが今まで多く制作されてきたが、『なぞの転校生』では、企画・脚本を『スワロウテイル』や『リリイ・シュシュのすべて』の岩井俊二、監督を『夜のピクニック』の長澤雅彦が務めた。長澤は『Love Letter』や『PiCNiC』のプロデューサーを務めており、岩井作品の撮影監督を務めていた篠田昇を師と仰いでいる。そのため、岩井の映画と遜色のない、日差しの差し込みとカメラの手ブレを多用した叙情的な映像に仕上がっている。
シリアスなトーンと泉ピン子の『渡鬼』感が同居する、『天誅 闇の仕置人』の殺伐感
『天誅 闇の仕置人』(フジテレビ系)公式サイトより
どう評価していいのか戸惑う、圧倒的に変な作品だった。それがフジテレビの金曜午後8時に放送されていた『天誅 闇の仕置人』に対する一貫した印象だ。
時は戦国時代。女忍者のサナ(小野ゆり子)は、任務の最中、大爆発に巻き込まれる。気がつくとそこは現代。気を失って倒れていたところを村田正子(泉ピン子)に助けられる。事態を飲み込めないサナは、現代での暮らしに戸惑うものの、正子の温情に触れて主従関係を交わし、一緒に暮らすようになる。そしてサナは困っている人たちを助けるため、正子の命を受けて悪党たちに戦いを挑むことになる。
「嘘から生まれた関係は真実になり得るか」『明日、ママがいない』に流れる野島伸司の命題
<p> お化け屋敷のようなおどろおどろしい雰囲気で描かれる児童養護施設が、誤解と偏見を与えると全国児童養護施設協議会から抗議を受け、また、芦田愛菜が演じるポストという名前が赤ちゃんポストに由来することから、熊本県・慈恵病院に放送中止を求められた『明日、ママがいない』(日本テレビ系)。番組スポンサーのCM自粛といった騒動が起きたことでも世間の注目を浴びた本作が、次回で最終回を迎える。</p>
『ダークシステム』、テレビ規格を無視した“少年マンガ的”な台詞回しが生む快感
<p> TBS系列の月曜深夜のドラマNEO枠で放送されている『ダークシステム 恋の王座決定戦』は一風変わった恋愛ドラマだ。</p>
男社会における中年女性の孤独を描く、刑事ドラマ『緊急取調室』の特異性
『緊急取調室』(テレビ朝日系)公式サイト
でんでん、大杉漣、小日向文世、田中哲司、草刈正雄、篠井英介。そうそうたるベテラン俳優が紅一点の天海祐希を取り囲む『緊急取調室』(テレビ朝日系)は、骨太の刑事ドラマだ。優れた交渉術を持つ真壁有希子(天海)は、バスジャック犯との交渉に失敗した責任を負わされる形で、SIT(特殊犯捜査係)の主任から「緊急事案対応取調班(通称・キントリ)」へと配属される。真壁を待ち受けていたのは、菱本進(でんでん)、中田善次郎(大杉)、小石川春夫(小日向)といった一癖も二癖もある取り調べ専門の刑事たちと、管理官の梶山勝利(田中)だった。
そして、そんなキントリにライバル意識を燃やし、事あるごとに突っかかってくるのが、殺人捜査一係の課長・相馬一成(篠井)と監物大二郎(鈴木浩介)と渡辺鉄次(速水もこみち)。真壁の上司・郷原政直(草刈)は、彼女を見守りながらも、何か秘密を抱えている。速水演じる渡辺が最年少の30歳で、あとは見事におっさんばかりのキャスティングだ。アクの強い“おっさん”刑事たちに囲まれて、一歩もひるむことなく事件に挑む“おばさん”刑事が、お互いに憎まれ口を叩きながら事件を解決していく姿は実に爽快である。
『僕のいた時間』に響く、日常の中で絶望を隠すように微笑む三浦春馬の切なさ
<p> フジテレビで水曜22時に放送されている『僕のいた時間』は、見る度に胸が苦しくなる作品だ。良くも悪くも話題性においては、裏で放送されている『明日、ママがいない』(日本テレビ系)に押され気味だが、丁寧な作りの青春群像劇となっており、出ている役者が魅力的に撮られている。</p>
『失恋ショコラティエ』、原作以上に描かれる爽太の自己完結ワールドの行方
『失恋ショコラティエ』公式サイトより
フジテレビの月曜午後9時(月9)と言えば『東京ラブストーリー』や『ロングバケーション』といった恋愛ドラマのイメージが強い枠だが、近年では恋愛ドラマのヒット作は少なく試行錯誤が続いている。脚本家・安達奈緒子が担当した、IT業界を舞台にした『リッチマン、プアウーマン』は、久しぶりに登場した月9らしい華やかな恋愛ドラマとして高い評価を獲得した。そして、再び安達が月9で執筆した恋愛ドラマが、水城せとなの漫画を原作とする『失恋ショコラティエ』だ。
本作はチョコレート専門店「ショコラ・ヴィ」のオーナー・小動爽太(嵐・松本潤)の片思いを描いたドラマ。爽太は、高校時代からのあこがれの人で、今は人妻の高橋紗絵子(石原さとみ)に恋心を抱いている。紗絵子は高校時代からモテモテで、学校中のイケメンと付き合ってきたという高値の花。爽太は紗絵子と2カ月だけ付き合っていたが、二股をかけられてあっさり失恋する(紗絵子の中では付き合っていることにカウントされていなかった)。その傷心からヤケになってフランスに向かい、老舗チョコレート専門店「ラトゥリエ・ド・ボネール」に押しかけて働いたことから人生が大きく変化。日本に帰国して一流ショコラティエ(チョコレート職人)として店を持つまでに成長する。




