ドラマ評論家が選出、2021年の隠れた傑作ドラマ『未来世紀SIBUYA』! Netflix・Huluほか配信作を総括

――『キャラクタードラマの誕生』(河出書房新社)『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ』(宝島新書)などの著書で知られるドラマ評論家・成馬零一氏が、2021年の配信国内ドラマを振り返る。

『浅草キッド』『ボクたちはみんな大人になれなかった』に見るNetflixの限界

 日々、勢いを増しているNetflixだが、国内制作のドラマは2021年6月に配信が始まった『全裸監督』シーズン2で一区切りついたように感じた。

 本作は、19年に配信された『全裸監督』シーズン1の完結編で、「アダルトビデオの帝王」と言われた村西とおる監督を山田孝之が演じたことで話題となった。地上波では放送できないエロと暴力が満載だったため、ネット上では批判も多かったが、破格の制作費と余裕のあるスケジュール、そして全世界配信による「世界に届く可能性」というテレビドラマとは比べ物にならない好条件は、国内の作り手から大きく歓迎され、Netflixは「ドラマ界の黒船」となった。

 映像業界におけるNetflixと『全裸監督』の村西監督の姿は重なるものがあり、だからこそ本作はNetflixを象徴する作品だといえる。その2年後に配信されたシーズン2は、前作以上にエロと暴力が盛りだくさんの豪快な作品に仕上がっていて楽しめた。しかし、それらの要素が、過去を懐かしむためのものでしかないのが引っかかる。

 ビートたけしの自叙伝を映像化した『浅草キッド』や、90年代の思い出を回顧する『ボクたちはみんな大人になれなかった』も同様の印象で、甘美な思い出話に留まっており、テレビドラマよりも閉じたものに見えたのだ。

 Netflixを筆頭とするストリーミング配信は、斜陽になったテレビの地位をいずれ追い落とすのではないかと思われていたが、『全裸監督』シーズン2の結末を見た後だと、「必ずしもそうではない」と思ってしまう。

『俺の家の話』ほか民放で先鋭ドラマが誕生

 一方で、NHKは連続テレビ小説『おかえりモネ』を筆頭に、攻めたドラマをたくさん作り続けている。民放のプライムタイムでも、宮藤官九郎脚本の『俺の家の話』(TBS系)や坂元裕二脚本の『大豆田とわ子と三人の元夫』(フジテレビ系)といった先鋭的なドラマが作られた。配信やテレビといったプラットフォームに関係なく、優れたクリエイターを束ねて、プロデューサーがやりたいことを貫いたものだけが好評を得ていたのだろう。

 同時に、プラットフォームの壁も崩れつつある。今年大きなニュースとなったのは、NetflixとTBSの業務提携で制作された連続ドラマ『日本沈没ー希望のひとー』。テレビ放送終了から3時間後にNetflixで配信されたが、大石静と宮藤官九郎の共同脚本のドラマ『離婚しようよ』も、23年から同様の形でテレビ放送と配信が同時に行われることが決まっている。

 おそらく今後、配信とテレビの壁は少しずつ消えていくのだろう。そうなった時に、配信の優位性がエロと暴力が自由に描けるということだけでは、飽きられてしまうのも時間の問題だ。何より「昔は自由でよかった」というノスタルジーの手段としてしかエロと暴力が描けないことに、国内制作のNetflixドラマが抱える限界が現れている。

 全世界で話題となった韓国制作のNetflixドラマ『イカゲーム』や『地獄が呼んでいる』も暴力的な作品だったが、現代社会の問題を描くための手段として表現されていた。そこが『全裸監督』との大きな違いである。

 ではほかの配信ドラマはどうかと言うと、残念ながら「Netflix以上に元気がない」というのが現状だ。とはいえ、孤軍奮闘していた作品もある。

 たとえば、FOD(フジテレビ・オン・デマンド)で配信された野島伸司脚本のドラマ『エロい彼氏が私を惑す』だ。同作は、結婚間近のお嬢様・境野仁美(松井愛莉)が、工事現場で出会った青年・甲斐まなぶ(笠松将)の鍛え抜かれた肉体に欲情したことから始まるコメディドラマ。軽妙な会話の応酬の中で生まれる恋愛相関図を楽しむというトレンディドラマの作法で作られているため、パッケージこそ古臭く見えるが、お嬢様と工事現場作業員の出会いを通して、格差社会となった日本の現実が生々しく描かれていた。

 脚本を担当した野島は『101回目のプロポーズ』(フジテレビ系)や『高校教師』(TBS系)などの作品で知られる脚本家で、社会のタブーを破る作風で90年代前半は時代の寵児となった。近年はFOD等の配信ドラマで、性を入り口にした社会派テイストのドラマを作り続けている。

 『全裸監督』等のNetflixドラマと方向性こそ同じだが、常に現代の日本と向き合おうとするスタンスだけは大きく違い、その一点において評価できる。

 Huluで配信された『未来世紀SHIBUYA』も、現代日本の問題をあぶり出す隠れた傑作だった。

 本作は、近未来の渋谷を舞台に動画配信サービスで“正義マン”として活動するミツル(金子大地)とカケル(醍醐虎汰朗)が視聴者からの投稿を元にさまざまな事件に挑んでいくSFドラマ。

 監督の白石晃士は、映画『戦慄怪奇ファイル コワすぎ!』を筆頭にホラーを得意とする映像作家だが、こうした現場で培った、カメラマンが撮影する映像の隅に怪物や幽霊が映り込む演出を、『未来世紀SHIBUYA』では動画配信者の番組に置き換えることで、SFドラマを紡ぎ出していた。

 正義マンの番組はコミカルで笑えるやりとりがダラダラと続くのだが、その背後には、極端な格差社会となり、AIや記憶操作の技術が生活の中に入り込んだ未来の日本が映り込む。この風景は極端な形で誇張されたグロテスクなものだが、数年後の日本で実現してもおかしくない手触りがあり、見事な社会風刺ドラマであった。
(成馬零一)

偏差値70の難関中高一貫校に合格! しかし、子どもの選んだ進路は……『二月の勝者』最終話

 中学受験をリアルに描く連続ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ系、土曜午後10時~)。舞台は、スーパー塾講師・黒木蔵人(柳楽優弥)が校長を務める中堅中学受験塾「桜花ゼミナール吉祥寺校」。12月11日放送の第9話では、生徒たちの志望校決定の様子が描かれた。

あらすじ

 12月18日放送の最終回では、ついに生徒たちが受験本番、そして合格発表を迎えた。

 ほとんどの小学6年生にとっては、「受験」自体が初めての経験だ。生徒たちはまず、「前受け」とも呼ばれる1月入試で受験に慣れてから、本命である2月入試に挑む。桜花の講師たちは朝から受験会場に駆け付け、生徒たちにエールを送る。

 第1話で、生徒たち全員を「第1志望校に合格させる」と宣言し、「合格のために最も必要なものは父親の経済力、母親の狂気」であり、生徒の親は「ATM」で、塾は「子どもの将来を売る場所」だと言い切っていた黒木。

 そんな黒木も、2月入試開始前日の1月31日夜には、誰もいない桜花の教室でガタガタと手足を震わせていた。「毎年この日は心が打ちひしがれ、震えが止まらなく」なるのだという。「自分が子どもたちにやってきたことが、言ってきたことが、本当に正しかったんだろうか」と。

 1月入試、そして2月入試で、桜花の生徒たちは次々と合格を決め、桜花吉祥寺校は史上最高の合格実績を叩き出す。桜花には2022年度の入塾希望者が殺到し、黒木は再び「第1志望校に全員合格させます」「2月の勝者となりましょう」と高らかに宣言する。

偏差値70のトップ校に合格するも……

 成績トップの島津順(羽村仁成)は、1月入試では愛知県にある偏差値70の全寮制中高一貫校に、2月入試では御三家・開成中学、都立中高一貫校に見事合格。

順と母親は、教育虐待やモラハラを繰り返す父親と別居し、母方の実家に身を寄せており、経済的事情から一度は受験自体を断念しようとしていた。

3つのトップ校の合格を決めた順だが、家庭事情に鑑みて私立はぜいたくと判断。開成の入学は辞退し、都立中高一貫校に進む道を選んだ。

「開成の合格は、俺が決めた俺の目標。それは叶えられたんだ。ちょっとパパを見返したいっていう気持ちもあったけど、パパもきっと俺のことを認めてくれると思う。開成の受験日に黒木先生『いい受験にしろ』って言ったよね。いい受験だった。俺、超満足してる」

「だからこの開成の合格は、黒木先生と佐倉先生や橘先生、桜花の先生たちみんなへのプレゼントだと思ってよ」

晴れ晴れとした表情で自分の意思を語る順に、黒木は「島津さん、君は最高の男です!」と絶賛した。黒木からのこの言葉は、順にとって合格以上の喜びと重みがあるものだろう。

 黒木といえば、かつては大手名門塾「ルトワック」でカリスマ講師として辣腕をふるい、多くの子どもたちを偏差値上位校に送り出していた。

 現在は中堅中学受験塾である桜花で校長を務める傍ら、大人から子どもまで通う無料塾「スターフィッシュ」を運営しており、塾講師の立場からさまざまな環境の子どもたちと接している。

 最終話終盤、現在もルトワックに勤める元同僚・灰谷純(加藤シゲアキ)と語らう場面で、黒木は受験において「合格」は最終目的ではないと話し、「受験を通して学ぶことの喜びや、己に勝つことの尊さを知った者が未来を切り開いていく本当の勝者だと思います」と語っていた。

 人によって解釈は異なるだろうが、中学受験経験がその子の自信になるか、が重要なのだろうと筆者は解釈した。だから「いい受験」にするには、親の経済力や狂気はもとより、「子どもの意思」が必要なのではないか。それはおそらく、受験に限ったことではなく、学校生活や習い事にも置き換えることができるだろう。

 小学生の子どもを持つ親にとっては、正直、この「子どもの意思」ってやつがどうにも厄介だったりする。親の意向と一致しないこともあるからだ。しかし、『二月の勝者』を視聴しながら、どこかのタイミングできちんと向き合わなくてはいけないのだと認識した。

 ちなみに原作は、現在進行形で1月入試真っ只中であり、今回の最終話はオリジナルの結末とのことだ。

 

『最愛』5つのキーワードで読み解く! 新薬「850」の数字、弁護士バッジや白川郷の意味を徹底解剖

 真犯人は? 伏線がどう回収される? 大ちゃんと梨央の恋の行方は? 回を追うごとネット界隈で考察がヒートアップしていた10月期の連続ドラマ『最愛』(TBS系)が12月17日についに最終回を迎えました。

 伏線は、次々ブラックボックスが開き一気に回収され、大ちゃん(松下洸平)と梨央(吉高由里子)が手をつないで物語は幕を閉じました。今回はこの『最愛』を、物語中の印象的なキーワード(シンボル)からあらためて考察してみたいと思います。

キーワード1:弁護士バッジ

 さて、物語の中心を貫いたのはある意味「連ドラのセオリー通り」加瀬賢一郎で、「台風の夜の死体遺棄共犯」「昭殺しの犯人」「しおり不審死」の全てに関与していました。

 ドラマ公式のあおりも手伝って「真犯人は誰?」とネット上では考察が大盛り上がり。例えば「主要キャスト12人の顔写真があるポスタービジュアルにヒントが隠されているのでは?」や「タイトル表記『最愛』の『最』の中にある又が不自然に下がっているのはなぜ?」などとネット上の考察班がさまざまな独自見解を公開していました。

 答えとなる「加瀬賢一郎」で当てはめると、最の字の「不自然に下がった又」が含まれる「賢」一郎が犯人では? という見立てがありました。それで合っていると思うのですが、ここでは見たままの「最」を上下に分けて、「日を取る」とした上で、答えをより強固なものにしてみたいと思います。

 ドラマ本編を通して、加瀬さんの胸元で一際目立っていた「弁護士記章」(バッジ)。そのつけ外しのタイミングも意味深に映り、あれこれと惑わされたバッジの存在ですが、その図像は天秤と向日葵(ヒマワリ)です。

 天秤は公平・平等を表し、ヒマワリは正義・自由の象徴とされます。英語では「sunflower」で、そのまま太陽=お日さまの花。その「日」を持つ仕事に就く加瀬さんを選び取れば正解だったという見立てです。

 また、加瀬さんがホシであることが確定し、大ちゃんはじめ警察に追われましたが、まんまと逃げおおせ雲隠れしました。こうなると弁護士の仕事を続けるのは不可能で、このまま辞めるしかなく、「日を取る」=「バッジを外す」、あるいは「(あくまで)法の下だけの正義(ヒマワリ=日)は取り払った」と考えることもできそうです。

キーワード2:新薬「SND850」の数字

 数字に注目すると、梨央が開発した新薬SND850は、8+5+0で13。映画『13日の金曜日』の印象が強く、この数字には不吉というイメージばかりが先行しますが、もともとは地上の王の数字です。13=トランプのキングでも王になりますが、これについて自然界では亀の甲羅が詳しく表しています。

 亀は万年といわれますが、万年とは久遠=永遠、時の概念を意味します。甲羅には周縁ぐるりと小さめの六角形が24(時間を表す数字)あり、中に大きめの六角形が13あるのです。24(時間)は13(地上)を守っているという表しが亀の甲羅なのです。

 その地上は現世となるので「現世利益」の薬にはぴったりの数字。また、この13はドラマの中でさりげなく補強されています。

 第4話、梨央の中傷記事が出た直後の定例役員会の時、申し出ていた治験の中断を覆し改めて治験参加を希望した被験者のハンドルネームが「Rina-w319」でした。3+1+9は13です。

 最終話エンディングの手をつなぐシーンがまさに象徴的ですが、「つなぐ」あるいは「結ぶ」「継ぐ」、そして「守る」が『最愛』の主要テーマになっていました。会社を母・梓(薬師丸ひろ子)から「引き継ぎ」、会社を「守る」ための最善策を取ることになった梨央。

 創業家が経営から退くという決断に至り、その辞任会見に臨む直前、兄・政信(奥野瑛太)のネクタイを梨央が締め直してあげるシーンは、個人的にはこの最終回で最もぐっときた場面で、長らく続いたきょうだいの確執が完全に解消され和解し和合、つまり「結ばれた」とわかる1コマでした。

 図像学的に、ネクタイはそのまま結びの象徴であるとされますが、それでいえば、第2話、白山大学陸上部で大麻事件が発生し寮に取材陣が押し寄せたとき、大ちゃんが優くんをその喧騒から遠ざけようと連れ出し散歩するシーン。大ちゃんが優くんのほどけた靴紐を「結び直す」のですが、その光景は印象的でした。

 思えば大ちゃんは学生時代、タスキを「つなぐ」駅伝選手。このように随所に「結び」のシーンが挿入されていたのです。結びの象徴はもちろん「人と人を結ぶ」ですが、「天と地を結ぶ」、また「過去と未来を結ぶ」表しでもあり、その場合、結び目は「現在(現世)」です。

 また最終回、大ちゃんと梨央が揃って登場するのはたったの2回。しおりの葬儀と朝宮家のお墓参りの霊的なシーンで、偶然にもいずれも2人並んで階段を下りていきます。これは2人が過去へと向かう、つまり「世界を変える30代」でも刑事でもない「あの頃の2人」に向かうということの表しでしょう。

 特に2回目は、白川でのお墓参りのあと、マフラーを巻いた(結んだ)2人が手をつなぎ「ちっちゃい手やな」「あったかい手やな」と互いの手の感触(実体)を確かめ合う……やっとのことで2人が結ばれたことを示唆して終わるのです。

 このドラマで気になるシンボルに「カサ」があります。まずは、台風の夜、達雄さんの背後に「傘」を持って立つ加瀬さんが思い出されますが、梨央の運転手「笠」松も意味ありげです。カサは記号化すれば三角になります。数多の象徴的な意味があり、いろんな考察が可能ですがここでは一点だけ、梨央が育った村、白川郷の合掌造りの三角屋根とつなげて展開させたいと思います。

 ちなみに合掌は両方の手のひらを合わせる礼拝の表現で、右手が「清浄(聖)」、左手が「不浄(俗)」。その合一によって、人間としての純真な祈りが捧げられるとされます。また右手が「未来」、左手が「過去」、真ん中が現在、つまり先にお伝えした「結び」と同義になる解釈もあります。

 この白川郷、ざっくりではありますが、かつての都・京都の中心、御所がある御苑の北東の門、石「薬師」御門からそのまま北東の延長線上に位置します。ちなみに、そのさらに延長には康介が埋められた越中富山。歴史的には「薬売り」が有名です。

 薬の開発に励んだ梨央が育った村を、そういった「薬のライン上」に置いたのが偶然だとしたら驚きです。

 さて、仏教的にみて、創薬に情熱を注ぐ梨央は薬師如来に、足の速い大ちゃんは韋駄天と考察することができます。すると、加瀬さんは「賢の字」がある普「賢」菩薩に当てはめてみたくなり、慈悲の象徴ですから慈愛と正義に満ちた加瀬さんにはぴったりです。ちなみに悪知恵も働いてしまった後藤専務(及川光博)はさしづめ智恵の象徴、文殊菩薩と言えそうです。

 これらは一見こじつけのようですが、神話や叙事詩、また聖書や仏典の類からシェイクスピアの悲劇まで、こういった象徴・図像でがんじがらめなのです。いかに神々(天体、時間の概念、数字など)を地上の生きとし生けるものに降ろして正しく配置(表現)するかが、古来からの「物語」の裏テーマで、これら象徴・図像がきれいに整っていると未来永劫残る「古典」になるともいえます。

 そうなると、『最愛』制作陣は、ドラマ史に残る作品を作るというその一点のみの目標で挑んだのかもしれないと思えてなりません。このような図像学的考察を可能にしてくれる神話的・叙事詩的なドラマは、そうめったにないのです。

 最後に。最愛の「愛」について触れることができませんでしたが、加瀬賢一郎を演じた井浦新さんが、最終回終了後にアップした写真で、その字の成り立ちを体現してくれています。

 漢字字源字典『字統』(平凡社)によると、「愛」の字は「後ろに心を残しながら、立ち去ろうとする人の姿」なのです。

 そして、あのダンテの『神曲』地獄篇冒頭のようでもあります。

人の生の道なかば、
ふと気がつくと、私は正しき道の失われた
暗き森の中を彷徨っていた。

 これから地獄篇……そういうことなんですか? ……加瀬さん。

木下けいいち
フリーの出版専門メンテ屋さん。 世の中のあれこれを図像学的に読み解くのが趣味。 ヘッドホンはGRADO派の変態紳士。

『ザ・ノンフィクション』日本を出て中国・深圳で生きる原動力「この町で人生を変えたくて ~結婚とお金と生きがいと~」

 日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。12月19日の放送は「この町で人生を変えたくて ~結婚とお金と生きがいと~」。

あらすじ

 真新しい超高層ビルが立ち並ぶ中国のハイテク都市・深圳。住民の平均年齢は33歳で、街全体が活気にあふれている。開発スピードもめまぐるしく、番組のナレーションでは「シリコンバレーの1カ月は深圳の1週間」と伝えられていた。

 こちらでバー「モザイク」を営む35歳のゆきは、今年の2月に前のオーナーからこの店を引き継ぐ。SNSで流れてきた譲渡の情報がきっかけで、わずか3秒の即決だったという。ゆきは子どものころから日本の生活に息苦しさを覚えていたと話し、教師になるもその後世界中を旅し、深圳にたどりつく。「モザイク」は日本人駐在員たちで連日にぎわっている。

 即決のゆきは結婚も早く、日本の婚活はふるわなかったというが、中国で婚活を始めて最初に出会ったリャンと早々に結婚する。しかしゆきは中国語を話せず、リャンは日本語を話せないため、2人の会話は英語だ。

 リャンが同僚をモザイクに連れてきたとき、わからない中国語の会話の輪に自分が呼ばれたことや、営業時間を過ぎても帰らないことにゆきは不機嫌そうだった。新婚のワンルーム生活もゆきにはストレスだったようで、ゆきは自分用の部屋を別に借りる。

 モザイクの客である26歳の鈴木は深圳3年目。投資会社で働き、新米ながら数億円の運用を任されている。日本について「お金持ちになりたいというと汚いと思われる」「資本主義の犬め、みたいな」と話し、鈴木も日本社会に窮屈さを感じていたようだ。鈴木はモザイクで出会った中国人女性をデートに誘い、中国で生活を根付かせていきたいようだった。

 同じくモザイクの客で47歳の高須は、世界中から深圳に集まってくる最先端技術を世界へ発信し、日本企業と最新技術の橋渡し役を行っている。大規模会場で毎月のように行われる展示会に足を運び、新しい技術を前に楽しそうな様子だった。世界最先端の情報を発信している高須のSNSには、世界中から1万2,000人を超えるフォロワーがいるという。

 番組の最後では、ゆきが中国語の勉強をはじめ、夫婦でゆきの誕生日を祝っていた。

夫のやることなすこと気に食わないのは、無自覚な要求の多さゆえ?

 モザイクの店主のゆきは、異国でにぎわう店を切り盛りしており、人生を1人で切り拓いていける行動力の持ち主だが、それゆえに我もかなり強そうだった。夫のリャンは国際結婚に憧れがあったのか、「日本人女性は~」となにかと連発するが、ゆきは主語を大きくするなと怒っていた。

 そんなリャンは基本的に悪気がなくおだやかだが、ゆきはリャンの一挙手一投足にイラついているように見えた。夫のやることなすこと気に食わないという妻は多いが、これは妻自身の無自覚な要求の多さにも問題があるように思う。

 しかし、番組の最後でゆきは「(リャンに対し)私と一緒にいてくれることがすごいなぁって思います」と話していて、結婚生活はゆきを少し大人にしたのだろう。

 ゆきと鈴木は「日本社会がどうにも合わず、世界中を旅し深圳にたどり着く」という経緯が似ている。特に鈴木は「日本って『お金持ちになりたい』というと汚いと思われるじゃないですか」「資本主義の犬め、みたいな」と話していた。しかし、実際に鈴木に口頭でここまで言った人は本当にいたのだろうか。鈴木の話を聞いていた番組スタッフも「そうかなぁ」と同意しかねていた。

 実際のところは、なんとなく雰囲気でそう感じたとか、ネットの書き込みを見た、あたりなのではないだろうか。ネットは大げさなものほど目を引く世界なので、リアルとは異なる。もし実際に日本で、鈴木の夢に対し対面でこのように言う人がいたのだとしたら、それは日本社会が悪いというより、話す相手のチョイスを間違えたようにも思う。

 一方で、「過去を(実態よりも)くさして、それをこれからの生きるためのバネにする」という感覚は、鈴木ほどではないものの、私も上京してきた立場なのでわかるところもある。国や地域でなくとも「自分を振った相手、うまくいかなかった勤め先を悪者にして奮起する」「あいつを見返してやる」などまで含めれば、心当たりのある人も少なくない感覚に思える。

 その人がよりよく生きるためのバネになるのならこのやり方もアリだとは思うが、何かをくさして奮起するというのは、実態以上に過去や故郷や人などを嫌悪するなどの副作用もあるのではないかと思ってしまった。しかし鈴木は26歳であり、「若さゆえ」とも言える。

 一方、3人目の登場人物である47歳の高須は大人だった。年季の入った技術オタクでありビジネスマンの高須は、展示会を巡り新技術に食いつき、スタートアップの企業を自転車で回り商談してと、愛する最新技術に世界で一番触れられる場所で、いきいきと暮らしていた。

 また高須はゆきや鈴木のように「自分は日本が合わない」といった発言はなく、むしろ中国の最新技術を日本に伝えていきたいと話していた。高須のように過去へのネガティブな気持ちを原動力にしなくとも、健康的に、自然に頑張れる人もいるのだ。

偏差値37の娘がカンニング行為! 受験目前、母親に追い詰められた子どもの「意思」『二月の勝者』第9話

 中学受験をリアルに描く連続ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ系、土曜午後10時~)。舞台は、スーパー塾講師・黒木蔵人(柳楽優弥)が校長を務める中堅中学受験塾「桜花ゼミナール吉祥寺校」。

 12月4日放送の第8話では、成績トップの島津順(羽山仁成)と母親が、教育虐待やモラハラを繰り返す父親と完全別居。順は経済的事情から受験を断念しようとするが、黒木から奨学金制度の話を聞き、改めてチャレンジを決意した。

あらすじ

 12月11月放送の第9話では、受験まで残り3カ月となった生徒たちの志望校決定の模様が描かれた。

 たとえば、第5話でクローズアップされた上杉海斗(伊藤駿太)は、御三家で難関校の「開成」を受験したいと母に直訴。海斗には、大手名門塾「ルトワック」の最上位クラスにいる双子の弟・陸斗(同・一人二役)がいる。

 海斗の母は、「最上位校目指すっていうのは勉強に向いている子がすることよ。海斗は運動神経がいいんだからスポーツが向いていると思うの。人にはね、向き不向きっていうのがあるの。お母さん、向いていないことで苦労させたくないの。わかるでしょ?」と、やんわり息子を諭した。

 そんな母に、海斗は「決めつけてほしくない」と訴える。

「どうしてママはいつもそうやって、僕たちの向いてるとか向いていないとかを決めつけるの?」

「いつになったら自分でやりたいことを自分で決められるの?

「僕はただ、最初からできないって決めつけてほしくなかっただけなんだ」

 そもそも「向き・不向き」というのは、割とデリケートな話題だ。子どもにしてみれば、よりにもよって自分の「やりたいこと」を、「あなたには向いていない」と言われるなど、意欲を削がれるどころか、自分を否定されたも同然の事態だろう。

 一方で、親が我が子の「幸せ」を思い、苦労するところを見たくないと願った結果、「向き・不向き」をあれこれ思案することも、ときに無神経な言動をしてしまうことも、ままあることだと思う。そして、親の判断と子どもの希望は必ずしも一致しない。幸い、海斗は自分の気持ちをしっかり言葉にして母に伝えることができ、母も海斗の開成受験を認めた。

偏差値37の成績に見合わない志望校

 一方で、志望校選定の時期が来てもなお、子どもに向き合えない親もいる。成績下位のRクラスに在籍する偏差値37の今川理衣沙(渡邉心結)は、母が熱望する「吉祥寺女子」をはじめ、志望校は本人の成績に見合わない学校ばかり。

 知名度重視の理衣沙の母は、Rクラス担任の佐倉麻衣(井上真央)が安全校の併願を勧めても、理衣沙が「吉祥寺女子」の過去問で合格者平均点を出したと言い、聞く耳を持たない。が、答案を見る限りカンニングは明らかだった。

 黒木は、理衣沙が書店で過去問を立ち読みし、答えを丸暗記したのだろうと推測。そして佐倉に、「いかに保護者にこの不正を知らせず、怒らせず、そして受験生本人を受験に向き合わせることができるか」という難問の解決を指示する。

 もちろん不正はよくないし、本人のためにもならないが、それくらいに理衣沙は追い詰められている。自信を失くしている子には成功体験が特効薬だと考えた佐倉は、理衣沙の実力に合った学校の過去問を探して理衣沙に渡す。

 自力で問題を解き、合格ラインを超えたことを知ると涙ぐんでいた理衣沙は、母主導の志望校とは別に、自分にとっての第1志望校である併願校を決め、表情も晴れやかになった。

合格のために「まず必要なもの」は、「本人の意思」

 第1話で、合格のために「最も必要なもの」は「父親の経済力と母親の狂気」と断言していた黒木。今回の第9話では、理衣沙に自信を取り戻させた佐倉へ「あなたの今回のやり方は間違っていなかったんでしょうね」と認め、合格のために「まず必要なもの」は、「本人の意思」だと語った。

 大手名門塾「ルトワック」にいた頃の黒木は、「優秀な生徒たちを一つでも偏差値の高い学校に送り込むこと」が「子どもたちの幸せ」であり、自分の使命だと思っていたが、「合格後」の子どもの人生までは想像していなかった。

 ある卒業生は、無理をして難関中学に合格した後、授業についていけず不登校となり、家庭も崩壊したという。そのことに自責の念を持つ黒木は、桜花では、生徒たちの「意思」を大切にしているように見える。

 12月18日には、いよいよ最終回が放送される。果たして桜花の生徒たちは「二月の勝者」となれるのか。

『最愛』ラスト直前“考察”! 梨央が死ぬ暗示? 名前だけで読み解く梓としおりの物語

 真犯人は? 伏線がどう回収される? 大ちゃんと梨央の恋の行方は? 等々、回を追うごとネット界隈で考察がヒートアップしている10月期の連続ドラマ『最愛』(TBS系)。

 TBSドラマの黄金コンビ・塚原あゆ子監督、新井順子プロデューサーと、視聴者の心を震わせた名作『リバース』の奥寺佐渡子氏と清水友佳子氏が、オリジナル脚本を携えてタッグを組むということもさることながら、その新井Pが長年オファーし続けてきたという宇多田ヒカルさんが楽曲提供を引き受けたことで、『最愛』への期待値がグンと上がったドラマファンも多いことでしょう。

 さて、このドラマの登場人物の主要女性キャラを見てみると、主人公は真田「梨」央(吉高由里子)。その母・真田「梓」(薬師丸ひろ子)。真田ウェルネスの闇を追うフリーの記者・「橘」しおり、旧姓「松」村栞(田中みな実)。そして、桑子こと駒沢署刑事「桑」田仁美(佐久間由依)。

 いわゆる「艦マニア」ならお気付きかと思いますが全て駆逐艦由来なのです。それこそ『新世紀エヴァンゲリオン』の勇敢で凛々しい彼女たちのネーミングのように。偶然なのでしょうか。

しおりと梓という名前の意味

 そんな名前についてですが、出版界の人間は書物にまつわる「梓」「しおり」に目が留まったりします。書物を出版することを「上梓」と言いますが、その語源は梓の木を木版印刷の版木に用いていたからです。梓は書物に深く関連する樹木なのです。

 一方のしおりに関しては説明するまでもないでしょう。頁の間に挟むアレです。しおりはフリーライターの肩書、マスコミ出版界の人間なので、その名に即した仕事に就いているともいえます。また、そのための支援を人知れず続けていたのが梓なのかなと想像をめぐらせたりもできます。

 すると、もしかしてしおりは、まさに書物に挟まれるように、梓に抱きしめられたかったのかもと思えてくるのです。そうです。しおりの最愛は梓という見立てです。

 どういった経緯で梓がしおりを支援するに至り、最愛の対象となったのかを含めた仮説を用いると、未解決のままの事案はじめ、各話の余白の部分をそれなりに埋めることができるのですが、それはここでは控えます。

 このドラマのファンであれば、最終話を前にして余計な雑音は入れたくないでしょうし、当たった外れたの土俵に立ったところで、これは「負け相撲」でしょう。そういうことではなく、このような思考実験の機会を与えてくれるこのドラマに対する振る舞い、敬意の示し方の一例としてこの記事を書いてみました。

 しおりのパートといえるのが第7話。そのモノローグでしおり自身が語ります。

気がつくと考えている
もしもあの時
違う道を選んでいたとしたら……
もしも、あの人に会っていなければ……
もしも、あの時あの場所に行っていなければ……
もしも明日この世が終わるとしたら
その瞬間にも私は「もしも……」を考えて続けているんだろうか

 橘しおりは、常日頃からいろんな「もしも」を繰り返しているのでしょう。例えば、「もしも、私が梨央さんだったなら」=「もしも、私が梓さんの子どもだったら」などとも。モノローグの文言にしても、視聴者が思いつくこと以上に複雑な「含み」があるのかもしれません。

 ここからは少しわかりにくい話になりますが、フォークロア(民俗学)もどきのアプローチで考察してみたいと思います。

 しおりは一言でいえば、生に全く執着しないという人物像です。「真田ウェルネス」の寄付金の不正流用を暴くべく無謀な不法侵入を試み、結局、車のトランクに押し込められるという展開がありましたが、無事生還した後の彼女の発言が「殺されるのも悪くないなと思ったんです」でした。いつ登場しても表情に生気がなく「生ける屍」のようで、極端にいえば「冥界の住人」のようです。

 その冥界は「全てが反転している世界」という説がありますが、しおりの名前を反転、逆読みすると、

「りおし」=「梨央死」です。

 死んだ梨央、ということでしょうか。それとも梨央が死んでしまう(最終話で!?)暗示なのでしょうか。これがたまたまなのか、あえてその名にしたのかはわかりません。そうだとしても世の中には多くのしおりさんが実在します。あまり好ましい使い方とはいえず、公式が実際のところを明かすことはないでしょう。偶然だとすれば、それこそ宿命づけられた名前ということになりそうです。

 ともかく、その視点で橘しおりという存在を考えてみると、冥界と現世を往来するような存在として置かれたのでは、と思えてくるのです。

 死んだ梨央とは何なのかと考えると、あの忌まわしい大学院生・康介に暴虐の限りを尽くされてしまい、その後の人生を「殺されて」しまった梨央なのではと考えることもできてしまいます。そうするとあくまで設定の話として「もしも……の梨央」を生きてきたのがしおりと置き換えることができるのです。

「あの日から人生が一変しました。なのに、あなたは世界を変える30代……」

 第7話で、梨央としおりがあのように取材の形で対峙してしまいました。しおりは、梨央の「もしも……人生を殺されていたら」の存在であるため、パラレルワールドでもない限り、同一人物となってしまいます。1つの世界に同一人物は存在するのは許されない。その結果、しおりが死に至ったのではないでしょうか。

 ここで名字の橘についても考えてみたいと思います。柑橘系の橘は古来「時軸」と呼ばれていました。その字のままで考えると、冥界と現世の往来説もまんざらでないような気がします。そして、橘しおりが物語の時間軸、物語の中心を貫いているのではないかとも思えてきます。

 そうすると「15年前、台風の夜の死体遺棄共犯者」「康介の父・昭殺しの犯人」「しおり不審死」は全てしおりが関与しているというふうにも考えられるでしょう。「しおりの死にしおりが関与」は自殺を意味します。ただ、そうだとしても、冥界の住人ですからそれは悲しんだり憐れんだりするものではなく、しおりが望んで「本来の居場所」に戻ったとも解釈できそうです。

 転落死現場の姿。左足があり得ない方向に折れ曲がっている無惨なアウトライン。そういったリアリズムに反して美しくもあったしおりの死に顔が、何かを示しているように見えてきます。

 例えば、その最後の最期に最愛の人と会えていたとしたら、そして胸の内をしっかり伝えることができていたなら、しおりはその瞬間はむしろ幸せだったのではとさえ思えてくるのです。

『最愛』梨央が後藤専務の血を顔に塗ったわけ

 最後に、一つ印象的なシーンがあったので触れておきます。第1話冒頭とつながる第9話終盤、梨央がパトカーに向かう時に髪をかき上げ、その際顔に血がついてしまったあの場面です。

 「この血は誰のだ?」とこれまで数々の不穏な考察を呼ぶこととなりましたが、それがまさかの、組織内でむしろ敵対関係であり、不正に手を染めていた後藤専務(及川光博)の血だったわけです。

 梨央はそんな彼の血がどっぷり手についても気にすることなく、それどころか顔に塗ったのに拭こうともしない、この描写には戦慄しました。まるで後藤と「血の掟」を交わしたかのよう。その様は歌舞伎の「赤の隈取」に見えてなりません。組織の正義を貫く覚悟の表れなのか、梨央が経営者として、赤い隈取が意味するところの「勇気」「正義」「強さ」を持った瞬間と見ることもできそうです。

 梨央が梓から完全に世継ぎした瞬間。梨央の最愛が大ちゃんこと宮崎大輝(松下洸平)から母・梓=会社へとシフトしたことを表現したのかもしれません。

 母から娘への母系組織の成立に関しては、このドラマを通して何度か映し出される岐阜富山県境辺りに吊るされた「ドリームキャッチャー」が意味を持つと思えてきます。元来ネイティブアメリカンの少数民族オジブワの装飾品であったドリームキャッチャー。オジブワはいにしえから今も続く母系部族で、男性はその守護の役割を担っているそうです。

 そうなると気になるのは梨央と大ちゃんの恋の行方です。所轄に転属した大ちゃんが、その初日に「足速いんだって!?」と聞かれていました。視聴する立場からすれば唐突に念を押されたようでした。そんなこと言われなくてもわかってる、大ちゃんは足の速い「韋駄天」ですとも。 一方の梨央は創薬に情熱を注ぐ、いわば「薬師如来」。

 仏教でいうところの韋駄天は薬師如来の守護神ですから、梨央を命懸けで守ることはできても、多くの視聴者が期待するような形では結ばれないのでは?――などという見方もできる稀有なドラマがこの『最愛』なのです。

木下けいいち
フリーの出版専門メンテ屋さん。 世の中のあれこれを図像学的に読み解くのが趣味。 ヘッドホンはGRADO派の変態紳士。

『ザ・ノンフィクション』やる気を見せても、すぐに「逃げ出す」人たち「スマホとホームレス ~無料Wi-Fiに集う若者たち~」

日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。12月12日の放送は「スマホとホームレス ~無料Wi-Fiに集う若者たち~」。

あらすじ

 都内で生活困窮者の支援を行う佐々木大志郎。困窮者のSOSはスマホから届くという。しかし携帯会社に通信費を払えないほど困窮しているため、端末を街の無料Wi-Fiにつなげている。

 炊き出しの場所、日雇いの仕事探しなど、今の生活困窮者にとってスマホは必需品であり、佐々木もウェブでの情報提供に力を入れ、炊き出しなどの日は自前でモバイルWi-Fiルーターや充電器を持参する。そうした支援活動を続ける佐々木のもとに、SOSを出した3人のホームレス青年を見つめる。

 28歳の山本は料理人だったが新型コロナで店が苦境に陥り、解雇され寮から追い出されてしまう。日雇いの仕事が見つからない日は、何も考えたくないとただひたすら街を歩き回っているという。夜は金があればネットカフェを宿にするが、公園で夜を過ごすこともある。

 生活は一層困窮し、一昨日から何も食べられない状況になり佐々木にSOSを出す。生活保護を申請し、家を決め、新たにスマホ修理の仕事を得る。当初は仕事にやる気を見せていた山本だったが、仕事への愚痴を番組スタッフにこぼすようになり、仕事を辞め、佐々木への連絡も途絶えてしまう。

 37歳の中村は日雇いの仕事をしていたが、携帯料金が支払えなくなり、日雇いのバイトも採用されない状況だという。母とは疎遠で、生活保護の申請を佐々木に促されるも、結局、その後連絡は途絶えてしまい、申請は行われなかった。

 佐々木は生活保護をためらう人が多い理由について、生活保護に良いイメージがないことと、申請に際し親族に照会連絡が行くことへの抵抗があると話していた。

 その後、中村と再度連絡がつながり、今度こそ申請を、となるが、またも約束の日に中村はすっぽかす。生活保護の受給は見送り、実家のある九州で頑張ってみると中村から連絡があった。

 31歳の佐藤は飲食業をしていたが失業。パニック障害とうつの治療を行いながら家族と同居していたが、家族仲がこじれ、出て行ってほしいと母親から言われ、佐々木のもとを頼る。新居を見つけ、フードデリバリーの仕事をしつつ、正社員を目指し就職活動も行っていた。

 なお、3人の青年ともに顔にボカシが入っていたが、持ち物や服装といった見た目にはいわゆるステレオタイプ的な「ホームレス」感はなく、こざっぱりとした印象だった。これはネットカフェや個室ビデオ店など、シャワーサービスを併設した、安く泊まれる場所が増加したことも影響しているという。

 路上生活者は減ったが、ホームレスが減っているわけではなく、見えにくくなっているだけと番組では伝えられており、都内の公園で行われた生活困窮者に向けた弁当の配布には長蛇の列ができ、スマホを手にした若者と思しき男女の姿も散見された。

 3人の生活困窮者が番組では紹介されていたが、今後について前向きな様子が映像で確認できたのは佐藤だけだった。山本は、新しい家も就職先も見つけたものの長く続かず、連絡を絶ってしまう。

 山本は番組スタッフとの受け答えなどちゃんとしている青年だったので、突然の放り投げるような行動との落差に驚いてしまった。

 しかし『ザ・ノンフィクション』では、生活困窮者とそれを支援する人たちを取り上げた回が過去に何度もあり、思い返してみると、 残念ながら今回のような「支援される人の雲隠れ」は「あるある」ですらある。

 さらに、そういった人たちは「確かにやりかねない」と危うさを感じさせる人は少なく、山本のように、むしろ「ちゃんとしてそう」な人が多い。そんな人が、いきなり投げやりな態度になっていき、投げ出し、関係者はびっくりしてしまうーーそんなケースは、過去に番組で何度も見ていた。

 「助けてくださいと手を伸ばし、支援者のバックアップで生活は再建された。めでたしめでたし」となることのほうが、今までの番組を見る限りは少ないのだ。

「逃げる」選択肢を選ぶのがとにかく早い

 今まで『ザ・ノンフィクション』で見てきた「逃げ出す人たち」は、最初はやる気を見せる。その気持ちに嘘はないと思うのだが、そこから逃げ出すまでが驚くくらい早い。つらいこと、困難なことに適応、対応する力が弱く、「逃げる」という選択肢を選ぶのが早すぎるのだ。

 つらいことや困難なことは誰だってイヤだと思うが、そこで「ふんばってみる」「愚痴をこぼしつつ乗り切る」「相談する」「転職する」など、ほかの選択肢もあるのに、いきなり「逃げる」を選んでいる印象だ。

 「逃げる」は重要な選択肢だと思うが、「逃げ癖」がつくのはまずいし、放り出すような逃げ方では信頼を失ってしまう。

 佐々木は連絡のつかない山本を案じていた。逃げ出してしまうのはあるあるすぎていちいち怒ったり失望したりしていられないのだと思うが、それでも手を差し伸べ続ける支援者の方たちの日々の活動を尊敬する。そして同時に、「逃げ癖」がついてしまうことの怖さを改めて感じた

 次週は「この町で人生を変えたくて ~結婚とお金と生きがいと~」。急速な発展を続ける中国・深圳。1700万人に膨れ上がった人口の平均年齢は33歳。活気あふれるその街でバーを営む「ゆき」のもとを訪ね、深圳で暮らす日本人たちの姿を見つめる。

小6息子に「教育虐待」を続ける父親、警察騒ぎに! 黒木が取った行動は?『二月の勝者』第8話

中学受験をリアルに描く連続ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ系、土曜午後10時~)。舞台は、スーパー塾講師・黒木蔵人(柳楽優弥)が校長を務める中堅中学受験塾「桜花ゼミナール吉祥寺校」。11月27日放送の第7話では、勉強しないのに塾に通い続ける男子生徒の事情が明かされた。

あらすじ

 12月4日放送の第8話では、成績最上位Ωクラスのトップ・島津順(羽村仁成)の家庭問題が再びクローズアップされた。電話から怒鳴り声や悲鳴が聞こえたことを受け、黒木と新人塾講師の佐倉麻衣(井上真央)が島津家に駆けつけると、家の前にはパトカーが止まっていた。

 以前から妻子に教育虐待やDVともいえる振る舞いを続けてきた順の父親(金子貴俊)は、順の反撃に「謝らないと警察に通報する」と脅し、本当に通報。母親(遠藤久美子)は、夫との離婚を考え、順を連れて実家に避難した。

 それでもなお、自分が大学に合格した時のやり方を疑わない順の父親に、黒木は「あなたが大学受験したのは18歳。順さんは今12歳です。40キロそこそこの体重で10キロ近い勉強道具を背負って、毎日塾に通っているんです。こんな重たい荷物を欠かさず背負ってたんだなと一言かけてあげることはできませんか」と投げかけた。

 後日、順は桜花を訪れ、受験をやめることを決めたと黒木に伝える。母親と二人で生活するうえでの経済状況を思ってのことだ。「最後に見てもらいたいものがある」と、第1志望校であった開成中学の過去問の解法を嬉々とした表情で説明する順は、黒木から花丸をもらうと「こんな問題出す学校にチャレンジしたかったなぁ……」と涙を見せる。

 父親から無茶な勉強法を強いられることは苦痛だっただろうが、勉強自体には自ら意欲的に取り組んできたのだろう。

 黒木は、順と順の母親に、学費の安い国立や都立の中高一貫校、そして開成中学の奨学金制度について説明。「本当は、本当は自分の力を試したい」「俺、開成受験したい」と言う順に、母親も「それが正直な気持ちなら、先生を信頼してこの子を預けます」と意思を固めた。

塾講師との関係は、金を払うことで成り立っている

 ついに順の母親が離婚の覚悟を決めた。第5話で順の父親の横暴ぶりを見ていた視聴者たちは胸を撫で下ろしたことだろう。

 一方で、黒木が島津家の家庭問題に少なからず介入したことについて、桜花の塾講師・桂歌子(瀧内公美)が「それは正直、越権行為」「塾講師の我々が入っちゃいけない領域」と苦言を呈する場面もあった。黒木自身、以前、塾は生徒の家庭への介入はできないと語っていたし、自分の取った行動に葛藤があるようだ。

 第7話と第8話では保護者面談も行われていた。桜花の塾講師たちは、受験に必要な勉強を教えるだけでなく、生徒の希望や保護者の意向を汲みながら、受験プランや対策を打ち出していく。

 思春期に差し掛かった年齢の生徒たち一人ひとりの将来と、真剣に向き合う作業だと思う。それでも塾講師と生徒の関係は、生徒の親がお金を払うことによって成り立っているという前提がある。親でも家族でも親戚でもなく、学校や警察や児童相談所のような公的機関ともまったく違うのだ。

 保護者面談で親の質問に的確に答えていく黒木は、その生徒に合った学校の一覧リストを用意するなど資料作成にも余念がなかった。さらに、自身がひそかに?運営する無料塾「スターフィッシュ」の生徒たちにも、それぞれの子に合ったテキストを揃えていた。

「スターフィッシュ」での黒木を知る佐倉は、「子どもたちと接するときの黒木先生は桜花でも同じ」「言ってることもやってることも全て、全部が子どもたちのためなんだな」と気づく。黒木の子どもたちを思う気持ちは激アツだ。

 12月11日放送の第9話では、受験3カ月前、生徒たちが志望校を決めていく様子が描かれる予定だ。

『ザ・ノンフィクション』遺影専門の写真館「笑顔の一枚とあなたの記憶 ~家族へのおくりもの~」

 日曜昼のドキュメント『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ系)。12月5日の放送は「笑顔の一枚とあなたの記憶 ~家族へのおくりもの~」。

あらすじ

 東京、中野で遺影専門の写真館「素顔館」を営むカメラマンの能津喜代房(73)。13年間で5,000人以上の遺影写真を撮っており、館内には笑顔の遺影が並ぶ。

 能津はもともと広告カメラマンだった。カメラを質に入れるほど暮らしが厳しかったころに生活を支援してくれたのは義父だが、その義父が亡くなった際に写真を撮っていなかったことを後悔して、遺影写真のカメラマンへ転身した。

 遺影撮影の第1号は郷里の山口で暮らす能津の両親だった。元気な時の1枚は「家族への最高のプレゼント、最後のプレゼント」と能津は話す。そんな能津のもとを訪ねた「遺影を撮影したい人」の背景を追う。

 80歳の房江は、息子を5年前に37歳で亡くしてしまう。突然の体調不良で入院し、何が原因かもわからないまま亡くなってしまったという。その若さで遺影など事前に撮影するはずもなく、スナップ写真を引き伸ばして使っているため写真は少しボケている。その後悔もあり、自身はちゃんとした遺影を撮影しようと、房江は素顔館へと向かう。

 2017年に能津が撮影した68歳(当時)の貴美子は、がんが進行し、気づいたときにはすでに手術ができない状況で、医師から6~9カ月の余命を宣告されてしまう。がんの治療で見た目に変化が出てしまう前に、と娘が遺影の撮影を勧めたそうだ。

 貴美子の自宅で行われた出張撮影は、父親が新居の祝いにと植えた思い入れのあるバラが満開になるタイミングで行われ、そのバラを背景に、孫の吹くシャボン玉に囲まれて、貴美子は遺影を撮影した。

 54歳(20年10月時)という若さで遺影写真を撮影した正樹は、取材の前月、腎臓にガンが見つかったという。手術してみないとわからない状況とのことで、腎臓を全摘出して人工透析になる可能性もあると、医師から告げられていた。

 今一番(健康状態が)いいときに自分の写真があってもいい、と撮影を依頼する。幸い手術はうまくいき、短期での職場復帰を果たしていた。

 番組の最後では、17年の撮影から4年たった貴美子が、孫を抱きかかえるほど元気に過ごしている姿も伝えられていた。遺影の自分自身の写真が力になったと話す貴美子は、今回、能津に家族写真を依頼していた。

「遺影」を撮影することで生まれる気持ちの変化

 冒頭で紹介されていた房江は、番組で見る限り、健康上に問題はない状態での遺影撮影だったと思われる。その後、出来上がった遺影を近所の人や娘にお披露目していたが、その場で笑いも出てしまう、ちょっとユーモラスで、朗らかで、ほのぼのとした1枚だったのが印象的だった。

 そもそも遺影を本人がお披露目するというのも、なんともシュールだ。足元に迫った死を笑うことは難しいが、自身が健康で死が少し遠い距離にあるときは、ユーモアをもって扱うと、思わず笑ってしまうことがあるだろう。それは、死という最大の恐怖からちょっと救われる、ほっとする笑いだったりする。

 近いところにある死は深刻だが、一方で覚悟が決まることもある。余命宣告をされていた貴美子や、人工透析になるかもわからないまま手術に臨んだ正樹は、2人とも幸いその後の経過がよく、遺影が使われることなく今も過ごせている。2人とも遺影の自分の姿が力になったと話していた。

 「自分の死」を意識するというのは、強烈な覚悟になるのだろう。時になんだか笑えてしまったり、覚悟が決まったりと、恐怖だけではない、さまざまな「死の持つ力」を感じた回だった。

 私はライターで、たまにカメラマンが同行できない案件で写真を任されることもある。そこで思うのが「写真を撮られる」側の難しさだ。

 知人がスマホで撮影した飲み会の写真では良い笑顔の人も、あらたまった場の撮影では、慣れなさから表情が硬くなってしまうケースが本当に多い。能津も貴美子の遺影を撮った際、貴美子の孫に参加してもらうことで硬さを抜いていたが、この「硬さを抜く」が本当に大事なのだと思う。

 本当は、能津が手掛けた多くの遺影写真のように「くつろいだ自然な笑顔」で写るのが最高だと思うし、それを引き出すのがプロカメラマンなのだと思う。

 私自身、スタジオで撮ったプロフィール写真があるが(遺影が必要な際はこれを使おうと思う)、その際、自分が撮影する側で苦労した経験があったために、硬くならないように、あえてものすごく笑ってみた。すると写真では、それがちょうどいい塩梅になっていたのだ。

 こうした撮影経験から、「ちょっと大げさなくらいがちょうどいい」のだと思う。選挙ポスターみたいな、こんなのやりすぎじゃないのか、と不安になるくらいの笑顔が写真だとちょうどよかったりする。

 また、歯を見せない笑顔は何か腹に隠し持った感じや、ツンと取り澄ましたように見えてしまうので、できれば歯は見せて笑ったほうがいいように思う。参考になれば幸いだ。

 次週は「スマホとホームレス ~無料Wi-Fiに集う若者たち~」。都内の公園、生活困窮者のための炊き出し会場に掲げられた看板には「無料Wi-Fi使えます」「スマホ充電できます」という言葉が並び、そこにはスマホを手にした若者たちが集まってくる。スマホは炊き出し場所など、生活に困っている人が支援とつながるための最後の命綱なのだ。現代の貧困の姿を見つめる。

受験塾に通っても「勉強しない」生徒、黒木が取った行動は……? 『二月の勝者-絶対合格の教室-』

 中学受験をリアルに描く連続ドラマ『二月の勝者-絶対合格の教室-』(日本テレビ系、土曜午後10時~)。舞台は、スーパー塾講師・黒木蔵人(柳楽優弥)が校長を務める中堅中学受験塾「桜花ゼミナール吉祥寺校」。11月20日放送の第6話では、タイプの異なる女子生徒2人に友情が育まれていくさまが描かれた。謎多き黒木の“もう一つの顔”も少しずつ明らかになってきている。

あらすじ

 11月27日放送の第7話でスポットが当たったのは、成績下位のRクラスの問題児・石田王羅(横山歩)だ。王羅は塾に来ても真面目に勉強しないし、自習室でも騒がしい。

 王羅に頭を悩ませるRクラス担任の佐倉麻衣(井上真央)に、最上位Ωクラス担任の橘勇作(池田鉄洋)は「本来小学生なんてみんなあんな感じ」と語る。問題児の王羅だが毎日塾に来ており、「俺たちはいつの間にかそれが当たり前だと思っているけど、そもそも小学生が毎日塾に来て座っているってすごくね? すごいんだよ。そこから認めてやんないと」と。

 黒木からはしばしばダメ出しを食らう橘だが、決してポンコツではないことがわかる。一方で橘は、自習室でゲームの音を鳴らした王羅にRクラスの大内礼央(粟野咲莉)が「いい加減にして!」と怒った際、勘違いして礼央を注意してしまうのだが……。

 「勉強に向いていない子」に見える王羅が、塾に通うのには理由があった。夫と死別し鍼灸院を切り盛りする王羅の母は多忙で、地域の学童は3年生までしか利用できない。手のかかり過ぎる王羅の預け先に困った母は、最終的に「一番長い時間子どもを預かってくれる」中学受験塾である桜花を選んだ。

 そして勉強に意欲がなくとも、友達や橘をはじめとする面倒見の良い講師らがいる桜花は、王羅にとって「放課後の居場所」となった。もちろん相応の費用はかかるわけで、勉強をサポートする時間的余裕がなくとも、王羅の母に一定の経済力があるからこそ可能な解決方法だ。

 いささか極端な設定ともいえる王羅のケースだが、現代の中学受験が親の「経済力」のみでは成り立ちにくいことを表しているともいえる。受験でなくとも、日常的に学校から出される宿題をめぐり、その度合いはともかく子どもとの修羅場を経験したことのある仕事で多忙な親は少なくないだろう。

 とはいえ王羅が、受験勉強に本腰を入れるほかの生徒たちに迷惑をかけているのも事実。黒木と王羅の母による話し合いの結果、王羅は桜花を退塾し、桜花の系列で同じビル内にオープンする個別指導塾「ブルーミング」に移ることになった。相変わらずおどけている王羅を、橘は「俺は見てるからな」という言葉で送り出す。「子どもの成長を見守ってくれる他人」という存在は、子ども自身にとっても親にとっても、温かくて心強いものだ。

 第7話では、黒木が繁華街の雑居ビルの一室で無料塾 「スターフィッシュ」を経営していることが明確になった。

 「スターフィッシュ」に通っているのは、一見「普通」に見えるが、ひとり親や経済的な事情で「塾に通えない」子どもたちだ。月に一度は誕生日パーティーが開かれるスターフィッシュもまた、いわゆる相対的貧困下に置かれた子どもたちにとっての「放課後の居場所」であり「学びの場」なのだろう。

 黒木は、問題児の王羅についても「周りの生徒よりも幼く、勉強に向いていないとしても塾に通わない理由にはなりません」と語っていた。

 桜花系列の個別指導塾「ブルーミング」のオープンを急いだことも含め、黒木は子どもたちの「学びの場」の保障や提供に熱量を注いでいるように見える。黒木がそのような行動に邁進する理由は今後明かされていくだろう。

 12月4日放送予定の第8話では、第5話で父親から教育虐待を受けていた成績トップの島津順(羽村仁成)の家庭問題が再びクローズアップされる。塾講師に他人の家庭の中にまで踏み込む権限はないと言っていた黒木だが、果たして……。