TBS新番組『メイドインジャパン!』盛大なパクり&ステマにあぜん……

 ここ数年、テレビ業界では日本礼賛番組が大ブームだが、TBSでまた新たな日本礼賛番組『メイドインジャパン!』(月曜21時~)が15日にスタート。仁義なき“日本礼賛バトル”は終わる気配がない。

『メイドインジャパン!』は、「日本で暮らす外国人が、日本で良いと思った日本製品や文化を持って故郷に帰る」という番組だ。放送時間は月曜21時台だが、TBSがその時間帯にバラエティを展開するのは開局以来初めてのこと。司会の南海キャンデーズ・山里亮太もさぞかし気合が入っているだろうが、テレビ情報誌の記者はこう語る。

「『メイドインジャパン!』は、これまで特番が10回放送されていて、1月の放送では視聴率が15%近くに達しており、TBSが満を持してレギュラー化した期待の番組。ただし月曜日は、テレビ東京で『YOUは何しに日本へ?』『世界!ニッポン行きたい人応援団』『世界ナゼそこに?日本人』の3番組が連続して放送されているうえ、BSテレ東でも『ワタシが日本に住む理由』が放送されており、すでに日本礼賛番組でおなかいっぱいの状態です。“よりによって、なぜその時間帯?”というのが率直な感想です」

 あえてライバル番組にぶつけるというのもひとつの手だが、初回を見る限り、そのしたたかさは相当なもののようだ。キー局の関係者は語る。

「レギュラー化の初回放送には、見事なまでにいろいろな番組のおいしい要素が盛り込まれていて、感心しました。番組の基本コンセプトは、テレ東で放送されていた『ヒャッキン!~世界で100円グッズ使ってみると?』とそっくりですし、幼い娘が祖父母のもとを訪ねる流れは、『はじめてのおつかい』(日本テレビ系)、日本とフランスのワイン飲み比べするやりとりは『芸能人格付けチェック』(テレビ朝日系)、外国に日本庭園を作るコーナーは『大改造!!劇的ビフォーアフター』(同)と『和風総本家』(テレビ東京系)、外国人が三味線に挑戦するくだりは『YOUは何しに日本へ?』(同)など、他局で見たようなシーンがふんだんに出てきます。また、外国人が故郷に持ち帰った品は、ハズキルーペ、たこ焼き器、炊飯ジャー、缶詰などでしたが、特にハズキルーペあたりは、ステマを疑われても仕方ないでしょうね」

 他の文化を上手に取り入れるあたりが、まさに“メイドインジャパン”だったのかもしれない。

『あさイチ』をハック! 藤井隆”アシスタント芸”に見る、パロディの楽しみ方

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(4月7~13日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします

徳光和夫「もうホントに困った……国籍変えろ」

 一体、「いないいないばぁ」の何が楽しかったのか。幼児ではない年齢の者には、その面白さがもう理解できなくなっている。聞いたところによると、一度隠れた顔が予想通りに現れるところに「いないいないばぁ」の面白さはあるらしい。記憶力がつき始めたころの赤ん坊にとっては、刺激的な娯楽だそうだ。そう説明されても、身をもってその楽しさを理解するのはもはや不可能なわけだけれど。

 ただ、視聴者がテレビを見るときの楽しみ方のひとつも、「いないいないばぁ」みたいなものだとしたら……。トークやドッキリなどで不意に露呈する、人間の意外な顔。その顔に、人の隠されていた本音や本性のようなものを感じ取り、笑ったり驚いたり怒ったりする。大人もしばしば、テレビを通して「いないいないばぁ」を楽しんでいるといえるかもしれない。

 さて、先週9日に『そんなコト考えた事なかったクイズ! トリニクって何の肉!?』(テレビ朝日系)という新番組が放送されていた。かつお節は何を硬くしたものなのか。太陽はどの方角から昇るのか。トリニクは何の肉なのか。そんな基礎知識を平成生まれがどれだけ知っているかを、昭和生まれが検証するクイズ番組だ。

 個人的には、見ていてあまり愉快な番組ではなかった。たとえば、王貞治の写真を見せて「日本で初の国民栄誉賞をもらったこの人は誰?」と尋ねた問題。どの世代だろうと王のことを知らない人は当然いて、若い世代だとなおさらだろうけれど、スタジオに集められた平成生まれ30人のうち20人が不正解という結果に、客席からは悲鳴が上がった。昭和生まれの出演者は、驚いたりあきれたり。で、熱烈なジャイアンツファンで知られる徳光和夫は次のように嘆息し、笑いに変えていた。

「もうホントに困った……国籍変えろ」

 明らかに言い過ぎなわけだけれど、王貞治自身の国籍が日本にないこと、徳光自身そのあたりの背景も含めてよくご存じであろうことも含めて考えると、このような言葉を口走る彼の心境を不思議にすら思う。

 一方的に平成生まれを嘲笑するだけではなく、番組後半には平成生まれから昭和生まれに「交番はなんの略?」みたいな問題を出すコーナーもあった。答えられなかった昭和生まれを平成生まれが笑い、昭和生まれが頭を下げるというような場面も見られた。バランスをとっているのだろうが、番組の主軸はどうやったって、モノを知らない若者を年長者が笑うというところにある。これまで白日の下にさらされてこなかった、隠れていた若者の無知の実態があらわになり、驚愕――。そういう類いのエンタテインメントであることに変わりない。立場を逆転させる後半の演出も、要は喧嘩両成敗の構図に持ち込んでいるのだろう。ただ、両成敗のようで実際はそうなっておらず、昭和生まれに救済の余地を残しているところがミソだが。だって、「交番はなんの略?」と「ニワトリはなんの肉?」では釣り合ってない。

 しかし、あらためて考えてみると、「若者の無知」を笑う者にとって、それは本当に見えていなかったのだろうか? 「いないいないばぁ」が楽しいのは、隠れていたものが「予想通りに現れる」からである。無知だと思ってたけど、やっぱり無知だった。それが確認できてスッキリ。番組が視聴者に提供しているエンタメも、主としてそんな自作自演のカタルシスではないか。

 とはいうものの、この記事自体、若者を笑う年長者が予想通り現れてスッキリ、ということかもしれない。だからせめて隠さず言っておこうと思う。不愉快になるだろうなと思って見たら、やっぱり不愉快な番組だった。

 芸能人の振る舞いを通して、隠れていた人間の裏側が露見する瞬間が楽しい。それは、社会生活を送る際に着込んでいる人間性やキャラクターを脱ぎ捨て、人が逸脱する様子を楽しむという姿勢でもある。テレビのそういう楽しみ方は、僕ももちろんしている。たとえば、クロちゃんを見ているときとか。

 他方で、キャラクターを脱がず、本音と取られるようなものを露呈させない芸能人の振る舞いを、ひとつのパロディとして楽しむという見方もある。友近やロバート秋山の憑依芸とも呼ばれるネタを見るときが、例としてわかりやすいだろうか。明石家さんまと大竹しのぶの元夫婦の丁々発止を見るときや、司会役を演じているかのような仲間由紀恵の司会ぶりを見るときも、そういう楽しみ方ができるように思う。あるいは、バラエティ番組に最適化した女優を演じているかのような松岡茉優のバラエティでの立ち回りを見るときとか。

 で、先週8~11日までの『あさイチ』(NHK総合)にて、キャラクターを着込んだ姿を連日披露していたのが、藤井隆である。司会の博多華丸が福岡で舞台公演中のため、先々週からしばらく『あさイチ』を欠席。そのため、代打で藤井が出演していたのだ。

 月曜、博多大吉に「今日の特集はなんでしょうか?」と振られた藤井は、番組を進行するアシスタントとして次のように真顔でボケた。

「はい、昭和の歌姫、中森明菜さんです」

 同様のやりとりは火曜以降も続いた。火曜には「仙道敦子さんをお迎えして、『湯殿山麓呪い村』について伺います」、水曜日には「今朝の1曲目、渡辺典子さんで『少年ケニヤ』です」、木曜日には「鵺(ぬえ)の鳴く夜は恐ろしいでおなじみ、悪霊島の島にですね、岩下志麻さんが旅していただいています」。大吉から振られた藤井は毎回、80年代からやってきたアシスタントとして番組を進行しようとしたのである。

 料理コーナーでも、アシスタント芸は続く。料理の先生が使った包丁を率先してふきんで拭き、食材が入っていたお皿はこまめに片付ける。調味料を入れるときには「小さじ3分の2です」と適度な声音でアシストし、調理のポイントになると「この一手間が大事ですよね」と一言添える。料理が終わると「詳しくはテキストをご覧ください」で締める。料理コーナーの本来のアシスタント、駒村アナの役割を奪うかのような動きだった。日を重ねるごとに、両者のアシスタントの座の争奪戦(のコントのようなもの)も激しくなった。

 藤井は『あさイチ』で4日間にわたり、テレビ番組のアシスタントというキャラクターを着込み続けた。本来、番組のアシスタントは文字通りアシストを役割とし、メインに来る存在ではない。しかし、目立たないながらも、常に進行を支える。藤井はそんなアシスタントというキャラクターを着込み、番組の隅々に現れ続けることで、先週の『あさイチ』を“藤井劇場”に変えた。代打出演の最終日のエンディング、挨拶を終えた藤井はおもむろに立ち上がり、スタジオの出口に向かってゆっくりと歩き始める。そして、手招きをして呼び寄せた駒村アナと手をつなぎ、出演者やスタッフの笑いと大きな拍手、大吉のツッコミを背に、スタジオを後にしたのだった。まるで主演舞台のエンディングのように。

 演芸番組にサブの進行役として出演する際には新人男性アナウンサーになりきるなど、藤井はこれまでも同様のパロディを随所で繰り広げてきた。セキュリティが手薄なアシスタントとして侵入し、番組をハックする。隠れていたものをさらけ出すのではなく、キャラクターを着込んで演じ切るさまを魅せる。こういうのは楽しい。末永く楽しい。

(文=飲用てれび<http://inyou.hatenablog.com/>)

タモリ、古舘伊知郎、有働由美子……民放各局にNHKは『平成紅白』で対抗! 「令和」特番狂想曲

 新元号の「令和」が5月1日午前0時に施行される。4月30日に天皇陛下が退位され、皇太子さまが新天皇に即位される。皇位継承前の新元号公表、天皇退位の実現は日本近現代史上初ということもあり、お祝いムードも高まり各業界が特需に沸いている。そんな中、テレビ業界もその恩恵にあずかることとなりそうだという。

「平成が終わる4月30日は各局特番を打って、時代の締めくくりをお茶の間に届けることになりそうです。ご祝儀相場で、スポンサーから多くのCM料が入るということもあり、年末年始並みの豪華な番組づくりができそうです」(大手広告代理店社員)

 多大な予算を抱えている各テレビ局は、大物タレントにオファーをかけ、4月30日に向けて準備を進めている。

「フジテレビはタモリを総合司会に起用し、6時間半をブチ抜く長時間生放送番組を計画しています。TBSは古舘伊知郎を起用。各地に中継車を出し、生中継します。日本テレビは有働由美子、嵐の櫻井翔が出演する『news zero』を拡大する予定、テレビ朝日は羽鳥慎一がワイドショーのテイストを取り入れて放送します。テレビ東京は満を持して池上彰を出演させ、すでに収録部分のロケを各地で行っています」(テレビ局スタッフ)

 CMスポンサー料の増加で攻勢をかける民放に対し、NHKも負けてはいないという。

「嵐の櫻井翔が第1部のMCを務め、内村光良が第2部を担当する振り返り番組『平成紅白歌合戦』を29日に放送する予定です。また退位、即位に関する当日の動きはニュース番組を特別編成して対応するようで、報道に重きを置くNHKだけあって、分厚い取材態勢をとることから高視聴率が見込まれています」(同)

 日本中が注目する「平成」の終了と、新元号「令和」の始まり。当日は特番が目白押しでテレビから目が離せなくなりそうだ。

「売名行為」と批判されたDOMMUNEが「坂上忍特集」を配信! 『バイキング』完全敗北へ……

 4月15日、ライブストリーミングサイトDOMMUNEが「坂上忍特集」を配信し、話題となっている。

 DOMMUNEは3月26日、ピエール瀧のコカイン逮捕後、所属する電気グルーヴの楽曲が配信・出荷停止となる中、5時間にわたって彼らの特集番組を配信。Twitterでは4時間トレンド1位を占拠、46万以上の視聴数を集めるなど、大きな話題になった(参照記事)。

 翌日、坂上忍がMCを務める『バイキング』(フジテレビ系)でこの件が取り上げられたのだが、坂上をはじめ、出演者は「DOMMUNEなんて知らない」とコメント。さらに「売名行為では?」などとおちょくった。これに、DOMMUNEファンをはじめ、ネット上は大炎上。なんでもかんでもゴシップとして消費しようとするワイドショーの姿勢に批判が集まっていた。

 それから2週間、DOMMUNE主宰の宇川直宏氏は、火元となった坂上を”知る”ための番組を企画。前半は、音楽批評家・西耕一氏とプロインタビュアー・吉田豪氏を迎え、「成長と音楽~子役から俳優、そしてMCへ」と題し、坂上の半生を音楽で間接的に振り返るプログラムを配信。後半は、坂上がこれまでリリースした楽曲縛りのDJプレイが2時間にわたって繰り広げられたのだった。

「坂上さんとしては、若かりし頃のレコードがこのタイミングでフィーチャーされることに赤っ恥な部分もあったでしょうが、宇川さんの狙いはディスり返しではなく、坂上さんと音楽の浅からぬ関係を、坂上アンチをはじめ世間にも知らしめること。天才子役だった坂上さんは、小学生にして大量のシングルをリリース。一時ロックミュージシャンに転身し、勝手に日本語詞をつけた洋楽のカバーも出しています。つまり、嫌われご意見番の坂上さんにも、音楽に情熱を傾けていた時代があったということ。これによって、『作品には罪がない』『音楽は誰のものなのか』というDOMMUNE側の主張を、前回の電グル特集に続いて今回も証明して見せた。“知らないこと”を正義とするワイドショーのマウンティングに対し、相手を“知ること”によってリスペクトで返した宇川さんの手法はさすがとしか言いようがありません。今後、DOMMUNEのメディアとしての役割がますます期待されますね」(音楽ライター)

 事実、この番組を見た視聴者からは坂上の功績や、楽曲の良さを認める声が多数上がっている。

 一方、16日放送の『バイキング』ではこの件について完全にスルー。「昨日はありがとう」くらいの粋なコメントでもあれば、坂上の好感度も上がっただろうに、これではますます“裸の王様”ぶりが加速してしまいそうだ。

原田知世&田中圭『あなたの番です』は「ガチのホラー」!? 「やりすぎ!」と離脱者続出

 原田知世と田中圭がW主演を務める連続ドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)の第1話が4月14日に放送され、平均視聴率が8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったことがわかった。この作品は、同局で約25年ぶりに2クール連続で放送されることが決定しており、日テレとしてはかなり気合の入った作品のよう。しかし、ネット上では早くも「2クールは長すぎる」「来週からは見ないな」との声が続出している。

「同作は、原田と田中演じるミステリー好きの新婚夫婦が、購入した引っ越し先のマンションで住民同士の“交換殺人ゲーム”に巻き込まれていく……というミステリー。初回は、月に1回行われている住民会に、手塚菜奈(原田)が参加することになるも、ひょんなことからそれぞれが『殺したい相手』を紙に書くことになり、犠牲者が1人出るところまで放送されました」(芸能ライター)

 「毎週、死にます」というキャッチコピー通り、マンションの管理人・床島比呂志(竹中直人)が早くも殺されてしまう展開だったが、ネット上では「日曜日の夜に放送する内容じゃないわ……」「夜には怖くて見れない」と、ドン引きされている様子。

「第1話は血が出るなど、わかりやすくグロテスクはナシ。しかし、手塚夫婦が部屋のカーテンを開けると、ベランダに電気コードのようなもので縛られ、逆さまに吊るされた管理人・床島がいるという、かなり衝撃的なシーンがありました。これには『やめて~! 怖すぎる!』『ちょっとやりすぎ! 怖くてもうムリ!』『ミステリーどころかガチのホラーじゃん!?』と驚く人が続出し、『こんなドラマ半年も見続けられない』『1話でもう限界……』と、早くも離脱を宣言する声まであります」(同)

 ドラマの企画には秋元康が名を連ねているが、同じく企画を務めていた2017年放送のドラマ『愛してたって秘密はある』(同)と似たような展開になるのではないかと懸念の声も。というのも、『愛してたって秘密はある』は、最終回後に「本当の完結編」として、動画配信サイトでスペシャル版を放送。「結末で有料動画に誘導するとか最低!」「本当に卑怯なやり方」「ふざけんな! これなら最初から見なかったわ!」と、批判が続出していた。

「『あなたの番です』も、オリジナルストーリー『扉の向こう』がHulu独占配信されることが決定しており、番組公式ホームページでは『真相にたどり着くヒントが隠されている、かも…!』と説明されています。しかし、ネット上では『Hulu商法いい加減やめろよ!』『地上波だけで完結しないドラマなんて作るな』『どうせ半年ドラマを見たところで、“続きはHuluで”ってオチでしょ?』と、怒りの声が噴出しています」(同)

 初回視聴率は2ケタに届かず、早くも暗雲が立ち込める『あなたの番です』。ここから物語はどう展開していくのか、注目したいところだ。

『きのう何食べた?』内野聖陽の再現度に脱帽! 前評判覆し、感動レベルに

 4月5日より、『きのう何食べた?』(テレビ東京系)がスタートした。2007年より「モーニング」(講談社)で連載している人気漫画のドラマ化である。

 街の小さな法律事務所で働く弁護士・筧史朗(以下「シロさん」)と美容師の矢吹賢二(以下「ケンジ」)は同棲中の同性カップルで、シロさんの日課は事務所を定時に出た後、近所の安売りスーパーへ向かうこと。頭の中で瞬時に夕食の献立を組み立てる彼にとって、月の食費を2万5,000円以内に抑えることは重要課題だ。

内野聖陽が想像以上にケンジそのもの

 漫画の実写化となると、成功の鍵の8割はキャスティングにかかっている。正直、心配していたのはケンジに関してだった。内野聖陽が演じると知ったとき、ちょっと違う気がしたのだ。何しろ、『JIN-仁-』(TBS系)で坂本龍馬を演じたあの人である。男臭いイメージが強すぎる。

 いやいやいや! 漫画を読み、頭の中で想像していたケンジがそこにはいた。まさに、ケンジ。そのまんま、ケンジ。ふとした所作や表情が“動くケンジ”だった。内野の中にケンジがいた。この配役って、ひとつの正解じゃないだろうか? 原作ファンからすると感動のレベルだったと思う。気が早いが、ドラマが最終話を迎える頃には、内野のファンはすごく増えている気がする。

 初回で最も印象的なのはオープニングだった。ケンジが料理中のシロさんをスマホで撮影しているというテイの映像。料理を作るイケメン彼氏を愛おしく思うケンジ。いかにもケンジがやりそうなことだし、撮りそうな動画だった。『きのう何食べた?』には、ストレートな性描写は出てこない。でも、だからこそ、逆にエロい。ケンジのスマホ撮影で始まるオープニングは、絶妙な演出だったと思う。

 一方、シロさんを演じるのは西島秀俊だ。ネット上ではさまざまな意見(賛否どちらもあり)が飛び交っているようだが、なんだかんだ、ビジュアル的にこの人は適任だと思う。基本、テンションが低いシロさんだけに(特に初期のシロさんは、かなり性格がキツい)、抑揚のない西島のセリフ回しはマッチしている。何より、以前から西島は『きのう何食べた?』の読者だったそうだ。

 原作ファンならご存じだと思うが、シロさんは次第に優しくなっていく。話が進むにつれ、彼の良さはドンドン出てくる。不器用なシロさんが見せるケンジへの愛情表現は、見どころのひとつである。

 いや、すでに初回で、シロさんの隠れた優しさは垣間見られた。ケンジがコンビニでハーゲンダッツを通常価格で購入し、無駄遣いを嫌うシロさんが叱ったくだりである。スーパーならハーゲンダッツが2割引で買えることを知るシロさんは、ケンジを叱った。

シロさん「朝と晩の食費を月2万5,000円に抑えるのが俺の最重要課題なんだぞ。……(レシートを見て)高っ!」

ケンジ「(レシートを奪って)いいよ、自分で払うから」

シロさん「(レシートを奪い返し)いいよ、貸せ! お前は貯金しろ!」

 シロさんはケンジからレシートをぶん取り、それを引き出しにしまった。引き出しには「賢二立て替え分」なるラベルが貼ってある。なんだかんだ、シロさんから愛情が窺えるのだ。

 これは、原作にはなかったくだりである。オリジナルの秀逸な描写を生み出したドラマスタッフを評価したい。今回の実写化はうまくいきそうだ。

『きのう何食べた?』は人間ドラマである。シロさんとケンジを描く上で大きな柱になっているのは「年月」だ。

 この作品がスタートしたのは07年。連載が始まってからすでに10年以上の月日がたった。あの頃と比べ、同性愛に対する社会の理解度は明らかに深まっている。加えて、“加齢”というテーマも外せない。連載中にシロさんの両親は大病を経験したし、ケンジの父親は他界した。シロさんもケンジも、若い頃ほど食べられなくなった。原作は、年月とリアルに並走している。

 果たして、この「年月」をワンクールのドラマで描くことができるのか? そこに関しても注目していきたい。『きのう何食べた?』は「グルメ」「同性愛」の要素を前面に押し出した、人間ドラマである。

(文=寺西ジャジューカ)

『きのう何食べた?』内野聖陽の再現度に脱帽! 前評判覆し、感動レベルに

 4月5日より、『きのう何食べた?』(テレビ東京系)がスタートした。2007年より「モーニング」(講談社)で連載している人気漫画のドラマ化である。

 街の小さな法律事務所で働く弁護士・筧史朗(以下「シロさん」)と美容師の矢吹賢二(以下「ケンジ」)は同棲中の同性カップルで、シロさんの日課は事務所を定時に出た後、近所の安売りスーパーへ向かうこと。頭の中で瞬時に夕食の献立を組み立てる彼にとって、月の食費を2万5,000円以内に抑えることは重要課題だ。

内野聖陽が想像以上にケンジそのもの

 漫画の実写化となると、成功の鍵の8割はキャスティングにかかっている。正直、心配していたのはケンジに関してだった。内野聖陽が演じると知ったとき、ちょっと違う気がしたのだ。何しろ、『JIN-仁-』(TBS系)で坂本龍馬を演じたあの人である。男臭いイメージが強すぎる。

 いやいやいや! 漫画を読み、頭の中で想像していたケンジがそこにはいた。まさに、ケンジ。そのまんま、ケンジ。ふとした所作や表情が“動くケンジ”だった。内野の中にケンジがいた。この配役って、ひとつの正解じゃないだろうか? 原作ファンからすると感動のレベルだったと思う。気が早いが、ドラマが最終話を迎える頃には、内野のファンはすごく増えている気がする。

 初回で最も印象的なのはオープニングだった。ケンジが料理中のシロさんをスマホで撮影しているというテイの映像。料理を作るイケメン彼氏を愛おしく思うケンジ。いかにもケンジがやりそうなことだし、撮りそうな動画だった。『きのう何食べた?』には、ストレートな性描写は出てこない。でも、だからこそ、逆にエロい。ケンジのスマホ撮影で始まるオープニングは、絶妙な演出だったと思う。

 一方、シロさんを演じるのは西島秀俊だ。ネット上ではさまざまな意見(賛否どちらもあり)が飛び交っているようだが、なんだかんだ、ビジュアル的にこの人は適任だと思う。基本、テンションが低いシロさんだけに(特に初期のシロさんは、かなり性格がキツい)、抑揚のない西島のセリフ回しはマッチしている。何より、以前から西島は『きのう何食べた?』の読者だったそうだ。

 原作ファンならご存じだと思うが、シロさんは次第に優しくなっていく。話が進むにつれ、彼の良さはドンドン出てくる。不器用なシロさんが見せるケンジへの愛情表現は、見どころのひとつである。

 いや、すでに初回で、シロさんの隠れた優しさは垣間見られた。ケンジがコンビニでハーゲンダッツを通常価格で購入し、無駄遣いを嫌うシロさんが叱ったくだりである。スーパーならハーゲンダッツが2割引で買えることを知るシロさんは、ケンジを叱った。

シロさん「朝と晩の食費を月2万5,000円に抑えるのが俺の最重要課題なんだぞ。……(レシートを見て)高っ!」

ケンジ「(レシートを奪って)いいよ、自分で払うから」

シロさん「(レシートを奪い返し)いいよ、貸せ! お前は貯金しろ!」

 シロさんはケンジからレシートをぶん取り、それを引き出しにしまった。引き出しには「賢二立て替え分」なるラベルが貼ってある。なんだかんだ、シロさんから愛情が窺えるのだ。

 これは、原作にはなかったくだりである。オリジナルの秀逸な描写を生み出したドラマスタッフを評価したい。今回の実写化はうまくいきそうだ。

『きのう何食べた?』は人間ドラマである。シロさんとケンジを描く上で大きな柱になっているのは「年月」だ。

 この作品がスタートしたのは07年。連載が始まってからすでに10年以上の月日がたった。あの頃と比べ、同性愛に対する社会の理解度は明らかに深まっている。加えて、“加齢”というテーマも外せない。連載中にシロさんの両親は大病を経験したし、ケンジの父親は他界した。シロさんもケンジも、若い頃ほど食べられなくなった。原作は、年月とリアルに並走している。

 果たして、この「年月」をワンクールのドラマで描くことができるのか? そこに関しても注目していきたい。『きのう何食べた?』は「グルメ」「同性愛」の要素を前面に押し出した、人間ドラマである。

(文=寺西ジャジューカ)

石橋貴明『たいむとんねる』打ち切れないフジテレビの苦悩「ミッツを切るしか……」

 低視聴率にあえぎながらも、度重なる打ち切り説を乗り越え、今クールも継続が決まった『石橋貴明のたいむとんねる』(フジテレビ系)。4月8日の新クール最初の放送回は、内容と出演陣がリニューアルされていた。

「それまで石橋とともにMCを務めていたミッツ・マングローブが姿を消し、進行役として局アナの永尾亜子が新たに加わりました。しかし、ミッツの降板は事前予告もなく、番組でも触れられなかったので、視聴者からは驚きの声が上がっています」(テレビ情報誌記者)

 同番組は30年続いた『とんねるずのみなさんのおかげでした』の放送終了を受けて、とんねるずのフジへの長年の貢献に報いるために用意されたものだといわれている。石橋と親交のあるゲストと共に懐かしのテーマについて語り合うという番組内容は、当初から新鮮味がないと酷評され、実際に視聴率も低迷している。

「もともとはとんねるずの2人が出演する前提だったのですが、木梨憲武が出演を断ったため、石橋のサブMCとしてミッツが起用された経緯があります。たとえ視聴率が悪くても、とんねるずへの論功行賞としてスタートした番組なので、簡単に打ち切るわけにはいかない。ならばコストを下げるしかない、ということでミッツが切られたのでしょう。ミッツは音楽ネタこそ強いものの、石橋とは世代が一回り違うため、テーマによってはかみ合わないこともありましたからね」(同)

 視聴率低迷による詰め腹をミッツが切らされた格好だが、そこまでしても番組を継続しなければならないのは、石橋のためだけではない。フジにとっても、のっぴきならない事情がある。

「昨年11月に『ザ・細かすぎて伝わらないモノマネ』が放送されましたが、もともとは『みなさん~』の人気コーナーで、石橋とバナナマンの司会で新装した特番です。悪く言えば焼き直しですが、意外にも視聴率が二桁を記録したんです。取り立てて高いわけではありませんが、今のフジのバラエティーでは高視聴率といえます。『みなさん~』にはほかにも人気コーナーがあるので、今後も特番として切り売りできれば、安定した視聴率が見込めるかもしれません。そのときのために、『たいむとんねる』を打ち切って石橋の機嫌を損ねたくないという思惑がフジにはあるのでしょう」(同)

 フジと石橋の都合でクビを切られたミッツとしては、「不運」というしかないだろう。

石橋貴明『たいむとんねる』“頼みの綱”高嶋政宏にも逃げられ終了不可避?

 昨年4月にスタートするも、一向に視聴率が上向かない『石橋貴明のたいむとんねる』(フジテレビ。以下『たいむとんねる』)。新年度に入ってリニューアルが行われたが、番組を取り囲む状況は不安要素だらけで、いよいよ打ち切りが現実的になってきた。

 同番組は、とんねるずが長年抱えてきたレギュラー番組『とんねるずのみなさんのおかげでした』が終了したことを受け、2018年4月にスタートしたもの。その内容は、“大人のノスタルジー”をキーワードに、石橋とゲストが昔懐かしい話をするというものだが、かつての“視聴率男”とは思えぬ体たらくが続いている。週刊誌の芸能担当記者が語る。

「30年近く続いた『みなおか』が終了し、いわばその代わりとして始まった『たいむとんねる』ですが、放送が23時台とはいえ、初回の視聴率が3%台で、2回目には2%台に落ちたため、いくら何でも低すぎると話題になりました。その後も視聴率は3%前後をウロウロしており、打ち切り候補の筆頭として名前が上がる番組でしたが、まだ頑張るようですね。ただ、リニューアル第1回目の進行役が永尾亜子で、次回が杉原千尋と、フジでも屈指の地味な女子アナが起用されているところを見ると、あまり多くは期待されていないようです」(芸能担当記者)

 テコ入れ後の第1弾では、「崎陽軒のシウマイ弁当をどういう順番で食べるか?」というネタについて語り合い、次回は「単なるキレイ好き以上の存在“潔癖”」というテーマが予定されている『たいむとんねる』。ただ、不振が続く同番組をこよなく愛した“頼みの綱”も、ついに番組から逃げてしまった。キー局関係者が語る。

「数字が奮わない『たいむとんねる』ですが、好評だったのが高嶋政宏の“変態グルメ”という企画です。高嶋と言えば昨年、SM好きを告白した『変態紳士』(ぶんか社)を発売したことで話題になりましたが、“変態グルメ”は、異常なまでに食を追求する姿を追ったもので、すでに第3弾まで放送されています。高嶋は第3弾のエンディングでも『次のロケはいつですか?』と、やる気満々でしたが、4月からテレビ朝日の裏番組に起用されたので、『たいむとんねる』への出演は不可能になりました」(キー局関係者)

 4月のリニューアルでは、レギュラーだったミッツ・マングローブも挨拶もなく消え、まるで沈む船から人が逃げ出すような状況の『たいむとんねる』。改編を生き延びたばかりだが、いよいよ打ち切り待ったなしに追い込まれたようだ。

「MOCO’Sキッチン」の後釜が早くも危機? “おかず探し”のはずが、定食登場でブーイングの嵐!

 4月から日本テレビ系の情報番組『ZIP!』内でスタートした新コーナー「いただきます! 日本全国朝ごはんジャーニー」。これは3月で同番組を卒業した俳優・速水もこみちが担当していた「MOCO’Sキッチン」の後釜として、ハーフタレント・マーティンが、全国各地の朝ごはんを巡るという企画だ。「MOCO’Sキッチン」が朝食に食べるには少し重すぎるものを作ることが多かったのに比べ、このコーナーでは初回が福岡の鮭明太、2日目は胡麻サバ定食、3日目はベーカリーレストランのモーニングと、朝らしい食事を多く取り扱っている。

 しかし、この新コーナーに対して、ネット上では「朝ごはんは自宅だろ」「朝ごはんっぽくない」「クソコーナー」などの批判が殺到。中には「4月に入ってから『ZIP!』超つまらないんだけど」「『MOCO’Sキッチン』の方が好き」「もこみち戻ってきて」と、番組全体がつまらなくなったという声や、「MOCO’Sキッチン」のほうが面白かったという不満も聞かれる。

「これは、局側もある程度、予想できていたことじゃないでしょうか。『MOCO’Sキッチン』はコラ画像などがネット上に出回るなど、単なる料理コーナーを超えた人気を誇っていましたからね。ただ、コーナーの趣旨がブレているのではないかという指摘はあります。当初は、マーティンさんがパンかご飯を入れたジャーを持ち歩き、おかずを探すコーナーかと思われていましたが、2日目にしていきなり定食が登場し、ネット上で『ルール違反なのでは?』とのツッコミが相次ぎました。その後も丼やラーメンなどが登場しているので、そもそもルールなんてなかったことになっているようですけどね。まあ、新コーナーが最初に迷走するのはよくあることですが(苦笑)」(芸能ライター)

 では、このコーナーが今後、人気を獲得するには何が必要なのだろうか?

 

「『MOCO’Sキッチン」には、オリーブオイルという武器がありましたからね。速水さんのようなイケメンが、ちょっと常識を超えたようなオリーブオイルの使い方をして料理を作るというのが、キャラが立ってるというか、視聴者にウケたわけですし。『朝ごはんジャーニー』も、回を重ねることで何かしらマーティンさんのキャラが立つ部分が出てくるかもしれませんから、今は耐える時期なんじゃないでしょうか。そもそも、朝の番組にキャラ立ちとか濃い味付けが要るのか、という部分もあるんですけど(笑)」(同)

 偉大な先達との比較に加え、産みの苦しみも味わっているのが『朝ごはんジャーニー』の現状ということだろうか。今後、“朝のおなじみ”としてこのコーナーが定着することを願ってやまない。