「改元お祭り騒ぎ」の同調圧力を弱める、タモリの一言

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(4月28日~5月4日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします

ますだおかだ・岡田「令、ワオ!」

 昭和から平成に移行したときはレンタルビデオ店が繁盛した、という話がある。天皇崩御に伴う当時のテレビの「自粛ムード」を象徴するエピソードとして、よく聞く。

 対して、今回の改元時のテレビは、おおむね「祝賀ムード」が基調だったように思う。で、Twitterなどを見ていると、そんなテレビに対しては「またお祭り騒ぎをやってる」みたいな批判的な声もあるようだ。バカみたいにはしゃいでるだけでつまらない、というような。今回はレンタルビデオ店ではなく、動画配信サービスが人気だったのではないか、みたいなツイートも目にした。

 なるほど、そういう「お祭り騒ぎ」の面はあったかもしれない。30日の夜、年越しならぬ時代越しの前後には、NHKをはじめ複数の番組は渋谷のスクランブル交差点にカメラを構え、集まった群衆を映していた。改元をまたいで深夜まで行われた岐阜県の盆踊りや、ジュリアナ東京を彷彿とさせるようなディスコからの中継も見た。阿部知代が踊っていた。

「令和ギャグ」もいくつか見かけた。チョコレートプラネット・松尾はIKKOのモノマネで「令和~」といい、ますだおかだ・岡田は「令、ワオ!」と叫んでいた。芸人ではないけれど、DAIGOは平成を「KZN(絆)」と振り返り、令和を「RW(ロックでワイルド)な時代にしたい」と展望していた。

 平成最終日の30日は、民放でどちらかというとマジメ路線の番組が多かった。バラエティ色が強めの番組は、むしろNHK総合で放送されていた(『ゆく時代くる時代~平成最後の日スペシャル~』)。90年代のフジテレビの看板番組だった『料理の鉄人』の“鉄人”たちが、『きょうの料理』とコラボして制限時間内に料理をする企画もあった。福井謙二を実況アナとして迎えるなど、あの“キッチンスタジアム”の雰囲気がNHKで再現されていた。平成の途中までバラエティ番組を中心に元気だったフジテレビと、近年はバラエティ方面でも『チコちゃんに叱られる!』など、民放っぽい人気番組を出すようになっているNHK。そんな平成の31年間を通したバラエティ番組の趨勢を象徴するような場面だった。

 こういった状況を見ると、なるほど確かに、テレビは今回「お祭り騒ぎ」に興じていたみたいな批判も、わからないではない。同調圧力に感じる人も、いたりするのだと思う。個人的には、特に『料理の鉄人』と『きょうの料理』のコラボなど、楽しかったけれど。各シェフが趣向を凝らした料理を作るなか、陳建一が土井善晴の握ったシンプルな塩むすびを、「うまぁい!」と満面の笑みで頬張っていたのが最高だった。

 ただ、実際にテレビが「お祭り騒ぎ」一色だったかというと、そういうわけでもない。

 たとえば、30日夜に放送された『NHKスペシャル』(NHK総合)では、女系天皇や女性天皇の可能性をめぐる過去の議論の経緯が振り返られていた。男性皇族が減り、皇位継承者が限られている現在。このままだと象徴天皇制の存続も懸念されるわけだけれど、どうするのか。「お祭り騒ぎ」の真っただ中、令和になる直前の問題提起だった。

 報道番組の中では、4日放送の『上田晋也のサタデージャーナル』(TBS系)が、今後の象徴天皇制の存続のあり方に関し、短い時間で複数の論点を取り上げていた。番組の冒頭、街頭インタビューで「“国民の象徴”とは?」と街ゆく人に問いかけ、そもそも私たちの多くが明確な答えを持っていない現状を浮き彫りにしていたのが印象的だった。

 ドキュメンタリー番組や報道番組が「お祭り騒ぎ」から距離を取るのは、ある意味で当然かもしれない。では、バラエティ番組はどうか。29日放送の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)では、改元発表とは無関係に4月1日の正午前後を過ごす人々にカメラを向けたVTRが流された。エステサロンに行っていた女性は、「(新元号は)全然興味ない。興味ないっていうか、頭いい人たちがみんなで頑張って決めてるんで、従います」と、施術台の上でうつ伏せになりながら答えていた。孫と一緒に釣り堀に来ていた男性の声は、さらに冷ややかだ。

「なんか、マスコミだけが騒いでるような感じがする」

 先週も通常営業だったのが、『5時に夢中!』(TOKYO MX)だ。令和になった感想を聞かれた美保純は、特に話す内容がないとでもいうように「んー(笑)」とほほえみ、新しい元号が何か問われた岩井志麻子は「絶倫元年だろ?」と答えた。ロシア出身の小原ブラスは、今日は警察官が多いので局に来るまでに職質されたと話し、視聴者からは次のようなメッセージが届いた。

「令和の初日には働いていた職場が倒産し無職になり、昨日は付き合っていた彼女に逃げられ、今日は毎日連絡をこっそり取っていた別の女性と連絡が取れなくなり、すべてが令和になってから私から去っていきます」

 そして、30日の夜、フジテレビで放送された『平成の“大晦日”令和につなぐテレビ』。総合司会のタモリは番組の最後、令和はどんな時代になってほしいと思うか問われ、次のように答えた。

「ちょっといいですか? さっき平成とか漢字がいっぱい出てきましたけども、何年か前に省庁が合併したりなんかしまして、看板があるんですね。あの漢字の中で、いかがなものかというのがかなりあるんで、この際どうですかね。ちゃんとあれをこう、漢字をやればいいんじゃないかと思いますけども」

 平成はどんな時代だったか。令和はどんな時代であってほしいか。数々の有名無名の人々が、先週のテレビでこの問いに答えていた。そんな中、日本で最も有名な人といっても過言ではないタモリが、約6時間半に及ぶ放送の最後に発した言葉が、省庁の看板をキレイに書き直したほうがいい、である。そのメッセージすら、「ちゃんとあれをこう、漢字をやればいいんじゃないか」とあやふやに。

 これまでにもさまざまな現象に茶々を入れ、権威的なものを脱力させてきたタモリ。今回もまた、「ちょっといいですか?」と一拍おいて、「お祭り騒ぎ」の同調圧力の気圧を、少し抜いていた。そんな場面も、このたびの改元前後のテレビの中にはあった。

 話の角度を変えて、最後に短めのエピソードを2つ。

 1つ目。1日放送の『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)で、有吉弘行がこんな話をしていた。年齢を重ねれば重ねるほど、自分は変態になると思っていた。たとえば、森繁久彌のように。けれど、芸能界はもう変態が生息しにくい場所になってしまった。

「あんまりにも芸能界の人もキレイすぎてさ、大吉さんと赤江さんの野っ原座ってるやつ、デートっていわれてさ。かわいそうに。あんなんがそういうふうに言われちゃうぐらい、クリーンだよ」

 2つ目。29日放送の『テレビ千鳥』(同)で、千鳥の2人が海を見に湘南へドライブしていた。車はノブが先日購入した1000万円超のベンツ。屋根をオープンにしたベンツの助手席に座る大悟は、ライターで炙ったスルメを食べ、缶ビールを飲み、タバコを吸いながら語る。

「口ん中にイカがあって、イカの臭いがグダーっとつくやろ? その臭いをビールで、この出てきたイカの汁をビールでいくんよ。口がむちゃくちゃなっとるとこを、タバコの煙で。いま3つ口ん中で混ざって、これが一番うまい」

 ノブはそんな大悟に、「きったねぇ人間!」とツッコむのだった。

 芸能界は「クリーン」になってきている。けれど同時に、タバコをテレビで普通に吸う「きったねぇ人間」が人気者になったりもしている。どちらか一方が誤りというわけでもないだろう。

 平成から令和へ時代がまたいだ先週も、テレビは多面的にお送りされていた。

(文=飲用てれび<http://inyou.hatenablog.com/>)

異常な勘の悪さで局地的人気を獲得! 園山まきえ、まかり間違ってプチブレークなるか?

 かつて、ナンシー関は「ほかではつまらないのに、特定の番組だと面白い芸能人がいる」という論を展開していた。例えば、彼女は「ほかではそうでもないのに、『ビートたけしのお笑いウルトラクイズ』(日本テレビ系)に出てるときだけは面白い」と、いびつな形でダチョウ倶楽部を称賛している。

 特定の番組に異常にマッチし、その場所でのみ魅力を放出するタレントは現代にも存在する。『ゴッドタン』(テレビ東京系)に出ているときに限って谷桃子はすごかったし、『さんまのお笑い向上委員会』(フジテレビ系)で見るザブングル・加藤歩は、なぜか神がかり的だ。

ジョイコン完全無視で、ゲーム始まらず……

 5月2日深夜に放送された『勇者ああああ~ゲーム知識ゼロでもなんとなく見られるゲーム番組~』(テレビ東京系)にゲスト出演したのは、あの園山まきえ(園山真希絵から改名)。この番組だと魔法が起こるのか、この番組がいち早く逸材を見つけただけなのか、どちらにせよ『勇者ああああ』で見る園山はすごい。

 今回行われたのは、「ゲームダービー レディースマスターズ」なる企画。年齢層が少々高めの4人の女性タレントにゲームの楽しさを知ってもらうべくゲームで対戦させ、誰が勝つのかをクイズダービー形式でBETする趣旨だ。

 出場したのは、大原がおり、大林素子、安達有里、園山の4人。それぞれのゲーム知識はバラバラだった。「好きなゲームは何?」という質問に、大原は『スパルタンX』と35年前のソフトを挙げる一方、安達は「『ゼルダの伝説』で次のダンジョンにどんどん進んでいくのが好き」と意外な知識を披露する。そんな中、園山は初っ端から挙動不審だった。

「ちょっと私、カルタとか百人一首以外やってない……(苦笑)」(園山)

 モニタールームで見ていたアルコ&ピースの酒井健太は「大丈夫か、コイツ?」と、失笑しながらいきなり園山をコイツ呼ばわりである。

「コン、コン」という音を頼りに互いが打ち合う「ピンポン」という卓球ゲームがある。まずは、これにチャレンジしてもらいたい。できれば、運動神経がある者同士の対戦がいい。となれば、大林が当然選ばれるだろう。続いて「運動神経に自信がある」と、唐突に園山が立候補した。世界的アスリートを前に、この態度。「おいおい……」という表情で園山に視線を向ける大原と安達。この時点で、もう面白い。「勝っちゃうと思う」と、不可解なほど園山は自信満々だ。

 ゲームが始まった。両者は利き手にジョイコン(リモコン)を持っている。ジョイコンを振り上げる動きに応じてボールは浮き、落ちてくるタイミングでジョイコンを振ればラリーが始まるというシステムである。なのに、園山は何も持っていない左手をしつこく振り続ける。一向に始まらないゲーム。モニタールームの芸人たちは「なんで左手でボールを上げるんだよ」「左リモコンねえだろ!」と、ひどい言いようだ。結果、当然のように園山は敗北した。

 続いては、Nintendo Switchを使ってのエアギター対決である。どうせなら、このゲームは楽器経験者に参戦してもらいたい。「楽器の経験者はいますか?」という質問を受け、「あります」と手を挙げたのは、やはり園山である。いつも名乗り出る園山。「なんでもかじってんじゃねえか」とモニタールームの芸人たちはバカ受けし、サッカー審判資格やレースライセンスを持つ三井ゆりになぞらえ、園山のことを“ポスト三井ゆり”と呼ぶ始末である。

 エアギター対決は、園山vs大原という顔合わせに決定。バラエティ慣れしている大原はノリノリでエアギターをかき鳴らした。一方、楽器経験者のはずの園山はエアギターだと言っているのにジョイコンを包丁に見立て、みじん切りの体勢の“エア料理”を勝手にし始めた。モニタールームの芸人たちからは「料理作っちゃったよ」とブーイングが発生し、園山は惨敗した。

 最後に行われるは「テレフォン」というゲーム。電話が鳴ったらジョイコンを取り、「はい、もしもし」と叫ぶルールである。注意したいのは、取っていいのは「プルル、プルル」という着信音のみで、他の電話に出てはいけないということ。今回は、園山vs安達という顔合わせだ。

 ゲームがスタートすると、まずは「ジリリリリリ、ジリリリリリ」という着信音が鳴った。正しい音ではない。なのに、「これ? これ?」と言いながらジョイコンを平気で取る園山。まんまと罠にはまる。園山にBETしていたウエストランドは「さすがに許せないわ」と、怒り心頭だ。

クイズよりもモザイクに気を取られて誤答する園山

 実は、同番組への園山の出演は今回が初めてではない。2018年8月23日放送のクイズ企画にも登場していた。各ジャンルの専門家を呼び、出題ジャンルを絞った形でクイズ王に挑めば勝利するのでは? という趣旨で、このときに「料理」ジャンルの専門家に選ばれたのが園山だった。

 登場するなり、「私、陰陽師になったんです」と、いきなり意味不明なことを言いだす園山。いわく、人を見ただけで、なんの食材を食べたほうがいいかアドバイスできるというのだ。まず、やさしい雨・松崎克俊を見て「もずくを食べたほうがいい」と助言する彼女。松崎のパーマヘアからもずくを連想したのは明白である。さすがに、アルピーの平子祐希が「事務所と、もうちょっと(キャラを)練ったほうがいい」と突っ込むと、「さっき決まったばっかりなんです(笑)」と、園山はあっさり白状。彼女のプロ意識のなさのおかげで、オープニングはいきなりグダグダになる。

 クイズが始まってからの彼女もすごい。モザイクのかかった食材が映し出され、ヒントを頼りに、それが何かを当てる問題が出題された。すると、モザイクに気を取られ「これ、放送禁止?」とフリーズする園山。知識うんぬんではなく、クイズというシステムに対応できていない。結果は惨敗だった。

 終了後、所在なげに園山は「どこに行けばいいんですか?」と口にし、「帰るんだったら帰ればいい」「今までの現場でビンタされたことはありますか?」と平子も完全にあきれた様子。以来、彼女はこの番組で「園山」と呼び捨てにされている。

 前回も今回も、園山は爪痕を残した。特に今回の放送終了後、SNS上では「園山やべー」「園山のエア料理が食べたい」「園山の勘の悪さがウケ、まかり間違ってプチブレークするんじゃないか」といったツイートが上がっている。つまり、この番組の中だと園山まきえはスターなのだ。

 彼女自身は、この扱いをおいしいと思ってなさそうだ。園山のブログを見ると、『勇者ああああ』にまったく触れていなかった。きっと、無自覚だから彼女は面白い。絶妙なバランスなのだ。

(文=寺西ジャジューカ)

面白いを追求しすぎた結果? 疑惑紛糾した「ヤラセ番組」ランキング

 4月16日にテレビ朝日系列で放送された『国民1万人がガチで投票! 冷凍食品総選挙』が物議を醸している。お笑いコンビ・爆笑問題がMCを務めたこの番組では、国内の各メーカーから出ている冷凍食品のランキングを決めるという内容だったが、冷凍食品の大手であるはず味の素が何故か不在。さらに、番組内1位となったニチレイの『本格炒めチャーハン』のCMが番組終了後に流れるなどしたため、世間ではヤラセなのではないかという声が挙がっているのである。その真偽は定かではないが、こうしたヤラセを疑われる番組は過去にも多く存在し話題をさらってきた。今回はこの番組になぞらえ、知名度の高いそうした番組をランキング形式で5つ紹介したい。

・第5位 白熱ライブ ビビット ホームレス取材

 TBS系列の情報番組。2017年の1月31日に放送された回で、多摩川沿いに住んでいるホームレスについて特集。ホームレスたちを「多摩川リバーサイドヒルズ族」などと呼んだことも批判を集めたが、特集内のホームレスが取材陣に対して怒鳴り声をあげるというシーンについて、そのホームレスがTBSにヤラセを頼まれたことを後に証言。多くの批判を集めることとなり、同年3月に番組やホームぺージで謝罪をすることとなった。

・第4位 笑っていいとも! 子役仕込み

 長年フジテレビの昼の顔となっていたこのバラエティ番組にもヤラセがあった。03年6月4日の放送中、子どもが自身の将来の夢を語るという内容の素人参加コーナー「ドリームズカムチャイルド」で、2番目に登場した女の子が自分の子役事務所を名乗ってしまい、さらにその前に登場した男の子も同じ事務所に所属していることを暴露してしまったというもの。タモリも知らされていなかったのか、「あー、これ仕込み?」と大爆笑する事態となった。

・第3位 世界の果てまでイッテQ! 祭り捏造

 日本テレビ系列のバラエティ番組。この中での人気コーナーである、お笑い芸人の宮川大輔が世界中の祭りを巡るという内容の「世界で一番盛り上がるのは何祭り?」で、18年5月20日に放送されたラオスの橋祭りが、本来存在しない祭りではないかとの疑惑が週刊誌によって報道。さらに、17年2月12日に放送されたカリフラワー祭りをはじめとした複数の祭りにも同様の疑惑が浮上し、局側はヤラセを否定したものの、このコーナーは終了することとなった。

・第2位 発掘! あるある大事典II 納豆ダイエットのデータ捏造

 07年まで放送されていたフジテレビ系列の情報番組。07年1月7日に放送された回で、納豆のダイエット効果を特集したものの、その後週刊誌が捏造疑惑を指摘し、製作元である関西テレビに質問状を送付。その後、関西テレビ内で内部調査を行ったところ、行ってもいない血液検査のデータが捏造されていた事や、写真なども関係ないものが使われていたことが発覚。当時の関西テレビの社長が謝罪に追い込まれ、これを理由として番組が打ち切られる事態となった。

・第1位 ほこ×たて

 13年まで放送されていたフジテレビ系列のバラエティ。13年10月20日に放送された『スナイパー軍団vsラジコン軍団』という特集に出演したラジコンメーカー・ヨコモの社員が、放送内容が実際のものとあまりにかけ離れているとして、自社のホームページで経緯を発表。番組内で放送されたラジコンがスナイパーに撃ち抜かれたシーンが、それまでの撮影でとったシーンの繋ぎ合わせてあることなどを暴露した。このヤラセ問題により、番組は打ち切られることとなった。

  いかがだっただろうか。確かに、視聴者が劇的な効果や過激なシーン、面白いものを求めているのは確かだが、ヤラセを行ってまでそれに応えようとする姿勢は、糾弾されてしかるべきものだろう。今後はこうしたヤラセ番組が作られないよう、各局には自制を求めたい。

『あなたの番です』原田知世&田中圭がウソをつくときの癖を踏まえ、初回からの動作を検証

 4月28日に放送された『あなたの番です』(日本テレビ系)の第3話。

 昔から恨んでいたタレント医師の山際祐太郎(森岡豊)を“殺してもらった”藤井淳史(片桐仁)の自宅乾燥機から、山際の生首が見つかった。驚いて部屋を出た藤井が戻ると生首はなくなっており、代わりに“交換殺人ゲーム”で藤井自身が「山際祐太郎」と書いて投じた紙が残されていた。

 手塚菜奈(原田知世)は榎本早苗(木村多江)から、山際を殺したのは藤井というウワサが広がっていると聞かされる。マンションでは臨時の住民会が開かれ、藤井に脅迫状が来ていることを早苗が明かすと、住民たちはさらに不安を深めた。

 その頃、藤井は今度は自分が誰かを殺す番だと思い詰め、精神状態が不安定になっていた。ついには、シンイー(金澤美穂)が働くブータン料理店の客に声をかけ、住民会で渡されたメモに書かれていた“タナカマサオ”の正体を探す始末だ。そんな中、藤井の元にタナカマサオが患者として現れる。行きつけのブータン料理屋の店長・ドルジはブータン人のふりをしており、彼は本名が“田中政雄”だったのだ。

 プータン料理店へ忍び込んだ藤井は、大きな包丁を手に田中を殺害しようとする。翌朝、シンイーが目を覚ますとベランダの植木鉢に大きな包丁が刺さっていた。シンイーがその包丁を引き抜くと、そこには「あなたの番です」と書かれていた。

 第3話を見終わって、真っ先に疑問に思ったのは「田中政雄を殺したのは本当に藤井なのか?」ということ。藤井の挙動に気になる点があったのだ。

 殺意を持ってプータン料理店へ忍び込んだ藤井。ターゲットの店長はすぐそこにいる。厨房に身を潜める彼はそのとき、口を抑えて唐突にえづいた。人を殺す緊張感が理由と思ったが、別の考え方もできる。田中はガス漏れした厨房でタバコを吸おうとし、大爆発を起こした。実は、藤井が忍び込んだときはすでにガスが漏れていて、それを理由に彼はえづいたのかもしれない。 

 真相はまだわからない。でも、藤井が田中殺害を本当に実行に移したかは不明である。あの大爆発で田中が死に至ったのかもまだ不明だ。

爆発の被害に遭った田中と、爆発させて作る雷おこし

 尾野幹葉(奈緒)は手塚翔太(田中圭)を狙っている。尾行しては、偶然会ったかのように翔太の前に現れたりもする。妻の菜奈が大好きなのに、翔太は尾野を邪険に扱わない。そういえば、第2話で翔太は「真犯人は301号室の尾野さんです!」と断言していた。疑っているからこそ、尾野に接触しているのかもしれない。

 翔太へのプレゼント攻勢が凄い尾野。第2話では手作りのウエハースを、第3話では雷おこしを手渡していた。あまりにも独特なセレクトである。実は、これらは何かを暗喩している気がするのだ。

 第2話で殺害された山際の遺体は、首から上が切断されていた。そして、第2話で尾野がプレゼントしたウエハースは大きな板状のものだった。手渡すときに彼女は「カットしてないんでちょっと食べづらい」と一言付けている。第3話で尾野がプレゼントしたのは雷おこしだ。お米を蒸して干し、水につけ、煎って爆発させて作るお菓子である。“交換殺人ゲーム”のターゲットになった田中も大爆発に巻き込まれている。

 翔太は、ミステリー小説の結末をいきなり明かしてしまう悪癖を持っている。軽い気持ちで彼がぶち上げた“尾野真犯人説”も、実は当たっているかもしれない。彼の読みは馬鹿にできない。

 手塚夫妻の間で気になるやりとりがあった。ウソをつくときの癖に関しての会話だ。菜奈は翔太の癖を指摘した。

「翔太君、必ずウソつくとき、右の胸を掻くから」(菜奈)

 そう言う菜奈も、独特の癖を持っている。翔太は菜奈が話すとき、彼女の指に注目している。ウソをつくときに菜奈は、いつも両手の指を組んでいるのだ。

 これらを踏まえ、今までの2人の動きを確認してみた。まず、第1話。自宅内で鍵が見つかり、管理人室に鍵を返しに行った翔太。しかし、管理人は不在だった。

「ドアが開いてたから閉めてこようと思ったけど、どっちとも合わなかった」(翔太)

 いや、管理人室に鍵穴はない。でも、このときの彼は右胸を掻いていないのだ。ウソをついていないということになる。一体、翔太はどこに鍵を刺したのだろう?

 第1話での住民会で、問題の“交換殺人ゲーム”は行われた。帰宅後、翔太に「どうだった?」と聞かれた菜奈は「特に何事もなく……」と返答している。と同時に、彼女は指を組んでいるのだ。菜奈の癖を見抜く翔太は、この時点で妻のウソに気づいていたことになる。婚姻届を出そうと翔太に促され、「埋まらない年の差があるのが怖い」と返答したときも菜奈は指を組んでいる。

 明らかに、手塚夫妻は“交換殺人ゲーム”のキーマンだ。2人を観察する上で、これらの癖は重要なフィルターになるだろう。……いや、ウソをついていると印象づけるためわざとやっている可能性も否定できない。何せ、ミステリー好きの2人である。特に、不用意に癖の動作を見せる菜奈は逆にあやしい。

あまりにも多い伏線と匂わせ

 伏線や匂わせが多いこのドラマ。情報過多ゆえに“交換殺人ゲーム”の輪郭はまだ掴めていない。そんな現状において気になる点は以下だ。

・生首に驚き部屋を飛び出た藤井と出会った佐野豪(安藤政信)。彼が持っていたクーラーボックスは生首と関係があるのだろうか?

・久住譲(袴田吉彦)がエレベーター内でドライバーを持っていた目的は?

・なぜ、菜奈は翔太との婚姻届の提出を拒むのか。

・翔太につきまとう尾野が手作りの食べ物をプレゼントし続ける理由は?

・住民会で「山際の名前を書いた」と宣言した藤井の声を録音していたのは誰?

・ジムに入会した細川朝男(野間口徹)が翔太に接近する理由は?

・赤池美里(峯村リエ)が姑の幸子(大方斐紗子)にいびられているのは何かの伏線?

・田中政雄を殺したのは本当に藤井なのか?

・田宮純一郎(生瀬勝久)がマンション内に仕掛けた監視カメラに映っていた映像は?

 あまりの多さから取捨選択は必要だが、これまでの情報は参考になる。それらを材料に、各住人の家庭事情や関係性など見えないものがぼんやり見えてきた。自ずと、ドラマからだんだん目が離せなくなってくるのだ。まんまと思うツボにはまっている気がして、悔しくもあるのだが。

(文=寺西ジャジューカ)

 

『俺のスカート、どこ行った?』突飛な設定には納得も、初回にも増して凡庸な第2話

 4月27日に放送された『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)第2話。豪林館学園高校が学校全体の偏差値を上げるための補習期間に入った。放課後の補習には、担任教師も付き添わなければならない。原田のぶお(古田新太)は、残業代なしで補習に付き合わされると聞いて「ブラック企業じゃん?」と不満たらたら。

 そんな中、チアダンス部顧問の戸塚(平岩紙)が産休に入ったため、代わりに顧問をやってほしいと依頼された原田。部活の顧問をやれば補習担当が免除になり、手当がもらえると聞き、引き受けることに。

 大会が迫り、朝練はもちろん、夜遅くまで猛練習を重ねる部員たちに対し、原田は「練習しすぎよ」「ブラック部活ね」と練習を止めたが、今度の大会でどうしても上位入賞したい部員たちはこっそり自主練を続行。そんな中、川崎結衣(髙橋ひかる)が練習中に足をくじいてしまった。川崎のケガは学校に知られ、チア部は補習期間中の練習休止を命じられる。原田はチア部を御用達のショーパブへ連れて行き、そこで練習をするよう場所を提供した。

 大会当日、川崎は会場へ姿を現さなかった。しかし、副担任の田中みちる(桐山漣)に見つけられ、戸塚が入院する病院へ連れて行かれる。実は、戸塚はシングルマザーになることを隠し、出産しようとしていたのだ。「チアは誰かを応援するもの」と、原田はチア部員たちに戸塚を応援するよう指示。チアをやめるつもりでいた川崎も、原田と部員たちに説得され、戸塚にダンスでエールを送った。

なぜ主人公は女装をしているのか

 このドラマは、風変わりな先生が破天荒なやり方で現代の生徒に接するという方向性。ということは、よく考えると主人公が女装している必要性がないようにも感じられてしまう。風変わりであれば、女装家でも、爆破で生徒を監禁する先生でも、なんでも良かった?

 いや、このドラマは既存のルールに縛られることで生じる生きづらさに物言い、変容させる原田の姿が描かれていくはずだ。残業手当の出ない補修を担当することや、己の生活を犠牲に部活顧問をする勤務体制に教師はなかなか文句が言えない。だからこそ、ダイバーシティを提唱する寺尾綴校長(いとうせいこう)はズケズケ意見を言う原田の存在を欲したのかもしれない。そんな同作の方向性を象徴するのが、主人公の女装姿ということ。

 熱く部活に打ち込む姿勢こそ美徳とされる風潮についても同様。原田は足の痛みを気にする川崎に気づき、練習を終わらせるよう命じた。

「オーバーワークはケガのもと。定時退社が一番なの」(原田)

 日本に息づく美徳とは正反対の姿勢。既存の価値観からの脱却を恐れない原田ならではだった。

 そう考えると、若林優馬(長尾謙杜)と屋上でランチしている場面も腑に落ちる。屋上への立ち入りは禁止になっているが、この人はどこ吹く風。もしかしたら次回から、川崎も、この屋上ランチに加わっているかもしれない。

 そういったドラマの意図を踏まえたとしても、物足りない。ストーリーが凡庸でおとなしいのだ。第2話は特に。

 いじめもあり、崩し難いヒエラルキーも存在していたはずの2年3組。なのに、前回とは打って変わって今回はいい子たちばかりになっていたのだ。第2話でフィーチャーされた川崎だって、ちょっと原田を小馬鹿にしている感があった。それが今回は、部活に懸けるピュアで真面目な明るい子に変身している。執拗に原田に絡んでいた東条正義(道枝駿佑)の性格の悪さも、第2話では見る影もなし。職員室でも、原田はあっさり周囲に馴染んでいるようだ。原田とウマが合わなかった生活指導の長井あゆみ(松下奈緒)は、早くも原田に理解を示し始めている。

 加えて、原田本人までおとなしくなっている。初回では生徒を屋上から飛び降ろさせ、校門をブルドーザーで破壊するなどアナーキー極まりなかったが、今回はせいぜいチア部の練習場所にショーパブを紹介した程度。感動路線なのかコメディ路線なのか、中途半端だ。緊張感がなくなり、凡庸な雰囲気がドラマを覆い尽くすようになってしまった。

 この作品、確かに学園モノのセオリーを抑えてはいるが大きな破綻がないので、見終えた直後の脳裏に「無難」の2文字を浮かべてしまう。突飛な設定はある。クセのある役者もこんなに揃っている。面白くなる要素は十分揃っているはずなのだが……。

(文=寺西ジャジューカ)

『きのう何食べた?』第4話が描いたシロさんとケンジの馴れ初めが至高の域! 梶芽衣子も名演

 4月26日深夜に放送された『きのう何食べた?』(テレビ東京系)第4話は、父・悟朗(志賀廣太郎)の食道がん手術を控えた筧史朗(西島秀俊、以下「シロさん」)にフォーカスした。

 母・久栄(梶芽衣子)は夫が心配で落ち着かず、絵に描いたように取り乱している。そんな姿が、シロさんは意外だったようだ。

シロさん「お母さんってさあ、結構、お父さんのこと好きだったんだね」

久栄「当たり前でしょ……。大好きよ」

 帰宅した久栄は、悟朗がいつも座っている椅子を見ながらしみじみつぶやいた。

「毎日一緒に暮らしてる人って、特別なのねえ」

 今回はこの言葉に尽きる。

天ぷらを揚げるコツ「思い切り」で人生が好転したシロさん

 第4話は3年前にまでさかのぼり、シロさんと矢吹賢二(内野聖陽、以下「ケンジ」)の馴れ初めを描いた。当時の彼氏に連れられ、初めて2丁目を訪れたシロさん。端正なルックスから一般社会では女性ウケがいいシロさんも、この界隈だとモテるタイプではない。彼はこのとき、その事実を初めて思い知った。「帰りたい……」と心が折れそうになった瞬間、出会ったのがケンジである。内野聖陽はすごい。目の色だけで、ケンジがシロさんに一目惚れしているのが伝わってくるのだ。でも、2人はそのまま別れた。

 再会したのは、シロさんが髪を切りに美容室へ行ったとき。たまたまシロさんを担当したのがケンジだったのだ。そこで、ケンジはシロさんがパートナーと別れたことを知る。「あっ、そうだったんだ……」と返すケンジから、隠しきれない喜びとチャンスに懸ける意気込みがにじみ出ている。

 このドラマはすごい。原作が描いていないオリジナルシーンの制作に挑み、それが至高の域に達するのだ。友達以上恋人未満の関係性の頃、2人はデートを重ねていた。この時期について、原作は数行の説明だけで済ませている。ドラマ版はここを映像化し、きっちり再現した。カフェで待ち合わせする2人。すでに到着したシロさんに、息を切らせてやって来たケンジがガラス越しに「ゴメーン!」と手を合わせる。当時の様子から、ケンジだけでなくシロさんもちゃんと相手にデレているのがわかる。

 なんといっても、美容室でシロさんがケンジに同居を申し出たくだりである。上階からの水漏れで家が大変な状況にあると沈むケンジ。この時点で、シロさんはもう挙動不審だ。何度も上を見上げ、体は硬直気味。顔にガーゼが被さると、今度は胸板が大きく上下した。原作を知る者なら「あのシーンがついに訪れる」と上気してしまう。そして、シロさんは思い切った。

シロさん「ウチ……、来る?」

 予期せぬ言葉に動揺するケンジは後ずさりし、壁に手をやってモジモジ。ガーゼのせいで状況を把握できないシロさんは「どうした? え? 聞いてる?」。ケンジは「……いいの?」と返答し、2人の同棲生活は始まった。

 この場面で、シロさんの顔にガーゼがかかっているのが憎い。原作ではシロさんの顔にガーゼはかかっていない。でも、ガーゼがかかっているほうが確かにシロさんっぽいのだ。思い切れない性格のシロさんは、顔を見られない状況に助けられた。顔が見えないシチュエーションでアプローチするのも、ツンデレの“ツン”成分過多の彼らしさ十分である。

 久栄に天ぷらをうまく揚げるコツを聞き「思い切りよ。史朗さんに思い切りを求めても無理でしょうけど」と言われたシロさん。天ぷらをおいしく揚げるコツは、人生を好転させる秘訣でもあった。あのとき、シロさんは確かに思い切った。

 この頃から月日は流れ、シロさんとケンジの距離は縮まった。3年前のクリスマスはぎこちなく、2人は姿勢がカチコチだった。くだけた姿勢をとる今年のクリスマスとは大違いである。3年もたてば、家の様子も変化する。テーブルは1人用から2人仕様の大きなサイズとなり、飾ってある絵画は数点追加された。家電の数も明らかに増えている。

 夫を想う久栄が口にした「毎日一緒に暮らす人は特別」という言葉。シロさんはそれを自らとケンジの関係に照らし合わせた。どんなカップルも時がたてば特別な出来事は減る。日常の繰り返しの中で幸せを見つけるようになる。

 悟朗を支える久栄のために、シロさんを通じてケンジはハンドタオルをプレゼントしていた。渡すときにケンジからの物と伝えられなかったシロさんは、電話でその事実を初めて母に告げた。

シロさん「ハンドタオルをくれた人さ……あの……ケンジっていうんだ。俺の……」

久栄「一緒に住んでる彼氏さん?」

シロさん「……うん」

久栄「そう」

シロさん「名前、矢吹賢二って言って」

久栄「……よく気がつく方なのねえ。柄も好みだったわ。ありがとうってお伝えしてね」

 息子の交際相手からのプレゼントと知った瞬間、複雑な感情からわずかな間ができた久栄。でも、すぐに思い直した。息子の心へ寄り添おうと努力する母。複雑さを受け止め、前へ進む親子の一瞬を切り取っている。

 予告を見ると、次回の第5話はかなり楽しみな回だ。ケンジの魅力がかなり放出されるはず。加えて、料理にも注目してほしい。放送終了後、もしかしたら近所のスーパーでサッポロ一番がバカ売れするかもしれない。

(文=寺西ジャジューカ)

「坂上忍アレルギー」が深刻化!『バイキング』が『ヒルナンデス!』に2カ月間全敗

  視聴者の「坂上アレルギー」が深刻化しているようだ。

 2014年4月に放送スタートとなった『バイキング』(フジテレビ系)。当初は苦戦を強いられたが、15年3月末から坂上忍がMCに起用されると、徐々に視聴率も上昇。16年4月から、「生ホンネトークバラエティ」と称し、坂上と出演者による討論形式に移行すると、視聴率もグングン上がり、昨年3月21日には番組史上最高視聴率8.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。水卜麻美アナの抜けた『ヒルナンデス!』(日本テレビ系)を大きく引き離していたものだった。ところが――。

「この2カ月間、『バイキング』の視聴率は4~5%台をウロウロ。6~7%台の『ヒルナンデス!』に全敗しているんです。悪人擁護、弱いもの叩きが目立ち、時にいじめのような物言いが視聴者の反発を食らっています。潮目が変わったのは2月に新井浩文被告が逮捕された件。坂上は『今の時代、本当に女性関係はダメです』と、新井被告の犯行を“時代のせい”にしたことが『擁護』と受け取られ、大バッシングを受けた。さらに、違法薬物で逮捕されたピエール瀧や瀧の“相方”石野卓球の言動に繰り返し苦言を呈するさまが話題となり、SNSでは坂上批判が吹き荒れている。レギュラー出演者の小木博明まで『バイキングもすごい叩かれてるじゃないですか』と指摘し、坂上への向かい風に言及したほどです」(芸能記者)

 そんな坂上に辟易しているのは視聴者だけではなく、共演者も同じ。

「昨年9月には番組で坂上の意に沿わぬ発言をしていた小籔千豊が、今年3月には、好感度No,1芸人のサンドウィッチマンとタレントのYOUが卒業しています。『バイキング』のギャラは10万円程度ですから、それでイメージダウンさせられるのは割に合わないと思ったのでしょうね。明石家さんまも坂上について『司会者として下手』とダメ出ししています」(同)

 溺れている犬を棒で叩く姿勢が視聴者の「坂上アレルギー」となっているようだが、一方で、暴行被害を受けたNGT48・山口真帆が卒業した際には映像だけでスルー。すぐに『AAA』浦田直也容疑者の暴行事件へと話題が切り替わり、こちらは時間をかけてみっちり取り上げている。

 視聴者感覚とこれだけかけ離れているのであれば、低視聴率となったのも当然か。

石坂浩二、『なんでも鑑定団』3年ぶり出演――“パワハラ騒動”プロデューサーとの確執は今

 4月30日放送の『開運!なんでも鑑定団 平成最後のお宝鑑定 スペシャル』(テレビ東京系)で、2016年に同番組を“降板”した石坂浩二が、約3年ぶりに特別出演を果たすという。石坂降板をめぐっては、当時の担当プロデューサーとの確執、さらには番組中の“ハラスメント”がウワサされており、久々の『鑑定団』出演に、一部ネットユーザーが騒然としているようだ。

 16年1月、番組出演時の石坂が「ほとんどしゃべっていない」として、「女性自身」(光文社)が、その疑惑を検証。2年近くもの間、放送中の石坂の発言が片っ端からカットされ、オープニングの挨拶以外、ほとんど話していないことになっていると報じたのだ。

「さらに次週では、石坂への“イジメ”めいた編集を指示していたのは、番組に途中参加したプロデューサー・A氏だとする記事も。Aプロデューサーが打ち上げの席で石坂に絡んだ際、本人に激怒されたそうで、以降からこうした編集が始まったと伝えられました」(スポーツ紙記者)

 当時テレ東は、一連の疑惑についてはほぼノーリアクションだったが、一方で石坂サイドは、メディアの取材に「パワハラのような扱いを受けている」と証言していたと言われている。

「そのため、新聞やテレビでも後追い報道が続き、『鑑定団』のトラブルはちょっとした騒動に。そして同年3月をもって、石坂の降板が発表されました」(同)

 一方のAプロデューサーも、翌年には番組から離れることに。こちらは石坂の件に加えて、16年12月放送の『鑑定団』で勃発した“真贋騒動”の影響では、とも報じられている。

「『国宝級の発見』と鑑定された茶碗が『偽物だ』と指摘され、メディアが後追い報道をする事態に。局の見解では、A氏が『鑑定団』を外されたのは、通常の担務変更としていましたが、番組の信用に関わるトラブルが二度も続いたとあって、半強制的な異動だったと、業界内では見られていました」(週刊誌記者)

 しかしその後、17年には、BSテレ東でAプロデューサーが携わる番組『石坂浩二のニッポン凄い人名鑑』に石坂が起用されたことから、「両者とも『鑑定団』を離れ、確執は雪解けに至ったのかもしれない」(同)というが……。

「それでも、石坂サイドが、『鑑定団』降板前、Aプロデューサーに対してネガティブな印象を抱いていたのは事実でしょう。AプロデューサーはTwitterに『あんなクソ報道信じこんじゃってる人がまだいるんだなあ…』と書き込んだこともありましたが、これについても石坂の関係者は、決していい顔はしていませんでしたよ」(同)

 さまざまなトラブルを乗り越えて『鑑定団』にカムバックする石坂。果たして彼のトークはどれだけ放送に乗るのか、期待したいところだ。

『あなたの番です』現段階で犯人候補No.1!? 田中圭の“怪しさ”を徹底検証!

 4月21日放送の『あなたの番です』(日本テレビ系)第2話。正直、初回は微妙な印象だったが、第2話で急に面白くなった感がある。

第2話あらすじ

 管理人の床島比呂志(竹中直人)がマンションから転落死した。手塚翔太(田中圭)は、ショックを受けて沈む妻の菜奈(原田知世)を気遣う。そこへ住民会の会長・榎本早苗(木村多江)が訪ねてきた。菜奈と早苗の会話から、翔太は床島が何者かに殺されたのではないかと考え始める。ゲームのことを翔太に知られたくない菜奈は、翔太が床島の死の真相を推理し始めないか気が気ではなかった。

 そんな中、臨時の住民会が開かれた。菜奈はそこで藤井淳史(片桐仁)から「”交換殺人なら警察にバレない”とか言いだしたあんたのせいだ」と責められた。また、シンイー(金澤美穂)は、掲示板に貼ってあったメモ紙をこの会に持参。「管理人さん」と書かれたその紙を見た一同は「やはり床島はあのゲームで殺されたのでは!?」と動揺した。

 ある日、菜奈と翔太はシンイーが勤務するブータン料理店を訪れ、店で偶然会った藤井と久住譲(袴田吉彦)と同席した。そこで藤井は、学生時代からの友人でタレント医師の山際祐太郎(森岡豊)に対する嫉妬や嫌悪をあけすけに語った。藤井があのゲームで書いた“殺したい相手”は山際だったのだ。

 そんなとき、テレビの速報が流れ、4人は山際が遺体で発見されたことを知る。その後、藤井の元には「あなたの番です」と書かれた脅迫文が送られてくるように。山際を“殺してもらった”藤井が、引いた紙に書かれた人物を“殺す番”であることを意味する脅迫文である。

 そしてある日、藤井が帰宅すると、つけた覚えのない乾燥機が動いていることに気付く。恐る恐る中を覗くと、そこには山際の生首があった。

 このドラマは、全員が「こいつが犯人では?」と思わせる素振りをする。つまり、マンションの住民全員があやしい。よって、現時点で犯人を推測するのは不可能だ。しかも、マンション外の人物も殺人のターゲットになっているので、複雑すぎてお手上げ状態である。

 とはいえ、暫定ながら本命的な存在はいる。田中圭演じる翔太だ。このドラマは2クールあると発表されており、序盤で実行犯を断定できるとは考えにくい。あくまで今ある材料のみを参考に、なぜ翔太があやしいかを確認していきたい。

(1)第1話で管理人の床島が殺された(自殺、もしくは事故死の可能性もあり)。菜奈は住民会で「人を殺しても、知り合いじゃなければバレづらい」と発言している。会に出席した住民は床島と面識がある。翔太は出席しておらず、床島と面識がない。だから、翔太だけは交換殺人実行犯の条件に当てはまる。

(2)床島が逆さまに吊るされている姿を手塚夫妻は目撃している。そのことを2人は警察へ話さず、この件は自殺として一応は決着した。どうして2人は話さなかったのだろう?

(3)翔太は自室で鍵を発見した。そして「管理人さんのかな? 渡してくるよ」と返しに行った。しかし、結局この鍵は返せずじまいだ。たぶん、彼はまだ持っている。このマスターキーを使い、翔太が藤井の部屋へ侵入した可能性がある。

(4)第2話の菜奈との会話で、翔太は「バレる気遣いはウソだよ。でも、バレない気遣いは優しさ。そういう優しさが3つたまると愛になる」と発言した。30回も告白したほど翔太は菜奈にぞっこんだ。菜奈は床島を敬遠していたし、藤井は住民会で菜奈を責めた。菜奈を嫌な気持ちにさせる者を菜奈に悟られないように翔太は殺害していくのではないか? そして、とぼける。「バレないように気を遣って!」とは、翔太の言葉だ。

……と、検証してみたものの、この時点で犯人が特定できてしまうというのも考えにくい。素直すぎてミステリーとしてつまらない。もっと、真相は入り組んでいるはずだ。あくまで、これは現時点での予想である。

 ただ、何にせよ、翔太が気になる存在なのは確か。どうとでも受け取り可能な言動を、特に翔太は重ねているのだ。

 人が死んだというのに、翔太はのん気に犯人当てに興じた。平然と推理を始め、いきなり「真犯人は301号室の尾野さん(尾野幹葉/奈緒)です!」と断言。人に勧めたミステリー小説の結末をいきなり明かす悪癖が翔太にはあるらしい。もしかしたら、この件もいきなり真相を口にしてしまっているのかもしれない。しかもこのとき、彼はブルにダーツを命中させた。的を射た=正解という暗喩か? あんなシーンを無意味にわざわざ挟み込むとも思えないのだが……。

 ほかの住民に関しても気になることは多い。というか、すべての出来事が伏線に思えてくる。

・菜奈

3万円のコーヒーメーカーを相談もなしに購入した菜奈に、自分の収入に合わせたものを欲しがってほしいとし、「“5800円のコーヒーメーカーが欲しかった”って言って! つまり、俺にバレないように気を遣ってください!」と要求した翔太。そのとき、菜奈は「翔太君にウソついてるみたいで罪悪感あるよ」と返答した。でも、住民会で何があったか秘密にしていることについては罪悪感を覚えないのか?

・久住

ブータン料理店の帰り道、菜奈と会話した久住は山際の死亡について「また住民の誰かに殺されたとか……?」と口走った。「また」と言っているが、床島の死は自殺という認識になっているはずだ。

・美里

第1話で赤池美里(峯村リエ)は「一度聞いたことはちゃんと覚えられるんです」と口にした。しかし、第2話では姑の幸子(大方斐紗子)が暗唱した中原中也の詩は答えられず「国語は中学生以下なのね」といびられた。でも、一度習ったことなら忘れないはずだ。ということは、美里は知らないふりをしている? それはなんのために?

……と、あらゆる場面を検証していても切りがない。だって、このドラマはミスリードの連続なのだから。しかも、それが2クール続く。こうなったら、もう神経戦だ。繰り返すがこのドラマ、低調な初回と打って変わって面白くなってきた。

(文=寺西ジャジューカ)

『俺のスカート、どこ行った?』は期待外れ? 古田新太におんぶに抱っこで、目新しさはなし……

 4月20日より、『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)がスタートした。個人的に、今期一番期待していたドラマだ。

 勝手に期待していたこっちが悪い。なんか、思ってたのと違ったのだ。もっと笑わせてくれる、コメディ要素満載のドラマだと予想していた。違う。この作品はLGBTやいじめといった社会問題に、案外真面目に向き合う方向性だった。ゲイで女装家の主人公・原田のぶお(古田新太)が高校の教師に転身。生意気な生徒たちと対峙し、改心させていく内容だ。『今日から俺は!!』『3年A組』に続く、日テレ日曜夜枠のお得意の手法が土曜夜へ移植された感がある。

 つまり、よくあるやつなのだ。ぶっ飛んだ言動で子どもたちに人生を教える先生。今までに『女王の教室』『ごくせん』『伝説の教師』(すべて日本テレビ系)等があったが、最も似たテイストを感じるのは『GTO』(フジテレビ系)である。型破り教師のポジションが元ヤンから女装家に変わった、と説明すればわかりやすい。

 では、設定ではなくストーリーそのものに関してはというと、説教の内容に目新しいところはなかった。自分の顔にコンプレックスを持ち、いつもマスクしている生徒に授けた「顔で得してる奴だけじゃなく、損してる奴を見て楽になれ」という考え方も、ダメな自分、頑張りすぎない自分を責めるのではなく認める昨今の風潮と合致し、ドラマのピークにはなり得ない。どの要素もテンプレ通りだった。こちらのハードルが上がっていたので酷だが、低調な初回だったと思う。

狙い過ぎの設定と白石麻衣のポコチン発言

 とにかく、狙いすぎなのだ。古田新太が女装するだけで「面白そう!」と思うに決まってる。のぶおの歓迎会で同僚の里見萌(白石麻衣)が「ポコチンはどうしてるんですか?」と聞いたくだりもそう。アイドルにスレスレのことを言わせた制作陣がドヤ顔している光景が目に浮かんでしまう。

 脇を固める役者陣も、荒川良々、大倉孝二、いとうせいこうと、妙においしいとこばかりだ。で、ここでもうゴールを決めてしまった感がある。ほかの部分(会話や流れ)にあまりに厚みがなさすぎる。こんな手練を集め、盛り上がりを感じさせない展開に仕上げるのも逆に偉業というか。古田の存在感におんぶに抱っこのドラマになってしまっていた。

 あんまり言いすぎたので、ひとつくらいはフォローしたい。今期のドラマは『きのう何食べた?』(テレビ東京系)、『腐女子、うっかりゲイに告る。」(NHK総合)など、LGBTを扱う作品が多い。もはや、はやりの題材といえる。でも、今作を「安易にはやりに乗っかったドラマ」と無下に切り捨てることはできない。

 のぼるはゲイで女装家。だからこそ、フラットな目線で世を俯瞰することができる。しかも、彼の口から多様性を説く以前に、のぼるの存在がそのままテキストになる。「どんな風に生きてもいい。でも、困難を伴うこともある」ということを、この教師は体現している。

 実はこのドラマ、94年に放送された『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』(TBS系)の舞台となった修和学園の校舎をそのまま使用している。あのドラマでは体育教師・宮崎信一(斉藤洋介)に女装趣味があり、その盗撮写真をばら撒かれた宮崎が逆上するというくだりがあった。時代は変わった。かつては女装すると変態扱いだったけれど、今は堂々と教師になることができる。

 第1話のエンディングは、のぼるがブルドーザーで校門を破壊する場面だった。この学校では“5分前行動”が義務付けられており、間に合ったとしても定時の5分前に校門が閉まる決まりになっている。

 時代によってルールは変わる。今は正しいルールに思えても、5年後10年後はわからない。現代のルールは永遠のルールではない。今の正義と価値観は、決して真理とはいえない。既存の価値観に意見し、変化を促すことを恐れないのがのぼるという存在だ。

 伏線をひとつ見つけた。学校ではオネエ言葉で話すのぼるが、帰宅すると自分のことを「わたし」ではなく「俺」と言っているのだ。彼は、本当はノーマルな気がする。この人はなぜ女装し、そして教師になろうとしたのだろう? この先に、何か深いテーマが潜んでいるのだと信じたい。

(文=寺西ジャジューカ)