多部未華子『私の家政夫ナギサさん』19.6%で有終の美も、ハッピーエンドに違和感!? 

 9月1日、多部未華子主演の連続ドラマ『私の家政夫ナギサさん』(TBS系)が最終回を迎え、平均世帯視聴率19.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と自己最高を記録した。ネット上では「ハッピーエンドで終わってよかった」と絶賛される一方で、「メイの心情が、まったく見えてこなかった」「展開が唐突すぎる」と不満も噴出しているようだ。

 同作は、家事と恋に不器用な独身キャリアウーマンの主人公・相原メイ(多部)が、家事代行サービス会社に務める妹・福田唯(趣里)の紹介で、おじさんの家政夫・鴨野ナギサ(大森南朋)を雇うことに。共に時間を過ごすことで、メイの中で次第にナギサの存在が大きくなっていく……というハートフルラブコメディだ。

 最終回では、本社に異動となるナギサから、家政夫としての契約が終了すると告げられたメイが、動揺のあまりプロポーズ。「ナギサさんがいない生活なんて考えられません」と4日間の“トライアル結婚”を提案し、ナギサは突然のことに戸惑いながらもこの提案を受け入れ、メイの家で新婚生活をスタートさせることになった。

「しかし、トライアル3日目にナギサが家を出ていってしまったんです。その理由は、自分の人間ドッグの受診結果を見たナギサが、メイと20歳以上歳が離れていることを気にして“将来的に介護や世話でメイの未来をつぶしてしまうかも”と不安になったから。結局、メイが全てを受け入れてお互いに気持ちを確かめ合い、2人は無事に結婚することができたのですが、一部ネット上では、『展開が駆け足で、感情移入が追いつかない』『メイちゃんとナギサさんがくっつくまでを、もうちょっと見たかった』などと不満の声が上がることに。また、『メイがいつナギサさんを好きになったのかわからなかった』『メイは家政夫がほしかっただけに見える』『結婚の形はいろいろあっていいと思うけど、ナギサさんに丸々家事を押しつけるのはやりがい搾取じゃないの?』などの指摘も多く寄せられています」(芸能ライター)

 なお、最終回放送後には、9月8日に『私の家政夫ナギサさん 新婚おじキュン!特別編』として、2時間スペシャル放送がサプライズ発表された。本編のスペシャルダイジェストに加えて、メイとナギサの新婚生活や、メイにフラれた仕事のライバル・田所優太(瀬戸康史)ら、登場人物たちのその後が描かれるという。

「すでに『わたナギ』ロスを訴えているネットユーザーは多く、SNS上では続編を求める声が多く寄せられています。ただ、特別編に関しては喜びの声が上がっている一方で、『特別編を放送するなら、ラストをもっと丁寧に描いてほしかった』という声も。また、最終回でナギサが『異動の件はもう少し考えさせてほしいと本社に伝えた』とメイの妹に話す場面があったものの、結局どうなったか不明な点や、20歳も離れた相手との結婚に誰も反対しなかった点についても、『異動はどうなったの?』『あれだけ歳の差があって反対の声がないのは不自然』などとツッコミが続出。2人の恋愛模様がすっぽりと抜け落ちている点を含め、消化不良を訴える視聴者も多いようです」(同)

 果たして、特別編では2人の新婚生活がどのように描かれるのか。視聴者のモヤモヤをスッキリ解消してほしいものだが……。

坂上忍、『バイキング』騒動でヤケになった!? 「文春」直撃を生報告……異例の「スクープ潰し」!

 8月31日放送のトークバラエティ『バイキング』(フジテレビ系)で、MCの坂上忍が突如、「週刊文春」(文藝春秋)の直撃取材を受けたと報告。その際、同番組で共演するフジテレビアナウンサー・榎並大二郎への“パワハラ疑惑”についても問われたと明かしたが、これについて一部では「スクープ潰し」と、指摘されているという。

 坂上は31日の番組冒頭で、「ここでちょっとご報告なんですけれども、昨日(30日)日曜日の朝5時に僕、初めて『文春』さんに直撃を受けました」と告白。『バイキング』が秋の改編で3時間の生放送に拡大されることについて、一問一答のような形で記者から質問を受けたという。しかし、「一つだけちょっと納得がいかないことがありまして」と切り出し、昨年、同番組の韓国ロケで、榎並アナが号泣したシーンに関して、「あれが、どうやら『坂上さんがいじめて泣かせたんですよね』って言われたんですよ」と言及した。

 一方、榎並アナも同じ31日の朝に「文春」記者から声をかけられたが、いち会社員であるため、「基本的に広報を通さないと何も言えません」と取材を断ったとか。そして、坂上から「あれ(号泣シーンが)僕のせいになっているらしいですよ」と振られた榎並アナは「何とも言えないんですが、私が確実に……」と、自身に原因があると発言。泣いた理由について、榎並アナは詳細は語らなかったが、坂上は「とてもじゃないけど、視聴者のみなさんにお見せできるシロモノじゃないからカットされてた」とも述べていた。

「週刊誌にスクープ記事が掲載される前に、タレントの所属事務所や関係者がスポーツ紙などに情報を流し、当該タレントに不利益が生じないような形で報じてしまうことを『スクープ潰し』と言います。最近はタレント自らがSNSで先に説明するパターンこそあるものの、坂上のようにテレビの生放送で“ぶっちゃける”という例は非常に珍しい。共演者らも驚いていました」(スポーツ紙記者)

 そもそも『バイキング』のコンセプトといえば、ゲスト、専門家を交えてさまざまなニュースや最新の話題について激論を繰り広げていく“生ホンネトークバラエティ”と銘打たれている。番組内で「文春」をはじめとする週刊誌のスクープを積極的に取り上げ、長時間の特集を組むことも日常的に行っており、元「文春」のエース記者である中村竜太郎氏も定期的に出演しているが……。

「『文春』と特に接点がない番組ならいざしらず、むしろ『バイキング』側からすれば、同誌は“非常にお世話になっている媒体”と言えるでしょう。そんな中で、異例のスクープ潰しをしたとあって、業界に波紋が広がっているようです。一応、直撃の真相は9月3日発売の同誌に載るようなので、宣伝に見えなくもないですが……。『バイキング』は10月からスタッフを総入れ替えした上での新体制となるのですが、これはフジ上層部が、同番組で安倍政権批判を繰り返す坂上を問題視し、お灸を据えるために行うものと言われているだけに、どうしても坂上がヤケになってるように見えてしまいますね」(同)

 果たして、3日発売の「文春」は、坂上のパワハラ疑惑をどう伝えているのか、注目が集まる。

坂上忍、『バイキング』騒動でヤケになった!? 「文春」直撃を生報告……異例の「スクープ潰し」!

 8月31日放送のトークバラエティ『バイキング』(フジテレビ系)で、MCの坂上忍が突如、「週刊文春」(文藝春秋)の直撃取材を受けたと報告。その際、同番組で共演するフジテレビアナウンサー・榎並大二郎への“パワハラ疑惑”についても問われたと明かしたが、これについて一部では「スクープ潰し」と、指摘されているという。

 坂上は31日の番組冒頭で、「ここでちょっとご報告なんですけれども、昨日(30日)日曜日の朝5時に僕、初めて『文春』さんに直撃を受けました」と告白。『バイキング』が秋の改編で3時間の生放送に拡大されることについて、一問一答のような形で記者から質問を受けたという。しかし、「一つだけちょっと納得がいかないことがありまして」と切り出し、昨年、同番組の韓国ロケで、榎並アナが号泣したシーンに関して、「あれが、どうやら『坂上さんがいじめて泣かせたんですよね』って言われたんですよ」と言及した。

 一方、榎並アナも同じ31日の朝に「文春」記者から声をかけられたが、いち会社員であるため、「基本的に広報を通さないと何も言えません」と取材を断ったとか。そして、坂上から「あれ(号泣シーンが)僕のせいになっているらしいですよ」と振られた榎並アナは「何とも言えないんですが、私が確実に……」と、自身に原因があると発言。泣いた理由について、榎並アナは詳細は語らなかったが、坂上は「とてもじゃないけど、視聴者のみなさんにお見せできるシロモノじゃないからカットされてた」とも述べていた。

「週刊誌にスクープ記事が掲載される前に、タレントの所属事務所や関係者がスポーツ紙などに情報を流し、当該タレントに不利益が生じないような形で報じてしまうことを『スクープ潰し』と言います。最近はタレント自らがSNSで先に説明するパターンこそあるものの、坂上のようにテレビの生放送で“ぶっちゃける”という例は非常に珍しい。共演者らも驚いていました」(スポーツ紙記者)

 そもそも『バイキング』のコンセプトといえば、ゲスト、専門家を交えてさまざまなニュースや最新の話題について激論を繰り広げていく“生ホンネトークバラエティ”と銘打たれている。番組内で「文春」をはじめとする週刊誌のスクープを積極的に取り上げ、長時間の特集を組むことも日常的に行っており、元「文春」のエース記者である中村竜太郎氏も定期的に出演しているが……。

「『文春』と特に接点がない番組ならいざしらず、むしろ『バイキング』側からすれば、同誌は“非常にお世話になっている媒体”と言えるでしょう。そんな中で、異例のスクープ潰しをしたとあって、業界に波紋が広がっているようです。一応、直撃の真相は9月3日発売の同誌に載るようなので、宣伝に見えなくもないですが……。『バイキング』は10月からスタッフを総入れ替えした上での新体制となるのですが、これはフジ上層部が、同番組で安倍政権批判を繰り返す坂上を問題視し、お灸を据えるために行うものと言われているだけに、どうしても坂上がヤケになってるように見えてしまいますね」(同)

 果たして、3日発売の「文春」は、坂上のパワハラ疑惑をどう伝えているのか、注目が集まる。

EXIT・兼近大樹、117万円獲得の『逃走中』“やらせ”疑惑を否定! 「説得力ない」「さすが!」と賛否両論

 8月30日に放送されたバラエティ特番『逃走中~真夏のハンターランド~』(フジテレビ系)。同番組の出演者であるお笑いコンビ・EXITの兼近大樹のツイートが、ネット上で物議を醸した。 

 この番組は、テーマパークやショッピングセンターを舞台に、制限時間中「ハンター」と呼ばれる追跡者から逃げ切ることで賞金を獲得できるという、大規模な鬼ごっこバラエティ。今回はお台場の商業施設・パレットタウンでロケが行われ、お笑いコンビ・ぺこぱのほか、人気子役・鈴木福の弟である鈴木楽、市川右團次の息子・市川右近、人気子役の白鳥玉季、粟野咲莉ら、キッズタレントが初参戦したことでも注目を集めていた。

「多数のタレントが参加する中、兼近は最後まで逃げ切ることに成功し、賞金117万円をゲットしました。しかし、兼近は残り36秒のところでハンターに捕まりそうになっていたにもかかわらず、カメラのカットが切り替わり、追跡していたハンターの姿が消え、そのまま逃走成功となったんです。このシーンについて、ネット上では『最後のシーン、完全にやらせでしょ?』『なに? あのあり得ない展開……不自然すぎる』『ハンターどこ行った!? モヤモヤする最後だった』といった声が続出し、“やらせ疑惑”が浮上しました」(芸能ライター)

 こうした声が届いたのか、兼近は同日の番組終了後にTwitterを更新。「ちな最後の逃げ切りのシーンは扉のところに人がいてその横を俺がすり抜けてすぐUターンしたからハンターを振り切れた感じでやらせは一切なしだから逃走中ファンはご安心を!」と状況を説明し、あくまで自力で逃げ切ったと主張。ファンからは「ちゃんと説明するのが兼近さんらしくていい!」「“神回避”ってことだよね? さすが!」といった声があるものの、「演者がやらせじゃないって言っても、あの変な編集じゃ説得力がない」「117万円もらったあとに『やらせでした』なんて自分で言うわけないだろ」といった指摘もあり、賛否両論となっている。

「実は同番組では、以前も“やらせ疑惑”がささやかれ、出演タレント自ら否定する流れがあったんです。2018年1月6日の放送には、Kis-My-Ft2・宮田俊哉が出演。同じくジャニーズから登場したジャニーズWEST・神山智洋、Sexy Zone・松島聡に対し、宮田は『やっぱ後輩は先輩を守るもの』『なんで俺を守らず捕まってんの?』などと“ゲス発言”を連発したことから、ネット上では『宮田がクズすぎる』と炎上状態に。その後、同11日に行われたKis-My-Ft2の派生ユニット『舞祭組』のコンサートで、宮田がこの件について『俺だって、やりたくないことやらないといけない時もある』とつぶやいたため、ファンの間で『やらせだったのでは?』とウワサされたんです」(同)

 さらにその後、宮田は2月7日に放送されたラジオ番組『Kis-My-Ft2 キスマイRadio』(文化放送)にて、「全然やらせじゃなくて、個人的な演出」と疑惑を否定している。とはいえ、かなりの頻度でやらせを疑われてしまっている『逃走中』。この疑惑が晴れる日は来るのだろうか……?

NHK大河『麒麟がくる』、3カ月ぶり放送も視聴率14.6%にダウン……「オリキャラいらない」「盛り上がりに欠ける」と不満続出

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で撮影がストップして以降、放送を一時休止していたNHK大河ドラマ『麒麟がくる』が8月30日に再開。6月7日以来、約3カ月ぶりの放送に期待の声が相次いでいたが、ふたを開けてみれば「オリキャラいらない」「脇役がウザい」と、ネット上に不満が噴出する結果となった。

 智将・明智光秀(長谷川博己)を主人公にした本作は、6月7日放送の第21回で、織田信長(染谷将太)が今川義元(片岡愛之助)を打ち取る“桶狭間の戦い”が描かれ、平均視聴率は16.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区、以下同)と自己最高を記録。8月30日放送の第22回では、桶狭間の戦いから4年後、三好長慶(山路和弘)に権力を奪われ、すっかり操り人形となってしまった将軍・足利義輝(向井理)に力を取り戻すため、明智が信長を京に呼び寄せると義輝に約束したところまでが描かれた。

「しかし、視聴率は14.6%と1.7ポイントの大幅ダウン。“桶狭間の戦いから4年後”という演出に、ネット上では『休止期間中に月日が経過していたような感覚で、ドラマにすんなり入ることができた』などと絶賛の声が上がっていましたが、休止期間が長かったせいか、『間が空いたからどこまで話が進んでたか忘れた』『間延びした感が否めない』『盛り上がりに欠ける』と感じた視聴者も多かったようです」(芸能ライター)

 また、『麒麟がくる』には、堺正章演じる医者の望月東庵、その助手で門脇麦演じる駒、そして尾野真千子が演じる旅芸人一座の女座長・伊呂波太夫という架空の人物が登場しており、彼らに関する描写が多かったことも不満の要因となっている様子。

「今回は東庵と駒が喧嘩するシーンや、伊呂波太夫が関白・近衛前久(本郷奏多)と幼少期にきょうだいのように育っていたなど、本編とはほぼ関係のないシーンが多く盛り込まれていました。そのため、ネット上では『このエピソード必要?』『オリジナルキャラクターのシーン長すぎ』『もっと入れるべきエピソードがあるだろ!』と不満の声が続出。本作は全44回構成で放送が予定されているものの、NHKは放送回数や放送終了時期について『ドラマ全体の流れを損なわないように収録の状況を見て検討していく』と場合によっては話数が短縮される可能性を示唆しているだけに、『本筋と関係ない話はもういらない』とやきもきする視聴者が多かったようです」(同)

 ようやく折り返し地点を迎えた『麒麟がくる』。クライマックスに向けてここからどう盛り上げていくのか、視聴率とともに注目したい。

『半沢直樹』20%台維持、『SUITS/スーツ2』7.1%でワースト更新! 今期ドラマ、軒並み好調TBSと“大爆死”フジの明暗

  織田裕二が主演を務める連続ドラマ『SUITS/スーツ2』(フジテレビ系)が、8月24日の第7話で平均視聴率7.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録し、現時点での自己ワーストを更新。2018年の第1シリーズは全話平均10.8%をマークし、現在放送中の第2シリーズも初回こそ11.1%を獲得していたが、以降は1ケタ台が続いている。

「敏腕弁護士・甲斐正午(織田)の活躍を描く『SUITS/スーツ2』ですが、4月中に第2話まで放送されるも、新型コロナウイルス感染拡大の影響でいったん休止になり、7月に第3話から再スタート。仕方のないこととはいえ、放送再開まで間が空きすぎたことが、視聴者の熱を下げた一つの要因かもしれません。一方、他局で『SUITS/スーツ2』と同じ“続編モノ”といえば、TBS系『半沢直樹』(堺雅人主演)の第2シリーズがありますが、こちらは開始自体を7月まで遅らせ、満を持してオンエアされた第1話はいきなり22.0%を叩き出し、その後も視聴率は上昇傾向にあります」(テレビ誌ライター)

 また今期、TBSのゴールデン・プライム帯ドラマは、多部未華子が主演する『私の家政夫ナギサさん』や、綾野剛と星野源のダブル主演作『MIU404』も、現在“オール2ケタ”をキープし、ネット上でも人気が高い。かたやフジは、織田の『SUITS/スーツ2』だけでなく、玉木宏が主演を務める『竜の道 二つの顔の復讐者』や、石原さとみ主演の『アンサング・シンデレラ 病院薬剤師の処方箋』も苦戦を強いられている。

「『アンサング・シンデレラ』は、薬剤師・葵みどり(石原)が“信念”を持って患者と向き合い、患者にとっての“当たり前の毎日”を取り戻すために奮闘する物語。初回10.2%で発進後、第3話では8.8%まで落としたものの、第4話は10.6%と息を吹き返しました。第5話以降は1ケタ台が続いていますが、なんとか9%台で踏ん張っています」(マスコミ関係者)

 しかし、『竜の道』に関しては、初回から9.1%と微妙な滑り出しで、8月25日放送の最新話(第5話)は5.9%と、もはや“大爆死”の域に突入している。

「主人公の竜一(玉木)と双子の弟・竜二(高橋一生)が、亡くなった養父母のために“復讐劇”を繰り広げる『竜の道』は、ネット上でも『好き嫌いが分かれる』『軽い気持ちでは見づらい』などと厳しい意見が寄せられています。このように、軒並み不調のフジドラマですが、『SUITS/スーツ2』を放送中の“月9”枠では、秋冬の2クールは、上野樹里主演の『監察医 朝顔2』が予定されています。またしても続編モノではあるものの、2019年放送の第1シリーズは全話平均12.6%と好成績だったので、『SUITS/スーツ2』よりは数字に期待が持てるのでは」(同)

 フジはこの秋、TBSとの差を少しでも縮めることができるだろうか。

月曜TBSバラエティ「致命的な無策ぶり」で大爆死……『有田プレビュー』3.7%『THE違和感』4.8%『霜降りミキXIT』2.1%の苦境

 TBSのバラエティに、今、大ブレーキがかかっている。その原因は月曜日のラインナップがこぞって大爆死しているからだという。果たして、その実態とは?

 月曜の午後7時台は『有吉ゼミ』(日本テレビ系)、『YOUは何しに日本へ?』(テレビ東京系)、『ネブリーグ』(フジテレビ系)と人気番組が揃う激戦区。そこにTBSが殴り込みをかけたのは、くりぃむしちゅー・有田哲平による『有田プレビュールーム』だが、8月3日の視聴率は3.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。『有吉ゼミ真夏の2時間SP』は13.6%で、なんと10%も差をつけられた。

「7月のスタート時、有田はこの番組について『視聴率はまったく度外視』『ある意味“革命的”な番組』と語っていましたが、ここまで数字が落ち込むとは予想していなかったのでは。それは局側としても同じこと。これなら2月まで放送していた『有田哲平と高嶋ちさ子の人生イロイロ超会議』のほうがまだ健闘していて、最終回は6.4%でしたからね」(業界関係者)

 午後8時は、4月から千鳥が司会を務めるクイズ番組『クイズ!THE違和感』をオンエア。さまざまな映像に映る芸能人の顔に、ノブの顔を合成するコーナー「ノブ違和感」がTwitterでは盛り上がりを見せているが……。

「3日の視聴率は4.8%。SNSの反応を見る限り、ティーンなど若年層からの支持は厚いようなので、『プレビュールーム』に比べれば、まだ期待の持てる番組かもしれません」(同)

 月曜の悪い波はその後に続く『アイ・アム・冒険少年』『CDTV ライブ!ライブ!』、さらには深夜11時56分からの『霜降りミキXIT』にも続いているという。

 『霜降りミキXIT』はその名の通り、霜降り明星、ミキ、EXITという、いわゆるお笑い第7世代の3組がワンランク上の男=“Mr.ダンディズム”になるため、VIPゲストに学んでいくというバラエティだ。

「10日の視聴率は2.1%でした。真裏の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)が7.4%なので、これを超えるには相当な秘策が要求されるでしょう」(同)

 また、一方でこんな意見も。

「この番組は、綿密な打ち合わせをしてトーク内容を濃くしようとしている印象がありますが、オンエアが台本をえていないのが如実にわかります。『しゃべくり007』(日本テレビ系)が支持されているのは、今まで見せてこなかったゲストの知られざる素顔が、レギュラー陣とのトークで引き出される点ですが、この『霜降りミキXIT』の1時間が終わっても、ゲストの印象が変わることがない。トークバラエティ番組は、『この人って、こんな人だったんだ!』と見方が変わるところに、本当の面白さがあるのですが……」(制作会社スタッフ)

 第7世代のスキルはこれから向上していく見込みはあるだろう。しかし、その上の世代、有田や千鳥の持つ“爆発力”が、TBS番組では発揮されていない感がある。

「『有田プレビュールーム』をはじめ、個々の番組のクオリティは他局とそこまで遜色ありません。ただ、TBSがここ数年、月曜のタイムテーブルを入れ替えすぎたあまり、まったく視聴習慣がつかなくなってしまったことが爆死の理由といえます。かつてTBSの月曜は、夜7時に『関口宏の東京フレンドパークII』、夜8時は『水戸黄門』、その後は2時間サスペンスといったように、ご長寿番組がドッシリと構え、お茶の間にも視聴習慣がつきやすかった。一方、近年はドラマ枠を新設したかと思えば、いきなりバラエティ枠に入れ替えてみたりと、致命的な無策ぶりです」(前出・制作会社スタッフ)

 日曜劇場『半沢直樹』をはじめ、『私の家政夫ナギサさん』『MIU404』とドラマは高水準をキープしているTBS。さらにバラエティがうまく回りだすと全体の底上げができるのだが、編成局がまず“月曜日”で失敗を重ねる限り、これ以上の浮上は難しいかもしれない。
(後藤壮亮)

月曜TBSバラエティ「致命的な無策ぶり」で大爆死……『有田プレビュー』3.7%『THE違和感』4.8%『霜降りミキXIT』2.1%の苦境

 TBSのバラエティに、今、大ブレーキがかかっている。その原因は月曜日のラインナップがこぞって大爆死しているからだという。果たして、その実態とは?

 月曜の午後7時台は『有吉ゼミ』(日本テレビ系)、『YOUは何しに日本へ?』(テレビ東京系)、『ネブリーグ』(フジテレビ系)と人気番組が揃う激戦区。そこにTBSが殴り込みをかけたのは、くりぃむしちゅー・有田哲平による『有田プレビュールーム』だが、8月3日の視聴率は3.7%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)。『有吉ゼミ真夏の2時間SP』は13.6%で、なんと10%も差をつけられた。

「7月のスタート時、有田はこの番組について『視聴率はまったく度外視』『ある意味“革命的”な番組』と語っていましたが、ここまで数字が落ち込むとは予想していなかったのでは。それは局側としても同じこと。これなら2月まで放送していた『有田哲平と高嶋ちさ子の人生イロイロ超会議』のほうがまだ健闘していて、最終回は6.4%でしたからね」(業界関係者)

 午後8時は、4月から千鳥が司会を務めるクイズ番組『クイズ!THE違和感』をオンエア。さまざまな映像に映る芸能人の顔に、ノブの顔を合成するコーナー「ノブ違和感」がTwitterでは盛り上がりを見せているが……。

「3日の視聴率は4.8%。SNSの反応を見る限り、ティーンなど若年層からの支持は厚いようなので、『プレビュールーム』に比べれば、まだ期待の持てる番組かもしれません」(同)

 月曜の悪い波はその後に続く『アイ・アム・冒険少年』『CDTV ライブ!ライブ!』、さらには深夜11時56分からの『霜降りミキXIT』にも続いているという。

 『霜降りミキXIT』はその名の通り、霜降り明星、ミキ、EXITという、いわゆるお笑い第7世代の3組がワンランク上の男=“Mr.ダンディズム”になるため、VIPゲストに学んでいくというバラエティだ。

「10日の視聴率は2.1%でした。真裏の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)が7.4%なので、これを超えるには相当な秘策が要求されるでしょう」(同)

 また、一方でこんな意見も。

「この番組は、綿密な打ち合わせをしてトーク内容を濃くしようとしている印象がありますが、オンエアが台本をえていないのが如実にわかります。『しゃべくり007』(日本テレビ系)が支持されているのは、今まで見せてこなかったゲストの知られざる素顔が、レギュラー陣とのトークで引き出される点ですが、この『霜降りミキXIT』の1時間が終わっても、ゲストの印象が変わることがない。トークバラエティ番組は、『この人って、こんな人だったんだ!』と見方が変わるところに、本当の面白さがあるのですが……」(制作会社スタッフ)

 第7世代のスキルはこれから向上していく見込みはあるだろう。しかし、その上の世代、有田や千鳥の持つ“爆発力”が、TBS番組では発揮されていない感がある。

「『有田プレビュールーム』をはじめ、個々の番組のクオリティは他局とそこまで遜色ありません。ただ、TBSがここ数年、月曜のタイムテーブルを入れ替えすぎたあまり、まったく視聴習慣がつかなくなってしまったことが爆死の理由といえます。かつてTBSの月曜は、夜7時に『関口宏の東京フレンドパークII』、夜8時は『水戸黄門』、その後は2時間サスペンスといったように、ご長寿番組がドッシリと構え、お茶の間にも視聴習慣がつきやすかった。一方、近年はドラマ枠を新設したかと思えば、いきなりバラエティ枠に入れ替えてみたりと、致命的な無策ぶりです」(前出・制作会社スタッフ)

 日曜劇場『半沢直樹』をはじめ、『私の家政夫ナギサさん』『MIU404』とドラマは高水準をキープしているTBS。さらにバラエティがうまく回りだすと全体の底上げができるのだが、編成局がまず“月曜日”で失敗を重ねる限り、これ以上の浮上は難しいかもしれない。
(後藤壮亮)

『半沢直樹』筒井道隆と江口のりこが絶賛されるワケ! 終盤への視聴率アップのカギに?

 8月30日に、第7話が放送される連続ドラマ『半沢直樹』(TBS系)。 物語も終盤に差し掛かり、主演・堺雅人演じる半沢直樹と対立する「悪役」である筒井道隆と江口のりこの存在感に、視聴者の話題が集中している。ここまで視聴率絶好調で快進撃を続けてきた同ドラマだが、さらなる視聴率アップのカギを握るのは、この2人なのかもしれない。

 筒井道隆は同ドラマで、帝国航空再建をめぐって半沢と相対する、政府直属の「タスクフォース」リーダー・乃原正太役を演じる。

「これまで『いい人』のイメージしかなかった筒井ですが、今回の『半沢直樹』では一転、クセのあるヒール役を緊張感たっぷりに演じています。これまで同作には、香川照之、市川猿之助、尾上松也、片岡愛之助と、歌舞伎俳優が続々起用されており、視聴者からは『さすがに多すぎ』などと指摘されていたのですが、ここにきて、『悪役に筒井道隆』という意外性あるキャスティングに、視聴者も興味津々の様子。前回放送後は、筒井の演技を称賛する書き込みがネット上にあふれています」(芸能ライター)

 筒井に対する視聴者で反響を調べると、「悪役やるなんて衝撃」「これまでのイメージとは全然違う」「こんな悪い顔してるの、初めて見た」「嫌悪感を示す表情が秀逸」など、好意的な声が飛び交っている。

 一方で、筒井とともにヒール役を熱演している江口も、視聴者の関心を集めるのに一役買っているようだ。

「江口は女性初の総理大臣候補として期待される、国土交通大臣・白井亜希子役を熱演。帝国航空の再建をめぐって、“半沢潰し” の急先鋒として鋭く斬り込む役どころだが、クセ者ぶりがネット上の話題をさらっています」(同)

 江口は中学卒業後、地元兵庫でアルバイトを転々とし、19歳で上京。柄本明が率いる「劇団東京乾電池」の研究生となり、正式入団後は、舞台を中心にキャリアを磨いてきただけに、すでに実力派女優の呼び声が高い。

「映画『戦争と一人の女』(2012年)で不感症のヒロイン役を演じるなど、文芸作品におけるシリアスな役柄から、芳根京子主演の月9ドラマ『海月姫』(18年、フジテレビ系)でのインド人役、また吉高由里子主演のドラマ『わたし、 定時で帰ります。』(19年、TBS系)での中国人役もこなすなど、演技の幅が広い。『半沢直樹』では、長年慕ってきた柄本が出演していることもあり、いつも以上に気合が入っているのかもしれません。筒井同様、迫真の演技を見せています」(同)

  今回の大臣役も、ネット上で「腹黒い政治家役が、不気味なくらいフィットしてる」「江口の生々しい表情がいい」など大きな話題となり、また「田中真紀子や蓮舫、小池百合子など、実在の女性政治家を彷彿とさせる点もよく指摘されている。それだけ、リアリティがあるということでは」(同)とのこと。

「最終回平均視聴率42.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録した、2013年放送の前作に続く作品だけに、視聴者のクライマックスへの期待値は並々ならぬものがある。両者の演技が評判を呼んでいることに、制作サイドはホッと胸を撫で下ろしていることでしょう。これを機に、両者ともに数字を取れる役者として評価され、ドラマ終了後もたくさんのオファーに恵まれそうです」(同)

 人気シリーズの“続編”という大きなプレッシャーをものともせず、快進撃を続ける『半沢直樹』。終盤へ向け、 筒井と江口の悪役ぶりが、ドラマ成功の大きな力となることは、まず間違いないだろう。

韓国ドラマ『愛の不時着』、30代女性が「リ・ジョンヒョクになりたい!」ワケ――周囲に大笑いされた“欲望”とは?

 今年2月からNetflixで配信されている、韓国の人気ドラマ『愛の不時着』。日本でも大ヒットし、タレントの笑福亭鶴瓶や黒柳徹子、藤田ニコルら多数の著名人が「ハマった」ことを公言している。そんなドラマの魅力は、一体どこにあるのだろうか? ジェンダーやエンターテインメントに詳しい加藤藍子氏に、“恋愛”だけではない本作の魅力について寄稿していただいた。

【※以下、ネタバレを含みます※】

 韓国ドラマ『愛の不時着』ブームが止まらない。2020年2月後半にNetflixで配信開始以来、総合トップ10入りを保持。全話鑑賞したファンは「不時着ロス」を避けるべく周回視聴を続け、7月に入っても、Twitterの鑑賞実況用ハッシュタグがトレンド入りすることもあったほどだ。なぜこんなに、熱狂するのか。

 物語は、韓国の財閥令嬢で、企業経営者でもあるヒロインのユン・セリが、パラグライダー飛行中に竜巻に巻き込まれ、あろうことか38度線を越えて北朝鮮に不時着してしまうところから始まる。そこで出会うのが、北朝鮮のエリート将校リ・ジョンヒョクだ。

 「北」には、少なくともこのフィクションで描かれている限りでは、法治という概念が存在しない。当局に見つかれば、速攻で殺されるかもしれない極限状態の中、リ・ジョンヒョクはユン・セリをかくまい、あの手この手で南への帰還を助ける。その過程で2人の間に愛が芽生えるという、設定は斬新だが、「胸キュン」の王道はがっちりとつかんだラブストーリーだ。

『愛の不時着』は男女の役割が逆転するから“胸キュン”ではない!

 このドラマについてのレビューや評論では、女性のために粉からこねた麺で料理をつくったり、コーヒーを淹れたりするリ・ジョンヒョクの振る舞いが度々注目され、「性別役割分業が逆転している描写が素晴らしい」とされているのを見かける。それはそうだが、私たちは「性別役割分業が逆転すれば、胸キュンする」というわけではない。

 見始めるやいなや熱狂した一人である私の中には、別の強い感情が湧いた。大切にされるだけじゃ、我慢できない。私はリ・ジョンヒョクになりたい、と。それは彼の存在が、「男だから/男なのに」というラベルを剥がしても成立する魅力を持っていたからではないか。

「リ・ジョンヒョクが、完璧すぎますよね。まあ、あんな王子様、現実にはなかなか存在しないですけど!」

 コロナ禍の緊急事態宣言が解除された6月、久しぶりに髪を切りに出かけたら、私と同い年の美容師さんが興奮気味に話を振ってきた。もはや、珍しいことではない。外へ出かけると、しょっちゅう「不時着見た?」という会話が聞こえてくる。カフェで隣席に座っている男性が、友人とみられる女性に、大げさな身振りで「リ・ジョンヒョク名場面」を再現しているのも見かけた。このドラマの最高なところはたくさんあるのだが、そんな「不時着済み」の人たちの間で「これはまあ、言うまでもなく前提なんだけど……」という共通認識になっているのが「リ・ジョンヒョクが最高にかっこいい」という真実だ。

 そのリ・ジョンヒョクに、私がなりたい、と思ってしまう――。この欲望を周囲に打ち明けると、大笑いされることが多い。無理もない。私は腕っぷしにも体力にも不安のある、気は強いが一見おとなしそうな30代女性だ。一方のリ・ジョンヒョクは、軍人らしい堂々たる肩幅。ネタバレになるが、ユン・セリを守るために銃弾を受け、どうにか一命を取り留めて間もない重傷状態にあってなお、数人の敵を一人でなぎ倒せるレベルの戦闘力がある。軟弱そうな女が、頑強な完璧男を目指すと豪語する。そのギャップが笑いを誘うのだろう。

 でも、違うのだ。私は決してマッチョになりたいんじゃない。美容師さんが「王子様」と表現したときに、もしかしたら彼女も潜在的に求めていたかもしれない、男とか女とかを超越した存在に、憧れるのである。

 ところで「王子様」とは何か。「私を選び、幸せにしてくれる男性」というイメージが一般的だろう。しかし、私たちが王子様にどうしたって憧れてしまうのは、そんな表面的な理由からではないだろう。王子様とは、ありのままの自分を愛し、守ってくれる他者の象徴とみることだってできる。

 おとぎ話は、しばしば世界の本質を突いている。この世は、例えば『シンデレラ』のように、ただ善く生きたいだけなのに虐げられることがある。あらぬ方向から憎しみを受けて、気が付いたら茨の城に仮死状態で閉じ込められる『眠れる森の美女』的な状況に追い込まれることもある。こうした理不尽な苦しみに、一人で抗うことは難しい。でも、損得勘定なしに「この私」を全力で肯定し、解放してくれる誰かが傍らにいてくれたら、立ち向かうことができる。自分一人ではどうにもならない状況に囚われた者を解放するのが「王子様」なら、私たちが「白馬の王子様」を待たない理由なんてない。それに、女が「王子様」になることだって、男が「お姫様」になることだって、あっていい。

 リ・ジョンヒョクは、その意味での「王子様」なのだ。象徴的な場面がある。

 ユン・セリは、社会的地位や事業の成功には恵まれているが、親やきょうだいとの関係は崩壊している。あるがままの自分を受け入れてもらえる居場所を持たない序盤の彼女は、孤独な城の中に自らを幽閉したお姫様のようにも私には映る。

 そんな彼女は、北朝鮮での不自由極まりないはずの生活の中で、「生きることが楽しいという感覚」を取り戻す。リ・ジョンヒョクや、彼に忠実で心優しい隊員たちと出会い、食卓を共にし、あわやというピンチも、皆で知恵や力を出し合うことで何度でも乗り越えた。不自由なはずの環境で、精神的には自由を得たのだ。

 だが、38度線に隔てられている彼らにはやがて別れが訪れることが決まっている。また元の生活に戻るユン・セリに向かって、リ・ジョンヒョクは、こんな言葉をかける。

「孤独にはなるな」「そばにいなくても、君が寂しくないように――いつも思ってる」

 日々を豊かに過ごすうちに「僕のことは忘れても構わない」とまで言い切る。これは、彼女を所有しようとするのではない、ただ“孤立の檻”から解き放ってやりたいという願いを言葉にした、彼の真骨頂だと私は思った。 

 この世界は、自らが望むか望まざるかにかかわらず、孤立状態に追い込まれがちだ。他人と親密な関係を築くことは一般的に好ましいこととされるが、現実はそう簡単ではないからだ。他者と共に生きようとすれば、一人でいれば無縁だった悩みも抱えることになる。生じた摩擦が、耐えがたいほどの痛みをもたらすこともある。金、権力、知性に恵まれたユン・セリなら、一人ぼっちでも取れる選択肢は多い。本当は孤立したかったわけではないが、ある種合理的な判断でもあったのだろう。そんな彼女に、心に他者を住まわせることの豊かさを思い出させたのはリ・ジョンヒョクだった。

 一方、物語が中盤に差し掛かってくると、今度はユン・セリのほうがまるで王子様のように、リ・ジョンヒョクの心を自由にしたり、危険から守ったりする描写も増えてくる。リ・ジョンヒョクもまた、“孤立の檻”に自分を閉じ込めていたからだ。

 彼は尊敬する兄をある「事故」で失った過去を持つ。しかし、その「事故」とされた悲劇の背後には、祖国の暗殺部隊の影が見え隠れする。愛する者の耐え難い死を経験したリ・ジョンヒョクは、彼が劇中で回想する通り「未来を夢見ることをやめ、誰も愛さなかった」のだ。ユン・セリが彼の世界に、不時着するまでは。

どうして私はリ・ジョンヒョクになりたいのか?

 男女のロマンチックラブストーリーといえば、主役カップルの恋模様に焦点が集中していくものだが、このドラマでは「恋愛」だけでなく、2人が心を開いてこそ見えてくる周囲の人々との間の多様な愛も、魅力的に描かれる。分断ばかりが目につく時代に愛の力を肯定する、心温まるドラマだろう。

 そんなドラマに登場するリ・ジョンヒョクに対して「憧れ」の気持ちが生まれるのは、少なくとも私にとっては、彼が女性の求めるタイミングで颯爽と助けにきてくれるからでも、かいがいしく麺をゆでるスキルを持っているからでもない。

 当たり前に異なる他者同士であるリ・ジョンヒョクとユン・セリが出会い、互いの心を解放し合う。王子様とお姫様を軽やかに行き来しながら、男だとか女だとかいうラベルは、もはや意に介すそぶりもない。力を合わせて困難を乗り越えながら、「生きている実感」を確かなものにしていく2人の姿が、ただカッコよくて美しいのだ。

 だから私は、リ・ジョンヒョクみたいに誰かの心を解放するような「王子様」になりたい。この決意を新たにするために、何周目か分からない視聴を今後も続けるだろう。

■加藤藍子(かとう・あいこ)
1984年生まれ、フリーランスの編集者・ライター。 慶應義塾大学法学部政治学科を卒業後、全国紙の新聞記者、 出版社などを経て独立。働き方、ジェンダー、アート、 エンターテインメントなど幅広い分野で取材・随筆を行う。