成宮寛貴、引退しても暴露が止まらない 報道における芸能人と一般人の境目はどこ?

narimiya1206「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

〈今回のテーマ〉
電撃引退した成宮寛貴に関する報道

■芸能人か一般人かの区別より、公共性があるか否か

 コカイン使用疑惑が報じられ、12月9日、突然に引退を発表した成宮寛貴について、引退後もそのセクシュアリティや海外逃亡説など、さまざまな情報が各メディアで盛んに流されている。本来、芸能人と一般人では報道が許される範囲が異なるはずだが、その境目はいったい、どこにあるのだろうか? アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に聞いた。

 まず、芸能人と一般人では報道される範囲に違いはあるか、という点について、プライバシーの観点から、岩沙弁護士は次のように述べる。

「アメリカの裁判例の中には、著名人はプライバシーの権利の一部を失い、プライバシー侵害の成立の範囲が狭いと判断するものもあります。一方、日本の裁判例は、著名人のプライバシーも尊重しており、著名人であることから直ちに何らかの帰結を導くことはしておらず、芸能人か一般人かの区別は、日本ではさほど重要ではありません。

 また、名誉を毀損するような報道についても、芸能人か一般人かの区別は重要ではなく、『公共性』が認められるのであれば、幅広い事実の報道を積極的に行えることになります。なぜなら、名誉毀損表現であっても、(1)公共の利害に関する事実を(2)もっぱら公益を図る目的で摘示し(3)事実が真実であることが証明されれば不法行為は成立しない、とされているからです。

 過去の刑事事件の裁判例では、一般人の私生活上の行為であっても社会的活動の性質、社会に及ぼす影響力の程度などによっては、公共性が認められるとされました。したがって、芸能人か一般人かの区別より、公共性があるか否かが重要です」

 では、なぜ「公共性」があると幅広い報道が許されるのだろうか? 

「それは、表現の自由が持つ民主主義的な意義が重要なためです。すなわち、その事実を一般市民に報道し、市民が議論することが、市民の発達や社会の発展に役立つ場合があるとされているからです。もっとも、人はうわさが大好きで、他人の生活をのぞき見たいという欲求を潜在的に持っており、人々がのぞき見たい事実のすべてに公共性を認めると、人々の名誉は貶められ、プライバシーは暴かれ放題になってしまいます。したがって、公共性が認められるのは限定的な場合に限ります」

 つまり、単なるのぞき見趣味のゴシップでなく、その情報に社会的な意味がある場合は、芸能人も一般人も関係なく、報道が可能ということのようだ。

■名誉毀損罪損が成立する可能性も

 では、すでに“一般人”である成宮に関する現在の過熱報道は、法的に問題はないのだろうか?

「過去の裁判例では、ボクシング元世界チャンピオンの具志堅用高氏が所属していたジムの会長の脱税報道や、宗教団体会長の女性関係が乱れている事実に公共性が認められたこともあります。一方、女優の故・大原麗子さんが近所とトラブルを起こしていた事実や、テレビ局のアナウンサーが学生時代にランジェリーパブに勤務していた事実については、公共性は認められませんでした。

 前述の通り、公共性は限定的にしか認められないため、成宮氏の現状の報道について、公共性は認められない可能性があります。したがって、場合によっては報道する側に名誉毀損罪などが成立してもおかしくはありません」

 成宮本人が引退表明の自筆ファクス以外何も語らない中、“18年来の親友”と名乗る人物がLINEメッセージの内容を明かしたり、プライベートの“乱行写真”が雑誌に掲載されたりと、暴露はますます過激になっているが、報道する側にも慎重な姿勢が必要のようだ。

『君の名は。』中国での大ヒットに見る、「純日本産」の価値

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『君の名は。』公式サイトより
 こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。  8月26日に公開された新海誠監督の最新作『君の名は。』は、12月5日までに興行収入200億円を超える超大ヒット作になっています。僕も公開直後に鑑賞したのですが、1月にIMAX上映が決定したということで、再鑑賞を考えています。 ■大人気ゆえ、パクられる新海作品  そんな『君の名は。』は12月から中国国内でも公開され、公開10日間で興収5億元(約83億円)を超える大ヒットを記録しました。新海監督作品は以前から人気を博しており、2009年に製作された『心霊之窓』という中国アニメは、新海監督の『秒速5センチメートル』の絵コンテや背景イラストを模倣したことで問題となりましたが、「パクられる」という事実は、ある意味、中国で大人気だという証拠です。  日本で公開してまもなく、中国のネット上には違法な海賊版がアップロードされました。最近、中国では「百度雲」というオンラインの大容量クラウドストレージサービスが誕生し、日本国内で入手した映像データを転売するツールとなっています。想定内の事態ではありますが、劇場版を見た観客からは「『君の名は。』の初体験が、画質の悪い海賊版だったことが惜しい!」という皮肉な声が上がっています。 ■中国では、「純日本産」が尊ばれる  今回の成功を受け、日本では中国色を強めた映画を製作し、中国市場に売り込もうという声があるようですが、僕は異議を唱えます。尖閣諸島をめぐる反日デモの報道などから、中国人には愛国者が多いというイメージが世界中に広まりましたが、実際は単なる鬱憤ばらしや、政府に扇動されてデモに参加する例が大半で、本当の意味で自国に誇りを持つ中国人は多くありません。そのため、中国色が強い作品は、それほど好まれないのです。逆に爆買いの例を見ればわかるように、多くの中国人は「純日本産」を好む傾向があります。つまり、『君の名は。』のように日本の風景や習慣を前面に押し出した作品を売り出せば、再び大ヒットする可能性があります。  中国人が純日本産を尊ぶ具体的な事例を挙げると、現在、中国では『君の名は。』はすべて字幕版で公開されているのですが、ネット上には「もし吹き替え版が公開されても、見に行かない」という意見が多く上がっています。その背景を探ると、10年ほど前には、ある日本製アニメが吹き替え版で公開されたのですが、「中国のヘタクソな声優が作品を冒涜した!」「私の大好きな○○は、こんな声じゃない!」などと酷評が殺到しました。さらに『君の名は。』で主人公を演じた神木隆之介など、中国でも人気を博している日本のタレントは数多く、さらに最近の日本の声優はアイドル的な面があるため、声を吹き替えてしまうとアニメ作品の商品価値が低下する可能性があります。そうした理由から、中国では、日本製アニメは字幕版で公開することが一般的になっています。  もし今後、中国市場で商業展開を計画している日本人クリエイターの方がおられましたら、中国人クリエイターであり、日本のサブカルチャーに精通している僕の意見を参考にしていただけたら幸いです。また、日本国内の中国人がデータを中国に転送しないように、日本側から百度雲への接続を遮断することを推奨します。 ◆「チャイナめった斬り」過去記事はこちらから
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●そん・こうぶん 中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)、『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)がある。 <https://twitter.com/sun_koubun>

“キューバ独立の父”は一面にすぎない!? カストロ死去から見る、共産主義国家のプロパガンダ

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『少年フィデル』(トランスワールドジャパン)
   こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。    11月25日、キューバの前国家評議会議長フィデル・カストロ氏が死去したニュースは、世界中に衝撃を与えました。 ■カストロの死に対する、対照的な2人の意見  カストロ氏の死去を受け、世界中の指導者からメッセージが寄せられました。アメリカのオバマ大統領は「カストロ氏に追悼の意を表します。アメリカとキューバには政治的イデオロギーの違いがあるが、わが国はキューバを尊重し、今後とも両国の友好関係に明るい未来を望む」と、カストロ氏やキューバの現体制を尊重するような言葉を述べました。一方、次期大統領ドナルド・トランプ氏は「カストロが死んだ!」「彼は残虐な独裁者だ! キューバ国民に自由を」「カストロがキューバに残した遺産は、拷問、盗難、苦難、貧困、人権侵害だ」「彼の死は、キューバ国民が圧政から解放されるきっかけになる」「いつか、国民が自由と繁栄を謳歌する民主主義国家のキューバを見てみたい」と、カストロ氏を徹底的に批判する言葉を次々と述べたのです。  両者の意見を比較した場合、中立的、冷静に感じられるオバマ大統領に賛同する人がおそらく圧倒的多数でしょうが、僕は異議を唱えます。オバマ大統領は、あたかもキューバ国民が自国の体制を選んだかのような見解を示していますが、同国が共産主義体制となったのは、カストロ氏が政権を樹立した結果にすぎません。僕は、実情を無視して諸外国に対してきれいごとばかり並べ立てるオバマ大統領、並びにアメリカ民主党は、リベラルの名を借りた「偽善者」にしか思えません。例えば、民主党政権は中国の人権問題に言及することはあっても、実際に圧力をかけることはありません。僕は仮にヒラリー・クリントン氏が大統領に就任した場合、粉飾まみれの人権政治が行われていたと予想します。中国の共産主義体制の被害を受けた僕自身は、暴言のようなトランプ氏の意見にむしろ共感します。僕は、共産主義に対して対抗姿勢を見せる今後のトランプ・アメリカ共和党政権に、強く期待します。  キューバと同じく共産主義体制をとる中国の機関メディアは、「卓越した指導者の他界に哀悼の意」などと、「同志」としてカストロ氏を尊重する言葉を使用し、「人々が花束を持ってキューバ領事館の前で追悼している」と報道しました。ネット上の意見を見ても、カストロ氏を称賛する意見が大半でした。一方、キューバ国内はカストロ追悼ムード一色に染まり、若い女性のミニスカート着用や男性の整髪料使用、または、民主的な思想を持つ層によりカストロ氏死去を「祝う」パーティーの開催が不謹慎な行為として警察に次々と弾圧される一方、首都ハバナでは100万人規模の追悼行事が予定されています。これらの例を見れば、カストロ政権が独裁体制であったことは明確です。 ■国家が扇動する反日デモ  共産主義政権の実態を、僕自身の体験で紹介します。2001年に小泉純一郎首相(当時)が靖国神社参拝を行った際、中国では大規模な反対デモが発生しました。当時、僕は高校生だったのですが、「軍国主義を掲げる首相は極めて危険だ」「戦犯を崇拝する首相は、再び中国に戦争を仕掛ける」といったメディアの扇情的な意見に感化され、僕の通っている高校では午後の授業を打ち切って反日デモが実行されました。当日は全校生徒が参加し、10台以上バスを貸し切ってデモ会場へと向かいました。ちなみに、この時の経費は地元の教育委員会が負担し、教育委員会は政府に請求します。しかし、本気で反日思想を持つ者は、クラスメート40人中、2~3人だったのですが、参加を拒否したら間違いなく教師に「君には愛国思想がないのか?」などと迫られて反省文を書かされるため、大半は仕方なく参加したのです。  12年の尖閣諸島問題の際も同様の事例が発生し、中国各地の学校や企業はこぞって生徒や従業員を反日デモに参加させました。デモ参加者の大半は、実際には単なる憂さ晴らし目的なのですが、中国メディアはデモが発生するたびに「有史以来の大規模デモ」「13億人が怒っている」などと、あたかも中国国民全員に反日思想が湧き上がっているかのような報道を行います。このあたりの詳細は僕の著作『中国のヤバい正体』(大洋図書)に記述してありますので、興味ある方は、ご一読ください。日本メディアも中国の報道をそのまま垂れ流すことが多く、01年の靖国参拝時は日本の左派系言論人たちはこぞって政権批判の材料にしました。  このような民衆を利用したプロパガンダは、共産主義国家の常套手段です。僕が香港のニュース報道で知った事例を挙げると、金正日死去時、ある欧米人ジャーナリストが匿名を約束して一人の市民に泣き崩れる理由を聞くと、「そうしないと当局に逮捕、拷問されるから」という返答がありました。僕は今後のキューバ国内で、同様の事態が発生すると思います。  チェ・ゲバラと並び、“キューバ独立の父”と英雄視されるカストロ氏ですが、僕に言わせれば毛沢東やスターリン、金日成らと同様、共産主義下の独裁的指導者にすぎません。僕は日本のみなさんにはマスコミや左派系言論人が吹聴するカストロ氏の一面だけではなく、彼が行った数々の圧政を知ってほしいと思います。 ◆「チャイナめった斬り」過去記事はこちらから
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●そん・こうぶん 中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)、『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)がある。 <https://twitter.com/sun_koubun>

“キューバ独立の父”は一面にすぎない!? カストロ死去から見る、共産主義国家のプロパガンダ

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『少年フィデル』(トランスワールドジャパン)
   こんにちは、中国人漫画家の孫向文です。    11月25日、キューバの前国家評議会議長フィデル・カストロ氏が死去したニュースは、世界中に衝撃を与えました。 ■カストロの死に対する、対照的な2人の意見  カストロ氏の死去を受け、世界中の指導者からメッセージが寄せられました。アメリカのオバマ大統領は「カストロ氏に追悼の意を表します。アメリカとキューバには政治的イデオロギーの違いがあるが、わが国はキューバを尊重し、今後とも両国の友好関係に明るい未来を望む」と、カストロ氏やキューバの現体制を尊重するような言葉を述べました。一方、次期大統領ドナルド・トランプ氏は「カストロが死んだ!」「彼は残虐な独裁者だ! キューバ国民に自由を」「カストロがキューバに残した遺産は、拷問、盗難、苦難、貧困、人権侵害だ」「彼の死は、キューバ国民が圧政から解放されるきっかけになる」「いつか、国民が自由と繁栄を謳歌する民主主義国家のキューバを見てみたい」と、カストロ氏を徹底的に批判する言葉を次々と述べたのです。  両者の意見を比較した場合、中立的、冷静に感じられるオバマ大統領に賛同する人がおそらく圧倒的多数でしょうが、僕は異議を唱えます。オバマ大統領は、あたかもキューバ国民が自国の体制を選んだかのような見解を示していますが、同国が共産主義体制となったのは、カストロ氏が政権を樹立した結果にすぎません。僕は、実情を無視して諸外国に対してきれいごとばかり並べ立てるオバマ大統領、並びにアメリカ民主党は、リベラルの名を借りた「偽善者」にしか思えません。例えば、民主党政権は中国の人権問題に言及することはあっても、実際に圧力をかけることはありません。僕は仮にヒラリー・クリントン氏が大統領に就任した場合、粉飾まみれの人権政治が行われていたと予想します。中国の共産主義体制の被害を受けた僕自身は、暴言のようなトランプ氏の意見にむしろ共感します。僕は、共産主義に対して対抗姿勢を見せる今後のトランプ・アメリカ共和党政権に、強く期待します。  キューバと同じく共産主義体制をとる中国の機関メディアは、「卓越した指導者の他界に哀悼の意」などと、「同志」としてカストロ氏を尊重する言葉を使用し、「人々が花束を持ってキューバ領事館の前で追悼している」と報道しました。ネット上の意見を見ても、カストロ氏を称賛する意見が大半でした。一方、キューバ国内はカストロ追悼ムード一色に染まり、若い女性のミニスカート着用や男性の整髪料使用、または、民主的な思想を持つ層によりカストロ氏死去を「祝う」パーティーの開催が不謹慎な行為として警察に次々と弾圧される一方、首都ハバナでは100万人規模の追悼行事が予定されています。これらの例を見れば、カストロ政権が独裁体制であったことは明確です。 ■国家が扇動する反日デモ  共産主義政権の実態を、僕自身の体験で紹介します。2001年に小泉純一郎首相(当時)が靖国神社参拝を行った際、中国では大規模な反対デモが発生しました。当時、僕は高校生だったのですが、「軍国主義を掲げる首相は極めて危険だ」「戦犯を崇拝する首相は、再び中国に戦争を仕掛ける」といったメディアの扇情的な意見に感化され、僕の通っている高校では午後の授業を打ち切って反日デモが実行されました。当日は全校生徒が参加し、10台以上バスを貸し切ってデモ会場へと向かいました。ちなみに、この時の経費は地元の教育委員会が負担し、教育委員会は政府に請求します。しかし、本気で反日思想を持つ者は、クラスメート40人中、2~3人だったのですが、参加を拒否したら間違いなく教師に「君には愛国思想がないのか?」などと迫られて反省文を書かされるため、大半は仕方なく参加したのです。  12年の尖閣諸島問題の際も同様の事例が発生し、中国各地の学校や企業はこぞって生徒や従業員を反日デモに参加させました。デモ参加者の大半は、実際には単なる憂さ晴らし目的なのですが、中国メディアはデモが発生するたびに「有史以来の大規模デモ」「13億人が怒っている」などと、あたかも中国国民全員に反日思想が湧き上がっているかのような報道を行います。このあたりの詳細は僕の著作『中国のヤバい正体』(大洋図書)に記述してありますので、興味ある方は、ご一読ください。日本メディアも中国の報道をそのまま垂れ流すことが多く、01年の靖国参拝時は日本の左派系言論人たちはこぞって政権批判の材料にしました。  このような民衆を利用したプロパガンダは、共産主義国家の常套手段です。僕が香港のニュース報道で知った事例を挙げると、金正日死去時、ある欧米人ジャーナリストが匿名を約束して一人の市民に泣き崩れる理由を聞くと、「そうしないと当局に逮捕、拷問されるから」という返答がありました。僕は今後のキューバ国内で、同様の事態が発生すると思います。  チェ・ゲバラと並び、“キューバ独立の父”と英雄視されるカストロ氏ですが、僕に言わせれば毛沢東やスターリン、金日成らと同様、共産主義下の独裁的指導者にすぎません。僕は日本のみなさんにはマスコミや左派系言論人が吹聴するカストロ氏の一面だけではなく、彼が行った数々の圧政を知ってほしいと思います。 ◆「チャイナめった斬り」過去記事はこちらから
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●そん・こうぶん 中華人民共和国浙江省杭州市出身の31歳。中国の表現規制に反発するために執筆活動を続けるプロ漫画家。著書に、『中国のヤバい正体』『中国のもっとヤバい正体』(大洋図書)、『中国人による反中共論』(青林堂)、『中国が絶対に日本に勝てない理由』(扶桑社)がある。 <https://twitter.com/sun_koubun>

ASKAのタクシー映像公開は法的に問題あり! テレビ局の責任は?

「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

〈今回の番組〉
ASKAタクシー社内映像(11月28日放送各局)

■タクシー会社は映像提供を認め、謝罪

 11月28日に覚せい剤取締法違反(使用)の疑いで逮捕されたASKA容疑者が、逮捕直前に乗車していたタクシーの車内映像(ドライブレコーダーの映像)をテレビの情報番組などで公開され、ネット上で物議を醸した。30日になって、タクシー会社チェッカーキャブが、同社のサイト上で映像提供を認め、謝罪したが、そもそもこの映像を提供することに、法的な問題はないのだろうか? また、放送したテレビ局側は罪に問われないのか? アディーレ法律事務所の鳴海裕子弁護士に聞いた。

 まず、ドライブレコーダーの映像をテレビ局に提供したタクシー会社について、鳴海弁護士は、「肖像権の侵害にあたる可能性がある」と指摘する。

「個人の私生活上の自由として、人は、みだりに自己の容貌ないし姿態を撮影され、これを公表されない人格的利益(いわゆる肖像権)を有するとされています。これは一般人も有名人も原則として異なりません。これらの侵害行為は民法上の不法行為に該当し、損害賠償請求が可能となります。

 基本的にドライブレコーダーは、防犯や事故状況の証拠保全等のために用いられるもので、公共の福祉に資するものといえるため、乗客を問わず撮影すること自体の違法性はないのです。しかしながら、この用途を越えて、むやみやたらに映像を公開すれば、当然ながら受忍限度を超えた利用方法ということになり、肖像権の侵害に該当します。

 今回は、ASKA容疑者の乗車していたタクシー内で事件や事故が起きたわけではなく、また、ASKA容疑者は逃げも隠れもせずに警察の任意同行に応じる等していることから、車内の映像を公開することに必要性や正当性があるとは言い難く、この映像を公開してしまったタクシー会社はASKA容疑者の肖像権を侵害するものとして、不法行為責任を負う可能性があると思います」

■プライバシー権侵害にもあたる可能性

 なお、「肖像権」と「プライバシー権」は異なるもので、肖像権はあくまでその容貌ないし姿態についての権利、プライバシー権は私生活上の事柄全般をみだりに公開されない法的保障・権利を指す(プライバシー権について東京地裁昭和39年9月28日判決)。

 鳴海弁護士によると、今回は、ASKA容疑者の容姿だけでなく、車内の会話音声や乗車地点から自宅までの走行全般が記録された映像であるため、プライバシー権侵害にも該当する可能性があるという。

 では他方、この映像を放送したテレビ局もタクシー会社と同様に違法かというと、それはまた少し状況が異なるようだ。

「報道機関には報道の自由があり、これは強く保護される傾向にあります。これを制限してしまえば、国民の知る権利を奪ってしまいかねない危険な状態となるためです。今回はASKA容疑者の覚せい剤使用の逮捕と関連して報道されているため、その放送に一定の合理的理由があると考えられ、違法とまではいえない可能性があります」(鳴海弁護士)

 今回の件についてネットでは、タクシー会社への批判はもちろんのこと、「逮捕されたからといって、なんでもありなのか」「そこまで放送していいのか」「放送するテレビ局も罪深い」といったテレビ局への批判も強くなっている。タクシー会社は謝罪したが、テレビ局も何らかの対応をしなければ、テレビへの不信感はますます高まりそうだ。

『逃げるは恥だが役に立つ』の契約結婚は法的に問題ない? 入籍したら契約は無効?

「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

〈今回のドラマ〉
『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系・火曜午後10時~)

■契約結婚は法的に問題ないのか?

 初回から二桁をマークした視聴率が、右肩上がりの好調をキープしている連続ドラマ『逃げるは恥だが役に立つ』。派遣切りに遭った彼氏なしの主人公・森山みくり(新垣結衣)が、恋愛経験ゼロの独身サラリーマン・津崎平匡(星野源)のもとに家政婦として派遣されたことをきっかけに、「夫=雇用主、妻=従業員」の雇用関係で“契約結婚”するというラブコメディだが、現実社会でも契約結婚は法的に問題ないのか? アディーレ法律事務所の鳴海裕子弁護士に聞いた。

 鳴海弁護士によると、このドラマでの設定は一般的な意味での契約結婚とは若干異なるという。

「一般的にいわれる『契約結婚』は、通常の結婚とは違って、『浮気OK』『お財布は別々』とかを取り決め、婚姻届を提出して戸籍上の夫婦になる(法律婚)ことを契約結婚ということが多いと思います。近年よく耳にする『婚前契約』の取り決めと同じと考えてよいでしょう。結婚の意思(夫婦となる意思)はあるので、違法ではありません。他方で、夫婦となる意思がないのに婚姻届を出すのは違法です(外国人の国籍取得のための偽装結婚等)。

 このドラマでは、住民票は同世帯に移していますが、婚姻届は提出していません。そのため前述のような契約結婚とも違うということになります。ドラマの中では『事実婚』という言い方もされていますが、『事実婚』は双方に夫婦になる意思があり、かつ周囲にも夫婦と認められていることをいいます(『法律婚』と『事実婚』との違いは、婚姻届を出しているかどうかの違いということになります)。このドラマでは、周囲には夫婦と認められていますが、当事者同士に夫婦の意思がありませんので、事実婚とも違うということになります」

■2人が婚姻届を提出しても、契約は無効にならない

 では、契約結婚に必要な契約書というものは、どういった内容になるのだろうか?

「このドラマでは、平匡とみくりは周囲には結婚したと偽って生活していますが、2人の間では『雇用契約』と言っています。当事者間では、一般的な家事使用人に近い契約をしているものと思われます。家事使用人については、労働基準法の適用がありません(労基法116条2 項)。家事使用人とは、たとえば個人の家庭においてその家族の指揮命令の下で、家事全般に従事している者等をいいます。もっとも、ドラマの中では、業務の内容や業務時間、休憩休暇、お給料と業務に使用する経費(食費や日用品費や水道光熱費等)に関する事項等は、しっかり取り決めていると思われます」

 なお、契約自由の原則があるので、双方合意の下で、後から項目を増やすことは可能だという。

 ドラマでは、ハグの日を設けたり、キスをしたりと、お互いの距離は縮まりつつあるようだが、今後2人が婚姻届を提出した場合、契約はどうなってしまうのだろうか?

「初めから瑕疵(契約が無効となるような事情)があるわけではないので、無効にはなりませんが、結婚して、みくりが専業主婦になれば、主婦業と従前の家事代行業務が混在してしまうため、契約当事者双方合意の下で、婚姻と同時に解除すべきでしょう」

 さらに、鳴海弁護士は、一般的な結婚をしようとしている人にも参考になる「婚前契約」について補足してくれた。

「婚前契約をすることで、夫婦間のいろいろな事柄を、相互に守らせることができます。法律上、夫婦の婚姻中に取り決めた契約は、いつでも取り消すことができます(民法754条)が、婚姻前に取り交わしたのであればこれには該当せず、一方的な取り消しは認められません。

 婚前契約では、夫婦間の財産管理や家事育児の分担、生活費の分担、離婚事由、離婚の際の慰謝料などを取り決めることが多いと思います。覚書程度で済ませる場合から、しっかりと契約書にした上で公正証書にする場合もあります。たとえば、生活費を各々10万円ずつ入れるものと取り決め、公正証書にしたのち、夫が毎月10万円の生活費を入れない場合には、特段の事情がなければ強制執行(差し押さえ)までできてしまいます」

 いまや3組に1組のカップルが離婚する時代。結婚する前にはお互い十分話し合い、後悔しないで済むようにしたいものだ。

アディーレ法律事務所

『黒い十人の女』の妻が9人の愛人に慰謝料を請求したら、いくらもらえる?

「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

〈今回のドラマ〉
『黒い十人の女』(日本テレビ系・木曜午後11時59分~)

■妻が9人の愛人に慰謝料請求したら?

 船越英一郎が主演を務める連続ドラマ『黒い十人の女』。市川崑が監督した1961年公開の同名映画を原作に、大胆なアレンジを加えた脚本をバカリズムが担当しており、9人の女と不倫しているドラマプロデューサー・風松吉(船越)が、妻と愛人たちに殺害を共謀されるという奇妙なストーリーが展開される。

 今年はなにかと不倫ばやりだが、仮に松吉の妻が9人の愛人たちを訴えるとしたら、どうすればよいか? また、慰謝料はいくらくらいもらえるのか? アディーレ法律事務所の鳴海裕子弁護士に聞いた。

 まず、愛人に浮気の慰謝料を請求する場合に必要なのは証拠だという。

「浮気の慰謝料を請求する場合、請求したい人が証拠集めをし、浮気があったことを証明していく必要があります(立証責任)。

 浮気とは一般的には『既婚者であることを知りながら』『一方の配偶者と肉体関係を持つ』ことです。そのため、ラブホテルに入っていく写真や出てくる写真、携帯電話のカメラフォルダに残されている性交渉中の写真、LINEで『昨日はよかった』『気持ちよかった』等のやりとりをしている部分などを、日時が明確になるように証拠保全しておくと有用な証拠となります」

 では、9人の愛人を訴えた場合、妻が取れる慰謝料はいくらになるのだろうか?

「不貞慰謝料の相場は『その浮気が原因で』婚姻関係が破綻してしまったといえる場合には100~300万円くらいといわれています。他方で、その浮気があっても婚姻関係に大きな影響がない場合や、確かに婚姻関係は破綻したが、『その浮気が原因』とはいえない場合には、数十万円から高くても100万円くらいまでとなります。金額の増減は、結婚年数・子どもの有無などが考慮されます。個人的には、離婚する場合でも、ほとんどが100、300万円まで行く事案は稀有であるような印象です。 

 すると、『黒い十人の女』の場合、同時に9人の愛人を作っているため、仮に本妻が松吉と離婚する場合でも、その浮気が原因ということまではいえないと思います。そうなると、婚姻関係破綻と各々の浮気との因果関係は弱くなり、各々の浮気相手に慰謝料を請求できる金額は小さくなってしまいます。

 もっとも、たとえば、愛人A子はあくまで控えめに浮気を楽しんでいたのに対し、愛人B子は松吉を独り占めしたいがために、他の愛人と本妻を全て排除しようと画策する場合には、本妻の立場からするとB子が婚姻関係を積極的に破綻させるよう企図したとして、他の8人よりも高額の慰謝料を請求できる可能性はあります。本件は仮に9人全員に慰謝料を請求するとして、総額は450万円(50万円×9人)から900万円(100万円×9人)くらいでしょうか」

 なお、慰謝料をもらうためには、必ずしも訴訟を起こさなくても、交渉でも可能だそう。

 原作では、妻は松吉と離婚するが、ドラマは原作とまったく違うストーリーになっており、この先、妻や愛人たちは本当に松吉を殺すのか、ラストには驚きの展開が待っているという。いずれにしても、不倫の代償は大きいのだ。

アディーレ法律事務所

1カ月で閉店するキャバクラの真相 タケノコのように続々生まれて消える店の裏側

 10月から放送中のAKB主演のドラマ『キャバすか学園』(日本テレビ系)は、学園の再建のため、不良たちがキャバクラ『水族館』を立ち上げるというストーリーだが、第1話では店を立ち上げようとしたさくら(宮脇咲良)たちの前に“伝説のキャバクラプロデューサー”西園寺(筧利夫)が現れ、彼女たちをプロデュースするという展開だった。

 それを見て「こういう奴、よくいますよ」と笑うのは、水商売の女性たちにドレスやスーツを売る外商の傍らキャバクラを経営したこともある、業界歴40年のM氏だ。

■キャッチやオーナーには口がうまくて妙な魅力がある

「もちろん、店を出すには強力なバックがいなくちゃいけませんけどね。それに、西園寺みたいな流しのプロデューサーに任せるなんてことはほとんどなく、専門のプランナーに任せるのが主流です。後は、女の子を集めるわけですが、つてを頼って集めることもあるし、キャッチに任せる場合もあります。でもまあ、キャッチに任せると、女の子も売り上げをバックしなきゃいけませんからね(通常売り上げの5%をキャバ嬢がキャッチに支払うという)。その申告を女の子がごまかしたりしてもめることがよくありましてね、キャバ経営のノウハウがあるなら、自分たちでスカウトしたり、面接して集める店も多いようです。その方が後のトラブルが少ないですからね」

 M氏が西園寺とダブるというのは、キャッチや店を立ち上げるオーナー。もちろん見た目はさまざまだが、共通しているのは「口がうまくて妙な魅力がある」ことだという。

「なんだかねぇ、惹きつけられる魅力を持っているんですよ。この業界に長くいる私でも、第一印象で『こいつは信用できるかな』と思ってしまうくらいですから。だからつけ回し(キャストをどのテーブルに着かせ、また移動させるかを指示するフロアマネジャー)やマネジャーなんかもついていって開店の準備を始めるんです。きっとうまくいくぞって思ってしまうんですよね。実際、きちんと開店まではこぎつけるわけですから」

■開店から1カ月で売り上げを持って消えるオーナー

 M氏もそうした新規開店の店で何度もドレスなどの商品を販売してきたそうだが、妙な違和感を覚えることがあるという。オーナーがほとんど顔を見せないのだ。そして、開店から1カ月ほどたったとき……。

「いきなりオーナーが売り上げを持って消えるんです。店やキャスト、スタッフはそのままね。店? 当然閉店ですよ。維持していくお金がなければ光熱費も払えないし、酒もおしぼりなんかの備品も、何もかも仕入れられませんからね」

 もとからオープン時の売り上げを狙った計画なのだという。しかも、オープンのためにかかる費用はバックについた人間が出資する場合もあるし、設備などの費用も施工してすぐに払うことは少なく、支払い契約を結んで何年かかけて償却していく。酒などの備品は現金即払いや週単位の締め支払いで払うことが多いが、店で出す値段から考えれば費用はそれほどでもない。

「キャバクラで一番かかる経費は光熱費や人件費です。キャストの人数にもよりますが、そうした維持費だけで1,000万円以上かかる店もありますからね。だから、その支払いが発生する1カ月あたりで売り上げを持って飛ぶんですよ。そうなったとき、困るのは残されたキャストやスタッフ、関わった業者です。給料ももらえない、店には金なんかない、それなのに施工業者をはじめとした業者から金を請求されるんですからね。私も何度か引っかかりましたが、外商なのでまだあきらめはつきます。でも、残された子たちは本当に悲惨なもんですよ」

■消えたオーナーは何度も名前を変えて夜の世界を渡り歩く

 M氏はそうしてタケノコのように短期間でメキメキと売り上げを伸ばし、パっと消えていく店を何度も見てきたという。しかし、驚いたことにほとぼりが冷めた頃に、その消えたオーナー“らしき”人物を別の店で見かけるというのだ。

「あまり多くの人間に顔を見せないというのがポイントなんですよね。私もドレスを販売するに際し何度か顔を合わせますが、その後で接触するのは雇われたマネジャーや名ばかりの社長だけ。そうするとだんだん顔を忘れちゃうし、オーナーの顔を知らないって言っていたキャストの子もいましたからね。顔を知っている人間が少ないから、同じことを繰り返せるんです。そうやって何度も名前を変えて、夜の世界を渡り歩いていく奴を何人か見てきました」

 『キャバすか学園』を見ていて「私に任せてくれれば、もっといい衣装を用意するのに」と笑うM氏。しかし、西園寺の動向が気になって、内容が頭に入ってこないのだとか。

「ドラマだし、ハッピーエンドになるのはわかっているんですけどね(笑)。だけどねぇ、センター(松井珠理奈)って子が店の売り上げアップのために同伴を繰り返すとか、キャストとスタッフが一生懸命やっているのを見ていると、そのオーナーに騙された子たちを思い出しちゃうんですよ。余計な心配だとわかっているけど、もう職業病ですよね」

 ドラマも4話にさしかかり、店の存続がどうなるかという中盤の山場を迎えている。少なくとも、M氏が語るような夜の世界の汚れた“リアル”をドラマにまで持ち込んでほしくないものだが……。

1カ月で閉店するキャバクラの真相 タケノコのように続々生まれて消える店の裏側

 10月から放送中のAKB主演のドラマ『キャバすか学園』(日本テレビ系)は、学園の再建のため、不良たちがキャバクラ『水族館』を立ち上げるというストーリーだが、第1話では店を立ち上げようとしたさくら(宮脇咲良)たちの前に“伝説のキャバクラプロデューサー”西園寺(筧利夫)が現れ、彼女たちをプロデュースするという展開だった。

 それを見て「こういう奴、よくいますよ」と笑うのは、水商売の女性たちにドレスやスーツを売る外商の傍らキャバクラを経営したこともある、業界歴40年のM氏だ。

■キャッチやオーナーには口がうまくて妙な魅力がある

「もちろん、店を出すには強力なバックがいなくちゃいけませんけどね。それに、西園寺みたいな流しのプロデューサーに任せるなんてことはほとんどなく、専門のプランナーに任せるのが主流です。後は、女の子を集めるわけですが、つてを頼って集めることもあるし、キャッチに任せる場合もあります。でもまあ、キャッチに任せると、女の子も売り上げをバックしなきゃいけませんからね(通常売り上げの5%をキャバ嬢がキャッチに支払うという)。その申告を女の子がごまかしたりしてもめることがよくありましてね、キャバ経営のノウハウがあるなら、自分たちでスカウトしたり、面接して集める店も多いようです。その方が後のトラブルが少ないですからね」

 M氏が西園寺とダブるというのは、キャッチや店を立ち上げるオーナー。もちろん見た目はさまざまだが、共通しているのは「口がうまくて妙な魅力がある」ことだという。

「なんだかねぇ、惹きつけられる魅力を持っているんですよ。この業界に長くいる私でも、第一印象で『こいつは信用できるかな』と思ってしまうくらいですから。だからつけ回し(キャストをどのテーブルに着かせ、また移動させるかを指示するフロアマネジャー)やマネジャーなんかもついていって開店の準備を始めるんです。きっとうまくいくぞって思ってしまうんですよね。実際、きちんと開店まではこぎつけるわけですから」

■開店から1カ月で売り上げを持って消えるオーナー

 M氏もそうした新規開店の店で何度もドレスなどの商品を販売してきたそうだが、妙な違和感を覚えることがあるという。オーナーがほとんど顔を見せないのだ。そして、開店から1カ月ほどたったとき……。

「いきなりオーナーが売り上げを持って消えるんです。店やキャスト、スタッフはそのままね。店? 当然閉店ですよ。維持していくお金がなければ光熱費も払えないし、酒もおしぼりなんかの備品も、何もかも仕入れられませんからね」

 もとからオープン時の売り上げを狙った計画なのだという。しかも、オープンのためにかかる費用はバックについた人間が出資する場合もあるし、設備などの費用も施工してすぐに払うことは少なく、支払い契約を結んで何年かかけて償却していく。酒などの備品は現金即払いや週単位の締め支払いで払うことが多いが、店で出す値段から考えれば費用はそれほどでもない。

「キャバクラで一番かかる経費は光熱費や人件費です。キャストの人数にもよりますが、そうした維持費だけで1,000万円以上かかる店もありますからね。だから、その支払いが発生する1カ月あたりで売り上げを持って飛ぶんですよ。そうなったとき、困るのは残されたキャストやスタッフ、関わった業者です。給料ももらえない、店には金なんかない、それなのに施工業者をはじめとした業者から金を請求されるんですからね。私も何度か引っかかりましたが、外商なのでまだあきらめはつきます。でも、残された子たちは本当に悲惨なもんですよ」

■消えたオーナーは何度も名前を変えて夜の世界を渡り歩く

 M氏はそうしてタケノコのように短期間でメキメキと売り上げを伸ばし、パっと消えていく店を何度も見てきたという。しかし、驚いたことにほとぼりが冷めた頃に、その消えたオーナー“らしき”人物を別の店で見かけるというのだ。

「あまり多くの人間に顔を見せないというのがポイントなんですよね。私もドレスを販売するに際し何度か顔を合わせますが、その後で接触するのは雇われたマネジャーや名ばかりの社長だけ。そうするとだんだん顔を忘れちゃうし、オーナーの顔を知らないって言っていたキャストの子もいましたからね。顔を知っている人間が少ないから、同じことを繰り返せるんです。そうやって何度も名前を変えて、夜の世界を渡り歩いていく奴を何人か見てきました」

 『キャバすか学園』を見ていて「私に任せてくれれば、もっといい衣装を用意するのに」と笑うM氏。しかし、西園寺の動向が気になって、内容が頭に入ってこないのだとか。

「ドラマだし、ハッピーエンドになるのはわかっているんですけどね(笑)。だけどねぇ、センター(松井珠理奈)って子が店の売り上げアップのために同伴を繰り返すとか、キャストとスタッフが一生懸命やっているのを見ていると、そのオーナーに騙された子たちを思い出しちゃうんですよ。余計な心配だとわかっているけど、もう職業病ですよね」

 ドラマも4話にさしかかり、店の存続がどうなるかという中盤の山場を迎えている。少なくとも、M氏が語るような夜の世界の汚れた“リアル”をドラマにまで持ち込んでほしくないものだが……。

『砂の塔』みたいなタワーマンションに住んだら、どんなトラブルがあるの?

「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

〈今回のドラマ〉
『砂の塔~知りすぎた隣人』(TBS系・木曜22時)

■タワーマンションのトラブル例

 菅野美穂主演のドラマ『砂の塔~知りすぎた隣人』(TBS系)。過去作の寄せ集め疑惑がささやかれ、視聴率も低迷中だが、ストーリーは専業主婦の主人公・高野亜紀(菅野)が、一家4人でタワーマンションの25階に引っ越してきたことをきっかけに、住人とのトラブルに巻き込まれる……というもの。

 現実社会でもタワーマンションを巡るトラブルが増えている昨今、実際に起こりやすいトラブルや、被害に遭った際の対処法をアディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に聞いた。

 まず、タワーマンションで起こりやすいトラブルの中で特に多いのは、パーティールームやゲストルームの予約や利用方法に関する事案だという。

「同じ人が重複して予約を入れて他の人がなかなか予約が取れないからと、やっとの思いで確保したパーティールームでここぞとばかりに盛大なパーティーを開き、外部の人間が大勢立ち入りし、エントランスやロビーなどで騒ぎを起こし、ゴミを散乱させていくというケースも少なくないようです」(岩沙弁護士)

 次に、洗濯物や喫煙等に関するトラブルも見られる。

「外観上の美観等を理由に、規約内で洗濯物を干す場所や喫煙場所に制限を設けていることが多いですが、規約をきちんと読まないことにより、知らないうちに規約違反をしてしまうケースが多いようです。一度くらいであれば注意で済む可能性が高いですが、何度も違反をしてしまうと、悪質と判断され、賃貸の方は賃貸借契約を解除され明け渡しを求められる可能性があります。規約類は事前に十分な確認を行ったうえで、規約違反をしないように注意をする必要があります」(同)

 また、タワーマンションは、居住目的ではなく投資目的で購入をしている人も少なくないため、民泊に関するトラブルも増えているという。投下資本を回収するため、購入した部屋を賃貸ではなく、海外からの旅行者などへの宿泊用として利用させるのだ。

「外部の人間の出入りが増え、規約上禁止されている行為が横行したり、本来高いといわれているセキュリティ上の問題が生じることもあります。最近では、規約内で民泊を禁止するタワーマンションも増えているとも聞きます」(同)

 では、こうしたトラブルで損害賠償などを請求することはできるのだろうか。

「まず、トラブルを起こした本人に故意または過失が認められ、そのトラブルにより損害が生じた場合には、民事上の損害賠償請求ができる可能性があります。パーティールームやゲストルームの重複予約については、そもそも『予約ができないこと=損害が発生した』とは考えにくいので、請求はなかなか難しく、やはり規約でルールをきちんと定めておくことが重要になってきます」(同)

 つまり、共有部分であるパーティールームやゲストルーム、ロビーやエントランスなどで騒がれたり汚されたりしたとしても、個人の財産が損害を受けたといえない場合は、泣き寝入りということになる。しかし、たとえば上の階の洗濯物やタバコが落下して、自分のベランダが汚れたり破損してしまったといった場合は、請求できる可能性は高いという。

 一方で、思いがけず自分が逆の立場になる可能性もある。

「民事上の責任のみならず、物を不注意で落下させたことにより、怪我を負わせてしまったり、最悪死亡させてしまった場合には、過失傷害罪や過失致死罪、不注意ではなく危害を加えるためわざと落下をさせた場合には、傷害罪や落下させた物の形状や状況によっては、最悪殺人(未遂)罪など、刑事上の責任を問われる可能性もあります」(同)

 トラブルの被害者にはなりたくないのはもちろんだが、無自覚な加害者にならないように万全な注意が必要だ。

アディーレ法律事務所