ドラマ『銀と金』に出てくるギャンブルの合法と違法の境目とは?

「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

<今回のドラマ>
『銀と金』(テレビ東京系/土曜日深夜0時20分~)

■お菓子や食事など、その場ですぐに消費できる物を賭けるのは合法

 1月7日より放送される、福本伸行の漫画が原作のドラマ『銀と金』。うだつの上がらない青年・森田鉄雄(池松壮亮)が、裏社会を仕切る大物フィクサー平井銀二(リリー・フランキー)と出会い、欲望渦巻く裏社会へ足を踏み入れていく様を描いたサスペンスだが、競馬、ポーカー、麻雀など、各種ギャンブルが登場する。先月、「カジノ法案」が可決、成立し、数年後には日本にもカジノが誕生する見通しとなったが、日本におけるギャンブルの合法と違法の違いは何か、アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に聞いた。

 まず、日本においては原則としてギャンブルは違法だという。

「日本の刑法では、『賭博をした者は、五十万円以下の罰金又は科料に処する』(刑法185条本文)と規定されており、賭博、つまりギャンブルをした人は賭博罪で罰せられることになっています」

 一方で、「一時の娯楽に供する物、すなわちお菓子や食事など、その場ですぐに消費できる物を賭けた場合は、例外的にギャンブルが合法とされる」と岩沙弁護士はいう。例えば、バラエティー番組『ぐるぐるナインティナイン』(日本テレビ系)の人気コーナー「ゴチになります!」のように、仲間内で、負けたら食事代をおごるというゲームは違法ではないのだ。また競馬、競艇、宝くじ等の公営ギャンブルやパチンコは合法である。

「パチンコは通常、パチンコ店とは別の景品交換所で景品と現金を交換できるため、賭博罪にあたるのではないか、との見解もあります。もっとも、政府は、平成28 年11月18日に衆議院に送付した答弁書において、パチンコ店は、風営法に基づき必要な規制が行われており、その範囲内の営業については、刑法の賭博罪に該当しないとの見解を示しました。

 また、合法とされるギャンブルとして、特別に法律で認められている場合があります。例えば、競馬は競馬法、競艇はモーターボート競走法、宝くじは当せん金付証票法で認められています」

 では、賭け麻雀やポーカーはどうかというと、これらの例外に当たらないギャンブルなので、原則通り違法となる。ただし、賭け麻雀については、全国的に広く行われていることもあって、賭ける金額が多くなければ、警察や検察はあえて逮捕や起訴をしないのが現状だそうだ。

 しかしながら、「これは単に見逃してもらっているだけであって、違法であることに変わりはありません」ということなので、調子に乗って賭け金をつり上げていくと、逮捕される可能性もある。違法なギャンブルはドラマの中での疑似体験にとどめておくのが無難だろう。

アディーレ法律事務所

女子刑務所で人気のテレビ番組は「警察24時」! 塀の中のスケジュールは分刻み

 覚せい剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る「知られざる女子刑務所ライフ」シリーズ。

■おかずを分けてあげたら「懲罰」

 今回は、ムショの一日についてお話しします。

 ムショや拘置所は、施設によって細かい規則がかなり違っていて、同じ施設でも所長が変わると規則も変わったりします。法律(「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」)も、大まかなところを決めて、「あとは施設の長の判断で」みたいにしているのです。これは、それぞれの施設の大きさや設備が違うので、現場で判断していいということのようです。なので、同じ女子刑務所でも私が勤めた和歌山と栃木ではいろいろ違っていましたし、私がいた頃と現在はまた違っているかもしれません。

 とはいえだいたいは同じですけどね。「どこのVIPやねん」というくらいの分刻みの毎日です。朝は、平日6時40分、休日7時40分時くらいの起床です。夏と冬で少し違うこともありますが、基本的に舎房には時計がないので(脱走防止のためらしいです)、時間は「何となくわかる」感じです。

 起床の音楽が鳴ると、ソッコーで布団を上げて着替え、洗面、清掃を済ませ、朝の「点検」を受けます。ちなみにパジャマは塀の中にはまったく似つかわしくない可愛い布地のフリフリパジャマです(笑)。それ以外はずっと舎房着(いわゆる囚人服)を着ています。洗濯も懲役がします。洗濯工場はアイロンを使ったりするので、ケンカっ早い人とかは選ばれません。体力のいる作業なので体格のいい子が選ばれやすいです。

 点検では、舎房の入り口前に正座して並び、刑務官が来るのを待ちます。刑務官に「○房!」と言われたら、座っている左端から順にあいさつします。刑務官からは名前ではなく「呼称番号」で呼ばれているので、各自が「呼称番号○番! おはようございます!」と声を出します。

 朝食の時間は15分ほどで、ゆっくり食べられません。舎房で食べる施設と大食堂でみんなで食べる施設があります。メニューはごはんと味噌汁、つくだ煮、ふりかけなどの簡単なおかずです。自分が食べる分は自分だけで食べなくてはならず、誰かに分けたら「懲罰」の対象になります。「強い人」が食べ物を取り上げていた時代が続いたからのようです。

 懲罰になったら、独居房に入れられて工場にも出られず、ひたすらじっとしていなくてはなりません。面会や手紙もダメですし、仮釈放の評価にも響きます。いわゆる模範囚は、罪を反省しているわけではなくて、こういうことを計算できる人です。私はできずに、おばあさん(今はムショも高齢化がめっちゃ進んでいます)におかずをあげたりして、たまに懲罰を受けていました。すぐ食べてくれればいいのに、やっぱりお年寄りは何かと動きが遅いのでバレてしまうんですよ。

■シャワーは90人で奪い合い

 朝食が終わると工場に出ます。昼食と休憩、30分の運動と入浴以外は16時までひたすら労働です。大勢なので、お風呂も昼間に交代で入るんです。今はシャワーの数もだいぶ増えたようですが、私がいた頃はシャワーの争奪戦はある意味壮観でした。全裸の女たちが90人くらいでシャワーを取り合うって、すごい光景ですよね。

 昼食は11時40分からで、20分くらいで食べます。どんぶりごはんにメインのおかずと副菜が2種類くらい。ごはんは白米が3割くらいの麦飯で、おいしくありませんが、今思えばわりとヘルシーですね。もう二度と食べたくないですが。月に何回かのパン食の日がめっちゃ楽しみでした。お菓子も自由に買えないので、ジャムなどの甘いものがうれしいんです。

 工場での作業が終わると、舎房に戻って朝と同じ点検を受けます。そして、夕食は17時30分くらいから。いくら何でも早すぎますよね。メニューは昼食とだいたい同じような感じで、最近はレトルト製品も増えました。

 お正月には、お雑煮やおせち料理が出て、3月3日のひな祭りやクリスマス、慰問などの行事のある時はお菓子が出たりするので季節感はわりとありましたね。今は予算が足りずにだいぶセコくなっているとも聞いています。

■人気のテレビ番組は「警察24時」

 慰問には有名な歌手が来ることもありますが、知らない歌手もいました。行事といえば、体育の日の運動会のほか、盆踊り、カラオケ大会もあります。運動会はリレーとか綱引きとかですが、けっこう熱くなりますよ。こういう行事は楽しみでした。

 こうして日中は「分刻み」の行動を強制されますが、夕食後は何もなくて、21時の消灯までけっこうヒマです。早寝早起き過ぎますよね。それほど長くはないですが、テレビの視聴もできます。人気があるのはドラマや旅番組ですが、ドキュメンタリーみたいな「警察24時」モノも人気があります。自分がパクられ(逮捕され)ているのにヘンですよね。

 ちなみに大みそかは昔なら『NHK紅白歌合戦』でしたが、最近は「お笑い」や「格闘技」などに変わっています。それって、なぜなんでしょうか。気になるところです。とにかく、土日祝日のほか年末年始は作業もないので、これまたヒマなんです。面会もありませんから、おしゃべりしたり、ケンカしたりしていました。もちろんケンカがばれたら懲罰です。そんな感じで、ムショの毎日は過ぎていきます。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などの出演でも注目を集める。
経営するラウンジ「祭(まつり)

女子刑務所で人気のテレビ番組は「警察24時」! 塀の中のスケジュールは分刻み

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■おかずを分けてあげたら「懲罰」

 今回は、ムショの一日についてお話しします。

 ムショや拘置所は、施設によって細かい規則がかなり違っていて、同じ施設でも所長が変わると規則も変わったりします。法律(「刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律」)も、大まかなところを決めて、「あとは施設の長の判断で」みたいにしているのです。これは、それぞれの施設の大きさや設備が違うので、現場で判断していいということのようです。なので、同じ女子刑務所でも私が勤めた和歌山と栃木ではいろいろ違っていましたし、私がいた頃と現在はまた違っているかもしれません。

 とはいえだいたいは同じですけどね。「どこのVIPやねん」というくらいの分刻みの毎日です。朝は、平日6時40分、休日7時40分時くらいの起床です。夏と冬で少し違うこともありますが、基本的に舎房には時計がないので(脱走防止のためらしいです)、時間は「何となくわかる」感じです。

 起床の音楽が鳴ると、ソッコーで布団を上げて着替え、洗面、清掃を済ませ、朝の「点検」を受けます。ちなみにパジャマは塀の中にはまったく似つかわしくない可愛い布地のフリフリパジャマです(笑)。それ以外はずっと舎房着(いわゆる囚人服)を着ています。洗濯も懲役がします。洗濯工場はアイロンを使ったりするので、ケンカっ早い人とかは選ばれません。体力のいる作業なので体格のいい子が選ばれやすいです。

 点検では、舎房の入り口前に正座して並び、刑務官が来るのを待ちます。刑務官に「○房!」と言われたら、座っている左端から順にあいさつします。刑務官からは名前ではなく「呼称番号」で呼ばれているので、各自が「呼称番号○番! おはようございます!」と声を出します。

 朝食の時間は15分ほどで、ゆっくり食べられません。舎房で食べる施設と大食堂でみんなで食べる施設があります。メニューはごはんと味噌汁、つくだ煮、ふりかけなどの簡単なおかずです。自分が食べる分は自分だけで食べなくてはならず、誰かに分けたら「懲罰」の対象になります。「強い人」が食べ物を取り上げていた時代が続いたからのようです。

 懲罰になったら、独居房に入れられて工場にも出られず、ひたすらじっとしていなくてはなりません。面会や手紙もダメですし、仮釈放の評価にも響きます。いわゆる模範囚は、罪を反省しているわけではなくて、こういうことを計算できる人です。私はできずに、おばあさん(今はムショも高齢化がめっちゃ進んでいます)におかずをあげたりして、たまに懲罰を受けていました。すぐ食べてくれればいいのに、やっぱりお年寄りは何かと動きが遅いのでバレてしまうんですよ。

■シャワーは90人で奪い合い

 朝食が終わると工場に出ます。昼食と休憩、30分の運動と入浴以外は16時までひたすら労働です。大勢なので、お風呂も昼間に交代で入るんです。今はシャワーの数もだいぶ増えたようですが、私がいた頃はシャワーの争奪戦はある意味壮観でした。全裸の女たちが90人くらいでシャワーを取り合うって、すごい光景ですよね。

 昼食は11時40分からで、20分くらいで食べます。どんぶりごはんにメインのおかずと副菜が2種類くらい。ごはんは白米が3割くらいの麦飯で、おいしくありませんが、今思えばわりとヘルシーですね。もう二度と食べたくないですが。月に何回かのパン食の日がめっちゃ楽しみでした。お菓子も自由に買えないので、ジャムなどの甘いものがうれしいんです。

 工場での作業が終わると、舎房に戻って朝と同じ点検を受けます。そして、夕食は17時30分くらいから。いくら何でも早すぎますよね。メニューは昼食とだいたい同じような感じで、最近はレトルト製品も増えました。

 お正月には、お雑煮やおせち料理が出て、3月3日のひな祭りやクリスマス、慰問などの行事のある時はお菓子が出たりするので季節感はわりとありましたね。今は予算が足りずにだいぶセコくなっているとも聞いています。

■人気のテレビ番組は「警察24時」

 慰問には有名な歌手が来ることもありますが、知らない歌手もいました。行事といえば、体育の日の運動会のほか、盆踊り、カラオケ大会もあります。運動会はリレーとか綱引きとかですが、けっこう熱くなりますよ。こういう行事は楽しみでした。

 こうして日中は「分刻み」の行動を強制されますが、夕食後は何もなくて、21時の消灯までけっこうヒマです。早寝早起き過ぎますよね。それほど長くはないですが、テレビの視聴もできます。人気があるのはドラマや旅番組ですが、ドキュメンタリーみたいな「警察24時」モノも人気があります。自分がパクられ(逮捕され)ているのにヘンですよね。

 ちなみに大みそかは昔なら『NHK紅白歌合戦』でしたが、最近は「お笑い」や「格闘技」などに変わっています。それって、なぜなんでしょうか。気になるところです。とにかく、土日祝日のほか年末年始は作業もないので、これまたヒマなんです。面会もありませんから、おしゃべりしたり、ケンカしたりしていました。もちろんケンカがばれたら懲罰です。そんな感じで、ムショの毎日は過ぎていきます。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などの出演でも注目を集める。
経営するラウンジ「祭(まつり)

警官のポテト3本を盗んだ女、老人に扮した麻薬売人……2016年もすごい「アメリカおバカニュース2016」

 49人が殺害されたフロリダ州のナイトクラブ銃乱射事件や、無抵抗の黒人に警官が発砲して殺害するという事件が立て続けに起きるなど、2016年も銃による事件が多かったアメリカ。大統領選後には、当選したドナルド・トランプ支持者と落選したヒラリー・クリントン支持者が衝突する物騒な事件が次々と発生。トランプのアンチが「アメリカという国はもう終わりだ」と嘆く姿が世界中に報道された。しかし、アメリカはやっぱりアメリカ。イギリスで起こった「ちんこの皮にコカインを隠した男が逮捕される」というマヌケな騒動に負けず劣らずのおバカ事件が16年も多発。そんな笑えるニュースの中から選りすぐった「アメリカおバカニュース2016」をお届けしよう。

■警官のポテト3本を盗んで御用

 9月7日、ワシントンD.C.にある地元の人気ダイナー「イタリアン・キッチン・オン・ユー」で、警官が食べていたポテト(フレンチフライ)を3本盗って食べた女性が窃盗罪で現行犯逮捕された。米「FOX5ニュース」によると、警官がダイナーで一人食事をしていたところ、2人の女性が隣に座り、話しかけてきたとのこと。お酒を飲んでいるのか、2人ともなれなれしく、警官の皿に手を伸ばし、断りもなしにポテトを1本食べた。

 警察の調書には「自分のポテトを食べた女性に、“そのポテトは私が金を払ったものだ。これ以上は食べないでくれ。もし、また私のポテトを食べたら窃盗罪で逮捕する”と警告した」とあるが、女性はこれをバカにし、さらに1本のポテトをつまんで、ムシャムシャと食べた。そして「刑務所に連れていきなよ!」と挑発しながら、再び警官の皿に手を伸ばした。3本目のポテトを盗られた直後、警官は女性を現行犯逮捕した。

 16年、アメリカでは警官の悪質な黒人差別が国民から強く非難され、全国でデモが行われた。この「ポテトを3本盗んだ女を逮捕した警官」に対しても「たったそれぐらいで!」「横柄!」などと避難の声が上がったが、その一方で「よほどおなかが空いていたのでは」「警官はジャンクフード好きだから」「それは確かに腹が立つよな」「警官は薄給だし」と多くの同情が寄せられた。

■学校写真集でチンコ丸出しにした男

 5月、アリゾナ州メサのレッド・マウンテン高校のイヤーブックに掲載されている集合写真で、チンコを丸出しにしていた生徒が逮捕された。イヤーブックとは、毎年生徒のために発行する写真集。日本の卒業写真集のようなものだが、対象は全校生徒になっており、大半の学生が購入する。

 今回、チンコを丸出しにしたのは、当時18歳のハンター・オズボーン。所属していたアメリカンフットボール・チームの集合写真撮影時、チームメイトに冗談で「チンコを出せよ。出す勇気なんてないだろうけど」と言われ、「あるさ!」と撮影する瞬間ピョコンとチンコを出したのだ。撮影者も制作スタッフもチンコが出ていることに気づかず、その結果約3,400人の生徒がイヤーブックを受け取った。それだけではない。問題の集合写真は、アメリカンフットボールのプログラムにも掲載された。冊子は試合時に販売され、子どもからお年寄りまで、実に多くの人の目に触れることになった。

 通報を受けた警察は、69の公然わいせつ罪のほか、複数の容疑でハンターを逮捕・起訴した。ちなみに公然わいせつ罪が69もあるのは、集合写真で一緒に撮影したチームメイトらに対するもので、69人いるから。チームメイトの大半は地元メディアの取材に対して、「本当にあいつはバカな奴だけど、自分は起訴を取り下げるつもり」とコメントしており、実際に受ける刑は軽いものとみられている。しかし、逮捕時に撮影されるマグショットと問題のチンコ丸出し写真は全米に流れてしまったため、生涯「イヤーブックでチンコ丸出しにして逮捕されたマヌケな奴」という目で見られるハメになってしまった。

 

■時速160kmでステーキを投げる男

 4月20日、テキサス州ダラスの警察署に、大型スーパーマーケット「ウォルマート」で男がステーキ肉を万引したという通報が入った。男はすでに店を去っていたが、店員は容疑者が乗った車の特徴を警察に伝えたため、すぐに見つかった。男の車の後ろにパトカーをつけた警官は、容疑者に向かって高速道路のわきに停車するよう指示。警官は「ステーキ肉の万引」というシンプルな事件なので、すぐに逮捕して終わりだと思っていたという。しかし、容疑者は車のスピードで上げ、逃走を始めたのだ。

 予想外の展開に驚いた警官は、支給応援を要請。複数のパトカーで男を追った。すぐに捕まえられるかと思いきや、男はあきらめることなくスピードをぐんぐん上げて逃げ続けた。増え続ける多数のパトカー相手に、グレッグ郡とハリソン郡の2つの郡にわたり、時速160kmのハイスピード・カーチェイスを繰り広げるというハリウッド映画のような展開になったのだ。

 アップシャー郡に入ったところで容疑者は我に返ったのか、追ってくるパトカーのあまりの多さに恐れをなしたのか、降参。しかし、停車する前に証拠隠滅を図った。万引したステーキを窓の外から投げ捨てたのだ。ハイスピードで走る車内から投げ捨てられたステーキは激しく宙を舞い、追っていたパトカーのフロントガラスにベチャッと叩き付けられた。

 地元メディアは「ステーキ肉を万引しただけで時速160kmのハイスピード・カーチェイスを繰り広げるなんて、BBQ好きなテキサスならでは!」と報道。投げ捨てられたステーキ肉の写真と共に、容疑者が逮捕されたことを報じた。

 

■どこかおかしい老人は大物売人?

 8月18日、マサチューセッツ州サウス・ヤーマスのとある住宅を、警察が包囲した。警察は麻薬売買の容疑でショーン・ミラーという31歳の男を追っており、彼が潜伏している家を突き止めたのだ。警察はショーンの名前を呼び、ただちに出てくるようにと命令。しかし、出てきたのは70代とおぼしき老人男性だった。

 なんのことだか知らないと言う老人は、サイドヘア、あごヒゲ、眉毛は白髪。シミやシワもあった。しかし、白目が異様にきれいで、目力がある。歯も白く、とても健康そのもの。警察は老人の顔に違和感を覚えつつ、宅内を捜査したところ、ショーンがいる証拠がたくさん出て来た。

 ここでやっと1人の警察官が老人に向かって、「お前がショーンだろ!」と言い、顔をつかんだ。すると顔がずるっとむけ、中からショーンが現れたのだ。ショーンは警察の目をごまかすためにゴム製のとてもリアルな老人のマスクをかぶっていたとのこと。しかし、劣化した肌からのぞく健康的な目と白い歯があまりにも目立ってしまい、バレてしまった。

 まぬけな犯人ではあるが、洗濯かごの中に実弾の入った拳銃2丁と3万ドル(約350万円)もの大金を隠しており、マサチューセッツ一帯の麻薬売買において重要なポジションにいたと見られている。なお、ショーンのマグショットだが、マスクをかぶった老人バージョンとかぶっていない本人バージョンと2タイプが撮影された。

(画像はこちら)

 

■ヒラリー支持者のピーナッツバター・テロ

 10月17日、ウィスコンシン州アマースト・ジャンクションで、32歳のクリスティーナ・ファーガソンという女性が逮捕された。女性は同日夜、アメリカで人気の「JIF」というブランドの「特大ファミリーサイズ・減塩ピーナッツバター・クリーミー」を抱え、地域のトモロー川を守ろうという保全クラブの集会に乱入。自分がどれほどドナルド・トランプのことが嫌いなのかを叫びだした。会員たちは驚きながらも会場から出るようにと促したところ、意外にも彼女はおとなしく従った。

 あまりにもすんなり出て行ったことを不安に思った会員が外に出てみると、クリスティーナが駐車してある車にピーナッツバターをベトベト塗りまくっている現場に遭遇。「やめろ!」と叫ぶと、彼女は冷静に歩きだし、近くのアパートに入っていった。ピーナッツバターが塗られていた車は30台にも上ったという。

 会員はすぐに警察に通報。警官がアパートを訪れると、ピーナッツバターがついた指を舐めながらクリスティーナが出てきて、「今夜はどこにも外出していない」と断言。しかし、通報した会員が、この女が犯人であることを証言すると、彼女は態度を急変させ、「だって、大好きな、大好きなヒラリー・クリントンが負けて。大嫌いなドナルド・トランプが当選して!」と感情をあらわにした。そして、ドナルドに投票した奴らに罰を与えるためにやったと犯行を認めた。クリスティーナは、なぜピーナッツバターを塗ったかについて「銃撃や爆撃よりもマシだから」と説明。「ドナルドはアメリカ以外の全ての国を銃撃や爆撃するつもりなのよ!」と感情を高ぶらせていた、と地元紙『スティーブンズ・ポスト・シティ・タイムズ』は伝えている。

 逮捕後行われた検査でクリスティーナは泥酔状態だったことが判明。ちなみにピーナッツバターを塗られたトモロー川保全クラブの会員たちは、純粋にトモロー川を愛する地元民であり、ドナルド支持を公言しているわけではなかった。警察は地元紙の取材に対し、「ピーナッツバターを砕いた際に出る粒が含まれた“チャンキー”でなく、なめらかな“クリーミー”だったのが不幸中の幸いだった」と真顔でコメント。チャンキーだったら、確実にひっかき傷がつき被害は大きかっただろうと、しみじみ語った。

■Wi-Fiパスワードを盗むのは、窃盗じゃない!?

 11月29日、アイオワ州の警察に「自宅に不法侵入した男がいる」という通報が入った。被害者は犯人と面識があるとも証言。「上の階に住むクリストファー・カミングスだ!」と犯人の名を警察に告げた。現場に駆けつけた警官が被害者の上の階に住むクリストファーの家を訪ねたところ、まったく悪びれることなく、下の階の家に入り込んだことを認めた。そして、「オレはなにも盗んでない。盗むために入ったんじゃない。ただWi-Fiのパスワードが知りたかっただけだ」と説明した。

 被害者女性は「あの男は前にうちに来て、Wi-Fiのパスワードを教えてくれって聞いてきた。でも、『はい、そうですか』と教えるわけないでしょ!」と激怒。クリストファーは逮捕され、侵入罪で起訴された。ちなみに、クリストファーは外窓を開けて侵入したため、器物損壊などの被害はなく、盗まれた物もなかった。純粋にWi-Fiのパスワードだけをメモしに入ったのだった。29歳のクリストファーのマグショットは全国に放送されることになり、ネット上では「いかにもWi-Fiのパスワードを盗みそうな、せこそうな顔だ」と話題になった。

警官のポテト3本を盗んだ女、老人に扮した麻薬売人……2016年もすごい「アメリカおバカニュース2016」

 49人が殺害されたフロリダ州のナイトクラブ銃乱射事件や、無抵抗の黒人に警官が発砲して殺害するという事件が立て続けに起きるなど、2016年も銃による事件が多かったアメリカ。大統領選後には、当選したドナルド・トランプ支持者と落選したヒラリー・クリントン支持者が衝突する物騒な事件が次々と発生。トランプのアンチが「アメリカという国はもう終わりだ」と嘆く姿が世界中に報道された。しかし、アメリカはやっぱりアメリカ。イギリスで起こった「ちんこの皮にコカインを隠した男が逮捕される」というマヌケな騒動に負けず劣らずのおバカ事件が16年も多発。そんな笑えるニュースの中から選りすぐった「アメリカおバカニュース2016」をお届けしよう。

■警官のポテト3本を盗んで御用

 9月7日、ワシントンD.C.にある地元の人気ダイナー「イタリアン・キッチン・オン・ユー」で、警官が食べていたポテト(フレンチフライ)を3本盗って食べた女性が窃盗罪で現行犯逮捕された。米「FOX5ニュース」によると、警官がダイナーで一人食事をしていたところ、2人の女性が隣に座り、話しかけてきたとのこと。お酒を飲んでいるのか、2人ともなれなれしく、警官の皿に手を伸ばし、断りもなしにポテトを1本食べた。

 警察の調書には「自分のポテトを食べた女性に、“そのポテトは私が金を払ったものだ。これ以上は食べないでくれ。もし、また私のポテトを食べたら窃盗罪で逮捕する”と警告した」とあるが、女性はこれをバカにし、さらに1本のポテトをつまんで、ムシャムシャと食べた。そして「刑務所に連れていきなよ!」と挑発しながら、再び警官の皿に手を伸ばした。3本目のポテトを盗られた直後、警官は女性を現行犯逮捕した。

 16年、アメリカでは警官の悪質な黒人差別が国民から強く非難され、全国でデモが行われた。この「ポテトを3本盗んだ女を逮捕した警官」に対しても「たったそれぐらいで!」「横柄!」などと避難の声が上がったが、その一方で「よほどおなかが空いていたのでは」「警官はジャンクフード好きだから」「それは確かに腹が立つよな」「警官は薄給だし」と多くの同情が寄せられた。

■学校写真集でチンコ丸出しにした男

 5月、アリゾナ州メサのレッド・マウンテン高校のイヤーブックに掲載されている集合写真で、チンコを丸出しにしていた生徒が逮捕された。イヤーブックとは、毎年生徒のために発行する写真集。日本の卒業写真集のようなものだが、対象は全校生徒になっており、大半の学生が購入する。

 今回、チンコを丸出しにしたのは、当時18歳のハンター・オズボーン。所属していたアメリカンフットボール・チームの集合写真撮影時、チームメイトに冗談で「チンコを出せよ。出す勇気なんてないだろうけど」と言われ、「あるさ!」と撮影する瞬間ピョコンとチンコを出したのだ。撮影者も制作スタッフもチンコが出ていることに気づかず、その結果約3,400人の生徒がイヤーブックを受け取った。それだけではない。問題の集合写真は、アメリカンフットボールのプログラムにも掲載された。冊子は試合時に販売され、子どもからお年寄りまで、実に多くの人の目に触れることになった。

 通報を受けた警察は、69の公然わいせつ罪のほか、複数の容疑でハンターを逮捕・起訴した。ちなみに公然わいせつ罪が69もあるのは、集合写真で一緒に撮影したチームメイトらに対するもので、69人いるから。チームメイトの大半は地元メディアの取材に対して、「本当にあいつはバカな奴だけど、自分は起訴を取り下げるつもり」とコメントしており、実際に受ける刑は軽いものとみられている。しかし、逮捕時に撮影されるマグショットと問題のチンコ丸出し写真は全米に流れてしまったため、生涯「イヤーブックでチンコ丸出しにして逮捕されたマヌケな奴」という目で見られるハメになってしまった。

 

■時速160kmでステーキを投げる男

 4月20日、テキサス州ダラスの警察署に、大型スーパーマーケット「ウォルマート」で男がステーキ肉を万引したという通報が入った。男はすでに店を去っていたが、店員は容疑者が乗った車の特徴を警察に伝えたため、すぐに見つかった。男の車の後ろにパトカーをつけた警官は、容疑者に向かって高速道路のわきに停車するよう指示。警官は「ステーキ肉の万引」というシンプルな事件なので、すぐに逮捕して終わりだと思っていたという。しかし、容疑者は車のスピードで上げ、逃走を始めたのだ。

 予想外の展開に驚いた警官は、支給応援を要請。複数のパトカーで男を追った。すぐに捕まえられるかと思いきや、男はあきらめることなくスピードをぐんぐん上げて逃げ続けた。増え続ける多数のパトカー相手に、グレッグ郡とハリソン郡の2つの郡にわたり、時速160kmのハイスピード・カーチェイスを繰り広げるというハリウッド映画のような展開になったのだ。

 アップシャー郡に入ったところで容疑者は我に返ったのか、追ってくるパトカーのあまりの多さに恐れをなしたのか、降参。しかし、停車する前に証拠隠滅を図った。万引したステーキを窓の外から投げ捨てたのだ。ハイスピードで走る車内から投げ捨てられたステーキは激しく宙を舞い、追っていたパトカーのフロントガラスにベチャッと叩き付けられた。

 地元メディアは「ステーキ肉を万引しただけで時速160kmのハイスピード・カーチェイスを繰り広げるなんて、BBQ好きなテキサスならでは!」と報道。投げ捨てられたステーキ肉の写真と共に、容疑者が逮捕されたことを報じた。

 

■どこかおかしい老人は大物売人?

 8月18日、マサチューセッツ州サウス・ヤーマスのとある住宅を、警察が包囲した。警察は麻薬売買の容疑でショーン・ミラーという31歳の男を追っており、彼が潜伏している家を突き止めたのだ。警察はショーンの名前を呼び、ただちに出てくるようにと命令。しかし、出てきたのは70代とおぼしき老人男性だった。

 なんのことだか知らないと言う老人は、サイドヘア、あごヒゲ、眉毛は白髪。シミやシワもあった。しかし、白目が異様にきれいで、目力がある。歯も白く、とても健康そのもの。警察は老人の顔に違和感を覚えつつ、宅内を捜査したところ、ショーンがいる証拠がたくさん出て来た。

 ここでやっと1人の警察官が老人に向かって、「お前がショーンだろ!」と言い、顔をつかんだ。すると顔がずるっとむけ、中からショーンが現れたのだ。ショーンは警察の目をごまかすためにゴム製のとてもリアルな老人のマスクをかぶっていたとのこと。しかし、劣化した肌からのぞく健康的な目と白い歯があまりにも目立ってしまい、バレてしまった。

 まぬけな犯人ではあるが、洗濯かごの中に実弾の入った拳銃2丁と3万ドル(約350万円)もの大金を隠しており、マサチューセッツ一帯の麻薬売買において重要なポジションにいたと見られている。なお、ショーンのマグショットだが、マスクをかぶった老人バージョンとかぶっていない本人バージョンと2タイプが撮影された。

(画像はこちら)

 

■ヒラリー支持者のピーナッツバター・テロ

 10月17日、ウィスコンシン州アマースト・ジャンクションで、32歳のクリスティーナ・ファーガソンという女性が逮捕された。女性は同日夜、アメリカで人気の「JIF」というブランドの「特大ファミリーサイズ・減塩ピーナッツバター・クリーミー」を抱え、地域のトモロー川を守ろうという保全クラブの集会に乱入。自分がどれほどドナルド・トランプのことが嫌いなのかを叫びだした。会員たちは驚きながらも会場から出るようにと促したところ、意外にも彼女はおとなしく従った。

 あまりにもすんなり出て行ったことを不安に思った会員が外に出てみると、クリスティーナが駐車してある車にピーナッツバターをベトベト塗りまくっている現場に遭遇。「やめろ!」と叫ぶと、彼女は冷静に歩きだし、近くのアパートに入っていった。ピーナッツバターが塗られていた車は30台にも上ったという。

 会員はすぐに警察に通報。警官がアパートを訪れると、ピーナッツバターがついた指を舐めながらクリスティーナが出てきて、「今夜はどこにも外出していない」と断言。しかし、通報した会員が、この女が犯人であることを証言すると、彼女は態度を急変させ、「だって、大好きな、大好きなヒラリー・クリントンが負けて。大嫌いなドナルド・トランプが当選して!」と感情をあらわにした。そして、ドナルドに投票した奴らに罰を与えるためにやったと犯行を認めた。クリスティーナは、なぜピーナッツバターを塗ったかについて「銃撃や爆撃よりもマシだから」と説明。「ドナルドはアメリカ以外の全ての国を銃撃や爆撃するつもりなのよ!」と感情を高ぶらせていた、と地元紙『スティーブンズ・ポスト・シティ・タイムズ』は伝えている。

 逮捕後行われた検査でクリスティーナは泥酔状態だったことが判明。ちなみにピーナッツバターを塗られたトモロー川保全クラブの会員たちは、純粋にトモロー川を愛する地元民であり、ドナルド支持を公言しているわけではなかった。警察は地元紙の取材に対し、「ピーナッツバターを砕いた際に出る粒が含まれた“チャンキー”でなく、なめらかな“クリーミー”だったのが不幸中の幸いだった」と真顔でコメント。チャンキーだったら、確実にひっかき傷がつき被害は大きかっただろうと、しみじみ語った。

■Wi-Fiパスワードを盗むのは、窃盗じゃない!?

 11月29日、アイオワ州の警察に「自宅に不法侵入した男がいる」という通報が入った。被害者は犯人と面識があるとも証言。「上の階に住むクリストファー・カミングスだ!」と犯人の名を警察に告げた。現場に駆けつけた警官が被害者の上の階に住むクリストファーの家を訪ねたところ、まったく悪びれることなく、下の階の家に入り込んだことを認めた。そして、「オレはなにも盗んでない。盗むために入ったんじゃない。ただWi-Fiのパスワードが知りたかっただけだ」と説明した。

 被害者女性は「あの男は前にうちに来て、Wi-Fiのパスワードを教えてくれって聞いてきた。でも、『はい、そうですか』と教えるわけないでしょ!」と激怒。クリストファーは逮捕され、侵入罪で起訴された。ちなみに、クリストファーは外窓を開けて侵入したため、器物損壊などの被害はなく、盗まれた物もなかった。純粋にWi-Fiのパスワードだけをメモしに入ったのだった。29歳のクリストファーのマグショットは全国に放送されることになり、ネット上では「いかにもWi-Fiのパスワードを盗みそうな、せこそうな顔だ」と話題になった。

ダウンタウンの「笑ってはいけない」は暴行罪にならないのか?

「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

〈今回のバラエティー〉
『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!大晦日年越しスペシャル』(日本テレビ系/12月31日土曜日午後6時30分~)

■他人のお尻を叩いたら、基本的には暴行罪が成立

 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)の毎年大みそか恒例のスペシャル番組「笑ってはいけない」シリーズ。11作目となる今年のテーマは「絶対に笑ってはいけない科学博士24時!」で、ダウンタウン、ココリコ、月亭方正の5人が新人科学研究員に扮してさまざまな研修を行うという。彼らには「絶対に笑ってはいけない」というルールが課せられ、笑った場合は、その場でお尻を棒やムチなどで叩かれるというものだ。

 大げさにリアクションしているだろうということを考慮しても、毎回かなりの強さで叩かれており、痛いにちがいない。そもそも、他人のお尻を叩くという行為は暴行罪に当たらないのだろうか? また、お笑い芸人などは特に、気軽に人の頭や肩をはたいたりするが、あれも罪にならないのか? アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に聞いた。

 まず、暴行罪の定義について、岩沙弁護士は次のように述べる。

「暴行罪とは、人の身体に対し不法に有形力(殴る、蹴るといった直接的な暴力)を行使する犯罪なので、他人のお尻を叩いたら、基本的には暴行罪が成立します。ちなみに、他人のお尻を叩いた結果、叩かれた人がけがをしてしまった場合には、暴行罪ではなく傷害罪が成立します。

 暴行罪での刑罰は、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料(刑法208条)、傷害罪での刑罰は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金(刑法204条)です」

■叩かれることについて承諾していれば、暴行罪には当たらない

 では、「笑ってはいけない」の罰ゲーム、出演者が笑ったらお尻を叩くという行為は暴行罪に当たらないのだろうか?

「被害者が暴行や傷害を承諾している場合には、その承諾を得た動機や目的、暴行・傷害の手段や方法、傷の程度などによって、違法ではないとして、暴行罪や傷害罪が成立しない場合があります。

 また、形式的には暴行や傷害に当たる場合でも、正当な業務による行為は、犯罪になりません。たとえば、病院で手術を受ける場合、体にメスを入れても、病気を治すという大きな目的・効果があるので違法とはならないのです。ボクシングの試合なども、スポーツとして認められているので違法にはなりません。

 お笑い番組は、言葉だけでなくリアクションでも視聴者を笑わせることを目的としており、笑ったらお尻を叩く程度であれば、ボクシングの試合と同じく、正当な業務による行為と考えることもできるでしょう」

 つまり、「笑ってはいけない」の出演者は、テレビ番組で笑いを取るという目的があって、「笑ったらお尻を叩く」というルールを承知の上で出演しており、お尻を叩かれることについて承諾しているといえるので、暴行罪や傷害罪は成立しないと考えられるのだ。

 また、岩沙弁護士によると、バラエティー番組でお笑い芸人などが頭をはたく行為についても、笑ったらお尻を叩くのと同様に、その番組に出ている時点で、はたかれる人の承諾があると考えられ、暴行罪には当たらないそうだ。

 では、恋愛ドラマで見られる「頭ポンポン」は大丈夫なのだろうか? 岩沙弁護士は、「頭ポンポンも、はっきりとした承諾まではないかもしれませんが、明らかに嫌がっている場合でなければ、黙示の承諾があるということで、暴行罪には当たらないでしょう」と話す。

 現状、テレビで放送されている「叩く」「はたく」等の行為は犯罪とはいえないようだが、過去には番組収録中に出演者がけがをするケースもたびたびあり、過剰な演出等によって事故が起きないように願いたいものだ。

ダウンタウンの「笑ってはいけない」は暴行罪にならないのか?

「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

〈今回のバラエティー〉
『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!大晦日年越しスペシャル』(日本テレビ系/12月31日土曜日午後6時30分~)

■他人のお尻を叩いたら、基本的には暴行罪が成立

 『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』(日本テレビ系)の毎年大みそか恒例のスペシャル番組「笑ってはいけない」シリーズ。11作目となる今年のテーマは「絶対に笑ってはいけない科学博士24時!」で、ダウンタウン、ココリコ、月亭方正の5人が新人科学研究員に扮してさまざまな研修を行うという。彼らには「絶対に笑ってはいけない」というルールが課せられ、笑った場合は、その場でお尻を棒やムチなどで叩かれるというものだ。

 大げさにリアクションしているだろうということを考慮しても、毎回かなりの強さで叩かれており、痛いにちがいない。そもそも、他人のお尻を叩くという行為は暴行罪に当たらないのだろうか? また、お笑い芸人などは特に、気軽に人の頭や肩をはたいたりするが、あれも罪にならないのか? アディーレ法律事務所の岩沙好幸弁護士に聞いた。

 まず、暴行罪の定義について、岩沙弁護士は次のように述べる。

「暴行罪とは、人の身体に対し不法に有形力(殴る、蹴るといった直接的な暴力)を行使する犯罪なので、他人のお尻を叩いたら、基本的には暴行罪が成立します。ちなみに、他人のお尻を叩いた結果、叩かれた人がけがをしてしまった場合には、暴行罪ではなく傷害罪が成立します。

 暴行罪での刑罰は、2年以下の懲役もしくは30万円以下の罰金または拘留もしくは科料(刑法208条)、傷害罪での刑罰は、15年以下の懲役または50万円以下の罰金(刑法204条)です」

■叩かれることについて承諾していれば、暴行罪には当たらない

 では、「笑ってはいけない」の罰ゲーム、出演者が笑ったらお尻を叩くという行為は暴行罪に当たらないのだろうか?

「被害者が暴行や傷害を承諾している場合には、その承諾を得た動機や目的、暴行・傷害の手段や方法、傷の程度などによって、違法ではないとして、暴行罪や傷害罪が成立しない場合があります。

 また、形式的には暴行や傷害に当たる場合でも、正当な業務による行為は、犯罪になりません。たとえば、病院で手術を受ける場合、体にメスを入れても、病気を治すという大きな目的・効果があるので違法とはならないのです。ボクシングの試合なども、スポーツとして認められているので違法にはなりません。

 お笑い番組は、言葉だけでなくリアクションでも視聴者を笑わせることを目的としており、笑ったらお尻を叩く程度であれば、ボクシングの試合と同じく、正当な業務による行為と考えることもできるでしょう」

 つまり、「笑ってはいけない」の出演者は、テレビ番組で笑いを取るという目的があって、「笑ったらお尻を叩く」というルールを承知の上で出演しており、お尻を叩かれることについて承諾しているといえるので、暴行罪や傷害罪は成立しないと考えられるのだ。

 また、岩沙弁護士によると、バラエティー番組でお笑い芸人などが頭をはたく行為についても、笑ったらお尻を叩くのと同様に、その番組に出ている時点で、はたかれる人の承諾があると考えられ、暴行罪には当たらないそうだ。

 では、恋愛ドラマで見られる「頭ポンポン」は大丈夫なのだろうか? 岩沙弁護士は、「頭ポンポンも、はっきりとした承諾まではないかもしれませんが、明らかに嫌がっている場合でなければ、黙示の承諾があるということで、暴行罪には当たらないでしょう」と話す。

 現状、テレビで放送されている「叩く」「はたく」等の行為は犯罪とはいえないようだが、過去には番組収録中に出演者がけがをするケースもたびたびあり、過剰な演出等によって事故が起きないように願いたいものだ。

フォトショの女王がエクササイズで激やせ! ブリトニーの美BODY写真集

 2007年頃から全身についたぜい肉に悩まされてきた人気歌手のブリトニー・スピアーズ。「ジャンクフード好きだからしかたがない」「30半ばに全盛期の体形を求めるのは酷」と、近年ではファンもすっかりあきらめていた。しかし、今年に入り、ブリトニーの体形に明らかな変化が。地道に続けてきたエクササイズのおかげで、全体的に筋肉がついて引き締まり、すっきりとやせたのである。本人も大喜びで、努力して手に入れたセクシーBODYをインスタグラムで公開するようになった。今回はそんな「やせたBODYを見せびらかす、ブリトニーのセクシー写真」をご紹介しよう。

ブリトニーの美BODY写真集

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■フォトショ加工疑惑が持たれるほどのセクシーボディに

 過去に何度も「フォトショップでスリムな体形に修整した写真」をインスタグラムに投稿し、「背景が歪んでる」「いつもウエストばかり細くするからバレバレ」と叩かれてきたブリトニー。今年3月に投稿した「プールサイドで仰向けに寝そべるアタシ」もウエストがバービー人形のように細く、「また!?」とネット上は騒然。しかし、多くのファンは「エクササイズでやせたから、あり得る」「ボンドガールみたい」だと彼女をかばっていた。

■パパラッチ写真もセクシー

 09年に行ったワールドツアーの中休みに気が緩んでドカ食いをし、たった1カ月で体重が6kgも激増したこともあるブリトニー。しかし今回の彼女は、単に体重を減らすのではなく「筋肉を付け引き締まった体づくり」を目指したため、チートデイ(ダイエットの中休み)にドカ食いしても大丈夫。休暇中に激写されても体形を維持できており、本人も「このパパラッチの写真、超クール!」と超ご機嫌。

■真剣な顔で全身を自撮り

 ブリトニーは近年、腰まわり、おなかまわりのぜい肉に苦しんできた。これを取り除いてくれたのは、ラスベガス定期公演を行うにあたり雇った専門トレーナー。トレーナーの組んだ効果的なエクササイズメニューをコツコツ続けたのだ。今年35歳になるが、本人もイケてると自覚しており、全身写真をパチリ。

■ぶりっこも健在

 ダイエットだけでなく、スキンケアも熱心なブリトニー。基礎化粧品「Rodan+Fields」の大ファンで、「メイクよりもスキンケア命なタイプなの」とも発言している。30も半ばになると重力で頬がこけたり、しわが増えたり、肌がくすむものだが、ブリトニーはそんなトラブルとは無縁。やせたおかげで顔もほっそりし、「うっふん」と、かわいらしくポーズをとるセクシー写真も投稿している。

■水着のヒモが食い込まない

 「カロリーは無視して好きな物を好きなだけ食べる。好物は油っこい料理とクリームたっぷりのスイーツ。フルーツと野菜は大嫌い」「ファストフードを夜遅くに頬張り至福の時を過ごす」というメチャクチャな食生活を送っていたブリトニー。実は今もジャンクフードを食べるそうだが、卵の白身や全粒パンなどヘルシーな食材も取り入れているとのこと。基本的にエクササイズをメインにしているため、「見て! こんなにセクシーに引き締まったよ!」と見せびらかしたくなるのだろう。

■流行のチビTもセクシーに着こなし

 07年の『MTV ビデオ・ミュージック・アワード』で貫禄あるおなかを世間にさらし、世界中から笑われてしまったブリトニー。「口パク&踊りもダンサー任せ」とパフォーマンス自体も最悪で、酷評された苦い過去を持つ。あれから9年。彼女は華麗な大復活を遂げ、メタボだったおなかもキュッと引き締まった。この夏トレンドのチビTもばっちり着こなしている。

■エロすぎるMVも楽しく撮影

 満足できる体を手に入れたブリトニーは、「ミュージックビデオ(MV)でも披露しないと!」とばかりに、3年ぶりにリリースする新作オリジナルアルバム『Glory』のシングルカット「Make Me…」MVの撮影を行った。「裸同然のマッチョな男性ダンサーたちと、無意味に絡みまくる」というバージョンはエロすぎるとボツになってしまったのだが、撮影は楽しかった模様で、記念撮影もセックスアピールぷんぷん。

■セクシーな背中もアピール

 精神錯乱状態に陥っていた07年に、自らバリカンで丸坊主にしてしまったこともあるが、ブリトニーは基本的にブロンドのロングヘアが好き。編み込んだヘアスタイルもエレガントなのだが、この写真は明らかに髪形ではなく「バランスよく筋肉がついた、ぜい肉のない背中」を見せびらかしているものだと話題に。背中全体が見えるセクシーな白黒ショットに「美しい」というコメントが殺到した。

フォトショの女王がエクササイズで激やせ! ブリトニーの美BODY写真集

 2007年頃から全身についたぜい肉に悩まされてきた人気歌手のブリトニー・スピアーズ。「ジャンクフード好きだからしかたがない」「30半ばに全盛期の体形を求めるのは酷」と、近年ではファンもすっかりあきらめていた。しかし、今年に入り、ブリトニーの体形に明らかな変化が。地道に続けてきたエクササイズのおかげで、全体的に筋肉がついて引き締まり、すっきりとやせたのである。本人も大喜びで、努力して手に入れたセクシーBODYをインスタグラムで公開するようになった。今回はそんな「やせたBODYを見せびらかす、ブリトニーのセクシー写真」をご紹介しよう。

ブリトニーの美BODY写真集

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■フォトショ加工疑惑が持たれるほどのセクシーボディに

 過去に何度も「フォトショップでスリムな体形に修整した写真」をインスタグラムに投稿し、「背景が歪んでる」「いつもウエストばかり細くするからバレバレ」と叩かれてきたブリトニー。今年3月に投稿した「プールサイドで仰向けに寝そべるアタシ」もウエストがバービー人形のように細く、「また!?」とネット上は騒然。しかし、多くのファンは「エクササイズでやせたから、あり得る」「ボンドガールみたい」だと彼女をかばっていた。

■パパラッチ写真もセクシー

 09年に行ったワールドツアーの中休みに気が緩んでドカ食いをし、たった1カ月で体重が6kgも激増したこともあるブリトニー。しかし今回の彼女は、単に体重を減らすのではなく「筋肉を付け引き締まった体づくり」を目指したため、チートデイ(ダイエットの中休み)にドカ食いしても大丈夫。休暇中に激写されても体形を維持できており、本人も「このパパラッチの写真、超クール!」と超ご機嫌。

■真剣な顔で全身を自撮り

 ブリトニーは近年、腰まわり、おなかまわりのぜい肉に苦しんできた。これを取り除いてくれたのは、ラスベガス定期公演を行うにあたり雇った専門トレーナー。トレーナーの組んだ効果的なエクササイズメニューをコツコツ続けたのだ。今年35歳になるが、本人もイケてると自覚しており、全身写真をパチリ。

■ぶりっこも健在

 ダイエットだけでなく、スキンケアも熱心なブリトニー。基礎化粧品「Rodan+Fields」の大ファンで、「メイクよりもスキンケア命なタイプなの」とも発言している。30も半ばになると重力で頬がこけたり、しわが増えたり、肌がくすむものだが、ブリトニーはそんなトラブルとは無縁。やせたおかげで顔もほっそりし、「うっふん」と、かわいらしくポーズをとるセクシー写真も投稿している。

■水着のヒモが食い込まない

 「カロリーは無視して好きな物を好きなだけ食べる。好物は油っこい料理とクリームたっぷりのスイーツ。フルーツと野菜は大嫌い」「ファストフードを夜遅くに頬張り至福の時を過ごす」というメチャクチャな食生活を送っていたブリトニー。実は今もジャンクフードを食べるそうだが、卵の白身や全粒パンなどヘルシーな食材も取り入れているとのこと。基本的にエクササイズをメインにしているため、「見て! こんなにセクシーに引き締まったよ!」と見せびらかしたくなるのだろう。

■流行のチビTもセクシーに着こなし

 07年の『MTV ビデオ・ミュージック・アワード』で貫禄あるおなかを世間にさらし、世界中から笑われてしまったブリトニー。「口パク&踊りもダンサー任せ」とパフォーマンス自体も最悪で、酷評された苦い過去を持つ。あれから9年。彼女は華麗な大復活を遂げ、メタボだったおなかもキュッと引き締まった。この夏トレンドのチビTもばっちり着こなしている。

■エロすぎるMVも楽しく撮影

 満足できる体を手に入れたブリトニーは、「ミュージックビデオ(MV)でも披露しないと!」とばかりに、3年ぶりにリリースする新作オリジナルアルバム『Glory』のシングルカット「Make Me…」MVの撮影を行った。「裸同然のマッチョな男性ダンサーたちと、無意味に絡みまくる」というバージョンはエロすぎるとボツになってしまったのだが、撮影は楽しかった模様で、記念撮影もセックスアピールぷんぷん。

■セクシーな背中もアピール

 精神錯乱状態に陥っていた07年に、自らバリカンで丸坊主にしてしまったこともあるが、ブリトニーは基本的にブロンドのロングヘアが好き。編み込んだヘアスタイルもエレガントなのだが、この写真は明らかに髪形ではなく「バランスよく筋肉がついた、ぜい肉のない背中」を見せびらかしているものだと話題に。背中全体が見えるセクシーな白黒ショットに「美しい」というコメントが殺到した。

知られざる女子刑務所ライフ 元女囚が明かす厳しい実態

 覚せい剤の使用や密売などで逮捕起訴され、通算12年を塀の中で過ごした後、その経験を基にさまざまな活動を続ける中野瑠美さんが、女子刑務所の実態を語る。刑務所や拘置所など刑事収容施設への差し入れ代行業でテレビ出演し話題になった中野さんは、現在、大阪・堺でラウンジを経営、収容者や家族の相談に乗っているほか、日本財団による元収容者の就労支援策「職親(しょくしん)プロジェクト」にも携わっている。

■後悔をムダにしないために

 はじめまして、中野瑠美です。ムショ帰りを隠さず、むしろ同じようなつらさを抱えた人たちに寄り添いたいと思って、会社を作ったり、覚せい剤についてメディアにコメントしたりしています。そして、おかげさまで2016年春には念願のラウンジを故郷の堺にオープンできました。実は逮捕される前にも経営していたのですが、懲役ですべてがダメになってしまったのです。

 本当に、愚かなことをしました。なので、この私の経験をムダにしないために、いろいろな形で情報を発信していきたいと思っています。もちろん刑務所には入らないほうがいいに決まってますが、読者の皆様が万が一の際には「経験者」としてなんでも相談に乗りますので、お気軽にご連絡ください(笑)。

 では、そもそも刑務所とは、どんなところなのでしょうか? 第1回はそんなお話から始めたいと思います。

■そもそも「刑務所」とは?

 刑務所とか拘置所という名前は皆さんも耳にすることがあるでしょうが、違いなどはご存じないと思います。まず、覚せい剤や傷害などの「刑事事件」で警察に逮捕されると、警察署の留置場に留置されます。そして、取り調べの後に起訴されると拘置所、そして、刑が確定すると刑務所に収容されます。

 拘置所までは刑が確定していないので、「未決囚」としてわりに自由な生活が送れます。もちろん「看守」に見張られてはいますが、ジャージなどの私服がOKで、差し入れ屋さんでお菓子やお弁当、雑誌なども買えます。面会や手紙も毎日1回ずつ許され、工場などでの労働(刑務作業)もありません。同じ部屋(8人くらい)の人と大笑いしながら話もできますから、「いじめ」とかに遭っていない限り、楽しく過ごせる場所です。

 もちろん規則は厳しいです。お化粧はダメですし、首吊り自殺をしないようにパーカーやスウェットパンツのヒモを外すとか、ショーツはレースつきやTバックなど華美なものはダメなどの決まりがあります。最近ではラインストーンやボタンがついた下着、短すぎる短パンなどもダメですね。

 また、手紙を書いたり、ものを買ったりするのは基本的に「願箋」(がんせん)という用紙に必要事項を記入します。これがめんどくさいです。字が汚いと却下されることもあります。薬を飲む場合も、いちいち願箋に書いて飲むところを確認されます。飲んだフリをして溜めておいて、一気に飲んで自殺を図ることもあるからなのだそうです。

 そして、刑務所は拘置所と比べものにならないくらい何をするにも、とにかく「不自由」です。刑が確定して「既決囚」になると、舎房着(いわゆる囚人服)を着せられ、男性は丸刈りにされます。手紙や面会も、多くて月に4回程度になります。手紙を出す相手も、関係をしつこく聞かれたうえで「許可」か「不許可」が決まります。そして、許可をもらっていないのに勝手な行動をしたら、一瞬で「調査&懲罰の対象」になります。

 1日8時間は無言で「刑務作業」ですから、おしゃべりもできません。面会も許可されている人としかできないので、情報交換も次第にできなくなって、「浦島太郎」となっていきます。

■人殺しから万引まで一緒

 こうした規則の厳しさは、男性の刑務所とそんなに変わりません。男性との大きな違いは、人数ですね。『犯罪白書』(平成27年)によると、男性の既決囚約5万人に対して、女性は約5,000人と、10分の1くらいだそうです。ですから、女子刑務所の数は少なく、男性のように「LB」(累犯の長期受刑)などの区分もありません。人殺しから万引常習者まで、みんな一緒です。ちなみに一番多いのはナント「覚せい剤」関連です。自分で使ったり、バイ(密売)やバイ目的の所持ですね。

 刑務作業を行う工場は「初犯」と「累犯」に分けられ、さらに通称「モタ工」(モタモタ工場の略)という高齢者や障がい者向けの軽作業のグループもあります。「モタ工」は男女共通で、差別語かもしれませんが、刑務所では普通に使われています。このほか調理や高齢の収容者の介護などの担当もありますが、これは誰でもできるわけではなく、品行方正で真面目な人が担当します。堀江貴文さんや鈴木宗男さんなどは高齢者の介護を担当されていたそうですね。

 そして、初犯の工場のほうが、むしろ厳しくされます。「つらい仕打ちに耐えて、二度と戻ってこないように」という刑務官の親心なのかもしれませんが、この私でさえ、つらくて死にたくなったことがあるほどです。累犯のほうは、「また戻ってきたの? しゃあないなあ」って感じで、なれ合いすら感じます。いずれにしろ「きちんと更生しよう」という気持ちになれるシチュエーションではないですね。少なくとも、ムショは反省するところではないです。いわゆる模範囚も「早く仮出所したい」や「お菓子が食べたい」(問題を起こさないでいると、仮出所の審査の時に有利だったり、お菓子の購入や面会・手紙回数の増加などのご褒美があるんです)とか、そんな下心しかありません。

 懲役とは、簡単に言うと「働く」ことなので、基本的にこうした工場が生活の中心となります。寝起きする舎房も、工場のメンバーと一緒です。舎房ではケンカあり、イジメあり、笑いあり、涙ありと、いろいろあって面白いのですが、もう戻りたくはないです。では、続きはまたお話しします。

中野瑠美(なかの・るみ)
1972年大阪・堺市生まれ。特技は料理。趣味はジェットスキーとゴルフ。『ダウンタウンなう』(フジテレビ系)や『新・情報7daysニュースキャスター』(TBS系)などへの出演でも注目を集める。
経営するラウンジ「祭(まつり)」