49人が殺害されたフロリダ州のナイトクラブ銃乱射事件や、無抵抗の黒人に警官が発砲して殺害するという事件が立て続けに起きるなど、2016年も銃による事件が多かったアメリカ。大統領選後には、当選したドナルド・トランプ支持者と落選したヒラリー・クリントン支持者が衝突する物騒な事件が次々と発生。トランプのアンチが「アメリカという国はもう終わりだ」と嘆く姿が世界中に報道された。しかし、アメリカはやっぱりアメリカ。イギリスで起こった「ちんこの皮にコカインを隠した男が逮捕される」というマヌケな騒動に負けず劣らずのおバカ事件が16年も多発。そんな笑えるニュースの中から選りすぐった「アメリカおバカニュース2016」をお届けしよう。
■警官のポテト3本を盗んで御用
9月7日、ワシントンD.C.にある地元の人気ダイナー「イタリアン・キッチン・オン・ユー」で、警官が食べていたポテト(フレンチフライ)を3本盗って食べた女性が窃盗罪で現行犯逮捕された。米「FOX5ニュース」によると、警官がダイナーで一人食事をしていたところ、2人の女性が隣に座り、話しかけてきたとのこと。お酒を飲んでいるのか、2人ともなれなれしく、警官の皿に手を伸ばし、断りもなしにポテトを1本食べた。
警察の調書には「自分のポテトを食べた女性に、“そのポテトは私が金を払ったものだ。これ以上は食べないでくれ。もし、また私のポテトを食べたら窃盗罪で逮捕する”と警告した」とあるが、女性はこれをバカにし、さらに1本のポテトをつまんで、ムシャムシャと食べた。そして「刑務所に連れていきなよ!」と挑発しながら、再び警官の皿に手を伸ばした。3本目のポテトを盗られた直後、警官は女性を現行犯逮捕した。
16年、アメリカでは警官の悪質な黒人差別が国民から強く非難され、全国でデモが行われた。この「ポテトを3本盗んだ女を逮捕した警官」に対しても「たったそれぐらいで!」「横柄!」などと避難の声が上がったが、その一方で「よほどおなかが空いていたのでは」「警官はジャンクフード好きだから」「それは確かに腹が立つよな」「警官は薄給だし」と多くの同情が寄せられた。
■学校写真集でチンコ丸出しにした男
5月、アリゾナ州メサのレッド・マウンテン高校のイヤーブックに掲載されている集合写真で、チンコを丸出しにしていた生徒が逮捕された。イヤーブックとは、毎年生徒のために発行する写真集。日本の卒業写真集のようなものだが、対象は全校生徒になっており、大半の学生が購入する。
今回、チンコを丸出しにしたのは、当時18歳のハンター・オズボーン。所属していたアメリカンフットボール・チームの集合写真撮影時、チームメイトに冗談で「チンコを出せよ。出す勇気なんてないだろうけど」と言われ、「あるさ!」と撮影する瞬間ピョコンとチンコを出したのだ。撮影者も制作スタッフもチンコが出ていることに気づかず、その結果約3,400人の生徒がイヤーブックを受け取った。それだけではない。問題の集合写真は、アメリカンフットボールのプログラムにも掲載された。冊子は試合時に販売され、子どもからお年寄りまで、実に多くの人の目に触れることになった。
通報を受けた警察は、69の公然わいせつ罪のほか、複数の容疑でハンターを逮捕・起訴した。ちなみに公然わいせつ罪が69もあるのは、集合写真で一緒に撮影したチームメイトらに対するもので、69人いるから。チームメイトの大半は地元メディアの取材に対して、「本当にあいつはバカな奴だけど、自分は起訴を取り下げるつもり」とコメントしており、実際に受ける刑は軽いものとみられている。しかし、逮捕時に撮影されるマグショットと問題のチンコ丸出し写真は全米に流れてしまったため、生涯「イヤーブックでチンコ丸出しにして逮捕されたマヌケな奴」という目で見られるハメになってしまった。
■時速160kmでステーキを投げる男
4月20日、テキサス州ダラスの警察署に、大型スーパーマーケット「ウォルマート」で男がステーキ肉を万引したという通報が入った。男はすでに店を去っていたが、店員は容疑者が乗った車の特徴を警察に伝えたため、すぐに見つかった。男の車の後ろにパトカーをつけた警官は、容疑者に向かって高速道路のわきに停車するよう指示。警官は「ステーキ肉の万引」というシンプルな事件なので、すぐに逮捕して終わりだと思っていたという。しかし、容疑者は車のスピードで上げ、逃走を始めたのだ。
予想外の展開に驚いた警官は、支給応援を要請。複数のパトカーで男を追った。すぐに捕まえられるかと思いきや、男はあきらめることなくスピードをぐんぐん上げて逃げ続けた。増え続ける多数のパトカー相手に、グレッグ郡とハリソン郡の2つの郡にわたり、時速160kmのハイスピード・カーチェイスを繰り広げるというハリウッド映画のような展開になったのだ。
アップシャー郡に入ったところで容疑者は我に返ったのか、追ってくるパトカーのあまりの多さに恐れをなしたのか、降参。しかし、停車する前に証拠隠滅を図った。万引したステーキを窓の外から投げ捨てたのだ。ハイスピードで走る車内から投げ捨てられたステーキは激しく宙を舞い、追っていたパトカーのフロントガラスにベチャッと叩き付けられた。
地元メディアは「ステーキ肉を万引しただけで時速160kmのハイスピード・カーチェイスを繰り広げるなんて、BBQ好きなテキサスならでは!」と報道。投げ捨てられたステーキ肉の写真と共に、容疑者が逮捕されたことを報じた。
■どこかおかしい老人は大物売人?
8月18日、マサチューセッツ州サウス・ヤーマスのとある住宅を、警察が包囲した。警察は麻薬売買の容疑でショーン・ミラーという31歳の男を追っており、彼が潜伏している家を突き止めたのだ。警察はショーンの名前を呼び、ただちに出てくるようにと命令。しかし、出てきたのは70代とおぼしき老人男性だった。
なんのことだか知らないと言う老人は、サイドヘア、あごヒゲ、眉毛は白髪。シミやシワもあった。しかし、白目が異様にきれいで、目力がある。歯も白く、とても健康そのもの。警察は老人の顔に違和感を覚えつつ、宅内を捜査したところ、ショーンがいる証拠がたくさん出て来た。
ここでやっと1人の警察官が老人に向かって、「お前がショーンだろ!」と言い、顔をつかんだ。すると顔がずるっとむけ、中からショーンが現れたのだ。ショーンは警察の目をごまかすためにゴム製のとてもリアルな老人のマスクをかぶっていたとのこと。しかし、劣化した肌からのぞく健康的な目と白い歯があまりにも目立ってしまい、バレてしまった。
まぬけな犯人ではあるが、洗濯かごの中に実弾の入った拳銃2丁と3万ドル(約350万円)もの大金を隠しており、マサチューセッツ一帯の麻薬売買において重要なポジションにいたと見られている。なお、ショーンのマグショットだが、マスクをかぶった老人バージョンとかぶっていない本人バージョンと2タイプが撮影された。
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■ヒラリー支持者のピーナッツバター・テロ
10月17日、ウィスコンシン州アマースト・ジャンクションで、32歳のクリスティーナ・ファーガソンという女性が逮捕された。女性は同日夜、アメリカで人気の「JIF」というブランドの「特大ファミリーサイズ・減塩ピーナッツバター・クリーミー」を抱え、地域のトモロー川を守ろうという保全クラブの集会に乱入。自分がどれほどドナルド・トランプのことが嫌いなのかを叫びだした。会員たちは驚きながらも会場から出るようにと促したところ、意外にも彼女はおとなしく従った。
あまりにもすんなり出て行ったことを不安に思った会員が外に出てみると、クリスティーナが駐車してある車にピーナッツバターをベトベト塗りまくっている現場に遭遇。「やめろ!」と叫ぶと、彼女は冷静に歩きだし、近くのアパートに入っていった。ピーナッツバターが塗られていた車は30台にも上ったという。
会員はすぐに警察に通報。警官がアパートを訪れると、ピーナッツバターがついた指を舐めながらクリスティーナが出てきて、「今夜はどこにも外出していない」と断言。しかし、通報した会員が、この女が犯人であることを証言すると、彼女は態度を急変させ、「だって、大好きな、大好きなヒラリー・クリントンが負けて。大嫌いなドナルド・トランプが当選して!」と感情をあらわにした。そして、ドナルドに投票した奴らに罰を与えるためにやったと犯行を認めた。クリスティーナは、なぜピーナッツバターを塗ったかについて「銃撃や爆撃よりもマシだから」と説明。「ドナルドはアメリカ以外の全ての国を銃撃や爆撃するつもりなのよ!」と感情を高ぶらせていた、と地元紙『スティーブンズ・ポスト・シティ・タイムズ』は伝えている。
逮捕後行われた検査でクリスティーナは泥酔状態だったことが判明。ちなみにピーナッツバターを塗られたトモロー川保全クラブの会員たちは、純粋にトモロー川を愛する地元民であり、ドナルド支持を公言しているわけではなかった。警察は地元紙の取材に対し、「ピーナッツバターを砕いた際に出る粒が含まれた“チャンキー”でなく、なめらかな“クリーミー”だったのが不幸中の幸いだった」と真顔でコメント。チャンキーだったら、確実にひっかき傷がつき被害は大きかっただろうと、しみじみ語った。
■Wi-Fiパスワードを盗むのは、窃盗じゃない!?
11月29日、アイオワ州の警察に「自宅に不法侵入した男がいる」という通報が入った。被害者は犯人と面識があるとも証言。「上の階に住むクリストファー・カミングスだ!」と犯人の名を警察に告げた。現場に駆けつけた警官が被害者の上の階に住むクリストファーの家を訪ねたところ、まったく悪びれることなく、下の階の家に入り込んだことを認めた。そして、「オレはなにも盗んでない。盗むために入ったんじゃない。ただWi-Fiのパスワードが知りたかっただけだ」と説明した。
被害者女性は「あの男は前にうちに来て、Wi-Fiのパスワードを教えてくれって聞いてきた。でも、『はい、そうですか』と教えるわけないでしょ!」と激怒。クリストファーは逮捕され、侵入罪で起訴された。ちなみに、クリストファーは外窓を開けて侵入したため、器物損壊などの被害はなく、盗まれた物もなかった。純粋にWi-Fiのパスワードだけをメモしに入ったのだった。29歳のクリストファーのマグショットは全国に放送されることになり、ネット上では「いかにもWi-Fiのパスワードを盗みそうな、せこそうな顔だ」と話題になった。