故・松方弘樹と“慰謝料ゼロ”で離婚した仁科亜季子、実は「10億円近い金」手にしていた

故・松方弘樹と慰謝料ゼロで離婚した仁科亜希子、実は「10億円近い金」手にしていたの画像1
『無冠の男 松方弘樹伝』(講談社)
 先月21日に亡くなった故・松方弘樹(享年74)が生前、離婚した女優の仁科亜季子に「泣かされた」と、親しい映画関係者に漏らしていたという。 「松方さんは、どんなときでも弱音を吐いたりしない人だったんですが、一度だけ『前の女房には泣かされた』と、グチったことがありました」(映画関係者)  松方の一度目の結婚相手は、元モデルのN子さん。2人の間には3人の子どもが生まれたが、1974年にNHK大河ドラマ『勝海舟』で共演した仁科との不倫が発覚。松方は、N子さんに3億円の慰謝料を払って離婚した。  その後、仁科と再婚。2人の間には2人の子どもが生まれたが、元歌手の千葉マリアとの間に隠し子がいたことが発覚。女遊びをやめさせるために、仁科が松方にパイプカットを命じたのは有名な話だ。  ところが、その後、祇園の高級クラブのホステスだった山本万里子さんを見初め、芸能界にスカウト。90年にTBS系ドラマ『HOTEL』で女優デビューさせたことで不倫が発覚。当時、ワイドショーを巻き込んでの離婚騒動に発展した。  当時を知る関係者によると、2人の関係が怪しいと気づいた仁科は、興信所を雇って山本さんの自宅や松方の寝室を調べた。不倫を確信した時点で、離婚を決意。話し合いを有利に進めるために、暴力団関係者を味方につけようとしたという。  98年、仁科は女性週刊誌上で松方の不倫を暴露して、離婚を発表。離婚慰謝料ゼロだったことから、仁科に同情の声が上がった。  ところが、離婚後、前出の映画関係者が偶然、松方に会った際「すでに10億円近い金が亜季子や本人の実家に行っていると思いますよ。離婚前から生命保険や定期預金の解約を進め、私が持っていた社債を黙って現金化したようで……。なんとも恥ずかしい」とボヤいたという。  松方の訃報を受けて、仁科は「本気で愛し、2人の子供を授かり20年以上も共に歩んで参りました方です。今は、安らかにおやすみくださいますよう、心よりお祈り申し上げます」と追悼コメントを発表したが、それが空々しく聞こえるのは筆者だけだろうか?  離婚後、山本さんは松方に入籍など迫らず、ひと筋に尽くしてきた。松方は、昨年2月に脳リンパ腫と診断され、都内の大学病院に入院。主な収入源だった『夢コンサート』の仕事もキャンセル。収入源を絶たれ、特別室から一般個室に移らなければならないほど、生活は逼迫していたという。  それでも誰にも頼らず、松方に付き添ったという山本さん。そんな山本さんに看取られてこの世を去った松方の晩年は、金がなくても幸せだったのだろう。 (文=本多圭)

もはや「イッテQの人」? 手越祐也の抱える“ジレンマ”と、NEWSで果たす“役割”の大きさ

もはや「イッテQの人」? 手越祐也の抱えるジレンマとNEWSで果たす役割の大きさの画像1
どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。  日本でいま最も人気のあるバラエティ番組といえば、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)だろう。2月5日放送の視聴率は22.5%(ビデオリサーチ調べ、関東/以下同)。これは、1月30日~2月5日放送の全テレビ番組の中で1位の記録だ(2位はNHK朝ドラ『べっぴんさん』31日放送の20.4%)。また、12日放送の『世界の果てまでイッテQ! 10周年2時間SP~イモトいよいよ100か国制覇へ!~』は22.2%と、2週連続で大台超えを果たした。    そんな高視聴率番組に出ているジャニーズタレントが、NEWSの手越祐也(29歳)。チャラさ全開、ドヤ顔連発、文句はたれても最後はカッコいいところを見せつけるパフォーマンスで、いまや番組には欠かせない顔である。    だが、彼は番組収録後の囲み取材で、こう語っていた――。 「街を歩いていても 『NEWSのライブを見に行ったことあります!』『CD買っています!』と言われるより、95%くらいが『イッテQ見ています』っていうくらい、スゴい番組なんだなって痛感しています」。そして、「本業のNEWS、もっと頑張ります!」と。    そう、彼は今、自分を大きくしてくれた『イッテQ』に感謝しながらも、一方で、世間から「イッテQの人」としか見られていない現状に少し戸惑っているようなのだ。    だが、そうはいっても今、NEWSの中で最もお茶の間の認知度が高いのは手越であろう。つまり彼がグループに果たす役割は、あまりにも大きいのだ。    NEWSファン、いわゆるパーナの間では「王子キャラ」として知られるも、『イッテQ』では常にイジられている手越。何かにチャレンジする際、ナレーターから「どうか成功しませんように」と言われるタレントが、今までいただろうか? もちろん失敗すると、「イエーイ」と、これまたイジられる。  また、彼は何に対しても「OK~!」と能天気に返すため、今までは芸人・狩野英孝が同じことを言っている映像がインサートされていたのだが、当の狩野が長期謹慎となってしまった。スタッフとしては「イジりネタ」がひとつ減ってしまって残念に思っているだろう。  さて、前番組である『ザ!鉄腕!DASH!!』では、“アイドルが農作業をやっている”というギャップを強く打ち出しているが、『イッテQ』の場合は手越がそんなアーティストの顔を出そうものなら、完膚なきまでにイジってくる。つまり、グループ人気までには、なかなか波及していない印象がある。    つまり、ソロ活動が活発になっているのはもちろん歓迎すべきことではあるが、例えばSMAPに『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)があったように、ライブとは別に、“ホーム”を作っておかないと(それは、物理的に2週に1回会うとか)、グループとしての存在意義を見失ってしまうのではないだろうか?    彼ら全員によるレギュラー番組は『ザ少年倶楽部 プレミアム』(NHK BSプレミアム)だが、これは彼らの冠番組とは言いがたい。NEWSでレギュラー番組を作ろうという動きは何度もあり、その都度『変ラボ』(日本テレビ系)など形になったものもあるが、彼らをどうオペレーションした形で番組を作るのかベストなのか、まだ制作側もキャラクターをつかみかねているところがある。しかし、個性が際立つようになった今こそ、せめて1本でも、彼らのレギュラー番組をつくるべきではないだろうか?    だが、まずは手越が、『イッテQ』で、今のスタッフからのイジリがあってこその面白さからさらに一皮むけて、イモトアヤコ並みにブレークすることが、NEWS人気のさらなる起爆剤につながる。幸いにも、イモトや宮川大輔の人気が落ち着いてきた今、手越が番組をけん引していく時期にも差しかかっている。そう考えるならば、加藤シゲアキに「ニンニク臭い」と言われようが、増田貴久に「台本を一切読まない」とダメ出しされようが、小山慶一郎に足を揉まさせようが、彼はさらに大事にされるべき存在なのだ。今後の手越に大注目である。 (文=都築雄一郎) ◆「ズバッと!芸能人」過去記事はこちらから◆

もはや「イッテQの人」? 手越祐也の抱える“ジレンマ”と、NEWSで果たす“役割”の大きさ

もはや「イッテQの人」? 手越祐也の抱えるジレンマとNEWSで果たす役割の大きさの画像1
どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。  日本でいま最も人気のあるバラエティ番組といえば、『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)だろう。2月5日放送の視聴率は22.5%(ビデオリサーチ調べ、関東/以下同)。これは、1月30日~2月5日放送の全テレビ番組の中で1位の記録だ(2位はNHK朝ドラ『べっぴんさん』31日放送の20.4%)。また、12日放送の『世界の果てまでイッテQ! 10周年2時間SP~イモトいよいよ100か国制覇へ!~』は22.2%と、2週連続で大台超えを果たした。    そんな高視聴率番組に出ているジャニーズタレントが、NEWSの手越祐也(29歳)。チャラさ全開、ドヤ顔連発、文句はたれても最後はカッコいいところを見せつけるパフォーマンスで、いまや番組には欠かせない顔である。    だが、彼は番組収録後の囲み取材で、こう語っていた――。 「街を歩いていても 『NEWSのライブを見に行ったことあります!』『CD買っています!』と言われるより、95%くらいが『イッテQ見ています』っていうくらい、スゴい番組なんだなって痛感しています」。そして、「本業のNEWS、もっと頑張ります!」と。    そう、彼は今、自分を大きくしてくれた『イッテQ』に感謝しながらも、一方で、世間から「イッテQの人」としか見られていない現状に少し戸惑っているようなのだ。    だが、そうはいっても今、NEWSの中で最もお茶の間の認知度が高いのは手越であろう。つまり彼がグループに果たす役割は、あまりにも大きいのだ。    NEWSファン、いわゆるパーナの間では「王子キャラ」として知られるも、『イッテQ』では常にイジられている手越。何かにチャレンジする際、ナレーターから「どうか成功しませんように」と言われるタレントが、今までいただろうか? もちろん失敗すると、「イエーイ」と、これまたイジられる。  また、彼は何に対しても「OK~!」と能天気に返すため、今までは芸人・狩野英孝が同じことを言っている映像がインサートされていたのだが、当の狩野が長期謹慎となってしまった。スタッフとしては「イジりネタ」がひとつ減ってしまって残念に思っているだろう。  さて、前番組である『ザ!鉄腕!DASH!!』では、“アイドルが農作業をやっている”というギャップを強く打ち出しているが、『イッテQ』の場合は手越がそんなアーティストの顔を出そうものなら、完膚なきまでにイジってくる。つまり、グループ人気までには、なかなか波及していない印象がある。    つまり、ソロ活動が活発になっているのはもちろん歓迎すべきことではあるが、例えばSMAPに『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)があったように、ライブとは別に、“ホーム”を作っておかないと(それは、物理的に2週に1回会うとか)、グループとしての存在意義を見失ってしまうのではないだろうか?    彼ら全員によるレギュラー番組は『ザ少年倶楽部 プレミアム』(NHK BSプレミアム)だが、これは彼らの冠番組とは言いがたい。NEWSでレギュラー番組を作ろうという動きは何度もあり、その都度『変ラボ』(日本テレビ系)など形になったものもあるが、彼らをどうオペレーションした形で番組を作るのかベストなのか、まだ制作側もキャラクターをつかみかねているところがある。しかし、個性が際立つようになった今こそ、せめて1本でも、彼らのレギュラー番組をつくるべきではないだろうか?    だが、まずは手越が、『イッテQ』で、今のスタッフからのイジリがあってこその面白さからさらに一皮むけて、イモトアヤコ並みにブレークすることが、NEWS人気のさらなる起爆剤につながる。幸いにも、イモトや宮川大輔の人気が落ち着いてきた今、手越が番組をけん引していく時期にも差しかかっている。そう考えるならば、加藤シゲアキに「ニンニク臭い」と言われようが、増田貴久に「台本を一切読まない」とダメ出しされようが、小山慶一郎に足を揉まさせようが、彼はさらに大事にされるべき存在なのだ。今後の手越に大注目である。 (文=都築雄一郎) ◆「ズバッと!芸能人」過去記事はこちらから◆

『バカ殿様』志村けんが“セクシー開眼”の長澤まさみに熱烈オファー!「ポスト優香」になる!?

『バカ殿様』志村けんがセクシー開眼の長澤まさみに熱烈オファー!「ポスト優香」になる!?の画像1
 昨年のNHK大河ドラマ『真田丸』で堺雅人演じる真田幸村の幼なじみを演じ、その“ツンデレ演技”が賛否両論を呼んだ長澤まさみ。同作での着物姿は、いまだ強く印象に残っているが、年明けには一転、1月中旬からスタートした自身初のミュージカル舞台『キャバレー』で、セクシー衣装にチャレンジしている。  ブロードウェイの名作『キャバレー』で長澤は、おっぱいが8割近く見えるコルセットブラジャーに、美尻を強調する薄いレースのパンティを着用し、革のボンデージで開脚する場面も。そのエロボディが、男性客をくぎ付けにしている。  極秘で同作品を観劇した志村けんも、長澤に魅了されたひとりだ。志村は日参する港区麻布十番のガールズバ―「J」で、飲み仲間相手に「久しぶりにいいものを見た」と興奮して語っていたという。志村の巨乳好きは有名だが、それ以上に長澤の演技力にも圧倒されたようだ。  舞台を見終わった後、志村は関係者を通じて長澤サイドにフジテレビ系の特番『志村けんのバカ殿様』シリーズへの出演を打診したという情報が流れて、長澤が“ポスト優香”として注目されている。 『バカ殿様』のキャステイングは、志村がほぼ独断で決めているといわれている。そのため、優香がレギュラーになってから、2人の熱愛が盛んにウワサされた。筆者も関係を疑ったが、前出の志村の飲み友達によると「志村さんと優香に、男女の関係は一度もない。志村さんは優香を『彼女ほどコントがうまい女優は見たことがない。天才だ』と絶賛していた」という。  その優香は昨年6月、俳優の青木崇高と電撃入籍した。人妻になった以上、番組で下品なイジリはできなくなる。実際、昨秋以降の放送に優香の姿はなかった。一部では「クビ」などとウワサされたが、志村なりの思いやりもあるのだろう。優香が抜けた後の『バカ殿様』の腰元役で、知名度があるのは磯山さやかくらい。ただ、磯山も優香に比べると、かなりランクが落ちる。その点、長澤は申し分ない。  昨年の「東京スポーツ映画大賞」の授賞式で、綾瀬はるか、広瀬すずとの3人で、同賞の審査委員長であるビートたけしと一緒に「コマネチ」を披露した長澤の茶目っ気は、コント向きのような気がする。志村にもまれてコントにもチャレンジすれば、女優としての幅も広がる。それだけに、長澤が『バカ殿様』シリーズにゲスト出演するか注目したい。 (文=本多圭)

『アメトーーク!』は物足りなかった!? 相撲ブームの今こそ再注目したい、ナイツ塙の相撲愛

『アメトーーク!』は物足りなかった!? 相撲ブームの今こそ再注目したい、ナイツ塙の相撲愛の画像1
マセキ芸能社公式サイトより
「大谷翔平スゴイぞ芸人」「スクール☆ウォーズ芸人」に続いての、スポーツネタ3連発となった『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「相撲大好き芸人」(12日放送)。新横綱・稀勢の里ブームに沸く大相撲だが、番組企画は初場所での稀勢の里優勝前だったというから、そのあたりの時流を読む巧さはさすがだ。  芸人たちの話術以上に、相撲の「画力」で見せていた番組構成は非常に好感が持てた。相撲ライトユーザーも、コアなファンも、双方楽しめる内容になっていたのではないだろうか。やはり『アメトーーク!』は、マニアックなネタを大衆向けにマイルドにしていく企画よりも、大相撲のような誰もが知ってはいるけれど……というネタに真正面から切り込んでいくほうが面白い。  それはさておき、12日の放送では、大相撲中継でゲスト解説を務めることもあるデーモン閣下、そして曙×イチロー、白鵬×旭鷲山の知られざるエピソードを語ったキンボシ西田の2人の独壇場だったように思う。  それだけに、リーダーを務めたナイツ・塙宣之のおとなしさが、ちょっともったいなく思えてしまった。もっと塙の“相撲話芸”を披露してほしかったのだ。放送でカットされている分はあるだろうし、リーダーとして、ほかの芸人(特に、普段ラジオなどで名前だけはやたらと紹介しているキンボシ西田)の話を引き出そうとしていた部分はあるだろう。だが、特にこの1年、芸能界で最も相撲人気に貢献していたのは塙宣之であり、ナイツだと思う。  たとえば、ちょうど1年前、2016年2月放送の『炎の体育会TV』(TBS系)では「大相撲が100倍楽しくなるスゴ技映像ベスト3」を熱烈プレゼン。小錦の突っ張り、琴奨菊のがぶり寄り、霧島のうっちゃりについて、映像とともに熱く語り倒していた。  5月29日の『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、「相撲界で話題の宇良に迫る」と題して、十両・宇良の珍しい決まり手を、なぜか塙が解説。塙といえば、「ご存じでしょ」とばかりに浅草芸人の名を次々連ねるのがおなじみだが、この日の『ワイドナショー』では同様に、「ご存じでしょ」と十両力士の名を笑いなしで語り続け、「情報量が多すぎる(笑)。宇良君に詳しすぎて笑ってしまう(笑)」という松本人志のコメントを引き出していた。  年末放送のNHK特番『大相撲この一年』では、北の富士、舞の海と並んで角界の1年間を総まとめ。ご意見番2人に負けず劣らずの相撲知識を披露していた。また、相撲における優勝の難しさと、漫才の賞レースで勝つことの難しさについて問われた際には「優勝候補といわれると、自分をよく見せようと思っちゃって、そうじゃないリラックスしているコンビに優勝をかっさらわれるとかありますね。ただ、優勝したいという気迫もないと優勝できない」とコメント。さすがの分析力だった。  ついでに言うと、BS・CSの優れた番組や企画に贈られる「衛星放送協会オリジナル番組アワード2016」のバラエティ部門最優秀賞は、塙がナレーションを担当するフジテレビONE『大相撲いぶし銀列伝』だ。  塙が素晴らしいのは、相撲への愛情や敬意が常に感じられる点はもちろん、番組で披露する相撲話に、“かぶりネタ”が少ない点にある。 『アメトーーク!』芸人に少なからずあるのが、「違う番組でしゃべってたネタ、ここでもまた使ってるな」という場面だ。一度目は面白くても、何度も聞かされると飽きてしまうもの(もっともこれは、芸人の問題よりも、番組サイドの「あの面白い話、またお願いします」というオーダーもあったりするのだろうが)。だが、番組ごとに少しずつ視点を替え、取り組みを替え、力士を替えて相撲の魅力を語る塙を見ていると、その話芸の巧みさと、大相撲の奥深さを知ることができる。  加えてここ最近は、バラエティやスポーツ系番組以外、つまり本業の寄席やテレビ番組で披露する漫才でも「相撲ネタ」が増えてきた印象がある。かつて、「野球はなんにでも例えられる」と語っていた塙だが、同様に、相撲や力士もなんにでも例えることができるようだ。そして、もちろん、この相撲漫才がすこぶる面白い。地方の寄席では、その土地ごとに出身力士の話題を枕に使い、場を盛り上げているという。  新横綱・稀勢の里の誕生に沸く今、やっと来た相撲ブーム。この時流に合わせて、ナイツ塙の相撲ネタ・相撲漫才を披露する機会が、もっともっと増えてほしいと願うばかりだ。 (文=オグマナオト) ◆「熱血!スポーツ野郎」過去記事はこちらから◆

『アメトーーク!』は物足りなかった!? 相撲ブームの今こそ再注目したい、ナイツ塙の相撲愛

『アメトーーク!』は物足りなかった!? 相撲ブームの今こそ再注目したい、ナイツ塙の相撲愛の画像1
マセキ芸能社公式サイトより
「大谷翔平スゴイぞ芸人」「スクール☆ウォーズ芸人」に続いての、スポーツネタ3連発となった『アメトーーク!』(テレビ朝日系)の「相撲大好き芸人」(12日放送)。新横綱・稀勢の里ブームに沸く大相撲だが、番組企画は初場所での稀勢の里優勝前だったというから、そのあたりの時流を読む巧さはさすがだ。  芸人たちの話術以上に、相撲の「画力」で見せていた番組構成は非常に好感が持てた。相撲ライトユーザーも、コアなファンも、双方楽しめる内容になっていたのではないだろうか。やはり『アメトーーク!』は、マニアックなネタを大衆向けにマイルドにしていく企画よりも、大相撲のような誰もが知ってはいるけれど……というネタに真正面から切り込んでいくほうが面白い。  それはさておき、12日の放送では、大相撲中継でゲスト解説を務めることもあるデーモン閣下、そして曙×イチロー、白鵬×旭鷲山の知られざるエピソードを語ったキンボシ西田の2人の独壇場だったように思う。  それだけに、リーダーを務めたナイツ・塙宣之のおとなしさが、ちょっともったいなく思えてしまった。もっと塙の“相撲話芸”を披露してほしかったのだ。放送でカットされている分はあるだろうし、リーダーとして、ほかの芸人(特に、普段ラジオなどで名前だけはやたらと紹介しているキンボシ西田)の話を引き出そうとしていた部分はあるだろう。だが、特にこの1年、芸能界で最も相撲人気に貢献していたのは塙宣之であり、ナイツだと思う。  たとえば、ちょうど1年前、2016年2月放送の『炎の体育会TV』(TBS系)では「大相撲が100倍楽しくなるスゴ技映像ベスト3」を熱烈プレゼン。小錦の突っ張り、琴奨菊のがぶり寄り、霧島のうっちゃりについて、映像とともに熱く語り倒していた。  5月29日の『ワイドナショー』(フジテレビ系)では、「相撲界で話題の宇良に迫る」と題して、十両・宇良の珍しい決まり手を、なぜか塙が解説。塙といえば、「ご存じでしょ」とばかりに浅草芸人の名を次々連ねるのがおなじみだが、この日の『ワイドナショー』では同様に、「ご存じでしょ」と十両力士の名を笑いなしで語り続け、「情報量が多すぎる(笑)。宇良君に詳しすぎて笑ってしまう(笑)」という松本人志のコメントを引き出していた。  年末放送のNHK特番『大相撲この一年』では、北の富士、舞の海と並んで角界の1年間を総まとめ。ご意見番2人に負けず劣らずの相撲知識を披露していた。また、相撲における優勝の難しさと、漫才の賞レースで勝つことの難しさについて問われた際には「優勝候補といわれると、自分をよく見せようと思っちゃって、そうじゃないリラックスしているコンビに優勝をかっさらわれるとかありますね。ただ、優勝したいという気迫もないと優勝できない」とコメント。さすがの分析力だった。  ついでに言うと、BS・CSの優れた番組や企画に贈られる「衛星放送協会オリジナル番組アワード2016」のバラエティ部門最優秀賞は、塙がナレーションを担当するフジテレビONE『大相撲いぶし銀列伝』だ。  塙が素晴らしいのは、相撲への愛情や敬意が常に感じられる点はもちろん、番組で披露する相撲話に、“かぶりネタ”が少ない点にある。 『アメトーーク!』芸人に少なからずあるのが、「違う番組でしゃべってたネタ、ここでもまた使ってるな」という場面だ。一度目は面白くても、何度も聞かされると飽きてしまうもの(もっともこれは、芸人の問題よりも、番組サイドの「あの面白い話、またお願いします」というオーダーもあったりするのだろうが)。だが、番組ごとに少しずつ視点を替え、取り組みを替え、力士を替えて相撲の魅力を語る塙を見ていると、その話芸の巧みさと、大相撲の奥深さを知ることができる。  加えてここ最近は、バラエティやスポーツ系番組以外、つまり本業の寄席やテレビ番組で披露する漫才でも「相撲ネタ」が増えてきた印象がある。かつて、「野球はなんにでも例えられる」と語っていた塙だが、同様に、相撲や力士もなんにでも例えることができるようだ。そして、もちろん、この相撲漫才がすこぶる面白い。地方の寄席では、その土地ごとに出身力士の話題を枕に使い、場を盛り上げているという。  新横綱・稀勢の里の誕生に沸く今、やっと来た相撲ブーム。この時流に合わせて、ナイツ塙の相撲ネタ・相撲漫才を披露する機会が、もっともっと増えてほしいと願うばかりだ。 (文=オグマナオト) ◆「熱血!スポーツ野郎」過去記事はこちらから◆

熟女キャバクラ急増のワケとは? いま求められる“熟女”力

 栄枯盛衰、かつて栄えていたものも、時代の移り変わりにより突如終焉が訪れる。2017年2月、大阪のとあるキャバクラが20年の歴史に幕を閉じようとしていた。繁華街の中心に店を構える「クラブL」。40坪の店内には、常に20名以上のキャストが在籍。20代の若い女性をメインに揃え、リーズナブルな価格設定で、週末には必ず満席になるほどの賑わいだったという。人気のキャバクラに、いったい何があったのだろうか。周辺事情に詳しい人に話を聞いた。

■30代から40代女性のキャストがメイン

「年末にはお客さんが並ぶほどの盛況ぶりでした。それでも往年に比べると、売り上げは伸び悩んでいたそうです」(キャバクラの客引き)

 ここ数年、業績不振といわれているキャバクラ業界だが、ある変化が起きているという。

「最近は若いコがいる店より、熟女キャバクラのほうがお客さんは入っていますね。『クラブL』もオーナーが変わり、跡地には熟女キャバクラができるそうです」(同)

 数年前から人気が高まっているといわれる熟女キャバクラだが、ここ1年ほどで、その人気は急上昇しているという。ひと昔前まで、熟女キャバクラとは30代前後の女性キャストが在籍する店のことを指していたが、最近では30代から40代の女性のキャストがメインだという。しかしなぜ今、若手メインのキャバクラが減少し、熟女キャバクラが増え続けているのだろうか。

■風営法改正による、「若者のキャバクラ離れ」

「2000年初頭、キャバクラに来る客はヤミ金や振り込め詐欺などの犯罪を働く若者が中心となり、年齢層は一気に低下しました」(元キャバ嬢)

 90年代後半まで、若い客などほとんど来なかったキャバクラ。だが2000年に入り、ヤミ金融やオレオレ詐欺、テレクラのサクラなどの職業が流行し、大金を持った若者たちがキャバクラで豪遊するようになった。05年には雑誌「小悪魔ageha」(インフォレスト、現・主婦の友社)が創刊。派手な盛り髪にデコネイルの「age嬢」ファッションは社会現象にもなり、キャバクラ嬢は「小中学生の将来なりたい職業ランキング」にランクインする。しかし、時代は長く続かない。

「ヤミ金、振り込め詐欺の摘発強化により、それまで豪遊していた若者連中が姿を消しました。さらに追い打ちをかけたのが、2005年に改正された風俗営業法(風営法)です。今まで深夜過ぎまで営業していたキャバクラが、深夜1時閉店となったことで、終電を逃した若者たちが来なくなりました」(同)

 最近、よく目にするようになった「若者の酒離れ」など、キャバクラから足が遠のいた理由は諸説あるが、風営法の改正は大きく影響したと見られる。こうした「若者のキャバクラ離れ」により、客の年齢層が上昇。これに目をつけたキャバクラ経営者がオープンさせたのが、正午から夕方まで営業する「昼キャバ」だった。

■昼キャバから始まった熟女需要

「昼キャバ客のターゲット層は、定年退職者などの高齢者。それに合わせ、通常よりも年齢の高い30代以上のキャストを採用しました。キャストのほとんどが、昼間子どもを預けられる主婦や、離婚歴のある子持ちの女性です。苦労している分、若いコにはできない気配りがあります。また、若いコに比べ、低コストで雇えるのも大きいです。生活がかかってる分、仕事熱心で、経験者も多いので、一から教えなくて済む。今や熟女は、若いキャバ嬢よりも経営者側にとって需要が高いといわれています」(熟女キャバクラ経営者)

 昼間は30代前後のキャスト、夜は20代のキャストと二部制にすることで、一時、落ち込んでいた売り上げも同店では戻ってきたという。さらに二部(夜の営業)にも30代以上の女性を起用し、客層も幅広い年齢へと広げていった。そんな中、同氏が熟女キャバクラをつくるきっかけとなる出来事が起こったという。

「昨年から始まったマイナンバー制度の導入で、『昼の仕事にキャバクラの副業がバレてしまうのではないか』と、昼夜掛け持ちする副業キャバ嬢が一斉に辞めてしまいました。彼女らのほとんどが20代半ば頃から後半、店の中堅層といわれる年齢のキャストたちでした。結果、キャストの平均年齢が上がってしまったので、思い切って熟女キャバクラに変えることにしました」(同)

■クラブより安く、キャバクラより落ち着いた雰囲気

 客に続き、働き手側にも「若者のキャバクラ離れ」が始まった。店は30代から40代のキャストをメインに集め、熟女キャバクラへと生まれ変わった。しかし、ただ年齢層が高いだけのキャバクラではいずれ飽きられてしまう。そこで秘策を打ち出した。

「銀座や北新地のクラブのように、接待で使ってもらえる店を目指しました。今まで企業の接待は、座って数万円する高級クラブが使われていましたが、1人のお客様に対して、ホステスが数人着くことがある。キャバクラの特徴である1対1の接客を武器にして、接待で使っていただけたらと。キャストの年齢自体は高級クラブのホステスと変わりません。教育を徹底的に行いました」(同)

 この店では料金は指名しても、1人1時間1万円。ハウスボトルがあるので、クラブに比べると、かなり安い価格設定だ。

「料金もですが、クラブのような厳しさがないのも特長です。店内カラオケ禁止とか、出勤の時は必ずドレスにハイヒールとか、そういう規則はうちにはありません」(同)

 働くキャストは、若いキャバ嬢やクラブホステスのような派手さはないが、背中のあいたロングドレスにショールといった落ち着いた衣装が主流だ。

「熟女キャバクラ嬢の魅力は、気を使わなくていいとこ。年齢が近いので話が合います。若いコ相手だと話が合わないので疲れちゃうんですよね。高級クラブのように、同伴で高級店に連れていかなきゃ、というプレッシャーもないし。あと、多少のオサワリを許してくれるのも良いですね(笑)」(熟女キャバクラ常連客)

 そんな熟女キャバクラだが、中には比較的若いキャストもいるようだ。

「もともと、キャバクラで働いていたのですが、若いお客さんや女のコのノリに付いていけなくて、こっち(熟女キャバクラ)に移ってきました。お客様は年配の方が多いので働きやすいです。キャバ嬢のような派手な服装も苦手なので、熟女キャバクラの落ち着いた雰囲気は自分に合っていると思います」(熟女キャバクラ嬢28歳)

■若手キャバ嬢たちが路頭に迷っている

 いまや、熟女キャバクラは勢いを増している。しかし一方で、減りつつある若手のキャバ嬢たちはどう思っているのだろうか。閉店を間近に控えた「クラブL」のキャストに、先行きを聞いた。

「売り上げがあるキャストは、熟女キャバクラに残れる方針でいるそうです。でも、全員を今まで通りの時給で、というわけにはいかないみたいです。私はほかの店を探そうと思ったのですが、時期が時期なので、しばらく熟女キャバに残りながら、ほかの店を探すことにしました。また、売り上げや出勤が少ないキャストは、遠まわしにクビを宣告されているそうです。新しい店を探したり、キャバクラの派遣会社に登録するというコもいますが、皆、なかなか移動先が見つからないとぼやいています」(「クラブL」古株キャスト・27歳)

 水商売で2月は、暇な月といわれている。実績がないと、働き口はなかなか見つからないという。

「同じエリアなら、今まで来てくれてたお客さんも引っ張りやすいけれど、この辺りで『L』と同じ料金で飲める店はない。新天地で一からお客さんをつかんでいくのも厳しいけど、時給が下がるのも困る」(同)

 相次いでオープンする熟女キャバクラの裏側で、多くの若手キャバ嬢たちが路頭に迷っているようだ。「小悪魔ageha」全盛期の頃のように、彼女らがふたたび日の目を見ることはあるのだろうか。
(カワノアユミ)

防犯カメラの「万引き犯」画像公開、店側が脅迫罪に問われる可能性も

「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

<今回のテーマ>
眼鏡店、万引き疑い男性の画像公開(各局ニュース番組等

■名誉毀損罪に当たる可能性がある

 東京都内の眼鏡店が、万引きをしたとして、防犯カメラに映った男性客とみられる人物の画像をホームページ上に公開し、問題になっている。画像は顔の一部にモザイク処理が施されているが、店は3月1日までに返却か弁償をしない場合、モザイクを外して画像を公開するとしている。こうした画像をネットで公開することは、違法性に、違法性はないのだろうか? アディーレ法律事務所の日田諭弁護士に聞いた。

 まず、「犯罪歴を公開する行為は、名誉毀損罪に当たる可能性がある」と日田弁護士は話す。

「そもそも名誉毀損罪の『名誉』とは、人に対する積極的な社会的評価のことを言います。当然このような犯罪歴が知られてしまうと、本人の社会的評価は下がります。やはり、犯罪歴や前科というものは、他人に一番知られたくない情報の一つでしょうし、これを公開されると日常生活が崩れてしまいますから。

 ただ、今回の事案は、まだ前科にもなっていないし、そもそも犯罪と言い切れるかも明確には決まっていない段階です。そのような不確定な状況で、店側が万引きだと思う画像を公開することも、前科の公開と同様に、名誉毀損罪に当たる可能性があります」

 公開された画像は顔の一部にモザイクをかけられていた。個人を特定されない形で公開するのであれば、問題はないのだろうか?

「個人を特定されないくらいにモザイクをかけて公開するのならば、それは、『このような形の万引きが、うちの店でありました』ということを示しているだけなので、問題ないと思います。実際、テレビ番組でも、『こんな犯罪がありました』というような映像を流したりしています。ただ、モザイクを外すソフトウェアが使われるなどの可能性が残る以上、全く問題がないとまでは言い切れません」

■盗品を自力で回収する行為は法的には許されていない

 しかし、刑法の規定からすると、本件については、人の犯罪行為に関する事実と言える可能性が高いので、公益目的であったと言える場合は、処罰されない可能性があるという。この眼鏡店の社長はテレビ朝日の取材に対し、画像を公開した理由を、「ちゃんと解決しないと、今後にも尾を引くかなと思ったから」と述べている。したがって、このケースも最終的には処罰されない可能性はある。

 また、店は、画像と共に「商品を返却または弁償しないと、モザイクを外す」という内容の文章を掲載しているが、「この行為は、『害悪の告知』に当たるので、脅迫罪ともなりえますし、また、返却行為を強要している部分も含めると、強要罪となりえます」と日田弁護士は話す。

「そもそも、もともとの所有者であろうと、すでにその所有者の元から離れてしまった盗品を、法的手続きを経ないで自力で回収する行為は、法的には許されていませんので、警察を通して事件を処理するしかありません」

 では、もし、この店にこの男性客が商品を返却に来たら、窃盗罪に問われないのだろうか?

「刑法上の窃盗罪(刑法235条)は、物を取って、事実上の自分の支配の下に入れてしまえば、例えば、ポケットやカバンに入れて、店から出るような行為があった場合、その時点で犯罪が成立しますので、後で返却しても、刑法上は一度、成立した罪が消えることはありません。ただ、返却したことによって、被害届が取り下げられて、店側も処罰を望まないという気持ちを警察や検察に伝えることで、不起訴となり、最終的に処罰されない可能性はあります」

 万引きの被害を受けて困っている、犯罪を見過ごせない、という店側の心理は理解できないものではないが、今回の行動は、法の下では逆に店側が罪に問われる可能性もある。とにかく、この画像の人物が速やかに商品を返却さえすれば、おそらく事は丸く収まるのではないだろうか。

アディーレ法律事務所

防犯カメラの「万引き犯」画像公開、店側が脅迫罪に問われる可能性も

「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

<今回のテーマ>
眼鏡店、万引き疑い男性の画像公開(各局ニュース番組等

■名誉毀損罪に当たる可能性がある

 東京都内の眼鏡店が、万引きをしたとして、防犯カメラに映った男性客とみられる人物の画像をホームページ上に公開し、問題になっている。画像は顔の一部にモザイク処理が施されているが、店は3月1日までに返却か弁償をしない場合、モザイクを外して画像を公開するとしている。こうした画像をネットで公開することは、違法性に、違法性はないのだろうか? アディーレ法律事務所の日田諭弁護士に聞いた。

 まず、「犯罪歴を公開する行為は、名誉毀損罪に当たる可能性がある」と日田弁護士は話す。

「そもそも名誉毀損罪の『名誉』とは、人に対する積極的な社会的評価のことを言います。当然このような犯罪歴が知られてしまうと、本人の社会的評価は下がります。やはり、犯罪歴や前科というものは、他人に一番知られたくない情報の一つでしょうし、これを公開されると日常生活が崩れてしまいますから。

 ただ、今回の事案は、まだ前科にもなっていないし、そもそも犯罪と言い切れるかも明確には決まっていない段階です。そのような不確定な状況で、店側が万引きだと思う画像を公開することも、前科の公開と同様に、名誉毀損罪に当たる可能性があります」

 公開された画像は顔の一部にモザイクをかけられていた。個人を特定されない形で公開するのであれば、問題はないのだろうか?

「個人を特定されないくらいにモザイクをかけて公開するのならば、それは、『このような形の万引きが、うちの店でありました』ということを示しているだけなので、問題ないと思います。実際、テレビ番組でも、『こんな犯罪がありました』というような映像を流したりしています。ただ、モザイクを外すソフトウェアが使われるなどの可能性が残る以上、全く問題がないとまでは言い切れません」

■盗品を自力で回収する行為は法的には許されていない

 しかし、刑法の規定からすると、本件については、人の犯罪行為に関する事実と言える可能性が高いので、公益目的であったと言える場合は、処罰されない可能性があるという。この眼鏡店の社長はテレビ朝日の取材に対し、画像を公開した理由を、「ちゃんと解決しないと、今後にも尾を引くかなと思ったから」と述べている。したがって、このケースも最終的には処罰されない可能性はある。

 また、店は、画像と共に「商品を返却または弁償しないと、モザイクを外す」という内容の文章を掲載しているが、「この行為は、『害悪の告知』に当たるので、脅迫罪ともなりえますし、また、返却行為を強要している部分も含めると、強要罪となりえます」と日田弁護士は話す。

「そもそも、もともとの所有者であろうと、すでにその所有者の元から離れてしまった盗品を、法的手続きを経ないで自力で回収する行為は、法的には許されていませんので、警察を通して事件を処理するしかありません」

 では、もし、この店にこの男性客が商品を返却に来たら、窃盗罪に問われないのだろうか?

「刑法上の窃盗罪(刑法235条)は、物を取って、事実上の自分の支配の下に入れてしまえば、例えば、ポケットやカバンに入れて、店から出るような行為があった場合、その時点で犯罪が成立しますので、後で返却しても、刑法上は一度、成立した罪が消えることはありません。ただ、返却したことによって、被害届が取り下げられて、店側も処罰を望まないという気持ちを警察や検察に伝えることで、不起訴となり、最終的に処罰されない可能性はあります」

 万引きの被害を受けて困っている、犯罪を見過ごせない、という店側の心理は理解できないものではないが、今回の行動は、法の下では逆に店側が罪に問われる可能性もある。とにかく、この画像の人物が速やかに商品を返却さえすれば、おそらく事は丸く収まるのではないだろうか。

アディーレ法律事務所

子どもの頃の「いじめ加害者」に損害賠償請求は可能か?

「ドラマのこのシーンってありえるの?」「バラエティーのあのやり方ってコンプライアンス的にどうなの?」……テレビを見ていて感じた疑問を弁護士に聞いてみる、テレビ好きのための法律相談所。

<今回のテーマ>
いじめ後遺症(『あさイチ』NHK/2月6日月曜日午前8時15分~)

■いじめは民法上の不法行為に当たる

 2月6日の『あさイチ』(NHK)で取り上げられていた「いじめ後遺症」が話題になっている。子どもの頃にいじめを受けた人が大人になっても、その後遺症に苦しむというものだ。同番組では、治療のひとつとして「いじめ模擬裁判」があり、自分をいじめた相手の非を洗いざらい吐きだし、相手に求刑するところまで行うことが紹介されていたが、現実に、子どもの頃のいじめ被害について、大人になってから加害者を訴えることは可能なのか? アディーレ法律事務所の吉岡一誠弁護士に聞いた。

 まず、何をもって「いじめ」とするかについて、吉岡弁護士は、「いじめ防止対策推進法」において定義されると説明する。

「『心理的または物理的な影響を与える行為(インターネットを通じて行われるものを含む)であって、当該行為の対象となった児童等が心身の苦痛を感じているもの』が、いじめと定義されています」

 これに該当する行為は、民法上の不法行為に当たる可能性があるという。

「権利、または法律上保護される利益を侵害された場合、被害者は加害者に対して損害賠償請求をすることができます」

 とはいえ、実際に訴えるのは容易ではなさそうだ。吉岡弁護士によると、不法行為に基づく損害賠償請求権は、被害者が損害と加害者を知った日から3年で時効により消滅するとされているため、原則として大人になってから請求をすることはできないのだという。

「大人になってから後遺症が発症した場合には、発症時に『損害を知った』ということになるので、理論上はその時点から3年間は、後遺症についての損害賠償請求が可能ということになりますが、いじめ行為があったことや、いじめと症状の因果関係を立証することが困難であり、現実には請求は難しいことが多いかと思われます」

 また、暴行を受けてけがをした場合や、心理的ないじめにより精神疾患を負った場合、傷害罪の成立の可能性があるというが、傷害罪の公訴時効が10年とされていることや、時間の経過により証拠の収集が困難になることから、刑事責任を問うことも難しいという。

 つまり、被害者にとっては厳しい現実だが、子どもの頃にいじめ被害を受けた加害者を訴えるのは、事実上、困難ということのようだ。

アディーレ法律事務所