火曜夜10時から放送中の『あなたのことはそれほど』(TBS系)は、W不倫を題材にしたドラマだ。 主演はNHK連続テレビ小説『あさが来た』で主演を務めて以降、国民的人気女優となった波瑠。 「2番目に好きな人と結婚するといい」と占い師に言われた三好美都(波瑠)は、渡辺涼太(東出昌大)と結婚する。しかし、初恋の人だった有島光軌(鈴木伸之)と偶然再会。あれよあれよという間に、不倫関係になってしまう。 結婚していることを隠して有島と付き合う美都。しかし、2人で温泉旅行に行ったときに、有島には妊娠中の妻がいて、子どもが生まれたことを知らされる。 普通ならここで関係は破たんするものだが、美都は「大丈夫、私も結婚……してるから」と告白し、「無茶なこと言わないから安心して」と言って指輪を見せる。 ドラマは現在折り返し地点に差し掛かり、妻の不倫を知って奇行に走る東出の怪演に注目が集まっているが、当初から気になってしょうがないのは、波瑠演じる美都の醸し出す「こいつ、なんなの?」という違和感だ。 『昼顔~平日午後3時の恋人たち』(フジテレビ系)や『せいせいするほど、愛してる』(TBS系)など、不倫を題材にしたドラマは多数あるが、本作が特殊なのは、ヒロインの美都に、不倫に対する罪悪感や葛藤が見えないことだろう。 美都は、初恋の人と再会したという恋愛感情だけで有島と結ばれる。原作はいくえみ綾の少女漫画だが、美都の思考回路は、少女漫画のヒロインがそのまま大人になったかのような恋愛至上主義である。 中高生なら許されたかもしれないが、大人になってもそのままだと「動物じゃないんだから、いい加減にしろ」と言いたくなるくらい、美都の思考は幼い。 そんな美都を演じるのが、クールで落ち着いたイメージが強い波瑠だというのが、本作の面白いところだろう。 『あさが来た』以降、波瑠は聡明で落ち着いているが、周囲とどこかズレた変わった女性を繰り返し演じている。会社の社長と恋愛関係になるクールで強気な女性を演じた『世界一難しい恋』(日本テレビ系)。一見普通だが、犯罪者の異常心理に引かれている女刑事を演じた『ON 異常犯罪捜査官・藤堂比奈子』(フジテレビ系)。 そして、何より面白かったのは、母親に溺愛されて育ったために精神的にスポイルされてしまった女性教師・早瀬美月を演じた『お母さん、娘をやめていいですか?』(NHK)だ。 母親役を演じた斉藤由貴の演技があまりにもすさまじかったために、普通の女性に見えたが、いま考えると、妙にエキセントリックなところもあり、どこかいびつさを感じさせる女性役だった。 このように波瑠は、自分は普通だと思っているが外から見ると何かがズレている役を演じてきたのだが、本作の美都は、そのズレが極限まで達しているように見える。 美都のおかしさが一番出ているのはモノローグだろう。 モノローグとは、心の中でつぶやく声。つまり、表には出さない本音なのだが、美都の場合「モノローグぶりっこ」とでもいうような、普段の芝居より、かわいらしいトーンとなっている。 例えば第1話。勢いで有島とホテルに入った美都は「私、今きっと、もんのすごく悪いことしている。こんなの間違ってる」「だけど今、どうしようもなく幸せ」と、心の中でつぶやく。 一見、不倫に対する罪悪感を告白しているように聞こえるが、声のトーンが普段の演技よりも軽いので「コイツ、楽しんでるな」という、浮かれた感じの方が、際立っている。 第6話で、有島にLINEのメッセージを送る場面も、おかしい。 美都からすれば、「ちょっと聞いてよ」程度の軽いトーンなのだろうが、返信が来ないのにメッセージを延々と送り続ける美都の振る舞いは、粘着ストーカー女そのものだ。 LINEを送る場所が、夫から逃げて泊まっているカプセルホテルというギャップも、見ていてゾワッとするのだが、画面に映っている波瑠の演技はシリアスなのに、心の声や文字は明るいトーンなので気持ち悪いものになっている。これが、主観ではキラキラとした純愛でも、客観的に見れば周囲に迷惑をかけているだけという「不倫の身もフタもない現実」を浮き彫りにしている。 美都のような女を演じることは、わかりやすい悪女を演じることの何倍も難しいことだろう。しかし、波瑠は現実と内面のズレを通して、美都の中にあるいびつさを見事に体現している。 なお、波瑠は自身のブログで「私は美都には共感できないけど、毎日やらなきゃ仕方ない」と書いている。 共感できないと言い切ってしまうクールな距離感は、実に波瑠らしいと思う。 (文=成馬零一) ●なりま・れいいち 1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。『あなたのことはそれほど』(TBS系)
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くりぃむしちゅー有田哲平のプロレス愛が炸裂!『有田と週刊プロレスと』
『有田と週刊プロレスと』がない水曜日がやってくるだなんて……。いま、そのくらいの喪失感がある。自分に「有田ロス」が訪れるとは想像もしていなかった。 昨年11月末の配信開始以来、毎週水曜に更新されてきたAmazonプライム限定コンテンツ『有田と週刊プロレスと』が5月10日、第1シーズンの最終回を迎えた。先週は習慣のごとくAmazonプライムのページを訪ね、ついバックナンバー25話を一気に振り返ってしまったほど。今週も、また同じことをしてしまいそうである。 プロレスとは、人生の縮図。「週刊プロレス」とは、人生の教科書。くりぃむしちゅー有田哲平が毎回1冊の「週刊プロレス」(ベースボール・マガジン社)をテーマに、語って、語って、語りまくり、プロレスから学ぶべき人生の教訓を伝授する……それが『有田と週刊プロレスと』。とにもかくにも、プライム会員であれば一度見ていただきたいし、まだ会員でないならば『有田と週刊プロレスと』を見るために会員になってもいいと思う。 この番組の素晴らしい点はいくつもあるのだが、大きくは3つ。プロレス初心者も詳しい人間も、共に楽しめる点。そして、「プロレスの歴史」を懇切丁寧に、何度でも解説してくれる点。そして、映像が使えない、という枷(かせ)を感じさせない。というか、その枷があるからこそ、光ってくる有田の話芸にある。 まず、秀逸なのが、MC有田以外の配役だ。有田と共にMCを務めるのは、元AKBの倉持明日香。女性タレント随一のプロレスファンだ。得てしてこのポジションには、プロレス初心者の女性タレントを配置しがち。だが、プロレスについての素養を持つ倉持が、プロレスマニアに向けた目線で番組進行に徹してくれるから、番組としての熱量が終始高いまま推移する。 一方で、毎回登場するゲストには、多くの場合プロレス初心者、またはかつては見ていたけど……という、ここ最近のプロレス事情に詳しくない人選でバランスを取っていた。 序盤ゲストの綾部祐二(ピース)は、プロレスについてまったくの素人。その綾部が、回を追うごとに知識を身につけていく過程もまた面白い。それもこれも、知識がなくてもその世界観に引っ張り込んでいく有田の話芸があればこそだ。 以降、福田充徳(チュートリアル)→田中卓志(アンガールズ)→武井壮と、少しずつ、プロレスやスポーツについての知識量・マニアック度が高めのゲストに推移していき、中盤ではついに水道橋博士(浅草キッド)とケンドーコバヤシという、芸能界でも有田と並ぶプロレスマニアが登場。一気に熱量をMAXに持っていくかと思いきや、その後に、綾部以上のプロレス初心者・元AKBの宮澤佐江が登場。その宮澤に対して、AKBやアイドルに喩えながら、プロレスの歴史をわかりやすく説明しようとする有田の姿勢にも好感が持てた。 この1~2年ほど、「プロレスブーム再燃」といわれて久しい。ただ、プロレスにあまり詳しくない筆者からすると、どうにも「プロレス村」で騒いでいるだけのような印象を受けることもあった。そもそも、なぜブームが再燃しているのか? 過去のブームと今のブームは、どう違うのか? それを端的に解説してくれるコンテンツは、これまであまりなかった。 そこに目をつけたのがこの『有田と週刊プロレスと』。熱量高く、でも決してマニアックに振り切ることなく、毎回毎回、全日と新日の歴史的な背景から振り返り、それぞれのキーマンとなるレスラーの位置付け、キャラ付けを解説してくれる。 ある回で、有田自身がこう発言したことがあった。 「(エンタテインメントは)歴史を知れば知るほど、もっと楽しめるんです」 たとえば、第7回の「天龍・全日離脱事件」と、その続編ともいえる第12回の「天龍・全日劇的再会」エピソード。ちょうど収録のタイミングは、SMAP解散騒動で揺れていた昨年末。明示こそしなかったが、全日の内紛劇を通してSMAP解散についても語っているのは明らかだった。 「どんなに憎しみ合っても、いずれは時が解決し、わかり合える日が来る」と説いた有田。その、いつか来るはずの「わかり合える日」に向けて、「歴史を学ばなければならない」と有田は熱弁を振るう。 有田の話芸が際立つのは、プロレスの肝ともいえる「試合映像」が使えない点にある。それでも、「週刊プロレス」の過去記事と写真、そして、さまざまな歴史的シーンに居合わせたかのような有田のモノマネ再現によって、映像がないという弱みを感じさせないどころか、よりわかりやすく、面白くプロレスの知識を高めることができるのだ。 『世界一受けたい授業』(日本テレビ系)では終始、生徒役の有田。だが、実は誰よりも先生役、というか「伝道師」が似合っている。この番組における有田は、まさに「プロレス伝道師」であり、「プロレス宣伝部長」なのだ。 第2シーズンがあるかどうかは未定、と最終回で語った有田。だが、間違いなく第2シーズンはやってくるはず。 「人生とは100m走ではなく、終わりのないマラソンのようなものである」 有田自身がこう語ったように、伝えたい話題もプロレス愛も、マラソンのようにまだまだ長い道のりがあるはずだから。その来たるべき新シーズンに向け、ぜひ一度Amazonプライム『有田と週刊プロレスと』のページを開いてみるのをオススメしたい。 (文=オグマナオト) ◆「熱血!スポーツ野郎」過去記事はこちら『有田と週刊プロレスと』公式サイトより
北朝鮮の星矢ヲタ再び! 『聖闘士星矢』実写化に「すごく期待してます」
『聖闘士星矢』のハリウッド実写化が発表されました。Yahoo!ニュースのトップでも取り上げられるほど、注目を集めているようです。 実写化については昨年からファンの間では、話題になることもありましたが、まさか実現するとは……。漫画の実写化は日本ですらファンを満足させることが難しいのに、ハリウッドとなると不安以外の要素が見当たらないというのが正直なところです。案の定、困惑が広がっています。 そこで、昨年本コラムで取り上げた(参照記事)北朝鮮の星矢ファン・趙さん(東アジア滞在中)は、このニュースをどう見たのか!? さっそく連絡を取ってみました。 *** ――お久しぶりです。『聖闘士星矢』のハリウッド実写化が決まりましたね。これについて、どう思いますか? 「ものすごく期待していますよ! もう期待しかないでしょう」 ――えっ、本当ですか? 日本では、どちらかといえば不安 が広がっているようですが……。 「僕、楽観的すぎますかね?」 —――具体的に、何を期待しているんですか? 「配役からラストシーンの美術効果まで、全部ですよ! とても挑戦的な着想だと思いますよ」 ――確かに、聖衣などはちゃんと作ってほしいと思いますが、世界観が壊れないか不安です。同じく『ドラボンボール』が実写化された際には 、かなりのファンが失望していたのは事実ですから。 「世界観って、実写化したからといって、そんなにたやすく壊れるものですかね? CG技術が補ってくれると、僕は思っているんですが。『ドラゴンボール』が失敗したのは、投資額が少なかったからではないですか?」 ――資金さえうまく集まれば、成功すると? 「基本ですよ、やっぱり。CGは 、お金がかかりますから」 ――実は、過去に日本でも『星矢』舞台化しているんですよ。SMAPというトップアイドルグループが演じたことで話題になったのですが(写真を見せる)。 「誰が何役を演じているのかわかりませんね、これは(笑)」 ――中央の右側が星矢です。 「(笑)」 ――実写化するということは、こういうことなんです。 「だからこそ、ますます期待できるじゃないですか! 過去の失敗だけで、未来を否定することはできませんよ。ところで、日本のファンは『聖闘士星矢Legend of Sanctuary』(2014年公開のフルCG映画)についてはどう思っているんですか? 僕、中国でちょくちょく見るんですけど」 ――これは評価が分かれましたね。おおまかには、「もはや別の作品として見るべきだ」という声と、「これはこれで良いんじゃないか」という声の2つ でした。ただ、CGを駆使しても、実写版がこうなるかどうかはわかりませんね。 「そうですね(笑)」 *** 短いやりとりしかできませんでしたが、日本のファンと違って、純粋に期待している様子でした。 何よりも「過去の失敗で、未来を否定することはできない」という車田 マインドを体現するかのような発言は、星矢ファンとして大切なものを思い出させてくれました 。 余談ではありますが、先日、某脚本家と話していたら「展開が強引な車田作品は、ボリウッドにこそ適している」という話になりました。 たとえば『リングにかけろ』 で主人公がギャラクティカ・マグナムを放つと背景に宇宙空間が広がり、次のシーンで対戦相手が体育館の天井を突き破るといった車田作品特有のジェットコースター感を表現するには、ボリウッドが適していると。確かに、ボリウッドメイキング版なら、しっくりくるかもしれません。 ともかく、実写版が成功してくれることを、私もファンのひとりとして願っております! ●やす・やどろく ライター、編集者。都内大学院の心理学部在籍中。元朝鮮青年同盟中央委員。政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>『聖闘士星矢30周年記念画集 聖域-SANCTUARY-』(宝島社)
ハイクオリティなHBO作品を独占配信! Hulu無料お試し期間中に見るべき3作
お試し期間中にトライしたい配信サービスのオススメドラマ(参照記事1、2)。トリを飾る第3弾は、Huluだ。Hulu制作のオリジナル・ドラマだけでなく、日本初上陸の最新ドラマの独占配信やCS局FOXの見逃し配信FOX PLAYにも対応している点が特徴だ。
■『エメラルドシティ』
その中でもオススメの1本が、先日DVDがリリースされたばかりの話題のダーク・ファンタジー『エメラルドシティ』だ。かつて何度も映像化された名作『オズの魔法使い』をベースに、オズを支配する魔女や魔法使いの壮絶な覇権争いを描いていく本作。20歳の看護師・ドロシーは、巨大竜巻に巻き込まれ、異世界のオズへとたどり着く。不可抗力で東の森の女王である魔女を殺してしまった彼女は追われる身となりながら、かかしのように張り付けにされ、瀕死の状態だった記憶喪失の元兵士ルーカスと共に、魔法使いが支配するオズの都エメラルドシティを目指していく。ドロシーは大人になり、脳を求めたカカシは記憶喪失の兵士へと変貌。心を探すブリキの木こりや臆病なライオンがどのような形で登場するのかにも注目だ。原作で悪い魔女とされていた西の魔女だけでなく、オズの魔法使いも南の良き魔女とされているグリンダも、かなりいわくありげな人物となり、ダイナミックな人間ドラマが展開される。映画『ザ・セル』や『落下の王国』など、その独特の映像美で知られるターセム・シン監督がシーズン1全10話を監督している点も重要なポイント。アメリカのドラマは基本エピソードごとに監督が代わるが、一人ですべてを監督することで、そこには映画と同じように担当した監督の美学が強烈に反映される。その映像美は、やはり見応え抜群。3月から週1ペースで先行配信している本作だが、すでに全話そろったので、お試し期間中にイッキ見することも可能だ。 ■『マジシャンズ』
ダーク・ファンタジーでもう1本、オススメしたいのが『マジシャンズ』だ。レヴ・グロスマン原作の世界的ベストセラー・ファンタジーを映像化した本作は、大人版ハリー・ポッターと呼ばれる注目作。子ども向けのファンタジー小説『フィロリー』シリーズに夢中で大学生になっても周囲に馴染めない主人公クエンティンが、その魔法の才能を認められ、魔法大学ブレイクビルズに入学したことから始まる成長物語だ。最初からその才能を大いに発揮し、(敵も多いが)人気者だったハリー・ポッターと違い、本作の主人公クエンティンは、完全にぼっちポジション。才能はあれど、自分になかなか自信が持てずに能力をうまく発揮することができない。しかしそんな彼だからこそ、謎の怪人ビーストに追われ、たびたび窮地に陥りながら不器用に少しずつ成長していく姿は、魔法というチートな能力者ぞろいの中でよりいっそう共感を深めていく。魔法世界を舞台にした青春ドラマというラノベ的な舞台でありながら、なかなかにエグいビジュアルや人物描写で、お子様向けのファンタジーとは一線を画すドラマに仕上がっているのもここでオススメしたいポイントだ。 ■『ニュースルーム』
ファンタジーばかりオススメしてもなんなので、最後の1本は社会派ドラマを。新作ドラマの独占配信だけでなく、アメリカのハイクオリティドラマの代名詞であるHBO作品の独占配信をしているのもHuluの大きな特徴。以前紹介したダーク・ファンタジーブームを決定付けた『ゲーム・オブ・スローンズ』ほか、これまで未上陸だった秀作ドラマも続々配信されている。中でもイチオシなのが、WOWOWで放送されたきり、DVD化もされていない隠れた名作『ニュースルーム』だ。アメリカン・ドラマ史に残る傑作『ザ・ホワイトハウス』を手掛け、映画『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞脚色賞を受賞したアーロン・ソーキンが製作総指揮・脚本を務める本作は、ニュース専門のケーブル局ACNを舞台に、ニュース番組『ニュース・ナイト』のアンカー、ウィル・マカヴォイを中心とした人間模様を描いていく。ドラマで扱うのはすべて現実に起こったニュースばかり。その事件が起こった時、報道に携わる人間たちがいかにしてその出来事に向き合い、どういう形でニュースにしていくのか、ニュース番組の製作の裏側をスリリングに描いていく。熾烈な視聴率争いや強烈な出世欲で激しくぶつかり合いながらも真実を追求していく彼らの姿を通して描かれるニュースの世界は、ソーキンらしい理想主義に満ちている。現実にはそう理想を追求できるわけでもなく、どこかで妥協していくことも多い。それでも真摯に自らの職務に向き合う彼らを見ていると、明日も仕事頑張ろうと、ほんのりとした勇気が湧いてくる。少し前の作品ではあるが、GWが終わってまた仕事に追われる日常に戻る今だからこそ、ぜひとも見てほしいドラマだ。 ●まくた・ちひろ 映画・海外ドラマライター。『日経エンタテインメント!海外ドラマSpecial』『ゲーム・オブ・スローンズ パーフェクト・ガイド』(日経BP社)、『海外ドラマTVガイド WATCH』(東京ニュース通信社)、『映画秘宝EXドラマ秘宝vol.2~マニアのための特濃ドラマガイド』(洋泉社)等に寄稿。Twitterアカウントは@charumin
ハイクオリティなHBO作品を独占配信! Hulu無料お試し期間中に見るべき3作
お試し期間中にトライしたい配信サービスのオススメドラマ(参照記事1、2)。トリを飾る第3弾は、Huluだ。Hulu制作のオリジナル・ドラマだけでなく、日本初上陸の最新ドラマの独占配信やCS局FOXの見逃し配信FOX PLAYにも対応している点が特徴だ。
■『エメラルドシティ』
その中でもオススメの1本が、先日DVDがリリースされたばかりの話題のダーク・ファンタジー『エメラルドシティ』だ。かつて何度も映像化された名作『オズの魔法使い』をベースに、オズを支配する魔女や魔法使いの壮絶な覇権争いを描いていく本作。20歳の看護師・ドロシーは、巨大竜巻に巻き込まれ、異世界のオズへとたどり着く。不可抗力で東の森の女王である魔女を殺してしまった彼女は追われる身となりながら、かかしのように張り付けにされ、瀕死の状態だった記憶喪失の元兵士ルーカスと共に、魔法使いが支配するオズの都エメラルドシティを目指していく。ドロシーは大人になり、脳を求めたカカシは記憶喪失の兵士へと変貌。心を探すブリキの木こりや臆病なライオンがどのような形で登場するのかにも注目だ。原作で悪い魔女とされていた西の魔女だけでなく、オズの魔法使いも南の良き魔女とされているグリンダも、かなりいわくありげな人物となり、ダイナミックな人間ドラマが展開される。映画『ザ・セル』や『落下の王国』など、その独特の映像美で知られるターセム・シン監督がシーズン1全10話を監督している点も重要なポイント。アメリカのドラマは基本エピソードごとに監督が代わるが、一人ですべてを監督することで、そこには映画と同じように担当した監督の美学が強烈に反映される。その映像美は、やはり見応え抜群。3月から週1ペースで先行配信している本作だが、すでに全話そろったので、お試し期間中にイッキ見することも可能だ。 ■『マジシャンズ』
ダーク・ファンタジーでもう1本、オススメしたいのが『マジシャンズ』だ。レヴ・グロスマン原作の世界的ベストセラー・ファンタジーを映像化した本作は、大人版ハリー・ポッターと呼ばれる注目作。子ども向けのファンタジー小説『フィロリー』シリーズに夢中で大学生になっても周囲に馴染めない主人公クエンティンが、その魔法の才能を認められ、魔法大学ブレイクビルズに入学したことから始まる成長物語だ。最初からその才能を大いに発揮し、(敵も多いが)人気者だったハリー・ポッターと違い、本作の主人公クエンティンは、完全にぼっちポジション。才能はあれど、自分になかなか自信が持てずに能力をうまく発揮することができない。しかしそんな彼だからこそ、謎の怪人ビーストに追われ、たびたび窮地に陥りながら不器用に少しずつ成長していく姿は、魔法というチートな能力者ぞろいの中でよりいっそう共感を深めていく。魔法世界を舞台にした青春ドラマというラノベ的な舞台でありながら、なかなかにエグいビジュアルや人物描写で、お子様向けのファンタジーとは一線を画すドラマに仕上がっているのもここでオススメしたいポイントだ。 ■『ニュースルーム』
ファンタジーばかりオススメしてもなんなので、最後の1本は社会派ドラマを。新作ドラマの独占配信だけでなく、アメリカのハイクオリティドラマの代名詞であるHBO作品の独占配信をしているのもHuluの大きな特徴。以前紹介したダーク・ファンタジーブームを決定付けた『ゲーム・オブ・スローンズ』ほか、これまで未上陸だった秀作ドラマも続々配信されている。中でもイチオシなのが、WOWOWで放送されたきり、DVD化もされていない隠れた名作『ニュースルーム』だ。アメリカン・ドラマ史に残る傑作『ザ・ホワイトハウス』を手掛け、映画『ソーシャル・ネットワーク』でアカデミー賞脚色賞を受賞したアーロン・ソーキンが製作総指揮・脚本を務める本作は、ニュース専門のケーブル局ACNを舞台に、ニュース番組『ニュース・ナイト』のアンカー、ウィル・マカヴォイを中心とした人間模様を描いていく。ドラマで扱うのはすべて現実に起こったニュースばかり。その事件が起こった時、報道に携わる人間たちがいかにしてその出来事に向き合い、どういう形でニュースにしていくのか、ニュース番組の製作の裏側をスリリングに描いていく。熾烈な視聴率争いや強烈な出世欲で激しくぶつかり合いながらも真実を追求していく彼らの姿を通して描かれるニュースの世界は、ソーキンらしい理想主義に満ちている。現実にはそう理想を追求できるわけでもなく、どこかで妥協していくことも多い。それでも真摯に自らの職務に向き合う彼らを見ていると、明日も仕事頑張ろうと、ほんのりとした勇気が湧いてくる。少し前の作品ではあるが、GWが終わってまた仕事に追われる日常に戻る今だからこそ、ぜひとも見てほしいドラマだ。 ●まくた・ちひろ 映画・海外ドラマライター。『日経エンタテインメント!海外ドラマSpecial』『ゲーム・オブ・スローンズ パーフェクト・ガイド』(日経BP社)、『海外ドラマTVガイド WATCH』(東京ニュース通信社)、『映画秘宝EXドラマ秘宝vol.2~マニアのための特濃ドラマガイド』(洋泉社)等に寄稿。Twitterアカウントは@charumin
ポスト中居・中丸雄一 黒柳徹子の暴言を真正面から受け止めるハガネの精神力
どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。 今回取り上げるのは2度目の登場、KAT-TUNの中丸雄一。以前、本連載で「彼のブレークは機が熟している」とつづったが(参照記事)、いまやその期待を上回る活躍ぶりを見せている。現在放送中の連ドラ『マッサージ探偵ジョー』(テレビ東京系)に主演するほか、月曜夜7時からの『世界ルーツ探検隊』(テレビ朝日系)では司会に挑戦。業界関係者の間では「ポスト中居」の呼び声も高い。 ここからは、『ルーツ探検隊』の番宣のために出演した『徹子の部屋』(同)を振り返ってみたい。徹子の投げる「直球」をよけようともせず、真正面で受け止める中丸のタフな精神力を感じていただきたい。一例を挙げよう。 KAT-TUNの話をしているときのことだった。画面には亀梨和也、上田竜也、そして中丸の3ショット写真が出ているにもかかわらず、その写真を見た徹子は「この中で、あなた、どれなの?」と、まさかの質問。3人とも、顔が同じに見えたのだろうか? だが中丸は真顔で、「僕は右です」「右が中丸っていいます」。 さらに、彼が得意なボイスパーカッションを披露するときのこと。中丸の座るソファにマイクが置かれたのを見て、徹子は「あっ、マイクロフォンが来た。そうすると何やる?」という雑な“ふり”。それに対しても中丸は律義に「口でドラムの音を模写する趣味がありまして。ボイスパーカッションっていうんですけど」と説明。 この後の徹子の発言もまた、ひどいものだった。「とにかく見せるもの見せて」。そんな愛のない注文にもめげることなく、『徹子の部屋』という言葉をうまく織り交ぜながらボイパを繰り出す中丸。披露した後の徹子の第一声は、「かわいい」。「ボイスパーカッションがかわいい」とは、どういうことなのか……。 徹子の自由すぎる進行は、まだまだ続く。中丸が絵を描くのが好きという話の最中、「それからあなた、あれなんでしょう。『ルーツくん』というものを考えたんだって? なんなの、『ルーツくん』って?」 そのぶっきらぼうすぎる質問にも中丸は、「今夜始まる新番組があるんですけれども、それの番組内で出てくるキャラクターです」と、きちんと答えている(ここでルーツくんのイラストが画面に出る)。「へぇ、これ。へぇ」と興味なさそうに感心する徹子。 そんな新番組の説明をひとしきりしたあと、徹子が意表を突く質問を。「で、あなた、司会かなんかなさるの?」。中丸が司会をすることを知らずに番組収録に臨む徹子って……。 さらにその直後、「好きな食べ物はありますか?」と聞き始めるフリーダム徹子。だが突然の質問にもたじろぐことなく、「お肉ですね。好きな部位はハラミです」と即座に答える中丸。意外にも徹子は肉好きだったようで、最後は一緒に焼き肉に行く約束をして終わった。 そしてエンディングで徹子がメチャクチャなシメを……。「中丸雄一さんという方です、覚えてくださいね、みなさん。『ルーツ君』は今晩から放送です。跳んだり、はねたり……(3秒間の沈黙)すごい苦労の中で仕事してらっしゃる方です」……もはや、どこを突っ込んでいいのかわからない。 いずれしても『徹子の部屋』という、正気の人間なら生きて帰ってはこられない地獄のラビリンスにも「帝王」は堂々と立ち向かっていた。考えてみれば、KAT-TUNが充電期間に入って1年後の、同じ5月1日に彼がゴールデン番組の初MCに就任したのは因縁めいたものも感じるし、その初回視聴率が5.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)だったのも、ある意味、運命なのかもしれない。 (文=都築雄一郎)
リアーナ、ケンダル、アシュリー……『METガラ2017』のセレブの豪華衣装をチェック!
毎年5月に、ニューヨークのメトロポリタン美術館衣装研究所が開催している、運営資金集めを兼ねたイベント「METガラ」。1946年から続く由緒あるこのイベントでは、その年の展示会のテーマを取り入れたフォーマル・ファッションで出席することがルール。「METガラ」の主宰を95年から務めているのは、米版「VOGUE」の名物編集長アナ・ウィンター。ハリウッドにも大きな影響力を持つ彼女が招待客を決めることから、選ばれたセレブたちは並々ならぬ気合を入れて出席する。
5月1日に開催された本年度のテーマは、「コム・デ・ギャルソン」の創始者で日本を代表するファッションデザイナーの川久保玲。彼女のブランドを着用せずとも、テーマに即したファッションであればOKなのだとか。出席したセレブたちは一体どんな衣装で「川久保玲」を表現したのか。彼女たちのインスタグラムでチェックしてみよう!
清純派イメージを完全に払拭! 『架空OL日記』で夏帆が放つ、等身大の魅力
土曜の深夜に放送されている『架空OL日記』(日本テレビ系)は、バカリズムが原作・脚本を務めるドラマだ。描かれるのは普通のOLの淡々とした日常だが、主人公のOLをバカリズムが女装して演じている以外は、おかしなことは何も見当たらない。 逆に言うと、バカリズムが女装していることの説明が一切ないので、その異常さが際立っている。なんというか、頭がおかしい男が女装してOLに紛れ込んで、私生活を盗撮しているみたいな気持ち悪さが根底にある。 原作は過去にバカリズムが書いていたブログなのだが、芸人でありながら普通のOLのふりをして3年間もブログを書いていたということ自体、ただならぬ狂気を感じさせる。 おそらく、ドラマ内ではその異常性については最後まで説明されないまま終わるのだろうが、本当に異常なものとは退屈な日常に溶け込んでいると、本作は教えてくれる。 バカリズムはフジテレビ系で書いた『素敵な選TAXI』や『かもしれない女優たち』といった作品で注目されてきたが、日本テレビ系の深夜ドラマで『黒い十人の女』『住住』に続いて執筆した本作で、ドラマ脚本家として完全に覚醒したといえるだろう。 おそらく、バカリズムの作家性は、奇抜なシチュエーションを思いつく瞬発芸ではなく、日常生活の細部を執拗にのぞき込む観察力にこそあるのだろう。OLの家と職場の往復を淡々と描く本作では、バカリズムの観察芸が存分に味わえる。 そんな本作で、自然体の演技を見せているのが、同僚の真紀ちゃんを演じる夏帆だ。 真紀ちゃんは体育会系の女の子で、仕事の後に通っているジムでは体を鍛えるのに本気になりすぎて、インストラクターと間違えられる。真紀ちゃんとバカリズム演じるOLがウワサ話をしている場面では、盗撮されたものを見ているような面白さがあるのだが、あまりにも自然な演技に驚かされる。 それにしても、夏帆も随分遠くまで来たなぁと思う。 現在は主人公の友人役のような脇役で光る演技を見せることが多い夏帆だが、2004年に美少女女優の登竜門といえる「三井のリハウス」のCMに、第11代リハウスガールとして出演して以降、注目されるようになり、宮崎あおいや堀北真希も出演した人気ドラマシリーズ『ケータイ刑事 銭形零』(同10月~05年3月/BS-i)などに起用。絶世の美少女として、圧倒的な存在感を見せていた。 子犬のようなあどけない表情と黒髪ロング、実は隠れ巨乳というプロポーションの絶妙さは、多くの美少女マニアを熱狂させた。今でも、あの頃の夏帆を神格化しているファンは多い。 原田知世や広末涼子など、狂信的なファンを引き寄せてしまう美少女が時代時代に存在するが、2000年代の夏帆は、まさにそういう存在だった。 しかし、10代前半であまりにも完成されてしまった夏帆の美少女性は極めて危ういバランスの上に存在していて、いつ崩れてもおかしくない儚さがあった。 おそらく、ピークが頂点を迎えたのは田舎の女子中学生を演じた映画『天然コケッコー』(07年)だろう。それ以降の夏帆は、美少女なのだが、それ以前とは微妙なズレが生じてしまったように感じた。10代前半で美少女として世に出た女優が抱えてしまう、美しいがゆえに疲れた感じが、顔ににじみ出ているように見えた。 思うに、10代後半の夏帆は10代前半の夏帆と比較されることで、輝きを失っていき、美少女としての自分を過去の自分によって終わらされてしまったのだろう。 もちろんこれは、一視聴者の身勝手な見解である。 しかし、正統派美少女ヒロインしか演じられないことに対する焦り、しかも演じれば演じるほど、過去の自分と比較されて、容姿が衰えたと思われることへの危機意識は大きかったのではないかと思う。 そのためか、20代に入ると、過去の美少女イメージを崩すような役を積極的に演じるようになっていく。 映画版『任侠ヘルパー』(12年)では、派手な格好をしたキャバ嬢を演じ、園子温が監督を務めたドラマ『みんなエスパーだよ!』(13年/テレビ東京系)では、ヤンキー女子高生を演じ、清純派美少女路線から脱却していく。 その挑戦と努力に感心しつつも、夏帆が大人っぽい役を演じるたびに胸が切なくなった。美少女時代の自分自身を振り払おうとしているようで、見ていて痛々しく感じた。 違和感がなくなったのは、是枝裕和の映画『海街diary』(15年)に出演して、高い評価を獲得したあたりからだろう。 カンヌ映画祭に参加した時の画像が「劣化した」とネットで話題になったりもしたが、むしろ、この時期には美少女時代のイメージを完全に払拭したように感じ、安心した。 今の夏帆は、どんな役でも違和感なく演じられる強い安定感がある。 『架空OL日記』の真紀ちゃんも、髪形がショートだというのもあるだろうが、すぐ隣に居てもおかしくない、普通のかわいい女の子である。 あの頃の夏帆はもういない。しかし、普通のOLを演じる大人の夏帆は、当時とは違う親しみやすい等身大の魅力を放っている。 (文=成馬零一) ●なりま・れいいち 1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。『架空OL日記』公式サイト
沈黙続く松田聖子に、娘・沙也加を祝福する資格ナシ!? 乱れきった男関係は、いまだ断ち切れず……
神田沙也加が9歳年上の俳優・村田充と電撃結婚したが、母親の松田聖子はいまだに沈黙を守ったままだ。父親である神田正輝が早々にお祝いコメントを出し、沙也加や村田とのスリーショット写真を公開したのとは対照的だ。このことからも、通常の母子関係ではないことがわかるが、2人に何があったのか? 沙也加は2002年に歌手デビュー。05年に一回り年上で、バツイチのロックギタリストとの同棲が発覚するも、聖子の大反対に遭い、勘当されている。結果、聖子の個人事務所に所属していた沙也加は、約1年半の間、芸能活動休止を余儀なくされたのだ。 しかし、当の聖子は神田と結婚する前は郷ひろみと交際しながら、真田広之や奥田瑛二、羽賀研二といった、ドラマや映画で共演した男たちと次から次へとウワサになるだけではなく、コンサートをサポートするバンドマンとも交際がささやかれるほど男性関係が乱れていた。当時、所属していたサンミュージックの相澤秀禎会長(故人)は、後になって筆者に、「マスコミにバレないようにガードするのが大変だった」と、苦労話を語っていたことを記憶している。 聖子は沙也加を妊娠中にも田原俊彦とウワサになったり、ライバルの中森明菜の恋人だった近藤真彦との“ニューヨーク不倫”が一部マスコミに暴露された。 貞操観念がない聖子に、娘の同棲を反対する資格などない。ましてや、勘当するなんて筋違い。しかし、沙也加は聖子に逆らえず、頭を下げて和解。聖子が東京・世田谷区の成城に建てた豪邸に、聖子の母親と一緒に暮らすようになったのだ。ところが、その後、豪邸に聖子の愛人とウワサされたマネジャーのK氏が住み始めた。 K氏は元格闘家の整体師で、聖子のマネジャーになる前は、ビートたけしの付き人だった。その立場を利用し、たけしの長女に接近。「結婚する」と言って、たけしから莫大な結婚支度金をもらった上に姿をくらましたのだ。 その後、K氏の行方をたけし軍団が追うと、聖子のマネジャーに収まっていたことが判明。狭い芸能界、K氏の素性はすぐに割れ、沙也加も聖子の母親もK氏を毛嫌いし、聖子の自宅を出て行った。 しかし、K氏との同棲生活を送っていた聖子がその後、3度目の結婚相手として選んだのはK氏ではなく、歯科医で慶應義塾大学医学部の准教授だった。結婚と同時にK氏は家を出て行った。その後、聖子がK氏を解雇したことで、沙也加と聖子の母親は「やっと手を切ってくれた」と喜んで、聖子との関係を修復した。 だが、別れたはずのK氏と聖子とのロス旅行が発覚したことで、再び母子関係は悪化。3年前の2月に、聖子は兄や母親が役員を務め、沙也加も所属する個人事務所「ファンテック」を離れ、K氏と新事務所「フェリシアクラブ」を設立して独立した。聖子が家族を捨てて元マネジャーを選んだことで、沙也加とは絶縁状態になったのだ。 その年の暮れには『NHK紅白歌合戦』に聖子と沙也加が共に出演。企画コーナーで沙也加が映画『アナと雪の女王』の挿入歌をニューヨークから歌う姿を見て聖子が涙を流して感動したことから「2人は和解した」ともいわれたが、現実は違った。娘の成長した姿を見て感動しない母親はいないだろうが、沙也加はそんな母を許していなかったのだ。 しかも聖子は、K氏と事務所を設立した直後に、歯科医の夫と暮らす成城の自宅から出て行ったという。さらに、今年に入って、聖子がいなくなった豪邸から夫の姿も見えなくなったという。聖子は、自分の人生を謳歌することで精いっぱいなのか? いや、愛娘の結婚を知っていたのに、蚊帳の外に置かれて忸怩たる思いをしている姿は想像に難くない。5月13日に行われる結婚パーティに顔を見せることができるのか、注目される。 (文=本多圭)
コンセプトはよかったのに……NHK『明石家スポーツ』さんまを“裸の王様”にする、過剰な「接待」演出
昨年末、明石家さんま「31年ぶりのNHK出演」としてニュースになった『第1回明石家紅白!』。この流れをくみ、“明石家ふたたび”と銘打って放送されたのが、5月5日の『明石家スポーツ』だ。祝日のゴールデン帯にこの番組を持ってきたNHKの意気込みがうかがえる。 企画コンセプトは、スポーツの技やルールが生まれた「決定的瞬間」「歴史的瞬間」を、芸能界で随一のスポーツ通・さんまが厳選してお届けする、というもの。 「このVTRはNHKしかそろわんぞ……と思ったら、予想以上にそろわんかったですね(笑)」 といきなりオチをつけ、実際、「映像提供TBS」といった具合に他局から借り受けたモノも多かったわけだが、コンセプト自体はとても素晴らしかったと思う。 『アメトーーク!』(テレビ朝日系)しかり、『マツコの知らない世界』(TBS系)に出てくる各界のマニアたちしかり。好きなことを好きなだけ語り尽くす番組は、その分野を知らない人間が見ても一種のカタルシスが生まれて心地いい。 今回の『明石家スポーツ』でも、NHKが調べた内容に関して「“俺調べ”とは違うんやけどなぁ……」「俺の記憶が正しければ……」「これはNHKと勝負や!」と、スポーツ知識の競い合い。さんまが語るうんちくや知識にもそれぞれ説得力があって、結果としてその「さんま知識」が違っていても、ひとつのエンタメとして成り立っていた。 また、NHKの番組でここまでWOWOWやスカパー!、DAZNといったほかの放送局の名称が出たことはいまだかつてないはず。意図せずにじみ出てしまった「NHKスポーツへの物足りなさ」も、見ていてちょっとおかしかった。 ただ、残念だったことが2点。 ひとつは、そのマニアックさを振り切れなかったこと。なぜ、スポーツを知らない女性タレントを配置するのか。NHKのゴールデンだから親しみやすく……という配慮なのだろうが、さんまの熱量についてこられないタレントは、番組そのものの熱量をも下げてしまっている。スポーツのマニアック度を下げておきながら、「笑い声」を足していた場面もあったのは見ていて歯がゆかった。 もうひとつが、さんまに対しての接待感だ。これは今回の『明石家スポーツ』に限らず、ここ数年、さんまがゲスト出演する番組でもたびたび見かけるもの。むやみに「お笑いモンスター」と持ち上げ、あおるのは、一体誰のためなのか? 接待感の一例が、海外一流アスリート(今回でいえば、アメリカのフィギュアスケーター、グレイシー・ゴールド)から、さんまへのビデオレター。これ、さんまがうれしいだけで、視聴者的にはポカーンと置いてけぼりにされるばかり。演者や番組スタッフが、視聴者ではなくMCさんまを見てしまっているのだ。結果、それがさんまを「裸の王様」化しているように感じてならない。 さんまのスポーツ知識に対して「すごい」「なんでそんなこと知ってるんですか?」と持ち上げるのではなく、「いやいやさんまさん、それ違いますよ」と切り返せる、さらなるスポーツマニアを配したっていいはずだ。 今回の番組であれば、小宮山悟や前園真聖、織田信成といった元アスリートがその役割を担っていたのかもしれないが、「専門性を見せつけよう」という気概よりも、やはり「いかにMCさんまが気持ちよくしゃべれるか」に気持ちが向いていたように感じられた(そもそも、その役割を元アスリートに求めることが違うはずだ)。 繰り返すが、さんまがスポーツのことをマニアックに語る、というコンセプト自体は間違っていない。実際、さんまのスポーツ知識・造詣の深さの一端を、今回の番組でも示すことができていた。第2回の放送があるのならば、その「マニアックさんま」を、もっともっと生かす布陣を期待したい。 (文=オグマナオト)









