電子書籍の販売数はふた桁増! キンドル販売を阻む”契約問題”とkoboへ吹く大手版元の逆風

【サイゾーpremium】より ──電子書籍元年!……といわれてはや数年。実際には電子書籍はいまだ普及しておらず、それらを読む端末も浸透していない状態だ。電子書籍が今後、一般層に浸透することは間違いない中で、アマゾンやグーグルなどの外資系企業や日本の出版社などが、その主導権を握るべく争いを繰り広げている現状を追った。
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とりあえず角川さえ押さえておけば、
オタク層は取り込める!?
「スマートフォンの普及率も20%を超え、日本ではモバイル革命が予測より早く起きている。特に、日本のスマホユーザーはショッピングに使う人が75%と世界で最も高い。これは大きな成長要因になる」  9月25日、独自のタブレット型端末「Nexus(ネクサス)7」を引っ提げて、日本市場に殴り込みをかけたグーグルのエリック・シュミット会長は、発表会見の席で日本市場への期待感をそう表した。アメリカ本国では、すでに提供されている端末とサービスだが、同日付で、電子書籍販売サイト「グーグル・プレイブックス」を、日本市場向けに開設した。だが、ここに至るまでには、紆余曲折があったようだ。ある出版社の社員は語る。 「グーグルから(Nexus 7の発売の)1カ月前に突然、電子書籍と端末の販売を開始すると聞かされ、『書籍を電書化してほしい』と依頼されて急いで用意した。同社は、2年前の東京国際ブックフェアで、2011年春にも電子書籍サービスを開始すると発表していたが、それから1年以上も遅れての発売となった。その間にもやり取りはあったが、グーグルと電子書籍の販売契約をしたのは1年くらい前。紀伊國屋書店やTSUTAYAのシステムと連動するという話も挙がっていたが、すべて立ち消えた」  それでも、このタイミングに参入したのは「6月にアマゾンが『キンドル日本語版』を”近日中”に発売するとの発表に対し、少しでも先にサービスインして、市場を占有したいという思惑からだろう」(出版社社員)と話す。  次代のメディアを担う存在として、海外における電子書籍市場の覇権争いが繰り広げられる中、日本でもやはり、アマゾン・キンドルへの注目度は高い。ある出版社関係者は「楽天のkoboやグーグルへの期待値を5とすると、アマゾンへのそれは10以上。その要因は、アマゾンが紙の書籍の販売で各出版社のシェアナンバーワンECサイトとなったこと。これだけ紙の本が売れるサイトで電子書籍を販売すれば、相当売れるのではないか」と、期待の高さを話す。  一方、アマゾンに先んじたいという思惑があるにもかかわらず、グーグルが参入に、これだけの歳月がかかったのはなぜか。実は、その理由のひとつが、「グーグル・プレイブックス」の作品ラインアップから見えてくる。同サービスでは、世界の4万8000社・400万点の電子書籍作品が購入できると謳うが、そのうちの日本語の作品数については公表できていない。なぜなら、同社のサイトには講談社、小学館、集英社などの大手や文芸系出版社の作品が見当たらず、圧倒的に少ないからだ。 「グーグルが発表している作品提供出版社は、角川グループ、PHP研究所、ダイヤモンド社、東洋経済新報社、主婦の友社など。最も売れるはずの大手出版社の名前はない。電子書籍の販売に関しては、取次を介さず大手・老舗出版社と直接販売契約を結ぶのが通例となっているが、大手出版社は、外資系企業であるいわゆるGAFMA(ガフマ:グーグル、アマゾン、フェイスブック、マイクロソフト、アップルの総称)と、直接契約を結ぶことについて警戒している。特に販売価格の決定権をめぐって、契約書の内容を再三に渡り見直しているようだ。アマゾンの上陸が延期されている理由も、日本の大手・老舗版元の作品がなかなか揃わないためだろう」(電子書籍関係者)  講談社・野間省伸社長も、今年の東京国際ブックフェアで「欧米の出版社でもこの5社は、共に事業を行うパートナーでありながらも競合する関係であるとして、出版業界の脅威ととらえている」と、ガフマとの契約締結について懸念を示しており、ほかの大手出版社からも同様の声は上がっている。 ■アップルの姿勢に対し、大手出版が取引を警戒  なぜ日本の大手出版社は、新しいビジネスチャンスであるはずのガフマとの契約を警戒するのか。それには次のような経緯がある。
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都内の某電気店。電書コーナーはどこもスペース
が小さく、取り扱いメーカーも少ない。本当にニ
ーズあるの?
 まず、10年5月に日本で発売されたアップル「iPad」のヒットを契機に、出版社は矢継ぎ早に電子書籍のアプリを提供し始めた。講談社や小学館も積極的にコミック作品などを提供し、アップストアは『最も電子書籍が売れる電子書店』との称号も得た。出版社は、こぞってアップルと直接販売契約を結び始めたのだが、雨後の筍のように湧いて出てくるアプリの許可申請に、アップルが業を煮やしたのか、10年7月に書籍の単独アプリによる登録がいきなり禁止となった。いわゆる電子書店アプリ(「紀伊國屋書店Kinoppy」など、複数の書籍を取り扱うアプリ)での申請でなければ却下されてしまうのだ。  加えて、アダルト関連コンテンツを排除したいアップルは、電子書籍の検閲も開始。下着の一部が見える女性や水着姿などの絵図がリジェクトされるようになった。こうした一方的な姿勢に、出版社内部では疑問の声が上がり始めた。  さらに、アップルへの不信を高めたのは、海外で日本の出版物の海賊版がアプリ化され、それをアップルが登録・販売していた事件である。村上春樹の『1Q84』(新潮社)、東野圭吾の『白夜行』(集英社)など、大御所の作品が次々とアップストアで販売されている事が発覚。10年12月、出版界は業界4団体の名でアップルに対して、アプリの削除とともに海賊版対策を講じるべきと抗議した。だが、アップル側の反応はかたくなで、権利侵害が明白であるにもかかわらず要請をしてもなかなか削除しなかったうえ、海賊版の対策のための、登録申請の審査基準も非公表のまま。こんな、日本とは異なるビジネス風土に、出版社は不信感を募らせていった。  一方、ガフマが日本の出版社との契約締結に苦労している間に、国内市場での覇権を握ろうとしているのが、カナダのコボ社を買収した楽天だ。今年7月に電子書籍専用端末「kobo Touch」を発売し、「楽天kobo」サイトで電子書籍の販売を開始した。  楽天の三木谷浩史社長は「端末は10万台以上売れ、作品も売れているので出版社も喜んでいる」と発言。電子書籍サービスに懸ける意気込みは相当なものだ。あるIT関連会社の営業担当者は言う。 「この事業は社長室直轄で、フロアも社長室と一緒。今、楽天社内で最も人員が増強されており、営業部員も4人から20人と増えている。発売当初に起こった端末の起動トラブルなどによる炎上事件もとりあえず終結したようだ」  楽天がうまいのは、同社が抱えている7500万人の会員向けにサービスを開放している点だ。今は電子書籍をkoboの端末かPC上でしか閲覧できないが、今年中にアンドロイド用アプリを提供してスマホにも対応予定だ。そこでも同社サービス共通のIDを使用し、顧客の囲い込みを進める。  だが、このkoboにも出版社からの逆風が吹いている。 「サービス開始前に、ほとんどの出版社が対応していないEPUB3(主流はPDF、XMDFなど)のファイル形式で作品提供を求められた。これには、同形式のファイルを作成できる業者を紹介してもらうなど、その対応には苦慮した。さらに、ビットウェイやモバイルブック・ジェーピーといった電子書籍を電子書店に卸す『取次』が持つ作品をあまり調達していない。これもシステムや取引条件の問題ではなく、単に日本国内ではEPUB3というファイルフォーマットの電子書籍がほとんど製作されておらず、取次でさえ供給できないからなのだ」(別の出版関係者)  同社の紙の本の通販サイト「楽天ブックス」と、koboのサイトとを統合すればアマゾンに対抗できうるが、システムがカナダの会社のものであるため、そう簡単にはいかないようだ。 ■電子書籍市場の覇権は販売サイトで決する  このようにガフマや楽天が、出版社との契約に四苦八苦している現在、国内の状況はどうか?  メイドインジャパンの電子書籍リーダーでは、楽天kobo以外に、ソニーの「リーダー PRS-T2」、シャープの「ガラパゴス」などがある。いずれもなかなかブレイクに結びついていないが、強力なプラットフォームを持つグーグルやアップルが自社サイトでの販売を推し進めているのに対し、これらの端末は、紀伊國屋書店ブックウェブプラスなど複数の電子書店サイトで電子書籍を購入でき、自由度は高い。タブレット&電子書籍専用端末のシェア争いが繰り広げられる中で、今後の電子書籍のシェア争いは、販売サイトの優劣に左右されてくるはずだ。  こうした販売サイトの優劣は、コンテンツの質と量がものを言う。日本では、今年設立された出版界が主導する出版デジタル機構が、経済産業省の「コンテンツ緊急電子化事業」を通じて6万点、5年後に100万点という目標を掲げて、電子書籍化を推進している。だが、ほぼすべての新刊を同時に電子化していく講談社のような熱心な会社は、まだ少数派だ。  また、日本には「電子書店パピレス」や「イーブックイニシアティブジャパン」など老舗の電子書籍販売サイトもある。パピレスは12年3月期決算で売上高は約47億円、イーブックは11年1月期決算で売上高は21億円と、両社とも二桁増で成長している。大日本印刷グループの「honto」は電子書籍と紙の書籍の販売をクロスオーバーさせた戦略を進めている。 「hontoでの電子書籍の月商は4000万円。そのうち講談社だけで1000万円あったこともある」(IT企業関係者)と好調なようだ。多くのマスコミではガフマの動きばかりが目立ってしまっているが、日本の電子書籍サイトも市場をけん引する大きな力であることを忘れてはいけない。  国内市場にとどまるにせよ、外資系企業と手を組むにせよ、日本の出版界がもっと電子書籍化を進めないと電子書籍の市場が活性化しないのは自明の理。ビジネスとしての旨みが見えないからと消極的にならず、電子媒体で新たな表現手法を開発していくことも出版社(表現者)に求められることだ。 (文・写真/碇 泰三) 【「サイゾーpremium」では他にも「で、結局電子書籍ってどうなのよ!?」に迫る記事が満載です!】電子書籍リーダーを業界の裏側から徹底比較――決定版・本当に使える電書リーダーはこれだ!キンドルに勝てないアップルが編み出した電子書籍の新概念iPadやスマートフォンの台頭でバブル到来! 電子書籍人気とアップルの"検閲" 問題
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【麻倉みな】爆弾テロに遭ったんです。

【サイゾーpremium】より
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(写真/石黒幸誠 go relax E more)
 縦横無尽に張り巡らされたネットワークの網の目にからめとられてしまった「囚われの美女」を演じてくれたのは、現在タレントや女優として活躍中の麻倉みなちゃん。普段のグラビア撮影とはちょっと異なった現場だったかもしれませんが、いかがでしたでしょうか? 「私コスプレが大好きなので、とても楽しかったです。コスプレといっても、ナースとかセーラー服とかみたいな型にハマったやつじゃなくて、今回でいうと怪獣のかぶりものとか、そういうちょっと変わったものですね。まるでファッションブランドの広告みたいに作り込まれてて、今後こういう世界にも挑戦してみたいなって思いました」
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(写真/石黒幸誠 go relax E more)
 みなちゃんはすらりとしたモデル体系なので、きっとアート系のお仕事もハマりそうですね。ところでみなちゃんは、7歳から11歳までお父さんの仕事の関係で南アフリカ共和国で生活していたそうですが……果たしてどんな生活だったんでしょうか? 「ケープタウンに住んでました。でも、外を出歩いた記憶がほとんどないんです。インターナショナルスクールがないので、普通に現地の学校に通ってたんですが、その送り迎えは必ずクルマでした」  やっぱり治安的に問題があるんですねえ。 「あまりに外に出歩けないので、パパがビリヤードとか、卓球台、ダーツ、カラオケ、プールなんかを用意してくれましたね。ただ、それでも自宅に2回も泥棒に入られたので、護身用にボーガンの練習をしたり、各部屋に必ず木刀を置いたりしてました。あと、家族でデパートに買い物に行った時も、駐車場で2つ隣のクルマが爆発するテロに巻き込まれたこともありましたね」  あわわ、それはシャレにならないですね……。 「でも南アは自然がいっぱいできれいな場所もたくさんあっていいところですよ。また個人的にも訪れてみたいなって思ってます」
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(写真/石黒幸誠 go relax E more)
 わかりやすいフォロー、ありがとうございます。でも、みなちゃんの芸能界入りを最後まで渋ったというお父さんが黙っていないような気もしますね。  ところで今月号のサイゾーは「IT企業」特集なんですが、みなちゃんにとって欠かせないIT関連のモノやサービスってありますか? 「iPhoneとパソコンですね。パソコンは主におうちで使っていて、YouTubeでK-POPのPV観たり、海外ドラマを観たりしてます。南ア生活で英語は問題なく話せるんですけど、使っていないと忘れちゃうので、海外ドラマで勉強してますね。iPhoneではLINEやカカオトークを使ってます」  ああ、今どきの女子ですねー。 「でも、本当はケータイなんてなければいいのにって思います。私、文通のほうが好きなんです。だって、友達がどんな文字を書くかも知らないなんて寂しすぎますよね」  あら、意外としおらしいお答え。強くて美しくて古風、みなちゃんのような女性を大和撫子っていうのかもしれませんね。 (熊山 准) (スタイリング/吉田奈緒美 AVGVST) (ヘア&メイク/KEIKO MORISAKI STIJL) あさくら・みな 1989年12月8日、神奈川県生まれ。B型。身長162センチ、B83W59H86。09年にスカウトで芸能界入り。11年に映画『僕たちは世界を変えることができない。』『メリーさんの電話』で女優デビュー。以降、ドラマ、映画、バラエティ番組を中心に活躍。今夏は、ドラマ『VISION─殺しが見える女─』(日本テレビ)に出演。地下アイドル役を熱演した。 公式ブログ「麻倉みなのとんでみ~な」〈http://ameblo.jp/mina-asakura/【「サイゾーpremium」では他にもアイドルたちのセクシーグラビアが満載!】【亜野芽】原宿系とは気合が違う!! “悪羅悪羅系女子”が夜の街で光り輝く【希志あいの】休みの日はネトゲ三昧なんです。【吉木りさ】ファンに気づいてもらえないんです。
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「ノマドの女王」安藤美冬×「百獣の王」武井壮 ノマドワーカー・サバイバル対談!

【サイゾーpremium】より ──今年『情熱大陸』への出演で注目を集めた安藤美冬氏。彼女が提唱するソーシャルメディアを駆使した「自由に生きるための働き方」というスタイルは、仕事に追われる世のリーマンたちの心を突き動かした。しかしその裏で、「いや、本物はこっちだろ!」と言われ、同時に注目を集めた人物がいる。家なしの本気ノマドライフを送るアスリート、武井壮氏。果たして真のノマドはどちらか? ついに直接対決の火ぶたが切って落とされる──!?
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(写真/奥山智明)
『ノマドワーキング』とは?……「ノマド」は「遊牧民」という意味。決まったオフィスなどではなく、カフェや公園、取引先のオフィスなどでノートパソコン、スマートフォンなどを駆使し、ネットを介して場所を問わずに仕事をするスタイルを、「ノマドワーキング」と呼ぶ。 武井 壮(以下、武井) 安藤さん、テレビに出演してましたよね。なんか『情熱大陸』(TBS系)みたいな番組だったような気が。 安藤美冬(以下、安藤) それ、『情熱大陸』ですね(笑)。 武井 あ、そうでしたか! 似たような番組いっぱいあるから。安藤さんがその番組に出演したときに、僕のツイッターにもすごい反響があったんですよ! 「武井壮のほうがノマドじゃねーか」みたいな(笑)。それで、安藤さんのことを知ったんですよね。 安藤 (笑)。私も武井さんのことはテレビで拝見しました。 ──では、お互いのことはご存じなんですね? 武井 申し訳ないんですけど、安藤さんがどんな活動やお仕事しているかはわからないですが……。 安藤 もともとは、集英社という出版社に勤務していました。 武井 「週刊少年ジャンプ」の!?
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安藤美冬氏。(写真/奥山智明)
安藤 そう、その集英社です(笑)。7年間、広告部ではファッション誌の広告営業、宣伝部では書籍単行本のプロモーションに関わる仕事をさせていただきました。そして2年前に退社して、フリーランスとしての活動を始めたんです。でも実は、退社する最後の最後まで、「自分はこの仕事をやるんだ」ということを決められないままで。武井さんみたいにアスリートとして生きる、みたいな一生を捧げるだけの(仕事の)対象も覚悟もなかった。それがコンプレックスだったんですけど、じゃあやりたいことが見つからないなら、それを逆手にとって「仕事相手に領域を決めてもらおう」と発想を転換させました。ソーシャルメディアを通じて日々自分のことを発信していくについれて、学校の講座を企画したり、ウェブサイトのディレクションをしたり、コワーキングスペースに対して働く視点を提供するアドバイザリー業務をしたりと、「安藤さん、こんな仕事をしませんか?」とさまざまな依頼をいただくようになったんです。 武井 それで、安藤さんがノマドワーキングの急先鋒といわれているわけだ。 安藤 時々勘違いされますけど、別にスタバでMacBook Airをいじってかっこつけて仕事するのがノマドワーキングじゃないんですよ(笑)。自分で好きな仕事を作り出したり、組織に縛られずに自由でありたいという欲求をワークスタイルに合わせて生きていくことの、選択肢のひとつとしてノマドがあるんです。ノマドワーカー自体は昔から一定数いましたし、別に新しい働き方でもなんでもないですけどね。 ──武井さん、安藤さんと自分のスタイルを比べてみてどうですか? 武井 まず、僕と一番大きく違うのは、僕は会社勤めをしたことがないということ。そういうことからは、身体能力だけで逃げ切ってやろうと思ってますから! ──そこまで断言されると、なんか心強いですね。 武井 で、僕は今もいわゆるノマド的な生活をしていますけど、もともと小学生の頃からその気持ちがあったんです。体育の授業は大好きだけど、週に3~4時間しかないじゃないですか。それ以外の時間は、ずっと嫌いな勉強の時間だったわけですよ。1日1時間好きな授業があっても、毎日4時間、1日の6分の1は嫌いなこと。6年間通ったら1年分ですよ! その頃から、「なんで楽しいことだけで選んじゃだめなのかなぁ?」と疑問に思っていて。それが今の僕の活動の根源になってますね。だから今は、ウキウキすることしかしてません。 安藤 すごく共感します! 今すぐ立ち上がって拍手したいくらい! 私はよく、「”What”から”How”の時代が来た」と言っているんですね。これまではどの会社に入って、なんの仕事をするか(What)が重要視されてきました。もちろん、それらも働くうえでの重要なポイントなのですが、これからの時代において大事なのは、どんなふうに人生を生きたいのか、そしてどんなふうに働きたいのか(How)だと考えています。まずやりたくないことを決めたり、ウキウキすることに動かされていったりする上で、最後にピースが埋まるように仕事がハマればいいと思うんですよ。私の場合は、そのHowを徹底して突き詰めたら、ノマドというスタイルに行き着いたんです。 ──なんだか、すっかり”ウキウキ”がお2人の共通テーマになってるようですが……そのウキウキを求めるようになった原体験ってあるんですか? 武井 僕が子どもの頃は、褒めてくれる人が身近にいなかったから、先生に褒められたり、友達に「壮君すごい!」って言われるのを渇望してたんですよ。承認欲求が強かったというか。だから今でも「武井壮すごい!」って言ってくれることに喜びを感じますし。 安藤 私の場合は、子どもの頃から「自由に自分らしく生きること」への強烈な憧れがあった気がします。身体が強いほうではなかったですし、小学校ではイジメに遭っていたこともありました。毎日図書館に通っては、「少年探偵団」とか「ホームズ」が繰り広げる冒険譚に心躍らせていて。こんな風に、かっこよく生きられたらどんなに素晴らしいだろうって思っていたような気がします。 ■ノマドは『ドラクエ』のようなものソーシャルメディアにマイナスなし! ──なるほど。お互いに子どもの頃の思いが今に生きているわけですね。そして、おふたりは、「ウキウキ」「ノマド的な生き方」という共通項のほかに、ツイッターをはじめ、ソーシャルメディアを頻繁に利用されているという共通点もありますよね。
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武井壮氏。(写真/奥山智明)
安藤 武井さんのブログやツイッターを拝見してたら、「百獣の王を目指す男」ってキャッチコピーが真っ先に目に入ってきましたよ! このコピーを使い始めたきっかけってなんですか? 武井 昔、オレゴンの山の奥でものすごく大きな鹿に出くわしたことがあって、奴を見た瞬間、「殺される!」って思ったんです。「今まであんなにトレーニングをがんばったのに、観光に来て、鹿に遭っただけでそれが全部終わっちゃうんだ……。こりゃいかーん!」と。それで、「なにごとも、準備しとかなきゃ簡単に終わっちゃう」ってことを痛感して、動物のことを調べ始めたんですよ。で、それを何かに生かせないかと考えていたところに、自分がウキウキする肩書をつけようと思いついて、「百獣の王だ!」って。 安藤 個人が誰でもメディアになれる状況では、言葉を作る能力、具体的には発信を受け取る側に自分がどんな人間なのかを伝えるための”キーワード化”がすごく重要なんですよ。私の場合は「ノマド」「セルフブランディング」「ソーシャルメディア」「フリーランス」という4つのキーワードを1年以上前に定めて、「この人は新しいワーク&ライフスタイルを実践している人なんだ」っていうイメージがツイッター上で拡散していくのを狙ったんです。でも、それを自然にやってしまう武井さんはすごいと思います! 武井 お、おお……分析されている。実はね、「百獣の王」をグーグルで検索したら、上位4つ目まで武井壮なんですよ! ライオンが5位! ライオンの長期政権だった「百獣の王」が今、日本国内のネット上では「百獣の王=武井壮」なんです! 安藤 すごい! やっぱり継続して発信し続けることって大事なんですよね。 ──おふたりとも順調に活動しているようですが、これまでピンチはなかったんですか? 安藤 実は、独立してから5カ月間は収入が「0」だったんですよ。会社員時代は毎月の給料やボーナスもかなりいい額をいただいていたこともあって、それが0になった途端、社会から「お前いらねーよ」って言われてるような気がして。その頃は本当にノックアウトされてましたね……。 武井 唯一のピンチは、100メートルのタイムが11秒台に落ちてしまった時ですね。僕は陸上を始めて、最初の100メートル走が10秒9だったんです。それからずっと10秒台をキープしてたんですよ。それがアメリカに渡ってゴルフを始めたら、走らないもんだから体力もなくなって、2〜3年もたつと体重も増えて、すげー足が遅くなっちゃって。100メートルが11秒7にまで落ちたんですよ。 ──それでも十分立派なタイムだと思うんですが……。 武井 いや、11秒台になるとスコアも伸びなくなって。それで日本に帰ってきてからトレーニングを強化して、今年、10秒台が出たんですよ。そしたらテレビにも出られて調子が上がってきたんです。武井壮は10秒台で走ってると最高なんだけど、11秒台になるとピンチが訪れる「武井壮11秒台ピンチ説」という現象が起きているわけですよ! だから日本の男子たち、100メートルは11秒を切っておけよ! ──いやいや、無茶言わないでください(笑)。安藤さんは、ピンチをどうやって脱出したんですか? 安藤 当然ですが、仕事がなければ仕事のことは発信できませんよね。おまけにつまらない見栄をはりたい気持ちから、「仕事がない。仕事が欲しい」と周囲に頼むこともできなくて。外には出かけるのだけれども、周りに自分の内面をさらけだすことができない「外こもり」状態を経て、どんどん後ろ向きになって、なおさら仕事がない状態に陥ってしまったんです。そんな状態がもうすぐ半年、となった頃に「このままじゃいけない」と覚悟が決まりまして。「よし、自分を発信するぞ!」と意を決して積極的に自分のことを発信するようにしたんですよ。そうしたら、少しずつソーシャルメディア経由で依頼が来るようになりました。まずは発信すること、そしてあきらめずにずーっと続けることですね。 武井 続けることって、プラスにしかならないですよね。僕のことを知らないのが0で、「武井壮つまんねーな」は1だと思ってます。「武井壮おもしれーな」がプラス100くらいな感じで。そうやって武井壮がどんどん伸びていけばいいなぁ。 安藤 武井”草”が伸びていくわけですね(笑)。「つぶやきがつまんない」とか言われたりしても、結果マイナスだったことはないですよね。 ──自身の発信に対する批判もあるわけじゃないですか。それについてはどう考えてます? 安藤 ソーシャルメディアは世の中に対して開かれたツールですから、中にはそうした反応があるのはごく自然なことだと思います。『情熱大陸』放映中にツイッターのフォロワーさんが1万4000人ほど激増したんです。そしたら、人に好かれたいと思う気持ちが強くなりすぎて、つぶやきができなくなってしまって。「普通のカレーを食べていることをツイートしたらカッコ悪いんじゃないか」「いや、ここは庶民的なところを見せたほうが印象いいかな」とか考えちゃったり(笑)。人の視線を気にして、自分らしくなくなっていることに気がついたんです。それからはもっと自分に正直になろうと思って、発信をしていけばこういう日もあるさと前向きに考えるようになりました。 武井 僕は、毎日”エゴサーチ”してますけどね(笑)。ソーシャルメディアがなくてケータイが主な連絡手段だった時は、1時間誰からも連絡がないだけで「地球上の60数億人が、1時間=3600秒もの間に、誰も武井壮に連絡したいと思っていないのか……!」という不安があったもんで。 ──これまたスケールの大きな不安ですね。 武井 だからソーシャルメディアが成熟してきた最近は、毎日が楽しいですよ。ツイッター開いたら、いろんな人が「武井壮、武井壮」って言ってくれて。「ほほう、悪口まで言っちゃうか!」なんて思ってみたり。僕は「武井壮」を知ってほしいっていうのが大前提にありますからね! 今や、その希望が動物にまで及んでいるくらいです! 一同 (笑) 武井 動物たちにも「お! 武井壮じゃん」って言ってほしいんですよ! ヌーの群れが「武井が来たから行こうよ」とか言って囲んでくれたり、ゴリラがオレのことを見つけてバナナ持ってきてくれたり。そんなことになったら、地球で生活するのが楽しくてしょうがないじゃないですか! 安藤 そうそう、ノマドというスタイルを生きながら、その中でインフラのようにソーシャルメディアを使って仲間を増やしていくのが楽しいんですよね。私、これって『ドラゴンクエスト』に例えられると思っていて。「サイゾー」読者の皆さんも、『ドラクエ』やったことある世代ですよね? ──そりゃもう、「復活の呪文」を入力していた世代ですよ。 安藤 それです、「復活の呪文」(笑)。『ドラクエ』のように、ある日自分の使命に目覚めて、ソーシャルメディア上で自分を発信するようになる。「私はこんなことを考えていますよ」「一緒にこんなことをやりましょう」とか、さまざまなことを日々発信していき、受け手の反応を見ながらレベルアップしていく。そのフィールドには、どんなモンスターやボスが待ち構えているかわからないですけど、「この指止まれ」とフラグを立てれば、自然と仲間が集まってくるのが現代の素晴らしいところ。個人が世界に自分を発信していくことで、人や情報がどんどんつながっていって、仲間やチャンスや仕事をつかんでいけるようになる。そんな冒険が始まると思うと、ワクワしませんか!? (構成/高橋ダイスケ) 安藤美冬(あんどう・みふゆ) 1980年、東京都育ち。(株)スプリー代表。SNSでの発信を駆使した、独自のノマドワークスタイル実践者。さまざまな企業・業種からの依頼で活動しながら、連載、講演、広告出演なども行う。11月、初の著書をディスカヴァー・トゥエンティワンより発売予定。 武井壮(たけい・そう) 1973年、東京都生まれ。アスリート。中央学院大学在学中に陸上を始め、3年生の時、十種競技を開始、2年半後には日本タイトルを獲得する。その後、アメリカにゴルフ留学をしたり、台湾で野球チームのコーチを務めたりもした。8年以上家のない生活を送っており、日夜「百獣の王」を目指してトレーニングに励んでいる。 【「サイゾーpremium」ではIT業界の裏側を暴く記事が満載!】【限定】お手本は”のび太”!? 実践してしまう前に読みたい! ノマドスタイル(笑)本3選ITバブル終焉で、豪遊社長は絶滅寸前……ホープはグリー田中社長!? 夜もイケイケなIT社長名鑑アップルの行動原理を探る――新CEOのもと超高学歴エリートたちが激烈な社内政治を展開!?
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「ノマドの女王」安藤美冬×「百獣の王」武井壮 ノマドワーカー・サバイバル対談!

【サイゾーpremium】より ──今年『情熱大陸』への出演で注目を集めた安藤美冬氏。彼女が提唱するソーシャルメディアを駆使した「自由に生きるための働き方」というスタイルは、仕事に追われる世のリーマンたちの心を突き動かした。しかしその裏で、「いや、本物はこっちだろ!」と言われ、同時に注目を集めた人物がいる。家なしの本気ノマドライフを送るアスリート、武井壮氏。果たして真のノマドはどちらか? ついに直接対決の火ぶたが切って落とされる──!?
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(写真/奥山智明)
『ノマドワーキング』とは?……「ノマド」は「遊牧民」という意味。決まったオフィスなどではなく、カフェや公園、取引先のオフィスなどでノートパソコン、スマートフォンなどを駆使し、ネットを介して場所を問わずに仕事をするスタイルを、「ノマドワーキング」と呼ぶ。 武井 壮(以下、武井) 安藤さん、テレビに出演してましたよね。なんか『情熱大陸』(TBS系)みたいな番組だったような気が。 安藤美冬(以下、安藤) それ、『情熱大陸』ですね(笑)。 武井 あ、そうでしたか! 似たような番組いっぱいあるから。安藤さんがその番組に出演したときに、僕のツイッターにもすごい反響があったんですよ! 「武井壮のほうがノマドじゃねーか」みたいな(笑)。それで、安藤さんのことを知ったんですよね。 安藤 (笑)。私も武井さんのことはテレビで拝見しました。 ──では、お互いのことはご存じなんですね? 武井 申し訳ないんですけど、安藤さんがどんな活動やお仕事しているかはわからないですが……。 安藤 もともとは、集英社という出版社に勤務していました。 武井 「週刊少年ジャンプ」の!?
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安藤美冬氏。(写真/奥山智明)
安藤 そう、その集英社です(笑)。7年間、広告部ではファッション誌の広告営業、宣伝部では書籍単行本のプロモーションに関わる仕事をさせていただきました。そして2年前に退社して、フリーランスとしての活動を始めたんです。でも実は、退社する最後の最後まで、「自分はこの仕事をやるんだ」ということを決められないままで。武井さんみたいにアスリートとして生きる、みたいな一生を捧げるだけの(仕事の)対象も覚悟もなかった。それがコンプレックスだったんですけど、じゃあやりたいことが見つからないなら、それを逆手にとって「仕事相手に領域を決めてもらおう」と発想を転換させました。ソーシャルメディアを通じて日々自分のことを発信していくについれて、学校の講座を企画したり、ウェブサイトのディレクションをしたり、コワーキングスペースに対して働く視点を提供するアドバイザリー業務をしたりと、「安藤さん、こんな仕事をしませんか?」とさまざまな依頼をいただくようになったんです。 武井 それで、安藤さんがノマドワーキングの急先鋒といわれているわけだ。 安藤 時々勘違いされますけど、別にスタバでMacBook Airをいじってかっこつけて仕事するのがノマドワーキングじゃないんですよ(笑)。自分で好きな仕事を作り出したり、組織に縛られずに自由でありたいという欲求をワークスタイルに合わせて生きていくことの、選択肢のひとつとしてノマドがあるんです。ノマドワーカー自体は昔から一定数いましたし、別に新しい働き方でもなんでもないですけどね。 ──武井さん、安藤さんと自分のスタイルを比べてみてどうですか? 武井 まず、僕と一番大きく違うのは、僕は会社勤めをしたことがないということ。そういうことからは、身体能力だけで逃げ切ってやろうと思ってますから! ──そこまで断言されると、なんか心強いですね。 武井 で、僕は今もいわゆるノマド的な生活をしていますけど、もともと小学生の頃からその気持ちがあったんです。体育の授業は大好きだけど、週に3~4時間しかないじゃないですか。それ以外の時間は、ずっと嫌いな勉強の時間だったわけですよ。1日1時間好きな授業があっても、毎日4時間、1日の6分の1は嫌いなこと。6年間通ったら1年分ですよ! その頃から、「なんで楽しいことだけで選んじゃだめなのかなぁ?」と疑問に思っていて。それが今の僕の活動の根源になってますね。だから今は、ウキウキすることしかしてません。 安藤 すごく共感します! 今すぐ立ち上がって拍手したいくらい! 私はよく、「”What”から”How”の時代が来た」と言っているんですね。これまではどの会社に入って、なんの仕事をするか(What)が重要視されてきました。もちろん、それらも働くうえでの重要なポイントなのですが、これからの時代において大事なのは、どんなふうに人生を生きたいのか、そしてどんなふうに働きたいのか(How)だと考えています。まずやりたくないことを決めたり、ウキウキすることに動かされていったりする上で、最後にピースが埋まるように仕事がハマればいいと思うんですよ。私の場合は、そのHowを徹底して突き詰めたら、ノマドというスタイルに行き着いたんです。 ──なんだか、すっかり”ウキウキ”がお2人の共通テーマになってるようですが……そのウキウキを求めるようになった原体験ってあるんですか? 武井 僕が子どもの頃は、褒めてくれる人が身近にいなかったから、先生に褒められたり、友達に「壮君すごい!」って言われるのを渇望してたんですよ。承認欲求が強かったというか。だから今でも「武井壮すごい!」って言ってくれることに喜びを感じますし。 安藤 私の場合は、子どもの頃から「自由に自分らしく生きること」への強烈な憧れがあった気がします。身体が強いほうではなかったですし、小学校ではイジメに遭っていたこともありました。毎日図書館に通っては、「少年探偵団」とか「ホームズ」が繰り広げる冒険譚に心躍らせていて。こんな風に、かっこよく生きられたらどんなに素晴らしいだろうって思っていたような気がします。 ■ノマドは『ドラクエ』のようなものソーシャルメディアにマイナスなし! ──なるほど。お互いに子どもの頃の思いが今に生きているわけですね。そして、おふたりは、「ウキウキ」「ノマド的な生き方」という共通項のほかに、ツイッターをはじめ、ソーシャルメディアを頻繁に利用されているという共通点もありますよね。
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武井壮氏。(写真/奥山智明)
安藤 武井さんのブログやツイッターを拝見してたら、「百獣の王を目指す男」ってキャッチコピーが真っ先に目に入ってきましたよ! このコピーを使い始めたきっかけってなんですか? 武井 昔、オレゴンの山の奥でものすごく大きな鹿に出くわしたことがあって、奴を見た瞬間、「殺される!」って思ったんです。「今まであんなにトレーニングをがんばったのに、観光に来て、鹿に遭っただけでそれが全部終わっちゃうんだ……。こりゃいかーん!」と。それで、「なにごとも、準備しとかなきゃ簡単に終わっちゃう」ってことを痛感して、動物のことを調べ始めたんですよ。で、それを何かに生かせないかと考えていたところに、自分がウキウキする肩書をつけようと思いついて、「百獣の王だ!」って。 安藤 個人が誰でもメディアになれる状況では、言葉を作る能力、具体的には発信を受け取る側に自分がどんな人間なのかを伝えるための”キーワード化”がすごく重要なんですよ。私の場合は「ノマド」「セルフブランディング」「ソーシャルメディア」「フリーランス」という4つのキーワードを1年以上前に定めて、「この人は新しいワーク&ライフスタイルを実践している人なんだ」っていうイメージがツイッター上で拡散していくのを狙ったんです。でも、それを自然にやってしまう武井さんはすごいと思います! 武井 お、おお……分析されている。実はね、「百獣の王」をグーグルで検索したら、上位4つ目まで武井壮なんですよ! ライオンが5位! ライオンの長期政権だった「百獣の王」が今、日本国内のネット上では「百獣の王=武井壮」なんです! 安藤 すごい! やっぱり継続して発信し続けることって大事なんですよね。 ──おふたりとも順調に活動しているようですが、これまでピンチはなかったんですか? 安藤 実は、独立してから5カ月間は収入が「0」だったんですよ。会社員時代は毎月の給料やボーナスもかなりいい額をいただいていたこともあって、それが0になった途端、社会から「お前いらねーよ」って言われてるような気がして。その頃は本当にノックアウトされてましたね……。 武井 唯一のピンチは、100メートルのタイムが11秒台に落ちてしまった時ですね。僕は陸上を始めて、最初の100メートル走が10秒9だったんです。それからずっと10秒台をキープしてたんですよ。それがアメリカに渡ってゴルフを始めたら、走らないもんだから体力もなくなって、2〜3年もたつと体重も増えて、すげー足が遅くなっちゃって。100メートルが11秒7にまで落ちたんですよ。 ──それでも十分立派なタイムだと思うんですが……。 武井 いや、11秒台になるとスコアも伸びなくなって。それで日本に帰ってきてからトレーニングを強化して、今年、10秒台が出たんですよ。そしたらテレビにも出られて調子が上がってきたんです。武井壮は10秒台で走ってると最高なんだけど、11秒台になるとピンチが訪れる「武井壮11秒台ピンチ説」という現象が起きているわけですよ! だから日本の男子たち、100メートルは11秒を切っておけよ! ──いやいや、無茶言わないでください(笑)。安藤さんは、ピンチをどうやって脱出したんですか? 安藤 当然ですが、仕事がなければ仕事のことは発信できませんよね。おまけにつまらない見栄をはりたい気持ちから、「仕事がない。仕事が欲しい」と周囲に頼むこともできなくて。外には出かけるのだけれども、周りに自分の内面をさらけだすことができない「外こもり」状態を経て、どんどん後ろ向きになって、なおさら仕事がない状態に陥ってしまったんです。そんな状態がもうすぐ半年、となった頃に「このままじゃいけない」と覚悟が決まりまして。「よし、自分を発信するぞ!」と意を決して積極的に自分のことを発信するようにしたんですよ。そうしたら、少しずつソーシャルメディア経由で依頼が来るようになりました。まずは発信すること、そしてあきらめずにずーっと続けることですね。 武井 続けることって、プラスにしかならないですよね。僕のことを知らないのが0で、「武井壮つまんねーな」は1だと思ってます。「武井壮おもしれーな」がプラス100くらいな感じで。そうやって武井壮がどんどん伸びていけばいいなぁ。 安藤 武井”草”が伸びていくわけですね(笑)。「つぶやきがつまんない」とか言われたりしても、結果マイナスだったことはないですよね。 ──自身の発信に対する批判もあるわけじゃないですか。それについてはどう考えてます? 安藤 ソーシャルメディアは世の中に対して開かれたツールですから、中にはそうした反応があるのはごく自然なことだと思います。『情熱大陸』放映中にツイッターのフォロワーさんが1万4000人ほど激増したんです。そしたら、人に好かれたいと思う気持ちが強くなりすぎて、つぶやきができなくなってしまって。「普通のカレーを食べていることをツイートしたらカッコ悪いんじゃないか」「いや、ここは庶民的なところを見せたほうが印象いいかな」とか考えちゃったり(笑)。人の視線を気にして、自分らしくなくなっていることに気がついたんです。それからはもっと自分に正直になろうと思って、発信をしていけばこういう日もあるさと前向きに考えるようになりました。 武井 僕は、毎日”エゴサーチ”してますけどね(笑)。ソーシャルメディアがなくてケータイが主な連絡手段だった時は、1時間誰からも連絡がないだけで「地球上の60数億人が、1時間=3600秒もの間に、誰も武井壮に連絡したいと思っていないのか……!」という不安があったもんで。 ──これまたスケールの大きな不安ですね。 武井 だからソーシャルメディアが成熟してきた最近は、毎日が楽しいですよ。ツイッター開いたら、いろんな人が「武井壮、武井壮」って言ってくれて。「ほほう、悪口まで言っちゃうか!」なんて思ってみたり。僕は「武井壮」を知ってほしいっていうのが大前提にありますからね! 今や、その希望が動物にまで及んでいるくらいです! 一同 (笑) 武井 動物たちにも「お! 武井壮じゃん」って言ってほしいんですよ! ヌーの群れが「武井が来たから行こうよ」とか言って囲んでくれたり、ゴリラがオレのことを見つけてバナナ持ってきてくれたり。そんなことになったら、地球で生活するのが楽しくてしょうがないじゃないですか! 安藤 そうそう、ノマドというスタイルを生きながら、その中でインフラのようにソーシャルメディアを使って仲間を増やしていくのが楽しいんですよね。私、これって『ドラゴンクエスト』に例えられると思っていて。「サイゾー」読者の皆さんも、『ドラクエ』やったことある世代ですよね? ──そりゃもう、「復活の呪文」を入力していた世代ですよ。 安藤 それです、「復活の呪文」(笑)。『ドラクエ』のように、ある日自分の使命に目覚めて、ソーシャルメディア上で自分を発信するようになる。「私はこんなことを考えていますよ」「一緒にこんなことをやりましょう」とか、さまざまなことを日々発信していき、受け手の反応を見ながらレベルアップしていく。そのフィールドには、どんなモンスターやボスが待ち構えているかわからないですけど、「この指止まれ」とフラグを立てれば、自然と仲間が集まってくるのが現代の素晴らしいところ。個人が世界に自分を発信していくことで、人や情報がどんどんつながっていって、仲間やチャンスや仕事をつかんでいけるようになる。そんな冒険が始まると思うと、ワクワしませんか!? (構成/高橋ダイスケ) 安藤美冬(あんどう・みふゆ) 1980年、東京都育ち。(株)スプリー代表。SNSでの発信を駆使した、独自のノマドワークスタイル実践者。さまざまな企業・業種からの依頼で活動しながら、連載、講演、広告出演なども行う。11月、初の著書をディスカヴァー・トゥエンティワンより発売予定。 武井壮(たけい・そう) 1973年、東京都生まれ。アスリート。中央学院大学在学中に陸上を始め、3年生の時、十種競技を開始、2年半後には日本タイトルを獲得する。その後、アメリカにゴルフ留学をしたり、台湾で野球チームのコーチを務めたりもした。8年以上家のない生活を送っており、日夜「百獣の王」を目指してトレーニングに励んでいる。 【「サイゾーpremium」ではIT業界の裏側を暴く記事が満載!】【限定】お手本は”のび太”!? 実践してしまう前に読みたい! ノマドスタイル(笑)本3選ITバブル終焉で、豪遊社長は絶滅寸前……ホープはグリー田中社長!? 夜もイケイケなIT社長名鑑アップルの行動原理を探る――新CEOのもと超高学歴エリートたちが激烈な社内政治を展開!?
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石元太一も審査員だった! エイベックス「ヤンキーアイドルオーディション」開催に疑問と怒りの声

【サイゾーpremium】  エイベックスが主催し、「全国に眠るヤンキーつっぱり美少女大募集」という告知で7月から始まっている、異例の「ヤンキーアイドルオーディション」開催に対し、各方面から疑問と批判の声が上がっている。
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avexの「ヤンキーアイドルオーディション」のHP
 その大きな理由は、現在、警察当局が実態解明を急ぎ、摘発を狙っているといわれる有名暴走族「関東連合」元幹部が同オーディションの総合プロデューサーをしていること。そして、一昨年の市川海老蔵暴行事件で当事者として有名になった関東連合元リーダーで、9月にパチンコのさくらを募集する悪質な振り込め詐欺容疑で逮捕された石元太一容疑者が審査員に加わっていたことなどのようだ。  10月2日のフジテレビニュースでは、9月2日に東京・六本木のクラブで起きた、目だし帽バット男集団による飲食店経営の藤本亮介さん(31)撲殺事件でも、関東連合関係者の関与が疑われていると報じたばかり。「警察当局は今、関東連合をはじめとする全国の”半グレ”と呼ばれる不良グループや暴走族の徹底解明&根絶に全力で取り組んでいるところです。石元容疑者の事件や、不良グループの摘発に取り組む、警視庁組織犯罪対策特捜隊関係者からも”こんな時期にヤンキーや暴走族を正当化し、重大事件への関与がささやかれる関東連合幹部らが深くかかわるオーディションを開催するのはいかがなものか”という声が上がっています。特に石元容疑者が審査員をしていた、というのは道義的にも致命的でしょう。石元事件は今後、さらに彼の不良仲間まで捜査対象が広がっていくことが確実ですからね」(全国紙社会部記者)  公式サイトによると、同オーディションは7月17日~8月31日が応募期間。15~22歳の女性が対象で「ヤンキー美人、容姿、歌唱力、単車自慢、怪力自慢、武勇伝、皆さんの持っているポテンシャルを200%開花させられる世界でたったひとつのアイドルオーディションです」とうたっている。受賞者はヤンキーアイドルグループを結成し、バリバリレコードというレーベルからデビューできるようだ。  今月初め、最終選考が都内で行われ、600通の応募を勝ち抜いた13人が選ばれたという。彼女たちは今後、デビューを目指しレッスンなどに励んでいくと思われるが、「ちょっと待った」という声が周囲から次々上がっているのだ。  芸能プロ幹部は「このオーディションは企画は斬新かもしれないが、時期的にも道義的にもまずい。審査員を務めていた石元容疑者が9月に巨額のパチンコさくら募集の振り込め詐欺グループのリーダー格であることが疑われ、逮捕されたことが決定的だ。振り込め詐欺犯は警察当局が全力を挙げて摘発を進めている国策的案件で、もし起訴され、有罪判決になったら厳罰必至で、リーダー格なら実刑で懲役10年以上くらってもおかしくない。そういった人間を審査員にすえていたこと自体が、エイベックスの責任問題ではないのか。上場企業と しての見識が問われることになる」と話す。  同オーディションの総合プロデューサーを務めている元関東連合幹部の存在も、決して見過ごせない部分があるという。「この元幹部は、石元容疑者の後見人的立場で、海老蔵事件以降、石元容疑者の活動を強くバックアップしてきました。そんな”直系の後輩”石元容疑者が大型振り込め詐欺で逮捕されたのに、逮捕の裏事情を何も知らないとは思えない。彼らが、こんな”ヤンキーアイドル”企画を進めることを、芸能界の一部は許しても、世間は許すでしょうか。石元容疑者はそもそも、かつて人違いで少年を凄惨にリンチし、死に至らしめたことがあるような人物。また、この元幹部自身もかつて雑誌に、抗争相手の男性にシックスナインをさせた鬼畜写真を流したような人物です。エイベックスは株主から激しい抗議が起きてもおかしくありませんね」(週刊誌記者)  このオーディションは表向き「不良行為からの更生、脱却」が目的とうたっている。しかし、警察当局も、怒っているようだ。  別の社会部記者が話す。「現在、石元太一容疑者の振り込め詐欺事件、六本木の目だし帽バット集団事件など関東連合が関係していると疑われている未解決事件の捜査が進行中です。今後、関東連合関係者が抗争にいつ巻き込まれるかもわからない。警視庁幹部は、石元を審査員にすえ、彼を可愛がっている先輩の関東連合元幹部が総合プロデューサーを務め、かつ暴走族や不良グループを美化し正当化するようなオーディションは中止すべき、と思っていますよ。果たして今後、何事もなかったようにヤンキーアイドルグループをデビューさせることができるのでしょうか」。    エイベックスは関係者や株主らに対し、何らかの事情説明をしたほうがよさそうだが……。 【「サイゾーpremium」ではこの他にもエイベックスをぶった斬る記事が満載!】業界の救世主か否か!? 経営から見るエイベックス考現学業界関係者覆面座談会 「エイベックスのここがヤバい!」街宣車まで出動したJYJ とエイベックスの仁義なき戦い
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嫌いだからこそわかる「村上春樹」の正しい読み方

【サイゾーpremium】より  今月11日に発表されたノーベル文学賞で、またしても賞を逃してしまった作家の村上春樹氏。近年、ノーベル文学賞の最有力候補とされながらも、いまだ受賞できずにおります。がっくりと肩を落とす村上春樹ファンも多い中、実は春樹嫌いな識者の方々も一定数いるようで……。しかし、大手メディアではなかなか取り上げられない"村上春樹"批判。そこで、今こそ『嫌いだからこそわかる「村上春樹」の正しい読み方』を教えてしんぜます! 村上春樹の真価やいかに――!? ※当記事は「サイゾー」2009年7月号掲載のものとなります。
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――『1Q84』がミリオンを突破した村上春樹。しかし、完璧な絶望が存在しないように、完璧な村上春樹などというものもまた存在しない――というわけで、もはや国民的作家と言っても過言ではない彼が、なぜだか一部では徹底的に嫌われる理由を探った。  2009年、デビュー30周年を迎えた村上春樹。彼をめぐる話題が続いている。08年7月には『ノルウェイの森』が10年に映画化されることが発表され、09年2月には、エルサレム国際ブックフェア認定の「社会の中の個人の自由のためのエルサレム賞」(エルサレム賞)を受賞。エルサレムを首都に持つイスラエルのパレスチナ・ガザ地区侵攻を理由に、受賞決定当時、市民団体らが賞を辞退するよう要求する「騒動」も起きたが、村上は授賞式に出席。イスラエル要人を前に「高くて固い壁(=イスラエル軍)があり、それにぶつかって壊れる卵(=ガザ市民)があるとしたら、私は常に卵側に立つ」とイスラエル批判とも取れるスピーチをし、話題をさらってみせた。  そして3月に、04年の『アフターダーク』以来の書き下ろし長編『1Q84』の発売を発表すると予約が殺到。新潮社は発売前に1・2巻合わせて10万部増刷という異例の措置をとり、5月29日全国発売初日に68万部(1・2巻合計)を出荷したが、完売店が相次ぎ、その後も増刷を続けた結果、09年6月4日時点で、1巻51万部、2巻45万部という驚異的な売り上げを記録しているのはご存知のとおりだ。 「物語の内容を事前には一切公表せず、読者の飢餓感を煽ったのも爆発的な売れ行きの一因でしょう。新潮社内でも、担当編集と上層部の一部しか内容を知らなかったというくらい情報が徹底管理されていたそうです」(大手出版社編集者)  確かに、平易ながらも斬新な文体、多層的な読みが可能な世界観といった点で村上の作品群は評価され、一般読者にも受け入れられてきた。評論家・福田和也も「夏目漱石以降の最重要作家」と語るなど、村上を評価する論者も多い。あるいは、ノーベル賞発表時期には、必ず文学賞候補と噂されては、落選したと報じられる(ノーベル賞候補者は非公開。本当に候補だったかなど知る由もないのだが)ため、素人目には、村上はさもスゴい作家に見える。だが、その一方で村上ほど批判渦巻く作家はいないのもまた事実なのだ。 ■田中康夫がズバリ!「春樹は心智が卑しい」
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作品から見る「村上春樹の人となり」
 後出する比較文学者の小谷野敦氏が「日本人はアメリカ好きだから(笑)」と指摘するとおり、国内の村上人気の理由のひとつに、いち早く国内文学作品に米文学的ノリを取り入れた点が挙げられる。  作家の丸谷才一が、79年上期の芥川賞の選評で『風の歌を聴け』を「アメリカ小説の影響を受けながら自分の個性を示さうとしてゐます」(「文藝春秋」79年9月号)と語るなど、村上がアメリカ文学を血肉としていることは、一定の評価を受けているのは間違いない。しかし、その一方で同じ選考委員の瀧井孝作は「ハイカラなバタくさい作だ」(同)とバッサリ。80年上期に『1973年のピンボール』が同賞候補になったときも、評論家の中村光夫が「アメリカ化した風俗も、たしかに描くに足る題材かも知れない。しかしそれを風俗しか見えぬ浅薄な眼で揃へてゐては、文学は生れ得ない」(同80年9月号)としている(両年とも村上は落選)。  大出世作だけに『ノルウェイの森』は、多くの評価を集めるとともに、最も批判も呼んだ一冊だろう。哲学者・中島義道は『私の嫌いな10の言葉』(新潮社)の中で、同作を「『デブでブスで誰にももてずに』とか『三流大学さえ受からないアタマで』とか『父親に殴られて育って』とかいう具体的な悩み」のない「知的にも肉体的にも並以上、いや恵まれた」人物が「抽象的な理由で自殺したり(中略)抽象的に他人を世間を恐れ」る「非現実的」で「相当ひどい話」と評している。  評論家の斎藤美奈子は『ノルウェイの森』をはじめ、一連の村上作品を「主人公の知力・体力・武力がレベルアップしていくにしたがって、次々と新たなモンスターとの戦いが待っているロール・プレイング・ゲーム」(『文壇アイドル論』岩波書店)的だと分析。裏技探しに熱狂するゲームオタクに似た「文学プロパーのゴタク心を非常にくすぐ」るプロットが、彼らに「『ノルウェイの森』というタイトルの由来は何かといったトリビアルな(クソの役にも立たない)推理を得意げに披露」させるとコテンパンに批判している。  思想家・柄谷行人も村上作品の風景は「人工的」(『終焉をめぐって』講談社学術文庫)であり、『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』などには、コンピュータゲーム同様「『神話や儀礼』に近いロマンス」が臆面もなく盛り込まれるため「注意すべき」と語っている。  なお、斎藤は「壁と卵」のスピーチについても「こういう場合に『自分は壁の側に立つ』と表明する人がいるだろうか(中略)作家はもちろん、政治家だって『卵の側に立つ』というのではないか」(「朝日新聞」09年2月25日付夕刊)と批判、それを受けて田中康夫も「村上春樹氏の心智の卑しさを冒頭で看破」(「週刊SPA!」09年3月17日号)と斎藤に喝采を送った。  出せば売れるドル箱作家ゆえ「村上叩きは、文芸界隈のタブーに近い」(小谷野氏)だけに、前記のような批判は、一般にはなかなか届きにくかった側面もあるだろう。しかし『ノルウェイの森』が20年以上を費やして870万部売れた一方、『1Q84』の発行部数は、わずか数週間程度で100万。『ノルウェイの森』に並んで村上の代表作になる可能性が高く、近いうちに作品解釈をめぐり、誰の耳にも聞こえるほどの論争が起こることも予想される。1000ページ超の大作をムリに読む必要はないが、新聞、雑誌、ネットで繰り広げられるだろう「春樹論争」を眺める価値は十分ある。名うての論客同士の罵り合いから、珍論奇論の応酬まで、あらゆるケンカ模様を楽しめるはずだ。 【「サイゾーpremium」ではハルキストも唸る!村上春樹関連記事が満載!】有名編集者への憎悪、怒り、怨念......原稿流出騒動から垣間見える「春樹の暗部」文芸評論家、渡部直己と小谷野敦に直撃! 「私が村上春樹を嫌うワケ」『1Q84』をめぐる考察は続く──なぜ"1984"であったのか?
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韓国”ネトウヨ・ネトサヨ”の真の脅威朴槿恵の大統領就任で反日運動が激化!?

【サイゾーpremiumより】
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『「反日」の正体』(文芸社文庫)
「MB、独島(竹島)を電撃訪問」──。  終戦記念日を目前に控えた8月10日、MB【編註:明博(Myung-Bak)のイニシャルから韓国でこう呼ばれる】こと李明博大統領のとった行動は、韓国メディアにとっても大きなサプライズだった。実効支配している強みから、「日本との間に領土問題は存在しない」との立場を貫く韓国政府は、竹島問題を外交の俎上に載せるのを避けてきたからである。  日本から見ると、竹島の領有権や日本海(韓国では東海)の呼称問題で、韓国は自国の立場を世界に向けて無遠慮にアピールしている印象があるが、実は、そうした活動を担っているのはほとんど民間団体なのだ。  中でも図抜けた行動力を持っているのが、「VANK(Voluntary Agency Network of Korea)」というNGO組織である。  その名は日本のネトウヨなどの間でも知られており、ネットで検索すると、「韓国最大のネット右翼」「サイバーテロ集団」などの言葉にぶつかる。「日本海」「竹島」などと表記された海外の文献や地図を見つけるや、「独島」「東海」への修正を求めるメールを会員が一斉に送付し、それが受け入れられるまで続けるため、「サイバーストーカー集団」などと呼ぶ向きもある。2010年には、日本のネットユーザーが韓国フィギュアスケート界の妖精金姸兒に対する中傷を書き込んだことをきっかけに、「日韓サイバー戦争」が勃発。2ちゃんねるをアクセス不能にさせられた日本側のユーザーたちが、VANKのウェブサイトを主な報復対象にしたこともあった。  こんな説明を受けてしまうと、外国人排斥を掲げ、路上にも繰り出してヘイトクライムまがいのデモを行う日本のネトウヨとイメージがかぶってしまうかもしれないが、その実像は著しく異なる。  そもそも、韓国における右翼・左翼のあり方は、日本とはかなり異なっている。ごくごく大ざっぱに言うと、韓国には日本からの独立以来、「日本支配下の親日派=保守=右翼」、「日本支配下の独立運動勢力=革新=左翼」という流れがあるのだ。そして日本とは違い、破天荒な活動を展開するのは主にネトサヨであり、ネトウヨは”リアルな優等生エリート集団”が頭脳戦を展開させている。  実際、彼らと同様の主義主張を展開する韓国の民族派団体の関係者にVANK会員の評判を問うと、「とにかく礼儀正しく、知識が豊富」(独島博物館李元徽学芸研究士)、「純真でひたむき。彼らを見ていると癒やされる」(民族問題研究所の趙世烈事務総長)などと、まさに学校の優等生に向けられる評価そのものだった。  ただ、そんな礼儀正しく純真な彼らの活動が、きわめて大きな”破壊力”を持っているのも事実である。VANKはナショナル・ジオグラフィック、ヤフー、米国務省、ユニセフ、WHO、グリーンピース、コロンビア百科事典、米中央情報局などに粘り強くメール攻勢を続けており、これまで少なくとも300のウェブサイト、1000点の教科書の表記を「修正」させたという。  そのパワーの源泉としては、伸び続ける会員数が第一にある。竹島問題がヒートアップするさなか、VANKの朴基台団長に直撃した。 「現在の会員数は7万5000人で、ここ約5年間で5倍に増えました。このうち常時500~600人ほどが、オンライン上で独島などの表記修正を働きかける作業や、韓国に関する正しい知識を海外に普及させる広報活動に携わっています。また、学校の夏休み期間には1500人規模のオフライン会合が全国で頻繁に行われていますよ」  現在、VANKは大統領直々の指示により、政府から支援金を得ており、同団体への加入は、学歴社会である韓国の受験戦争にも有利に働くようになってきているという。というのも、彼らは、12段階のテストをクリアした、”エリート”たちのみを正会員として迎えているのだ。  1段階目の設問は「気に入った韓国広報サイトを見つける」「自分の故郷の文化や観光地を紹介した文章を作る」など比較的容易だが、2段階目以降は「英語で自己紹介する」「英語で(表記の)修正要請文を作る」などと、中学・高校生にはハードルが高いと思われるような項目が登場する。さらに段階を進めると「海外に知り合いを何人作ったか」「その時、どのように韓国を宣伝したか」など実践度が増していく。そして、サイバー外交官への最後の難関には「抗議すべきサイトとその発見方法」や「国際書簡(親書、協力要請書簡)を送る」など、本物の外交官顔負けの課題が用意されている。 「会員のうち約5万人が学生です。大学入試の勉強と並行してテストを受ける高校生も多いですよ。外国籍の会員も約1万5000人いて、50人ほどと少数ながら日本人もいます。ですから、韓国語と英語のみならず、世界のほとんどの主要言語に対応できる。今のペースでいくと、会員数は近い将来100万人規模になると思うのですが、そうなれば必然的に、VANKが育てあげた”サイバー外交官”の中から、本物の外交官が生まれる、ということになっていくでしょうね」(朴団長)  となれば、100万人のネトウヨが一斉に日本へ攻勢をかける、という事態も起こりうるのだろうか? 「そんなことはありませんよ。私たちは右翼とか民族主義者とかに誤解されがちですが、目的はあくまで韓国について”正しく”知ってもらうこと。東日本大震災のときも、会員たちが義援金を送っていますし。VANKが過激であるかのように言われるのは本意ではありません」(同) ■内閣総辞職させる脅威日本の敵はネトサヨ?  2ちゃんねるの騒動はあったものの、韓国メディアの関係者たちに意見を求めてみても、皆一様に「VANKは悪質なサイバーテロを行うような団体ではない」と答えた。  同国の情報当局者によれば、「何か大きな騒ぎを起こす勢力がいるとすれば、韓国では右翼よりもむしろ左翼のほうだ」という。韓国のネット左翼は、革新派の市民団体や世論と密接な連携を持っている。政界の保守勢力や旧体制派のメディアは、言論関係の法律解釈で彼らの活動を封じようとしたこともあったが、あまり功を奏していない。むしろ、ネット左翼の影響力は、ますます強まっているのだ。  実際、牛海綿状脳症(BSE)問題を受けて停止されていた米国産牛肉の輸入再開を韓国政府が決定(08年4月)した際には、ネトサヨらの呼びかけで大規模な抗議運動が発生。一時は首都機能がマヒ寸前となり、政権を内閣総辞職にまで追い込んだ。  また、03年の盧武鉉政権の誕生も象徴的といえる。前年の大統領選挙において、脱地縁、脱学閥などを訴え、既存の選挙システムに依存しないことを公言した盧陣営だったが、予想通り苦しい戦いを強いられた。ただ、盧武鉉の政策が韓国の構造的な転換につながると支持した勢力は、新しい選挙戦の形を模索する。そこで利用されたのが、インターネットだった。結果、中でも「ノモサ」という団体に所属する左派の若年層が中心となり、ネットをフルに活用してほかの有力候補者を蹴散らすこととなったのである。  そして、そんな勢いに乗る韓国の左翼が最も闘志を燃やすのは反米運動においてだが、それがいつ日本に向かってこないとも限らない。  たとえば、今年末の大統領選で最有力候補といわれている与党セヌリ党の朴槿恵元代表は、父である朴正熙元大統領が旧日本軍の将校出身であることなどから、左翼からは「親日派の末裔」と見られている。韓国人ジャーナリストが言う。 「現在の従軍慰安婦問題のこじれは、朴正熙元大統領の結んだ日韓基本条約に端を発している側面があるため、保守派からの政権奪還を目指す”ネトサヨ”は当然、朴槿恵元代表を親日派として指弾するでしょう。  仮に、朴槿恵元代表が竹島問題で『弱腰』と見られる態度を取れば、ネトサヨによる親日派攻撃はいっそう大きく燃え上がるでしょう。ハッキリ言って、右翼が中心になってきた従来の反日運動はまだまだ甘い。街頭の反米デモで火炎瓶を振りかざし、戦闘警察(機動隊)との流血沙汰を繰り返してきた左翼陣営が本気で反日に転じたら、今までとは次元の違う騒ぎが起きる可能性がある」  ネトウヨ・ネトサヨ、いずれにせよ、韓国社会に大きな影響力を持つ彼らの活動が激化すれば、現在の危うい日韓関係にまでその力が及ばないとも限らない。竹島問題をはじめ、これ以上、トラブルが大きくならないことを願うばかりだ。 (文/河 鐘基) ■ネトウヨ・ネトサヨ 韓国では、ネットの住人を指して「ネチズン=ヌリクン」という。これは、2000年頃、左派=革新派勢力が中心となって形成されたものであり、彼らがネット左翼(ネトサヨ)の源流と言われる。対して、ネット上で旧体制派の保守勢力的な発言をする人たちを、ネット右翼(ネトウヨ)と呼ぶ。 【「サイゾーpremium」ではこの他にも日韓領土問題に迫った記事が満載!】慰安婦問題でも大統領の保身のためでもない! 竹島問題が加熱した本当の理由なぜ国境の島のウェザーニュースを報じないのか?領土問題にはパフォーマンスで応じろ!ナショナリストな左翼が選ぶ安直な"右翼"に対処する 懐が深い"左翼"本のススメ
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それでもグーグルには勝てない? LINE、NAVERまとめのNHN Japan台頭の裏

【サイゾーpremiumより】
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『LINEを100倍楽しむ本』(アスペク
トムック)
──今年8月、スマートフォン向けインスタントメッセンジャーアプリ「LINE」のユーザー数が世界で5000万人を突破したと報じられた。このアプリを開発したのは、日本のIT企業・NHN Japanだ。韓国では検索エンジンにおいてグーグルを上回るシェアを持つというNHN社の日本支社だが、LINEの開発をはじめ、キュレーションサービス「NAVERまとめ」などで昨今その知名度を急激に伸ばしている。2010年にはライブドアを買収し、今年頭に完全統合を果たしてますます勢いに乗る同社だが、この急成長に落とし穴はないのだろうか?  ここ最近、日本のIT業界関係者の間で、頻繁に話題になる会社がある。それが、新宿区と品川区大崎にオフィスを置く、NHN Japan社だ。しかしこの会社の場合、一般には社名よりも、運営するサービス名のほうが広く知られていることだろう。インスタントメッセンジャーアプリの「LINE」、個人向けキュレーションサービス「NAVERまとめ」、そしてオンラインゲームの「ハンゲーム」などである。この名前を聞けばピンとくる読者も多いのではないだろうか。サービス名が先立ち、会社としての存在感はやや薄いが、実はあのライブドアも2010年に同社に買収されており、資本金約125億・全従業員1000名ほどのそこそこ大きなIT企業なのだ。  NHN Japanは、韓国内でトップのシェアを誇るIT企業・NHNの日本支社である。00年9月に日本に初めて上陸したときの社名は「ハンゲーム・ジャパン」。オンラインゲーム大国である韓国のサービスが日本にも上陸したとして、当初かなり話題になった。そうして下地を作った後、ネイバージャパン株式会社を立ち上げ、01年には検索ポータル「NAVER」を日本でスタートさせた。詳細は91ページに譲るが、「NAVER」は検索・ポータル機能において韓国で実に7割のシェアを持つ巨大サービスだ。日本で言うところのYahoo!のような存在である。しかしこの日本進出は失敗に終わった。 「当時の『NAVER』は、日本語へのローカライズが全然うまくいっておらず、検索精度が低すぎた記憶があります。それではむろんポータルサイトのほうも根付かない。03年にネイバージャパンはハンゲームと合併してNHN Japanになりましたが、『NAVER』自体の定着は結局一度諦めて、05年に閉鎖しました」(ITジャーナリスト)  しかしNHNはゲーム以外の日本市場を諦めたわけではなかった。09年、今度はNHN Japanの子会社としてネイバージャパン株式会社を再び立ち上げ、サービスを再開。そして10年5月にはNHN Japanはライブドアを買収し子会社化するという速攻を見せた。買収から4カ月後の9月には、ライブドアの検索エンジンが「NAVER」に置き換わっている。 ■日本発! LINEがここまで普及したカラクリ  そして、同社の中で今最も注目を集めているサービスは「LINE」だろう。スマートフォン向けインスタントメッセンジャーアプリで、テキストチャットと無料音声通話が主な機能になっている。同アプリは韓国からの輸入ではなく、日本法人が独自開発したもの。11年6月にサービスを開始し、1年余りで中東や東南アジアなどにも広がりを見せ、世界で5000万人のユーザーを抱える巨大サービスに成長した。その成功の理由について、『Google+ 次世代SNS戦争のゆくえ』(ソフトバンク新書)などの著書を持つ株式会社モディファイCEOの小川浩氏はこう語る。 「AndroidやiOS上で、無料通話とメッセンジャー機能に絞り込んだシンプルなサービスを提供していることが『LINE』の魅力です。加えて、スマートフォンの電話帳をベースに、そこに登録されている知人を仲間に引き込む仕掛けが優れている。サービスモデルとして韓国のカカオトーク【編注:同様のメッセンジャー&無料通話アプリ。同国のベンチャー企業が開発した。韓国のスマホユーザーの95%が使っているという情報も】という先行者がありました。それを良い意味で改良コピーするという戦略を取ることができ、さらにNHN自体が強力な資金を有しているため、いわば後出しジャンケンと資金力でカカオトークを抜き去ったと言えます」  そして「LINE」の人気を支えるのが「スタンプ」だ。前ページ上部のサービス紹介を見てほしいが、いわば従来のケータイメールにおける絵文字をさらに大きくしたようなもので、キャラクターの種類や表情、イラストのタッチも豊富。無料のものと有料のものがあり、有料ならば一律170円で、コンテンツや商品とのコラボレーションスタンプも多く配布されている。筆者も、映画『アメイジング・スパイダーマン』(12年6月公開)やゲーム『ドラゴンクエストⅹ』(同8月発売)、日清チキンラーメンなどのスタンプを利用している。8月末現在、スタンプをダウンロードできる「スタンプショップ」のランキング1位は『エヴァンゲリオン』(有料)だ。 「オリジナルスタンプを製作・配布する際は、最低で1000万円からかかるそうです。また、企業向けに『LINE公式アカウント』も提供しています。このアカウントを”友だち”に追加したユーザーに、クーポン情報や店舗情報などを直接メッセージで配信できるサービスです。こちらは初期費用が200万円で、月額は150万円から。どちらも決して安くはないですが、国内の2000万人近いユーザーに届く可能性を考えたら、広告としては悪くない。しかもスタンプのキャラクターには一定の親しみが抱かれますし、ユーザー間で送り合うことで話題にもなる。十分、元は取れるでしょう」(前出・ITジャーナリスト) ■“出会い”目的が出るのはSNSの宿命だが……  今後のNHN Japanの成長に不安材料があるとすれば、それはやはりこの台頭を後押しした当の「LINE」がどこかで躓くことだろう。同サービスの今後を左右することになるであろう次の一手として、7月3日に開催された初の「LINE」カンファレンスで発表されたのは、「ホーム」機能と「タイムライン」機能の導入だった。前者は、自分が撮った写真や動画、位置情報などを使って近況をアップデートできる機能で、後者は「LINE」でつながる友人たちがそれぞれに「ホーム」でアップデートした近況をタイムライン形式で閲覧し、コメントやリアクションをつけることができる機能だ。Androidには8月6日から、iPhoneでは同13日から実際に機能が追加されたが、この展開に対しては懐疑的な見方も多い。 「これまで『LINE』は、ウェブ上ではなくスマートフォン上でのネイティブアプリに特化することで、広範囲な人脈作りというよりはクローズドな人間関係のコミュニケーションに絞ってきました。SNS化することはフェイスブックとのユーザーの奪い合いになる可能性があり、戦略的に正しいとは思えませんね。ライトユーザーを失いかねません」(前出・小川氏)  実際、まだ大きく浸透はしていないようで、「LINE」上の”友だち”が約50人の筆者のタイムラインでも、8月6日の機能開始以降、4件しか投稿がないといった有様である。  さらに、こうしたコミュニケーションサービスにとっては避けがたいことに、「LINE」を出会い系として利用するユーザーも増えてきた。すでに7月には、奈良市の会社員の男(32)が「LINE」を利用して知り合った中学3年生女子とみだらな行為をしたとして滋賀県青少年健全育成条例違反容疑で逮捕されている。この事件で発覚したが、どこか別の掲示板やSNSで「LINE」のID情報と居住地域などを晒し、連絡を待つという手法が”出会い”目的利用のメインになっているようなのだ。過去、こうした”出会い”目的のユーザーをはびこらせないためにGREEやミクシィなどのSNSでは監視を厳しくし、個人あてのメッセージであっても電話番号の交換を行うとアカウントごと停止されるようになっているが、IDの交換では単なるアルファベットの並びゆえ検出も難しい。ユーザー数の急激な増加に伴ってこうした事件が続けば、かねてよりスマホ向けのフィルタリング強化を進めようとしている政府にとっては、格好の規制対象になるだろう。かつてGREEやミクシィが通ってきたのと同じように、「LINE」に対する世間の批判の目も強まるはずだ。  ことほどさように、今や看板サービスとなった「LINE」において不安材料も抱えながら、躍進を続けるNHN Japan。中東やアジア圏での「LINE」人気を追い風に、ネットサービスの本場である欧米をも巻き込んだプラットフォームを築き上げていくことはできるのだろうか? 「フェイスブックやグーグルのような大規模プラットフォームに発展させることは難しいでしょうね。会社自体は収益的には当面死角は見当たりませんが、この2社などのライバルとしてグローバル化できるか? という点においては、やはり韓国や日本のネット事情に特化することで収益力を保っているという見方ができます。ですから、真のグローバルプラットフォーマーには成り得ないでしょう」(前出・小川氏)  果たしてNHN JapanはIT業界を変える存在に成り得るのか? 本特集では、いまだその全貌が世に知られていないであろう同社を解剖しながら、その将来を占っていきたい。 (取材・文/松井哲朗) 【「サイゾーpremium」ではこの他にもNHN Japan躍進の裏側に迫った記事が満載!】韓国国民の7割が「NAVER」を利用? 不正操作疑惑もなんのその韓国NHNは今日も磐石いしたにまさきに訊くNHN Japanブレイクの理由「ライブドア買収にNHNの本気を見た!」濱野智史に訊くNHN Japanブレイクの理由「スタンプとAAはよく似てる!? LINEの台頭は必然」
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放射線検査をしないコメが市場に流通──不安視される食品業界のタブー構造

【サイゾーpremiumより】
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『食品業界は今日も、やりたい放題』
(三五館)
──福島県産農作物が売れているという。  原発事故の影響で、首都圏ではスーパーなどの小売店で福島県産農作物を見る機会はほとんどない。当然出荷量もガタ落ちのはず……と思いきや、日経新聞などの報道では2011年度のコメの出荷量は、例年の7割程度を確保しているという。店頭では見かけることがないのに、いったいどこに出荷しているのだろうか? 「福島県産米は、主に首都圏の外食店やせんべいなどの加工食品メーカーで使用されているんです」 と話すのは、ジャーナリストの吾妻博勝氏。『コメほど汚い世界はない』(宝島社)を執筆したコメ流通のエキスパートだ。  いまや日本では、手軽で安価な食品が氾濫している。オペレーションシステムの改善や人件費の削減などの企業努力で、1円でも商品の原価を切り詰め価格競争に立ち向かう食品産業にとって、味自体は問題がなく、値段も割安となった福島県産農作物は、まさに渡りに船。消費者としても、11年にはサンプリング調査だった放射性物質の検査が、全袋検査へと移行し、しっかりとした検査を行っているんだから大丈夫だと安心する向きもあるが、吾妻氏は「あれだけ検査の様子が報道されれば、すべてのコメが検査されていると〝誤解〟する方も多いのではないでしょうか」と話す。 「今年度米で全袋検査をしたのは、8月に収穫した早場米の一部だけ。さらに、9月下旬から収穫が始まる米で全袋検査されるのは、主としてJA経由の流通米のみです。農家が業者に直接販売する米は全体の5割以上にも上り、それらは検査もされずに流通するものが多い。業者が農家にトラックを横付けして直接買い取り、そのまま激安居酒屋や、加工食品業界へ出荷されるんです」(吾妻氏)と、非正規のルートでコメや農作物が流通しているというのだ。中間マージンを削るため、農家と直接契約を謳っている企業も多い。 「食の安全」が叫ばれて久しいが、O-157など頻発する食中毒や発がん性物質の混入など、消費者は食に対して疑心暗鬼にならざるを得ない状況が続いている。特に「デフレ食品」とさえ呼べる一連の激安フードは、その安さと引き換えに、こうした安全性が不透明な製品も使用されている。  例えば、かねてから発がん性物質などの危険性が指摘されている食品添加物は、激安フードにとってなくてはならない存在。ハムやベーコン、そしてハンバーグなどの加工食肉には保存料をふんだんに使用することで、流通経費や廃棄リスクを抑制し、合成着色料で新鮮な見た目を演出、化学調味料で味を調えている。合成甘味料のズルチンや合成保存料のフリルフラマイドなど、即座に健康に被害が及ぶものに対しては、厚生労働省も規制を行なってきたが、”ただちに健康に被害がない”ものには、審査も甘い。長期的に摂取し続けた場合や、ほかの添加物と混ぜ合わせた場合のリスクに関しては、安全性が疑問視されるデータが民間の機関から出ていても、そのままにされているものが多い。  また、いまだに安全性が疑問視される遺伝子組み換え農作物も、激安価格を実現するためには欠かせない。通常の作物よりも生命力が強靭で、収穫量も高いことから価格が安いのだが、その不信感は根強く、一部からはアレルギー、臓器異常、不妊、発がん性などの可能性も指摘されている。  遺伝子組み換え作物については、アメリカの農薬会社モンサントの日本進出が話題となっている。同社はすでに茨城県に実験農場を建設している。内部で見たことを口外しないという誓約書を書かされた上で、この農場を見学した人物は、その内部の様子を振り返った。 「周囲から完全に隔離された施設の内部には遺伝子組み換えの作物と、普通の作物が並んでいました。除草剤の効果で、普通の作物はほとんど枯れているのに対し、遺伝子組み換えのほうはピンピンしていた。『どうですか?』と自信満々に聞かれましたが、正直気持ちが悪かった」  作物が枯れてしまうほど強力な農薬が残っているかもしれないのに、本当に人体にとっても安全なのか、十分に議論・検証する必要があるだろう。また、現段階ではその多くに使用表示の義務があるので、日本人が直接口にすることは少ないように思えるが、実は、牛や豚などの家畜飼料として、大量に輸入されており、これらは表示義務がない。結果、我々も間接的にそれらを摂取しているのだ。 ■デフレ食品批判映画が圧力で潰された!?  こうした「安さのヒミツ」は、一部の書籍や雑誌などで報道される程度にとどまっている。自らも製薬会社・食品メーカーで添加物の研究や食品の開発にかかわりながら、『食品業界は今日も、やりたい放題』(三五館)などの著書もある小薮浩二郎氏は、業界からの圧力を指摘する。 「味の素などの大手食品メーカーが加盟する『日本食品添加物協会』は、食品企業幹部や国立大教授などの退職後の受け皿として機能しています。食品添加物に否定的な書籍や記述に対しては強固に反論を行うんです。かつて、食品に関するある書籍が爆発的にヒットした際、同協会から相当強いクレームが飛んだことがあります」  大企業や食品会社を後ろ盾に持つ同協会は、厚生労働省や消費者庁にさえ抗議を行い、その力は「消費者庁が潰れても、添加物協会は潰れないと言われている」(同)ほど。そして、同協会に対して尻尾を振っているのが、添加物を監視・監督する立場にある厚労省だという。特に食品業界に対しては、国は消費者よりもメーカー保護の立場。森永ヒ素ミルク中毒事件やカネミ油症事件くらい重大なトラブルが起きない限り、国の機関でも添加物に対してネガティブな研究は行っていないのだという。  では、自由に研究ができそうな大学機関などでの研究は進んでいるのだろうか? 「現在、大学には『産学協同』の風潮があり、企業の論理にのっとった研究が奨励される傾向にあります。一方、製品の欠陥について研究すると、学生の就職に如実に影響があるので、理系大学生の就職先の多くを占める食品メーカーにとって不利益となる研究は、積極的には行いません」(同)  このように産学官に守られ、食品会社は今日も我々に添加物満載の食品を提供しているのだ。  また、「食の安全」を脅かす彼らを無視し、自主規制を行うメディア側の弱腰姿勢も浮かび上がってくる。 『ありあまるごちそう』など、食の安全をテーマにしたドキュメンタリーを配給するアンプラグド代表取締役の加藤武史氏が『フード・インク』のキャンペーンの際に直面した事件は、この態度を端的に象徴したものだったという。 「普段エコやナチュラルフードを推進している、あるラジオ局に『フード・インク』のキャンペーンを手伝ってほしいという話を持っていったところ、DJの方々は非常に興味を持ってくれたのですが、局側は『一方的であり、応援をすることはもちろん、扱うこともできない』と激怒され、即却下されました。後日知ったところによると、この放送局の一番のスポンサーはコンビニとハンバーガーチェーンだった(笑)」  映画『スーパーサイズ・ミー』などでも描かれたように、マクドナルドやコカ・コーラには、人体に影響する物質が入っているなどとし、その安全性が疑問視されている。それらの企業が、安全でも割高になるナチュラルフードを推奨する映画に協力できないのは、なるほどと思うところがあるだろう。11年に食品業界がマスコミにばらまいた宣伝広告費は2660億円と、日本の広告費用における1割を占めている(電通「日本の広告費」)。大手食品メーカーの広告宣伝費にがんじがらめとなっている大手メディアもまた、食品業界の闇を告発することなどするはずもないだろう。  このような状況に「食品を取り巻く組織が硬直化している」と憤る加藤氏は、農林水産省から受けたある「圧力」も明かした。 「08年から農水省が主導した食料自給率アップを目指した『フード・アクション・ニッポン』というキャンペーンがあり、そのHP上に『フード・インク』の公開情報を掲載してもらうよう掛け合いました。運営を受託する電通とやりとりをし、情報を掲載してもらったのですが、その途端、農水省から『一方的で好ましくない』という圧力がかかり、ホームページから映画の情報を削除されそうになりました」  結局、この件は電通によって削除されずに済んだが、食に対して真摯に向き合ったドキュメンタリーを「好ましくない」の一言で排除する農水省の姿勢は、この国にはびこる食品事情を象徴している。 「食品の裏側を知ると、モノが売れなくなるという恐怖が、メーカー、小売店、外食チェーンにはあるのでしょう。冷静に考えたら、値段が安すぎる食品は多いし、お寿司やサラダが3日も日持ちするのもおかしい。そのような疑問の芽を、食品を取り巻く組織は必死で摘んでいくんです。『食品について何も考えるな』『黙って買え』というのが、彼らの本音ではないでしょうか」(加藤氏)  我々にとって身近な存在だからこそ、触れづらい食品業界。自主規制を撤廃し、不当な圧力を打ち消すといった努力がなされなければ、「食の安全」など、空虚なスローガンにすぎないのだろう。 (取材・文/萩原雄太) 【明日から食事をするのが怖くなる!? 「サイゾーpremium」では食品業界の闇に迫った記事が満載!】観たら外食ができなくなる? 食の安全を追求する海外傑作ドキュメンタリー味の素や牛角に直撃!! “激安食品”にまつわる怪しい噂は本当か?郡司和夫氏が食品添加物から分析──ラーメンの"うま味"調味料が怖い
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放射線検査をしないコメが市場に流通──不安視される食品業界のタブー構造

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『食品業界は今日も、やりたい放題』
(三五館)
──福島県産農作物が売れているという。  原発事故の影響で、首都圏ではスーパーなどの小売店で福島県産農作物を見る機会はほとんどない。当然出荷量もガタ落ちのはず……と思いきや、日経新聞などの報道では2011年度のコメの出荷量は、例年の7割程度を確保しているという。店頭では見かけることがないのに、いったいどこに出荷しているのだろうか? 「福島県産米は、主に首都圏の外食店やせんべいなどの加工食品メーカーで使用されているんです」 と話すのは、ジャーナリストの吾妻博勝氏。『コメほど汚い世界はない』(宝島社)を執筆したコメ流通のエキスパートだ。  いまや日本では、手軽で安価な食品が氾濫している。オペレーションシステムの改善や人件費の削減などの企業努力で、1円でも商品の原価を切り詰め価格競争に立ち向かう食品産業にとって、味自体は問題がなく、値段も割安となった福島県産農作物は、まさに渡りに船。消費者としても、11年にはサンプリング調査だった放射性物質の検査が、全袋検査へと移行し、しっかりとした検査を行っているんだから大丈夫だと安心する向きもあるが、吾妻氏は「あれだけ検査の様子が報道されれば、すべてのコメが検査されていると〝誤解〟する方も多いのではないでしょうか」と話す。 「今年度米で全袋検査をしたのは、8月に収穫した早場米の一部だけ。さらに、9月下旬から収穫が始まる米で全袋検査されるのは、主としてJA経由の流通米のみです。農家が業者に直接販売する米は全体の5割以上にも上り、それらは検査もされずに流通するものが多い。業者が農家にトラックを横付けして直接買い取り、そのまま激安居酒屋や、加工食品業界へ出荷されるんです」(吾妻氏)と、非正規のルートでコメや農作物が流通しているというのだ。中間マージンを削るため、農家と直接契約を謳っている企業も多い。 「食の安全」が叫ばれて久しいが、O-157など頻発する食中毒や発がん性物質の混入など、消費者は食に対して疑心暗鬼にならざるを得ない状況が続いている。特に「デフレ食品」とさえ呼べる一連の激安フードは、その安さと引き換えに、こうした安全性が不透明な製品も使用されている。  例えば、かねてから発がん性物質などの危険性が指摘されている食品添加物は、激安フードにとってなくてはならない存在。ハムやベーコン、そしてハンバーグなどの加工食肉には保存料をふんだんに使用することで、流通経費や廃棄リスクを抑制し、合成着色料で新鮮な見た目を演出、化学調味料で味を調えている。合成甘味料のズルチンや合成保存料のフリルフラマイドなど、即座に健康に被害が及ぶものに対しては、厚生労働省も規制を行なってきたが、”ただちに健康に被害がない”ものには、審査も甘い。長期的に摂取し続けた場合や、ほかの添加物と混ぜ合わせた場合のリスクに関しては、安全性が疑問視されるデータが民間の機関から出ていても、そのままにされているものが多い。  また、いまだに安全性が疑問視される遺伝子組み換え農作物も、激安価格を実現するためには欠かせない。通常の作物よりも生命力が強靭で、収穫量も高いことから価格が安いのだが、その不信感は根強く、一部からはアレルギー、臓器異常、不妊、発がん性などの可能性も指摘されている。  遺伝子組み換え作物については、アメリカの農薬会社モンサントの日本進出が話題となっている。同社はすでに茨城県に実験農場を建設している。内部で見たことを口外しないという誓約書を書かされた上で、この農場を見学した人物は、その内部の様子を振り返った。 「周囲から完全に隔離された施設の内部には遺伝子組み換えの作物と、普通の作物が並んでいました。除草剤の効果で、普通の作物はほとんど枯れているのに対し、遺伝子組み換えのほうはピンピンしていた。『どうですか?』と自信満々に聞かれましたが、正直気持ちが悪かった」  作物が枯れてしまうほど強力な農薬が残っているかもしれないのに、本当に人体にとっても安全なのか、十分に議論・検証する必要があるだろう。また、現段階ではその多くに使用表示の義務があるので、日本人が直接口にすることは少ないように思えるが、実は、牛や豚などの家畜飼料として、大量に輸入されており、これらは表示義務がない。結果、我々も間接的にそれらを摂取しているのだ。 ■デフレ食品批判映画が圧力で潰された!?  こうした「安さのヒミツ」は、一部の書籍や雑誌などで報道される程度にとどまっている。自らも製薬会社・食品メーカーで添加物の研究や食品の開発にかかわりながら、『食品業界は今日も、やりたい放題』(三五館)などの著書もある小薮浩二郎氏は、業界からの圧力を指摘する。 「味の素などの大手食品メーカーが加盟する『日本食品添加物協会』は、食品企業幹部や国立大教授などの退職後の受け皿として機能しています。食品添加物に否定的な書籍や記述に対しては強固に反論を行うんです。かつて、食品に関するある書籍が爆発的にヒットした際、同協会から相当強いクレームが飛んだことがあります」  大企業や食品会社を後ろ盾に持つ同協会は、厚生労働省や消費者庁にさえ抗議を行い、その力は「消費者庁が潰れても、添加物協会は潰れないと言われている」(同)ほど。そして、同協会に対して尻尾を振っているのが、添加物を監視・監督する立場にある厚労省だという。特に食品業界に対しては、国は消費者よりもメーカー保護の立場。森永ヒ素ミルク中毒事件やカネミ油症事件くらい重大なトラブルが起きない限り、国の機関でも添加物に対してネガティブな研究は行っていないのだという。  では、自由に研究ができそうな大学機関などでの研究は進んでいるのだろうか? 「現在、大学には『産学協同』の風潮があり、企業の論理にのっとった研究が奨励される傾向にあります。一方、製品の欠陥について研究すると、学生の就職に如実に影響があるので、理系大学生の就職先の多くを占める食品メーカーにとって不利益となる研究は、積極的には行いません」(同)  このように産学官に守られ、食品会社は今日も我々に添加物満載の食品を提供しているのだ。  また、「食の安全」を脅かす彼らを無視し、自主規制を行うメディア側の弱腰姿勢も浮かび上がってくる。 『ありあまるごちそう』など、食の安全をテーマにしたドキュメンタリーを配給するアンプラグド代表取締役の加藤武史氏が『フード・インク』のキャンペーンの際に直面した事件は、この態度を端的に象徴したものだったという。 「普段エコやナチュラルフードを推進している、あるラジオ局に『フード・インク』のキャンペーンを手伝ってほしいという話を持っていったところ、DJの方々は非常に興味を持ってくれたのですが、局側は『一方的であり、応援をすることはもちろん、扱うこともできない』と激怒され、即却下されました。後日知ったところによると、この放送局の一番のスポンサーはコンビニとハンバーガーチェーンだった(笑)」  映画『スーパーサイズ・ミー』などでも描かれたように、マクドナルドやコカ・コーラには、人体に影響する物質が入っているなどとし、その安全性が疑問視されている。それらの企業が、安全でも割高になるナチュラルフードを推奨する映画に協力できないのは、なるほどと思うところがあるだろう。11年に食品業界がマスコミにばらまいた宣伝広告費は2660億円と、日本の広告費用における1割を占めている(電通「日本の広告費」)。大手食品メーカーの広告宣伝費にがんじがらめとなっている大手メディアもまた、食品業界の闇を告発することなどするはずもないだろう。  このような状況に「食品を取り巻く組織が硬直化している」と憤る加藤氏は、農林水産省から受けたある「圧力」も明かした。 「08年から農水省が主導した食料自給率アップを目指した『フード・アクション・ニッポン』というキャンペーンがあり、そのHP上に『フード・インク』の公開情報を掲載してもらうよう掛け合いました。運営を受託する電通とやりとりをし、情報を掲載してもらったのですが、その途端、農水省から『一方的で好ましくない』という圧力がかかり、ホームページから映画の情報を削除されそうになりました」  結局、この件は電通によって削除されずに済んだが、食に対して真摯に向き合ったドキュメンタリーを「好ましくない」の一言で排除する農水省の姿勢は、この国にはびこる食品事情を象徴している。 「食品の裏側を知ると、モノが売れなくなるという恐怖が、メーカー、小売店、外食チェーンにはあるのでしょう。冷静に考えたら、値段が安すぎる食品は多いし、お寿司やサラダが3日も日持ちするのもおかしい。そのような疑問の芽を、食品を取り巻く組織は必死で摘んでいくんです。『食品について何も考えるな』『黙って買え』というのが、彼らの本音ではないでしょうか」(加藤氏)  我々にとって身近な存在だからこそ、触れづらい食品業界。自主規制を撤廃し、不当な圧力を打ち消すといった努力がなされなければ、「食の安全」など、空虚なスローガンにすぎないのだろう。 (取材・文/萩原雄太) 【明日から食事をするのが怖くなる!? 「サイゾーpremium」では食品業界の闇に迫った記事が満載!】観たら外食ができなくなる? 食の安全を追求する海外傑作ドキュメンタリー味の素や牛角に直撃!! “激安食品”にまつわる怪しい噂は本当か?郡司和夫氏が食品添加物から分析──ラーメンの"うま味"調味料が怖い
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