『相棒』のせいだった! 爆死ドラマ『あなたの番です』が「2クール放送」となった裏事情

 原田知世と田中圭がW主演を務めるドラマ『あなたの番です』(日本テレビ系)が危機的状況になりつつある。

 ドラマは原田と田中が演じる新婚夫婦が引っ越してきたマンションで、住民たちの交換殺人ゲームに巻き込まれるノンストップミステリー。しかし、初回平均視聴率8.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)から第2話では6.5%に急落。早晩、打ち切り水準の5%割れとなる可能性もありそうだ。

「主演の原田知世に華がまったくないのと、脚本レベルが低いという指摘が多いですね」(テレビ誌ライター)

 深刻なのは、ドラマが2クール放送されるということ。半年も低視聴率ドラマを流し続けるダメージは大きなものとなりそうだが、なぜ日本テレビはこれほどリスキーな勝負に出たのだろうか。

 その理由を日テレ関係者が解説する。

「海外に向けて積極的にコンテンツを売っていきたい局側の思惑が大きかった。日本のドラマが海外で売れないのは海外のドラマ枠が2クールなのに対して、日本は1クールが基本となっているから。実際、2クールで放送されているテレビ朝日系の『相棒』や、4月に2クールどころか1年間のロングラン放送をスタートさせた『科捜研の女』はバイヤーに好まれ海外に輸出されています。若者の“テレビ離れ”が叫ばれるなか、テレビ各局は海外に新たな収入源を求めてきている。その実験的な意味合いもあったのですが、『今日から俺は!!』『3年A組 ―今から皆さんは、人質です―』が連続ヒットした後でこれほどの不人気となったのは大誤算でした」

 果たして、『あな番』が海外で放送される日は来るのだろうか。

戸田恵梨香から共演NG指定、瑛太ともバトル! 松田翔太が業界関係者からの評価が低いワケ

 4月26日発売の「フライデー」(講談社)が、業界関係者の間で評価が低い芸能人に関する情報を掲載した。業界人から名前が挙がったのは、世間では好感度の高い俳優だったという。

「同誌が広告代理店関係者を取材したところ、現在、現場スタッフから評価の低い俳優は松田翔太だといいます。彼は演技に対するこだわりが強すぎるらしく、作品の演出家とたびたび衝突し、撮影がかなり押してしまうそう。過去には映画『LIAR GAME』の現場で、“松田待ち”によって、撮影が朝までかかったこともあったようで、共演していた戸田恵梨香が『何様なの?』と激怒、共演NGとなったのは有名な話。映画版の続編ではヒロインが戸田から多部未華子に交代になっています」(芸能記者)

 また松田が、大手芸能プロダクションから母が経営する事務所に移籍したのも、前事務所のスタッフが彼の面倒を見きれなくなったからと噂されているようだ。

 そんな松田は昨年、NHK大河ドラマ『西郷どん』でも、共演者とトラブルを起こしていたという。

「昨年発売された『女性自身』(光文社)によると松田は、自身の演じた徳川慶喜のキャラ設定が気に入らなかったそう。どうやら彼は、ドラマの中で短刀を突きつけられ、腰が抜けるという情けないシーンが納得できなかったらしく、撮影現場で監督と議論することがあったとのこと。するとそれを知った共演者の瑛太は、楽屋にいる松田のもとへ飛んでいったそうで、『俺は嫌だ!』『それは違うだろ!』という怒号が飛び交うほどの激しいバトルが繰り広げられたそうです」(同)

 そんな瑛太とのバトルは、30分近くも続いたとのこと。これが日常茶飯事ならば、撮影がストップすることで、戸田のように不満を口にする共演者が出てきても不思議ではないのかもしれない。

二宮和也の結婚を木村拓哉がアシスト? パートナー女性たちがくぐる茨の道

 交際と同棲が噂されている嵐の二宮和也とフリーアナウンサーの伊藤綾子だが、二宮の先輩である木村拓哉が結婚の仲人を務めるという話が浮上していると、今月5日に「日刊ゲンダイDIGITAL」が伝えた。

 二宮と伊藤の最初の交際報道は2016年だが、その時点で2014年から交際中とされていた。事実であれば2019年現在で5年近く交際していることになり、互いに30代後半という年齢もあって“結婚秒読み”との報道は絶えない。

 「日刊ゲンダイDIGITAL」によると二宮和也の周囲から「2人が結婚するのであれば仲人は木村拓哉に頼むのでは」との情報が囁かれ始めているという。

二宮和也と木村拓哉はどれほど親密か?
 二宮と木村の交流は昨年公開された映画『検察側の罪人』がきっかけだろう。ジャニーズ事務所の派閥により嵐とSMAPの共演は長年NGと言われてきたが、SMAPが解散したことによって二人の共演が実現した。

 二宮と木村は映画公開に際して積極的に揃って番宣、また昨年9月放送のラジオ番組『木村拓哉 Flow』(TOKYO FM)にも、二宮はゲストとして出演した。ジャニーズ事務所で仲が良い先輩・後輩の名前を明かすくだりでは、木村が「共演した後輩たちの中でも、距離を縮められたのは二宮くらい」と話すほど親密になったようだ。

 そして昨年10月には、木村の家に二宮がひとりで訪問したと「女性セブン」(小学館)が伝えている。木村の自宅には妻の工藤静香、次女のKōki,もいたようで二宮は手厚いもてなしを受けたようだ。

 この交流が、二宮の“結婚願望”を高めたとの見解もある。木村は人気絶頂期であった2000年に工藤との電撃結婚を発表。ふたりの交際に当時のSMAPチーフマネージャーをはじめジャニーズ事務所は反対していたが、スポーツ紙が工藤静香の妊娠をスクープしたことにより、結婚を認めざるを得なかったといわれている。二宮と伊藤の場合も、事務所は二人の結婚を了承していないと言われており、二宮は木村に「結婚」に関してのアドバイスを受けていた可能性がある、ということだ。

 しかし悩ましいことに、工藤静香と伊藤綾子は、パートナーの一部ファンから蛇蝎のごとく嫌われているという共通点がある。

伊藤綾子と工藤静香が受ける“魔女”扱い
 交際報道があった当初から、伊藤綾子は二宮との交際を自身のブログ等で匂わせていたとして、二宮のファンから強烈なバッシングを受けている。昨年「週刊文春」が実施した読者アンケート「女が嫌いな女ランキング」では3位にランクインした。

 それを煽るように、メディアでも伊藤を“悪女”とするような報道が出た。今年2月の「週刊女性」(主婦と生活社)は、伊藤が二宮に対し、「あなたの両親からひどい仕打ちを受けている」と吹き込み、二宮と両親の間に亀裂が入ったと報じた。また、二宮は伊藤の“言いなり”であり、嵐のメンバーや関係者が集まる会議でも「綾子を同席させて意見を聞いたほうがいいんじゃないか」と発言することもあったそうだ。

 二宮と両親を不仲にさせたり、二宮が伊藤の言いなりになっていたりという話はにわかに信じがたいが、工藤静香にも「木村拓哉と両親を引き裂いた」「木村は工藤の言いなり」という報道が、結婚当初から現在に至るまで再三に渡り繰り返されてきた。そのせいか、工藤静香は前掲「女が嫌いな女ランキング」では1位だ。

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 なかでも象徴的だった報道はSMAP解散騒動での“嫁ブロック”。SMAP解散騒動は2016年に勃発したが、最初は5人全員でジャニーズ事務所を退所する予定だったという。しかし、最終的に木村拓哉が事務所への残留を決め、全員での退所は頓挫。この木村の行動は“謀反”と揶揄され、裏切り者扱いされるきっかけとなったが、その裏には、工藤の口出しがあったと報じるメディアもある。工藤は木村に残留を懇願し、2016年8月発売の「週刊文春」(文藝春秋)では、工藤がSMAPの元マネージャーであった飯島氏に対し「貴女のせいで、主人の人生が変わったらどうしてくれるの!」と猛抗議したとしている。ただ、工藤はその翌週に発売された「フライデー」(講談社)の取材で、報道はウソだと一蹴した。

 ちみに、工藤は手料理を自身のインスタグラムで度々披露しているが、「日刊ゲンダイDIGITAL」によると、伊藤綾子も二宮が自宅に招いた後輩に対して手料理を振舞うのが定番になっているという。

 二宮和也の気持ちは固まっているようで、事務所に対して「伊藤と結婚できないのであれば嵐を辞める」と抗議したとの報道もあり、このまま互いの気が変わらなければ嵐が活動を休止する2021年以降に結婚する可能性が高い。ただ、伊藤が二宮と結婚した暁には、工藤静香と同様の「ファンの憎悪を背負った妻」の道が待っているのかもしれない。

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坂上忍、『バイキング』でまた失態! 自身の間違い認めず「司会者失格」「人間のクズ」の声

 5月6日に放送された情報番組『バイキング』(フジテレビ系)にて、司会の坂上忍がゲストの名前を間違える“失態”を犯し、ネット上で話題になっている。

 この日は「女優・田中美奈子さんのヤバすぎる私生活を夫・岡田太郎さんが激白!」と題したコーナーが設けられており、スタジオには田中本人がゲストとして出演していた。

「コーナーを始める際、坂上が『さあ、そんな田中“美佐子”さんのヤバすぎる私生活とは、一体どんなものなのでしょうか』と、いきなり名前を間違えたんです。坂上の隣にいた共演者のブラックマヨネーズ・小杉竜一は、この間違いに気づいたのか慌てた表情を見せ、すぐに坂上の腕をつかんだのですが、すかさず田中本人が『あの、名前が!』と指摘。その後、小杉が『今、“美佐子”さんって……』と坂上の間違いを指摘するも、当の本人は『いや、“美奈子”さんって(言った)』と、自分の間違いを認めようとしませんでした」(芸能ライター)

 坂上の態度に田中は「(美奈子って)言ってない!」と抗議し、ネット上でも「指摘されても気が付ないとか、司会者失格だよ」「人の名前を間違えておいてすぐに謝れないとか、司会者どころか人間のクズ!」「こんな適当に仕事してて恥ずかしくないのか?」など、批判が噴出した。

「坂上は、その後も『美佐子さんって言った?』と腑に落ちない様子を見せ、台本を閉じて『もう、僕ちょっと帰る……』と、スタジオから出て行く素振りを見せました。その後、『田中“美奈子”さんのヤバすぎる私生活とは、一体なんなんでしょうか!』と改めて言い直すも、名前を間違えたことについてカメラの前で謝罪はなく、何事もなかったかのように番組が進行していました」(同)

 同番組の司会者でありながら、度々番組中の“失言”が批判を浴びる坂上。今回の件でも、視聴者からは「本当に帰ればよかったのに。坂上がいなくても問題ナシ」「自分が名前間違えられたら相当キレそうなのに、自分が間違ったときは謝りもしないとか……」「他人の失敗はしつこいくらいに追及するのに、自分の間違いは笑って誤魔化すとか最低」と、呆れた声がネット上に多数投稿されていた。

 一時は同時間帯に放送されている番組の中で、トップの視聴率を誇っていた『バイキング』だが、最近は日本テレビ系の『ヒルナンデス!』に負けることも多い。司会者という立場上、坂上が自身の発言に責任を持たない限り、番組の低迷は続きそうだ。

Kis-My-Ft2・宮田俊哉、『10万円でできるかな』で大発見! “当たるスクラッチ”の法則とは

 Kis-My-Ft2の冠番組『10万円でできるかなSP』(テレビ朝日系)が、5月6日に放送された。この日はゲストにお笑いコンビ・タカアンドトシと、元女子レスリング選手・吉田沙保里を迎え、「スクラッチ当たったお金だけで旅できるかな?」という新企画が放送。二階堂高嗣&宮田俊哉のキスマイチームとゲストチームが「スクラッチ削り旅」で対決した。

 静岡・伊東~伊豆高原を舞台に、それぞれ5万円を元手にして旅中にスクラッチくじを購入し、当選金額で旅を楽しんでいくという企画で、キスマイチームは早速「もし1等(100万円)とか当たったら、そのまま軽自動車買ってそれで移動していいんですか?」と余裕の表情。スタート直後に伊東の道の駅で宝くじ売り場を見つけ、9コマすべて削ってタテ・ヨコ・ナナメいずれか一列に同じ絵柄が出たら当たりという「ワンピーススクラッチ宝くじ」を1万円分購入した。足湯に浸かりながらスクラッチを削ったところ、いきなり2,000円が当たり、そのまま市場に移動。干物などおみやげを買って、旅を満喫していた。

 一方、ゲストチームは1軒目から吉田が脅威のくじ運を発揮し、当選金が1万8,000円、2軒目では5,000円と絶好調で、うな丼や刺身などに舌鼓を打つ贅沢な旅に。キスマイチームも負けじと同じスクラッチに挑戦し、2・3軒目ともに3,000円を獲得するも、旅の資金は思ったように増えずに苦戦。宝くじ売り場の店員に教えてもらったおすすめの飲食店で、税込み2,570円の海鮮丼を注文するも、名物のビールを飲むには20円ほど足りず、泣く泣く諦めるという悲しい出来事も。

 実はこの店に来る前、2人は小さな神社でお参りをしており、そこで20円のお賽銭を入れていたのだ。二階堂は思わず「あれなきゃ飲めた!」と叫び、宮田も「本当、お賽銭しなければお酒飲めたじゃん……」と絶句。思わぬ出費に苦しめられた2人だったが、海鮮丼はおいしそうに頬張っていた。

 しかしその後、4軒目の宝くじ売り場の閉店時間が迫っていることが発覚。バスを待っていたら間に合わないため、夕日を横目に見ながら、食後に宝くじ売り場まで全力で走るという、過酷な旅を強いられてしまう二階堂と宮田。

 ようやくたどり着いた4軒目で、「2人で温泉に入る」もしくは「高級ステーキ店で食事をする」ことを目標に、最後のくじに挑戦。ここで二階堂が4等の2,000円を当て、「うお~!」と手を叩いて喜ぶなど盛り上がり、さらに宮田が1等100万円の当たりまでリーチを出す。実は宮田、過去に何度もこの「ワンピーススクラッチ」に挑戦する中で“当たりの法則”を見つけており、例えばドクロマークはマス目に並んで出ない方が当選確率は高いといったものがある。

 そして、3×3マスのうち上段真ん中のマスにドクロが出ると「当たり」との新法則も発見し、実際、100万円のリーチが掛かると、宮田は「手が震えて削れないんだけど……」と緊張しながらスクラッチを削った。しかし、残念ながら結果は6等の200円。結局3,000円の当たりのみで、キスマイチームの総獲得金額は1万1,000円だった。

 しかし、最後には2人で温泉を堪能し、宮田は「こんなにいい旅ないでしょ!」と絶賛。大当たりは出なかったものの、なんだかんだで楽しい旅となったようだ。

 この日の放送に視聴者からは、「最後は2人で温泉に入る姿も見れたし、満足感あった!」「結局1等は当たらなかったけど、2人で大盛り上がりしてるのがめっちゃかわいかった」「スクラッチ旅楽しそうだな~今度やってみたいかも」という声が集まっていた。
(福田マリ)

「改元お祭り騒ぎ」の同調圧力を弱める、タモリの一言

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(4月28日~5月4日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします

ますだおかだ・岡田「令、ワオ!」

 昭和から平成に移行したときはレンタルビデオ店が繁盛した、という話がある。天皇崩御に伴う当時のテレビの「自粛ムード」を象徴するエピソードとして、よく聞く。

 対して、今回の改元時のテレビは、おおむね「祝賀ムード」が基調だったように思う。で、Twitterなどを見ていると、そんなテレビに対しては「またお祭り騒ぎをやってる」みたいな批判的な声もあるようだ。バカみたいにはしゃいでるだけでつまらない、というような。今回はレンタルビデオ店ではなく、動画配信サービスが人気だったのではないか、みたいなツイートも目にした。

 なるほど、そういう「お祭り騒ぎ」の面はあったかもしれない。30日の夜、年越しならぬ時代越しの前後には、NHKをはじめ複数の番組は渋谷のスクランブル交差点にカメラを構え、集まった群衆を映していた。改元をまたいで深夜まで行われた岐阜県の盆踊りや、ジュリアナ東京を彷彿とさせるようなディスコからの中継も見た。阿部知代が踊っていた。

「令和ギャグ」もいくつか見かけた。チョコレートプラネット・松尾はIKKOのモノマネで「令和~」といい、ますだおかだ・岡田は「令、ワオ!」と叫んでいた。芸人ではないけれど、DAIGOは平成を「KZN(絆)」と振り返り、令和を「RW(ロックでワイルド)な時代にしたい」と展望していた。

 平成最終日の30日は、民放でどちらかというとマジメ路線の番組が多かった。バラエティ色が強めの番組は、むしろNHK総合で放送されていた(『ゆく時代くる時代~平成最後の日スペシャル~』)。90年代のフジテレビの看板番組だった『料理の鉄人』の“鉄人”たちが、『きょうの料理』とコラボして制限時間内に料理をする企画もあった。福井謙二を実況アナとして迎えるなど、あの“キッチンスタジアム”の雰囲気がNHKで再現されていた。平成の途中までバラエティ番組を中心に元気だったフジテレビと、近年はバラエティ方面でも『チコちゃんに叱られる!』など、民放っぽい人気番組を出すようになっているNHK。そんな平成の31年間を通したバラエティ番組の趨勢を象徴するような場面だった。

 こういった状況を見ると、なるほど確かに、テレビは今回「お祭り騒ぎ」に興じていたみたいな批判も、わからないではない。同調圧力に感じる人も、いたりするのだと思う。個人的には、特に『料理の鉄人』と『きょうの料理』のコラボなど、楽しかったけれど。各シェフが趣向を凝らした料理を作るなか、陳建一が土井善晴の握ったシンプルな塩むすびを、「うまぁい!」と満面の笑みで頬張っていたのが最高だった。

 ただ、実際にテレビが「お祭り騒ぎ」一色だったかというと、そういうわけでもない。

 たとえば、30日夜に放送された『NHKスペシャル』(NHK総合)では、女系天皇や女性天皇の可能性をめぐる過去の議論の経緯が振り返られていた。男性皇族が減り、皇位継承者が限られている現在。このままだと象徴天皇制の存続も懸念されるわけだけれど、どうするのか。「お祭り騒ぎ」の真っただ中、令和になる直前の問題提起だった。

 報道番組の中では、4日放送の『上田晋也のサタデージャーナル』(TBS系)が、今後の象徴天皇制の存続のあり方に関し、短い時間で複数の論点を取り上げていた。番組の冒頭、街頭インタビューで「“国民の象徴”とは?」と街ゆく人に問いかけ、そもそも私たちの多くが明確な答えを持っていない現状を浮き彫りにしていたのが印象的だった。

 ドキュメンタリー番組や報道番組が「お祭り騒ぎ」から距離を取るのは、ある意味で当然かもしれない。では、バラエティ番組はどうか。29日放送の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)では、改元発表とは無関係に4月1日の正午前後を過ごす人々にカメラを向けたVTRが流された。エステサロンに行っていた女性は、「(新元号は)全然興味ない。興味ないっていうか、頭いい人たちがみんなで頑張って決めてるんで、従います」と、施術台の上でうつ伏せになりながら答えていた。孫と一緒に釣り堀に来ていた男性の声は、さらに冷ややかだ。

「なんか、マスコミだけが騒いでるような感じがする」

 先週も通常営業だったのが、『5時に夢中!』(TOKYO MX)だ。令和になった感想を聞かれた美保純は、特に話す内容がないとでもいうように「んー(笑)」とほほえみ、新しい元号が何か問われた岩井志麻子は「絶倫元年だろ?」と答えた。ロシア出身の小原ブラスは、今日は警察官が多いので局に来るまでに職質されたと話し、視聴者からは次のようなメッセージが届いた。

「令和の初日には働いていた職場が倒産し無職になり、昨日は付き合っていた彼女に逃げられ、今日は毎日連絡をこっそり取っていた別の女性と連絡が取れなくなり、すべてが令和になってから私から去っていきます」

 そして、30日の夜、フジテレビで放送された『平成の“大晦日”令和につなぐテレビ』。総合司会のタモリは番組の最後、令和はどんな時代になってほしいと思うか問われ、次のように答えた。

「ちょっといいですか? さっき平成とか漢字がいっぱい出てきましたけども、何年か前に省庁が合併したりなんかしまして、看板があるんですね。あの漢字の中で、いかがなものかというのがかなりあるんで、この際どうですかね。ちゃんとあれをこう、漢字をやればいいんじゃないかと思いますけども」

 平成はどんな時代だったか。令和はどんな時代であってほしいか。数々の有名無名の人々が、先週のテレビでこの問いに答えていた。そんな中、日本で最も有名な人といっても過言ではないタモリが、約6時間半に及ぶ放送の最後に発した言葉が、省庁の看板をキレイに書き直したほうがいい、である。そのメッセージすら、「ちゃんとあれをこう、漢字をやればいいんじゃないか」とあやふやに。

 これまでにもさまざまな現象に茶々を入れ、権威的なものを脱力させてきたタモリ。今回もまた、「ちょっといいですか?」と一拍おいて、「お祭り騒ぎ」の同調圧力の気圧を、少し抜いていた。そんな場面も、このたびの改元前後のテレビの中にはあった。

 話の角度を変えて、最後に短めのエピソードを2つ。

 1つ目。1日放送の『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)で、有吉弘行がこんな話をしていた。年齢を重ねれば重ねるほど、自分は変態になると思っていた。たとえば、森繁久彌のように。けれど、芸能界はもう変態が生息しにくい場所になってしまった。

「あんまりにも芸能界の人もキレイすぎてさ、大吉さんと赤江さんの野っ原座ってるやつ、デートっていわれてさ。かわいそうに。あんなんがそういうふうに言われちゃうぐらい、クリーンだよ」

 2つ目。29日放送の『テレビ千鳥』(同)で、千鳥の2人が海を見に湘南へドライブしていた。車はノブが先日購入した1000万円超のベンツ。屋根をオープンにしたベンツの助手席に座る大悟は、ライターで炙ったスルメを食べ、缶ビールを飲み、タバコを吸いながら語る。

「口ん中にイカがあって、イカの臭いがグダーっとつくやろ? その臭いをビールで、この出てきたイカの汁をビールでいくんよ。口がむちゃくちゃなっとるとこを、タバコの煙で。いま3つ口ん中で混ざって、これが一番うまい」

 ノブはそんな大悟に、「きったねぇ人間!」とツッコむのだった。

 芸能界は「クリーン」になってきている。けれど同時に、タバコをテレビで普通に吸う「きったねぇ人間」が人気者になったりもしている。どちらか一方が誤りというわけでもないだろう。

 平成から令和へ時代がまたいだ先週も、テレビは多面的にお送りされていた。

(文=飲用てれび<http://inyou.hatenablog.com/>)

「改元お祭り騒ぎ」の同調圧力を弱める、タモリの一言

テレビウォッチャーの飲用てれびさんが、先週(4月28日~5月4日)に見たテレビの気になる発言をピックアップします

ますだおかだ・岡田「令、ワオ!」

 昭和から平成に移行したときはレンタルビデオ店が繁盛した、という話がある。天皇崩御に伴う当時のテレビの「自粛ムード」を象徴するエピソードとして、よく聞く。

 対して、今回の改元時のテレビは、おおむね「祝賀ムード」が基調だったように思う。で、Twitterなどを見ていると、そんなテレビに対しては「またお祭り騒ぎをやってる」みたいな批判的な声もあるようだ。バカみたいにはしゃいでるだけでつまらない、というような。今回はレンタルビデオ店ではなく、動画配信サービスが人気だったのではないか、みたいなツイートも目にした。

 なるほど、そういう「お祭り騒ぎ」の面はあったかもしれない。30日の夜、年越しならぬ時代越しの前後には、NHKをはじめ複数の番組は渋谷のスクランブル交差点にカメラを構え、集まった群衆を映していた。改元をまたいで深夜まで行われた岐阜県の盆踊りや、ジュリアナ東京を彷彿とさせるようなディスコからの中継も見た。阿部知代が踊っていた。

「令和ギャグ」もいくつか見かけた。チョコレートプラネット・松尾はIKKOのモノマネで「令和~」といい、ますだおかだ・岡田は「令、ワオ!」と叫んでいた。芸人ではないけれど、DAIGOは平成を「KZN(絆)」と振り返り、令和を「RW(ロックでワイルド)な時代にしたい」と展望していた。

 平成最終日の30日は、民放でどちらかというとマジメ路線の番組が多かった。バラエティ色が強めの番組は、むしろNHK総合で放送されていた(『ゆく時代くる時代~平成最後の日スペシャル~』)。90年代のフジテレビの看板番組だった『料理の鉄人』の“鉄人”たちが、『きょうの料理』とコラボして制限時間内に料理をする企画もあった。福井謙二を実況アナとして迎えるなど、あの“キッチンスタジアム”の雰囲気がNHKで再現されていた。平成の途中までバラエティ番組を中心に元気だったフジテレビと、近年はバラエティ方面でも『チコちゃんに叱られる!』など、民放っぽい人気番組を出すようになっているNHK。そんな平成の31年間を通したバラエティ番組の趨勢を象徴するような場面だった。

 こういった状況を見ると、なるほど確かに、テレビは今回「お祭り騒ぎ」に興じていたみたいな批判も、わからないではない。同調圧力に感じる人も、いたりするのだと思う。個人的には、特に『料理の鉄人』と『きょうの料理』のコラボなど、楽しかったけれど。各シェフが趣向を凝らした料理を作るなか、陳建一が土井善晴の握ったシンプルな塩むすびを、「うまぁい!」と満面の笑みで頬張っていたのが最高だった。

 ただ、実際にテレビが「お祭り騒ぎ」一色だったかというと、そういうわけでもない。

 たとえば、30日夜に放送された『NHKスペシャル』(NHK総合)では、女系天皇や女性天皇の可能性をめぐる過去の議論の経緯が振り返られていた。男性皇族が減り、皇位継承者が限られている現在。このままだと象徴天皇制の存続も懸念されるわけだけれど、どうするのか。「お祭り騒ぎ」の真っただ中、令和になる直前の問題提起だった。

 報道番組の中では、4日放送の『上田晋也のサタデージャーナル』(TBS系)が、今後の象徴天皇制の存続のあり方に関し、短い時間で複数の論点を取り上げていた。番組の冒頭、街頭インタビューで「“国民の象徴”とは?」と街ゆく人に問いかけ、そもそも私たちの多くが明確な答えを持っていない現状を浮き彫りにしていたのが印象的だった。

 ドキュメンタリー番組や報道番組が「お祭り騒ぎ」から距離を取るのは、ある意味で当然かもしれない。では、バラエティ番組はどうか。29日放送の『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)では、改元発表とは無関係に4月1日の正午前後を過ごす人々にカメラを向けたVTRが流された。エステサロンに行っていた女性は、「(新元号は)全然興味ない。興味ないっていうか、頭いい人たちがみんなで頑張って決めてるんで、従います」と、施術台の上でうつ伏せになりながら答えていた。孫と一緒に釣り堀に来ていた男性の声は、さらに冷ややかだ。

「なんか、マスコミだけが騒いでるような感じがする」

 先週も通常営業だったのが、『5時に夢中!』(TOKYO MX)だ。令和になった感想を聞かれた美保純は、特に話す内容がないとでもいうように「んー(笑)」とほほえみ、新しい元号が何か問われた岩井志麻子は「絶倫元年だろ?」と答えた。ロシア出身の小原ブラスは、今日は警察官が多いので局に来るまでに職質されたと話し、視聴者からは次のようなメッセージが届いた。

「令和の初日には働いていた職場が倒産し無職になり、昨日は付き合っていた彼女に逃げられ、今日は毎日連絡をこっそり取っていた別の女性と連絡が取れなくなり、すべてが令和になってから私から去っていきます」

 そして、30日の夜、フジテレビで放送された『平成の“大晦日”令和につなぐテレビ』。総合司会のタモリは番組の最後、令和はどんな時代になってほしいと思うか問われ、次のように答えた。

「ちょっといいですか? さっき平成とか漢字がいっぱい出てきましたけども、何年か前に省庁が合併したりなんかしまして、看板があるんですね。あの漢字の中で、いかがなものかというのがかなりあるんで、この際どうですかね。ちゃんとあれをこう、漢字をやればいいんじゃないかと思いますけども」

 平成はどんな時代だったか。令和はどんな時代であってほしいか。数々の有名無名の人々が、先週のテレビでこの問いに答えていた。そんな中、日本で最も有名な人といっても過言ではないタモリが、約6時間半に及ぶ放送の最後に発した言葉が、省庁の看板をキレイに書き直したほうがいい、である。そのメッセージすら、「ちゃんとあれをこう、漢字をやればいいんじゃないか」とあやふやに。

 これまでにもさまざまな現象に茶々を入れ、権威的なものを脱力させてきたタモリ。今回もまた、「ちょっといいですか?」と一拍おいて、「お祭り騒ぎ」の同調圧力の気圧を、少し抜いていた。そんな場面も、このたびの改元前後のテレビの中にはあった。

 話の角度を変えて、最後に短めのエピソードを2つ。

 1つ目。1日放送の『マツコ&有吉 かりそめ天国』(テレビ朝日系)で、有吉弘行がこんな話をしていた。年齢を重ねれば重ねるほど、自分は変態になると思っていた。たとえば、森繁久彌のように。けれど、芸能界はもう変態が生息しにくい場所になってしまった。

「あんまりにも芸能界の人もキレイすぎてさ、大吉さんと赤江さんの野っ原座ってるやつ、デートっていわれてさ。かわいそうに。あんなんがそういうふうに言われちゃうぐらい、クリーンだよ」

 2つ目。29日放送の『テレビ千鳥』(同)で、千鳥の2人が海を見に湘南へドライブしていた。車はノブが先日購入した1000万円超のベンツ。屋根をオープンにしたベンツの助手席に座る大悟は、ライターで炙ったスルメを食べ、缶ビールを飲み、タバコを吸いながら語る。

「口ん中にイカがあって、イカの臭いがグダーっとつくやろ? その臭いをビールで、この出てきたイカの汁をビールでいくんよ。口がむちゃくちゃなっとるとこを、タバコの煙で。いま3つ口ん中で混ざって、これが一番うまい」

 ノブはそんな大悟に、「きったねぇ人間!」とツッコむのだった。

 芸能界は「クリーン」になってきている。けれど同時に、タバコをテレビで普通に吸う「きったねぇ人間」が人気者になったりもしている。どちらか一方が誤りというわけでもないだろう。

 平成から令和へ時代がまたいだ先週も、テレビは多面的にお送りされていた。

(文=飲用てれび<http://inyou.hatenablog.com/>)

“カマキリ先生”香川照之に福山雅治が喰われた!? 『集団左遷!!』第3話は視聴率二ケタを守れたか

 福山雅治が主演する初のサラリーマンもの『集団左遷!!』(TBS系)。元号が平成から令和に変わり、キャッチコピーも「平成最後の下克上だ」から「令和最初の下克上だ」に変わりました。さて、どれだけの人が気づいたでしょうか。第3話を振り返りたいと思います。

(前回までのレビューはこちらから)

 第1話からそこはかとなく漂う“コレジャナイ感”。第3話では廃店が決まっている三友銀行蒲田支店の片岡支店長(福山雅治)たちの前に、廃店計画を進める本部の横山常務(三上博史)が現われます。両者の間で激しい視殺戦が繰り広げられるかと思いきや、横山常務は「業績アップ、おめでとうございます」と蒲田支店の奮闘ぶりを讃え、あっさりと引き揚げていきます。あまり意味のないシーンでした。第2話のラストで盛り上げておいて、すっごい肩すかしです。

 片岡支店長は相変わらず「さらにがんばろ~!」としか言わないのですが、半期で100億円のノルマを達成しないと自分たちの居場所がなくなる蒲田支店の行員たちは尻に火が点いた状態となり、懸命に営業成績を上げていきます。

 

目の前の上司をスパイ呼ばわりする不自然さ

 ところが横山常務の指図で、またしても本部の横やりが入ります。廃店候補となっている支店が扱っている大口の取引先は、本部へと移管されることになったのです。さらに、廃店した支店の残務処理に10人回すように蒲田支店に命令が下ります。これでは、いくらがんばってもノルマを達成することは不可能です。

 せっかく団結しかかっていた蒲田支店ですが、亀裂が生じます。若手行員の滝川(神木隆之介)が「ここの情報がダダ漏れしている。おかしい。本部の肩を持つ真山さんがスパイじゃないか」とみんなの前で言い出します。滝川にとって、副支店長の真山(香川照之)は上司です。いくらドラマとはいえ、目の前にいる上司に向かってこれはないんじゃないでしょうか。若手演技派の神木くんから出てきた台詞だけに、余計に違和感がありました。

 もしかするとTBSのディレクターは、ダメダメ人間たちの中で起きる魔女狩りの恐ろしさを描きたかったのでしょうか。それにしても中途半端です。大手銀行を舞台にした企業ドラマにもかかわらず、“コレジャナイ感”がますます濃厚に漂ってきます。

 

カマキリ先生の意外な一面

 そんな第3話でも、見どころはありました。みんな残業してヤル気を見せているのに、副支店長の真山だけは定時でさっさと退社していきます。『下町ロケット』(TBS系)第2シーズンの変人・軽部(徳重聡)もそうでしたが、残業しないで帰る社員は「日曜劇場」の世界では白眼視されるのでした。でも、真山には定時に退社する理由がありました。愛妻・有里(西田尚美)が長年にわたって入院しており、元気づけるために病院へ足繁く通っていたのです。

 花束を手に病室を訪ねてきた真山に対し、ベッドに伏している妻・有里は「あなたがいっぱい仕事できるよう、私も退院したら張り切ってご飯つくるわ」と囁くのでした。小さく微笑んで妻を見守る真山。企業ドラマブームを巻き起こした『半沢直樹』(TBS系)での顔面演技が大きな話題を呼んだ香川照之ですが、抑えた演技もなかなかです。昆虫に大人げなく大興奮してみせる“カマキリ先生”香川の意外な一面を知り、視聴者もホロリとさせられるのでした。

 ちなみに“カマキリ先生”は5月3日に放送された『香川照之の昆虫すごいぜ! 6時間目』(NHK Eテレ)ではアリを取り上げ、働きアリたちの社会と人間社会を重ね合わせ「あなたにはあなたにしかできないことがある。それをアリの世界が証明している」と熱い言葉を残しています。味方に付ければ心強いけれど、敵に回すと恐ろしい男、それが香川照之です。

 カマキリ先生、いや違った真山副支店長の見せ場が続きます。第3話では主に真山を尾行していた片岡支店長は、病院のロビーでようやく真山を見つけます。真山が定時で退社していた理由が分かり、スパイの疑いも晴れました。

真山「妻が退院したとき、私の今の仕事をなくすわけにはいきません。例え、どんなゴールが待っているかは分からなくても、何もしないわけにはいきません」

 がんばらない代表だった真山が、ついに片岡と手を組み、がんばることを決意したのでした。片岡と真山、スーツ姿のおっさん2人で多摩川の土手を競い合うように走ります。まるでスポ根ドラマのような展開ですが、脚本家のいずみ吉紘って、映画『ROOKIES 卒業』(09年)を書いた人だったんですね。片岡支店長がやたらと土手を走りたがることに、妙に納得しました。

 片岡と真山の共闘作戦の第1弾は、「田口るみビューティーサロン」の杜撰な経営を立て直すことでした。るみ社長(浅野ゆう子)と夫である専務(高木渉)に再建計画書を渡し、お客の信頼を取り戻すよう進言します。それまでホスト遊びで散財していたるみ社長ですが、2人の熱意に打たれてすっかり改心。もう少しでるみ社長にうっかり30億円を融資するところだった片岡は、真山の慎重さのお陰で九死に一生を得たのでした。真山さまさまです。

 

大幅ダウンしていた第2話の数字

 いつもと違った抑えた演技で、第3話の美味しいところをさらっていった香川照之。福山雅治は主役の座を喰われたかっこうとなりましたが、視聴率はどうだったのでしょうか?

 初回13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と思いのほか好発進した『集団左遷!!』でしたが、第2話は8.9%、第3話は10.1%という結果でした。第2話で4.9%も大幅ダウンしていたとは……。救いは福山と香川ががっちりスクラムを組んだ第3話で、二ケタに持ち直したことでしょうか。

 この数字をキープできるかどうかは、やはり福山主演ドラマとしてではなく、企業ドラマとしてアンサンブルの面白さを発揮できるか次第ではないでしょうか。第4話は元男呼闘組の高橋和也にスポットライトが当たるようです。おっさんたちが底力を発揮して、採算効率しか考えない体制側や世間の常識にひと泡吹かせる展開に期待したいと思います。

(文=長野辰次)

“カマキリ先生”香川照之に福山雅治が喰われた!? 『集団左遷!!』第3話は視聴率二ケタを守れたか

 福山雅治が主演する初のサラリーマンもの『集団左遷!!』(TBS系)。元号が平成から令和に変わり、キャッチコピーも「平成最後の下克上だ」から「令和最初の下克上だ」に変わりました。さて、どれだけの人が気づいたでしょうか。第3話を振り返りたいと思います。

(前回までのレビューはこちらから)

 第1話からそこはかとなく漂う“コレジャナイ感”。第3話では廃店が決まっている三友銀行蒲田支店の片岡支店長(福山雅治)たちの前に、廃店計画を進める本部の横山常務(三上博史)が現われます。両者の間で激しい視殺戦が繰り広げられるかと思いきや、横山常務は「業績アップ、おめでとうございます」と蒲田支店の奮闘ぶりを讃え、あっさりと引き揚げていきます。あまり意味のないシーンでした。第2話のラストで盛り上げておいて、すっごい肩すかしです。

 片岡支店長は相変わらず「さらにがんばろ~!」としか言わないのですが、半期で100億円のノルマを達成しないと自分たちの居場所がなくなる蒲田支店の行員たちは尻に火が点いた状態となり、懸命に営業成績を上げていきます。

 

目の前の上司をスパイ呼ばわりする不自然さ

 ところが横山常務の指図で、またしても本部の横やりが入ります。廃店候補となっている支店が扱っている大口の取引先は、本部へと移管されることになったのです。さらに、廃店した支店の残務処理に10人回すように蒲田支店に命令が下ります。これでは、いくらがんばってもノルマを達成することは不可能です。

 せっかく団結しかかっていた蒲田支店ですが、亀裂が生じます。若手行員の滝川(神木隆之介)が「ここの情報がダダ漏れしている。おかしい。本部の肩を持つ真山さんがスパイじゃないか」とみんなの前で言い出します。滝川にとって、副支店長の真山(香川照之)は上司です。いくらドラマとはいえ、目の前にいる上司に向かってこれはないんじゃないでしょうか。若手演技派の神木くんから出てきた台詞だけに、余計に違和感がありました。

 もしかするとTBSのディレクターは、ダメダメ人間たちの中で起きる魔女狩りの恐ろしさを描きたかったのでしょうか。それにしても中途半端です。大手銀行を舞台にした企業ドラマにもかかわらず、“コレジャナイ感”がますます濃厚に漂ってきます。

 

カマキリ先生の意外な一面

 そんな第3話でも、見どころはありました。みんな残業してヤル気を見せているのに、副支店長の真山だけは定時でさっさと退社していきます。『下町ロケット』(TBS系)第2シーズンの変人・軽部(徳重聡)もそうでしたが、残業しないで帰る社員は「日曜劇場」の世界では白眼視されるのでした。でも、真山には定時に退社する理由がありました。愛妻・有里(西田尚美)が長年にわたって入院しており、元気づけるために病院へ足繁く通っていたのです。

 花束を手に病室を訪ねてきた真山に対し、ベッドに伏している妻・有里は「あなたがいっぱい仕事できるよう、私も退院したら張り切ってご飯つくるわ」と囁くのでした。小さく微笑んで妻を見守る真山。企業ドラマブームを巻き起こした『半沢直樹』(TBS系)での顔面演技が大きな話題を呼んだ香川照之ですが、抑えた演技もなかなかです。昆虫に大人げなく大興奮してみせる“カマキリ先生”香川の意外な一面を知り、視聴者もホロリとさせられるのでした。

 ちなみに“カマキリ先生”は5月3日に放送された『香川照之の昆虫すごいぜ! 6時間目』(NHK Eテレ)ではアリを取り上げ、働きアリたちの社会と人間社会を重ね合わせ「あなたにはあなたにしかできないことがある。それをアリの世界が証明している」と熱い言葉を残しています。味方に付ければ心強いけれど、敵に回すと恐ろしい男、それが香川照之です。

 カマキリ先生、いや違った真山副支店長の見せ場が続きます。第3話では主に真山を尾行していた片岡支店長は、病院のロビーでようやく真山を見つけます。真山が定時で退社していた理由が分かり、スパイの疑いも晴れました。

真山「妻が退院したとき、私の今の仕事をなくすわけにはいきません。例え、どんなゴールが待っているかは分からなくても、何もしないわけにはいきません」

 がんばらない代表だった真山が、ついに片岡と手を組み、がんばることを決意したのでした。片岡と真山、スーツ姿のおっさん2人で多摩川の土手を競い合うように走ります。まるでスポ根ドラマのような展開ですが、脚本家のいずみ吉紘って、映画『ROOKIES 卒業』(09年)を書いた人だったんですね。片岡支店長がやたらと土手を走りたがることに、妙に納得しました。

 片岡と真山の共闘作戦の第1弾は、「田口るみビューティーサロン」の杜撰な経営を立て直すことでした。るみ社長(浅野ゆう子)と夫である専務(高木渉)に再建計画書を渡し、お客の信頼を取り戻すよう進言します。それまでホスト遊びで散財していたるみ社長ですが、2人の熱意に打たれてすっかり改心。もう少しでるみ社長にうっかり30億円を融資するところだった片岡は、真山の慎重さのお陰で九死に一生を得たのでした。真山さまさまです。

 

大幅ダウンしていた第2話の数字

 いつもと違った抑えた演技で、第3話の美味しいところをさらっていった香川照之。福山雅治は主役の座を喰われたかっこうとなりましたが、視聴率はどうだったのでしょうか?

 初回13.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と思いのほか好発進した『集団左遷!!』でしたが、第2話は8.9%、第3話は10.1%という結果でした。第2話で4.9%も大幅ダウンしていたとは……。救いは福山と香川ががっちりスクラムを組んだ第3話で、二ケタに持ち直したことでしょうか。

 この数字をキープできるかどうかは、やはり福山主演ドラマとしてではなく、企業ドラマとしてアンサンブルの面白さを発揮できるか次第ではないでしょうか。第4話は元男呼闘組の高橋和也にスポットライトが当たるようです。おっさんたちが底力を発揮して、採算効率しか考えない体制側や世間の常識にひと泡吹かせる展開に期待したいと思います。

(文=長野辰次)

Hey!Say!JUMP、「こんなはずじゃなかった」と言わざる得ないジャニーズでの不思議な立場

 平成の時代が終わり、5月1日から「令和」の時代がスタートした。投資家の世界では、昨年夏~秋頃から印刷関連など元号関連銘柄が注目されるなどの動きがあり、世の中全体が改元に向かって大いに盛り上がっていくものと思われたが……。

 ジャニオタ的に「こんなはずじゃなかった」と言わざるを得ないのは、Hey!Say!JUMPの扱いである。「平成」をグループ名に冠する主だったものといえば、Hey!Say!JUMPとコンビ芸人・平成ノブシコブシくらい。さぞかし改元関連で引っ張りだこになるだろうと思われたのに、改元特番で見かけることもなければ、そもそもグループ全体でテレビに出ることがほとんどない。

 グループの冠番組は、隔週で出演する『リトルトーキョーライフ』(テレビ東京系)も、山田涼介・知念侑李・八乙女光の3人が出演する人気番組『スクール革命!』(日本テレビ系)も関東ローカル放送のみ。おまけに、『いただきハイジャンプ』(フジテレビ系)も、もともとは関東ローカルだ。これらの番組が放送されない地方在住で、ドラマやCM、バラエティ出演がないメンバーのファンにとっては、『めざましテレビ』(フジテレビ系)レギュラーの伊野尾慧が披露するプライベート写真コーナー「伊野尾ピクチャー」くらいでしか、テレビでメンバーの“生存確認”ができないかもしれない。

 改元関連でHey!Say!JUMPのやったことといえば、スポーツ新聞に取り上げられた、メンバー個人が舞台などの会見で語った改元に関するコメントと、雑誌の表紙をちょこっと飾った程度。一方で、ジャニーズアンチ媒体には、ジャニーズにまったく関心も知識もなさそうな識者などに「今後大変なのはHey!Say!JUMPでしょうね」などと語られたりと、踏んだり蹴ったりだ。

 ファンクラブ会員数はジャニーズ事務所全体でも嵐、関ジャニ∞に次いで3位。CDやDVD売上もトップクラスのはずだが、テレビでHey!Say!JUMPというグループを見ることはまったくない。にもかかわらず、他グループやベテランJr.などがテレビ番組で“苦労話”をするときは、Hey!Say!JUMPが引き合いに出されてばかりいる。そして、Hey!Say!JUMPの個人仕事が決まるたび、それがSPドラマ1本であっても、他グループのファンから呪詛を盛大に浴びせられ、こうした展開にはメンバーもファンも、いい加減慣れっこになっているのではないか。

 「キラキラで、先輩方から羨ましがられるポジション」は、Sexy ZoneからKing&Princeに世代交代した感があるが、「他グループなどから恨み言を言われるポジション」だけは10年以上もの長きにわたってHey!Say!JUMPの独占市場となっているのだ。つくづく不思議なグループである。


 「推され」と言われるわりに、グループ全体の露出は関東ローカル番組しかなく、周りには妬まれ恨まれ続け、露出が期待された「改元」関連ですらどこにも誰にも呼ばれることのないHey!Say!JUMP。

 と思ったら、ようやく「令和突入記念スペシャル」なるものが行われた。しかし、それは自らの冠番組『いただきハイジャンプ』(5月4日放送分)で、深夜の遊園地にメンバーと平成ノブシコブシが緊急招集されるというもの。まさかとは思ったが、誰も祝ってくれないから、「自分で自分の誕生日会を開いてしまった」パターンなのだ。

 しかも、間の悪いことに、天気は雨。深夜の暗い遊園地のテント下に地味に集い、ノブシコブシを含めた10人でじゃんけんをして、負けた1名がバンジージャンプをやるという、とてつもなく地味な企画。しいていえば、メンバーにもスタッフにもファンにも人気のある有岡大貴がバンジーを引き当てたことが、盛り上がり的にラッキーだった程度で、何とも地味なスペシャルだ。

 でも、そんな扱いがまた、実にHey!Say!JUMPらしく、ときには「ゆとり」と揶揄されてきた、おっとりのほほんとした、脱力感あふれる魅力を大いに引き出した番組ともいえる。

 デビュー12年目で全員がアラサーに差し掛かるグループでありながら、いつまでも“同じ場所”にいて、中高生女子などの若いファンを新規獲得し続け、ジャニオタたちが「あのとき、ちょっとどうかしてた」と自身の「黒歴史」を振り返って語る、熱狂度のど真ん中に居続けるHey!Say!JUMP。

 かつては「嵐のようになりたい」とよく語っていた彼らだが、嵐になる気配はまったく見えず、日々そこから遠ざかっている感もある。でも、「国民的」にならず、一般層や“お茶の間”向けにもならず、同じ場所にいながら先鋭的なオタクを常に狂わせ続けるという特殊性は、すでに彼らが確立した唯一無二の場所なのではないだろうか。
(南山ヒロミ)