池田大作重病説は本当だった!? 元・看護師が明かす厳戒病室

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「週刊文春」10月27日号 中吊り広告より
第1位 「モノクログラビア 誕生日は、3月11日」(「週刊文春」10月27日号) 第2位 「池田大作『創価学会』名誉会長『厳戒病室』本当の病状」(「週刊文春」10月27日号) 第3位 「ミステリー作家黒川博行『怒りの独占手記』週刊現代デッチ上げで『かい人21面相』にされた私」(「週刊文春」10月27日号)  1週間の中国旅行から帰った金曜日の夜、家人に買っておいてもらった週刊誌を読む。面白い。新聞はiPadでチェックしていた。週刊誌は雑誌の中吊りアプリでタイトルは見てはいたが、内容を読めない欲求不満がたまっていたから貪るように読んだ。  厚生労働省が突然、年金部会に提示した「年金開始年齢を68~70歳で検討している。65歳に引き上げの前倒しもある」という理不尽な案に、当然ながら各誌が怒っている。だが、幾分不満なのは、ではどうすればいいのかという具体策について頷けるものはなかった。  「フライデー」の「宮崎あおい、夫・高岡蒼甫とついに別居!」は、宮崎が二人の愛の巣を出て東京都下のマンションで暮らし、すでに二人の仲は破局していることを丹念な取材で明らかにしている。  「週刊新潮」が東京都世田谷区の住宅街で発生した高い放射線量騒動を取り上げている。結果、放置された夜光塗料に使われていたラジウム226だったが「年間30ミリシーベルトを50年浴びた『女性』はガンになったか!」と、92歳の女性もその家族もガンでなくなった人はいないと、放射能にビクビクしている読者に、そう心配しなくていいのだといっている。  22日土曜日の夜、お茶の水の山の上ホテルで行きつけのバーの「5周年を祝う」会があった。そこで話題になっていたのが、3位に上げた黒川博行の手記である。  「週刊現代」でノンフィクション・ライターの岩瀬達哉が、時効になったグリコ森永事件を取材して連載した「スクープ直撃!あなたが『21面相』だ」の中で、仮名だが犯人と断定されたと怒っている。  前の週の「週刊朝日」が黒川の「現代」告発を取り上げているが、こちらはより詳しく伝えている。  事件当時、黒川はデビュー作が脅迫状の文面や身代金の受け渡し方法が酷似していたことで、兵庫県警に事情聴取されているが、その時点で疑いは晴れているとしている。岩瀬と編集者に3回取材されたが、「あなたが真犯人ではないのか」という質問はなかったという。  岩瀬が黒川を真犯人だと疑う根拠は、犯人とされる人間との身長と年齢が合致、犯行に使用された車と似た車に乗っていた、容易に青酸ソーダを入手できた、脅迫テープに言語障害を持つ子どもの声が録音されているが、黒川の妹の息子にも言語障害がある、犯行現場に土地勘がある、などである。  だが黒川は、妹に言語障害の息子はいない、土地勘はない、青酸ソーダを入手できるメッキ工場は親族が経営しているが、事件当時はプレス工場だったと3点は間違いだと主張している。  取材の際のやりとりのおかしさから、黒川が真犯人だという思いこみが前提にあったとも指摘している。  当然のことながら、岩瀬と「現代」に対して抗議したが誠意ある回答はないと憤る。今回「文春」も岩瀬と「現代」に取材しているが、コメントはない。  私は岩瀬を知っているが、地道に取材をするライターである。年金問題を暴いたことでも有名で、彼が単なる思いこみで書くとは思いにくいのだが。  「朝日」は今号でも、犯人らがグリコ社長拉致に使用した車について、岩瀬の重大な事実誤認があると批判している。「週刊ポスト」も、かつて犯人のキツネ目の男に酷似しいているといわれた作家の宮崎学を、この件でインタビューしている。宮崎は連載も読んでいないし、コメントのしようがないとつれないが。  仮名で書いたのだからという言い逃れはできない。「現代」と岩瀬側はどんな反論をするのかと期待して「現代」を読んでみたが、おいおい、一行も触れていないではないか。  2年前になるが、「新潮」で朝日新聞襲撃犯の手記を掲載し、それがまったくのウソだったことが朝日新聞や他誌の指摘で明らかになり、ついには告白した当人が「文春」などで、手記は「新潮」に強制されたと告白して、「新潮」は大失態を演じた。  そのこともあって「新潮」だけではなく、他の週刊誌も売上げが減少し、存亡の危機に立たされたことを思い出す。  その後、「現代」は鈴木章一編集長が「団塊向け週刊誌」という原点帰りをして部数を少しずつ戻し、東日本大震災や島田紳助スキャンダルで勢いをつけ、ナンバー1の「文春」に迫ろうかという時期に起きた大トラブルである。  岩瀬も「現代」編集部も、黒川の批判にきちっと答える義務がある。小沢一郎のカネの問題で説明責任を果たせと追及してきた「現代」が、この問題に説明責任を果たさなければ、小沢追及とはいったい何だったのかを問われるのは間違いない。次号でやらなければ時機を逸し、また週刊誌への不信が高まり、「新潮」の二の舞になる。岩瀬と鈴木「現代」編集長が記者会見を開いて、説明すべきだと思うが。  さて、池田大作創価学会名誉会長といえば、日本を牛耳るドンのナンバー1といってもいい人物である。その池田名誉会長が昨年5月中旬以降、公の場に姿を見せていないことから重病説もささやかれてきた。  83歳だから、失礼だが病気で伏せっていてもおかしくはないが、なにせ大組織・創価学会を率いる人だから、万が一のことがあれば、組織や公明党まで、大きな影響を及ぼす。  「文春」は、その池田名誉会長の病状を間近で見たというAさんから話を聞いている。これが今週の2位。  Aさんは東京信濃町にある創価学会の医療関連施設「南元センター」で看護師として勤務していたという。数カ月にわたり看護をしてきたAさんは、池田名誉会長の病状をこう語っている。 「先生の病気は、脳梗塞です。梗塞は2カ所にあり、もともと糖尿病という持病をお持ちなので、合併症を誘発する恐れもあります。自力で歩くことはできず、移動は車椅子でした」  聞き取りづらい部分はあったが、入院当初は会話はできていたという。しかし東日本大震災以降、他人の認識できないこともあり、咀嚼が困難になり、食事をきちんと摂れなくなったため、誤嚥性肺炎の恐れから1日3回、経管注入で栄養剤を入れているという。  なぜ彼女は神のように崇めていた人の病状を明らかにしたのか。 「(中略)幹部の方々は、心配する我々学会員に対して『先生は元気です』とアピールするばかりです。しかし、それは学会員を欺き、池田先生を冒涜しているのと同じではないでしょうか。末端の学会員にも先生の現状をお知らせして、先生のために大勤行会を開いた方がいいと思うのです」  私が読んだ印象では、この告白の信ぴょう性はかなり高いと思う。どちらにしても池田名誉会長の体調ははかばかしくなく、近い将来、後継者問題が表面化してくることは間違いない。次期リーダーに誰がなったとしても、彼ほどのカリスマ性を持ったリーダーにはなり得ないから、この大宗教団体の今後は波乱含みであろう。  東日本大震災の傷跡はまだそこかしこに残り、復旧、復興はかけ声ばかりで、政治も役人も心底から被災者のことを思ったいるのか疑問に思えてならない。  しかし、どんなに被害を受けようとも、新しい命が生まれ、育っていくことを、この「文春」のグラビア特集は気付かせてくれる。  ここには3月11日に被災地で誕生した11の新しい命が載っている。春晴(はるせ)、瑞萌(みづき)、輝道(てるみち)、陽生(はるき)など、被災した親の思いがこもっている名前が多い。  春晴ちゃんは「早朝、石巻の病院で生まれる。(中略)交通手段もなく、家族が全員で顔を合わすことができたのは、4月6日。『春晴という名のように、よく晴れた日で、一生忘れられないと思います』と父・健司さん」  輝道ちゃんは、母親が初乳をあげようとしていたとき地震に襲われた。母親はとっさに輝道ちゃんにおおいかぶさると、その上から助産婦もおおいかぶさってくれたという。  陽生ちゃんは地震の直後に生まれた。母親は福島県の病院の陣痛室でその時を迎えた。看護婦の誘導で、寒い中大きなお腹を抱えて病院の駐車場に移動し、彼女の父親の車のシートを倒して布団を敷き、そこで産んだ。  お湯は出なかったから沐浴はできず、出生時刻を忘れないようにと、生まれたばかりの陽生ちゃんの足にマジックで書いたという。  虎ちゃんが生まれたのは地震から40分後。仙台市内の病院の受付の奥にある簡易ベットだった。生まれたはいいが余震が続く。へその緒を切るはさみやタオルがなく、看護師が探してくれた。書くものがなかったので、生まれた時刻はその場にいたみんなで覚えた。父親は虎ちゃんが息をしていないことに気付く。看護師が管を見つけてきてくれて、虎ちゃんののどに入れ、吸引して泣き声が戻る。その後、外へ出ると、避難していた人たちが「良かったね」と拍手をしてくれたという。  凛ちゃんの母親は青森市内の病院の分娩室にいるときに震災が起き、停電になった。「部屋が暗くなっていくので、早く産まなくちゃと焦った」と母親は話している。その夜は懐中電灯一つで過ごした。「人の痛みが分かる優しい子に育ってほしいと」と父親が言っている。  「天から遣わされた」ような命がすくすくと育っていってほしいと思う。切った張ったばかりではなく、こうした目線が読む側をほのぼのと温かくしてくれる。これが今週のグランプリである。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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「故郷・ボルネオ島での原体験が創造力の源」世界で活躍するマレーシアの"ケンヂ"

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「tiger year 2010」(c)Kenji Chai 
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どものころ、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第20回 アーティスト Kenji Chai (ケンジ・チャイ) a.k.a. Black Fryday  Kenji Chaiには、1年前、東京にアジアの友人たちが大勢集まった機会に紹介された。こちらが広東語が分かると知ると、うれしそうに話しかけてくれた。香港で使われる広東語には、英語が中国語風にアレンジされて混ざったり、今どきの新語や言い回しが絶えず新陳代謝している。だが、マレーシアの人の広東語は、その根源の部分をキープしている方言、というイメージがある(広東語も中国語の一方言なのだが)。そのせいなのか、Kenjiとの会話でも、自分の中のルーツを大切にしている、そんな印象を受けた。
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『ドラえもん 1』(小学館)
 Kenjiの故郷は、ボルネオ島の北部にある、マレーシア領サバ洲のサンダカン市。熱帯のジャングルに囲まれた町だ。 「小さな町です。生活はシンプルで、住んでいる人たちの考え方もシンプル。のんびりしたところで育ったからなのか、夢見がちで、他の人と違うことが好きな子どもでした。外のことを知るのは、テレビや雑誌、そして映画から。小さいころは、もっぱらテレビでした」  一番好きだった番組は、アジアではお約束の『ドラえもん』。 「あんな友達がいて、いろんな道具をくれたら、ボクの人生は楽なんだろうなあ、なんてことを夢見てました。それと、山のようにある『ドラゴンボール』のゲームカードは、今でもきれいな状態で保存していて、実家に帰るたびにチェックしています」
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RYOKAN HOSTEL projectの壁画 (c)Kenji Chai
 現在Kenjiは、クアラルンプールを拠点に、イラストレーションのコマーシャルワークや、グラフィティ・アートのプロジェクトといった活動を精力的に行っている。同時に彼は、彼の別名でもあるBlack Frydayというデザインレーベルのアート・ディレクターでもある。つい最近は、ペナン島にある「Ryokan」というユースホステルの壁画のプロジェクトや、マレーシアの人気ヒップホップ・バンドManHanDのPVを手掛けたばかりだ。  Kenjiの作品を強烈に印象付けるのは、キャラクターのユニークさもさることながら、そのポップでカラフルな色使いだ。それは、生まれ育った自然の環境から来るものと思っていたが、Kenjiによると「色はボクの魂の中に存在するもの」なのだという。そしてそこに、日本の漫画の影響は隠せないとも。
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「revolution-down」「ryokan」「RYOKAN-building」(c)Kenji Chai
「のんびりとした故郷で育ったこと、抱いていた夢が、ボクの創造力の源です。そこで見たり聞いたりしたことは、今の作品のネタのための"リサーチ"だったんだなと思う。もちろん、日本のものに囲まれて育ったから、その影響も大きいです。日本人は、大胆な色使いが好きですよね。『ドラえもん』や『Dr.スランプ アラレちゃん』、『ドラゴンボール』は、キャラクターの色にまずやられました」  漫画だけではない。日本製のドラマや音楽も、田舎の夢見がちな少年に、絶好の夢想のネタを提供していたようだ。 「家にはまだ、そのころ好きだったアイドルのポスターが貼ってあります。金城武と深田恭子、あと木村拓哉。ドラマ『神様、もう少しだけ』は、もうね......ボクの奥さんになる人は、絶対に深田恭子ちゃんのようなルックスでないとダメだ、とか、かなり思いつめてました(笑)」  GLAYやMr.ChildrenやX Japanの歌をラジオから録音して覚え、アイドルの情報は雑誌をスクラップして保管し......。なんだか知り合いの日本の男子の話のようだ。名前もケンジだし。ところで、どうしてKenjiなのだろう?
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「子どものころ見た香港映画に、Kenjiという日本人の俳優が出てたんです(現在映画監督の谷垣健治)。僕らの間では有名でした。Form4(日本の高校1年)のときに自分の英語名を何にしようか考えて、Kenjiが面白いんじゃないかって。仕事を始めるようになってからは中国語の「蔡(Chai)」という漢字をKENJIというアルファベットで作ったロゴマークをつくり、Kenji Chaiと名乗ることにしたんです」。  だからKenjiという名前だけよりも、Chaiも含めたフルネームで呼んでもらう方がうれしいという。 「自分が中国人だということを忘れたくないから」  これからは、中国のモチーフも作品に取り入れていくつもりだというKenjiの今の夢は、世界中を旅して、偉大なアーティストたちと出会うこと。 「彼らと一緒に巨大な作品を創りたいんです。境界のない遊技場で遊ぶ子どもたちみたいに」  ドラえもんがいなくても、アート活動における自分の夢の一つ一つを実現しているKenji。だからこそ彼には、いつでも次の「夢」が必要なのだと思う。 portrait_kenji.jpg ●Kenji Chai マレーシア連邦サバ州サンダカン市生まれ。現在はクアラルンプールをベースに、イラストレーター、グラフィティ・アーティスト、キャラクター・デザイナーなどとして、さまざまな分野で活動している。コマーシャル・クライアントにVans、Black Berry、Sony、U-mobileなど。 <http://www.kenjichai.com/> <http://www.blackfryday13.com/>  Special thanks to Si Juan (Bigbros workshop) ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
ドラえもん (1) 万国共通。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.19】「人生に起きるすべてのことを細かく観察したい」中国ネット世代のアーティスト 【vol.18】「ヒーローは宮崎駿と奈良美智」シンガポールのマルチスタイル・アーティスト 【vol.17】「ルーツは『天空の城 ラピュタ』」ウォン・カーウァイに見い出された香港の若き才能 【vol.16】怖かわいい魑魅魍魎が暴れ回る! ヤン・ウェイの妖魔的異界 【vol.15】「原点は日本のコミック」東南アジアを席巻する都会派クリエーター 【vol.14】エロ×宗教×故事が混在!? 中国版・寺山修司が造り出すカオスな世界 【vol.13】昼間はOL、夜は寡黙なアーティスト ソン・ニが描く秘密の快楽の世界 【vol.12】まるで初期アニメ ローテクを駆使する南国のアート・ユニット「トロマラマ」 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

藤子不二雄Aだらけの町・富山県氷見市!

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珍奇なものをこよなく愛するライター・北村ヂンが、気になったことや場所にNGナシで体当たり取材していく【突撃取材野郎!】。第11回は、藤子不二雄Aだらけの町・富山県氷見市に行ってきました。 ■FミュージアムもいいけどAミュージアムも作って!  当連載では前回、オープンしたばかりの「川崎市藤子・F・不二雄ミュージアム」へ突撃取材をしてきた。その名の通り、藤子・F・不二雄先生の人気漫画『ドラえもん』や『パーマン』『エスパー魔美』などのキャラクターや生原稿てんこ盛りの楽しいミュージアムだったのだが、ボク的にはちょっとお願いしたいことが......。それは「藤子不二雄A先生のミュージアムも作ってくれよ!」ということ。F先生とA先生、とっくの昔にコンビを解消しているのは分かっているけど、やはり昔からのファンにとって「藤子不二雄」とは永遠に2人組の漫画家なのだ!   藤子・F・不二雄先生(通称・藤子ファンタジー不二雄)の夢いっぱいの世界もいいけど、藤子不二雄A先生(通称・藤子不二雄アナーキー、もしくは藤子不二雄アヴァンギャルド)のトラウマ&悪夢いっぱいの世界も大好き。『怪物くん』『忍者ハットリくん』『笑ゥせぇるすまん』『魔太郎がくる!!』......こんなキャラクターが勢揃いしたミュージアムを是非とも作ってもらいたい! できれば藤子・F・不二雄ミュージアムの隣に。  川崎市にはいずれ本当に実現してもらいたい夢ではあるものの、すぐにというわけにもいかないので、今回は今すぐ藤子不二雄Aの世界を満喫できるスポットを紹介しよう。 ■富山県氷見市は町中が藤子不二雄Aミュージアムだ  やって来たのは富山県の氷見市。実はここ、藤子不二雄A先生の出身地ということで、町のさまざまな場所で藤子Aキャラクターと出会うことができる変な......いや、ステキな町。  氷見へ行くためには高岡駅から「氷見線」という電車に乗り換える必要があるのだが、この電車がいきなりA丸出し! ボディー全体がハットリくんのキャラクターでラッピングされた、ハットリくん電車なのだ。
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ズドーンとハットリくんでラッピングされた電車の登場に、
いきなりテンション急上昇!
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車内には藤子不二雄A先生のサインも。
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到着した氷見駅の構内にはハットリくん人形が展示されていた。
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さらに、駅前で客待ちをしているタクシーにもハットリくんが!?
 電車の外にも中にもハットリくん、駅の構内にもハットリくん、タクシーのボディーにもハットリくん......と、いくらなんでも過剰すぎるハットリカンゾウの大群にいきなり脳がクラクラしてしまったが、氷見のA推しっぷりはこんなもんじゃすまないぞっ。 ■商店街にサカナの怪物たちが......  氷見駅から少し歩いた国道沿いにある「潮風通り商店街」では、いろんなところにAキャラクターのオブジェが設置されている。ハットリくんや獅子丸、シンちゃんたちはまあいいとして、明らかにA先生のタッチではあるものの、漫画やアニメでまったく見覚えがないサカナっぽいキャラクターもしこたま並んでいるのだ。なんだこのキャラは!?  実はコレ、「氷見のサカナ紳士録」といって、藤子不二雄A先生が氷見のためにデザインしたオリジナル・キャラクターなのだ。氷見市の特産品である寒ブリを擬人化したサカナの王子様「ブリンス」(ダジャレですよ!)をはじめとして、タコの「タコ八」、チョウチンアンコウの「アンボス」などなど、魚介類をモチーフとしたキャラクターたちが勢揃いしている。  おそらく商店街の人たちは「怪物くんみたいなかわいいキャラクターを」と期待して地元に縁のあるA先生にオファーしたんじゃないかと想像するが、完成したのは怪物くんというよりは本当の怪物。A先生らしい「かわいい」と「気持ち悪い」ギリギリの線をいった、ファン的には実に楽しめるキャラクターたちではあるものの、地元の人たちはどう思ってるのか......。  ちなみにこの「サカナ紳士録」オブジェたちは、近づくと「ボンヨヨヨーン!」という音とともにしゃべり出すのだ。ボクみたいに、コレ目当てでやって来ている観光客にとってはうれしい仕掛けだけど、知らない人がいきなりサカナからしゃべりかけられたらビックリして腰ぬかしちゃうよ!
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郵便ポストの上にハットリくん、これはうれしい!
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柱に縛り付けられて号泣しているようにも見えるシンちゃん。
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そしてコレが問題のブリの「ブリンス」。
まあ、わりとそのまんまブリですね。
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こちらはタコの「タコ八」。
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チョウチンアンコウの「アンボス」ちょっと目がイッちゃってます。
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商店街のお店のシャッターや柱にも、A先生のキャラクターたちが。
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これはA先生のキャラじゃないですね、明らかに。
それにしても「アイドル」って......。
■喪黒福造がそびえ立つお寺  さて、謎キャラクターが立ち並ぶ衝撃的な商店街を抜けると、ハットリくんのイラストが添えられた「光禅寺」なるお寺の看板が。いくらなんでも、お寺の看板に漫画キャラというのはやり過ぎなのでは!? と思ったものの、実はこの光禅寺、藤子不二雄A先生の生家なのだ。  かつて、A先生の父親がこのお寺の住職を務めていたのだが、小学5年生の時に急死してしまい、新たな住職が外部から来ることになったことからA先生の家族は高岡市へと引っ越すことになった。そこで藤子・F・不二雄先生と出会ったという、コンビ漫画家「藤子不二雄」誕生のターニング・ポイントのひとつともいえる重要なスポット。  ファン的にはそれだけでも訪れるべきお寺なのだが、さらにこの光禅寺の境内にはズラリと藤子不二雄Aキャラたちの石像が建ち並んでいるのだ。もちろんうれしいんだけど、一気に珍寺な雰囲気になってしまっているような気もしなくもない......。
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いまだかつて、お寺の看板に漫画キャラが使用されたことがあったでしょうか!?
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ごくごく普通のお寺に見えるものの、境内にはAキャラたちの石像が。
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『怪物くん』や『プロゴルファー猿』はまだいいとして、
『笑ゥせぇるすまん』をお寺に設置するのはアリかなぁ......?
★光禅寺(藤子不二雄A生家) 富山県氷見市丸の内1-35 ■観光資源としてのパワーは未知数だが......  最後に紹介したいのは、「ハットリくんのからくり時計」。市街中心部の湊川に架かる中の橋のすぐ横に設置された巨大なからくり時計なのだが、昼間の時間帯、毎正時に始動するからくりがものすごいんだ。  時計から水がビュービュー吹き出すは、ハットリくんとケムマキの人形がガンガン動いてバトルをするは、ケンイチくんはなぜか獅子舞を持っているは......。意味はよく分からないものの、とにかくお金と技術が大量につぎ込まれていそうな豪華なからくりショーが約4分間にわたって繰り広げられる。  これだけの大がかりなからくり、一回稼働させるだけでそれなりにお金がかかりそうな気がするのだが、見ていたのはボクひとり......。まあ、地元の人は毎日何回も動いているからくりをわざわざ見る気もしないんだろうけど。とにかく見応えたっぷりのショーなので、ファンの人はぜひ訪れてもらいたいスポットだ。
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なんだかフシギな形をしたからくり時計。
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ハットリくんとケムマキくんが出てきた! 
そしてビュービュー吹き上がる水、スゲー!
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シンちゃんや獅子丸、ケンイチくんも登場。なんで獅子舞を持っているのかは謎。
★虹の橋・からくり時計(ハットリくんのからくり時計) 富山県氷見市丸の内  このように、富山県氷見は町全体が藤子不二雄Aミュージアムといってもいいくらい、いたるところにAキャラたちがウジャウジャと沸いている、ファンだったら立ち脱糞必至、そしてファンでもなんでもない人的には「なんじゃこりゃ!?」感の強い町なのだ。漫画家さんの地元が町おこしとしてキャラクターを使用している例はたくさんあるものの、ここまで大規模にやっている自治体は少ないんじゃないだろうか。  まあ、ボクがフラフラ歩き回っている間、観光客らしき人どころか地元の人すら見かけなかったのは若干心配になるものの(しかし、商店街にあったラーメン屋で食ったラーメン一杯分くらいしかお金落としてない)、氷見市には今後もガンガン藤子不二雄A先生を推しまくってもらい『魔太郎がくる!!』の像や『ブラック商会変奇郎』の像、さらには『狂人軍』(A作品の中でも著しくクレイジー度の高い漫画)の像までどんどん作ってもらいたい! fujikoai01.jpg <おまけ>  氷見市にはまだまだ注目のAスポットがたくさん。こちらも合わせて訪れてね! ■氷見フィッシャーマンズワーフ 海鮮館 富山県氷見市中央町7-1
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全国でも珍しい漁港内にある道の駅・海鮮館には、A先生デザインの
「ひみぼうずくん」の像が。これまた、かわいいんだか
かわいくないんだかビミョーな......。
■氷見市潮風ギャラリー「藤子不二雄Aまんが展」 富山県氷見市中央町3-4
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潮風ギャラリーでは「藤子不二雄Aまんが展」が常設で開催されている。
原画の展示やコミック図書館、トキワ荘での部屋を再現したコーナーなど見所満載!
(取材・文・イラスト・写真=北村ヂン)
藤子不二雄Aのブラックユーモア 1 黒イせぇるすまん ちょっと遠いけど行く価値あり。 amazon_associate_logo.jpg
●「突撃取材野郎!」バックナンバー 【第10回】ファン狂喜乱舞モノ!?  藤子・F・不二雄ミュージアムに行ってきた 【第9回】男だけど女声を使いこなす"両声類"になりたい! 【第8回】SM雑誌だらけの図書館!? 風俗資料館 【第7回】 テレクラは今こんなことになっている2010 【第6回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(後編) 【第5回】『東京都北区赤羽』の作者と行く赤羽ディープスポットめぐり(前編) 【第4回】手塚、藤子、赤塚、石ノ森......漫画界の巨匠たちも食べた伝説のラーメン屋 【第3回】「激安宿に泊まりたい!」ドヤ街で一泊1,000円代の宿に泊まってみる 【第2回】「甘酸っぱい思い出のシンボル......」僕らの愛したブルマーは今どこに 【第1回】アイドル小明と行く、サブカル魔窟『中野ブロードウェイ』

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横暴な上司は有志社員が制裁します!『モンスター上司』のブラックな笑い

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上司が人格者であるとは限らない。ニック(ジェイソン・ベイトマン)
の直属のボスであるデビッド(ケビン・スペイシー)は二手三手先を読んで、
ネチネチと責め続ける。
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 職場の上司をぶっ殺してやりたいと考えたことのある人は手を挙げてください。ハ~イ。予想通り、けっこういますな。じゃあ、上司の机の上にトグロウンコする、会議用のコーヒーに抜き立ての鼻毛をブレンドする......そんなことを夢想してうっとりした人はもっと多いのでは? ざわざわ。あらら、みんなもっと正直になろうよ。まぁ、そんな控えめなところが日本人の美徳ですが、便秘とストレスの溜め過ぎは体に毒というもの。サラリーマンたちの心の奥底に渦巻く、黒い願望を代行してくれるのが『モンスター上司』だ。モンスター級の横暴さ、陰湿さで部下を振り回す上司どもは、きれいさっぱりと"消えて"もらったほうが世のため、会社のため。それまで社畜として働いてきた3人のマジメな男たちが立ち上がる。
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デール(チャーリー・デイ)の女ボス・ジュリア
(ジェニファー・アニストン)は患者が
麻酔で眠っている最中に関係を迫る。デール
に逃げ場なし。
 ところが、主人公3人が勤める各職場のモンスター上司たちはかなり手強い。ケビン・スペイシー、ジェニファー・アニストン、コリン・ファレルとそれぞれピンで主役を張る大物俳優たちがイヤ味な上司役を存在感たっぷりに演じている。主人公たち3人が日本ではまだ無名の存在なのとは対照的。モンスター上司の筆頭格"パワハラ上司"を演じるのはオスカー俳優のケビン・スペイシー。昇進をエサに、部下のニック(ジェイソン・ベイトマン)を奴隷のようにこき使う。その上、朝6時の早朝出社に1分遅れただけで、ネチネチと責め続ける神経質な性格。ブラッド・ピットの元妻で好感度女優のジェニファー・アニストンは、イメージを180度変えた"セクハラ上司"。婚約したばかりの助手デール(チャーリー・デイ)に対し、勤務中にエロトークをガンガン炸裂させる歯科医役だ。二枚目俳優のコリン・ファレルはハゲヅラを被っての"バカハラ上司"に。先代社長にかわいがられていた経理担当のカート(ジェイソン・サダイキス)に有害廃棄物の違法投棄を指示するわ、職場でコカインを吸うわ、コンプライアンスのコの字も知らないバカ息子社長だ。  「セクシーな女上司からのセクハラなら、毎日がパラダイスじゃん!」と思わず顔がほころぶM体質な人もおられるかもしれないが、職場はイメクラやコスプレパブではございません。実際に一線を越えちゃったら、もう職場は閉ざされた肉欲地獄。妻帯者の場合は家庭崩壊の危機ですよ。恋人や婚約者がいる身なら確実にその後の人生が変わります、ダメなほうに。幸せな家庭生活なんて、ビニール傘のようにモロくて壊れやすいもの。さらに、3人のモンスター上司たちは、今は不況のため転職や再就職が難しいことをよ~く知っていて、逃げ場のない部下たちをイビって楽しんでいるから始末が悪い。
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カート(ジェイソン・サダイキス)は二代目
社長ボビー(コリン・ファレル)の経営者
らしからぬアンモラルな言動に振り回される。
 酒場でそれぞれの上司の鬼畜さをグチっていたニック、デール、カートの3人は、酒の勢いを借りて、ついに上司どもを抹殺することで合意。ここから、いっきに藤子不二雄A先生チックなブラックな世界に突入! 『魔太郎がくる!!』の浦見魔太郎のように「こ・の・う・ら・み・は・ら・さ・で・お・く・べ・き・か」と復讐心を抱いた3人の前に、「ドーン!!!」と『笑ゥせぇるすまん』の喪黒福造のごとく怪しい男(ジェイミー・フォックス)が現われる。怪しい男は"殺人コンサルタント"を名乗り、上司たちを消し去るナイスなアイデアを提供するのだった。ちなみに"黒いボランティア"喪黒福造と違って、彼の情報提供は有料です。  殺人コンサルタントからのアドバイスは、有料なだけに実用的。まずはターゲットの行動パターンを熟知し、相手の弱みを握れというもの。仕事そっちのけで上司たちのプライベートを追跡し始めた3人は、目がランランと輝き出す。やがて、会社では威張り散らしている"パワハラ上司"のデビッドは美人妻が浮気していないかどうか心配のあまり、周囲にイライラをぶつけていたなどの事情が見えてくる。まぁ、日本映画なら、後半には"セクハラ上司"のジュリアは男からヒドい棄てられ方をしたトラウマを持っている、"バカハラ上司"のボビーはワーカホリックだった先代社長から幼い頃に愛情を注がれた記憶を持たずに育ってしまった......などの同情できる要素を盛り込み、最後は上司と部下が本音をぶつけ合って大団円、なんでしょうが、そこはご安心ください。「和をもって尊しとなす」という聖徳太子の教えを今も律儀に守る日本と違って、「力こそ正義」を掲げる米国です。松崎しげるやみのもんたの顔よりも、超ブラックなクライマックスを迎えます。
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デール役のチャーリー・デイいわく「主人公
の3人は、フロイト的に見ると原始的衝動、
自我、超自我の関係になるんだ」と心理分析。
 いい大人が酒の勢いでバカなことをやらかすという設定は、『ハングオーバー!消えた花ムコと史上最悪の二日酔い』(09)と同様に日々マジメに働く社会人なら共感を覚えるもの。米国では公開1カ月で1億ドルを突破する大ヒット作となっている。普段は黙々と働く日本人サラリーマンも、『モンスター上司』を観て、気分がスカッとしたなら儲けモンじゃないすかね。筆者は"バカハラ上司"に悩まされているカートが上司の歯ブラシを尻の穴に突っ込んで、元に戻すシーンに「そうか、こういう手があったか!」と喝采を送りましたよ。  まぁ、映画を観たからといって、職場でのイジメや上司の態度が改まるわけではないので、DVと同じように外部からはわかりにくい職場でのトラブルは日記などにメモすることをお勧めします。自分の置かれている状況が客観的に見えてくるし、裁判になった場合は証拠になり、うまくすると藤子不二雄A先生が『魔太郎がくる!!社会人編』を描いてくれるかもしれません。 (文=長野辰次) monster05.jpg 『モンスター上司』 監督/セス・ゴードン 出演/ジェイソン・ベイトマン、チャーリー・デイ、ジェイソン・サダイキス、ジェニファー・アニストン、コリン・ファレル、ケビン・スペイシー、ドナルド・サザーランド、ジェイミー・フォックス  配給/ワーナー・ブラザース映画  10月29日(土)よりシネマート新宿、シネマート心斎橋ほか全国ロードショー PG12 <http://wwws.warnerbros.co.jp/horriblebosses>
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●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第140回]"クソみたいな社会を変えたい!"高校生テロリストの凄春『アジアの純真』 [第139回] うつ病なんかヘーキ!? 宮崎あおい主演作『ツレがうつになりまして。』 [第138回]"神話"が生まれる瞬間を目撃せよ! 人類への黙示録『猿の惑星:創世記』 [第137回]刑務所で食する至高の味『極道めし』ヒロインの後ろ姿に、むせび泣き! [第136回]"理想の恋人"という偶像を破壊せよ 深夜番長の劇場デビュー作『モテキ』 [第135回]"城定秀夫監督、ブレイク前夜の予感! 闘争本能を呼び覚ます『タナトス』 [第134回]"人間失格"の道を選んだ映画監督の業 林由美香の最新主演作『監督失格』 [第133回]ホラ吹きのホラを見破る特異な職能 ポランスキー監督『ゴーストライター』 [第132回]芦田愛菜、6歳にして危険な魅力!? 子連れで全力疾走『うさぎドロップ』 [第131回]元"暴走族"が書いた旧友への鎮魂歌 青春懺悔録『アメイジング グレイス』 [第130回]V・ギャロ主演のサバイバルグルメ!? 『エッセンシャル・キリング』 [第129回]『キック・アス』より悪趣味で泣ける 中年男の悪ノリ暴走劇『スーパー!』 [第128回]この夏の清涼剤、地方少女のダンス成長記『あぜみちジャンピンッ!』 [第127回]竹ヤリで世界進出"スシタイフーン"『エイリアンVSニンジャ』ほか逆上陸 [第126回]イーモウ監督、久々のアイドル映画 中華的妹萌え『サンザシの樹の下で』 [第125回]ナタリー・ポートマン vs. ヘビメタ野郎 人気女優の隠し球『メタルヘッド』 [第124回]黒澤明の名作『生きる』のラテン版! ヤモメ男が残した遺産『BIUTIFUL』 [第123回]北国で93年間営業を続ける"大黒座"と町の記録『小さな町の小さな映画館』 [第122回]新幹線がすれ違う瞬間、願いが叶う? 小学生の目線で描かれた『奇跡』 [第121回]理想と情熱がもたらした"痛い現実" 青春の蹉跌『マイ・バック・ページ』 [第120回]胸に響く金言"プロとは手を抜くこと" 職人秘話『アトムの足音が聞こえる』 [第119回]危険な出会い、井口昇ミーツ仲村みう 悪夢の遊園地『富江 アンリミテッド』 [第118回]ナタリー・ポートマン"第1章"の終幕 虚実が攻め合う『ブラック・スワン』 [第117回]"セカイ"を旅立った少女の地底探検記 新海誠監督の新作『星を追う子ども』 [第116回] 美少女たちの輝きが脳裏から離れない。青春ムービー『魔法少女を忘れない』 [第115回] 恋愛が与える"陶酔"とリアルな"痛み"サブカル活劇『スコット・ピルグリム』 [第114回]妄想、空想、そして現実からの大脱走 美少女革命『エンジェル ウォーズ』 [第113回]"3.11"後の新しい映画モデルとなるか『劇場版 神聖かまってちゃん』の挑戦 [第112回]マスコミが讃えた"楽園"のその後、ひとりの少女の成長記録『愛しきソナ』 [第111回]閉鎖的な"村社会"をブチ破ったれ! 韓流サバイバル劇『ビー・デビル』 [第110回]"粋"を愛したフランスの伯父さん J・タチ主演『イリュージョニスト』 [第109回]自分にとって家族は敵か、味方か? オスカー2冠受賞『ザ・ファイター』 [第108回]コーエン兄弟『トゥルー・グリット』40年で変化した"米国のヒーロー像" [第107回]ジョニー・デップが愛した"極道記者" 『GONZO』奇人がスターだった時代 [第106回] 巨匠イーストウッド監督の異色作! 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辛酸なめ子さんの至言「なんか、つい交尾の話とかしちゃうんです」(後編)

akari_nameko02.jpg ◆前編はこちらから ――やらなくていいですよ! 私も厳しめの女子高に通っていたんですけど、あの満たされ方は半端なかったです。男子がいないだけでこんなに快適に生活できるんだ、と感動しましたよ。でもその女子校のぬるま湯に浸かりすぎたのか、いまだに男性と接する際の正解がわかりません。メンズと話す際にうまいこと女を出せないというか......出せてたらもっとグラドルの時に成功できてた気がします。  私も出せないですね、愛想がなくて、よく、怒ってるとか勝手に誤解されていました。あとは打ち解けようと思って最初に下ネタを話しすぎたり......なんか、つい交尾の話とかしちゃうんですけど、やっぱりまずい空気になるというか、明らかに男性が引いちゃったりしますよね。この年になって、やっと「下ネタはあんまり言っちゃいけないんだ」っていうことに気づけました。 ――交尾?(どんな下ネタなんだろう)下ネタもうまく使えばドキッとさせられるんでしょうけど、力加減がわからないですよね。男女共学の方が戦い方を身につけられる。  グラビアアイドルはそういうのが上手いんじゃないですか? ――私は上手くやろうとして失敗続きで完全に心が折れました。不思議ちゃんになってみたり、変に媚びて空回りしたり......。あらゆる業界人に好かれた覚えがないです。  やっぱりどんな嫌な業界人でも嫌悪感を出しちゃいけないってことですよね。 ――なめ子先生はあんまり感情が表に出る方じゃないですよね。  そうですねー。でも、前にそういう業界人の方とのお仕事の後、打ち上げで何故かセクハラ的な話になってしまって、ちょっと耐えられなくて途中で帰った事ありますね。それ以来、そういう打ち上げは断るようにしてますね。 ――いいなぁ。私も滅多に誘われないですけど、フリーだとそういう付き合いも仕事のうちみたいなところがあるから、断ったら仕事をもらえないんじゃないかと思って参加して、結局うまく立ち回れなくて落ち込んだりしてます。どうすれば人に好かれるのかな......あっ!! そういえば、この間ひとりで台湾に行って気づいたんですけど、現地で言葉がわからなくて「うれしい」「たのしい」「わ~すご~い!」い、みたいな、ダメなキャバクラ嬢みたいな単語しかしゃべれなかったんですけど、日本より俄然好感を持たれたんです。そういうことですかね。  ミスキャンパスみたいな人たちのブログを見ていると、それくらいのことしか書いてないですよね。「アイスがおいしかった」とか「友達とメールして~」とか、そういうことが重要なんですね。面白いこと言おうとすると、かえって男性は引くみたい......。私も以前アメリカの学者の説で「男性はギャグを攻撃の一種だと受け取るから、女性がギャグを連発すると引いていく」って読んだことがあります。男性は自分が笑わせたいっていうのが大きいと思うんですよ、だから相手より面白い話はしちゃいけないみたいですね。 ――それで、つまらない話をしたら、「女の話はオチがない」とか言われるんでしょ! なんか腹立たしい!  なので、やっぱり小明さんが台湾で習得されたことは正しいんじゃないですかね。日本語でもそれくらいの会話をした方が良いのかもしれませんね。 ――男性に気に入られたい願望も、お仕事願望も満たしたいので、本気で「サバイバル女道」頑張りたいです! なめ子先生は、今お仕事を始めて何年目ですか?  えーと、そうですね、19年とか......。 ――すごい!! どうしてそんなに続けられるんでしょうか?  なんですかね? 就職したくなかったから就職以外のことをやって、気づいたら続いてた感じです。地球はもうすぐ滅亡するかもしれないし、それまではがんばろうかなって......。 ――え、地球が?  はい、地球が。 ――......スケールが大きい! でも、やっぱり嬉しいこととか、良いことがなければ続けられないと思うんですよ。18年間あったら、かなりそういうのがあるんじゃないですか?  続けててよかったこと? えー......(無言)。 ――......あまり、ない?  親にもまだそんなに認められてないというか、やっぱり「ちゃんと立派な大学を出て、良い会社に働く仕事をしろ」みたいな空気なので、なんと言うかなぁ。 ――テレビに出る機会もかなりあるじゃないですか、そういうのはどうですか?  テレビは、スタジオに、なんですかね、明らかに霊がいる感じのスタジオですごく体調が悪くなるとか......。 ――テレビ局ってそういうのが多いって聞くけど、本当なんですね!  都内の墓地の近くにあるスタジオとか、かなり怖い感じでしたね。異様な眠気に襲われるとか。普通だったら2~3時間ならずっと座っていられるはずなのに、それも辛くなってくるっていう感じですね。あと目を閉じるとまぶたの裏に、ドクロがたくさん現れたり。上から巨大クモが糸を伝って降りてきたときはかなり不気味でした。出かけるまえにセージのスプレーとか......あ、セージっていうのはインディアンが使ってた邪気を避ける葉っぱがあるんですけど、それの抽出したスプレーを買ったんで、それをシューッとしたんですけど、無駄でしたね。あとえーと、良かったことですよね、良かったこと......(無言)。 ――そんなに浮かばないなら、無理しなくて良いですよ......。ありがとうございました! (取材・文=小明) ●しんさん・なめこ 1974年、東京都生まれ。マンガ家・エッセイスト・セレブ、スピリチュアル、女磨きなどをテーマに、数々の作品を発表。「週刊文春」(文藝春秋)など多数の連載を抱えている。月刊「サイゾー」連載をまとめた書籍『サバイバル女道』が絶賛発売中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
サバイバル女道 じつは「サイゾー新書」の第1弾です。 amazon_associate_logo.jpg
小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第28回】 みうらじゅんさんの至言「アイドルライターってなんなの?」 【第27回】 山路徹さんの至言「バラエティーが怖いようでは戦場に行けないですよ」 【第26回】 浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

辛酸なめ子さんの至言「なんか、つい交尾の話とかしちゃうんです」(前編)

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モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第29回のゲストは、月刊「サイゾー」連載『サバイバル女道』が書籍化された、辛酸なめ子先生です! [今回のお悩み] 「友達がいないですね......」 ――なめ子先生、お久しぶりです! 本当になめ子先生にはお世話になりっぱなしで、私の活動はほぼ、なめ子先生リスペクトというか、劣化コピーの出来損ないみたいな......本当にすみません。私はAKR19っていうユニットを1人でやっているんですけど、これもなめ子先生の"ひとりt.A.T.u."のマネですもんね。  ああ、ありがとうございます、そんなそんな。 ――もうt.A.T.u.のようなソウルメイトは見つかりましたか?  見つかってないですね、友達自体いないというか、それを逆に相談したいですね。 ――すみません、友達は私もいないです......。  学生時代の頃の友達が僅かにいるくらいで、どんどん人と疎遠になっちゃうんですよね。お酒も飲まないので、人の宴会に行かなかったり、ノリが悪いから次から誘われなかったり、そういうことが多いです......。でも、小明さんだったらカラオケも歌えるし大丈夫なんじゃないですか? ――カラオケなんて1人でしか行けないですよ! 中島みゆきとか森田童子とかが好きなんで、他人と行くと、「ふつう今の流れでそういう歌いく?」みたいな空気読めない人になりそうで......なのでカラオケは1人で行って、好き放題暗い歌を歌ってますね。  なんか霊が集まってきそうですね......。 ――いつからこうなっちゃったのかな......。  私もこの前、セドナから来たグレッグっていうスピリチュアル系のヒーラーに「8歳くらいまでは明るい性格だったのに、そこから急に暗くなりましたよね」みたいなことを霊視されて、確かに幼稚園までの写真はすごい良い笑顔なんですよ。それで、グレッグに「そういう自分の殻を破って明るくなるために、ピエロ教室に通いなさい」って言われて......。「ピエロ教室?」と思ったんですけど、「もし東京のピエロ教室が知り合いに会いそうで恥ずかしかったら、横浜のピエロ教室とか、少し遠くでもいいですよ」って。でも、ピエロ教室自体、少ないですよね。 ――セドナでは割とメジャーなんですかね。  グレッグが言うには、毎週ピエロ教室に通ってピエロになりきってジェスチャーをすれば、解放されてもっとポジティブになれるらしくて。なのでピエロ教室を探してたんですけど、まだ見つかってないですね。 ――過剰におどけて自己嫌悪しての繰り返しで、むしろ躁鬱が激しくなりそうな気がするんですが......。もっと普通に、ダンス教室とかカルチャースクールが良いんじゃないですか?  ダンスだったら、この前プライベートで少女時代のダンスを教えてくれるところを検索して、そこで「Mr.TAXI」とかを踊ったんですけど全然ダメで......。レッスンが始まる前は20代前半の子に「その靴かわいいね」とか言われてなんとなく仲良くなれそうだったんですけど、ダンスが始まったら私があまりにも下手すぎたのか、帰る時にはもう無視で、話してくれなかったですね。 ――切ない経験をされましたね......。  うん......。 ――サイゾ-で連載されている「サバイバル女道」もそういう切ないけどためになるお話がたくさん載ってますよね。あ、この度は書籍化おめでとうございます! 連載何年で書籍化に?  あ、ありがとうございます。連載は2年ぐらいですね。当初は本当に世の中が平和だったので、「サバイバル女道」ってタイトルでやってましたけど、今、本当にサバイバルが必要な状態になってしまって......。ただ、本当に「地震の時どうすべきか」みたいなのは全然載っていないので、そういうのを期待して買った方にはぜんぜん役に立たないんじゃないかと心配です。 ――あはは! 安全な野菜をダウジングで見分ける方法も載っていますし、あながち間違ってはないかもしれないですよ! うちの姉も放射能の数値を気にして偽物のガイガーカウンターをつかまされたので、読ませてあげたいです。それにしても、なめ子先生は連載もすごい数だし、本もたくさん出されていますよね。どのようにして毎日お仕事をこなしていらっしゃるんでしょうか?  単発の仕事も入れて、1日2本以上は何かを終わらせるくらいですね。あとはプライベートを捨てるとか......。本は、書いていたものがたまったら出版社の方の意向次第です。 ――なるほど~。私のこの連載も29回目になるんですけど、書籍化どころか、つい先日も副編集長さんにタイトルを間違えられて......2年以上やっているのに名前すら覚えられていないんだから、書籍化は遠そうです。  ......タイトルが長いですもんね? ――優しいフォローありがとうございます。「大人よ教えて」って言ってる私も既に大人ですし、なんとなく無理があるのは分かってるんです。......それにしても「サバイバル女道」は2年以上も連載しているのに、よくネタに困りませんね。毎回どこに取材に行くかはご自分で決められてるんですか?  そうですね。その時の話題性によって......たとえばノリピーが話題だった時は日本ダルク本部(薬物依存リハビリセンター)に行くとか、いろいろです。本部でお話させていただいた方は、ぜんぜん年上だったんですけど独特の色気を感じましたね。 ――修羅場をくぐった人間のフェロモンみたいなものがあるのかな、ノリピーだって40歳で子供もいてしかも覚醒剤の人なのに、子供も産まず薬もやってない20代の私よりも断然輝いていて......もっと悲惨な姿になっていないと、ドラッグのイメージアップになってしまうじゃないですか! 謝罪会見のノリピーだって完全にかわいくて、周りの男性とか皆ちょっと許してましたよ!  許してましたね......! その後も通信制の学校に行って、イメージVTRとかも楽しそうでしたもんね。でも、ダルクの人に取材をしたら、覚せい剤はやっぱり一番ダサいというか、バカにされるみたいです。ヘロインやコカインの方がおしゃれというか......レディ・ガガとかもコカイン中毒でしたもんね。 ――えっ!! そうなんですか!? ガガは厳しい両親の元でカトリックの学校に行ってたと聞いたんですが、その反動なんでしょうか? そういえばなめ子先生もご両親が教職でお嬢様学校ですよね。  満たされてるから好奇心が旺盛になったりするのかもしれないですね、私はやったことはないんですけど......。昔、高校の友達にマジックマッシュルーム(当時は合法)を試そうと誘われたけど断りました。 (後編につづく/取材・文=小明) ●しんさん・なめこ 1974年、東京都生まれ。マンガ家・エッセイスト・セレブ、スピリチュアル、女磨きなどをテーマに、数々の作品を発表。「週刊文春」(文藝春秋)など多数の連載を抱えている。月刊「サイゾー」連載をまとめた書籍『サバイバル女道』が絶賛発売中。 ●あかり 1985年栃木県生まれ。2002年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
サバイバル女道 じつは「サイゾー新書」の第1弾です。 amazon_associate_logo.jpg
小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第28回】 みうらじゅんさんの至言「アイドルライターってなんなの?」 【第27回】 山路徹さんの至言「バラエティーが怖いようでは戦場に行けないですよ」 【第26回】 浅草キッド・玉袋筋太郎さんの至言「相手がクンニしてる顔を思い浮かべなさい」 【第25回】 前田健さんの至言「自分は赤毛のアンの生まれ変わりだと思ってる」 【第24回】 叶井俊太郎さんの至言「結婚したければ高2で100人斬りの男を探しなさい!」 【第23回】 須藤元気さんの至言「僕の本なんて、ギャグみたいなものですよ」 【第22回】 オアシズ大久保佳代子さんの至言「本当はOLを辞めたくなかったんだよなぁ......」 【第21回】 Kダブシャインさんの至言「宇多丸は、Kダブをシャインさせない」 【第20回】 楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

旬のサンマをギニア風に「イイコブ、ニコム、サンコン(イッコン、ニコン、サンコン)!」

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料理の数だけダジャレがある――。ダジャレをこよなく愛する男が考案する、笑えるおいしいレシピ。  「ただいまー」  「おかえりなさい。今日の夕ご飯はサンマよ!」 IMGP9158.jpg  「うわ、またサンマか。いくら今が旬でも、こう毎日サンマの塩焼きや煮物だと、さすがに飽きてきたな」  「ぜいたく言わないでよ、安いんだから。でもそう言うと思って、今日はサンマを使ってギニア風の料理を作っちゃうわよ!」  「サンマでギニア風?」  「味付けはこれ! コンソメよ!」 IMGP9197.jpg  「なぜ、ギニア風でコンソメ。フランスの植民地だったから?」  「そんな歴史は知らない。とにかく圧力鍋を使って、ダシがよく出るいい昆布で煮込むの。サンマとコンソメを」 IMGP9201.jpg  「ずいぶん変わった組み合わせだね。で、なんでこれがギニア風なの?」  「まだ分からない? いい昆布で煮込む、サンマとコンソメをよ。いい昆布、煮込む、サンマコンソメ。ほら、略して......」 父&母「イイコブ、ニコム、サンコン(イッコン、ニコン、サンコン)!」 IMGP9337.jpg ■材料  ・サンマ 3匹 ・コンソメスープ 500CC ・いい昆布 適量 ・ショウガ 少々 ■作り方 1、サンマの頭としっぽを切り、3等分にして内臓を取り出す(お好みで内臓はそのままでもOK)。 2、インスタントのコンソメを分量通りの濃さで水に溶かす。 3、圧力鍋にサンマ、コンソメ、昆布、ショウガを入れ、骨が軟らかくなるまで煮込む。 ■玉置メモ ・サンマをコンソメで煮るというのは味のイメージがつかないと思いますが、あっさりしていて違和感なく食べられます。 ・味付けはちょっと濃い目がギニアっぽいかもしれません。ギニア共和国だけに、「今日は濃く」なんて。 ・サンコンの定番ギャグを知らない世代には、普通にサンマのコンソメ煮として食べさせてください。 (文・写真=玉置豊) ●たまおき・ゆたか へんな料理研究、マイナーアウトドア、狩猟採取が趣味のWEBディレクター、ときどきライター。「デイリーポータルZ」、「地球のココロ」、「@ニフティ つり」など で連載中。 < http://www.hyouhon.com/>
大地の教え 実はすごい人。 amazon_associate_logo.jpg
■男のダジャレレシピ・バックナンバー 【第18回】永谷園で作る秋の味覚「松タケご飯(まつたけご飯) 」 【第17回】アジ釣りで大漁! 「アジしめちゃいました(味占めちゃいました)」 【第16回】うなぎと乗り切れ! "ダシ"が違う夏のひつまぶし 【第15回】夏にピッタリ! 旬の魚で手軽にできちゃう「狂う水(クールビス)」 【第14回】蒸し暑い時期にピッタリ! 梅干しの酸味が効いた「上を向いて歩こう(梅と麦とアルコール)」 【第13回】レストランにも行きたくない出無精なあなたに「大型連休ギュウギュウ詰め(O型レンコン牛牛詰め)」 【第12回】旬の素材が盛りだくさん「ネギに大葉 ヤマウド・ノビル 初鰹(目には青葉 山ほととぎす 初鰹)」 【第11回】スタミナ満点! よくばりどんぶり「ごはんと胃・レバー・牛たくさん(ゴホンと言えば、龍角散)」 【第10回】甘党にはたまらん!  「オリゴ糖、黄身と和えて、ようかん食った(ありがとう、君と逢えて、よかった)」 【第9回】捌けなくても大丈夫! 包丁要らずのカンタン鍋「捌き無知鍋(サバキムチ鍋)」 【第8回】惚れてしまいそうな大人の味「バーレーン・タイ キッシュ(バレンタイン・キッス)」 【第7回】3分で出来るお祝い料理「脂肪コーン、5を書く!(志望校合格)」 【第6回】正月ボケに効果てきめん「意外! タイなら七臭粥(胃が痛いなら七草粥)」 【第5回】気分次第でアレンジ可能「麻婆茄子! 干し芋乗っかっちゃう!(まーボーナス! 欲しいもの買っちゃう)」 【第4回】三つの味が楽しめる豪華ディナー「三択ロース(サンタクロース)」 【第3回】ぜいたくの極み! 「いい肝のカワハギのいい肝ばかり(『いきものがかり』のいきものばかり)」 【第2回】ひと手間かければ豪華な一皿! 「タンカレー ナンバナナ天(タンカレー No.10)」」 【第1回】甘くて辛い 大人のおつまみ「マスタードナッツ(ミスタードーナツ)」

"クソみたいな社会を変えたい!"高校生テロリストの凄春『アジアの純真』

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マスタードガスを手に入れた少女(韓英恵)と少年(笠井しげ)は、
世界を敵に回した戦争を始める。
(C)2009 PURE ASIAN PROJECT
 見て見ぬふりをする、全ての人間へ宣戦布告する。常識や一般論を振りかざして、今の社会を生み出した大人たちへ宣戦布告する。そしてバッシングを恐れ、世間におもねろうとする自分自身へ宣戦布告する。片嶋一貴監督の『アジアの純真』は第二次世界大戦中に旧日本軍が製造したマスタードガスを手に入れ、世界を相手に戦いを挑む高校生テロリストたちの物語だ。彼らテロリストたちの合い言葉は「世界を変えたい」。クソみたいな社会を変えようと、彼らは毒ガス入りのガラス瓶をカバンに詰め込み、行動を起こす。フィクションの物語だが、テロリストたちの標的があまりにも不謹慎なことから物議を醸している。ロッテルダム映画祭で賛否を呼び、国内の映画祭からは出品を断られ、都内の映画館からも公開を見送られ、完成から2年間"お蔵入り"していた問題作であり、公開前からネット上で"反日映画"として叩かれている。本作が置かれている現状は、そのまま劇中の主人公たちが閉塞感にもがき苦しむ心情とぴたりと重なり合う。  主人公は、それまでずっと殻に閉じこもるようにして生きてきた3人の若者たちだ。時代は2002年。北朝鮮バッシングのさなか、在日朝鮮人の少女(韓英恵)は、チマチョゴリを着ていた姉をチンピラに刺し殺されてしまった。その場に居合わせながら、足がすくんでしまった少年(笠井しげ)は贖罪の意識から少女と行動を共にするようになる。そしてもう1人は、母親の過剰な愛情にうんざりしている引きこもりのマコト(黒田耕平)。兵器工場跡地から発掘されたガラス瓶入りのマスタードガスを手に入れたマコトは、ニュースを見て後からやって来た少年少女に「同じことを考えている仲間がいたんだ。うれしいよ」と自分が見つけた毒ガス入り瓶のうち6本を譲り渡す。「世界を変えよう」を別れの言葉に、少年少女はある集会場へ、マコトは渋谷のスクランブル交差点へと向かう。
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テロを決行した後、自転車に乗って逃走する
少年と少女。お互いの名前を明かさないまま、
2人は旅を続ける。
 マスタードガスは第一次世界大戦でドイツ軍が初めて実戦投入した化学兵器。近年ではフセイン政権時代のイラクで自国のクルド人虐殺に使用されている。本作では日中戦争用に製造されたマスタードガスが終戦後も処分されずに、地下に埋まっていたという設定だ(実際に戦後、日本や中国でマスタードガスが見つかって死傷者が出る事故が度々起きている)。毒ガスが詰まったガラス瓶を手にした少女と少年が向かう先は、なんと北朝鮮拉致被害者家族の会。少女の姉を殺したのは街のチンピラたちであって、明らかに標的を誤っている。しかも、2人は普段着のまま、コンビニで市販されているマスクで顔を覆っただけで、テロを決行する。阿鼻叫喚と化す集会場。ずっと他人と触れ合うことを避けて生きてきた2人は、とんでもない過ちを犯すことで世界にアクセスする。"マスタードガス"は主人公たちが心の中に溜め込んで"猛毒化した感情"であり、そして"被害者家族の会"は触れることが最も憚れる"タブーとしての存在"の比喩である。  少年少女は間違った方法で、世界に対し強引にアクセスする。姉の死とは無関係の人たちを犠牲にした罪悪感、恐怖にとらわれる少女。それまで、ほとんど口を開くことなく、少女に黙って従ってきた少年だが、暴挙をきっかけに対照的に生きる活力を発揮し始める。自転車の後ろに少女を乗せ、街を棄てて逃避行の旅に出る。罪の意識、生の痛みを伴った2人が自転車に乗って新しい世界を求めるシーンが、モノクロならではの静謐な映像で描かれる。  少年少女が誤った方法ながら世界にアクセスするに対し、もう1人のテロリスト・マコトはもっと悲惨だ。少年少女がテロを決行したニュースに触発されたマコトは、ガラス瓶を手に渋谷の人混みの中に立つが、どうしても最後の一線を踏み越えられない。それが人間としての正しい理性だ。だが、その理性のために、彼はずっと"良い子"として家庭という名の檻の中で苦しみ続けてきた。結局、マコトは自宅に戻り、かわいがっていた小犬を外へ出してから家の中でマスタードガスを解き放つ。彼にとっての"世界"は家の中でしかなかったのだ。
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『誰も知らない』(04)、『疾走』(05)など
で存在感を見せた韓英恵が主演。片嶋監督の
次回作『たとえば檸檬』にも主演している。
 製作費2,000万円を自力で調達し、2週間というタイトなスケジュールで本作を撮り上げた片嶋監督。これまでも小栗旬の主演作『ハーケンクロイツの翼』(04)、古田新太主演のブラックコメディ『小森生活向上クラブ』(08)と社会の常識に反旗をひるがえすテロリストたちの作品を撮り続けているブレのない監督だ。片嶋監督のプロフィールを見ると、なぜテロリストたちを主人公にした異色作を撮り続けているのかわかる。『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(08)で健在ぶりを知らしめた若松孝二監督のもとで、『われに撃つ用意あり』(90)などの作品にスタッフとして参加。さらに『殺しの烙印』(67)、『ツィゴイネルワイゼン』(80)といった映画史に残るカルト作品を放った鈴木清順監督と組み、『ピストルオペラ』(01)、『オペレッタ狸御殿』(05)のプロデューサーを務めている。  「確かに若松監督と清順監督から受けた影響は大きい。若松監督からは"本当に自分がやりたい作品を作るためには、資金集めから配給まで全て自分でやる"という物づくりの姿勢を学んだ。清順監督とはプロデューサーとしては頭を抱えることばかりだったけど、あの人は本当のパンク精神の持ち主。2人はタイプはまるで違うけど、気骨がある生き方をしてるという点では通じるものがある」と片嶋監督は話す。また、作家の村上龍が監督した『トパーズ』(92)の助監督として、半年間一緒に村上龍と過ごした経験も、かなり面白いものだったそうだ。なるほど、『コインロッカー・ベイビーズ』『昭和歌謡大全集』などの村上龍の小説世界を『アジアの純真』は彷彿させるものがある。また、脚本の井上淳一も若松監督の薫陶を受けており、いちばん好きな映画に長谷川和彦監督の『太陽を盗んだ男』(79)を挙げている。  片嶋監督によると、『アジアの純真』の企画が発案されたのは2002年。9.11同時多発テロ後に米国が正義を振りかざしアフガニスタンに攻め込み、日本では小泉総理の訪朝により拉致事件が明らかとなり、日本で暮らす在日朝鮮人へのバッシングが強まった時期になる。ナショナリズム一色に染まる風潮の中で、息苦しい状況に風穴を開けてやりたいという意欲から企画が立ち上がった。10歳のときに『ピストルオペラ』でデビューした韓英恵が高校生に成長するのを待って撮影が行なわれ、2009年に完成。3.11の傷がまだ癒えることのない2011年秋に公開されることになった。  少年少女の自転車に乗っての逃避行は、日が暮れた海辺で終わりを告げる。このシーンで終わっていれば、テロに純潔を捧げた若者たちの哀しい青春映画として観客の共感を少なからず得たかもしれない。だが、片嶋監督はクライマックスで、さらにアクセルを踏み込む。ここまで熱心に見ていた観客たちが、「えぇっ」と驚くエンディングへと突っ走る。『アジアの純真』は、"当たり障りのない"作品ばかりラインナップされた今の映画界に投げ込まれた毒ガス弾だ。片嶋監督が放った一撃がどれだけ"差し障りのある"ものなのか、劇場で体感してみてほしい。 (文=長野辰次) ajiajyunshin04.jpg 『アジアの純真』 脚本/井上淳一 監督/片嶋一貴 出演/韓英恵、笠井しげ、黒田耕平、丸尾丸一郎、川田希、澤純子、パク・ソヒ、白井良明(ムーンライダーズ)、若松孝二 配給/ドッグシュガームービーズ 10月15日(土)より新宿K's cinema、11月5日(土)より名古屋シネマスコーレ、12月3日(土)より大阪第七藝術劇場ほか全国順次公開 <http://www.dogsugar.co.jp/pureasia> ※ 劇中でコメンテイター役を演じた若松孝二監督と片嶋監督の対談が10月18日(火)に行なわれる他、連日ゲストを招いてのトーク&イベントを開催! <http://pureasianproject.blog.fc2.com/blog-entry-2.html>
アジアの純真 ......ではない。 amazon_associate_logo.jpg
●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX [第139回] うつ病なんかヘーキ!? 宮崎あおい主演作『ツレがうつになりまして。』 [第138回]"神話"が生まれる瞬間を目撃せよ! 人類への黙示録『猿の惑星:創世記』 [第137回]刑務所で食する至高の味『極道めし』ヒロインの後ろ姿に、むせび泣き! [第136回]"理想の恋人"という偶像を破壊せよ 深夜番長の劇場デビュー作『モテキ』 [第135回]"城定秀夫監督、ブレイク前夜の予感! 闘争本能を呼び覚ます『タナトス』 [第134回]"人間失格"の道を選んだ映画監督の業 林由美香の最新主演作『監督失格』 [第133回]ホラ吹きのホラを見破る特異な職能 ポランスキー監督『ゴーストライター』 [第132回]芦田愛菜、6歳にして危険な魅力!? 子連れで全力疾走『うさぎドロップ』 [第131回]元"暴走族"が書いた旧友への鎮魂歌 青春懺悔録『アメイジング グレイス』 [第130回]V・ギャロ主演のサバイバルグルメ!? 『エッセンシャル・キリング』 [第129回]『キック・アス』より悪趣味で泣ける 中年男の悪ノリ暴走劇『スーパー!』 [第128回]この夏の清涼剤、地方少女のダンス成長記『あぜみちジャンピンッ!』 [第127回]竹ヤリで世界進出"スシタイフーン"『エイリアンVSニンジャ』ほか逆上陸 [第126回]イーモウ監督、久々のアイドル映画 中華的妹萌え『サンザシの樹の下で』 [第125回]ナタリー・ポートマン vs. ヘビメタ野郎 人気女優の隠し球『メタルヘッド』 [第124回]黒澤明の名作『生きる』のラテン版! ヤモメ男が残した遺産『BIUTIFUL』 [第123回]北国で93年間営業を続ける"大黒座"と町の記録『小さな町の小さな映画館』 [第122回]新幹線がすれ違う瞬間、願いが叶う? 小学生の目線で描かれた『奇跡』 [第121回]理想と情熱がもたらした"痛い現実" 青春の蹉跌『マイ・バック・ページ』 [第120回]胸に響く金言"プロとは手を抜くこと" 職人秘話『アトムの足音が聞こえる』 [第119回]危険な出会い、井口昇ミーツ仲村みう 悪夢の遊園地『富江 アンリミテッド』 [第118回]ナタリー・ポートマン"第1章"の終幕 虚実が攻め合う『ブラック・スワン』 [第117回]"セカイ"を旅立った少女の地底探検記 新海誠監督の新作『星を追う子ども』 [第116回] 美少女たちの輝きが脳裏から離れない。青春ムービー『魔法少女を忘れない』 [第115回] 恋愛が与える"陶酔"とリアルな"痛み"サブカル活劇『スコット・ピルグリム』 [第114回]妄想、空想、そして現実からの大脱走 美少女革命『エンジェル ウォーズ』 [第113回]"3.11"後の新しい映画モデルとなるか『劇場版 神聖かまってちゃん』の挑戦 [第112回]マスコミが讃えた"楽園"のその後、ひとりの少女の成長記録『愛しきソナ』 [第111回]閉鎖的な"村社会"をブチ破ったれ! 韓流サバイバル劇『ビー・デビル』 [第110回]"粋"を愛したフランスの伯父さん J・タチ主演『イリュージョニスト』 [第109回]自分にとって家族は敵か、味方か? オスカー2冠受賞『ザ・ファイター』 [第108回]コーエン兄弟『トゥルー・グリット』40年で変化した"米国のヒーロー像" [第107回]ジョニー・デップが愛した"極道記者" 『GONZO』奇人がスターだった時代 [第106回] 巨匠イーストウッド監督の異色作! 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高齢者獲得のためのあの手この手……これからのフーゾクの上得意は"年金族"?

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「週刊朝日」10月21日号
第1位 「福島第一原発"最高幹部"がプルトニウム検出の真相を語る 調べればもっとひどい現実がわかる」(「週刊朝日」10月21日号)) 第2位 「『60歳以上向けフーゾク』行列のできる店」(「週刊ポスト」10月21日号) 第3位 「独占入手!島田紳助『山口組ナンバー2との親密写真』」(「フライデー」10月21日号)  アップルのS・ジョブズが死んでしまった。彼の有名な言葉「ハングリーであれ、愚かであれ」を思い出す。こうしたベンチャー企業で、トップが創業者から変わってうまくいっているところなんかあるのだろうか。スポーツの世界でもよくいわれる。長嶋と王のいない巨人の監督になった王は大変だったろうと。  さて、今週の第3位は「フライデー」のスクープ第2弾。  紳助が極心連合会の橋本弘文会長を上回る山口組の大幹部と同席していた写真や、どないや紳助、グーのネもでえへんやろう。  見開きでドーンと出てるがな。右におるのが山口組のナンバー2、弘道会・高山清司会長や。山口組のナンバー4とナンバー2の間に座ってる芸人なんて、フツー考えられんことやそうや。  兵庫県警の関係者が言うてはる。 「大きなシノギ(収入を得るための手段)について、話し合いをしていたのかもしれない。山口組内では、紳助はフロント(企業舎弟)として認識されているのかもしれません」  これで紳助も絶体絶命やな。だけどこの写真、どこかで見たんと違うか? あれっ、この間スクープした写真と同じやないか。あん時は高山会長のところだけカットして出して、今度は全部出したというこっちゃな。  1粒で2度おいしいグリコのようなことやるんやな。まあ、どっちゃにしても橋本会長と高山会長がOKしたというこっちゃな。やっぱり会見で紳助が、橋本会長とそんなに親しくないと言ったことで、2人を怒らせてしもうたんや。  紳助の持っとる不動産にも暴力団が絡んでるという話やし、まだまだ紳助がらみの悪い話はでてきそうやな。  第2位は軟派記事でこのところ気を吐く「ポスト」の記事。人生80歳時代。還暦なんかまだまだハナタレ小僧みたいなもんだ。  だいぶ前から年金支給日はソープランドやマッサージ、中にはデリヘル嬢をホテルに呼ぶ高齢者もいるといわれていた。  草食系といわれる若い男連中は風俗には来ない。やはり狙い目は若いころからフーゾクにどっぷり浸かったことのある団塊世代。そこで連中が考え出したのは高齢者獲得のためのあの手この手だ。  東京・吉原のソープ街では年金が支給される偶数月の15日からしばらくの間は高齢者の客が急増する。これを「吉原年金族」というとポストに書いてある。  30歳未満の客はお断りの池袋の派遣型アロマエステ。やはり客を30歳以上に限定している東急沿線のデリバリーヘルスでは、30代が90分コース2万5,000円で、ナイスミドル会員は2万4,000円、ナイスシニア会員だと2万3,000円と年齢が上がるほど安くなる。  完全予約制で"心のふれあい"を大事にしているという中高年専門の老舗・店舗型ヘルス「ナイスミドル」は高田馬場駅近く。11年前にオープンしたが、60歳代が客層の中心で、岡山、北海道からも来てくれる客がいるという。  ED(勃起不全)に悩む男にとって打ってつけなのが、池袋の派遣型回春マッサージ。ここは高齢者の場合、看護士の資格を持った女の子を派遣するようにしているそうだ。  障害者や高齢者専門のデリバリーヘルスが大阪にある。ここへ入店する娘には、体の起こし方や脱がせ方、あそこの洗い方、手動式人工呼吸器の使い方まで指導する。ここは会員になると70分1万8,000円と指名料2,000円と交通費がかかる。90分で1万5,000円の「プラトニックコース」もあるという。  コラムも面白い。鶯谷の熟女専門のデリヘルに82歳のフーゾク嬢がいるといううわさを聞いて探してみると実際にいて、大塚駅近くのラブホに来てもらった話が書いてある。お客さんは実母のように甘えてくるのがいたり、話し相手欲しさに来る客が多く、空襲や戦争体験を彼女に話すそうだ。  私が会社に入ったころ、渋谷に60歳を超えたトルコ嬢(今のソープランド嬢)がいて、尺八が上手いと評判で、夜な夜な通う先輩がいた。どうしてそんな婆さんがいいんですかと聞くと、歯が抜けていてほとんどない、だから何ともいい難い感触がいいんだと、ニヤニヤしながら教えてくれた。横浜にメリーという娼婦がいたことが話題になったことがある。映画まで作られたが、彼女も相当な歳だった。  これだけ高齢者が増えてきて、まだまだ下半身も元気な連中は、これからのフーゾクの上得意になること間違いない。そういう意味では「ポスト」は金鉱を掘り当てたのかもしれない。  第1位は地味な記事だが、内容はすごい「朝日」の記事。9月30日、文科省は原発80キロ圏でストロンチウムが検出され、さらに原発の北西部・飯舘村ではプルトニウムが検出されたと発表した。  こうした深刻で大事な話を、なぜ2ページしかやらないのか疑問はあるが、やらないだけましか。  フクイチの最高幹部は以前「原子炉から核燃料が飛び散った可能性がある」と話していたが、それが現実になったのである。  プルトニウムは重いし、3号機のプルトニウムは陶器のように焼いて固めてあるから、そう遠くまで飛散しないと思っていたそうだが違った。 「そう考えると、今回のプルトニウムの検出は、3号機の爆発がいかに大きかったかという裏付けになるでしょう」  爆発直後「プルトニウムは飛ばない」と言っていた御用学者を非難し、調査サンプルが十分でないと疑問を呈している。  特に警戒区域、計画的避難区域のサンプルが少ない。それに文科省は約3カ月前に調査していたのになぜこんなに発表が遅れたのか? その理由は調査グループのメンバーを見ればわかるという。 「今回の調査には、電気事業連合会(電事連)がサンプル採取にかかわったと聞いています。(中略)言うまでもなく、みんな、原発を持っていて、つぶしたくない人たち。公正さを考えれば、今後、調査方法は考え直す必要があります」  プルトニウムは長く残存するし、少々取り除いてもダメだという。 「それほど爆発の威力が大きかったということを認め、汚染地域の住民の皆さんの帰宅は再考する必要があります。いくら除染しても、すぐに放射線量が下がるとは限りません。除染に使った水などの処理はどうするのか。下水や地下に流れたり、地中にしみこんだりして、また汚染が広がってしまう」  「週刊文春」のモノクログラビア「飯舘村の叫び」と合わせて読んでもらうといい。 「今度のプルトニウムも東電は知っていて今頃出してきたんだ。次は何が出るんだか。我々をバカにしてんだべ。バーアンと爆発したとき、県や市のお偉いさんは我々を置いて逃げたんだって。知らなかったのは我々だけだ」  今も「見捨てられた村」に残って暮らす佐藤義明さん(60)の言葉である。  84歳になる佐藤強さん(84)は、今年は米作りはできなかったが、この時期は山にマツタケをとりに行くのが楽しみだという。「飯舘のマツタケは最高だ」「俺は自分で作ったものを食べているんだ。放射能なんか関係ねぇんだ」。  愛する家畜たちを守りながら生活している夫婦もいる。こうした村を捨てず共に生きる覚悟をもった人びとの声は、永田村で安穏と暮らしている政治屋や霞が関村の税金泥棒たちには届かない。  何度もいうが、もはや原発事故は収束したかのような政府の発表と、それを鵜呑みにする大新聞やテレビ報道にだまされてはいけない。  福島第一原発事故は次第にその大きさが分かってきた。最悪の事態は避けられたかもしれないが、まだ放射能が飛散していることは間違いない。私の友人が先日福島市に行ってきた。だいぶ前に測った高い放射線量が減少していないところがまだまだあるそうだ。  ということは、放射線が福島第一原発から出続けているということではないのか。原発事故はまだ終わっていないことを知らせるのは週刊誌しかないのだ。頑張れ! 週刊誌。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ)
1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
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