消滅危機のフジ月9ドラマに、一筋の光明が差し込んだ。山下智久主演『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』の初回が17日、30分拡大で放送され、16.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)の高視聴率を獲得したのだ。 低迷するフジの月9ドラマで、視聴率が15%を超えたのは、2015年4月期の嵐・相葉雅紀主演『ようこそ、わが家へ』最終回(15.0%)以来だ。 月9は、フジの看板ドラマ枠でありながら、昨年1月期の有村架純&高良健吾主演『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』以降、6クール連続で1ケタ台に終わっている。特に、前クールの相葉主演『貴族探偵』が、豪華キャストをそろえ、莫大な制作費を投入したにもかかわらず、平均8.8%と爆死してしまったダメージは大きかった。 一連の視聴率低迷の責任を取らされる形で、これまでドラマに力を入れてきた亀山千広前社長は6月末で退陣。前BSフジ社長の宮内正喜氏が新社長に就任した影響もあり、月9はまさに風前のともしびで、消滅の危機に瀕している。10月期は篠原涼子主演が決まっているが、その先は“白紙”。つまり、『コード・ブルー』も不振に終われば、月9は12月いっぱいで打ち切られる可能性が高くなっているのだ。 月9存続が懸かった『コード・ブルー』には不安要素も多かった。1シーズン(08年7月期)では平均15.9%、2シーズン(10年1月期)では平均16.6%の高視聴率を獲得していたが、なにぶん7年半のブランクがある。さらに、脚本家が従来の林宏司氏から、安達奈緒子氏に変更されたことも、ファンの不信感をあおった。それにより、これまでのストーリー展開が変わってしまう危惧があったからだ。ましてや安達氏は、1月期の小雪主演『大貧乏』(同)を平均4.9%と大爆死させたばかりなのだから、ファンが不安に思うのは当然のことだった。 また、山下は前クール、KAT-TUN・亀梨和也主演『ボク、運命の人です。』(日本テレビ系)に3番手で出演したが、同ドラマの視聴率は平均9.5%と2ケタ割れ。山下の潜在視聴率に疑問符が打たれたばかりでもあった。 さまざまな不安要素が渦巻く中、初回では“奇跡”ともいえる16%台を達成。それもこれも、過去2シーズンの実績から来る信頼感、『逃げるは恥だが役に立つ』(TBS系)で再ブレークを果たしたヒロイン・新垣結衣効果によるものといってもよさそう。 とはいえ、まだドラマは始まったばかり。ネット上での視聴者の評価は芳しくない声も少なくないだけに、油断は禁物。第2話以降、ジェットコースターのごとく急降下してしまえば、せっかくの初回高視聴率も水の泡と化してしまうだろう。 (文=田中七男)
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山下智久“ポスト木村拓哉”確定か!? 新垣結衣、フジ月9『コード・ブルー』16.3%の好発進!
山Pこと山下智久主演の人気シリーズ最新作『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)が17日にスタート。“月9”は2016年1月クール以降、全話平均視聴率で1ケタが続いていますが、『コード・ブルー』初回は平均視聴率16.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の高視聴率を記録しました。 同シリーズは08年に第1シーズン、09年にスペシャルドラマ、10年に第2シーズンが放送され、今回、約7年半ぶりに復活。その間、ガッキーが『逃げ恥』(TBS系)で再評価されたり、比嘉愛未が斉藤工から福士誠治に乗り換えたり、山Pが書類送検されたりといろいろありましたが、主要キャストはほぼ再集結しました。 とはいえ、脚本家はこれまでの林宏司氏から、小雪主演『大貧乏』(フジテレビ系)や、嵐・松本潤主演の月9『失恋ショコラティエ』(同)を手掛けた安達奈緒子氏に変更。過去の作品をざっと見る限り、医療系の作品は見当たりませんが、大丈夫でしょうか……?
山Pの登場シーンがやばい!
ドクターヘリを運航する千葉の翔北救命センターは、人手不足でてんてこ舞い。フライトスタッフリーダーの白石(新垣結衣)を中心に、医師の藤川(浅利陽介)、看護師の冴島(比嘉愛未)らが奮闘するも、新人フェロードクターの名取(Hey! Say! JUMP・有岡大貴)や灰谷(成田凌)、横峯(新木優子)、看護師の雪村(馬場ふみか)はまるで使い物にならず、脳外科医の新海(安藤政信)も「想像以上にヤバイね、今の救命」と危機感を口にします。 で、ドラマ開始6分で藍沢(山下)の着替えシーンがドーン! お椀のように盛り上がった大胸筋ドーン、ドーン! はい、これで女性視聴者はチャンネルを替えられない呪いにかかりました。 山Pがムキッとしている最中も、患者は次々と運ばれてきますが、開始10分も経たぬうちに2人もお亡くなりになりました。悔しそうなガッキー。 また、医師の三井(りょう)が休職することに。入れ替わりで、産婦人科医として別の病院で働いていた緋山(戸田恵梨香)が救命に戻ってきます。が、あまりの忙しさに「やってらんないんだけど!」とイライラ。白石に「あんたスタッフリーダーでしょ? 言ってきてよ。藍沢に戻ってこいって!」とキレまくりです。 そんな中、七夕祭の山車が横転し、民家に突っ込む事故が発生。現場に駆けつけるも、無残な状況に新人のダメフェローたちはオロオロするばかり。特に横峯は、山車と家の壁に挟まった血まみれの子どもを発見するも、トランシーバーを使わずにトコトコと歩いて白石に報告しに来たため、温厚な白石が「(子どもを)放ってきたの!?」と叱咤するほどのダメっぷりです。 重傷人が多い上に、その中の妊婦がいきなり破水したり、軽傷だと思っていた人の意識レベルが急に下がるなど、現場は大わらわ。人手が足りず、窮地に追い込まれた白石は、藍沢に電話。ヘリで駆けつけた藍沢は、山車に挟まったままの子どもの頭に、その場でドリルでギリギリと穴を空け、血の塊を除去。一命をとりとめました。特に大掛かりな検査もせずに、頭蓋骨に穴空けちゃうなんてすごいですね。救急ではよくあることなんでしょうか? 教えて、脳外科医の人! 後日、みんなが集まる中、部長の橘(椎名桔平)が「フェローたちに、新しく加わる指導員を紹介したい」と発表。すると、画面がスローモーションになり、おもむろに藍沢がとーじょー!! ぶっきら棒に「よろしく」と自己紹介し、ついに主役が救急に合流しました。ICONIQが出てる
以前から、ジャニーズ事務所が“ポスト・キムタク”として売ろうとしているとウワサされてきた山下ですが、同作初回の山Pはまさに“ポスト・キムタク”的な扱い。1月クールの木村拓哉主演『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)では、キムタク演じる天才外科医がシアトルから日本の病院に呼び戻されるところから物語が始まりますが、これとダブりました。 ただ、いくらジャニタレを完全無欠のヒーローとして描きたくても、それはドラマのクオリティが伴っていなければお寒いドラマになりがち。14年に大コケした関ジャニ∞・大倉忠義主演『Dr.DMAT』(TBS系)なんかが、その失敗例なんだと思います。 その点、『コード・ブルー』は本格派の雰囲気ながら、設定も脚本も演出もわかりやすく、10代や老人にも優しい作り。初回では、畳み掛けるように次々と感情を揺さぶる展開が用意され、スピード感溢れる仕上がりに。また、新人フェローたちのダメっぷりが“これでもか!”と描かれ、新キャラの人物説明もばっちりでした。 そんな中、気になる新キャラが。ヘリのGOサインを出すコミュニケーションスペシャリストの町田役を、ICONIQ改め伊藤ゆみが演じているではありませんか。昨年、ICONIQの名前を捨て、女優業再開宣言と同時にヌードを披露した伊藤ですが、以降、ゲスト出演ばかりで目立った活躍はなし。『コード・ブルー』は、改名後初の連ドラレギュラーなので、もっとスポーツ新聞とかは騒いであげたほうがいいと思います。 そんなこんなで、ネット上でも「面白い!」「毎週、見る!」「山Pかっこいい!」と大評判の『コード・ブルー』。“月9”の窮地を救えるといいですね。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)山下智久“ポスト木村拓哉”確定か!? 新垣結衣、フジ月9『コード・ブルー』16.3%の好発進!
山Pこと山下智久主演の人気シリーズ最新作『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)が17日にスタート。“月9”は2016年1月クール以降、全話平均視聴率で1ケタが続いていますが、『コード・ブルー』初回は平均視聴率16.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)の高視聴率を記録しました。 同シリーズは08年に第1シーズン、09年にスペシャルドラマ、10年に第2シーズンが放送され、今回、約7年半ぶりに復活。その間、ガッキーが『逃げ恥』(TBS系)で再評価されたり、比嘉愛未が斉藤工から福士誠治に乗り換えたり、山Pが書類送検されたりといろいろありましたが、主要キャストはほぼ再集結しました。 とはいえ、脚本家はこれまでの林宏司氏から、小雪主演『大貧乏』(フジテレビ系)や、嵐・松本潤主演の月9『失恋ショコラティエ』(同)を手掛けた安達奈緒子氏に変更。過去の作品をざっと見る限り、医療系の作品は見当たりませんが、大丈夫でしょうか……?
山Pの登場シーンがやばい!
ドクターヘリを運航する千葉の翔北救命センターは、人手不足でてんてこ舞い。フライトスタッフリーダーの白石(新垣結衣)を中心に、医師の藤川(浅利陽介)、看護師の冴島(比嘉愛未)らが奮闘するも、新人フェロードクターの名取(Hey! Say! JUMP・有岡大貴)や灰谷(成田凌)、横峯(新木優子)、看護師の雪村(馬場ふみか)はまるで使い物にならず、脳外科医の新海(安藤政信)も「想像以上にヤバイね、今の救命」と危機感を口にします。 で、ドラマ開始6分で藍沢(山下)の着替えシーンがドーン! お椀のように盛り上がった大胸筋ドーン、ドーン! はい、これで女性視聴者はチャンネルを替えられない呪いにかかりました。 山Pがムキッとしている最中も、患者は次々と運ばれてきますが、開始10分も経たぬうちに2人もお亡くなりになりました。悔しそうなガッキー。 また、医師の三井(りょう)が休職することに。入れ替わりで、産婦人科医として別の病院で働いていた緋山(戸田恵梨香)が救命に戻ってきます。が、あまりの忙しさに「やってらんないんだけど!」とイライラ。白石に「あんたスタッフリーダーでしょ? 言ってきてよ。藍沢に戻ってこいって!」とキレまくりです。 そんな中、七夕祭の山車が横転し、民家に突っ込む事故が発生。現場に駆けつけるも、無残な状況に新人のダメフェローたちはオロオロするばかり。特に横峯は、山車と家の壁に挟まった血まみれの子どもを発見するも、トランシーバーを使わずにトコトコと歩いて白石に報告しに来たため、温厚な白石が「(子どもを)放ってきたの!?」と叱咤するほどのダメっぷりです。 重傷人が多い上に、その中の妊婦がいきなり破水したり、軽傷だと思っていた人の意識レベルが急に下がるなど、現場は大わらわ。人手が足りず、窮地に追い込まれた白石は、藍沢に電話。ヘリで駆けつけた藍沢は、山車に挟まったままの子どもの頭に、その場でドリルでギリギリと穴を空け、血の塊を除去。一命をとりとめました。特に大掛かりな検査もせずに、頭蓋骨に穴空けちゃうなんてすごいですね。救急ではよくあることなんでしょうか? 教えて、脳外科医の人! 後日、みんなが集まる中、部長の橘(椎名桔平)が「フェローたちに、新しく加わる指導員を紹介したい」と発表。すると、画面がスローモーションになり、おもむろに藍沢がとーじょー!! ぶっきら棒に「よろしく」と自己紹介し、ついに主役が救急に合流しました。ICONIQが出てる
以前から、ジャニーズ事務所が“ポスト・キムタク”として売ろうとしているとウワサされてきた山下ですが、同作初回の山Pはまさに“ポスト・キムタク”的な扱い。1月クールの木村拓哉主演『A LIFE~愛しき人~』(TBS系)では、キムタク演じる天才外科医がシアトルから日本の病院に呼び戻されるところから物語が始まりますが、これとダブりました。 ただ、いくらジャニタレを完全無欠のヒーローとして描きたくても、それはドラマのクオリティが伴っていなければお寒いドラマになりがち。14年に大コケした関ジャニ∞・大倉忠義主演『Dr.DMAT』(TBS系)なんかが、その失敗例なんだと思います。 その点、『コード・ブルー』は本格派の雰囲気ながら、設定も脚本も演出もわかりやすく、10代や老人にも優しい作り。初回では、畳み掛けるように次々と感情を揺さぶる展開が用意され、スピード感溢れる仕上がりに。また、新人フェローたちのダメっぷりが“これでもか!”と描かれ、新キャラの人物説明もばっちりでした。 そんな中、気になる新キャラが。ヘリのGOサインを出すコミュニケーションスペシャリストの町田役を、ICONIQ改め伊藤ゆみが演じているではありませんか。昨年、ICONIQの名前を捨て、女優業再開宣言と同時にヌードを披露した伊藤ですが、以降、ゲスト出演ばかりで目立った活躍はなし。『コード・ブルー』は、改名後初の連ドラレギュラーなので、もっとスポーツ新聞とかは騒いであげたほうがいいと思います。 そんなこんなで、ネット上でも「面白い!」「毎週、見る!」「山Pかっこいい!」と大評判の『コード・ブルー』。“月9”の窮地を救えるといいですね。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)真木よう子主演『セシルのもくろみ』初回が壮絶爆死! “伝説”の低視聴率ドラマ『HEAT』の二の舞いに!?
真木よう子主演の連続ドラマ『セシルのもくろみ』(フジテレビ系/木曜午後10時~)が13日にスタートしたが、初回視聴率は5.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と壮絶な爆死となった。 プライム帯の民放連ドラ初回でこれほど低視聴率に終わったのは、昨年4月期『OUR HOUSE』(芦田愛菜&シャーロット・ケイト・フォックス主演/同)の4.8%以来。同ドラマは全話平均も4.5%と散々だったが、『セシルのもくろみ』は、全話平均4.1%に終わった“伝説”の低視聴率ドラマ『HEAT』(2015年7月期/EXILE・AKIRA主演/同)の二の舞いになるのでは? と、早くもテレビ関係者の間でささやかれ始めているようだ。 『セシルのもくろみ』の原作は、主婦層に絶大な人気を誇るファッション雑誌「STORY」(光文社)で08~10年に連載された、唯川恵の同名小説。ひょんなことからファッション雑誌の読者モデルにスカウトされた主婦の宮地奈央(真木)が、一流モデルを目指して奮闘していく姿を描いた作品だ。 主人公の奈央は、着飾ることに興味がない体育会系の主婦で、初回の設定では、まるで女っ気がない“女子モドキ”。かなり三枚目風の演技を強いられた真木は、これまでのクールなキャラ崩壊も大いに危惧され、“激ヤセ”ぶりも話題になった。 情報番組への出演や、自身のTwitterで番宣に精を出した真木だが、結果は予想以上に厳しいものに。それでも真木は「私は悲しいんでません。むしろ更に燃えて来ました。大体、伝説のドラマとはこうして始まり右肩上がりで、最終話の予想だにしないラストを迎えるのです。皆様の助け。欲しがります負けたって」(原文ママ)などとつぶやき、めげない気持ちをアピールしたが、主演女優の視聴率への過剰な反応には悲哀すら感じさせる。 「真木は、連ドラとなるとどちらかといえば脇役向きで、数字を持っているとは思えません。脇を固めるのも、吉瀬美智子、伊藤歩、板谷由夏、長谷川京子、リリー・フランキーといった無難すぎるキャスティングで、視聴率的には期待が持てない。決定的な問題は、若い視聴者を引きつけるような旬な若手俳優・女優が一人もおらず、胸キュンなシーンもない点で、今どきこれは致命的。また、かといってストーリーからして、とても男性視聴者が食いつくようなドラマでもありませんし、これで数字が取れるとはとても思えません。どれだけ出演者や脚本家が頑張ったところで、真木の言う“右肩上がり”は至難のワザと言えそうです」(テレビ誌関係者) ネット上の視聴者の感想を拾ってみると、「真木がガリガリで、がさつな役が合わない。『炭水化物や甘いのは控えてね』って、食べたほうがいいよ。ガイコツみたいなのに」「真木には演技派のイメージがあったけど、そのイメージも崩壊した」「体育会系というより、元ヤンキャラにしか見えない」「原作と主人公のキャラ設定が違う。変えないでほしかった」「前クールの『人は見た目が100パーセント』とイメージがかぶる」といった調子でボロボロ。 真木は15年1月期の同枠ドラマ『問題のあるレストラン』以来の連ドラ主演となる。『問題のあるレストラン』は作品自体の評価は高かったが、平均視聴率は9.3%と2ケタに乗せられなかっただけに、今作は汚名返上の機会となるはずだった。しかし、それどころか“黒歴史”になってしまう可能性が出てきてしまった。この先、なんとか巻き返してほしいものだが、脚本にしろ、演出面にしろ、根本的なことを変えない限り、浮上するのは難しそう。『HEAT』の二の舞いだけは、なんとか避けてほしいものだが……。 (文=田中七男)フジテレビ系『セシルのもくろみ』番組公式サイトより
そこはかとなく漂う『逃げ恥』臭! 関ジャニ∞・錦戸亮&松岡茉優『ウチの夫は~』が好発進
関ジャニ∞・錦戸亮主演の連続ドラマ『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ系)の全話レビュー。8日放送の初回は、平均視聴率11.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と2ケタ発進となりました。 「笑って泣ける新感覚! お仕事ホームドラマ」をうたう同作ですが、脚本は昨年の朝ドラ『べっぴんさん』(NHK)や、AKB48・渡辺麻友主演『戦う!書店ガール』(フジテレビ系)などを手掛け、羽鳥慎一の妻でもある渡辺千穂氏。主題歌は、さだまさしが作詞作曲を手掛ける関ジャニ∞の楽曲「奇跡の人」です。 タイトルだけ見ると、話題の投稿サイト「旦那デスノート」ばりの暴言が飛び出しそうですが、一体、どんなドラマなのでしょう?
随所から漂う『逃げ恥』臭
大手イベント会社で働く司(錦戸)の妻・沙也加(松岡茉優)は、理想の夫と結婚できたことで幸せいっぱい。さらに、司は会社で一番の花形部署に異動が決まり、沙也加の頭は完全にお花畑。妄想の中で「期待のーシャイン! 輝くーシャイーン! ツカサコバヤシ シャイン!」とミュージカルをおっぱじめます。 しかし、司の正体は「働くことで、会社に損害を与える男」として知られるダメ社員。7年前の入社以降、部署をたらい回しにされており、今回の異動は根を上げさせるための肩たたき人事なんだとか。同僚の田所(Hey! Say! JUMP・薮宏太)から「お荷物社員のニモちゃん」と揶揄された司は、言い返せずに肩を落としてしょんぼり顔をキメるしかありません。 とはいえ、新部署で早速「森を生きる展」のチラシ制作を任された司。キノコや粘菌のマニアである司は、デザイナーの宮坂にイメージを伝え、順調に仕事を進めていきます。あら、仕事できるじゃない。 そして、納期までにチラシが完成。すると、宮坂は「実は、入院中の母親の容態が急に悪化してさ」と告白。母のいる青森へ行くといいます。この直後、上司の黒川(壇蜜)から電話で「クライアントが急きょ、コンセプトを変えたいって言ってきた」「デザイナーは変えるな」との連絡が。しかし、司は慌ててタクシーに乗ろうとする宮坂を引き止めることができません。 そのまま帰社し、上司に宮坂が青森に行ったことを報告する司。それを聞いたチームリーダーの土方(佐藤隆太)は、「(黒川が)連絡したときに、どうして言わなかった」「そのときに伝えていれば、すぐにほかの方法を考えることができた。デザイナーに意思疎通を取れる仲間を紹介してもらうことも、こちらで探す時間もあった」とピシャリ。司はこの案件から外されてしまいます。 退職を決意し、しょんぼり顔で帰宅する司。しかし、沙也加が妊娠したことを報告してきたため、言い出せません。 あくる日、釣り銭を切らし客から怒鳴られている弁当屋に遭遇し、わざわざ銀行(?)で1万円をくずして渡す司。その弁当屋は、「正直でいることだ」と一方的に夫婦円満の秘訣を説き始めます。 これに感化された司は、その夜、沙也加に「僕は仕事ができません」とカミングアウト。これに沙也加は、「今日ね、デザイナーの宮坂さんがうちに来ました。司さんのおかげで最後にお母さんに会えたって」と切り出し、「司さんの良さがわからない会社なんて、辞めていいです!」「優しすぎて、損することがあってもいい」「もう立派な夫を演じる必要はありません」と畳み掛けます。不気味なほどに理想的すぎる妻! そして、「なんでも話せる夫婦になりましょう」と約束し、抱き合う2人。司は「まだ頑張りたい」と退職を取りやめ、初回は終了しました。錦戸のしょんぼり顔の価値
底抜けにかわいい奥さんである沙也加の妄想シーンが毎週出てきそうな予感の『ウチしご』(『しごでき』?)。藤島ジュリー景子副社長の「ウチの錦戸に『逃げ恥』みたいなドラマやらせたいんだけど。新垣結衣と交際報道あったのに、なんだけど」という声が、終始こだましていたような、していないような同作ですが、筆者は錦戸のしょんぼり顔がこんなにクオリティー高いとは今まで知りませんでした。制作サイドも、「これが見どころ」と言わんばかりに、しょんぼり顔のアップを長めに回し、サービスしてくれます。 しかし、司が仕事ができないデクノボーなのか、はたまた仕事は普通にできるけど、いい人すぎるがゆえに損害をもたらす社員なのか、初回では判断がつかず、モヤモヤ……。 土方の口ぶりだと、今回の司のミスは、黒川への折り返し電話を怠ったことであり、デザイナーの宮坂を青森に行かせたことではないっぽいんですよね。しかし、沙也加は完全に、司が宮坂を青森に行かせたから、仕事が滞ったと思い込んでる……。この相違って、わざとなんでしょうか? モヤモヤが止まりません。 とはいえ、土曜の夜に幸せそうな美男美女夫婦のやり取りを見るのは、気分がいいですね。特に日頃、夫に悪態をついてる妻が見たら、「もう少し亭主に優しくしてやろうかしら?」と思えたり思えなかったりしそうです。ちなみに、ネット上では「こんなの、仕事ができないとかの問題じゃなくて、ただのパワハラ会社だろ」「壇蜜のしゃべり方、変だろ」といった声が目立ちますが、筆者は後者しか気になりませんでした。 それに、転んだ小学生に手を差し伸べたり、弁当屋に釣り銭を作ってあげたりと、“いい人”行為を連発する錦戸を見ていると、錦戸に対しても「本当に純朴でいい人なのかも」「酒癖悪くなさそう」「赤西軍団なんかにいなさそう」「スマホなんて奪わなさそう」と思ってしまうから不思議です。 というわけで、早くも錦戸の代表作になりそうな予感の『ウチの夫は仕事ができない』。「日刊サイゾー」では、最終回までレビューしていきます。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)そろそろ松重ゴローちゃんの大失敗も見たかったなあ……『孤独のグルメ Season6』を総括する
ああ、ついに深夜の飯テロも終わってしまったか……。 『孤独のグルメ Season6』(テレビ東京系)は、6月30日深夜の「東京都品川区五反田の揚げトウモロコシと牛ご飯」を最後に、今シーズンの放送を終えた。 ついに第6期に突入したドラマ版『孤独のグルメ』であるが、相も変わらず好評であった。第1話では大阪を舞台に、お好み焼きはご飯のおかずであることを知らしめた。 続く第2話では、定番の豚バラ生姜焼き定食を投入。第3話では趣向を変えて、谷村美月が演じる、なんかメンヘラっぽい不安定すぎる店員に目が離せないという、新手のスタイルで物語を紡いだ。さらに、第5話では回転寿司。第9話ではゴローちゃんの過去の恋を描いたり……。 とにかく、制作陣はさまざまなアイデアを投入して物語を濃厚なものにしようと企図していた。 限られた時間とテンプレートの中で試みられたドラマの工夫。その意図は、明らかに視聴者に飽きられることの恐怖であろう。 確かに松重豊演じるゴローちゃんの演技はうまいし、セリフやらダジャレやらは技巧の塊である。でも、ネットでは絶賛される一方で、実際に『孤独のグルメ』フリークに会うと、また別の感想が。大抵の人が毎週番組を楽しみに見ているというものの、「ちょっと、飽きたな……」と口にする人の多いこと。 誰もが口をそろえるドラマ版の問題点は、ゴローちゃんが失敗しないことである。 原作厨というわけではないが、やはり原作との決定的な違いはここである。以前は、アームロックを登場させたり、微妙に原作要素も注ぎ込んでくる制作陣であるが、ドラマゆえにできないことがある。 それは、ゴローちゃんが失敗することだ。 原作において重要な要素は、ゴローちゃんが単に食べて満足するだけではない哀愁である。 原作第1話では、いきなり豚汁とぶた肉いためがかぶったことを後悔。第2話では回転寿司で食べすぎて後悔。第6話では、新幹線でジェットボックスシュウマイの匂いをまき散らして後悔。やたらと後悔することが多い。別に食べたものがマズいわけではない。ゴローちゃんの選択のミス。そこに、人生の何かを感じさせる谷口ジローの作画が冴えるのである。 もともと、仕事を依頼された時には戸惑ったという谷口であるが、作画を谷口に依頼した「PANjA」編集部は冴えていた。原作におけるゴローちゃんの帯びている哀愁は、谷口が関川夏央と組んだ『事件屋稼業』のそれと同等。自由の代わりに孤独を背負った中年男の哀愁こそが本題なのである。 松重ゴローの演技を見るに、その原作における世界観を徹底的に理解していることがわかる。やたらと見ているほうを不安にさせた谷村演じる店員も、原作第10話に出てきた元ヒッピーがやってる自然食の店の女性店員的な危うさを目指しているフシがある。 でも、リアルに存在する店舗を使っている以上、決して注文したメニューが運ばれてきた途端に後悔するなんてシーンは描けない。その制約が、次第に物語展開の幅を狭くしているような気がしないでもない。 松重ゴローの食べっぷりは驚嘆である。よくもまあ、胃袋にあれだけの量を詰め込めるなあと思う放送回も何度もあった。けれども、一度くらい「ああ、やりすぎた……」と、食べすぎを後悔するシーンくらいあってもよいんじゃなかろうか。それをファンは期待しているのだ。 そして、もうひとつ。時代の趨勢ゆえだろうが、松重ゴローは煙草を吸わない。さまざま意見はあるだろうが、ハードボイルドな人生に煙草は欠かせないものとも思うのだ。 いずれにしても、今後とも試行錯誤を重ねて続いていってほしい『孤独のグルメ』。次のクールを期待して待っているぞ。 (文=昼間たかし)テレビ東京系『孤独のグルメ Season6』番組サイトより
そろそろ松重ゴローちゃんの大失敗も見たかったなあ……『孤独のグルメ Season6』を総括する
ああ、ついに深夜の飯テロも終わってしまったか……。 『孤独のグルメ Season6』(テレビ東京系)は、6月30日深夜の「東京都品川区五反田の揚げトウモロコシと牛ご飯」を最後に、今シーズンの放送を終えた。 ついに第6期に突入したドラマ版『孤独のグルメ』であるが、相も変わらず好評であった。第1話では大阪を舞台に、お好み焼きはご飯のおかずであることを知らしめた。 続く第2話では、定番の豚バラ生姜焼き定食を投入。第3話では趣向を変えて、谷村美月が演じる、なんかメンヘラっぽい不安定すぎる店員に目が離せないという、新手のスタイルで物語を紡いだ。さらに、第5話では回転寿司。第9話ではゴローちゃんの過去の恋を描いたり……。 とにかく、制作陣はさまざまなアイデアを投入して物語を濃厚なものにしようと企図していた。 限られた時間とテンプレートの中で試みられたドラマの工夫。その意図は、明らかに視聴者に飽きられることの恐怖であろう。 確かに松重豊演じるゴローちゃんの演技はうまいし、セリフやらダジャレやらは技巧の塊である。でも、ネットでは絶賛される一方で、実際に『孤独のグルメ』フリークに会うと、また別の感想が。大抵の人が毎週番組を楽しみに見ているというものの、「ちょっと、飽きたな……」と口にする人の多いこと。 誰もが口をそろえるドラマ版の問題点は、ゴローちゃんが失敗しないことである。 原作厨というわけではないが、やはり原作との決定的な違いはここである。以前は、アームロックを登場させたり、微妙に原作要素も注ぎ込んでくる制作陣であるが、ドラマゆえにできないことがある。 それは、ゴローちゃんが失敗することだ。 原作において重要な要素は、ゴローちゃんが単に食べて満足するだけではない哀愁である。 原作第1話では、いきなり豚汁とぶた肉いためがかぶったことを後悔。第2話では回転寿司で食べすぎて後悔。第6話では、新幹線でジェットボックスシュウマイの匂いをまき散らして後悔。やたらと後悔することが多い。別に食べたものがマズいわけではない。ゴローちゃんの選択のミス。そこに、人生の何かを感じさせる谷口ジローの作画が冴えるのである。 もともと、仕事を依頼された時には戸惑ったという谷口であるが、作画を谷口に依頼した「PANjA」編集部は冴えていた。原作におけるゴローちゃんの帯びている哀愁は、谷口が関川夏央と組んだ『事件屋稼業』のそれと同等。自由の代わりに孤独を背負った中年男の哀愁こそが本題なのである。 松重ゴローの演技を見るに、その原作における世界観を徹底的に理解していることがわかる。やたらと見ているほうを不安にさせた谷村演じる店員も、原作第10話に出てきた元ヒッピーがやってる自然食の店の女性店員的な危うさを目指しているフシがある。 でも、リアルに存在する店舗を使っている以上、決して注文したメニューが運ばれてきた途端に後悔するなんてシーンは描けない。その制約が、次第に物語展開の幅を狭くしているような気がしないでもない。 松重ゴローの食べっぷりは驚嘆である。よくもまあ、胃袋にあれだけの量を詰め込めるなあと思う放送回も何度もあった。けれども、一度くらい「ああ、やりすぎた……」と、食べすぎを後悔するシーンくらいあってもよいんじゃなかろうか。それをファンは期待しているのだ。 そして、もうひとつ。時代の趨勢ゆえだろうが、松重ゴローは煙草を吸わない。さまざま意見はあるだろうが、ハードボイルドな人生に煙草は欠かせないものとも思うのだ。 いずれにしても、今後とも試行錯誤を重ねて続いていってほしい『孤独のグルメ』。次のクールを期待して待っているぞ。 (文=昼間たかし)テレビ東京系『孤独のグルメ Season6』番組サイトより
ネグレクトと過保護は紙一重? 11.6%スタートの高畑充希『過保護のカホコ』に良作の予感
昨年秋の『はじめまして、愛しています。』(テレビ朝日系)以来となる遊川和彦脚本のドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)が12日、第1話を迎えました。視聴率は11.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、まあまあの好スタートです。 物語の主人公は、大学卒業を控えて就活に落ちまくっている女子大生・カホコこと根本加穂子(高畑充希)。毎朝、お母さんの泉(黒木瞳)に起こしてもらい、お弁当を作ってもらい、着ていく服を選んでもらい、駅まで車で送ってもらうという、超「過保護」に育てられた箱入り娘です。 そんな純粋培養で育ったカホコは、毎晩お母さんと一緒に子どもの頃の自分のホームビデオを見ることや、誕生日ともなれば母の実家で一度、父の実家で一度、さらに自宅で家族水入らずの誕生パーティが開かれることにも、特に疑問を持っていません。いつもニコニコですし、ちょっと気に食わないことがあっても「んむー」と表情を変えるだけで周囲が察してくれるので、まさしく、なんの苦労もなく22歳まで生きてきました。そして、娘がなんの苦労もなく育っていることこそが、母・泉の人生を支える唯一絶対の生き甲斐なのでした。 一方で、カホコの父・正高(時任三郎)はカホコを「過保護」にしすぎているという自覚があります。ことあるごとに娘・カホコの自立を促そうと心に決めますが、泉の圧力とカホコの純粋無垢な笑顔を前にすると、ついつい用意していた言葉を飲み込んでしまいます。 ■高畑充希って、やっぱりすごーい ドラマを見始めて、まず目を奪われるのが高畑充希のお芝居です。完全に、そういう人にしか見えない。もう何度も、いろんな役どころで目にしている女優さんであるはずなのに、まるで初めて目の前に現れたカホコにしか見えない。やばい。かわいいし、バカみたいだし、過去のどんな役の面影もない。 今回の役であるカホコは、第1話では「主体性がない」キャラクターとして登場します。これ、ものすごい難役だと思うんです。 こういう母親がいて、その影響下で生きてきた空っぽの人物なので、キャラ作りのロジックとして受け身しかない状態で始まらなければいけないし、今後さまざまな経験を詰め込まれていくための“容器”でもあるので、第1話の段階で人物像として出せる情報はかなり限られてくるわけです。 そういう、ごくごくせまーいところで、あれだけ生き生きとカホコを演じ切るわけですから、さすがというか、この女優さんの仕事が途切れない理由がよくわかります。そりゃ売れるわ、と思うわ。 ■無邪気vs無邪気という構図 そんなわけで無邪気に育ったカホコと大学の学生課で偶然出会ったのが、麦野初(竹内涼真)でした。こちらは就活に失敗し続けるカホコとは違い、もともと就職する気がありません。「ピカソを超える」と言い張って、画家として身を立てていくつもりの、カホコとは別のベクトルで無邪気な人物です。 ハジメは、出会ったそばからカホコにその無邪気さを爆発させます。「おまえみたいな過保護な人間が日本をダメにする」と言い放ったり(このときの「なんかわからんけど刺さった……」というカホコのリアクションが絶妙!)、自信満々だった自作の抽象画が大学の先生に評価されなければヒステリーを起こして破り捨て、カホコの「もう就活辞めて花嫁修業する、お母さんがそうしろって言ったから」という言葉に「なんのために働くのか考えろ」と八つ当たり。さらに、自分のティッシュ配りやピザ配達のバイトをカホコに押し付けたかと思えば、ファミレスでピラフをおごったり、眠りこけちゃったカホコの寝顔を、やおらスケッチしだしたり……。 無邪気な世間知らずであるカホコと、無邪気な常識人のハジメ。この2人の邂逅によって、物語が始まることになりました。第1話で「このドラマで何が始まるのか」をきっちり見せ切っていますし、2人とも愛嬌があっていい感じなので、いい作品になる予感が漂っています。 ■「ネグレクト」との対比としての「過保護」 ドラマは、カホコの母・泉が過保護であることを、決して否定的には描いていません。ハジメに押し付けられたバイト作業で、カホコの「働く能力」が開花します。今まで働いたことのないカホコは、ハジメに言われるがまま、なんの疑いもなく笑顔でティッシュを配り、ピザを届けました。これは、カホコが過保護に育ったからこそ持ち得た能力でしょう。そうして他人に感謝されることの喜びを知り、「なんのために働くのか」の答えを見出しました。 「人を幸せにする仕事がしたい」 世間知らずのかわゆい女の子・カホコの成長譚として、このドラマは走り出すことになりました。 だけど本当に描かれるのはたぶん、カホコの成長ではないんじゃないかな、と思うんです。遊川さんはきっとこの『過保護のカホコ』を『はじめまして、愛しています。』との対比として書いているんだと思うんです。 『はじめまして、愛しています。』では、育児放棄された孤児の魂が救われる様が描かれました。一方で、ネグレクトせざるを得ない状況に陥ってしまった実の母親と孤児との間の断絶は、回復させませんでした。 子を育てるという行為において、いわば対極である「ネグレクト」と「過保護」を両面から描くことで、初めて現代における「母親とは」「育児とは」という問題を語れると、遊川さんはそう考えているんじゃないかなと思うんです。 『はじめまして、愛しています。』で子を捨てた母親も、『過保護のカホコ』で子を溺愛する母親も、ともに「泉」という名前を与えられています。捨てられた子の名前は、本作でもキーパーソンになるであろう「ハジメ」でした。 過保護の親にとって、子どもの自立は「生き甲斐を奪われること」に他なりません。そして、その子の自立を促すハジメは、必然的に泉にとって「奪う側」になります。『過保護のカホコ』は、もうひとつの「泉とハジメの物語」でもあるわけです。 奪われることになる泉に、どんな救済がもたらされるのか。そんなところにも注目して見ていきたいと思います。このドラマ、かなり楽しみです、はい。 (文=どらまっ子AKIちゃん)日本テレビ系『過保護のカホコ』番組公式サイトより
ネグレクトと過保護は紙一重? 11.6%スタートの高畑充希『過保護のカホコ』に良作の予感
昨年秋の『はじめまして、愛しています。』(テレビ朝日系)以来となる遊川和彦脚本のドラマ『過保護のカホコ』(日本テレビ系)が12日、第1話を迎えました。視聴率は11.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と、まあまあの好スタートです。 物語の主人公は、大学卒業を控えて就活に落ちまくっている女子大生・カホコこと根本加穂子(高畑充希)。毎朝、お母さんの泉(黒木瞳)に起こしてもらい、お弁当を作ってもらい、着ていく服を選んでもらい、駅まで車で送ってもらうという、超「過保護」に育てられた箱入り娘です。 そんな純粋培養で育ったカホコは、毎晩お母さんと一緒に子どもの頃の自分のホームビデオを見ることや、誕生日ともなれば母の実家で一度、父の実家で一度、さらに自宅で家族水入らずの誕生パーティが開かれることにも、特に疑問を持っていません。いつもニコニコですし、ちょっと気に食わないことがあっても「んむー」と表情を変えるだけで周囲が察してくれるので、まさしく、なんの苦労もなく22歳まで生きてきました。そして、娘がなんの苦労もなく育っていることこそが、母・泉の人生を支える唯一絶対の生き甲斐なのでした。 一方で、カホコの父・正高(時任三郎)はカホコを「過保護」にしすぎているという自覚があります。ことあるごとに娘・カホコの自立を促そうと心に決めますが、泉の圧力とカホコの純粋無垢な笑顔を前にすると、ついつい用意していた言葉を飲み込んでしまいます。 ■高畑充希って、やっぱりすごーい ドラマを見始めて、まず目を奪われるのが高畑充希のお芝居です。完全に、そういう人にしか見えない。もう何度も、いろんな役どころで目にしている女優さんであるはずなのに、まるで初めて目の前に現れたカホコにしか見えない。やばい。かわいいし、バカみたいだし、過去のどんな役の面影もない。 今回の役であるカホコは、第1話では「主体性がない」キャラクターとして登場します。これ、ものすごい難役だと思うんです。 こういう母親がいて、その影響下で生きてきた空っぽの人物なので、キャラ作りのロジックとして受け身しかない状態で始まらなければいけないし、今後さまざまな経験を詰め込まれていくための“容器”でもあるので、第1話の段階で人物像として出せる情報はかなり限られてくるわけです。 そういう、ごくごくせまーいところで、あれだけ生き生きとカホコを演じ切るわけですから、さすがというか、この女優さんの仕事が途切れない理由がよくわかります。そりゃ売れるわ、と思うわ。 ■無邪気vs無邪気という構図 そんなわけで無邪気に育ったカホコと大学の学生課で偶然出会ったのが、麦野初(竹内涼真)でした。こちらは就活に失敗し続けるカホコとは違い、もともと就職する気がありません。「ピカソを超える」と言い張って、画家として身を立てていくつもりの、カホコとは別のベクトルで無邪気な人物です。 ハジメは、出会ったそばからカホコにその無邪気さを爆発させます。「おまえみたいな過保護な人間が日本をダメにする」と言い放ったり(このときの「なんかわからんけど刺さった……」というカホコのリアクションが絶妙!)、自信満々だった自作の抽象画が大学の先生に評価されなければヒステリーを起こして破り捨て、カホコの「もう就活辞めて花嫁修業する、お母さんがそうしろって言ったから」という言葉に「なんのために働くのか考えろ」と八つ当たり。さらに、自分のティッシュ配りやピザ配達のバイトをカホコに押し付けたかと思えば、ファミレスでピラフをおごったり、眠りこけちゃったカホコの寝顔を、やおらスケッチしだしたり……。 無邪気な世間知らずであるカホコと、無邪気な常識人のハジメ。この2人の邂逅によって、物語が始まることになりました。第1話で「このドラマで何が始まるのか」をきっちり見せ切っていますし、2人とも愛嬌があっていい感じなので、いい作品になる予感が漂っています。 ■「ネグレクト」との対比としての「過保護」 ドラマは、カホコの母・泉が過保護であることを、決して否定的には描いていません。ハジメに押し付けられたバイト作業で、カホコの「働く能力」が開花します。今まで働いたことのないカホコは、ハジメに言われるがまま、なんの疑いもなく笑顔でティッシュを配り、ピザを届けました。これは、カホコが過保護に育ったからこそ持ち得た能力でしょう。そうして他人に感謝されることの喜びを知り、「なんのために働くのか」の答えを見出しました。 「人を幸せにする仕事がしたい」 世間知らずのかわゆい女の子・カホコの成長譚として、このドラマは走り出すことになりました。 だけど本当に描かれるのはたぶん、カホコの成長ではないんじゃないかな、と思うんです。遊川さんはきっとこの『過保護のカホコ』を『はじめまして、愛しています。』との対比として書いているんだと思うんです。 『はじめまして、愛しています。』では、育児放棄された孤児の魂が救われる様が描かれました。一方で、ネグレクトせざるを得ない状況に陥ってしまった実の母親と孤児との間の断絶は、回復させませんでした。 子を育てるという行為において、いわば対極である「ネグレクト」と「過保護」を両面から描くことで、初めて現代における「母親とは」「育児とは」という問題を語れると、遊川さんはそう考えているんじゃないかなと思うんです。 『はじめまして、愛しています。』で子を捨てた母親も、『過保護のカホコ』で子を溺愛する母親も、ともに「泉」という名前を与えられています。捨てられた子の名前は、本作でもキーパーソンになるであろう「ハジメ」でした。 過保護の親にとって、子どもの自立は「生き甲斐を奪われること」に他なりません。そして、その子の自立を促すハジメは、必然的に泉にとって「奪う側」になります。『過保護のカホコ』は、もうひとつの「泉とハジメの物語」でもあるわけです。 奪われることになる泉に、どんな救済がもたらされるのか。そんなところにも注目して見ていきたいと思います。このドラマ、かなり楽しみです、はい。 (文=どらまっ子AKIちゃん)日本テレビ系『過保護のカホコ』番組公式サイトより
長瀬智也、TBS『ごめん、愛してる』香取慎吾以来の1ケタ発進! “韓流臭”に評価ぱっくり
TBSの人気枠「日曜劇場」で、TOKIO・長瀬智也主演、浅野妙子脚本の恋愛ドラマ『ごめん、愛してる』が9日にスタートしました。 原作は韓国KBSで2004年に放送され、最高視聴率29.2%を叩き出した連続ドラマ。当時、韓国では『ミアナダ サランハンダ』というタイトルを略して「ミサ」と呼ばれ、見終わると強烈な余韻から何も手につかない「ミサ廃人」を生み出すなどの社会現象を巻き起こしたそうです。 さらに、日本でも06年にテレビ東京で日本語吹き替え版が放送されたほか、トルコ、タイ、中国でもリメイクされているとか。こりゃあ、日本でも「ミサ廃人」ならぬ「ご愛廃人」現象が起こっちゃうわ! と思いきや、初回平均視聴率は9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と微妙な滑り出し。「日曜劇場」では、昨年1月クールのSMAP(当時)・香取慎吾主演『家族ノカタチ』以来の1ケタ発進となりました。 ちなみに、前クールの長谷川博己主演『小さな巨人』初回は13.7%、その前の元SMAP・木村拓哉主演『A LIFE~愛しき人~』初回は14.2%でした。安定のキムタク! というわけで、微妙な結果となった『ごめん、愛してる』の初回を振り返ります。






