アップル元社員語る「過酷な社内政治とクレイジーな要求」

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アップル元CEOのスティーブ・ジョブズ。
(「ウィキペディア」より)
「社内政治は本当にキツい。マイクロソフトもすごいらしいですが、それに負けないくらいすごい」 「そもそも要求が無茶なんです。まずジョブズの思いつきから始まるわけです」  数々のヒット商品を生み出してきたアップル。世間では創業者の故スティーブ・ジョブズを、神様のように畏敬の念をもって崇める人々も多い。  だが、実際のアップルの現場では、多くの優秀な人材を集め、優れた製品やサービスを生み出すために、キレイごとだけでは済まされない、“超過酷な”社内政治やジョブズから出される“不可能に近い”要求に、社員は絶えずさらされているのだ。  アップルのスマートでクリエイティブなイメージの裏には、どんな姿が隠されているのか?  4月に発売され、IT業界のみならず多くのビジネスマンの間で好評を博している『僕がアップルで学んだこと』(アスキー新書)(http://www.amazon.co.jp/dp/4048865390)の著者で、元アップル米国本社シニアマネージャーの松井博氏に、アップルの内実、そして同社が躍進した本当の理由を聞いた。 ――アップルと日本メーカーの根本的な違いは、どこにあると思いますか? 松井博氏(以下、松井) まず人材の豊富さが違います。アップル本社があるシリコンバレーは、優秀な人材を集めるにはとても有利な場所です。私が住んでいるクパティーノ市では、居住者の7割がエンジニア。実際に私の周りの人たちの職業を聞いても、アップル、HP(ヒューレット・パッカード)、グーグルなどのエンジニアばかりで、それだけエンジニアがシリコンバレーには集中しているんです。そのうえ、人口の約6割強が中国人、韓国人、インド人などのアジア人なのですが、彼らは皆エリートばかりで、その大半がIT系の仕事に従事している。 ――白人は少ないのですか? 松井 ええ。白人は意外と少なく、「白人だから就職に有利だ」ということは一切ありません。「どれだけ仕事ができるのか?」、判断基準はそれだけです。IT系に進む白人は変わり者が多く、ウォール街を目指す白人と違って、お金儲けにそれほど興味がない。彼らには、「自分たちで世の中を変えてやろう」という気概がある。そうした人たちが集まるシリコンバレーは、まさに人材の宝庫なのです。転職も日常茶飯事です。私はアップルに16年在籍したのですが、「一カ所にそれだけ長い期間とどまるのはおかしいんじゃないの?」という感覚なのです。通常は3~5年くらいの期間で転職していきます。ちょっと待遇が悪かったり、会社が傾いたり、株価が下がったりすると、すぐに転職してしまう。次の転職先に困らないから、辞められるのです。 技術者の宝庫・シリコンバレー ――シリコンバレーの生活環境とは、どのようなものなのでしょうか? 松井 朝早い人が多いです。基本的には9時出社で、6~7時に出社する人もいます。フレックス制ですが、10時に出勤する人は少ないですね。出社が遅い人は独身者に多い。家族がある人は、子供の学校が7時半くらいに始まりますから、子供を送ったあと、そのまま出社する。通勤時間は車で15~20分というのが普通ですね。シリコンバレーはかつて果樹園が広がっていたような田舎町で、ほかに何もなかったところです。今だって車で20分も行けば何もない。山に囲まれた盆地のようなところで、基本的に田舎。アップルの本社があるところも昔は果樹園でした。日本でシリコンバレーと同じ雰囲気を持った土地がどこかといえば、筑波あたりをイメージすればいいかもしれません。若者なら、「こんな刺激がないところには住めない」という人もいます。ただ、家族持ちにとっては、学校教育の環境も充実していて住みやすい。移民も多く、ニューヨークに匹敵するほどです。そのため、子供たちは2カ国語話せることが普通なんです。3カ国語、4カ国語もちらほらいる。それだけアメリカの中でも、特殊な環境なんです。普通の公立高校からもハーバード大学などの有名大学にたくさん入学しますから、ここで子供に教育を受けさせたいという人も多い。エンジニアばかりが集まることによって、より特殊な環境になっているのです。 ――シリコンバレーでは昼夜問わず、働く人が多いというイメージも強いですが。 松井 もちろん、そういうときもあります。ただ、基本的にはプロジェクトベースで仕事をしているので、ピーク時は忙しいけれど、それ以外は一般的な勤務と同じです。製品のプロジェクトのピークは、デザイン、ハード、ソフトと順々に迎えるので、忙しくなるサイクルは担当者それぞれ違いますが、各グループともピーク時には本当によく働きます。仕事が好きな人が多いですね。しかし、それが長く続けば、もちろんアップルの人間でも「また今日も仕事か……」と思うわけで、そのあたりのメンタリティは日米で大きな違いはありません。ただ、大きく違うのは、シリコンバレーの精神風土が明るいことです。まず転職にも困らないから、会社で何かあっても「嫌になったら、次に行けばいいや」と考えればいい。その分、気持ちを軽く持ちやすいといえます。また雨が降らない。いつも晴れていて、仕事でクヨクヨしていても空を眺めれば、気分はスカッと晴れてしまう。気候がジメジメしていてますます気が滅入るということは、ほとんどありません。 仕事のほとんどは社内政治 ――松井さんは16年ほどアップルに勤務されていましたが、それだけアップルは居心地がよかったのでしょうか? 松井 アップルは、ヒラ社員にとってはすごくいい会社だと思います。ただ、上層部になればなるほど、ハードな環境が待ち受けています。時には神経もやられる。私のシニアマネージャーという肩書は、日本企業でいえば部長や本部長クラスだと思うんですが、仕事のほとんどは社内政治でした。その意味では結構つらかったです。ずっと熱湯風呂に我慢して入っているような感じでしたね。 ――アップルといえば、外から見ると、社内政治とは無縁のようなイメージなので、意外な感じがします。 松井 真逆ですよ。社内政治は本当にキツい。マイクロソフトもすごいらしいですが、それに負けないくらいすごい(笑)。要は、良い意味で「いかに社内で目立つか?」なのです。日本人の場合、「ちゃんと良い仕事していれば、上司が認めてくれて、いつか報われる」というイメージですが、アップルにはそうした雰囲気がない。自分で自分を売るしかないのです。この「自分の売り方を、どう工夫するか?」がなかなか難しい。自著にも、いかに自分の部署をマーケティングするのかについて一章割いて書いたんですが、私がいた品質保証という部署は、うっかりしていると悪者にされやすい。市場で問題が発生すると「なぜ事前に見つけられなかったのか?」と問われるわけですから。そんな問題が出たときに誰のせいにするのか、その駆け引きみたいな話がたくさんあるわけです。自分のせいになったらたまらない。うっかりその失態をジョブズに覚えられたら最悪です。いかに素早く自分の身を安全圏に置いて、誰を指さすのか。それが重要になってきます。 ――想像とはかなり違いますね。 松井 ひどいです。しかし、そのひどいことを、きちんと修正しながらやっていくわけです。指さして非難しているだけでは、口だけのヤツだと思われる。いじめっ子のようにやるのもダメ。非難をしつつも、きちんと正当性を主張して正義面をする必要があるのです。僕も十数年英語圏に住んでいて、英語をしゃべることに不自由はないのですが、いかに自分の正義を示しつつ相手を非難するのかを、英語で表現するのは難しいものです。本当に神経をすり減らしましたから。 会議でボコボコにされる ――例えば、どのようなことでしょうか? 松井 出荷判定会議の際に、新製品のバグ(不具合)をどれだけ修正するのかを議論するのですが、僕としては一件でも多く修正してもらいたい。こちらはその方向で議論を押していきますが、ネゴシエーションする上で、エンジニアも限界ギリギリのところで調整しているわけですから、互いに落としどころを見つけなければならない。まあ、ケンカになりますよ。最終的には、上級副社長など上層部の前でプレゼンをしなければならないのですが、そこで全員のつじつまが合ってないと、本当に頭のいい連中ですから、その場で「おまえ、その話おかしいじゃねえか」と指摘されボコボコにされてしまう。ですから、出荷判定会議をする前に、部内でそのリハーサルをするくらいなんです。もうねえ、本当にきつかったですよ(笑)。 ――そんな場合は、日本的な根回しも欠かせませんか? 松井 あからさまに人を非難すると恨みを買いますからね。次はこちらがやられちゃう可能性だってある。かといって、やらないと、知っていたのに黙っていたということになる。だから、加減もあるんです。ただ、自分で良い子にしているだけではスケープゴートにされてしまう。ちゃんと自分の身を守りつつ、ときどき人も攻めて、良い感じの関係も築く。まさに政治ですね。 ――しかし、その議論の結果として、アップルは多くのクリエイティブな商品を生み出していますね。 松井 そもそも要求が無茶なんです(笑)。まず「ここまでできたんだから、次はこれもできるはずだ」というジョブズの思いつきから始まるわけです。ジョブズの側近は「その思いつきは間違い」と一生懸命説得するのですが、時々思いつきのまま突き進んでいく。例えば、CPUをインテルに移行したとき、社外に対しては2年後に完了すると言っておいて、社内では突然「半年でやれ」と言ってくる。皆は「えぇ」という感じになるのですが、どうにかするしかないわけです。何年かに一回、ジョブズが商品の大きな方向性を決め直すときがあります。これがアップルはうまい。日本企業だってアップルとやっていることは変わりませんが、修正がちまちましていてドラスティックに変えることがない。「そのプロジェクトでどうやって収益を上げつつ、次を目指すのか?」というところが見えてこないのです。本質的にリスクを取らない体質が、日本企業にあるのかもしれません。 ――アップルは、リスクを厭わないということでしょうか? 松井 私はアップルに勤めていて、「これが失敗したら次はどうなるのだろう」と思ったことが、たびたびありました。「気が狂ってる」と思うことも何回かありました。ジョブズは蛮勇といってもいいような勇気をもって、商品のかたちをまったく変えてしまう。iPadにしたって、タブレット型のコンピュータというのは、これ以前にもあったわけです。ですが成功例はただのひとつもなかった。そこで、「よし、やってやろう」となる。創業者だからできたのかもしれませんが、日本企業は勇気が足りない感じがしますね。 潰れかけていたアップル ――松井さんがアップルに入社されたのは、業績が低迷していた頃ですね。 松井 相当ひどかったです。もうめちゃくちゃ。悪循環に完全にハマっていて、製品がダメでバグだらけ。雑誌にもバンバン叩かれる。社員のプライドは低くなるし、いい人材は辞めてしまう。類は友を呼ぶで、代わりにしょうもないヤツが入ってくる。試作機が消える。備品がなくなる。その劣化ぶりも見事で、日本人だったらもうちょっとマジメにやるだろと思うくらい。自著で書いたのも本当のことばかりで、恥ずかし過ぎて書いてない内容もありますが、とにかく衝撃でしたね。漫画のような世界でした。 ――そこからどうやって組織が変わっていったのですか? 松井 ジョブズが戻ってきたことが一番大きいのですが、まずギル・アメリオ(元アップルCEO)が大ナタを振るったんです。当時社員が1 万5000人くらいいたと思いますが、大きなレイオフを2回して、社員を半分くらいに減らしたんです。それまで何も生んでいないただのお荷物みたいだった人たちが、きれいに整理された。儲かっていない事業もバンバンやめた。そうやって膿を出し、視界が広がりました。その後、アップルがネクストを買って、ジョブズが戻ってきた。彼はもっと徹底していました。 ――具体的には? 松井 アップルにはATG(アドバンス・テクノロジー・グループ)という部署があって、論文を発表するような有名人がたくさん働いていた。しかし、この人たちはいろいろと研究しているのですが、利益を生んではいない。しかも、社長よりも偉そうにしているんです。社員にとってATGは憧れの対象でしたが、そのATGをジョブズはリストラしてしまうんです。この一件が、「お金を生まないヤツはダメだ」という強烈なメッセージとなって、社内にさぁーっと広がった。能書きはいいから、とにかく仕事をしろと。ジョブズ以前は良くも悪くもアップルは民主的だったんです。上からああしろ、こうしろと言われても、それじゃダメだと能書きを言えば意見が通ったりすることもあった。ところが、ジョブズがネクストから連れてきた連中が経営陣に入ると、雰囲気が変わった。 ――どのように変わったのですか? 松井 「嫌なら辞めろ」という感じになりました。旧経営陣に拾われて偉くなった人たちは、もう先がないと思い、多くの人が辞めていきました。民主的な雰囲気はなくなって、ジョブズの一言でクビになる。例えば、「ホワイトボードの議事録を消し忘れてクビになった」とか、そういった真偽のつかめない噂が社内に飛び交いました。ジョブズと一緒になりたくないという社員が多かったと思います。 (構成=國貞文隆) <おすすめ記事> もしグーグルが日本で起業していたら成功したか? 広告費ゼロで会員5万人?ソーシャルランチ人気の秘密 脱法市場のパチンコ業界がクリーンになる? 合コンで大人気!化粧品K男性社員は毎晩自社商品で全身を… 広告、消したい過去…日経が野村インサイダーに“甘い”ワケ トヨタが独法などで官僚流「利権温存」の隠れ蓑に利用される? 深夜強盗の影響で「すき家」の売り上げが激減

男性の10人に1人が精子に問題アリ あなたも不妊症かも?

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(右)「週刊ダイヤモンド 7/21号」
(左)「週刊東洋経済 7/21号」二段目
経済の神学論争!? ダイヤモンドの激論企画 「週刊ダイヤモンド 7/21号」の大特集は『激論! 日本経済 答えはどこにあるのか?』。バブル崩壊後からの“失われた20年”で深刻化した経済迷走の「なぜ?」を論客対決で明らかにしようという試みだ。 『日本経済復活の処方箋はこれだ!』をテーマに、池田信夫アゴラ研究所所長と飯田泰之駒澤大学准教授。『財政再建優先か景気回復優先か』をテーマに、河野龍太郎BNPパリバ証券経済調査本部長と若田部昌澄早稲田大学大学院教授。 『金融政策でデフレ脱却できるか』をテーマに、池尾和人慶應義塾大学教授と武藤敏郎大和総研理事長。  ……といった具合に、それぞれの議論の有名な論者が議論を交わしている。このほかにも『グローバル化の中で日本企業が生き残る条件』『社会保障は削減か充実か』『日本はTPPに参加すべきか』『経済学は実際の経済に役立つか』『脱原発を進めるべきか』といったテーマで議論がなされている。  1990年代初頭のバブル景気崩壊以降、長期の景気低迷に入っている。経済学上、景気低迷の解決方法をめぐっては財政政策と金融政策という経済政策が議論される。財政政策とは、予算配分、財政出動、増減税、規制緩和といったもの。一方、金融政策とは中央銀行(日本で言えば日本銀行)が行う政策で、一定のインフレ(物価上昇)におさまるように通貨供給を行うものだ。この2つが、経済政策の両輪であり、双方を巧みにコントロールすれば経済は安定すると考えられてきている。  日本で言えば、“失われた10年”というべき90年代は、経済への大きな重荷となっていたバブル崩壊による不良債権の処理が必要であったが、これを後回しにして、財政政策による財政出動を積極的に行い日本経済を支えた。ただし、この財政出動の結果として累積する債務残高が大きく膨らむこととなった。さらに、00年代後半にはリーマンショック後の景気対策としての財政出動もあって、借金は大きく膨らみ財政政策の限界が考えられるようになってきた。現時点で打つことができる財政政策は、増減税、規制緩和といったものしかない。  そこで浮上してきたのが、金融政策への期待だ。  現在勢いが出てきているのが、金融政策のインフレターゲット有効派(リフレ派)だ。これは、米国の経済学者ポール・クルーグマンなどが提唱しているもので、中央銀行が市場に資金をより供給し、インフレのターゲットを示すことで「将来インフレになる(物の値段が上がる)から今のうちに買っておこう」という意識が高まり、景気がよくなるとする考え方だ(今回の特集でいえば飯田泰之駒澤大学准教授、若田部昌澄早稲田大学大学院教授がその立場だ)。  ただし、金融政策にはそれほどの効果はない。中央銀行にはインフレターゲットの有効性を疑問視する経済学者は多い(今回の特集でいえば、池田信夫アゴラ研究所所長、河野龍太郎BNPパリバ証券経済調査本部長、池尾和人慶應義塾大学教授だ)。「00年代はゼロ金利どころか量的緩和政策で市場にお金をジャブジャブにしてきた。にもかかわらず、景気がよくなっていないのは、金融政策にそれほどの力がないためだ」と批判する。  一方でリフレ派は経済学的には少数派なのだが、現在、デフレの日本経済をインフレにすれば、税収も増加し債務も軽減できることから、政治家もこの説に飛びつきはじめている。政党でいえば、リフレ派の高橋洋一氏がブレーンとなっている「みんなの党」がここにあてはまる。  実は、今回の論客対決の多くは、この金融政策の問題について議論しているに過ぎない。リフレ派の学者は、金融政策が物足りないと主張している。リフレ派でない学者は、金融政策の効果は期待できずに、増減税、規制緩和といった財政政策を行うしかないという主張をしている。現実的には、大蔵省事務次官、日本銀行副総裁も務めた武藤敏郎大和総研理事長の「しかし、10年金利が1%の日本では結局、量的緩和以外に選択肢がない。少しは意味があることをやり続けるのは、理論的には議論があるかもしれないが、実務的には決して軽視すべきではない」といった発言が、現実的な答えになりそうだ。  しかし、こうした議論は、経済学上のモデルをもとにした議論であって、複雑な要因がからみあう現在経済にどこまで有効なのかという疑問がつきまとう。クルーグマンも過去30~40年の経済学を「よく言って役に立たない、悪く言えば有害だ」と言い切っているほどだ。  当サイトの記事、『岩瀬大輔(ライフネット生命副社長)・キュレーション第3回 岩瀬大輔「日銀は無関係!?円高要因は実需、輸出、ユーロ危機」』では、「『日銀の緩和が十分でないからデフレが続いている』『いや十分な金融緩和を行ってきた、問題は実体経済だ』という経済学者間の議論がありますが、これはもはや神学論争に近いと思います。デフレの要因は複合的であり、どちらの主張が絶対的に正しいかということは実証できないのです」と指摘しているが、まさにこうした論客対決は宗教間対立でしかないのかもしれない。  一般の汗水たらして働くビジネスマンからすれば、経済学の宗教は、どうでもいいから、まずは景気を良くしてくれ! 給料を上げてくれ! ということだろう。 現代の難問 不妊に迫った東洋経済 「週刊東洋経済 7/21号」の大特集は『不妊の原因、その半分は男性 みんな不妊に悩んでる』。世界中で患者数が拡大している不妊症。一般に、2年以上避妊なしで性交しても妊娠しない場合、不妊症と判断されており、どの国でも不妊症を抱えるカップルが10~15%の割合で存在するといわれている。  しかも、日本の場合、晩婚化と晩産化が不妊を深刻化させている。「今、不妊治療を受けている人の約9割は、10年前に子どもを作ろうとしていれば、自然に妊娠できていたのではないか」と専門家が語っているほどだ。  別の専門家は「生殖年齢の“定年”は今も江戸時代と変わらない。出産の適齢期は25~35歳だ」と話している。ところが、ある調査では、「36歳を境にして女性の妊娠力は低下する」という現実を知っている日本人は29.6%で、カナダの82.1%、英国の71.9%の半分以下と知識が不足しているのだ。  現在、日本において不妊治療を行う病院・クリニック数は約600件。米国の500件を上回り世界一の数字になっている。体外受精、顕微授精などの高度生殖医療(ART)の治療件数でも日本は年間21.3万件と世界トップ。09年にはARTにより2.6万人の新生児が生まれた。今や「新生児の40人に1人は体外受精児」時代だ。  不妊治療は巨大産業へと成長している。ARTにかかる費用を1回40万円として計算すると、それだけで市場規模は852億円。全体の規模は1000億円を超えると見られているという。少子化に悩む日本にとって今後ますます注目される分野になりそうだ。  日本の特有の問題は「不妊をタブー視」し、「不妊は女性だけに原因がある」という偏見が強い点だ。しかし、実際には、WHO(世界保健機関)によると、不妊原因のうち、「男性のみ(に原因がある)」は24%にも上る。男女双方に原因がある場合を加えると、約半分のケースで男性が関係していることになる。「精子になんらかの問題がある人は10人に1人」と専門家は指摘するほどだ。『PART1 精子はこうして作られる 男性不妊の原因はこれだ!』の不妊の原因ベスト3によれば、第1位は精子の数が少ない乏精子症、第2位は精液のなかに精子が見当たらない無精子症、第3位は精子を作る機能が低下している精子無力症だ。  乏精子症は、長時間座っていたときに痛みがある場合、無精子症はいつの間にか陰嚢がはれた場合、精子無力症はおたふく風邪の経験がある場合に注意が必要だという。  気になる男性は、奥さんと一緒に産婦人科を受診すべきだろう。その後、専門クリニックで検査という流れになるが、実際の検査時間は30分ほど、検査費用はおよそ1万5000円程度だ。  特集では『あなたの精子を守るための10カ条』が紹介されているが、そのうち、ビジネスマンにとって重要なのは、「禁煙」、「ブリーフよりもトランクス」、「飲酒は適量に」といったものだ。また、熱に弱い精巣の温度を上げてしまう電車の座席で「膝上でノートPCを使うこと」はNGだという。  専門家によれば、精子の質を上げるためには、ビタミンC、ビタミンEを摂取すること、色素リコピンに効果があるとされるトマトもよい効果がありそうだという。  やはり規則正しい生活が精子形成にもプラス効果をもたらすようだ。 (文=松井克明/CFP) <おすすめ記事> 脱法市場のパチンコ業界がクリーンになる? 合コンで大人気!化粧品K男性社員は毎晩自社商品で全身を… アップル元社員語る「過酷な社内政治とクレイジーな要求」 広告、消したい過去…日経が野村インサイダーに“甘い”ワケ トヨタが独法などで官僚流「利権温存」の隠れ蓑に利用される? 深夜強盗の影響で「すき家」の売り上げが激減 平穏な民家に特殊部隊が突入! 原因は無線LAN

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(右)「週刊ダイヤモンド 7/21号」
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経済の神学論争!? ダイヤモンドの激論企画 「週刊ダイヤモンド 7/21号」の大特集は『激論! 日本経済 答えはどこにあるのか?』。バブル崩壊後からの“失われた20年”で深刻化した経済迷走の「なぜ?」を論客対決で明らかにしようという試みだ。 『日本経済復活の処方箋はこれだ!』をテーマに、池田信夫アゴラ研究所所長と飯田泰之駒澤大学准教授。『財政再建優先か景気回復優先か』をテーマに、河野龍太郎BNPパリバ証券経済調査本部長と若田部昌澄早稲田大学大学院教授。 『金融政策でデフレ脱却できるか』をテーマに、池尾和人慶應義塾大学教授と武藤敏郎大和総研理事長。  ……といった具合に、それぞれの議論の有名な論者が議論を交わしている。このほかにも『グローバル化の中で日本企業が生き残る条件』『社会保障は削減か充実か』『日本はTPPに参加すべきか』『経済学は実際の経済に役立つか』『脱原発を進めるべきか』といったテーマで議論がなされている。  1990年代初頭のバブル景気崩壊以降、長期の景気低迷に入っている。経済学上、景気低迷の解決方法をめぐっては財政政策と金融政策という経済政策が議論される。財政政策とは、予算配分、財政出動、増減税、規制緩和といったもの。一方、金融政策とは中央銀行(日本で言えば日本銀行)が行う政策で、一定のインフレ(物価上昇)におさまるように通貨供給を行うものだ。この2つが、経済政策の両輪であり、双方を巧みにコントロールすれば経済は安定すると考えられてきている。  日本で言えば、“失われた10年”というべき90年代は、経済への大きな重荷となっていたバブル崩壊による不良債権の処理が必要であったが、これを後回しにして、財政政策による財政出動を積極的に行い日本経済を支えた。ただし、この財政出動の結果として累積する債務残高が大きく膨らむこととなった。さらに、00年代後半にはリーマンショック後の景気対策としての財政出動もあって、借金は大きく膨らみ財政政策の限界が考えられるようになってきた。現時点で打つことができる財政政策は、増減税、規制緩和といったものしかない。  そこで浮上してきたのが、金融政策への期待だ。  現在勢いが出てきているのが、金融政策のインフレターゲット有効派(リフレ派)だ。これは、米国の経済学者ポール・クルーグマンなどが提唱しているもので、中央銀行が市場に資金をより供給し、インフレのターゲットを示すことで「将来インフレになる(物の値段が上がる)から今のうちに買っておこう」という意識が高まり、景気がよくなるとする考え方だ(今回の特集でいえば飯田泰之駒澤大学准教授、若田部昌澄早稲田大学大学院教授がその立場だ)。  ただし、金融政策にはそれほどの効果はない。中央銀行にはインフレターゲットの有効性を疑問視する経済学者は多い(今回の特集でいえば、池田信夫アゴラ研究所所長、河野龍太郎BNPパリバ証券経済調査本部長、池尾和人慶應義塾大学教授だ)。「00年代はゼロ金利どころか量的緩和政策で市場にお金をジャブジャブにしてきた。にもかかわらず、景気がよくなっていないのは、金融政策にそれほどの力がないためだ」と批判する。  一方でリフレ派は経済学的には少数派なのだが、現在、デフレの日本経済をインフレにすれば、税収も増加し債務も軽減できることから、政治家もこの説に飛びつきはじめている。政党でいえば、リフレ派の高橋洋一氏がブレーンとなっている「みんなの党」がここにあてはまる。  実は、今回の論客対決の多くは、この金融政策の問題について議論しているに過ぎない。リフレ派の学者は、金融政策が物足りないと主張している。リフレ派でない学者は、金融政策の効果は期待できずに、増減税、規制緩和といった財政政策を行うしかないという主張をしている。現実的には、大蔵省事務次官、日本銀行副総裁も務めた武藤敏郎大和総研理事長の「しかし、10年金利が1%の日本では結局、量的緩和以外に選択肢がない。少しは意味があることをやり続けるのは、理論的には議論があるかもしれないが、実務的には決して軽視すべきではない」といった発言が、現実的な答えになりそうだ。  しかし、こうした議論は、経済学上のモデルをもとにした議論であって、複雑な要因がからみあう現在経済にどこまで有効なのかという疑問がつきまとう。クルーグマンも過去30~40年の経済学を「よく言って役に立たない、悪く言えば有害だ」と言い切っているほどだ。  当サイトの記事、『岩瀬大輔(ライフネット生命副社長)・キュレーション第3回 岩瀬大輔「日銀は無関係!?円高要因は実需、輸出、ユーロ危機」』では、「『日銀の緩和が十分でないからデフレが続いている』『いや十分な金融緩和を行ってきた、問題は実体経済だ』という経済学者間の議論がありますが、これはもはや神学論争に近いと思います。デフレの要因は複合的であり、どちらの主張が絶対的に正しいかということは実証できないのです」と指摘しているが、まさにこうした論客対決は宗教間対立でしかないのかもしれない。  一般の汗水たらして働くビジネスマンからすれば、経済学の宗教は、どうでもいいから、まずは景気を良くしてくれ! 給料を上げてくれ! ということだろう。 現代の難問 不妊に迫った東洋経済 「週刊東洋経済 7/21号」の大特集は『不妊の原因、その半分は男性 みんな不妊に悩んでる』。世界中で患者数が拡大している不妊症。一般に、2年以上避妊なしで性交しても妊娠しない場合、不妊症と判断されており、どの国でも不妊症を抱えるカップルが10~15%の割合で存在するといわれている。  しかも、日本の場合、晩婚化と晩産化が不妊を深刻化させている。「今、不妊治療を受けている人の約9割は、10年前に子どもを作ろうとしていれば、自然に妊娠できていたのではないか」と専門家が語っているほどだ。  別の専門家は「生殖年齢の“定年”は今も江戸時代と変わらない。出産の適齢期は25~35歳だ」と話している。ところが、ある調査では、「36歳を境にして女性の妊娠力は低下する」という現実を知っている日本人は29.6%で、カナダの82.1%、英国の71.9%の半分以下と知識が不足しているのだ。  現在、日本において不妊治療を行う病院・クリニック数は約600件。米国の500件を上回り世界一の数字になっている。体外受精、顕微授精などの高度生殖医療(ART)の治療件数でも日本は年間21.3万件と世界トップ。09年にはARTにより2.6万人の新生児が生まれた。今や「新生児の40人に1人は体外受精児」時代だ。  不妊治療は巨大産業へと成長している。ARTにかかる費用を1回40万円として計算すると、それだけで市場規模は852億円。全体の規模は1000億円を超えると見られているという。少子化に悩む日本にとって今後ますます注目される分野になりそうだ。  日本の特有の問題は「不妊をタブー視」し、「不妊は女性だけに原因がある」という偏見が強い点だ。しかし、実際には、WHO(世界保健機関)によると、不妊原因のうち、「男性のみ(に原因がある)」は24%にも上る。男女双方に原因がある場合を加えると、約半分のケースで男性が関係していることになる。「精子になんらかの問題がある人は10人に1人」と専門家は指摘するほどだ。『PART1 精子はこうして作られる 男性不妊の原因はこれだ!』の不妊の原因ベスト3によれば、第1位は精子の数が少ない乏精子症、第2位は精液のなかに精子が見当たらない無精子症、第3位は精子を作る機能が低下している精子無力症だ。  乏精子症は、長時間座っていたときに痛みがある場合、無精子症はいつの間にか陰嚢がはれた場合、精子無力症はおたふく風邪の経験がある場合に注意が必要だという。  気になる男性は、奥さんと一緒に産婦人科を受診すべきだろう。その後、専門クリニックで検査という流れになるが、実際の検査時間は30分ほど、検査費用はおよそ1万5000円程度だ。  特集では『あなたの精子を守るための10カ条』が紹介されているが、そのうち、ビジネスマンにとって重要なのは、「禁煙」、「ブリーフよりもトランクス」、「飲酒は適量に」といったものだ。また、熱に弱い精巣の温度を上げてしまう電車の座席で「膝上でノートPCを使うこと」はNGだという。  専門家によれば、精子の質を上げるためには、ビタミンC、ビタミンEを摂取すること、色素リコピンに効果があるとされるトマトもよい効果がありそうだという。  やはり規則正しい生活が精子形成にもプラス効果をもたらすようだ。 (文=松井克明/CFP) <おすすめ記事> 脱法市場のパチンコ業界がクリーンになる? 合コンで大人気!化粧品K男性社員は毎晩自社商品で全身を… アップル元社員語る「過酷な社内政治とクレイジーな要求」 広告、消したい過去…日経が野村インサイダーに“甘い”ワケ トヨタが独法などで官僚流「利権温存」の隠れ蓑に利用される? 深夜強盗の影響で「すき家」の売り上げが激減 平穏な民家に特殊部隊が突入! 原因は無線LAN

男性の10人に1人が精子に問題アリ あなたも不妊症かも?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 脱法市場のパチンコ業界がクリーンになる? 合コンで大人気!化粧品K男性社員は毎晩自社商品で全身を… アップル元社員語る「過酷な社内政治とクレイジーな要求」 ■特にオススメ記事はこちら! 男性の10人に1人が精子に問題アリ あなたも不妊症かも? - Business Journal(7月19日)
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(右)「週刊ダイヤモンド 7/21号」
(左)「週刊東洋経済 7/21号」二段目
経済の神学論争!? ダイヤモンドの激論企画 「週刊ダイヤモンド 7/21号」の大特集は『激論! 日本経済 答えはどこにあるのか?』。バブル崩壊後からの“失われた20年”で深刻化した経済迷走の「なぜ?」を論客対決で明らかにしようという試みだ。 『日本経済復活の処方箋はこれだ!』をテーマに、池田信夫アゴラ研究所所長と飯田泰之駒澤大学准教授。『財政再建優先か景気回復優先か』をテーマに、河野龍太郎BNPパリバ証券経済調査本部長と若田部昌澄早稲田大学大学院教授。 『金融政策でデフレ脱却できるか』をテーマに、池尾和人慶應義塾大学教授と武藤敏郎大和総研理事長。  ……といった具合に、それぞれの議論の有名な論者が議論を交わしている。このほかにも『グローバル化の中で日本企業が生き残る条件』『社会保障は削減か充実か』『日本はTPPに参加すべきか』『経済学は実際の経済に役立つか』『脱原発を進めるべきか』といったテーマで議論がなされている。  1990年代初頭のバブル景気崩壊以降、長期の景気低迷に入っている。経済学上、景気低迷の解決方法をめぐっては財政政策と金融政策という経済政策が議論される。財政政策とは、予算配分、財政出動、増減税、規制緩和といったもの。一方、金融政策とは中央銀行(日本で言えば日本銀行)が行う政策で、一定のインフレ(物価上昇)におさまるように通貨供給を行うものだ。この2つが、経済政策の両輪であり、双方を巧みにコントロールすれば経済は安定すると考えられてきている。  日本で言えば、“失われた10年”というべき90年代は、経済への大きな重荷となっていたバブル崩壊による不良債権の処理が必要であったが、これを後回しにして、財政政策による財政出動を積極的に行い日本経済を支えた。ただし、この財政出動の結果として累積する債務残高が大きく膨らむこととなった。さらに、00年代後半にはリーマンショック後の景気対策としての財政出動もあって、借金は大きく膨らみ財政政策の限界が考えられるようになってきた。現時点で打つことができる財政政策は、増減税、規制緩和といったものしかない。  そこで浮上してきたのが、金融政策への期待だ。  現在勢いが出てきているのが、金融政策のインフレターゲット有効派(リフレ派)だ。これは、米国の経済学者ポール・クルーグマンなどが提唱しているもので、中央銀行が市場に資金をより供給し、インフレのターゲットを示すことで「将来インフレになる(物の値段が上がる)から今のうちに買っておこう」という意識が高まり、景気がよくなるとする考え方だ(今回の特集でいえば飯田泰之駒澤大学准教授、若田部昌澄早稲田大学大学院教授がその立場だ)。  ただし、金融政策にはそれほどの効果はない。中央銀行にはインフレターゲットの有効性を疑問視する経済学者は多い(今回の特集でいえば、池田信夫アゴラ研究所所長、河野龍太郎BNPパリバ証券経済調査本部長、池尾和人慶應義塾大学教授だ)。「00年代はゼロ金利どころか量的緩和政策で市場にお金をジャブジャブにしてきた。にもかかわらず、景気がよくなっていないのは、金融政策にそれほどの力がないためだ」と批判する。  一方でリフレ派は経済学的には少数派なのだが、現在、デフレの日本経済をインフレにすれば、税収も増加し債務も軽減できることから、政治家もこの説に飛びつきはじめている。政党でいえば、リフレ派の高橋洋一氏がブレーンとなっている「みんなの党」がここにあてはまる。  実は、今回の論客対決の多くは、この金融政策の問題について議論しているに過ぎない。リフレ派の学者は、金融政策が物足りないと主張している。リフレ派でない学者は、金融政策の効果は期待できずに、増減税、規制緩和といった財政政策を行うしかないという主張をしている。現実的には、大蔵省事務次官、日本銀行副総裁も務めた武藤敏郎大和総研理事長の「しかし、10年金利が1%の日本では結局、量的緩和以外に選択肢がない。少しは意味があることをやり続けるのは、理論的には議論があるかもしれないが、実務的には決して軽視すべきではない」といった発言が、現実的な答えになりそうだ。  しかし、こうした議論は、経済学上のモデルをもとにした議論であって、複雑な要因がからみあう現在経済にどこまで有効なのかという疑問がつきまとう。クルーグマンも過去30~40年の経済学を「よく言って役に立たない、悪く言えば有害だ」と言い切っているほどだ。  当サイトの記事、『岩瀬大輔(ライフネット生命副社長)・キュレーション第3回 岩瀬大輔「日銀は無関係!?円高要因は実需、輸出、ユーロ危機」』では、「『日銀の緩和が十分でないからデフレが続いている』『いや十分な金融緩和を行ってきた、問題は実体経済だ』という経済学者間の議論がありますが、これはもはや神学論争に近いと思います。デフレの要因は複合的であり、どちらの主張が絶対的に正しいかということは実証できないのです」と指摘しているが、まさにこうした論客対決は宗教間対立でしかないのかもしれない。  一般の汗水たらして働くビジネスマンからすれば、経済学の宗教は、どうでもいいから、まずは景気を良くしてくれ! 給料を上げてくれ! ということだろう。 現代の難問 不妊に迫った東洋経済 「週刊東洋経済 7/21号」の大特集は『不妊の原因、その半分は男性 みんな不妊に悩んでる』。世界中で患者数が拡大している不妊症。一般に、2年以上避妊なしで性交しても妊娠しない場合、不妊症と判断されており、どの国でも不妊症を抱えるカップルが10~15%の割合で存在するといわれている。  しかも、日本の場合、晩婚化と晩産化が不妊を深刻化させている。「今、不妊治療を受けている人の約9割は、10年前に子どもを作ろうとしていれば、自然に妊娠できていたのではないか」と専門家が語っているほどだ。  別の専門家は「生殖年齢の“定年”は今も江戸時代と変わらない。出産の適齢期は25~35歳だ」と話している。ところが、ある調査では、「36歳を境にして女性の妊娠力は低下する」という現実を知っている日本人は29.6%で、カナダの82.1%、英国の71.9%の半分以下と知識が不足しているのだ。  現在、日本において不妊治療を行う病院・クリニック数は約600件。米国の500件を上回り世界一の数字になっている。体外受精、顕微授精などの高度生殖医療(ART)の治療件数でも日本は年間21.3万件と世界トップ。09年にはARTにより2.6万人の新生児が生まれた。今や「新生児の40人に1人は体外受精児」時代だ。  不妊治療は巨大産業へと成長している。ARTにかかる費用を1回40万円として計算すると、それだけで市場規模は852億円。全体の規模は1000億円を超えると見られているという。少子化に悩む日本にとって今後ますます注目される分野になりそうだ。  日本の特有の問題は「不妊をタブー視」し、「不妊は女性だけに原因がある」という偏見が強い点だ。しかし、実際には、WHO(世界保健機関)によると、不妊原因のうち、「男性のみ(に原因がある)」は24%にも上る。男女双方に原因がある場合を加えると、約半分のケースで男性が関係していることになる。「精子になんらかの問題がある人は10人に1人」と専門家は指摘するほどだ。『PART1 精子はこうして作られる 男性不妊の原因はこれだ!』の不妊の原因ベスト3によれば、第1位は精子の数が少ない乏精子症、第2位は精液のなかに精子が見当たらない無精子症、第3位は精子を作る機能が低下している精子無力症だ。  乏精子症は、長時間座っていたときに痛みがある場合、無精子症はいつの間にか陰嚢がはれた場合、精子無力症はおたふく風邪の経験がある場合に注意が必要だという。  気になる男性は、奥さんと一緒に産婦人科を受診すべきだろう。その後、専門クリニックで検査という流れになるが、実際の検査時間は30分ほど、検査費用はおよそ1万5000円程度だ。  特集では『あなたの精子を守るための10カ条』が紹介されているが、そのうち、ビジネスマンにとって重要なのは、「禁煙」、「ブリーフよりもトランクス」、「飲酒は適量に」といったものだ。また、熱に弱い精巣の温度を上げてしまう電車の座席で「膝上でノートPCを使うこと」はNGだという。  専門家によれば、精子の質を上げるためには、ビタミンC、ビタミンEを摂取すること、色素リコピンに効果があるとされるトマトもよい効果がありそうだという。  やはり規則正しい生活が精子形成にもプラス効果をもたらすようだ。 (文=松井克明/CFP) <おすすめ記事> 脱法市場のパチンコ業界がクリーンになる? 合コンで大人気!化粧品K男性社員は毎晩自社商品で全身を… アップル元社員語る「過酷な社内政治とクレイジーな要求」 広告、消したい過去…日経が野村インサイダーに“甘い”ワケ トヨタが独法などで官僚流「利権温存」の隠れ蓑に利用される? 深夜強盗の影響で「すき家」の売り上げが激減 平穏な民家に特殊部隊が突入! 原因は無線LAN

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(右)「週刊ダイヤモンド 7/21号」
(左)「週刊東洋経済 7/21号」二段目
経済の神学論争!? ダイヤモンドの激論企画 「週刊ダイヤモンド 7/21号」の大特集は『激論! 日本経済 答えはどこにあるのか?』。バブル崩壊後からの“失われた20年”で深刻化した経済迷走の「なぜ?」を論客対決で明らかにしようという試みだ。 『日本経済復活の処方箋はこれだ!』をテーマに、池田信夫アゴラ研究所所長と飯田泰之駒澤大学准教授。『財政再建優先か景気回復優先か』をテーマに、河野龍太郎BNPパリバ証券経済調査本部長と若田部昌澄早稲田大学大学院教授。 『金融政策でデフレ脱却できるか』をテーマに、池尾和人慶應義塾大学教授と武藤敏郎大和総研理事長。  ……といった具合に、それぞれの議論の有名な論者が議論を交わしている。このほかにも『グローバル化の中で日本企業が生き残る条件』『社会保障は削減か充実か』『日本はTPPに参加すべきか』『経済学は実際の経済に役立つか』『脱原発を進めるべきか』といったテーマで議論がなされている。  1990年代初頭のバブル景気崩壊以降、長期の景気低迷に入っている。経済学上、景気低迷の解決方法をめぐっては財政政策と金融政策という経済政策が議論される。財政政策とは、予算配分、財政出動、増減税、規制緩和といったもの。一方、金融政策とは中央銀行(日本で言えば日本銀行)が行う政策で、一定のインフレ(物価上昇)におさまるように通貨供給を行うものだ。この2つが、経済政策の両輪であり、双方を巧みにコントロールすれば経済は安定すると考えられてきている。  日本で言えば、“失われた10年”というべき90年代は、経済への大きな重荷となっていたバブル崩壊による不良債権の処理が必要であったが、これを後回しにして、財政政策による財政出動を積極的に行い日本経済を支えた。ただし、この財政出動の結果として累積する債務残高が大きく膨らむこととなった。さらに、00年代後半にはリーマンショック後の景気対策としての財政出動もあって、借金は大きく膨らみ財政政策の限界が考えられるようになってきた。現時点で打つことができる財政政策は、増減税、規制緩和といったものしかない。  そこで浮上してきたのが、金融政策への期待だ。  現在勢いが出てきているのが、金融政策のインフレターゲット有効派(リフレ派)だ。これは、米国の経済学者ポール・クルーグマンなどが提唱しているもので、中央銀行が市場に資金をより供給し、インフレのターゲットを示すことで「将来インフレになる(物の値段が上がる)から今のうちに買っておこう」という意識が高まり、景気がよくなるとする考え方だ(今回の特集でいえば飯田泰之駒澤大学准教授、若田部昌澄早稲田大学大学院教授がその立場だ)。  ただし、金融政策にはそれほどの効果はない。中央銀行にはインフレターゲットの有効性を疑問視する経済学者は多い(今回の特集でいえば、池田信夫アゴラ研究所所長、河野龍太郎BNPパリバ証券経済調査本部長、池尾和人慶應義塾大学教授だ)。「00年代はゼロ金利どころか量的緩和政策で市場にお金をジャブジャブにしてきた。にもかかわらず、景気がよくなっていないのは、金融政策にそれほどの力がないためだ」と批判する。  一方でリフレ派は経済学的には少数派なのだが、現在、デフレの日本経済をインフレにすれば、税収も増加し債務も軽減できることから、政治家もこの説に飛びつきはじめている。政党でいえば、リフレ派の高橋洋一氏がブレーンとなっている「みんなの党」がここにあてはまる。  実は、今回の論客対決の多くは、この金融政策の問題について議論しているに過ぎない。リフレ派の学者は、金融政策が物足りないと主張している。リフレ派でない学者は、金融政策の効果は期待できずに、増減税、規制緩和といった財政政策を行うしかないという主張をしている。現実的には、大蔵省事務次官、日本銀行副総裁も務めた武藤敏郎大和総研理事長の「しかし、10年金利が1%の日本では結局、量的緩和以外に選択肢がない。少しは意味があることをやり続けるのは、理論的には議論があるかもしれないが、実務的には決して軽視すべきではない」といった発言が、現実的な答えになりそうだ。  しかし、こうした議論は、経済学上のモデルをもとにした議論であって、複雑な要因がからみあう現在経済にどこまで有効なのかという疑問がつきまとう。クルーグマンも過去30~40年の経済学を「よく言って役に立たない、悪く言えば有害だ」と言い切っているほどだ。  当サイトの記事、『岩瀬大輔(ライフネット生命副社長)・キュレーション第3回 岩瀬大輔「日銀は無関係!?円高要因は実需、輸出、ユーロ危機」』では、「『日銀の緩和が十分でないからデフレが続いている』『いや十分な金融緩和を行ってきた、問題は実体経済だ』という経済学者間の議論がありますが、これはもはや神学論争に近いと思います。デフレの要因は複合的であり、どちらの主張が絶対的に正しいかということは実証できないのです」と指摘しているが、まさにこうした論客対決は宗教間対立でしかないのかもしれない。  一般の汗水たらして働くビジネスマンからすれば、経済学の宗教は、どうでもいいから、まずは景気を良くしてくれ! 給料を上げてくれ! ということだろう。 現代の難問 不妊に迫った東洋経済 「週刊東洋経済 7/21号」の大特集は『不妊の原因、その半分は男性 みんな不妊に悩んでる』。世界中で患者数が拡大している不妊症。一般に、2年以上避妊なしで性交しても妊娠しない場合、不妊症と判断されており、どの国でも不妊症を抱えるカップルが10~15%の割合で存在するといわれている。  しかも、日本の場合、晩婚化と晩産化が不妊を深刻化させている。「今、不妊治療を受けている人の約9割は、10年前に子どもを作ろうとしていれば、自然に妊娠できていたのではないか」と専門家が語っているほどだ。  別の専門家は「生殖年齢の“定年”は今も江戸時代と変わらない。出産の適齢期は25~35歳だ」と話している。ところが、ある調査では、「36歳を境にして女性の妊娠力は低下する」という現実を知っている日本人は29.6%で、カナダの82.1%、英国の71.9%の半分以下と知識が不足しているのだ。  現在、日本において不妊治療を行う病院・クリニック数は約600件。米国の500件を上回り世界一の数字になっている。体外受精、顕微授精などの高度生殖医療(ART)の治療件数でも日本は年間21.3万件と世界トップ。09年にはARTにより2.6万人の新生児が生まれた。今や「新生児の40人に1人は体外受精児」時代だ。  不妊治療は巨大産業へと成長している。ARTにかかる費用を1回40万円として計算すると、それだけで市場規模は852億円。全体の規模は1000億円を超えると見られているという。少子化に悩む日本にとって今後ますます注目される分野になりそうだ。  日本の特有の問題は「不妊をタブー視」し、「不妊は女性だけに原因がある」という偏見が強い点だ。しかし、実際には、WHO(世界保健機関)によると、不妊原因のうち、「男性のみ(に原因がある)」は24%にも上る。男女双方に原因がある場合を加えると、約半分のケースで男性が関係していることになる。「精子になんらかの問題がある人は10人に1人」と専門家は指摘するほどだ。『PART1 精子はこうして作られる 男性不妊の原因はこれだ!』の不妊の原因ベスト3によれば、第1位は精子の数が少ない乏精子症、第2位は精液のなかに精子が見当たらない無精子症、第3位は精子を作る機能が低下している精子無力症だ。  乏精子症は、長時間座っていたときに痛みがある場合、無精子症はいつの間にか陰嚢がはれた場合、精子無力症はおたふく風邪の経験がある場合に注意が必要だという。  気になる男性は、奥さんと一緒に産婦人科を受診すべきだろう。その後、専門クリニックで検査という流れになるが、実際の検査時間は30分ほど、検査費用はおよそ1万5000円程度だ。  特集では『あなたの精子を守るための10カ条』が紹介されているが、そのうち、ビジネスマンにとって重要なのは、「禁煙」、「ブリーフよりもトランクス」、「飲酒は適量に」といったものだ。また、熱に弱い精巣の温度を上げてしまう電車の座席で「膝上でノートPCを使うこと」はNGだという。  専門家によれば、精子の質を上げるためには、ビタミンC、ビタミンEを摂取すること、色素リコピンに効果があるとされるトマトもよい効果がありそうだという。  やはり規則正しい生活が精子形成にもプラス効果をもたらすようだ。 (文=松井克明/CFP) <おすすめ記事> 脱法市場のパチンコ業界がクリーンになる? 合コンで大人気!化粧品K男性社員は毎晩自社商品で全身を… アップル元社員語る「過酷な社内政治とクレイジーな要求」 広告、消したい過去…日経が野村インサイダーに“甘い”ワケ トヨタが独法などで官僚流「利権温存」の隠れ蓑に利用される? 深夜強盗の影響で「すき家」の売り上げが激減 平穏な民家に特殊部隊が突入! 原因は無線LAN

暴走トーハンに抗う講談社社長の狙いは取次会社の中抜き?

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講談社発行の「週刊フライデー」(7月27日号)
 それは通常では、まず考えられない事態であった。  6月28日、取次大手・トーハンが、同社株主総会で野間省伸・講談社社長本人の承諾を得ずに、野間氏を社外監査役に選任した。しかも野間氏サイドでは、「2週間ほど前に、任期満了での退任を届け出ており、再任を承諾した事実はない」と反発しているというのだ。  その後、トーハンでは株主総会の招集通知をホームページ上で修正し、野間氏の監査役就任に関して「野間氏からは、就任の承諾を得ておりません」との文言を追加している。さらに、同社では「数日のうちに(野間氏から承諾を得て)なんらかの発表ができる」としていたが、7月10日現在、承諾を得られていないのであろう、新たな発表は何もない。 崩壊したトーハンと講談社の蜜月  と、ここまでの事実関係は、7月1日付日経新聞朝刊でも報じられていることだが、講談社は、トーハンの発行済株式の5.27%を占める同社の筆頭株主。戦後のトーハン創立以来、両者は蜜月関係を築いてきた。それがなぜ、こうしたお粗末な事態を招くことになったのか? 根回しの風土が浸透している日本では、通常起こりえない事態である。  トーハン創設以来の大株主である、ある大手出版社幹部は、 「野間さんならずとも、トーハンのここ数年の動きは、われわれから見ても実に不可解極まりないものだった。野間さん同様に同社監査役を務める、小学館の相賀(昌宏・社長)さんは大人だから、表立った行動はとらなかったが、野間さんは若いから、そうしたことに我慢ならなかったのではないか」 と推測する。  トーハンは、1991年6月に社長に就任した上滝博正氏が会長を退き、取締役相談役となってもなお実権を握り、その後、3人の社長をコントロールしてきたとされる。ある中堅出版社のトップは、 「トーハンさんに年賀の挨拶に行くと、真ん中にドンといるのは相談役である上滝さんで、会長の山崎(厚男)さん、社長の近藤(敏貴)さんは、その横で殿様にお仕えする家老の趣だった」 といい、トーハン経営陣のアンバランスな力関係がうかがえる。 “老害”相談役の暴走  そしてこの82歳の上滝氏が、株主総会を1カ月ほど先に控えた5月半ば、突如、異様な行動に出る。  なんと山崎会長、近藤社長の両氏に、退任を促す手紙を送りつけたのだ。トーハンは書籍流通の合理化・システム化に後れをとり、昨年、取引書店数でライバル・日本出版販売(日販)に抜かれ、なおかつ業績は今年3月期まで6年連続で売り上げ高前年割れを続けている。上滝氏はこうした事態を招いた自らの“老害”を棚に上げ、山崎、近藤両氏に責めを負わせ、辞めさせようとしたのだ。  後任社長には、昨年9月から文藝春秋の平尾隆弘社長とともに相談役を務める、ポプラ社の坂井宏先社長を置こうとしているというのである。  坂井氏といえば、第5回ポプラ社小説大賞に俳優・水嶋ヒロを受賞させ、物議をかもしたり、昨年はフィギュアスケートの浅田真央選手のエッセー本を発売するにあたり、彼女の母親の死を利用しようとしたとして、批判を浴びた人物。ポプラ社社員によれば、「どんなに些細なことでも、自分が決めないと気がすまない人」と評判はいまいち。  やり手との評もあるが、 「取次会社という各出版社と等距離であるべき会社のトップに、いち出版社の、それも大株主でもない会社の社長が就任するのは問題だ」 との声が、トーハン社内はもちろん、株主である大手出版社をはじめとする各出版社、書店から湧き上がったのは当然である。結局、坂井氏が身を退くかたちで、この1件は収まった。  しかし、これまで上滝氏に頭を押さえられ続けてきた山崎・近藤両氏は反発を強め、上滝氏側と人事に関する綱引きが繰り広げられ、結局、上滝・山崎両氏は取締役を退任することとなった。  近藤社長は副社長に降格、新社長には、元副社長で6年前から顧問に退いていた藤井武彦氏(旧三和銀行出身)が就くことで、決着を見た。 野間講談社社長の反発  上場企業の社長が、特に落ち度もないのに1期2年で副社長に降格させられるなど、前代未聞。しかも前出の老舗出版社幹部は、こう語る。 「藤井さんはもう現役を退いて6年。悠々自適の生活を送っていた人が、突然マウンドに上げられて投げろといわれても、できるわけがない。藤井政権も長くは持たないのではないか?」  講談社の野間社長も、当然そうしたことは認識しているはずだ。「筋の通らない話だ」として反発を強め、今回の監査役就任拒否に至ったというわけである。  こうした一連のトーハンの混乱には、同社売り上げ高の6分の1を握る、セブン&アイ・ホールディングスの鈴木敏文会長(トーハン元副会長、現取締役)の意向が強く働いているといわれる。一説によれば、「鈴木氏がイエスと言わなければ、トーハンでは何も決まらない」との声さえ聞かれる。鈴木氏と上滝氏は、鈴木氏がイトーヨーカ堂に転職する前のトーハン社員時代から親しく、今回の一連の人事も、鈴木氏の了解の下に行なわれたとの見方が根強い。 トーハン・セブン&アイ連合 vs 野間氏率いる出版社連合  鈴木氏は、次男の康弘氏が社長を務めるセブン&アイホールディングス傘下のネット通販会社・セブンネットショッピング(元・イー・ショッピング・ブックス)とトーハンの連携強化を狙っているとの説もある。加えて、トーハンは「電子書籍の取次サービスを行う」と発表したこともある。  一方、野間氏は、出版社31社で構成され、主に電子出版事業に関する調査・研究を行う日本電子書籍出版社協会の代表理事を務めるなど、電子書籍に力を入れていることは知られている。この野間氏の動き、「旧態依然とした体質を引きずったまま、書籍の流通において高いマージンをとる取次業者の中抜きを狙っている」と話す関係者もいる。  つまり、「セブン&アイと手を組み、既得権益を守りたいトーハンと、その中抜きを目論む出版各社を代表する野間氏の対立軸が浮かび上がってきた」との見方が、出版関係者の間にあるのだ。  いずれにしろ、“トーハン藤井丸”の前途は見通しがたく、さらなる混乱が起きる可能性も予想される。「取次2強の一方であるトーハンがこのまま弱体化し、もう一方の日販のみが肥大化するのは困る」という、出版界の声も強いのだが……。 (文=編集部) <おすすめ記事> 男性の10人に1人が精機能に問題アリ あなたも不妊症かも? 脱法市場のパチンコ業界がクリーンになる? 合コンで大人気!化粧品K男性社員は毎晩自社商品で全身を… 広告、消したい過去…日経が野村インサイダーに“甘い”ワケ トヨタが独法などで官僚流「利権温存」の隠れ蓑に利用される? 深夜強盗の影響で「すき家」の売り上げが激減 平穏な民家に特殊部隊が突入! 原因は無線LAN

ソニーがiTunesに音楽配信、でレコチョク大炎上?

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「レコチョクHP」より
「ソニーがiTunes Storeで音楽を配信する」 というニュースが流れたのは、7月2日のことだ。事の発端は、日経新聞Web刊が速報カテゴリで「ソニー、アップルに楽曲配信 販売増へ戦略転換」という見出しの記事を掲載したことだった。この見出しを見る限り、ソニー・ミュージックエンタテインメント(以下、ソニー)がついに、これまでの独自路線を廃してiTunes Storeに楽曲を配信するという、とてつもないビッグニュースのように見える。実際、そのタイトルに誰もが驚いた。  しかし、事実はまったく違っていた。記事本文を読むと、ソニーがこれまでの戦略を全面的に方向転換したのではなく、ソニーが出資している「レコチョク」という音楽配信サービスを利用できるiPhone、iPad向けアプリを、アップルのiTunes Storeで配布(無料)するというものだった。 ソニーは日経報道で、とんだとばっちり?  しかもこの日経の記事は有料であり、会員でないと全文が読めないのもまずかった。最初の部分だけプレビューされているが、それだけでは内容がわからない。「大々的にソニーがiTunes Storeで音楽を配信する」と早合点したユーザが、騒ぎ始めたところ、「それは違う」ということがネットなどで広まり、一気にネット上でソニー批判へと発展したのだ。翌日のTwitterやFacebookのタイムラインはこのニュースで賑わいを見せ、さまざまな論争に発展することも少なくなかった。  しかし、最も大変な事態になったのは、iTunes Storeの「レコチョクPlus+」販売ページのカスタマーレビューだ。ちなみに「レコチョクPlus+」はレコチョク会員向けのアプリで自分が購入した曲を、iPhoneやiPadで聞けるようにする音楽プレーヤーアプリであり、「ソニーがiTunes Storeで音楽配信をする」ということではない。
炎上した「レコチョクPlus+」のカスタマーレビュー
 カスタマーレビューには、7月13日の時点で162件ものソニーを批判する内容のコメントが大量に並び、大炎上状態となっている。もちろん、ほとんどのコメントは★1つであり、 「SONY潰れろ」 「サイアク」 「最低だね」 「さよなら、SONY」 など、辛辣なメッセージが並んでいる。本来は、アプリの評価のためにあるレビューコーナーがまったく機能しておらず、こうなるともう、お手上げの状態だ。 ソニーのかたくなな姿勢に、ユーザは不満  これまで、ソニーはかたくなにiTunes Storeへの参加を拒み、マイケル・ジャクソンやセリーヌ・ディオンなど一部のアーティストを除いて、同社の音楽がiTunes Storeで購入できない状態が続いている。日本のレーベルで、iTunes Storeに参加していないのはソニーだけだ。これが、日本のiTunes Storeにおける大きな問題となって久しい。  iTunes Storeはいうまでもなく、世界最大の音楽配信システムだ。このサービスは2003年4月にアメリカでiTunes Music Storeとして開始され、最近では6月に香港、シンガポール、台湾、ブルネイ、カンボジア、ラオス、マカオ、マレーシア、フィリピン、タイ、スリランカ、ベトナムでも開始。世界合計155カ国で利用されているという、一大プラットフォームに成長している。どう考えてもソニーが太刀打ちできる相手ではない。  これが、ソニーが対抗しているiTunes Storeのリアルな姿であり、まさに音楽配信の巨人だ。だが、対抗する相手がどうであれ、ソニーはあくまで、独自路線を捨てるつもりはないようだ。ソニーは独自の「ミュージックアンリミテッド」という音楽配信サービスを7月からスタート。あくまで、iTunes Storeに対抗してビジネス展開を行う考えであり、iTunes Storeとの対抗路線を明確に打ち出している。 小室哲哉氏もTwitterで疑問を呈す  だが、そのことがミュージシャン、ユーザにとってメリットとなるのだろうか? ソニーがiTunes Storeに参加しないことについて、元ソニー所属アーティストである小室哲哉氏は、5月1日、Twitterで20万人のフォロワーに向けて「日本だけSONYブランドの曲がiTMSに置いてないのは変じゃないですか?」とツイートし、話題となった。このツイートは現在削除されているが、関連するツイートはそのまま残されている。
小室哲哉氏のソニー批判ツイート
 このようなミュージシャン、ユーザの声は決して少なくはない。ユーザにとってみれば、音楽レーベルの問題などまったく関係はない。自分の好きな曲が自由にiTunes Storeで購入できることが一番である。レコチョクアプリのレビュー炎上は、「ソニーがiTunes Storeに楽曲を提供してほしい」と願う人々が、これほど多いということの一端を示す事件であろう。  もちろん、そこに書かれている言葉は辛辣であり、ソニーに対するあからさまな批判であるが、逆に、それらのメッセージは、ソニーに対し門戸開放を望む、希望の表れであるようにも見える。  そのような想いに、ソニーは応えていくつもりはあるのだろうか?   それとも、独自の音楽配信サービスを発展させ、iTunes Storeとの対抗色を一層強めていこうとしているのだろうか?   引き続き、動向を見守りたい。 (文=池田冬彦) <おすすめ記事> 深夜強盗の影響で「すき家」の売り上げが激減 平穏な民家に特殊部隊が突入! 原因は無線LAN モラルも能力も欠如する「問題弁護士」の見分け方 暴走トーハンに抗う講談社社長の狙いは取次会社の中抜き? 孫正義が描くプラチナバンドの胸算用 アコム、アイフル株価上昇?消費者金融破綻・整理の最終章 ルネサス再建を阻む、融資打ち切り懸念と3年前の時限爆弾?

「cylab -サイラボ-」公開のお知らせ

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 本日サイゾーは、メディア運営・開発研究ブログ 兼 広報ブログ「cylab -サイラボ-」を公開しました。  このブログでは、以下の様なコンテンツをお届けして参ります。 ・サイゾーがメディア運営を通して得たノウハウの共有 ・自社運営メディアの数値レポート ・外部のメディア企業や関係者の取材/インタビュー記事 ・リリース/採用などの告知 ・サイゾー社内の近況レポート etc  同日公開の企画第一弾は、株式会社nanapiの古川健介氏にインタビューをおこなっています。 ・nanapiはなぜ"取材"をしないのか? けんすう流メディア運営の秘密に迫る!  今後もユーザーのみなさんのお役にたつノウハウを公開していきますので、どうぞご注目ください。