トンネルより深刻…急増する老朽インフラの実態と巨額コスト

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笹子トンネル
(「Wikipedia」より)
 中央自動車道上り線・笹子トンネルの天井崩落事故は、9人の死亡者を出す大惨事となった。「天井板を支えるつり金具を固定していたボルトが、地下水により腐食した。古くなり振動で緩んだ等の原因で抜け落ちた可能性が高い」(トンネル設計の専門家)とみられており、国土交通省は高速道路6社に対し、つり天井式トンネルの緊急点検を指示した。しかし、同じような天井式のトンネルは全国の高速道路で40本、国道で9本もあり、一斉点検は容易なことではない。  特に笹子トンネルは、今年9月の詳細点検で異常がないとされていたが、事故の原因とみられるトンネル最頂部は、目視のみで打音点検は行われていなかった。その一方、「4年前の関門トンネルの天井取り換え工事では、つり金具の変形や破損がいくつも発見されていた」ことも明らかになっており、点検に瑕疵がなかったかも問われる。いずれにしても、過去に例を見ない今回の事故は、「高度成長期に急ごしらえで建設された社会インフラの老朽化」をはからずも浮き彫りにした格好だ。  笹子トンネルが開通したのは1977年、高度成長期の末期にあたる。問題となったつり天井も、「当時の自動車は排ガスがすごく、その換気のために必要な構造」(トンネル設計の専門家)であった。いわば高度成長期の遺産といっていい。日本では、社会財がことごとく廃塵ときした敗戦から、1960年代の高度成長期にかけて、高速道路やトンネル、橋などのインフラ、公共施設といった社会資本が一斉に整備された。その後もバブル期、バブル崩壊後の景気対策を通じて公共投資は膨らみ続けた。  そして現在、それらが徐々に耐用年数を超えて老朽化し、更新時期を迎えようとしている。総務省の調査によると、老朽化の目安とされる建築後50年が経過した橋は、現在の8%から20年後には約53%に、同じくトンネルは18%から46%に達すると試算されている。さらに、法定耐用年数の40年を超える上下水道施設は、現在の13%から20年後には約60%に増えるという。これら老朽化した社会資本の維持・更新にかかる費用は膨大で、急カーブを描いて上昇する。その規模は2030年代初頭に10兆円を超え、50年代には20兆円に達すると予想される。  笹子トンネルの崩落事故は、こうした老朽化インフラへの懸念が高まろうとしていた矢先に起こった象徴的な事故といえるが、実は、全国的に老朽化が進む社会インフラの中で、「最も危険性が高く、補修コストが嵩むのは橋梁」(建設アナリスト)といわれる。危機はトンネルにとどまらないのだ。  そこで国土交通省では、07年度に「長寿命化修繕計画策定事業」を策定し、自治体による橋梁の点検・修繕作業を後押ししている。同事業は橋梁が壊れてから修繕するのではなく、予防的に保全することで長持ちさせるというもので、同省に対し、点検・修繕計画を提出すれば、修繕や架け替え費用が補助される。すでに多くの自治体が同事業による補助を受け、点検・修繕に乗り出している。  だが、橋梁の点検は、橋の上を自動車が通行している状態で行わなければならないという難しさがある。一部では赤外線カメラで橋を側面から撮影し温度差から異常を検知するシステムや、光ファイバーを橋に這わせてその共振などのデータでひずみを検知するシステムなど先端技術も導入され始めているが、通常は双眼鏡による目視点検がほとんど。橋の劣化を完全に把握することは至難の業だ。  東日本大震災では、津波の被害がなく、現在の耐震基準である震度7に満たなかった地域でも、数多くの公共財が被害を受けた。背景にあるのはいずれも老朽化にともなう施設の劣化に他ならない。建設後数十年を経過し、劣化したこれらの公共施設をどう修理し、維持管理していくかは国民の安全と直結する。  だが、公共事業は過去10年間で4兆円削減され、10、11年度も前年度比で2ケタの減少となっている。  笹子トンネルの崩落事故は、経済効率ばかりが優先される公共事業の危うさに警鐘を鳴らしている。 (文=森岡英樹/金融ジャーナリスト) ■おすすめ記事 ソフトバンクの大型買収をめぐり囁かれるインサイダー疑惑 衆議院総選挙で選挙違反者が続出!?「スタッフが足りない…」 大阪市職員「橋下市長は認めるが、維新の会議員には敵対心のみ」 日本IBMの大量リストラ「退職強要は裁判所のお墨付き」 みずほFGの次期システム発注の裏側…富士通の独占が崩壊!

日本IBMの大量リストラ「退職強要は裁判所のお墨付き」

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IBM
11年、IBMは創立100周年を迎えた。
(「日本IBM HP」より)
ーーニュースサイト「マイニュースジャパン」を中心に、企業のパワハラ問題や労働争議を追いかけ、常に弱者の立場にたった取材を続けるジャーナリストの佐々木奎一。独自のルートで取材した、企業裁判のか中にある人々の声を世間に届ける!  今年10月31日、日本IBMの元社員4人が会社を相手取り、損害賠償を求めている裁判の控訴審判決が、東京高裁であった。これは、日本IBMが08年秋、社員たちに執拗な退職強要を繰り返し、わずか2カ月余りの間に約1500人もの社員を退職に追い込んだ事件によるものだ。  それは会社が打ち出した正式名称「2008年4Qリソースアクションプログラム」(以下、RAプログラム)という名のリストラ策だった。  RAプログラムの対象となる社員の大半は、平均以上の評価にもかかわらず、会社から難癖をつけられるケースがほとんどだった。具体的な対象の定義は、「PBC評価」(社員の業績評価を数値化したもの)で、「昨年度は2(着実な貢献度を指す。5段階評価で真ん中)だが、本年度の業績が低下していて今後も業績向上や高い貢献度は見込めないと判断できる社員」や、「50歳以上かつ、今後高い貢献を期待できない社員」、「今後も継続してアウトソーシング可能な業務への従事が見込まれ、組織変更が難しい社員」というもの。  これらの定義は上司の腹一つで、どうとでも解釈する余地があり、恣意的に社員を狙い撃ちすることを可能にしている。実際、ターゲットにされたのは、「メンタルヘルスの問題を抱えている人や、従順な人、自分の意志をハッキリと言えない人、新しい仕事に就いて間もない人、身体障害者などが狙い撃ちされていた」と原告たちは語る。  こうしてターゲットにされた社員を、上司は個室に呼び出し、退職支援金(加算金を最大給料15カ月分支給)を提示し、再就職支援会社(人材派遣会社の、パソナキャリア、ライトマネジメントジャパン、リクルートキャリアコンサルティングのいずれか)を紹介しながら退職勧奨をする。社員が断ると「今後も1週間に一度程度面談を行っていく」と通告。  そして、2度〜3度と呼び出しをする。面談を重ねるごとに、上司の言動はエスカレートしていくのが特徴だ。例えば、「あなたにやってもらう仕事はない。IBM以外のキャリアを選択してください」、「あなたはこのままだと、成績が下がる。そうなれば減給や降格もあり得ますよ」などと脅す。  それでも社員が断ると、4度〜5度と面談は続き、上司はこう言い始める。「残るなら、これから会社にどう貢献していくのか答えろ」、「来年にPBC『1』(最大貢献度、5段階の最高評価)をとる方法を考えろ」などと無理難題を押し付けるようになる。  こうして退職強要を断れば断るほど、さらに強硬に退職を強いられ、やむなく退職する意志を固めた社員が続出した。辞めると言った社員に対して会社側は「自己都合退職届」を提出させた。さらに、退職の取り消しや撤回を防ぐため、以下の「確認書」まで書かせた。 「この退職願の提出が自主的に行われたものであり、かつ、取り下げ・撤回不可能であることを、本書面により確認致します。また、私は退職について、一切異議を唱えません」  こうして退職強要のクビ斬りプログラムは、当初の締切り日の08年12月19日より10日以上も早い同月7日に締め切られた。会社側が最初に出した号令から、わずが2カ月弱の出来事だった。原告たちが加盟する労働組合JMIU日本アイビーエム支部によると、この間、推定約1500人もの正社員の首が斬られたという。 ●裁判による“合法”判断で、加速するIBMの首切り  原告たちは09年、会社に対し、それぞれ「違法な退職強要による精神的損害」として300万円、「弁護士費用」として30万円を請求する訴訟を東京地裁に起こした。  一審判決は、11年も押し迫った12月28日にあり、東京地裁民事19部の渡邉和義裁判長は、日本IBMの退職強要の手口を合法と判断し、原告の請求をいずれも棄却した。  これに対し原告側は即控訴。その控訴審判決が今年10月31日、東京高裁第1民事部であったが、地裁判決を踏襲する形で、控訴は棄却された。原告たちは「到底納得できるものではない」として、上告した。  この退職強要事件の後、日本IBMは、さらに強硬的になり、退職強要の過程すら飛ばして、即解雇という乱暴な首斬りを断行し始めている。これにより解雇された組合員たちによる訴訟は現在、東京地裁で係争中である。  日本IBMで吹き荒れる正社員斬りは、決して他人事ではない。裁判の行方に注目したい。 (佐々木奎一) ■おすすめ記事 大阪市職員「橋下市長は認めるが、維新の会議員には敵対心のみ」 盗撮で書類送検のIBM元社長はブラック企業化の張本人 同性愛は6兆円市場?IBMも積極的にLGBT採用のワケ マック既存店売上減が映す、消費者の“食”への欲望低下 シャープも追随? NECの大量リストラに立ち込める暗雲

「シェアたったの1.5%!?」Yahoo!が韓国から撤退

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ネット大国韓国では敗戦したYahoo!。(「Yahoo! KOREA」より)
 今年、創業以来社長を務めてきた井上雅博氏の後を継ぎ、宮坂学氏が新社長に就任したヤフー。創業から16年の今年、「爆速」をテーマに掲げて新たな動きをみせている。 「爆速で決まった」ヤフーとグリーの提携 アニメなどコンテンツ投資も ― ITmedia(11月08日)  11月、GREEとの包括提携を発表したヤフー。スマホ版「Yahoo!JAPAN」から、「GREE」への誘導を行うほか、グリーの決済手段として「Yahoo!ウォレット」を活用する。また、将来的には、ソーシャルゲームの共同開発や、法人の共同設立も視野に入れて動いているようだ。  だが、これまでヤフーでは、PC向けソーシャルゲームサイト「Yahoo!Mobage」に、DeNAと取り組んできた。今回のGREEとの提携にあたっても、DeNAとの提携も解消せず、並行して行なっていくというからその本心は定かではない。DeNA側もmixiとの提携を発表し、ヤフー×GREE共同戦線に立ち向かう考えのようだ。  コンプガチャ問題によって、変化を迫られたソーシャルゲーム市場。「新しいビジネスモデルには必ず光と影がある」と宮坂社長は肯定的に捉えるものの、この提携がヤフーにとっての新たなリスクに変化してしまう可能性は十分に考えられる。 ヤフーさん、被災地に行って何するの? 復興支援事業で「黒字化」せよ! ー 東洋経済オンライン(11月22日)  今年7月より、宮城県石巻市に「ヤフー石巻復興ベース」を設置した同社。この現場リーダーである長谷川琢也氏(ヤフー株式会社復興支援室)が記した本記事は、ヤフーの復興支援に対する取り組みを紹介する。  震災当初から「震災対策特別室」を設置し、継続的な復興支援に取り組み続けている同社。その一環として、被災地にビジネスを生み出すために「石巻復興ベース」を設置した。地元の人々と議論をしながらビジネスを生み出すことをミッションに、社長から「黒字化するまで帰ってくるな」という厳命が下された復興ベース。復興支援ビジネスのモデルとして、各方面から熱い注目を集めている。 米Yahoo!、年内に韓国事業から撤退、ライバルとの競争激化で ー ITpro(10月22日)  日本ではGoogleと並び、検索のトップシェアを誇るヤフー。しかし、韓国での旗色は思わしくないようだ。1997年より、ポータルサービスや検索広告ネットワークなどを手がけてきたが、事業環境が厳しさを増したことを理由に撤退が決定した。 「NAVER」や、「Daum」が検索トラフィックの大半を占めている韓国。市場シェアを見るとNAVERが52%、Daumが34%という数字である中で、Yahoo!Koreaはわずか1.5%にとどまっている。事業の効率化と、経営資源集中のためには撤退もやむなしだろう。この決定を下したのは、今年7月、Googleから米ヤフー最高責任者へ華麗なる転身を遂げた若干37歳の美人社長マリッサ・メイヤー氏。94年のサービス開始から18年を迎え、米ヤフーといえども、その経営は岐路に立たされているようだ。 Facebookと米ヤフー、検索での連携を模索か ー CNET Japan(11月19日)  米ヤフーとFacebookが検索分野での提携関係を模索している。The Sunday Telegraphが匿名の情報筋からとして報じたこのニュース。本記事によればFacebookのCEO、マーク・ザッカーバーグ氏は、最近検索に対して並々ならぬ興味を抱いており、そのパートナーとして米ヤフーを迎える可能性が濃厚だ。SNSに革新をもたらしたザッカーバーグ氏が見つめる検索の未来は「『友人や、友人の友人の中で、私が働きたい会社で働いているのは誰か』という質問に答えられる検索」と、人とのつながりをベースにした全く新しい検索の概念となりそうだ。おそらく何年もかかって開発されるであろうこの検索エンジン。しかし、ひとたびこれがリリースされれば、またインターネットに大きな革新がもたらされるだろう。 (文=萩原雄太/かもめマシーン) ■おすすめ記事 批判殺到! 『スパイダーマン』新作がTSUTAYA独占のワケ ヤフー・ツタヤ提携が狙うネット&リアルの覇権と楽天潰し!? 本家が、ヤフージャパン株売却でソフトバンクピンチ!? Yahoo!も始めた新メール広告、Gmailでは本文が覗かれまくり!? Yahoo! IDとTポイント、顧客情報の集約をめぐる“仁義なき闘い”

批判殺到! 『スパイダーマン』新作がTSUTAYA独占のワケ

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物語はそこそこアメイジングでしたけど。
(「アメイジング・スパイダーマン公式サイト」より)
 人気放送作家の鮫肌文殊氏と山名宏和氏が、知ってトクもしなければ、自慢もできない、だけど気になって眠れない、世にはびこる難問奇問を直撃解決!する連載「だから直接聞いてみた」。月刊誌「サイゾー」で連載されていた同企画(宝島社より単行本となって発売中!)が、ビジネスジャーナルにて復活!  今週は、林賢一氏が、『アメイジング・スパイダーマン』がTSUTAYAで独占できたワケを追求した! [回答者]TSUTAYAコンタクトセンター  映画は劇場でしか観ない。  そう決めてから、去年は365本劇場で観た。どれだけ暇なんだ、という突っ込みは勘弁してほしい。暇ではなかったけれど、朝イチの上映にせこせこ通っていた、ということにしておいてほしい。そうでなければ格好がつかないではないか。  今年は11月下旬の時点で163本とペースが落ちているが、まあ、2日に1本のペースになるだろうか。  それに加えて最近は「カット数を数えながら観る」というかせを自分に与えた。ちなみに、イーストウッド主演の最新作『人生の特等席』は1473カットである。なぜこんなことを始めたのかというと……話が長くなりそうなので略、である。興味のある方はメールでも送っていたければ、丁寧に対応したいと思う。  閑話休題。 「映画は劇場でしか観ない派」のわたしとしては、急激にレンタル屋に行く機会が減ってしまった。なにせ、1日に1本劇場で映画を観ている生活だったのだ。見逃した映画などほとんどない。劇場で臨場感を味わったのに、同じ作品を自宅モニターで観る気など一切ない。もし、2回目の鑑賞をしたいと思っても、劇場に行く。今のわたしはそれくらい徹底して劇場主義である。  そんなわたしがCDを借りるため、久しぶりにTSUTAYAを覗いて驚いた。  『アメイジング・スパイダーマン』TSUTAYA独占レンタル、である。  2パターンの切り口で攻めてみたい。  「正義の味方が、なんかせこくないか?」  もしくは……。  「そのレンタルシステム、全然アメイジングじゃねーよ」  気になる。これ以上の言葉はいらないだろう。  そこで【TSUTAYAコンタクトセンター】に直接聞いてみた。 「『アメイジング・スパイダーマン』はなぜTSUTAYA独占のレンタルなんですか?」 担当者 あのー、『アメイジング・スパイダーマン』をお取り扱いしているメーカーさんとTSUTAYAとで、話し合いをさせていただきまして、それで独占のご契約を……はい、ウフフ(笑)。もしご利用ご希望でしたら、ぜひご活用をしていただければと思います。 ──これまでもTSUTAYA独占の作品ってあったんですか? 担当者 今までも、TSUTAYAのみでレンタルできる作品もご案内もさせておりました。 ──あ、あるんですか? 担当者 はい、TSUTAYAだけで。 ──ほかのレンタル店では扱っていない? 担当者 作品によってはTSUTAYAだけでご案内している作品もございます。 ──これって、なんで独占ができるんですか? 担当者 まあ、著作権を取得されているメーカーさんとの話し合いで、はい。メーカーさんとのやりとりになりますのでこちら、基本的にお客様に情報を開示しておりません。 ──そうですか。新聞や報道で見たんですが、中小のレンタル事業者が怒っている、という話がありますよね? 担当者 あー、私もそのニュースをお聞きしているんですが、今回、『アメイジング・スパイダーマン』を日本でお取り扱いさせて頂いているメーカーさんとのやりとりになっておりますので。 ──今後も、TSUTAYA独占の作品は増えていくんですか? 担当者 メーカーさんとのやりとりになりますので、TSUTAYA独占だけのお取り扱いの作品も、弊社ではご案内させて頂いております。 ──やはり、独占にするメリットってあるんですよね? 担当者 独占というのは、はい、お客様にTSUTAYAでのサービスをご利用いただけるということで、TSUTAYAの方でご利用いただいて、お客様の方でお楽しみいただけるかと思います。  【メーカーさんとのやりとりは情報開示できない】の一点張りで逃げ切られてしまった。  ナイス・アメイジング! と叫びたくなるような巧みな逃げ口上である。メーカーというブラックボックスを通せば、すべてが闇に葬られる感。ノット・アメイジング!  そんな言い訳、正義の味方なら許すだろうか?  スパイダーマンなら許さないと思う。って余計なお世話である。 (文=酒平民 林賢一) ■おすすめ記事 「シェアたったの1.5%!?」Yahoo!が韓国から撤退 ヤフー・ツタヤ提携が狙うネット&リアルの覇権と楽天潰し!? Yahoo! IDとTポイント、顧客情報の集約をめぐる“仁義なき闘い” キンドル上陸で追い込まれた楽天が自暴自棄 koboを投げ売り! アマゾン、楽天も市場参入…ゾゾタウン大幅減益の理由

大手新聞社、取材メモ捏造事件でトップ辞任!?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) 金平茂紀と山路徹が語る、なぜテレビのデモ報道は過小報道? すでに本屋ではない! Amazonで一番売れてるのはお米!? 夫婦別寝は、「離婚」「夫のアホ化」を防止してくれる!? ■特にオススメ記事はこちら! 大手新聞社、取材メモ捏造事件でトップ辞任!? - Business Journal(12月1日)
「Wikipedia」より
【前回までのあらすじ】
ーー巨大新聞社・大都新聞社は、ネット化を推進したことがあだとなり、紙媒体の発行部数が激減し、部数トップの座から滑り落ちかねない状況に陥った。そこで同社社長の松野弥介は、日頃から何かと世話をしている業界第3位の日亜新聞社社長・村尾倫郎に、以前から合併の話を持ちかけていた。そして基本合意目前の段階にまで来たある日、いつものように割烹「美松」で密談を行う松野と村尾に呼ばれ、事情を知らない両社の取締役編集局長、北川常夫(大都)と小山成雄(日亜)が姿を現したのだったーー。  政治は、政治家たちが権力を目指し権謀術数の限りを尽くす場である。その実態をより正確に伝えるには、各政党の枢要な政治家たちの話を聞く必要がある。記者たちの取材結果はメモにされ、記事を書くキャップに届けられる。キャップは自分の独自取材と、他の記者が集めた情報をもとに、実態について自分なりの見方をまとめることがままある。  ジャーナリズムは一人の記者が取材し、リスクを一人で負って記事にするのが本来のあるべき姿である。だが、テーマによっては一人でなく、グループで取材、実態に迫るしかない事象もある。だから、大手新聞社の政治部が部下の記者たちを使い、メモを上げさせ、それをもとにキャップが記事をまとめる手法が生まれた。それ自体が問題なわけではない。過程を伝える意味では、この手法を取るほうがより実態に肉薄できることが多い。  しかし、最近では、この手法は経済部や社会部にも広がり、若い記者の間ではメモを作れば仕事は終わり、という意識が年々浸透、弊害も目立ち出している。いいメモを上げているかどうかが評価の対象になるためだ。  メモは、読者の目にさらされる記事に責任を持つわけではない。たまたま、夜回り取材が空振りに終わっても、日頃の取材で聞いた話をメモにして取材したように装う不心得者も出てきて当然なのだ。それがばれずに済み、キャップの書きたい記事に都合がよければ、評価は上がる。政治記者として本流の取材現場を歩み、将来の政治部長の芽も出てきたりする。仮にばれても問題にならなければ、要領のいい奴、という評価になる。  ところが、運の悪い奴も出てくる。大抵、政治家というのはアバウトで、批判されていない限り、事実かどうかは二の次で、記事に取り上げられれば喜ぶ。しかし、中には変人もいる。共生党(きょうせいとう)党首の鈴木恭志(やすし)がそうだった。  当時は、保守本流の自由党を中核に公民党、共生党の2党が政権に参加する3党連立政権が、衆参両院で過半数をかろうじて守っていた。宗教団体を支援組織とする公民党は衆参で40名の議員を抱える中政党だったが、共生党は衆議院3、参議院2の、わずか5名の弱小政党だった。共生党は野党第一党の民社党の党首選挙のしこりで離党した議員が結成した政党で、政権奪還を目指す民社党が共生党に政権離脱を働きかけていた。そんなとき、日亜新聞朝刊が大ぶりの囲み記事で、政権離脱をめぐる駆け引きを取り上げた。  記事に「党首の鈴木が記者に対し『明日が山場だ。今日はまだなにも決まっていない』と語った」と書かれていたが、当の鈴木が「記者には誰にも会っていない。なぜ、こんなコメントが載るんだ」とねじ込んできたのだ。  慌てた日亜が社内調査をしたら、若い政治部記者が鈴木に会えなかったのに、会ったことをねつ造したメモを上げていたことがわかった。これが「取材メモねつ造事件」である。 ●トップ人事の番狂わせ  記事の中身自体が政局に影響を及ぼすようなことはまったくないので、鈴木がねじ込まなければ問題なることはあり得なかった。だが、問題になってしまうと、張り子の虎とはいえ「言論報道機関」を標榜する以上、その根幹を揺るがす事態になる。事実をねつ造した証拠となり、「言論報道機関」の印籠が使えなくなる。  「サラ金報道自粛密約事件」に続く不祥事で、日亜はトップの引責辞任で事態を収拾するほかなくなるところに追い込まれた。6代目社長候補の正田幸男(編集担当専務)も富島鉄哉(社長)と一緒に引責、合併後の日亜入社の年次から後継社長を選ぶことになったのだ。  「『サラ金報道自粛密約事件』は社長だった富島君の責任だけど、『取材メモねつ造事件』は第一義的には編集担当専務の正田君の責任だ。2人が一緒に引責して、なんの不思議もないぜ。どんな噂が流れていたんだ? 小山(成雄・日亜編集局長)君」  大都新聞社長の松野弥介が続けると、日亜社長の村尾倫郎が割って入った。  「松野さん、もう、それはいいじゃないですか。噂は噂ですからね」  「確かに、俺は富島君と親しいよ。でも、『正田君を道連れに辞め、後継を村尾君にしろ』なんて言ったことはない。『キーワードは3つのN、2つのSだ』とは言ったがな」  「え、それなんですか。3つのN、2つのSと言われてもわかりませんよ、社長」  刺身をつまみながら聞いていた、松野の部下で大都編集局長の北川常夫が身を乗り出して口を開いた時、格子戸が開いた。  最初は熱燗2本、4人分の御猪口(おちょこ)とグラス、梅干しの小皿を乗せたお盆だった。老女将はすぐに唐紙の外に出て、今度は焼酎のボトルとお湯割り用のポットを持ってきた。  「焼酎のお湯割りをお作りしますか」  「まだいいよ。飲むときは小山君が作るさ」  「それではよせ鍋の用意もしましょう」  老女将は部屋を下がると、すぐにコンロと土鍋、取り皿、灰汁取りお玉を入れた小壺を持ってきた。卓袱台を中央に置き、取り皿も並べた。最後は4人前のよせ鍋に入れる具を乗せた大皿2枚と、タレの入った白磁の汁次だった。  「よせ鍋はまだよろしいですね」  老女将は汁次からたれを土鍋に注ぎながら、松野の顔を窺った。  「よせ鍋も小山君と北川君にやってもらうから、火はつけないでいい。しばらくは話があるから、呼ぶまで下がっていていいよ」  松野の答えを聞いて、老女将は下がった。 ●寝耳に水  「じゃあ、本題だ。小山君、もう一度、我々にビールを注いでくれ。村尾君は熱燗がいいなら、お酒にしろよ」  「ええ、僕は手酌でやります」  村尾が小山との間に置かれた徳利を取り上げた。松野が改まった調子で話し始めた。  「えへん、実はね、君たちが来る前、村尾君と話し合って、大都と日亜は来年4月1日に対等合併することで合意した。これからは合併後の媒体をどうするかといった課題を詰めるので、君たち2人で作業をしてもらいたいんだ」  「え、そんな話、まったく聞いていませんよ」  北川と小山は奇声を上げ、顔を見合わせた。  「それは当たり前だ。これまで2人だけで話していたんだから。でも、今日からは君たち2人もその話し合いに加わり、大事な仕事をしてもらう。発表までは秘密厳守だから、他の人間は使ってはいかん。記者としての能力は月並みだけど、事務処理能力には長けているほうだから、2人だけで詰めの作業をしてほしい」  目が点になったままの2人に対し、笑顔の松野がグラスを持つよう促した。それを見て、村尾は御猪口に手を伸ばした。  「来年4月の合併実現を祈念して乾杯!」  松野の発声で4人は再び杯を挙げた。  「社長、来年4月に合併する、だから、2人で詰めろ、と急に言われても、何から手をつけていいかわかりませんよ」 ●1000万部の巨大新聞  グラスを置いた北川が松野にかみついた。  「まあ、待て。これから村尾君にもう少し説明させるから。君たちは刺身でもつまんでしばらく聞いていろ。村尾君、じゃ始めてくれ」  村尾は徳利を取り上げ、自分の御猪口に独酌すると、一息に杯をあおった。  「合併の狙いから説明しよう。業界を取りまく環境が悪化する中で、日本で断トツ部数の新聞をつくることだ。ネット新聞の発刊で大都さんもうちも部数が減り続けているが、減少トレンドに歯止めがかからなくても向こう10年は1000万部を維持できるし、国民新聞には絶対に抜かれない」  北川が身を乗り出したので、松野が小山に『ビール瓶を寄こせ』としぐさで示した。  「まあ、一杯飲んで落ち着け」  松野が北川と小山のグラスにビールを注ぎ、続けた。  「一杯飲んだら、そろそろ鍋を始めようや。それから、お湯割り作ってもらうか」  「小山君、コンロに火をつけてくれ。俺が鍋の準備をするから、君はお湯割りを作ってくれ。社長は梅干しを入れますよね」  脇の松野の顔色を窺いながら、ビールを飲み干すと、北川は鍋に具を入れ始めた。  「君たちは準備しながら、よく聞いていろよな。じゃあ、村尾君、続けてくれ」  日本酒党の村尾は徳利を取り、また手酌をしてぐいと一杯飲んだ。  「今、うちの部数は500万部、大都さんは700万部あるが、1つの新聞にすると、1200万部というわけにはいかない。併読している読者の部数が約50万部あるからな。まあ、その分が全部落ちても1150万部は残る計算だ。それから、新しい新聞も出す計画だから、その減少分は早晩取り戻せるとみている」  「村尾君、新しい新聞の前に、一緒にする方法を先に説明したほうがいいんじゃないか」  松野が口を挟んだ。  「そうですね。そうしましょう。合併期日は来年4月1日だが、新聞を1つの題字にするのはその1年後にしようと考えている。遅くとも合併から半年で紙面の中身は同じにするが、『大都新聞』『日亜新聞』の題字はしばらく変えないつもりなんだ。ただ、合併の準備状況次第という面もあるので、これはまだ確定したわけではない」  村尾がここまで話したところで、小山が立ち上がり、3人の前にお湯割りを置き、そそくさと部屋を出て行った。 (文=大塚将司/作家・経済評論家) ■おすすめ記事 金平茂紀と山路徹が語る、なぜテレビのデモ報道は過小報道? すでに本屋ではない! Amazonで一番売れてるのはお米!? 夫婦別寝は、「離婚」「夫のアホ化」を防止してくれる!? カフェインレス女子急増のワケ サントリー、成城石井も注目 サムスン、アップル取引切りの真相と部品メーカー脱皮のカギ

Kindle店頭販売、なぜヤマダはダメでビックはOK?

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ウェブサイト「amazon.co.jp」より
 家電量販店が苦しい状況にあるらしい。  量販店各社の決算内容を見ると、軒並み昨年比で大幅な減収となっている。テレビの需要が一段落してしまったことや、全体的に低価格化が進んでいること、スマートフォン全盛の中で小型デジタルカメラ等の需要が減っていることなど、さまざまな要因があると考えられるが、その要因を「ネット」に求める企業もあるようだ。 「インターネット通販で手軽に購入できてしまうから、店舗での売り上げに響く」 「無店舗型ショップの出す低価格には、実店舗は対抗できない」 といった声は以前からあった。自社広告より1円でも安い他店広告を持ってくれば値引くサービスを掲げている店でも「インターネット通販は除く」という注釈がついていることもある。ネットショップと実店舗というのは、長くライバル関係にあったのは確かだ。  しかしここに来て、一部の量販店が、特にAmazon(アマゾン)を名指しして抵抗し始めた。その急先鋒がヤマダ電機だ。 ●Kindleを売らない店舗と売る店舗  まず飛び出したのは、Amazonの電子書籍リーダー「Kindle」シリーズを一部量販店が取り扱わないと表明したというニュースだった。  KindleシリーズはAmazonでの直販がメインではあるものの、大手量販店の店頭でも販売するとあらかじめ発表されていた。Amazonで早期予約をしたユーザー向けの配送が開始されたのが11月19日。店頭販売は20日からというのが基本的なスケジュールとなっている中、このニュースが発表されたのは17日のことだ。  販売を行わないと発表したのは、ヤマダ電機、エディオン、ヨドバシカメラの3社だ。理由は「Kindle普及を後押しすることは、Amazonの通販サイトなどへの顧客流出につながると判断した」からだという。また「店舗側の粗利率が10%以下で、他の商品に比べて利益が出にくい」というコメントもあった。  一方でビックカメラ、上新電機、ケーズホールディングスなどは販売を行った。ビックカメラのコメントとして、「Amazonの顧客に自社の通販を利用してもらえれば、メリットは大きい」というものも出ている。  購入はAmazonでする人が多いだろうという見解もあったが、実際には店舗分はあっという間に売り切れた。Amazonの在庫が切れて、ごく初期に予約したユーザー以外、年末年始まで待たされることになった結果、Amazonをキャンセルして実店舗で買ったという人が多かったようだ。 ●Amazonは不当廉売?  もう1つ、20日付で入ってきたのが、「Amazon価格」に対し、量販店業界側から苦情が出ているというニュースだった。  記事の中では「Amazonの価格は、不当廉売には当たらないのか」という声が出ており、アマゾンジャパンにその旨を問い合わせたところ「各国の法律に基づき、市場での適正価格で販売している」という回答があったとされている。  この中で引用されたのが、7月にヤマダ電機の山田昇会長が語った「我々は取引上、厳しい監視の目にさらされている。だがAmazonは違う。これで公正な競争といえるのか」という言葉だ。  記事全体では量販店業界のあちこちから悲鳴が上がっているという論調だが、明確に名前が出た分、ヤマダ電機がその先頭に立っているような印象になった。すでに海外でも実店舗vs.ネットショップという話は出ているのだから、ヤマダ電機だけが特別にAmazonを嫌っているわけではないだろう。  しかし、量販店の中では上位にあるヤマダ電機が、これほどあからさまに苦しさとAmazonへの怨嗟を表に出したことで、業界の相当な苦しさが浮き彫りになったともいえる。  街道に面した大型店舗と多くの店員という体制を維持するのには、コストがかかる。倉庫だけあればよいネットショップと価格競争をするのは苦しい部分もあるだろう。しかし、だからといって相手をなじるというのはどうなのだろうか。 ●「ショールーム」以上の役割  同じ物を安価に売ることで他店を圧倒し、地域における地位を確立するというやり方は、ヤマダ電機をはじめとする量販店が過去にやってきた。いわゆる「街の電気屋さん」が消えるきっかけになった動きだ。そう考えて、量販店の現状を「自己責任」という人もいるようだが、このまま実店舗が縮小してゆけばいずれ困るのはエンドユーザーだ。特に、インターネットを使いこなしている一部のユーザー以外には、まだまだ身近な実店舗が必要だろう。  ただしそれは、大きなフロアにただ家電が並べてある店ではない。知識のある店員に気軽に相談でき、十分な説明を受けて納得した上で購入できること。不具合が出た時に、すぐ修理や調整を頼めること。購入に際して屋内への搬入や設置、配線などを行って、梱包材を引き取ってくれること。そうした、ネットショップでは受けづらいサービスこそが、実店舗に求められているのではないだろうか。  量販店の進出で業績を悪化させた小規模店の中には、電球の付け替えなども頼める御用聞き的な動きをすることで、量販店よりも高い価格で家電を販売するという形で生き残っているところもあるという。通販大手であるジャパネットたかたは、一緒に利用すると便利な周辺機器等を組み合わせたセットの提案や、実店舗のような設置サービスを提供しているが、単純に価格だけ見れば極端に安価だというわけではない。  店頭では現物を見るだけで購入はAmazon、という店舗をショールーム化する動きが強まっていることが危険視されているが、物が置いてあるだけならば、まさしくショールームだ。今こそ安売り競争ではなく、人が対面で売るからこその強みを見せてほしい。 (文=エースラッシュ) ■おすすめ記事 夫婦別寝は、「離婚」「夫のアホ化」を防止してくれる!? カフェインレス女子急増のワケ サントリー、成城石井も注目 不況下で独り勝ちの日立に暗雲 グループ再編の舞台裏 サムスン、アップル取引切りの真相と部品メーカー脱皮のカギ すでに本屋ではない! Amazonで一番売れてるのはお米!?

東電への抗議として広まる「電気代不払いプロジェクト」

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東京電力本社(「Wikipedia」より)
 11月26日、東電に続いて関西電力が電気料金の値上げを申請し、九州、東北、北海道、四国各電力も追随する見通しだと報じられた。  3.11の大震災によって起こった福島第一原発での事故以来、当事者である東京電力に対する抗議や批判は続いているが、電気料金を不払いすることによって東電に対して抗議する「電気代不払いプロジェクト」が、一部消費者の間で進められている。  電気代不払いといっても、単に電気代の支払いを拒否するというだけではない。電気料金を払わなければ、電力会社から電気の供給をストップされて、それで終わりである。電力会社はたいしたダメージもなく、不払いした本人の生活に多大な支障を生じるばかりである。  ではどうするのかというと、電力会社が指定してくる期日を超えて、支払いをギリギリまで引き延ばすと同時に、支払いの遅延、つまり一時的な不払いの際に、明確に原発事故に対する抗議の意思を示すのである。いわば、消費者運動におけるボイコットであり、企業におけるストライキやサボタージュなどと同じ性格の行動と理解してよいだろう。  この電気代不払いという手法は、あまり知られていないが、かなり古いものだ。その起源は、昭和初期(1920年代後半頃)に当時の不況から各地で起こった電灯争議において登場したのが最初である。やがて70年代になり、社会運動家で当時は参議院議員だった市川房枝氏が抗議活動として、「電気代1円不払い運動」を展開した。  このように、電気代不払いとは、意外に長い歴史を持つ手法なのである。  抗議行動としての電気代不払いは、具体的には次のような手順で行われる。  まず、東電に連絡して、電気代を銀行口座自動引き落としから振込用紙払いに変更する。すると、東電から電気料金の金額が印刷された振込用紙が郵送されてくる。だが、この用紙はあえて使用せず、郵便局に備え付けの「払込取扱票」を使う。この払込票は、窓口のほかATMでも使用できる。  そして、東電が請求してきた金額よりも1円だけ減額した金額を支払う。その際、払込取扱票の「通信欄」には、1円を減額した理由や東電へ伝えたいこと、例えば 「原発の再稼動に反対する」 「今回の電気料金の値上げには納得できない」 などの文言を書き込む。こうすれば、単なる料金不足や支払い遅延ではなく、抗議活動としての意味合いが明確になる。  すると、しばらくして不払い分の1円について、督促状とともに振込用紙が郵送されてくる。場合によっては、係員が集金に自宅まで訪問してくるケースもある。この1円を支払えば、電気供給を止められることはない。また、1円であれば延滞利息もつかないし、振込手数料も東電が負担することになる。以上が、大まかな「抗議としての電気料金不払い」の手順である。 ●意思を伝え、物理的な抗議にもなる  では、こうした行為が、なぜ抗議活動になるのか?  まず、通信欄にメッセージを記載することによって、東電に利用者の意思を伝えられる点。次に、1円とはいえ東電の売掛金が増える結果となり、また東電が負担する振込手数料も増える、さらに督促や集金にかかる人件費等の経費もまた増大するので、東電に対する物理的な抗議として働きかけることができる点である。  今回の「電気代不払いプロジェクト」は、埼玉県在住の大畑豊氏(49)が「デモで叫ぶ以外のことでも、電力会社に対して意思表示する方法はないだろうか」と、震災直後から不払いを実行している美術家の大豊亮氏らとともに始めたのがきっかけだという。その後、インターネットなどを通じて呼びかけ、少しずつ広がりを見せている。  去る11月16日、東京・飯田橋のセントラルプラザにおいて、同プロジェクトの交流会が催された。会場には筆者を除いて15名が集まった。参加者は、大畑氏や大富氏のほか、すでに電気代不払いを実行している消費者や、「インターネットで知って興味を持った」という人もみられた。不払いを実行している参加者のなかには、裁判を起こして法廷でこの活動を展開している人もおり、その熱心さがうかがえた。  また、参加者のなかからは「1円過払い」という手法も報告された。方法は、郵便局で支払う際、上記とは逆に、請求金額に1円をプラスして支払うのである。  電力会社は、たとえ1円であっても入金に不足があれば容赦なく電気供給をストップする。だが、請求金額を上回れば、その心配はない。しかし、電力会社は過剰に支払われた金額を利用者に返還しなくてはならない義務が発生する。そのため、不払いと同様に東電は経費と手間をかけて返金しなければならない。その意味でも、電力会社への抗議の意思を示すことができる。 「ただし、電力会社から連絡などがあったら、『原発反対の抗議です』と、意思をはっきりと伝えることが大切です。そうでないと、過払いした1円を単に次回への電気料金に補填されて終わってしまう可能性がありますから」(大豊氏)  重要なのは、この「電気代不払い」というアクションが、東京電力という会社やその従業員を感情的に痛めつけようとか、まして電気代を踏み倒してやろうとかいうものではけっしてないということである。 「あくまで原発に反対するということであって、電気にお金を払いたくないということではありません。原発でつくった電気はいらないということです。その意思を示すための行動です」(大畑氏)    現在、電気代不払いを500名ほどが実行、または何らかの抗議行動を取っているとのことだ。このプロジェクトがどのように展開していくのか、今後も注目に値するといえるだろう。 (文=橋本玉泉) ■おすすめ記事 松嶋、米倉、剛力……イケてる女優のギャラはおいくら? すでに本屋ではない! Amazonで一番売れてるのはお米!? 西友は赤字に…冬のボーナス減で小売り・外食が値下げ消耗戦 日立、東芝…最後の砦・白物家電を浸食する中韓勢との最終戦争 財界が後押しする“安倍総理” 経済ブレーンの面々

松嶋、米倉、剛力……イケてる女優のギャラはおいくら?

 サイゾー新ニュースサイト「Business Journal」の中から、ユーザーの反響の大きかった記事をピックアップしてお届けしちゃいます! ■「Business Journal」人気記事(一部抜粋) すでに本屋ではない! Amazonで一番売れてるのはお米!? 東電への抗議として広まる「電気代不払いプロジェクト」 西友は赤字に…冬のボーナス減で小売り・外食が値下げ消耗戦 ■特にオススメ記事はこちら! 松嶋、米倉、剛力……イケてる女優のギャラはおいくら? - Business Journal(11月29日)
女優のギャラについて報じる
「週刊文春」(文藝春秋社/12月6日号)
 11月29日発売の「週刊新潮」(新潮社)、「週刊文春」(文藝春秋社)から、忙しいビジネスパーソンも要チェックの記事を早読み。今回は、上場企業社員もびっくり!の「人気女優のギャラ」を覗いてみよう。  12月16日に行われる衆院選に向け「卒原発」を掲げる嘉田由紀子滋賀県知事が結成した新党「日本未来の党」に「国民の生活が第一」「減税日本・反TPP・脱原発を実現する党」「みどりの風」が合流し、ますます目が離せない政局。ということで、今週発売の文春、新潮とも総選挙を大々的に特集している。  しかし、同じくらい芸能情報も充実しているのが今週の両御大。そんな中で今回は、みんな大好き“人様の懐事情”ということで、文春の「人気女優最新ギャラ番付2013年版」から早読みする。  視聴率の低迷が叫ばれるテレビ業界で、昨年最終回の視聴率が、2000年に放送されたドラマ『ビューティフルライフ』(TBS系列)以来の40パーセント超えを果たした『家政婦のミタ』(日本テレビ系列)。記事によると主役の三田灯を演じた松嶋菜々子が今もっともギャラの高い女優であるという。そのギャラは、連ドラ一話分でなんと「最低“350万円”を提示しないとまともに交渉できない」とのこと。サラリーマンの平均年収が約400万円の時代にあって、なんとも夢のある金額である。妻がこれだけ稼いでいれば、旦那がパッとしなくても反町家は安泰なのだろう。  さて、ギャラ番付2位は米倉涼子。気になるギャラは「250万円だが今後は300万円代になってもおかしくない」という。松嶋と米倉を追うのが、天海祐希、篠原涼子、綾瀬はるか、仲間由紀恵らのギャラ250万円クラスだという。 ●「オスカー3人娘」は安売り戦略の賜物 !?  また最近話題の武井咲、剛力彩芽、忽那汐里の「オスカー3人娘」は「ギャラを抑え目にしてどんどん仕事を取る方針で実績を積んでいる」と記事にはある。ギャラ番付2位の米倉も同じくオスカープロモーションだが、「オスカーの安売り戦略」は、以前から業界内で囁かれてきた、いわば“定説”。この点については、日刊サイゾーで今年2月にオスカーの鈴木誠司専務に直撃しているが、同氏は全面否定。「(オスカーがCMやドラマのギャラを下げることで起用しやすくし、その分、露出を増やしているという噂について)私も聞いたことがありますが、事実ではありません」とし、さらに「業界内ではオスカーはギャラが高いと有名なんです」とも。ちなみに、ある雑誌編集者によると「オスカーは最近事務所を移転したが、移転先は表参道周辺で家賃と保証金が一番高いビルとの噂。同じビルには高級ブランドのグッチも入っている。安売り戦略で、あそこまでの儲けは出せないだろう」とも。一方で、“薄利多売”で収益確保ということもありえるのだろうが、真相はいかに。  ちなみに、アメリカの経済誌「フォーブス」が発表した2012年度の「最もギャラの高いTVドラマ俳優リスト」によると、全米で人気のコメディ『Two and a Half Men』主演のアシュトン・カッチャーで、約1年で19億円を稼いでいるという。 ●山口智子に厳しい新潮  一方の新潮では、ギャラ番付1位に輝いた松嶋と、『ロングバージョン』(フジテレビ)以来16年ぶりの連ドラ出演を果たした山口智子の明暗を報じている。  今年10月からスタートした山口出演の『ゴーイング マイ ホーム』(フジテレビ)。「かつて『視聴率女王』『ドラマクィーン』と謳われた」山口が16年ぶりの連ドラ出演という話題性に加え、主演には阿部寛、共演に10年ぶりの連ドラ出演となる宮崎あおい、監督・脚本に映画『誰も知らない』などで知られる是枝裕和を配するなど、「まさに鳴り物入りで始まった」。しかし、初回の視聴率こそ13%だったものの、2話目以降の視聴率は一桁台と低迷。11月27日放送分では、5.9%まで落ち込んでいる(いずれの関東地区/ビデオリサーチ調べ)  その要因として「山口は、体系こそ丸くなりましたが。トレンディ女優がそのまま年を重ね、普通の役を演じているだけ」と厳しい声を紹介している。その一方、松島主演の『家政婦のミタ』がヒットしたのは「恋愛ドラマの中心で格好いい役を演じていた松嶋が『脱げ』と言われて脱いでしまう、無感情なキワモノを演じたギャップが受けたこともある」と指摘。新潮といえば、かつて当サイトでも報じた通り、『ゴーイング マイ ホーム』と山口には、いたって厳しいスタンスを取り続けている。きっとデスクあたりが“かつての山口に萌えた世代”で、歳を重ねた彼女を見たくないのかも。そんな山口のギャラも気になるところだ(旦那は松嶋よりは、稼いでいそうだが)。 ●カウンセリングを受けないのりピー  もうひとつ大きな芸能ネタとして、文春が注目の独占手記を掲載している。09年に覚せい剤取締法違反で逮捕され、懲役1年6カ月、執行猶予3年の有罪判決を受け、10月24日に女優復帰会見を行った酒井法子のものだ。  スポンサーの意向を重要視するテレビでは、犯罪者のイメージが付いた酒井はまだ使いにくい。そこで、まずは安いギャラも承知の上で舞台復帰となったのだろうが、酒井が事件によってスポンサーなど関係各所に与えた損害は5億円とも。しかも、それを肩代わりしている元所属事務所のサンミュージックには、一銭も返済できていないようだ。そんな酒井の苦悩ぶりが伝わってくる手記ではあるが、特に目新しい事実はない。  それよりも手記の中で引っかかったのが「保釈後、医師のカウンセリングやリハビリは受けていません」という個所だ。酒井は禁断症状もなく、目の前に薬物があっても手を出す気持ちは一切ないと断言するが、内閣府の薬物乱用対策推進会議の資料によると、覚せい剤事犯での再犯率は11年で59.2%と高い。過去にも覚せい剤取締法違反で2回以上逮捕された有名人に岡村靖幸、清水健太郎、田代まさしらがいる。カウンセリングやリハビリを受けることも、罪を償うことのひとつでもあるし、周囲の信頼を回復するために必要なことだと思うのだが……。  さて、文春で長年連載されている密かな人気コーナといえば「淑女の雑誌から」。今回は、◯トレにハマっているという淑女の告白が目を引いた。こちらも要チェックです。 (文=本多カツヒロ) ■おすすめ記事 すでに本屋ではない! Amazonで一番売れてるのはお米!? 東電への抗議として広まる「電気代不払いプロジェクト」 西友は赤字に…冬のボーナス減で小売り・外食が値下げ消耗戦 日立、東芝…最後の砦・白物家電を浸食する中韓勢との最終戦争 財界が後押しする“安倍総理” 経済ブレーンの面々

長年の頭痛・糖尿病・脳梗塞の原因は、なんと“歯”!?

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「Wikipedia」より
「吐き気がするほどひどい頭痛で、脳外科でCTやMRIを撮ったけれど異常なし。それが、歯医者に行って治ったんだから拍子抜けです」  こう話すAさん(37歳)は元看護師。人体の仕組みは一通りわかっている彼女からしても、強い頭痛の原因が「歯」であるとはよもや想像しなかった。「脳外科のほかに、眼科、心療内科も回ったんですよ。それでも何年も治らなかったのに……」と驚きを隠せない。  近年、歯の不調による全身への影響が少しずつ明らかになってきた。都内で歯科クリニックを開業するB氏は、次のように説明する。 「心臓病や脳梗塞は、歯周病菌によって引き起こされることがあります。歯磨きをサボっていると歯の表面に『プラーク』(歯垢)がたまることはご存じでしょう? それが、血管の中にもたまるんです。歯周病菌は、腫れた歯肉を通って全身の血管内に侵入します。プラークが剥がれて心臓の血管が詰まると、狭心症や心筋梗塞といった心臓病。脳の血管が詰まると脳梗塞です」  Aさんのケースも、プラークが脳の血管に影響していたと考えられなくもない。あるいは、歯の噛み合わせが悪いことが原因の可能性もある。実は、Aさんが受けた治療は、「かぶせ物が取れたまま放置していた奥歯に、きちんと銀歯をかぶせた」というもの。奥歯が全身に与える影響は計り知れないことを、神奈川県内の歯科クリニックの院長C氏は語る。 「つい最近、右腕がしびれて動かすことができなかった実父の症状が、噛み合わせの調整でアッサリと治りました。父は加齢によって奥歯がすり減っていて、あちこちに噛み合わせのズレが生じていました。ほんの1ミリにも満たないズレですから食事や会話には不都合がなく、本人は気がつきません。しかし、奥歯でしっかり噛むことができないと、徐々に全身の骨格がゆがみ、頭痛や手足のしびれ、関節痛といった不定愁訴(特定の病気によらない不調)を招きます。それを慎重に削ったり、詰め物を盛ったりして高さを調整すると、うそのように症状が消えることがあるのです」

●歯周病と生活習慣病

 歯が原因となる全身の病気は、それだけではない。C氏は、歯周病と生活習慣病との関連を説明する。 「歯周病菌が歯茎を通って全身に回ると、血糖値を下げるホルモン(インスリン)の働きを邪魔してしまいます。歯周病になると、糖尿病の症状を悪化させたり、それまで糖尿病ではなかった人も血糖値をうまくコントロールできなくなったりしやすいのです。最近ではメタボリックシンドロームや高血圧など、ほかの生活習慣病も歯周病菌が原因の1つとする報告もあります」  不定愁訴や生活習慣病で病院を受診すれば、当たり前のように薬を処方される。しかし、薬を飲んだからといっても根本的に治るわけでもなく、多くの人は長期にわたって服薬を続けることになる。C氏は、歯科による全身疾患の治療がもっと広まれば、医療費を大幅に削減できると考えている。 「例えば高血圧。薬の量の規定を少し減らすだけで、年間6000億円以上が浮くはずです。医療のあり方は、もっと改善の余地があります」

●医科と歯科の格差

 では、なぜそうならないのか? C氏は医科と歯科の埋められない格差の存在を指摘する。 「治療技術を全国に普及させるには、大規模な臨床試験を行って統計データを取り、論文を発表する必要がありますが、時間も費用も膨大にかかります。医科がそれをできるのは、薬品メーカーによるバックアップ体制が絶大だからです。病院では大量に薬を使うため、薬品メーカーは医師に対して臨床試験やデータ収集の手伝いを惜しまないんですね。学会発表で使うスライドを薬品メーカーが作る、などということはよくあることです。まあ、利権ですよ」  一方で、歯科はというと……。 「歯科で使う薬の量はたかが知れていますから、薬品メーカーからするとマーケットの規模が小さいわけです。医科のような支援は受けられません。ただでさえ最近は歯科クリニックが林立し、競争のために診療時間を延ばさざるを得ないケースが増えていますから、論文執筆の時間を取れない歯科医も多いことでしょう」(C氏)  前出のB氏は「日本ほど歯科医の地位が低い国はそうありません。アメリカなどの歯科医は全身の医学も学びますから、歯科医師と医師はさほど変わらないポジションだと認識されています。日本も、もう少し歯科医に発言権があっていいはずなのですが……」と嘆く。  近い将来、日本の歯科医が医師ほどの発言力を持つことは、あまり期待できない。となれば、「体の不調を治すのは病院だけじゃなく、歯科にも可能性がある」と知っていた人だけが救われるはずだ。頭痛などの悩みがある人は、いつもの歯科医に「噛み合わせで頭痛が治るって本当ですか?」と尋ねてみてはいかがだろうか。 (文=永山りお) ■おすすめ記事 橋下徹騒動を呼んだ、朝日新聞出版の“社内事情” スタバ小型店にマック、コンビニ…入れたてコーヒー戦争勃発? JAL対ANA、政権交代を見据え加熱する羽田発着枠争奪戦の舞台裏 おやじギャグから生まれたネジ回しが海外でばかうけ中! ローソンの挑戦、東北復興を目指し地元業者とビジネスを展開

橋下徹騒動を呼んだ、朝日新聞出版の“社内事情”

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「週刊朝日」(朝日新聞出版社
/10月26日号)
 朝日新聞社の100%子会社である朝日新聞出版の神徳英雄社長が辞任した人事は、朝日新聞社内では「自業自得の辞任」と言われている。  辞任の直接の原因は、朝日新聞出版が発行する「週刊朝日」(10月26日号)が掲載したノンフィクション作家・佐野眞一氏による記事『ハシシタ 奴の本性』が、橋下徹・大阪市長の人権を著しく侵害したとの批判を受けたことによるものだが、今回の問題の背後には、神徳氏の経営判断のミスもある。  神徳氏は、親会社の朝日新聞社常勤監査役から今年6月に朝日新聞出版の社長に異動した。監査役に就く前に朝日新聞の取締役出版担当を務めていた当時、人件費削減のために出版部門の分社化を推進した。しかし、分社化に対しては社内には反論もあった。その理由は「朝日の出版部門の主力は、『AERA』と『週刊朝日』という雑誌ジャーナリズムであり、ハウツー系などの書籍ではない。人材交流も含めて社会部や政治部、経済部といった本体の新聞と連携して、事実を確認したり、情報交換をしたりしている。コスト削減を狙って単純に分社化しても、運営はうまくいかない」(関係筋)というものだった。 「こうした安易な改革は、出版も朝日新聞のジャーナリズムを担う一部門という意識が欠けているし、分社化して給与体系の安い社員を入れても、雑誌としての品質は維持できない」という声も出ていたという。「週刊朝日」や「AERA」は取材と人事の両面で朝日新聞本社との交流が深いため、一体運営をしてこそ新聞社系の雑誌の威力が出せるという意味である。  現に分社化によって、朝日新聞出版は本体から今まで以上に一段低い存在として見られるようになり、これまでは本社から優秀な記者が視野を広げる勉強のために出版に「異動」していたのが、「リストラ要員」的な人材が出版に「出向・転籍」するケースが増えたという。また、外部から給料の安い若手を採用したものの、記者としての心得の訓練を受けていない人材も入ってきた。この結果、分社化によって士気は下がる一方で、出版不況とも相まって「週刊朝日」や「AERA」は部数凋落の一途をたどった。

●不慣れな若手記者を「トカゲのしっぽ切り」

 昨年には、こんな問題も発生している。「AERA」では中途採用した不慣れな若手記者を民族派団体の取材に行かせ、その記者が「美人局」に引っかかってしまって朝日新聞出版は民族派団体から脅しを受けた結果、責任を取らせる形でその若手記者を退社させている。上司である編集長や取材の指示を出したデスクらは責任逃れしたため、社内では「トカゲのしっぽ切り」だとの批判も起こった。  ちなみに、その責任逃れしたデスクが、今回の「橋下原稿」を担当したデスクであるというから、開いた口がふさがらない。出版社としてのガバナンスは、一体どうなっているのだろうか――。  取材に不慣れな若手記者の採用について、あるジャーナリストはこう指摘する。 「『AERA』の記者が電話でコメントを求めてきたので、対応しました。後でコメントを打ち返してきたのを見ると、しゃべったことの半分程度しか理解しておらず、文章も下手なうえ、書いた記事全体も何が言いたいかがよくわからない内容で、よくこんな企画が通ったものだと思いました。その記者の社歴を聞くと、中途採用された経験の乏しい若い方で、これまでのAERA記者とは違ったイメージを持ちました」 「美人局騒動」のケースも見ても、経験の乏しい記者を育てる雰囲気や仕組みが、朝日新聞出版から消えてしまったということではないだろうか。こうして「週刊朝日」や「AERA」のコンテンツ力は劣化し、部数凋落の大きな要因をつくり出したのである。

●質の高い原稿は、文藝春秋や講談社へ…

 その結果、焦ってセンセーショナルな記事に走ろうとして誕生したのが、橋下氏の人権を無視した出自を暴く企画である。「週刊文春」や「週刊新潮」などの雑誌は、出版社の社員である編集者が外部の契約記者や作家を使いこなしているが、もともと朝日新聞出版は、海千山千の外部筆者を使いこなすエディターシップが高くない。さらに言うと、外部の作家もこれまでの付き合いの深さから文藝春秋や講談社、新潮社といった出版社を優先させて原稿を出すので、質の高い原稿を外部から取ることは期待できない。だから、一流のノンフィクション作家だと世間では見られている佐野氏も、「勝負原稿」を朝日新聞出版に出したわけではない。佐野氏にしては原稿の内容が薄かったという指摘すらある。  こうした負の連鎖を招いた張本人が、出版部門を分社化した神徳氏ということなのである。社長が原稿を書いたわけでもなく、編集を担当したわけでもない。しかし、結局、神徳氏が出版担当取締役時代に、コスト削減だけを重視するだけで、肝心のコンテンツをどのようにつくるのかという戦略的かつ本質的な議論がないまま、分社化の方向へ向かったのが間違っていたのだ。  そもそも神徳氏は、分社化した朝日新聞出版の初代社長になるはずだったが、構造的不況の中にある出版社の経営を切り盛りする「自信がない」という理由で火中の栗を拾うことから逃げた人物でもある。取締役退任後、常勤監査役に退き、今年6月の役員人事で2代目朝日新聞出版の社長に就いていた。自分がまいた「不幸の種」が巡り巡って自分の社長時代に「開花」してしまったというわけだ。このため、「自業自得」と言われ、朝日社内でも同情する人が少ないと言われている。  神徳氏は朝日新聞で経済部を中心に歩んできた。早稲田大学大学院を出て1973年に入社。ニューヨーク特派員や朝日新聞労働組合委員長を歴任した「スーパーエリート」で、同じく経済部OBで消費者金融などと広告関連で癒着して、朝日ジャーナリズムを破壊した箱島信一元社長の側近中の側近である。  朝日新聞は政治部と経済部が交代で社長を出してきたので、政治部出身の秋山秋太郎社長(現会長)の後は神徳氏が次期社長の有力候補の時期もあったが、箱島氏の威光を借りて態度があまりにも傲慢で「好き嫌い人事」を横行させたために、社内で敵を多くつくり、常勤監査役に失脚してしまった。この時も朝日社内では「箱島の威を借る神徳は、箱島の失脚とともに消え去った。自業自得だ」と言われた。「驕る神徳久しからず」と言う人もいたそうだ。天は神徳氏の「悪行」をまだ忘れておらず、今回の問題で、きつい「お灸」を据えたということであろう。 (文=編集部) ■おすすめ記事 スタバ小型店にマック、コンビニ…入れたてコーヒー戦争勃発? 長年の頭痛・糖尿病・脳梗塞の原因は、なんと“歯”!? JAL対ANA、政権交代を見据え加熱する羽田発着枠争奪戦の舞台裏 おやじギャグから生まれたネジ回しが海外でばかうけ中! ローソンの挑戦、東北復興を目指し地元業者とビジネスを展開