「消費者金融のCMに出る女優はサイテー?」タレントを契約解除に追い込む、韓国“過激”広告クレーマーたち

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レイク電車広告
「全額返金保証」をうたったRIZAP(ライザップ)や、東京五輪エンブレムをめぐる盗作疑惑など、このところ日本では広告トラブルが相次いでいる。不特定多数が目にするものだけに、見る人への配慮は重要だが、お隣・韓国でも企業のイメージアップにつながるはずの広告に対して、日常的なクレームが集まりやすい。  最近でも、大手酒造メーカーであるロッテ酒類の人気焼酎「チョウムチョロン」の広告に、クレームが殺到している。問題となったのは、9月18日に同社のFacebookにアップされた映像広告に挿入されたキャッチコピーだ。 「酒とガールフレンドの共通点は、長く付き合うほど、財布が空になっていくことだ」  最近、女性蔑視の風潮が強まっていると批判される韓国だけに、この広告を見たネット民の反応が実に過激だ。 「ガールフレンドではなく、愛人と書けばまだ納得できるのに、コピーライターはバカか?」 「日本企業ロッテが、まだ韓国に残っているとは……ロッテ商品の不買運動に発展させるための油を注いでいるのか?」  結局、多くのバッシングを受けたこの広告は、掲載からわずか3日後に削除された。今回の一件は、誤解を招く表現を用いたロッテ酒類側に落ち度があるだろう。しかし、韓国ネット民によるクレームの矛先は、こうした明らかな企業側の失態だけにとどまらない。  時には、イメージの悪い企業の広告に起用されたタレントに対するバッシングも起こりうるのだ。例えば9月中旬、人気女優コ・ソヨンが、日系金融会社「Jトラスト」のイメージモデルとしてCMに出演すると、「庶民を苦しめる消費者金融のCMに出るなんて、見損なった」といった批判の声が相次ぎ、同25日に彼女は広告契約の解除を申し出た。  同社のオファーを『チャングムの誓い』で日本でも知られるイ・ヨンエが断っていたことも発覚して、より炎上する燃料となっている模様だ。ちなみに、日本でも「新生銀行カードローン レイク」のCMにAKB48の柏木由紀、横山由依、高橋みなみなどのメンバーが出演しているが、イメージの低下や大規模なバッシングに発展したという話は聞いたことがない。韓国においては、経済鈍化に伴う自己破産者が増えていることから、特に消費者金融のイメージは最悪に近いのだ。  タレント起用に関するクレーム騒動は、コ・ソヨンの一件だけではない。昨年には、韓国・中国で爆発的人気を誇ったドラマ『星から来たあなた』の主演コンビであるキム・スヒョンとチョン・ジヒョンが事件に巻き込まれている。  2人は同ドラマが中国でヒットしたことから、中国の大手企業・恒大グループの「恒大ミネラルウォーター」のイメージキャラクターに抜擢されたのだが、商品の水源地が「長白山」と表記されていたことが発覚。大バッシングが巻き起こったのだ。中国と北朝鮮の境目にある「長白山」の韓国呼称は、「白頭山(ペクトゥサン)」。竹島を「独島」、日本海を「朝鮮東海」などと呼ぶことにこだわる韓国人にとっては大問題だった。結局、この一件は、両者が「そんな表記になっていると知らなかった」として、契約解除することで沈静化したが、韓国人の呼称に関する熱いこだわりを証明する結果となった。  韓国に“広告クレーマー”が生まれる背景には、社会に対する積み重なった不満があるのだろう。そうだとすれば、広告クレーマーは今後も増加の一途をたどるのかもしれない。

現代人の闇が浮き彫りに……? 中国人OLが始めた「おやすみメッセージ」送信サービスが話題

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「おやすみメッセージ」サービスを行っている玖さん
 斬新なビジネスが次々誕生する中国で、ある女性が手掛けるサービスが話題となっている。  9月17日付の「新快報」によれば、広東省広州市で4年前から都会生活者に「おやすみ」という携帯メッセージを送ることを副業としているOLがいるという。  市内在住の玖さんは、都会での生活がだんだん物質主義になってきて、生活の中の細かい習慣がなくなってきていると感じ、ネットショップで「もし、おやすみを言う人が見つからなかったら」というキャッチフレーズで「おやすみ」を売ることを始めた。  料金は1通当たり1元(約19円)。料金は前払いで、1通分から7通分、30通分とまとめて購入することもでき、中には毎回60通分購入している人もいるという。  これまで200人以上が彼女の「おやすみメッセージ」を買い、売り上げは3,000元(約6万円)以上になったという。「おやすみメッセージ」を送るだけの簡単な作業だが、4年間の稼ぎとしては決して多いとはいえない。  いったい、どんな人が彼女の「おやすみメッセージ」を買っているのか? 「(自分以外の)誰かに送ってほしいという依頼のほうが多いです。片思いの人に内緒で送ってほしいという学生や、会話がなくなった夫婦の奥さんが、旦那さんに送ってほしいと依頼してきたり。自分自身向けには、毎日夜遅くまで残業している深センの男性が、毎晩午前2時に『おやすみ』を送ってほしいと依頼してきたことがあります。でも、両親に送ってほしいという依頼は、まだひとつもないですね」  これについて、上海在住の日本人自営業者はこう語る。 「北京や上海、広州、深センといった中国の大都市での生活は、意外に孤独。特に地方から出て会社勤めをしている人などは、一人暮らしで会社とアパートを往復するだけというケースも多い。そういう人にとって、夜の『おやすみメッセージ』は唯一、人間的な温かみを感じられるものなのでしょう」  そういう意味では、この「おやすみメッセージ」サービスはなかなかいい話のように思えるが、よく考えてみたら、物質社会に潤いを与えるものが携帯メッセージというところが、現代的というか皮肉というか。しかも、自分で送ることも簡単にできるのに、なぜ人に頼んで恋人や夫に「おやすみメッセージ」を送るのか。その時点でもう、人間性が失われているような気がしてならない。 (取材・文=佐久間賢三)

豪華ショッピングエリアオープンも、致命的な欠点が……新・平壌国際空港が残念すぎる

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かなり立派になった平壌国際空港
 去る7月1日、北朝鮮の空の玄関口となる平壌国際空港が改築オープンした。故・金正日総書記の遺言に基づき、24時間態勢の工事で完成させたというターミナルビル。竣工直前に李雪主夫人同伴で現地指導した金正恩第1書記は「近代的センスと民族的特性が調和され、立派に施工された」と、大満足したという。外貨を稼ごうと、免税店や食堂を異様に充実させたのが最大の特徴だが、空港利用者によると致命的な欠点があるらしい。  正恩氏の号令で、昨年春ごろから始まった空港の建設工事。平壌から車で30分ほどの順安(スアン)という小都市にあるこの空港は、もともと日本の地方空港のようなコンパクトなものだった。
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酒屋
 昨年10月にオープンさせるという情報があったが、結局完成は7月までずれ込んだ。 「1階は到着ロビー、2階が出発ロビーで、コンビニや高級時計店がある。3階は食堂や洋服店、記念品店と、まるで商店街のようでした」とは、最近空港を利用した在日朝鮮人のビジネスマン。
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アイスクリーム店もある
 さらに、出国ゲートを出た先にも、書店や高麗人参店、薬局、CD・DVD店、また民族料理店や洋食店、アイスクリーム店までが軒を連ね、中部国際空港や羽田空港国際線旅客ターミナルのような「遊べる空港」を意識した構造となっている。
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出国ゲートの奥にある本屋
「そもそもエネルギー不足で工場がまともに稼働していないため、北朝鮮の国産品自体が珍しいが、全国の産品を一堂に集めたような素晴らしい品ぞろえだった。同国内では、たとえ同胞でも、私のような在日朝鮮人は市中の商店に入って自由な買い物をすることは難しい。ここはなんでもそろっていて、面白そうだった。ただ最大の問題点は、買い物の時間がないこと」(同)  例えば、北朝鮮のフラッグキャリア・高麗航空の北京便の場合、日本へ同日乗り継ぎで帰国ができる平壌発は「月・火・金・土」の午前8時台。週2便の延吉便は午前9時発、同じく週2便の臨時ダイヤで運航する上海便は午後9時台。瀋陽便だけは午前11時台と余裕があるものの、これも週2便しかなく、日本への同日乗り継ぎはできない。  朝の出発は、とかく時間がない。また「出国の税関検査で職員が意地悪するかのごとく細かく荷物を調べるので、ここでもまた時間がかかり、店で土産を買う時間なんてなかった」(同)というのが実情なんだとか。  結局、すぐに搭乗時間となるが、高麗航空に機内販売のサービスはない。
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脚線美を強調する高麗航空のCA
 「いったい空港の“商店街”は、なんのためのものなのか……」と先のビジネスマンは憤るが、いかにも北朝鮮っぽい顚末だ。 (文=金正太郎)

体中を這い、鼻からは白い卵が……! 謎の寄生虫が原因で、家族も仕事も失った中国人の悲劇

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自身に巣食う謎の虫の写真を掲げる曾さん。まさか、一家離散になるとは……
 湿気が多くなる6~8月はダニにとって過ごしやすい環境が整うため、日本ではダニ被害が多く報告される。マダニなどダニの種類によっては感染症を引き起こし、命を落とすこともあるため、ダニ被害は決して侮れない。  一方、中国でも最近、謎の虫に人生を狂わされた女性の話が話題となっている。「現代金報」(9月19日付)によると、浙江省寧波市に住む40代の女性・曾さんは4年間にわたり、謎の虫に体を蝕まれ、仕事も家族も失ったという。  きっかけは、舅が病気を理由に老人ホームから曾さん宅にやってきたことだ。しばらくして舅は亡くなり、舅が使用していた布団などは洗わずに押し入れにしまわれることになった。ある日、彼女は風邪をひいてしまい、寒気を感じた。押し入れに舅が使っていた布団があったことを思い出し、それを使うことにした。それが、悲劇の始まりになるとは知らずに……。  舅の布団を使ってしばらくすると体中にかゆみを感じ、さらにはチクチクと刺されるような痛みも感じた。翌日、この布団を干そうと外で広げると、衝撃的な光景が目に入った。布団の表面にびっしりと黒い小さな虫が張り付き、モゾモゾと動いているのだ。手で払うと、雨のようにパラパラと落ちてくる。よく見ると、布団は所々虫に食われているためか、穴が開いていた。この日から体中をどんなに洗っても、かゆみや痛みがやむことはなくなった。その後4年間、曾さんは中国全土の病院を駆け回り、治療を施してくれる病院を探したが、どの病院でも治療法は見つからなかった。この謎の虫を専門の研究機関にも見てもらったが、これまで見たことがないと言われ、途方に暮れてしまった。曾さんは同紙の記者に、現在の生活について語った。 「自宅には、常に大量のハンドクリームと粘着テープがあります。謎の虫から少しでも皮膚を守るため、ハンドクリームを常に体中に塗っておきます。体の上に現れたら、すぐにこの粘着テープを使って体から引きはがします。耳の穴は、常に綿でふさいでいます。これまで体内に入ってしまった謎の虫を体から追い出すため、白酒(中国焼酎)を入れたアルコール風呂に浸かったり、殺虫剤を部屋中にまいたりしましたが、逆に体調が悪くなりました。この前は胸部に痛みを感じたため、肺にも侵入したと思い、たばこを大量に吸って肺から追い出そうと試みました。全部失敗です。頭皮にいる謎の虫を払い落とすため丸坊主にしたこともありますが、駄目でした」  曾さんの夫も、これまで彼女からこの謎の虫をもらってしまったことがあるが、その時は硫黄せっけんで体を洗い“感染”を逃れたという。現在、夫婦はこの虫が原因で離婚することが決まっている。子どもたちも感染を恐れ、自立後はほとんど自宅に帰ってこなくなってしまったという。
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謎の黒い虫は、ダニの一種なのだろうか?(写真はダニのイメージ)
 中国版Twitter「微博」では、多くの中国人ネットユーザーからコメントが寄せられている。 「新種の寄生虫なんじゃないのか? 研究機関も病院も放置するなんてひどい。だから中国の医療レベルは日本や欧米に追いつけないんだ」 「肉眼でも見えるこの謎の虫が体内でも動き回ってると思うと気持ち悪い。それにしても、この人の家族はみんな薄情だな」 「この記事見て、すぐに布団干した」 「謎の虫なんて存在しないんじゃないか? 妄想症だろ」  曾さんは現在も、この謎の虫に悩まされている。鼻からはこの虫のものと思われる白い卵が出てきたり、頭部からは白い卵と黒い成虫も落ちてくるという。本サイト既報の「寄生ゴキブリ」の次は正体不明の寄生虫と、害虫ネタが尽きない中国。中国へ旅行に行って体にかゆみを感じたら、要注意だ。 (文=青山大樹)

赤江珠緒は12年間、毎朝何を思っていたのか? テレ朝『モーニングバード』(9月25日放送)を徹底検証!

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『たまむすび』(TBSラジオ)公式サイトより
 9月25日の放送をもってテレビ朝日『モーニングバード』が終了した。4年半続いた番組の終了であり、もちろんそれ自体がトピックのひとつではあるが、より大きな意味合いがここにはある。前番組『スーパーモーニング』がスタートした2003年6月30日から12年以上、朝の顔を務めてきた赤江珠緒の卒業である。9月25日の『モーニングバード』最終回でも、「全力で駆け抜けた12年」として、これまでの彼女の足跡がかなりの時間を割いて紹介された。  近年、TBSラジオ『たまむすび』で素のキャラクターが人気を集める赤江珠緒。『モーニングバード』の最終回でも、一緒にタッグを組んできた羽鳥慎一が「残念」という言葉を使うほど、共演者にも、またスタッフにも愛されている。確かに「子どもの頃に虫取りへ行き、パンツの中にセミを入れて帰った」というお茶目なエピソードや、それを公共の電波に乗せてしゃべってしまうといううっかり具合など、人間として魅力的なのはわかる。だがそれだけが、彼女の愛される理由ではない。  それではなぜ、赤江珠緒はこれほどまでに愛されるのか? その答えは『モーニングバード』の最終回で紹介された、彼女のこれまでの足跡に詰まっている。 <あまりにも素直すぎる感情表現>  とにかく、感情表現が豊かだ。豊かというか、驚くほどに素直である。大人なのだし、しかも情報番組のキャスターなのだから、普通であれば表情を装うものだろう。だが赤江珠緒は決してそうしない。自分の感じた思いを、そのままの形であっけらかんと表に出してしまうのだった。  例えば、レスリングの吉田沙保里選手にインタビューをした際。父親に肩車をしたあの名場面を再現してもらおうということで、赤江珠緒は吉田沙保里に肩車をしてもらう。それはまあ、わかる。だが、肩車をしてもらった瞬間、彼女の口から出た一言が実に赤江珠緒らしい。 「わー、うれしい! やったー!」  そう言って赤江珠緒は、両手を挙げてガッツポーズをするのだ。いやいや、何もやっていない。だが、おそらく赤江珠緒の頭の中には自分を見つめる大観衆が見えていたのだろうし、歓声も聞こえていたのだろう。まるっきり子どもだ。しかしこの素直すぎる感情表現が、彼女が多くの人から愛される大きな理由のひとつであることは間違いない。 <対象への真摯な向き合い方>  キャスターである赤江珠緒は、多くの取材対象と出会うことになる。それら一つ一つの対象への向き合い方が、とにかく真摯だ。東日本大震災が起こった直後に陸前高田市で出会った方と今でも交流があり、節目ごとに訪れているというエピソードは、まさに彼女ならではだろう。真摯であり、そこには一切のウソがない。言葉や行動のすべてにおいて、しっかりと地に足がついているのだ。  あるいは、「別に……」発言でバッシングを受けた沢尻エリカへのインタビューもそうだ。騒動後、沢尻エリカにとっては初めてのインタビュー。少しでも欲があれば、そのバッシングの流れに乗るか、あるいは過度にフォローするなどして、良いコメントを求めるというのが人の業だ。しかし、赤江珠緒はそうしない。真摯に沢尻エリカと向き合い、彼女の言葉をただ素直に聞き、そして瞳に涙をためてこう言うのだった。 「いろんなことを言われるだろうし、本当に複雑な立場だと思うけど……。つらさっていうのは、その人にしかわからないと思うんですけど……。頑張ってくださいね」  取材時期を考えれば、沢尻エリカに対してこんなに寄り添った言葉をかけられる人間はそうはいないはずだ。おいしくしようとすれば、いくらだっておいしくできる状況なのだから。だが、赤江珠緒にはそういった欲そのものがない、というかそういった欲よりも、目の前にいる対象への真摯さが優先される。だからこそ、彼女の言葉はまっすぐに、視聴者の胸へと届くのだろう。 <「伝える」という行為そのものへの信念>  彼女はこの12年間、さまざまなニュースと出会ってきた。もちろん、いいニュースばかりではない。素直な感情と、そして対象に真摯に向き合う赤江珠緒であるからこそ、悲しいニュースに対して深く傷つくことも一度や二度ではなかったはずだ。それでも彼女は、12年間、テレビの前の視聴者に対して「伝える」という仕事を続けてきた。それは間違いなく、信念がなければできないことだろう。 『モーニングバード』の最終回で、赤江珠緒は視聴者に向けて最後に感謝の気持ちを述べた。少し長くなるが、引用させていただきたい。 「本当にあの、いろいろと至らない点もあった司会者だと思いますが。毎朝毎朝ですね、全国津々浦々の皆さんにですね、『おはようございます』と挨拶できる仕事を、12年間もやらせていただけたことは本当に幸せでした。皆さんの朝が、これからも明るくて、そして素敵なものになりますように、お祈りしています。本当に、本当に、ありがとうございました!」  この素晴らしい言葉に、赤江珠緒の信念と、そして彼女の魅力がそのまま詰まっている。「おはようございます」と挨拶できる仕事。赤江珠緒は12年間、毎朝そう思って視聴者と向き合ってきたのだった。彼女が朝の顔でなくなってしまうのは、やはり寂しい。だが赤江珠緒の思いと信念は、きっとこれからも、後へ続く者へと伝わっていくのだろう。 【検証結果】  最後の挨拶が終わってからも、赤江珠緒は笑っていた。これでもかというほどの涙を瞳にたたえてはいたが、それでも笑顔を崩すことなく、最後までえくぼを見せていた。涙を拭くことは一度もなく、俯いたり顔をそむけたりもせず、視聴者に笑いかけていた。人は泣いていても、笑うことができる。それはおそらく赤江珠緒が、12年間もの間ニュースと向き合うことで知った、素晴らしい真実であるに違いない。 (文=相沢直) ●あいざわ・すなお 1980年生まれ。構成作家、ライター。活動歴は構成作家として『テレバイダー』(TOKYO MX)、『モンキーパーマ』(tvkほか)、「水道橋博士のメルマ旬報『みっつ数えろ』連載」など。プロデューサーとして『ホワイトボードTV』『バカリズム THE MOVIE』(TOKYO MX)など。 Twitterアカウントは @aizawaaa

“時かけ”に匹敵する新ヒロインが銀幕デビュー! シュールな日常生活『徘徊 ママリン87歳の夏』

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『徘徊 ママリン87歳の夏』に主演したママリンこと、酒井アサヨさん。本人は映画に出ていることをまるで理解していない。
 時空をさまようタイムトラベラーを主人公にした『時をかける少女』は、原田知世が主演した実写映画版、仲里依紗が主演した劇場アニメ版&実写リメイク版、それぞれが高い人気を誇っている。繰り返し繰り返し、何度も視聴されている。そんな多くの人たちに愛されるタイムトラベルものに、新たなるヒロインが加わった。大阪府在住、87歳になる酒井アサヨさん、通称ママリンはドキュメンタリー映画『徘徊 ママリン87歳の夏』の中で、過去から未来へと一方通行で流れていく時間の川を遡行して、少女時代や青春時代へとタイムトラベルしていく。ただし、タイムトラベルはママリンの脳内だけの出来事なので、周囲の人間には彼女がどの時代を旅しているのかは定かではない。そのことから珍妙なやりとりが生じる。  ママリンこと酒井アサヨさんは奈良県でひとり暮らしをしていたが、2006年に認知症と診断され、08年から長女・酒井章子さん、通称アッコちゃんが暮らす大阪市北浜のマンションに身を寄せている。この親子の日常生活のやりとりが不謹慎ながら爆笑を呼ぶ。 ママリン ここはどこなの? 刑務所? アッコ 刑務所ちゃうよ。私の家だよ。 ママリン あっ、そうなの? よかったぁ。で、あんたは誰なの? アッコ 私は章子。あなたの娘ですよ。 ママリン えっ、本当に? あなた、アッコ姉ちゃんなの? えらく大きくなりすぎましたなぁ……。で、ここはどこなの?  認知症を患う母と介護にいそしむ娘とのやりとりは、本人たちの身になれば到底笑えないはずなのだが、あまりにも息のぴったりと合った親子漫才か不条理劇を観ているようで、試写会では度々笑いの渦が起きた。  認知症や介護を題材にしたドキュメンタリーと聞くと、陰鬱な内容を想像して身構えてしまうが、本作ではママリンとアッコちゃんのとってもシュールな日常生活が、この親子に対する的確な距離感や考え抜かれた画角、緩急をつけた編集によって一種のエンターテイメントとして映し出されていく。2人の間をのんびり行き交う2匹の飼い猫も画面に和みを与えている。本作を撮ったのは神戸在住の映像作家・田中幸夫監督。前作『凍蝶圖鑑』(14)は性的マイノリティーたちを主題にしたドキュメンタリーだったが、世に言う“変態さん”たちが集まるパーティー風景がまるで現代のユートピアのように描かれていた。田中監督は「僕は美しいものにしか興味がない」と語っていたが、本作もその言葉にふさわしい作品となっている。田中監督とママリンの出会いは、その『凍蝶圖鑑』がきっかけだった。
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アッコちゃんに見送られて、ママリンはデイサービスへ。アッコちゃんが自由を満喫できる大切な時間だ。
 田中監督「大阪で『凍蝶圖鑑』の公開記念プレイベントをやることになって、大黒屋ミロに連れていかれたのが、アッコちゃんがオーナーをしているギャラリー兼自宅マンションだったんです。アッコちゃんとビールを飲みながら、『私、認知症の母がいて、介護してんねん』みたいな話を聞いていたら、そこにデイサービスからママリンが帰ってきて、あの絶妙な会話劇が始まったわけです(笑)。そのやりとりは親子の繋がりを感じさせ、僕にはとても美しいものに感じられた。僕は正直、認知症や介護そのものには関心がないんです。それよりも、片方が壊れてしまったとき、もう片方はその関係をどう維持していくのか、腹の括り方に興味があったんです」  当然だが、アッコちゃんとママリンは一緒に暮らし始めてすぐにベテラン漫才師のようなボケ&ツッコミを体得したわけではない。ママリンを引き取ってから半年後、デイサービスを利用するようになり、ようやく息をつけるようになった。それまではアッコちゃんも壊れてしまいそうなほど、ハードな日々が続いた。ママリンは体調がいいときはニコニコしているが、ささいなことで怒り出すと、暴言を吐き、暴れ回り、手が付けられなくなる。目を離すと深夜でも早朝でもマンションを出て、徘徊を繰り返す。介護に追われるだけの生活から脱しようと、フリーの編集者&ライターでもあるアッコちゃんは「本にでもせんと元がとれんわ」と4年前からママリンの徘徊記録を残すようになり、またママリンの言動に、ときにツッコミを入れることで笑いに変え、ときに距離を置いて静かに見守るようになった。  ママリンは頻繁に「ここはどこ? もう家に帰らないと」という言葉を口にする。アッコちゃんはその度に「ここは北浜にある私のマンション。6年前から一緒に暮らしているんだよ」と説明するが、会話が終わってしばらくすると、再び「ここはどこ? 家に帰る」とループする。アッコちゃんが「どこに帰るの?」と尋ねると、「門司に帰る」という。北九州の門司は、ママリンが生まれ育った街だ。どうやら両親のもとで暮らした少女時代にママリンの脳内はタイムスリップしているらしい。激昂しているときのママリンは施錠されたマンションのドアを「ここから出せ」とドンドン叩く。ママリンにはこのマンションが少女時代に戻ることを阻む刑務所みたいに映るのだろう。カメラはじっと、その様子を捉え続ける。ドンドンドン、ドドンドドン。いつしか、ドアを叩く音がリズムを刻み始める。『無法松の一生』(43)で知られる小倉の夏祭り・祇園太鼓を模したものだろうか。87歳の老女から生まれ育った故郷への想いが溢れ出す様子は、スクリーン越しに観ている我々もせつない気持ちにさせる。ドアを開けたママリンは、今はもういない両親と暮らした故郷を目指してテクテクと歩き出す。 でも、途中で道が分からなくなり、街をグルグルと回り、迷子になってしまう。ママリンは両親の温もりを求める小さな小さな少女へと変わっていく。アッコちゃんは離れた場所から黙って見守っている。  田中監督によると、その日やそのときによってママリンがタイムトラベルする時代は異なるらしい。「8割は少女時代を過ごした門司の家に帰りたがっているみたいですが、ときどき大阪の下町で看護士として働いていた時代に戻っていることもあるようです。当時はママリンにとって新婚時代であり、アッコちゃんがまだ小さかった頃でもあるんです」と田中監督は説明してくれた。門司の実家を出たママリンは大阪の診療所で見習い看護士として働き始め、やがて正看護士となり、結婚&出産。その後、奈良で暮らすようになったが、1998年にご主人は他界し、その後はひとりで暮らしてきた。両親の愛情に包まれた少女時代、やりがいのある仕事を見つけ、新しい家庭を築き上げた青春&新婚時代にママリンの心は引き寄せられていくようだ。
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体調がいいときは、近所の喫茶店で一緒にお茶を楽しむ。お店の人もママリンの症状を理解し、徘徊に気づくと声を掛けてくれる。
 地元・関西地区ではすでに上映が行なわれ、ママリンはアッコちゃんと一緒に舞台あいさつに上がった。大阪での舞台あいさつの2度目はママリンの機嫌が悪く、スクリーン裏で親子ゲンカになったが、京都での舞台あいさつは体調もよく、お客さんたちの前で元気に童謡「浦島太郎」を歌ってみせたという。脳内トラベラーが時のうつろいに翻弄された浦島太郎の童謡を歌うなんて、なんとシュールなことか。  不謹慎ついでに夢想する。もしかして、ママリンは周囲の人たちが分からないだけで、本当にタイムトラベルしているのではないだろうか。少女時代や看護士時代もやはり不安や辛い目に遭ったはずだ。地面にしゃがみこみたくなるようなこともあっただろう。でも、そんな若かった頃のママリンの前に、朗らかに笑う老婦人が突然現われる。どこか見覚えのある、優しいその笑顔は「大丈夫よ。あなたは87歳になって、実の娘と漫才師みたいなボケ&ツッコミを毎日やるようになるのよ」と伝えている。若き日のママリンがその笑顔に勇気づけられて起き上がると、もう老婦人は姿を消している。2014年の世界でアッコちゃんがママリンの帰りをずっと待っているからだ。 ママリン ここはどこなの? アッコ 私とママリンが6年前から一緒に暮らしている家だよ。 ママリン えっ、本当? よかったぁ。  愛しくも、せつない日常生活をカメラは記録していく。 (文=長野辰次) 『徘徊 ママリン87歳の夏』 監督・撮影・編集・製作/田中幸夫 出演/酒井アサヨ、酒井章子、2匹の猫  配給/風楽創作事務所、オリオフィルムズ 9月26日(土)より新宿K’s cinema、横浜ジャック&ベティほか全国順次公開 (c)風楽創作事務所 http://hai-kai.com

控室に隠しカメラ2台……中国で相次ぐ日本のアイドルの盗撮被害に「中国ロケNG」事務所も? 

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中国で5月に流出したSNH48の控室での着替え画像。座っているのがタコちゃんだ
 中国圏におけるAKB48人気は、もはや言うまでもないだろう。最近のAKB48総選挙では中国人ファンの票が「中華砲」と呼ばれ、その結果に大きな影響を与えるまでになっている。日本で報道されるAKB48関連のニュースはほぼ同時に大きく取り扱われ、日本のファンとの情報格差はない。  そんな中、香港紙「明報」(9月7日付)では、日本でも騒動になったAKB48メンバーに対する盗撮未遂事件について大きく報じている。  5日、TBS局内3階の女子トイレに番組制作会社の男性が侵入し、芸能人などの盗撮を試みようとしていたことが判明した。この男性は盗撮行為をする前に見つかり、逮捕されたというが、当時、同局の3階ではAKB48メンバー・小嶋陽菜が番組収録をしており、危うく盗撮の被害者になるところだったという。  一方、5月には上海で結成されたSNH48をめぐる盗撮事件も起こっている。メンバーが控え室で水着に着替えている画像がネット上に流出し、中華圏では大きな波紋を呼んだ。この事件では、ファンの男性がなんらかの方法で控室に侵入し、隠しカメラを設置したと思われる。流出した画像には水着姿の複数のメンバーが映っており、タコちゃんこと人気メンバー・張語格(18)が青い水着を着ている写真もあった。  今年3月に「週刊文春」(文藝春秋)で報じられた元関連グループ取締役による「AKB48全裸盗撮」なども含め、相次ぐAKBグループをめぐる盗撮事件に対して、中国版Twitter「微博」では多くのネットユーザーが怒りのコメントを寄せていた。 「俺の小嶋陽菜様を傷つけたら許さない」 「日本には盗撮魔がこんなに多いのか!」 「日本のアイドルは大変だ。外でトイレに行くにも安心できないのか」 「SNH48が日本に行く際は、俺たちも一緒に行って守るしかない」
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同じくSNH48の盗撮画像。幸い、全裸になった姿は盗撮されなかったというが……
 一方で、日本のアイドルやタレントの中国での盗撮被害を懸念するのは、在京の民放ディレクターだ。 「実は以前、ある日本のアイドルが上海ロケをして、現地テレビ番組に飛び入りでゲスト出演するという企画があったんです。しかし、地元局のスタジオの控室の着替えスペースに隠しカメラが2つもあった。ひとつは積まれた機材の隙間にあり、もうひとつは停電時用バッテリーに偽装してあった。マネジャーの機転で見つけることができましたが、危なかった。すぐに、地元局が用意したホテルをチェックアウトしたそうです。コーディネーターの話によると、なんでも番組関係者が小遣い稼ぎのために盗撮機器を仕掛けることが多いようです。事務所によっては、中国ロケNGとしているところも出てきています」  AKB48メンバーへの盗撮被害について中国人ファンも激怒しているようだが、中国でもマスコミや芸能関係者による盗撮行為は後を絶たない。日本のアイドルが、中国で被害に遭わないことを祈るばかりだ。 (取材・文=五月花子)

ホーム韓国でも……“崖っぷち”サムスンGalaxy を脅かすiPhone 6sの猛威

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Galaxy S6 edge+(SAMSUNG)製品ページより
 ほぼ1年のスパンで新型が発表されてきたiPhoneシリーズ。今年も9月25日に、世界12カ国で最新機種であるiPhone 6s/6s Plusが発売された。iPhoneシリーズ最新作に沸いているのは日本だけではない。国民の81.3%がスマホを所持し、スマホ普及率世界第4位であるお隣・韓国でも、iPhoneシリーズの最新作に対する期待度は高い。  韓国のスマホといえば、Galaxyでおなじみのサムスン電子のイメージが強いのだが、最近では、そのブランド力も崩壊気味だ。なんとか巻き返しを図りたいサムスンだが、世界のスマホ市場シェアに多大な影響を持つ中国市場ではすでにiPhone 6sの販売台数が1,000万台を突破する予想であり、苦境はまだまだ続きそうだ。  こうした苦境を乗り越えようとサムスンは、iPhone 6sの9月発売に先駆け、8月に最新機種Galaxy S6 edge+とNote 5の販売を開始。アップル社との全面対決に乗り出した。この対決の行方は、スマホ市場では大きな注目を集めている。ネット上でも、発売前から、両機種の機能面を比較するような話題が多く上がっていることは周知の通りだろう。  しかし、サムスンの苦境は、ホームグラウンドである韓国でも顕著だ。韓国国内で絶大なブランド力を誇ったGalaxyも、最近ではiPhoneに押され気味。実際、昨年10月までは、韓国でのiPhoneシリーズの市場シェアは15%にも及ばず、サムスンによるスマホが60%以上を占めていた。  だが、iPhone 6が昨年10月に発売されると、その月のスマホ市場のシェア率に大きな変化が。なんと、iPhone 6の市場シェアが33%と大幅に上昇する半面、サムスン製のスマホは46%にまで落ち込んでしまったのだ。    ちなみに、韓国スマホ産業で海外企業が市場シェアの20%を超えたのは史上初のこと。これまではサムスン製のスマホが50%以上を独占していただけに、iPhoneシリーズの躍進が同社に大ダメージを与えたことは間違いない。  昨年、iPhone 6が大幅な躍進を遂げた裏には、サムスンが同年に発表したGalaxy S5の不振が大きかった。S5の販売台数は、好評だったS4の販売台数4,600万台に届かないばかりか、12年に発売したSIIIの3,250万台にすら達していない。韓国人ユーザーの酷評も多かった。 「デザインも性能も、これといった目新しいものがない」 「何も驚くような点がなくて、Galaxy S5には失望した」  ユーザーの意見の多くに見られたのは、「進歩のなさ」を非難する声だ。これは、国内シェアの半数以上を独占していたことによる怠慢だと思われても仕方ない。一部からは、サムスンはアップルの物真似をしてシェア1位になったが、先頭に立ったことで真似をする相手がいなくなったとの陰口も聞こえてくる。  こうした問題提起にサムスンの経営陣は、一から出直すことを決意。「プロジェクト・ゼロ」を立ち上げ、今年3月にはデザインなどを一新したS6の販売台数向上に努めたが、結果として販売数は低い水準での回復にとどまっている。一度失った人気を回復するのは並大抵のことでなく、ライバルであるiPhoneの力が大きすぎるのも原因といえるだろう。    今回のiPhone 6sの発売は、韓国スマホ市場のパワーバランスを揺るがす結果になるとの見方も少なくない。サムスンの未来を占う上でも、iPhone最新作に注目したい。

「いつまでも、夢を与える存在でありたい」【森下純菜】デビュー21周年を迎えた“ザ・アイドル”の素顔

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 元祖フリーアイドルで声優のルンルンこと宍戸留美さんが、自らカメラマンとしてかわいい声優さんたちの写真を撮り、さらにアイドルライターの私(小明)がインタビューする不思議な連載の36回目! 今回は、25枚目のシングル発売を控えた、今年でデビュー21周年というライブアイドル界のレジェンド、森下純菜さんが来てくれました! ――ご無沙汰しています! あの、私、昔ライブでご一緒させていただいたことがあるんですが……。 森下 ご無沙汰してます、バッチリ覚えてます(笑)。 ――ひー恥ずかしい! 私はそれが初めてのライブで、もうボロボロのひどい有り様で、マネージャーに「あの人を見て勉強して」って言われたのが森下さんのライブでした。それから10年以上経過して、森下さんは今年で芸能生活21年目ということで……人生の半分以上も歌を歌って生きているなんてすごすぎです! 森下 数字にすると「おお~」と思いますけど、本当に気付いたら……という感じで(笑)。ファンの方も、20歳で出会った方がもう40歳ですし、みんなで一緒に年を重ねています。 ――もう親戚感覚ですね。ファンが増え続けているというのも素晴らしい! 森下 昔からの方はずっとですし、新規の方もちょっとずつ。あと、昔応援してくれていたけれど、お仕事の都合だったり、家族ができたりで一度は離れていた方が、「まだ歌ってたんですね」って帰ってきれくれたりするんです。そういうときはとてもうれしく思いますね。 ――ずっと続けていると、そういう出会いと別れを繰り返しますよね。ファンからすると、いつも歌っていてくれるからうれしいことでしょう。 森下 そう思ってもらえれば。ふふふ。 ――森下さんのライブはとにかく可愛いですよね! 90年代のサンミュージック系アイドルの王道スタイルというか。このスタイルを確立したのはいつなんですか? 森下 確立したのは……ずっと? デビュー前からやっていたと思います。 ――えっ、デビュー前から!? 森下 CDデビューしたのは1996年ですけれど、活動を始めたのは94年くらいなので……。デビューまでは事務所の主催ライブとか、ジョイントライブとか、そういうものに出ていました。 ――はじめから、あの完成度ですか!? 森下 そんなに完成はしてないっていうか、今でもまだまだですよ(笑)。ずっとアイドルが好きで、1人で振りつけを真似していたので、それが染みついているのかも? ――なるほど~。やっぱり小さい頃から「アイドルになろう」って決めてたんですか? 森下 アイドルが大好きで、音楽を聴いたりアイドル雑誌を見たりはしていたんですけど、自分がなろうって思ったのは、高校2年生とか……遅いんですよ。ただ本当に憧れているだけでした。 ――その、憧れを現実にしようとしたきっかけは? 森下 きっかけは、CoCoさんのコンサートかな。ステージを見て、「私もあっち側で、可愛い衣装を着て、名前を呼んでもらえるようになりたい」と思いまして、まず、名古屋の芸能の養成所に入りました。 ――なぜ養成所に? アイドルオーディションとかでなく? 森下 当時は私もよくわかってなかったんですけど、ビッグアップルさんと、ヒラタオフィスさんの系列の養成所だったので、ゆくゆくはビッグアップル所属の高橋由美子さんみたいになれるかな、なんて期待したんですけど、どうやら違ったらしく(笑)。歌と殺陣を習いながら、先輩方が「自分でチャンスを掴んでいかなければいけないんだよ」「ここにずっといてもしょうがないんだよ」って教えてくれて、事務所に入ることにしたんです。それが、当時、水野あおいさんが所属していたアルテミスプロモーションでした。
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――ライブアイドルの草分けですね! それはオーディションで? 森下 オーディションというか、その時、アルテミスもタレントがあおいさんしかしなかったので、「もしかしたら次に売り出してもらえるかも」と思って、アイドル雑誌に載っていたファンレターの送り先に、履歴書を送りました。それで連絡をいただいて、ちょうどクリスマスの時期に、社長が名古屋まで会いに来てくれて、姉と一緒に会ったんです。 ――社長がわざわざ!? でも、それ、物語だったらお姉さんがスカウトされるやつですね! 森下 あはは! 姉は一生懸命「まだ何にも染まってない妹なので、そちらの事務所でデビューに向けて育てていただけませんか?」って売り込みをしてくれました(笑)。 ――マネジャーみたいなお姉さんですね、貸してほしいです……! それで、すぐ所属に? 森下 所属になったかどうかはわからなかったんですが、社長に会ったのが年末で、その後すぐ「年始にアイドルライブが川崎のクラブチッタであるから出ないか」って言われて……びっくりしましたね。 ――会ってから初ライブまで一週間後くらいじゃないですか! そんな風に言われて、すぐに歌えるものでもないですよね? 普通は事務所でレッスンを積んでから……。 森下 それが、私、瀬能あづささんがCoCoを抜けたときに、いつでも入れるように振り付けを練習していたので(笑)……そのライブではCoCoさんと、三浦理恵子さんの曲を歌わせていただきました。完成度はよくわからないんですけど、自分なりには、はい(照)。 ――瀬能さんも、ちょうどいいタイミングで抜けてくれたものですね……! 形は違えど、森下さんも可愛い衣装で名前をコールされる側になられたわけですが、ご苦労も多いことと思います。可愛い衣装なんて、本当に高いですもんね。こういうステージ衣装はどこで買っているんですか? 森下 ステージ衣装は、スタイリストの方に作ってもらっています。 ――作るの!? それは、かなりお高いんじゃないでしょうか? おいくらするんですか? 森下 ……? ちょっと、わからないです。聞いたことがないので……いくらなんだろう? 事務所代表 うちはそういうのは教えてないので、彼女はひとつも知らないと思う。 ――なにそれ、昔のアイドルみたい……! えっと、衣装の他にも、ファンの求める“ザ・アイドル”な自分をキープするのは大変じゃないですか? 森下 うーん……? それも、あんまり考えたことがないですね。一番自分の好きなアイドル像が、このスタイルなので、これからも続けて行きたいと思っています。 ――ファンの理想と自分の理想がマッチしているという奇跡のアイドルがここに……!! でも、ライブや物販なんかでファンの方との距離が近いぶん、危ない目にあったりしませんか? 森下 そういうのは、一度もないです。
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――そんなまさか! 私には定期的に殺害予告みたいな手紙が届きますのに? 事務所代表 本人が良い人だから、ファンもミラーリングされて、良い人ばかり集まるんですよ。 ――そうですか……んっ? それはどういう意味かな? 森下 あっえっと、皆さん良い人ばっかりです! ――ちなみに、アイドルには男の影があっちゃいけないとか、そういうのも実践されてますか? 森下 そうですね、いつまでも夢を与える存在でありたいので……。 ――つ、爪の垢をください!! 歌手活動の他に、写真集を5冊も出されてますよね、私『金魚』(00年/ぶんか社)大好きです! 露出度は高いのにぜんぜん下品じゃない、独特な作品ですよね。グラビア活動はどうでしたか? 森下 ありがとう、うれしいです(照)。事務所に入ったときは、まさか自分がそういう仕事をするとは思いもしなかったんですけど、不思議と嫌ではなくて、やっていくうちに楽しくなって、「意外とこういうのも向いてるのかな」って思いました。“魅せる”っていうことが楽しかったです。 ――5冊出せる人なんて、いまAKB48にもいないですよ! でも、露出度が多い仕事に不安はなかったですか? 森下 露出度に関しては不安もありました。露出の多いグラビアをやり始めてから離れて行ったファンもいましたし……。やっぱり、清純なイメージで好きでいてくれた方にとっては、違うものになってしまったんでしょうね。 ――「かわいいお洋服を着て歌ってる純菜ちゃんが見たいのに!」ってことなんですかね。気持ちはわかりますけど、難しいですよね。 森下 グラビアで、グラビア方面のファンの方も増えましたし……難しいですよねぇ。 ――いろいろと難しい中で、引退を考えたことは? 森下 一度、水野あおいさんが引退されたときに、「私もアイドルとしてこのままでいいのかなぁ」とか、「普通の生活もいいのかなぁ」って、引退とはいかないまでも、将来のことを考えました。このまま続けて、女優になるわけでもないし……。その時に、現在所属している事務所の代表の大山さんの紹介で、台湾に渡ったんです。台湾でお仕事をして、台湾の大学にも通って……。 ――私、後輩です。台湾で同じ大学ですよ。私はぜんぜん仕事なかったですけどね! 森下 偶然ですね、私も(笑)。
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――ちなみに、森下さんはどういう流れで台湾に? 森下 今の事務所の代表が『ウリナリ!』のプロデューサーさんと仲が良くて、紹介していただいて、3人で台湾に見学に行って……。はじめは「日本から通いながらお仕事できるのかな」って甘い考えでいたんですけど、「言葉を覚えるために向こうで暮らす」っていう条件があって……。悩んだんですけど、もともとアジアで活動したいと思っていましたし、ビビアン・スーさんも好きだし、行ってみようって。 ――『ウリナリ!』なんてビデオに撮って爪も折ってました……すばらしい人脈です! 森下 ありがたいことに……(しみじみ)。でも、最初に3人で行ったときは、美味しい物もたくさん食べて、「わぁ楽しい~」って感じだったんですけど、1人になると途端にホームシックになってしまって。いろんなことにネガティブになってしまって、一つ一つ楽しむことができなくて。それで、やっとお友達ができて、楽しくなってきた頃に活動の期限が終わるっていう(笑)。 ――台湾で生活していたのはどれくらいだったんですか? 森下 半年くらいです。お仕事は、台湾の芸能情報を伝えるパーソナリティのアシスタントをしていました。 ――中国語で!? 森下 日本語で(笑)。はじめはホームシックで不安ばっかりでしたけど、大学では、誰も私のことを知らない状態から、普通に同級生と仲良くなってお友達になれたりして……そういう普通の生活を久しぶりに送れたのがすごく楽しかったです。だから、帰るときは「これからもっといろいろなことができるんじゃないかな」って残念に思ったくらい。 ――本当にこれからなのに、ちょっともったいないですよね。 森下 台湾の景気が下り坂の時期で、当時所属していた事務所の経営もあまりよろしくなかったみたいで……。 ――おお、せちがらい。帰国してからの活動はどんな感じだったんでしょう? 「留学する」って言うと、引退扱いされちゃいませんか? 森下 一応「留学します」っていう最後のライブをしてから行ったので、みんな待っててくれて。でも、留学中は、まだツイッターとかブログもなかった時代だし、しかも留学中に当時の事務所も傾いてしまっていて。 ――ファンは昔の遠距離恋愛みたいな状態に置かれてたんですね……え! 事務所が!? どうしよう!! 森下 なので、帰ってきたときに、今の代表に新しい事務所を紹介してもらったんですけど、それがタレント事務所だったんです。その期間は名前もちょっと変えて、ライブ活動もしないで、タレントをやっていたんですよ。でも、タレント活動って大変ですね(苦笑)。テレビでは自分の力不足が大きく出てしまって、言葉で伝えるっていうのは大変なんだなぁって思いました。そうやっていくうちに、やっぱり私はテレビタレントでもなく、台湾にいたときのような普通の生活でもなく、“アイドル歌手”がやりたいんだって気付きました。いろんな寄り道をさせてもらった結果、本当にやりたいものに気付いたんです。やっぱり、これが大好きだから……。
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――天性のアイドル歌手だ~!! では、このお仕事を続けていて良かったことはなんですか? 森下 デビューする前に『夢がMORIMORI』(フジテレビ系)っていう番組のスーパーキックベース(出演者がキックベースで対戦するコーナーで、レギュラーメンバーの名字にはみんな“森”がついている)のオーディションを受けて、私は落ちてしまったんです。けど、森口博子さんが、私に「これが終わりじゃないから。これから頑張ればいいんだよ」って言葉をかけてくださって……。その後に無事デビューして、2007年に森口さんと同じステージで共演させていただく機会があったんです。その時、楽屋に挨拶に行かせていただいて、「森口さんの言葉をいただいて、私は今も頑張ってます」って言ったら、森口さん、私のことを覚えていてくださって……! その時に一番「続けていて良かった」と思いましたね。 ――森下さんも私のこと覚えててくれましたもんね、私も続けてて良かった! 森口さんのステージはどうでしたか? 森下 涙が止まらないほど感動しました。やっぱり“本物”っていうか、貫禄が違いますし、いろんな思い出が駆け巡っていきました。 ――辛いできごとも駆け巡りましたか? 森下 んー……私、本当に「辛い」って思ったことがなくって……。好きなことばかりやってきたから。今も、家族とか、今の事務所の方が、本当に良い環境でやらせてくれているので、それに甘えてしまって。ふふふ。 ――なんて羨ましい言葉!! しかしながら、多くのライブアイドルにとって、森下さんのように長く続けていくのはそうとうハードルが高いことですよ。活動を長く続けるコツはなんですか? 森下 私をよくわかってくれてる人がいろいろとやってくれているので、私はそのレールに乗っているだけなんです……。 ――そういうところも、ザ・アイドル! 運営的にはどうですか? 事務所代表 夢を壊さないことと、作品を出し続けることです。彼女とファンの世界を守ってあげること。デビュー記念ライブをやって、お誕生日ライブをやって、クリスマスライブをやって……毎年同じようなことの繰り返しかもしれないけど、それを着実にやって、ファンの夢を壊さない。それがとても大切だと思います。 ――なるほど、ファンの夢を壊さずに森下さんの夢も叶えているという素晴らしい手腕! でも、森下さんみたいにナチュラルボーン・アイドルじゃないと無理が出ちゃいますね……。ちなみに、21年で、曲は全部でどのくらいあるんですか? 森下 160曲ですね。 ――160曲!? オリジナルで!? 森下 オリジナルで(笑)。
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――気が遠くなる数字です……! 作詞もされていますけど、恋の歌は実体験だったりしますか? 森下 私、21年目ですけど、未だに手も繋げないような歌詞ばかり書いてしまうんです。あとは夢を追うとか、元気を与える歌が多いですね。 ――大人の恋愛の歌とかは? 森下 難しいですよね、私はたぶん書けない(笑)。そういう機会が与えてもらえるんですけど、なかなか……。 事務所代表 彼女の書く歌詞に生々しさは一切ないんです。ファンもそれは求めていないですしね。 ――ア、アイドルだ……! では、もし、アイドルになってなかったら、何になっていたと思いますか? 森下 うーーーん。……やっぱり、アイドルがいいですね(笑)。もしかしたら名古屋にいたかもしれないけど、今は名古屋にいても活動できるだろうから、名古屋の地方アイドル……かな(笑)。 ――場所が変わっただけ! 最後に、今後の野望をお願いします! 森下 ファンの方のコミュニケーションする場を大切にしながらライブをやって、作品を残しつづけていきたいです。その作品と共に、ファンの方と一緒に成長していければいいなぁ。 ――私も一緒に成長したいです! 今日はありがとうございました! また会える日を楽しみにしています! (取材・文=小明/撮影=宍戸留美) ●もりした・じゅんな 1994年芸能活動開始。1996年CDデビュー、徳間ジャパンやバンダイミュージックなどでアルバム12枚、シングル25枚を2015年までに発売、写真集5冊をワニブックスなどで発売。ソロライブ開催は83回、オリジナル曲は160曲に及ぶ「ライブレジェンド」。 最新CDは、9月27日全国発売のシングル「夢時間(Dream Time)」 オフィシャルホームページ http://junna.tv/ Twitter @JunnaMorishita ■9月26日(土)森下純菜 大阪ソロライブVol.83「Dream time」 レコ発バースデー 時間:18:00 Open 18:30 Start 場所:南堀江ビレボア・・・06-6536-2002  住所:大阪市西区南堀江1-15-11 WINビル2F 料金:前売3500円・当日4000円(D別) ■9月27日(日)森下純菜シングルCD「夢時間(Dream time)」発売記念イベント  TOWERレコード難波店にて開催! 時間:16:00~17:00 場所:TOWERレコード難波店 住所:大阪府大阪市中央区難波千日前12-22 難波センタービル5Fイベントスペース ■10月17日(土)森下純菜レギュラーライブ「GENKI!? Vol.81 SP」 時間:11:30 Open 11:50 Start 場所:恵比寿CreAto(クレアート)・・・03-3770-7755 住所:東京都渋谷区東3丁目14-19 ■11月23日(祝)太田貴子トーク&ライブ「Dreams」新宿ルイード 時間:18:00 Open 18:30 Start 場所:新宿ルイードK4・・・03-5292-5125 住所:東京都新宿区歌舞伎町1-2-13新光ビルB2 出演:太田貴子 トークゲスト:大山文彦 オープニングアクト:森下純菜 詳細ページ:http://idolshot.com/takako.html ■12月29日(火)森下純菜ソロライブ「純菜降臨28 Super LIVE2015」 日時:2015年12月29日(火)18:00 Open 18:30 Start 場所:渋谷テイクオフセブン・・・03-6427-5273 住所:渋谷区宇田川町32-12 アソルティ渋谷1F ●ししど・るみ 1973年、福岡県生まれ。1990年にアイドルデビュー、18歳でフリーアイドルになり現在まで様々な分野で活動中! フランス、ドイツ等でもライブを行い音楽活動で高い評価を得ている。 子供達に絶大な人気を誇るNHKアニメ『はなかっぱ』ももかっぱ役で声優を務める。 デビュー25周年! 『デビュー25周年記念プロジェクト始動中!! 』 https://motion-gallery.net/projects/runrun25 最新インタビュー掲載中 http://otapol.jp/2015/08/post-3687.html テレビアニメ 『はなかっぱ』ももかっぱ役『VENUS PROJECT-CLIMAX-』黒城星役 webドラマ『鬼の人美に涙』配信中! https://www.youtube.com/watch?v=_6geVevMNG8
ルミネッセンス 形態:8曲入り 定価:¥2,500(税込) 品番:SNDL-0003/JAN:4514306011869 レーベル:sundaliru amazon_associate_logo.jpg
公式ブログ http://s.ameblo.jp/sundaliru/ ●あかり 1985年、栃木県生まれ。02年、史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。『卑屈の国の格言録』(サイゾー)、『アイドル墜落日記 増量版』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/>シングル「君が笑う、それが僕のしあわせ」発売中<http://www.cyzo.com/akr/>。

少年Aを闇に戻した『絶歌』出版 幻冬舎・見城氏、太田出版・岡氏の社会的責任は?

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『週刊文春(9/24号)』(文藝春秋)中吊り広告より
今週の注目記事 1位 「川崎老人ホーム3人転落死『疑惑職員23歳』の素顔」(「週刊文春」9/24号) 2位 「日本の移民地帯でEU難民問題を聞いてみると」(「週刊文春」9/24号) 「今週の遺言 大橋巨泉」(「週刊現代」9/26・10/3号) 3位 「大水に呑まれた日常」(「週刊新潮」9/24号) 4位 「『少年A』を闇に戻したのは誰か」(「週刊新潮」9/24号) 5位 「『嵐』の大野智が10歳年下元女優と本気の同棲愛全熱撮!」(「フライデー」10/2・9号) 6位 「山口組分裂! 二つの菱軍団『怒りの応酬』!」(「アサヒ芸能」9/24・10/1号) 7位 「<司法試験問題漏洩> 明大院教授青柳幸一67歳が夢中で口説いた『黒髪の乙女』」(「週刊文春」9/24号) 8位 「『首都水没』完全シミュレーション」(「週刊文春」9/24号) 9位 「JR不審火 42歳ミュージシャンの異様すぎる頭と素顔」(「フライデー」10/2・9号)  今週は、現代とポストが合併号でお休み。そこで4誌の記事から選んだが、大スクープはなく残念ながら順位はつけなかった。  まずはフライデーから。このところ嫌な事件が連続して起こっている。埼玉県熊谷市で起きた6人殺人事件もそうだ。別件逮捕されたペルー人は自殺を図ったそうだが、彼は10人兄弟の末っ子で、上から4番目の兄は17人を殺害したとして、2007年に懲役35年の刑が確定して服役中だという。  東京都内のJR東日本敷地内で、相次いだ不審火事件も同様だ。品川区の変電所付近に火のついたペットボトルのようなもの投げ入れ、同社の業務を妨害した疑いで逮捕された、東京・吉祥寺に住む42歳の自称ロック・ミュージシャン、野田伊佐也容疑者も不可解な人物のようである。  動機は体制への「反旗」で、反原発運動などもやっていたようだ。フライデーで社会部記者がこう話す。 「野田は安倍政権の原発再稼働に反対で、『大量の電力消費が許せなかった』と供述しています。『下品盗賊(野田容疑者がインスタグラムにアップしていた言葉=筆者注)』とは電車の運行を指しているのではないか。父親は有名国立大の名誉教授を務める芸術家で、母親はイスラエル人。幼少期から首都圏で育ち、何不自由ない暮らしをしていたはずですが、『オレの意見では』が口癖で、周囲には社会の不満を漏らしていたそうです」  週刊誌が事件ものを追いかけなくなってしまったが、今週のフライデーは事件ものの記事が多い。天晴れである。  原宿署へ護送される野田容疑者の車内での写真は、よく撮れている。写真誌の面目躍如。ロッカーなら、国会前で不満を大声で歌えと言いたい。反体制、反原発を訴えている人間が罪を犯したのでは、権力側の思うツボではないか。  栃木や茨城で降った総雨量が、600ミリを超えたといわれる。文春によれば、多くの自治体は大雨時の浸水ハザードマップを公開しているが、その多くは総雨量589ミリを記録した2000年の東海豪雨を基準に作成しているため、それを超えたら被害はどれくらいになるか計り知れないという。 「鬼怒川の豪雨が首都圏で降れば被害はその比ではありません。利根川氾濫を対象とした政府の試算では、最大で死者六千三百人の被害が出ると予想されています」)(土木学会首都圏低平地災害防災検討会座長・土屋信行氏)  私の住んでいるのは東京中野区、大久保通り沿い。武蔵野台地に位置する東京西部である。土屋氏は、武蔵野台地には神田川や善福寺川などの中小河川が数多くあり、台地を削って流れているため勾配が急だから、短時間で水位が上がると言っている。  中野のほかには杉並、三鷹、武蔵野市がゲリラ豪雨に注意が必要だそうだ。私の家は青梅街道と早稲田通りの谷間にある。そのためだろう、小学校は「谷戸小学校」という。  子どもの頃は、台風が来るとすぐ近くの桃園川があふれ、床下浸水は何度も経験している。今はその川が暗渠になり、歩道になっているからわからないが、ゲリラ豪雨があれば間違いなく氾濫するだろう。  先日早朝、震度4の揺れの大きい地震があった。70年間、さほど大きな天変地異もなくきた東京だが、そろそろという予感がある。  今度の世紀末を思わせる映像の中で、唯一明るい話題になったのは、濁流の中でピクリとも動かず次々に流されてくる家々を受け止め、スクッと建っていた一軒の白い家だった。  文春によれば、これは旭化成のヘーベルハウスだそうである。鉄骨の枠組みの堅牢な造りで、阪神・淡路大震災のときも7棟あるヘーベルハウスは健全な姿で立ち続けていて、写真誌にもその姿が掲載されたそうだ。確かに、ほかの〇〇ハウスより頑丈そうだが、高いのだろうね。  参議院での安倍自民党の強行採決で、安全保障関連法案が成立してしまった。しかし、国会周辺だけではなく、全国に反対運動の輪が広がっていることに、60年安保当時を少し知っている世代の私は感動している。  安倍首相やその周辺の人間は、たいした数ではないなど言っているが、とんでもない。あの当時と違って、政治に無関心な人間が多い中で、若者を含めこれだけの盛り上がりを見せていることに畏れるべきである。  SNSを含めたメディアの多さを考えれば、当時と匹敵するか、それを凌いでいると思う。こうした反対運動の広がりを見ていながら、ことの重大さをわかってない週刊誌が多すぎはしないか。  新潮などは取り上げてはいるが、その視点は誉められたものではない。「『SEALDs』国会デモの経歴は就活に不利か有利か?」「長い時間がかかる『違憲訴訟』の最終的な結末は?」「『国会デモ』の新聞全面広告の代金は誰が出したか?」など本筋と関係ないところばかりで、新潮の姿勢にこそ「疑問(新潮のタイトルは「『安保法案』7つの疑問」)」がある。  安保法案に賛成なら賛成とハッキリ態度表明して、特集を組めばいいのだ。  私の知り合いも毎夜、国会周辺に行っているが、私は行かないことにしている。60年、70年の安保闘争は成立してしまってから、あっという間に衰退し、多くの人間は就職して社畜の人生を選択し、政治や社会への怒りを忘れていった。  私は学生運動には関わっていなかったが、同じ穴のむじなである。今回は、このような愚を犯してはいけない。日本もその当時とは大きく異なり、非正規労働者や下流老人たちが増え続ける社会に対する不満が、今回のような反安保のうねりになったと思う。デモに参加したというカタルシスだけを味わって、法案が成立したら忘れ去ってしまうのがこれまでのパターンだが、今回は、法案が成立してからが勝負である。  悔しさを忘れず、次の参議院選までその悔しさを持続しなければいけない。私も早稲田の塹壕から弾を撃ち続ける。一人ひとりが自分のできる範囲で、この安保法制を批判し、無効にしていく運動を続けていくことこそ大事なはずである。  さて、明治大学法科大学院の青柳幸一教授(67、12日付で懲戒免職)が、司法試験の考査委員にもかかわらず、20代の好きな教え子に司法試験の問題を漏らしていたというのは、いかに色ボケジジイが増えてきたかを象徴する“事件”である。  文春によれば、青柳氏はブランドスーツと女の子が大好きで、狙った女の子を連れていくのは山の上ホテルのレストランだったという。  教え子は、九州から出てきて熱心に司法試験を勉強していて、昨年も受けたがギリギリ不合格だったそうだ。そんな彼女に甘い言葉をかけたのが青柳氏だったのだろう。2人の関係は、学内では有名だったという。気の毒なのは、彼女のほうかもしれない。今後5年間は司法試験を受けられないという処分が下ったそうだ。  お次はアサ芸。山口組が分裂して、ヤクザに強いノンフィクション・ライター溝口敦氏が大車輪の活躍である。何事も一芸に秀でるというのは強いものだと感心する。アサ芸も溝口氏の連載を載せているが、そちらではなく、山口組から分裂して新組織「神戸山口組」を結成し、組長に就任した井上邦雄組長が発会式直後に出した「声明文」を紹介しよう。 「山口組創立百周年式典も慶事に終り初代山口春吉親分始め五代目渡辺芳則親分まで幾多の苦難を乗りこえ現山口組を築かれ 特に山口組三代目田岡一雄親分に於かれましては敗戦直後の最も厳しい中官憲の重圧にも屈することなく現山口組の礎をつくられた偉大な親分であります」  しかし、司忍六代目組長には厳しい言葉が並ぶ。 「現山口組六代目親分に於かれては表面のみの『温故知新』であり中身にあっては利己主義甚だしく歴代親分 特に三代目親分の意を冒涜する行為多々あり」  続けて、離脱に至った心中を明かしている。 「此の儘見て見ぬふりで見過ごしにする事は 伝統ある山口組を自滅に導く行為以外考えられず我ら有志一同の者 任侠道の本分に回帰致し歴代山口組親分の意を遵守する為 六代目山口組を離脱致し 新なる『神戸山口組』を発足し歴代親分の訓育と魂魄を亡失する事なく心機一転肝刻致し新しい神戸山口組に身命を賭す覚悟であります」  ここまではっきり本家の親分を批判したのだから、もう元には戻れまい。神戸山口組は、司組長らのカネの使途を記した書類を持ち出しているという報道もある。警察に持ち込んで、国税から山口組を揺さぶろうというのかもしれない。だが、警察の内部には山口組の息のかかった「スパイ」が何人もいるともいわれる。この「名神抗争」の勝者は、どうやら情報戦に勝利したほうが有利なようである。果たして、それはどちらか?  次は、フライデーの張り込みネタ。フライデーによると9月上旬の金曜日、夜10時半過ぎ。都心の岩盤浴施設から姿を現したのは、嵐のリーダー大野智(34)だったという。  大野の傍らには、ひとりの女性がぴったり寄り添っている。170cmはあろうかという長身で、大きな瞳に小さな顔、ロングスカートからのぞく足首はキュッと引き締まっているスレンダー美女だという。  2人が訪れていた岩盤浴施設は、完全個室が売りの店だ。 「個室に岩盤浴もシャワーも完備されているため、誰の目にもつかず、二人きりの時間を楽しめる。若い男女の人気デートスポットになっています。まぁ更衣室はないので、肌を堂々と見せ合える仲じゃないと利用は難しいですけど」(常連客)  彼女A(24)は、かつて女優として活動していたという。ドラマ『ライフ』(フジテレビ系)や映画『リアル鬼ごっこ5』などの有名作品に出演していたそうだ。  だが、女優業だけでは食べて行けず、西麻布のバーでバイトをしていて、店に来た大野と仲良くなり、1年ほど前から交際が始まったそうである。 「彼女も絵を描くのが好きで、『私たち趣味が合うの』とノロけていたことも」(Aの知人)  夜10時半に2人で店を出てタクシーに乗り込み、大野の住むマンションへ直行したという。 「二人は付き合ってすぐ一緒に暮らし始めたそうです。現在、Aちゃんは芸能活動を休止し、同棲するマンションで家事に勤しみ、忙しい大野クンを支えています。この間も、『朝7時起きの彼のために、前日から仕込んでホームベーカリーでパンを焼くの』と話していました」(同)  フライデーは岩盤浴デートから数日後、2人が白金(港区)の高級焼き肉屋を訪れる姿もキャッチしている。TOKIOの国分太一(41)は結婚したが、大野の結婚はそう簡単ではないという。 「ジャニーズが結婚するには、相手と最低5年は交際し、事務所に“本気度”を見せるという不文律がある。しかし嵐は事務所イチの稼ぎ頭。結婚は当分認められないでしょう。大野もそのことはわかっているはずです」(テレビ局関係者)  いやはや、人気者はつらいね~。  少年Aからメディアに送られてきた手紙が話題になっているが、新潮でAが事件を起こした後、7年2カ月もの長きにわたって収容され、治療を受けていた関東医療少年院の元院長の杉本研士氏が「『絶歌』の出版をきっかけにしてすべて(彼らがやって来た努力=筆者注)が台無しになり、彼が歩んできた更生の道のりは水泡に帰した」とまで言い切っている。 「誰からも『絶歌』が認められなかったことから自尊心を傷つけられ、孤独の海に再び放り出された心境に陥っている。その反動で、自己顕示欲が膨れ上がり、幼児性ナルシズムが前面に表れてきているようにしか見えません」(杉本氏)  Aは母親との愛着障害のほかに、遺伝子レベルの障害である行為障害、性的サディズム障害を抱えているというが、本の出版を機に「抑え込んだはずのマグマが爆発し、なにもかも無駄になってしまう恐れも出てきた」(同)。Aに出版を勧め、発行した幻冬舎・見城徹社長と太田出版の岡聡社長の罪は決して軽くないと、杉本氏は指摘する。  本を出版するとき、この2人は「企業の社会的責任」をどこまで突き詰めて考えたのだろう。嫌な言い方になるが「売り切ってしまえばハイそれまでよ」と考えていたとしたら、甘すぎるというしかない。  自分の本への想像以上の反発に「彼の奥深くに眠っていた攻撃的、挑戦的な性格が呼び起こされた」(同)Aが、再び同じような事件を起こさないように見守り導く「責任」が2人にはあるはずだと思うが。  珍しいが、新潮のグラビアを取り上げたい。「大水に呑まれた日常」の写真がいいのだ。  見開きの写真は、9月11日午後16時半の茨城県常総市役所近く。身体の半分が水に浸かった男性2人が子どもを肩車している。だが、後ろの車のフロントガラスに残った線を見ると、少し前までは男性の首まですっぽり埋まる高さまで水位があったことがわかる。  この1枚で、豪雨の怖さが過不足なく表現されている。映像ではさんざん流れたが、写真の強さをあらためて認識させてくれる。撮影・西村純とある。見事だ。  いま世界的に問題になっているのが、シリアから逃れてくる難民問題である。この問題がクローズアップされたのは、トルコの海岸に打ち上げられたシリア難民の3歳のアイラン・クルディくんの遺体の写真がネットに上げられ、瞬く間に世界中に難民たちの悲惨な実態が知られたことからだった。  アイランくんの一家はトルコに入国し、叔母のいるカナダへ移民申請をしたのだが、拒否されてしまった。そのため、仕方なく全長4.5メートルの小さな舟でギリシャを目指したが、高波を受けて転覆してしまったのだ。  この問題を日本の週刊誌はほとんど取り扱わないが、現代で大橋巨泉氏が書いている。  カナダは10月に総選挙を控えているが、なぜ移民を受け入れないのかが争点になり、「カナダはもっとシリアへの軍事介入を強めるべきだ」と主張するハーバー現首相の立場は苦しくなっているという。  だが、シリアを含めた中東・アフリカを逃れ、欧州に流入する難民や不法移民は今年に入ってだけでも36万人以上といわれる。ドイツのメルケル首相は難民受け入れに寛容だが、ハンガリーなどは徒歩で入国できるほぼ唯一の通りをフェンスで閉鎖するなど、EUの中で難民の対応をめぐって不協和音が出ている。  また、「確実なのは、ドイツをはじめ西欧諸国に、移民や外国人を排斥する極右勢力が力を増す」と巨泉氏は予測し、EUの壮大な試みは失敗に近づいていると悲観的だ。  ドイツへ越境しようとしているシリア難民の多くはクルド人だが、文春によれば埼玉県のJR蕨駅周辺にクルド人が2,000人近く住んでいる「ワラビスタン」と呼ばれる地域があるという。  トルコ政府との対立を避けて、90年代前半に渡航してきて5年ぐらいで倍増したが、「ほとんどが日本で難民申請を認められず、就労可能な『特定活動ビザ』や、数カ月毎に更新が必要な『仮放免』で不法就労をしながら滞在しています」(日本人支援者)。日本に来ればなんとかなるという情報が流れ、数百人のシリア難民が日本を目指しているともいわれるそうだ。  ちなみに、26年度で日本に難民申請した人は5,000人。認められたのは、わずかに11人だけである。国際貢献をうたうのなら、難民受け入れの枠をもっと広げるべきであろう。  ひどい老人ホームがあったものだ。文春と新潮がともに扱っている、川崎市幸区の介護付き老人ホーム「Sアミーユ川崎幸町」のことだ。  昨年11月から12月の間に、そこに入居していた要介護の男女高齢者3人が相次いで「転落死」したのである。  ベランダの高さは120センチあった。亡くなった女性2人の身長は140センチ台だというから、80代、90代の高齢者が乗り越えることは考えられないと、文春でベテラン介護士が話している。遺書もない。  故意にやったとすれば重大で、悪質この上ない犯罪である。神奈川県警が動きだした。そして、この事故が起きた「すべての夜に勤務していた」介護職員、23歳のAが捜査線上に浮かんできたという。  Aは5月に同施設内で窃盗事件を起こし、逮捕(起訴されたが、200万円で示談が成立)されていたこともあり、心証は真っ黒だと社会部記者が語っている。Aは同月に解雇されている。  だが、逮捕されたときのために取材しているマスコミの囲み取材に対してAは、「疑われているのではないかと不安だ」と冷静に応じている。それというのも、「事故死として処理したため司法解剖は行われず、遺体は火葬されてしまった。いまさら検死のしようもありません。しかも、鑑識すらまともに行っていなかったふしがある」(社会部記者)そうだから、殺人として事件化できなければ警察のメンツに関わるというが、難しい捜査になるはずだ。  このケース以外でも、この施設でひどいことが発覚している。6月にAの同僚たちによる、85歳の女性入居者への虐待である。被害者の家族が母親の顔に血がついていたので施設長に抗議をしたが、反対に「お前らはうるさい」と、怒鳴られてしまった。  そこで、母親の部屋に密かにカメラを設置した。4人の職員たちが母親に「死ね」と暴言を吐き、首を絞め、頭を叩いているシーンを押さえることができた。それを証拠にして川崎市に訴え、4人は自宅謹慎の後、解雇されているが、刑事罰にはならなかったようである。  こんな施設でも、入居者には人気だったという。なぜなら入居金はなしで、月額利用料が全国平均の24万円より安い22万円だから、入居者が殺到した。だが、「食事はひどいし、事故は多発するなど、業界では“フダ付き”のブラック老人ホームです」(介護コンサルタント)。こんな施設が、ほかにもまだまだあるはずだ。終の棲家がこんなのでは嫌だが、そうでない老人ホームは高いだろうし……。 (文=元木昌彦)