性売買を行った者は、買春した者、された者を問わずすべて処罰する――。そう規定した韓国の「性売買特別法」は、9月下旬で施行11周年を迎えた。ソウルでは同法の廃止を要求するデモが開かれており、1,000人余りの売春婦たちが参加。「少数の弱者である性労働者たちの人権と生存を脅かす悪法・性売買特別法の廃止を希望する」などと書かれた決議文を発表し、自発的な性売買の合法化を求めた。 性売買の合法化は、最近の韓国でホットなイシューだ。売春婦にとって性売買は、生活のための“お仕事”。それを違法とすることは、売春婦からすれば職業選択の自由を侵害されていることになり、違憲性があることは明らかだろう。また、性売買を厳しく取り締まるようになったことで、より隠密化したとの指摘も尽きない。例えば、ルームサロン(ホステス付きの個室クラブ)などの売春行為の温床となっている“飲み屋”は、2004年当時3万軒にすぎなかったが、現在は4万5,000軒と1.5倍に増加。世代を問わず、フィリピンなどに買春ツアーで訪れるヤカラも続出しており、二次的な問題も多発しているのが現状だ。 そんな中、去る4月には憲法裁判所で公開弁論が開かれ、“公娼制度”についての必要性も議論されている。公娼制度とは、性売買を国家が認め、関連産業を管理する制度のこと。成人が指定された場所で自ら性売買を行った場合、処罰しないという、いわば性売買の合法化だ。韓国では日本統治時代である1916年に公娼制度が導入されていたが、終戦後の48年に廃止。それが現代になって、復活の機運が高まっているわけだ。 とはいえ、性売買特別法が廃止されるとなると、やはり社会秩序が大きく乱れるという側面も見逃せない。罰する法律が廃止され、「裁かれない」となると、そこに新たなビジネスチャンスを見つける人々も少なくないのだ。 事実、韓国では今年2月に姦通罪が廃止されたが、廃止から7カ月が過ぎた現在、“不倫産業”が流行しているという。既婚者たちの出会いをあっせんするソーシャルデート業者の数は200を超えており、性売買の窓口として活用されているというのだ。韓国版「アシュレイ・マディソン」を自称するサイトも登場しており、その市場規模は500億ウォン(約50億円)に達するほどの急成長を見せている。不倫という既婚者に限定される行為を禁止法律よりも、さらに対象が幅広い性売買特別法が廃止されるとなれば、その影響力の大きさは想像に難くないだろう。 それでも、生活のかかった売春婦たちの声は懸命だ。前出の売春婦デモの参加者らは、世界に700万人の会員や支持者のいる国際人権団体アムネスティが、性売買を合法化すべきだとする決議を発表したことを挙げながら、「なぜ、性労働者は労働者として認められないのか!」と強く訴えている。 性売買を厳しく取り締まる特別法が施行されてから11年。それが大した効果を発揮していない現状を見ると、韓国が“性産業大国”の汚名を返上するために残された道は、もはや性売買の合法化しかないのかもしれない。
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「予想だにしない光景に、思考が完全停止?」中国・レイプ現場を傍観する人々に非難の声
9月21日、オフィスビルのエレベーターの前で男が女性をレイプしようとした様子を映した監視カメラの映像がネット上に公開され、傍観するだけで助けようとしなかった周囲の人間に対し、ユーザーたちから批判の声が上がっている。 同映像には、男がエレベーターの前で急に女性に襲い掛かる様子が一部始終収められている。女性は抵抗したものの、力でかなわず、男に上から覆いかぶさるように押さえつけられた。 動画の冒頭、男がズボンを下ろし女性の服に手を付けようとした際、エレベーターが開き、最初の目撃者が現れた。しかし、台車を押していたこの男性は、目の前に広がる予想だにしなかった光景に思考が停止してしまったのか、助けもせずにそのままエレベーターを閉じてしまった。その隙に女性は男を振りほどこうと抵抗、声を聞いた人々が集まってきた。しかし群衆は事態をのみ込めないのか、誰もが傍観しているだけだった。人が集まり始めたのを見た男は、下ろしていたズボンを履き直すと女性にひざまずき謝罪したが、女性の怒りが収まるはずもなく、男は数回にわたり女性に殴られた。 現場がどこであるのかは明らかにされていないが、ポータルサイト「新浪」などの報道によれば、驚くべきことに男女はこのオフィスビルにある会社に勤める同僚で、成り行きを傍観していた群衆の多くも彼らの同僚だったようだ。 ネット上では同僚たちを責め、「これが自国民だと思うと情けない」「道徳も何もあったもんじゃない」と批判の声が上がる一方、「見ろ、カラオケやサウナを取り締まった結果がこれだ。最近、強姦事件が多発している!」と、今回の事件の背景に、政府の売春取り締まりにより男性が性欲のはけ口をなくしたことがあると指摘する声も。 女性からすれば、男の身勝手極まりないロジックであるが、事実、昨年から続く売春取り締まりの裏側で、痴漢行為やセクハラ、のぞきなどといった性犯罪が以前にも増して頻発しており、その因果関係は簡単には否定できない。監視カメラの映像
中朝国境に架かる“貿易の大動脈”が大事故で使用不能も、新国境橋が「無期限開通延期」のワケ
10月10日に労働党創建70周年を迎える北朝鮮。ミサイル発射を含め、国を挙げた一大イベントで何かと物入りの時期だが、喉元を絞めるような事態が発生した。9月28日、中国・丹東と北朝鮮・新義州を結ぶ鴨緑江大橋で大型トラックが横転、車道と鉄道線路をふさぎ、物流がストップしているというのだ。中朝貿易の7割を占める大動脈だが、橋は日本統治時代に建設されたもの。しかも、新しい国境橋は完成しているが、使用不能という。中朝国境は、いつになく不穏な空気が流れている。 中国の画像サイトに投稿された事故現場の写真によると、橋の上で大型トレーラーが線路側に横転して、車道と線路ともに通行不能になっている。29日に通行止めは解除になったとの情報もあるが、路面の一部が陥没した画像も投稿されている。韓国メディアによると、中朝貿易の7割がこの鴨緑江大橋を通じて取引されているという。事故が起きた鴨緑江大橋
1943年に完成した橋は幅が狭く、車道1車線、鉄道は単線しか走れない。このため、車両や鉄道の行き来は、時間を決めて一方通行にせざるを得ない。 老朽化して輸送力に限界がある橋に、物流の多くを依存するリスクは極めて高く、今回の事故について民間の北朝鮮研究者は「起こるべくして起きた。10日の祝典で必要な資材、幹部へのプレゼントや食料が滞ることになれば、金正恩第一書記への忠誠度も下がる」と予想する。 こうしたリスクは前々からあり、それらを打開すべく、中朝はすでに故・金正日総書記時代に手を打っていた。2009年、中国の温家宝前首相が訪朝した際、両国は新橋建設で合意していた。 中国が建設費用をすべて負担し、現在の橋から10キロほど下流に、横浜ベイブリッジに似た白い「新鴨緑江大橋」が14年10月に完成。中国側は、税関や出入国管理所も新築して開通を待つ状態だが、先の研究者は「北朝鮮側の橋のたもとから先の工事が、まったく進んでいない」と指摘する。すでに完成している新鴨緑江大橋
実際、完成後に撮影された写真を見ると、橋の先にある北朝鮮領には家屋や畑が広がり、ロクに用地買収も進んでいないようだ。中朝貿易に詳しい中国人貿易商によると、「北朝鮮は『橋から先の道路も中国のカネで造ってほしい』と駄々をこねているため、せっかく完成した橋も、その先が途絶えたままの状態になっている」というのだ。 また、金正恩第一書記の叔父で、党行政部長というナンバー2の地位まで上り詰めていた張成沢氏が13年12月に処刑された影響があるとの見方もある。「橋の完成で、物資や人、投資が北朝鮮にどっと流れ込み、中国の植民地のようになることを北朝鮮は恐れている」(同)というのだ。だが、実質的に北朝鮮の指導者層の生活を支えているのは、中国からの輸入品だ。 9月初旬に北京であった軍事パレードでも韓国の朴槿惠大統領が優遇され、北朝鮮の使節は冷遇気味の扱いだった。北朝鮮が弾道ミサイル発射に踏み切れば、中国政府は北朝鮮と距離を置くことは間違いない。 新鴨緑江大橋の開通は、さらに延びそうな気配だ。橋のたもとで途切れている、新鴨緑江大橋の北朝鮮側
「ゲームの仮想通貨欲しさに、裸画像を送信」スマホ所有率6割の韓国小学生を狙った性犯罪が増加中
2015年現在、世界第4位(83%)というスマートフォン普及率を誇る韓国。特に、小学生のスマホ所有率は60%以上になるが、そのせいで小学生たちが過激にエロ化し、深刻な社会問題となっていることは、過去のコラムなどでも紹介した通りだ。 最近の小学生にとって、人生初の性教育は学校ではなく、スマホで見たAVやエロ画像ということもザラだ。ある性暴力相談所によると、「子どもがスマホで見たAVの刺激的な映像に夢中になって、友達と真似しようとしていた」と相談にやって来る親も年々増えているという。こうしたことから、「ソン(性)マートフォン」とも揶揄されているほどだが、最近はスマホを通じて性的搾取される小学生が増加している。 韓国の小学生の間では、スマホゲーム内で通用する仮想通貨を手に入れようと、チャットアプリで見知らぬ大人と会話する子たちが増えているようだが、そこに付け込まれているのだ。その手口は巧妙で、まずは大人のほうから「キミの(チャットの)顔写真、かわいいね」と子どもたちを誘う。子どもたちはもっと点数を稼いで架空マネーを手にしようと、自分のプライベート写真や動画などを送信。そして会話が盛り上がった頃に「裸やアソコの写真もみたいな。誰にも見せないから撮って送ってみてよ。ボーナスははずむから」と言われれば、仮想通貨欲しさに、つい言われた通りにやってしまうというわけだ。 また、ビデオ通話の途中、「トイレに行っておなかの下の部分を見せて」と要求され、何もわからない子どもにわいせつな行為をさせるケースもあるという。被害者の小学生たちは、自分が性的搾取されているとの認識もなく、その要求に応じてしまうのだ。しかも最悪の場合、相手から「会わないと、今までの画像をネットにばらまくぞ」と脅迫され、性行為を強要されることもある。 実際、今年3月には、SNSを通じて女子小中学生300人を脅迫してわいせつ画像や動画を撮らせ、性行為を強要した20代のアルバイト男性が逮捕された。この男はカカオトークなどのメッセンジャーアプリを使って、9~15歳の少女たちに接近。すでに入手していたほかの被害者の顔写真を送って「私もあなたと同じ年」と同世代であると偽り、恋愛相談などを持ちかけながら新たなわいせつ画像や動画を撮らせ、それをまた別の女子生徒を誘う餌にしては被害者を増やしていた。そして最終的には性行為を強要し、応じなければ過去の画像や動画をネットにばらまくと脅迫したという。脅された小学生が母親に相談。警察に通報したことで逮捕となったが、この手の被害に遭った小学生たちはもちろん、親たちは画像がネット上にばらまかれてしまうのではないかと、今も不安におびえているという。 しかも、この手の事件は処罰も難しいのが現状である。画像や動画の撮影だけでは、強要罪に問えないのだ。そのやりとりの中で、加害者の要求を被害者が拒否したわけでもないので、性的搾取には当てはまらないという判決が出たこともある。しかも、加害者のIDは偽名であること多く、追跡不可で立証すらできないのが最大の難点であるのだ。 韓国の児童ポルノ法である「児童・青少年の性保護に関する法律」は近年、厳しく強化されているが、その抜け穴を突くようにして増えている、スマホを悪用した小学生の性的搾取。韓国の小学生たちは自分たちが持つスマホが、彼らの新たな欲求不満解消法になっていることに早く気づくべきなのだが……。 (文=李ハナ)イメージ画像 Photo By Jordi Sanchez Teruel from Flick.
PC・スマホはもちろん、Wi-Fiルーターからアイロンまで! 中国製電化製品から情報がぶっこ抜かれている!?
9月1日、中国のPCメーカー「レノボ」は、同社が販売しているPCに搭載されている「Lenovo Service Engine」(以下、LSE)が Microsoft社の最新セキュリティガイドラインに準拠していないと公表した。6月以前に製造されたPCでは、LSEを無効にして関連ファイルを削除するように推奨している。 LSEは勝手にプログラムをインストールしたり、情報をレノボのサーバーに送信することができる機能を備えている。ユーザーが削除しても、自動的に強制インストールされるようになっており、手に負えなかったのだ。セキュリティの穴にもなりかねない上、そもそも勝手にソフトをインストールされたり情報を漏えいされるのは困ってしまう。セキュリティガイドラインに準拠していないというか、普通にマルウェアだ。もちろん、現在発売されている製品には搭載されていない。 このようなことは珍しくない。中国製のPCやスマートフォンから、ユーザーにわからないように情報が送信されているなど日常茶飯事だ。それどころか、バックドアという抜け穴が用意されていることもある。これはセキュリティの穴とは違って、設計者が自分だけひっそりと入れるように裏口を用意しておく手口のこと。スパイウェアが公然とインストールされているケースもある。 そのため、アメリカでは政府の重要な施設やインフラでは中国製の危機を使わないように通達している。ソフトバンクが買収したアメリカの携帯キャリア「スプリント」でも、中国製品を使わないことが売買契約の条件になっている。2013年には、イギリスやオーストラリアの新聞・雑誌が、アメリカだけでなくオーストラリアやイギリス、カナダ、ニュージーランドも、重要施設でレノボ製品を禁じていると報道されている。 実際、日本をはじめ世界中で被害が報告されている。14年には、無線LANルーターのドライバやファームウェアにウイルスが混入し、感染した機器には外部からアクセスできるようになってしまう事件が発生した。ちなみに、ウイルスは中国語の環境で作成されている。13年には、中国製のアイロンからWi-Fiチップが発見された。半径200m以内にある暗号化されていないWi-Fiに自動的に接続し、ウイルスに感染させるというものだ。BBCによると、アイロンだけでなく、中国製の自動車やカメラからも同様のチップが見つかっているという。 中国のサイバー攻撃は、年を追うごとに苛烈になっている。例えば、CIA(米中央情報局)から流出した内部文書によると、09年にNSA(米国家安全保障局)が中国軍からサイバー攻撃を受け、大量の情報が盗まれたという。そんな背景から9月4日、アメリカは攻撃を仕掛ける中国企業に制裁を科すと発表した。その後、25日にオバマ大統領と習近平主席が首脳会談。しかし、「お互いの国へのサイバー攻撃を支援しない」ということで握手したとの報道を見て絶句してしまった。「今までやってました」と認めているようなものなのに、それで終わり? これは、23日に発表があった、ボーイングの航空機300機を中国が4.5兆円で購入する件で手打ちになったとしか見えない。中国の剛腕ぶりには感心だが、ちょっと怖い。今の日本では、とても太刀打ちできない。 中国製の家電を使わなければいいのだが、なんせ安いので、会社で大量に買うPCなどはレノボにしてしまうこともある。“うちの会社くらいなら機密情報もないし、プライベートなデータもないから大丈夫だろう”という安易な考えによるものだ。とはいえ、そのコストが巡り巡って国益を損なうなら、ちょっと考えたほうがいいのかもしれない。 (文=柳谷智宣)
ある日突然、産んでいないはずの“息子”が出現! 中国・体外受精をめぐるミステリー
中国出身で香港在住の大金持ちのおばちゃん・王さんは今、あることに悩んでいる。自分では産んでいない「息子」がある日突然、目の前に現れたが、その子どもには戸籍がないため、学校に通えないのだ。上海の地元紙「澎湃新聞」(9月4日付)が伝えた。 王さん本人が同メディアに伝えたところによると、彼女は深センの病院に勤務する張医師と同意の下、体外受精によって2人の娘をもうけた。その後2人は別れたが、5年たったある日、王さんは知らない女性から突然、おかしな電話を受ける。 「生後8カ月になる、あなたの息子が、私のところにいる。10万元(約200万円)払って、引き取ってほしい」 その女性が送ってきた子どもの画像を見ると、確かに自分の親戚の子どもにそっくりだった。自分の息子だと確信した王さんは、子どもを引き取ることにした。念のためDNA鑑定をしてみると、99.99%で母子の関係という結果が出た。 王さんは「自分の卵子は張医師との間にしか受精させていない。子どもが自分と母子の関係であるならば、父親は張医師のはずだ」と主張。しかし、相手の張医師は一貫して認めない。そのため、王さんは張医師を訴えたが、裁判所は張医師が男児の父親である証明となるものがないと、王さんの訴えを棄却した。 しかし、なぜこんな複雑なことが起こったのか? 2人の出会いは2000年、王さんは不妊症を疑って病院に通院していた。そんな中、不妊治療の専門医である張医師と知り合う。王さんいわく、「当時、私はかなりの美人だったし、億を超える資産を持っていたの。病院を出る時、張医師は視線で私を誘惑してきたわ」。検査の結果、王さんには先天的な不妊原因があり、卵細胞は正常であるが、受精しても着床しないことが判明した。 王さんはその後、張医師から自分と子どもを持たないかと提案され、同意。同棲を開始し、豪邸を購入した。ほどなく2人は体外受精のプロセスに入り、01年には代理母が無事に長女を出産。2年後の03年には受精卵を王さんの体に戻し、自ら次女を出産した。 しかし、次女が誕生してから張医師との関係は悪化。すると、しばらくして張医師は失踪してしまう。体外受精で2人の娘と1人の息子を授かった王さん
そんな紆余曲折を経て5年後、自分が産んでいないはずの「息子」が突然、目の前に現れたのであった。 12年、王さんは張医師に男児を認知するよう再度訴えるとともに、DNA鑑定を受けるよう裁判所に提訴。しかし、資料が不十分であると棄却された。中国の規定では受精卵は永久保存されなければならないため、王さんは自分が体外受精を受けた、すなわち張医師が勤務していた病院で証明を受けようとした。しかし病院側は「王さんが自分ですべて持ち出したと記録されている」と回答。王さんは、息子は張医師が勝手に受精卵を持ち出し、代理母に産ませた子どもであると考えているが、それを証明するものが何もないのだ。 息子はすでに7歳になった。張医師が財産目当てで王さんに近づいたことは明白だが、なぜ体外受精で3人の子を産ませ、うち1人の男児については王さんに隠さなければいけなかったのか、真相は藪の中だ。 (取材・文=ルーシー市野)右が王さんの若かりし頃の写真だというが……。まるで別人のようだ
偽ギプス、休日出勤など、あの手この手……韓国“秋夕うつ”は嫁だけじゃなかった?
今年も9月26~29日まで“秋夕(チュソク)”の大型連休に突入した韓国。秋夕といえば、日本のお盆休みと同様、全国に散らばった家族が故郷へ戻り、家族や親戚一同で食卓を囲みながら楽しい時間を過ごすのが一般的なのだが、近頃、秋夕を苦痛と感じる韓国人がどんどん増えているという。 昔から、韓国の既婚女性にとって秋夕はストレスでしかなかった。夫の実家に帰省し、一日中料理を作り、膨大な量の皿洗いをこなさなければならない。おまけに、姑や小姑、さらにはその親戚連中からの嫌みに耐えたり気を使ったりと、精神的にも疲れる。ある調査によると、秋夕連休明けの離婚率は普段の20%、夫婦ゲンカは60%も増加するらしい。そんなこともあって、最近の韓国の若妻たちは、手段を選ばず、秋夕ストレスから必死に逃れようとしている。 例えば、昨年から人気なのが「偽ギプス」。もともとハロウィーンなどのパーティーグッズなのだが、これを腕や足に付けて帰省し、家事ができないふりをするというもの。まるでコメディドラマに出てきそうな話だが、実際にお正月や秋夕時期になると20~30代女性からの注文が殺到、売り上げが2倍にアップするという。ネット上には「前回使ってしまったので今回は無理ですが、まだ使ったことのない方はぜひオススメ!」といったコメントが並び、中には「旦那さんと一緒に付けて『帰省の途中、事故に遭った』と言えば効果100%」というアドバイスも。ちなみに、帰省時の長距離ドライブが負担になる夫自ら購入する場合もあるそうだ。 また、帰省そのものを避けるために、休日出勤を申し出る女性も多い。ソウルの某総合病院では、今年の秋夕休み中の当直のほとんどが、既婚の女性医師や看護師になっているという。連休中1日でも当直勤務をすれば、それを言い訳に帰省せずに済む。連休中、上司は出社しない確率が高いので、大手企業に勤める既婚女性たちには「夫の実家に行くより、休日出勤したほうが気は楽」という認識が広まっているらしい。 秋夕がつらいのは、既婚者だけではない。最近は、フィギュアやぬいぐるみ、ゲーム機など、大事なコレクションをめぐって親戚とトラブルになる未婚男女も多いという。甥っ子・姪っ子に泣きながらコレクションの一部をねだられると、「たかがおもちゃでしょう、譲ったらどうだ」と親戚に言われ、ブチ切れてケンカになることも。ネット上では「ジョカモン(甥っ子とモンスターの合成語)」という新語まで誕生し、“ジョカモンからコレクションを守る方法”といった書き込みがあふれているほどだ。 いくら親戚とはいえ、年に1~2回しか顔を合わせないのに、プライベートなことをしつこく問われるというのは、もはや珍しい話でもない。今年、韓国のTwitterでは、周りに不愉快な気分を与える言動を慎もうという「秋夕マナーキャンペーン」まで行われている。バイトや勉強を理由に帰省しない若者も多く、ある大手外国語スクールが、連休中「秋夕避難場」と名付けた勉強ルームをオープンし、無料で場所と食料を提供したところ、始まる前から大好評だった。秋夕を苦痛に感じるのは、主婦だけでなく若者も同じらしい。韓国の秋夕風景は、この先、ますます変わっていきそうだ。 (文=李ハナ)イメージ画像 Photo By Republic of Korea from Flickr.
「引退する親分に1億円の餞別を払っていた」六代目山口組が新潮に激白した“言い分”とは
今週の注目記事 第1位 「情報戦で劣勢の『六代目山口組』の激白5時間」(「週刊新潮」10/1号) 第2位 「独フォルクスワーゲン『排ガス偽装』」(「週刊現代」10/10号) 第3位 「老人ホーム転落死『個人資産百四十億円』“強欲”創業者を直撃!」(「週刊文春」10/1号) 第4位 「自殺者続出! JR『新小岩駅』の憂鬱」(「週刊現代」10/10号) 第5位 「『落選運動』の威力と効果 その実践法を公開する」(「週刊ポスト」10/9号) 第6位 「中国経済『30人の実名証言』」(「週刊現代」10/10号) 第7位 「熊谷6人刺殺 ペルー人ナカタ容疑者 想像を絶する『家庭環境』」(「週刊文春」10/1号) 第8位 「上場企業『年収ランキングトップ100』の大異変!」(「週刊ポスト」10/9号) 第9位「経営者が登場すると業績が下がる!?『「私の履歴書」の呪い』の“次の標的”」(「週刊ポスト」10/9号) 第10位 「狂躁『安保法制』の後遺症」(「週刊新潮」10/1号) 番外 現代とポストのセクシーグラビアとSEX記事の勝者はどっちだ! 今週は超ド級のスクープはないが、週刊誌らしい記事が多くあった。ようやく秋らしい陽気になって、天高く馬肥ゆる読書の候、楽しい記事を読みながら、おいしい酒を飲みたいものである。 現代とポストのセクシー対決は、現代はグラビアには見るべきものがあるが、今週は記事にはない。ポストは「死ぬまでSEX」はあるが、グラビアのほうは見るべきものなし。 現代は袋とじでカネボウのキャンギャルや雑誌「ViVi」(講談社)のモデルもしていた「甲賀瑞穂 完全なるフルヌード」。やや腰の辺りが中年ぽくなってはきているが、そこがなんともエロチックでいい。ヘアは剃ったのかボカしたのか、薄くしか見えていないが、一見の価値はある。 ポストのSEX記事は、毎度おなじみの「ラブグッズ」の紹介特集。「TENGA」の美人広報が自社の「ディープスロート・カップ」を持って少しはにかんでいる表情はいいが、内容的にはイマイチ。グッズを買われたい方は購入してご覧あれ。 ということで、今週は現代のほうに軍配を上げたい。 まずは10位から。安保法制を参議院でも強行採決した安倍首相だが、反対運動の波は広がり続けている。心労と睡眠不足で疲労困憊の安倍首相を待っているのは、これまた頭の痛い「内閣改造」だが、大方は留任するようだと新潮も文春も見ている。 なんとか目玉を作りたい安倍首相は、かわいがっている稲田朋美政調会長を「女性初となる官房副長官に起用するプラン」(文春)を考えているという。 私には、稲田なる人物がなぜ将来の総理候補といわれるのか、まったくわからない。どこにそんな資質があるというのか。どこぞの週刊誌で、彼女の私生活を含めて徹底解剖してもらいたいものだ。 文春の記事中で気になる箇所がある。政治部記者が稲田氏のファッションが奇抜でカネがかかっていると話し、「誕生日に番記者がティファニーのジュエリーロール(ケース)を贈ったら、『アクセサリーがたくさんあるから、とても助かる』」と喜んでいたと言っている。 おいおい、記者たちはまだそんなことをやっているのか。安倍のお気に入りで将来総理になったとき覚えめでたいように、みんなで出し合って贈り物をするなど、値段の高い安いではなく絶対やってはいけないこと、記者のイロハである。 そんなこともわからない連中が永田町をウロウロしているから、権力側に取り込まれてしまうのだ。 さて、日経新聞の「私の履歴書」は人気連載だが、ここに登場すると、その企業の業績が下がるとポストが報じている。 これを調べたのは岡三証券で、96年から15年までに登場した83社のROE(自己資本利益率)の推移を東証1部の平均と比較したところ、登場する前々年には東証1部平均を2%上回っていたのに、3年後には4%も下回っていたというのである。 07年6月にカメラメーカー・ニコンの吉田庄一郎相談役が登場しているが、3年後のROEがマイナス4.5%。13年4月に石油販売会社・JXホールディングスの渡文明相談役が登場したが、2年後にマイナス14.2%も落ち込んでいる。 14年3月に東芝の岡村正相談役が登場しているが、粉飾決算問題で窮地に陥っている。 中には例外もあるが、全体に下がっているのは間違いないようだ。経済評論家の山崎元氏によれば、日経が「私の履歴書」へのオファーを出すのは絶好調が続く大手企業に偏っているから、企業の業績には波があり、長期にわたって好調を維持するのは難しいため、連載に出たときが業績のピークであることが多いからではないかと分析している。 昨年4月以降にトヨタ自動車、ニトリホールディングス、日立製作所、コマツ、キリンビールなどが登場しているが「私の履歴書」の呪いはかかるのだろうか? もう1本ポストから。上場企業の「年収ランキングトップ100」に大異変が起きているという記事で、調べたのは東京商工リサーチ。 常に上位に居座っていたフジ・メディア・ホールディングスが、前年1位から前年比約58万円減で6位にダウンしている。 東京放送ホールディングス(4位)、日本テレビホールディングス(5位)にも抜かれてしまったのだ。お笑い芸人と女子アナをバラエティの主役にして視聴率を稼いできたが、その神通力も通用しなくなり、給与に手を付けざるを得なくなったのであろう。 新旧交代の象徴は、5年前には34位だった産業用エレクトロニクスメーカーの「キーエンス」という会社が、平均年収1648万円で堂々第1位になったことだろう。 5年前から640万円も増加し、しかも従業員の平均年齢が35.6歳という若い会社である。 「工場用センサーの開発・販売を主な業務とするBtoBの企業です。一般的な知名度は低いが、経常利益が50%を超える超優良企業。“人件費は経費にあらず”との経営理念で積極的に社員に還元している」(経済ジャーナリストの町田徹氏) 9位には、中小企業のM&Aの仲介をする「日本M&Aセンター」が入っているのにも驚く。こちらも平均年齢は34.6歳。30代半ばで年収1500万円とは、下流老人半歩手前の私は、ため息をつくしかない。 トヨタ自動車や日産自動車が下位にいるのは正社員に高卒が多いからで、大卒だけを取り上げれば上位にくるというが、社内格差の大きいことはいいことなのだろうか。 ところで、埼玉県熊谷市で起きた6人刺殺事件は、犯人と思われるペルー人が2階から落ちて頭部を強打し、頭蓋骨骨折でつい先日まで意識不明の状態が続いていたようで、事件の解明は遅々として進んでいない。 新潮は、突然妻と愛娘2人の命を奪われた夫(41)の兄が、張り裂けんばかりの胸の内を代弁している。 「事件が起きた日の晩に、警察が弟の携帯に連絡してきたそうです。大急ぎで熊谷署に駆けつけると、まもなく3人の死亡が確認されたと告げられてね。本当に自分の家族が犠牲になったことを知って、普段はおとなしい性格の弟も、さすがに声を上げて泣き崩れてしまった」 なんという理不尽な死であろう。ペルー国籍のナカダ・ルデナ・バイロン・ジョナタン(30)は、なぜこのような凶行をしでかしたのだろうか。事前に防ぐ術はなかったのだろうか。 14日に中年夫妻を刺殺し、16日には老婦人も殺している。だが、事件前日の13日に、ペルー人は不審な挙動が咎められ、近隣の男性からの通報で熊谷署に連れて行かれているのだ。 だが、煙草を吸いたいというので署の玄関先で喫煙しているときに逃げられてしまった。それなのに熊谷署も県警も、住民に警戒を呼びかけることをしなかったのだ。 明らかな警察側の重大なミスである。しかもこの辺りはみな古くからの知り合いだから、戸締まりをする習慣がなかったと新潮が報じている。 ペルー人は10年ほど前に働き口を求めて日本へ来た。今年の8月以降は群馬県伊勢崎市の総菜工場に勤務していたが、9月12日に「もう工場へは戻れない。背広を着た人に追われている」と、一方的に電話で告げた後、消息を絶ったそうである。 ペルーにいる一回り上の兄は17人を殺害した罪で2008年に懲役35年の実刑判決を受けている。この男の姉は「この世はつらい、永久の地へ旅立つ」と鏡に自分の血で書き、命を絶っていると新潮が報じている。 今回の殺害現場にもペルー人が書いたらしい「血文字」が残されていたが、判読はできないようである。 日本に来て10年にもなりながら日本語をまともにしゃべれず、周囲の人間と溶け込もうとしなかったペルー人は、どうしてあのような犯罪を犯したのか。なんとしてでも口を割らせなければいけない。日本にいる大多数の善良な外国人労働者のためにも。 習近平国家主席が訪米してオバマ大統領と首脳会談をしたが、これまでと違って緊迫したムードが漂い、笑って握手とはいかなかったようだ。 その背景には、このところの中国経済の低迷もあるようだが、現代は現地で30人から中国経済の実情を聞く特集を組んでいる。習近平はオバマに対して、中国経済は順調に7%でいけると言ったらしいが、9月23日に発表された中国の製造業の景況感を示す指数はリーマンショック以来の低水準になったと現代は書いている。 上海の復旦大学教授がこう指摘する。 「中国が現在抱えている経済問題を、いかに解決していくかという道筋が、まったく見えてこない。低コストで製品を作って先進国に輸出するという経済モデルは崩壊したものの、それに代わる内需が拡大していないからです。そのため、香港ナンバーワンの資産家、李嘉誠は、800億元(約1兆5000億円)もの資金を中国から撤退させようとしている。彼に代表されるように、外資の撤退が顕著になってきています。これでどうやって、中国経済がよくなるのでしょうか」 また中国で辛口コラムニストとして知られる丁力氏もこう語る。 「現在中国では、今後の中国経済について、急降下していくという見方と、穏やかに落ちていくという二通りの見方があります。私は前者だと思っています。その理由は、主に4点です。第一に、今日の株価暴落に対する政府の政策を見ていると、常に後手後手に回っていて、稚拙な対応しか打てていないからです。第二に、今後ますます国有企業による市場の寡占化が進んでいき、民業が圧迫されることは明白だからです」 そのほかにも習政権の極端な反腐敗運動によって、官僚たちのサボり癖が顕著になってきていることや、環境保全や社会福祉といった高度経済成長時代に先送りしてきた問題のツケが今後は一気に襲ってくるからだというのである。 訪米した習は、「BAT」と呼ばれる3大IT企業(バイドゥー、アリババ、テンセント)の創業者たちを同行させた。 ITこそ、これからの中国経済を牽引していく主力だというわけだ。NTTデータ投資チーフストラテジーオフィサーの新川陸一氏(北京在住)はこう話す。 「中国のインターネットユーザーは、約6億5000万人もいます。IT産業の発展は目覚ましく、昨年の名目GDPの2割を超す規模に育っています。中国経済は当面、現在の『まだら模様の景気』が続くでしょうが、IT関連の消費が、景気下支え材料として続くと見ています」 米国よりもはるかに中国経済に依存している日本は、これからも中国の動向に一喜一憂しなければならない時代が続く。早く安倍首相に変わるトップを選んで、中国との関係を良好にしなければいけないこと、言うまでもないはずだが。 ポストの巻頭は、国民と憲法を蔑ろにした安倍政権の閣僚や安保法制に賛成した議員たちを落選させる運動を、来年の参議院選に向けて起こそうという「檄文」のような特集であるが、大切な指摘である。これが第5位。 もちろん主旨には賛成する。落選運動は特定の候補を当選させるための事前運動ではないから、合法的で、今すぐに始められるのだ。 基本的なやり方を、湯浅墾道情報セキュリティ大学院大学教授が教えている。 「特定候補を落選させようというメールを送るのは選挙活動にならないからOKです。ホームページやSNSでも落選運動はできる。ただし、選挙期間中に落選運動をする人は匿名ではなく氏名とメルアドを明記しなければならないから、Twitterなどでは実名をハンドルネームにしておく必要があります。選挙権のない18歳未満は公選法で選挙運動を禁じられていますが、落選運動であれば行うことが可能です」 ネットの「安保法案戦犯リスト」を見てみると、安倍首相、麻生太郎副総理大臣、中谷元防衛相、岸田文雄外相、高村正彦自民副総裁、山口那津男公明党代表などを筆頭に、多くの名前が掲載されている。 これほど参議院選が待ち遠しいのは、初めてのような気がする。早く来い来い、参議院選! 最近の週刊誌の権力批判が生ぬるいと嘆いているが、徹底した権力批判を1面に載せ続け、一時代を築いた夕刊紙「日刊ゲンダイ」の創業者・川鍋孝文氏が亡くなった。 講談社の先輩で、私が入社4年目に週刊現代に異動になったときの編集長だった。元毎日新聞の大森実氏を起用して始めた「直撃インタビュー」が評判になり、部数も現代の評価もうなぎ登りの時代だった。 小柄だが威圧感のある編集長で、怒鳴られると編集部全体がシーンとなった。編集長を辞めてしばらくして、日刊ゲンダイ立ち上げのために数人の社員たちと講談社を離れた。 立ち上げからしばらくは苦しかったようだが、田中角栄がロッキード事件で逮捕された頃から、新聞・テレビでは絶対できない角栄批判が評判になり部数も増え、夕刊紙ナンバー1の地位を揺るぎないものにした。 銀座が好きだった。時々会うと「元木! しっかりやれよ」と叱責されたが、根はシャイな人である。 こんな思い出がある。週刊現代へ異動するしばらく前に、四谷の割烹居酒屋で出会ったことがあった。女将が川鍋さんに「こちら元木さん」と紹介すると、離れた席から立ってきて「川鍋といいます」と名刺を差し出したのだ。私のほうが慌てて「私も講談社の~」というと、嫌な顔もせず「そうなのか」とニヤッと笑って戻っていった。 今、川鍋氏健在ならば、安倍政権批判を「日刊ゲンダイ」でどう繰り広げるのだろう。常に在野の精神を持ち続けた硬骨のジャーナリストの死を悼む。 第4位は現代の記事。東京・葛飾区の「JR新小岩駅」で自殺者が相次いでいるというのである。 新小岩は友人がいるので時々行くが、少し御無沙汰していた。現代によれば、駅中が相当変化しているようだ。 うす暗い通路を進むと、ホームにつながる2つの階段が見える。その奥側の階段の前に、その場におよそ似つかわしくない大きな液晶パネルが3台設置されているそうだ。 その液晶には動物、景色、植物などをテーマにした映像が流れている。ホームへ向かう階段を見ると、足元に青色の光が差してることに気がついた。どうやら、天井の一部分が半透明の青色の板になっているようだ。 そしてホームに上がり見渡してみると、「いのちの電話」といった相談窓口の看板がやけに目立つそうだ。 さらに、掲示板に貼られた手書きのメッセージには「あの人 この人に 支えられ 今を 生かされ生きている」とあるそうだ。 こうなったのには理由がある。05年から10年にかけては年間でせいぜい1~2件程度だった人身事故が、11年には11件と急増した。そして今年もすでに6件の事故が起きていて、「負の連鎖」が止まらないという。 なぜ新小岩なのか? その原因は、株やFX(外国為替証拠金取引)などの投資に失敗し、財産を失った人々がネット上に残した書き込みだった。 「10年間必死に働いて貯めた500万円を失った。新小岩に行きます」「妻や子どもに合わせる顔がない。もう新小岩に行くしかない。みんなありがとう」 きっかけは11年7月12日に起きた事故だった。45歳の女性が通過中の成田エキスプレス(NEX)に飛び込み、その衝撃で5~6メートル離れたキオスクまで弾き飛ばされた。 翌日には反対側のホームで男性が飛び込み、大きく報道されてからだという。 千葉県在住の岩崎彰さん(58歳、仮名)も、株に失敗して新小岩での自殺を考えたことがある1人だそうだ。 「新小岩で人身事故が多いということは知っていました。株で大損してからは電車が止まる度に、もしかしたら自分と同じような境遇の人が飛び込んだのかもしれないと考えるようになり、新小岩に降りてなんとなくベンチに座ってみることが増えたんです。そんなことが続いたある日、気が付くと、ホームギリギリのところに立って、上半身を前後に揺らしている自分がいました。でも、どうやってここにたどり着いたのか、途中の記憶がまるでない。慌てて身を引きましたが、一歩間違えれば飛び込んでいたかもしれません」 かつて、高島平団地が「自殺の名所」などといわれたことがあった。そうすると各地から自殺志願者が団地に来て飛び降り、団地の自治会は屋上に上れないようにしたり、柵を高くするなどの対策を講じて大変だったそうだ。 株やFXだけではなく、貧困層がますます増えるにしたがって、自殺者は増加するかもしれない。根本的な解決策は格差や貧困を減らすことしかないはずだが、一部の金持ちや大企業を優遇することしか考えていない安倍政権は、そちらへの関心は薄いようだ。困ったものだ。 暗い話ばかりが多いが、このところの唯一といってもいい明るい話題は、ラグビー日本代表が南アフリカを破った快挙であろう。 私はラグビーファンではないが、南ア戦の最後のトライの瞬間には思わず椅子から立ち上がって大声を上げた。 91年にジンバブエを下して初勝利を挙げて以来の勝利。南アの週刊誌は「マイク・タイソンが初めてKO負けした試合に匹敵する」と報じたそうだ。 ちなみに、タイソンが初KO負けしたのは1990年2月11日。日本の東京ドームで、はるか格下のジェームス・ダグラスによってだった。 ゴールキックをするときの、五郎丸歩の仕草がかわいいいね。この1戦で彼は世界中に名を知られ、帰国したら取材のオファーが大変だろう。 第2戦目のイングランド戦は実力通り(?)惨敗だったが、南ア戦は100年語り継がれることだろう。 このところ悲報が相次いでいる。フリーアナウンサーの黒木奈々さんが胃がんで亡くなったが、32歳の若さだった。 多少袖すり合ったことのある川島なお美さんは、週刊新潮によれば、9月20日に体調を崩してミュージカルを降板したが、胆管がんのために24日に死去してしまった。享年54。 13年7月に病気が分かったときに「余命1年」と宣告されていたそうだが、12時間の手術後、ブログにこう綴っていたと新潮が書いている。 「私が乗り越えた病気は/5年生存率50%/10年生存率2~30%という/厳しいものです/でも/もっと生存率の厳しい芸能界で/35年生存してきたので/これからも大丈夫!と/自分を信じたいです」 彼女の血はワインでできているそうだが、最後は好きなワインも口をしめらす程度しか受け付けなかったという。天国で渡辺淳一さんによろしくね。合掌。 さて、ドイツの自動車の名門フォルクスワーゲンが大変なことになっている。フォルクスは国民、ワーゲンは車の意味だから、フォルクスワーゲンはドイツ人の「国民車」である。また日本はもちろん、東南アジア、特に中国では売れに売れているのだ。 その企業に超弩級のスキャンダルが起きたのである。発端は米環境保護局(EPA)が9月18日、フォルクスワーゲンが米国での排ガス規制をクリアするために不正な装置(ソフトウェア)を使っていたと発表したことからだった。 メディアは「米国当局から制裁金として最大2兆円が科される可能性がある」「欧州でも不正が発覚、対象となる車は全世界で1100万台に上る」と報じている。 当然ながらフォルクスワーゲンの株価は大暴落し、数日で時価総額が4割ほど吹き飛んだそうだ。 なぜこのような「不法行為」に手を染めてしまったのか。米国市場開拓のための焦りがあったと、自動車評論家の国沢光宏氏は指摘する。 「フォルクスワーゲンの主戦場は欧州と中国で、米国市場は苦手にしています。しかし、世界で圧倒的なナンバーワンメーカーになるには米国制覇が重要課題となっていた。 米国は燃費のいい車が人気ですが、一方で排ガス規制の水準がものすごく高い。かつて日本勢も米国でディーゼルを売ろうと画策しましたが、断念した歴史があるのは、この規制を超えられなかったからです。フォルクスワーゲンは規制さえクリアすればシェアを拡大できると考えたのでしょうが、得意とするディーゼル技術をもってしても米国の高い規制は超えられなかった。それが不正を呼び込んでしまった」 背景にはお家騒動もあるといわれるが、「一度堕ちたブランドは数年では取り戻せない。10年単位で引きずることになる」(経営コンサルタントの鈴木貴博氏) フォルクスワーゲンの大不祥事は、ドイツ経済をも揺るがしかねない深刻な事態であることは間違いない。 今週の第1位は、新潮の山口組幹部のインタビューに捧げる。ヤクザに強いライターたちが各誌で競っているが、やはり当事者が出てきて話すのが週刊誌の王道である。 ヤクザに強い雑誌はかえって両陣営に気をつかって、当事者インタビューはやりにくいのかもしれない。新潮はさすがである。 「我々の世界の根本に何があるかというと、盃事なんです。汚い世界のたった一つキレイなところ、と言うてもええかもしれません。今回、彼らは我々の世界の根本にあるルールを破った。その時点で、向こうに百に一つの言い分があったとしても、それは通らない、ということなんです。山口組を含め、この業界では、一切の権利、一切の縄張りは親分のモン。先代と代替わりしたときには、先代のカマドの灰まで当代のモンなんです。山口組の親分は、ええモンも悪いモンも全部引き継ぐ。その親分に白い物を黒や言われても、それは認める言うて我々、盃飲んどるんです。そんな大事な盃をほったらかしにして出るなんて、絶対にやってはならん。彼らには山口組を名乗る資格はない」 白を黒だといわれることも、しょせん畳じゃ死ねないことも~。健さんの唐獅子牡丹が聞こえてくるようですな。 山口組の分裂で「仁義なき戦い」が始まるのか、興味半分怖さ半分の野次馬としては目が離せない。 冒頭の発言は新潮に載っている指定暴力団山口組の直系組長の言葉だが、情報戦では、山口組を出ていった「神戸山口組」のほうが上回っていた。 さらに文春によれば、9月17日に警視庁が約50人体制で名古屋市中区にある山口組の二次団体「司興行」の本部事務所に家宅捜索に入ったという。 「司興行」といえば、山口組六代目の司忍組長が1967年に立ち上げ、山口組を牛耳る「弘道会」の中核組織だそうである。 今年6月には三代目の森健次組長が「直参」と呼ばれる山口組の直系組長に昇格を果たした有力団体で、警察当局は常にその動向を追ってきたという。警視庁関係者がこう明かしている。 「今回の家宅捜索は、二日前に逮捕された司興行の本部長、川崎誠治容疑者と共犯の山口組の二次団体『岸本組』幹部の森本展生容疑者らによる恐喝事件に関連して行われたものです」 都内の飲食店経営者から恐喝されていると被害届が出されたため、継続捜査していたようだが、「そんな時山口組が分裂し、弘道会系の組織に手を付けられる絶好の機会だとして、一気に捜査着手への気運が高まったのです」(先の警視庁関係者)。報道では、新組織を立ち上げた連中が山口組の金銭に関する内部資料を持ち出し、警察に持ち込んだというものもあった。 どうやらここまでは、警察とタッグを組んで攻める「神戸山口組」、守るに懸命な「山口組」という構図だ。週刊誌の報道などを見ても6対4の割合で新組織寄りの記事が多いように思える。危機感を抱いたのだろうか、山口組の幹部が新潮に口を開いたが、その論法は「ヤクザってのはな~」という健さんや鶴田浩二のセリフのようで、私のような古い人間には納得できるところがあるのだが。 今回の騒動は「分裂」ではなく、親分の盃を飲んだ人間が盃を返すことなく出ていったのだから「謀反」と言うべきで、ヤクザの世界では万死に値する犯罪だ。 司組長が総本部を名古屋に移そうとしていたなどということは全くない、作り話だ。司組長がカネにがめつい人間のように言うが、直系組長が支払う会費は100万円前後で、山口組の運営に使われるカネであって組長個人が私腹を肥やすカネではない。山口組には金銭に関して詳細に記した資料はない。ミネラルウォーターや日用雑貨を買わせているのは事実だが、せいぜい月に5~20万円程度等々。 だが、司組長になって「引退する親分に1億円の餞別を払っていた」というのはすごい。それも、引退する親分が相次いでいるので、2000万円になってしまったそうである。 彼の言い分をそのまま信じるわけにはいかないが、「マスコミは鉄砲をバンバン撃つんじゃないかと煽りますが、そんなことは起こらんのです」(同)という件は頷ける。 鉄砲を撃っただけで10年、人をケガさせたら20年、相手が死んだら無期懲役を食らうのでは「鉄砲玉」を買って出る若い奴は、なかなかいないだろう。 山口組側は、新組織から脱落する連中が多く、現在は800人もいないのではないかと読んでいるようだ。最後に直系組長は、世間をお騒がせしたことを詫び、「こういうことになった原因がどこにあるのかを検証」すると言っている。不祥事を起こしたどこかの企業の広報担当重役のセリフのようでおかしい。 暴排条例などで追い詰められ衰弱してきている暴力団組織だから、この分裂騒ぎは「一和会」戦争のように、組長の首を狙うよう大事にはならないで膠着状態が続いていくのかもしれない。 (文=元木昌彦)「週刊新潮」10/1号中吊広告より
越境EC愛好家に激震……海外からおもちゃの銃を購入した中国人少年が、武器密輸容疑で無期懲役に
日本製品をはじめ、海外で販売されている製品をネットで購入する「越境EC(Electronic Commerce)」が普及する中国。昨年、越境ECによって海外から中国に持ち込まれた製品の総額は、日本円にして1兆円以上に達している。 そんな中、越境ECで台湾からある玩具を購入した四川省に住む19歳の少年が、武器密輸を行ったとして一審で無期懲役の実刑判決を受け、高等裁判所が上訴を退けたことから刑が確定した。 9月21日付の「南方都市報」などによると、少年が購入したのはモデルガン24丁。2013年8月にQQチャット(中国語圏の人々のためのチャット)を通じて台湾人から購入したという。14年8月、福建省厦門の税関からやってきた職員に逮捕、連行されていた。 少年は幼い頃から玩具の銃が好きで、18歳で軍に入ることを夢見ていた。数学で校内1位になるなど成績も良かったが、いじめに遭い、中学2年生の時に退学を余儀なくされた。 父親は「昔から私らの世代は、狩猟用の空気銃で鳥や動物を撃っては捕まえて食べていた。息子がモデルガンでやることといえば、サバイバルゲームもどきの遊びか、家に置いてコレクションするぐらいのものだ」と、無実を訴えている。 少年の弁護士も、過去に広州でモデルガンを販売していた男が10年の実刑判決を受けたものの、5年にわたって無実を訴え続け、6回に及ぶ再審を経て、最終的に検察側が証拠不十分で起訴を取り下げたことを先例として挙げている。 だが、24丁のモデルガンのうち、20丁は人の生命に危険を及ぼす威力がある空気銃だったとされている。1丁は威力の有無の判定ができず、残りの3丁のみが人にほとんど障害を与えないエアソフトガンの範疇であるとして、玩具と判定された。「本人に自覚があったかどうかにかかわらず、その威力からすれば武器の密輸と疑われても仕方がない」というのが、司法の見方のようだ。逮捕時、自らが購入したモデルガンを指さす少年。
また、24丁のモデルガンはウォーターサーバーの中に隠して送られてきており、台湾、厦門、泉州、金門などを転々とした後、14年7月15日に通関手続きが取られた。同22日に税関職員によってモデルガンが発見され、翌8月31日に少年を逮捕するに至ったが、経路や送り方の不自然さも疑われる要因となったようだ。さらに、商品価格と諸費用は合わせて3万540元(約57万円)に及んでいる。少年の父親は1日150元(約3,000円)の日雇い労働者で、母親も1日80元(約1,600円)の清掃員だ。生活水準を考えても簡単に支払える金額ではないため、少年もしくは両親がどのように支払いを行ったのかにも疑惑の目が向けられている。 中国は二審制だが、今月初旬、高等裁判所に当たる福建省高級法院は上訴を退け、一審判決が確定した。 越境ECをめぐっては、モデルガン以外にも中国で禁止されている薬物や有害図書を海外から個人輸入して処罰されるケースが増えている。同時に、中国税関は、9月1日より海外から旅客によって持ち込まれる手荷物や、郵送品の開封検査を厳格化しており、ネット上で繰り広げられてきた中国人の海外製品爆買いにも、影響を及ぼすことになりそうだ。「趣味」というには購入量も金額も大きすぎたことが、嫌疑の一因となったようだ。
フォルクスワーゲンも走る北朝鮮に、電気自動車をしのぐ“究極のエコカー”があった!
ドイツ・フォルクスワーゲンの排ガス規制逃れが、大問題となっている。閉鎖的な国家体制のため、世界的な影響を受けにくい北朝鮮でも一応、同社車両は輸入され、都市部の富裕層が乗り回している。だが、ディーゼル車は少なく、さらに当局は排ガスを意識しないため、大した影響はないそうだ。そもそも各国の厳しい環境基準が招いた同社の不正だが、北朝鮮にはガソリンや軽油はおろか、電気自動車をもしのぐ究極の“エコカー”が活躍しているらしい。驚きの現状を、中国と北朝鮮の国境からのぞいてみた。 今も昔も北朝鮮では、党幹部や軍幹部といった、コネと力の強い階層しか車に乗ることが許されない。一頃は日本車がステータスだった北朝鮮のカーライフだが、5年前に故・金正日総書記から「日本車を使うな」という鶴の一声があり、トラックやバスといった業務用車両以外は、欧州車や韓国との合弁で平壌郊外に工場がある「平和自動車」という国産車に代わった。交通量が多い平壌市内
「このところ、中国との商売で儲けた富裕層によるマイカー所有が増えた。結果、平壌市内の交通量は飛躍的に増えた。昔は女性警察官による手信号が平壌の名物だったが、今はすべてLEDの信号になっている」と証言するのは、親戚訪問で毎年訪朝しているという在日朝鮮人の男性だ。 数年前、金正恩第1書記が交通事故に巻き込まれそうになったこともあり、今度は正恩第1書記の鶴の一声で取り締まりが強化され、いま平壌市内では、手信号廃止による余剰人員の交通警察官により、違反キップが切られまくっているそうだ。 「特に道路脇への停車禁止違反が厳しい」(同)といい、好き勝手な場所で車の乗り降りはできない。 こうした交通量の増加は、あくまで平壌だけの話。地方では“元祖”エコカーが今も現役だ。 田舎に行くと「木炭トラックが走っている。煙がひどく、故障率が高い」(同)。荷台に木炭をくべる内燃機関を搭載し、木炭が燃えることで一酸化炭素と水素ガスを燃料にするもので、「木炭車とすれ違う際には、窓ガラスを閉めないときつい」(同)というが、燃料は木ゆえ、ちゃんと植林をすれば有効な再生可能エネルギーといえるかも?今にも切符を切りそうな女性警察官
さらに上をいくのが「牛車」だ。日本では平安時代ぐらいにメジャーな乗り物だったが、北朝鮮の地方部では今でも牛車が列をなすほどになっている。 「農機具や工事に使う重い物の輸送に使われている。現在、配給はロクにないので、北朝鮮の人々は生きていくのに必死。だから、物々交換や商売で活発な物流がある。そこに牛車が使われている」(同)道路のど真ん中を突っ切る牛車
確かに、中朝国境付近で撮られた写真には、牛車による渋滞が写っている……。燃料は草と水、排出ガスはゲップとフンぐらい。ただ「法律で人が牛車に乗るのは禁止」(脱北者)なんだとか。牛車にも交通ルールとは、なんだか大変そうだ。















