新聞・テレビが絶対に報じない「東住吉放火冤罪事件」の“その後”を追った、新潮の週刊誌魂

motoki1124
「週刊朝日」(12/4号、朝日新聞出版)
今週の注目記事 1位「IS戦線 自衛隊員が“戦死”する日」「田原総一朗ギロン堂」(「週刊朝日」12/4号)   「東京がテロの標的になる日」(「週刊文春」11/26号)   「パリを硝煙の都に変えた『イスラム国』に次がある!」(「週刊新潮」11/26号) 2位「『道になりたい』のぞき男(28)母が涙の告白」(「週刊文春」11/26号) 3位「平然と嘘を吐く『大阪維新』に何回騙されるのか?」(「週刊新潮」11/26号) 4位「報道機関が身内のセクハラを隠して威丈高な『日テレ』バカ広報」(「週刊新潮」11/26号) 5位「五郎丸のチケットは30分で完売 ディナーショー裏事情」(「週刊朝日」12/4号) 6位「福生『元女性土田芳さん(38)』“デスマスク”損壊変死」(「週刊文春」11/26号) 7位「新聞は一切書かない東住吉放火冤罪『釈放男』が女児に許されざる暴行」(「週刊新潮」11/26号) 8位「朝日が手放しで喜んだ『アウンサン・スー・チー』独裁政権の悪評」(「週刊新潮」11/26号) 9位「まかな、あねら、おはな……ハワイ語で命名ブームの謎」(「週刊朝日」12/4号)  今週は現代とポストが合併号でお休み。そのため、両誌のSEX記事比べもお休み。  フランス・パリで起きた大テロ事件のためか、各誌とも低調である。よって、今週も順位なしで並べてみた。  まずは、朝日の軽い記事から。私はこの手の記事が好きだ。週刊誌はその時代を映す鏡である。こうした“風俗記事”が後々、その時代を振り返るとき役に立つ。  ハワイ語での命名が流行しているらしい。タレントの木下優樹菜が女の子に「茉叶菜(まかな)」と名付けたそうだ。ハワイ語で大切な贈り物という意味。  浜崎あゆみの元カレとしても知られる内山麿我は、10月に生まれた女の子に、天使を意味する「愛音來(あねら)」と命名。タレントのはしのえみも10月に出産した女児に、ハワイ語で家族や心の絆という意味を持つ「おはな」と名付けたそうだ。  なぜ今ハワイ語で命名か? リクルートマーケティングパートナーズによると、2010年以降、ハワイで挙式するブームが顕著になったという。現在、海外挙式の場所としてハワイを選ぶカップルは67%に上り、圧倒的人気だという。 『キラキラネームの大研究』(新潮新書)の著者、伊藤ひとみさんはこう分析する。 「ハワイ語には日本語の響きに共通する面があり、あからさまに外国語を使った感じがしないから、抵抗なく採り入れやすいのでは」  私もほぼ毎年ハワイに行っている。特に年を取ると、寒い国より暖かいところのほうが、体が緊張しないでリラックスできる。  ハワイの欠点は食べ物があまりおいしくないことだが、それさえ我慢すれば、海岸でマイタイを飲んで昼寝なんぞは天国である。自分の子どもに、ハワイ語の名前をつけたくなる気持ちはチョッピリわかる。  軍事独裁政権下で迫害を受けながら雄々しく生き、11月8日に行われた総選挙で圧倒的勝利を勝ち得たミャンマーのアウンサン・スー・チー氏だが、彼女の発言が波紋を呼んでいる。  先週のニューズウィーク日本版も、氏の「次期大統領にはなんの権限もない」という言葉を取り上げ、「自身は憲法の規定で大統領になれないが、決定はすべて自分が下すと述べた」と書いている。これは、スー・チー氏が外国籍の子どもを持つためだが、彼女のこれまでの労苦や多くのミャンマー市民の支持を得ていることを考えれば、当然の発言だと思うが、新潮も批判的である。  彼女はこれまで法の支配の重要性を説いてきたのに、大統領を軽んじる発言をするというのでは、また新たな独裁政権になるのではないかと、知識層を中心に危機感が高まっているというのである。  しかし、ニューズウィークによれば、今回の選挙でも議席の25%は選挙で選ばれない「軍人枠」が確保されているという。よって警察や軍がスー・チー氏が率いるNLD(国民民主連盟)の「言いなりにならないことも容易に想像できる」(ニューズウィーク)のだから、彼女が危機感と強いリーダーシップを持とうという考えは当然ではないだろうか。 同じ新潮では、長女の入浴中に放火して殺した保険金詐欺だとして青木恵子氏(51)と朴龍晧氏が逮捕され(2人は内縁関係)、無期懲役が確定したが、再審請求をして認められ晴れて20年ぶりに釈放された2人のその後を報じている。  高検が最高裁への特別抗告を断念したことで、再審公判で2人に無罪が言い渡される見通しとなった。さぞ2人は喜んでいるだろうと思うと、新潮によると、2人は釈放後、一度も会っていないというのだ。  そこには、ここでは詳しくは書かないが、朴氏と長女との問題があり、新潮の取材に対しても青木氏は「お会いしません」とキッパリ言い切っている。  冤罪が晴れたと、新聞、テレビははしゃぐが、こうした重い真実を書くことはない。こうしたことを報じることに、賛否は当然あるだろう。難しい問題だが、私は、あえて報じた新潮の週刊誌魂をかいたい。 次は文春の事件報道だが、複雑で内容を正確に紹介できるか心許ない。惨劇が起きたのは、11月12日の夕方のようだ。場所は米軍横田基地にほど近い福生市のマンションで、殺されたのは土田芳さん(38)。遺体は布団に包まれていたが、顔の皮膚が剥ぎ取られていたという。  通報したのは、同居人のA氏(28)だった。2人の関係がなかなか複雑で、土田さんはもともと女性で、手術を受けて男性に転換していた。A氏は女性ホルモンを投与しているニューハーフで、女性器を形成したわけではないので戸籍上は男性のため、2人は養子縁組をして、A氏は戸籍上、土田氏の「息子」になっていたという。  土田氏が女性として結婚していた頃の写真と、最近のヒゲを生やした精悍な顔が掲載されているが、とても同一人物とは思えない。  この2人の出会いは、「性的マイノリティが集うSNSのコミュニティだった」(文春)らしい。土田さんは155センチ、A氏は175センチだというから、「男が2人歩いているように見えた」(同)という。  私などは、2人の「生活」がどんなものだったのか想像することもできないが、土田さんはA氏の影響で水商売をするようになったという。A氏の整形費用なども、土田氏が出していたそうだ。  だが、ケンカが絶えなかったという。原因はA氏の浮気で、土田さんが暴行罪で現行犯逮捕されたこともあった。  最近、土田氏はA氏との養子縁組を解消しようとしていたが、A氏が応じてくれないと嘆いていたという。一方のA氏のほうも「暴力を振るわれているのよ。殺してやりたい」と、「夫」への憎悪をぶちまけていたそうだ。  そして事件が起こる。殺すだけではなく、顔まで剥いでいるところを見ると、物取りではなく、犯人は相当、土田氏に憎悪を抱いていた者であろう。犯人はすぐわかりそうだと思うが、そうではないようである。  A氏は文春の取材にショートメールで、「お話し出来る事が有ればしたいですがなにもしてないのと知らないのです。(中略)私が無実な事です」と送ってきたそうだ。  推理小説なら、犯人逮捕まで二転、三転することもあるが、この事件の結末は果たしてどうなるのであろう? 重い話題の次は、朝日の軽い話題。いまや日本の顔になった感のあるラグビーの五郎丸歩だが、彼のディナーショーのチケットが30分で完売したそうである。  12月20日、ホテル椿山荘東京で、一夜限りの五郎丸選手の「スクラムトークの夕べ」が開かれる。チケット代は大人1万6,000円。そのチケットが11月17日に発売されて即完売し、キャンセル待ちも出たというのである。  約7割が女性客で、「五郎丸さんにタックルしてもいいですか?」という問い合わせもあったそうだ。椿山荘側はラグビーボールの形を模した料理を検討中だというから、なんとなく温かな会になりそうな気はする。  今年も12月に数々のディナーショーが開かれるが、いまやディナーショーの女王といわれるのは松田聖子。彼女は22年連続で、今年は11月20日以降、11カ所で計24回開催するという。  4万9,500円のチケットが、ほぼ即日完売だそうだ。胸算用は、1会場約500人なので、延べ動員数はざっと1万2,000人。総売上は5億円を超える計算になるという。ネットのオークションで、ペア券を13万円で入札する人もいるそうである。  ところで、凋落一途のフジテレビと違って視聴率でひとり勝ちの日本テレビだが、新潮は社内でセクハラがひどいと報じている。  11月5日に傷害容疑で逮捕されたのは、日テレ編成局宣伝部主任の戸田聖一郞氏(44)。千葉県市川市内のマンションで、婚約者の女性を「床に投げ倒し、馬乗りになって頭を床に数回打ちつけた」(社会部記者)容疑だ。  彼女が戸田氏と付き合うきっかけになったのが、編成局宣伝部で契約スタッフとして働き始めた昨年11~12月に、同じ部署の男性からセクハラを受けたため、それを相談したことからだったという。 「〇〇と一度でいいからお風呂入りたい」などのセクハラメールを送りつけた宣伝部のプロデューサー(40)は、戸田氏が上司に報告したためセクハラをやめたが、今年8月に人事部長と副部長に彼女が呼び出されて、加害者が送った画像を消して合意書にサインするよう求められたというのである。  彼女は心労に耐えられず、8月31日に加害者から100万円の「口止め料」を受け取り、 LINEのやりとりを消去し、セクハラを口外しないことを約束させられたという。  現在、件のプロデューサーは出勤停止処分になっているようだが、合意書を娘のカバンの中から見つけた父親が、新潮に話したのであろう。  社員の不祥事を上司が出ていって口封じするなど、絶対ジャ-ナリズムがやってはいけないこと、言うまでもない。  だが、広報部はすでに解決済みと、新潮の取材にまともに答えない。そこで、新潮がバッサリ「居丈高な『日テレ』バカ広報」。こうしたセクハラ行為は、女子アナなどにもあるのだろうが、なかなか表に出てこないだけなのだろう。 さて、11月22日の大阪府知事・市長のダブル選挙の結果が出た。大阪維新の会の公認候補2人の完勝だったので今となっては後の祭りだが、新潮で藤井聡京都大学教授と哲学者の適菜収(てきな おさむ)氏が対談して、大阪人は「大阪維新に何回騙されるのか?」と辛辣な橋下徹大阪市長批判を繰り広げていた。  抜き書きしてみると、市長選に出ている維新の候補が「大阪が伸び率ナンバーワンの経済成長をしている」といったのはまったくのウソで、大阪市がまとめた最新の大阪府の実質成長率はマイナス0.8%、大阪市に至ってはマイナス1.4%で、全国平均のマイナス0.2%よりはるかに落ち込みが激しい。  橋下市長が都構想の住民投票で敗れ、引退表明したのに、また前言を翻したのは「プロレスの詐欺営業と同じ」ではないか? 橋下は府政を8年前に戻すのかと言っているが、大阪府の一人当たりの所得は、橋下就任時には全国5位だったのが最新データでは全国10位にまで落ち込み、府の年間債務増加額は454億円だったのが、橋下が知事就任以降は1,072億円と倍以上に増えているじゃないか。  こうした「事実」を踏まえた上で、今度の選挙で選択すべきは「『イマイチ美味しくない』タコ焼きと,『腐ってる』タコ焼き。どっちも不味いからって『腐ってる』タコ焼きを食うアホはおらんでしょ。要するに、今回の話はそういうコトです」(藤井氏)  大阪維新が腐ってるかどうかは別にしても、投票率は知事選が45.47%、市長選が50. 51%と、いずれも4年前を下回っている。棄権した人たちはこの結果をどう思っているのであろう。  大阪都構想も賛成派が反対派を抜いたと報じられているが、これでまた橋下徹市長が“政界復帰”することは間違いないようである。  ところで、私は子どもの頃、鬼ごっこで隠れるのがうまかった。こんなところに入れないだろうと鬼が探さない狭いところに潜り込み、日暮れて仲間の子どもたちが家に帰ってもそこを離れなかったから、決まって探しに来た父親に叱られたものだった。  家の中でも部屋の隅にコタツやちゃぶ台で囲って小さな自分の城を築き、日がなそこで本を読んだりしていた。  だから、側溝に身を潜めて女性のスカートの中をのぞいていたとして、兵庫県迷惑防止条例違反で逮捕された28歳の男の気持ちは、理解できなくはない。逮捕された彼は「私は道になりたい」と名言を吐いたそうだ。 『私は貝になりたい』(1958年)という、フランキー堺主演のテレビドラマを思い出した。この男、ガキの頃から手癖が悪くではなく、側溝が大好きだったらしい。小学生の頃からよく側溝に入っていたと、文春で同級生が証言している。  落ち着きがなく「学習障害」と診断されていたようだが、なぜか側溝の中ではジッとできたという。  母親が文春の取材に対して、これまでも何度か警察から注意されたことがあったと話している。休みの日のお昼頃出ていって、側溝で過ごすことがよくあったという。  母親が息子に「なぜやめられないのか?」と聞いても、「わからへん」と答えるだけだった。心療内科にも通っているそうだ。 「本人も悩んでいるし、家族も悩んでいます。なるべく明るくしようとしていますが……難しいですね」(母親)  現場は、「関西一顔面偏差値が高い」(文春)と評される甲南女子大学の最寄り駅の近くで、その側溝は郵便局の入り口前にあり、昼時には行列ができるという。  今回、30代の女性が側溝から髪の毛が出ているのを見つけて御用となった。  スカートの中を盗撮することと同じ犯罪行為なのだろうが、なぜか憎めない。自分が寝ている上を、スカートをはいた女性たちが何人もまたいでいくという「夢」を見た男は多いのではないか。私もそのひとりである。ただ、汚い側溝に入る気はしないが。  ここで、私事で恐縮だが、一昨日(11月22日)あったショッキングなことを書かせていただきたい。  昼前に家を出て、代々木公園にほど近い駅で降りた。某劇団の舞台稽古を見るためである。その劇団の演出家は私の敬愛する大先輩で、今年82歳のはずだ。ある政治家の紹介で知り合ったのは、30年以上前になる。学生時代から演劇を始め、当時すでに大演出家として名高かった。  なぜか私をかわいがってくれ、ゴルフの手ほどきから劇団員とのお見合いまでセッティングしてくれたことがある。私の結婚式にも参列してくれた。30代半ばで会社を辞めようと思ったとき、真っ先に相談した人でもある。  イギリスでヒットしたミュージカルを新宿のテント張りの小屋でやり大評判になった。全国にその劇団専用の劇場を作り、日本を代表する劇団になっていった。  毎回、その劇団でやる劇やミュージカルに招待され、2人だけで飲むことも度々あった。  だが、ここ数年は疎遠になっていた。一度ゆっくり会いたいものだと思っていたら、しばらく前にその人が認知症になったということが週刊誌で報じられた。  頭脳明晰、弁舌さわやかなあの人がと驚いたが、症状はさほど進んではいないようで安堵していた。だがその後、劇団とこじれ、袂を分かつことになったと聞いた。  今年の夏頃、その演出家の部下の方から連絡があり、久しぶりに舞台をやるので見に来てくれといわれた。当日、入り口に演出家がいたので、「お久しぶりです」と挨拶し、先方もニコニコ笑って会釈してくれた。その時の印象では、さほど気になるところはなかった。  一昨日は、早稲田大学の学生たちと一緒に舞台稽古を見て、一段落してから、学生からの質疑応答に演出家や何人かの俳優たちが答えるというもの。中国からのテレビカメラも入っていたが、それ以外は私だけだった。  稽古が始まると、演出家は時々眠っているのが気になったが、劇団員を指導する言葉には違和感はなかった。いったん稽古が終わって、その演出家が1階へ降りていったので、私もその後を追った。  階段の下でバッタリ彼と会った。「元木です。ここは劇団発祥の地といってもいいところですね。懐かしいな」と声をかけた。  当然、「そういえば、君もよくここへ来たな」と言ってくれるものだと思った。しかし、気づかなかったのだ。演出家は、私のことがわからなかったのである。  ジッと私を見て「取材の方ですか?」、そう言って階段を上っていってしまった。ショックだった。確かに最近は御無沙汰しているが、忘れられるような間柄ではないとうぬぼれていた。  学生たちからの質問には、答え慣れているのであろう、さほど見当違いのことは言っていなかったように思う。  記憶がまだらなのかもしれない。だが、もう一度彼に名乗ってみようという気にはならなかった。帰り道、無性に寂しかった。よく、認知症になった自分の親が、子どもの自分に向かって「どちら様でしたか?」と言われ、愕然とするという話を聞く。それによく似た感情であろう。2日たっても、そのショックから立ち直れないでいる。  さて、フランス・パリで13日夜に起きた過激派組織「イスラム国」(IS)による同時多発テロで百数十人が亡くなり、けが人は300人以上、うち100人ほどが重傷だとされる。  この憎んでもあまりあるテロ事件に、新潮、文春が緊急特集を組んでいるが、残念ながら取材時間が限られていたため、目新しい情報はない。  新潮によれば、テロリストたちが立てこもったコンサート会場に突撃したのは、フランス国家警察に所属する「BRI(捜査介入部隊)」とその指揮下にあった「RAID(特別介入部隊)」の80人からなる混成チームで、「軍隊並みの装備を誇る彼らの使命はあくまで敵の制圧で、生け捕りなどは考慮に入れない警察組織」(新潮)だったという。  ISの支配地域では14歳で徴兵され、捕虜や逃亡兵の内臓売買を行ったりと残虐極まりない行為を行っているとし、その流れから、朝日新聞や毎日新聞は、日本は難民の受け入れに冷たいという論陣を張っているが、難民を受け入れれば、その中に偽装したISの兵士たちが紛れ込むという危険性を指摘しないのは無責任だと批判する。  文春も、日本もテロとは無縁ではなく、このままいけば来年5月に開かれる予定の伊勢志摩サミットや、2020年の東京五輪が狙われると警鐘を鳴らす。  また作家の佐藤優氏に、今回のテロはISが全世界に向けた戦争宣言で、中東諸国へ難民支援などの経済協力をしている日本も狙われると語らせ、どのようにテロをやれば大量の死者が出るのかという手口まで教授させているのは、行きすぎではないか。 「特に日本で狙われやすいのは『新幹線』です。(中略)入念な計画を立てて、車両の間でガソリンをまいて気化させ、トンネルに入るタイミングで火をつければ確実に車両爆破します。トンネル内の火災は消火が難しいため、数百人の死者が出るでしょう」(佐藤氏)  そうさせないために、新幹線に乗る乗客のガソリンチェックをしろ、劇場や野球場もやるべきだと氏は主張する。オウム真理教にもあれだけ同調する人間がいたのだから、ISに同調する日本人が100人ぐらいいてもおかしくない。したがって、日本人が起こすテロにも備えるべきだというのである。  こうした意見が散見される中、早速、自民党の谷垣幹事長や高村正彦副総裁が、重大な犯罪の謀議に加わっただけで処罰対象となる共謀罪の創設を言い出し始めた。日本中がISのテロを許すなと大合唱しているときなら、これまで3度廃案になっている悪法を通せるともくろんでいるのである。  ISのテロ行為は、断じて許すわけにはいかない。だからといって、アラブ系の人たち全員を「危険人物」としてリストアップしたり、危険思想の日本人だと決めつけて盗聴や尾行するなど許されることではない。  アメリカの9・11テロ後のように、全メディアが政権の言うがままに沈黙し、大義も証拠もないままイラク戦争へ突入したことがきっかけとなって、ISが勢力を伸ばし、結果、難民が大量に出てきたことを忘れてはなるまい。  評論家の故・加藤周一氏は、メディアについてこう語っていた。 「報道が事実か事実に反するかということじゃなくて、マス・メディアが何に沈黙するかが決定的に重要なことがあります。マス・メディアが伝えないことに注意する必要がある」 (『加藤周一戦後を語る』かもがわ出版より)   今回のテロ事件を憎むあまり、ISと戦争状態に入れりと息巻くアメリカやロシア、日本政府のやり方を無批判に受け入れてはいけない。  朝日で田原総一朗氏は、「私は率直に言うと、アメリカがなぜアサドを潰そうとしているのか、よくわからない」と書いている。 「ありもしない理由をつけてフセイン大統領を潰した。そのためにイラクは大混乱し、混乱の中で、ISが生まれたのである。いわば、ISをつくったのはアメリカなのだ。アサド大統領が潰れれば、シリアはさらに混乱することになり、ISが事実上の権力を握る可能性だってある」(田原氏)  さらに、こう続ける。 「アメリカ、イギリス、フランス、ロシアなど戦勝国は、実は第一次世界大戦前のアフリカ、アジア、中米での数々の侵略行為の責任をまったく取っていないのだ。例えば英仏ロの3大国は1916年に『サイクス・ピコ協定』という密約を結び、中東地域の国境の『線引き』を勝手に定めてしまった。ISはそれに怒って、イスラムの独立の旗印を掲げているのである」  ISを潰せば何事もすべて収まるというのは、大国の「幻想」でしかないのだ。  朝日は、米国がISの標的になれば日本も一蓮托生になると書いているが、その懸念は現実となる可能性が高いと、私も思う。  元内閣官房副長官補の柳澤協二氏はこう指摘する。 「空爆だけではシリアの内戦が収まるとは思えない。今後、地上軍を派遣すべきとの議論も出てくるだろう。国際社会がシリアの内戦にどう対処するか。地上軍の派遣ということになれば、(日本に=筆者注)何らかの支援を求められることは間違いないだろう」  軍事評論家の前田哲男氏も、「アメリカがテロの標的となったとき、安倍政権が安保法制を発動する可能性がある。戦闘地域への捜索・救援活動などの任務があって、この場合、戦闘現場であっても活動を継続することができるようになります」  そうなれば「自衛隊は自爆テロの対象となる危険性もある」と、アジアプレスの坂本卓氏 が指摘する。  しかも「来年3月にも予定されている安保法制施行に向け、内閣法制局や防衛省などが新たな交戦規定を極秘協議。テキスト作りを始めていると、朝日は言うのだ。 「武器使用基準を拡大し、自分たちの身を守りやすくしただけでは戦場で身は守れない。駆けつけ警護や検問、補給などの際、敵と対峙してしまったら、まず最初は足元を狙い、次は急所の胸を撃つとか、そういうシミュレーションも決めていかないといけない。相手を殺すことを前提に考えなければ、命を落とすのは自衛隊員だ」(防衛省関係者)  しかし、テロのやり方はますます巧妙になっていると、青森中央学院大学大学院の大泉光一教授が言う。 「最近は自爆テロが一般化し、背中にRDXベースの特殊なプラスチック爆弾をつけるケースが増えている。これは従来の自爆テロで使われたTNT火薬の爆弾と異なり、X線にも引っかからない」(大泉氏)  国内に多くの米軍基地を抱えているのだから、日本本土がいつテロの標的にされてもおかしくはないはずだ。しかも、いまや米軍と自衛隊は一体化していると防衛省関係者は解説する。 「自衛隊と米軍の一体化は00年代前半から始まり、財政が苦しい米軍はコスト削減のため、基地を将来的に自衛隊へ返し、米軍が自衛隊の基地を間借りするという方向に転換。外務省、防衛省、財務省などの担当官僚と在日米軍司令部幹部が出席する日米合同委員会の席で、あうんの呼吸でこの流れは決まった。沖縄にある米軍基地、キャンプ・シュワブ、ハンセン、北部訓練場もいずれ、自衛隊に返されることは暗黙の了解となっている。辺野古も同様です」(関係者)  今年4月に改定した新ガイドラインでも「日米両政府は自衛隊及び米軍の相互運用性を拡大し(中略)施設・区域の共同使用を強化」がうたわれ、その布石は近年、着々と打たれてきたと朝日は書いている。  憲法に違反していることなど、お構いなしなのである。  日本は約40年間毎年、米軍のために「思いやり予算」を支払ってきた。その上、安倍政権になると、「米軍から輸送機、オスプレイを17機、無人偵察機グローバルホーク、ミサイル迎撃に対処できるイージス艦など計2兆円以上を次々と“爆買い”」(朝日)している。 「空中給油機など高価な買い物をローンでどんどんしている。有志連合に加盟する他国やゲリラも同様に米、仏から兵器を購入。軍事利権が裏で蠢く限り、テロは終息しない」(軍事ジャーナリスト)  アメリカなどの国の軍需産業にとって、テロが終わらないほうが、都合がいいのだ。彼らが密かに武器をISなどのテロ組織に流し、その両方で儲けていると考えるのは、悪い冗談だろうが、あり得ないことではないはずだ。 (文=元木昌彦)

一晩で50GB・30万円!? 中国で多発するスマホ高額請求トラブル、犯人は「中華アプリ」か

smapho002.jpg
中国のスマホには、多くの危険が潜んでいる
 中国で今、スマホの通信料の高額請求が社会問題化しているという。 「環球網」(11月14日付)によると、中国湖北省武漢市に住む女性が、一晩寝ている間に50GB分のデータ通信をしたことにされ、30万円相当の料金を請求されたという。この女性は仕事を終えて帰宅後、スマホを充電したまま就寝。翌朝、通勤中に操作していたところ、メールや電話機能が使えなくなっていることに気がつき、すぐに契約しているキャリアのチャイナ・テレコムに問い合わせた。すると、前日の夜11時頃から突如、通信量が跳ね上がり、数十秒ごとに180~300円の通信料が加算されていたことが判明。  使用していないはずのスマホで、なぜこのようなことが起こったのか? 同紙記者が携帯ショップに聞いたところ、原因としてウイルス感染か、何かのアプリがバックグラウンドで起動し、勝手に通信を行っていた可能性を指摘。一方、チャイナ・テレコムは「今回のような通信量の急激な跳ね上がりについては前例がなく、調査する」としたという。  しかし、記者が調査したところ、今月だけで中国大手キャリア3社(チャイナ・テレコム、チャイナ・モバイル、チャイナ・ユニコム)でも同様のトラブルがいくつも発生していたことが判明。中国版Twitter「微博」でも同じトラブル報告があったが、中にはキャリアの“陰謀説”を言及する者も。 「俺も全然使った覚えがないのに、いきなり容量オーバーになった。中国のキャリアは信用できない!」 「4G回線は怖くて使えない。20分間動画を見たら、1GBも使用したことになってた」 「変なアプリを入れたら、勝手に大量通信してたことがあった。もしかして、キャリアが裏でこうしたアプリを作ってるんじゃないか」 「データ量は目に見えないものだから、キャリアは改ざんし放題じゃないか」  原因不明のデータ通信料の高額請求が相次ぐ中国だが、この背景について、中国のスマホ事情に詳しいガジェットライターは次のように指摘する。 「中国のスマホアプリ市場では、有名アプリそっくりに作ったパチモンアプリや、ベンダーの審査を経ていない野良アプリが大量にある。個人情報を勝手に取得して外部に送信したり、勝手にカメラを起動したり通信をするウイルスまがいの悪質アプリも、たくさん存在する。この女性も、知らず知らずのうちに、そういうアプリを入れていたんでしょう。また、中国の大手キャリアはアフターサービスも悪く、都合の悪いデータは公表しないという隠蔽体質なので、真相が明らかになることはないでしょう」  日本でも、悪さをする「中華アプリ」が一部で社会問題となっている。いくら無料だからといっても、中国製アプリには手を出さないほうが賢明だろう。 (取材・文=青山大樹)

オタクに大ウケも、世間はロリコン認定!? 韓国出版界で異例のヒットを飛ばす写真集に「ちょっと待った!」

roli1124.jpg
『Girls少女たち』写真集
 韓国で、ある写真集が論争の的になっている。写真集のタイトルは『Girls少女たち』。タイトル通り、9人の美少女モデルたちによって構成されたオムニバス写真集なのだが、10月5日の発売開始とともに飛ぶように売れ、大型書店チェーン「教保文庫」では発売第1週目で総合ランキング7位に入り、ジャンル別部門では堂々の1位。品切れ店が続出し、インターネット転売サイトでは一時、プレミアがついたという。韓国の中堅出版社関係者は語る。 「出版社は増刷を繰り返しましたが、それでも追いつかなかったようです。もともと版元がインディーズ系の小さな出版社ということもありますが、韓国の出版界で写真集が品切れしたり、転売されるのは異常中の異例。その人気を目の当たりにした大手出版社がこぞって著者に接触し、早くも次回作を打診しているほどです」  渦中の著者は“Rotta”氏。韓国ロックミュージック界の伝説的アーティスト、ソ・テジをはじめ、人気ミュージシャンのステージカメラマンを務めた経歴を持つが、写真家としてはさほど有名ではなかった。ところが、10月中旬に開かれた『Girls少女たち』の写真展には、多くのファンが殺到。男性だけではなく、女性たちも会場に駆けつけ、一躍時の人となっている。 「会場に訪れたのは、ほとんどが20~30代のオドック(日本の“オタク”を韓国風に発音した造語)でした。韓国では近年、日本のサブカルチャーに熱狂するオドックたちが急激に増えていますが、Rotta氏の写真は彼らのツボに見事にハマったようです。ネット上には『韓国にも、ついにロリ系美少女が認知される時代が来た!!』『Rotta氏、ありがとう』といったコメントが殺到しています」(同)  だが、その一方で『Girls少女たち』とRotta氏は厳しい批判にもさられている。その作風は“ロリコンの極み”だと決め付けられ、「屈折した児童性愛者の悪質表現」とも非難されているのだ。とある女性団体は、異常な児童性愛を助長するとして出版差し止めを求め、Rotta氏はロリコンであり、そのペンネームも「ロリータ」を語源にしていると指摘。Rotta氏は、自身のSNSで「私の表現方式は少年漫画に登場しそうな女性たちを実写化しただけ。ロリータ嗜好ではない」と否定したが、騒動は収まらない。Rotta氏の友人で、人気作家兼タレントのキム・プンも、自身のSNSに『Girls少女たち』写真展に出向いた時の写真をアップしただけでロリコン疑惑をかけられるほど。「私はロリコンでないが、この写真でロリコンを連想する人がいるため削除する。申し訳ありませんでした」と、謝罪せざるを得ない状況にまで至った。  道徳的にロリコンをタブー視する韓国。その社会観念に基づいて、『Girls少女たち』とRotta氏は魔女狩りの対象にもなってしまっているわけだが、前述した通り、日本のサブカルを愛する韓国のオタクたちの間では熱烈な支持を受けている。果たして、写真集とRotta氏はロリコン不毛の地・韓国に、ロリ系美少女という新ジャンルを根付かせることになるか? その行方が気になるところだ。

オタクに大ウケも、世間はロリコン認定!? 韓国出版界で異例のヒットを飛ばす写真集に「ちょっと待った!」

roli1124.jpg
『Girls少女たち』写真集
 韓国で、ある写真集が論争の的になっている。写真集のタイトルは『Girls少女たち』。タイトル通り、9人の美少女モデルたちによって構成されたオムニバス写真集なのだが、10月5日の発売開始とともに飛ぶように売れ、大型書店チェーン「教保文庫」では発売第1週目で総合ランキング7位に入り、ジャンル別部門では堂々の1位。品切れ店が続出し、インターネット転売サイトでは一時、プレミアがついたという。韓国の中堅出版社関係者は語る。 「出版社は増刷を繰り返しましたが、それでも追いつかなかったようです。もともと版元がインディーズ系の小さな出版社ということもありますが、韓国の出版界で写真集が品切れしたり、転売されるのは異常中の異例。その人気を目の当たりにした大手出版社がこぞって著者に接触し、早くも次回作を打診しているほどです」  渦中の著者は“Rotta”氏。韓国ロックミュージック界の伝説的アーティスト、ソ・テジをはじめ、人気ミュージシャンのステージカメラマンを務めた経歴を持つが、写真家としてはさほど有名ではなかった。ところが、10月中旬に開かれた『Girls少女たち』の写真展には、多くのファンが殺到。男性だけではなく、女性たちも会場に駆けつけ、一躍時の人となっている。 「会場に訪れたのは、ほとんどが20~30代のオドック(日本の“オタク”を韓国風に発音した造語)でした。韓国では近年、日本のサブカルチャーに熱狂するオドックたちが急激に増えていますが、Rotta氏の写真は彼らのツボに見事にハマったようです。ネット上には『韓国にも、ついにロリ系美少女が認知される時代が来た!!』『Rotta氏、ありがとう』といったコメントが殺到しています」(同)  だが、その一方で『Girls少女たち』とRotta氏は厳しい批判にもさられている。その作風は“ロリコンの極み”だと決め付けられ、「屈折した児童性愛者の悪質表現」とも非難されているのだ。とある女性団体は、異常な児童性愛を助長するとして出版差し止めを求め、Rotta氏はロリコンであり、そのペンネームも「ロリータ」を語源にしていると指摘。Rotta氏は、自身のSNSで「私の表現方式は少年漫画に登場しそうな女性たちを実写化しただけ。ロリータ嗜好ではない」と否定したが、騒動は収まらない。Rotta氏の友人で、人気作家兼タレントのキム・プンも、自身のSNSに『Girls少女たち』写真展に出向いた時の写真をアップしただけでロリコン疑惑をかけられるほど。「私はロリコンでないが、この写真でロリコンを連想する人がいるため削除する。申し訳ありませんでした」と、謝罪せざるを得ない状況にまで至った。  道徳的にロリコンをタブー視する韓国。その社会観念に基づいて、『Girls少女たち』とRotta氏は魔女狩りの対象にもなってしまっているわけだが、前述した通り、日本のサブカルを愛する韓国のオタクたちの間では熱烈な支持を受けている。果たして、写真集とRotta氏はロリコン不毛の地・韓国に、ロリ系美少女という新ジャンルを根付かせることになるか? その行方が気になるところだ。

金正日の“赤裸々”性生活を描いた韓流「喜び組」ドラマに、北朝鮮激怒! 密売グループを銃殺刑に

north_korea1120.jpg
イメージ画像(Thinkstockより)
 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は9月、北朝鮮両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)市に住む女性3人が携帯電話で韓国と通話した罪で銃殺されたと伝えたが、その後の追加取材で、銃殺理由が「韓流ドラマの複製、流布」だったと報じた。  いくら北朝鮮といえども、ラブストーリーや時代劇などの韓流ドラマを流通させた程度で処刑されることはない。今回、銃殺という厳罰に処されたのは、彼女たちが販売していた韓流ドラマが、当局にとって極めて都合の悪い、いわくつきのものだったからだという。  RFAの現地情報筋によると、女性3人の処刑の話は人民班(町内会)の会議で伝えられた。韓国への通話が摘発された場合、通常3~7年の懲役刑に処されるが、ワイロをつかませて釈放されるケースもあるなど、決して処刑されるほどの重罪ではないというのが、北朝鮮での一般的な認識だ。  人民も「携帯電話をちょっと使ったぐらいで処刑されるなんて……」と衝撃を受けた様子だったが、最近になって、罪状が「韓流ドラマのコピーと流通」ということが明らかになった。  彼女たちは1個6,000北朝鮮ウォン(約800円)で売られている中国製のUSBメモリに、映像ファイルを保存し、3万北朝鮮ウォン(約4,000円)の高値で密売していた。その韓流ドラマが、1998年に韓国KBSで放送された『ツツジの花が咲くまでに』だったことが、直接的な銃殺処刑の理由だ。当局は、罪状を明らかにすることによって逆にドラマへの好奇心が高まると警戒して、事実を隠蔽したのだ。 『ツツジの花が咲くまでに』は、95年に脱北し、韓国に亡命したシン・ヨンヒ氏のエッセーをドラマ化したもので、脚本を担当したチョン・ソンサン氏も脱北者だ。  内容は「喜び組」の日常を描いたもので、故・金正日氏の豪遊ぶりや派手な性生活を描いている。後に原作者から「ドラマの内容はエッセーからかけ離れ、刺激的すぎる」との理由で訴えられたこともあり、現在その内容を確認することはできないが、相当に刺激的なものだったとみられる。  最高指導者の性生活を描くドラマを、北朝鮮が許すわけがない。当局はさまざまなメディアを使って、非難を始めた。当時の韓国メディアによると、98年11月16日の平壌放送は、論評番組でドラマを制作したKBSを次のように非難した。その激しさは、もはや脅迫レベルだ。 「ペテンメディアのクズどものくだらない反北謀略劇」 「KBSはメディアの本分を忘却し、民族の間に不和を煽り、対決、分裂、戦争を煽動する許しがたき反逆行為を行っている」 「我々は、KBS第2テレビ創作団を無慈悲に爆破し、その存在自体をあの世送りにする」 「ドラマ創作に加担した者は皆殺しにする」 「こんなドラマを作ったことは、我々に対する一種の政治的宣戦布告だ」  韓国警察は、北朝鮮のテロを警戒してKBS本社を厳戒警備するなど、大騒ぎになった。また、ソウル市内では「KBS爆破闘争に参加しよう」と書かれたハガキと正日氏の写真が路上で発見されるなど、韓国社会は戦々恐々とした雰囲気に包まれた。  韓国の人々は「たかがドラマぐらいで……」との反応を示したが、北朝鮮において金一族を冒涜する行為は「万死に値する」もので決して許されない。  両江道の情報筋は「このドラマのストーリーは知らないが、命がけで見るほどのものなのか?」とRFAに逆に質問するほどで、具体的なドラマの内容は一般的にはまだあまり知られていないようだ。  昨年末、北朝鮮はハリウッド映画『ザ・インタビュー』に対しても金正恩氏を誹謗中傷したと非難しながら、人民に対して「絶対に見るべからず」と警告を発した。ところが、映画の内容を説明しなかったために、かえって人民の好奇心を誘発するという皮肉な結果を生んでしまった。  今回の事件に関する両江道当局の対応は、その反省を踏まえたものかもしれないが、『ツツジの花が咲くまでに』に対する人民の好奇心が高まるのは時間の問題だろう。実際、平壌の大学生の間ではこのドラマが流行し、視聴した学生が収容所送りになっている。 (デイリーNKより<http://dailynk.jp/>)

金正日の“赤裸々”性生活を描いた韓流「喜び組」ドラマに、北朝鮮激怒! 密売グループを銃殺刑に

north_korea1120.jpg
イメージ画像(Thinkstockより)
 米政府系のラジオ・フリー・アジア(RFA)は9月、北朝鮮両江道(リャンガンド)恵山(ヘサン)市に住む女性3人が携帯電話で韓国と通話した罪で銃殺されたと伝えたが、その後の追加取材で、銃殺理由が「韓流ドラマの複製、流布」だったと報じた。  いくら北朝鮮といえども、ラブストーリーや時代劇などの韓流ドラマを流通させた程度で処刑されることはない。今回、銃殺という厳罰に処されたのは、彼女たちが販売していた韓流ドラマが、当局にとって極めて都合の悪い、いわくつきのものだったからだという。  RFAの現地情報筋によると、女性3人の処刑の話は人民班(町内会)の会議で伝えられた。韓国への通話が摘発された場合、通常3~7年の懲役刑に処されるが、ワイロをつかませて釈放されるケースもあるなど、決して処刑されるほどの重罪ではないというのが、北朝鮮での一般的な認識だ。  人民も「携帯電話をちょっと使ったぐらいで処刑されるなんて……」と衝撃を受けた様子だったが、最近になって、罪状が「韓流ドラマのコピーと流通」ということが明らかになった。  彼女たちは1個6,000北朝鮮ウォン(約800円)で売られている中国製のUSBメモリに、映像ファイルを保存し、3万北朝鮮ウォン(約4,000円)の高値で密売していた。その韓流ドラマが、1998年に韓国KBSで放送された『ツツジの花が咲くまでに』だったことが、直接的な銃殺処刑の理由だ。当局は、罪状を明らかにすることによって逆にドラマへの好奇心が高まると警戒して、事実を隠蔽したのだ。 『ツツジの花が咲くまでに』は、95年に脱北し、韓国に亡命したシン・ヨンヒ氏のエッセーをドラマ化したもので、脚本を担当したチョン・ソンサン氏も脱北者だ。  内容は「喜び組」の日常を描いたもので、故・金正日氏の豪遊ぶりや派手な性生活を描いている。後に原作者から「ドラマの内容はエッセーからかけ離れ、刺激的すぎる」との理由で訴えられたこともあり、現在その内容を確認することはできないが、相当に刺激的なものだったとみられる。  最高指導者の性生活を描くドラマを、北朝鮮が許すわけがない。当局はさまざまなメディアを使って、非難を始めた。当時の韓国メディアによると、98年11月16日の平壌放送は、論評番組でドラマを制作したKBSを次のように非難した。その激しさは、もはや脅迫レベルだ。 「ペテンメディアのクズどものくだらない反北謀略劇」 「KBSはメディアの本分を忘却し、民族の間に不和を煽り、対決、分裂、戦争を煽動する許しがたき反逆行為を行っている」 「我々は、KBS第2テレビ創作団を無慈悲に爆破し、その存在自体をあの世送りにする」 「ドラマ創作に加担した者は皆殺しにする」 「こんなドラマを作ったことは、我々に対する一種の政治的宣戦布告だ」  韓国警察は、北朝鮮のテロを警戒してKBS本社を厳戒警備するなど、大騒ぎになった。また、ソウル市内では「KBS爆破闘争に参加しよう」と書かれたハガキと正日氏の写真が路上で発見されるなど、韓国社会は戦々恐々とした雰囲気に包まれた。  韓国の人々は「たかがドラマぐらいで……」との反応を示したが、北朝鮮において金一族を冒涜する行為は「万死に値する」もので決して許されない。  両江道の情報筋は「このドラマのストーリーは知らないが、命がけで見るほどのものなのか?」とRFAに逆に質問するほどで、具体的なドラマの内容は一般的にはまだあまり知られていないようだ。  昨年末、北朝鮮はハリウッド映画『ザ・インタビュー』に対しても金正恩氏を誹謗中傷したと非難しながら、人民に対して「絶対に見るべからず」と警告を発した。ところが、映画の内容を説明しなかったために、かえって人民の好奇心を誘発するという皮肉な結果を生んでしまった。  今回の事件に関する両江道当局の対応は、その反省を踏まえたものかもしれないが、『ツツジの花が咲くまでに』に対する人民の好奇心が高まるのは時間の問題だろう。実際、平壌の大学生の間ではこのドラマが流行し、視聴した学生が収容所送りになっている。 (デイリーNKより<http://dailynk.jp/>)

まるでインドのカースト制度!? 韓国の若者たちが皮肉る「スプーン階級論」とは

spoon1120
イメージ画像 Photo By Mark_K_ from Flick.
 韓国の若者たちの間で広がる「スプーン階級論」をご存じだろうか? 「裕福な家庭に生まれる(Born with a silver spoon in one’s mouth)」という英語の慣用句を受けて、「金の匙」「銅の匙」「土の匙」など、貧富の差によって人を区別し分類するのが、スプーン階級論である。 「金の匙」は、親の資産が20億ウォン(約2億円)以上、または年収2億ウォン(約2,000万円)以上の、いわゆる超富裕層。資産10億ウォン(約1億円)以上、または年収8,000万ウォン(800万円)以上なら「銀の匙」という。常識を超えた財産を持つ財閥一族などは「ダイヤモンドの匙」といい、2012年の調査資料によると、ダイヤモンド・金・銀の匙の階級層の中でもそれぞれ上位10%の人たちが、なんと国民全体の資産の45%を支配しているという。    ちなみに「銅の匙」の人は、資産5億ウォン(約5,000万円)以上、または年収5,500万ウォン(約550万円)以上。これなら、まだ十分勝ち組といえるだろう。  しかし、問題はそこから下の階級だ。平均的な庶民は「鉄の匙」「木の匙」「プラスチックの匙」と細かく分けられていて、さらにその下には、公務員でもなく、大企業勤務でもない人たちが多数を占める「土の匙」が存在する。土でできているため、形を保つのがやっとで、一生食うに困るという絶望的な意味が込められている「土の匙」は、「Hell朝鮮(地獄のような韓国)」とともに、今年の流行語にもなっている。  この「土の匙」よりもさらに下には、生活保護を受けて暮らしていたり、ホームレスである「糞の匙」と、スプーンすら持てないほど貧乏な「手の匙」がある。  厳しい現実に絶望する若い世代が作り上げたこのスプーン階級論は、まるでインドのカースト制度のように残酷だが、若者たちはスプーンに例えて身の上を哀れんでいるだけではない。というのも、「スプーン階級論」によると、社会的地位の獲得や成功の可否は、本人の努力ではなく、親の経済力次第で決まるというのだ。     つまり彼らは「就職や結婚ができないのは、お前らの努力が足りないから」と責め立てる大人に対して、「努力してみたけど、あなたが与えてくれたスプーンのせいでダメでした」と、スプーン階級論を用いて皮肉を言っているのだ。  実際、スプーン階級論があながち間違いでもないことを証明する研究データも出ている。データによれば、韓国人の資産のうち、相続比率は00年代に入って42%まで増えており、これからもますます増えていく見込みだという。  スプーン階級論が広まるにつれ、ネットには「我が家は何匙ですか?」と質問する若者が増えている。資産、家の大きさ、親の職業と年収、携帯の機種まで公開し、自分が何匙なのかを人に査定してもらうのだ。子どもたちの間でも「お前って何匙?」と聞くのがはやっているという。  このままだと、格差社会が深まるのは時間の問題。ただの社会風刺のブラックユーモアにしても、社会的影響力がありすぎるように思えてならない。 (文=李ハナ)

「手足を縛られた20代女性が路上に放置」はウソ!? 韓国で増加する“自作自演”犯罪にご用心

image1120.jpg
イメージ画像(「Thinkstock」より)
 2015年上半期、韓国のネット民に最大の衝撃を与えた「3母子事件」(参照記事)。母親と2人の息子が、父親らから性的虐待を受けたとテレビを通して告発するも、フタを開けてみると壮大な狂言だったというトンデモ事件だ。マスコミやネット民を巻き込み大騒動となったが、下半期になっても韓国では“自作自演”が相次いでいる。  11月15日、手足を拘束された20代女性が路上で発見されるという報道があったが、それも狂言だったことが明らかになっている。  深夜0時ごろ、京畿道(キョンギド)の食堂に、助けを求める声が何度も聞こえてきた。不審に思った店主が様子を見に行くと、食堂裏手には、両手両足を黒いテープで縛られ、助けを求める女性が座り込んでいた。店主はすぐに警察を呼び、女性は保護された。  警察の事情聴取に対し、女性は「車で拉致されたが、辛うじて脱出した」と涙ながらに明かした。警察は女性の証言をもとに調査を始めたが、事件はすぐに決着する。現場周辺の防犯カメラの多くが、女性の奇行を記録していたのだ。  実は、女性は路上で発見される1時間前まで、別の飲食店で友人と酒を飲んでいて、自身を拘束した黒いテープをコンビニで購入する姿までカメラにバッチリと写されていたのだ。ここまで状況証拠がそろうと、女性も観念して自作自演であることを認めた。動機に関しては相変わらず口を閉ざしているが、女性が拉致されたとする車の車種が彼女の知人男性の車と一致していることから、男性を陥れるための計画だったと推測されている。女性は現在、公務執行妨害と虚偽告訴罪の容疑で取り調べを受けている。  一方、18日にも似たような事件が起きている。60代女性が知人男性を陥れようと、性暴行を4回受けたと虚偽の証言をして、同様に虚偽告訴罪に問われている。虚偽告訴罪は10年以下の懲役か、1,500万ウォン(約150万円)以下の罰金が科せられるが、韓国警察庁の統計によると、07年には3,200件だったのが、13年には4,300件にまで増加している。また動機の面でも、営利目的が35%に、報復目的が20%と、半数以上が金儲けや復讐のために犯行に及んでいることが明らかになっている。  さらに最も多いのが、性暴行に関連した事例だ。実際、今年3~7月の間に虚偽告訴罪に問われた15人のうち8人が、性暴行を訴えたものだった。本人たちの証言がもとになるため、虚偽の性暴行被害を訴えるケースは多く、日本の痴漢冤罪にも似ている。  虚偽告訴の増加によって、何もしていなくても事件に巻き込まれる可能性が否定できない韓国。自身の身を守るためには、行動を事細かに記憶しておく必要があるのかもしれない。

「手足を縛られた20代女性が路上に放置」はウソ!? 韓国で増加する“自作自演”犯罪にご用心

image1120.jpg
イメージ画像(「Thinkstock」より)
 2015年上半期、韓国のネット民に最大の衝撃を与えた「3母子事件」(参照記事)。母親と2人の息子が、父親らから性的虐待を受けたとテレビを通して告発するも、フタを開けてみると壮大な狂言だったというトンデモ事件だ。マスコミやネット民を巻き込み大騒動となったが、下半期になっても韓国では“自作自演”が相次いでいる。  11月15日、手足を拘束された20代女性が路上で発見されるという報道があったが、それも狂言だったことが明らかになっている。  深夜0時ごろ、京畿道(キョンギド)の食堂に、助けを求める声が何度も聞こえてきた。不審に思った店主が様子を見に行くと、食堂裏手には、両手両足を黒いテープで縛られ、助けを求める女性が座り込んでいた。店主はすぐに警察を呼び、女性は保護された。  警察の事情聴取に対し、女性は「車で拉致されたが、辛うじて脱出した」と涙ながらに明かした。警察は女性の証言をもとに調査を始めたが、事件はすぐに決着する。現場周辺の防犯カメラの多くが、女性の奇行を記録していたのだ。  実は、女性は路上で発見される1時間前まで、別の飲食店で友人と酒を飲んでいて、自身を拘束した黒いテープをコンビニで購入する姿までカメラにバッチリと写されていたのだ。ここまで状況証拠がそろうと、女性も観念して自作自演であることを認めた。動機に関しては相変わらず口を閉ざしているが、女性が拉致されたとする車の車種が彼女の知人男性の車と一致していることから、男性を陥れるための計画だったと推測されている。女性は現在、公務執行妨害と虚偽告訴罪の容疑で取り調べを受けている。  一方、18日にも似たような事件が起きている。60代女性が知人男性を陥れようと、性暴行を4回受けたと虚偽の証言をして、同様に虚偽告訴罪に問われている。虚偽告訴罪は10年以下の懲役か、1,500万ウォン(約150万円)以下の罰金が科せられるが、韓国警察庁の統計によると、07年には3,200件だったのが、13年には4,300件にまで増加している。また動機の面でも、営利目的が35%に、報復目的が20%と、半数以上が金儲けや復讐のために犯行に及んでいることが明らかになっている。  さらに最も多いのが、性暴行に関連した事例だ。実際、今年3~7月の間に虚偽告訴罪に問われた15人のうち8人が、性暴行を訴えたものだった。本人たちの証言がもとになるため、虚偽の性暴行被害を訴えるケースは多く、日本の痴漢冤罪にも似ている。  虚偽告訴の増加によって、何もしていなくても事件に巻き込まれる可能性が否定できない韓国。自身の身を守るためには、行動を事細かに記憶しておく必要があるのかもしれない。

【プレミア12】「ついに野球でも日本をやっつけた!」奇跡の逆転劇に韓国メディアがお祭り騒ぎ

premia121120.jpg
 世界野球WBSCプレミア12準決勝で、日本が韓国に逆転負けを喫した。9回からの奇跡の逆転劇、しかも相手は“宿敵”日本ということで、予想通り韓国国内は大盛り上がりを見せている。11月19日の夜10時半から翌朝5時まで、プレミア12に関するツイート量が爆発し、8万3,000件にも上ったという。メディアの報道もノリノリだ。 大手紙・東亜日報は「韓国に敗れた日本野球、“サムライ、東京ドームで戦死”ファン激高」という見出しで報じた。「韓国代表チームが日本野球の心臓・東京ドームで“サムライジャパン”の自尊心を凄惨に崩した」などと書き立て、日本の野球ファンがネット上に書き込んだ「今日をきっかけに日本野球は今後30年間、韓国に勝てないだろう」「ホームでの惨敗は言い訳ができない。もう野球も韓国に勝てないのか」「来年から日本のプロ野球は応援しない」といったコメントを紹介した。  ニュースサイト「edaily」は、「私たちはなぜ11.19大戦に熱狂したのか」という記事を掲載。これまでも日韓の名勝負は多かったが、今回がなぜ特別だったのかという理由として「19日の準決勝は、首を傾げたくなるような判定があまりに多かった。韓国に不利な判定が多い印象を拭えなかった」と解説した。そして、「KBO(韓国野球委員会)は試合前、不公平な審判陣に対して主催者側に公式抗議をした。日本の審判が審判団に含まれていたからだ。国際大会で該当国審判が抜けるのは常識だ」と語気を強めた。同メディアの主張をまとめると、日本に有利な試合背景の中で韓国が土壇場で逆転したからこそ、今回の勝利は格別ということになるだろう。  韓国のメディアやファンは、大会前から今回の試合スケジュールなどに不満を抱き、日本側に難癖をつけてきたが(参照記事)、まさに“勝てば官軍”と言わんばかりの論調である。韓国のスポーツ紙記者もこう語る。 「今回の大会は何かと韓国側に不利に映る中で、代表チームは痛快な逆転劇を演じた。もともと韓国人は日本を乗り越えることを“克日”と呼び、そこに大きなカタルシスを感じます。サッカーで日本戦が異様に盛り上がるのも、“克日”が実現できるから。野球に関しては日本のほうが格上という認識もありますが、だからこそ日本野球を克服したい。今回の結果は、まさにその“克日”の決定版のようなものなのです」  興味深いのは、韓国がその“克日”が達成できた要因分析だ。「MKスポーツ」は「韓国が日本に教えた“経験の真髄”」という記事で、こう分析している。「韓国は今回の大会に、ベテランと新顔を組み合わせて出場した。そして多様な経験を備えた韓国選手たちは、国際大会の重要な場面で恐ろしいほどの変化を見せた」。それに対して、「国際大会経験が乏しく、若い選手たちが多かった日本は、危機に見舞われると苦戦した」と、対照的な選手層について指摘している。  熱狂冷めやらぬ韓国だが、当分は「野球も韓国のほうが上」という風潮が蔓延していきそうだ。