衝撃!! ブサイクすぎる中国の地下アイドルに「田舎帰って、勉学に専念しろ」の声

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「Sunshine」の5人(微博公式アカウントより)。下を向いていて顔がよく見えないが……
 中国で人気の中華系アイドルといえば、香港や台湾出身の歌手がほとんどで、中国“純国産”のアイドルは数えるほどしかいない。そんな“アイドル砂漠”の中国で、一昨年あたりから人気急上昇なのが、内陸部出身で平均年齢15歳の3人組ユニット「TFBOYS」だ。今年2月の春節前夜に放映された『春節聯歓晩会』(日本の紅白歌合戦に相当する国民的番組)にも初出演し、その人気を不動のものとしている。  それに刺激されたのか、今度は若い女の子たちによるガールズユニットが次々に登場しているようだ。中国のガールズユニットといえば、AKB48の姉妹グループであるSNH48が上海を中心に活動しており、そのメンバーのひとり・鞠婧禕(チュー・チンイー)は日本のネット民の間でも「4,000年にひとりの美少女」と騒がれ、人気となっている。  となると、新たに登場してきたガールズユニットにも期待が持てそうだが……。  最近ネット上で注目を集めているグループのひとつが、安徽省出身のメンバー5人で構成されている「Sunshine」。5人ともまだ学生のため、夏・冬休み限定で活動している。  昨年末に結成されたばかりだが、中国版Twitter「微博」の公式アカウントでは、すでに14万人を超えるフォロワーがいる。そこに掲載されている彼女たちのそれぞれの写真を見てみると……。
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左上から時計回りに、リーダーのAbby、Nancy、Dora、Cheryl、Cindy(微博公式アカウントの写真より作成)
 左上のAbbyは、強いていえば有村架純似で少しは期待が持てそうだが、それ以外の子は……。  そしてもうひとつが、遼寧省出身の4人組ユニット「Love-wings」。下の写真を見ていただくとわかるが、Sunshine以上にコメントのしようがない。
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「Love-wings」の4人(微博公式アカウントより)。メンバーたちは98年前後の生まれの高校生だ
 だが、彼女たちは、自分たちがかわいくないことを潔く認めている。 「私たちは、自分たちがかわいくないことを知っています。自分たちが一番ではないことを知っています。でもずっと夢を持ち続けていて、ずっと努力しています」と、微博の公式アカウントで語っている。  この言葉には多くの賛同が寄せられたが、「彼女たち、勇気ありすぎ」「やっぱ田舎に戻ってしっかり勉強して、将来いい仕事を見つけたほうがいいじゃね? 夢なんか見ないほうがいい」といった辛らつな言葉も寄せられている。  やはり「4,000年にひとりの美少女」は、あともう4,000年待たないと出てこないのかもしれない!? (文=佐久間賢三)

今度は12歳少女が被害者に……中国ネット上に続々アップされる集団リンチ動画

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くだんの動画のキャプチャ。泣き叫ぶ少女を容赦なく蹴り倒すショッキングな映像だ。
 昨年12月、池袋駅近くの公園に17歳の女子高校生を呼び出し、30分以上にわたって顔や腹を殴る蹴るなどの暴行を加えケガをさせたとして、警視庁は14~19歳の少女3人を傷害容疑で逮捕した。加害少女のひとりが交際していた少年をめぐり、被害少女とトラブルになったことが事件の発端だという。少女らは暴行の様子を撮影し、YouTubeに投稿していた。  嫉妬を動機に少女が少女を集団暴行し、その模様を動画にアップするという事件は、中国でも続発している。 「澎湃新聞」などが伝えたところによると2月4日、湖南省臨武県で、12歳の少女が同じ学校に通う5人の少女から暴行を受けた。加害者の多くが14歳未満だったという。  さらに、加害少女のひとりが暴行の模様を携帯電話で撮影。その動画は、チャットアプリ「QQ」や中国版LINE「WeChat(微信)」を通じて拡散された。  動画には泣き叫ぶ被害少女に加害者少女たちが執拗に蹴りを入れ、髪の毛をつかんで引きずり回すというショッキングな光景が映されている。  報道によると、被害少女は加害者グループの主犯格の少女Aから過去に2~3度暴行を受けていたというが、それには理由があった。Aにはクラス内に交際相手がいたが、教師に見つかり、その男子は被害少女の前の席へと移動させられた。それから2人はよく話をするようになり、Aの怒りを買うことになる。しかもAにはもうひとり別の彼氏がいたが、あろうことか、その男子も被害少女に気があり、チャットのやりとりをするようになる。このモテモテぶりがAの嫉妬心に火をつけ、仲間を引き連れての犯行に及んだというわけだ。  先日は、海南省で撮影された、全裸にされ集団暴行を加えられる少女の動画がネット上で拡散したばかり(参照記事)。日中で凶暴化する少女たちは、何にいら立っているのだろうか? (取材・文=中山介石)

今度は12歳少女が被害者に……中国ネット上に続々アップされる集団リンチ動画

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くだんの動画のキャプチャ。泣き叫ぶ少女を容赦なく蹴り倒すショッキングな映像だ。
 昨年12月、池袋駅近くの公園に17歳の女子高校生を呼び出し、30分以上にわたって顔や腹を殴る蹴るなどの暴行を加えケガをさせたとして、警視庁は14~19歳の少女3人を傷害容疑で逮捕した。加害少女のひとりが交際していた少年をめぐり、被害少女とトラブルになったことが事件の発端だという。少女らは暴行の様子を撮影し、YouTubeに投稿していた。  嫉妬を動機に少女が少女を集団暴行し、その模様を動画にアップするという事件は、中国でも続発している。 「澎湃新聞」などが伝えたところによると2月4日、湖南省臨武県で、12歳の少女が同じ学校に通う5人の少女から暴行を受けた。加害者の多くが14歳未満だったという。  さらに、加害少女のひとりが暴行の模様を携帯電話で撮影。その動画は、チャットアプリ「QQ」や中国版LINE「WeChat(微信)」を通じて拡散された。  動画には泣き叫ぶ被害少女に加害者少女たちが執拗に蹴りを入れ、髪の毛をつかんで引きずり回すというショッキングな光景が映されている。  報道によると、被害少女は加害者グループの主犯格の少女Aから過去に2~3度暴行を受けていたというが、それには理由があった。Aにはクラス内に交際相手がいたが、教師に見つかり、その男子は被害少女の前の席へと移動させられた。それから2人はよく話をするようになり、Aの怒りを買うことになる。しかもAにはもうひとり別の彼氏がいたが、あろうことか、その男子も被害少女に気があり、チャットのやりとりをするようになる。このモテモテぶりがAの嫉妬心に火をつけ、仲間を引き連れての犯行に及んだというわけだ。  先日は、海南省で撮影された、全裸にされ集団暴行を加えられる少女の動画がネット上で拡散したばかり(参照記事)。日中で凶暴化する少女たちは、何にいら立っているのだろうか? (取材・文=中山介石)

かつての清純派女優が企てる、危うい完全犯罪――“最強の二人”『ナオミとカナコ』の生きる道

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フジテレビ『ナオミとカナコ』
 広末涼子と内田有紀。90年代に青春を過ごした者にとって、二人は“女神”だった。ともに90年代半ば、ショートカットの清純派女優としてアイドル的な人気を博した。だが、2000年代に入ると、それぞれの理由で一時的にテレビから姿を消す。そして同じ05年、示し合わせたかのように二人は女優復帰する。奇妙なほど符合する芸能生活。はたから見れば、彼女たちは“ライバル”のように見えた。事実、これまで二人の共演は実現していなかった。  そんな彼女たちが、W主演としてついに初共演を果たしたのが『ナオミとカナコ』(フジテレビ系)だ。それも、二人は親友という役柄。最強の二人だ。そしてなんと、二人で完全犯罪を企て、殺人に手を染めるのだ。  広末演じるナオミは、葵百貨店の外商部に務めるOL。本店が管轄する美術館での勤務を希望するもかなわず、営業先では顧客に無理難題を命じられ、鬱屈した日々を送っている。一方、内田演じるカナコはエリート銀行員の達郎(佐藤隆太)と結婚し、専業主婦に。誰もがうらやむ生活を送っていた。だが実際は、達郎から激しいドメスティック・バイオレンスを受け苦しんでいたのだ。ふとしたきっかけでカナコのそんな実情をナオミが知ったことから、達郎を二人で殺そうという犯罪計画が始まる。  正直言って、このドラマは物語うんぬんよりも、この二人の共演する姿を見たいがために見始めた。だが、そんな二人の共演を凌駕し、すべてを持っていくかのようなインパクトを与えたのが高畑淳子だ。彼女が演じているのは、中国食品の輸入会社・李商会を経営している中国人社長・李朱美。独特のイントネーションと豊かな表情で黄色い色眼鏡の強欲な中国人を演じ、全編シリアスなサスペンスドラマの中で明るいアクセントになっている。高畑が演じると、自分本位で守銭奴の李も、かわいげがあふれていて憎めない。いまや、早く彼女が画面に登場しないかと思ってしまうほどだ。  だが一方で、ナオミとカナコの殺人計画の背中を押す危険人物でもある。ナオミと李は葵百貨店で出会い、ナオミの日本人らしからぬ強気な姿勢を李が気に入り、意気投合する。そこでナオミは思わず「実は今、大学時代からの親友が旦那さんに暴力を受けていて……」と、李に相談するのだ。  すると李は、間髪入れずに即答する。 「殺しなさい」  唖然とするナオミに、李は「そのオトコに生きている価値はないのことですネぇ」と続ける。「捕まっちゃうじゃないですか?」とナオミが返すと、さも当然のようにこう返すのだ。 「じゃ、捕まらない方法、考えなさい。ジブンの人生、守るための、ウソや策略、すべて正当防衛!」 「殺す」という選択肢ができてしまったナオミの前には、見た目が達郎そっくりな李の会社で働く不法滞在者の中国人・林(佐藤隆太)や、ナオミに全幅の信頼を寄せ、預金口座の管理を一任してくれる認知症の顧客・斎藤(富司純子)といった人物が現れる。そしてナオミは、彼らを利用すれば、完全犯罪が実現できるのではないかと思いつくのだ。  第3話以降、その殺人計画の準備から実行までこと細かく描写されていく。かつて清純派女優として男たちの女神だった二人が、「首は3分間絞め続けないと蘇生する可能性がある」とか「バッグに入れたまま埋めたら、白骨化が遅くなる」とか、冷静に話し合っているのだ。そして、死体を運ぶ車のカーラジオからPUFFYの「これが私の生きる道」が流れるのが象徴的だ。  今、テレビではとかくコンプライアンスが叫ばれている。よく言われていることだが、ドラマの中の銀行強盗だって、逃走中の車でシートベルトをつけなければならない時代だ。そんな時代に犯罪の手口を細かく描写するのは、なかなかの暴挙だ。だが、この完全犯罪の企てはかなりずさんで、ほころびがあることは視聴者にもわかる。数多くの証拠を残していて、「死体が見つからない」という前提が崩れれば、すぐにこの犯行は露見する。そんなことは、二人もきっとわかっているのだろう。でも、やるしかないのだ。  李はナオミに言う。 「アナタ、強い! 私の会ったニホンの女の人で一番強い。だけど、その強さを使う勇気持っていないだけのこと」  自分たちの未来を守るためなら、ルールをはみ出すくらいのことをやらなければならない。そのためにすることは、すべて「正当防衛」だ。うまくいっても、ダメになっても、そこにしか生きる道はない。それは、決してナオミとカナコだけに当てはまるものではない。たとえ完璧なものでなくても、その心意気と強い思いを乗せ、とにかく実行してみること。そしてそこに踏み出す勇気こそ、今のテレビにも最も必要とされていることなのだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

かつての清純派女優が企てる、危うい完全犯罪――“最強の二人”『ナオミとカナコ』の生きる道

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フジテレビ『ナオミとカナコ』
 広末涼子と内田有紀。90年代に青春を過ごした者にとって、二人は“女神”だった。ともに90年代半ば、ショートカットの清純派女優としてアイドル的な人気を博した。だが、2000年代に入ると、それぞれの理由で一時的にテレビから姿を消す。そして同じ05年、示し合わせたかのように二人は女優復帰する。奇妙なほど符合する芸能生活。はたから見れば、彼女たちは“ライバル”のように見えた。事実、これまで二人の共演は実現していなかった。  そんな彼女たちが、W主演としてついに初共演を果たしたのが『ナオミとカナコ』(フジテレビ系)だ。それも、二人は親友という役柄。最強の二人だ。そしてなんと、二人で完全犯罪を企て、殺人に手を染めるのだ。  広末演じるナオミは、葵百貨店の外商部に務めるOL。本店が管轄する美術館での勤務を希望するもかなわず、営業先では顧客に無理難題を命じられ、鬱屈した日々を送っている。一方、内田演じるカナコはエリート銀行員の達郎(佐藤隆太)と結婚し、専業主婦に。誰もがうらやむ生活を送っていた。だが実際は、達郎から激しいドメスティック・バイオレンスを受け苦しんでいたのだ。ふとしたきっかけでカナコのそんな実情をナオミが知ったことから、達郎を二人で殺そうという犯罪計画が始まる。  正直言って、このドラマは物語うんぬんよりも、この二人の共演する姿を見たいがために見始めた。だが、そんな二人の共演を凌駕し、すべてを持っていくかのようなインパクトを与えたのが高畑淳子だ。彼女が演じているのは、中国食品の輸入会社・李商会を経営している中国人社長・李朱美。独特のイントネーションと豊かな表情で黄色い色眼鏡の強欲な中国人を演じ、全編シリアスなサスペンスドラマの中で明るいアクセントになっている。高畑が演じると、自分本位で守銭奴の李も、かわいげがあふれていて憎めない。いまや、早く彼女が画面に登場しないかと思ってしまうほどだ。  だが一方で、ナオミとカナコの殺人計画の背中を押す危険人物でもある。ナオミと李は葵百貨店で出会い、ナオミの日本人らしからぬ強気な姿勢を李が気に入り、意気投合する。そこでナオミは思わず「実は今、大学時代からの親友が旦那さんに暴力を受けていて……」と、李に相談するのだ。  すると李は、間髪入れずに即答する。 「殺しなさい」  唖然とするナオミに、李は「そのオトコに生きている価値はないのことですネぇ」と続ける。「捕まっちゃうじゃないですか?」とナオミが返すと、さも当然のようにこう返すのだ。 「じゃ、捕まらない方法、考えなさい。ジブンの人生、守るための、ウソや策略、すべて正当防衛!」 「殺す」という選択肢ができてしまったナオミの前には、見た目が達郎そっくりな李の会社で働く不法滞在者の中国人・林(佐藤隆太)や、ナオミに全幅の信頼を寄せ、預金口座の管理を一任してくれる認知症の顧客・斎藤(富司純子)といった人物が現れる。そしてナオミは、彼らを利用すれば、完全犯罪が実現できるのではないかと思いつくのだ。  第3話以降、その殺人計画の準備から実行までこと細かく描写されていく。かつて清純派女優として男たちの女神だった二人が、「首は3分間絞め続けないと蘇生する可能性がある」とか「バッグに入れたまま埋めたら、白骨化が遅くなる」とか、冷静に話し合っているのだ。そして、死体を運ぶ車のカーラジオからPUFFYの「これが私の生きる道」が流れるのが象徴的だ。  今、テレビではとかくコンプライアンスが叫ばれている。よく言われていることだが、ドラマの中の銀行強盗だって、逃走中の車でシートベルトをつけなければならない時代だ。そんな時代に犯罪の手口を細かく描写するのは、なかなかの暴挙だ。だが、この完全犯罪の企てはかなりずさんで、ほころびがあることは視聴者にもわかる。数多くの証拠を残していて、「死体が見つからない」という前提が崩れれば、すぐにこの犯行は露見する。そんなことは、二人もきっとわかっているのだろう。でも、やるしかないのだ。  李はナオミに言う。 「アナタ、強い! 私の会ったニホンの女の人で一番強い。だけど、その強さを使う勇気持っていないだけのこと」  自分たちの未来を守るためなら、ルールをはみ出すくらいのことをやらなければならない。そのためにすることは、すべて「正当防衛」だ。うまくいっても、ダメになっても、そこにしか生きる道はない。それは、決してナオミとカナコだけに当てはまるものではない。たとえ完璧なものでなくても、その心意気と強い思いを乗せ、とにかく実行してみること。そしてそこに踏み出す勇気こそ、今のテレビにも最も必要とされていることなのだ。 (文=てれびのスキマ <http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/>) 「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから

40歳を過ぎても現役にこだわる辰吉の孤高の闘い!『ジョーのあした 辰吉丈一郎との20年』

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2009年にタイで試合を行なって以降は実戦から遠ざかっている辰吉丈一郎。それでも毎日の走り込みとトレーニングは欠かさない。
 誰もが不可能だと思っていたことを可能に変えてしまうヤツ。ヒーローという言葉をそう定義づけるなら、辰吉丈一郎ほどヒーローに相応しい男はいない。“浪速のジョー”ことプロボクサー・辰吉丈一郎には常に驚かせられ続けた。1991年、プロデビューからわずか8戦目でWBC世界バンダム級王座に輝いた。これは当時の国内最短記録だった。『あしたのジョー』の主人公・矢吹丈さながらのやんちゃキャラで、たちまち人気者になった。ボクサーとして致命傷とされた網膜剥離を患った際には、JBCから引退勧告されながらも特例を認めさせ、引退を賭けて薬師寺保栄との王座統一戦に臨んだ。94年に行なわれたこの試合は視聴率53.4%(関東地区)を記録。現WBC王者の山中慎介はこの試合をテレビで観戦し、ボクシングを始めている。その後、JBCは網膜剥離を完治した上での復帰を認めることになった。さらに世間を驚かせたのが、97年のシリモンコンとの一戦だ。タイの新鋭王者を相手に、27歳になった辰吉は7回TKO勝利を挙げて3度目の王座に返り咲いた。だが、まだ辰吉丈一郎伝説は終わりを迎えてはいない。40歳を過ぎた今も、辰吉は現役であることにこだわり、ハードなトレーニングを続けているのだ。  天才と狂気との紙一重の存在である辰吉を、20年間にわたってフィルム撮影し続けているのは阪本順治監督だ。ボクシング映画『どついたるねん』(89)で衝撃的デビューを果たした阪本監督は、辰吉を主人公にした『BOXER JOE』(95)というドキュメンタリードラマも残している。『BOXER JOE』の完成後も阪本監督と辰吉との交流は続いていた。辰吉がリングを降りる瞬間まで見つめていきたいと、笠松則通カメラマンら最低限のスタッフで海外遠征も含めて追い続けた。それがドキュメンタリー映画『ジョーのあした 辰吉丈一郎との20年』である。  薬師寺との一戦に敗れた翌95年から撮影は始まった。1Rで左の拳を骨折しながらも最後まで薬師寺と戦い続けた熱戦は日本中を感動の渦に巻き込んだが、判定負けを喫したために国内でのリング復帰は叶わず、海外でのカムバックを模索していた時期だった。阪本監督は辰吉がキラキラと輝いていた時期よりも、王座を追われてしんどいときにカメラをより回している。男手ひとつで辰吉を育てた父・粂二さんが亡くなったとき、長年世話になった大阪帝拳を出て個人でトレーニングを積むようになったとき。リング上でスポットライトを浴びる辰吉とは異なる素顔を、阪本監督はフィルムに焼き付けていく。
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「ベルトよりも子どもが生まれたときのほうがうれしかった」という丈一郎の愛情を浴びて、2人の息子はすくすくと成長していく。
 辰吉はボクシングセンスだけでなく、言語センスにも優れている。「生まれ変わりたいと一度も思わない。面白いもん。辰吉丈一郎を一度やったらやめられない。父ちゃんの子どもでいたい」「(父と2人での生活は)ビンボーじゃなかった。世間的にはそうかもしれないけど、辰吉家は楽しかった」。辰吉の口からしばし語られるのは、自分を育て、ボクシングを教えてくれた父・粂二さんへの感謝の想い、そして愛妻・辰吉るみとの間に生まれた2人の息子・寿希也と寿以輝への愛情だ。辰吉は単なる天才アスリートではない。人間力がハンパなく高い男なのだ。そんな男だから、観客はみんな辰吉を応援し、辰吉はその声援を活力に変えて闘い続けてきた。  辰吉に対する阪本監督のインタビューを中心にして本作は構成されている。20年間にもわたる付き合いとなると取材はなぁなぁになりがちだが、16ミリフィルムを介した2人のやりとりにはそれがない。プロ中のプロと認め合っている2人は、お互いの心を開いて、パンチの代わりに言葉を交わし合う。辰吉の口からどんな台詞が飛び出すのか、スリリングな時間が流れる。20代の頃の辰吉の鋭い言葉の返しも見事だが、30代、40代になってからはひと言ひと言に重みが増していく。辰吉から率直な言葉を引き出す阪本監督はインタビュアーというよりも、心理カウンセラーのように映る。辰吉は阪本監督を相手にしゃべることで、今の自分が置かれている状況を冷静に客観視しているかのようだ。ベルトを失い、愛する父を失い、そして若さも失っていく辰吉だが、カメラに向かってしゃべり続けることで、自分自身のアイデンティティーを確かめているのではないだろうか。  現役ボクサーであることにこだわり、リングに上がることを渇望する辰吉の健康面を心配する声もある。でも、辰吉は「試合がしたい。引退しなかったことでいろいろと分かることがある」と突っぱねる。引退は他人から強要されるものではないというのが辰吉の持論である。阪本監督もまた辰吉とのインタビューによって大いに触発されているはずだ。『どついたるねん』で映画界に熱狂的に迎え入れられた阪本監督だが、その後は楽ではない道を歩んでいる。藤山直美主演の実録犯罪サスペンス『顔』(00)は高い評価を得たが、興収結果がすべてというシネコン全盛期に作家性をキープしながら作品を撮り続けるのは容易ではない。40歳を過ぎても実戦に向けてトレーニングを重ねる辰吉の一途さは、阪本監督はもちろん、観る者の心を今なお激しく揺さぶり続ける。
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るみ夫人の実家の前で家族そろっての近影。丈一郎がどんな状況にあっても、辰吉一家から明るさが消えることはない。
 この20年間で、世界はがらりと変わってしまった。日本は二度も大きな震災を経験し、物事の価値基準も人間関係も以前とはまるで異なるものになった。そもそも辰吉が引退するまで追い続けるはずだった本作だが、16ミリフィルムでの撮影ゆえに、これ以上フィルムでの対応が難しくなることもあり、20年という区切りで一本にまとめることを阪本監督は決断した。映画界はすっかりフィルムではなく、デジタルの世界に変わってしまった。辰吉の2人の息子も撮影の度にぐんぐんと大きくなり、次男・寿以輝はプロデビューを果たすまでになった。辰吉自身の風貌も20代の頃に比べて、ずいぶんと変わった。  でも、どんなに時間が流れても、社会が変わっても、変わらないものがある。それは辰吉丈一郎が家族に注ぐ愛情であり、そして飽くことなき闘争心だ。阪本監督は20年という歳月を費やして、生きていく上でとても大切なものをスクリーン上に浮かび上がらせている。『ジョーのあした』は間違いなく、ひとりのヒーローの素顔を記録したドキュメンタリー映画である。 (文=長野辰次)
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『ジョーのあした 辰吉丈一郎との20年』 企画・監督/阪本順治 プロデューサー/椎井友紀子 撮影/笠松則通 録音/志満順一 ナレーション/豊川悦司  出演/辰吉丈一郎、辰吉るみ、辰吉寿希也、辰吉寿以輝  配給/マジックアワー 2月20日(土)よりシネ・リーブル梅田ほか大阪先行公開 2月27日(土)よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー (c)日本映画投資合同会社  http://www.joe-tomorrow.com

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40歳を過ぎても現役にこだわる辰吉の孤高の闘い!『ジョーのあした 辰吉丈一郎との20年』

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2009年にタイで試合を行なって以降は実戦から遠ざかっている辰吉丈一郎。それでも毎日の走り込みとトレーニングは欠かさない。
 誰もが不可能だと思っていたことを可能に変えてしまうヤツ。ヒーローという言葉をそう定義づけるなら、辰吉丈一郎ほどヒーローに相応しい男はいない。“浪速のジョー”ことプロボクサー・辰吉丈一郎には常に驚かせられ続けた。1991年、プロデビューからわずか8戦目でWBC世界バンダム級王座に輝いた。これは当時の国内最短記録だった。『あしたのジョー』の主人公・矢吹丈さながらのやんちゃキャラで、たちまち人気者になった。ボクサーとして致命傷とされた網膜剥離を患った際には、JBCから引退勧告されながらも特例を認めさせ、引退を賭けて薬師寺保栄との王座統一戦に臨んだ。94年に行なわれたこの試合は視聴率53.4%(関東地区)を記録。現WBC王者の山中慎介はこの試合をテレビで観戦し、ボクシングを始めている。その後、JBCは網膜剥離を完治した上での復帰を認めることになった。さらに世間を驚かせたのが、97年のシリモンコンとの一戦だ。タイの新鋭王者を相手に、27歳になった辰吉は7回TKO勝利を挙げて3度目の王座に返り咲いた。だが、まだ辰吉丈一郎伝説は終わりを迎えてはいない。40歳を過ぎた今も、辰吉は現役であることにこだわり、ハードなトレーニングを続けているのだ。  天才と狂気との紙一重の存在である辰吉を、20年間にわたってフィルム撮影し続けているのは阪本順治監督だ。ボクシング映画『どついたるねん』(89)で衝撃的デビューを果たした阪本監督は、辰吉を主人公にした『BOXER JOE』(95)というドキュメンタリードラマも残している。『BOXER JOE』の完成後も阪本監督と辰吉との交流は続いていた。辰吉がリングを降りる瞬間まで見つめていきたいと、笠松則通カメラマンら最低限のスタッフで海外遠征も含めて追い続けた。それがドキュメンタリー映画『ジョーのあした 辰吉丈一郎との20年』である。  薬師寺との一戦に敗れた翌95年から撮影は始まった。1Rで左の拳を骨折しながらも最後まで薬師寺と戦い続けた熱戦は日本中を感動の渦に巻き込んだが、判定負けを喫したために国内でのリング復帰は叶わず、海外でのカムバックを模索していた時期だった。阪本監督は辰吉がキラキラと輝いていた時期よりも、王座を追われてしんどいときにカメラをより回している。男手ひとつで辰吉を育てた父・粂二さんが亡くなったとき、長年世話になった大阪帝拳を出て個人でトレーニングを積むようになったとき。リング上でスポットライトを浴びる辰吉とは異なる素顔を、阪本監督はフィルムに焼き付けていく。
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「ベルトよりも子どもが生まれたときのほうがうれしかった」という丈一郎の愛情を浴びて、2人の息子はすくすくと成長していく。
 辰吉はボクシングセンスだけでなく、言語センスにも優れている。「生まれ変わりたいと一度も思わない。面白いもん。辰吉丈一郎を一度やったらやめられない。父ちゃんの子どもでいたい」「(父と2人での生活は)ビンボーじゃなかった。世間的にはそうかもしれないけど、辰吉家は楽しかった」。辰吉の口からしばし語られるのは、自分を育て、ボクシングを教えてくれた父・粂二さんへの感謝の想い、そして愛妻・辰吉るみとの間に生まれた2人の息子・寿希也と寿以輝への愛情だ。辰吉は単なる天才アスリートではない。人間力がハンパなく高い男なのだ。そんな男だから、観客はみんな辰吉を応援し、辰吉はその声援を活力に変えて闘い続けてきた。  辰吉に対する阪本監督のインタビューを中心にして本作は構成されている。20年間にもわたる付き合いとなると取材はなぁなぁになりがちだが、16ミリフィルムを介した2人のやりとりにはそれがない。プロ中のプロと認め合っている2人は、お互いの心を開いて、パンチの代わりに言葉を交わし合う。辰吉の口からどんな台詞が飛び出すのか、スリリングな時間が流れる。20代の頃の辰吉の鋭い言葉の返しも見事だが、30代、40代になってからはひと言ひと言に重みが増していく。辰吉から率直な言葉を引き出す阪本監督はインタビュアーというよりも、心理カウンセラーのように映る。辰吉は阪本監督を相手にしゃべることで、今の自分が置かれている状況を冷静に客観視しているかのようだ。ベルトを失い、愛する父を失い、そして若さも失っていく辰吉だが、カメラに向かってしゃべり続けることで、自分自身のアイデンティティーを確かめているのではないだろうか。  現役ボクサーであることにこだわり、リングに上がることを渇望する辰吉の健康面を心配する声もある。でも、辰吉は「試合がしたい。引退しなかったことでいろいろと分かることがある」と突っぱねる。引退は他人から強要されるものではないというのが辰吉の持論である。阪本監督もまた辰吉とのインタビューによって大いに触発されているはずだ。『どついたるねん』で映画界に熱狂的に迎え入れられた阪本監督だが、その後は楽ではない道を歩んでいる。藤山直美主演の実録犯罪サスペンス『顔』(00)は高い評価を得たが、興収結果がすべてというシネコン全盛期に作家性をキープしながら作品を撮り続けるのは容易ではない。40歳を過ぎても実戦に向けてトレーニングを重ねる辰吉の一途さは、阪本監督はもちろん、観る者の心を今なお激しく揺さぶり続ける。
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るみ夫人の実家の前で家族そろっての近影。丈一郎がどんな状況にあっても、辰吉一家から明るさが消えることはない。
 この20年間で、世界はがらりと変わってしまった。日本は二度も大きな震災を経験し、物事の価値基準も人間関係も以前とはまるで異なるものになった。そもそも辰吉が引退するまで追い続けるはずだった本作だが、16ミリフィルムでの撮影ゆえに、これ以上フィルムでの対応が難しくなることもあり、20年という区切りで一本にまとめることを阪本監督は決断した。映画界はすっかりフィルムではなく、デジタルの世界に変わってしまった。辰吉の2人の息子も撮影の度にぐんぐんと大きくなり、次男・寿以輝はプロデビューを果たすまでになった。辰吉自身の風貌も20代の頃に比べて、ずいぶんと変わった。  でも、どんなに時間が流れても、社会が変わっても、変わらないものがある。それは辰吉丈一郎が家族に注ぐ愛情であり、そして飽くことなき闘争心だ。阪本監督は20年という歳月を費やして、生きていく上でとても大切なものをスクリーン上に浮かび上がらせている。『ジョーのあした』は間違いなく、ひとりのヒーローの素顔を記録したドキュメンタリー映画である。 (文=長野辰次)
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『ジョーのあした 辰吉丈一郎との20年』 企画・監督/阪本順治 プロデューサー/椎井友紀子 撮影/笠松則通 録音/志満順一 ナレーション/豊川悦司  出演/辰吉丈一郎、辰吉るみ、辰吉寿希也、辰吉寿以輝  配給/マジックアワー 2月20日(土)よりシネ・リーブル梅田ほか大阪先行公開 2月27日(土)よりテアトル新宿、ヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次ロードショー (c)日本映画投資合同会社  http://www.joe-tomorrow.com

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関係者が内情暴露! 韓国芸能界で暗躍する売春ブローカーたち「芸能人の卵が自ら接触するケースも……」

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イメージ画像(Thinkstockより)
 2月13日、韓国で放送されたテレビ番組『それが知りたい』(SBS)が、大きな波紋を呼んでいる。同番組は韓国の社会問題を追跡するドキュメンタリーで、この日のテーマは「韓国芸能界で暗躍する売春ブローカー」だった。  先日、韓国ではガールズグループ「TAHITI」のメンバー・ジスが、売春ブローカーから勧誘を受けたとネット上で暴露し、炎上騒ぎになったばかり(参照記事)。これまでも、韓国芸能界と性の問題はたびたび取り沙汰されてきたが、今回はテレビ局が本気で“メス”を入れた形だ。  番組にはまず、実際にブローカーからあっせんを受けたという男性が登場。ブローカーとの会話を収めた音声データを公開した。そこには、女性芸能人を商品のように扱う、生々しい会話が記録されていた。 男性「○○は一晩、1,000~1,200ウォン(100~120万円)くらいだと聞いている。合ってるか?」 ブローカー「そうですね、大体そのくらいだと思います。」 男性「有名芸能人○○は、6カ月契約でいくらくらいするんだ?」 ブローカー「4万5,000ウォンくらいです」 男性「じゃあ○○は?」 ブローカー「私が把握している限りでは、1カ月で1万ウォンくらいもらっていたそうです」  その後も似たような会話が延々と続く。情報提供者の安全確保のために、登場人物の名前は伏せられていたものの、取材したSBS側は、売春をしている女性芸能人がかなりの大物であることを示唆していた。  さらに、女性芸能人やアイドルを管理する芸能事務所のマネジャーにも直撃。彼らは口裏を合わせたように「何も知らない」「自分たちが知らないところで起きていること」と語ったが、真相は定かではない。ただ、あるマネジャーは「そのような売春の実態があり、女性たちを買い漁る権力者やスポンサーが存在するという話はよく耳にする」と告白。「僕らにとっても、そのような人たちは敵です」と、声を荒らげていた。  実際に、スポンサーの提案を受けた女性たちも数人登場した。ブローカーが彼女たちに紹介するとした相手は、大企業の社長の息子や、某大手企業の会長などなど。中には、ブローカーから「乱交パーティー」の勧誘や、「すぐに裸になれないようでは、芸能界を渡っていけない。君は、そこで脱落だ」などの言葉を浴びせられたという証言も出てきた。  なお今回の番組では、SBSの女性記者がブローカーに接触するという場面も放送された。ブローカーを自称する男性が「背は何センチ?」「バストサイズは?」「仕事は何しているの?」など慣れた口調で質問を投げかける様子が記録されていた。まるで、風俗店の店長である。中には少し変わった質問もあった。それは「君はNAVERで検索したら出てくる?」というもの。NAVERは韓国最大のポータルサイトだが、そこに写真と名前、経歴が掲載されていれば、売春の値段が跳ね上がるのだそうだ。  女性記者は、もうひとり別のブローカーにも直撃しているが、そのブローカーの言葉はさらに衝撃的だった。 「俺のところに来るのが、どんな子たちだかわかる? ほとんどは、芸能界を目指すタレントの卵たちだ。彼女らは、裕福な人々と知り合いになりたくて、俺を訪ねてくる」  地位も名誉もある大人の男性が、大金をはたいて女性を商品のように扱う状況は、社会的に批判されても仕方がない。一方で、金欲しさに、権力者に近づく接点としてブローカーを利用する女性たちがいるのも事実。いずれにせよ、金がすべてを決める傾向が強い社会の風潮や文化が、ブローカーの存在を生み出しているとも言えなくない。 (取材・文=河鐘基)

死亡した新生児が火葬寸前で“奇跡の蘇生”も、再び死亡! 中国「火葬場よみがえり」は日常茶飯事!?

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中国の新生児科(イメージ画像)
 春節(旧正月)を迎える直前の中国で、赤ちゃんにまつわるショッキングすぎる事件が起こった。「金羊網」(2月6日付)などによると、事の発端は2月5日、妊娠7カ月の早産で生まれた新生児の容体が1カ月後に急変し、死亡したことにさかのぼる。  この新生児は1月8日、体重わずか1.4kgで誕生した男の子だった。同31日、春節を前に退院し、家族で新年を迎えようとした。だが、退院2日後に容体が急変。病院に運ばれたが助からず、2月4日に亡くなった。病院から死亡証明書が出され、遺体は葬儀場の霊安室にある保冷庫に移送。火葬を待つ状態だった。  ところが火葬する日の朝、なんと保冷庫から赤ちゃんの泣き声が聞こえるではないか! 両親は慌てて赤ちゃんを取り出し、再度病院に運ばれて治療が再開された。しかもこの新生児の状態は、4日前の退院時よりも良かったというのだ。  保冷庫の温度はマイナス12度で、15時間近くたってから息を吹き返したことになり、葬儀場関係者や医師は中国メディアの取材に対し「奇跡としか言いようがない」と述べている。  しかし、その後、新生児の容体は再び悪化。結果、新生児は息を引き取ることとなった。当初、“奇跡の蘇生”は話題を呼んだが、新生児の死亡を受けて、各方面から批判の声が相次いでいる。中国SNSでは、両親に対しては「早産だった新生児を、なぜ1カ月もしないうちに家へ連れて帰ったのか」「医療費が高すぎて入院させられなかったからだろう」という声が出ている。さらに病院側にも「まだ生きる可能性があっても治療費が続かないようなら退院させるし、死亡証明書も書くのだ」との批判が続いた。
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中国の火葬場(イメージ画像)。「微博」によると、中国では類似の事例は多いという
 一方で、中国版Twitter「微博」には、真偽は定かではないが、似た事例を報告する者も現れた。 「このケース、俺の知ってるだけで2件ある。ひとつは、死んだはずの子どもが火葬炉に入れられ、点火された後に泣き始めたけど、母親が『いらないから、そのまま燃やして』と殺した話。もうひとは、子どもが高所から落ちて頭を強打して呼吸停止になって遺体袋に入れられていたんだけど、しばらくして子どもの足が動いて助けられた話だ」  中国では医療費が高く、治療を途中でやめてしまう患者も少なくない。病院側もさっさと“退院”させたいため、死亡証明書を安易に出してしまうケースが多いという。火葬場で生き返る例は、中国では意外と少なくないのだ。今もどこかで、生きたまま火葬場へ送られる不運な人がいるのかもしれないと思うと、ゾッとする……。 (文=五月花子)

中国版・清原和博か……中国「国家級スター選手」の哀しき転落人生

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2001年の世界大学選手権で金メダルを獲得した中国代表。一番右が張尚武
 元プロ野球選手の清原和博容疑者が覚せい剤取締法違反で現行犯逮捕された事件は、日本中に衝撃を与えた。中国では野球があまりメジャーなスポーツではないためか、今回の事件が大きく取り上げられることはほとんどなかったようだ。  しかし、くしくも清原容疑者逮捕と同じ時期、中国でも将来を約束されたスポーツ界のスター選手の転落劇があった。「頭条網」(2月12日付)は、2001年に世界大学選手権で金メダルを獲得した張尚武元選手の、悲惨な生活ぶりについて報じた。  1983年生まれの張は、農村出身ながら両親による必死の英才教育の結果、12歳で「国家体操隊」に選ばれ、国の支援の下、中国を代表する体操選手となった。18歳で参加した01年の世界大学選手権で金メダルを獲得すると、中国メディアは張を“中国体操界の希望の星”とたたえ、さらなる飛躍を期待した。  ところが、張の人生が一変する出来事が起こった。03年、練習中にアキレス腱を断裂したことにより、夢であったアテネ五輪への道が断たれた。このケガをきっかけに、故郷の河北省に帰り、国から支給されたわずかな補償金のみで生活することとなった。闘病する両親の介護をしながらの生活は厳しく、過去に獲得したメダルさえも売ってしまったという。
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北京市内の地下道でパフォーマンスをする様子。こうして日銭を稼いで生きている
 そんな生活苦の中、ついに張は犯罪に手を染めることになる。07年に北京市内の体育系大学など、少なくとも5カ所に侵入し、校内の備品や学生の携帯電話などを盗んだのだ。逮捕された張は懲役4年の刑を言い渡され、11年に出所。その後は路上などで体操のパフォーマンスをし、1日45~60元(約800~1000円)ほどを稼ぎ、現在に至るという。
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無許可でパフォーマンスをして、警察に排除される張。これが国家の英雄の末路なのか
 中国版Twitter「微博」では、かつてのスーパースターの落ちぶれた様子にショックを隠せないユーザーから、驚きのコメントが多数寄せられている。 「彼が金メダルを獲得する様子をテレビで見て、五輪でも活躍するのを楽しみにしていたのに、どうして泥棒になったんだ?」 「俺、この間、北京の地下鉄で彼のパフォーマンス見かけたよ。10元(約180円)あげたよ」 「国家が育成している中でケガをしたのだから、国が彼の生活の面倒をしっかり見るべきだ!」 「小さい頃から体操一筋で、社会人として再スタートできなかったんだな」  ケガの後遺症で、路上パフォーマンスは逆立ちとあん馬しかできなくなってしまった張に、もっと難しい技を要求する人も多いという。国は違えど、転落したスター選手の末路は、ただただ悲しさだけが残るのみだ。 (文=青山大樹)