楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」(後編)

umez_akari02.jpg ■前編はこちらから ――なるほど~。そう言えば、お二人とも携帯電話を持ってらっしゃらないんですよね。 長尾武奈監督(以下、長) 持ってないですね~。学校を卒業するから、4月からは持とうかな。 楳図かずお氏(以下、楳) たぶん携帯電話持ったって、やり取りする相手がいないと思う(笑)。 ――アハハ! 分からないじゃないですか!  いや、今、なかなか友達ができないというか......。 ――長尾監督のTwitterを見てると、クレイアニメの制作の話の他に、ちょいちょい「 まいんちゃん」とか「けいおん!」っていうワードが出てきて親しみが湧きますよ!  でも、友達ってできたらアイデアをパクられたりしない? それは用心だと思うよ。世界を相手にやっている人は、迂闊に友達作っちゃうと危ない。 ――あ、それはあるかもしれないですね。手塚治虫先生にパクられたというエピソードをお持ちの楳図先生ならではのアドバイス! 私はぜんぜん世界には相手にされてないですけど、売れてる友達に「オススメのマンガとかCDある?」って聞かれて、「コレが面白いよ!」って薦めると、そういう仕事が全部そっちに入っちゃう! 「うわー、私、何にも残らなかった」みたいなことがたまに起こりますよね。漫画の世界もそうですか?  ねえ? やっぱり漫画家は漫画家の友達がいたって、自分の知り尽くした世界に新しいものってないし、やっぱり面白くないんですよ。 ――だから楳図先生は小説も漫画も読まないし、映画もほとんど見ないんですよね?  そうですね。それに、影響を受けるというか、コピーになりたくないっていうのがありますよね。見ちゃったら少なくとも影響はあるはずなので。自分でオリジナルを作ろうと思うと、既に頭にあるものをどうやって排除しようかと工夫するじゃないですか。そんなに苦労するんだったら、最初から何も見ずに一生懸命考えたほうがいいです。 ――恐れ多くも、分かります。私たちの世代って、既にいろんな素晴らしいものがあった上で、既に影響されて入っちゃってることが多いから、何か新しいものを作ろうと覚醒したとき、初めはノリノリなんですけど、だんだん「あれ? これ、見たことあるな?」とか「もう誰かが先にやってた!」ってことがすごく多くて......自分の凡人ぶりが悲しくなります。  そう、そうなっちゃうんだよね。そこが嫌なんで、だから見ずに最初から考えて、たまたま同じようになったら、「同じこと考えている人がいるんだ~」って思えるけど、見ちゃったらねぇ。難しいところでねぇ。  ホラー映画とかを見てても、「似た場面があるな~」ってことは多いですよね。"オマージュ"という言葉の魔術......。 ――オマージュとか、インスパイアとか、尊敬するからあえて取り込みましたっていうのも多いですよね。例え同じシーンでも、クレイで表現されるとすごく新鮮でしたし。  新しく作ろうと思ったらそれは壁になっちゃうけど、オマージュだったら「オマージュです」って先に言ってしまってから始めよう。それに、彼のはキャラクターの形自体が、自分のものでやってますからね。 ――楳図先生や長尾監督みたいに、人と違う、新しいものを作るには、どうすればいいんでしょうか? もう、どう走り出したらいいのかも分かりません......。  新しいもの、人と自分と......っていうより、自分が作ったものの中で、「これは前にやったパターンだな」っていうのがあって、それをやめとこうってだけなんです。まずは、自分がまだやってないというところに目をつけた方がいいですよ。まず自分と戦って、それから外との戦い! ――先生がどんどん新しい言語を勉強したりするのも、自分との戦いなんでしょうか?  そうですね、それはあるかもしれない。そこからまた違うものが読み込める感じがして。田舎にいた頃、こもりきりで肩こりになったりしたから、今度は明るい人って感じで、夏祭りなんかにも出まくって、違うポーズをして......それ本当に、大事! ――現在進行形でたいして忙しくもないのにひきこもって無駄に肩こりしてるので、がんばります! お外に出て、なんでもやってみなきゃ!  新しいことは、コケそうなことでも、どんどんやっていきましょう(笑)。 ――好きでやってることでも、続けていくと気が滅入ることもありますよね。そういった時はどう対処してますか?  一時期、スランプというか、今日はコレをやらないといけないんだけど、どうしても気分が上がらないな、という時。そういう時はフラフラと外に出たりとか。  締切りとかはどうするんですか? 僕なんかは、スケジュールが最初から決まっているものなので、フラフラじゃなくて死に物狂いです。 ――じゃあ、あの吉祥寺の名物になっているお散歩の時間も?  そうですね、歩きながら考えてますね。考えるのと歩くのは一体になっているんです。昔の4コマ漫画に、よく部屋の中をぐるぐる歩き回るってのがあったんですけど、考えてるとああいう状態になってくるんですよね。だから、外に出て外を歩いて考えたほうがいろんなことが気分転換できたり、気分を休めたりできるので、家の中よりは外の方がいいんだけど......最近は、自転車とか車とかで、どこを歩いても危ないですよ。物を作る人にとって、考えるための道は不可欠だと思うんですけれど。 ――先生の場合は服装が目立つから、向こうから避けてくれそうな気も......。私、考え事とか悩み事があると、とにかく家の中で塞ぎこんでしまうんですよ。そうなるとどんどん下の方に下の方に行っちゃって、「もう消えたい......」みたいになっちゃって。それって、やっぱり完全に逆効果なんですね......。  でも、陰気な方に行ったほうが考えやすいんですよ。周りから情報が入りすぎちゃうと、気分は新しくなっても、上手く考えられないから。頭の中を活発にさせようと思ったら、やっぱり強い刺激より、ゆったりした自然の中に自分を持っていった方が、自然にいい考えが出てきますよ。 ――そう言えば、静かな夜道なんかを歩いていると、いつもより色んなものが見えてきますよね。  ......夜道と言えば、昔、高田馬場にいた頃ね、当時は夜でも安全だったので、高田馬場から新宿に向かって歩いてたんですけど、ある時、10m先に女の人がいるんですね。その後を僕が歩いているんですけど、そのままずっと10m間隔で進んでいって、これが結構長いんですよ。で、その女の人が道沿いにある自動販売機にススッと行ってお金をいれて、ガチャッと落ちてきたジュース缶を握った瞬間、僕にそれをガッ!! と!! ――ギャーッ!(楳図先生の絵で想像して下さい)  女の人は、後ろから誰かが歩いてくるとそんなに怖いんでしょうかね? ――そりゃ怖いですけど、災難すぎますよ! もし、長尾監督が夜道をそうやって歩いていて、間違って女性に通報されたとするじゃないですか。で、家宅捜索が入った場合......。  ビデオに撮っておいたホラーのテープが棚にいっぱいで、テーブルの上には、メイドさんやゾンビの血みどろクレイが......。  それはマズイ(笑)。 ――もう逃げられない(笑)! 気をつけてください! お二人とも、今日はありがとうございました! (取材・文=小明) ●楳図かずお(うめず・かずお) 1936年和歌山県生まれ。55年マンガ家デビュー。以降、数々の伝説的作品を発表し、各界に多くのフォロワーを生んでいる。審査員を務めた「第10回 DigiCon6」優秀賞のクレイアニメ『チェーンソーメイド』(ポニーキャニオン)を推薦中。 ●長尾武奈(ながお・たけな) 1986年京都府生まれ。高校時代からクレイアニメの制作を始め、国内外の映画祭で高い評価を得る。代表作『チェーンソーメイド』はYouTubeで300万回以上再生。DVD『チェーンソーメイド』(ポニーキャニオン)発売中。 ●小明(あかり) 1985年栃木県生まれ。02年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」(後編)

umez_akari02.jpg ■前編はこちらから ――なるほど~。そう言えば、お二人とも携帯電話を持ってらっしゃらないんですよね。 長尾武奈監督(以下、長) 持ってないですね~。学校を卒業するから、4月からは持とうかな。 楳図かずお氏(以下、楳) たぶん携帯電話持ったって、やり取りする相手がいないと思う(笑)。 ――アハハ! 分からないじゃないですか!  いや、今、なかなか友達ができないというか......。 ――長尾監督のTwitterを見てると、クレイアニメの制作の話の他に、ちょいちょい「 まいんちゃん」とか「けいおん!」っていうワードが出てきて親しみが湧きますよ!  でも、友達ってできたらアイデアをパクられたりしない? それは用心だと思うよ。世界を相手にやっている人は、迂闊に友達作っちゃうと危ない。 ――あ、それはあるかもしれないですね。手塚治虫先生にパクられたというエピソードをお持ちの楳図先生ならではのアドバイス! 私はぜんぜん世界には相手にされてないですけど、売れてる友達に「オススメのマンガとかCDある?」って聞かれて、「コレが面白いよ!」って薦めると、そういう仕事が全部そっちに入っちゃう! 「うわー、私、何にも残らなかった」みたいなことがたまに起こりますよね。漫画の世界もそうですか?  ねえ? やっぱり漫画家は漫画家の友達がいたって、自分の知り尽くした世界に新しいものってないし、やっぱり面白くないんですよ。 ――だから楳図先生は小説も漫画も読まないし、映画もほとんど見ないんですよね?  そうですね。それに、影響を受けるというか、コピーになりたくないっていうのがありますよね。見ちゃったら少なくとも影響はあるはずなので。自分でオリジナルを作ろうと思うと、既に頭にあるものをどうやって排除しようかと工夫するじゃないですか。そんなに苦労するんだったら、最初から何も見ずに一生懸命考えたほうがいいです。 ――恐れ多くも、分かります。私たちの世代って、既にいろんな素晴らしいものがあった上で、既に影響されて入っちゃってることが多いから、何か新しいものを作ろうと覚醒したとき、初めはノリノリなんですけど、だんだん「あれ? これ、見たことあるな?」とか「もう誰かが先にやってた!」ってことがすごく多くて......自分の凡人ぶりが悲しくなります。  そう、そうなっちゃうんだよね。そこが嫌なんで、だから見ずに最初から考えて、たまたま同じようになったら、「同じこと考えている人がいるんだ~」って思えるけど、見ちゃったらねぇ。難しいところでねぇ。  ホラー映画とかを見てても、「似た場面があるな~」ってことは多いですよね。"オマージュ"という言葉の魔術......。 ――オマージュとか、インスパイアとか、尊敬するからあえて取り込みましたっていうのも多いですよね。例え同じシーンでも、クレイで表現されるとすごく新鮮でしたし。  新しく作ろうと思ったらそれは壁になっちゃうけど、オマージュだったら「オマージュです」って先に言ってしまってから始めよう。それに、彼のはキャラクターの形自体が、自分のものでやってますからね。 ――楳図先生や長尾監督みたいに、人と違う、新しいものを作るには、どうすればいいんでしょうか? もう、どう走り出したらいいのかも分かりません......。  新しいもの、人と自分と......っていうより、自分が作ったものの中で、「これは前にやったパターンだな」っていうのがあって、それをやめとこうってだけなんです。まずは、自分がまだやってないというところに目をつけた方がいいですよ。まず自分と戦って、それから外との戦い! ――先生がどんどん新しい言語を勉強したりするのも、自分との戦いなんでしょうか?  そうですね、それはあるかもしれない。そこからまた違うものが読み込める感じがして。田舎にいた頃、こもりきりで肩こりになったりしたから、今度は明るい人って感じで、夏祭りなんかにも出まくって、違うポーズをして......それ本当に、大事! ――現在進行形でたいして忙しくもないのにひきこもって無駄に肩こりしてるので、がんばります! お外に出て、なんでもやってみなきゃ!  新しいことは、コケそうなことでも、どんどんやっていきましょう(笑)。 ――好きでやってることでも、続けていくと気が滅入ることもありますよね。そういった時はどう対処してますか?  一時期、スランプというか、今日はコレをやらないといけないんだけど、どうしても気分が上がらないな、という時。そういう時はフラフラと外に出たりとか。  締切りとかはどうするんですか? 僕なんかは、スケジュールが最初から決まっているものなので、フラフラじゃなくて死に物狂いです。 ――じゃあ、あの吉祥寺の名物になっているお散歩の時間も?  そうですね、歩きながら考えてますね。考えるのと歩くのは一体になっているんです。昔の4コマ漫画に、よく部屋の中をぐるぐる歩き回るってのがあったんですけど、考えてるとああいう状態になってくるんですよね。だから、外に出て外を歩いて考えたほうがいろんなことが気分転換できたり、気分を休めたりできるので、家の中よりは外の方がいいんだけど......最近は、自転車とか車とかで、どこを歩いても危ないですよ。物を作る人にとって、考えるための道は不可欠だと思うんですけれど。 ――先生の場合は服装が目立つから、向こうから避けてくれそうな気も......。私、考え事とか悩み事があると、とにかく家の中で塞ぎこんでしまうんですよ。そうなるとどんどん下の方に下の方に行っちゃって、「もう消えたい......」みたいになっちゃって。それって、やっぱり完全に逆効果なんですね......。  でも、陰気な方に行ったほうが考えやすいんですよ。周りから情報が入りすぎちゃうと、気分は新しくなっても、上手く考えられないから。頭の中を活発にさせようと思ったら、やっぱり強い刺激より、ゆったりした自然の中に自分を持っていった方が、自然にいい考えが出てきますよ。 ――そう言えば、静かな夜道なんかを歩いていると、いつもより色んなものが見えてきますよね。  ......夜道と言えば、昔、高田馬場にいた頃ね、当時は夜でも安全だったので、高田馬場から新宿に向かって歩いてたんですけど、ある時、10m先に女の人がいるんですね。その後を僕が歩いているんですけど、そのままずっと10m間隔で進んでいって、これが結構長いんですよ。で、その女の人が道沿いにある自動販売機にススッと行ってお金をいれて、ガチャッと落ちてきたジュース缶を握った瞬間、僕にそれをガッ!! と!! ――ギャーッ!(楳図先生の絵で想像して下さい)  女の人は、後ろから誰かが歩いてくるとそんなに怖いんでしょうかね? ――そりゃ怖いですけど、災難すぎますよ! もし、長尾監督が夜道をそうやって歩いていて、間違って女性に通報されたとするじゃないですか。で、家宅捜索が入った場合......。  ビデオに撮っておいたホラーのテープが棚にいっぱいで、テーブルの上には、メイドさんやゾンビの血みどろクレイが......。  それはマズイ(笑)。 ――もう逃げられない(笑)! 気をつけてください! お二人とも、今日はありがとうございました! (取材・文=小明) ●楳図かずお(うめず・かずお) 1936年和歌山県生まれ。55年マンガ家デビュー。以降、数々の伝説的作品を発表し、各界に多くのフォロワーを生んでいる。審査員を務めた「第10回 DigiCon6」優秀賞のクレイアニメ『チェーンソーメイド』(ポニーキャニオン)を推薦中。 ●長尾武奈(ながお・たけな) 1986年京都府生まれ。高校時代からクレイアニメの制作を始め、国内外の映画祭で高い評価を得る。代表作『チェーンソーメイド』はYouTubeで300万回以上再生。DVD『チェーンソーメイド』(ポニーキャニオン)発売中。 ●小明(あかり) 1985年栃木県生まれ。02年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

楳図かずおさんの至言「世界を相手にやっている人は、友達作っちゃうと危ない!」(前編)

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 モテない、金ない、華もない......負け組アイドル小明が、各界の大人なゲストに、ぶしつけなお悩みを聞いていただく好評連載。第20回は特別編! 大マンガ家の楳図かずお先生と、先生が大絶賛中のクレイアニメDVD『チェーンソーメイド』の長尾武奈監督をお迎えしました! [今回のお悩み] 「友達がいないのですが......」 ――長尾監督、『チェーンソーメイド』を激しく応援していらっしゃるという楳図先生、初めまして! 今日はよろしくお願いします! 私、以前から『チェーンソーメイド』の動画を見てたんですけど、可愛いイメージのクレイアニメでまさかのスプラッター!? って驚いたんですよ! 長尾武奈監督(以下、長) クレイアニメは日本だと可愛い系が人気なんで、こういうのはどうだい? 的な(笑)。 ――カラフルな粘土であんなにグロテスクな切り株動画を作るなんて......! しかも、まだ学生さんなんですよね。卒業後はどうされるんですか?  普通に就職しながらアニメを作るのもいいな、と思いつつ、チャンスがあればそれはそれで......とか、探り探りです。というか、修士論文もこれから......。 楳図かずお氏(以下、楳) 大変な時期ですねぇ。せっかくだから、修士論文の中にもゾンビやメイドさんを出してしまいましょう! たぶん、他の人には書けないようなものが書けますよ(笑)。  いやぁ、それで卒業させてくれるものなら(笑)。 ――ちなみに、主役はどうしてメイドさんだったんでしょう? 趣味?  ゾンビ物を作ろうと思ったとき、「戦うヒロインがいたらいいな、日本だと今なら......メイドさんだ!」と思って。 ――あ、じゃあ、ご自分の趣味というよりも、世相に合わせた感じだったんですね。  それもありつつ、自分でも楽しんで(笑)。メイドさんがチェーンソー持ったらカッコイイだろうなぁ、と。  ――確かにカッコよかったです! どういう作品から影響を受けましたか?  ジョージ・A・ロメロとか、『死霊のはらわた』っていうゾンビ映画の目を潰すシーンとか、チェーンソーと言えば『悪魔のいけにえ』っていう古典のような名作とか。
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『チェーンソーメイド』の撮影に使われた
クレイ人形。かわいい!
 僕は、あのゾンビの目をブスって指で潰すシーンが、見ている方に突き刺さってくる感覚があって良かった。実写ではないので、デフォルメして可愛く作っているんだけれども、それでものめりこんでしまう怖さがあって、素晴らしいですよね。イケてる描写です。 ――楳図先生の『神の左手 悪魔の右手』でも、目からハサミが飛び出してくるシーンがありましたね。アレは本当に怖かった......。  やっぱり目は嫌ですよねぇ(笑)。あと、チェーンソーで下から上までズイーンッ! とやるときに、ズバッと一気にじゃなくて、痛そうな、体の抵抗感みたいなのを出しながらやるのが良いのかな、と。そういう細かい表情などが大変良くできているから、人形が本当の人間みたいに見えてしまう。 ――メイドさんがゾンビに対して「何すんのよ!」って顔するのも面白くって。人形の表情が細かいんですよね。  ああ、あそこが一番萌える瞬間なんですよ!  萌える瞬間(笑)。ああいう細かい微妙な表情の変化が全体の怖さを上手く盛り上げていました。ああいうところをはしょっちゃうと、ガタガタの本当にスプラッターになっちゃうんだけれど、そこのところは大変上手にできてるなぁ。あとキャラクターがみんな可愛いんですよね。可愛らしいのと残酷なものの2種類が入ってる。本当の人間の感じでつくっちゃって、童話性がなくなって、エグいだけになっちゃうのは嫌ですよね。 ――楳図先生、本当に大絶賛じゃないですか!  うふふ! ――アニメの制作はどこでやられてるんですか?  自分の部屋でこもって一人で......。 ――え? スタジオとかじゃなくて?  そうですね、自分の部屋の、テーブルの上です。 ――おお......。ちなみに、1作品撮るのにどれくらいの時間がかかるんですか?  作り始めた5、6年前は2カ月くらいだったんですけど、最近は半年とか......。凝り出すとどうしても血しぶきだけに1日かけたり、どうすればもっと肉片が飛んでいるようになるかな~、とか考えながら......気付くと4、5時間経ってるみたいな。汁系にはこだわりたくて(笑)。まず、集中力をあげてスタートできるまでが一番大変かな。 ――汁は大事! 私もスタートしちゃえば早いんですけど、それまでが長い(笑)。やる気スイッチが全然見つからなくて途方に暮れることが良くあります。  ヘビメタとか、メタルの激しいのをかけて気持ちを上げたり、好きなホラー映画の一番好きな場面を見て、やる気を出すと良いですよ。『スキャナーズ』っていう映画の、あの場面がいいんじゃないか? っていうのを確認したりして。 ――超能力で頭が爆発する映画だ! 監督は映画をものすごく見てらっしゃいますよね。  中学の頃からホラー映画好きで。  ――私もロメロのゾンビにハマッてゾンビのコスプレをやり出したら、こういうお仕事が増えて、ロメロとゾンビには感謝しっぱなしです(笑)。アニメのキャラクターの声は誰が入れているんですか?  『血みどろの森』という別の短編ではゾンビの声を自分でやってました。「ううーうー......」って。実家だから、その時は家族もさすがに引いてました。  アハハハ!  でも、家族も昔からホラーが好きなのを知っていたし、おばあちゃんが一緒にゾンビ好きになっちゃて。今までは漫画とか読んでいなかったんですけど、「楳図さんのは面白い。『まことちゃん』のグワシ!」とか言って(笑)。  ねえ、精神が新しいですよね? うふふ! ――素晴らしい環境! 今後チャレンジしたいシーンはありますか?  そうですね、もっと痛みを感じさせる、粘土だけれどもこんなになっちゃうんだ!? っていうのを追求したいなと思います。あと、すごい悪意がこもった人も描きたいなぁ。 ――やっぱり普通の作品より、ホラー要素があったほうが作っていて楽しいんでしょうか?  楽しい!  そりゃあ、楽しい! 綺麗なのは綺麗なので、それ以上はないんですけど、醜い部分があると、そこはすごい想像性があって、楽しんでやれますよ。崩れた顔の方が面白いですよね。 (後編につづく/取材・文=小明) ●楳図かずお(うめず・かずお) 1936年和歌山県生まれ。55年マンガ家デビュー。以降、数々の伝説的作品を発表し、各界に多くのフォロワーを生んでいる。審査員を務めた「第10回 DigiCon6」優秀賞のクレイアニメ『チェーンソーメイド』(ポニーキャニオン)を推薦中。 ●長尾武奈(ながお・たけな) 1986年京都府生まれ。高校時代からクレイアニメの制作を始め、国内外の映画祭で高い評価を得る。代表作『チェーンソーメイド』はYouTubeで300万回以上再生。DVD『チェーンソーメイド』(ポニーキャニオン)発売中。 ●小明(あかり) 1985年栃木県生まれ。02年史上初のエプロンアイドルとしてデビューするも、そのまま迷走を続け、フリーのアイドルライターとして細々と食いつないでいる。初著『アイドル墜落日記』(洋泉社)、DVD『小明の感じる仏像』(エースデュース)発売中。 ブログ「小明の秘話」<http://yaplog.jp/benijake148/> サイゾーテレビ<http://ch.nicovideo.jp/channel/ch3120>にて生トーク番組『小明の副作用』(隔週木曜)出演中
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小明の「大人よ、教えて!」"逆"人生相談バックナンバー 【第19回】 キングオブコメディさんの至言「いつ辞めてもいいから、続けられるんです」 【第18回】 バカリズムさんの至言「モヤモヤは、そのまま持ち帰って立ち向かいます」 【第17回】 島田秀平さんの至言「小明さんの手相にはアブノーマル線があるんです」 【第16回】 小森純さんの至言「写真のチェックとか、自分では一切しないんです」 【第15回】 堀江貴文さんの至言「もうメジャー路線っていうものは存在しないかもしれない」 【第14回】 稲川淳二さんの至言「自分の子どもを殺そうか、と思った自分が一番怖かった」 【第13回】 蝶野正洋さんの至言「自分の役割の中で、最大限に光らなきゃならない」 【第12回】 有野晋哉さんの至言「アイドルは『育ちがええねんなー』っていうのが大事です」 【第11回】  鳥居みゆきさんの至言「やりたくないこと、やらないだろうな、ってことをやるの」 【第10回】  宇多丸さんの至言「人にはだいたい『ちょうどいい』ところがあるんです」 【第9回】  桜木ピロコさんの至言「あたしいつもだいたいいやらしいことしてるもん!」 【第8回】 伊集院光さんの至言「結局、うんこを食うしかない状況になるんです」 【第7回】 ルー大柴さんの至言「ライフっていうのはマウンテンありバレーありです」 【第6回】 大堀恵さんの至言「私、いつも『アンチ上等』って思ってるんです」 【第5回】 品川祐さんの至言「なったらいいなと思ってることは、だいたい実現する」 【第4回】 福本伸行さんの至言「俺は『面白いものを作ろう』じゃなくて、作れちゃう」 【第3回】 大根仁さんの至言「ネットの書き込みなんて、バカにしていいんじゃない?」 【第2回】 杉作J太郎さんの至言「そんなことより『ファフナー』見ろ、『ファフナー』を」 【第1回】 河原雅彦さんの至言「もう無理やりヤラれちゃえばいいんじゃない?」

大公開! 10年12月度「日刊サイゾー」Amazonで売れたものランキング!!

IMG_0422_0203.jpg  今や書籍のみならず、あらゆる分野の商品を揃えるネット上のマーケット空間「Amazon」。日刊サイゾーからも、記事の関連商品や人気の商品にリンクを貼り、ちょびっとだけアフィリエイト収入をいただいて、サーバー代やおやつ代をまかなっております。  日刊サイゾーからのリンクで購入されたAmazon商品をランキング形式で毎月発表しているこの連載。売れ筋商品から、日刊サイゾーという媒体の特性だけでなく、時代の流れまで見えてくるとかこないとか......。 ●本のTOP5 第1位
Pet's Eye
1位は、男性の願望を叶えてくれたマニアックな写真集。「女のコが一番無防備な姿を見せるのは、恋人の前じゃなくペットの前だ」というコンセプトのもと誕生した、素晴らしい本です。
【関連記事】「犬になりてぇ......!」ペット目線で無防備女子に迫る写真集『Pet's Eye』

第2位
フクシ伝説
2位は、伝説の悪童・フクシくんの本がランクイン。世間を騒がせたミラクルボーイはやはりタダモノではなかった!
【関連記事】 「優先順位は家族が1位」 平成のミラクルボーイ"フクシくん"はいまだ健在!

第3位
切りとれ、あの祈る手を---〈本〉と〈革命〉をめぐる五つの夜話
3位は、文芸、人文思想界隈で話題となっているこの本。ビジネス書が主流となっている現在の出版界に一石を投じる、著者・佐々木中氏のインタビューも必読です。
【関連記事】ニーチェを搾取し、ビジネス書を売りさばく今の出版界は死すべきか?

第4位
世界で一番美しい元素図鑑
4位は、iPadアプリとして人気を集めた、話題の図鑑がエントリー。美し過ぎます......。
【関連記事】 「元素オタク」の本気を見た!『世界で一番美しい元素図鑑』

第5位
非実在青少年〈規制反対〉読本
5位には、サイゾー渾身の一冊がランクイン。反対派の抗議も虚しく、可決されてしまった東京都青少年健全育成条例改正案。石原都知事の独裁政治には怖ろしいものがありますね。
【関連記事】 【速報】角川書店に続き、集英社・小学館・講談社もアニメフェアをボイコットへ!


●DVDのTOP5 第1位
アウトレイジ スペシャルエディション
堂々の第1位は、世界のキタノ7年ぶりのバイオレンス・エンタテイメント映画がランクイン。そんなたけしも昨今のテレビ不況のあおりをモロに喰らっているようで......。
【関連記事】「ギャラはほぼ半額!?」レギュラー11本のビートたけしはテレビ不況の犠牲者か

第2位
We are SMAP! 2010 CONCERT DVD
2位は、すっかり嵐にその座を奪われてしまったスーパーアイドル・SMAPのDVD。最近何かと叩かれがちなキムタクですが、彼も彼でがんばっているのです。
【関連記事】時代遅れのヒーローでも構わない!? 開き直ったキムタクが背負う"SMAP"の重み

第3位
トロン
3位は、クリエーターたちに多大な影響を与えた、SFアドベンチャー映画がランクイン。現在、28年ぶりとなる3D版続編『トロン:レガシー』が絶賛公開中。
【関連記事】師走の忙しさを吹っ飛ばせ! 痛快アクション映画で気分をリフレッシュ!

第4位
玉袋筋太郎のナイトスナッカーズ
4位は、"スナック探偵"玉ちゃんのDVD。日刊サイゾーでは、玉袋さんにスナックの極意をご指南いただきました。
【関連記事】肩肘張らず、心をフリチンに! 玉袋筋太郎が推奨する「夜のコミュニケーション」

第5位
たけし・さんまの有名人の集まる店
5位は、伝説のトーク番組のDVDが登場です。鬼瓦権造(ビートたけし)と貴子ママ(明石家さんま)の過激トークは今見ても面白い!!
【関連記事】「友達がいない男だね」ビートたけしが証言する市川海老蔵 傲慢不遜な過去

●【番外編】テレビゲームTOP3 ここでは毎回、ランダムに選んだジャンルのランキングを紹介します。 第1位
モンスターハンターポータブル 3rd
大方の予想通り、やっぱりこれが第1位。文句なしです。

第2位
AKB1/48 アイドルと恋したら... 初回限定生産版 一度しか生産しません!オークション出品不可BOX
2010年大ブレイクしたAKB48が今度はゲームで登場! たまりませぬ。

第3位
二ノ国 漆黒の魔導士
一人の少年が母を救うため異世界"二ノ国"で繰り広げる大冒険ファンタジー。音楽は久石譲、というところも注目です。



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水嶋ヒロ、100万部突破で八百長疑惑は闇の中?(12月下旬の人気記事)

ranking1230.jpg  沢尻エリカ芸能界復帰に始まり、赤西仁KAT-TUN脱退、ナイナイ岡村休業&復帰、安室奈美江&ロンブー淳熱愛&破局、ダルビッシュ&紗栄子離婚危機、アヤパンフジ退社などなど、2010年もなにかと話題豊富だった芸能界。今年も芸能人・有名人のゴシップ情報を笑いと愛を持ってお伝えすべく精進してまいりますので、引き続きご愛読よろしくお願いいたします。  さて、昨年12月下旬に人気を集めた記事と言えば、やはり海老蔵、水嶋ヒロ、沢尻エリカの三本柱! お三方ともツッコミどころ満載で、ずいぶんと楽しませていただきました。  それでは、人気記事ランキングをご覧ください~。 第1位 「友達がいない男だね」ビートたけしが証言する市川海老蔵 傲慢不遜な過去 友達の作り方から勉強しなおさなきゃね。 第2位 誤植が動かぬ証拠!? 水嶋ヒロ「八百長美談」にポストが斬り込む! ついに100万部突破! 天才は違います。 第3位 歌舞伎界総激怒状態の海老蔵事件 海老蔵サイドで唯一株を上げた「ラブリン」って誰!? "ラブリン"って呼ばれたくないな。 第4位 「映像化のプランも頓挫しそう」水嶋ヒロ処女作『KAGEROU』はやっぱり悪評三昧!? ほかに読むべき本、いっぱいあるんじゃない? 第5位 新宿駅西口でリュックを持っていたら危険人物!? 行き過ぎた"職質"に疑問の声 職質上等! 次点 「優先順位は家族が1位」 平成のミラクルボーイ"フクシくん"はいまだ健在! あのオーラ、すごいっす。 次々点 沢尻エリカと高城剛氏が復縁!? 日本の芸能システムに下克上を仕掛けるか 2010年のエリカ様の主な活動はマスコミ荒らしでした。

まるで初期アニメ ローテクを屈指する南国のアート・ユニット「トロマラマ」

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「ザー・ザー・ズー」2007年/©TROMARAMA
 『AKIRA』『ドラゴンボール』『ドラえもん』......子どもの頃、僕らの心をアツくさせた漫画やアニメが、海の向こうに住むアジアの子どもたちの心にも火をつけていた。今や日本人だけのものではなくなった、ジャパニーズ・ポップカルチャー。その影響を受けて育った、アジアの才能豊かなクリエーターたちを紹介します。 第12回 アート・ユニット Tromarama(トロマラマ)  インドネシアのカリスマ的ヘビメタバンド、セリンガイのPV『戦いの狼』は、400枚もの手彫りの木版がコマ撮りされた労作だ。セル画数が少ない初期のアニメのようなぎこちない動きが、何故かヘビメタとびったり合って、不思議な感覚を醸し出す。驚くべきローテクを駆使した、このアニメーションの作り手は、トロマラマ。フィービー、ハーバート、ルディの3人のインドネシア人によるアート・ユニットだ。400枚の木版と格闘した悪夢のような約1カ月半は、彼らのトラウマになった。「それでユニット名が『トロマラマ』なんです」。
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『ミスター味っ子(1)』(講談社)
 しかし、トラウマ体験にもめげず、以降も彼らの作るアニメーションには、山のようなビーズやボタン、磁器の食器などを使った、これでもかというほどの手仕事感が満載だ。身の回りの素材が、彼らのイマジネーションと手作業で、見たことのない映像に生まれ変わる。トロマラマの作品には、病みつきになる何かが仕込まれているようだ。  同じ家に一緒に住んで創作活動をする3人は、「日本のテレビアニメで育った」と口をそろえる。 「たくさん見ましたよ。『ミスター味っ子(Born to Cook-Ajiyoshi Yoichi)』『ドラえもん』、それと、タミヤのミニ自動車が出てくる、なんだっけ、ええと......そう、『ダッシュ! 四駆郎』!」
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戦いの狼」2006年/©TROMARAMA
 彼らをテレビに釘付けにしたのは、アニメに出てくる、ありえないほど過剰なアクション。 「めちゃくちゃ面白かった。例えば『ミスター味っ子』で、主人公の陽一が作った料理を食べると、その人の後ろから突然龍が飛び出して、その場が炎に包まれたり」  日本人の、こうした想像力マックスの状況描写は、本当にすごい、と3人。  「コミックもずいぶん読みました。『ドラえもん』『 鉄拳チンミ(Kungfu Boy)』『キャンディ・キャンディ』、上原きみ子の『まりちゃん』シリーズ......」  王道と言うべきか、渋いと言うべきか。 『テレビチャンピオン』(テレビ東京系)や『風雲! たけし城』(TBS系)などのバラエティー番組にも夢中になったという。
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ザー・ザー・ズー」2007年/©TROMARAMA
「日本の人たちが、奇妙でおかしな競争をする様子がおかしくて。子どもの頃も、今でも、インドネシアのテレビ局は、たくさんの日本のアニメを放送しています。日本のカルチャーは、無意識のうちに僕たちの体にしみ込んでいるんです」  彼らのアニメやビデオ作品自体には、日本のものがダイレクトに映し込まれているわけではない。だが、その制作姿勢やストーリー展開には、彼らの日本カルチャー体験がにじみ出る。 「日本のマンガやアニメのバラエティーあふれるテーマを見ると、"どんなことでも物語になり得る"んだ、と実感します。パン作り大会、タミヤの自動車レース、ドッヂボール、バレエ、カンフー、ビリヤード、パスケットボール、車いすバスケ......日常のあらゆるものが、素材になる」
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「ティン」2008年(陶器を素材にしたビデオ)/©TROMARAMA
「私たちの作品に最も影響を与えるのは、普段の生活や、身の回りにあるものです......それは食器だったりボタンだったり、バテック(インドネシアの伝統的な織物)だったりするのですが、そんなありふれたものを素材にし、ストーリーを膨らませてアニメーションにする過程が面白いんです」。  現在は、来年1月6日からジョグジャカルタのギャラリーで開催する個展の準備に忙しいという。 「とは言うものの、ビデオを上映するか、インスタレーションをするか。あるいは他のメディアを使ったものになるか......実は、まだ内容も決まらず、周りを見ながらあれこれ考えている最中です。もう少し時間をかければ、インスピレーションが降りてくるかな......」。彼らの次の素材になるのは、一体何なのだろう。 (取材・文=中西多香[ASHU]) TromaramaPhoto.jpg ●Tromarama(トロマラマ) インドネシアのバンドゥンを中心に活躍する3人組のクリエイティブ・ユニット。フィービー・ベビーローズ(1985 年生)、ハーバート・ハンス(1984年生)、ルディ・ハトゥメナ(1984 年生)により、バンドゥン工科大学在学中の2004 年に結成。ビデオやインスタレーションを中心に、あらゆるメディアを利用した作品作りを続ける。2008 年のシンガポール・ビエンナーレへの参加以来、国際的な注目を集めている。 <http://tromarama.blogspot.com/> ・トロマラマ 個展『KIDULT』2011年1月6日〜25日 Tembi Contemporary <http://vwfa.net/kl/index.php> ●なかにし・たか アジアのデザイナー、アーティストの日本におけるマネジメント、プロデュースを行なう「ASHU」代表。日本のクリエーターをアジア各国に紹介するプロジェクトにも従事している。著書に『香港特別藝術区』(技術評論社)がある。<http://www.ashu-nk.com > オンラインTシャツオンデマンド「Tee Party」<http://teeparty.jp/ashu/>
ミスター味っ子(1) いい趣味してます。 amazon_associate_logo.jpg
■バックナンバー 【vol.11】「造形師・竹谷隆之に憧れて......」 1000の触手を持つ、マレーシアのモンスター 【vol.10】"中国のガロ系"!? 80年代以降を代表するコミック・リーダー ヤン・コン 【vol.9】大のラーメンおたく!? シンガポールデザイン界を率いる兄貴、クリス・リー 【vol.8】メイド・イン・ジャパンに憧れて...... 香港の文学系コミック作家・智海 【vol.7】「血眼になってマンガを追いかけた」海賊版文化が育んだ中国の新しい才能 【vol.6】裸人間がわらわら 香港ピクセル・アートティストが放つ"アナログデジタル"な世界 【vol.5】ダメでも笑い飛ばせ! 香港の国民性を体現したグラフィック・ノベリスト 【vol.4】「教科書はガンダムの落書きだらけだった」 香港・原色の魔術師の意外な原点 【vol.3】「懐かしいのに、新しい」 読むほどにクセになる"タイ初の日本漫画家"タムくん 【vol.2】 マイブームはBL!? 香港の腐女子が描きとめる、消えゆく都市の記憶 【vol.1】「 :phunk版ガッチャマンが作りたい」 シンガポール発のデザイン集団が描く夢

女性サンタからブラックサンタまで 世界のクリスマス事情

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『さむがりやのサンタ』(福音館書店)
世の中のへんなものをこよなく愛するのり・たまみの、意外と知らないちょっとへんな社会学。  「♪真っ赤なお鼻のトナカイさんは~」で有名な、あの赤鼻のトナカイの名前は「ルドルフ」です。「ルドルフ」が世に初めて現れるのは1939年のこと。この年に児童書『赤鼻のトナカイ』が大ベストセラーになり、その後、同タイトルのお馴染みのクリスマスソングも作られ、こちらも大ヒットしました。  かつて、サンタクロースの橇(ソリ)を牽いているトナカイは8頭でした。しかし、「赤鼻のトナカイ」が一躍有名になってしまったので、急遽1頭増やされ9頭に。それも歌に合せて「ルドルフ」がみんなの先頭に、ということになりました。意外にいいかげんなんですね、サンタの世界って。  適当なのはトナカイだけではありません。もともと、プレゼントをもらう日は、12月6日の「聖ニコラスの日」(もしくは前夜)でした。  聖ニコラスは「サンタクロース」のモデルとなった人物で、キリスト教の実在の聖人です。「セントニコラス」がなまって「サンタクロース」になったと言われています。Wikipediaによると、聖ニコラスが貧しい家に金貨を投げ入れたところ、その金貨が暖炉の近くに干してあった靴下に入ったという逸話がもとになり、"サンタクロースがプレゼントをくれる"という伝説が広がっていったようです。それがいつの間にか、12月25日のキリスト生誕祭とくっついてしまったんですね。  また、最近では「クリスマスを1月にしよう」という案が出たことがありました。世界の公認サンタクロースを取りまとめている「グリーンランド国際サンタクロース協会」の「世界サンタクロース会議」で議題に上り、05年から数年間話し合われました。  これは、「年末は何かと忙しいので、年が明けた1月に落ち着いてお祝いした方がよいのではないか」という理由によるものでしたが、「たしかに年末は忙しいけど、とりあえずは現状のままのほうがよいのではないか」という温厚な発言のほか、「カレンダー業者が困るだろう!」というストレートな商業路線の意見も出て、結局のところ、見送りになっています。クリスマスは年末商戦と密接に結びついているので、経済面から見てもやっぱり1月にずらすのは難しいということでしょうか。  そもそもサンタクロースの概念は国によって違います。「グリーンランド国際サンクロース協会」の本部が置かれているグリーンランドは、国ではなくデンマークの自治領。デンマークは男女同権の国なので、大勢の"女性サンタ"がいます。また、他国にはかなり"ブラックなサンタ"がいるようです。  建前上は「よい子にはプレゼントをくれる」サンタ。では「悪い子」には......? 実はお仕置きが待っています。単純に「プレゼントをあげない」というライトなものから始まって、悪さの度合いでどんどんお仕置きはエスカレートしていきます。「ムチでそっとお尻叩く」、「プレゼントの代わりに石炭のカスやゴミを置く」。やがて、「悪い子が寝ている間にベッドに牛やブタの内臓をぶちまける」なんて非情な手段にまで発展。それでも言うことを聞かない悪い子は、プレゼントの包装紙に詰められてさらわれ、他国に置き去りにされたり、そのまま冷たい川に投げ捨てられるそうです。  同じサンタクロースが一人で「よい子、悪い子」を判別し、こうしたお仕置きをする場合もあるし、ドイツのように最初から「よい子にはプレゼントする赤サンタ、悪い子には罰を与える黒サンタ」と、二人組で一緒に活動する国もあります。    単なる宗教行事にとどまらず、経済や道徳教育などさまざまな外部的要素と複雑に絡み合い、どんどん形式を変えているクリスマス。これからも時代に合わせて形を変え続けるのでしょうか。 (文=のり・たまみ) <参考文献> 『誰もしらないクリスマス』(舟田詠子著/朝日新聞社) 『サンタクロース学』(荻原雄一著/夏目書房) 『サンタクロース公式ブック』(パラダイス山元著/小学館) 『サンタクロースの秘密』(中沢新一著/せりか書房) ●のり・たまみ 世界中の「へんなもの」をこよなく愛する夫婦合体ライター。日本のみならず、世界中の政治の仕組みや法律などをこよなく偏愛している。主な著書に『へんなほうりつ』(扶桑社)、『日本一へんな地図帳』(白夜書房)、『へんな国会』(ポプラ社)、『へんな婚活』(北辰堂出版)などがある。
さむがりやのサンタ MacBook Airがほしいです。 amazon_associate_logo.jpg
■へんな社会学 バックナンバー 【第12回】 長崎県の18歳未満にコンドームを売ってはいけない!? 時代に取り残されたへんな法律 【第11回】 人生の一大事にはぜひ使いたい! じゃんけん必勝法 【第10回】 「イソジン」は風邪予防にならない!? 意外と知らない世界の"うがい"事情 【第9回】魚◎と書いてなんと読む? あなたの知らない漢字予備軍 【第8回】「ち●こ祭り」と「ま●こ祭り」がまさかのコラボ 愛知県の奇跡とは...... 【第7回】一時の流行語で終わる可能性も...... 実はテキトー&曖昧な「メタボ」の実態 【第6回】未成年だけじゃない!? 知られざる日本の不自然な養子縁組 【第5回】世界でも日本だけ!? 血液型にこだわる日本人の国民性 【第4回】読み方は自分で決められる!? あなたが知らない日本人の名前の秘密 【第3回】"交通事故死減少"は真っ赤なウソ!? 軍事国家時代から続く「大本営発表」のカラクリ 【第2回】あの阿久根市より凄い! おっぱいで勝負をかける山口県光市 【第1回】皇居、ディズニーランド、甲子園球場......好きな場所に勝手に住み込む方法とは?

飲みかけのココアを残し、消えた少女……奇妙な「怪文書」が示唆する事件の真相とは!?

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加茂前ゆきちゃん(8歳)。
何かが狂ってしまった現代社会。毎日のようにニュースに流れる凶悪事件は尽きることを知らない。そして、いつしか人々はすべてを忘れ去り、同じ過ちを繰り返してゆく......。数多くある事件のなかでも、未だ犯人・被疑者の捕まっていない"未解決事件"を追う犯罪糾弾コラム。  【第16回】 三重小2女児失踪事件 (1991年3月)  三重県四日市市富田浜町。付近を流れる十四川(じゅうしがわ)の両岸には、春先に約600本のソメイヨシノが咲き並び、川沿いでは毎年恒例の「桜祭り」が行われる。しかし、事件の関係者にとっては20年もの間、祭りの喧噪に耳を傾けることもできないまま、空白の時間が続いている。  1991年3月15日、板金工場に勤める加茂前芳行さんの三女・ゆきちゃん(当時8歳)が、学校から帰宅して間もなく、忽然と姿を消した。まだ桜の蕾も開かない、肌寒い季節の出来事だった。  失踪当時、ゆきちゃんは四日市市立富田小学校の2年生。卒業式シーズンだったため、学校が終わるのが早く、この日も午後2時頃には自宅に帰っていた。  工場で夜勤の仕事をしていた父・芳行さんは就寝中で、母・市子さんはパートに出かけ、小学6年生と高校生の2人の姉はまだ学校から帰っていなかった。  ゆきちゃんは午後2時頃に友達と別れる際、友達に「これから約束がある」と伝え、遊びの誘いを断って帰宅。眠っていた芳行さんは、彼女が帰ったことに気付かなかったという。  午後2時半頃、パート先の市子さんが自宅に電話をかけ、ゆきちゃんの声を聞いている。これが母と娘の最後の会話になってしまった。  午後4時、次女が家に帰ると、ゆきちゃんが外出する際に着ていたピンク色のジャンパーが残され、外には自転車が置かれたまま。テーブルには、まだ温かい飲みかけのココアが残っていた。ココアが大好きだったという彼女は、普段から自分で作って飲んでいたという。  午後4時半に起床した芳行さんは、「外に遊びに出かけているのだろう」と思い、ゆきちゃんがいないことも気にかけず、この日も平常通り、夜勤の仕事に出かけている。しかし、午後8時になってもゆきちゃんは家に帰らず、異変に気付いた母親が警察に捜索願を出し、失踪事件として取り扱われることとなった。  一体、ゆきちゃんが友達の誘いを断った「約束」とは何だったのだろうか? なぜ、ゆきちゃんは作ったばかりの飲み物を残したまま、3月の寒空の下にジャンパーも着ないで出かけたのだろうか?  警察の聞き込みにより、ゆきちゃんが家から1kmほど離れた「近鉄富田駅で見かけた」という多くの目撃証言のほか、「十四川付近で遊んでいた」「白いライトバンの運転手と話していた」などの証言が寄せられた。  しかし、彼女の身を案じる家族の思いも虚しく、延べ500人の捜査員を動員した三重県警の捜査は実らず、ゆきちゃんは現在もまだ行方不明のままである。  そして、失踪から3年後の1994年の春、事件は奇妙な展開を見せる。加茂前さん宅に「加茂前秀行(芳行さんの誤字と思われる)様」と宛てられた奇妙な封筒が届いたのだ。  手紙は3枚の紙に綴られ、鉛筆書きの上からボールペンでなぞられていた。  その内容は、まさに"怪文書"というべきものである。  以下、全文を掲載する。 ミゆキサンにツイテ ミユキ カアイソウ カアイソウ おっカアモカアイソウ お父もカアイソウ コンナコとヲシタノハ トミダノ股割レ トオモイマス 股ワレハ 富田デ生レテ 学こうヲデテ シュンガノオモテノハンタイノ、パーラポウ ニツトめた イつノ日か世帯ヲ持チ、ナンネンカシテ 裏口ニ立ツヨウニナッタ イまハー ケータショーノチカクデ 四ツアシヲアヤツツテイル ツギニ スズカケのケヲ蹴落シテ、荷の向側のトコロ アヤメ一ッパイノ部ヤデ コーヒーヲ飲ミナ ガラ、ユキチヲニギラセタ、ニギッタノハ  アサヤントオもう。 ヒル間カラ テルホニハイッテ 股を大きく ワッテ 家ノ裏口ヲ忘レテ シガミツイタ。 モウ股割レハ人ヲコえて、一匹のメス  にナッテイタ。 感激ノアマリアサヤンノイフトオリニ動い  タ。ソレガ大きな事件トハシラズニ、又カム チャッカノハクセツノ冷タサモシラズニ、ケッカハ ミユキヲハッカンジゴクニオトシタノデアル モウ春、三回迎エタコトニナル サカイノ クスリヤの居たトコロデハナイカ トオモウ ダッタン海キョウヲ、テフがコエタ、コンナ 平和希求トハチガウ ミユキノハハガカ弱イハネヲバタバタ ヒラヒラ サシテ ワガ子ヲサガシテ、広い ダッタンノ海ヲワタッテイルノデアル 股割れは平気なそぶり 時ニハ駅のタテカンバンニ眼ヲナガス コトモアル、一片の良心ガアル、罪悪ヲ カンズルニヂカイナイ ソレヲ忘レタイタメニ股を割ってクレル オスヲ探しツヅケルマイニチ 股ワレワ ダレカ、ソレハ富田デ生レタ コトハマチガイナイ 確証ヲ掴ムマデ捜査機官に言フナ キナガニ、トオマワシニカンサツスルコト 事件ガ大キイノデ、決シテ イソグテバナイトオモウ。 ヤツザキニモシテヤリタイ 股割レ。ダ。ミユキガカアイソウ 我ガ股ヲ割ルトキハ命ガケ コレガ人ダ コノトキガ女ノ一番 トホトイトキダ  この禍々しさの滲み出る手紙を手にした家族の心の痛みは、相当なものだったろう。  誰が何の目的で、このような怪文書を送ってきたのだろうか? わざわざ比喩的な表現を多く用いることに、何か意味はあるのだろうか?  私は、この怪文書を以下のように読んだ。 「この事件を起こしたのは、富田に住む性風俗産業に従事する女性(股割レ)だと思います。鈴鹿(スズカケのケヲ蹴落シテ)で自らが好意をもつ暴力団員(アサヤン=ヤーサン)にそそのかされ、加茂前ゆきちゃん失踪事件の実行犯となったのだろう」  この手紙が悪戯だとしたら、あまりに手の込んだ悪戯であり、ただただ家族の神経を逆撫でしただけである。しかし、あくまで個人的な希望ではあるが、この怪文書が、ゆきちゃん失踪の真相を知る者が、良心の呵責に耐えかねて送ってきたものであると信じたい。もし、そうであるならば、まだ少しは解決の糸口が残されているということだからである。  奇妙な出来事は、さらに続いた。  事件から12年以上経った2003年10月、加茂前さん宅に不審な男から電話がかかってきたのだ。その男は話のなかで、自らの特徴を「パンチパーマ」と語った。  この電話のことを聞いた捜査関係者は、驚きを隠せなかったという。実は事件発生当初、捜査関係者がマークしていた白いライトバンの男の特徴は、パンチパーマだったからである。そして、これは関係者のみが知りうる情報であり、このことが明るみにされるまで、一切報道はされていないのだ。  これらの、あまりに不気味な出来事は、「加茂前ゆきちゃんは生きている」という犯人からの暗黙のメッセージかもしれない。  事件から約20年が過ぎ、誘拐が"時効"となった今でも、家族や関係者は、いつまでもゆきちゃんが帰ってくるのを祈り続けている。 (取材・文=神尾啓子) <被害者の情報>※すべて失踪当時のもの 名前:加茂前ゆきちゃん(8歳) 身長:身長130cm 体重:38kg 特徴:長髪(肩から下20cmぐらい) 服装:水色地に水玉模様の長袖ブラウス、薄茶色のスカート、黒色のビニール靴 <連絡先> 連絡先:三重県四日市北警察署 TEL:0593-66-0110
怪文書 謎、深まる。 amazon_associate_logo.jpg
バックナンバー 【第15回】 胸と内臓を刃物でえぐり取られ......切断された島根の女子大生殺害事件から1年 【第14回】 "栃木女児殺害事件"発生から5年 7歳少女の顔を執拗に殴打し、胸を12度も刺した犯人の残忍性 【第13回】 15歳ハーフ美少女が夏祭りの夜に失踪 3日後、見知らぬ町で変わり果てた姿に...... 【第12回】 "白昼の惨殺劇"母親が刺殺される一部始終をトイレの中で聞いていた娘...... 【第11回】 全裸発見の茨城大女子学生絞殺遺体 遺留品から検出の"男性2人分のDNA"の謎 【第10回】 愛知・蟹江町の"眼球破裂"通り魔事件 昨年5月「母子3人殺傷事件」と同一犯か!? 【第9回】「逮捕で迷宮入り!? "時効延長"直前に起きた「愛知母子4人殺害・放火事件」 【第8回】「上智大生殺人放火事件」時効まで残りわずか! 昨年10月の「千葉大生殺害放火事件」との関連は!? 【第7回】全国有数の"失踪事件"多発地域で女性記者が姿を消してから11年 【第6回】見知らぬ男が家に侵入して17歳長女を刺殺  顔を見られた犯人は妹と祖母を追い回し...... 【第5回】被害者とその親友──2人の"佐藤梢"と消えた男のリアル・ミステリー 【第4回】 ストーカー行為を働いた挙げ句にターゲット女性の家族を惨殺して逃亡 【第3回】 事態急転!「リンゼイさん殺害事件」市橋達也整形術前後の写真入手で逮捕秒読み!? 【第2回】大量の遺留品が招いた初動捜査の混乱 果たしてDNAに人格は認められるか? 【第1回】「おい、小池!」で日本中に知られた男は本当に名前を呼ばれる日を待ち続けている

気分次第でアレンジ可能 「麻婆茄子! 干し芋乗っかっちゃう!」

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料理の数だけダジャレがある――。ダジャレをこよなく愛する男が考案する、笑えるおいしいレシピ。  「ただいま......」 IMGP0008.jpg 母 「おかえりー。どうしたの、茄子持ってボーっとしちゃって。あ、分かった。ボーナスね!」  「う、うん。今日、ボーナス支給日だったんだ」 母 「ちょうどよかった、今日は麻婆茄子よ。まー! ボーナス!」 IMGP0059.jpg  「お前が作る、このあっさりした麻婆茄子、しみじみうまいよな」 母 「そうだ、ボーナス出たんだから、こんなのどう?」 IMGP0063.jpg  「麻婆茄子に干し芋を乗っけるの?」 母 「そう、麻婆茄子干し芋乗っかっちゃう。まーボーナス! 欲しいもの買っちゃう!」  「う、うん。実はごめん......ボーナスが......」 IMGP0064.jpg 母 「ブラックコーヒー? どうしたの、いつもは砂糖たっぷりの甘いのしか飲まないのに」  「うん、業績悪化で俺のボーナスは砂糖ゼロ......」 母 「ま、まさか......」 父&母 「ボーナス糖分(当分)ゼロ!」 ■材料 IMGP0022.jpg ・茄子 適量 ・豚ひき肉 適量 ・調味料 (焼肉のたれ、ケチャップ、鶏がらスープの素、山椒など) ■作り方 1、茄子は八つに切り、薄い塩水に漬けてアクを抜く。 2、油をひいたフライパンで、水気を切った茄子とひき肉を炒める。 3、火が通ったら、焼肉のたれ、ケチャップ、鶏がらスープの素、山椒で味付けをする。 4、干し芋乗っかっちゃう。 ■玉置メモ ・焼肉のたれとケチャップをベースとした簡単でおいしい麻婆茄子(というか、茄子とひき肉の炒め物ですね)。 ・麻婆茄子らしくとろみをつけたい場合は、鶏がらスープの素と片栗粉を水で溶いたものを加える。 ・材料や調味料は適当なので、ニンジンやネギなどの具を加えたり、ラー油や豆板醤で辛くしてもOK。 ・ボーナスが上がった人は、オニオンリングでも添えてください。「麻婆茄子揚がった輪(まー! ボーナス上がったわ)」。 (文・写真=玉置豊) ●たまおき・ゆたか へんな料理研究、マイナーアウトドア、狩猟採取が趣味のWEBディレクター、ときどきライター。「デイリーポータルZ」、「地球のココロ」、「@ニフティ つり」など で連載中。 < http://www.hyouhon.com/>
クックドゥ 麻婆茄子 忙しいあなたに。 amazon_associate_logo.jpg
■男のダジャレレシピ・バックナンバー 【第4回】三つの味が楽しめる豪華ディナー 「三択ロース」 【第3回】贅沢の極み! 「いい肝のカワハギのいい肝ばかり」 【第2回】ひと手間かければ豪華な一皿! 「タンカレー ナンバナナ天」」 【第1回】甘くて辛い 大人のおつまみ 「マスタードナッツ」

誤植が動かぬ証拠!? 水嶋ヒロ「八百長美談」にポストが斬り込む!

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「週刊ポスト」1月1・7日号より
●第73回(12月14日~12月20日発売号より) 第1位 「水嶋ヒロベストセラー処女小説68万部の『八百長美談』全内幕」(「週刊ポスト」1月1・7日号) 第2位 「渡辺充前侍従長に聞いた 天皇陛下喜寿の胸の内」(「週刊朝日」12月31日号) 第3位 「リエンとリオンの違いを教えてください」(「週刊文春」12月23日号)  月曜日(12月20日)の朝日新聞、読売新聞の「現代」「ポスト」の広告がすごい。合併号ということもあるが、「現代」は左右全5段、「ポスト」は、読売は「現代」と同じだが、朝日はなんと全7段のド迫力。  2010年度上半期の日本ABC調査で、「現代」は前期比112%伸びて36万7,000部。「新潮」が38万8,000部だから(前期比91%)第2位奪還も目前だ。ちなみに第1位は「文春」で48万5,000部(前期比90%)。「ポスト」は前期比91%で27万3,000部だから、これ以上「現代」に離されてはならじとの意気込みが伝わってくる。  その「ポスト」の巻頭は小沢一郎インタビューだが、親小沢ジャーナリスト渡辺乾介氏だからか、沈黙を破ってすべてを語っているようには読めない。渡辺氏自身が「次なる小沢の言説を眼光紙背に徹して熟読することをお勧めする」と書いているのだから、内容は読まずとも分かる。だが、部数が順調な「現代」に失われつつある「突っこみ」精神は、「ポスト」に出てきたように思う。  さて、まだまだ続く海老蔵騒動だが、いささか飽き飽きした向きにお勧めなのが「文春」のグラビア。左右に海老蔵と伊藤リオン容疑者を並べ、リエン(梨園)とリオンの違いを並べているのだが、これがすこぶる面白い。  たとえば「襲名するのがリエンで襲撃するのがリオン」「見得を切るのがリエンでメンチを切るのがリオン」「安宅の関を演じるのがリエンでまさかの席にいたのがリオン」「新婚ホヤホヤがリエンで深夜にボコボコがリオン」「十八番がリエンで110番がリオン」「酒と縁があるのがリエンでサツと縁があるのがリオン」。これぞ編集力。どこぞのタレントが片手間に書いた2,000万円受賞作よりもなんぼかいい。  第2位は、12月23日に77歳の喜寿を迎える天皇陛下の侍従長として10年半務め、今も御用掛として仕える渡辺氏のインタビュー。  このところ皇太子夫妻との仲も心配される天皇一家だが、渡辺氏の柔らかな口調の中に、時折、マスコミへの批判や、皇位継承問題についての"本音"のようなものが垣間見えて、興味深く読んだ。 「戦後、皇室が積み重ねてきた、皇室とはこういうものだという独特の枠組みが、役人にも政治家にもジャーナリズムにも、よく分からなくなっているのではないかと」いう質問に、「それは大きな問題で、正直に言うと、教育の場で、長年にわたって天皇というものの歴史的な意味や、国民のために現在何をしておられるのかを十分に教えてこなかったのではないか。また、ちょっと申し上げにくいけれど、メディアは何かにつけて『国民の知る権利』を主張される。それならば、両陛下が毎日黙々と国民のためになさっているお仕事の全容やお言葉、記者会見の実質的な中身など、天皇と皇室の実像を国民に知らせる努力を十分にしてくださっているかと言えば、やや疑問ですね」  天皇と皇太子、秋篠宮との関係、特に皇太子とのことを指すのではないかと思うのだが、こんな発言もある。 「父親と息子の関係においては、息子のほうから学ぼうとすることが大切だということです」  また皇位継承問題については、現行の皇室典範では、皇位は次々代の悠仁さままで継承されるが、このままでは、女性皇族が結婚して皇室を離れ、悠仁さま一人だけになるということになりかねない。そこで、「私は、女性皇族に結婚後も皇族として残っていただき、悠仁さまを支えていただくようにする必要があると考えています」と、かなり大胆な発言もある。  年始に、日本の歴史の中で天皇の果たしてきた役割や、これからの有り様を考える人にとっては、示唆に富んだインタビューであろう。  第1位は、ポプラ社小説大賞を受賞したが、賞金2,000万円を辞退した"美談"もあって、ベストセラーになっている水嶋ヒロの『KAGEROU』についての「ポスト」の記事。  他社が出版した本を、多くの雑誌でこれほどけなした例を、私は知らない。この本に関しては、「『水嶋ヒロ』『KAGEROU』の冷笑的読解法」(新潮)「水嶋ヒロの小説の感想を求められたら、こう返そう」(現代)「『水嶋ヒロ』68万部小説を真剣に読んでみた」(AERA)など、評価は相当低い。  中でもポストは、この小説は"出来レース"だったというのだ。躓きは、物語のラストで「重要人物の名前が入れ替わっていて、作品の"オチ"さえも左右しかねない」(ポスト)致命的な誤植があったことで、社員総出でシールを手で貼り付けたという。  ポストによれば、水嶋が、同じプロダクションの絢香と結婚したことで、プロダクション側と揉めていたため、俳優としては八方ふさがりになっていた。そこで、かねてから憧れだった小説家になろうと、かなり早い段階から『KAGEROU』の原型をまとめていたものを、妻の絢香が動いて、広告業界の29歳B氏に相談し、B氏が60代の女性出版プロデューサーC氏に頼り、C氏がこの小説を、かつて共に働いていたことがあり親しいポプラ社のD氏に話し、「ポプラ社小説大賞」に持ち込んだのだそうだ。  これはポプラ社にとっても渡りに船だったという。というのも、破格の賞金で話題になったものの、第1回目の大賞作品が期待通りに売れず、2~4回目は該当作なしで、この賞の存続が危ぶまれていたというのだ。  この大賞は、選考委員ではなく社内の13人の編集者が選考する仕組みなので、この小説への評価は、「正直なところ否定的な意見も多かった。世に出すクオリティーに達していないというのがその理由。しかし社内で発言力のある人物が強く後押ししたこともあり大賞に選出された」(ポプラ社関係者・ポスト)そうだ。  こうして決まったはいいが、原稿はそのまま本にできるレベルではなかったので、「複数の書き手がかかりきりになって後半部分を中心に手直しした。(中略)突貫工事で進めたんです。ラストの誤植も、そんな中で起きてしまった」(同)  村上春樹の『1Q84』(新潮社)以来の出版界の明るい話題なのに、こうした「噂」が出ることは残念なことだが、これも明るさの見えない出版不況への焦りが生み出したことなのかもしれない。 (文=元木昌彦)
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撮影/佃太平
●元木昌彦(もとき・まさひこ) 1945年11月生まれ。早稲田大学商学部卒業後、講談社入社。90年より「FRIDAY」編集長、92年から97年まで「週刊現代」編集長。99年インターネット・マガジン「Web現代」創刊編集長を経て、06年講談社退社。07年2月から08年6月まで市民参加型メディア「オーマイニュース日本版」(2006年8月28日創刊)で、編集長、代表取締役社長を務める。現「元木オフィス」を主宰して「編集者の学校」を各地で開催、編集プロデュースの他に、上智大学、法政大学、大正大学、明治学院大学などで教鞭を執る。 【著書】 編著「編集者の学校」(編著/講談社/01年)、「日本のルールはすべて編集の現場に詰まっていた」(夏目書房/03年)、「週刊誌編集長」(展望社/06年)、「孤独死ゼロの町づくり」(ダイヤモンド社/08年)、「裁判傍聴マガジン」(イーストプレス/08年)、「競馬必勝放浪記」(祥伝社/09年)、「新版・編集者の学校」(講談社/09年)「週刊誌は死なず」(朝日新聞社/09年)ほか
KAGEROU ともあれ、初版43万部という事実。 amazon_associate_logo.jpg
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