
「週刊文春」7月26日号 中吊り広告より
グランプリ
「橋下徹大阪市長はスチュワーデス姿の私を抱いた!」(「週刊文春」7月26日号)
第2位
「国民よ、怒りをもて官邸前に大集結せよ!」(「週刊ポスト」8月3日号)
第3位
「転校先でもリンチ事件!<大津いじめ>『加害生徒』を少年院へ」(「週刊新潮」7月26日号)
次点
「米国選手が衝撃告白『選手村はSEXまみれ』」(「フライデー」8月3日号)
眠い。全英オープンを4日連続見て寝不足のためだが、これほどスリリングな試合も稀だろう。
200以上のバンカーがプレイヤーを苦しめてやろうと待ちかまえている難コースに、4年ぶりのメジャー制覇を狙ったタイガー・ウッズは苦しんで脱落してしまった。
楽勝と思われていた首位を走るアダム・スコットは、後半でスコアをを五つ落とし、5位スタートのアーニー・エルスが通算7アンダーで逆転優勝した。メジャー大会の怖さを見せつけてくれた。
ところで、タレントの熊田曜子(30)が、交際していた会社員の男性(29)と4月に婚姻届を提出していたことを明かにし、妊娠6カ月であることもわかった。
今年の1月初め、熊田に会った。フジテレビの番組で、熊田を口説いて「ヘア・ヌード写真集」を出すことをOKさせる編集者としてだった。『どっきりカメラ』のようなもので、隠しカメラで一部始終を撮影して、最後にスタッフが入ってくるという仕掛けである。
出演を承諾してしまった以上やるしかないと腹を決めて、彼女を口説いた。話を聞いていた彼女が少し反応を見せたのは、1,000万円の小切手(実はニセモノ)を見せたときだった。
しかし、そのあといくら金額をつり上げても、彼女は頑として首を縦に振らなかった。
今思えば婚約者がいたのだから、どだい無理な話だったのだ。
昨年9月に「フライデー」(講談社)で今回の婚約者との熱愛を報じられていたので、別れ際、彼氏とはうまくいっているのと聞くと「はい」とうれしそうに答えた。
初対面だったが、ハキハキとものを言う爽やかな美女だった。幸せを祈りたい。
さて、間近に迫ったロンドン五輪だが、なかなか盛り上がらない。そんな中で、フライデーが少し違う視点から、五輪情報を提供してくれた。
これは、アメリカのスポーツ専門誌「ESPN」に掲載された、アメリカ女子サッカー代表のゴールキーパー、ホープ・ソロの衝撃告白。
同誌によると2000年のシドニー五輪では7万個のコンドームが支給されたが1週間でなくなり、さらに2万個が追加支給されたそうだ。
「乱れているのはSEXだけじゃない。選手たちが飲むお酒の量も半端じゃないの。そしてベロンベロンに酔って、外国の選手たちとSEX。規律なんてない。選手村は世界一ふしだらな場所よ」(ソロ)
選手村では禁止されている酒を飲み、ドラッグを使ってSEX三昧。今度のロンドン五輪では、10万個のコンドームが支給されるという報道があるそうだ。
昔、五輪に出てメダルを取った重量挙げの日本選手に聞いたことがあるが、自分の性欲をどうコントロールするかは競技に臨む上で極めて大事なことで、それができないやつは勝てないという。
しかし、競技が終わればそれまでたまったものを一気に吐き出すから、選手村はSEXの競技場と化すそうだ。そっちのほうも中継してほしいものだ。
滋賀県大津市皇子山中学2年生が昨年10月に自殺したのは、同学年の三人組グループによる陰惨ないじめが引き金になったのではないか、という見方が強くなってきているようだ。
いじめを見て見ぬ振りした担任、藤本一夫校長、澤村憲次大津市教育長の無責任な対応、越直美大津市長のコロコロ変わる態度に非難が集まっている。
おまけに、加害者の実名や顔写真がネット上で公開され、その一部がガセだったことで、まったく関係ない人物が「加害者の祖父」と名指しされ、騒ぎになった。
週刊新潮と文春、週刊朝日がかなりの誌面を割いてこの問題をやっているが、新潮に驚かされる記述がある。
6月中旬、京都市宇治市のほぼ中心に位置する「神明皇大神宮」の奥まった一角で、中学3年の男子生徒5人と女子生徒1人が、1人の男子生徒を袋叩きにしていた。
ヤクザ顔負けの悪質極まりない集団リンチ事件を起こしたメンバーのうち、茶髪の生徒は、大津いじめ事件の加害生徒の一人で、この4月からこの学校に転校してきたというのだ。
この事件は宇治署に被害届が出され、生徒の事情聴取が進んでいるそうである。
新潮は、これほどひどいいじめをした加害少年たちに、こう引導を渡している。
「目下、加害生徒には遺族の心情を理解しようという姿勢すらない。3人に事件を直視させ、深く反省させるには、少年院に送るしかあるまい」
文春では、教育評論家の尾木直樹がいじめ問題でこう語っている。
「当たり前のモラルを当たり前に子供に言えるかどうか。厳しい言い方をすれば、親の『生き方』が問われているのだと思います」
また、“夜回り先生”といわれる水谷修はこう言っている。
「わが子がいじめをしているとわかったら、とにかく被害者の家に足を運んで謝りに行くこと。殴ったとかお金を取ったということまでわかっているなら、自分で警察まで連れて行く。そこできちんと説明をして、『自分の指導の責任だ。申し訳ない』と自ら謝る。そこまですれば、子供にも伝わります」
朝日は、澤村教育長のとんでもない話を載せている。
「例のいじめのアンケートについても、今回大きく報道されるまで詳細について澤村氏は把握していませんでした」(市職員)
また、澤村が教育部次長だった当時、パソコンから個人データが流失する出来事があったが、
「澤村さんが『マスコミにばれなきゃ、たいしたことじゃない』『マスコミが騒ぎすぎる』という話をしていた。今回も『どうして騒ぎが大きくなるのか』『こっちも被害者』『なぜ今ごろ、警察がしゃしゃり出てくるのか』『いじめが自殺の原因だなんて認めていないのに,この報道はおかしい』と不満げな表情で市教委幹部に言っている」(市教委関係者)
今回の事件を見ていて、大人たちの無責任な態度や対応のまずさが、悲劇を引き起こしてしまったことは間違いない。まさに「人災」である。加害生徒の転校先でのリンチ事件を取材している新潮を3位にした。
2位は、大飯原発が再稼働したから節電緩和したなどウソっぱちだと、真っ当に吠えているポストの記事。
原発を再稼働させたから電力が足りたと印象付け、次々に原発再稼働を狙う電力マフィアたちの姑息な企みだと指摘しているのである。
なぜなら、大飯原発が再稼働しても、関電の電力量の供給はまったく増えていないのだ。それは3号機を再稼働した後、一部の火力発電所を止めているからだと追及する。
それに、電力の想定需要は観測史上最も猛暑だった2010年を基準にして、不当に高く見積られている。今年は平年並みになる予想だから、需要予測を修正すべきだと主張する。
もちろん、ここまで電力不足をアピールするのは、さらなる原発再稼働を進めたい連中がいるためだ。その“ドン”仙谷由人政調会長代行は産経新聞のインタビューで「ストレステスト(耐性検査)が済めば、その他の原発も粛々と動かすべきだ」と明言している。
電力マフィアや原発推進派の連中には、毎週金曜日に首相官邸を取り巻く反原発デモの広がりが見えていないようだ。参加者たちが「あじさい革命」と呼ぶ集会には、鳩山由紀夫や民主党の議員たちまで参加しだした。
この「あじさい革命」が次々に政権を倒した「アラブの春」になるかはまだわからないが、反増税・反原発の声が全国的な拡がりを見せているのは間違いない。これに米新型輸送機MV22オスプレイの普天間飛行場配備反対運動などが加われば、60年安保のような大きな運動になる可能性はあると思う。
いまだに事の重大性がわからない野田佳彦首相に、「国民よ、怒りをもて官邸前に大集結せよ!」。
沢尻エリカの「大麻中毒」から小沢一郎の妻・和子の「離縁状」、原辰徳巨人軍監督の1億円恐喝事件、日経新聞喜多恒雄社長と部下の女性との親密疑惑と、文春の快進撃が止まらない。
さらに今週は、“天敵”橋下徹大阪市長の下半身スキャンダルを堂々スクープしたのである。
この橋下市長と付き合っていた大阪北新地の高級クラブ女性のウワサは、週刊ポスト(7月20・27日号)が「橋下徹『愛人と隠し子』怪情報」というタイトルで先週やっているのだ。
ポストは怪情報を追いきれなかったが、文春は彼女を割り出し、インタビューに成功したのだから、ポスト編集長の心中いかばかりだろう。
文春が大スクープを連発できるのはなぜだろう? 私の推測だが、一連のAKB48スキャンダルを一誌だけ書き続けていることと関係があるのではないか。
他誌がAKB48人気のおこぼれにあずかり、タブー視して提灯記事ばかり書く中、文春だけが次々すっぱ抜いているのを読者は見ている。
また、小沢一郎の妻・和子の「離縁状」を全文公開したが、法的な問題はもちろんのこと、踏み切るために編集長は相当な決断を迫られたはずである。
こうしたタブーへの挑戦と決断力が読者だけではなく、スキャンダル情報を持っている人間の間にも、文春ならば逃げずにやってくれるという「信頼感」が生まれ、情報が集まっているのではないだろうか。
彼女が橋下徹と知り合ったのは2006年、20代後半だった。文春は彼女、華原礼子(仮名)のことを「身長百六十センチ、松下奈緒似の色白で清楚な美人」と書いている。
彼女のいる高級クラブに、橋下の弁護士事務所と顧問契約にある会社の社長と一緒に来て、たまたま彼女が席についたのがきっかけだったという。
当時の橋下は、弁護士業だけではなく、03年からレギュラーになった『行列のできる法律相談』(日本テレビ系)などのテレビ出演で人気が出てきたころである。「今度ゴハンに連れて行ってよ」「行きたいね」。そんなありふれたホステスと客との会話から、付き合いが始まった。
初めてHしたのは4回目のデートのとき。酔っていたのでHが上手だったか下手だったかは覚えていないと、彼女は語る。
いつものような文春らしいセックス場面の細かい描写はなく、あっさりとしているが、面白いのは彼女が語る橋下の恐妻家ぶりである。
携帯は奥さんがうるさいから持たせてもらっていない。彼女に橋下から携帯で電話がかかるが、「これはマネージャーの電話だから、かけ直されるとマズイんだ」という。
橋下はある雑誌の対談で、奥さんが毎日携帯電話のチェックをしていると話しているから、履歴が残ることを極力避けていたことがわかる。
「奥さんてどんな人?」と橋下に聞くと「普通の主婦だよ」と答えるが、当時奥さんが妊娠していたこともあってか、「全然セックスできないよ。たまにヒステリックなところもある」と話したという。このくだりを奥さんが読んで、怒り狂ったのではないかと想像する。
有馬温泉の有名旅館に行ったときも、午後1時頃に着いて、食事をしてHをして夕方4時か5時頃にはチェックアウトしてしまう。外泊は絶対許してもらえなかったようだ。
彼女の告白を聞こう。
「橋下さんは奥さんに気を使って、遅い時間になっても絶対家に帰らなきゃならない人でしたから、大阪梅田のヒルトンホテルなんかで待ち合わせすることが多かったですね。で、食事→ラブホテル、というパターン。はじめはその都度、別のラブホテルに行っていたんですが、橋下さんが伊丹空港の近くにあるバリ島風のラブホを気に入ってからは、ほとんどそこでしたね。性欲は非常に強く、なんとなくSっぽいところもあったと思います。Hしている最中、いきなり『変態の人はね、犯罪者の心境はね、パンツかぶったりしてね。犯すんだよ』と言ったこともありました。そのとき、橋下さんも私のパンツをかぶりたそうな素振りを見せていましたけど(笑)。Hはナマでやっちゃう時もありました。橋下さん、お子さんが七人もいるんでしょ? 自分で『オレは的中率が高い』って言ってましたけど、私も若かったですから、『外出ししてくれたら大丈夫かな』ぐらいの軽いノリだったんで、あまり気にしていません(笑)。それと橋下さんはコスプレも好きでしたね。一緒によく行ってたバリ風のラブホテルにはコスプレの貸し出しサービスがあったんですが、私はスチュワーデスやOLの格好をさせられたことがあります(笑)。『これ着てほしいな~。次はこれ着て欲しいな~』って、次々と制服を渡すんです。それで私がコスプレすると『可愛い!!すごい似合う』ってメッチャ喜んでくれました(笑)」
二人の関係に終止符が打たれたのは、橋下が大阪府知事選に出る半年ぐらい前だという。食事の誘いを何回か断り続けたら、連絡が来なくなった。
橋下の言葉で印象に残っているのは、神戸の北野坂でお茶を飲んでから二人で歩いているとき、こう言ったという。
「普通に手をつないで歩きたいけど、手まではつなげないよね。普通にデートがしたい。こんな仕事、早くやめて、弁護士業に戻りたい」
そのすぐ後に知事選に立候補した橋下にビックリした彼女は、「え~っ! 言ってることとやってることが違う!」と思ったそうだ。
彼女はこう結んでいる。
「何が本当で何が嘘か、やっぱりこの人は最後までわからない人だったなぁ。本当に今は楽しいのかな? って思います」
読み終わって、彼女がなぜこの時期に橋下とのことを告白したのか、若干の疑問は残るが、こういうケースによくある金銭トラブルではなさそうだ。
いまや「次期総理に最も近い男」とまでいわれる橋下市長を襲った下半身スキャンダル。橋下がどう反論するのか注目されたが、意外にも、メディアの会見に応じてすんなり事実関係を認めた。
一応、文春の報道に対して「全部間違っているわけじゃないが、全部事実でもない」とささやかな抵抗はしたが、これまでは同誌を「バカ文春」と批判してきたのに「今回はバカとは言えないですね」と降伏した。
「正直、大変な状況だ。親のポカで、子供には本当に申し訳ない」「知事になる前までは、聖人君子のような生き方をしていたわけではない」「公人になる前でも、僕自身の人間性を判断する要素として報じられてしまうのは仕方がない」「家でものすごいペナルティーが待ってますよ。妻と大変な状況です」
と、汗を浮かべながら弁明した。この報道に政治的思惑を感じるかという質問には「それに絡めるのはひきょうだ」と、そこへ逃げ道は求めないと述べた。
翌日も会見で、妻に謝り続けたがダメだと、自分のことを「最低の父親、最低の夫」と語ったが、それ以上のことは「家庭内のこと」と15回繰り返して話さなかった。
私は橋下市長という男はキナ臭いと思ってはいるが、この会見をテレビで見ていて思わず、橋下徹というのはたいしたやつだと感心した。
こういう場合、たいていの男はノーコメントと一切口を噤むか、しつこく食い下がる報道陣にキレて怒鳴るかだが、橋下は逃げもしなければ、バカ文春を名誉毀損で訴えるなどという世迷い言も口にしなかったのは立派である。
他県の女性たちはわからないが、大阪人はこんなスキャンダルで橋下市長から離れる有権者はわずかであろう。何しろ横山ノックを知事に選んでしまうお国柄なのだから。
しばらく経ってから、奥さんが出てきて「しょうがない亭主」だと言いながらも、二人仲良くテレビにでも映れば、「カミさんには一生涯頭が上がらないやつ」という評価はついて回るが、「意外にいいやつじゃん」となるのではないか。
自分で考えたのか、知恵者がいたのかわからないが、今回だけは天晴れなメディア対応だったと褒めてやりたい。しかし「性欲は非常に強く」(華原礼子)といわれる橋下だから、これから彼女以外にも名乗り出る女性がいるのではないか。そうなればただのエロオヤジだから、支持率はあっという間に落ちる。
週刊現代は橋下市長が率いる「大阪維新の会」が、次期総選挙で大勝すると予測している。
9月にもあるといわれる総選挙で、いくつかの条件付きではあるが、民主党が94議席、自民党が113議席、公明党が28議席、みんなの党が13議席なのに、大阪維新の会は203議席取るとしているのだ。ホントかいな?
しかし、小沢一郎の率いる「国民の生活が第一」が、小選挙区で当選できるのが小沢を入れて3人しかいないと見ているのは納得がいかない。よって選外とした。
落選する大物として、民主党では鳩山由紀夫、枝野幸男、海江田万里、菅直人、前原誠司など。自民党では町村信孝、福田康夫、小池百合子、谷垣禎一を挙げているのは面白いのだが。
ポストは反対に「『次の選挙は圧勝する』と断言した小沢の“自信の根拠”」と、小沢新党は勝てると読んでいる。
ポストによれば、官邸を取り巻く反原発デモのうねりが反増税にも結びつくと小沢は見ている。「Yahoo!ニュース」の世論調査では、小沢の離党支持が約55%もあった。今以上に追い詰められた自由党のとき「日本一新」を旗印に660万票を獲得して、小沢は一人で600万票を持つ男といわれている。それに小沢の選挙戦術のうまさには定評がある。
私はこの見方には全面的に与しないが、もしこのまま選挙になれば、争点は「反増税・反原発」になることは間違いない。民・自・公は増税・原発再稼働を推し進めた側だから、大量の批判票はそれ以外の政党へ流れる。
それでは「大阪維新の会」がその受け皿になれるのかといえば、大飯原発再稼働を容認してしまった橋下市長の「変節」がネックになるのではないか。そうなると小沢が好きか嫌いかではなく、ひたすら「反増税・反原発」を唱え続けるであろう小沢新党へ、かなりの票が流れると私は思うのだが。
(文=元木昌彦)
「06連載」タグアーカイブ
“神様”との出会いと別れ、そして旅からの帰還 ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』

原宿育ちの杉井ギサブロー監督。雨の明治神宮を歩きながら、
自身のアニメ人生を振り返る。
アニメ界の巨匠・杉井ギサブロー。東映動画時代に日本初の長編カラーアニメ『白蛇伝』(58)の製作現場に参加し、虫プロ移籍後には世界初の連続テレビアニメ『鉄腕アトム』(63~66)の作画・演出を担当。幻の『ルパン三世』パイロット版にも名前を連ねている。日本アニメの黎明期から活躍し、最新作『グスコーブドリの伝記』が現在公開中の現役バリバリの監督である。しかし、作家性を前面に押し出すことなく、娯楽作品を提供することに徹してきたため、長いキャリアとアニメ界への貢献度の割にはそのフィルモグラフィーがスポットライトを浴びる機会は少なかった。そんなアニメ界の偉人・ギサブローの半生をドキュメンタリーにまとめ上げたのが石岡正人監督。前作『YOYOCHU SEXと代々木忠の世界』(10)では、アテナ映像時代の師匠である伝説のAV監督“ヨヨチュウ”こと代々木忠監督の波乱に満ちた足跡を記録している。ヨヨチュウに続いて、石岡監督が「年代を重ねた、かっこいい大人の男」としてクローズアップしたのがギサブローだった。ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』は至高のアニメ職人の意外な素顔、知られざる内面に迫っている。
1940年生まれのギサブロー監督は原宿育ちだ。戦後間もない原宿には米軍の宿舎が建てられ、最新のアメリカンコミックに触れるためにギサブローは米軍の敷地内で英字新聞の配達をしていた。雨の降る原宿・明治神宮の境内でビニール傘を手にしたギサブローが自身の少年期を振り返る。ギサブローが東映動画に入社したばかりのエピソードが楽しい。18歳になったギサブローは、念願叶って日本初のアニメスタジオ・東映動画に入社する。大好きなアニメーションの仕事ができることがうれしくて堪らない。毎朝早くに目が覚めてしまい、明治神宮をランニングして汗を流してから大泉学園にある東映動画に出社する。それでも、まだ誰も出社していない。新人時代のギサブローの上司となったのが、後にカリスマアニメーターとして知られることになる大塚康生だった。また、同僚だったりんたろうが当時のギサブローの印象をこう語る。「昼休みに女の子たちを集めてバトミントンをしていた。しょっちゅう遊んでた」と。新人時代からギサブローは大物の片鱗を見せていた。
東映動画では大塚康生の指導のもと、『白蛇伝』に動画マンとして参加したギサブローだが、やっと入社できたはずの東映動画をわずか3年で退職してしまう。宮崎駿、高畑勲ら錚々たる人材を輩出することになる東映動画の中で、新人時代のギサブローは動画マンとしては凡庸で、才能を発揮するには至らなかった。ギサブローは新天地を求め、“漫画の神様”手塚治虫が立ち上げたばかりの虫プロに移籍。『鉄腕アトム』のメーンスタッフとなっていく。このとき、ギサブローはショックを覚えた。手塚治虫がテレビアニメ用に考えたのが“リミッドアニメーション”というコマ数を省略した手法。東映動画ではディズニーアニメと同様の“フルアニメーション”を教わっていたギサブローの目にはひどく邪道に映った。ところが、完成した『鉄腕アトム』を観てさらに驚いた。コマ数が少ないものの、アトムは存分に暴れ回っていたのだ。従来の手法にとらわれることなかれ。その後のギサブローは『豆富小僧』(11)では3D立体アニメに挑むなど、時代や状況に応じた新しい作品づくりに挑んでいく。鉄腕アトムの目覚めは、ギサブローのアニメ職人としての覚醒が始まった瞬間でもあった。天才・手塚治虫と至高のアニメ職人・ギサブローは出会うべくして出会ったようだ。『鉄腕アトム』で大車輪の活躍を見せたギサブローは虫プロの子会社「アートフレッシュ」を後輩・出崎統らと設立し、『悟空の大冒険』(67)、『どろろ』(69)の総監督を務める。この頃、手塚治虫は「ギッちゃんみたいな人が、あと2人いてくれたらなぁ」とこぼしていたという。まさにギサブローは天才の片腕として機能していたのだ。

ギサブローにとって師匠であった“漫画の
神様”手塚治虫(1928~1989)。ギサブロー
は手塚の作家性、革新性に強く影響を受けた。
だが、天才と至高の職人は『どろろ』の製作時に衝突してしまう。アニメ版『どろろ』のバイオレンスシーンがあまりに生々しく、スポンサー側が難色を示していた。手塚治虫は現場を任せていたギサブローに方向修正するよう諭すが、逆にギサブローは手塚の世界観を守ろうとする。後にギサブローは大人向け劇場アニメ『千夜一夜物語』(69)でエロティズム漂う名シーンを担当する。“国民的人気漫画家”手塚治虫の作家性を支える重要な部分であるグロテスクさやエロティズムを、誰よりも忠実にアニメーション表現していたのがギサブローだった。虫プロ経営者としての顔も持つ手塚治虫と師匠の薫陶を受け、アニメーターとして真っすぐに突き進もうとするギサブローの衝突は避けがたいものだった。自分から離れていくギサブローを、手塚治虫はどんな気持ちで見ていたのだろうか。
アートフレッシュを退職したギサブローはグループ・タックの設立メンバーとなり、『ジャックと豆の木』(74)で劇場デビューを果たす。アニメーター1人ひとりがキャラクターを個別に作画するという画期的なスタイルで製作されたが、資金難からスタッフが脱落していくという師匠が舐めた苦渋を同じく味わうことになる。このときギサブロー35歳。仕事仲間に「かすみを喰って生きる」とうそぶき、長い長い放浪の旅に出る。ただし実際問題として“かすみ”を喰って生きていくことはできない。この空白期間にギサブローが手掛けたのは『まんが日本昔話』(75~94)のコンテづくりだった。東京に残した家族への生活費を送るために引き受けた仕事だったが、1話ごとに作画もテイストも変わるという『まんが日本昔話』の個性的なスタイルは、ギサブローにとって理想の形だったはずだ。

最新作『グスコーブドリの伝記』を手塚プロ
で製作するギサブロー。旧知のスタッフと
手塚プロとの混成チームをギサブロー
は束ねる。
空に浮かぶ雲を追うような放浪を続けたギサブローだったが、約10年に及ぶ旅の生活を経て第一線にカムバック。ここからギサブローの黄金時代が幕を開ける。あだち充原作の『ナイン』『タッチ』がテレビ版&劇場版ともに大ヒット。宮沢賢治原作の児童文学のアニメ化『銀河鉄道の夜』(85)は作品の評価と興行成績で成功を収める。ジョバンニ少年のあの世への旅と現実への帰還を幻想的に描いた『銀河鉄道の夜』はギサブローの代表作となった。世紀が変わり、ギサブローは再び宮沢賢治の児童文学を題材にした『グスコーブドリの伝記』のアニメ化に取り掛かる。ギサブロー69歳。だが、グループ・タックが倒産し製作中止寸前に追い込まれる。『グスコーブドリの伝記』は手塚プロダクションが製作を引き受けることに。師である手塚治虫はすでに亡くなっていたが、ギサブローは30数年ぶりに師・手塚治虫のもとに帰ってくることになった。
多くの人が涙した『グスコーブドリの伝記』の主人公ブドリの行動を“自己犠牲の精神”と簡単に語ってしまうことはできるが、ギサブローはそうではないと手塚プロに集まった新旧スタッフを前に説明する。火山の研究に情熱を注ぎ、冷害を防ぐために自分の身を献じるブドリを突き動かしたのは“欠落感”なのだという。
ブドリの生涯を“欠落感”という言葉で説明したということは、ギサブロー自身もまた心の中に“欠落感”を抱え込んでいるということではないのか。ギサブローにとっての欠落感とは何か。“漫画の神様”手塚治虫を師として仰ぐが、師を超えることはできないという諦観だろうか。初めての劇場公開作『ジャックと豆の木』でスタッフを繋ぎ止めることができなかった苦い思い出だろうか。それとも家族を置いて旅に出てしまったことに対する呵責の念か、自分にとっての安住の地がいまだ見つからないという浮遊感だろうか。
本作の中では、そのことには具体的には言及されない。ギサブロー本人や石岡監督に尋ねるのはヤボというものだろう。欠落感さえもエネルギーにして作品をつくり続けるギサブロー。彼の作品は、今なお新しく若々しい。
(文=長野辰次)
『アニメ師・杉井ギサブロー』
製作・監督・撮影・編集/石岡正人 音楽/渡辺崇 登場人物/杉井ギサブロー、大塚康生、手塚治虫、山本暎一、りんたろう、高橋良輔、明田川進、丸山正雄、伊藤叡、原正人、前田庸生、馬郡美保子、田代敦巳、藤田健、桜井宏、古川雅士、藤山房伸、江口摩吏介、李普螺、瀬谷新二、篠崎亨、ブンサダカ、阿部行夫、はしもとなおと
配給/マコトヤ 7月28日(土)より銀座シネパトス、京都みなみ会館ほか全国順次公開 <http://www.animeshi-movie.com>
(c)2012「アニメ師・杉井ギサブロー」製作委員会(ゴールドビュー/京都精華大学/手塚プロダクション)
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[第141回]横暴な上司は有志社員が制裁します!『モンスター上司』のブラックな笑い
[第140回]"クソみたいな社会を変えたい!"高校生テロリストの凄春『アジアの純真』
[第139回] うつ病なんかヘーキ!? 宮崎あおい主演作『ツレがうつになりまして。』
[第138回]"神話"が生まれる瞬間を目撃せよ! 人類への黙示録『猿の惑星:創世記』
[第137回]刑務所で食する至高の味『極道めし』ヒロインの後ろ姿に、むせび泣き!
[第136回]"理想の恋人"という偶像を破壊せよ 深夜番長の劇場デビュー作『モテキ』
[第135回]"城定秀夫監督、ブレイク前夜の予感! 闘争本能を呼び覚ます『タナトス』
[第134回]"人間失格"の道を選んだ映画監督の業 林由美香の最新主演作『監督失格』
[第133回]ホラ吹きのホラを見破る特異な職能 ポランスキー監督『ゴーストライター』
[第132回]芦田愛菜、6歳にして危険な魅力!? 子連れで全力疾走『うさぎドロップ』
[第131回]元"暴走族"が書いた旧友への鎮魂歌 青春懺悔録『アメイジング グレイス』
[第130回]V・ギャロ主演のサバイバルグルメ!? 『エッセンシャル・キリング』
[第129回]『キック・アス』より悪趣味で泣ける 中年男の悪ノリ暴走劇『スーパー!』
[第128回]この夏の清涼剤、地方少女のダンス成長記『あぜみちジャンピンッ!』
[第127回]竹ヤリで世界進出"スシタイフーン"『エイリアンVSニンジャ』ほか逆上陸
[第126回]イーモウ監督、久々のアイドル映画 中華的妹萌え『サンザシの樹の下で』
[第125回]ナタリー・ポートマン vs. ヘビメタ野郎 人気女優の隠し球『メタルヘッド』
[第124回]黒澤明の名作『生きる』のラテン版! ヤモメ男が残した遺産『BIUTIFUL』
[第123回]北国で93年間営業を続ける"大黒座"と町の記録『小さな町の小さな映画館』
[第122回]新幹線がすれ違う瞬間、願いが叶う? 小学生の目線で描かれた『奇跡』
[第121回]理想と情熱がもたらした"痛い現実" 青春の蹉跌『マイ・バック・ページ』
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[第78回]戦場から帰還した夫は"芋虫男"だった! ヤクザ監督の反戦映画『キャタピラー』
[第77回] 白ユリの花開くガールズの妖しい世界 H系ホラー『ジェニファーズ・ボディ』
[第76回] 爽やか系青春ゾンビ映画にホロリ......夏休みは『ゾンビランド』に集結せよ
[第75回] "生きる"とは"見苦しい"ということ 藤沢周平の時代活劇『必死剣 鳥刺し』
[第74回]初恋の美少女は200歳の吸血鬼だった! 北欧産のホラー映画『ぼくのエリ』
[第73回] "三億円事件"の真相を解き明かす! 桜タブーに挑んだ『ロストクライム』
[第72回/特別編] 上映反対で揺れる問題作『ザ・コーヴ』"渦中の人"リック・オバリー氏の主張
[第71回] 女子にモテモテになる方法、教えます。軟派少年の実話物語『ソフトボーイ』
[第70回] 下町育ちの"北野少年"が見た現代社会 人間同士の食物連鎖『アウトレイジ』
[第69回] "リアルと虚構の狭間"を生きる男、アントニオ猪木初主演作『アカシア』
[第68回] ヒーローも神もいない現代社会の惨劇 井筒監督の問題作『ヒーローショー』
[第67回] アイドルが地獄で微笑む『戦闘少女』ギャグ×血しぶき×殺陣の特盛り丼!
[第66回]アナーキーな"社歌"で生産性アップ! 満島ひかり大進撃『川の底からこんにちは』
[第65回]超ヘビー級なシリアス劇『プレシャス』"家族"という名の地獄から脱出せよ
[第64回]乱れ咲く"悪の華"ゼブラクイーン! 仲里依紗が過激変身『ゼブラーマン2』
[第63回] オタク王が見出した"夢と現実"の接点 ティム・バートン監督作『アリス──』
[第62回] バッドテイストな感動作『第9地区』 アナタはエビ人間とお友達になれるか?
[第61回]スコセッシ監督の犯罪アトラクション『シャッターアイランド』へようこそ!
[第60回]宮崎あおいの"映画代表作"が誕生! 毒を呑んでも生き続けよ『ソラニン』
[第59回]"おっぱいアート"は世界を救えるか? 母乳戦士の記録『桃色のジャンヌ・ダルク』
[第58回]現代に甦った"梶原一騎ワールド"韓流ステゴロ映画『息もできない』
[第57回]命知らずの変態レポーター、中東へ! 史上最大のどっきり?『ブルーノ』
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[第55回]ビグロー監督はキャメロンより硬派! 人間爆弾の恐怖『ハート・ロッカー』
[第54回] "空気を読む"若者の悲劇『パレード』楽しいルームシェア生活の行き先は?
[第53回]社会の"生け贄"に選ばれた男の逃亡劇 堺雅人主演『ゴールデンスランバー』
[第52回]『男はつらいよ』の別エンディング? "寅さん"の最期を描く『おとうと』
[第51回]ひとり相撲なら無敵のチャンピオン! 童貞暴走劇『ボーイズ・オン・ザ・ラン』
[第50回]ヒース・レジャーが最後に見た夢の世界 理想と欲望が渦巻く『Dr.パルナサスの鏡』
[第49回]トニー・ジャーは本気なんジャー! CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』
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[第47回]市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化
[第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』
[第45回]ドラッグ漬けの芸能関係者必見!"神の子"の復活を追う『マラドーナ』
[第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』
[第43回]"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは?
[第42回]誰もが共感、あるあるコメディー! 2ちゃんねる発『ブラック会社』
[第41回]タラとブラピが組むと、こーなった!! 戦争奇談『イングロリアス・バスターズ』
[第40回]"涅槃の境地"のラストシーンに唖然! 引退を賭けた角川春樹監督『笑う警官』
[第39回]伝説の男・松田優作は今も生きている 20回忌ドキュメント『SOUL RED』
[第38回]海より深い"ドメスティック・ラブ"ポン・ジュノ監督『母なる証明』
[第37回]チャン・ツィイーが放つフェロモン爆撃 悪女注意報発令せり!『ホースメン』
[第36回]『ソウ』の監督が放つ激痛バイオレンス やりすぎベーコン!『狼の死刑宣告』
[第35回]"負け組人生"から抜け出したい!! 藤原竜也主演『カイジ 人生逆転ゲーム』
[第34回]2兆円ペット産業の"開かずの間"に迫る ドキュメンタリー『犬と猫と人間と』
[第33回]"女神降臨"ペ・ドゥナの裸体が神々しい 空っぽな心に響く都市の寓話『空気人形』
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[第31回]萩原健一、松方弘樹の助演陣が過剰すぎ! 小栗旬主演の時代活劇『TAJOMARU』
[第30回]松本人志監督・主演第2作『しんぼる』 閉塞状況の中で踊り続ける男の悲喜劇
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[第28回]"おねマス"のマッコイ斉藤プレゼンツ 不謹慎さが爆笑を呼ぶ『上島ジェーン』
[第27回]究極料理を超えた"極地料理"に舌鼓! 納涼&グルメ映画『南極料理人』
[第26回]ハチは"失われた少年時代"のアイコン ハリウッド版『HACHI』に涙腺崩壊!
[第25回]白熱! 女同士のゴツゴツエゴバトル 金子修介監督の歌曲劇『プライド』
[第24回]悪意と善意が反転する"仮想空間"細田守監督『サマーウォーズ』
[第23回]沖縄に"精霊が暮らす楽園"があった! 中江裕司監督『真夏の夜の夢』
[第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』
[第21回]身長15mの"巨大娘"に抱かれたい! 3Dアニメ『モンスターvsエイリアン』
[第20回]ウディ・アレンのヨハンソンいじりが冴え渡る!『それでも恋するバルセロナ』
[第19回]ケイト姐さんが"DTハンター"に! オスカー受賞の官能作『愛を読むひと』
[第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』
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[第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』
[第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』
[第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』
[第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』
[第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』
[第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』
[第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』
[第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』
[第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』
[第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』
[第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』
[第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ
[第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々
[第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は......
[第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった
[第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学
“神様”との出会いと別れ、そして旅からの帰還 ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』

原宿育ちの杉井ギサブロー監督。雨の明治神宮を歩きながら、
自身のアニメ人生を振り返る。
アニメ界の巨匠・杉井ギサブロー。東映動画時代に日本初の長編カラーアニメ『白蛇伝』(58)の製作現場に参加し、虫プロ移籍後には世界初の連続テレビアニメ『鉄腕アトム』(63~66)の作画・演出を担当。幻の『ルパン三世』パイロット版にも名前を連ねている。日本アニメの黎明期から活躍し、最新作『グスコーブドリの伝記』が現在公開中の現役バリバリの監督である。しかし、作家性を前面に押し出すことなく、娯楽作品を提供することに徹してきたため、長いキャリアとアニメ界への貢献度の割にはそのフィルモグラフィーがスポットライトを浴びる機会は少なかった。そんなアニメ界の偉人・ギサブローの半生をドキュメンタリーにまとめ上げたのが石岡正人監督。前作『YOYOCHU SEXと代々木忠の世界』(10)では、アテナ映像時代の師匠である伝説のAV監督“ヨヨチュウ”こと代々木忠監督の波乱に満ちた足跡を記録している。ヨヨチュウに続いて、石岡監督が「年代を重ねた、かっこいい大人の男」としてクローズアップしたのがギサブローだった。ドキュメンタリー『アニメ師・杉井ギサブロー』は至高のアニメ職人の意外な素顔、知られざる内面に迫っている。
1940年生まれのギサブロー監督は原宿育ちだ。戦後間もない原宿には米軍の宿舎が建てられ、最新のアメリカンコミックに触れるためにギサブローは米軍の敷地内で英字新聞の配達をしていた。雨の降る原宿・明治神宮の境内でビニール傘を手にしたギサブローが自身の少年期を振り返る。ギサブローが東映動画に入社したばかりのエピソードが楽しい。18歳になったギサブローは、念願叶って日本初のアニメスタジオ・東映動画に入社する。大好きなアニメーションの仕事ができることがうれしくて堪らない。毎朝早くに目が覚めてしまい、明治神宮をランニングして汗を流してから大泉学園にある東映動画に出社する。それでも、まだ誰も出社していない。新人時代のギサブローの上司となったのが、後にカリスマアニメーターとして知られることになる大塚康生だった。また、同僚だったりんたろうが当時のギサブローの印象をこう語る。「昼休みに女の子たちを集めてバトミントンをしていた。しょっちゅう遊んでた」と。新人時代からギサブローは大物の片鱗を見せていた。
東映動画では大塚康生の指導のもと、『白蛇伝』に動画マンとして参加したギサブローだが、やっと入社できたはずの東映動画をわずか3年で退職してしまう。宮崎駿、高畑勲ら錚々たる人材を輩出することになる東映動画の中で、新人時代のギサブローは動画マンとしては凡庸で、才能を発揮するには至らなかった。ギサブローは新天地を求め、“漫画の神様”手塚治虫が立ち上げたばかりの虫プロに移籍。『鉄腕アトム』のメーンスタッフとなっていく。このとき、ギサブローはショックを覚えた。手塚治虫がテレビアニメ用に考えたのが“リミッドアニメーション”というコマ数を省略した手法。東映動画ではディズニーアニメと同様の“フルアニメーション”を教わっていたギサブローの目にはひどく邪道に映った。ところが、完成した『鉄腕アトム』を観てさらに驚いた。コマ数が少ないものの、アトムは存分に暴れ回っていたのだ。従来の手法にとらわれることなかれ。その後のギサブローは『豆富小僧』(11)では3D立体アニメに挑むなど、時代や状況に応じた新しい作品づくりに挑んでいく。鉄腕アトムの目覚めは、ギサブローのアニメ職人としての覚醒が始まった瞬間でもあった。天才・手塚治虫と至高のアニメ職人・ギサブローは出会うべくして出会ったようだ。『鉄腕アトム』で大車輪の活躍を見せたギサブローは虫プロの子会社「アートフレッシュ」を後輩・出崎統らと設立し、『悟空の大冒険』(67)、『どろろ』(69)の総監督を務める。この頃、手塚治虫は「ギッちゃんみたいな人が、あと2人いてくれたらなぁ」とこぼしていたという。まさにギサブローは天才の片腕として機能していたのだ。

ギサブローにとって師匠であった“漫画の
神様”手塚治虫(1928~1989)。ギサブロー
は手塚の作家性、革新性に強く影響を受けた。
だが、天才と至高の職人は『どろろ』の製作時に衝突してしまう。アニメ版『どろろ』のバイオレンスシーンがあまりに生々しく、スポンサー側が難色を示していた。手塚治虫は現場を任せていたギサブローに方向修正するよう諭すが、逆にギサブローは手塚の世界観を守ろうとする。後にギサブローは大人向け劇場アニメ『千夜一夜物語』(69)でエロティズム漂う名シーンを担当する。“国民的人気漫画家”手塚治虫の作家性を支える重要な部分であるグロテスクさやエロティズムを、誰よりも忠実にアニメーション表現していたのがギサブローだった。虫プロ経営者としての顔も持つ手塚治虫と師匠の薫陶を受け、アニメーターとして真っすぐに突き進もうとするギサブローの衝突は避けがたいものだった。自分から離れていくギサブローを、手塚治虫はどんな気持ちで見ていたのだろうか。
アートフレッシュを退職したギサブローはグループ・タックの設立メンバーとなり、『ジャックと豆の木』(74)で劇場デビューを果たす。アニメーター1人ひとりがキャラクターを個別に作画するという画期的なスタイルで製作されたが、資金難からスタッフが脱落していくという師匠が舐めた苦渋を同じく味わうことになる。このときギサブロー35歳。仕事仲間に「かすみを喰って生きる」とうそぶき、長い長い放浪の旅に出る。ただし実際問題として“かすみ”を喰って生きていくことはできない。この空白期間にギサブローが手掛けたのは『まんが日本昔話』(75~94)のコンテづくりだった。東京に残した家族への生活費を送るために引き受けた仕事だったが、1話ごとに作画もテイストも変わるという『まんが日本昔話』の個性的なスタイルは、ギサブローにとって理想の形だったはずだ。

最新作『グスコーブドリの伝記』を手塚プロ
で製作するギサブロー。旧知のスタッフと
手塚プロとの混成チームをギサブロー
は束ねる。
空に浮かぶ雲を追うような放浪を続けたギサブローだったが、約10年に及ぶ旅の生活を経て第一線にカムバック。ここからギサブローの黄金時代が幕を開ける。あだち充原作の『ナイン』『タッチ』がテレビ版&劇場版ともに大ヒット。宮沢賢治原作の児童文学のアニメ化『銀河鉄道の夜』(85)は作品の評価と興行成績で成功を収める。ジョバンニ少年のあの世への旅と現実への帰還を幻想的に描いた『銀河鉄道の夜』はギサブローの代表作となった。世紀が変わり、ギサブローは再び宮沢賢治の児童文学を題材にした『グスコーブドリの伝記』のアニメ化に取り掛かる。ギサブロー69歳。だが、グループ・タックが倒産し製作中止寸前に追い込まれる。『グスコーブドリの伝記』は手塚プロダクションが製作を引き受けることに。師である手塚治虫はすでに亡くなっていたが、ギサブローは30数年ぶりに師・手塚治虫のもとに帰ってくることになった。
多くの人が涙した『グスコーブドリの伝記』の主人公ブドリの行動を“自己犠牲の精神”と簡単に語ってしまうことはできるが、ギサブローはそうではないと手塚プロに集まった新旧スタッフを前に説明する。火山の研究に情熱を注ぎ、冷害を防ぐために自分の身を献じるブドリを突き動かしたのは“欠落感”なのだという。
ブドリの生涯を“欠落感”という言葉で説明したということは、ギサブロー自身もまた心の中に“欠落感”を抱え込んでいるということではないのか。ギサブローにとっての欠落感とは何か。“漫画の神様”手塚治虫を師として仰ぐが、師を超えることはできないという諦観だろうか。初めての劇場公開作『ジャックと豆の木』でスタッフを繋ぎ止めることができなかった苦い思い出だろうか。それとも家族を置いて旅に出てしまったことに対する呵責の念か、自分にとっての安住の地がいまだ見つからないという浮遊感だろうか。
本作の中では、そのことには具体的には言及されない。ギサブロー本人や石岡監督に尋ねるのはヤボというものだろう。欠落感さえもエネルギーにして作品をつくり続けるギサブロー。彼の作品は、今なお新しく若々しい。
(文=長野辰次)
『アニメ師・杉井ギサブロー』
製作・監督・撮影・編集/石岡正人 音楽/渡辺崇 登場人物/杉井ギサブロー、大塚康生、手塚治虫、山本暎一、りんたろう、高橋良輔、明田川進、丸山正雄、伊藤叡、原正人、前田庸生、馬郡美保子、田代敦巳、藤田健、桜井宏、古川雅士、藤山房伸、江口摩吏介、李普螺、瀬谷新二、篠崎亨、ブンサダカ、阿部行夫、はしもとなおと
配給/マコトヤ 7月28日(土)より銀座シネパトス、京都みなみ会館ほか全国順次公開 <http://www.animeshi-movie.com>
(c)2012「アニメ師・杉井ギサブロー」製作委員会(ゴールドビュー/京都精華大学/手塚プロダクション)
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[第170回] 世界興収100億突破のSF大作『ロボット』はあらゆる既成概念を破壊する!!
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[第166回]祭りの終わりと新ステージの幕開け、3部作完結『サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者』
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[第160回]映画創成期に散った"殉教者"への聖歌 3D映画『ヒューゴの不思議な発明』
[第159回]これはホラー? それともコメディ? 勘違い女が爆走『ヤング≒アダルト』
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[第155回] 米国に半世紀も君臨した"影の大統領" FBI初代長官『J・エドガー』
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『いいとも!』『徹子の部屋』……相次ぐ長寿番組打ち切り報道の真偽(7月上旬の人気記事)
7月上旬の人気記事を紹介する、日刊サイゾー人気記事ランキング。先週末、ついに公開された沢尻エリカ主演の『ヘルタースケルター』。当サイトでも、頼まれてもいないのに大々的にプロモーションに協力させていただいたので、ぜひともエリカ様には‟疑惑”の真相について単独取材に応じていただきたいものです。それではランキングをチェックしていきましょう
第1位
「まったく取材していない」『徹子の部屋』打ち切り報道に番組関係者が猛反論!
記事って、取材しなくても書けるんですね。
第2位
有吉イジリの“陰の帝王”は夏目三久? 本当は怖い『怒り新党』
よくも悪くも、転機はコンドーム事件?
第3位
「叩いてもホコリが出ない……」AKB48“神7で唯一真っ白”渡辺麻友は本当に真っ白なのか
だって、まゆゆはアイドルだもん。
第4位
「Fuck You……!」大迷走の沢尻エリカ『ヘルタースケルター』が“駆け込み乳首”需要で大ヒット!?
もう駆け込んだ?
第5位
「一体なぜ!?」イエローキャブ社長自殺の裏で事務所関係者が“ガセ情報”を流していた?
小池栄子&サトエリはどうなるの?
次点
「露骨に数字が下がるんです」ついにフジテレビの“K-POP離れ”が始まった!?
だいぶ前から始まってますー。
次々点
「ギャラを大幅に下げられても……」『笑っていいとも!』打ち切り説の真偽をタモリの事務所に直撃!
もうどっちでもいいー。
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第1位
「まったく取材していない」『徹子の部屋』打ち切り報道に番組関係者が猛反論!
記事って、取材しないでも書けるんですね。
第2位
有吉イジリの“陰の帝王”は夏目三久? 本当は怖い『怒り新党』
コンドーム事件で強くなったんです。
第3位
「叩いてもホコリが出ない……」AKB48“神7で唯一真っ白”渡辺麻友は本当に真っ白なのか
だって、まゆゆはアイドルだもん。
第4位
「Fuck You……!」大迷走の沢尻エリカ『ヘルタースケルター』が“駆け込み乳首”需要で大ヒット!?
もう駆け込んだ?
第5位
「一体なぜ!?」イエローキャブ社長自殺の裏で事務所関係者が“ガセ情報”を流していた?
小池栄子&サトエリはどうなるの?
次点
「露骨に数字が下がるんです」ついにフジテレビの“K-POP離れ”が始まった!?
だいぶ前から始まってますー。
次々点
「ギャラを大幅に下げられても……」『笑っていいとも!』打ち切り説の真偽をタモリの事務所に直撃!
もうどっちでもいいー。
「解放的になっちゃいました♪」“熟女アイドル” 秋野千尋、サイゾーに現る!

2011年、美人人妻温泉ブロガーから熟女AV女優へ華麗に転身し、世間をあっと驚かせた秋野千尋が、離婚を機に心機一転。7月にソフト・オン・デマンドへ移籍し、専属女優として活動をスタートする。
153cmというミニマムボディと90cmのたわわなバストもさることながら、アラフォーとは思えないアイドル顔負けのキュートなルックス。“熟女アイドル” として美魔女っぷりを発揮する彼女に、デビュー作『秋野千尋 39歳 独身 ごっくん旅行』の収録裏話を聞いてみた。
──肌がめちゃめちゃきれいですね! 年齢を"逆サバ読み”してませんか?
秋野千尋(以下、秋野) いえいえ(照)。
──秋野さんはもともと、温泉ブログをやっていたそうですね。
秋野 もともと温泉が好きで、温泉めぐりが趣味でもあったので、ブログをやってみようと思ったんです。お風呂自体が好きで、自宅でも入浴剤をいろいろ試したりしているので、肌が自然に潤ってるのかな。
──ちなみに、プライベートでは、温泉でエッチなことをしちゃった経験はありますか?
秋野 露天風呂付きの客室で……ってのはありましたが、やっぱり『ここの露天風呂はこんな感じなんだ~』とか、『景色がきれいだな~』っていう感じで、温泉そのものに目がいっちゃいますね。
──今まで行った中で、どんな温泉が印象深かったですか?
秋野 群馬県の草津温泉です。湯畑があって硫黄の匂いがすごくて、“THE温泉”って感じでしたね。
──秋野さんは、今回SODからデビューされます。『秋野千尋 39歳 独身 ごっくん旅行』は監督さんと二人で温泉旅行に行って……という内容ですが、収録はいかがでした?
秋野 今までの作品は、“こうしなきゃいけない”っていう設定やお芝居の要素が多くあって、役作りをしながら臨んでいたんです。でも、この作品は監督さんがリラックスさせてくれたので、私も素が出せたっていうか、もうそのままなんじゃないかなと。秋野千尋ってこういう人なんだっていうのが、分かっていただけると思います。過激なところもありますけど(笑)。
──Hなシーンも自然体ですか?
秋野 本当に自然です。撮影だからといって、こう見せなきゃとか考えている感じがまったくない作品になりました。
──印象深いシーンを教えてください。
秋野 お酒が入っていたので解放的になってたのか……(恥ずかしそうに)『グラスの中におしっこをして』って言われて……。私、普段だと絶対にそんなことできないんですけど、監督さんがそういう空気を作ってくれたんです。だから、“こんなに解放的な自分がいたんだ”って、自分でビックリしちゃいました。
──普段のエッチは控えめなんですか?
秋野 あまり前に出ていく性格じゃないと思います。AVデビューするまでは、正直Hも受身で、求められたら応じるという感じだったんです。でもAVを始めてからは、女性も性に対して積極的になってもいいんだと思うようになってきました。
──ほかに見どころはありますか?
秋野 撮影中は下着をずっと履かないでいたんですよ。すごく恥ずかしかったんですけど、解放的になれました♪ あとは……ん~、全部!
──表情も自然ですよね。ところで最近、AV業界は熟女ブームといわれていて、秋野さんはその中心にいるわけですが、実感はありますか?
秋野 以前、グラビア撮影をやらせていただいた週刊誌や本に「熟女ブーム」って書いてあって、それで知りました。『へ~、そうなんだ~』って感じですね。
──気がついたら、自分もその中にいたみたいな(笑)。でも、全然熟女に見えないルックスですよね。
秋野 自分としてはもっと大人っぽくというか、熟女らしくエロくしたほうがいいのかなと思ったりもしたのですが、今はこのままでもいいのかな(笑)。
──このままでいいと思います! ちなみにSODというと、いろいろと面白い企画が多いんですが、今後はどんな作品に挑戦してみたいですか?
SOD社員 実は、次はマジックミラー号に乗るんです。秋野さんはガチで歯科助手歴20年なんですが、職場に潜入してそこで撮影しちゃいました。患者さんが通るかもしれない場所でエッチしてきました!
──えっ! さすがSOD、やることが過激ですね!! 緊張と興奮はどっちが上回りましたか?
秋野 緊張かな? 男優さんと二人きりで絡む時は興奮もしてたんですが、マジックミラー号に入った時は『本当に見えてないの?』って恐怖と不安が……。
SOD社員 次の作品には裏テーマがあって、秋野さんが『エッチで感じたことがない』とチラッとおっしゃっていたので、じゃあ撮影現場で感じてもらいましょうよ、と。まずは、見られているかどうか分からないマジックミラー号で恥ずかしい気持ちになってもらって、次に扉を全部閉めて密室でじっくりと感じてもらおうと……。その結果、マジックミラー号から声が漏れてくるくらい激しくされて、僕らもヒヤヒヤするくらい素晴らしい映像が撮れました。
秋野 普段は、あまり声は大きくないんですが……(照)。
──デビューされてから1年ちょっとですが、いろんな経験をされてますね。
秋野 そう言われてみると、そうですよね。ほかの女優さんがどういうペースで撮影されているのか分からないんですけど、もしかしたら私の活動って濃いのかな? 自分でも実感がないんですが、確かに展開が速いですよね、次はどうなっちゃうんだろう(笑)。
──今後も積極的に温泉に行くんですか?
秋野 なるべく行きたいのですが、忙しくなってきたのでなかなか行けないんですよね。その代わり、個人的にニコ生をやっていて、自宅のお風呂で温泉の素をいろいろ試す番組をしています。お手軽に温泉気分を皆さんにも味わってもらいたいなって。視聴者の方とコメントをやりとりしていると、本当にファンの方と接しているみたいで楽しいです。
──充実した日々を送っているようですね。ところで、今年の夏にやってみたいことはありますか?
秋野 先日沖縄ロケに行って来たんですが、海がすごいきれいだったので、プライベートでもお仕事でも、また海に行ってみたいと思います。お仕事では、いま新しい自分になれてきたなって思っているし、そのままでいいよって言われているので、秋野千尋のイメージはこうだとか、熟女だからこうしないといけないというのは取っ払って、どんなお仕事でも楽しくやりたいと思っています。私は私らしくやっていきたいなって。
──では、最後に同世代のサイゾー読者に向けてコメントをお願いします!
秋野 私のファンの方って同い年くらいが多いので、いつも親近感を覚えているんですよ。私もこの年齢ですけども頑張っていきますので、お互いに頑張りましょうね(笑)。一緒に羽ばたいていきましょう!
(取材・文=有田シュン/撮影=尾藤能暢)
「解放的になっちゃいました♪」“熟女アイドル” 秋野千尋、サイゾーに現る!

2011年、美人人妻温泉ブロガーから熟女AV女優へ華麗に転身し、世間をあっと驚かせた秋野千尋が、離婚を機に心機一転。7月にソフト・オン・デマンドへ移籍し、専属女優として活動をスタートする。
153cmというミニマムボディと90cmのたわわなバストもさることながら、アラフォーとは思えないアイドル顔負けのキュートなルックス。“熟女アイドル” として美魔女っぷりを発揮する彼女に、デビュー作『秋野千尋 39歳 独身 ごっくん旅行』の収録裏話を聞いてみた。
──肌がめちゃめちゃきれいですね! 年齢を"逆サバ読み”してませんか?
秋野千尋(以下、秋野) いえいえ(照)。
──秋野さんはもともと、温泉ブログをやっていたそうですね。
秋野 もともと温泉が好きで、温泉めぐりが趣味でもあったので、ブログをやってみようと思ったんです。お風呂自体が好きで、自宅でも入浴剤をいろいろ試したりしているので、肌が自然に潤ってるのかな。
──ちなみに、プライベートでは、温泉でエッチなことをしちゃった経験はありますか?
秋野 露天風呂付きの客室で……ってのはありましたが、やっぱり『ここの露天風呂はこんな感じなんだ~』とか、『景色がきれいだな~』っていう感じで、温泉そのものに目がいっちゃいますね。
──今まで行った中で、どんな温泉が印象深かったですか?
秋野 群馬県の草津温泉です。湯畑があって硫黄の匂いがすごくて、“THE温泉”って感じでしたね。
──秋野さんは、今回SODからデビューされます。『秋野千尋 39歳 独身 ごっくん旅行』は監督さんと二人で温泉旅行に行って……という内容ですが、収録はいかがでした?
秋野 今までの作品は、“こうしなきゃいけない”っていう設定やお芝居の要素が多くあって、役作りをしながら臨んでいたんです。でも、この作品は監督さんがリラックスさせてくれたので、私も素が出せたっていうか、もうそのままなんじゃないかなと。秋野千尋ってこういう人なんだっていうのが、分かっていただけると思います。過激なところもありますけど(笑)。
──Hなシーンも自然体ですか?
秋野 本当に自然です。撮影だからといって、こう見せなきゃとか考えている感じがまったくない作品になりました。
──印象深いシーンを教えてください。
秋野 お酒が入っていたので解放的になってたのか……(恥ずかしそうに)『グラスの中におしっこをして』って言われて……。私、普段だと絶対にそんなことできないんですけど、監督さんがそういう空気を作ってくれたんです。だから、“こんなに解放的な自分がいたんだ”って、自分でビックリしちゃいました。
──普段のエッチは控えめなんですか?
秋野 あまり前に出ていく性格じゃないと思います。AVデビューするまでは、正直Hも受身で、求められたら応じるという感じだったんです。でもAVを始めてからは、女性も性に対して積極的になってもいいんだと思うようになってきました。
──ほかに見どころはありますか?
秋野 撮影中は下着をずっと履かないでいたんですよ。すごく恥ずかしかったんですけど、解放的になれました♪ あとは……ん~、全部!
──表情も自然ですよね。ところで最近、AV業界は熟女ブームといわれていて、秋野さんはその中心にいるわけですが、実感はありますか?
秋野 以前、グラビア撮影をやらせていただいた週刊誌や本に「熟女ブーム」って書いてあって、それで知りました。『へ~、そうなんだ~』って感じですね。
──気がついたら、自分もその中にいたみたいな(笑)。でも、全然熟女に見えないルックスですよね。
秋野 自分としてはもっと大人っぽくというか、熟女らしくエロくしたほうがいいのかなと思ったりもしたのですが、今はこのままでもいいのかな(笑)。
──このままでいいと思います! ちなみにSODというと、いろいろと面白い企画が多いんですが、今後はどんな作品に挑戦してみたいですか?
SOD社員 実は、次はマジックミラー号に乗るんです。秋野さんはガチで歯科助手歴20年なんですが、職場に潜入してそこで撮影しちゃいました。患者さんが通るかもしれない場所でエッチしてきました!
──えっ! さすがSOD、やることが過激ですね!! 緊張と興奮はどっちが上回りましたか?
秋野 緊張かな? 男優さんと二人きりで絡む時は興奮もしてたんですが、マジックミラー号に入った時は『本当に見えてないの?』って恐怖と不安が……。
SOD社員 次の作品には裏テーマがあって、秋野さんが『エッチで感じたことがない』とチラッとおっしゃっていたので、じゃあ撮影現場で感じてもらいましょうよ、と。まずは、見られているかどうか分からないマジックミラー号で恥ずかしい気持ちになってもらって、次に扉を全部閉めて密室でじっくりと感じてもらおうと……。その結果、マジックミラー号から声が漏れてくるくらい激しくされて、僕らもヒヤヒヤするくらい素晴らしい映像が撮れました。
秋野 普段は、あまり声は大きくないんですが……(照)。
──デビューされてから1年ちょっとですが、いろんな経験をされてますね。
秋野 そう言われてみると、そうですよね。ほかの女優さんがどういうペースで撮影されているのか分からないんですけど、もしかしたら私の活動って濃いのかな? 自分でも実感がないんですが、確かに展開が速いですよね、次はどうなっちゃうんだろう(笑)。
──今後も積極的に温泉に行くんですか?
秋野 なるべく行きたいのですが、忙しくなってきたのでなかなか行けないんですよね。その代わり、個人的にニコ生をやっていて、自宅のお風呂で温泉の素をいろいろ試す番組をしています。お手軽に温泉気分を皆さんにも味わってもらいたいなって。視聴者の方とコメントをやりとりしていると、本当にファンの方と接しているみたいで楽しいです。
──充実した日々を送っているようですね。ところで、今年の夏にやってみたいことはありますか?
秋野 先日沖縄ロケに行って来たんですが、海がすごいきれいだったので、プライベートでもお仕事でも、また海に行ってみたいと思います。お仕事では、いま新しい自分になれてきたなって思っているし、そのままでいいよって言われているので、秋野千尋のイメージはこうだとか、熟女だからこうしないといけないというのは取っ払って、どんなお仕事でも楽しくやりたいと思っています。私は私らしくやっていきたいなって。
──では、最後に同世代のサイゾー読者に向けてコメントをお願いします!
秋野 私のファンの方って同い年くらいが多いので、いつも親近感を覚えているんですよ。私もこの年齢ですけども頑張っていきますので、お互いに頑張りましょうね(笑)。一緒に羽ばたいていきましょう!
(取材・文=有田シュン/撮影=尾藤能暢)
「民主党は女子高生のようなオッサンだらけ」気鋭の論客が政治家の幼児性を一刀両断

「週刊新潮」7月19日号 中吊り広告より
グランプリ
「『女子高生』オジサン化で『B層』の社会学 適菜収」(「週刊新潮」7月19日号)
第2位
「日経新聞喜多恒雄社長と美人デスクのただならぬ関係」(「週刊文春」7月19日号)
第3位
「幸福の科学 大川隆法『性の儀式』一番弟子が懺悔告発!」(「週刊文春」7月19日号)
次点
「荒川河川敷で『ひとりじゃないの』を1人で歌った『天地真理』」(「週刊新潮」7月19日号)
注目の蜷川実花監督、沢尻エリカ主演の『ヘルタースケルター』が封切られた。
初日には雲隠れしていた沢尻が出てくるとあって、取材陣の数はすごかったようだが、始まる前から沢尻が所属する「エイベックス」から“お達し”があったのだろう、肝心の「大麻中毒」についてはどこの社も聞いていないようだ。
芸能記者が情けなく、プロダクションの飼い犬なのはよく知っているが、一人ぐらい勇気のあるレポーターはいなかったのだろうか。
スポーツニッポンは7月15日付で、こう書いた。
「今、手に入れたいものを聞かれ『透明人間になりたい。見えないくらいに』と答えた沢尻。本紙の取材では、現在決まっている仕事は『ゼロ』。CM契約も1本もなくなった。しかし、この日だけの印象で言えば、やっぱり沢尻は“イイ女”。ゼロからどう立ち上がっていくのか、楽しみだ」
イイ女なのはわかっている。沢尻がブスだったら、こんな騒ぎにはならない。不思議なのはいくつかの新聞を拾い読みしても、映画についての評価は出ていないようだ。沢尻効果で蜷川監督はあちこち引っ張りだこだったが、映画が評価されてなんぼの世界だ。
お騒がせ女を起用した蜷川の意図はまんまと当たったが、監督としての評価は上がるのだろうか。
週刊文春が報じた「大麻中毒」報道は、蜷川、沢尻側の知恵者が仕掛けたのではないか。そう勘ぐりたくもなる。スキャンダルを振りまくことでしか存在感をアピールできない女優は、今度はどんなスキャンダルで驚かせてくれるのだろうか。そこにしか、沢尻の存在価値はないのだから。
さて、新潮のワイド特集「我が人生『運命の一日』」に、久しぶりに天地真理が載っている。
白雪姫も60歳になった。横浜市内の家賃7万円のシニアマンションで一人暮らし。天地がこう語る。
「気分が悪くなったら、ボタンを押せば救急車が来るんですよ。だからここでね、余生をゆっくり過ごそうと思って……。1日500円でお弁当もつくのよ。お肉とか、お魚とか。夕方の4時半になると、フロントへ取りに行くの」
「ひとりじゃないの」「水色の恋」「ちいさな恋」で一世を風靡し、紅白歌合戦にも出場した。
34歳の時に実業家の男性と結婚して長女が生まれたが、離婚した。長女が天地の近くに住んでファンクラブの管理を行い、家賃や生活費はファンクラブの会費で賄っているという。だが、そんなにたくさんのファンがいるとは思えない。
彼女の近影が全盛期の頃の写真の下に小さくあるが、過酷だった人生が刻まれた顔である。
日本中のアイドルになった彼女に、元トルコ(今のソープランド)嬢ではなかったかというスキャンダルが出たことがある。
真偽のほどはわからないが、彼女にはほかのアイドルにはない親しみやすさがあった。なぜか彼女の歌はゲイたちに好まれ、新宿二丁目のクラブ「白い部屋」やゲイバーで「彼女」たちが手をつないで「ひとりじゃないって、素敵なことよ~」と絶唱していたことを思い出す。
新宿でお袋さんとおにぎり屋を開いたこともあったな~。
デビュー5年後に体調を崩し、徐々に芸能界からフェードアウトしてしまった。足立区に住んでいたときはアパートの壁が薄かったため、河川敷で歌っていたという。
彼女は今でもレッスンを欠かさない。アカペラで1時間半かけて、誰もいない自分の部屋で歌うそうだ。
記者にも「水色の恋」を披露してくれたそうだが、前歯が一部欠けているので時折息が抜けてしまうが、よく通る声は昔と変わらなかったという。これが惜しくも次点。
週刊文春が今週も頑張っている。「幸福の科学」大川隆法総裁の一番弟子といわれていたが、今年除名されてしまった種村修(56)が実名で告発している。これが今週の3位。
総裁に宛てた手紙にある、種村が相談を受けた元女性秘書の告白内容がすごい!
全裸になった大川総裁の足の間に、やはり全裸の彼女が正座して座り、ある行為に及ぶ。そして、こう書いている。
「総裁先生と最後まで愛し合う行為が終了したあと、総裁先生が彼女に向かって合掌して、感謝の気持ちを表現してくださるお姿を見て(省略)非常な罪悪感がこみ上げてきたそうです」
彼がこの手紙を書いたのは、「これまで総裁先生のセクハラによって信仰が傷つき、今もなお普通の生活ができないまでの心身の苦痛に陥っておられる女性が何名もいるという事実を知り、看過できない気持ちになったからです」という理由からだという。
私がフライデー編集長のとき、幸福の科学との間で大きな「もめ事」があった。
大川総裁が商社勤めをしていた時代について触れたある記事が、信者たちの怒りを買った。
講談社の社屋の1階を多くの信者たちが占拠し、編集長や社長に会わせろと要求し、それが通らないと、今度は電話とFAX攻撃に出た。
すさまじい量のFAXが流され、社業が丸二日ストップした。
毎日のように直木賞作家の景山民夫や歌手の小川知子たちが社の前をデモをして、「フライデーを潰せ」「社長は退陣せよ」とシュプレヒコールを繰り返し、ワイドショーは連日その模様を流した。
「幸福の科学」設立当初は、ゆるやかな宗教サークルのようなものだったが、数が集まってくると、ほかの新興宗教と同じように、信者に多額のお布施を教団に納めさせ、総裁の書いた本を大量に買わせることをやり出した。
一時は仲睦まじく見えた大川夫妻だったが、きょう子夫人から教団と大川総裁に対して損害賠償を求める訴訟を起こされている。
そして、今回の元一番弟子の告発である。もちろん、幸福の科学側は「事実無根」と否定しているが、末期症状を呈してきたこの教団のスキャンダルはどこまで拡がるのだろうか。
今週の文春の「スクープ撮!」は日経新聞の喜多恒雄社長(65)に刃を向けた。この記事が2位。
5月28日(月)、午前10時。新宿にある高級マンションから喜多社長が姿を現し、ハイヤーに乗り込む。
そのわずか10分後に、薄いグレーのスーツ姿の女性が現れる。
この女性は日経新聞経済部デスク(50)。彼女はニューヨーク総局の現地採用で、当時の上司が喜多だったという。
二人の姿はグラビアでも拝める。
喜多社長の会社登記簿上の住所は妻が住む鎌倉市だが、週の大半はこのマンションに住んでいるという。
女性デスクも自宅は文京区だが、喜多の住むマンションに足繁く通っているそうである。
取材班が確認しただけでも5月30日、6月3日、24日にこのマンションに泊まっているというのだ。かなり長期にわたって喜多社長の動向を張っていたことがわかる。
取材班は喜多社長にインタビューしているが、彼女が泊まったことも、情実人事をしたこともないと否定し、「だから取材不足なんだよ、君は」と真っ赤な顔で怒鳴って出て行ってしまったそうである。
社長と部下との「ただならぬ関係」といえばよくある話しだが、これが言論機関の長であり、しかも日経は文春の広告を「記事は事実に反する」と掲載拒否したというのだから、穏やかではない。さらに日経は文春側を名誉毀損で提訴するそうである。
記事を読む限り、文春も不倫関係にあるとは断定していない。だが、長たるもの部下のデスクとの特殊な関係が社内でウワサされるのは、不徳の致すところであろう。
この情報は間違いなく、社内から漏れたに違いない。訴えれば社内のゴタゴタを法廷で晒すことになりはしないだろうか。
ネット論壇誌「現代ビジネス」で元日経記者坪田知己がこう書いている。
「この問題で、恥ずかしくてならないのは、広告拒否と『本社、文藝春秋を提訴へ』という記事の掲載だ。この問題は、喜多恒雄社長の個人の素行に対する問題が主軸である。『情実人事』は組織の問題だが、素行に問題がなければ、情実人事は話題にはされないだろう。『喜多氏、文藝春秋を提訴へ』が正しい見出しであって、日経本社が一方に加担してはならない。社員や役員の不祥事が起これば、上司に呼び出され、処分が検討される。ところが、『上司がいない』社長は、会社を盾にして闘おうとする。著しい公私混同だ。なぜ、新聞社が社長という個人の盾になるのか……それが問題だ」
それにしても読売といい日経といい、大メディアのトップの良識がこれほど問われているときはないだろう。そういう意味でも、メディアの危機は深刻である。
ところで、今週の新潮には特集よりも特別読物に面白いものが多い。
惜しくも次点にはならなかったが、タイのチェンマイに高齢の日本人が多く住み、孤独死するケースが増えているという特別読物を興味深く読んだ。
もともとタイ北部の古都チェンマイは、日本人の年金生活者の長期滞在先として人気があるところだ。ロングステイ先としてはマレーシアに次いで2位で、ハワイやオーストラリアを凌いでいる。
家賃は、中クラスのコンドミニアムで日本円で約1万8,000円ほど。タイ風焼きそば「パッタイ」が100円前後、夕食を少し豪華にしても1,000円から1,500円ほどだというから、月5万円程度で暮らせるようだ。
ところが、過去4年間で年間15~20人程度だった日本人死者の数が今年は、6月までで14人になったというのだ。
3年チェンマイで暮らしていた63歳の男性が孤独死した。現地在住15年になる85歳の老人は「理想は西行のように野垂れ死に」と笑う。部屋をサイケデリックに飾っていたホモセクシュアルの71歳の男性は、死後しばらく経って発見された。蓄えがないため、脳梗塞で倒れても満足な治療を受けられずに亡くなった72歳の老人。
チェンマイの日本人関係者がこう語る。
「今後、チェンマイで日本人の孤独死が急増していくことは間違いありません。そのとき迷惑するのは周囲の人たちです。海外で暮らすなら、最後のことまで考えてもらいたい」
年金生活者のパラダイスだったチェンマイにも、超高齢社会の問題が集約された「プチ日本」が築かれつつあるようだと、筆者のジャーナリスト出井康博は結んでいる。
グランプリに推した「『女子高生』オジサン化で『B層』の社会学」はタイトルこそ悪例の見本みたいだが、筆者の適菜収(てきな おさむ)の文章はすこぶる切れ味がいい。
彼は30代後半で、フリードリヒ・ニーチェを解説する著作を発表している若い哲学者らしいが、私は知らなかった。だが、一読して面白い論客が出てきたと感じる。
B層とは、平成17年の郵政選挙の際、内閣府から依頼された広告会社が作った概念で「マスメディアに踊らされやすい知的弱者」を指す。
適菜は、渋谷で出会った「早く風呂に入って寝てぇ!」「肉が食べたい」「腰が痛い」と話しているオッサンみたいな女子高生3人の話から入る。頭はハゲかかっているのに、とにかく若く見られたくてしょうがない、気分が子どものままの大人が増えていて、しかも、それが非難されるのではなく、尊重されるような世の中になっていると“嘆く”。
そうした意味で、民主党は女子高生ようなオッサンだらけだとして、こう批判する。
「鳩山由紀夫の頭の中は、かつてのコギャルやチーマーとそれほど変わらないのではないか。(中略)鳩山はオモチャを与えられた幼児のように、わが国を振り回し、最後には放り投げた」「菅直人は、自著で独裁と反文明主義を賛美する狂人だった。自衛隊の指揮監督権を自分が持っていることも知らず、元財務大臣なのに高校生レベルの経済知識もなかった」「小沢一郎は原発事故後、秘書と真っ先に逃亡しようとしていたという。議論が苦手で癇癪を起こしたら作ったものを壊すだけ。『50歳を超えても30代に見える生き方』というアンチエイジングの本が売れているが、彼らは60歳を超えても10代に見える生き方を貫いている」
言葉が幼くなって、自分の立場をわきまえない大人の代表として、橋下徹大阪市長を評したのが、以下の箇所である。
「橋下はタレント時代に『能や狂言が好きな人は変質者』と発言している。府知事時代には文楽を見て『2度目は行かない』と述べた。文楽協会や大阪フィルハーモニー協会への補助金カット、市音楽団の廃止、中之島図書館の廃止を目指す彼は、どこに文化的な価値を見いだしているのだろうか? 橋下の好きな音楽はORANGE RANGEの『花』である。感動した小説は『いま、会いにゆきます』。好きな食べ物はラーメン。応援しているスポーツ選手は亀田興毅。一体どこの田舎の中学生か。(中略)彼の幼児性は、国家社会主義ドイツ労働党(ナチス)のアドルフ・ヒトラーと酷似している。(中略)わかりやすい正義を唱えて、『大衆の共通の敵』を作り上げ、排外主義を扇動する。市職員の『思想調査』を行い、内部告発や密告を奨励する。そして、『僕が直接選挙で選ばれているので最後は僕が民意だ』と民意による独裁を正当化する。(中略)毎日新聞の全国世論調査(6月)によると、次期衆院選比例の投票先に橋下が率いる『大阪維新の会』を選んだ人が28パーセントに上ったという。候補者が一人も決まっていないのに、全政党の中でダントツの1位。大人は総じてバカになったのである」
橋下の文化に対する幼児性を痛烈に批判したのは、赤川次郎である。
朝日新聞6月29日付の読書欄に投稿した赤川は「橋下氏、価値観押しつけるな」と題して、「大阪の橋下徹市長は大阪府立和泉高校の管理職をなぜ処分しないのだろう? 教師の口元チェックをしながら、姿勢正しく心をこめて『君が代』を歌えたはずがないのだから」と書き出し、こう続けている。
「それにしても生徒のためのものであるはずの卒業式で、管理職が教師の口元を監視する。何と醜悪な光景だろう! 橋下氏は独裁も必要と言っているそうだが、なるほど『密告の奨励』独裁政治につきものである。
府知事時代、橋下氏は初めて文楽を見て、こんなもの二度と見ないと言い放ち、補助金を削減した。曰く『落語は補助金なしでやっている』。舞台に座布団一枚あればいい落語と、装置をくみ、大勢の熟練の技を必要とする文楽を一緒くたにする非常識。客の数だけ比べるのはベートーヴェンとAKB48を同列にするのと同じだ。
文楽は大阪が世界に誇る日本の文化である。理解力不足を棚に上げ、自分の価値観を押し付けるのは、「力強い指導力」などとは全く別物である。
過去に学ぶ謙虚さを持ち合わせない人間に未来を託するのは、地図もガイドもなく初めての山に登るのと同じ。一つ違うのは、遭難するとき、ほかのすべての人々を道連れにするということである」
哲学者らしく随所に哲人の言葉を挿入しながら、意外にもオッサン女子高生たちに期待を寄せる。
「女子高生のオッサン化は、キャピキャピと浮かれ続ける醜悪な大人たちに愛想をつかしたからではないか。社会の幼児化に本能的な警戒心を抱いているからではないか。2012年版『子ども・若者白書』の原案によると、15~29歳の若者の8割以上が、わが国の将来について不安をもっているという。真っ当な現状認識だと思う。日本の将来を救うのは、むしろ現実から目を背けない女子高生たちもしれない」
この見方に私は多少違和感があるが、最後に引用しているスペインの哲学者オルテガ・イ・ガセトの言葉はいい。
「過去は、われわれが何をしなければならないかは教えないが、われわれが何を避けねばならないかは教えてくれるのである」
増税で入ってくるカネを公共事業に注ぎ込もうと企む政治家や、原発を再稼働させようと目論む電力会社、そして多くの日本人は、過去から何も学ぼうとしない。日本人はどこまでバカになるのだろう。
(文=元木昌彦)
「民主党は女子高生のようなオッサンだらけ」気鋭の論客が政治家の幼児性を一刀両断

「週刊新潮」7月19日号 中吊り広告より
グランプリ
「『女子高生』オジサン化で『B層』の社会学 適菜収」(「週刊新潮」7月19日号)
第2位
「日経新聞喜多恒雄社長と美人デスクのただならぬ関係」(「週刊文春」7月19日号)
第3位
「幸福の科学 大川隆法『性の儀式』一番弟子が懺悔告発!」(「週刊文春」7月19日号)
次点
「荒川河川敷で『ひとりじゃないの』を1人で歌った『天地真理』」(「週刊新潮」7月19日号)
注目の蜷川実花監督、沢尻エリカ主演の『ヘルタースケルター』が封切られた。
初日には雲隠れしていた沢尻が出てくるとあって、取材陣の数はすごかったようだが、始まる前から沢尻が所属する「エイベックス」から“お達し”があったのだろう、肝心の「大麻中毒」についてはどこの社も聞いていないようだ。
芸能記者が情けなく、プロダクションの飼い犬なのはよく知っているが、一人ぐらい勇気のあるレポーターはいなかったのだろうか。
スポーツニッポンは7月15日付で、こう書いた。
「今、手に入れたいものを聞かれ『透明人間になりたい。見えないくらいに』と答えた沢尻。本紙の取材では、現在決まっている仕事は『ゼロ』。CM契約も1本もなくなった。しかし、この日だけの印象で言えば、やっぱり沢尻は“イイ女”。ゼロからどう立ち上がっていくのか、楽しみだ」
イイ女なのはわかっている。沢尻がブスだったら、こんな騒ぎにはならない。不思議なのはいくつかの新聞を拾い読みしても、映画についての評価は出ていないようだ。沢尻効果で蜷川監督はあちこち引っ張りだこだったが、映画が評価されてなんぼの世界だ。
お騒がせ女を起用した蜷川の意図はまんまと当たったが、監督としての評価は上がるのだろうか。
週刊文春が報じた「大麻中毒」報道は、蜷川、沢尻側の知恵者が仕掛けたのではないか。そう勘ぐりたくもなる。スキャンダルを振りまくことでしか存在感をアピールできない女優は、今度はどんなスキャンダルで驚かせてくれるのだろうか。そこにしか、沢尻の存在価値はないのだから。
さて、新潮のワイド特集「我が人生『運命の一日』」に、久しぶりに天地真理が載っている。
白雪姫も60歳になった。横浜市内の家賃7万円のシニアマンションで一人暮らし。天地がこう語る。
「気分が悪くなったら、ボタンを押せば救急車が来るんですよ。だからここでね、余生をゆっくり過ごそうと思って……。1日500円でお弁当もつくのよ。お肉とか、お魚とか。夕方の4時半になると、フロントへ取りに行くの」
「ひとりじゃないの」「水色の恋」「ちいさな恋」で一世を風靡し、紅白歌合戦にも出場した。
34歳の時に実業家の男性と結婚して長女が生まれたが、離婚した。長女が天地の近くに住んでファンクラブの管理を行い、家賃や生活費はファンクラブの会費で賄っているという。だが、そんなにたくさんのファンがいるとは思えない。
彼女の近影が全盛期の頃の写真の下に小さくあるが、過酷だった人生が刻まれた顔である。
日本中のアイドルになった彼女に、元トルコ(今のソープランド)嬢ではなかったかというスキャンダルが出たことがある。
真偽のほどはわからないが、彼女にはほかのアイドルにはない親しみやすさがあった。なぜか彼女の歌はゲイたちに好まれ、新宿二丁目のクラブ「白い部屋」やゲイバーで「彼女」たちが手をつないで「ひとりじゃないって、素敵なことよ~」と絶唱していたことを思い出す。
新宿でお袋さんとおにぎり屋を開いたこともあったな~。
デビュー5年後に体調を崩し、徐々に芸能界からフェードアウトしてしまった。足立区に住んでいたときはアパートの壁が薄かったため、河川敷で歌っていたという。
彼女は今でもレッスンを欠かさない。アカペラで1時間半かけて、誰もいない自分の部屋で歌うそうだ。
記者にも「水色の恋」を披露してくれたそうだが、前歯が一部欠けているので時折息が抜けてしまうが、よく通る声は昔と変わらなかったという。これが惜しくも次点。
週刊文春が今週も頑張っている。「幸福の科学」大川隆法総裁の一番弟子といわれていたが、今年除名されてしまった種村修(56)が実名で告発している。これが今週の3位。
総裁に宛てた手紙にある、種村が相談を受けた元女性秘書の告白内容がすごい!
全裸になった大川総裁の足の間に、やはり全裸の彼女が正座して座り、ある行為に及ぶ。そして、こう書いている。
「総裁先生と最後まで愛し合う行為が終了したあと、総裁先生が彼女に向かって合掌して、感謝の気持ちを表現してくださるお姿を見て(省略)非常な罪悪感がこみ上げてきたそうです」
彼がこの手紙を書いたのは、「これまで総裁先生のセクハラによって信仰が傷つき、今もなお普通の生活ができないまでの心身の苦痛に陥っておられる女性が何名もいるという事実を知り、看過できない気持ちになったからです」という理由からだという。
私がフライデー編集長のとき、幸福の科学との間で大きな「もめ事」があった。
大川総裁が商社勤めをしていた時代について触れたある記事が、信者たちの怒りを買った。
講談社の社屋の1階を多くの信者たちが占拠し、編集長や社長に会わせろと要求し、それが通らないと、今度は電話とFAX攻撃に出た。
すさまじい量のFAXが流され、社業が丸二日ストップした。
毎日のように直木賞作家の景山民夫や歌手の小川知子たちが社の前をデモをして、「フライデーを潰せ」「社長は退陣せよ」とシュプレヒコールを繰り返し、ワイドショーは連日その模様を流した。
「幸福の科学」設立当初は、ゆるやかな宗教サークルのようなものだったが、数が集まってくると、ほかの新興宗教と同じように、信者に多額のお布施を教団に納めさせ、総裁の書いた本を大量に買わせることをやり出した。
一時は仲睦まじく見えた大川夫妻だったが、きょう子夫人から教団と大川総裁に対して損害賠償を求める訴訟を起こされている。
そして、今回の元一番弟子の告発である。もちろん、幸福の科学側は「事実無根」と否定しているが、末期症状を呈してきたこの教団のスキャンダルはどこまで拡がるのだろうか。
今週の文春の「スクープ撮!」は日経新聞の喜多恒雄社長(65)に刃を向けた。この記事が2位。
5月28日(月)、午前10時。新宿にある高級マンションから喜多社長が姿を現し、ハイヤーに乗り込む。
そのわずか10分後に、薄いグレーのスーツ姿の女性が現れる。
この女性は日経新聞経済部デスク(50)。彼女はニューヨーク総局の現地採用で、当時の上司が喜多だったという。
二人の姿はグラビアでも拝める。
喜多社長の会社登記簿上の住所は妻が住む鎌倉市だが、週の大半はこのマンションに住んでいるという。
女性デスクも自宅は文京区だが、喜多の住むマンションに足繁く通っているそうである。
取材班が確認しただけでも5月30日、6月3日、24日にこのマンションに泊まっているというのだ。かなり長期にわたって喜多社長の動向を張っていたことがわかる。
取材班は喜多社長にインタビューしているが、彼女が泊まったことも、情実人事をしたこともないと否定し、「だから取材不足なんだよ、君は」と真っ赤な顔で怒鳴って出て行ってしまったそうである。
社長と部下との「ただならぬ関係」といえばよくある話しだが、これが言論機関の長であり、しかも日経は文春の広告を「記事は事実に反する」と掲載拒否したというのだから、穏やかではない。さらに日経は文春側を名誉毀損で提訴するそうである。
記事を読む限り、文春も不倫関係にあるとは断定していない。だが、長たるもの部下のデスクとの特殊な関係が社内でウワサされるのは、不徳の致すところであろう。
この情報は間違いなく、社内から漏れたに違いない。訴えれば社内のゴタゴタを法廷で晒すことになりはしないだろうか。
ネット論壇誌「現代ビジネス」で元日経記者坪田知己がこう書いている。
「この問題で、恥ずかしくてならないのは、広告拒否と『本社、文藝春秋を提訴へ』という記事の掲載だ。この問題は、喜多恒雄社長の個人の素行に対する問題が主軸である。『情実人事』は組織の問題だが、素行に問題がなければ、情実人事は話題にはされないだろう。『喜多氏、文藝春秋を提訴へ』が正しい見出しであって、日経本社が一方に加担してはならない。社員や役員の不祥事が起これば、上司に呼び出され、処分が検討される。ところが、『上司がいない』社長は、会社を盾にして闘おうとする。著しい公私混同だ。なぜ、新聞社が社長という個人の盾になるのか……それが問題だ」
それにしても読売といい日経といい、大メディアのトップの良識がこれほど問われているときはないだろう。そういう意味でも、メディアの危機は深刻である。
ところで、今週の新潮には特集よりも特別読物に面白いものが多い。
惜しくも次点にはならなかったが、タイのチェンマイに高齢の日本人が多く住み、孤独死するケースが増えているという特別読物を興味深く読んだ。
もともとタイ北部の古都チェンマイは、日本人の年金生活者の長期滞在先として人気があるところだ。ロングステイ先としてはマレーシアに次いで2位で、ハワイやオーストラリアを凌いでいる。
家賃は、中クラスのコンドミニアムで日本円で約1万8,000円ほど。タイ風焼きそば「パッタイ」が100円前後、夕食を少し豪華にしても1,000円から1,500円ほどだというから、月5万円程度で暮らせるようだ。
ところが、過去4年間で年間15~20人程度だった日本人死者の数が今年は、6月までで14人になったというのだ。
3年チェンマイで暮らしていた63歳の男性が孤独死した。現地在住15年になる85歳の老人は「理想は西行のように野垂れ死に」と笑う。部屋をサイケデリックに飾っていたホモセクシュアルの71歳の男性は、死後しばらく経って発見された。蓄えがないため、脳梗塞で倒れても満足な治療を受けられずに亡くなった72歳の老人。
チェンマイの日本人関係者がこう語る。
「今後、チェンマイで日本人の孤独死が急増していくことは間違いありません。そのとき迷惑するのは周囲の人たちです。海外で暮らすなら、最後のことまで考えてもらいたい」
年金生活者のパラダイスだったチェンマイにも、超高齢社会の問題が集約された「プチ日本」が築かれつつあるようだと、筆者のジャーナリスト出井康博は結んでいる。
グランプリに推した「『女子高生』オジサン化で『B層』の社会学」はタイトルこそ悪例の見本みたいだが、筆者の適菜収(てきな おさむ)の文章はすこぶる切れ味がいい。
彼は30代後半で、フリードリヒ・ニーチェを解説する著作を発表している若い哲学者らしいが、私は知らなかった。だが、一読して面白い論客が出てきたと感じる。
B層とは、平成17年の郵政選挙の際、内閣府から依頼された広告会社が作った概念で「マスメディアに踊らされやすい知的弱者」を指す。
適菜は、渋谷で出会った「早く風呂に入って寝てぇ!」「肉が食べたい」「腰が痛い」と話しているオッサンみたいな女子高生3人の話から入る。頭はハゲかかっているのに、とにかく若く見られたくてしょうがない、気分が子どものままの大人が増えていて、しかも、それが非難されるのではなく、尊重されるような世の中になっていると“嘆く”。
そうした意味で、民主党は女子高生ようなオッサンだらけだとして、こう批判する。
「鳩山由紀夫の頭の中は、かつてのコギャルやチーマーとそれほど変わらないのではないか。(中略)鳩山はオモチャを与えられた幼児のように、わが国を振り回し、最後には放り投げた」「菅直人は、自著で独裁と反文明主義を賛美する狂人だった。自衛隊の指揮監督権を自分が持っていることも知らず、元財務大臣なのに高校生レベルの経済知識もなかった」「小沢一郎は原発事故後、秘書と真っ先に逃亡しようとしていたという。議論が苦手で癇癪を起こしたら作ったものを壊すだけ。『50歳を超えても30代に見える生き方』というアンチエイジングの本が売れているが、彼らは60歳を超えても10代に見える生き方を貫いている」
言葉が幼くなって、自分の立場をわきまえない大人の代表として、橋下徹大阪市長を評したのが、以下の箇所である。
「橋下はタレント時代に『能や狂言が好きな人は変質者』と発言している。府知事時代には文楽を見て『2度目は行かない』と述べた。文楽協会や大阪フィルハーモニー協会への補助金カット、市音楽団の廃止、中之島図書館の廃止を目指す彼は、どこに文化的な価値を見いだしているのだろうか? 橋下の好きな音楽はORANGE RANGEの『花』である。感動した小説は『いま、会いにゆきます』。好きな食べ物はラーメン。応援しているスポーツ選手は亀田興毅。一体どこの田舎の中学生か。(中略)彼の幼児性は、国家社会主義ドイツ労働党(ナチス)のアドルフ・ヒトラーと酷似している。(中略)わかりやすい正義を唱えて、『大衆の共通の敵』を作り上げ、排外主義を扇動する。市職員の『思想調査』を行い、内部告発や密告を奨励する。そして、『僕が直接選挙で選ばれているので最後は僕が民意だ』と民意による独裁を正当化する。(中略)毎日新聞の全国世論調査(6月)によると、次期衆院選比例の投票先に橋下が率いる『大阪維新の会』を選んだ人が28パーセントに上ったという。候補者が一人も決まっていないのに、全政党の中でダントツの1位。大人は総じてバカになったのである」
橋下の文化に対する幼児性を痛烈に批判したのは、赤川次郎である。
朝日新聞6月29日付の読書欄に投稿した赤川は「橋下氏、価値観押しつけるな」と題して、「大阪の橋下徹市長は大阪府立和泉高校の管理職をなぜ処分しないのだろう? 教師の口元チェックをしながら、姿勢正しく心をこめて『君が代』を歌えたはずがないのだから」と書き出し、こう続けている。
「それにしても生徒のためのものであるはずの卒業式で、管理職が教師の口元を監視する。何と醜悪な光景だろう! 橋下氏は独裁も必要と言っているそうだが、なるほど『密告の奨励』独裁政治につきものである。
府知事時代、橋下氏は初めて文楽を見て、こんなもの二度と見ないと言い放ち、補助金を削減した。曰く『落語は補助金なしでやっている』。舞台に座布団一枚あればいい落語と、装置をくみ、大勢の熟練の技を必要とする文楽を一緒くたにする非常識。客の数だけ比べるのはベートーヴェンとAKB48を同列にするのと同じだ。
文楽は大阪が世界に誇る日本の文化である。理解力不足を棚に上げ、自分の価値観を押し付けるのは、「力強い指導力」などとは全く別物である。
過去に学ぶ謙虚さを持ち合わせない人間に未来を託するのは、地図もガイドもなく初めての山に登るのと同じ。一つ違うのは、遭難するとき、ほかのすべての人々を道連れにするということである」
哲学者らしく随所に哲人の言葉を挿入しながら、意外にもオッサン女子高生たちに期待を寄せる。
「女子高生のオッサン化は、キャピキャピと浮かれ続ける醜悪な大人たちに愛想をつかしたからではないか。社会の幼児化に本能的な警戒心を抱いているからではないか。2012年版『子ども・若者白書』の原案によると、15~29歳の若者の8割以上が、わが国の将来について不安をもっているという。真っ当な現状認識だと思う。日本の将来を救うのは、むしろ現実から目を背けない女子高生たちもしれない」
この見方に私は多少違和感があるが、最後に引用しているスペインの哲学者オルテガ・イ・ガセトの言葉はいい。
「過去は、われわれが何をしなければならないかは教えないが、われわれが何を避けねばならないかは教えてくれるのである」
増税で入ってくるカネを公共事業に注ぎ込もうと企む政治家や、原発を再稼働させようと目論む電力会社、そして多くの日本人は、過去から何も学ぼうとしない。日本人はどこまでバカになるのだろう。
(文=元木昌彦)
親友=お金を貸してくれる、女友達=SEXさせてくれる!? 品性お下劣男の青春『苦役列車』

西村健太の私小説『苦役列車』を山下敦弘監督が映画化。
貫多(森下未来)は想いを寄せる康子(前田敦子)に露骨に迫る。
金もなければ、ムードもなし。
受賞直後のコメント「そろそろ風俗に行こうと思っていた。行かなくてよかった」で話題を呼んだ西村賢太の芥川賞受賞小説『苦役列車』が、山下敦弘監督によって映画化された。やはり、山下監督は『マイ・バック・ページ』(11)のインテリ青年よりも、『どんてん生活』(99)や『ばかのハコ船』(02)のようなどーしようもないダメ男を描くほうがイキイキしてくる。日雇い労働で日銭を稼ぎ、風俗に行くことを数少ない楽しみにしている主人公・北町貫多に『モテキ』(11)の森山未來。地方から上京してきたばかりで、都会への免疫がない日下部に若手演技派の高良健吾。貫多が惚れる古本屋の看板娘に前田敦子というキャスティングだ。汗あり、友情あり、そして汁ありの“王道”青春映画に仕上がっている。
大阪芸大出身の山下監督というと、大学時代からの盟友である人気脚本家・向井康介とのコンビで知られるが、今回はあえて定番となっている座組を変えて、ピンク映画界で活躍するいまおかしんじ監督が脚本を担当。この起用がうまくハマった。いまおか監督はデビュー作『彗星まち』(95)や林由美香主演の代表作『たまもの』(04)で青春時代の終わりを切なく描く一方、クリストファー・ドイルが撮影を担当した『おんなの河童』(11)や青春Hシリーズの一編『若きロッテちゃんの悩み』(11)などで独特のユーモアを漂わせている。原作者・西村賢太の若き日の姿である北町貫多の下品でお下劣などんぞこ生活が、いまおか流に脚色されることで青春の軽みや生きることのおかしみが加わったように思う。山下監督はいまおか監督より11歳年下だが、『たまもの』のトークイベントに呼ばれてから懇意となり、『苦役列車』で初めて一緒に仕事することになった。林由美香主演作を介して、2人の才人が出会ったというエピソードも、映画好きにはぐっと込み上げてくるものがあるではないか。
『苦役列車』の舞台は、日本がバブル期へと突入した1980年代後半の東京。でも、北町貫多(森山未來)はバブルとはまったく無関係の最下層の住人。小学生のとき、夜のワイドショー『ウィークエンダー』で父親が性犯罪を起こしたことが放映され、一家は夜逃げ&離散。中学を卒業した貫多は日雇い労働で汗を流し、稼いだバイト代は酒と風俗に消えていた。将来の夢も恋人もいない、味気ない毎日だ。そんな貫多に初めて親友と呼べる存在ができた。専門学校に通う日下部(高良健吾)とバイト先で仲良くなり、仕事帰りに一緒に飲みに行くようになる。気のいい日下部は、貫多が憧れている古本屋に勤めるバイト学生・康子(前田敦子)との仲介役を引き受け、口ベタな貫多は康子と“友達”になることに成功。灰色の日々を送っていた貫多の生活が、いっきにカラフルに色づき始める。

友達のいなかった貫多だったが、バイト先で
同い年の専門学校生・日下部(高良健吾)と
仲良くなる。日下部はスポーツマンタイプ
のいいヤツ。
貫多は自分の欲望にとことん忠実な男だ。最初の頃はそんな貫多のことを「気取りのない、真っ正直なヤツ」と好意的に感じていた日下部だが、家賃を滞納しまくった貫多が借金を申し込むあたりから次第にうんざりしてくる。康子とせっかく友達になれたにもかかわらず、貫多の頭の中には「女友達=セックスさせてくれる」という図式しか入っていない。性欲がみなぎった野獣のような貫多の表情に康子は怯える。自分に正直なのが貫多の数少ない長所なのだが、あまりに正直すぎるために貫多は社会生活において度々問題を引き起こす。貫多の青春は、まるで線香花火のようにあっけなく終わる。
前田敦子演じる康子は映画版でのオリジナルキャラクターだが、マキタスポーツ演じるバイト先の同僚・高橋も原作では端役だったのが映画版ではかなり膨らんだキャラクターとなっている。人気ミュージシャンの思想模写で知られるマキタスポーツは40歳すぎてから売れ始めた、いわば“苦役列車芸人”。マキタスポーツの“所帯を持ち、芸人をしながらミュージシャン活動もする”というプロフィールがバイトしながら歌手を目指している高橋役にぴったりだったことから、オーディションなしで本作のキーパーソン役に抜擢された。
貫多よりかなり年上の高橋だが、この2人はひどく仲が悪い。休憩中に「お前ら、若いのに夢もないのか。オレは歌がうまいから、歌手になるぞ」と貫多と日下部に説教を垂れる高橋はうっとうしい存在だ。歌手になんか簡単になれるわけがない。夢を見れば、それだけ生きるのが虚しくなるだけだ。貫多にとっては、自分の将来の姿を見せつけられているようでムカムカする。高橋もまだ若くて人生のやり直しが可能な貫多に向かって、つい余計なひと言が言いたくなる。似た者同士でいがみ合ってしまうのだ。貫多にとって高橋は親友でもなければ尊敬できる先輩でもない。ただ、バイト先ですれ違っただけの関係。ところが意外にも高橋の存在が、無目的に生きていた貫多の人生に光を注ぐことになる。高橋自身も『小僧の神様』みたいに、そのことに気づいていない。人生を生きていく中で、家族、親友、恋人といった存在はもちろん大きいが、そうでない人たちの存在もけっこー大きいことを本作は教えてくれる。面白い人、つまんない人、面倒くさい人、いろんな人たちがいる中を、苦役列車は進んでいく。

いつも自慢話か説教しかしない高橋(マキタス
ポーツ)のことが貫多は嫌い。でも、親しい
人には言えないことが、親しくない高橋には
言えてしまう。
最後になったが、ヒロインである康子を演じた前田敦子について。AKB48卒業を心に秘め、かなり気合いを入れて本作に挑んだと思われる。でも、その気合いを入れてます感を感じさせないところが彼女の魅力なのだろう。寝たきりのおじいちゃんの下半身に溲瓶(しびん)をあてがうシーン、下着姿で冬の海に入るシーン、グチョグチョになりながらのキスシーン……。山下監督が用意したイジワルな難関を、まだピカピカの女優魂で挑んでいく。演技がうまいというのとは違うが、初めての山下組の撮影現場での、ちょこんとした身の置き方、控えめな佇まいが、地方から上京してきた康子のキャラクターと重なり、いい感じで作品に溶け込んでいる。
山下監督に女優・前田敦子の印象を聞いたところ、「つかみどころのない女の子。会う度に違った印象がある。できれば違う役でもう一本、彼女を撮ってみたい」と語っていた。山下監督の『リアリズムの宿』(03)では尾野真千子、『リンダ リンダ リンダ』(05)ではペ・ドゥナがやはりつかみどころのない不思議な女の子役で出演し、その後ブレイクを果たしている。山下監督のこの言葉は、AKBを離れて、彼女なりの“苦役列車”に乗り込む前田敦子にとって何よりもの餞別だろう。
(文=長野辰次)
『苦役列車』
原作/西村賢太 脚本/いまおかしんじ 監督/山下敦弘 出演/森山未來、高良健吾、前田敦子、マキタスポーツ、田口トモロヲ
R15 配給/東映 7月14日(土)より丸の内TOEI、新宿バルト9ほか全国ロードショー <http://www.kueki.jp> (c)2012「苦役列車」製作委員会
●深読みCINEMAコラム【パンドラ映画館】INDEX
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[第171回]自由社会に順応できない“脱北者”の過酷な現状 無垢なる季節との決別『ムサン日記 白い犬』
[第170回] 世界興収100億突破のSF大作『ロボット』はあらゆる既成概念を破壊する!!
[第169回]“エンタの神さま”ツイ・ハークが大復活! B級映画マニアの心を焦がす『王朝の陰謀』
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[第158回] ピラミッドは古代からのメッセージ!? 歴史ミステリー『ピラミッドの謎』
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[第154回]犯罪者たちに学ぶ"人心掌握術"の奨め『アニマル・キングダム』『預言者』
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[第137回]刑務所で食する至高の味『極道めし』ヒロインの後ろ姿に、むせび泣き!
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[第120回]胸に響く金言"プロとは手を抜くこと" 職人秘話『アトムの足音が聞こえる』
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[第117回]"セカイ"を旅立った少女の地底探検記 新海誠監督の新作『星を追う子ども』
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[第115回] 恋愛が与える"陶酔"とリアルな"痛み"サブカル活劇『スコット・ピルグリム』
[第114回]妄想、空想、そして現実からの大脱走 美少女革命『エンジェル ウォーズ』
[第113回]"3.11"後の新しい映画モデルとなるか『劇場版 神聖かまってちゃん』の挑戦
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[第111回]閉鎖的な"村社会"をブチ破ったれ! 韓流サバイバル劇『ビー・デビル』
[第110回]"粋"を愛したフランスの伯父さん J・タチ主演『イリュージョニスト』
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[第77回] 白ユリの花開くガールズの妖しい世界 H系ホラー『ジェニファーズ・ボディ』
[第76回] 爽やか系青春ゾンビ映画にホロリ......夏休みは『ゾンビランド』に集結せよ
[第75回] "生きる"とは"見苦しい"ということ 藤沢周平の時代活劇『必死剣 鳥刺し』
[第74回]初恋の美少女は200歳の吸血鬼だった! 北欧産のホラー映画『ぼくのエリ』
[第73回] "三億円事件"の真相を解き明かす! 桜タブーに挑んだ『ロストクライム』
[第72回/特別編] 上映反対で揺れる問題作『ザ・コーヴ』"渦中の人"リック・オバリー氏の主張
[第71回] 女子にモテモテになる方法、教えます。軟派少年の実話物語『ソフトボーイ』
[第70回] 下町育ちの"北野少年"が見た現代社会 人間同士の食物連鎖『アウトレイジ』
[第69回] "リアルと虚構の狭間"を生きる男、アントニオ猪木初主演作『アカシア』
[第68回] ヒーローも神もいない現代社会の惨劇 井筒監督の問題作『ヒーローショー』
[第67回] アイドルが地獄で微笑む『戦闘少女』ギャグ×血しぶき×殺陣の特盛り丼!
[第66回]アナーキーな"社歌"で生産性アップ! 満島ひかり大進撃『川の底からこんにちは』
[第65回]超ヘビー級なシリアス劇『プレシャス』"家族"という名の地獄から脱出せよ
[第64回]乱れ咲く"悪の華"ゼブラクイーン! 仲里依紗が過激変身『ゼブラーマン2』
[第63回] オタク王が見出した"夢と現実"の接点 ティム・バートン監督作『アリス──』
[第62回] バッドテイストな感動作『第9地区』 アナタはエビ人間とお友達になれるか?
[第61回]スコセッシ監督の犯罪アトラクション『シャッターアイランド』へようこそ!
[第60回]宮崎あおいの"映画代表作"が誕生! 毒を呑んでも生き続けよ『ソラニン』
[第59回]"おっぱいアート"は世界を救えるか? 母乳戦士の記録『桃色のジャンヌ・ダルク』
[第58回]現代に甦った"梶原一騎ワールド"韓流ステゴロ映画『息もできない』
[第57回]命知らずの変態レポーター、中東へ! 史上最大のどっきり?『ブルーノ』
[第56回]仲里依紗がアニメから実写へと跳躍! 母娘2代の時空旅行『時をかける少女』
[第55回]ビグロー監督はキャメロンより硬派! 人間爆弾の恐怖『ハート・ロッカー』
[第54回] "空気を読む"若者の悲劇『パレード』楽しいルームシェア生活の行き先は?
[第53回]社会の"生け贄"に選ばれた男の逃亡劇 堺雅人主演『ゴールデンスランバー』
[第52回]『男はつらいよ』の別エンディング? "寅さん"の最期を描く『おとうと』
[第51回]ひとり相撲なら無敵のチャンピオン! 童貞暴走劇『ボーイズ・オン・ザ・ラン』
[第50回]ヒース・レジャーが最後に見た夢の世界 理想と欲望が渦巻く『Dr.パルナサスの鏡』
[第49回]トニー・ジャーは本気なんジャー! CGなしの狂乱劇再び『マッハ!弐』
[第48回]全米"オシャレ番長"ズーイー、見参! 草食系に捧ぐ『(500日)のサマー』
[第47回]市川崑監督&水谷豊"幻の名作"『幸福』28年の歳月を経て、初のパッケージ化
[第46回]押井守監督、大いなる方向転換か? 黒木メイサ主演『アサルトガールズ』
[第45回]ドラッグ漬けの芸能関係者必見!"神の子"の復活を追う『マラドーナ』
[第44回] 暴走する"システム"が止まらない! マイケル・ムーア監督『キャピタリズム』
[第43回]"人は二度死ぬ"という独自の死生観『ガマの油』役所広司の監督ぶりは?
[第42回]誰もが共感、あるあるコメディー! 2ちゃんねる発『ブラック会社』
[第41回]タラとブラピが組むと、こーなった!! 戦争奇談『イングロリアス・バスターズ』
[第40回]"涅槃の境地"のラストシーンに唖然! 引退を賭けた角川春樹監督『笑う警官』
[第39回]伝説の男・松田優作は今も生きている 20回忌ドキュメント『SOUL RED』
[第38回]海より深い"ドメスティック・ラブ"ポン・ジュノ監督『母なる証明』
[第37回]チャン・ツィイーが放つフェロモン爆撃 悪女注意報発令せり!『ホースメン』
[第36回]『ソウ』の監督が放つ激痛バイオレンス やりすぎベーコン!『狼の死刑宣告』
[第35回]"負け組人生"から抜け出したい!! 藤原竜也主演『カイジ 人生逆転ゲーム』
[第34回]2兆円ペット産業の"開かずの間"に迫る ドキュメンタリー『犬と猫と人間と』
[第33回]"女神降臨"ペ・ドゥナの裸体が神々しい 空っぽな心に響く都市の寓話『空気人形』
[第32回]電気仕掛けのパンティをはくヒロイン R15コメディ『男と女の不都合な真実』
[第31回]萩原健一、松方弘樹の助演陣が過剰すぎ! 小栗旬主演の時代活劇『TAJOMARU』
[第30回]松本人志監督・主演第2作『しんぼる』 閉塞状況の中で踊り続ける男の悲喜劇
[第29回]シビアな現実を商品化してしまう才女、西原理恵子の自叙伝『女の子ものがたり』
[第28回]"おねマス"のマッコイ斉藤プレゼンツ 不謹慎さが爆笑を呼ぶ『上島ジェーン』
[第27回]究極料理を超えた"極地料理"に舌鼓! 納涼&グルメ映画『南極料理人』
[第26回]ハチは"失われた少年時代"のアイコン ハリウッド版『HACHI』に涙腺崩壊!
[第25回]白熱! 女同士のゴツゴツエゴバトル 金子修介監督の歌曲劇『プライド』
[第24回]悪意と善意が反転する"仮想空間"細田守監督『サマーウォーズ』
[第23回]沖縄に"精霊が暮らす楽園"があった! 中江裕司監督『真夏の夜の夢』
[第22回]"最強のライブバンド"の底力発揮! ストーンズ『シャイン・ア・ライト』
[第21回]身長15mの"巨大娘"に抱かれたい! 3Dアニメ『モンスターvsエイリアン』
[第20回]ウディ・アレンのヨハンソンいじりが冴え渡る!『それでも恋するバルセロナ』
[第19回]ケイト姐さんが"DTハンター"に! オスカー受賞の官能作『愛を読むひと』
[第18回]1万枚の段ボールで建てた"夢の砦"男のロマンここにあり『築城せよ!』
[第17回]地獄から甦った男のセミドキュメント ミッキー・ローク『レスラー』
[第16回]人生がちょっぴり楽しくなる特効薬 三木聡"脱力"劇場『インスタント沼』
[第15回]"裁判員制度"が始まる今こそ注目 死刑執行を克明に再現した『休暇』
[第14回]生傷美少女の危険な足技に痺れたい! タイ発『チョコレート・ファイター』
[第13回]風俗嬢を狙う快楽殺人鬼の恐怖! 極限の韓流映画『チェイサー』
[第12回]お姫様のハートを盗んだ男の悲哀 紀里谷監督の歴史奇談『GOEMON』
[第11回]美人女優は"下ネタ"でこそ輝く! ファレリー兄弟『ライラにお手あげ』
[第10回]ジャッキー・チェンの"暗黒面"? 中国で上映禁止『新宿インシデント』
[第9回]胸の谷間に"桃源郷"を見た! 綾瀬はるか『おっぱいバレー』
[第8回]"都市伝説"は映画と結びつく 白石晃士監督『オカルト』『テケテケ』
[第7回]少女たちの壮絶サバイバル!楳図かずおワールド『赤んぼ少女』
[第6回]派遣の"叫び"がこだまする現代版蟹工船『遭難フリーター』
[第5回]三池崇史監督『ヤッターマン』で深田恭子が"倒錯美"の世界へ
[第4回]フランス、中国、日本......世界各国のタブーを暴いた劇映画続々
[第3回]水野晴郎の遺作『ギララの逆襲』岡山弁で語った最後の台詞は......
[第2回]『チェンジリング』そしてイーストウッドは"映画の神様"となった
[第1回]堤幸彦版『20世紀少年』に漂うフェイクならではの哀愁と美学