関東連合“武闘派キーマン”が謎の出頭「警察の締め付けで、ヤクザ内でも孤立……?」

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 ゴールデンウイーク真っただ中の5月5日未明、東京都新宿区の警視庁戸塚署に1人の男が出頭した。所持していたのは拳銃1丁と実弾13発。  男はそのまま銃刀法違反容疑で逮捕されたが、男の名を聞いた捜査員の間に衝撃が広がったという。 「戸塚署で逮捕されたのは田丸大容疑者(35)。肩書は指定暴力団住吉会系幹部ですが、それよりもむしろ関東連合OBグループの中心人物として名前を知られている人物です。前日の深夜には近くのマンションで拳銃の発砲事件も起こっており、こちらの事件にも関与しているとみられています」(全国紙社会部記者)  東京・六本木などで凶悪事件を引き起こしてきた暴走族「関東連合」のOBグループ。昨年9月に起こったクラブ「フラワー」での襲撃事件後、石元太一被告ら主要メンバーの逮捕が相次ぎ、リーダー格の見立真一容疑者も海外逃亡してからは、その動静が伝えられることも少なくなった。メンバーの間では、目立った行動を取らないよう通達が出ていたともいわれている。  それだけに、今回の唐突な出頭劇には首をかしげる関係者も多い。田丸容疑者の逮捕容疑は銃刀法違反の加重所持。罰則は懲役3年以上の有期刑だ。  仮に発砲事件にも関与したとしたら、最高刑が無期懲役の発射容疑もつくことになる。「有罪になれば懲役10年は堅い」というのが捜査関係者の見方だ。  なぜ、そのような重い刑を自ら受ける気になったのか? 捜査関係者は「田丸容疑者は暴力団の間でも孤立し、だいぶ追い込まれていたようだ。刑務所に入って自分の身を守ろうとしたのではないか」と推測する。  関東連合OBとひとくくりにされることが多いが、メンバーの職業はそれぞれバラバラ。飲食店の経営や芸能関連会社の経営などで金を稼ぐ「経済派」もいれば、暴力団と一体となって違法行為を繰り返す「武闘派」もいる。フラワー事件の首謀者とみられる見立容疑者も武闘派のリーダー格だが、1学年上の田丸容疑者も同じ武闘派の中心人物。暴走族を「卒業」してからは住吉会幸平一家傘下のS組に所属し、歌舞伎町を拠点に本物のヤクザとして活動していたとみられている。「後輩の面倒見がよく、関東連合OBの間で人望が厚い。田丸を慕ってS組に入った関東連合関係者は十数人に上る」(捜査関係者)という。  だが、関東連合OBが事件を繰り返し、警察当局が本格的な取り締まりを始めてからは、田丸容疑者の肩身も随分狭くなっていたようだ。前出の記者が解説する。 「暴力団からすると、振り込め詐欺などで巨額の資金を稼ぐ関東連合OBは使い勝手のよい連中で、その元締めの1人である田丸容疑者を抱えておくことには大きなメリットがあった。しかし、警察庁が準暴力団という新しいカテゴリーを作って本格的な取り締まりを指示してからは、関東連合OBを抱える暴力団も取り締まりのターゲットになった。これまで関東連合絡みの事件が起こるたびに田丸容疑者をかくまってきた幸平一家の中からも、これ以上抱えきれないという声が上がり始めていたようです」  後輩たちが次々と逮捕され、身内だったヤクザからもにらまれる。四面楚歌のような状況の中で、田丸容疑者が選んだ居場所が檻の中だったということか。  一時は東京の繁華街で勢力を広げ、我が世の春を謳歌した関東連合。しかし、度を超した振る舞いが続けば、闇社会も国家権力も黙ってはいない。  田丸容疑者の孤独な出頭劇は、アウトローの世界における一時代の終わりを表しているのかもしれない。 (文=大伴理人)

狙いは提出阻止から……児童ポルノ法改“悪”案の提出はいつになるのか?

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 今国会にも提出が予定されている「児童ポルノ法」改正案。既報の通り、8日の参議院予算委員会での、みんなの党・山田太郎参議院議員の質問は大きな注目を集めている。そうした中で唯一わからないのが「一体いつ提出されるのか」である。当初考えられたゴールデンウィーク明けになっても、音沙汰はない。一体どうなっているのか?  ゴールデンウィークが明け、新たな規制に反対する人々の熱は高まっている。自民党政調会長の高市早苗衆議院議員が、議員立法での提出を目指しているとする法案が明らかになったことで「このまま可決してしまえば、大変なことになる」という思いが強まっているのだ。明らかに影響を受ける出版業界をはじめとした業界団体でも、国会議員らへの働きかけを始めている。しかし、その中で問題になっているのが、法案の提出がされていないこと。 「明らかになっているのは、高市政調会長が示した法案だけ。実際に、どのような法案になるか不明確な部分もある。そのような段階で大規模な反対運動を展開するのは困難」と、出版業界の消息筋は語る。  現状示されているように、単純所持の禁止、漫画・アニメが現実に影響を与えているか調査する条項が含まれる可能性は高い。  自民党内でも高市政調会長は法案提出にヤル気を見せているが、一部の議員からは異論も出ているという。議員立法とはいえ、党内でコンセンサスを得なければ反発を買うことも必至のため、なかなか法案提出へ踏み切れないという話も流れている。  また、国会議員の中にも高市案以前に、何が問題になっているかを知らない議員は、まだまだ多い。筆者も先日、憲法問題を扱うイベントで、「憲法クイズ」で注目された民主党の小西洋之参議院議員に質問してみたが、児童ポルノ法の問題については知らなかった(とはいえ、興味を示していたが)。  そうした事情もあり、現在は高市案の問題点を指摘し、まず法案そのものの提出を阻止するための水面下の動きが続いているのだ。  もう一つ、法案の提出を阻んでいるのが国会の混乱だ。参議院予算委員会では、野党が提出した川口順子参議院環境委員長の解任決議案をめぐり自民、公明両党が欠席するなど、混乱が続いている。このため、ほかの重要法案も審議が遅れており、通常国会の会期中に児童ポルノ法改正案を提出するのは、困難になるのではないかとの見方もある。  通常国会の会期は6月25日まで。それまでに法案の提出を阻止するのも、ひとつの目標になりつつある。 (取材・文=昼間たかし)

みんなの党・山田太郎参議院議員「表現の自由を大幅に規制する『児童ポルノ法』案に反対します」

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「参議院議員 山田太郎日本の底力を生かす
~蘇れ日本の成長力~」より
 8日に開かれた参議院予算委員会でみんなの党所属の山田太郎参議院議員は、自民党政調会長の高市早苗衆議院議員らが議員立法として今国会への提出を予定している「児童ポルノ法」改定案(実質的な与党案)について質問を行った。高市議員らの案が漫画・アニメなどの過剰な自主規制を招きかねないと指摘する山田議員に対して安倍総理は慎重な検討が必要とは思っているとしながらも「議員立法として提出が検討されているものであり、現在は検討中のためコメントは差し控える」と回答するにとどまった。  また「議員立法でやっているので、財務省に持ち込まれても所管外」と答えた、麻生太郎金融担当大臣は、漫画・アニメを規制対象として検討しながらも小説が対象外になっていることについて「漫画のほうが子供が読むので、この種の話になったのだと思う」と持論を述べた。  山田議員は、高市議員らの改定案を、いち早く自身のサイトで公開するとともに「表現の自由を大幅に規制する法案に反対」する立場を表明している。予算委員会に先立つ今月3日、筆者の取材に応じた山田議員は「高市自民党政調会長自らが、我が党に法案の説明に来た。今回は(改定案を通すための)本気を感じる」と、当日の状況を話す──。  今回、高市議員が、みんなの党の政調会議を訪問して法案の説明をしたことは「異例中の異例」だ。というのも、政調会長の役割は、党内の意見を取りまとめることが一般的だ。にも関わらず、高市政調会長は自ら説明にやってきた。そこに「この法案を通したい」という本気度を感じるというのだ。  当日、法制局の担当者と共にやってきた高市氏の説明に対して、山田議員らは次々と疑問をぶつけた。 「みんなの党内では、規制強化に慎重な意見の議員が数多くいます。説明を聞いて疑問を感じたのは、まず附則で記された政府が漫画・アニメなどが児童の権利を侵害する行為と関連性があるか調査研究し、三年後を目処に検討するという法案の附則の部分。そして、単純所持禁止の項目です」  特に疑問の声が大きかったのは、漫画・アニメなどが児童の権利を侵害する行為と関連性があるか調査研究をするという部分だ。みんなの党では、山田議員をはじめとした議員が、この項目が過剰な自主規制を招く可能性があるなど、表現の自由を大幅に規制する結果となると認識していたからだ。その危惧について質問した山田議員に対して、高市議員は 「党内では、もっと厳しく取り締まったほうがよいという意見もあるのだが、私が頑張ったから、附則に止まっている」  と、自民党内にはさらに強硬に漫画・アニメを含めた規制を求める議員が存在することも匂わせたという。規制強化は2009年の審議の際と変わらず規定の方針だ。一方で、芸術作品や水着写真までもが所持しているだけで犯罪になってしまう可能性のぬぐえない(諸外国では、実例がある)単純所持の禁止の部分については、少々意見が変わったようで高市議員は 「芸術性の高いものは大丈夫」  と、説明したのだとか。2009年の審議の際に法務委員会で答弁した自民党の葉梨康弘衆院議員(昨年の衆院選で返り咲き)が「(写真家の)篠山紀信さんにもネガごと捨ててもらう」と話して、批判を浴びたことで多少は学習したらしい。それでも、基本的な方針は普遍なのだ。 「この法案が通れば、出版社や漫画家など表現する側は過剰な自主規制へと走ることになるでしょう。また、インターネット事業者に児童ポルノの情報の送信を防止する措置を講ずることを求める条文もあります(第14条の2)。児童ポルノの送信を傍受するという目的で、個人のメールなどを堂々と見てよいということです。規制を進める人々には、とにかく社会を浄化したいという感情的なものを強く感じます。このままでは『図書館戦争』のように自由な表現がゲットーのようなところに閉じ込められ、メディアにも報じられない、そんな世の中が本当にやってくるのではないでしょうか」  山田議員の危惧は深まるばかりだ。 ■あらゆる手段で政治家に意見を届けることは有効  山田議員は、高市議員が法案説明を行った、その日のうちに自身のサイトに全資料を公開し、反対の意志を世間に示した。それに対しては、多くの激励のメール・FAX・直筆の手紙、それにTwitterでのRTが寄せられている。そうした中で、今考えるべきは、いかにして「表現の自由」を制限するための法案に変質してしまっている改定案を、法の本来の目的である性的虐待の被害に遭っている児童を守るものへと戻すかということだ。山田議員はいう。 「まず、漫画・アニメの表現規制につながるになる可能性の高い附則の部分に絞って修正を求めていくつもりです。というのも、単純所持と両輪でやろうとすると議論が錯綜してしまいます。第一に漫画・アニメの部分。次に単純所持について議論するつもりです。その中で(条文が極めて曖昧で、何が「児童ポルノ」になるのか判然としない)定義に関する条文も議論することになるでしょう」  そうした中で、規制強化を危惧する国民にできることとして、山田議員が第一に挙げたのは8月にも予定されている参議院選挙だ。 「この問題を選挙の争点にすればよいでしょう。今回からネット選挙も解禁されますから、国民の皆さんも政治家に、直接意見をどんどん投げかけるのがよいと思います」  しかし、従来の選挙でもそうであったように「漫画規制反対」は、争点になりにくいのも事実である。そこで、山田議員は、個別の法律の問題として捉えるのではなく、注目が高まりつつある憲法改正問題として、この問題をどうすべきか考えることを提案する。憲法改正問題というと護憲VS改憲の二元論的な物の見方をする人が多いが、実際はそのような単純なものではない。大前提は、これからの国家をいかにするかということ。その上で、改めるべきところは改めるということで個別の中身を議論することが重要なのだ。 「みんなの党でも、憲法の一部を変えようとしています。そのためには、改正したあとにあるものをしっかりと議論していきます。その中で憲法21条にある“表現の自由”を守り抜かなければなりません」。  さらに、山田議員は今からできる活動として「どんな声でもよいから、政治家に意見を述べる」ことを推奨する。 「政治家は国民の意見を気にするものです。様々な手段を使って政治家にアプローチするのは効果的です」  最近はTwitterなどネットを活用している議員も多いので、誰もが意見を直接述べることができるようになっている。また、山田議員はFAXやメール、電話といった手段も「迷惑にはならない」そうだ。多くの国会議員は、児童ポルノ法の問題点には気づいていない。そして、安易に「規制してもいいか」と流れてしまうのだ。やはり、本来の法の趣旨を外れた安易な規制が行われようとしていること。なによりも、ことを任せてはならないような人々が法案を推進していることを、気づいてもらう手段として、やはり草の根の手段は欠かせない(もちろん、大前提として正しい知識の学習は不可欠なのはいうまでもない。規制に反対している側は、自分たちがキモワルがられて、忌み嫌われていることを感じるだろうが、その感情を押し出すのは禁忌)。 「法律を変えるのも守るのも人間です。一人一人が声を上げれば政治は変わります」  と話す山田議員。その、心根はとても熱いと筆者は感じた。 (取材・文=昼間たかし)

「通常の警備指導をしただけ」COMIC CITY 大阪94『黒子のバスケ』を中止に追い込んだ所轄警察署が回答

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 8日、同人誌即売会 COMIC CITYを運営する赤ブーブー通信社は、5月12日に開催予定だった「COMIC CITY 大阪94」で、インテックス大阪と住之江警察署との協議の結果、『黒子のバスケ』スペースのサークル参加見合わせを決定したことを発表した。昨年来、各種のイベントが中止に追い込まれた『黒子のバスケ』脅迫事件。この間、東京ビッグサイトが警備を強化した上での開催を容認するなど、正常化に向かう流れの中で水を差した格好だ。  発表によれば、今回の決定を余儀なくされた理由は、7日の住之江署での協議の際に求められた警備指導内容のいくつかに、実施に際し現実にはかなり厳しい内容があったというもの。また「住之江警察署の現時点の基本見解として、他会場とは大きく異なり「“事件完全解決”まで、通常開催には 広域かつ厳重な警備実施が必要というご指導」もあったという。  赤ブーブー通信社の発表では、今回の開催に際して全サークル・一般来場者への手荷物確認をはじめ、『黒子のバスケ』のエリアを別のホールへ「隔離」する措置も行われていた。にもかかわらず、住之江警察署は更なる警備を求めたのである。  いったい、住之江警察署はどのような警備を求めたのか。同署に問い合わせたところ担当者は説明を拒んだ。 「取材であっても、電話ではあなたが何者かわからないので話せません。また、あなたがこちらに出向いても話すとは限りません。(会場に)イベント実施の届け出があって、会場の担当者と一緒に来たならお話しします」 と、同署警備課の担当者。それでも説明を求めたところ、 「今までやってきた通りの指導しかしていません。通常の警備指導を行った上で、向こう(主催者)が判断したものです」 と、あくまで通常の通りの対応だったと主張する。  さらに、東京ビッグサイトなどでは同等の警備体制で開催を行っていることに対しては、「地域によっての判断がある」とも。担当者の対応からは「面倒ごとは避けたい」という雰囲気が漂う。もはや「脅迫に屈する」どころの騒ぎではない。こうした対応が、悪しき前例とならないことを祈るばかりだ。  なお、他地域で開催予定の即売会での『黒子のバスケ』申込みは、平常通り続けられている。 (取材・文=昼間 たかし) ●大阪94一部参加見合わせのお願い <http://www.akaboo.jp/event/0512osaka94_notice.html>

東京から地方まで……全国各地で「児童ポルノ法」与党案反対集会が続々開催予定

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 いよいよ、本格的な戦いが幕を開けるのか。  先日、国民の基本的人権・権利を著しく侵害する恐れが高いとされる与党案が明らかになった「児童ポルノ法」改正問題をめぐり、問題点を多くの人に知ってもらうことを目的とする集会が、5月11日の名古屋を皮切りに全国各地で開催される。17日には、国会議員へも呼びかけるべく参議院議員会館でも院内集会を行う予定だ。  今回、全国で開かれる集会を呼びかけているのは、NPO法人「うぐいすリボン」。同団体は「表現の自由」を守るため学習会、支援活動などを目的に活動している。昨年、当サイトでもスクープした、スウェーデンの漫画翻訳家であるシモン・ルンドストルム氏が、PCに保存していたイラストが「児童ポルノ」であるとして逮捕・起訴され、同国の最高裁で無罪になった事件では、同氏の来日に合わせて講演会を開催。スウェーデン語の資料を翻訳し、サイトで無料公開するなど「表現の自由」の問題を語る上で欠かせない知識の普及活動を行っている。  現在、集会の開催が予定されているのは名古屋、東京、京都、広島の4都市だ。全国で集会を開催する理由を、同団体の荻野幸太郎氏は語る。 「東京だけで頑張っても、地方の選挙区から声が上がらないと、政治家はなかなか動こうとしません。それに、規制強化を訴える人々は“弱いところ”を狙って、国の法律よりも強硬な“表現の自由”に抵触する条例を成立させ、地方でやっているのだから国でも……という手段も画策してきます。この2つの目的で、地方でもイベントを開催することにしたんです」  それぞれの集会は、研究者や弁護士によって「児童ポルノ法」改正の問題点などが解説される勉強会形式のものだ。 「児童ポルノの取り締しまりは、実在する児童を性暴力や性的搾取の被害から守るのが本来の目的です。その制度を漫画やアニメの規制に転用されたり、インターネットの事実上の検閲のために濫用されることは、あってはならないと思っています」(荻野氏)  目的は明確だが、とにかく「人が集まらなくてはどうしようもない」とも荻野氏は言う。荻野氏は、東京と関西圏ではそれなりに人が集まるが、名古屋と大阪はまだ関心を持つ人の数が少ないともいう。だが、東京や関西圏ですら「東京都青少年健全育成条例」改正問題の時には、集会などには大勢の人が集まったが、ホンの一瞬の花火で終わったのも事実。今回、この問題はどのような盛り上がりを見せていくのだろうか。 (取材・文=昼間たかし) <集会案内> うぐいすリボンHP <http://www.jfsribbon.org/> ・名古屋 児ポ法改正審議直前:緊急集会(名古屋) 5月11日(土)19時00分~20時30分 場所:ウインク愛知 会議室1104 講師:大屋雄裕 (名古屋大学教授) <http://kokucheese.com/event/index/88367/> ・東京 第3回 児童ポルノ禁止法に関する院内勉強会 ~関西3府県の先行事例の紹介~ 日時:平成25年5月17日(金)12時00分~13時30分 場所:参議院会館 B109会議室 講師:曽我部真裕 (京都大学教授/BPO委員) <http://kokucheese.com/event/index/88071/> ・京都 京都府児童ポルノ規制条例 解説講演会 講師:高山佳奈子(京都大学教授) 日時:2013年5月18日(土) 19時00分~20時30分 場所:ひと・まち交流館京都(会議室5) <http://kokucheese.com/event/index/75830/> ・広島 児ポ法改正審議直前:緊急集会 (広島) 日時:平成25年5月25日(土)19時00分~20時30分 場所:広島市まちづくり市民交流プラザ 研修室C 講師:中村晃基 (弁護士) <http://kokucheese.com/event/index/88712/>

恒例、北朝鮮風大学の新入生歓迎祭? 春の法政大学解放総決起集会の一部始終

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「こんなに汗水垂らして働いても給料変わらねーな」(心の声)
「大学に行ったら学生運動をやりたい!」  そう思っているヤツらは意外に多いのではなかろうか。だが、21世紀も10年あまりが過ぎた今、大学は就職予備校と姿を変え、かつての学生の特権を生かした自由な空間を創出する学生運動を体験できる場は、ほぼ存在しない。そうした状況下、学生の自由・自治を大学当局が奪い去ろうとする流れに抗して戦いが続くのが、東京は千代田区にある法政大学だ。少数派になりつつも、やむにやまれず戦い続ける彼ら。4月25日、その年度初めの一大イベントとなる「4・25法大解放総決起集会」が開催された。そこで見たのは「この大学の経営、大丈夫か?」と疑う光景であった。  今回は、その一部始終を写真と共にお伝えする。  春の法政大学。市ヶ谷キャンパスは外濠公園に面していて、のんびりとした光景が広がっている。だが、その光景とは裏腹に、この取材は緊張することこの上ない。なにせ、学生自治を壊滅させんとする法政大学当局と学生たちの戦いは激しく、これまでにのべ100名以上の逮捕者を出しているからだ。ノコノコ取材に行ったら、大学当局、国家権力、そして学生諸君からも「お前はなんなんだ」となるんじゃなかろうか。そう考えて、事前に、昨年も記事でお世話になった学生運動の主体を担うサークル組織「法政大学文化連盟」のOB恩田君に電話を。 「みんないるから大丈夫ですよ」  という彼に「いや、一人でノコノコ行ったらなんかのスパイみたいじゃない」といったら、「まあ、そうですね~(納得)」だって。否定しろよ……。  さて、当日である。飯田橋駅西口を出て大学の方へ歩いて行く。平日の昼時ということもあって飯を食いに出たサラリーマンやらで、外濠公園はのどかさがいっぱい。法政大学の正門前を除いては。正門は閉じられ、内側すなわち大学の中庭は完全に封鎖されて、大学の職員とガードマンだけ。
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学生運動が盛り上がると一番儲かるのはカメラ屋です(推定)
 中庭に通じる大学敷地内のセブンイレブンで、おにぎりでも買おうと入ってみたのだが、中庭に通じる通路は大学職員が並び完全封鎖されている。
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通行禁止の結果、みんなが弁当を買うのでセブンイレブンは
儲かったハズ
 そして、正門の向かいの外濠公園。こちらは、制服の警察官と私服の公安警察がいっぱいだ。昼休みにベンチに座って弁当を食べようとしていたサラリーマンが「俺、ここにいていいんだっけ?」といた表情で、下を向いて弁当を食べている。  そんな騒然とした空間が生まれる「原因」となっている学生運動の諸君はといえば、失礼だがそんなに数が多いわけではない。
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人数の多寡よりもヤル気の問題である
 威圧感のせいか警察のほうが目立っている。  法政大学当局は、こうして集まる学生たちを「学外者」が騒いでいると喧伝する。すなわち「よその人間がウチの大学を利用して騒いでいる」というのだ。実際、集まっているのは法政大学の学生だけではない。主催である法政大学の学生で構成される「法政大学文化連盟」と、幾つかの大学から集まった個人。そして、警察当局が「過激派」と呼ぶ「中核派」の学生という雑多な構成である。つまり、確かに学外者もいるが、基本は自分のトコの学生である。  ここに至る流れは複雑なのだが、ざっくりと説明すると、学生会館は24時間使用可能、出入りも自由で週末になると金のない学生が中にはで徹夜の宴会が当たり前という法政大学の文化を、大学当局が消滅させ、綺麗で勉強できるフツーの大学(ありていにいえば、学費を払うであろう親が、納得する大学)にすることを企図したことが発端だ。学生自治の旗の下で謳歌されてきた自由を、いきなり消滅させようとすれば、ほころびが出るのは当たり前。異論を唱える学生は退学か無期停学にして、とにかく追い出せば大丈夫と思ったのは、大学当局の誤算だろう。なにせ、毎年何人かは確実に学生運動をやりたくて大学に来るヤツ、ガードマンを使った過剰警備に反発して学生運動に目覚めるヤツがいるのだから(なお、ノンセクトである文化連盟とセクトである中核派が共同しているわけだが、新入生の獲得で揉めないのかと思ったら、ノリでうまく分配されるらしい)。  ルポに戻ろう。12時40分、学内は昼休みの時間。今年度初の闘争は、昨年から文化連盟委員長に就任した武田君(無期停学処分中)のアジ演説で始まる。
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伝統の黒ヘルを欠かさない武田君
 アジ演説が始まった途端に、周囲は騒然とし始める。カメラ、ビデオカメラを手にした大学職員たちが門の内側から、公安警察は周囲を取り囲むように撮影を始めるのだ。
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よく見ると、ここに自転車を止めた人ちょっとかわいそうだよな
 昼休みということもあってか、周囲には次第に野次馬も集まってくる。多くは、ケータイで撮影したり、黙って見ているのだが、中には「うるせ~」「お前ら、法大生じゃないだろ~」というヤジも。それだけならよいのだが、野次馬も撮影しておこうと筆者がカメラを向けたところ背を向けながら「おまわりさんにいうぞ~」だって。うん、大学生の学力低下はホントだよ。
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ヤジは飛ばしても、国家権力の影に隠れてじゃね、かっこ悪い
 と、居並ぶ公安警察はといえば、みんな手袋を着用して万全の体制。どう見ても、今日は誰かを「ご招待」の体制である。学生諸君は、それでも開き直っているのか、闘志を燃やしているのか、アジ演説は止まらない。制服の警察官は「ここでは集会はできません」と書かれた札を掲げて警告。門の内側では大学職員が「授業準備中なので静粛に」という札を。授業準備中に騒ぐなとは、意味不明である。
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札の文面とか色々おかしい。この仕事って給料=我慢料の典型例じゃないか
 「ここでは集会はできません」と警察官が札を掲げて近寄る度に騒然となること数回。
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警告が来るたびに学生諸君のテンションもあがっていく
 武田君は「じゃ、打ち合わせ始めます~」と、あくまで集会ではなくトラメガで、打ち合わせをしているだけだという対応を。  少々、硬派なアジ演説に、ちょっと飽き、写真もだいたい撮ったなあと思い、筆者は土手に座ってさっき買ったおにぎりを食べることに。  と、思ったらいきなり警察側が動き始めた。塩むすび(セブンイレブンでは、これがもっとも美味いと思う)を半ば丸呑みし、喉につかえさせ窒息しながら駆けつける。
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社内運動会の恒例行事。背広で棒倒し……ではない
 瞬く間にもみ合う中から、右に左に引きずられていくヤツがいる。
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よく見るとなにもしてないヤツがいるのが、まさに「乱闘」
 何を撮影すべきか、戸惑うところだが、とにかく右の方へ引きずられていく学生に追いすがると、なんと本サイトにも登場したことのある齋藤郁真・全学連委員長ではないか。
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「行く」ともいっていないのに無理矢理「ご招待」されていく
齋藤郁真・全学連委員長
 決死の抵抗をする斎藤君だが多勢に無勢、最後は手足を抱えられて、まさに「ドナドナ」という言葉がよく似合うスタイルで警察車輌へと押し込められていった。
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結局、御神輿状態でドナドナ……
 それで騒ぎは終わらなかった正門前では、さらに続々と逮捕者が出ていた。地面に押し倒され制圧されている学生はいるし、
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あちこちで、制圧されていく
 植え込みに頭から突っ込まされているヤツも(公務員が公然と公共の植木を破壊か?)。
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植木は大切にしなきゃあ、いかんじゃないか!
 やたらと、熱くなって一人で暴れている公安警察もいて、
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いつの間にか、土手には野次馬もいっぱいだ
 抗議する学生側の支援者と一対一でもみ合っていたり。まさに、警察=国家の所有する暴力装置という状況が目の前で繰り広げられていくのである。  心の中で「平常心、平常心」と唱えながら、極めて落ち着いて状況を写真におさめようと試みる筆者。連行される学生をベストポジション(扉の開いた護送用のマイクロバスのドアのとこ)でカメラを構え得ていれば、さすがに目立つのか、公安警察に「写真撮ってるんじゃねーよ」と、思い切り怒鳴られる。 「まあまあ、写真を撮ってるだけですから落ち着いて」  と、(週末にデートの予定もあるので)逮捕は勘弁な筆者は、冷静を装いながら切り返すが、追い出されてしまう。マイクロバスの助手席を見ると、私服の超萌えっ娘な風味の女性警官が。思わずシャッターを切れば、汚いものでもみるような目をされながら、顔を隠されてしまった。
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車内はクーラーが効いてて涼しそうです
 かくて、10数分余りの間に瞬く間に5人が連行されてしまったのである。トラメガも持って行かれたりして、随分と人数が減ってしまた雰囲気になってしまった。
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トラメガも持って行かれて。随分と人が減った雰囲気が
 予定通りデモは行われ市ヶ谷周辺には怒りの声がこだましたのであった。
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既に警察側は、一仕事終わった感が出まくり
 一部の報道では警察発表を引用する形で「無許可の集会(あるいはデモ)を行い逮捕」と報じられているのだが、現場で見ていた限りは、この程度で逮捕されてしまうのかと驚くばかりである。かつての、法政大学は、夜中に中庭で学生がたき火していたりするのも当たり前。大学職員も「あんまり騒がないようにね」と注意して(近所に病院がある)、たき火には目もくれずに帰ったりと牧歌的な風景が広がっていたのだが、随分と変わってしまったものだ。文化連盟の主張に賛同するかはともかくとしても、この大学は酷いと思っている人は学内学外を問わず多いのではなかろうか。  学生運動がイヤとか、個人的な意思は尊重されてしかるべきだ。だが、学生運動や学生自治がまったく存在しない大学って、弱者の味方を装ったアヤシゲなNPO団体とか、宗教の草刈り場になっている側面もある(タチが悪いところだと、教授自らシンパだったり)。  もはや大学が就職予備校と化して、異質なものを排除するのが当たり前となっている。  以前、某大学である催しが開催された際に教授自ら「不審者がいたら、警察を呼んでネ」と言い出したので、驚いたことがある(大学の自治をめぐる戦後史の重要な事件「ポポロ事件」の舞台だけに)。でも、それがフツーの感覚なわけで、入学してくる学生も、それを疑わない。その結果として、学生が免役のないままアヤシゲなものに取り込まれてしまうという、ゆがみが生じているのは間違いない。  なお、この日、逮捕者は6名(昨年10月に法政大学に不法侵入された容疑で1名が現場で、もう1名が現場に来る途中に令状逮捕)に上ったが、現行犯とされた武田君・斎藤君ら4名は一泊で釈放となった。釈放された武田君は、「一泊で釈放されたことは、この弾圧の不当性を明らかにしています。今回、大学当局は、集会に対して授業準備妨害とする札を示しました。これは、学生に対して授業を受ける以外なにもするなといっているに等しい。そんな札を出したことで大学はおかしいと気づく学生も多いのではないでしょうか。その点では勝利だったと思っています」と語る。 就職予備校と化した大学の中で彼らは、あえて異を唱えて活動している。あと20年も経てば「真の愛校心の持ち主」として表彰されるんじゃないか。 (取材・文=昼間たかし)

国家レベルでマンガ・アニメも監視する検閲社会がやってくる! 児童ポルノ法の先にある「有害情報」規制

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高市早苗 公式サイトより
 いよいよ国会での審議が始まりそうな児童ポルノ法改正案。その中でも「表現の自由」を侵害するのではと危惧される与党案を熱心に推進しているのが、自民党の政調会長・高市早苗衆議院議員だ。みんなの党の政調会議に出席し法案について説明するなど、異例の熱心さを見せている。  だが、彼女の真の目的は「児童ポルノ」だけではない、有害情報そのものの規制ではないかと考えられている。  現状、青少年に「有害」とされる本や雑誌、ゲーム、映画などは長野県以外の都道府県が定めている青少年健全育成条例によって販売規制などが行われている。これを、条例ではなく国の法律として定め、国の機関が有害指定を行って規制しようというのが、高市議員の、従来からのスタンスだ。  リアルに『図書館戦争』のメディア良化隊を彷彿とさせる思想だが、彼女の本気度は高い。  2007年には、第一次安倍内閣の内閣府特命担当大臣として「有害情報から子どもを守るための検討会」を開催し、同様に「有害情報」の国家レベルでの規制を実現すべく有識者へのヒアリングを行っている。だが、こちらも国に新たな機関を設置するというアイデアに「予算規模が縮小されている中で現実的でない」と各省庁から絵に描いた餅だと批判がなされた末、第一次安倍内閣の退陣によって、予定を消化せず終了している。  08年には、今度は、青少年のインターネットを通じた有害情報へのアクセスを防ぐ法案を議論していた自民党内の青少年特別委員会において「内閣府に設ける青少年健全育成推進委員会に有害情報を判断する権限を与え、削除命令の権限を付与。違反者には懲役刑や罰金」という法案を提案。さすがに乱暴すぎるとして自民党内でも異論が相次ぎ、日の目を見ることはなかった。  これらの行動から考えられる高市議員が目指すものは、かつて自民党が実現を目指した「青少年有害環境対策基本法案」の復活にあると考えてよい。この法案は99年ごろに「個人情報保護法」「人権擁護法案」と共に「メディア規制三法」として激しい批判に晒された法案のひとつだ。「青少年有害環境対策基本法案」は当初、異業者や団体ごとに「青少年有害社会環境対策センター」を設置し、主務大臣または都道府県知事がセンターを通じて商品・役務の供給に対して監督・指導することができるとしていた。いわば、マンガ・アニメ・ゲームなど、それぞれの業界に国家の監視機関を置いて「指導」という名の規制を行うことができるようにしようとしたわけである(なお、指導・監督なので行政処分にはあたらないとされていた。これも都道府県の「有害図書」規制条例を国レベルで強化することを企図したものといえる)。  結局、この法案は「メディア規制三法」の一角と見なされたこともあり、強い反対に晒されて02年には提出を断念、04年には「青少年有害社会環境対策センター」などの部分を削除し、再提出されるも審議未了で廃案となった。しかし、昨年の衆院選でも、自民党は公約の中に「青少年健全育成基本法案」を掲げており、自民党内部には根強く、国家レベルでの「有害情報」の規制を是とする勢力が存在することを示している。  党全体では児童ポルノ法による規制強化に慎重な姿勢を示していた民主党でも、一部に頑強に規制強化を求める議員が存在した。実のところ、児童ポルノ法の問題に熱心に取り組む国会議員の数は極めて少ない。結果、場の流れの中で、なんとなく賛成、なんとなく反対となっているだけだ。そうした中で、官僚や党内からも異論を唱えられながらも、規制強化の意志を曲げない高市議員は存在感を増し、浮動票的な立場の議員を巻き込んでいると考えるのが自然だ。  「クール・ジャパン」という言葉を旗印に、国家によるコンテンツ産業の振興が盛り上がる一方で規制を強化するなんて、本来はあり得ない話だ。一連の問題は、単なるマンガやアニメを超えて、国家をいかにするかという視点で考えなくてはならないだろう。 (文=昼間たかし)

「喪服の死神」と異なる“厨二病”な文体──『黒子のバスケ』の新たな脅迫状は模倣犯?

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『黒子のバスケ 22 』(集英社)
 昨年、全国で同人誌即売会の開催中止が相次いだ、人気漫画『黒子のバスケ』脅迫事件。4月、静岡、神戸、金沢のイベント会場に新たな脅迫状が届いていたことが明らかになった。昨年12月まで全国各地に脅迫状を送付した「喪服の死神」が活動を再開させたという説がある一方で、脅迫状の文章の内容から、模倣犯ではないかとの説も強まっている。  「喪服の死神」を名乗る犯人からの脅迫状は、昨年12月を最後に途絶えていた。今年1月には、ネット掲示板「2ちゃんねる」の上智大学スレに犯人一味の1人を名乗る「怪人801面相」なる人物が登場。グリコ・森永事件の脅迫状を模した文面で「わしらとしてはもう関知せん」とする終結宣言を記した。事実、この書き込み以降、新たな脅迫状は現れず、事態の沈静化を受けて、同人誌即売会での『黒子のバスケ』の扱いも復帰の方向へと動いていた。  その渦中で送付された新たな脅迫状に対して、静岡、神戸、金沢の対応は分かれた。静岡と神戸は開催を中止。金沢では警備を強化した上で開催され、大きな混乱もなく終了した。 ■脅迫状の文面から見える模倣犯の可能性  果たして「喪服の死神」が活動を再開させたのだろうか。今回の脅迫状は、従来のものと合致する点と異なる点とがある。合致するのは、静岡、神戸、金沢の施設に届いた脅迫状が、すべて施設近くの郵便局から郵送されていること。そして、会場以外の周辺施設にも半ば手当たり次第に脅迫状が送付されていることだ。わざわざ遠く離れた会場近くまで足を運び脅迫状を投函する偏執性は、「喪服の死神」を名乗る犯人と共通する。  対して、大きく違うのが脅迫状での名乗りが異なる点だ。それぞれの地域の施設に送付された脅迫状は「黒報隊」あるいは、その「別働隊」を名乗っており「喪服の死神」の名前は記されていない。  また、脅迫状の文面も、これまで「喪服の死神」が送付したとされるものと大きく異なる。今回送付された脅迫状では、ネットで見ることができる実在の組織「東アジア反日武装戦線」の犯行声明など、実際に起きた事件で使われたものを模したような文章が使われている。これまで送付された脅迫状でも「喪服の死神」を名乗りながらも、丁寧な文体で記されたものから乱暴な言葉遣いのものまで、いくつかのパターンはあったものの、いずれも自分で考えて書いた文章だと読み取れた。対して、今回の脅迫状では、既存の文章を換骨奪胎してつなげた痕跡が見て取れる。要は、従来の脅迫状に比べて、文章が幼稚かつ「厨二病」的なのだ。このことから、今回の脅迫状はグリコ・森永事件を模した「怪人801面相」の書き込みをヒントにした模倣犯・愉快犯である可能性も大きい(脅迫被害を受けた施設が被害届を提出しているため、文面は掲載しない)。  いずれにしても、脅迫に対する対応は昨年とは大きく違いを見せている。中止に追い込まれる同人誌即売会がある一方で、脅迫に屈せずに警備を強化して開催する同人誌即売会も現れているのだ。つまり、脅迫状によってイベントを中止に追い込むという犯人の目的も、徐々に達成できなくなっている。筆者は4月10日に脅迫状到着の情報を入手して以降、水面下で取材を行っていたが、脅迫状を送付されても「イベントの中止はあり得ない」と判断している施設も多い。卑劣な脅迫は、イベント開催を求める声に、次第に敗北しつつある。 (取材・文=昼間たかし) 【※追記】 昨年、コミックマーケットに対して『黒子のバスケ』をジャンルごと中止することを求めた東京ビッグサイトも5月2日に「万全の体制を整えて対応する」ことを発表している。 http://www.bigsight.jp/info_scc22.html

「喪服の死神」と異なる“厨二病”な文体──『黒子のバスケ』の新たな脅迫状は模倣犯?

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『黒子のバスケ 22 』(集英社)
 昨年、全国で同人誌即売会の開催中止が相次いだ、人気漫画『黒子のバスケ』脅迫事件。4月、静岡、神戸、金沢のイベント会場に新たな脅迫状が届いていたことが明らかになった。昨年12月まで全国各地に脅迫状を送付した「喪服の死神」が活動を再開させたという説がある一方で、脅迫状の文章の内容から、模倣犯ではないかとの説も強まっている。  「喪服の死神」を名乗る犯人からの脅迫状は、昨年12月を最後に途絶えていた。今年1月には、ネット掲示板「2ちゃんねる」の上智大学スレに犯人一味の1人を名乗る「怪人801面相」なる人物が登場。グリコ・森永事件の脅迫状を模した文面で「わしらとしてはもう関知せん」とする終結宣言を記した。事実、この書き込み以降、新たな脅迫状は現れず、事態の沈静化を受けて、同人誌即売会での『黒子のバスケ』の扱いも復帰の方向へと動いていた。  その渦中で送付された新たな脅迫状に対して、静岡、神戸、金沢の対応は分かれた。静岡と神戸は開催を中止。金沢では警備を強化した上で開催され、大きな混乱もなく終了した。 ■脅迫状の文面から見える模倣犯の可能性  果たして「喪服の死神」が活動を再開させたのだろうか。今回の脅迫状は、従来のものと合致する点と異なる点とがある。合致するのは、静岡、神戸、金沢の施設に届いた脅迫状が、すべて施設近くの郵便局から郵送されていること。そして、会場以外の周辺施設にも半ば手当たり次第に脅迫状が送付されていることだ。わざわざ遠く離れた会場近くまで足を運び脅迫状を投函する偏執性は、「喪服の死神」を名乗る犯人と共通する。  対して、大きく違うのが脅迫状での名乗りが異なる点だ。それぞれの地域の施設に送付された脅迫状は「黒報隊」あるいは、その「別働隊」を名乗っており「喪服の死神」の名前は記されていない。  また、脅迫状の文面も、これまで「喪服の死神」が送付したとされるものと大きく異なる。今回送付された脅迫状では、ネットで見ることができる実在の組織「東アジア反日武装戦線」の犯行声明など、実際に起きた事件で使われたものを模したような文章が使われている。これまで送付された脅迫状でも「喪服の死神」を名乗りながらも、丁寧な文体で記されたものから乱暴な言葉遣いのものまで、いくつかのパターンはあったものの、いずれも自分で考えて書いた文章だと読み取れた。対して、今回の脅迫状では、既存の文章を換骨奪胎してつなげた痕跡が見て取れる。要は、従来の脅迫状に比べて、文章が幼稚かつ「厨二病」的なのだ。このことから、今回の脅迫状はグリコ・森永事件を模した「怪人801面相」の書き込みをヒントにした模倣犯・愉快犯である可能性も大きい(脅迫被害を受けた施設が被害届を提出しているため、文面は掲載しない)。  いずれにしても、脅迫に対する対応は昨年とは大きく違いを見せている。中止に追い込まれる同人誌即売会がある一方で、脅迫に屈せずに警備を強化して開催する同人誌即売会も現れているのだ。つまり、脅迫状によってイベントを中止に追い込むという犯人の目的も、徐々に達成できなくなっている。筆者は4月10日に脅迫状到着の情報を入手して以降、水面下で取材を行っていたが、脅迫状を送付されても「イベントの中止はあり得ない」と判断している施設も多い。卑劣な脅迫は、イベント開催を求める声に、次第に敗北しつつある。 (取材・文=昼間たかし) 【※追記】 昨年、コミックマーケットに対して『黒子のバスケ』をジャンルごと中止することを求めた東京ビッグサイトも5月2日に「万全の体制を整えて対応する」ことを発表している。 http://www.bigsight.jp/info_scc22.html

耐えても逃げても終わらない! ブラック企業“負の連鎖”をどう断ち切る?

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「Thinkstock」より
 「ブラック企業」という言葉が世間に浸透して久しい。一般的には、働く人の生活や権利を違法な形で侵害し、場合によっては生命や健康を奪うような悪質な企業のことを指すこの言葉。従業員に徹底的な従属を迫り、働かせるだけ働かせ、使えなくなったらポイ捨て。組織ぐるみのパワハラで精神的に追い込み、自主退職させる――。これまではこういった面が取り上げられることが多かったが、最近では「辞めたくても辞めさせてもらえない」という事例が増えているという。いま、労働現場に何が起こっているのか? そして、ブラック企業問題の本質とはなんなのか? 「NPO法人労働相談センター」(東京・葛飾区)の副理事長・須田光照さんに話を聞いた。  1988年に設立され、04年にNPO法人化された労働相談センターでは、全国から電話・メール・来所で労働相談を受け付けている。10年は5943件、11年は7624件、12年は7775件と、相談件数は毎年過去最高を更新し続けているという。 「不当解雇や“追い出し部屋”による強制退職、あるいは長時間労働による過労や過労死、サービス残業など相談内容はさまざまです。ブラック企業はあらゆる職種、あらゆる年齢層で問題となっています。正規非正規、あるいは大手中小零細、会社の規模も関係ありません。労働者全体が劣悪な環境で働かされている、ということだと思います」(須田氏)    設立当初から一番多い相談内容は賃金、次いで解雇という順だったが、それが逆転したのは08年のリーマンショック以降。賃金は横ばいだが、解雇に関する相談が著しく伸び続けている。そして、もうひとつ右肩上がりになっているのが、職場のいじめ・いやがらせだ。「辞めたいのに辞めさせてくれない」というのもこれに当たり、近年増加傾向にある。 「とくに目立ち始めたのは06年以降で、12年は671件でした。相談件数全体の比率からいえば数字的には多いわけではありませんが、推移から見ると非常に目立ち始めてきているといえます」  退職する権利は、労働者にとって最後の権利。ところが、その権利さえ口にするのがためらわれる労使関係にある労働者が多いのが現状だ。民法では雇用期限のない正社員は、2週間前に退職を告知すれば、会社や上司が認めなくとも、雇用契約が解約されると定められている。実際、労働相談センターに相談してくる人の多くはそういった法律的な知識を持ち合わせてはいるが、それが言いだせず、どうしたらよいのかという相談が多い。 「弁護士や学者は『そんなの、退職届出せば一発だ』と言いますが、それは現場を知らないからなんですよね。今の職場環境がどれほどめちゃくちゃなことになっているのか、この7000件の相談から明らかです。『辞めたいのに辞めさせてもらえない』というのと、『辞めたくないのに辞めさせられる』(解雇、退職強要)は、一体のものなんです。それぞれが別の問題ではなく、総体として労働者の置かれている立場が、あらゆる企業でブラック化しているということの表れです」  この「辞めたくても辞めさせてもらえない」にも、さまざまなケースがある。たとえば、離職手続きを進めない、という嫌がらせ。これにより失業保険を受け取ることができなかったり、再就職に当たって支障を来す場合もある。 「離職票は10日以内に発行しなければならないということになっているんですが、会社がこれに応じない場合はハローワークに相談してください。ハローワークから会社に指導してもらうことで、普通はだいたい応じます。それでも出さない場合は、ハローワークが職権で発行してくれます」  またよくあるのが、会社から借金を背負わされるというケース。須田さんによると、これがブラック企業における一つの手口になっているという。たとえば営業職であれば、度を超えたノルマを課し、それが達成できなければ会社が赤字を被ったと言いがかりをつけられ、借金を背負わされるのだ。 「これは裁判で争っても、よっぽどの故意や過失がない限り、労働者が会社の損失を弁償するなんてことはありえない話です。また暴力を受けている人たちも多いですが、そういう場合は刑事事件にするため弁護士を紹介しています。それから1人でも入れる地域の労働組合(労組)があるので、そこに加入して、労組を通して会社に退職届を出すという方法もあります。辞められるだけでなく、場合によっては未払い残業代などを取り返すこともできます」  こういったケースには、何より第三者の介入が重要なポイントだ。 「ブラック企業における上司と部下という閉じた関係は、独裁者と奴隷のような関係のため、法律がどうこうといってもそれがずっと続いてしまいがちで、精神的に参って病気になってしまうということもあります。間に入ってもらうのは、弁護士や労組でなくとも、親や友達でもいいと思います。そもそもそういう違法行為を行っている会社というのは、自分たちの言動が一歩外に出れば通用しない、裁判で争ったら絶対に負けるということは分かっていますから、それ以上は強く出てきませんよ。一人で悩まず、誰かに相談するということが一番だと思います」  退職届を出したはいいが、その後2週間も出社しなければならないと思うと気が重い。また、その間、さらにひどい仕打ちが待っている可能性もある。だが、民法では「やむをえない正当な理由がある場合は、ただちに雇用契約を解約できる」という条文があり、それを使えば、即日解約できるケースがほとんどだという。また、最終的な手段として2週間出社しない、というのもアリだ。その間の給料は発生しないが、とにかく調子が悪いと言い続けるか、有給休暇が残っているのなら、その消化を理由に辞めるのも手だという。 「基本的に労働者は、職業選択の自由もあれば、強制労働も禁止されている。経営者側から無理やり強制される理由はないんです。大切なのは、その人自身がそういう強い気持ちでやれるかどうか。結局のところ、この問題は労使関係を変えていくしかないんです。どうしたら働く人たちが力をつけていけるのか、というのが本質なんです」  とはいっても、世の中不況真っただ中。仕事があるだけありがたい、という風潮もある。大多数の人にとって、経営者に噛み付くなんてとてもじゃないが考えられない。だが、だからこそ労組を作る必要がある、と須田さんは言う。 「みんな、ブラック企業に当たってしまった自分は運が悪くて、転職すればホワイトな会社に行けるんじゃないかという幻想を抱いている。でも、僕らは7000件の事例を見ていますが、大企業から中小零細まで、正直、ブラック企業ばっかりなんですよ。そこを“運が悪い”と捉えるのではなくて、その環境をどう変えていくか。ブラック企業に入らないようにするのではなく、入った後どうするのか。みんな、自分や家族の生活を守るために隣で働いている人を出し抜いたり、足を引っぱったりして自分だけ生き残るという処世術を身につけてしまっていますが、それは破滅への道でもある。企業内で労働者が立ち上がらなければ何も変わりません。一人では弱いけれど、数が多くなればなるほど力も強くなり、労働者と対等な立場に立てるんです」  実際、労働相談センターでは、中小零細企業に労組を作ってきた実績がいくつもあり、最近では、東京メトロの駅売店に労組を作ることに成功している。ここで働く女性のほとんどが契約社員で、手取りは12~13万円程度。仕事内容はほとんど変わらないのに、正社員との待遇は天と地の差。そこで須田さんたちが間に入り、有給での忌引き休暇や昼食の補助、また微額ではあるが、昇給制度といった要求をメトロ側に認めさせたという。 「労組は2人以上集まれば組織として認められます。細かい手続きなど必要ありません。会社にとっては厄介な存在ですが、労組は憲法で認められた権利ですから、経営者は不正に解雇したりできない。そこから地域の労組と協力することで、さまざまな交渉ができるようになります。労組というと何かイデオロギーや人権意識が強くないとできない、と思っている人も多いかもしれませんが、そんなことはありません。海外ではごく普通なことですよ。労働三権はすごくよくできたものですし、私たちはそれをもっと上手に生かしていくべきだと思います」  「ブラック企業」と聞くと、一刻も早く抜け出すことが先決だと思われがちだが、それでは負の連鎖は終わらない。そこから一歩踏み込み、自分で環境を変えていく努力、そして労働者の意識改革が求められている。 (文=編集部)