濃い目の顔は似てるけど……『ドクターX ~外科医・大門未知子』草刈正雄と永山絢斗の親子設定に違和感!

 女優・米倉涼子が、フリーランスの天才外科医を演じるドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)第5期の第8話が先月30日に放送され、平均視聴率20.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回より0.5ポイントアップとなりました。

 今回の患者は、元大臣秘書官の八雲拓哉(林家正蔵)。八雲は根治不可能といわれる肝細胞癌を患い、寿命があとわずかであることを悟ったため、厚生労働省と某大学病院との癒着問題を告発して正義に生きることを決意。日本中から注目の的の存在なのです。そのため、オペ失敗は許されないと、東帝大学病院の病院長・蛭間重勝(西田敏行)は執刀医に大門未知子(米倉涼子)を指名します。

 未知子の主導による術前カンファレンスを滞りなく終えるのですが、手術直前に邪魔が入ります。日本医療界のトップ・日本医師倶楽部の会長・内神田景信(草刈正雄)と、八雲が告発した相手は“友達の友達”ということで、八雲のオペを失敗させるよう圧力がかけられてしまうのです。

 というわけで、未知子の執刀はなしになり、代わりに指名されたのはオペ・スキルの低い外科副部長・海老名敬(遠藤憲一)。これには当然、未知子が不満を爆発させるのですが、もうひとり納得いかない様子を見せる人物が現れます。それは、若手外科医の西山直之(永山絢斗)。西山は未知子に触発されて外科医としての向上心が芽生えたらしく、難易度の高いオペに挑戦したいという意欲を見せるのです。

 そんな中、東帝大学病院に脅迫文が送られてきます。その内容は、これまでの難易度の高い外科手術はすべて未知子が執刀し、その手柄を医局が奪い取っていたこと、そのことをマスコミにバラされたくなければ八雲の執刀医を未知子にしろ、というもの。これを蛭間は、未知子がみずから送ったものではないかと疑うのですが、未知子にはまったく身に覚えがないのです。

 脅迫文の犯人捜しで病院内がザワつく中、西山が勝手に八雲のオペを開始。慌ててオペ中止させようとする教授たちに向かって西山は、「上の者の許可を取ってる」と言います。その“上の者”とは、内神田のこと。実は西山、内神田も出生を把握していなかった実の息子だったのです。それを脅しのネタにしてオペ執刀を許可させたのでした。

 そして、西山が実の息子だと知ったことで情が湧いた内神田は、オペ失敗でキャリアに傷をつけてはいけないと、蛭間に命じて未知子を助手につけさせるのです。

 内神田が懸念した通り、西山は突然起こった大量出血にパニック状態に陥ってしまいます。そこで未知子がバトンタッチして八雲のオペはなんとか無事に終了するのですが、未知子はオペ後に西山を呼びつけ、準備を怠って手術をおこなったことを説教。スキルアップのために執刀したかったという西山に対して、「失敗された患者に次はないんだよ」と叱りつけるのです。

 一方、未知子によって命拾いした八雲は、まだ続く人生のため長い物には巻かれろと考えを改め、厚労省への告発を取り下げ。また、東帝大学病院に脅迫文を送りつけた犯人は、執刀を回避したかった海老名だったことが判明。オチがついたところで終了となりました。

 さて感想。これまでのレビューにも何度か書きましたが、今シーズンは強引なストーリー展開が目立つように感じます。今回でいえば、西山が内神田の息子だったこと、それを脅しのネタにオペをした点ですね。

 西山は今回、内神田が内部告発を揉み消すため八雲を見殺しにしようとしたことに腹を立てたようですが、シーズン序盤から内神田は患者の命よりも自身の利益重視というスタンスでした。また、スキルアップのためということに関しても、難易度の高い手術はこれまで何度もありました。なぜ今さらになって急に西山の自己主張が強くなったのかわかりません。確かに濃い目の顔はちょっと似ていますが、西山をメインにしたいがため後付けで内神田の息子という設定にしたように思えてならないのです。

 そんな西山の暴走を諫めた未知子からは、他の教授たち以上に後輩に対する愛情が感じられました。今シーズンは、西山と同じくゆとり世代にあたる新人医師・伊東亮治(野村周平)に説教するなど指導医的な立場になることが多いですが、これまでのロンリーウルフ的なカッコ良さとはまた違った魅力が引き出されていると思います。また、今回の術前カンファレンスでは外科チームの医師たちが全員、未知子の話に耳を傾け熱心にメモを取っていましたが、未知子にはもはや病院長の風格すら漂い始めているように感じられました。

 しかし、出る杭は打たれるもの。次回、未知子は内神田の裏工作によって、“想像を絶するような窮地”に立たされるとのことで、その運命やいかに。目が離せません。
(文=大場鴨乃)

濃い目の顔は似てるけど……『ドクターX ~外科医・大門未知子』草刈正雄と永山絢斗の親子設定に違和感!

 女優・米倉涼子が、フリーランスの天才外科医を演じるドラマ『ドクターX ~外科医・大門未知子』(テレビ朝日系)第5期の第8話が先月30日に放送され、平均視聴率20.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回より0.5ポイントアップとなりました。

 今回の患者は、元大臣秘書官の八雲拓哉(林家正蔵)。八雲は根治不可能といわれる肝細胞癌を患い、寿命があとわずかであることを悟ったため、厚生労働省と某大学病院との癒着問題を告発して正義に生きることを決意。日本中から注目の的の存在なのです。そのため、オペ失敗は許されないと、東帝大学病院の病院長・蛭間重勝(西田敏行)は執刀医に大門未知子(米倉涼子)を指名します。

 未知子の主導による術前カンファレンスを滞りなく終えるのですが、手術直前に邪魔が入ります。日本医療界のトップ・日本医師倶楽部の会長・内神田景信(草刈正雄)と、八雲が告発した相手は“友達の友達”ということで、八雲のオペを失敗させるよう圧力がかけられてしまうのです。

 というわけで、未知子の執刀はなしになり、代わりに指名されたのはオペ・スキルの低い外科副部長・海老名敬(遠藤憲一)。これには当然、未知子が不満を爆発させるのですが、もうひとり納得いかない様子を見せる人物が現れます。それは、若手外科医の西山直之(永山絢斗)。西山は未知子に触発されて外科医としての向上心が芽生えたらしく、難易度の高いオペに挑戦したいという意欲を見せるのです。

 そんな中、東帝大学病院に脅迫文が送られてきます。その内容は、これまでの難易度の高い外科手術はすべて未知子が執刀し、その手柄を医局が奪い取っていたこと、そのことをマスコミにバラされたくなければ八雲の執刀医を未知子にしろ、というもの。これを蛭間は、未知子がみずから送ったものではないかと疑うのですが、未知子にはまったく身に覚えがないのです。

 脅迫文の犯人捜しで病院内がザワつく中、西山が勝手に八雲のオペを開始。慌ててオペ中止させようとする教授たちに向かって西山は、「上の者の許可を取ってる」と言います。その“上の者”とは、内神田のこと。実は西山、内神田も出生を把握していなかった実の息子だったのです。それを脅しのネタにしてオペ執刀を許可させたのでした。

 そして、西山が実の息子だと知ったことで情が湧いた内神田は、オペ失敗でキャリアに傷をつけてはいけないと、蛭間に命じて未知子を助手につけさせるのです。

 内神田が懸念した通り、西山は突然起こった大量出血にパニック状態に陥ってしまいます。そこで未知子がバトンタッチして八雲のオペはなんとか無事に終了するのですが、未知子はオペ後に西山を呼びつけ、準備を怠って手術をおこなったことを説教。スキルアップのために執刀したかったという西山に対して、「失敗された患者に次はないんだよ」と叱りつけるのです。

 一方、未知子によって命拾いした八雲は、まだ続く人生のため長い物には巻かれろと考えを改め、厚労省への告発を取り下げ。また、東帝大学病院に脅迫文を送りつけた犯人は、執刀を回避したかった海老名だったことが判明。オチがついたところで終了となりました。

 さて感想。これまでのレビューにも何度か書きましたが、今シーズンは強引なストーリー展開が目立つように感じます。今回でいえば、西山が内神田の息子だったこと、それを脅しのネタにオペをした点ですね。

 西山は今回、内神田が内部告発を揉み消すため八雲を見殺しにしようとしたことに腹を立てたようですが、シーズン序盤から内神田は患者の命よりも自身の利益重視というスタンスでした。また、スキルアップのためということに関しても、難易度の高い手術はこれまで何度もありました。なぜ今さらになって急に西山の自己主張が強くなったのかわかりません。確かに濃い目の顔はちょっと似ていますが、西山をメインにしたいがため後付けで内神田の息子という設定にしたように思えてならないのです。

 そんな西山の暴走を諫めた未知子からは、他の教授たち以上に後輩に対する愛情が感じられました。今シーズンは、西山と同じくゆとり世代にあたる新人医師・伊東亮治(野村周平)に説教するなど指導医的な立場になることが多いですが、これまでのロンリーウルフ的なカッコ良さとはまた違った魅力が引き出されていると思います。また、今回の術前カンファレンスでは外科チームの医師たちが全員、未知子の話に耳を傾け熱心にメモを取っていましたが、未知子にはもはや病院長の風格すら漂い始めているように感じられました。

 しかし、出る杭は打たれるもの。次回、未知子は内神田の裏工作によって、“想像を絶するような窮地”に立たされるとのことで、その運命やいかに。目が離せません。
(文=大場鴨乃)

勝村政信は、なぜ『ドクターX』から外された? 主演スピンオフドラマ『ドクターY』第2弾の地上波放送決定も、ファンは複雑な胸中

 米倉涼子主演の人気医療ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系)のスピンオフである、勝村政信主演『ドクターY~外科医・加地秀樹~』(同)第2弾が地上波でオンエアされることがわかったが、『ドクターX』のファンは複雑な胸中に陥っているという。

 現在放送中の『ドクターX』第5シリーズ(木曜午後9時~)は、第2~第4シリーズほどの勢いこそないものの、好調な視聴率をキープしている。14日には、最終回(第10話)を迎えるが、その放送を前に、“『ドクターX』最終回直前スペシャル”として、『ドクターY』第2弾が地上波でオンエアされるのだ。放送日時は9日土曜午後3時15分から4時25分の枠。

『ドクターY』は、『ドクターX』第1~第4シリーズに登場した人気キャラクターの外科医・加地秀樹(勝村)が主人公。群れを好み、金を愛し、腹腔鏡のスキルと要領の良さだけを武器に突き進む加地が、うっかり金に目がくらみながらも、外科医の本分である手術や治療を成し遂げる姿を描いたスピンオフドラマだ。

 第1弾は昨年9月26日から11月3日に、auビデオパス、テレ朝動画で配信され、同12月16日深夜に地上波でダイジェスト版が放送されて、好評を博した。第2弾は今年9月26日から10月31日に、auビデオパス、テレ朝動画に加え、Amazonプライム・ビデオで配信されたが、これまた地上波でダイジェスト版がオンエアされることになった。

 第2弾は、一晩50万円の高額報酬に目がくらんだ加地が、山奥の「穂野倉病院」の当直を引き受けることになる。この病院は「少女の霊に呪われている」とウワサされており、その夜に起きた出来事を描いた作品だ。

 主要キャストは、勝村のほか、堀井新太、飯豊まりえ、星田英利、堀田茜、野口かおる、稲垣来泉、徳井優、岩松了ら。本家『ドクターX』からも、大門未知子役の米倉、神原晶役の岸部一徳、第4シリーズに登場した北野亨医師役の滝藤賢一が特別出演する。

 加地はコミカルな役柄ながらも、たまに見せる一流の外科医としての腕をもち、未知子からの信頼もそこそこ厚く、『ドクターX』には欠かせない存在だった。ところが、第5シリーズで外されたことで、ファンの不満が噴出。その代わりに、新たに登場した猪又孝外科副部長役の陣内孝則がとかく不評なため、視聴者の間では、“加地医師待望論”が多かった。第5シリーズが、第2~第4シリーズほどの視聴率をマークできないのは、極論すれば、“人気”の勝村を外して、“不人気”の陣内を起用したからともいえそうだ。

 そのため、ファンからは「『ドクターY』の地上波放送はうれしいけど、スポット出演でもいいから、『ドクターX』に加地先生を出してほしかった。なんかスッキリしない」といった趣旨の声が、ネット上でも飛び交っているようだ。

「勝村は、舞台『関数ドミノ』への出演で、10月中旬から11月半ばまでスケジュールはいっぱいで、レギュラー出演は無理だったのでしょう。それでもスポット出演は可能だったはず。もし、早めにテレ朝が勝村のスケジュールを押さえていたら、舞台出演はしなかったのでは。米倉は『ドクターY』に出ていますから、共演NGでもないでしょう。『ドクターY』は有料配信であるため、視聴者が増えれば、テレ朝も潤います。『ドクターX』から、意図的に勝村を外して、“加地ロス”現象を起こして、『ドクターY』の契約者を増やそうという魂胆なら、完全にファン無視といえるでしょう」(テレビ誌関係者)

 来年、『ドクターX』の続編があるとしたら、テレ朝にはファンの声を真摯に聞いてキャスティングしてほしいものだ。
(文=田中七男)

『監獄のお姫さま』満島ひかりの母性に泣き、菅野美穂のライク・ア・ヴァージン(にゃんこスターVer)で爆笑!

 人気脚本家・宮藤官九郎による復讐コメディードラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の第8話が5日に放送され、平均視聴率6.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.1ポイント増となりました。

 まずは、これまでのあらすじを少し。2017年のクリスマス・イブ、元囚人の馬場カヨ(小泉今日子)、大門洋子(坂井真紀)、足立明美(森下愛子)、勝田千夏(菅野美穂)と元刑務官の若井ふたば(満島ひかり)の5人は、EDOミルク社・社長の板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐。その背景には、6年前に起こった横田ユキ(雛形あきこ)殺害事件の罪を、当時婚約者だった“爆笑ヨーグルト姫”こと江戸川しのぶ(夏帆)に吾郎が押しつけたことを証言させ、再審請求しようという目的があったのです。

 その吾郎・監禁シーンと、カヨたちが出会い親密になっていく女子刑務所シーンとが行き交うカタチでドラマは展開。前回は、カヨたちが吾郎への復讐を決意し、その計画を着々と練っていく過程が描かれました。

 吾郎への復讐&美容師免許取得という目的ができたことで毎日にハリが出るカヨですが、おっちょこちょいなことにプランを記したノートをふたばに見られ、没収されてしまいます。そんな折、前回の洋子に続いて明美、千夏、タイ人のリン(江井エステファニー)の3人の仮釈放が決定。カヨはふたばから、吾郎への復讐計画など刑務所内だけの話でシャバに戻ったらみんな忘れる、無駄な計画を練るのは止めるよう言われショックを受けるのです。

 やがてカヨの仮釈放も迫る中、それを察したしのぶからこっそり殺人事件が起こる前のことを打ち明けられます。しのぶの父で江戸川乳業(現・EDOミルク)の前社長だった江戸川徳三郎(田窪一世)が、吾郎と横田ユキの交際に気づき激怒。吾郎を出世コースから外したというのです。その結果、追い詰められた吾郎が、しのぶに殺人教唆の罪を被せることで会社を乗っ取る計画を立てたのではないか、というのがしのぶの臆測なのです。

 その夜、布団の中でしのぶが息子・勇介の写真を見て泣いていることに気づき同情心を強めるカヨですが、その翌朝に仮釈放が決まったため、しのぶの傍にいてあげられなくなってしまいます。

 仮釈放といってもすぐに出られるわけではありません。雑居房から隔離された寮で1週間、社会復帰のための教育をふたばからマンツーマンで受けなければならないのです。

 これまではカヨのことを囚人番号“69番”と呼んでいたふたばですが、寮では囚人として扱わないため名前で呼ぶことに。そして、付きっきりで身の世話をし、一緒に料理を作ったりしたことで年下ながらも母性が芽生え、食事の際に例の復讐ノートを取り出して、「馬場カヨのことはね、嫌いじゃない。だから、これは渡せない。先生としてではなくて母親として渡せない。わかって。好きだからもう会いたくないの」と訴えるのです。

 一方、現代の吾郎・監禁シーンでは、前回まで刑事から聴取を受けていたふたばが吾郎の妻・晴海(乙葉)を連れて戻り、いよいよ本格的に吾郎への尋問開始、というところで終了となりました。

 さて感想ですが、今回は笑いと悲哀のバランスが絶妙だったと思います。まず笑いについては、吾郎と2人きりになった千夏が色仕掛けで供述を引き出そうと、ラジカセでマドンナのヒット曲「ライク・ア・ヴァージン」をかけて踊り始めたシーンが秀逸でした。途中から顔をしかめて唇を突き出し、親指を立ててサイドステップを踏む、お笑いコンビ・にゃんこスターのネタの振り付けを披露したのですが、菅野美穂の吹っ切れた演技に笑ってしまいました。

 また、仮釈放された千夏が、白シャツびしょ濡れ状態の吾郎に遭遇して魅了されるシーンがあったのですが、千夏は以前、吾郎について「薄手の白シャツ一枚でずぶ濡れで立ってても素通りする自信がある」と、男として興味がないことを語っていただけに、吾郎に色目を使う演技は菅野のコメディエンヌとしての才能が活きる場面になりました。

 一方、悲哀のエッセンスをもたらしたのは、ふたばでした。ふたばは父親も刑務官を務め、少女時代は刑務所内にある美容室で美容免許をもつ受刑者に髪を切ってもらっていたことがあるんですね。その時に仲良くなった女性が薬物中毒で何度も服役した悲しい思い出を第5話で語っていたのですが、今回、カヨも美容師免許を獲得したため、その姿を重ね合わせてしまったのでしょう。だからこその「好きだからもう会いたくない」というセリフは胸に迫るものがありました。

 しかし、そのふたばは実際にはカヨたちの犯行に加わったわけで、次回はその動機が明らかにされるとのこと。また、吾郎に対する“プレ裁判”も始まるとのことで放送を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大場鴨乃)

『監獄のお姫さま』満島ひかりの母性に泣き、菅野美穂のライク・ア・ヴァージン(にゃんこスターVer)で爆笑!

 人気脚本家・宮藤官九郎による復讐コメディードラマ『監獄のお姫さま』(TBS系)の第8話が5日に放送され、平均視聴率6.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.1ポイント増となりました。

 まずは、これまでのあらすじを少し。2017年のクリスマス・イブ、元囚人の馬場カヨ(小泉今日子)、大門洋子(坂井真紀)、足立明美(森下愛子)、勝田千夏(菅野美穂)と元刑務官の若井ふたば(満島ひかり)の5人は、EDOミルク社・社長の板橋吾郎(伊勢谷友介)を誘拐。その背景には、6年前に起こった横田ユキ(雛形あきこ)殺害事件の罪を、当時婚約者だった“爆笑ヨーグルト姫”こと江戸川しのぶ(夏帆)に吾郎が押しつけたことを証言させ、再審請求しようという目的があったのです。

 その吾郎・監禁シーンと、カヨたちが出会い親密になっていく女子刑務所シーンとが行き交うカタチでドラマは展開。前回は、カヨたちが吾郎への復讐を決意し、その計画を着々と練っていく過程が描かれました。

 吾郎への復讐&美容師免許取得という目的ができたことで毎日にハリが出るカヨですが、おっちょこちょいなことにプランを記したノートをふたばに見られ、没収されてしまいます。そんな折、前回の洋子に続いて明美、千夏、タイ人のリン(江井エステファニー)の3人の仮釈放が決定。カヨはふたばから、吾郎への復讐計画など刑務所内だけの話でシャバに戻ったらみんな忘れる、無駄な計画を練るのは止めるよう言われショックを受けるのです。

 やがてカヨの仮釈放も迫る中、それを察したしのぶからこっそり殺人事件が起こる前のことを打ち明けられます。しのぶの父で江戸川乳業(現・EDOミルク)の前社長だった江戸川徳三郎(田窪一世)が、吾郎と横田ユキの交際に気づき激怒。吾郎を出世コースから外したというのです。その結果、追い詰められた吾郎が、しのぶに殺人教唆の罪を被せることで会社を乗っ取る計画を立てたのではないか、というのがしのぶの臆測なのです。

 その夜、布団の中でしのぶが息子・勇介の写真を見て泣いていることに気づき同情心を強めるカヨですが、その翌朝に仮釈放が決まったため、しのぶの傍にいてあげられなくなってしまいます。

 仮釈放といってもすぐに出られるわけではありません。雑居房から隔離された寮で1週間、社会復帰のための教育をふたばからマンツーマンで受けなければならないのです。

 これまではカヨのことを囚人番号“69番”と呼んでいたふたばですが、寮では囚人として扱わないため名前で呼ぶことに。そして、付きっきりで身の世話をし、一緒に料理を作ったりしたことで年下ながらも母性が芽生え、食事の際に例の復讐ノートを取り出して、「馬場カヨのことはね、嫌いじゃない。だから、これは渡せない。先生としてではなくて母親として渡せない。わかって。好きだからもう会いたくないの」と訴えるのです。

 一方、現代の吾郎・監禁シーンでは、前回まで刑事から聴取を受けていたふたばが吾郎の妻・晴海(乙葉)を連れて戻り、いよいよ本格的に吾郎への尋問開始、というところで終了となりました。

 さて感想ですが、今回は笑いと悲哀のバランスが絶妙だったと思います。まず笑いについては、吾郎と2人きりになった千夏が色仕掛けで供述を引き出そうと、ラジカセでマドンナのヒット曲「ライク・ア・ヴァージン」をかけて踊り始めたシーンが秀逸でした。途中から顔をしかめて唇を突き出し、親指を立ててサイドステップを踏む、お笑いコンビ・にゃんこスターのネタの振り付けを披露したのですが、菅野美穂の吹っ切れた演技に笑ってしまいました。

 また、仮釈放された千夏が、白シャツびしょ濡れ状態の吾郎に遭遇して魅了されるシーンがあったのですが、千夏は以前、吾郎について「薄手の白シャツ一枚でずぶ濡れで立ってても素通りする自信がある」と、男として興味がないことを語っていただけに、吾郎に色目を使う演技は菅野のコメディエンヌとしての才能が活きる場面になりました。

 一方、悲哀のエッセンスをもたらしたのは、ふたばでした。ふたばは父親も刑務官を務め、少女時代は刑務所内にある美容室で美容免許をもつ受刑者に髪を切ってもらっていたことがあるんですね。その時に仲良くなった女性が薬物中毒で何度も服役した悲しい思い出を第5話で語っていたのですが、今回、カヨも美容師免許を獲得したため、その姿を重ね合わせてしまったのでしょう。だからこその「好きだからもう会いたくない」というセリフは胸に迫るものがありました。

 しかし、そのふたばは実際にはカヨたちの犯行に加わったわけで、次回はその動機が明らかにされるとのこと。また、吾郎に対する“プレ裁判”も始まるとのことで放送を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大場鴨乃)

亀梨和也の骨折で、稲垣吾郎が『FINAL CUT』されちゃう!? 関テレドラマ出演が“白紙化”の大ピンチ

 KAT-TUNの亀梨和也が12月3日、来年1月スタートのドラマ『FINAL CUT』(フジテレビ系)の撮影中に、左手人さし指を骨折するけがを負っていたことがわかった。

「亀梨は1日に都内の公園で、1人で障害物を飛び越えるなどのトレーニングシーンを撮影中に負傷。全治4週間と診断されました。同日中に撮影に復帰し、今後のスケジュールには影響がないようです。ただ、普段はギプスをはめ、本番撮影の際に外すなど、不便は強いられているようです」(テレビ誌ライター)

 関西テレビは亀梨本人と事務所に謝罪し「より一層の安全対策強化を目指す」と話しているが、なんと、この事故が元SMAPの稲垣吾郎に飛び火する可能性があるという。いったいどういうことか? 芸能関係者が耳打ちする。

「『週刊新潮』(新潮社)が10月に報じていますが、来春の関西テレビ制作のドラマに、稲垣が準主役扱いで出演内定しているといわれています。民放キー局は、ジャニーズ事務所に“忖度”しているため、元SMAPメンバーには新規オファーをしないことが暗黙の了解となっている。しかし、関西テレビは『僕の生きる道』『僕と彼女と彼女の生きる道』『僕の歩く道』といった“僕シリーズ3部作”や、『銭の戦争』『嘘の戦争』で草なぎ剛が主演するなど、ジャニーズ退所組とは近しいこともあり、『うちは準キー局なのだから、どこの事務所とも平等に付き合っていく』というスタンスを取っていた。そんな矢先に起きた亀梨の骨折事故。どんな理由であれ、タレントにけがをさせたというのは、テレビ局サイドにとっては相当のペナルティが科せられる事態です。そのため業界では、稲垣のドラマ起用を取り下げることを条件に、ジャニーズとの“手打ち”をするのではとささやかれています」

 亀梨ドラマのタイトルよろしく、稲垣は『FINAL CUT』されてしまうのだろうか?

亀梨和也の骨折で、稲垣吾郎が『FINAL CUT』されちゃう!? 関テレドラマ出演が“白紙化”の大ピンチ

 KAT-TUNの亀梨和也が12月3日、来年1月スタートのドラマ『FINAL CUT』(フジテレビ系)の撮影中に、左手人さし指を骨折するけがを負っていたことがわかった。

「亀梨は1日に都内の公園で、1人で障害物を飛び越えるなどのトレーニングシーンを撮影中に負傷。全治4週間と診断されました。同日中に撮影に復帰し、今後のスケジュールには影響がないようです。ただ、普段はギプスをはめ、本番撮影の際に外すなど、不便は強いられているようです」(テレビ誌ライター)

 関西テレビは亀梨本人と事務所に謝罪し「より一層の安全対策強化を目指す」と話しているが、なんと、この事故が元SMAPの稲垣吾郎に飛び火する可能性があるという。いったいどういうことか? 芸能関係者が耳打ちする。

「『週刊新潮』(新潮社)が10月に報じていますが、来春の関西テレビ制作のドラマに、稲垣が準主役扱いで出演内定しているといわれています。民放キー局は、ジャニーズ事務所に“忖度”しているため、元SMAPメンバーには新規オファーをしないことが暗黙の了解となっている。しかし、関西テレビは『僕の生きる道』『僕と彼女と彼女の生きる道』『僕の歩く道』といった“僕シリーズ3部作”や、『銭の戦争』『嘘の戦争』で草なぎ剛が主演するなど、ジャニーズ退所組とは近しいこともあり、『うちは準キー局なのだから、どこの事務所とも平等に付き合っていく』というスタンスを取っていた。そんな矢先に起きた亀梨の骨折事故。どんな理由であれ、タレントにけがをさせたというのは、テレビ局サイドにとっては相当のペナルティが科せられる事態です。そのため業界では、稲垣のドラマ起用を取り下げることを条件に、ジャニーズとの“手打ち”をするのではとささやかれています」

 亀梨ドラマのタイトルよろしく、稲垣は『FINAL CUT』されてしまうのだろうか?

「親を悪く言うな!」二世タレント・工藤阿須加が性格俳優として覚醒した『明日の約束』第7話

「3回くらい会うと、その人の粗というか鼻につくところが見えちゃったりするわね。本庄さんいい人だろうけど、なんか心がこもってないというか、表面的な感じがするのよ。あーゆータイプは気をつけたほうがいいわよ」

 視聴者を容赦なく人間不信の蟻地獄へと引きずり込む、井上真央主演の社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)。第7話はスクールカウンセラーである日向先生(井上真央)が婚約者・本庄(工藤阿須加)の両親と食事会を開くというエピソードを中心に物語が進んでいきます。

 結納みたいな堅苦しいことは抜きにして、両家が顔合わせする食事会をやりたいと日向先生の自宅まで伝えにきた本庄でした。本庄が帰った直後、コタツでまったりしながら日向の母・尚子(手塚理美)が口の中で梅干しの種でもねぶるかのように吐いた台詞が冒頭のものです。これ、リアルに怖いですね。嫁(夫)の実家って、あーゆーふうに細かくチェックしているものなんですね。

 尚子の毒台詞にうなだれる日向先生ですが、今回ばかりは尚子の眼力が勝っていたと言うしかありません。いつも瞳をウルウルさせ、年上の日向に従順そうだった本庄が、第7話のラストで豹変してしまうわけですから。専業主婦である尚子ですが、毒親だけあって自分に近寄ってくる人間の毒含有率を見抜く能力はハンパありません。

 二世タレントである工藤阿須加はこれまで爽やかな役を演じることが多かったのですが、今回、性格俳優として本格覚醒を果たすことになる本庄の大変身ぶりをじっくり追ってみましょう。

 

■気まずい雰囲気の中で食べる鍋料理の味

 

 第7話で物語を大きく動かすのは、自殺した圭吾の妹・英美里(竹内愛紗)です。母親・真紀子(仲間由紀恵)は長男である圭吾だけを溺愛し、英美里は家の中に自分の居場所がありませんでした。圭吾が亡くなり、真紀子はますます圭吾のことしか考えないようになってしまいました。父親(近江谷太朗)は愛人を囲っており、ほとんど家には帰ってきません。中学生という多感な時期に兄を自殺で失ったのに、誰も英美里のことを気にはしてくれません。父親ぐらいの年齢のオッサン相手に援助交際を試みる英美里でしたが、圭吾が所属していたバスケ部のマネジャー・増田(山口まゆ)にその現場が見つかり、帰宅を促されます。

 一方、本庄のマンション。食事会の段取りが済み、ひと安心した本庄と日向先生は仲良く鍋料理の準備をしていました。ところが本庄が「結婚したら、しばらく仕事は休んだら」「日向も結婚したら、いずれは母親になるわけだし」とストレスを抱え気味な日向のことを心配した言葉を掛けたところ、これに日向先生はカチンと来ます。思わず「結婚と母親になることはイコールじゃない」と言い返しますが、このまま感情を爆発させては自分が憎んでいる毒親・尚子と同類になってしまいます。鍋料理を前にして、それ以上の本音はぐっと呑み込む日向でした。グツグツと煮えたぎる鍋は恋人たちの内面のようです。食事会の前から、すでに導火線に火は点いていたのでした。

 いよいよ食事会当日。日向先生がこの日は早めに帰宅すると、すでに尚子はいません。リビングには「ママが大好きな日向のために選びました」と言わんばかりの白いワンピースが用意されていました。日向は大きなため息をつきながらも、尚子が選んだ勝負服に着替えるのでした。

 食事会が開かれるホテルのロビーに、美容室でドレスアップした和服姿の尚子が到着。「お母さん、お似合いです♪」とブライダル業に従事している本庄だけに、この手のお世辞が板に付いています。そんな社交辞令でも、まんざらでもない尚子は満面の笑みを見せてくれます。この人が笑顔を見せると、その後の反動が実に恐ろしいわけですが……。日向先生ももうすぐホテルに、というところで、視聴者みんなが予測したとおり英美里をめぐるトラブルが再び発生します。まっすぐ食事会に向かえば自分の幸せが手に入るのに、日向先生にはそれができません。

 英美里が援助交際する寸前で辛うじて防いだマネジャー増田と日向先生。奇しくも毒親に苦しんでいる女たち3人です。運命的なものを感じさせます。高校のスクールカウンセラーである日向先生にとって、中学生の英美里は口を出す相手ではないのですが、同じ毒親被害者として放っておくわけにはいきませんでした。日向先生を裁判で訴えるつもりの真紀子から冷たくあしらわれることを承知で、タクシーに英美里を同乗させて真紀子のもとまで送り届けるのでした。

 

■そして、地獄の門の扉が開いた……

 

 英美里がエンコー地獄へと堕ちていくのを救った日向先生でしたが、そんな彼女を待っていたのは見渡す限りの針のむしろ地獄でした。本庄から「食事会、もう解散したから」という素っ気ないメッセージが入り、続いて尚子の罵声がスマホから響き渡ります。

「何やってんの? ママに恥をかかせるために来なかったの? 何がトラブルよ。こっちにトラブル起こしておいて! もう終わりよ! 終わりッ!!」

 スマホの電源をオフにして、本庄のマンションへと猛ダッシュする日向先生。「ごめん、カズ」と素直に謝ろうとしますが、本庄は「僕やうちの両親はいいんだ。でも、お母さんには悪いことをしたと思う。日向のことを心配する、いいお母さんじゃないか」とペコペコ頭を下げ通しだった尚子のことを気遣います。このとき日向は、本庄が自分と目線を合わせようとしないことに気づきません。「あの人、外面はいいから」「両親に愛された人には分からないよ」とついつい日向は普段から溜め込んでいた尚子への不満を年下の本庄の前でこぼしてしまいます。その直後、日向のいる世界は一変したのでした。

「親を悪く言うな!」

 両目をカッと見開いた本庄はテーブルの上に置いてあったコーヒーカップをなぎ払い、次の瞬間には日向先生は壁際まで吹っ飛んでいました。あまりの突発的な出来事に何が起きたのか日向先生には分かりません。さらに本庄は日向先生の髪を鷲掴みにして、紅潮させた顔で睨みつけます。純朴な好青年だと思っていた恋人がDV人間だったという恐怖!!! 恐ろしいことに、尚子の毒予想が当たっていたのです!

 毒親たちと闘う日向先生にとって、唯一の心の拠り所だった恋人・本庄に牙を剥かれてしまった第7話。日向先生が職場の悩みを相談できる相手・霧島先生(及川光博)は、今週もネットの掲示板に真紀子の悪口を書き込むことに夢中です。カフェで真紀子ディスの書き込みに熱中しすぎて、復讐鬼と化した香澄(佐久間由衣)が背後に迫っていることに気づきません。「志村、後ろー!」状態です。

 信頼していた霧島先生が、実は裏で暗躍していたことを知ったら日向先生のショックはどれだけでしょうか。もう誰にも救いを求めることができない日向先生。まるで希望のない展開に、視聴者も絶望感しか感じられずに視聴率はさらにワースト更新となる4.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という結果に。日向先生だけでなく、視聴者もキャストもテレビ局側もみんな地獄を見るという前代未聞のドラマとなりつつあります。最終回まであとわずか。どうせなら、地獄の底まで見てみようじゃありませんか。
(文=長野辰次)

「親を悪く言うな!」二世タレント・工藤阿須加が性格俳優として覚醒した『明日の約束』第7話

「3回くらい会うと、その人の粗というか鼻につくところが見えちゃったりするわね。本庄さんいい人だろうけど、なんか心がこもってないというか、表面的な感じがするのよ。あーゆータイプは気をつけたほうがいいわよ」

 視聴者を容赦なく人間不信の蟻地獄へと引きずり込む、井上真央主演の社会派ミステリー『明日の約束』(フジテレビ系)。第7話はスクールカウンセラーである日向先生(井上真央)が婚約者・本庄(工藤阿須加)の両親と食事会を開くというエピソードを中心に物語が進んでいきます。

 結納みたいな堅苦しいことは抜きにして、両家が顔合わせする食事会をやりたいと日向先生の自宅まで伝えにきた本庄でした。本庄が帰った直後、コタツでまったりしながら日向の母・尚子(手塚理美)が口の中で梅干しの種でもねぶるかのように吐いた台詞が冒頭のものです。これ、リアルに怖いですね。嫁(夫)の実家って、あーゆーふうに細かくチェックしているものなんですね。

 尚子の毒台詞にうなだれる日向先生ですが、今回ばかりは尚子の眼力が勝っていたと言うしかありません。いつも瞳をウルウルさせ、年上の日向に従順そうだった本庄が、第7話のラストで豹変してしまうわけですから。専業主婦である尚子ですが、毒親だけあって自分に近寄ってくる人間の毒含有率を見抜く能力はハンパありません。

 二世タレントである工藤阿須加はこれまで爽やかな役を演じることが多かったのですが、今回、性格俳優として本格覚醒を果たすことになる本庄の大変身ぶりをじっくり追ってみましょう。

 

■気まずい雰囲気の中で食べる鍋料理の味

 

 第7話で物語を大きく動かすのは、自殺した圭吾の妹・英美里(竹内愛紗)です。母親・真紀子(仲間由紀恵)は長男である圭吾だけを溺愛し、英美里は家の中に自分の居場所がありませんでした。圭吾が亡くなり、真紀子はますます圭吾のことしか考えないようになってしまいました。父親(近江谷太朗)は愛人を囲っており、ほとんど家には帰ってきません。中学生という多感な時期に兄を自殺で失ったのに、誰も英美里のことを気にはしてくれません。父親ぐらいの年齢のオッサン相手に援助交際を試みる英美里でしたが、圭吾が所属していたバスケ部のマネジャー・増田(山口まゆ)にその現場が見つかり、帰宅を促されます。

 一方、本庄のマンション。食事会の段取りが済み、ひと安心した本庄と日向先生は仲良く鍋料理の準備をしていました。ところが本庄が「結婚したら、しばらく仕事は休んだら」「日向も結婚したら、いずれは母親になるわけだし」とストレスを抱え気味な日向のことを心配した言葉を掛けたところ、これに日向先生はカチンと来ます。思わず「結婚と母親になることはイコールじゃない」と言い返しますが、このまま感情を爆発させては自分が憎んでいる毒親・尚子と同類になってしまいます。鍋料理を前にして、それ以上の本音はぐっと呑み込む日向でした。グツグツと煮えたぎる鍋は恋人たちの内面のようです。食事会の前から、すでに導火線に火は点いていたのでした。

 いよいよ食事会当日。日向先生がこの日は早めに帰宅すると、すでに尚子はいません。リビングには「ママが大好きな日向のために選びました」と言わんばかりの白いワンピースが用意されていました。日向は大きなため息をつきながらも、尚子が選んだ勝負服に着替えるのでした。

 食事会が開かれるホテルのロビーに、美容室でドレスアップした和服姿の尚子が到着。「お母さん、お似合いです♪」とブライダル業に従事している本庄だけに、この手のお世辞が板に付いています。そんな社交辞令でも、まんざらでもない尚子は満面の笑みを見せてくれます。この人が笑顔を見せると、その後の反動が実に恐ろしいわけですが……。日向先生ももうすぐホテルに、というところで、視聴者みんなが予測したとおり英美里をめぐるトラブルが再び発生します。まっすぐ食事会に向かえば自分の幸せが手に入るのに、日向先生にはそれができません。

 英美里が援助交際する寸前で辛うじて防いだマネジャー増田と日向先生。奇しくも毒親に苦しんでいる女たち3人です。運命的なものを感じさせます。高校のスクールカウンセラーである日向先生にとって、中学生の英美里は口を出す相手ではないのですが、同じ毒親被害者として放っておくわけにはいきませんでした。日向先生を裁判で訴えるつもりの真紀子から冷たくあしらわれることを承知で、タクシーに英美里を同乗させて真紀子のもとまで送り届けるのでした。

 

■そして、地獄の門の扉が開いた……

 

 英美里がエンコー地獄へと堕ちていくのを救った日向先生でしたが、そんな彼女を待っていたのは見渡す限りの針のむしろ地獄でした。本庄から「食事会、もう解散したから」という素っ気ないメッセージが入り、続いて尚子の罵声がスマホから響き渡ります。

「何やってんの? ママに恥をかかせるために来なかったの? 何がトラブルよ。こっちにトラブル起こしておいて! もう終わりよ! 終わりッ!!」

 スマホの電源をオフにして、本庄のマンションへと猛ダッシュする日向先生。「ごめん、カズ」と素直に謝ろうとしますが、本庄は「僕やうちの両親はいいんだ。でも、お母さんには悪いことをしたと思う。日向のことを心配する、いいお母さんじゃないか」とペコペコ頭を下げ通しだった尚子のことを気遣います。このとき日向は、本庄が自分と目線を合わせようとしないことに気づきません。「あの人、外面はいいから」「両親に愛された人には分からないよ」とついつい日向は普段から溜め込んでいた尚子への不満を年下の本庄の前でこぼしてしまいます。その直後、日向のいる世界は一変したのでした。

「親を悪く言うな!」

 両目をカッと見開いた本庄はテーブルの上に置いてあったコーヒーカップをなぎ払い、次の瞬間には日向先生は壁際まで吹っ飛んでいました。あまりの突発的な出来事に何が起きたのか日向先生には分かりません。さらに本庄は日向先生の髪を鷲掴みにして、紅潮させた顔で睨みつけます。純朴な好青年だと思っていた恋人がDV人間だったという恐怖!!! 恐ろしいことに、尚子の毒予想が当たっていたのです!

 毒親たちと闘う日向先生にとって、唯一の心の拠り所だった恋人・本庄に牙を剥かれてしまった第7話。日向先生が職場の悩みを相談できる相手・霧島先生(及川光博)は、今週もネットの掲示板に真紀子の悪口を書き込むことに夢中です。カフェで真紀子ディスの書き込みに熱中しすぎて、復讐鬼と化した香澄(佐久間由衣)が背後に迫っていることに気づきません。「志村、後ろー!」状態です。

 信頼していた霧島先生が、実は裏で暗躍していたことを知ったら日向先生のショックはどれだけでしょうか。もう誰にも救いを求めることができない日向先生。まるで希望のない展開に、視聴者も絶望感しか感じられずに視聴率はさらにワースト更新となる4.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)という結果に。日向先生だけでなく、視聴者もキャストもテレビ局側もみんな地獄を見るという前代未聞のドラマとなりつつあります。最終回まであとわずか。どうせなら、地獄の底まで見てみようじゃありませんか。
(文=長野辰次)

綾瀬はるか最強説を証明した『奥様は、取り扱い注意』稀代のコメディエンヌの“3つの才能”

 いよいよ次回で最終回となる『奥様は、取り扱い注意』(日本テレビ系)。

『GO』(講談社)で直木賞を受賞した小説家・金城一紀が脚本を手掛けている本作は、かつて某国の諜報機関に属しており、今は主婦として暮らしている伊佐山菜美(綾瀬はるか)が、町内で起きる難事件を次々と解決していくというドラマだ。

『CRISIS 公安機動捜査隊特捜班』(フジテレビ系)等のハードな刑事モノを得意とする金城が、水曜ドラマ(日本テレビ系夜10時枠)という働く女性や母親を主人公にした女性向け作品を中心とするドラマ枠で書くと知った時は驚いた。

 しかしいざ、蓋を開けてみると面白く、パヤパヤッティーヤというおしゃれなスキャットの劇伴に象徴されるようなライトなコメディとして見せようとする演出と、女性差別に苦しむ女たちがクズ男たちに戦いを挑むというハードな脚本がケミストリーを生み出しており、水曜ドラマと金城一紀どちらにとっても幸福な新境地となっている。

 普通に考えたらミスマッチ極まりない本作が成功した最大の功績は、なんと言っても主演の綾瀬はるかの、すべてを呑み込む包容力にあることは間違いないだろう。

 主婦でありながら格闘術に長けて、実は亡国の諜報部員だったというめちゃくちゃな設定もコメディエンヌでありながらアクション女優としても活躍する綾瀬だからこそ可能なことだと言える。何よりあのアルカイックスマイルが、某国に雇われた特殊工作員という過去を持つ伊佐山菜美という人物像に説得力を与えている。これは綾瀬はるかにしか演じられない難役である。

 綾瀬はるかは出演作を立て続けにヒットさせてきた、今のテレビドラマを牽引する人気女優の一人である。

 15歳の時に第25回ホリプロスカウトキャラバンに応募して、審査員特別賞を受賞した綾瀬は、広島から芸能活動するために上京する。グラビアアイドルとして活躍する傍ら、『金田一少年の事件簿』(日本テレビ系)や『僕の生きる道』(フジテレビ系)といったドラマに出演するようになり、人気が広がっていく。

 そして当時大人気だった純愛小説をドラマ化した『世界の中心で、愛をさけぶ』(TBS系)で難病のヒロインを演じる。劇中では白血病治療の副作用で脱毛症になってしまうためスキンヘッドになるという場面もあったのだが、綾瀬は見事に演じ、若手人気女優の仲間入りをする。

 これ以降、『白夜行』や『仁-JIN-』(ともにTBS系)といったドラマで、少し影のある日本的な美女を演じていき、20代後半になるとコメディエンヌとしての才能を発揮し、水曜ドラマの常連となり『ホタルノヒカリ』シリーズや『きょうは会社休みます。』に出演。ドラマ女優として不動の地位を確立する。

 どちらの作品でも、仕事はできるが恋愛面では奥手という女性を綾瀬は演じている。ともすれば痛々しくて見てられないキャラクターだが、綾瀬が演じると、途端に上品でかわいいキャラクターになるのが、彼女のコメディエンヌとしての圧倒的なセンスだろう。

『嵐にしやがれ』(日本テレビ系)等のトークバラエティ番組にも出演する綾瀬だが、その時は、司会者を驚かせるような天然ボケを連発する。ゲストとしては対応に困るが、女性としてはめちゃくちゃ魅力的な振る舞いで、その姿は女優としてストイックに打ち込む姿からは想像できない面白さであると同時に、仕事はできるがプライベートはてんでダメという、過去に綾瀬が演じてきたヒロインたちの姿とも重なる。

 近年ではアクション女優としての才能も開花させており、先日は綾瀬が主演を務める大河ファンタジー『精霊の守り人』(NHK)シリーズの最終章(『精霊の守り人 最終章』)の放送がNHK土曜夜9時枠でスタートした。

 本作で綾瀬は短槍使いの用心棒・バルサを演じており、劇中では激しいアクションもおこなっている。『精霊の守り人』シリーズは3年にわたって断続的に続いているロングシリーズだが、初期作から最新作を続けて見ると綾瀬のアクションがみるみる洗練されていっているのがわかる。

 映画『僕の彼女はサイボーグ』や、大河ドラマ『八重の桜』(NHK)でも、その才能の片鱗をみせていたが、いよいよアクション女優としても本領を発揮し始めたと言えよう。

『奥様は、取扱い注意』の伊佐山菜美は、そんな綾瀬はるかの個性がすべて内包された役で、一見荒唐無稽な設定に見えながらも、ヒロインに妙な説得力があるのはそのためだろう。

 ヒューマンドラマで見せる古き良き日本人女性的な影のある芝居と、水曜ドラマでみせるコメディエンヌとしてのセンス。そして、ハードなアクションもこなせるという女優としての才能を3つも綾瀬は持っている。いや、デビュー当初から変わらないグラマラスな肉体が醸し出す健康な色気も含めれば四つだろうか。これだけの武器を兼ね備えているのだから、綾瀬が現時点で最強の女優であることは間違いないだろう。
(文=成馬零一)

●なりま・れいいち
1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。

◆「女優の花道」過去記事はこちらから◆