『孤独のグルメ』スタート!「こういうのでいいんだよ」という美学を覆すとんかつ屋の“追いステーキ”ってナンだ!?

 レギュラー放送としては1年ぶりとなる『孤独のグルメ Season7』(テレビ東京系)がスタート。

 ほぼ毎年レギュラー放送があり、さらに昨年は大みそかの年越し直前枠を2時間SPで任されるまでになった人気コンテンツ。もはや局を代表する顔だ。ただおじさんが独り言を言い(思い)ながら飯食うだけの地味な番組なのだが、それが逆によかった。

 言うまでもないが『アンナチュラル』(TBS系)や『バイプレイヤーズ』(テレビ東京系)で1~3月期もフル回転だった松重豊を押し上げた出世作。

 Season7の開幕を飾るのは上尾(埼玉)。Season6こそ大阪での遠征スタートだったが、それ以外の初回は、門前仲町、新丸子、赤羽、清瀬、稲田堤というクラクラするほどの地味具合。この気負わぬスピリットは変わらずだが、しかし今回の上尾でのとんかつが、とんでもないやつだった。

 

■第1話「埼玉県上尾市本町の肩ロースかつ定食」

 

 前日、すんでのところでとんかつを食いそびれた五郎(松重=個人でやってる輸入雑貨の貿易商)は、朝から腹がとんかつ状態。アンティーク照明を希望する呉服店主夫妻にカタログを届けに来たのだが、返す刀で着物を売りつけられそうになる。「売るか、売られるか」の弱肉強食なセールス合戦。なんとなく付き合い的にこちらも「買わなきゃいけない」ような気持ちになるのは営業あるあるだ。

「あやうくミイラ取りがミイラになるところだった」が、なんとか脱出。一安心したその直後、恒例・食事決心のシーン。いつもの「よし、店を探そう」を「よし、とんかつを探そう」とセルフパロディ。

 とんかつはSeason1の第6話で「ミックスかつ」、Season4の第7話で「カツサンド」を食べているが、意外とがっつりのとんかつ単体は初めて。

 いつもは惹かれそうな中華、洋食、うなぎに目もくれず、とんかつを求め彷徨う五郎。上尾市役所前で職員が行く飯屋があるはずと推理。(実は市役所に隣接する食堂にも、とんかつがあるのだが)長いとんかつクエストの末、たどり着いたのが今回の舞台・キセキ食堂だ。

 結論から言うと、地元では有名な人気店。今回の放送を知った店のファンは、むしろ「バレて」しまうことを悲しんでいるだろう。

 ドラマ内でも繁盛店として描かれているが、少なくとも今の時点でふらっと来て並ばず入れるようなことはないだろう(放送翌日にいたっては店頭のシート記入がいっぱいになり開店時間前なのに「品切れ」となるほど)。

 五郎が選んだのは、肩ロースを低温熟成したという人気ナンバーワンのキセキ定食。カツとステーキ(豚)があるのだが、「初めての方にはステーキをお勧めします」という注意書きを振り切り、カツを選ぶ「初志貫徹」。

 

■メジャーで肉を採寸する五郎

 

 出てきたカツは『なにこの威圧感』とビビるほどのデカさ。

 思わずメジャーを取り出し採寸しちゃう五郎。前シーズンでもアジフライを測っていた恒例のアレ。

 横16センチ、縦10センチ、高さ4センチ5ミリ。立体感がレンガのよう。

 真ん中の切り身にだけソースをかけ、箸で持ち上げるが、デカい。「ジェンガだな!」と例える心の声もデカかった。ジェンガがピンとこない人は、赤ちゃんの靴くらいのデカさを想像してほしい。もしくは小さめのテレビリモコン。一切れが、だ。一口かじって「何だよこれ、笑うしかないなあ」と目尻が垂れる。この番組(原作)を端的に表す名台詞「こういうのでいいんだよ」という美学とは明らかに違う、今までになかった圧倒的な美味さに屈服する感じ。

 続いて塩で一切れ。

「塩とんかつがうまいってことは肉がいい証し。それを白いご飯で追っかける法悦(ほうえつ)」

 塩レモンでも一切れ。

「今俺が食ってるのは肉の形をした幸せだ」

 辛味噌で一切れ。

「今度は辛味噌で名古屋に行ってみるか!」

 ふんだんな調味料でバイキング状態を楽しむ五郎。キャベツもごまドレやソースで味替え。どこにでも幸せはある。

 ちょいちょい「ごまドレいってみよー」「塩レモンいってみよー」と宣言する五郎が、いかりや長介みたいでどこか頼もしい。

 くどいようだが、肉一切れがデカく、五郎ですら場合によっては4口で食べていた。女性なら5口から6口は要するはず。中は低温熟成ということで、ほんのりピンク。生だと誤解する人もいるらしく、しっかり中まで火が通っていることを告げる張り紙が店内にあるほど。

 低温熟成ならではだと感じたのが、箸で肉片を持ち上げた際、両端が微妙にプルンとたわむこと。柔らかそうな食感が口に広がる。食ってないけど。

「肉食ってる感が尋常じゃない肉」

 これが230グラムの定食で1,000円。自分が地元民なら紹介した番組を生涯呪う。

■とんかつの後の「追いステーキ」

 

 さらに隣の客の「キセキのステーキとかつ100グラムずつ」という注文の仕方に注目し、「そういうのアリなのか……」とキセキのステーキ100グラムを追加。思わず隣の客に「助かりました」と礼を言い、動揺させてしまう五郎。今回も飯の海を自由に泳いでる。

 ラストのかつ一切れを再度とんかつソースで締める。ソースに始まりソースで終わる美学。

 そして美学とはとても思えない追加のステーキが到着。

「衣を脱いでなお旨し」という肉をステーキソースで。

「これはご飯いらない、肉で肉が食える」らしい。注文時にも「ここで追いステーキをかませたのはうれしい」と喜んでいたが、五郎独自の言語感覚がこのドラマの人気を支える一つ。いやメインといってもいい。追いステーキって、ソイソースみたいでどこかしっくりくるし。

 店員お勧めのオニオンソース。豚肉と玉ねぎの相性の良さから「生姜焼きの原理か」と発見する五郎。美味い組み合わせを考えている時、その舌は科学者だ。

 今回、ぜひ確かめたくなったのは、わさび醤油で食う(この店の)豚肉の美味さ。この組み合わせを「ベストアンサー」だと断言した五郎。

「俺の舌は今、感動にむせび泣いている」

 食えるか心配していたくせに、結局「あと300グラムくらい全然イケる」と胃袋フル回転。量を食っても軽い肉なのだろう。

「こんなとんかつとこんなステーキが、上尾の街に潜んでいたなんて。豚肉の道、奥深し」

 そして原作者・久住昌之がロケ地で飯を食う「ふらっとQUSUMI」のコーナー。原作漫画にない店しかドラマでは描かれないので、作者が来るのも基本毎回初めて。

 まずは予約限定の牛タンステーキを、わさび醤油で。美味いに決まってる。驚いたのは小ぶりの熟成ひれカツの150円といういう値段。小ぶりといっても久住ですら4口以上かかりそうな立派な「小ぶり」っぷり。店からしたら大迷惑だろうが、これとご飯だけでも昼飯としてアリだと思ってしまった。

 本編でメニューだけ出てきたお子様定食(カツまたはステーキ)も350円だし、五郎も言ってたが、いくら精肉店が経営してるとはいえ「店として大丈夫か?」。

 

■「行かない」視聴者でも、ただ見るだけで楽しめる作り

 

 この番組は基本実在する店やメニューで撮影しているのだが、店員は役者が演じているし、味わってるのも、あくまで架空の存在・井之頭五郎であって松重豊でないし、もちろん物語部分はフィクション。ドラマ本編部分には必要以上の「情報」的なものは差し込まず(久住コーナーが「情報」に当たるが、あくまで脇。逆に裏返しでここを「メイン」だと言う人もいる)、視聴者が「行く」という前提を強く押し出してはいない。

「食べたいけど行くの面倒臭い」とか「一見さん入りづらそう」とか「そもそも行く時間ない」とか、そういった萎える感情から解き放たれ、ただ井之頭というどこにでもいそうな人物が、ただ一人、悩んだり浮かれたり発見したりしながら日常の飯を享受するサマを観て楽しめばいいだけだ。

 グルメ情報を見てる時につきまとう「でもどうせ俺は行かないしな……」という劣等感に苛まれることがない。

 もちろん行きたくないわけではない。そりゃ行きたいし食べたいのだが、それはそれとして、「ここ」に行かないで「これ」を食べなくても、別に構わない気持ちにさせてくれる。腹が減ったら各々のとんかつ「らしき」ものを食えばいいのだ。

 だがしかし、今回はこのキセキのとんかつは食ってみたくて仕方がない。うれしいような悔しいようなこの気持ち。

 あくまで五郎が食らうところを鑑賞することで「自分の中に眠る食の思い出を喰らう」的な楽しみ方を提示してきた番組だったのに、こんなに感情をかき乱されるとは。

 Season6でもラム肉だらけの中華という未知の味を突きつけ我々を困らせた「前科」があったが(第8話)、今回は王道の味でありながらそのクオリティの高さと圧倒的なコストパフォーマンスで仕掛けてきた。この方向が番組的にどう影響するかはまだわからない。今週の「世田谷区経堂のバイキング」を待ちたい。
(文=柿田太郎)

『孤独のグルメ』スタート!「こういうのでいいんだよ」という美学を覆すとんかつ屋の“追いステーキ”ってナンだ!?

 レギュラー放送としては1年ぶりとなる『孤独のグルメ Season7』(テレビ東京系)がスタート。

 ほぼ毎年レギュラー放送があり、さらに昨年は大みそかの年越し直前枠を2時間SPで任されるまでになった人気コンテンツ。もはや局を代表する顔だ。ただおじさんが独り言を言い(思い)ながら飯食うだけの地味な番組なのだが、それが逆によかった。

 言うまでもないが『アンナチュラル』(TBS系)や『バイプレイヤーズ』(テレビ東京系)で1~3月期もフル回転だった松重豊を押し上げた出世作。

 Season7の開幕を飾るのは上尾(埼玉)。Season6こそ大阪での遠征スタートだったが、それ以外の初回は、門前仲町、新丸子、赤羽、清瀬、稲田堤というクラクラするほどの地味具合。この気負わぬスピリットは変わらずだが、しかし今回の上尾でのとんかつが、とんでもないやつだった。

 

■第1話「埼玉県上尾市本町の肩ロースかつ定食」

 

 前日、すんでのところでとんかつを食いそびれた五郎(松重=個人でやってる輸入雑貨の貿易商)は、朝から腹がとんかつ状態。アンティーク照明を希望する呉服店主夫妻にカタログを届けに来たのだが、返す刀で着物を売りつけられそうになる。「売るか、売られるか」の弱肉強食なセールス合戦。なんとなく付き合い的にこちらも「買わなきゃいけない」ような気持ちになるのは営業あるあるだ。

「あやうくミイラ取りがミイラになるところだった」が、なんとか脱出。一安心したその直後、恒例・食事決心のシーン。いつもの「よし、店を探そう」を「よし、とんかつを探そう」とセルフパロディ。

 とんかつはSeason1の第6話で「ミックスかつ」、Season4の第7話で「カツサンド」を食べているが、意外とがっつりのとんかつ単体は初めて。

 いつもは惹かれそうな中華、洋食、うなぎに目もくれず、とんかつを求め彷徨う五郎。上尾市役所前で職員が行く飯屋があるはずと推理。(実は市役所に隣接する食堂にも、とんかつがあるのだが)長いとんかつクエストの末、たどり着いたのが今回の舞台・キセキ食堂だ。

 結論から言うと、地元では有名な人気店。今回の放送を知った店のファンは、むしろ「バレて」しまうことを悲しんでいるだろう。

 ドラマ内でも繁盛店として描かれているが、少なくとも今の時点でふらっと来て並ばず入れるようなことはないだろう(放送翌日にいたっては店頭のシート記入がいっぱいになり開店時間前なのに「品切れ」となるほど)。

 五郎が選んだのは、肩ロースを低温熟成したという人気ナンバーワンのキセキ定食。カツとステーキ(豚)があるのだが、「初めての方にはステーキをお勧めします」という注意書きを振り切り、カツを選ぶ「初志貫徹」。

 

■メジャーで肉を採寸する五郎

 

 出てきたカツは『なにこの威圧感』とビビるほどのデカさ。

 思わずメジャーを取り出し採寸しちゃう五郎。前シーズンでもアジフライを測っていた恒例のアレ。

 横16センチ、縦10センチ、高さ4センチ5ミリ。立体感がレンガのよう。

 真ん中の切り身にだけソースをかけ、箸で持ち上げるが、デカい。「ジェンガだな!」と例える心の声もデカかった。ジェンガがピンとこない人は、赤ちゃんの靴くらいのデカさを想像してほしい。もしくは小さめのテレビリモコン。一切れが、だ。一口かじって「何だよこれ、笑うしかないなあ」と目尻が垂れる。この番組(原作)を端的に表す名台詞「こういうのでいいんだよ」という美学とは明らかに違う、今までになかった圧倒的な美味さに屈服する感じ。

 続いて塩で一切れ。

「塩とんかつがうまいってことは肉がいい証し。それを白いご飯で追っかける法悦(ほうえつ)」

 塩レモンでも一切れ。

「今俺が食ってるのは肉の形をした幸せだ」

 辛味噌で一切れ。

「今度は辛味噌で名古屋に行ってみるか!」

 ふんだんな調味料でバイキング状態を楽しむ五郎。キャベツもごまドレやソースで味替え。どこにでも幸せはある。

 ちょいちょい「ごまドレいってみよー」「塩レモンいってみよー」と宣言する五郎が、いかりや長介みたいでどこか頼もしい。

 くどいようだが、肉一切れがデカく、五郎ですら場合によっては4口で食べていた。女性なら5口から6口は要するはず。中は低温熟成ということで、ほんのりピンク。生だと誤解する人もいるらしく、しっかり中まで火が通っていることを告げる張り紙が店内にあるほど。

 低温熟成ならではだと感じたのが、箸で肉片を持ち上げた際、両端が微妙にプルンとたわむこと。柔らかそうな食感が口に広がる。食ってないけど。

「肉食ってる感が尋常じゃない肉」

 これが230グラムの定食で1,000円。自分が地元民なら紹介した番組を生涯呪う。

■とんかつの後の「追いステーキ」

 

 さらに隣の客の「キセキのステーキとかつ100グラムずつ」という注文の仕方に注目し、「そういうのアリなのか……」とキセキのステーキ100グラムを追加。思わず隣の客に「助かりました」と礼を言い、動揺させてしまう五郎。今回も飯の海を自由に泳いでる。

 ラストのかつ一切れを再度とんかつソースで締める。ソースに始まりソースで終わる美学。

 そして美学とはとても思えない追加のステーキが到着。

「衣を脱いでなお旨し」という肉をステーキソースで。

「これはご飯いらない、肉で肉が食える」らしい。注文時にも「ここで追いステーキをかませたのはうれしい」と喜んでいたが、五郎独自の言語感覚がこのドラマの人気を支える一つ。いやメインといってもいい。追いステーキって、ソイソースみたいでどこかしっくりくるし。

 店員お勧めのオニオンソース。豚肉と玉ねぎの相性の良さから「生姜焼きの原理か」と発見する五郎。美味い組み合わせを考えている時、その舌は科学者だ。

 今回、ぜひ確かめたくなったのは、わさび醤油で食う(この店の)豚肉の美味さ。この組み合わせを「ベストアンサー」だと断言した五郎。

「俺の舌は今、感動にむせび泣いている」

 食えるか心配していたくせに、結局「あと300グラムくらい全然イケる」と胃袋フル回転。量を食っても軽い肉なのだろう。

「こんなとんかつとこんなステーキが、上尾の街に潜んでいたなんて。豚肉の道、奥深し」

 そして原作者・久住昌之がロケ地で飯を食う「ふらっとQUSUMI」のコーナー。原作漫画にない店しかドラマでは描かれないので、作者が来るのも基本毎回初めて。

 まずは予約限定の牛タンステーキを、わさび醤油で。美味いに決まってる。驚いたのは小ぶりの熟成ひれカツの150円といういう値段。小ぶりといっても久住ですら4口以上かかりそうな立派な「小ぶり」っぷり。店からしたら大迷惑だろうが、これとご飯だけでも昼飯としてアリだと思ってしまった。

 本編でメニューだけ出てきたお子様定食(カツまたはステーキ)も350円だし、五郎も言ってたが、いくら精肉店が経営してるとはいえ「店として大丈夫か?」。

 

■「行かない」視聴者でも、ただ見るだけで楽しめる作り

 

 この番組は基本実在する店やメニューで撮影しているのだが、店員は役者が演じているし、味わってるのも、あくまで架空の存在・井之頭五郎であって松重豊でないし、もちろん物語部分はフィクション。ドラマ本編部分には必要以上の「情報」的なものは差し込まず(久住コーナーが「情報」に当たるが、あくまで脇。逆に裏返しでここを「メイン」だと言う人もいる)、視聴者が「行く」という前提を強く押し出してはいない。

「食べたいけど行くの面倒臭い」とか「一見さん入りづらそう」とか「そもそも行く時間ない」とか、そういった萎える感情から解き放たれ、ただ井之頭というどこにでもいそうな人物が、ただ一人、悩んだり浮かれたり発見したりしながら日常の飯を享受するサマを観て楽しめばいいだけだ。

 グルメ情報を見てる時につきまとう「でもどうせ俺は行かないしな……」という劣等感に苛まれることがない。

 もちろん行きたくないわけではない。そりゃ行きたいし食べたいのだが、それはそれとして、「ここ」に行かないで「これ」を食べなくても、別に構わない気持ちにさせてくれる。腹が減ったら各々のとんかつ「らしき」ものを食えばいいのだ。

 だがしかし、今回はこのキセキのとんかつは食ってみたくて仕方がない。うれしいような悔しいようなこの気持ち。

 あくまで五郎が食らうところを鑑賞することで「自分の中に眠る食の思い出を喰らう」的な楽しみ方を提示してきた番組だったのに、こんなに感情をかき乱されるとは。

 Season6でもラム肉だらけの中華という未知の味を突きつけ我々を困らせた「前科」があったが(第8話)、今回は王道の味でありながらそのクオリティの高さと圧倒的なコストパフォーマンスで仕掛けてきた。この方向が番組的にどう影響するかはまだわからない。今週の「世田谷区経堂のバイキング」を待ちたい。
(文=柿田太郎)

世界一うざい男・宮本はもう1人の自分なのか!? 恋も仕事も失敗だらけ『宮本から君へ』第1話

 常にクールでスマートでいることが求められる現代社会において、そこからいちばん遠い遠い存在が宮本浩という男です。新井英樹の同名コミックを原作にしたドラマ24『宮本から君へ』(テレビ東京系)の主人公・宮本浩は、とにかく暑苦しくて、面倒くさいことこの上ありません。中小企業に就職した社会人1年目の宮本は、恋に仕事に100%全力でぶつかり、そのたびに七転八倒します。そんな超うざいキャラクター・宮本役に、若手演技派の筆頭格である池松壮亮。脚本・演出が暴力青春映画『ディストラクション・ベイビーズ』(16)で注目を集めた新鋭・真利子哲也監督というタッグで、1クールにわたってオンエアされることに。モヤモヤモヤ~とした寝苦しい3カ月間になりそうですね。

 原作コミックは1990~94年に青年漫画誌「モーニング」(講談社)で連載され、バブル景気で浮かれまくっていた世相に、冷や水を差しまくるような異質な内容でした。小さな文具メーカーの営業部に配属された宮本(池松壮亮)の真っすぐすぎて、超かっこ悪い、痛~い青春の日々が描かれます。

 さて、テレビ版第1話のオープニング、駅のホームで電車を待つ若いOLの姿が映し出されます。宮本にとって憧れの女性となる甲田美沙子(華村あすか)の登場です。入社1年目で仕事が楽しくない宮本は、朝の通勤時に見かける美沙子だけが毎日の楽しみでした。電車の中で同僚たちとの会話を盗み聞きし、美沙子は大手自動車メーカーの受付嬢であることが判明。超美人な美沙子は、ちっぽけな文具メーカーに勤める宮本にとっては高嶺の花。さりげなく声を掛けたいけど、きっかけがつかめません。自分の持てる欲望と情熱をどう形にすればいいのか分からない宮本浩、22歳の新人営業マンでした。

 宮本のうざったさがむっちりみっちりと描かれたのが、職場の同僚たちと繰り出した居酒屋シーンでした。小田課長(星田英利)の面倒見のよさに甘え、愚痴をこぼしまくる宮本。「学校に行ってるうちはよかった。学校を出たら、夢も自信もなくなったなぁ~」と上司に向かってタメ口で愚痴るダメダメな宮本でした。「学校出たらから失う自信を、何か持ってたん?」と関西弁でやんわりと宮本に釘を刺す小田課長ですが、酔っぱらった宮本には馬の耳に念仏でした。「自宅通いのボンボンは生活を考えんでええなぁ」と同期入社の田島(柄本時生)にディスられ、店の中でつかみ合いのケンカに。「何か俺、デカいことやりたいんです~!」と居酒屋で叫ぶ宮本は自己チューな大バカ野郎です。

 翌朝、二日酔い状態で出社する宮本。同僚たちに向かって「デカいことやりたいんです」と叫んだ手前、田島が手渡すスポーツ飲料を飲んでまったりすることは宮本自身が許せません。ホームに立つ可憐な一輪の花・美沙子を見つけるや、ツカツカと歩み寄り、「僕の、僕の名前は宮本浩ですッ!!」とホーム中に響くようなハイトーンボイスで自己紹介するのでした。

 何かデカいこと=通勤電車で見かける美女に声を掛けること、というエピソードにほんの少しでも共感した人は、この先も『宮本から君へ』を見続けるでしょうし、まるで響かなかった人は、さっさとチャンネルを変えるか、SNSの世界に没頭することでしょう。

 まずはバットを振ってみなくちゃ、ボールは前には転がりません。ひどくかっこ悪いスイングでしたが、宮本の振ったバットにボールが当たり、運よくポテンヒットになりました。美沙子と毎朝、電車の中で世間話をする仲になったのです。出社前に超ラブリーなOLとお話ができるという、モテない男にとっては至高の喜びを手に入れた宮本でした。女神・美沙子はさらなる福音を宮本に与えます。「総務部の女の子が宮本さんに会ってみたいって」と合コンすることを持ち掛けてきたのです。俄然、やる気まんまんになる宮本、そして同僚の田島でした。

■美人OLが合コンに連れてきた女友達がつらかった!

 

 通勤中に出会う美人OLと仲良くなり、合コンにまでありつけるという美味しい展開。原作コミックが連載されたバブル時代のイケイケ感を彷彿させるじゃないですか。原作者の新井英樹自身も漫画家になる前は文具メーカーに勤めていたそうですが、バブル時代に流行したトレンディードラマのようなおしゃれな方向には、このドラマはこの先、間違っても転がりません。宮本たちは営業部の新人3人でこの合コンに臨みますが、そこで待っていたのは「女性幹事マックスの法則」でした。

 美人受付け嬢の美沙子がどんなかわいい友達を選抜して連れてくるのか? 浮かれ気分で渋谷の雑居ビル地下にある微妙な雰囲気のパブの扉を開けた宮本たちですが、美沙子が連れてきた女の子たちも微妙なランクでした。ひとりは乗りがよくて合コン向きですが、総務部の裕奈(三浦透子)は全身から暗いオーラを漂わせ、ねっとりとした視線を宮本に注ぐのでした。このメンバーの中では、どうしようもなく美沙子のルックスが際立ちます。無意識なのかもしれませんが、自分がいちばんかわいいことを美沙子はアピールしているようで、男性陣は一抹の侘しさを覚えるのでした。

 楽しいはずの合コンなのに、そこは男の度量の大きさが試される修練の場でした。懸命に場を盛り上げようとする田島。できれば美沙子と2人っきりになりたい宮本ですが、「宮本さんに会ってみたい」と言い出した裕奈のフォローもしなくてはいけません。口数が少ない裕奈は彼女なりに気を遣って、宮本たちのグラスにピッチャーからビールを注ぎ足そうとしますのが、その度にグラスを倒してしまい、「ごめんなさい、ごめんなさい」と泣きながら謝るばかりです。いましたよね、クラスに1人はマジメなんだけど、すっごい不器用な子が。要領よく人生を生きることができない裕奈は、社会人になってもつらい思いをしているのではないでしょうか。宮本や田島たちは、まるで鏡を見せられているようなブルーな気分です。宮本たちももっと要領がよければ、大きな会社に入社していたでしょうから。男の欲望としては美沙子に向かいながらも、心の中では裕奈にシンパシーを感じてしまう宮本でした。

 盛り下がり気味の合コンの雰囲気を変えようと、パブの店長がサービスで大きな鉢に入ったフルーツポンチを運んできました。ここでもやっぱり裕奈がやらかしてしまいます。宮本に上着を渡そうとする裕奈でしたが、宮本の上着のポケットに入っていた小さな包みを誤ってフルーツポンチの鉢の中に落としてしまいます。小さな包みは、「宮本」とサインペンで名前が書かれたコンドームでした。コンドームの包みだけが甘く濡れた、とってもしょっぱい合コンはこうして終わりを告げたのです。

 合コンの後もしばらくは美沙子や裕奈に振り回されることになる宮本ですが、やがて先輩営業マンの神保(松山ケンイチ)と一緒に得意先回りをするようになり、仕事の厳しさと面白さを同時に学ぶようになっていきます。さらには、年上の女性・靖子(蒼井優)との出逢いも待っています。原作コミックでは、宮本と靖子との濃厚なSEXシーンが激しい筆使いで描かれ、思わず読者が引いてしまったほどです。ベッドの上でもやっぱり宮本はクドくて、暑苦しい男なのです。R18映画『愛の渦』(14)でリアルなSEXシーンを見せつけた池松壮亮と、最近は『オーバー・フェンス』(16)や『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)で濡れ場に挑んでいる蒼井優ですが、テレビ版『宮本から君へ』ではどこまで描いてみせるのか興味津々です。

 いかがだったでしょうか、『宮本から君へ』第1話。見終わった視聴者は「だせえよ、宮本」「コンドームをネタに渾身のギャグで切り返せよ」と宮本に向かって叫びたくなったんじゃないでしょうか。そうです、社会人1年生の宮本は実はかつての視聴者自身なのです。仕事や恋愛に失敗した恥ずかしい体験の数々を、テレビの中の宮本はこれからも生々しく再現してみせるのです。あのとき彼女にもっと違う言葉を掛けていれば、あの職場でもう少し要領よく立ち回っていたら……。忘れかけていた記憶のドロドロした部分を宮本は呼び起こすのです。やっぱり、宮本は超うざい奴です。これから、ひどく寝苦しい3カ月間になりそうです。
(文=長野辰次)

世界一うざい男・宮本はもう1人の自分なのか!? 恋も仕事も失敗だらけ『宮本から君へ』第1話

 常にクールでスマートでいることが求められる現代社会において、そこからいちばん遠い遠い存在が宮本浩という男です。新井英樹の同名コミックを原作にしたドラマ24『宮本から君へ』(テレビ東京系)の主人公・宮本浩は、とにかく暑苦しくて、面倒くさいことこの上ありません。中小企業に就職した社会人1年目の宮本は、恋に仕事に100%全力でぶつかり、そのたびに七転八倒します。そんな超うざいキャラクター・宮本役に、若手演技派の筆頭格である池松壮亮。脚本・演出が暴力青春映画『ディストラクション・ベイビーズ』(16)で注目を集めた新鋭・真利子哲也監督というタッグで、1クールにわたってオンエアされることに。モヤモヤモヤ~とした寝苦しい3カ月間になりそうですね。

 原作コミックは1990~94年に青年漫画誌「モーニング」(講談社)で連載され、バブル景気で浮かれまくっていた世相に、冷や水を差しまくるような異質な内容でした。小さな文具メーカーの営業部に配属された宮本(池松壮亮)の真っすぐすぎて、超かっこ悪い、痛~い青春の日々が描かれます。

 さて、テレビ版第1話のオープニング、駅のホームで電車を待つ若いOLの姿が映し出されます。宮本にとって憧れの女性となる甲田美沙子(華村あすか)の登場です。入社1年目で仕事が楽しくない宮本は、朝の通勤時に見かける美沙子だけが毎日の楽しみでした。電車の中で同僚たちとの会話を盗み聞きし、美沙子は大手自動車メーカーの受付嬢であることが判明。超美人な美沙子は、ちっぽけな文具メーカーに勤める宮本にとっては高嶺の花。さりげなく声を掛けたいけど、きっかけがつかめません。自分の持てる欲望と情熱をどう形にすればいいのか分からない宮本浩、22歳の新人営業マンでした。

 宮本のうざったさがむっちりみっちりと描かれたのが、職場の同僚たちと繰り出した居酒屋シーンでした。小田課長(星田英利)の面倒見のよさに甘え、愚痴をこぼしまくる宮本。「学校に行ってるうちはよかった。学校を出たら、夢も自信もなくなったなぁ~」と上司に向かってタメ口で愚痴るダメダメな宮本でした。「学校出たらから失う自信を、何か持ってたん?」と関西弁でやんわりと宮本に釘を刺す小田課長ですが、酔っぱらった宮本には馬の耳に念仏でした。「自宅通いのボンボンは生活を考えんでええなぁ」と同期入社の田島(柄本時生)にディスられ、店の中でつかみ合いのケンカに。「何か俺、デカいことやりたいんです~!」と居酒屋で叫ぶ宮本は自己チューな大バカ野郎です。

 翌朝、二日酔い状態で出社する宮本。同僚たちに向かって「デカいことやりたいんです」と叫んだ手前、田島が手渡すスポーツ飲料を飲んでまったりすることは宮本自身が許せません。ホームに立つ可憐な一輪の花・美沙子を見つけるや、ツカツカと歩み寄り、「僕の、僕の名前は宮本浩ですッ!!」とホーム中に響くようなハイトーンボイスで自己紹介するのでした。

 何かデカいこと=通勤電車で見かける美女に声を掛けること、というエピソードにほんの少しでも共感した人は、この先も『宮本から君へ』を見続けるでしょうし、まるで響かなかった人は、さっさとチャンネルを変えるか、SNSの世界に没頭することでしょう。

 まずはバットを振ってみなくちゃ、ボールは前には転がりません。ひどくかっこ悪いスイングでしたが、宮本の振ったバットにボールが当たり、運よくポテンヒットになりました。美沙子と毎朝、電車の中で世間話をする仲になったのです。出社前に超ラブリーなOLとお話ができるという、モテない男にとっては至高の喜びを手に入れた宮本でした。女神・美沙子はさらなる福音を宮本に与えます。「総務部の女の子が宮本さんに会ってみたいって」と合コンすることを持ち掛けてきたのです。俄然、やる気まんまんになる宮本、そして同僚の田島でした。

■美人OLが合コンに連れてきた女友達がつらかった!

 

 通勤中に出会う美人OLと仲良くなり、合コンにまでありつけるという美味しい展開。原作コミックが連載されたバブル時代のイケイケ感を彷彿させるじゃないですか。原作者の新井英樹自身も漫画家になる前は文具メーカーに勤めていたそうですが、バブル時代に流行したトレンディードラマのようなおしゃれな方向には、このドラマはこの先、間違っても転がりません。宮本たちは営業部の新人3人でこの合コンに臨みますが、そこで待っていたのは「女性幹事マックスの法則」でした。

 美人受付け嬢の美沙子がどんなかわいい友達を選抜して連れてくるのか? 浮かれ気分で渋谷の雑居ビル地下にある微妙な雰囲気のパブの扉を開けた宮本たちですが、美沙子が連れてきた女の子たちも微妙なランクでした。ひとりは乗りがよくて合コン向きですが、総務部の裕奈(三浦透子)は全身から暗いオーラを漂わせ、ねっとりとした視線を宮本に注ぐのでした。このメンバーの中では、どうしようもなく美沙子のルックスが際立ちます。無意識なのかもしれませんが、自分がいちばんかわいいことを美沙子はアピールしているようで、男性陣は一抹の侘しさを覚えるのでした。

 楽しいはずの合コンなのに、そこは男の度量の大きさが試される修練の場でした。懸命に場を盛り上げようとする田島。できれば美沙子と2人っきりになりたい宮本ですが、「宮本さんに会ってみたい」と言い出した裕奈のフォローもしなくてはいけません。口数が少ない裕奈は彼女なりに気を遣って、宮本たちのグラスにピッチャーからビールを注ぎ足そうとしますのが、その度にグラスを倒してしまい、「ごめんなさい、ごめんなさい」と泣きながら謝るばかりです。いましたよね、クラスに1人はマジメなんだけど、すっごい不器用な子が。要領よく人生を生きることができない裕奈は、社会人になってもつらい思いをしているのではないでしょうか。宮本や田島たちは、まるで鏡を見せられているようなブルーな気分です。宮本たちももっと要領がよければ、大きな会社に入社していたでしょうから。男の欲望としては美沙子に向かいながらも、心の中では裕奈にシンパシーを感じてしまう宮本でした。

 盛り下がり気味の合コンの雰囲気を変えようと、パブの店長がサービスで大きな鉢に入ったフルーツポンチを運んできました。ここでもやっぱり裕奈がやらかしてしまいます。宮本に上着を渡そうとする裕奈でしたが、宮本の上着のポケットに入っていた小さな包みを誤ってフルーツポンチの鉢の中に落としてしまいます。小さな包みは、「宮本」とサインペンで名前が書かれたコンドームでした。コンドームの包みだけが甘く濡れた、とってもしょっぱい合コンはこうして終わりを告げたのです。

 合コンの後もしばらくは美沙子や裕奈に振り回されることになる宮本ですが、やがて先輩営業マンの神保(松山ケンイチ)と一緒に得意先回りをするようになり、仕事の厳しさと面白さを同時に学ぶようになっていきます。さらには、年上の女性・靖子(蒼井優)との出逢いも待っています。原作コミックでは、宮本と靖子との濃厚なSEXシーンが激しい筆使いで描かれ、思わず読者が引いてしまったほどです。ベッドの上でもやっぱり宮本はクドくて、暑苦しい男なのです。R18映画『愛の渦』(14)でリアルなSEXシーンを見せつけた池松壮亮と、最近は『オーバー・フェンス』(16)や『彼女がその名を知らない鳥たち』(17)で濡れ場に挑んでいる蒼井優ですが、テレビ版『宮本から君へ』ではどこまで描いてみせるのか興味津々です。

 いかがだったでしょうか、『宮本から君へ』第1話。見終わった視聴者は「だせえよ、宮本」「コンドームをネタに渾身のギャグで切り返せよ」と宮本に向かって叫びたくなったんじゃないでしょうか。そうです、社会人1年生の宮本は実はかつての視聴者自身なのです。仕事や恋愛に失敗した恥ずかしい体験の数々を、テレビの中の宮本はこれからも生々しく再現してみせるのです。あのとき彼女にもっと違う言葉を掛けていれば、あの職場でもう少し要領よく立ち回っていたら……。忘れかけていた記憶のドロドロした部分を宮本は呼び起こすのです。やっぱり、宮本は超うざい奴です。これから、ひどく寝苦しい3カ月間になりそうです。
(文=長野辰次)

朝ドラ『半分、青い。』佐藤健ファンが悲鳴! 子役の演技続く状況に、視聴者イライラMAXへ!?

 4月2日に放送開始したNHK連続ドラマ小説『半分、青い。』に、視聴者のイライラが募っているようだ。というのは、子役による演技が続き、主人公・鈴愛役の永野芽郁、その幼なじみ・律役の佐藤健が、なかなか登場せず。佐藤のファンからは悲鳴も上がっている模様だ。

 朝ドラで、主人公の幼少期を描く場合は、1週で終わるのが一般的。それに対し、同ドラマでは、初回に永野、佐藤が登場したが、その後は子役による演技が続いている。第2週に入っても、その状況は変わらず。

 ヒロインの永野は、まだネームバリューが低いが、相手役の佐藤は人気者で、いわば“視聴率要員”だ。ここしばらく、佐藤は映画に軸足を置いていたため、ドラマ出演自体が、主演ドラマ『天皇の料理番』(TBS系/2015年4月期)以来、約3年ぶり。そのため、『半分、青い。』は、佐藤のファンにとっては、待ちに待った作品だったのだ。

 子役による演技が続く状況は、視聴率という“結果”に如実に表れている。初回は21.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と好発進し、第4話まで20%台をキープしたが、第5話で19.7%と大台割れ。第6話では17.8%まで落ち込んでしまった。

 2週目に入っても、第7話、第8話と19%台。第9話は20.5%で、5話ぶりに大台に戻したが、現状で視聴率はかんばしいものではない。

「脚本は、『素顔のままで』『あすなろ白書』『ロングバケーション』(いずれもフジテレビ系)、『ビューティフルライフ』(TBS系)など、数多くのヒット作をもつ北川悦吏子氏が担当しています。ただ、北川氏はこれだけ長いスパンのドラマを書くのは初めて。ヒロインの幼少期をていねいに描くため、このような脚本になっているのでしょうが、さすがに視聴者のイライラもMAXに達しそうです」(テレビ誌関係者)

 ある意味、6カ月という放送期間を考慮した脚本といえそうだが、子役による演技が続けば、視聴率に響いてしまうのは自明の理だ。

「朝ドラの視聴率は、とかく“視聴習慣”が影響してきます。いったん、高視聴率をキープできれば、内容が薄くても、しばらく好調が続きます。逆に、一度数字を落としてしまうと、おもしろくても、なかなか視聴率は回復しません。ですから、ここで佐藤が登場しても、一気に視聴率が上向くとはかぎらないでしょう」(同)

 朝ドラの全話平均視聴率は、15年後期『あさが来た』から、前作『わろてんか』まで、5作連続で20%超えを果たしている。『半分、青い。』は、その“いい流れ”を止めたくないところ。この序盤の低迷が、あとあと響かなければいいのだが……。
(文=田中七男)

朝ドラ『半分、青い。』佐藤健ファンが悲鳴! 子役の演技続く状況に、視聴者イライラMAXへ!?

 4月2日に放送開始したNHK連続ドラマ小説『半分、青い。』に、視聴者のイライラが募っているようだ。というのは、子役による演技が続き、主人公・鈴愛役の永野芽郁、その幼なじみ・律役の佐藤健が、なかなか登場せず。佐藤のファンからは悲鳴も上がっている模様だ。

 朝ドラで、主人公の幼少期を描く場合は、1週で終わるのが一般的。それに対し、同ドラマでは、初回に永野、佐藤が登場したが、その後は子役による演技が続いている。第2週に入っても、その状況は変わらず。

 ヒロインの永野は、まだネームバリューが低いが、相手役の佐藤は人気者で、いわば“視聴率要員”だ。ここしばらく、佐藤は映画に軸足を置いていたため、ドラマ出演自体が、主演ドラマ『天皇の料理番』(TBS系/2015年4月期)以来、約3年ぶり。そのため、『半分、青い。』は、佐藤のファンにとっては、待ちに待った作品だったのだ。

 子役による演技が続く状況は、視聴率という“結果”に如実に表れている。初回は21.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)と好発進し、第4話まで20%台をキープしたが、第5話で19.7%と大台割れ。第6話では17.8%まで落ち込んでしまった。

 2週目に入っても、第7話、第8話と19%台。第9話は20.5%で、5話ぶりに大台に戻したが、現状で視聴率はかんばしいものではない。

「脚本は、『素顔のままで』『あすなろ白書』『ロングバケーション』(いずれもフジテレビ系)、『ビューティフルライフ』(TBS系)など、数多くのヒット作をもつ北川悦吏子氏が担当しています。ただ、北川氏はこれだけ長いスパンのドラマを書くのは初めて。ヒロインの幼少期をていねいに描くため、このような脚本になっているのでしょうが、さすがに視聴者のイライラもMAXに達しそうです」(テレビ誌関係者)

 ある意味、6カ月という放送期間を考慮した脚本といえそうだが、子役による演技が続けば、視聴率に響いてしまうのは自明の理だ。

「朝ドラの視聴率は、とかく“視聴習慣”が影響してきます。いったん、高視聴率をキープできれば、内容が薄くても、しばらく好調が続きます。逆に、一度数字を落としてしまうと、おもしろくても、なかなか視聴率は回復しません。ですから、ここで佐藤が登場しても、一気に視聴率が上向くとはかぎらないでしょう」(同)

 朝ドラの全話平均視聴率は、15年後期『あさが来た』から、前作『わろてんか』まで、5作連続で20%超えを果たしている。『半分、青い。』は、その“いい流れ”を止めたくないところ。この序盤の低迷が、あとあと響かなければいいのだが……。
(文=田中七男)

吉高由里子の“まっすぐ演技”が災いして、主人公に「検事無資格疑惑」が浮上!? 『正義のセ』第1話

 吉高由里子が、生真面目で理不尽なことが許せない性格の新人検事を演じているドラマ『正義のセ』が4月11日から放送スタート。第1話の平均視聴率は11.0%(ビデオリサーチ調べ、関東平均)と、2ケタの幸先良い滑り出しとなりました。

 このドラマはタレントでエッセイスト・阿川佐和子さんの同名小説が原作。阿川さんは「ゴルフでたまたま出会った女性検事に興味を持ち、それをきっかけに何人もの女性検事に会い綿密に取材して書き上げた」と語っていただけに、期待度も高い。また、前作の気分がどんよりしたドラマ『anone』とは打って変わり、“痛快お仕事ドラマ”ということで、「『anone』で水曜日の夜がつらかった」という人よ、戻って来い!……と願うばかりです。

 では前置きはこれくらいにして、早速、第1話のあらすじを振り返ってみましょう。

■若手女性検事が“正義”を貫くために大奮闘!

 主人公の竹村凜々子(吉高)は、大阪赴任を経てこの春から横浜地方検察港南支部に赴任する2年目の検事。赴任初日から5件の案件を担当することになった凜々子だが、いざ被疑者の取調べをすると、自らの喜怒哀楽が入ってしまい仕事にならず。バディを組む事務官・相原勉(安田顕)も呆れ顔。さらに、同僚の検事で港南支部のエース・大塚仁志(三浦翔平)からも「そんなんだから被疑者になめられるんだよ」と一喝されてしまう。

 そんな中、凜々子は傷害事件を担当することに。被害者である建設会社勤務の向井俊哉(浅利陽介)は、上司の恩田徹(石黒賢)から路地裏で暴行を受け、その弾みで階段から転げ落ち、全治2カ月の大ケガを負ってしまい被害届を出したというものだった。

 凜々子は「ひどいパワハラ上司だ」と憤りつつ恩田の取調べを行うが、恩田の姿は穏やか。それだけではなく、「向井が私を貶めようとしている」と話し、凜々子は困惑してしまう。

 翌日、向井の話も聞こうと向井が入院する病院を訪れた凜々子と大塚。向井は「日常的に恩田からパワハラを受けていた」と告白し、事件当日恩田に「告発する」と宣言したところ、事件が起こってしまったと説明。向井の妻・美織(森カンナ)が、「みんな信じてくれないけど、警察なら……」と被害届を出した経緯を語ると、凜々子は涙を堪えながら「私は信じます!」と宣言。病室を後にし、すぐさま向井と恩田が勤務する建設会社に向かった。

 事件当日に一緒にいた同僚・田中啓介(六角慎司)に話を聞くと、「恩田さんの証言通り」の一点張り。しかし、凜々子が「嘘をつくと刑法に触れる」と言ったところ、挙動不審になり何か隠している様子だった。

 事務所に戻り、凜々子は「嘘をついているのは恩田と田中だ」と言い張るが、大塚は「それはあなたの感想だ」と反論。それでも、「絶対にそうだ!」と言い張る凜々子に、支部長・梅宮譲(寺脇康文)は「起訴するだけの証拠を見つけるよう」にと促した。

 翌日、美織が凜々子のもとを訪れ、向井のもとを訪れた恩田が「被害届を取り下げれば、会社に残れるようにしてやる」と告げたので、それを呑んで被害届を取り下げると語った。それを聞き、ショックで何も言えなくなった凜々子だが、事務所に戻ると「今日1日で恩田が有罪の証拠を探してくるから時間をください」と同僚たちに頭を下げ、大塚とともに事件現場へ向かった。

 事件現場で通行人に聞き込みをする2人だが、夜になっても有力な証言は得られず。ダメかとあきらめかけたときに、凜々子はタクシーのドライブレコーダーに3人が映っていれば」とひらめき、タクシー会社に片っ端から聞き込み。すると、事件現場近くの繁華街を歩く3人が映っている証拠動画が見つかる。

 その翌日、凜々子と大塚は恩田を事務所に呼び、再度取調べを始める。シラを切り続ける恩田に昨晩見つけた証拠画像を見せ、さらに恩田が発注先から賄賂をもらっていた証拠も突きつける2人。それでもシラを切る恩田に2人は「田中も賄賂をもらっていたと白状した」と明かし、やっと恩田は白状。だが、それでも「自分の人生が台無しになった」と向井をののしり、暴行の事実なんてどうでも良いと言い張る恩田に、凜々子は「どうでも良いことじゃないです!」と立ち上って恩田に説教。すると、恩田は力なく椅子に座り込んだ。

 こうして起訴は梅宮によって受理。喜びのあまり、屋上で「よっしゃー!」と叫ぶ凜々子であった、という第1話でした。

■吉高の演技がひどすぎて“検事無資格疑惑”が浮上!

 同作の演出は、吉高主演で2017年1月期に放送された『タラレバ娘』(同)の演出を手がけた南雲聖一氏。さらに、脚本も『タラレバ娘』を手がけた松本裕子氏。となると、やっぱり吉高の演技も『タラレバ娘』と同じ演技で、見ていて新鮮さにかけました。

『タラレバ娘』放送時にも言われていましたが、喜怒哀楽が入りやすい性格を表現しようと、“立ち上がって怒る”“悲しそうな顔”などを見せるのですが、それがいちいち大げさ過ぎ。見ているこっちが恥ずかしくなるぐらいです。

 また、『ガリレオ』(フジテレビ系)での吉高演技で言われていたように、甲高い声が多く耳障りな印象が。さらに、セリフのしゃべり方からは幼稚さが感じられてきてしまい……。

 上記の2点が相まって、検事役に説得力がありません。「この子、本当に司法試験通ったのか?」と疑問を感じてしまい、子どもに「検事って正義感あれば誰でもなれるんだ~」と、間違った解釈を持たせてしまうように思えます。

 吉高の“アホ検事ぶり”に、さらに拍車をかけるのが衣装です。周りの検事や事務官はしっかりとスーツを着ているのにもかかわらず、凜々子の服装がジャケットを羽織っているものの、チェックのロングスカートにショートブーツ、さらにアーガイル柄の靴下というカジュアルな服装で検事感がまるでない。以前、『クローズアップ現代』(NHK)で実際に検事と働く女性に密着していた放送を見たのですが、女性たちはみな、中のトップスはラフだけどきちんとしたスーツを着用していました。そのため、これでは「どっかのOLか! 検事なめんな!」とツッコミたくなるのです。

 今話では裁判所のシーンがなかったのでこれでもまあ良かったですが、今後裁判シーンがあった際、このままの格好でいくのでしょうか? 今後どうなるのか、衣装にも注目するのもよいかと思います。

■視聴者に一切深読みさせてくれない“正義へ一直線”ストーリー

 今回の事件は上司からの部下へのパワハラという内容だったのですが、そのパワハラの内容があまりにもひどい。部下の頭に水をかけたり、居酒屋でお猪口を投げつける。さらに殴って階段から落とすなど、すさまじい暴力が。普通に見て、これはパワハラの領域を超えているでしょと思う上、会社はまったく気にしておらず、コンプライアンスをガン無視。現実社会では考えられないストーリーです。

「もしかして、主人公の凜々子の感情を正当化しようと、 “悪人は徹底的に悪く”描いてしまっているのか」と勘ぐってしまいます。それに、ひどすぎるパワハラをみせることで、大塚の「客観的に考えろ」という言葉が間違っているように聞こえ、さらに視聴者にストーリーを深読みさせず、まるで「お前らは凜々子の活躍ぶりだけ見てろ」と言われているようです。

 また、恩田を有罪にするべく証拠を見つけに行くシーンでは、あまりにも簡単に見つかりすぎて、「そんなに簡単にみつかるかーい!」と思わずツッコミを入れたくなってしまいそうです。この部分が薄いため、ドラマ全体が“凜々子の喜怒哀楽ショー”になっていて本来の“お仕事ドラマ”的要素がまったくありませんでした。

■「あれ、なんか懐かしい……」と思わせてくれる脚本と美術セット

 “主人公の女性検事とバディを組むのが男性事務官”、また“正義感が強く、思ったら突っ走っていくタイプの主人公”さらに先に述べたように“悪人は徹底的に悪く”といった内容だった同作。「あれあれ……どっかで見たことあるな」と思った方もいるはず。そうです! 木村拓哉が主演のドラマ『HERO』(フジテレビ系)にそっくりな内容なのです。

 もっと言えば、『HERO』では、証拠を見つけるまで二転三転あり、視聴者もテレビ喰らいついて見ていたものです。しかし、同作はその部分がさらっとしているため、本当に見ていてつまらない。その上、後半にあった恩田の取調べシーンで、視聴者も知らない賄賂の証拠が突如出てきてしまい……(笑)。「こ、これは一体……何?」となった視聴者もいたはずです。

 また、美術セットもすごい。事務所の中の取調室が『HERO』もろパクリなんです。そして、撮影アングルも画面向かって左右に検事と被疑者、さらに真ん中に事務官。さらに、画面の切り替わりも似ている。もしかしたら女版『HERO』を目指しているのかも!?

 以上、第1話の批評でした。次回は凜々子が初めて殺人事件を担当するとのこと。初回平均視聴率11.0%が上がるのか、下がるのか。第2話もお楽しみに。

(文=どらまっ子KOROちゃん)

吉高由里子の“まっすぐ演技”が災いして、主人公に「検事無資格疑惑」が浮上!? 『正義のセ』第1話

 吉高由里子が、生真面目で理不尽なことが許せない性格の新人検事を演じているドラマ『正義のセ』が4月11日から放送スタート。第1話の平均視聴率は11.0%(ビデオリサーチ調べ、関東平均)と、2ケタの幸先良い滑り出しとなりました。

 このドラマはタレントでエッセイスト・阿川佐和子さんの同名小説が原作。阿川さんは「ゴルフでたまたま出会った女性検事に興味を持ち、それをきっかけに何人もの女性検事に会い綿密に取材して書き上げた」と語っていただけに、期待度も高い。また、前作の気分がどんよりしたドラマ『anone』とは打って変わり、“痛快お仕事ドラマ”ということで、「『anone』で水曜日の夜がつらかった」という人よ、戻って来い!……と願うばかりです。

 では前置きはこれくらいにして、早速、第1話のあらすじを振り返ってみましょう。

■若手女性検事が“正義”を貫くために大奮闘!

 主人公の竹村凜々子(吉高)は、大阪赴任を経てこの春から横浜地方検察港南支部に赴任する2年目の検事。赴任初日から5件の案件を担当することになった凜々子だが、いざ被疑者の取調べをすると、自らの喜怒哀楽が入ってしまい仕事にならず。バディを組む事務官・相原勉(安田顕)も呆れ顔。さらに、同僚の検事で港南支部のエース・大塚仁志(三浦翔平)からも「そんなんだから被疑者になめられるんだよ」と一喝されてしまう。

 そんな中、凜々子は傷害事件を担当することに。被害者である建設会社勤務の向井俊哉(浅利陽介)は、上司の恩田徹(石黒賢)から路地裏で暴行を受け、その弾みで階段から転げ落ち、全治2カ月の大ケガを負ってしまい被害届を出したというものだった。

 凜々子は「ひどいパワハラ上司だ」と憤りつつ恩田の取調べを行うが、恩田の姿は穏やか。それだけではなく、「向井が私を貶めようとしている」と話し、凜々子は困惑してしまう。

 翌日、向井の話も聞こうと向井が入院する病院を訪れた凜々子と大塚。向井は「日常的に恩田からパワハラを受けていた」と告白し、事件当日恩田に「告発する」と宣言したところ、事件が起こってしまったと説明。向井の妻・美織(森カンナ)が、「みんな信じてくれないけど、警察なら……」と被害届を出した経緯を語ると、凜々子は涙を堪えながら「私は信じます!」と宣言。病室を後にし、すぐさま向井と恩田が勤務する建設会社に向かった。

 事件当日に一緒にいた同僚・田中啓介(六角慎司)に話を聞くと、「恩田さんの証言通り」の一点張り。しかし、凜々子が「嘘をつくと刑法に触れる」と言ったところ、挙動不審になり何か隠している様子だった。

 事務所に戻り、凜々子は「嘘をついているのは恩田と田中だ」と言い張るが、大塚は「それはあなたの感想だ」と反論。それでも、「絶対にそうだ!」と言い張る凜々子に、支部長・梅宮譲(寺脇康文)は「起訴するだけの証拠を見つけるよう」にと促した。

 翌日、美織が凜々子のもとを訪れ、向井のもとを訪れた恩田が「被害届を取り下げれば、会社に残れるようにしてやる」と告げたので、それを呑んで被害届を取り下げると語った。それを聞き、ショックで何も言えなくなった凜々子だが、事務所に戻ると「今日1日で恩田が有罪の証拠を探してくるから時間をください」と同僚たちに頭を下げ、大塚とともに事件現場へ向かった。

 事件現場で通行人に聞き込みをする2人だが、夜になっても有力な証言は得られず。ダメかとあきらめかけたときに、凜々子はタクシーのドライブレコーダーに3人が映っていれば」とひらめき、タクシー会社に片っ端から聞き込み。すると、事件現場近くの繁華街を歩く3人が映っている証拠動画が見つかる。

 その翌日、凜々子と大塚は恩田を事務所に呼び、再度取調べを始める。シラを切り続ける恩田に昨晩見つけた証拠画像を見せ、さらに恩田が発注先から賄賂をもらっていた証拠も突きつける2人。それでもシラを切る恩田に2人は「田中も賄賂をもらっていたと白状した」と明かし、やっと恩田は白状。だが、それでも「自分の人生が台無しになった」と向井をののしり、暴行の事実なんてどうでも良いと言い張る恩田に、凜々子は「どうでも良いことじゃないです!」と立ち上って恩田に説教。すると、恩田は力なく椅子に座り込んだ。

 こうして起訴は梅宮によって受理。喜びのあまり、屋上で「よっしゃー!」と叫ぶ凜々子であった、という第1話でした。

■吉高の演技がひどすぎて“検事無資格疑惑”が浮上!

 同作の演出は、吉高主演で2017年1月期に放送された『タラレバ娘』(同)の演出を手がけた南雲聖一氏。さらに、脚本も『タラレバ娘』を手がけた松本裕子氏。となると、やっぱり吉高の演技も『タラレバ娘』と同じ演技で、見ていて新鮮さにかけました。

『タラレバ娘』放送時にも言われていましたが、喜怒哀楽が入りやすい性格を表現しようと、“立ち上がって怒る”“悲しそうな顔”などを見せるのですが、それがいちいち大げさ過ぎ。見ているこっちが恥ずかしくなるぐらいです。

 また、『ガリレオ』(フジテレビ系)での吉高演技で言われていたように、甲高い声が多く耳障りな印象が。さらに、セリフのしゃべり方からは幼稚さが感じられてきてしまい……。

 上記の2点が相まって、検事役に説得力がありません。「この子、本当に司法試験通ったのか?」と疑問を感じてしまい、子どもに「検事って正義感あれば誰でもなれるんだ~」と、間違った解釈を持たせてしまうように思えます。

 吉高の“アホ検事ぶり”に、さらに拍車をかけるのが衣装です。周りの検事や事務官はしっかりとスーツを着ているのにもかかわらず、凜々子の服装がジャケットを羽織っているものの、チェックのロングスカートにショートブーツ、さらにアーガイル柄の靴下というカジュアルな服装で検事感がまるでない。以前、『クローズアップ現代』(NHK)で実際に検事と働く女性に密着していた放送を見たのですが、女性たちはみな、中のトップスはラフだけどきちんとしたスーツを着用していました。そのため、これでは「どっかのOLか! 検事なめんな!」とツッコミたくなるのです。

 今話では裁判所のシーンがなかったのでこれでもまあ良かったですが、今後裁判シーンがあった際、このままの格好でいくのでしょうか? 今後どうなるのか、衣装にも注目するのもよいかと思います。

■視聴者に一切深読みさせてくれない“正義へ一直線”ストーリー

 今回の事件は上司からの部下へのパワハラという内容だったのですが、そのパワハラの内容があまりにもひどい。部下の頭に水をかけたり、居酒屋でお猪口を投げつける。さらに殴って階段から落とすなど、すさまじい暴力が。普通に見て、これはパワハラの領域を超えているでしょと思う上、会社はまったく気にしておらず、コンプライアンスをガン無視。現実社会では考えられないストーリーです。

「もしかして、主人公の凜々子の感情を正当化しようと、 “悪人は徹底的に悪く”描いてしまっているのか」と勘ぐってしまいます。それに、ひどすぎるパワハラをみせることで、大塚の「客観的に考えろ」という言葉が間違っているように聞こえ、さらに視聴者にストーリーを深読みさせず、まるで「お前らは凜々子の活躍ぶりだけ見てろ」と言われているようです。

 また、恩田を有罪にするべく証拠を見つけに行くシーンでは、あまりにも簡単に見つかりすぎて、「そんなに簡単にみつかるかーい!」と思わずツッコミを入れたくなってしまいそうです。この部分が薄いため、ドラマ全体が“凜々子の喜怒哀楽ショー”になっていて本来の“お仕事ドラマ”的要素がまったくありませんでした。

■「あれ、なんか懐かしい……」と思わせてくれる脚本と美術セット

 “主人公の女性検事とバディを組むのが男性事務官”、また“正義感が強く、思ったら突っ走っていくタイプの主人公”さらに先に述べたように“悪人は徹底的に悪く”といった内容だった同作。「あれあれ……どっかで見たことあるな」と思った方もいるはず。そうです! 木村拓哉が主演のドラマ『HERO』(フジテレビ系)にそっくりな内容なのです。

 もっと言えば、『HERO』では、証拠を見つけるまで二転三転あり、視聴者もテレビ喰らいついて見ていたものです。しかし、同作はその部分がさらっとしているため、本当に見ていてつまらない。その上、後半にあった恩田の取調べシーンで、視聴者も知らない賄賂の証拠が突如出てきてしまい……(笑)。「こ、これは一体……何?」となった視聴者もいたはずです。

 また、美術セットもすごい。事務所の中の取調室が『HERO』もろパクリなんです。そして、撮影アングルも画面向かって左右に検事と被疑者、さらに真ん中に事務官。さらに、画面の切り替わりも似ている。もしかしたら女版『HERO』を目指しているのかも!?

 以上、第1話の批評でした。次回は凜々子が初めて殺人事件を担当するとのこと。初回平均視聴率11.0%が上がるのか、下がるのか。第2話もお楽しみに。

(文=どらまっ子KOROちゃん)

吉高由里子『正義のセ』、初回視聴率11.0%で2ケタ発進も「既視感すごい」と賛否

 吉高由里子主演の連続ドラマ『正義のセ』(日本テレビ系)第1話が4月11日に放送され、平均視聴率11.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。2ケタ台スタートで幸先がいいかと思いきや、ネット上では「既視感ありすぎ」とガッカリされているようだ。

「阿川佐和子の同名小説シリーズを実写化した同ドラマは、主人公の新米検事・竹村凜々子(吉高)がつまずきながらも一生懸命に“正義”を貫く姿が描かれます。第1話では、大阪から横浜地方検察庁港南支部に異動してきた凜々子が、ある傷害事件を担当。建設会社に勤める向井俊哉(浅利陽介)は上司・恩田徹(石黒賢)から暴行を受けたとして被害届を提出するも、恩田やその部下・田中啓介(六角慎司)の証言と食い違う……という展開でした」(芸能ライター)

『正義のセ』が放送される日テレ系「水曜ドラマ」枠の前クールは、広瀬すず主演の『anone』で初回9.2%に終わった。独特かつ暗い雰囲気に馴染めない視聴者も多かったため、新たに始まった『正義のセ』を見たネットユーザーからは「やっぱりこういう明るいムードでわかりやすいドラマのほうがいい」「ラクな気持ちで見られる」といったコメントも寄せられていたが……。

「正義感が強く、周りを巻き込んででも諦めない性格の凜々子のキャラクターについては、『いくら2年目の新米とはいえ、ちょっと落ち着きがなさすぎでは?』『熱いのはいいけど、ドジだし、検事に向いてない』などと、否定的な声も少なくありません」(同)

 また、吉高は昨年1月クールに『東京タラレバ娘』(同)でも主演を務めたが、「『タラレバ娘』と同じ演技」という指摘も多く、「ギャーギャー騒いでるだけで、なんかバカっぽい」「吉高ってこんなに演技ヘタだったっけ? 検事みたいなお堅い役が合わないのかな?」と、違和感を覚える者も散見された。

「さらに、ストーリーが進むにつれて『堅苦しくなくて見やすいドラマだと思って安心してたけど、逆に薄っぺらい内容だな』『キャラクターの性格も、ドラマの展開もオチも全部予想通り』『ありきたりで、面白味に欠ける』『似たようなドラマ、たくさんあるよね? 既視感ありすぎて二番煎じどころじゃない』といった書き込みが続出し、『別に毎週見なくてもいいかな』とも言われています」(同)

 せっかく2ケタ発進できたものの、視聴率が安泰というワケではなさそうだ。

吉高由里子『正義のセ』、初回視聴率11.0%で2ケタ発進も「既視感すごい」と賛否

 吉高由里子主演の連続ドラマ『正義のセ』(日本テレビ系)第1話が4月11日に放送され、平均視聴率11.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区/以下同)を記録。2ケタ台スタートで幸先がいいかと思いきや、ネット上では「既視感ありすぎ」とガッカリされているようだ。

「阿川佐和子の同名小説シリーズを実写化した同ドラマは、主人公の新米検事・竹村凜々子(吉高)がつまずきながらも一生懸命に“正義”を貫く姿が描かれます。第1話では、大阪から横浜地方検察庁港南支部に異動してきた凜々子が、ある傷害事件を担当。建設会社に勤める向井俊哉(浅利陽介)は上司・恩田徹(石黒賢)から暴行を受けたとして被害届を提出するも、恩田やその部下・田中啓介(六角慎司)の証言と食い違う……という展開でした」(芸能ライター)

『正義のセ』が放送される日テレ系「水曜ドラマ」枠の前クールは、広瀬すず主演の『anone』で初回9.2%に終わった。独特かつ暗い雰囲気に馴染めない視聴者も多かったため、新たに始まった『正義のセ』を見たネットユーザーからは「やっぱりこういう明るいムードでわかりやすいドラマのほうがいい」「ラクな気持ちで見られる」といったコメントも寄せられていたが……。

「正義感が強く、周りを巻き込んででも諦めない性格の凜々子のキャラクターについては、『いくら2年目の新米とはいえ、ちょっと落ち着きがなさすぎでは?』『熱いのはいいけど、ドジだし、検事に向いてない』などと、否定的な声も少なくありません」(同)

 また、吉高は昨年1月クールに『東京タラレバ娘』(同)でも主演を務めたが、「『タラレバ娘』と同じ演技」という指摘も多く、「ギャーギャー騒いでるだけで、なんかバカっぽい」「吉高ってこんなに演技ヘタだったっけ? 検事みたいなお堅い役が合わないのかな?」と、違和感を覚える者も散見された。

「さらに、ストーリーが進むにつれて『堅苦しくなくて見やすいドラマだと思って安心してたけど、逆に薄っぺらい内容だな』『キャラクターの性格も、ドラマの展開もオチも全部予想通り』『ありきたりで、面白味に欠ける』『似たようなドラマ、たくさんあるよね? 既視感ありすぎて二番煎じどころじゃない』といった書き込みが続出し、『別に毎週見なくてもいいかな』とも言われています」(同)

 せっかく2ケタ発進できたものの、視聴率が安泰というワケではなさそうだ。