賛否呼ぶ、原作にも劇場版にもない現代パート!! 柿の木問答に興奮『この世界の片隅に』第1話

 こうの史代のベストセラーコミックを実写ドラマ化した日曜劇場『この世界の片隅に』(TBS系)が7月15日よりスタートしました。のんが声優として主演した劇場アニメ『この世界の片隅に』(2016)が単館系公開ながら興収27億円突破の異例のロングランヒットを記録しているだけに、話題性は充分。でもその分、実写版に抜擢されたキャスト陣に課せられたハードルの高さは相当なものがあります。3,000人を越える応募者の中からオーディションで選ばれた松本穂香演じる主人公すずは、果たして視聴者に受け入れられるのでしょうか? さっそく第1話を振り返ってみましょう。

 脚本の岡田惠和は、NHK朝ドラ『ちゅらさん』や『ひよっこ』などのハートウォーミングなヒロインもので知られています。また、主演の松本穂香は『あまちゃん』を見て女優を目指すようになり、『ひよっこ』のメガネ女子・澄子役で注目されました。共演にも『わろてんか』の松坂桃李、『カーネーション』の尾野真千子、『あまちゃん』『ひよっこ』の宮本信子……と朝ドラ経験者がそろっています。昭和初期の広島を舞台にした連ドラ版『この世界の片隅に』は日曜の夜9時ながら、朝ドラムードが濃厚に漂います。

 冒頭、榮倉奈々と古舘佑太郎(古舘伊知郎の息子)が現代の広島に現れ、原作&劇場アニメ版のファンを驚かせます。劇場アニメ版が原作原理主義だったのに対し、連ドラ版は思い切ったアレンジを加えますよというTBSサイドからの宣言のようです。この現代編については後述することにして、とりあえず本編に入っていきたいと思います。

 

■際立った個性のない松本穂香が見せたものとは……?

 まずはすずの少女時代のエピソードから。昭和9年(1934)、浦野家は広島市の海沿いの町・江波で海苔づくりをしており、すず(幼少期:新井美羽)は市の中心街にある得意先に海苔を届けに行くことになります。海苔は無事に届けたものの、絵を描くことが大好きなすずは広島市のランドマークである「産業奨励館」(後の原爆ドーム)の写生に夢中になり、人さらいに拉致されてしまいます。幼女にとっての超恐怖体験ですが、このときすずは運命の出逢いを果たします。もう一人、男の子(浅川大治)も拉致されており、すずは海苔を届けた駄賃で買ったキャラメルを男の子と分け合って味わうのでした。すずは、かなり呑気な女の子です。キャラメルに勇気づけられた男の子は人さらいのの隙を突いて、すずの手を引いて脱出に成功します。この男の子が、後にすずの婿になる周作です。キャラメルはすずと周作にとっての思い出の味として、今後も重要なツールとして使われることになりそうです。ここらへんの小道具の使い方は、岡田惠和の脚本と土井裕泰チーフディレクター(広島出身)の演出はなかなかです。

 その後、祖母・イト(宮本信子)の家で座敷わらしにスイカをあげたり、兄を海難事故で亡くした幼なじみの水原哲(村上虹郎)の代わりに海辺の景色を絵にしたりと、周囲の人たちをほんわかさせるすずの温かい人柄が描かれていきます。そして太平洋戦争真っただ中の昭和18年(1943)、すずは18歳に。祖母の家で海苔づくりを手伝っていたすずに、縁談話が舞い込んできます。すずが慌てて自宅に戻ると、呉から来た北條周作(松坂桃李)とその父(田口トモロヲ)がキャラメルをお土産にすずの帰宅を待っていました。すずは周作のことを覚えておらず、見ず知らずの男性から結婚を申し込まれたことに戸惑い、周作の前に顔を出せず仕舞いでした。でも、ガラス戸越しに覗き見した周作がイケメンだったので、まんざらでもないようです。戦時下で高価になったキャラメルを手に、にんまりするすずでした。

 すずの北條家への嫁入りが決まりました。父親・十郎(ドロンズ石本)からは庭のツゲの木で作った櫛を手渡されます。絵が描くことが大好きで、それまで無邪気な子どものように過ごしていたのに、明日からは姓も変わり、大人の女性として生きることになるのです。晩婚化が進む現代と、10代での嫁入りが珍しくなかった戦時中との価値観の大きな違いを感じさせます。「せんでもいい我慢はせんでもいいからね」と励ます母親・キセノ(仙道敦子)に、すずは「お母ちゃん、怖いよ。呉は遠いよ」と泣きすがります。お見合い結婚が普通で、見ず知らずの家に嫁ぐことが当たり前とされていた当時の女の子たちの揺れる心情が伝わってきます。久石譲の音楽も効果的に流れます。のんのような際立った個性は感じさせない松本穂香ですが、普通の女の子の気持ちを丁寧に演じたこのシーンあたりから、視聴者もすんなりと彼女を受け入れたのではないでしょうか。

■面識のない相手といきなり初夜を迎えるドキドキ感!

 呉への嫁入り日です。周作の家では、周作の姉・径子(尾野真千子)と隣りに住む幸子(伊藤沙莉)がすずに向かってガンを飛ばしてきます。周作を愛する彼女たちにしてみれば、まだ子どもっぽく色気もないすずに周作を奪われることは我慢なりません。尾野真千子の演技力は誰もが認めるところですし、連ドラ版のオリジナルキャラ・幸子役の伊藤沙莉は『ひよっこ』で演じた米子役で強烈なインパクトを残した若手実力派です。伊藤沙莉が主演した『獣道』(17)はインディーズ映画の大傑作です。これに遊女・白木リン(二階堂ふみ)を加えた女たちの周作をめぐるバトルが、連ドラ版『この世界の片隅に』の大きな見どころとなりそうです。

 仏前での祝言が終わり、すずは実の家族と別れ、いよいよ初夜を迎えることになります。周作からお風呂に入るようにいわれ、湯舟につかり身体を清めるすず。部屋にはすでに布団が並べてあります。ここで周作とすずの間に交わされるのが、「柿の木問答」と呼ばれるものです。明治時代や大正時代の農村部で、知り合ったばかりで会話もままならない新婚夫婦の間で行われた一種の通過儀礼です。「あんたの実家の庭には柿の木はあるか?」「はい、あります」「じゃあ、木に登って柿の実をもいでええか?」「はい、どうぞ」というやり取りが、かつての日本の新婚家庭では行われたそうです。柿の実をもぐ=セックス、という婉曲な言い回しにクラシカルなエロスを感じさせますね。広島県の一部では「柿の木問答」ではなく、「傘問答」が行われていたそうです。ドキドキしながらも、すずは祖母に習った「傘問答」の口上どおりに「新しい傘を持ってきました」と周作に告げるのでした。

 ところが、周作は「傘をさしてもええか」と問答どおりには返しません。すずが持ってきた傘を手にとって、縁側に吊るしてあった干し柿をたぐり寄せ、すずと一緒に干し柿を食べるのでした。すずは思わず拍子抜けしてしまいます。劇場アニメ版『この世界の片隅に』の片渕須直監督を公開時にインタビューする機会があったのですが、このときの周作のボケを、片渕監督は「嫁入りしたすずの緊張をほぐしてやろうという、普段は軽口を叩かない周作なりの優しさでしょう」と解説してくれました。なるほどねぇ。ちなみに周作役の松坂桃李は、今年公開された『孤狼の血』ですでに広島弁をマスターしており、R18映画『娼年』ではさまざまな女性たちの欲望を満たす高級男娼役を大熱演しています。そんな松坂桃李から「あんたと一緒に生きていきたいんじゃ」と耳元で囁かれて優しく唇を重ねられたら、どんな女性も昇天してしまうことでしょう。家の灯りが消えました。どうやら、すずは無事に初夜の営みを終えることができたようです。

 さて、冒頭に続いて第1話のエンディングは、再び現代編に。呉市の丘の上にすずさんが嫁いだ北條家を見つけ、無人化していたのをいいことに榮倉奈々は「私、決めた。ここで暮らす!」と宣言します。果たして榮倉奈々演じる佳代は、すずとはどんな関係なのでしょうか? 原作コミックにも劇場アニメ版にも現代編はないため、ネット上では「現代編はいらない」という声が上がっています。確かに戦時中のすずたちの暮らしに没入できた原作や劇場アニメ版に比べると、連ドラ版は現代編が挿入されることで感情移入度は下がってしまいます。ただし、原作や劇場アニメ版では終戦直後までのすずの姿しか描かれていなかったので、戦後の混乱期をすずがどう生き抜いたのか、すずのその後が知りたいという気持ちもあります。連ドラ版は、少しずつすずの足取りを追っていくことになりそうです。連ドラ版が成功するかどうかは、この現代編での「すずのその後」の描き方次第ということになるのではないでしょうか。

 広島をはじめ、西日本各地で多大な被害を出している集中豪雨直後の第1回放送でしたが、気になる視聴率は10.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。高視聴率ドラマを次々と生み出している日曜劇場の枠としては若干の物足りなさも感じさせますが、原作&劇場アニメ版のファンの期待は裏切っていない出来なので、しばらくはすずと嫁ぎ先の北條家との交流を楽しんで観ることができそうです。でも、物語の後半には高畑勲監督の名作アニメ『火垂るの墓』(1988)級の大惨事が待っています。劇場アニメ版同様に口コミで人気が広まっていくのか、そして視聴者は衝撃の展開に耐えられるのか。じっくり見守りたいと思います。
(文=長野辰次)

椎名桔平の苦言にドラマ界から大拍手! テレビ界の“リアリティーのなさ”が止まらない!?

 俳優の椎名桔平が10日放送の『巷(チマタ)の噺』(テレビ東京系)で、テレビ界における“規制強化”を嘆いた。

 番組ではタバコを吸うシーンがカットされたり、車を運転するシーンでは、凶悪犯の役でもシートベルト着用が当たり前になっていると説明。「リアリティーがなくなるのも困る」と嘆くと同時に、テレビ業界自体が「自主規制をしているのでは?」とも話した。

 人気俳優のまさかの告白に、ドラマ制作スタッフは「よく言ってくれたと思う」と拍手を送る一方で、「今はリアルかフィクションかの線引きができなくなった」と肩を落とす。

「例えば、少し前には『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(フジテレビ系)に代表されるような“不倫”を題材にしたドラマがブームになりましたが、あれも今は、企画会議の段階で通りにくくなっている。とういうのも、週刊誌などであまりにも不倫愛が報じられたこともあり、世間の不倫に対する見方が厳しくなった。また社会問題という点では、同様の理由で、セクハラ、パワハラのシーンも今後はカットされるでしょうね。とにかく一般社会と照らし合わせてみて、少しでもズレを感じさせるものやクレームが入りそうなものは、すべて排除というのが基本的な流れです」(同)

 社会的風刺が効いておらず、リアリティーのないドラマばかりを放送していては、視聴率が見込めないのは当然だろう。

椎名桔平の苦言にドラマ界から大拍手! テレビ界の“リアリティーのなさ”が止まらない!?

 俳優の椎名桔平が10日放送の『巷(チマタ)の噺』(テレビ東京系)で、テレビ界における“規制強化”を嘆いた。

 番組ではタバコを吸うシーンがカットされたり、車を運転するシーンでは、凶悪犯の役でもシートベルト着用が当たり前になっていると説明。「リアリティーがなくなるのも困る」と嘆くと同時に、テレビ業界自体が「自主規制をしているのでは?」とも話した。

 人気俳優のまさかの告白に、ドラマ制作スタッフは「よく言ってくれたと思う」と拍手を送る一方で、「今はリアルかフィクションかの線引きができなくなった」と肩を落とす。

「例えば、少し前には『昼顔〜平日午後3時の恋人たち〜』(フジテレビ系)に代表されるような“不倫”を題材にしたドラマがブームになりましたが、あれも今は、企画会議の段階で通りにくくなっている。とういうのも、週刊誌などであまりにも不倫愛が報じられたこともあり、世間の不倫に対する見方が厳しくなった。また社会問題という点では、同様の理由で、セクハラ、パワハラのシーンも今後はカットされるでしょうね。とにかく一般社会と照らし合わせてみて、少しでもズレを感じさせるものやクレームが入りそうなものは、すべて排除というのが基本的な流れです」(同)

 社会的風刺が効いておらず、リアリティーのないドラマばかりを放送していては、視聴率が見込めないのは当然だろう。

山崎賢人は“2.5次元俳優”!?『グッド・ドクター』で「中居正広以上ダスティン・ホフマン未満」の名演技を披露

 イケメン俳優・山崎賢人が、天才的な記憶力をもつサヴァン症候群の小児外科医役を演じるドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)の第1話が12日に放送され、平均視聴率11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。好スタートを切りました。

 東郷記念病院の病院長・司賀明(柄本明)は、不採算&人材不足が続く小児外科を建て直すべく、医大を首席で卒業した新堂湊(山崎)を新しいレジデント(専門領域の研修を行う後期研修医)として招くことを独断で決定。しかし、湊が自閉症だと知れ渡ると、他の医師たちからは倫理的判断能力の有無を問われ、反対論が湧き起こります。

 結局、6カ月の試用期間を設けることで議論は収束するのですが、小児外科主任の高山誠司(藤木直人)を筆頭に、湊は露骨に冷遇されてしまいます。

 そんな中、指導医の瀬戸夏美(上野樹里)に従い、横紋筋肉腫で入院中の少年・マサキの病室を訪れた湊は、再手術が必要であることを助言。しかし、再オペについては、頃合いを見計らって両親がマサキに説明する段取りになっていたため、湊の失言にマサキの母親が激怒する事態を招いてしまいます。

 この失態を夏美から咎められても、何が悪いのかさっぱり理解できない湊。早くもコミュニケーション能力に難があることが露呈してしまうのでした。

 そして後日、湊は再びマサキの病室を訪れるのですが、ここでマサキの病状が一変。すぐにでも手術しなければ急死してしまう。そう判断する湊ですが、主治医である小児外科長・間宮啓介(戸次重幸)は、接待ゴルフで不在。そうこうしているうちにマサキが意識を失ってしまい、湊は独断でオペ室へ搬送します。

 すると、この騒ぎを聞きつけた高山が、自分の患者とマサキの同時オペを決行。見事にどちらも成功させて命を救うのですが、マサキを勝手にオペ室へ運んだ湊に対して、「お前は医者失格だ。今回は運が良かっただけだ。運が悪かったら、2人とも死なせてた」と激怒。またもや、湊と他の外科医たちとの溝が深くなってしまうのでした。

 しかし、結果的に息子の命が助かったため、マサキの母親は湊のことを信頼するように。つらい抗がん剤治療にも耐えられるほどマサキは強い、と湊から太鼓判を押されたことで、再手術の必要があることを伝える決心をするのでした。

 その後、湊は夏美とともにホルモン焼き屋へ。医者を志したきっかけを訊かれ、「お兄ちゃんは大人になれませんでした。大人になれない子どもをなくしたいです。みんなみんな大人にしたいです」と、幼少期に兄を亡くしたことをニオわせつつ、今回は終了となりました。

 さて感想ですが、正直、このドラマにはまったく期待していませんでした。コミック実写化作品への主演が相次ぎ、半ば揶揄の意味を込めて、“2.5次元俳優”と称される山崎賢人が、サヴァン症候群患者という難しい役どころを演じるということで、「悲惨なことになるのでは?」という懸念しかありませんでした。

 しかし、山崎はいい意味で期待を裏切り、純粋無垢な湊像を作り上げ好演していたと思います。少なくとも、見ているこちらが気恥ずかしくなったり、チャンネルをすぐに変えたくなるような演技ではありませんでした。

 サヴァン症候群といえば、1988年公開の映画『レインマン』で、名優ダスティン・ホフマンが徹底した役作りを行い、アカデミー賞主演男優賞をはじめ各映画賞で軒並みタイトルを獲得する名演技を披露。その症例が知れ渡る大きなきっかけとなり、その後、多くの映画やドラマで題材に用いられるようになりました。

 日本でも中居正広が主演したドラマ『ATARU』(TBS系)などが知られていますが、山崎の演技は、バラエティ番組でのイメージが強いために若干コント感が感じられた中居よりも上、ダスティン未満といった印象。あくまでも個人的な意見ですけどね。

 これも自論ですが、サヴァン症候群をテーマに扱う場合、もしかしたら主役よりもむしろ、周囲の演者の方が高度な演技力を求められるのかもしれません。患者に対して最初は戸惑い、やがて受け入れる、という心情的な変化を表現しなければいけませんから。『レインマン』にしても、ダスティンの演技が光ったのは、最初は自己中心的な性格だったものの、行動を共にするうちに心が洗われていった、弟役のトム・クルーズの存在があったからこそだと思います。

 で、このドラマで山崎を支えるのは誰かというと、上野樹里に柄本明、藤木直人などといった演技派揃い。安心して見れました。今後、彼らが演じる医師たちにとって、病院内でのしがらみを一切気にせず、「目の前に苦しんでいる子どもがいたら、僕はすぐに助けたい」と語る湊は、自分たちの理想の姿や初心を映し出す鏡のような存在になっていくのかもしれませんね。湊を中心に、ドラマがどう展開していくのか非常に楽しみです。
(文=大羽鴨乃)

山崎賢人は“2.5次元俳優”!?『グッド・ドクター』で「中居正広以上ダスティン・ホフマン未満」の名演技を披露

 イケメン俳優・山崎賢人が、天才的な記憶力をもつサヴァン症候群の小児外科医役を演じるドラマ『グッド・ドクター』(フジテレビ系)の第1話が12日に放送され、平均視聴率11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。好スタートを切りました。

 東郷記念病院の病院長・司賀明(柄本明)は、不採算&人材不足が続く小児外科を建て直すべく、医大を首席で卒業した新堂湊(山崎)を新しいレジデント(専門領域の研修を行う後期研修医)として招くことを独断で決定。しかし、湊が自閉症だと知れ渡ると、他の医師たちからは倫理的判断能力の有無を問われ、反対論が湧き起こります。

 結局、6カ月の試用期間を設けることで議論は収束するのですが、小児外科主任の高山誠司(藤木直人)を筆頭に、湊は露骨に冷遇されてしまいます。

 そんな中、指導医の瀬戸夏美(上野樹里)に従い、横紋筋肉腫で入院中の少年・マサキの病室を訪れた湊は、再手術が必要であることを助言。しかし、再オペについては、頃合いを見計らって両親がマサキに説明する段取りになっていたため、湊の失言にマサキの母親が激怒する事態を招いてしまいます。

 この失態を夏美から咎められても、何が悪いのかさっぱり理解できない湊。早くもコミュニケーション能力に難があることが露呈してしまうのでした。

 そして後日、湊は再びマサキの病室を訪れるのですが、ここでマサキの病状が一変。すぐにでも手術しなければ急死してしまう。そう判断する湊ですが、主治医である小児外科長・間宮啓介(戸次重幸)は、接待ゴルフで不在。そうこうしているうちにマサキが意識を失ってしまい、湊は独断でオペ室へ搬送します。

 すると、この騒ぎを聞きつけた高山が、自分の患者とマサキの同時オペを決行。見事にどちらも成功させて命を救うのですが、マサキを勝手にオペ室へ運んだ湊に対して、「お前は医者失格だ。今回は運が良かっただけだ。運が悪かったら、2人とも死なせてた」と激怒。またもや、湊と他の外科医たちとの溝が深くなってしまうのでした。

 しかし、結果的に息子の命が助かったため、マサキの母親は湊のことを信頼するように。つらい抗がん剤治療にも耐えられるほどマサキは強い、と湊から太鼓判を押されたことで、再手術の必要があることを伝える決心をするのでした。

 その後、湊は夏美とともにホルモン焼き屋へ。医者を志したきっかけを訊かれ、「お兄ちゃんは大人になれませんでした。大人になれない子どもをなくしたいです。みんなみんな大人にしたいです」と、幼少期に兄を亡くしたことをニオわせつつ、今回は終了となりました。

 さて感想ですが、正直、このドラマにはまったく期待していませんでした。コミック実写化作品への主演が相次ぎ、半ば揶揄の意味を込めて、“2.5次元俳優”と称される山崎賢人が、サヴァン症候群患者という難しい役どころを演じるということで、「悲惨なことになるのでは?」という懸念しかありませんでした。

 しかし、山崎はいい意味で期待を裏切り、純粋無垢な湊像を作り上げ好演していたと思います。少なくとも、見ているこちらが気恥ずかしくなったり、チャンネルをすぐに変えたくなるような演技ではありませんでした。

 サヴァン症候群といえば、1988年公開の映画『レインマン』で、名優ダスティン・ホフマンが徹底した役作りを行い、アカデミー賞主演男優賞をはじめ各映画賞で軒並みタイトルを獲得する名演技を披露。その症例が知れ渡る大きなきっかけとなり、その後、多くの映画やドラマで題材に用いられるようになりました。

 日本でも中居正広が主演したドラマ『ATARU』(TBS系)などが知られていますが、山崎の演技は、バラエティ番組でのイメージが強いために若干コント感が感じられた中居よりも上、ダスティン未満といった印象。あくまでも個人的な意見ですけどね。

 これも自論ですが、サヴァン症候群をテーマに扱う場合、もしかしたら主役よりもむしろ、周囲の演者の方が高度な演技力を求められるのかもしれません。患者に対して最初は戸惑い、やがて受け入れる、という心情的な変化を表現しなければいけませんから。『レインマン』にしても、ダスティンの演技が光ったのは、最初は自己中心的な性格だったものの、行動を共にするうちに心が洗われていった、弟役のトム・クルーズの存在があったからこそだと思います。

 で、このドラマで山崎を支えるのは誰かというと、上野樹里に柄本明、藤木直人などといった演技派揃い。安心して見れました。今後、彼らが演じる医師たちにとって、病院内でのしがらみを一切気にせず、「目の前に苦しんでいる子どもがいたら、僕はすぐに助けたい」と語る湊は、自分たちの理想の姿や初心を映し出す鏡のような存在になっていくのかもしれませんね。湊を中心に、ドラマがどう展開していくのか非常に楽しみです。
(文=大羽鴨乃)

「身バレ・親バレ・彼氏バレ」ドルヲタが恐れる危機とは? ドラマ『婚外恋愛に似たもの』第3話

「リア充(リアルが充実している)」という言葉が使われ始めたのはいつ頃だったろう。

 おそらく、ネットの中で力を持ち始めた大型掲示板あたりが最初だと思うが、「自身はリア充ではない」と自認している人が、「リア充爆発しろ!」などと書き込みをするようになって、徐々に広まっていったのではないかと思われる。

 つまり、非リア充側が、リア充側を敵視する時の力が、大きな原動力となったのだろう。

 ここで考えてみたいのだが、“非リア充”という言葉には、二つの意味が内在している。一つは文字通り「今のリアルが充実していない」こと、そしてもう一つは「リアル以上に非リアル(妄想の世界)が充実している」ことだ。

 dTVで配信されている、栗山千明主演ドラマ『婚外恋愛に似たもの』第3話のメインキャストである売れっ子経営コンサルタント・隅谷雅(平井理央)は、完全に後者である。

 大物資産家の父のもとに生まれ、勉強も仕事も一番だった。見た目も申し分のない美人で、「この人がリア充じゃなかったら、いったい誰がリア充なんだ?」と思われるほどだろう。しかし、彼女はバリバリと仕事をこなす一方で、近づいてくる男に興味も示さず、ただひたすらに推しである「スノーホワイト」のチカちゃん(増子敦貴)を「自分の夫」と思い込み、日々応援に明け暮れているのだ。まさに“推しとの非リアルが現実を凌駕している状態”だろう。

 もちろん、男性ヲタ界隈でも、好きな女性アイドルを「俺の嫁」と呼んではばからず、家に帰れば彼女のポスターを見たり音楽を聴いたりして過ごす人は少なくない(本来の夫婦は、部屋に妻の写真を過剰に貼ったり彼女の歌を聴いたりはしないだろうが)。しかし、雅のように、リアリストな面と夢見がちな面を、自分の中で共存させている例は、さすがに珍しいだろう。

 今回、もう一点象徴的だったのは、いわゆるエリート(=仕事ができる)のドルヲタの存在である。

 アイドルの現場では、とにかく湯水のようにお金を落としていく人、通称“財閥ヲタ”が存在する。CDやグッズを買い占め、特典会では何回もループ(繰り返し並ぶこと)をし、地方での公演があれば、どこまででも追いかけていく。確かに、もともと家が裕福な人もいると思うが、話を聞いてみると、やはり会社である程度の役職についていたり、高収入であったりする人が多いのも実情だ。

 雅や財閥ヲタのように、何もかも恵まれている人がアイドルにハマるのには、どのような背景があるのだろうか。私はそこに、“お金では買えない存在に、お金をかければ近づくことができる”という心理が働いているように思う。

 そもそも、財閥ヲタは金持ちである。そして、今の日本において、お金で買えないものはほぼないだろう。そんな中で、“アイドル”と“彼(彼女)の心”は、お金ではとうてい手に入るものではないのだ。

 人間は欲深いとよく言われるが、まさにその通り。一通りのものが手に入れられる環境に置かれると、次に欲しくなるのは、“それでも手に入らないもの”なのだろう。アイドルにハマる財閥ヲタは、それを象徴した存在だと言える。

 雅は、それほどチカちゃんにハマっていながら、そのことを周囲にはひた隠しに隠している。個人でコンサルを営む彼女にとっては、世間の評判は大きくビジネスに影響するからだ。

 そんなある日、雅がドルヲタであることを公表する怪文書が、取引先の会社に次々と送られてくる。契約中止の連絡が相次ぎ、途方に暮れた雅であったが、美佐代(栗山千明)の助言により、その出どころを突き止めようとする。以前勤めていた会社に入り込み、犯人と思われる人を問い詰めてみると、今回の事件を指示したのはなんと、会長である、雅の父だった。

 いわゆる“親バレ”である。

 正確にリサーチしたわけではないが、ドルヲタの多くは、自身の趣味を親には隠しているケースが多い。実家で同居していれば、親に怪しまれ、カミングアウトすることもあるかもしれないが、離れて暮らしていれば、親バレするメリットはほぼ何一つない。

 雅のように、アイドルと“脳内結婚”し、現実で家庭を持つことにまったく興味を示さなければ、親としては子供の将来が心配でならないだろう。もちろん、親世代からすれば、ドルヲタというものが理解しにくい存在だということもある。私自身のことを考えてみても、テレビでドルヲタのドキュメンタリーなどが流れると、実家の親から電話があり「あんなふうにだけはならないように」と釘を刺されるのである。

 日本には昔から「知らぬが仏」ということわざがある。親に余計な心配をかけず、また、親から余計な干渉を受けずに済むのであれば、自分の趣味などというのは隠しておいたほうが幸せなのかもしれない。

 それはもちろん、リアルな世界での恋人やパートナー、ドラマの中で“息子バレ”をしてしまった昌子(江口のりこ)のように、多くの家族に知られてしまうことは、ドルヲタとして最も避けるべき危機のひとつなのである。

 そして、もう一つ、隠しておいた方がいい理由がある。人間にとって、楽しみというのは、密かであれば密かであるだけ、なんとも言えない甘美な魅力を放つものなのだ。仕事先にも、親にも、パートナーにも言えない。そんな“背徳感”を楽しむのもまた、アイドルの魅力であると思うのだ。

 次回、雅は、ドルヲタであることを世間に公表し、苦境に追い詰めた張本人である父親と対峙することになる。アイドルへの思いとプライドをかけて、父親とどのような対決をすることになるのだろう。多くのドルヲタが抱える問題のひとつの結論が出されるかもしれない。

(文=プレヤード)

■ドラマ『婚外恋愛に似たもの』
dTVにて毎週金曜日配信

『高嶺の花』石原さとみの下品すぎる役に「これじゃない」の声が殺到! 時代錯誤な内容で離脱者続出……

 石原さとみ主演ドラマ『高嶺の花』(日本テレビ系)の第1話が7月11日に放送され、初回平均視聴率は11.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 『高校教師』(TBS系)など、90年~2000年初頭にヒット作を次々と生み出した脚本家・野島伸司のオリジナル作品。さらに、主演が“なりたい顔NO.1”の石原さとみ、NHK朝ドラ『ひよっこ』で人気急上昇した峯田和伸が共演ということで注目度も高く、日テレも放送前の番宣に力を入れていただけあって、この視聴率は納得! ですが、肝心の内容は……。

 ではでは、簡単にあらすじから説明したいと思います。

■偶然出会った陽キャラ美女と陰キャラ野獣

 華道の名門「月島流」本家に生まれた令嬢で才色兼備の月島もも(石原さとみ)は、婚約者の吉池拓真(三浦貴大)との結婚が破談になり意気消沈となっていた。そんな中、気分転換に自転車に乗っていたところ、誤って自転車を大破させてしまい、近くの商店街にあった自転車店で修理を依頼。店主の風間直人(峯田和伸)に出会う。ももは、彼が周りから“ぷーさん”というニックネームで呼ばれ、愛されていること知り、彼のとこが気になりはじめ、行動を共にするように。ももは少しずつ心が癒やされていき……、というのが今回のストーリーでした。

■石原さとみはじめミスキャスティング多し!

 石原さとみといえば、これまで『失恋ショコラティエ』や『5→9〜私に恋したお坊さん〜』(ともにフジテレビ系)、直近では『アンナチュラル』(TBS系)など、かわいい女性役や知的な女性役が多く、それらで人気を博してきました。今回も『高嶺の花』というタイトル通り、可憐で知的な女性役だと思っていた視聴者がたくさんいたようですが、蓋を開けたら予想外すぎてびっくり。高嶺の花とはかけ離れた、容姿だけよくて、性格も態度も最悪な女だったんです。これには視聴者もショックが大きかったよう。「思っていたのと違う」「さとみにこんな役やって欲しくなかった」という声が殺到していました。

 多分、石原側としてはこの役でお嬢様女優を脱却したいと考えているのかもしれません。しかし、石原は映画『進撃の巨人』(2015)、『シン・ゴジラ』(16)やドラマ『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)などで、こういう気の強い役や品がない女性の役を過去にも演じたことがありましたが、不機嫌そうな顔を見せ、低い声でセリフを言うだけで、あまり演じ切れていなかった印象が強い。本人もこういう役はあまり得意じゃないのかもしれません。まだ1話ということであまり言いたくありませんが、“ミスキャスティング”だと感じました。

 また、ミスキャスティングだったといえば、まるでホストのような新進気鋭の華道家・宇都宮龍一役の千葉雄大もそのひとり。宇都宮の年齢は31歳との設定なんですが、まだ20歳前半の若者にしか見えない……。すごい違和感を持ちました。それに、すごく野心家で裏がある人物なんですが、これをかわいい千葉が演じると、説得力がない(笑)。ミスキャスティングの典型例ですよ。個人的には、こういう役は成田凌とか、年上すぎですが、オダギリジョーといった目が鋭くひげが似合う俳優が演じたほうがいいと思うんですよね~。

 それに、恋愛ドラマに“アパ不倫”報道で注目を浴びた袴田吉彦を脇役として起用するのも、30代~40代の女性層が嫌がりそうな予感……。

『これで本当にいいのか!? 日本テレビ!』と疑問を放送開始から持ってしまいました。

■時代錯誤の野島伸司には“もう地上波は無理”!?

 1話を見て強く思ったのが、説教じみたセリフが多く、悪い意味で野島イズムが健在であるというところ。過去の野島作品にもいえるのですが、野島氏が考える、こうあるべき姿を登場人物たちに長々としゃべらせるのです。同作では、ももが“男は元来、獣の性格を持っているから他人の子どもを食い殺す習性がある。だから子持ちと再婚しないほうがいい”という考えを長々と説教し、周りがそれに納得するんです。セリフとして脚本に書いたということは、この考えは野島氏の考えとみられても仕方がない。筆者、このセリフを聞いた瞬間にひどい嫌悪感に襲われ、「考えが偏ってる! これはないわ~」と思い、賛同する周りを見た瞬間に「誰か1人ぐらい反論するやつ入れろ!」と怒鳴ってしまいました。

 結構昔、野島氏脚本で『リップスティック』(フジテレビ系)という広末涼子主演の鑑別所を舞台にしたドラマがあったのですが、その中で、鑑別所教官の三上博史が収容生の母親に『子どもを産んだら女をやめろ!』と罵倒していたシーンを見て、『えっ? と言うことは結婚して子ども産んだら、何があっても離婚できないということ?』『夫と離婚や死別したシングルマザーは恋できないの? 1人で子ども育てろってこと?』と、子どもながらに考えたことを思い出しました。きっと、野島氏は保守的な考えの方なのでしょう。時代錯誤な考えをまだお持ちで、それを同作でも入れてくるとは、本当に残念です。

 また、もうひとつ強く思ったのが、セリフが古臭く寒い。一番それが色濃く出たのが、結婚が破談になった理由を明かしたももを、直人は「喜怒哀楽」という四字熟語を使って励まそうとするシーン。「愛していたら憎まない、憎めないんです。あなたのように。愛があるから」とまるで金八先生のような取ってつけたようなセリフをいい、ももを「あなたはいい女だ」と助言。さらに周りもその言葉に同調して「めちゃくちゃいい女だよ」「さっきの子どもの考え方も正義感強くて!」というんです。元婚約者にまとわり付いて接近禁止令が出ているももに……。「説得力ねぇ~(笑)。何言ってんだ? こいつら」って感じで、寒い! 悪寒が襲ってくるほど寒いです!

 こんな寒くて古臭いセリフを今後も続けられると思うと、最悪としかいいようがありません。野島氏はもう少し、現代日本を知ったほうがいいのではないでしょうか?

■ストーリーのテンポの悪さに離脱者続出!

 番宣で「伏線がいっぱいある」と石原が言っており、その部分を楽しみにみていたのですが、伏線の前に、話の内容が意味不明。華道家と自転車屋の恋なのに、直人が引きこもりの少年を預かるシーンが出てきたり、その子に自転車で日本1周に出ることを促したりと意味のないシーンが出てきて、一体何が言いたいのかわからない……。視聴者は何とか、同作の概要だけでもつかもうとしているようで、ネット掲示板ではいろいろと補足情報が飛び交う状態になっていました(笑)。

 また、いろいろ内容を入れすぎて、肝心のメインストーリー部分のテンポの悪さに困惑する人も出ており、早々に「つまらない!」「面白くない!」と離脱する人が続出。さらに、「今週は最後まで見たけど、来週以降は見ない」という人もたくさんいる状態。もしかしたら同作で高視聴率を出すのが“高嶺の花”なのかもしれません!

 以上、1話のレビューでした。

 貶してばかりですが、石原の妹・なな役の芳根京子は、本当にかわいく、役柄に合っている感じがしました。離脱者が続出しており先行き不安ですが、2話で持ち返すことに期待し、放送を待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

『高嶺の花』石原さとみの下品すぎる役に「これじゃない」の声が殺到! 時代錯誤な内容で離脱者続出……

 石原さとみ主演ドラマ『高嶺の花』(日本テレビ系)の第1話が7月11日に放送され、初回平均視聴率は11.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 『高校教師』(TBS系)など、90年~2000年初頭にヒット作を次々と生み出した脚本家・野島伸司のオリジナル作品。さらに、主演が“なりたい顔NO.1”の石原さとみ、NHK朝ドラ『ひよっこ』で人気急上昇した峯田和伸が共演ということで注目度も高く、日テレも放送前の番宣に力を入れていただけあって、この視聴率は納得! ですが、肝心の内容は……。

 ではでは、簡単にあらすじから説明したいと思います。

■偶然出会った陽キャラ美女と陰キャラ野獣

 華道の名門「月島流」本家に生まれた令嬢で才色兼備の月島もも(石原さとみ)は、婚約者の吉池拓真(三浦貴大)との結婚が破談になり意気消沈となっていた。そんな中、気分転換に自転車に乗っていたところ、誤って自転車を大破させてしまい、近くの商店街にあった自転車店で修理を依頼。店主の風間直人(峯田和伸)に出会う。ももは、彼が周りから“ぷーさん”というニックネームで呼ばれ、愛されていること知り、彼のとこが気になりはじめ、行動を共にするように。ももは少しずつ心が癒やされていき……、というのが今回のストーリーでした。

■石原さとみはじめミスキャスティング多し!

 石原さとみといえば、これまで『失恋ショコラティエ』や『5→9〜私に恋したお坊さん〜』(ともにフジテレビ系)、直近では『アンナチュラル』(TBS系)など、かわいい女性役や知的な女性役が多く、それらで人気を博してきました。今回も『高嶺の花』というタイトル通り、可憐で知的な女性役だと思っていた視聴者がたくさんいたようですが、蓋を開けたら予想外すぎてびっくり。高嶺の花とはかけ離れた、容姿だけよくて、性格も態度も最悪な女だったんです。これには視聴者もショックが大きかったよう。「思っていたのと違う」「さとみにこんな役やって欲しくなかった」という声が殺到していました。

 多分、石原側としてはこの役でお嬢様女優を脱却したいと考えているのかもしれません。しかし、石原は映画『進撃の巨人』(2015)、『シン・ゴジラ』(16)やドラマ『地味にスゴイ! 校閲ガール・河野悦子』(日本テレビ系)などで、こういう気の強い役や品がない女性の役を過去にも演じたことがありましたが、不機嫌そうな顔を見せ、低い声でセリフを言うだけで、あまり演じ切れていなかった印象が強い。本人もこういう役はあまり得意じゃないのかもしれません。まだ1話ということであまり言いたくありませんが、“ミスキャスティング”だと感じました。

 また、ミスキャスティングだったといえば、まるでホストのような新進気鋭の華道家・宇都宮龍一役の千葉雄大もそのひとり。宇都宮の年齢は31歳との設定なんですが、まだ20歳前半の若者にしか見えない……。すごい違和感を持ちました。それに、すごく野心家で裏がある人物なんですが、これをかわいい千葉が演じると、説得力がない(笑)。ミスキャスティングの典型例ですよ。個人的には、こういう役は成田凌とか、年上すぎですが、オダギリジョーといった目が鋭くひげが似合う俳優が演じたほうがいいと思うんですよね~。

 それに、恋愛ドラマに“アパ不倫”報道で注目を浴びた袴田吉彦を脇役として起用するのも、30代~40代の女性層が嫌がりそうな予感……。

『これで本当にいいのか!? 日本テレビ!』と疑問を放送開始から持ってしまいました。

■時代錯誤の野島伸司には“もう地上波は無理”!?

 1話を見て強く思ったのが、説教じみたセリフが多く、悪い意味で野島イズムが健在であるというところ。過去の野島作品にもいえるのですが、野島氏が考える、こうあるべき姿を登場人物たちに長々としゃべらせるのです。同作では、ももが“男は元来、獣の性格を持っているから他人の子どもを食い殺す習性がある。だから子持ちと再婚しないほうがいい”という考えを長々と説教し、周りがそれに納得するんです。セリフとして脚本に書いたということは、この考えは野島氏の考えとみられても仕方がない。筆者、このセリフを聞いた瞬間にひどい嫌悪感に襲われ、「考えが偏ってる! これはないわ~」と思い、賛同する周りを見た瞬間に「誰か1人ぐらい反論するやつ入れろ!」と怒鳴ってしまいました。

 結構昔、野島氏脚本で『リップスティック』(フジテレビ系)という広末涼子主演の鑑別所を舞台にしたドラマがあったのですが、その中で、鑑別所教官の三上博史が収容生の母親に『子どもを産んだら女をやめろ!』と罵倒していたシーンを見て、『えっ? と言うことは結婚して子ども産んだら、何があっても離婚できないということ?』『夫と離婚や死別したシングルマザーは恋できないの? 1人で子ども育てろってこと?』と、子どもながらに考えたことを思い出しました。きっと、野島氏は保守的な考えの方なのでしょう。時代錯誤な考えをまだお持ちで、それを同作でも入れてくるとは、本当に残念です。

 また、もうひとつ強く思ったのが、セリフが古臭く寒い。一番それが色濃く出たのが、結婚が破談になった理由を明かしたももを、直人は「喜怒哀楽」という四字熟語を使って励まそうとするシーン。「愛していたら憎まない、憎めないんです。あなたのように。愛があるから」とまるで金八先生のような取ってつけたようなセリフをいい、ももを「あなたはいい女だ」と助言。さらに周りもその言葉に同調して「めちゃくちゃいい女だよ」「さっきの子どもの考え方も正義感強くて!」というんです。元婚約者にまとわり付いて接近禁止令が出ているももに……。「説得力ねぇ~(笑)。何言ってんだ? こいつら」って感じで、寒い! 悪寒が襲ってくるほど寒いです!

 こんな寒くて古臭いセリフを今後も続けられると思うと、最悪としかいいようがありません。野島氏はもう少し、現代日本を知ったほうがいいのではないでしょうか?

■ストーリーのテンポの悪さに離脱者続出!

 番宣で「伏線がいっぱいある」と石原が言っており、その部分を楽しみにみていたのですが、伏線の前に、話の内容が意味不明。華道家と自転車屋の恋なのに、直人が引きこもりの少年を預かるシーンが出てきたり、その子に自転車で日本1周に出ることを促したりと意味のないシーンが出てきて、一体何が言いたいのかわからない……。視聴者は何とか、同作の概要だけでもつかもうとしているようで、ネット掲示板ではいろいろと補足情報が飛び交う状態になっていました(笑)。

 また、いろいろ内容を入れすぎて、肝心のメインストーリー部分のテンポの悪さに困惑する人も出ており、早々に「つまらない!」「面白くない!」と離脱する人が続出。さらに、「今週は最後まで見たけど、来週以降は見ない」という人もたくさんいる状態。もしかしたら同作で高視聴率を出すのが“高嶺の花”なのかもしれません!

 以上、1話のレビューでした。

 貶してばかりですが、石原の妹・なな役の芳根京子は、本当にかわいく、役柄に合っている感じがしました。離脱者が続出しており先行き不安ですが、2話で持ち返すことに期待し、放送を待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

『義母と娘のブルース』“できる女”綾瀬はるかの子どもへの言動が冷酷すぎ! 距離を縮める作戦が児童虐待レベル!?

 綾瀬はるか主演ドラマ『義母と娘のブルース』(TBS系)の第1話が7月10日に放送され、初回平均視聴率は11.5%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録しました。

 TBSの火曜10時枠といえば、『逃げるは恥だが役に立つ』『あなたのことはそれほど』『カンナさーん!』『花のち晴れ〜花男 Next Season〜』といった人気ドラマを生み出しているだけに、注目度も高め。

 スタッフは、『世界の中心で、愛をさけぶ』『JIN-仁-』『とんび』(すべてTBS系)などでタッグを組みヒット作を次々に生み出してきた平川雄一朗氏と森下佳子氏のコンビ。そこにこのコンビ作品の常連である綾瀬や佐藤健を加え、さらに竹野内豊を呼んできて……。豪華な俳優陣にスタッフぞろいで、“高視聴率狙い”見え見え(笑)。他局にはない、TBSのヤル気を感じます。

 では早速、第1話のあらすじを簡単に説明します。

■堅物キャリアウーマンが義母になる!

 業界トップシェアを誇る金属会社・光友金属の営業部長を務めるキャリアウーマンの岩木亜希子(綾瀬)は、妻をなくした宮本良一 (竹野内)との結婚を決意。しかし、良一の娘・みゆき (横溝菜帆)に嫌われてしまい、結婚に踏み切れず。良一とともに何とか好かれようと努力するも空振りばかり……。

 ある日、みゆきが同級生の黒田大樹(大智)からいじめられている姿を目撃してしまった亜希子。悲しむみゆきに亜希子は「どうしていじめるのかを聞いて、ちゃんと和解をしなさい」と助言し、みゆきは嫌がりながらも亜希子の助言に従い大樹に問う。すると、大樹は「ごめん。もういじめない」と謝罪し、仲直り。これがきっかけでみゆきは、亜希子が義母になることを認め、新しい家族の一員として宮本家に迎え入れたのだった、というのが今回のストーリーでした。

■“できる女”設定をぶっ壊す追加シーン!

 ぶんか社刊行の同名マンガが原作。キャリアウーマンの亜希子が夫や義理の娘相手に、仕事で培ったノウハウを使い、体当たりで主婦になっていくという、笑いあり涙ありの四コママンガです。かなりストーリーのテンポが速く、2巻で完結のため、放送前は「連ドラは無理じゃない?」とおもったのですが、ドラマオリジナルのシーンが追加されており、大丈夫といった様子。

 しかし、第1話を見ていたところ、この追加シーンに問題を感じました。

 原作では、仕事はできるが、子どもの気持ちを読むのと家事が一切ダメというところが亜希子の面白さだったのですが、アスレチック施設で亜希子がみゆきとの距離を縮めようとするドラマオリジナルシーンによって、それが消えてしまうのです。

 というのも、結構恐いアスレチックに亜希子とみゆきがチャレンジするのですが、そのときの亜希子の服装がスーツにパンプスというビジネススタイルなのです。仕事のできるキャリアウーマンであれば、アスレチック施設に行くのだから着ている服とは別にジャージとスニーカーは用意するはずです。また、この恐いアスレチックは、同じ空間でともに恐怖を感じると仲良くなるという「吊り橋効果」を利用するために乗るのですが、この「吊り橋効果」は見知らぬ女性には通用しないといわれている上、効果が発揮されてもすぐ解けるという話もあります。キャリアウーマンなら絶対デメリットも調べるはず。それなのにメリット部分だけで突き進むから、「本当にこの人キャリアウーマンなの?」と疑いの目を持ってしまいました……。

■“無駄遣い”と思わせて最後に回収が上手!

 ここまで、追加シーンについてさんざん文句を言ってきましたが、追加部分がうまく活きているところもちゃんとありました。

 佐藤健演じる麦田章なのですが、原作ではみゆきが高校生になってから登場するパン屋の兄ちゃんで、今後のストーリーに関わってくる重要人物。それなのに、第1話から登場し、それも“バイク便の兄ちゃん”という設定になっていて驚愕(まあ、高校生役じゃなかったのは良かったんですがね)。「え!? めちゃくちゃ重要人物なのに! この後のストーリーどうすんの!?」と動揺しました。その上、第1話で出番がすごい少ない……。「これじゃ、健の無駄遣いじゃん~」と思っていたのですが、最後に麦田ベーカリーという店の前で章が立つシーンを加えたことで安心。むしろ、原作のように急に登場するよりも、ドラマの方がいいと感じました。

 また、亜希子の腹絵シーン。これも、アスレチック施設に行く前日に部下である田口朝正(浅利陽介)に手伝ってもらい仕込むのですが、いろいろあって当日披露できず。「え!? ここで披露しなかったら、ただ単に綾瀬はるかの腹を見せられただけかよ! エロくもなんともないよ!」と激怒に近い感情を持ってしまったのですが、これもちゃんと最後にみゆきの前で披露し、書き損・腹見せ損とはならず。原作でも腹絵シーンはあるのですが、家の中で家族に見せるだけ。それよりは学童保育でみゆきだけじゃなく周りの児童にも見せて笑わせるという方が面白い。これはドラマ版の方が「さすが、うまいな~!」と感心しました。

■亜希子のみゆきへの行動が虐待レベル!?

 なかなか、亜希子のことを義母として認めず、再婚を許さないみゆきに対し、何とか自分を認めてもらおうとする亜希子。そんな中、アスレチック施設で偶然を装い、みゆきと2人きりになるのですが、そのシーンでの言動が脅し。その場から逃げようとするみゆきに、「園内のトイレは18個。下手に動くと迷子になりますよ」と言ったり、行列に亜希子と並んでいたとこ、気まずさから逃げ出そうとするみゆきに「抜けたら並び直しになりますよ」と言い放ったりと、言動が実に厳しいんです。キャリアウーマンという感じを出したいんでしょうが、厳しい表情で感情の内声でこんなことを言われたら、みゆきがかわいそうです。言葉の圧力も虐待ですよ。

 その上、大人でも恐いと思っちゃうアスレチックにチャレンジさせるも、みゆきは失敗。空中で吊られてしまいその恐怖から粗相しちゃうという……。ドラマオリジナルシーンなのですが、その内容に児童虐待に近いものを感じてしまいました。絶対トラウマになりますよ、これ! 児童相談所に電話してもいいレベルですよ。また、そのフォローを大人は誰もしないという……。その辺のアフターケア部分も描いて欲しかったです。

 いろいろと述べてきましたが、綾瀬や佐藤、竹野内、子役など、出演者の演技は実にうまく、申し分ありません。2話以降も十分期待できそうな予感。来週も楽しみに待ちましょう!

(どらまっ子KOROちゃん)

石原さとみ『高嶺の花』の恋人役・峯田和伸に「男同士で××」の“黒歴史”中学時代

 7月クールの注目ドラマの1つが、石原さとみ主演の『高嶺の花』(日本テレビ系)。同作で石原の恋人役を演じるのが、ロックバンド「銀杏BOYZ」の峯田和伸だが、峯田は、石原が聞いたらドン引き間違いなしの突飛な経験の持ち主だ。

 恋愛ドラマの名手・野島伸司が手がける『高嶺の花』は、美貌、キャリア、財力、家柄を備えた「月島もも」(石原)が、自転車店店主の平凡な男性と恋に落ちるというストーリーだ。恋人役の峯田は、銀杏BOYZで活動するかたわら、俳優としても活躍。昨年放送のNHKの朝ドラ『ひよっこ』で、有村架純演じるヒロインの叔父を好演したばかりだが、そんな彼が幾度となく披露しているエピソードが、中学時代の強烈な体験だ。音楽ライターが語る。

「峯田がブログでも書き残しており、インタビューや対談などでもたびたび披露しているのが、中学生時代の“鎖”というエピソードです。これは、性に目覚めた峯田が、同級生の男子の友人の家に集まり、『フェラチオって気持ちいいのかな』という言葉を合図に、男子同士でフェラチオし合ったというもの。鎖のように、上から見るとちょうど円の形になった状態で、無心でお互いのチンコを舐めたことを『人間の鎖だった』と表現しています。しかもそれは1回だけでなく、しばらく続けたそうです。今では朝ドラに出るようになった峯田ですが、かつてはステージで全裸になるのが“お決まり”で、幾度となく警察のお世話になっているロック界きっての問題児。そんな彼が石原さとみの恋人役ですから、時代の移り変わりを感じますね……」

 中学生男子が性欲を持て余すのは珍しいことではないが、男同士で“実践”するとは。石原さとみファンとしては、せめてキスシーンがないことを祈るだけ!?