<p> ギャルは消えてもギャルマインドは永遠に不滅だ。90年代に一世を風靡したギャルは、当事者たちの姿こそ街中で見なくなったが、文化やコンテンツとしていまだに根強く人々に支持されている。</p>
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障がい者の婚活事情 受け入れる結婚相談所は少なく、特に男性が厳しい現実
結婚相談NPO理事長・影山頼央氏
2016年3月、週刊誌に不倫をスクープされた乙武洋匡氏。6月に別居状態であることが報じられた際、ネット上では、「献身的に介護もしてくれている奥さんを裏切るなんて」といった批判的な意見も多数見られた。騒ぎが大きくなったのは、乙武氏の知名度や衆議院出馬のうわさも原因と考えられるが、「障がい者の不倫」であることが注目を集め、それを強調した報道が多かったのは事実だ。「障害者差別解消法」が4月に施行されたものの、まだまだ世間では、障がい者と健常者の結婚には好奇の目が向けられている。
そこで、障がい者向けのプランを用意している結婚相談所「ブライダルサポーター」を運営する、結婚相談NPOの理事長・影山頼央氏に、障がい者の結婚事情について話を聞いた。
■男性障がい者の婚活は、特に厳しい
――まず、障がい者といっても、人によっていろいろな障がいがありますが、ブライダルサポーターに来られる方々の障がいには、何か傾向があるのでしょうか?
影山頼央氏(以下、影山) 当方に来られる障がい者の方々は、本当にまちまちですね。相談所を始めた初期の頃には発達障がいの方が多かったですが、今は聴覚障がいや視覚障がい、精神障がいなど、各種障がいをお持ちの方が満遍なく相談に来られています。私たちは、障がい者の方の受け入れを表明している以外は、ごく普通の結婚相談所なのですが、現在の健常者と障がい者の相談の比率は大体8:2となります。
――障がい者の相談は、全体の2割ですか。割と多いように感じますが、何か要因があるのでしょうか?
影山 当方に連絡を下さる障がい者さまは、わらにもすがるといったご様子です。「ブライダルサポーターがなくなると、行くところがない」との声もいただきますが、実際に障がい者を受け入れる結婚相談所は非常に少ないのが現状なんです。
結婚相談所に行って「障がい者だから」と直接拒否されることはめったにないのですが、所得や職業といった「入会条件」で落とされてしまうんです。そうなると、職場や友人からの紹介といった狭い範囲での婚活、もしくは、ネットの掲示板などを通じて結婚相手を探すことになりますが、匿名掲示板のため、詐欺やいたずらに遭うなど、高いリスクに晒されてしまうことになります。つまり障がい者にとっては、婚活を始めるにも、非常に高いハードルがあるのです。
――では、入会できたとして、あとは一般の方と同様に順調に婚活が進むのでしょうか?
影山 健常者の方と同様に、人それぞれの部分はありますが、いくつかハードルがあります。例えば、障がいに対する無知です。「障がいがあってもよい」とおっしゃっていた人が、実際に相手の障がい者に会って拒否することもあります。そうなると障がい者の方も傷つきますから、お見合いをする前に当方で確認し、障がいについて、詳細にではなくとも、ある程度具体的に触れておくことを推奨しています。
もう一つ例を挙げますと、男女比についてです。障がいの種類によっては遺伝学上、例えば聴覚障がいなど男性の比率が非常に高いものがあるとお聞きしています。つまり障がい者全体では男性の方が人数が多いため、障がい者同士だと男性が余ってしまうんです。さらに別の問題がありまして、健常者の女性で障がい者と結婚してもよいと言われる方が、非常に少ないんです。男性健常者は、障がいがあっても問題ないと話される方や、障がい者の相手がよいと言われる方もおられるのですが、女性ではめったにいらっしゃいません。なので、男性の障がい者の婚活は、特に厳しいのが現実なのです。
■障がい者でも、偏見で拒絶する人は多い
「ブライダルサポーター」のHP
――健常者と障がい者のカップリングについては課題が多いようですが、障がい者同士ではどうなのでしょうか?
影山 実は当方では、障がい者同士の成婚が、まだ1件もないのです。障がい者と健常者の成婚は数件あるのですが、障がい者同士となると、さらに難しいのが現状です。障がい者の方は、健常者の結婚相手を求めることが非常に多いのです。それには、障がいを持っていて、現在でも生活を送るのすら困難なのに、障がい者同士で結婚してもプラスになるとは思えないことが理由にあります。要は、「お互いの足を引っ張ってしまう」と考えているんです。確かに相性の悪い障がいというものは存在しています。例えば、視覚障がいと聴覚障がいの方々です。視覚障がい者は相手の手話を読むことができませんし、逆に聴覚障がい者は相手の言葉が聞こえず、コミュニケーションが非常に困難なのです。ですが私は、障がいをお互いに補い合うこともできますし、協力して克服することも可能だと信じています。
また朗報がありまして、障がい者同士で結婚が成立しそうなカップルはいるんです。ですから、障がい者同士の結婚についての最大の問題は、自分とは別の障がい種別に対しての理解がないことなんだと考えています。障がい者の方は、自身のハンディキャップを克服する必要があるため、余裕がないのが原因だと思いますが、相談を受けた際に「私は視覚障がいがあるのですが、精神障がいの方は無理です。何をするかわからないので、怖いんです」と言われたこともあります。これは極端な例になりますが、偏見で拒絶される方が、健常者と同様に障がい者でも多いのです。ですから障がい者の方々には、婚活を行うのでしたら、自身と異なる障がい種別についても広く知っていただくことをお勧めしています。そして、この障がいならば助け合えるかもと、一度自分で考えてみていただきたいです。せっかく婚活を行うのですから、相手に会う前に自ら間口を狭めるのは、もったいないと思います。
――今後の取り組みについて聞かせてください。
影山 お話ししたように、障がい者が入会できる結婚相談所は、非常に少ないです。そして当方の相談所でも、実はこの部門は赤字となっており、どこもそれが理由だと思います。ですが、やめるつもりはありません。結婚したい人は誰でも利用できる結婚相談所を作ろうという決意から始めたので、初心の「門前払いしない」という考えをやめてしまっては、相談所を運営している意味がないんです。一歩ずつ手探りですが、良い環境を整えて黒字化し、当方とは別に障がい者の相談できる新たな結婚相談所も生まれるよう、結果を出していきたいと考えています。
新しい取り組みとしては、誰にも相談内容を聞かれたくないという要望をかなえるために、個室で話せるよう新しい事務所を開設しました。また、車いすなどで移動が難しい方からの相談をお受けしたり、外出しなくてもお見合いができる、モニター越しに対面できるビデオチャットのようなシステムの構築を行っています。少しずつでも改善を行い、入会者の皆様により良い提案を提供できるように、これからも活動を続けていくつもりです。
(三好洋輝)
・結婚相談NPO「ブライダルサポーター」
障がい者の婚活事情 受け入れる結婚相談所は少なく、特に男性が厳しい現実
結婚相談NPO理事長・影山頼央氏
2016年3月、週刊誌に不倫をスクープされた乙武洋匡氏。6月に別居状態であることが報じられた際、ネット上では、「献身的に介護もしてくれている奥さんを裏切るなんて」といった批判的な意見も多数見られた。騒ぎが大きくなったのは、乙武氏の知名度や衆議院出馬のうわさも原因と考えられるが、「障がい者の不倫」であることが注目を集め、それを強調した報道が多かったのは事実だ。「障害者差別解消法」が4月に施行されたものの、まだまだ世間では、障がい者と健常者の結婚には好奇の目が向けられている。
そこで、障がい者向けのプランを用意している結婚相談所「ブライダルサポーター」を運営する、結婚相談NPOの理事長・影山頼央氏に、障がい者の結婚事情について話を聞いた。
■男性障がい者の婚活は、特に厳しい
――まず、障がい者といっても、人によっていろいろな障がいがありますが、ブライダルサポーターに来られる方々の障がいには、何か傾向があるのでしょうか?
影山頼央氏(以下、影山) 当方に来られる障がい者の方々は、本当にまちまちですね。相談所を始めた初期の頃には発達障がいの方が多かったですが、今は聴覚障がいや視覚障がい、精神障がいなど、各種障がいをお持ちの方が満遍なく相談に来られています。私たちは、障がい者の方の受け入れを表明している以外は、ごく普通の結婚相談所なのですが、現在の健常者と障がい者の相談の比率は大体8:2となります。
――障がい者の相談は、全体の2割ですか。割と多いように感じますが、何か要因があるのでしょうか?
影山 当方に連絡を下さる障がい者さまは、わらにもすがるといったご様子です。「ブライダルサポーターがなくなると、行くところがない」との声もいただきますが、実際に障がい者を受け入れる結婚相談所は非常に少ないのが現状なんです。
結婚相談所に行って「障がい者だから」と直接拒否されることはめったにないのですが、所得や職業といった「入会条件」で落とされてしまうんです。そうなると、職場や友人からの紹介といった狭い範囲での婚活、もしくは、ネットの掲示板などを通じて結婚相手を探すことになりますが、匿名掲示板のため、詐欺やいたずらに遭うなど、高いリスクに晒されてしまうことになります。つまり障がい者にとっては、婚活を始めるにも、非常に高いハードルがあるのです。
――では、入会できたとして、あとは一般の方と同様に順調に婚活が進むのでしょうか?
影山 健常者の方と同様に、人それぞれの部分はありますが、いくつかハードルがあります。例えば、障がいに対する無知です。「障がいがあってもよい」とおっしゃっていた人が、実際に相手の障がい者に会って拒否することもあります。そうなると障がい者の方も傷つきますから、お見合いをする前に当方で確認し、障がいについて、詳細にではなくとも、ある程度具体的に触れておくことを推奨しています。
もう一つ例を挙げますと、男女比についてです。障がいの種類によっては遺伝学上、例えば聴覚障がいなど男性の比率が非常に高いものがあるとお聞きしています。つまり障がい者全体では男性の方が人数が多いため、障がい者同士だと男性が余ってしまうんです。さらに別の問題がありまして、健常者の女性で障がい者と結婚してもよいと言われる方が、非常に少ないんです。男性健常者は、障がいがあっても問題ないと話される方や、障がい者の相手がよいと言われる方もおられるのですが、女性ではめったにいらっしゃいません。なので、男性の障がい者の婚活は、特に厳しいのが現実なのです。
■障がい者でも、偏見で拒絶する人は多い
「ブライダルサポーター」のHP
――健常者と障がい者のカップリングについては課題が多いようですが、障がい者同士ではどうなのでしょうか?
影山 実は当方では、障がい者同士の成婚が、まだ1件もないのです。障がい者と健常者の成婚は数件あるのですが、障がい者同士となると、さらに難しいのが現状です。障がい者の方は、健常者の結婚相手を求めることが非常に多いのです。それには、障がいを持っていて、現在でも生活を送るのすら困難なのに、障がい者同士で結婚してもプラスになるとは思えないことが理由にあります。要は、「お互いの足を引っ張ってしまう」と考えているんです。確かに相性の悪い障がいというものは存在しています。例えば、視覚障がいと聴覚障がいの方々です。視覚障がい者は相手の手話を読むことができませんし、逆に聴覚障がい者は相手の言葉が聞こえず、コミュニケーションが非常に困難なのです。ですが私は、障がいをお互いに補い合うこともできますし、協力して克服することも可能だと信じています。
また朗報がありまして、障がい者同士で結婚が成立しそうなカップルはいるんです。ですから、障がい者同士の結婚についての最大の問題は、自分とは別の障がい種別に対しての理解がないことなんだと考えています。障がい者の方は、自身のハンディキャップを克服する必要があるため、余裕がないのが原因だと思いますが、相談を受けた際に「私は視覚障がいがあるのですが、精神障がいの方は無理です。何をするかわからないので、怖いんです」と言われたこともあります。これは極端な例になりますが、偏見で拒絶される方が、健常者と同様に障がい者でも多いのです。ですから障がい者の方々には、婚活を行うのでしたら、自身と異なる障がい種別についても広く知っていただくことをお勧めしています。そして、この障がいならば助け合えるかもと、一度自分で考えてみていただきたいです。せっかく婚活を行うのですから、相手に会う前に自ら間口を狭めるのは、もったいないと思います。
――今後の取り組みについて聞かせてください。
影山 お話ししたように、障がい者が入会できる結婚相談所は、非常に少ないです。そして当方の相談所でも、実はこの部門は赤字となっており、どこもそれが理由だと思います。ですが、やめるつもりはありません。結婚したい人は誰でも利用できる結婚相談所を作ろうという決意から始めたので、初心の「門前払いしない」という考えをやめてしまっては、相談所を運営している意味がないんです。一歩ずつ手探りですが、良い環境を整えて黒字化し、当方とは別に障がい者の相談できる新たな結婚相談所も生まれるよう、結果を出していきたいと考えています。
新しい取り組みとしては、誰にも相談内容を聞かれたくないという要望をかなえるために、個室で話せるよう新しい事務所を開設しました。また、車いすなどで移動が難しい方からの相談をお受けしたり、外出しなくてもお見合いができる、モニター越しに対面できるビデオチャットのようなシステムの構築を行っています。少しずつでも改善を行い、入会者の皆様により良い提案を提供できるように、これからも活動を続けていくつもりです。
(三好洋輝)
・結婚相談NPO「ブライダルサポーター」
「忍者部屋やキッチン完備」「海外旅行者の観光地化」――日本の性愛空間“ラブホテル”はいま
<p> 恋人たちが“こっそり”と愛を育む場ラブホテル。1960年代、アメリカの「モーテル」が日本に輸入され、自動車のまま入る=人目に触れることなく入館できるという新しい宿泊施設のスタイルが確立、70年代には、「ラブホテル」という呼び方が一般的となり、その後、一般の旅館やホテルとは違う、テーマパーク的な趣向を凝らしたラブホテルが全国に広まった。</p>
富士見市の事件はベビーシッターではない 子どもを安全に預けるために知っておくべきこと
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ホモフォビアの裏に潜む 「自分が性の対象になるかもしれない」という危機感
Photo by torbakhopper from Flickr
■人間はよくわからないものを排除しようとする
――強いホモフォビア(同性愛嫌悪)を抱く人の中には、自分も同性愛者であるケースが少なくないようですね。倒錯的な感じがしますが、あり得る話ですか?
Tomy氏(以下、Tomy) それは十分あり得る話です。当事者によるフォビアはわりとある現象なんです。自分がそうであるからこそ許せないっていうのは結構あること。ただ、だからといって殺そうというところまでいかないですよね。そこに宗教的なことや、認めがたい環境があるということは想像できます。
――ホモフォビアは宗教的な背景を持っているケースと、「気持ち悪い」とか「抵抗感がある」という感覚的なケースがあるということですが、では同性愛について「なんとなく生理的に気持ち悪い」という感情はなぜ出てきてしまうのでしょうか?
Tomy 考えられることは2つあります。1つは、「一般的に無知なものに対して人は警戒する」ということ。人間には、よくわからないものは排除しようとする性質があります。それは本能的に正しいことなので、よくわからないものに関しては、とりあえず遠ざけたほうが安全であることが多いわけです。だから、「とりあえずちょっと気持ち悪い」とか、「ちょっと距離を置こう」というのは自然な反応なんです。
もう1つは、自分が同性愛に興味があって、でも抑圧している場合、認めたくないから気持ち悪いっていう人がいます。
――興味があるのに、それを否定してしまうのは、なぜなのでしょう?
Tomy ちょっと興味があるからこそ、不安になるんですよね。これは、世間体を気にしたうえでの不安とはまた少し別の話で、人間は本当の気持ちを認めて不安定になるのが嫌で、自分の気持ちを“いろいろ加工する”という作業を本能的に行うことがあるんです。
ちょっとニュアンスが違うかもしれませんが、好きな異性に対していじわるをしたくなるという感情に近いかもしれません。興味があるがゆえに敏感になってしまう。だから、自分は無関係だという主張をしたくて逆に強く否定してしまうわけです。
こうした作用は「防衛機制」といわれるのですが、やり方はいろいろあって、そのひとつに「否認」があります。その気持ちがあることを認めないという、最もわかりやすい単純な防衛機制のひとつです。
ただ、自分にとって都合の悪い話でなければ、否定する必要はないわけです。しかし、同性愛という性的指向を受け入れてしまうと自分が不安定になる、さらにそれが宗教の教義などで「悪」だと深く思想に刷り込まれている場合、ハードなフォビアにさいなまれてしまうということにつながってしまうのです。
■自分が性の対象になるかもしれないという不安感がホモフォビアに発展
――他に不安定な感情を引き起こす理由は、何か考えられますか?
Tomy 自分が恋愛対象にされてしまうんじゃないかと感じるときですね。たとえば、男性同性愛者の場合は女性より男性の方が、ホモフォビアが強い傾向にあると思います。女性的な感覚だと男性同性愛者っていう存在を認めてもなんにもリスクがない。むしろ女性の場合は興味深かったり、近づいてみたりすることもあるわけで親和性が高いです。逆に女性の場合は、むしろ、男友達がゲイだってわかったら、男女間にある緊張感から解放されますよね。しかし、男性にとっては自分が性の対象になるかもしれないという危機なので、割と過剰に反応する人が多いですね。女性にしてみればあまり不安な感覚にならないので、「気持ち悪い」というのは男性側が発する言葉なんです。
――自分が同性愛者かもしれないというより、同性愛者の恋愛対象になるかもしれないということでしょうか?
Tomy そうです。よく起きるのが、ストレートの友達にカミングアウトしたら、「俺はそういうの興味ないから」と、告白したわけでもないのに否定されるという展開。先に防衛線を張られてしまって、気まずくなってしまう。カミングアウトされた側は自分の存在が脅かされるというか、自分に不安定な要素が入ってくるということがなければ、わざわざ否定しなくてもいいことですからね。
大抵の人にとっては、他者の性的指向なんてどうでもいいことなんですよ。同性愛だって存在するなら認めればいいじゃん、という話で済むわけです。そこであえて拒絶したり気持ち悪いという感情が芽生えたりするということは、どうでもよくはないということなんです。その存在を認めると自分にリスクがおよんでしまう、だから拒絶したほうがリスクから身を守れるとなんとなく考えて反射的に「興味ないとか」「気持ち悪い」と言ってしまうわけです。
――身近な人のカミングアウトをきっかけに、強く嫌悪感を持ってしまうことはあるんですか?
Tomy ゼロではないと思います。つまり自分の存在に関係性が生じてくると反発も強くなるわけです。別に同性愛者がいたっていいんじゃないっていう話であれば問題ないわけです。でも、自分たちが危機感を抱くようになると、反発って生まれるようになるんですね。これは宗教や民族の対立にも当てはまることで、別に多様性を認めたっていいんだけど、その人たちの存在を認めると、自分たちの存在が危なくなるってときに、だいたい反発や対立が起こるものです。
だから、同性愛者の存在は認められても、同性婚を法制化すると反対が起こるというのは、それを認めてしまうと、社会性とか全体の流れが変わってしまってちょっと困ってしまうという危機感を感じている人たちいるということ。あまりにもスタンダードなものが変わってしまう流れになると、今までの制度の中で安心していた人が不安を感じる。その瞬間に反発が生まれるんです。
――そういう意味では、伝統的な家族のかたちが定着している日本で、同性婚が認められるまでの道のりはまだまだ遠そうですね。その一方で、同性愛者も生きやすい社会を作っていこうという動きは増していると思います。今後こういうふうに変わっていくと暮らしやすいんじゃないかというアイデアがあれば教えてください。
Tomy 同性愛をオープンにしている人とか、オープンにした方が生きやすいという人たちがいますよね。そういう人たちがオープンにしやすい環境をつくってあげることは大事です。ただ、クローズにしたいという人もいて、カミングアウトするかしないかというのは、どちらの方がいいっていう話ではないと思います。
でも、オープンにしたいと思ったときに、オープンしにくいっていうのはよくないので、カミングアウトされたとしても「ああそうなの」くらいに普通に受け止められる人が増えることが望ましいですよね。そのためにも、まずはいろいろな性的指向を持つ人と接してみて、交流を持つのがいいのではないでしょうか。
(末吉陽子)
Tomy(トミー)
精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務する。オカマキャラで相談に乗るブログ「ゲイの精神科医 Tomyのお悩み相談室」が注目を集めている。著書に『アンタたち治るわよ!』(講談社)『おネエ精神科医のウラ診察室』(セブン&アイ出版)など。
同性愛者は守ってもらわないと命に関わる恐れがある ホモフォビアが生まれる背景
精神科医のTomyさん(似顔絵)
一橋大学法科大学院に通っていた男子学生Aさん(当時25)が、2015年8月に校舎6階から転落死した。ゲイであるAさんは、同級生の男性BさんにLINEで恋愛感情を持っていることを伝えたが、それをBさんが同級生に暴露。ショックを受けたAさんは心療内科を受診していたというが、転落死した当日には学校でパニック障害の発作を起こし、学内の保健センターで休養している。
これを受けて遺族は、秘密を暴露した同級生や、Aさんの症状などを知りつつも対策を講じなかったとして大学を提訴。訴訟の第1回口頭弁論が今年8月5日、東京地裁で開かれた。
Aさんは法科大学院の同級生たちが同性愛者を「生理的に受け付けない」などと話しているのを聞いていたと報道されている。この裁判では、性的指向や性自認を暴露する行動「アウティング」が問題となっているが、Bさんをはじめとする同級生たちの「ホモフォビア(同性愛嫌悪)」がAさんを追い詰めた可能性は、はたしてゼロだといえるだろうか。
世界を見渡せば、6月12日には米国フロリダ州・オーランドの同性愛者が集まるクラブで銃乱射事件が発生。49人の死者と53人の負傷者を出した銃撃事件を起こした犯人の男はIS(イスラム国)に忠誠を誓っていたが、明らかに同性愛者をターゲットにしていたことから、根底にはホモフォビアがあったと考えられている。
では、このホモフォビアとは、どのような感情から派生したものなのだろうか。その正体を知ることは、同性愛者への偏見・差別感情を解消する一助になるはずだ。自身もゲイであることをカミングアウトしている精神科医のTomy氏に話を聞いた。
■アメリカでは同性愛者は守ってもらわないと命に関わる恐れがある
――ホモフォビアというのは、何を契機に芽生える感情なのでしょうか?
Tomy氏(以下、Tomy) まず、「フォビア」つまり「嫌悪」という現象は、おそらく宗教的なベースがあるかないかで、だいぶ違ってくると思います。もし、同性愛をはじめとする特定の指向が罪であるとされている宗教で育った場合と、そうした概念がない場合では、偏見のレベルは大きく違ってくると思います。
――宗教が偏見を強めている可能性があるということでしょうか?
Tomy たとえば、一部の宗教では、そもそも同性愛自体が犯罪であるという扱いを受けることがありますね。存在してはいけないと思っている。そうした教条を信じる人が抱くホモフォビアと、なんとなく「気持ちが悪い」とか「抵抗がある」という人のそれとでは、偏見に対しての、ある意味でいう“モチベーション”がまったく違ってくるはずです。
――なるほど。日本でホモフォビアに端を発する重大事件をあまり聞かないのは、そうした“モチベーション”の違いがあるとも考えられますか?
Tomy そうだと思います。たとえば日本の場合、ヒソヒソと陰口を言うことはあるかもしれませんが、「存在を抹消しよう」という発想までには至らないことが多いですよね。しかし、他国では「存在そのものが罪である」とか「消さなきゃならない」レベルのホモフォビアが根付いているケースもあります。
さらにいえば、アメリカでは同性愛者の人権を求める動きが活発ですが、日本の場合にはそうした動きはもともとあまりありません。というのも、アメリカでなぜそうした権利が制度化されたり法律的に認められたりする必要があるかといえば、権利を主張して守ってもらわないと、犯罪に巻き込まれるとか、殺されるかもしれないという不安が根底にあるからです。
たとえば、カリフォルニア州でカミングアウトした同性愛者として、初めて議員になったハーヴェイ・ミルクも暗殺されてしまいましたが、こうした事例にみるホモフォビアは「気持ちが悪い」というレベルを超えていて、同性愛者は守ってもらわないと命に関わる恐れがあるわけです。
■日本は同性愛を認める文化があった
――ホモフォビアのレベルが深刻だからこそ、より強く権利を主張するという相互作用があるということですね。それでは、日本はそこまで深刻ではないと思われますか?
Tomy 日本って、歴史からみても同性愛を認める文化がありましたよね。というより、あまり気にしないっていうか……「なんか気持ち悪いかもしれないけど、別にいっか」っていう。だからアングラではあるけれど、それでなんら不自由を感じなかったので当事者も何か主張をしようという流れがあまりなかったように思います。最近になって、アメリカなどで同性婚が法律によって認められてきた流れをうけて、国内でもそうした権利を認めてほしいという声があがりはじめたっていうのが現状ではないでしょうか。
――いわゆる過渡期にあたるということでしょうか?
Tomy そうですね。あと以前に比べると同性愛者たちを見かける機会が増えていますよね。たとえば私が子どもの頃は、そういう人たちは東京の新宿にしかいないと思っていたくらい。だから身近にいるという認識がなかったんです。今はメディアにもたくさん出てきているし、身近な存在であるという認識が高まってきていていますよね。その中でカミングアウトもさらっとできちゃう風土がだんだんとでき上がってきている印象です。当たり前にいる、特別じゃないという理解がだんだん増えてきたので、殺されたりとか、そうした不安感はないにせよ、やっぱり法律で認められていた方がいいんじゃないかという、緩やかな土壌の中での権利主張が出てきたんじゃないかなと思います。
(末吉陽子)
(後編につづく)
Tomy(トミー)
精神科病院勤務を経て、現在はクリニックに常勤医として勤務する。オカマキャラで相談に乗るブログ「ゲイの精神科医 Tomyのお悩み相談室」が注目を集めている。著書に『アンタたち治るわよ!』(講談社)『おネエ精神科医のウラ診察室』(セブン&アイ出版)など。
「風俗を浮気と思わないでほしい」3万人と経験したAV女優のセックス観
<p> 自らの欲望を最優先するヤリマンの中にあっても、飛び抜けた経験人数を持つ有奈めぐみ。前編ではライフストーリーを綴ったが、後編では具体的に彼女のセックス観を探ってゆきたい。それがわかりやすいのは、“ソープランドでは働けなかった”というエピソードだ。彼女いわく、セックス(本番)を仕事にすることだけは受け付けなかったという。</p>
「風俗を浮気と思わないでほしい」3万人と経験したAV女優のセックス観
<p> 自らの欲望を最優先するヤリマンの中にあっても、飛び抜けた経験人数を持つ有奈めぐみ。前編ではライフストーリーを綴ったが、後編では具体的に彼女のセックス観を探ってゆきたい。それがわかりやすいのは、“ソープランドでは働けなかった”というエピソードだ。彼女いわく、セックス(本番)を仕事にすることだけは受け付けなかったという。</p>




