
『はいたい七葉』公式サイト
さまざまな地方都市をアニメの舞台にすることで、聖地巡礼するアニメファンを観光客として呼び込む「ご当地アニメ」が認知されるようになって久しいが、それをさらに一歩推し進めた「ご当地アニメ」が今秋スタートする。
それが、10月6日より放送開始予定の『はいたい七葉(ななふぁ)』だ。
主人公の三姉妹が、かわいらしいキジムナーやシーサーの精霊と交流する中で不思議な騒動が巻き起こるという本作。監督に『NARUTO』シリーズの多くのエピソードで演出を手がけている木村寛、キャラクターデザインに『もえたん』シリーズのキャラクター原案のPOPなどが起用され、一見して多くの全国区アニメと大差がないように見えるが、キャストはほとんど沖縄県出身で、放送局も琉球朝日放送(QAB)のみ。現地での放送が終了する2013年からは、全国・海外での展開も計画されているという。
本作の総合プロデュースを手がけるのは、沖縄のローカルヒーロー『琉神マブヤー』を生み出した南西産業の畠中敏成社長だ。『マブヤー』は現在、地元・沖縄ではシーズン4まで番組を放送。全国各地でも、U局系列を中心にシーズン3までが放送されているほか、劇場版も昨年10月に沖縄で先行上映された後、今年1月には全国上映されるなどヒットコンテンツへと成長した。
『はいたい七葉』は登場する14人のキャラクターにそれぞれスポンサーを付ける優先キャラクター契約を募集している。現在、劇場版が公開中の『TIGER & BUNNY』でも注目を集めたプロダクトプレイスメントを積極的に取り入れ、作品を通じての広告収入も視野に入れているようだ。
ローカルヒーローとしては、異例の大ヒットを記録した『琉神マブヤー』に続いて、畠中社長は今度は萌えアニメで全国制覇を狙う。
本作のほかにも、近年、地方で企画・制作された「ご当地アニメ」がじわじわと現れつつある。例えば、佐賀県発のセル&クレイアニメ『河童五代目』は、クリエイターと地元学生のコラボレーション企画として誕生。現在第2シーズンまで制作され、海外展開もしている。
また「魅力発信!埼玉県観光アニメ制作事業」と称して、アニメを活用した県の観光資源PRを推進する埼玉県は、「アニメど埼玉」というサイトを立ち上げ、県在住のクリエイターや一般公募によって選ばれた声優を起用した作品を多数公開している。日常系アニメのオムニバス『The Four Seasons』や、美少女巫女の活躍を描く『観光大戦SAITAMA』などを見れば、地上波で放送されているアニメに見劣りしない作品の完成度に驚くことだろう。
特に3人の女子高校生が県のPRムービーを撮影する『埼玉高校放送部』は、出色の出来である。テンポのいい女子トークが繰り広げられ、思わず「もっと見たい!」と思わされること必至。声優は一般公募ということで若干棒くさいところもあるが、それが逆に味になっていると言えなくもない。『らき☆すた』で町興しを成功させた鷲宮という前例があるだけに、そのガチっぷりはほかの地方発「ご当地アニメ」の追随を許さない。さすがである。
これまで、首都圏から発信される作品が中心であった「ご当地アニメ」だが、今後は地方発信の「ご当地アニメ」も増えてくるのではないだろうか。人件費や制作に必要なコストなど、アニメ制作をする上でクリアしなければならないハードルは低くはないだろうが、より地方の魅力をふんだんに取り入れた上で「面白いアニメ」(ここが重要!)が生まれてくれることを願うばかりだ。
(文=龍崎珠樹)
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【第21回】まるで電波少年!? 『ココロコネクト』ドッキリ事件が業界を巻き込み大炎上中!
【第20回】新ジャンル? 「不憫萌え」の女王・高垣彩陽の演技が光る話題作『ソードアート・オンライン』
【第19回】「売りスレ」では計測不能!? アニメDVDの売り上げを陰で支えるレンタル市場
【第18回】「求められるのは声優ソングばかり……」表舞台を追われたアニソン歌手の現在
【第17回】美少女たちが追いつめられる姿にゾクゾク!? リアル系ロボットアニメ『トータル・イクリプス』
【第16回】夏アニメの穴馬!? “いわく付き”SNSゲームアニメ『探検ドリランド』に熱視線
【第15回】 キーワードはホモソーシャルな描写!? 今夏は「乙女ゲーム原作アニメ」が熱い!
【第14回】「まるで90年代の夕方6時枠アニメ!?」『モーレツ宇宙海賊』の大器晩成ぶり
【第13回】もはや“声優アイドルフェス”!? アニソン重鎮不在の「アニサマ2012」に不安の声
【第12回】「期待外れ?」「これぞ京アニ?」 賛否両論『氷菓』の本当の見どころ
【第11回】「燃え上がれ、俺の小宇宙よ!」前作ファンもニヤリ『聖闘士星矢Ω』
【第10回】「見たかったのはコレジャナイ!?」声優アイドルアニメ『夏色キセキ』に早くも黄色信号
【第9回】大コケの『機動戦士ガンダムAGE』を徹底検証! 求められる新たな「ガンダム像」とは?
【第8回】アニメ業界の新トレンド!? “分割2クール作品”急増の裏事情
【第7回】ついに世代交代!? 若手アイドル声優が続々歌手デビュー
【第6回】AKB48 vs 声優アイドルユニット アニメ界もついにアイドル戦国時代突入か!?
【第5回】一流アニメファンなら女児向け作品もチェックせよ!? 『スマイルプリキュア!』
【第4回】過激なピンク描写が男子の下半身を直撃!『アマガミSS+ plus』
【第3回】今クール話題の学園モノを徹底分析!『男子高校生の日常』『Another』
【第2回】ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』
【第1回】水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!
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まるで電波少年!? 『ココロコネクト』ドッキリ事件が業界を巻き込み大炎上中!

『ココロコネクト』公式サイトより
「ドッキリ」というと、古くから存在するバラエティ番組の演出の一つである。仕掛け人やスタッフが事情を知らないターゲットのタレントに対して、ウソの番組企画やいたずらを仕掛けて、そのリアクションを視聴者が楽しむという「ドッキリ」は、タレントの素の表情やリアクションが飛び出し、予測不能の笑いを生むことから、バラエティ番組の定番企画となっている。
しかし、ドッキリを仕掛けられることでタレントのイメージが崩れることや、ドッキリ企画を受けた事務所やテレビ局とタレントの関係が悪化することも少なくないことから、近年はイジられてナンボのお笑いタレントが、そのターゲットとなることが多い。つまり「ドッキリ」はリスキーな企画でもあるのだ。
そんな「ドッキリ」に安易に手を出してしまい、ファンのみならずアニメ業界を巻き込む大炎上を引き起こしてしまったのが、アニメ『ココロコネクト』(TOKYO MXほか)である。
7月からスタートした『ココロコネクト』は、人間関係に重大な影響を及ぼす超常現象に巻き込まれた高校生の男女5人の姿を描く、日常系SF。人気ライトノベルのアニメ化作品ということで放送前から注目を集めていた話題作であった。しかし、6月24日に開催された第1話先行上映会で番組スタッフが一丸となって用意したドッキリ企画が、今になって大きな問題を呼んでいる。
このイベントは出演声優のほかに、シークレットゲストとして声優・市来光弘が出演。「アニメのオリジナル企画がある」と聞かされていた彼は、てっきり「アニメのオリジナルキャラ」を演じることが発表されると思っていたのだが、事態は思わぬ方向に。突然「宣伝部長」に任命され、『ココロコネクト』公式Twitterアカウントのフォロワーを2万人以上にすること、そして、キャンペーンカーに乗って全国各地に赴き、プロモーション活動することを命じられたのだ(当然、アニメ本編への出演はない)。
実はこの企画、オーディション段階からの仕込みだったらしく、現場ではオーディション会場で必死に演技をする市来の姿も上映された。オーディションを受けた上でイベントに呼ばれた市来は本気で「アニメに出演できるもの」と信じていた模様で、ショックのあまりその場で崩れ落ちてしまうも、その姿に他の出演者やスタッフは爆笑。その意味では「ドッキリ大成功」だったといえるだろう。
しかし、その後、市来は周囲のスタッフや同業者に、ダマされた怒りと屈辱を何度も吐露。先輩声優・杉田智和や今井麻美のラジオ番組に出演した際には、彼らから同情とともに慰めの言葉をかけられ、特に杉田に関しては「俺がやられたら、その場の人間の顔全員覚えて帰る」と、『ココロコネクト』スタッフに対して怒りをあらわにする始末。そのほか、事態を知った業界関係者がこの「事件」について、Twitterで続々と発言。その大半が市来を擁護するものであったが、中には放送作家・稲葉央明氏のように「イジメやタチの悪いイジリやハラスメント以外の何ものでもないと思う」とスタッフを断罪するコメントも。現在この件に関して、関係者および発売元のキングレコードは一切の沈黙を貫いてはいるが、日増しに周囲の批判の声は大きくなるばかり。
今回の企画に関わった関係者は、この事態をどう沈静化させるつもりなのだろうか。なお、この炎上を受けて制作会社シルバーリンク代表取締役・金子逸人氏は「市来さんは14話から出演が決定しております」「これは企画当時より決定しておりました」とTwitter上で発言するも、直後に削除。現場の混乱具合がうかがえる。
ちなみにこの炎上事件の発端となったのが、主題歌を歌うユニットeufoniusのコンポーザー・菊地創氏がTwitter上で、歌手の桃井はるこに暴言を吐いたという事件だ。この一件をきっかけに、菊地氏の過去の問題発言がアニメファンによって発掘され、そこから今回のドッキリ企画についての発言も発見。そこから芋づる式に、関係者の発言や先述の市来のツイートも発掘されたというわけである。
くしくもアニメ本編のように、現実世界でも人間関係に大きな問題を発生させてしまった『ココロコネクト』。願わくば、物語のようにハッピーエンドになってほしいものである。
(文=龍崎珠樹)
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【第20回】新ジャンル? 「不憫萌え」の女王・高垣彩陽の演技が光る話題作『ソードアート・オンライン』
【第19回】「売りスレ」では計測不能!? アニメDVDの売り上げを陰で支えるレンタル市場
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【第8回】アニメ業界の新トレンド!? “分割2クール作品”急増の裏事情
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新ジャンル? 「不憫萌え」の女王・高垣彩陽の演技が光る話題作『ソードアート・オンライン』

『ソードアート・オンライン』公式サイトより
多くの声優が活躍する百花繚乱のアニメ業界だが、その中でもひときわ光を放っている声優が高垣彩陽だ。誤解を恐れずにいうなら、彼女こそ、現在の若手声優の中で最も「不憫な役が似合う声優」である。
普段は気丈に振る舞っているが、その気の強さゆえに本心をさらけ出すことができず、つらいことがあっても周りに気を使って「大丈夫だよ」と無理に笑顔を作って言ってしまう。そんなナイーブで優しいけれど、なぜか報われないキャラクターを演じさせれば彼女の右に出る者はいない。これまでに彼女が演じた役を振り返っても、『機動戦士ガンダム00』のフェルト・グレイス、『みつどもえ』の丸井みつば、『Fate/Zero』のシャーレイ、『機動戦士ガンダムAGE』のデシル・ガレットなど、男女問わず、なぜかハズレくじを引いてしまう不憫なキャラクターが非常に印象深かったりする。
そんな彼女ならではの不憫萌え演技が炸裂したのが、今クールの話題作『ソードアート・オンライン』第7話「心の温度」である。
この作品で高垣が演じるのは、架空のオンラインRPGの世界で鍛冶屋を営む少女・リズベットだ。ゲーム世界に囚われてしまったプレイヤーのために武器を作ることを生業としている彼女は、主人公・キリトとともに強力な武器の素材を手に入れるためにドラゴンの巣に挑む。当初はキリトに対してツンツンしていたリズベットだが、道中でのやりとりやドラゴンとのバトルを通じてキリトに惹かれていく。そして、キリトに「好きだ」と告白したり(ただし、大事な時に肝心のセリフが聞き取れないという、定番の逆地獄耳が発動しキリトには伝わらず)、「専属のスミス(鍛冶職人)にしてくれ」とお願いしたりと、リズベットは熱烈なアプローチを繰り出すも、親友のアスナがキリトといい雰囲気であることを察知。「そうか」と納得した彼女は、無理に笑顔を作って「悪い人じゃないわね。応援するわ」とあえておどけてその場から去ってしまうも、外で泣いているところをキリトに発見されてしまう。
自身の恋心に気付いたそばから早々に身を引いてしまうことになるわけだが、ここで高垣による不憫力がいかんなく発揮される。「大丈夫」と涙をこらえつつ気丈に振る舞うリズベットの健気な姿を見ていると、「全然大丈夫じゃないじゃん!」と思わず抱きしめたくなること請け合いである。不憫かわいいよ、リズベット。
このように、決して報われることのないかわいそうなキャラクターを多く演じている印象の強い高垣だが、それでもキャラクターに卑屈さや必要以上の暗さを感じさせないのは彼女の演技力もさることながら、自身の性格的な部分によるところも多いのだろう。参加する声優ユニット・スフィアのコンサートでは、小さい体をフルに使って力強いパフォーマンスを見せ、PVなどではクルクルと表情を変えて我々を楽しませてくれる。
暗いニュースに意気消沈しがちな今日この頃の日本だが、そんな時代だからこそ、どんな状況でも明るく振る舞う彼女のような存在にファンも癒やされているのかもしれない。そして、そんな彼女だからこそ、どんなに不憫なシチュエーションでも決して屈することのないキャラクターを演じることが可能なのだろう。まるでパンドラの箱の底に残っていた最後の希望のような存在である高垣彩陽こそ、「不憫萌えの女王」なのだ。
さて今後のリズベットだが、原作ではこのエピソード以降もイチャイチャぶりを見せ付けるキリトとアスナの脇で不憫キャラを貫くということで、高垣の演技にも期待大である。
(文=龍崎珠樹)
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【第19回】「売りスレ」では計測不能!? アニメDVDの売り上げを陰で支えるレンタル市場
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「売りスレ」では計測不能!? アニメDVDの売り上げを陰で支えるレンタル市場

※イメージ画像
今回は、一部の業界では当たり前のことだが、意外と知られていないパッケージ商品の売り上げに関する話をしよう。
ここ最近、ネット上でアニメ関連の情報を収集していると、しばしば見かけるのが「覇権アニメ」というワードである。これは「最も売れた新作アニメ」を指すワードであり、「年間覇権」は一年間を通して最も売れたアニメ、「クール覇権」は各クールで最も売れた、そのクールを代表するアニメという感じで使用される。
もともと、ネット掲示板にある「売りスレ」と呼ばれる「アニメDVDの売り上げデータを収集・分析し、それをネタに雑談をする」ことが趣旨のスレッドから発祥したワードらしく、当初は「天下」「ベスト」などさまざまな類義語が存在していたところ、2010年、テレビアニメ『俺の妹がこんなに可愛いわけがない』のネット番組配信中に、アニプレックス広報の高橋祐馬氏が、「このアニメで秋の覇権を握りますよ」と発言したことから現在の「覇権」というワードに統一されたという経緯がある。
くだんの「売りスレ」では、アマゾンランキングやオリコンチャート、映画の興行収入。また、視聴率や話題性、ネット掲示板のスレッド数など、さまざまな要素を踏まえた分析が行われており、業界関係者も密かにチェックしているとかいないとか。2011年には『IS』のヒロインを元ネタにしたマスコットキャラ「モッピー」が誕生し某漫画でネタにされるなど、現在アニメを語る上で無視することのできない存在となりつつあるのだ。
そんな非常に優秀なデータ収集力を持つリサーチャーが集う「売りスレ」だが、そこでどうしても集めることのできないデータがあるのはご存じだろうか? それは「レンタル商品の数字」である。
通常、一般流通に流されるセル商品とTSUTAYA、GEOなどに代表されるレンタルショップに流されるレンタル商品は別物となっており、レンタル商品が各店舗に卸される数は非公開となっている。そのため、現在の「売りスレ」では、全国に数千店舗存在するレンタルショップに卸されるレンタル商品の売り上げ枚数は計上されていないのだ。また、「売りスレ」では、「○○制作のアニメは毎回売り上げ枚数が少ない。資金は回収できているのか」といった会話が飛び出すこともあるのだが、レンタル商品の価格はセル商品の数倍に設定されている。
このことを考慮すると、(すべてのレンタルショップで、すべてのアニメがレンタルされるとは限らないが)売りスレで出てくる数字をはるかに上回る枚数のレンタル商品が市場に出回り、それらが予想以上の利益をアニメ業界にもたらしていることが想像できるだろう。
つまり、現在アニメ業界において、レンタル業界は非常に大きな存在となっているのだ。
「最近は、レンタル業界がアニメのプロモーションに口を出すことが増えましたね。レンタルショップがセル商品に先行して、アニメのDVDや主題歌CDをレンタルすることも増えてきました。話題作を先行してレンタルできれば、レンタルショップも大きな利益を得ますし、アニメ業界としてもタイアップによって確実に利益を見込むことができるということで、win-winの関係なんじゃないでしょうか」
とはレンタル業界関係者の弁だ。
確かにレンタル業界、アニメ業界共に潤う素晴らしいタイアップといえるが、とはいえヒットを見込んでレンタル業界側がプッシュした作品が、フタを開けてみたらそんなに大コケだった……なんてこともないとはいえない。「本当にヒットしている作品」なのか、「レンタルショップが推したい作品」なのか。そういった思惑も踏まえてアニメDVDの売り上げを分析してみると、さらに業界の表と裏が見えてくるのではないだろうか。
(文=龍崎珠樹)
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【第18回】「求められるのは声優ソングばかり……」表舞台を追われたアニソン歌手の現在
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【第16回】夏アニメの穴馬!? “いわく付き”SNSゲームアニメ『探検ドリランド』に熱視線
【第15回】 キーワードはホモソーシャルな描写!? 今夏は「乙女ゲーム原作アニメ」が熱い!
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【第13回】もはや“声優アイドルフェス”!? アニソン重鎮不在の「アニサマ2012」に不安の声
【第12回】「期待外れ?」「これぞ京アニ?」 賛否両論『氷菓』の本当の見どころ
【第11回】「燃え上がれ、俺の小宇宙よ!」前作ファンもニヤリ『聖闘士星矢Ω』
【第10回】「見たかったのはコレジャナイ!?」声優アイドルアニメ『夏色キセキ』に早くも黄色信号
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【第8回】アニメ業界の新トレンド!? “分割2クール作品”急増の裏事情
【第7回】ついに世代交代!? 若手アイドル声優が続々歌手デビュー
【第6回】AKB48 vs 声優アイドルユニット アニメ界もついにアイドル戦国時代突入か!?
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【第1回】水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!
美少女たちが追いつめられる姿にゾクゾク!? リアル系ロボットアニメ『トータル・イクリプス』

『トータル・イクリプス』公式サイトより
力作ぞろいの夏クールアニメの中でも、気合の入りまくった作画といきなり最終回みたいなテンションの高さでアニメファンの度肝を抜いたのが、『トータル・イクリプス』だ。パソコン用恋愛ゲーム『マブラヴ オルタネイティブ』のスピンアウト作品という位置づけだが、キャッキャウフフと美少女たちが乱舞する萌え萌えな内容かというと、さにあらず。
地球外生命体「BETA」の侵攻で絶滅の危機に瀕している人類の存亡をかけた戦いが描かれ、主人公たちが乗り込む、炎の匂いが染み付いて思わずむせてしまいそうな人型ロボット「戦術機」がハイスピードアクションを見せる、リアル系ロボットアニメなのだ!
その第1話、第2話では、日本に上陸したBETAの軍勢を食い止めるために、訓練生ながら戦術機に乗り込んで防衛作戦に参加することになった女子衛士(劇中では戦術機パイロットを「衛士」と呼ぶ)たちの、凄惨な戦いが描かれる。
防衛ラインに設定された京都を舞台に、鉄の塊をぶっ放す戦術機や現代兵器と、人類の抵抗などなんのそのの勢いで驀進してくるBETAの群れが激突する中、初陣の衛士が対BETA戦において生きていられる「8分」というタイムリミットを乗り越えようと、美少女衛士たちが死に物狂いで戦場を駆け抜ける。なんとか問題の8分を乗り越え、キャラクターはもちろん、視聴者もひと安心するわけだが、物語はここからが本番だ。反撃に転じたBETAの猛攻の前に、気を抜いた女学生たちの乗る戦術機が次々と蹂躙されていくのだ。
その描写がまたエグい。悲鳴も上げることなく撃墜されるキャラもいれば、コクピットハッチを強引にこじ開けられゴリゴリムシャムシャと食べられるキャラもいたりと、戦場の悲惨さがこれでもかと描かれるのだ。死にゆく美少女たちを演じる声優陣の演技もすさまじいものがある。狂気に囚われ、ひたすらBETAをナイフでめった刺しにする金元寿子演じる能登和泉の姿や、死を目前にして「殺して!」と泣き叫ぶ植田佳奈演じるクール系美少女の山城上総と、絶叫しつつ彼女を銃で撃ち抜こうとする中原麻衣演じる篁唯依の掛け合いは鳥肌モノ。
冒頭で「美少女たちが乱舞する萌えアニメではない」旨の解説をしたものの、二次元キャラたちが表情をゆがめてあらわにする生々しい人間の感情が噴出し始める第2話は、ある意味、非常にセクシャルで、ともすればちょっぴりアブない性癖を喚起してしまいそうなほどの迫力と魅力に満ち溢れている。
閑話休題だが、ロボットアニメはその誕生の瞬間より「男子の身体拡張願望」を描き続けてきたジャンルだといえる。例を挙げるならば、『マジンガーZ』は「兜甲児がマジンガーZの脳となることで、巨大な力を制御下に置く」という分かりやすい形でそれを示してくれたし、『機動戦士ガンダム』では、「未成熟な少年であるアムロ・レイが父親的存在を乗り越えていくための武装としてガンダムを操る」という、思春期の少年の成長を結びつけて描き出し、『ターンエーガンダム』では立派にそそり立つ男性器を模したコクピットまで登場。そんな「男の子の乗り物」であり、「願望」であり、「象徴」であるスーパーロボットに美少女が乗るという行為は、それだけでエロティックなメタファーを多分に含んでいる、といえる。
だからこそ、スーパーロボットに乗る美少女たちはそれだけで魅力的だし、僕らはそんな彼女たちが追い詰められていく姿にサディスティックな興奮を覚えるのだろう。この「美少女がロボットに乗り込むこと」に対するアブノーマルな感情と欲求を隠すことなくさらけ出した『トータル・イクリプス』第1話、第2話には全力でスタンディング・オベーションを送りたい。
ただ、当初本作の監督を務めていた稲垣隆行氏は、この第1話、第2話に全力投球しすぎたため、第3話以降の制作スケジュールを圧迫。第10話より稲垣氏は脚本・シリーズ構成に集中。それまで副監督を務めていた安藤正臣氏が監督を引き継ぐことが発表された(表記は第3話より変更になっている)。このスタッフ交代劇が今後、作品にどのような影響を与えるのかはまだ分からないが、願わくば第1話、第2話で見せたような、思い切りフェティッシュで過剰な演出はそのままに、もうちょっとだけ作画を安定させて、より視聴者の煩悩を刺激する映像を見せてほしい。
(文=龍崎珠樹)
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【第16回】夏アニメの穴馬!? “いわく付き”SNSゲームアニメ『探検ドリランド』に熱視線
【第15回】 キーワードはホモソーシャルな描写!? 今夏は「乙女ゲーム原作アニメ」が熱い!
【第14回】「まるで90年代の夕方6時枠アニメ!?」『モーレツ宇宙海賊』の大器晩成ぶり
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【第11回】「燃え上がれ、俺の小宇宙よ!」前作ファンもニヤリ『聖闘士星矢Ω』
【第10回】「見たかったのはコレジャナイ!?」声優アイドルアニメ『夏色キセキ』に早くも黄色信号
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【第1回】水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!
夏アニメの穴馬!? “いわく付き”SNSゲームアニメ『探検ドリランド』に熱視線

『探検ドリランド』公式サイトより
話題作、問題作、期待作が百花繚乱の夏アニメが次々とスタートする中、「ド、ド、ドリランド♪」のフレーズもいまや懐かしさを禁じ得ないGREEのソーシャルゲーム『探検ドリランド』(テレビ東京系)のテレビアニメ放送がスタートした。
TOKIOが全員で出演し、「TOKIO、ドハマリ中。ド、ド、ドリランド♪」と歌うCMが全国のお茶の間に流れ、デカデカと街中に広告が張り出されていたことを覚えている読者も少なくないだろうが、今年2月に発覚したレアカードの不正増殖に端を発するリアルマネートレード行為問題やコンプガチャ(特定のアイテムを揃えると、レアなアイテムが手に入るシステム。課金によりガチャの回数や確率が上昇する)問題など、『探検ドリランド』に関するさまざまな問題が取り沙汰されるようになった。
さらに5月には、消費者庁がコンプリートガチャが景品表示法違反であるとして、ゲーム会社に注意を喚起。それを受けてソーシャルゲーム関連会社の株価が軒並み下がるというコンプガチャショックが発生した。
結果、ダーティなイメージを拭えなくなったソーシャルゲームは、一時期に比べてメディアへの露出を極端に減らすこととなってしまった。
そんなバッドなタイミングでスタートしたアニメ版『探検ドリランド』だが、どう考えてもいまさら感を覚えずにはいられない。例えるならば「面白うて やがて悲しき ドリランド」である。何事もブームがピークを迎えて、収束に向かうさまを見るのは切ない限りだが、今回の場合はゲームが悪い意味で世間の注目を浴び、結果、法の下に管理されるようになってしまった後という、なんとも気まずいタイミングでのアニメ化ということで、なおさら切なさが炸裂している。アニメが企画された時点では、ドリランド熱……いやソーシャルゲーム熱がまだまだ盛り上がっており、その中で鳴り物入りで『探検ドリランド』のアニメ放送スタート……と想定していたのだろうが、まさかソーシャルゲーム自体にアヤがついてしまうとは、誰も予想はしていなかったことだろう。
だからといって、『探検ドリランド』がダメアニメなのかというと、それが意外と面白いのだから困りものである。王道の子ども向けアニメのノリ全開の主題歌が流れる中、子ども受けしそうなディフォルメされたキャラクターが大立ち回りを演じるOP映像は、大人はもちろん、子どもが見てもワクワクすることだろう。外の世界への大冒険を夢見る主人公・ミコト姫が、世話係の美形男子・ウォーレンスの忠告を無視して洞窟を探検。モンスターに襲われ大ピンチのところを、実は優秀な剣士だったウォーレンスに助けられる……という、ベタながら魅力的なキャラクターのアクションや掛け合いには、目新しさはないものの普遍的な「テレビまんが」的な娯楽性に満ちている。一方、世界に忍び寄る怪しげな存在、それに気づいたのは歴戦のハンター・ポニーのみ……。この第1話ラストの引きも、いかにも少年漫画らしくて次回への期待感を煽る。
といったように、今も昔も子どもたちに人気のアニメを多数生み出している「東映アニメーション」の制作だけあって、非常に安定した仕上がりの作品となっているのだ。言うなれば、日曜朝9時枠で放送されていてもおかしくない内容なのだが、なぜか放送される時間は23時30分~。よい子はみんな夢の中の時間帯である。ソーシャルゲーム『探検ドリランド』に課金しまくっている「いい大人」をターゲットとして作ったのだろうか。それとも、まだソーシャルゲームに触れていない子どもに向けて作ったのだろうか。そんな「一体誰に見せたいのだろうか?」というチグハグ感でいっぱいな仕上がりとなっているのがアニメ版『探検ドリランド』なのだ。深夜に放送される子ども向けアニメという大いなる矛盾をはらんだ本作を、ビール片手にニヤニヤしながら眺めるのもまた味わい深し、といったところか。
百聞は一見に如かず。あらゆるアニメを楽しみ尽くしたエリートアニメファンの諸兄は、ぜひとも『探検ドリランド』を見て、ほかのアニメファンに差をつけよう!
(文=龍崎珠樹)
■バックナンバー
【第15回】 キーワードはホモソーシャルな描写!? 今夏は「乙女ゲーム原作アニメ」が熱い!
【第14回】「まるで90年代の夕方6時枠アニメ!?」『モーレツ宇宙海賊』の大器晩成ぶり
【第13回】もはや“声優アイドルフェス”!? アニソン重鎮不在の「アニサマ2012」に不安の声
【第12回】「期待外れ?」「これぞ京アニ?」 賛否両論『氷菓』の本当の見どころ
【第11回】「燃え上がれ、俺の小宇宙よ!」前作ファンもニヤリ『聖闘士星矢Ω』
【第10回】「見たかったのはコレジャナイ!?」声優アイドルアニメ『夏色キセキ』に早くも黄色信号
【第9回】大コケの『機動戦士ガンダムAGE』を徹底検証! 求められる新たな「ガンダム像」とは?
【第8回】アニメ業界の新トレンド!? “分割2クール作品”急増の裏事情
【第7回】ついに世代交代!? 若手アイドル声優が続々歌手デビュー
【第6回】AKB48 vs 声優アイドルユニット アニメ界もついにアイドル戦国時代突入か!?
【第5回】一流アニメファンなら女児向け作品もチェックせよ!? 『スマイルプリキュア!』
【第4回】過激なピンク描写が男子の下半身を直撃!『アマガミSS+ plus』
【第3回】今クール話題の学園モノを徹底分析!『男子高校生の日常』『Another』
【第2回】ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』
【第1回】水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!
夏アニメの穴馬!? “いわく付き”SNSゲームアニメ『探検ドリランド』に熱視線

『探検ドリランド』公式サイトより
話題作、問題作、期待作が百花繚乱の夏アニメが次々とスタートする中、「ド、ド、ドリランド♪」のフレーズもいまや懐かしさを禁じ得ないGREEのソーシャルゲーム『探検ドリランド』(テレビ東京系)のテレビアニメ放送がスタートした。
TOKIOが全員で出演し、「TOKIO、ドハマリ中。ド、ド、ドリランド♪」と歌うCMが全国のお茶の間に流れ、デカデカと街中に広告が張り出されていたことを覚えている読者も少なくないだろうが、今年2月に発覚したレアカードの不正増殖に端を発するリアルマネートレード行為問題やコンプガチャ(特定のアイテムを揃えると、レアなアイテムが手に入るシステム。課金によりガチャの回数や確率が上昇する)問題など、『探検ドリランド』に関するさまざまな問題が取り沙汰されるようになった。
さらに5月には、消費者庁がコンプリートガチャが景品表示法違反であるとして、ゲーム会社に注意を喚起。それを受けてソーシャルゲーム関連会社の株価が軒並み下がるというコンプガチャショックが発生した。
結果、ダーティなイメージを拭えなくなったソーシャルゲームは、一時期に比べてメディアへの露出を極端に減らすこととなってしまった。
そんなバッドなタイミングでスタートしたアニメ版『探検ドリランド』だが、どう考えてもいまさら感を覚えずにはいられない。例えるならば「面白うて やがて悲しき ドリランド」である。何事もブームがピークを迎えて、収束に向かうさまを見るのは切ない限りだが、今回の場合はゲームが悪い意味で世間の注目を浴び、結果、法の下に管理されるようになってしまった後という、なんとも気まずいタイミングでのアニメ化ということで、なおさら切なさが炸裂している。アニメが企画された時点では、ドリランド熱……いやソーシャルゲーム熱がまだまだ盛り上がっており、その中で鳴り物入りで『探検ドリランド』のアニメ放送スタート……と想定していたのだろうが、まさかソーシャルゲーム自体にアヤがついてしまうとは、誰も予想はしていなかったことだろう。
だからといって、『探検ドリランド』がダメアニメなのかというと、それが意外と面白いのだから困りものである。王道の子ども向けアニメのノリ全開の主題歌が流れる中、子ども受けしそうなディフォルメされたキャラクターが大立ち回りを演じるOP映像は、大人はもちろん、子どもが見てもワクワクすることだろう。外の世界への大冒険を夢見る主人公・ミコト姫が、世話係の美形男子・ウォーレンスの忠告を無視して洞窟を探検。モンスターに襲われ大ピンチのところを、実は優秀な剣士だったウォーレンスに助けられる……という、ベタながら魅力的なキャラクターのアクションや掛け合いには、目新しさはないものの普遍的な「テレビまんが」的な娯楽性に満ちている。一方、世界に忍び寄る怪しげな存在、それに気づいたのは歴戦のハンター・ポニーのみ……。この第1話ラストの引きも、いかにも少年漫画らしくて次回への期待感を煽る。
といったように、今も昔も子どもたちに人気のアニメを多数生み出している「東映アニメーション」の制作だけあって、非常に安定した仕上がりの作品となっているのだ。言うなれば、日曜朝9時枠で放送されていてもおかしくない内容なのだが、なぜか放送される時間は23時30分~。よい子はみんな夢の中の時間帯である。ソーシャルゲーム『探検ドリランド』に課金しまくっている「いい大人」をターゲットとして作ったのだろうか。それとも、まだソーシャルゲームに触れていない子どもに向けて作ったのだろうか。そんな「一体誰に見せたいのだろうか?」というチグハグ感でいっぱいな仕上がりとなっているのがアニメ版『探検ドリランド』なのだ。深夜に放送される子ども向けアニメという大いなる矛盾をはらんだ本作を、ビール片手にニヤニヤしながら眺めるのもまた味わい深し、といったところか。
百聞は一見に如かず。あらゆるアニメを楽しみ尽くしたエリートアニメファンの諸兄は、ぜひとも『探検ドリランド』を見て、ほかのアニメファンに差をつけよう!
(文=龍崎珠樹)
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【第7回】ついに世代交代!? 若手アイドル声優が続々歌手デビュー
【第6回】AKB48 vs 声優アイドルユニット アニメ界もついにアイドル戦国時代突入か!?
【第5回】一流アニメファンなら女児向け作品もチェックせよ!? 『スマイルプリキュア!』
【第4回】過激なピンク描写が男子の下半身を直撃!『アマガミSS+ plus』
【第3回】今クール話題の学園モノを徹底分析!『男子高校生の日常』『Another』
【第2回】ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』
【第1回】水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!
夏アニメの穴馬!? “いわく付き”SNSゲームアニメ『探検ドリランド』に熱視線

『探検ドリランド』公式サイトより
話題作、問題作、期待作が百花繚乱の夏アニメが次々とスタートする中、「ド、ド、ドリランド♪」のフレーズもいまや懐かしさを禁じ得ないGREEのソーシャルゲーム『探検ドリランド』(テレビ東京系)のテレビアニメ放送がスタートした。
TOKIOが全員で出演し、「TOKIO、ドハマリ中。ド、ド、ドリランド♪」と歌うCMが全国のお茶の間に流れ、デカデカと街中に広告が張り出されていたことを覚えている読者も少なくないだろうが、今年2月に発覚したレアカードの不正増殖に端を発するリアルマネートレード行為問題やコンプガチャ(特定のアイテムを揃えると、レアなアイテムが手に入るシステム。課金によりガチャの回数や確率が上昇する)問題など、『探検ドリランド』に関するさまざまな問題が取り沙汰されるようになった。
さらに5月には、消費者庁がコンプリートガチャが景品表示法違反であるとして、ゲーム会社に注意を喚起。それを受けてソーシャルゲーム関連会社の株価が軒並み下がるというコンプガチャショックが発生した。
結果、ダーティなイメージを拭えなくなったソーシャルゲームは、一時期に比べてメディアへの露出を極端に減らすこととなってしまった。
そんなバッドなタイミングでスタートしたアニメ版『探検ドリランド』だが、どう考えてもいまさら感を覚えずにはいられない。例えるならば「面白うて やがて悲しき ドリランド」である。何事もブームがピークを迎えて、収束に向かうさまを見るのは切ない限りだが、今回の場合はゲームが悪い意味で世間の注目を浴び、結果、法の下に管理されるようになってしまった後という、なんとも気まずいタイミングでのアニメ化ということで、なおさら切なさが炸裂している。アニメが企画された時点では、ドリランド熱……いやソーシャルゲーム熱がまだまだ盛り上がっており、その中で鳴り物入りで『探検ドリランド』のアニメ放送スタート……と想定していたのだろうが、まさかソーシャルゲーム自体にアヤがついてしまうとは、誰も予想はしていなかったことだろう。
だからといって、『探検ドリランド』がダメアニメなのかというと、それが意外と面白いのだから困りものである。王道の子ども向けアニメのノリ全開の主題歌が流れる中、子ども受けしそうなディフォルメされたキャラクターが大立ち回りを演じるOP映像は、大人はもちろん、子どもが見てもワクワクすることだろう。外の世界への大冒険を夢見る主人公・ミコト姫が、世話係の美形男子・ウォーレンスの忠告を無視して洞窟を探検。モンスターに襲われ大ピンチのところを、実は優秀な剣士だったウォーレンスに助けられる……という、ベタながら魅力的なキャラクターのアクションや掛け合いには、目新しさはないものの普遍的な「テレビまんが」的な娯楽性に満ちている。一方、世界に忍び寄る怪しげな存在、それに気づいたのは歴戦のハンター・ポニーのみ……。この第1話ラストの引きも、いかにも少年漫画らしくて次回への期待感を煽る。
といったように、今も昔も子どもたちに人気のアニメを多数生み出している「東映アニメーション」の制作だけあって、非常に安定した仕上がりの作品となっているのだ。言うなれば、日曜朝9時枠で放送されていてもおかしくない内容なのだが、なぜか放送される時間は23時30分~。よい子はみんな夢の中の時間帯である。ソーシャルゲーム『探検ドリランド』に課金しまくっている「いい大人」をターゲットとして作ったのだろうか。それとも、まだソーシャルゲームに触れていない子どもに向けて作ったのだろうか。そんな「一体誰に見せたいのだろうか?」というチグハグ感でいっぱいな仕上がりとなっているのがアニメ版『探検ドリランド』なのだ。深夜に放送される子ども向けアニメという大いなる矛盾をはらんだ本作を、ビール片手にニヤニヤしながら眺めるのもまた味わい深し、といったところか。
百聞は一見に如かず。あらゆるアニメを楽しみ尽くしたエリートアニメファンの諸兄は、ぜひとも『探検ドリランド』を見て、ほかのアニメファンに差をつけよう!
(文=龍崎珠樹)
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【第15回】 キーワードはホモソーシャルな描写!? 今夏は「乙女ゲーム原作アニメ」が熱い!
【第14回】「まるで90年代の夕方6時枠アニメ!?」『モーレツ宇宙海賊』の大器晩成ぶり
【第13回】もはや“声優アイドルフェス”!? アニソン重鎮不在の「アニサマ2012」に不安の声
【第12回】「期待外れ?」「これぞ京アニ?」 賛否両論『氷菓』の本当の見どころ
【第11回】「燃え上がれ、俺の小宇宙よ!」前作ファンもニヤリ『聖闘士星矢Ω』
【第10回】「見たかったのはコレジャナイ!?」声優アイドルアニメ『夏色キセキ』に早くも黄色信号
【第9回】大コケの『機動戦士ガンダムAGE』を徹底検証! 求められる新たな「ガンダム像」とは?
【第8回】アニメ業界の新トレンド!? “分割2クール作品”急増の裏事情
【第7回】ついに世代交代!? 若手アイドル声優が続々歌手デビュー
【第6回】AKB48 vs 声優アイドルユニット アニメ界もついにアイドル戦国時代突入か!?
【第5回】一流アニメファンなら女児向け作品もチェックせよ!? 『スマイルプリキュア!』
【第4回】過激なピンク描写が男子の下半身を直撃!『アマガミSS+ plus』
【第3回】今クール話題の学園モノを徹底分析!『男子高校生の日常』『Another』
【第2回】ロボット好き必見! 洗練されたメカたちが大活躍『輪廻のラグランジェ』
【第1回】水樹奈々が歌いながらバトル!? 「戦うヒロイン」アニメに大注目!
キーワードはホモソーシャルな描写!? 今夏は「乙女ゲーム原作アニメ」が熱い!

『アルカナ・ファミリア』公式サイトより
春アニメが続々とクライマックスを迎えるこの時期だが、我々アニメファンには終わった作品の余韻に浸る間などない。7月に入れば、また新たなアニメが次々とスタートする。
ライトノベル原作アニメが豊作ということで話題沸騰の今夏スタートのアニメ作品たちだが、この夏イチオシなのが「乙女ゲーム原作アニメ」だ。「乙女ゲーム原作アニメなんてスイーツ(笑)な女性ファンしか楽しめないんじゃないの?」と思うなかれ。女性が理想とする男性キャラが数多く登場する「乙女ゲーム原作アニメ」には、男性から見ても魅力的な要素が盛りだくさんなのだ。
大人気作品『Fate/Zero』(TOKYO MX・MBSほか)を例に挙げると、髭面マッチョなライダーと最高に守ってあげたい男性ヒロイン・ウェイバー君のカップル、もといコンビにはその熱い友情と主従関係に燃える男性ファンもいれば、思わずほっこりする二人のやり取りに萌える女性ファン(あと、腐った妄想を抱く女性ファンも……)もいるように。また、冬クール作品『男子高校生の日常』(テレビ東京系)の灰色の高校生ライフをゲラゲラ笑う男性ファンもいれば、女性がほとんど介入しない作品世界で思う存分妄想の翼を広げる女性ファンもいるように、ここ最近は以前にも増してホモソーシャルな描写を、そのベクトルは異なるとはいえ、男女問わずエンジョイするアニメファンが増えているように感じる。近年、ますます喪失されつつある力強い男性性に男性自身は憧れ、女性はそのような男性を求めているのだ! とかなんとか妄言をこれ以上重ねるとフェミニストな方々に怒られそうなので、この辺りで切り上げるとして、さっそく今夏スタートの期待の乙女ゲーム原作アニメをチェックしてみよう。
まず紹介するのは、「乙女ゲーム×少年マンガ」という文字面だけでも「ああ~」と納得できてしまうコンセプトの『アルカナ・ファミリア』(tvkほか)だ。
イタリアのとある島の自警組織「アルカナ・ファミリア」のボスの座と、次期トップの座をめぐって、「アルカナ能力」という特殊能力を操る主人公たちが「アルカナ・デュエロ」という大会でバトルを繰り広げるという、あらすじだけを見ると「どこの黄金の風だ?」と言いたくなるような本作。
男社会の中で繰り広げられるトップ争いというプロットは、少年マンガの王道。そこにヒロインとのロマンス成分をちょっぴりブレンドすることで、乙女要素も追加したという『アルカナ・ファミリア』のスタッフには、『ひぐらしのなく頃に』『のだめカンタービレ』『おとめ妖怪 ざくろ』など群像劇に定評のある今千秋監督、『とある魔術の禁書目録』シリーズのシリーズ構成を手掛けた赤星政尚など、J.C.STAFFではおなじみの実力派が並ぶ。どんなバトル・アンド・ロマンスが展開するのか、期待が募る。
そして、『薄桜鬼 黎明録』(TOKYO MXほか)も忘れてはいけない。幕末を舞台に新選組の活躍を描く本作は、2008年のゲーム第1弾の発売以来、着実にファンを増やし続け、2作のテレビアニメ、全5巻のOVAシリーズはいずれも大ヒット。10年には早乙女太一・主演で舞台化。今年4月にはミュージカルにもなるなど、破竹の快進撃を続ける人気タイトルだ。
第3シリーズとなる今回のテレビアニメシリーズは、従来のスタッフ&キャストで制作されることが発表されている。信念を貫く男たちの生き様には、男女問わず燃えること必至の本作。こちらも要チェックである。
ふだん乙女ゲーム原作アニメを見ない男性アニメファンも、この夏は思い切って新たな世界に踏み込んでみてはいかがだろうか? きっと、より豊かなアニメライフが送れるはずだ!
(文=龍崎珠樹)
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キーワードはホモソーシャルな描写!? 今夏は「乙女ゲーム原作アニメ」が熱い!

『アルカナ・ファミリア』公式サイトより
春アニメが続々とクライマックスを迎えるこの時期だが、我々アニメファンには終わった作品の余韻に浸る間などない。7月に入れば、また新たなアニメが次々とスタートする。
ライトノベル原作アニメが豊作ということで話題沸騰の今夏スタートのアニメ作品たちだが、この夏イチオシなのが「乙女ゲーム原作アニメ」だ。「乙女ゲーム原作アニメなんてスイーツ(笑)な女性ファンしか楽しめないんじゃないの?」と思うなかれ。女性が理想とする男性キャラが数多く登場する「乙女ゲーム原作アニメ」には、男性から見ても魅力的な要素が盛りだくさんなのだ。
大人気作品『Fate/Zero』(TOKYO MX・MBSほか)を例に挙げると、髭面マッチョなライダーと最高に守ってあげたい男性ヒロイン・ウェイバー君のカップル、もといコンビにはその熱い友情と主従関係に燃える男性ファンもいれば、思わずほっこりする二人のやり取りに萌える女性ファン(あと、腐った妄想を抱く女性ファンも……)もいるように。また、冬クール作品『男子高校生の日常』(テレビ東京系)の灰色の高校生ライフをゲラゲラ笑う男性ファンもいれば、女性がほとんど介入しない作品世界で思う存分妄想の翼を広げる女性ファンもいるように、ここ最近は以前にも増してホモソーシャルな描写を、そのベクトルは異なるとはいえ、男女問わずエンジョイするアニメファンが増えているように感じる。近年、ますます喪失されつつある力強い男性性に男性自身は憧れ、女性はそのような男性を求めているのだ! とかなんとか妄言をこれ以上重ねるとフェミニストな方々に怒られそうなので、この辺りで切り上げるとして、さっそく今夏スタートの期待の乙女ゲーム原作アニメをチェックしてみよう。
まず紹介するのは、「乙女ゲーム×少年マンガ」という文字面だけでも「ああ~」と納得できてしまうコンセプトの『アルカナ・ファミリア』(tvkほか)だ。
イタリアのとある島の自警組織「アルカナ・ファミリア」のボスの座と、次期トップの座をめぐって、「アルカナ能力」という特殊能力を操る主人公たちが「アルカナ・デュエロ」という大会でバトルを繰り広げるという、あらすじだけを見ると「どこの黄金の風だ?」と言いたくなるような本作。
男社会の中で繰り広げられるトップ争いというプロットは、少年マンガの王道。そこにヒロインとのロマンス成分をちょっぴりブレンドすることで、乙女要素も追加したという『アルカナ・ファミリア』のスタッフには、『ひぐらしのなく頃に』『のだめカンタービレ』『おとめ妖怪 ざくろ』など群像劇に定評のある今千秋監督、『とある魔術の禁書目録』シリーズのシリーズ構成を手掛けた赤星政尚など、J.C.STAFFではおなじみの実力派が並ぶ。どんなバトル・アンド・ロマンスが展開するのか、期待が募る。
そして、『薄桜鬼 黎明録』(TOKYO MXほか)も忘れてはいけない。幕末を舞台に新選組の活躍を描く本作は、2008年のゲーム第1弾の発売以来、着実にファンを増やし続け、2作のテレビアニメ、全5巻のOVAシリーズはいずれも大ヒット。10年には早乙女太一・主演で舞台化。今年4月にはミュージカルにもなるなど、破竹の快進撃を続ける人気タイトルだ。
第3シリーズとなる今回のテレビアニメシリーズは、従来のスタッフ&キャストで制作されることが発表されている。信念を貫く男たちの生き様には、男女問わず燃えること必至の本作。こちらも要チェックである。
ふだん乙女ゲーム原作アニメを見ない男性アニメファンも、この夏は思い切って新たな世界に踏み込んでみてはいかがだろうか? きっと、より豊かなアニメライフが送れるはずだ!
(文=龍崎珠樹)
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