本格的な春到来に合わせて、韓国でもいよいよゴルフ・シーズンが開幕する。4月9日からは女子プロゴルフツアー(KLPGA)、23日からは男子プロゴルフツアー(KPGA)がスタート。ゴルフ業界も大いに盛り上がっていると言いたいところだが、そう単純ではないらしい。 例えば男女のツアー数。日本やアメリカでも活躍する一流プロを多数輩出している女子ツアーは今季、全29試合・賞金総額184億ウォン(約18億4,000万円)と過去最大の規模だが、男子ツアーはジリ貧状態。2008年は20試合、09年は16試合、10年は18試合と年々縮小傾向にあり、今季は15試合にとどまっている。そのうち2試合がスポンサー未定なので、実質13試合しか決まっていない状況だ。賞金総額も、89億ウォン(約8億9,000万円)にしかならない。日本の男子ツアーも韓国と同じく人気面で苦戦が叫ばれているが、それでも今季は24試合、賞金総額34億7,750万円規模である。韓国の男子ツアーの深刻度がうかがえるだろう。 深刻なのは男子ツアーだけではない。3月27日には、全国のゴルフ場経営者たちで組織された「韓国ゴルフ場経営協会」が総会を開き、「530万人といわれる韓国のゴルフ愛好者たちがこれ以上被害を受けないように、ゴルフ文化の改善を求める」と決議文を発表しているのだ。 そもそも韓国でゴルフは、いまだに「ぜいたくな貴族スポーツ」とされている。プレー代はパブリックコースでも安くて10万ウォン(約1万円)、会員制コースなら40万ウォン(約4万円)もすることがその理由で、娯楽レジャーというよりも“接待の場”としての認識も強く、“上納スポーツ”と皮肉る者もいる。 そのため、社会不安が起きるとゴルフ自粛を求める空気が漂うばかりか、公務員の間では公私を問わずゴルフ禁止令が暗黙の了解とされてきた。とりわけ、昨年4月のセウォル号沈没事故の際には、ゴルフをすることが「不謹慎」と見なされ、完全自粛ムードに。その影響でゴルフ場の売り上げが前年比で50%も減少したという。韓国には現在、550近くのコースがあるが、倒産や法廷管理下に置かれるなど経営難に陥っている会員制ゴルフ場は多いという。 そうした危機感から前述の決議文が発表になったのだが、その不満の矛先は朴槿恵大統領にも向かっている。 というのも、朴大統領は今年2月の閣僚会議前のティータイムで、「国内のゴルフ産業が低迷している。活性化のための法案を作るべき」と発言。韓国は今年10月に大陸別対抗戦プレジデンツカップを開催するが、大会の名誉会長を朴大統領が務めることもあって飛び出した発言として、メディアでも大きく取り上げられたのだ。ゴルフ業界はこの大統領発言で公務員たちのゴルフ禁止令が緩和されたり、プレー代に付加された2万1,000ウォン(約2,100円)の特別消費税の減額を期待した。 ところが、大統領発言から1カ月が過ぎても、政府側から具体的な活性化案が出てこない。それどころか、3月23日には慶尚南道の知事で与党・セヌリ党出身のホン・ジュンピョ知事が、アメリカ出張中に現地の韓国系企業家とゴルフをしていたことが明らかになり、メディアや市民から批判される始末。セヌリ党と朴大統領の支持率が2週連続してダウンした。依然としてゴルフは悪というイメージが付きまとうことに、ゴルフ業界関係者たちはいら立ちを隠せない様子なのだ。 ちなみに、朴大統領はゴルフをしないことで知られている。ただ、父親の朴正熙大統領は外国首脳たちが訪韓した際にはゴルフを楽しみ、その後を継いだ全斗煥大統領は大のゴルフ好きが高じて青瓦台内にゴルフ練習場を作ったことで知られる。続く盧泰愚大統領はゴルフ場新設許可を緩和したが、金泳三大統領はゴルフを「ぜいたくスポーツ」としてプレー代に特別個人税を付加しただけではなく、公務員たちにゴルフ禁止令を出した。金大中大統領はクラブを握らなかったが、盧武鉉大統領は意外とゴルフ好きだったらしい。李明博前大統領はボギープレーの腕前だとか。 韓国の歴代大統領とゴルフは、何かと浅からぬ縁があるわけだが、果たして朴大統領は本気で韓国のゴルフ活性化に取り組むだろうか? イ・ボミら日本で活躍する韓国人美女ゴルファーだけではなく、今季は朴大統領の“アプローチ”にも注目が集まりそうだ。イメージ画像 Photo By Steve Jurvetson from Flickr.
「43お騒がせ!東アジアニュース」カテゴリーアーカイブ
訪韓日本人激減の一方で、韓国に日本旅行ブーム到来中「一番人気は東京でも大阪でもなく……」
旧正月の「春節」を迎えた今年2月。訪日した中国人旅行客が都心を中心に爆買いする姿が、連日メディアによって報道された。今後、日本の新しい風物詩になりそうなパワフルな光景だったが、3月、4月、そしてゴールデンウィークを迎える5月も、観光地としての日本の人気は衰えそうもない。 韓国メディア「経済トゥデイ」は、旅行会社の統計をもとに、花見目当てに日本を訪れる韓国人旅行客の数が、2014年比で70%増加するだろうと伝えた。韓国にも「ポッコッノリ(桜遊び)」という花見文化があるのだが、最近では日本語の「ハナミ」という言葉が定着しつつある。その日本で花見シーズンを迎えるというのが、旅行好きの韓国人の間でブームになりつつあるそうだ。桜の名所や、近隣のホテルを周遊するプランを用意する韓国の旅行社も増えているようで、九州から北海道までの開花予想も、メディアを通じて詳細に報じられている。 一方、今年のゴールデンウィーク休みを利用した海外旅行の行き先としても、日本は人気が高い。韓国メディア「ハナトゥデイ」が報じたところによると、今年4~5月の海外人気地域ランキングで、日本の九州地方が1位に。これまでは、西欧やフィリピン、上海、ベトナムなどが人気上位だったが、今年は初めて日本がトップに立った。ちなみに、東京、大阪は長らく高い人気を誇る地方だが、距離も近く、グルメや温泉が多い九州地方の人気がここ数年で急上昇している。 今年の4月11~12日には、4年ぶりに日中韓の観光大臣会議が開かれる。現在、日本へ向かう中韓の旅行客が激増する半面、日本から両国を訪れる観光客が激減している状況に、中韓の政府関係者は頭を悩ませている。会議では、3カ国を往来する観光客の“不均衡”について、議論が交わされる予定だ。 少し話はさかのぼるが、韓国大手オンラインショッピングモール「Gマーケット」の発表でも、年末年始の日本のホテル商品の販売率が、前年比で300%を超過したという。円安も多分に影響し、今年は韓国人の日本旅行ブームがさらに過熱する見通しだ。実際、観光長官が会議をしたところで、何か状況が好転するとはあまり思えないが……。いずれにせよ、旅行・観光分野に関しては、しばらく日本の独り勝ちが続きそうである。 (文=取材・文=河鐘基)イメージ画像 Photo By Guian Bolisay from Flickr.
【現地ルポ】スリランカ最大の都市に中華街が出現!? チャイナマネーによる大規模開発計画が復活
スリランカ最大の都市、コロンボのインド洋に面した長い砂浜に、金網のフェンスで囲われた一角がある。フェンスの向こうには積まれた砂利によって新たにできた陸地が、沖へとせり出している。 周辺に建てられた看板には、アルファベットやシンハラ文字に混ざり、「中国港湾工程有限責任公司」と漢字で書かれている。
市民の憩いの場だったベイエリアの沖合を埋め立て、住宅や大型ショッピングモール、カジノに、インド洋沿岸初となる中華街を建築する「ポートシティ・プロジェクト」が持ち上がったのは2012年半ばのこと。親中派だったラージャパクサ前大統領が、中国からの出資を取り付け、開発費用14億ドルという一大プロジェクトをぶち上げたのだ。この工事を請け負うのが、看板に名前のあった中国港湾工程有限責任公司だ。 また完成後は、東京ドーム約50個分に相当する233ヘクタールという広大な敷地の一部を中国企業が所有し、それ以外にも、一部を長期貸与という形で中国企業が専有する契約となっていた。 このプロジェクトは中国にとって、単なる不動産事業ではなかった。中国はコロンボ港を、香港からポートスーダン(スーダン北東部の都市。紅海に面し、同国最大の港湾を擁す)を結ぶシーレーン戦略、いわゆる「真珠の首飾り」の要所とすることをもくろんでおり、同プロジェクトもその一環であった。ちなみにラージャパクサ政権時代には、中国海軍の潜水艦もコロンボに寄港している。 しかし今年1月、ラージャパクサ前大統領を破って当選したシリセナ新大統領は、一転して中国依存から脱却する方針を表明。3月初めに「議会の審議を経ていない」として、プロジェクトの一時保留を発表し、ウィクラマシンハ新首相は「今後、中国の艦艇が国内に寄港することはない」と公言した。 ところが3月26日、北京を訪問中だったシリセナ大統領は、習近平国家主席との会談の場で、「問題が整理されれば、プロジェクトを再開する」と約束したのだった。 しかしこれに対し、スリランカ国民からは、不満の声が上がっている。市内で拾ったタクシーの運転手も、筆者にこう漏らした。 「どうせ儲けは大企業と中国が持っていく。それに中華街なんて、スリランカ人は誰も望んでいないよ。中国は、海軍兵士の保養所にでもするつもりなのだろうがゴメンだね」 コロンボの中国大使館前では、同プロジェクトに反対する市民らによるデモ活動も行われている。一方、政府予算の1割にも匹敵する大規模プロジェクトだけに、財界からは続行を望む声も大きく、国を二分する争点となっている。 中国の海洋進出は、日本にとっても脅威となり得るだけに、我々も他人ごとではいられない。 (文=奥窪優木)
自殺率は先進国トップ、国民幸福度も絶望的……“肯定経験”皆無な現代韓国社会の闇
「国民が幸せな国」と聞かれたときに、真っ先に思い浮かべる国はどこだろうか? 国民の幸福度を表す「肯定経験指数(positive experience index)」を米ギャラップ社が発表した。調査対象国は143カ国の中で、1位はパラグアイ(89点)。2位にはコロンビアやエクアドルなどが84点で並んだ。日本は83位(66点)と、世界平均71点よりも若干下にランクイン。アジア勢からは、フィリピンとシンガポールが11位(80点)で最上位、ブータン(79点)、インドネシア(78点)などがトップ30にランクインしている。ちなみに、トップ10入りを果たしたのは、すべてラテンアメリカの国家だったそうだ。 国連が定めた3月20日の「国際幸福デー」を迎えて発表された今回の「肯定経験指数」に対して、ダメージを受けている国がある。お隣・韓国だ。結果は143カ国中、118位(59点)。先進国といわれている国家の中でも特に低い、3ケタ台の屈辱を味わうこととなった。何よりも、毎年発表される「肯定経験指数」において、年々点数を下げていることが問題だ。2012年64点、13年63点、そして最新の14年が59点だ。世界の平均が71点であることを踏まえると、50点台はかなり深刻な数字といえるかもしれない。 そもそも米ギャラップ社の「肯定経験指数」は、国民1,000人が以下の5つの質問にYESと答えられるかどうかで決められるという。(1)昨日ゆっくり休めたか (2)昨日誰かから尊敬を受けたか (3)昨日たくさん笑ったか (4)昨日面白いことを行ったり、学んだりしたか (5)昨日楽しいことをたくさんしたか。つまりは“主観”なのだが、主観だからこそ、GDPをはじめとする経済的な数値からは測定できない“人々の幸福度”に迫ることができると、米ギャラップ社は考えているようだ。 それを証明するかのように、「肯定経験指数」は「自殺率」(WHO調べ、調査対象173カ国)と相関関係にあるといえるかもしれない。例えば、「肯定経験指数」1位のパラグアイは、自殺率が110位と低い。「肯定経験指数」2位のコロンビアも自殺率は120位だ。そして、韓国の自殺率はというと、先進国の中でトップとなる3位。「肯定経験指数」には一定の信ぴょう性があると言ってもいいだろう。 実際に、「肯定経験指数」が年々低下している韓国の自殺率は、近年急増している。10万人あたりの自殺者数は、1993年当時は9.4人にすぎなかったものの、20年間で28.1人に膨れ上がった(韓国統計庁調べ)。老人の自殺問題も深刻で、2000年と比べて現在は約3倍に増加したとの数字もある。さらに付け加えると、ここ10数年で、若年層の自殺率が46.9%も増加しているというのだから驚きだ。経済的な困窮、成績や進学など学業に関する問題が主な原因となっており、格差や競争の激しさが構造的な問題となってしまっている。 高い自殺率に加えて、今回の調査で「国民が幸せな国」でもないことが判明してしまった韓国。どこに原因があるのかは不明だが、問題が山積していることだけは間違いなさそうだ。「Thinkstock」より
中国農村部の悪しき風習“ベトナム嫁買い”が生んだ、人身売買の闇「実の子を売り物にするケースも……」
3月2日、広東省潮州市郊外の饒平県で、30代の男性とその母親が惨殺された。殺人事件自体はさほど珍しくない中国だが、この一件は中国にはびこる悪しき風習を浮き彫りにした。 犯人として逮捕されたのは、ベトナムから中国に嫁いだ21歳の妻と、共犯の3人のベトナム人男性だった。彼らは、男性と妻がもうけた、生後3カ月に満たない双子の息子たちを売り飛ばす予定で、すでに一人あたり約125万円で、それぞれ中国人の買い手が付いていた。 この妻自身、数年前に、約55万円で被害者の家に「売られて」やって来たという。嫁不足に悩む中国の農村部では、妻をめとることができない息子に父親が嫁を買い与える習慣があるのだ。 中国事情に詳しいフリーライターの吉井透氏は、中国人のベトナムからの嫁買いについてこう話す。 「比較的ベトナムに近い中国南部の農村では、仲介業者に支払う紹介料は95万円程度。業者は『ベトナム嫁買いツアー』を頻繁に開催しており、男性は現地に足を運んで花嫁候補を探すんです。妻となる女性の家族には、結納金として60~100万円程度を納める。現地への渡航費用や滞在費を含めれば200万円以上が必要だが、それでも中国人女性との結婚に比べれば費用は安い」 一方、地元警察によると、中国に売られて来るベトナム人妻たちは夫と一定期間を過ごした後、姿を消し、新たな嫁ぎ先を見つけてさらなる利益を得ようとするケースが多い。さらに、自らの子どもを連れ出し、「売り物」にすることがあるという。 今回の事件でも、ベトナム人妻は自ら自由の身になるためか、さらなる儲けを得るために犯行に及んだ可能性が高い。 ベトナム側の資料では、1998~2010年までの間に結婚で海外へ移民したベトナム人女性は29万4,000人余りで、移民先は50カ国に及ぶが、中国や韓国が大半を占めている。中国内で正式な婚姻届が出されていない案件も多く、彼女たちの正確な数は把握されていない。家族にいい生活をさせようと、自ら望んでやって来た者もいれば、だまされて連れて来られる者もいる。 殺人に至ってしまったことは償うべきだが、国境を越えて身売りしなければならなかった彼女もまた、格差や人権問題の被害者だったのかもしれない。中国のベトナム妻紹介の広告。「3カ月以内に成婚 20万元ぽっきり」と書かれてある。
黒澤明より、北野武より……韓国人の“オールタイムベスト邦画”最有力は、ミポリン主演のアノ作品だった!?
「おでん」「うどん」「刺身」など韓国で通じる日本語は意外に多いが、「お元気ですか?」も実はその一つ。食べ物などが日本語のまま通じるのはわかるが、挨拶言葉である「お元気ですか?」を韓国人の多くが知っているのには、ちょっと変わった理由がある。 3月8日に放送された人気バラエティ番組『スーパーマンが帰ってきた』に、在日韓国人であり、いまや韓国で家族そろって人気の格闘家・秋山成勲が出演した際のこと。北海道のスキー場で秋山と娘のサランちゃんに、妻でモデルのSHIHOが「お元気ですか?」と叫び、視聴者の笑いを誘ったという。日本人からすると不思議な光景だが、これはとある映画を“パロッた”もの。その映画とは、ちょうど20年前、全盛期の中山美穂が主演した岩井俊二監督作『Love Letter』。日本でも有名な映画ではあるが、いま日本でこの光景をパロディと気付く人は、ほぼいないだろう。ずいぶん前の作品にもかかわらず、しかも隣国でこれほど“特別な映画”であることは意外に知られていないかもしれない。韓国のネットには「韓国人が最も好きな日本人監督は岩井俊二」とまで書かれていたりする。 『Love Letter』が韓国で公開されたのは、1999年11月。その前に、韓国で一般公開となった初の邦画は、ヴェネツィアで金獅子賞を受賞した北野武監督作品『HANA-BI』。同年に黒澤明監督の『影武者』も公開されている。それに続いた『Love Letter』はファンタジックな内容ながら、より日本の日常のムードを感じられる作品だったのではないだろうか。いま以上に“近くて遠い国”という関係性、“知りたくても知ることのできない国”という状況下で、韓国にとってのファーストインパクト的作品こそが『Love Letter』だったのかもしれない。黒澤映画も北野映画も邦画には違いないが、より“普通の日本”を想像させたであろう『Love Letter』は、動員140万人と当時としてはかなり異例の、そして日本を超える大ヒットを記録。岩井監督も予想だにしなかったであろうが、今でも韓国でパロディCMが作られるほど影響力があり、韓国人の記憶に残る名作と位置付けられている。 “韓流”の象徴的ドラマ『冬のソナタ』などから逆算して考えると、あの手の作品の作り手たちは『Love Letter』を邦画オールタイムベストに選びそうな気はする。全体的に霧がかかったような白く淡い映像のように、どこか奥ゆかしくあいまいな情緒は日本的であり、“洗練された作風”として映り、後の韓国映画やドラマにも影響を与えたのではと思わせる。 スタッフやキャストなどの詳細は明かされていないが、『Love Letter』は今年の下半期には韓国ドラマとしてリメイクされることが決定しているという。また、先月末から3月初旬にかけて韓国で開催された第4回マリ・クレール映画祭には、岩井俊二監督が招待されて『リリイ・シュシュのすべて』など数作が上映された。 果たして、リメイクドラマ版は一体どのように仕上がるのか? これだけ愛される映画なだけに、時を超えた“ラブレター”なレスポンス作品になることを願う。 (文=梅田ナリフミ)『Love Letter』
韓国世界遺産級の史料が焼失!? 「訓民正音解例本」とカネをめぐる“ドロ沼法廷闘争”に終止符か
韓国の慶尚北道尚州市のとある民家で、3月26日午前、火事があった。人的被害はなかったものの、ペ氏の自宅は全焼。現在、出火原因の調査が続いている。と、ことさら取り上げるまでもない事件だが、実はこのペ氏、骨董品や古書籍を数多く所有していた人物で、その中には訓民正音に関する世界遺産級の史料があった可能性があるということで、大騒ぎとなった。 訓民正音とは現在のハングルのことで、1446年に時の王・世宗によって創製された。その当時、訓民正音について解説した本が「訓民正音解例本」だ。1940年に発見された「解例本」は、訓民正音の創製動機や使用方法が紹介されており、価格をつけられない文化遺産と評価されている。実際、ベートーベンの「交響曲第9番」の自筆楽譜や日本の国宝『御堂関白記』と同じく、ユネスコ記憶遺産にも登録された。もちろん韓国の国宝(第70号)だ。「解例本」の出版日とされる10月9日は、現在韓国で“ハングルの日”に指定されており、休日となっている。そんな木版本の「解例本」は、長らく世界に1冊しか残されていないとされ、現在も澗松美術館に保管されている。 しかし、2008年7月、古書籍商のペ氏が自宅を整理していると、「訓民正音解例本」を発見。韓国文化財庁の調査員が確認してみると、国宝として保存されている「解例本」とまったく同一の版本で、保存状態はこちらのほうが良好だったという。 “だったという”と言葉を曖昧にしたのは、新たに見つかった「解例本」(便宜上「尚州本」と呼ぶ)が、広く世の中に公開されていないからだ。見つかった「尚州本」が偽物だったわけではない。その背景には、所有権をめぐる醜い裁判があった。 「尚州本」の発見からわずか1カ月後、ペ氏と同じ尚州市に住むチョ氏が本の所有権を主張。チョ氏は「あの『解例本』は私が保管していたのに、ペ氏が盗んだ」として、刑事告訴と民事訴訟を起こした。刑事告訴は嫌疑なしで処理されたが、民事訴訟ではチョ氏の主張が認められた。「尚州本」の所有権はチョ氏に渡ったことになる。しかし、ペ氏は本をどこかに隠してしまい、再三の捜査が行われたが結局、発見できずじまい。ペ氏は検察に拘束起訴され、最高裁まで争い、14年6月に「盗んだ証拠がない」として無罪を勝ち取った。 しかし、その後もペ氏は「尚州本」を公開しなかった。民事訴訟で敗れており、この間に亡くなったチョ氏が本を国家に寄付する意向を伝えていたからだ。韓国メディアの質問に、ペ氏が答えている。 「裁判を何年も行い、心と体があまりに傷ついた。367日間も獄中で過ごし、家宅捜索も受けて被害が大きい。すべての真実が明らかになるまで、絶対に公開しない。今の段階で公開したら、所有権は誰のものになるというのだ。これは絶対の原則だ!」 ちなみにペ氏は、最初の刑事告訴を乗り越えたところで、「尚州本」を100億ウォン(約10億円)で売却しようとして失敗している。最後の価格調整の段階で、破約となったようだ。 そんな状況下で起きた、ペ氏自宅の火事。相変わらず「尚州本」の“隠し場所”については口を閉ざしているが、最悪、焼失した可能性もある。所有権、つまりはカネをめぐる醜い欲望によって世界遺産級の史料が失われたとなれば、呆れてものも言えない。ましてや韓国が世界に誇るハングルだけに、ダメージは大きそうだ。イメージ画像 Photo By Republic of Korea from Flickr.
まさに「日本女神」!? 中国広東省で見つけた“美人すぎる日本人留学生”の正体とは──
中国広東省で、ひとりの留学生が爆発的な話題を呼んでいる。同省恵州市の恵州学院で3月1日~15日まで交換留学生として学んでいた日本人、長尾寧音さん(19)が「かわいすぎる」として、中国のSNS上で大注目されているのだ。 同学院は17人の日本人交換留学生を受け入れているが、長尾さんが別格に美しく、同学院の生徒たちから「日本女神」「一番美しい交換留学生」「顔面偏差値最強の女神」などとあがめられているのだ。中国版Twitter「微博」では、キャンパス内の彼女の様子を写した写真などが大量に転載されている。長尾さんの人気ぶりを報じたニュース(『南方網』より)
カリキュラムの最終日に行われた卒業パーティーでは、長尾さんが参加したマジックのパフォーマンスを見ようと、多くの学生が殺到。彼女とのツーショット写真を撮りたい学生たちが列をなし、一時は騒然となったという。彼女自身、ここまで大きな騒動になるとは思っていなかったようだ。 しかし、それも当然の話かもしれない。長尾さんは芸能事務所・スターダストプロモーションに所属する芸能人だからだ。2007年に同事務所のオーディションで約1万人の応募者の中からグランプリに選ばれ、09年頃からCM・ドラマ・映画などに出演している。現在、彼女は札幌大学に在学中で、中国語の授業を受けた際、中国に興味を持ったという。同学院の学生が「微博」に投稿した長尾さんの写真
「中国にいるときに違和感を覚えたことは?」という学生たちの質問に対し、「中国ではトイレに紙を流せないこと」と答えたという長尾さん。言うまでもなく、中国は下水道事情が悪く、トイレットペーパーは便器に流せない。平成生まれの長尾さんには、さぞかしカルチャーショックだったことだろう。 長尾さんは短期留学期間を終え、すでに帰国しているとのこと。中国人学生の“毒牙”にはかからなかったようだが、彼女は「来年、また戻ってきます」と述べているという(「南方都市報」3月25日付)。中国での知名度が上がってしまった今、「日本の女神」が中国人男性に奪われないことを祈るばかりだ。 (文=金地名津)所属事務所のプロフィールより
近代施設と旧き風俗街が並ぶ街は韓国の“新世界”と、なりうるのか?『永登浦(ヨンドンポ)』
今回の旅の宿は、ソウル市内、鍾路3街(チョンノサンガ)にあるゲストハウス。しかも、6ベッドのドミトリーである。予算の見積もりを失敗したシワ寄せがこんなところに現れてしまったわけだ。ま、バックパッカーだったので慣れてるけど、やっぱり、ね……。 しかも到着早々、トランクのカギが開かないトラブルに見舞われつつも、急ぎ足で向ったのは永登浦(ヨンドンポ)にある新世界デパートとタイムズスクエアの並ぶ路地だった。 駅から地下通路を歩けば3分というその一画にそびえ立つのは、新世界デパートと、国内最大級を誇る複合ショッピングモール「タイムズスクエア」である。青白くきらびやかに浮かび上がる近代的な“街”がそこにある。駅を背にして右の建物が新世界デパート。左のビルがタイムズスクエア。ちょんの間は路地を左に進んだところにある。
しかし、もちろん、ここに来たのは買い物のためではない。そのキラキラした街の端っこにへばり付くピンク色に輝く街を見るためだ。新世界デパートとタイムズスクエアのすぐ隣、そこには、別世界のちょんの間街が残っているのだ。 永登浦はかつて工場地帯であり、タイムズスクエアの建つ場所も、元は紡績工場跡地だった。ちょんの間は、その町で働く労働者たちの慰労のためにできたといわれる。 「永登浦のちょんの間は、財閥と戦っているんです」 ガイドのP氏はそう語る。 2009年、ちょんの間街から見れば、すぐ裏に巨大なショッピングモールが完成したが、逆にモールの事業主から見れば、直近に風俗街があるなんて愉快なことではない。 「モールは駐車場の出入り口を、わざとちょんの間街の側に造ったんです」(P氏)午後8時、まだ開店していないちょんの間と、そのうしろにタイムズスクエアがそびえる。
おおっぴらには顔を見られたくない風俗嬢たちをそこに居づらくさせて、ちょんの間を閉鎖に追い込む作戦に出たという。 「でも、その作戦は失敗でした。怒ったちょんの間の権利者たちは、何がなんでも店の権利は譲らないと強行策に出てしまった」(同) その結果、グランドオープンから5年が過ぎた現在も、“新”と“別”の世界が同じ路地に存在している。どうやら、今のところは、ちょんの間側に軍配が上がっているようだが、相手はあの財閥系(前号の記事参照)。次の戦いやいかに……。ちょんの間街の外れに照明のついている店があったが、女のコはまだいなかった。左側の先に駐車場の出入り口があり、クルマはこの路地を通らないと駐車場に入れない。
(写真、文=松本雷太)龍山は壊滅しオーパルパルも縮小したのに比べると、永登浦は優秀な方だ。写真は2002年3月の永登浦。
今度は“美女”と、小便器で「ニーハオ」!? 中国トイレ革命のヤバすぎる迷走ぶり
“中国はトイレが汚い”というマイナスイメージを払拭するため、中国観光局局長が「トイレ革命」遂行を宣言。今後3年間で3万3,000軒の公衆トイレを新設し、既存の2万4000軒についても改装を行うという。 そんな中、山西省の省都・太原市のレストランに、革命的なトイレが登場した。男子トイレの小便器の正面に、露出度の高い衣装から下着がのぞく、セクシーな女性のマネキンが設置されているのだ。この小便器の利用者は、このマネキンに見つめられながら用を足すこととなる。小便器の向こうがガラス張りになっていて、その奥で“美女”たちがお出迎え。
レストラン店主がどんな意図でこのようなトイレにしたのかは不明だが、 「何も知らずに入って、女性トイレと勘違いしてしまった」 「緊張して出なくなってしまった」 「夜中にこんなトイレに入ったら心臓に悪い」 と、実際に利用した人たちの評判は芳しくない。西洋人風のロングヘアばかりなのは店主の趣味?
奇抜なトイレは、ほかにもある。今年2月に話題になったのが、風光明媚な観光地として日本でも有名な桂林にできた、透明ガラス張りのシースルートイレ。用を足しながら外の景色を楽しむことができるが、外からも丸見えなのだ。桂林にできたシースルートイレ。外からは見えない設計になっているというが……。
かつて中国名物だった、壁や目張りのない“ニーハオトイレ”は、もはや農村部でも絶滅寸前だが、人民は、人目にさらされながら用を足していた時代が懐かしい!? (文=佐久間賢三)昔ながらの“ニーハオトイレ”。右手の溝は複数人用の大便器だ。


















