高畑充希主演の『過保護のカホコ』(日本テレビ系)も最終回。視聴率は14.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と過去最高を記録。有終の美を飾りました。 さて、このレビューでは本作で描かれる家族愛を、主に「不穏だ呪いだ」と書き続けてきました。脚本の遊川和彦さんが、カホコやママの異常な家族依存を、若干の悪意を込めてデフォルメしていると思っていたのです。 しかし、どうやらそうでもなかったのかな、というのが最終回を見終えた感触でした。というわけで、振り返りです。どう受け取ったらいいのかわからないまま書き始めてます。 (前回までのレビューはこちらから) 病気で亡くなったばあば(三田佳子)から「この家族を守って」と遺言されたカホコ(高畑充希)は、さっそく親戚たちの問題解決に乗り出します。 やもめとなったじいじ(西岡徳馬)は、カホコに「ばあばに会いに行ってくる、もう探さないでくれ」と言い残して姿を消します。で、どこにいたかと思えば、実家の庭の片隅に身を隠していました。聞けば、結婚したばかりのころ、ばあばとよくかくれんぼをした場所なのだそうです。 「俺はずっとここにいる」と言い張るじいじに、カホコが何やら美辞麗句を並べると、態度が一変。あっという間に立ち直りました。 続いて、先日離婚届を提出したばかりの衛おじちゃん(佐藤二朗)と、ママ(黒木瞳)の妹・環ちゃん(中島ひろ子)の問題も、カホコが「離れてほしくない、一緒にいてほしい、いるべきだ!」と主張すると、あっさり翻意。衛おじちゃんは涙ながらに「俺は君とずっと一緒にいたい、ここにいるみんなとも」とか言い出しました。 このあたりからして、「家族だから」という理由だけで個人が集団に取り込まれていくように見えて、薄気味悪かったんです。それぞれが自分の個人的な悩みと正面から向き合うことを放棄している、つまりは個人でなくなっていく、まるで「家族愛」という毒に感染して人ならざる者になっていくように見える。 なぜなら、カホコが唱える「家族だから一緒にいるべき」という思想は、カホコが個人的な社会経験によって抱いたものではないからです。ママに「家族が常に一緒にいるのは当たり前」と生涯にわたって刷りこまれた上に、ばあばに「家族を守れ」と言い残されたから、という理由だけで、カホコは「家族だから一緒にいるべき」と主張している。以前、従妹の糸ちゃん(久保田紗友)に「家族なんて大嫌い! 気持ち悪い! 特にカホコが嫌い!」と面罵されたことがありましたが、カホコはただびっくりして泣いただけで、糸ちゃんの気持ちを慮ることは一度もありませんでした。糸ちゃんという一個人の心情に寄り添おうとはしませんでした。 今回、手の神経障害で弾けなくなったチェロを売りに行った糸ちゃんから、そのチェロを奪った挙句に「カホコが買う、300万なら貯金ある」と言い出す姿など、醜悪ですらあります。糸ちゃんが、金が欲しくてチェロを売ろうとしているわけじゃないことすらわからないのか、わかっていてこんなに人を傷つけることを言える無神経な女なのか、どう描こうとしたの不明瞭なのですが、カホコの頭を埋め尽くす「家族愛=絶対的正義」という価値観は揺るぎません。そして、そんな家族愛あふれるカホコは、糸ちゃんに「どうしてそんなにチェロを売りたいの?」と質問することもありません。対話を拒絶し、共に進歩や成長を模索することを拒絶し、「おまえはチェロ弾きの女っつー設定なんだから、その設定を守れよ!」と強いるのです。もはや暴力です。 で、まあなんだかんだでカホコはハジメくん(竹内涼真)と結婚して、糸ちゃんも神経障害をおして結婚式でチェロを弾いて、ママも許してくれて、ハッピーエンドとなりました。 ■さて、『過保護のカホコ』とはなんだったのか 先に、「毒に感染して人ならざる者になっていく」と書きました。では、感染源はどこなのか。 それは、ばあばです。ママたちが生まれ育った並木家に嫁いだ当時、ばあばは姑や小姑からひどいイジメを受けていたといいます。 72歳で亡くなったばあばは、21歳でカホコのママ(51)を産んでいますから、イジメを受けていたのはその前の5年間くらいでしょうか。1961~66年あたりだとすれば、世は高度経済成長の真っ只中。洗濯機や冷蔵庫が普及し、家庭における女性の役割に大きな変化が訪れました。一方で、厚生労働省の「人口動態統計(確定数)の概況」によれば、65年の離婚件数は約7.7万件で、終戦直後の47年とほぼ同数だそうです。2016年の資料では21.7万件となっているので、離婚そのものが現代に比べれば、あまり一般的ではなかった時代です。 そうした時代に、姑や小姑からひどいイジメを受けたばあばには、それに耐えるしか選択肢がなかったのかもしれません。しかも、夫はそのイジメを止めようともせず、夫婦2人で家を出ようと提案することもなく、ばあばに水鉄砲で水を浴びせたり、せっかく片づけた落ち葉を頭からぶちまけたりする男です。 そんな環境で、若かりしころのばあばは、幼児退行を起こしたのでしょう。水鉄砲攻撃や落ち葉攻撃といった夫の悪ふざけが「楽しかった」のだそうです。「くよくよしててもしょうがないなーって、吹っ飛んじゃう」のだそうです。それは、苛烈なイジメを受けながらも、この並木家に根差すしか選択肢のなかったばあばの心の闇が作り出した「せめて夫とのひとときを楽しむしかない」という逃避的思考だったのかもしれません。 こうして「家に根差す」以外の選択肢、価値観を失ったばあばの思想は、娘たちにも伝播します。特に、長女であるカホコのママに、ばあばは「厳しく当たった」と言いました。きっとその厳しい指導の中には「家族は一緒で当たり前」という思想も含まれていたことでしょう。 ばあばのこの思想には、作中で語られたエピソードから推測するだけでも「家族は一緒で当たり前(だって、私は逃げられなかったし)」という怨嗟が含まれているように感じます。しかし、おそらくばあばはそうした怨嗟に無自覚ですので、カホコのママにはそれが「家族は一緒で当たり前(だって、その方が幸せに決まってる)」と伝わっていると考えられます。何不自由なく育った中で、怨嗟を種にした「家族愛=絶対正義」という思想だけがママに受け継がれたわけです。それがカホコへの教育方針に反映されていることは、言うまでもありません。 さらに、ママが過酷な不妊治療を経てカホコを出産したことも語られました。このことが、さらにカホコへの過干渉を強めた原因であることは、ママ自身も自覚していたようです。 そんなママに純粋培養されたカホコは、ママがカホコに向けていた過干渉を、親戚一同に対し、全方位的に実行していくことになります。登場した当時は「おまえのような過保護が日本を滅ぼす」と言っていたハジメくんを巻き込み、親戚全員を「家族愛」に感染させ、さらにばあばが「逃げられなかった」並木家の実家に陣取って、その種が怨嗟であることを知らないまま家族愛の絶対神として君臨していくことになるのです。 ハジメくんは結婚1年後も似顔絵屋で収入が不安定なうえ、まだ「創作活動が」とか言っていますので、カホコは思想的にも経済的にも、家の支柱となります。もう誰も、カホコに逆らうことができません。もとより、家族愛という絶対的価値観に支配された親戚たちには、もう逆らう意思もないのです。まるで礼拝のように、誰かの誕生日になれば並木家に集合して祈りを捧げるしかないのです。 ■テーマは「過保護なママ」の解放だったのかな 一方で、カホコを嫁に出したあと、「過保護なママ」だった泉は夫に離婚を切り出します。 「ねえパパ、離婚しよっか?」 「カホコがいなかったら一緒にやることもないし、いいんじゃない? あたしたち」 この提案は、カホコが聞いたら目ん玉飛び出しちゃうくらい、とんでもなく意味がわからない発言でしょう。自ら思考せず、形骸化した「家族愛」だけに囚われるカホコにとって、家族であることは「どんなことがあってもやめられない」(と糸ちゃんに言ってた)ものなので、ママがこんなことを言い出すなんて、完全に想定外であるはずです。 しかし、この「離婚しよっか?」は、並木家でイジメに遭っていたばあばが、決して言い出せなかった一言でもあるはずです。 作中、ママが提案した離婚が夫婦間で成立したかどうかは「想像にお任せします」とのことでした。 第1話から、オープニングで常に表示されていた、歪んだハートマークで囲われたエリア。そのエリアから一歩でも外に出ると、ママはまともに口をきくこともできないという病理が繰り返し語られています。 しかし最終回、カホコを嫁に出すことを決心したママは、エリアの外でも普通に会話し、行動することができました。 離婚を口にしたあと、この歪んだハートマークの歪みは取り除かれ、バランスのいい美しいハートになって徐々に拡大し、消えていきました。ママが、いつどこに行っても自分の意思と行動を妨げられず、思うままに自己表現できる人間になったことが示されます。 この物語は、ばあばにとって地獄だった並木家という環境が、その逃げ道として「家族愛」という毒を生み出し、その毒に犯されたママが、カホコを手放すことによって「家族愛」だけが絶対的な価値観ではないという気付きを得る物語だったのかもしれません。そうして呪縛から解き放たれ、ママが今一度、個人としての人生を取り戻す姿を描いた“失われた時間の再生”の物語。そう解釈すると、わりとすんなり、いろんなことが腑に落ちるかな、という感じです。 だけど、カホコは純粋培養ゆえに気付きの機会がなく、糸ちゃんも、すでに感染済み。並木家の呪いは拡散しながら、未来永劫続いていく……。このドラマは不穏だってずっと言い続けてきましたが、やっぱりこれは呪いだし、この構造は完全にホラーじゃんね。(あくまで個人の感想です) あ、面白いか面白くなかったかでいえば、最終回を見た直後はわからなかったんですが、ここにいたり「すげえ面白い」となってます。はい。 (文=どらまっ子AKIちゃん)日本テレビ系『過保護のカホコ』番組公式サイトより
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視聴率は6.2%と低いけど……『僕たちがやりました』第9話は、名シーン連発の“神回”だった!
今期もっとも攻めてるドラマ『僕たちがやりました』(フジテレビ系)も、最終回直前の第9話。視聴率は6.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と相変わらず低迷ですが、今回は名シーン連発の“神回”だったと思います。というわけで、振り返りです。 (前回までのレビューはこちらから) 今回はいきなりラストシーンから紹介します。 矢波高爆破事件で10人の死者を出しながら、無罪放免になってしまい、罪悪感に苦しむトビオ(窪田正孝)たち4人は、真実を告白するネット動画を投稿。そのQRコードを貼ったビラを街中にばら撒きながら野外コンサート会場に乱入し、ステージ上で「僕たちがやりました!」と叫び、「捕まえてください!」と自首しました。 なぜそんな面倒な自首をしたかといえば、これくらい派手にやらないと、またパイセン(今野浩喜)の父親である“闇社会のドン”こと輪島宗十郎(古田新太)に揉み消されてしまうからです。 パイセンはマイクを手に、こう叫びます(名シーンその1)。 「人は、間違える生き物です! 間違えた後にどうするかが、その人間の生きる姿やと思います! 僕たちは間違えました──!」 第1話からこれまで、このドラマは、4人の若者が「間違えた後にどうしたか」を描いてきました。それらは概ね身勝手で、姑息で、なんの解決にもならない愚策で、自らの欲望にのみ忠実で、しかし2人が自殺を図るほど、彼らにとっては真剣なものでした。 衝動的に学校の屋上から身を投げ、茂みに落ちて生き残ったトビオは、「生まれ変わって楽しく幸せに生きる」ことを標榜しました。事件の被害者である市橋(新田真剣佑)と友だちになることもそうだし、幼なじみの蓮子(永野芽郁)と付き合うこともそう。トビオの「幸せへの生まれ変わり」は、どうやらうまくいきそうだったんです。 しかし前回、その市橋が「幸せになれよ」と言い残して自殺してしまいました。事件の真相を知る刑事・飯室(三浦翔平)は「結局彼は何も知らずに死んだのだから、うまくやったなぁ。反吐が出るよ」とトビオを責めたてます。この期に及んで、ようやくトビオは「生まれ変わる」ことなどできないのだと自覚することになります。 ひとり、部屋で「やりたいこと」を考えるトビオ。事件直後、パイセンからもらった口止め料の使い道を考えていたとき、マル(葉山奨之)と2人で「やりたいこと」を片っ端から書き出し、あみだくじで決めたことがありました。そのときの答えは「SEX」でした。 同じように、トビオはあみだくじの線を引き始めます。バックには祝祭の音楽が流れています。あみだをひとつ選び、たどり着いた先には「自首」とありました。「うしっ」と小さく、トビオはそれが自分の望む行き先であったことに満足します。トビオが作ったあみだくじのゴールには、すべて「自首」と書かれていました(名シーンその2)。 翌日、トビオがほかの3人に集合をかけると、伊佐美(間宮祥太朗)もマルもすでに部室に来ていました。平然と、何食わぬ顔で、まるで何もなかったかのような顔で「せっかく3人そろったんだからゲームでもやらない?」とか言ってる2人(名シーンその3)に、トビオは自分の下した決断を伝えようとします。 「お遊びはそこまでや!」 パイセンもやってきました。爆破事件の実行犯4人が、久しぶりに顔をそろえることになりました。 「自首する人ぉー?」 パイセンの問いかけに、なんの迷いもなく3人とも手を挙げます(名シーンその4)。事件以降、初めて4人の意見が一致した瞬間でした。決行は4日後の日曜日。パイセンが銀行から下ろしてきた全財産を資金に、4人はいかにも楽しそうに“世の中が引っくり返るような最高の自首”の準備を進めます。 「てか、パイセン最悪死刑ですよ。成人だし」 マルの一言に、パイセンの手が止まります。「左利きの死亡率は100%、右利きも100%、つまり人間はいつか死ぬ」などと意味不明なことを呟くと、夜風に当たりに部室を出て行ってしまいます。 「忘れてたんじゃね?」 「勢いだけで言ってたんかな」 「俺たちだけでなんとかやろうぜ」 準備を再開した3人のもとに、勢い込んでパイセンが戻ってきます。 「おまえらかて死ぬんやぞ! 社会的に死ぬんやぞ! わかってんのか!」 「ハイ」 あまりに平然と、3人が声を揃えて返事をするものだから、パイセンは思い切りセルフビンタして気合を入れ直しました(名シーンその5)。 「最高やな、おまえら!」 最後の夜、トビオはいつも通り蓮子とデートを楽しむと、おもむろに「別れよう。ごめん、もう一生会いたくない」と告げ(名シーンその6)、夜通し泣きながら過ごしました。 伊佐美は今宵ちゃん(川栄李奈)のお腹を触り、その子の名前を「明日男(トゥモロオ)」にしたいと言いました。今宵が英語で「トゥナイト」だから「トゥモロオ」なのだそうです。 「元気なトゥモロオ産めよ!」 そうして伊佐美も、ケジメを付けることができました。 マルとパイセンは風俗で童貞を捨てました。マルは、愛しのキャバクラ嬢・うららちゃん(おのののか)に別れを告げることもできました(このときのマルの「もう来ないよ、オレ」の顔がよかったので、名シーンその7)。 そうして、“最高の自首”の準備は整い、それは成功したかに見えました。ステージの上、4人は固く手をつないで、バンザイをしながら叫んだのです。 「僕たちがやりました!」 トビオにとって、これこそが自由だったといいます。自分たちが犯した罪から逃れることではなく、自首することで自由を手に入れることができたと、トビオ自身が信じたのです。あの、動物マスクをかぶってハンマーを担いだ輪島の手下たちがステージに乱入してくるまでは……。で、いよいよ次回は最終回です。 ■「自首=自由」というパラドックス 犯罪者が警察から逃亡し、逃げ切ることで自由を手に入れるというのが、いわゆる「逃亡劇」のフォーマットです。 しかしこの物語は、罪を逃れて自由を手にしたことで、若者たちが「不自由」に苛まれ、自由を得るために警察に自首をするというパラドックスめいた構造になっています。 つまり『僕たちがやりました』というドラマは、「自由」や「幸せ」が人の立場や地位や身分ではなく、徹底的に個人の心に帰結するものであることを訴えた物語だと思うのです。 そうした大テーマは、大部分を原作に寄りかかる形で語られますが、画面上でシリアスとコメディを行き来しながらテンポよく展開する演出は実に成功していると思います。また、この第9話ではそこから一歩進んで、一貫してコメディトーンのままシリアスな決意や発言や行動が演出されることで、この作品独自の爽快感が現れているように思いました。 そうした爽快感が現れる理由はもちろん演出の方向性や原作に対する理解度だけでなく、俳優部の力も大きいと思うのですが、そのへんはまた次回の最終回で書きたいと思います。 (文=どらまっ子AKIちゃん)関西テレビ『僕たちがやりました』番組公式サイトより
次シーズンは主要キャスト総とっかえ!? 月9『コード・ブルー』に「これじゃない感」が漂うワケ
山下智久主演の月9『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)の第9話。平均視聴率は前回から1.5ポイントダウンの13.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。 患者を命がけで助ける医者の姿が魅力的に描かれた過去のシーズンとは異なり、医者自身の私的な葛藤が多く描かれてる今シーズン。「期待はずれ」「これじゃない感」と否定的な意見も多い中、フジテレビの宮内正喜新社長は、日刊スポーツのインタビューで「『コード・ブルー』が良くて活気が出てきた。本来のチャレンジャー精神が出てきた」とご満悦です。 しかし、『コード・ブルー』人気は、月9ブランドの復活とは言い難く、過去の人気にすがっただけのようにも……。次クールの月9『民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~』で、活気が失われないといいですが。というわけで、早速、あらすじを振り返りましょう。
横峯の登場シーンが減った気がする……
今回は、主要キャラたちの“人生を左右する1時間”が同時進行で描かれる構成でした。 まず、センター部長・橘(椎名桔平)の10歳の息子・優輔くんに、ついに心臓移植の順番がまわってきました。1時間以内に移植ネットワークに返事すれば、移植が受けられるといいます。 しかし、優輔くんは移植を拒否。理由は、3年前に補助人工心臓を装着してからというもの、「お父さんは、ほかの子どもが死ぬのを待つようになった」からだとか。返事のタイムリミットが迫るも、「僕が死ねば、僕が大好きなお父さんに戻れる。僕は移植を受けない」の一点張りです。 優輔くんのマジな目に圧倒され、橘が「あいつが後悔したまま生きていくと思うと、あまりにもつらい」と移植を諦めかけていると、緋山(戸田恵梨香)が「親が子どもを信じなくてどうするんですか!」と一喝。目が覚めた橘は、自分の判断で心臓移植を進めることを決断。優輔くんをドクターヘリで搬送しながら、「お父さんが優輔に生きてほしいから、移植するんだ!」と自信満々で伝えます。 次は、包丁を握れなくなった料理人・緒方(丸山智己)とラブラブの緋山。正式に付き合っているわけではないそうですが、1週間、デートを重ねているそうです。 この日、緒方が何か言いたそうにしていると、緋山に前職の周産期母子医療センターから、「医局長として戻ってこないか」との誘いの電話が。これに緋山が喜んでいると、緒方に「障がいのある俺といたら、夢を追うどころじゃなくなる」「もう会うのはよそう」と言われてしまいました。 このまま別れたら、医者が「相手が障がい者だから付き合わない」という選択をしたことになってしまうので、医療ドラマとしてさすがにそれはないと思うのですが……。冴島の人の変わりようにビックリ
次は新人フェローの名取(Hey! Say! JUMP・有岡大貴)。前回の針ぶっさし事件を耳にした父親が名取のもとへ。これ以上、名取の名前で騒ぎを起こしてほしくない父親は、実家が経営する総合病院に戻らないかと説得。名取も、「緋山先生が(周産期母子医療センターに行って)いないのなら、ここに未練はない」と父親の病院行きを決意します。 また、新人フェローの灰谷(成田凌)は、ドクターヘリでの失敗からPTSDを発症。ヘリでヘッドセットを装着しても、ガクガク震えてしゃべれないんだとか。結局、灰谷の希望で、ヘリ担当から外されることになりました。 で、最後は藍沢(山下)。トロント大学の臨床医師として推薦が決まったものの、術後の後遺症を抱える天才ピアニスト・奏(田鍋梨々花)に罪の意識を感じるあまり、「俺は行かない。救命に残る」と断る気満々です。 そんな中、骨盤骨折で運ばれてきた車椅子ラグビーのエース選手が、14年前の事故で受けたダメージが原因となり、急死。救命センターにチームメイトが集まると、1人の選手が「エースっていうのは、わがままで、自分勝手じゃなきゃダメなんだ!」「あいつは優しすぎた!」などと、藍沢のウジウジ病につき刺さるような言葉を連発します。 白石も、ウジウジ藍沢に「藍沢先生って、そんなんだった? 9年前のあなたは違った」「何かのせいにして楽な道を選んだりしないでほしい」「あなたはトロント行くべき」と説得します。 こんな感じで主要キャラたちの1時間が描かれた後、ドクターヘリ要請が。電車の開通を記念したイベント「トンネルウォーク」中に、崩落事故が発生したとのこと。 灰谷以外が現場に駆けつけると、すでに死者多数のパニック状態。重傷者はトンネル内に残されており、藍沢や藤川が重傷者の治療に当たります。 そうこうしていると、再び崩落事故が起こり、藍沢が生き埋めに。藤川はどうなっているかわかりません。 なお、藤川がトンネルに向かおうとすると、妻の看護師・冴島(比嘉愛未)が「行かなくていい。あなたは勇敢な医者になんてならないで。危ない現場はほかの先生に任せればいい。大切な人を失うのは2度で十分」と全力で止めていましたから、このフリは死亡フラグでしょうか? もしこれで藤川が死んだら、冴島は呪われているとしか思えませんね。 最後は、白石の「私の大好きなチームは、バラバラになってしまった」との不穏なナレーションが流れ、第9話は終了です。全ては「THE FOURTH SEASON」へのつなぎだった?
さまざまなエピソードが描かれた今回ですが、今シーズンは、冴島がシアン中毒になったり、いきなり倒れて流産したり、白石がヘリの事故で足を引きずったり、灰谷がホームで転落したり、緋山に針が刺さってエボラ出血熱の疑いが浮上したり……医者やナースが患者になりまくりですね。 欲を言えば、医者の絶体絶命シーンよりも、事故現場で患者を救うシーンが見たいのですが、これが新社長の言うチャレンジジャー精神なのでしょうか? 違うか。 とはいえ、藍沢のウジウジ病と、車椅子バスケの選手のエピソードをくっつける感じがわざとらしかった以外は、ミニドラマをたくさん見せられた感じで、わりと楽しめました。特に、優輔くんが移植を拒否したエピソードは、移植待ちのストレスや、移植後も葛藤が続いていくしんどさなど、なかなかガツンと来る内容でした。 で、最終回が全く想像つかないのですが、今回を見る限り、次のシーズンで主要キャストが新人フェローに総とっかえということもありえるかも!? というより、最初からそれを目指して、藍沢をトロント大の候補にしたり、白石に新人教育を頑張らせたり、冴島を藤川と結婚させて流産させ、危険な仕事から遠のかせたようにも……。 今シーズンで医者の葛藤が重点的に描かれた理由も、この先のシーズンへの“つなぎ”と考えたほうがしっくりくるような。そうなると、最近、新木優子演じる横峯のエピソードが描かれなくなったのも、「いつ幸福の科学の芸能プロに移るかわからないし、そうなるとドラマに起用できないから」という理由に思えてなりません。 さて、絶体絶命の状況で迎える最終回は、一体どんな展開を見せるのでしょう? とりあえず、横峯の登場シーンが激減していないかチェックしたいと思います。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)風呂上がりの吉岡里帆を抱かない漢・長瀬智也!! 『ごめん、愛してる』最終回くらいは泣きたい!
TOKIO・長瀬智也演じる主人公が、脳に銃弾を入れながら人を乗せて車を運転したりするメロドラマ『ごめん、愛してる』(TBS系)。10日放送の第9話の平均視聴率は、自己2番目に高い初回とタイの9.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。 前回は、偶然、ばったり、偶然、ばったり……と、ドラマ的な展開が続きすぎて、ご都合主義が限界突破していた同作ですが、今回はどんな塩梅でしょう? あらすじを振り返ります。 ※前回のレビューはこちら
最終回直前の暴露合戦
律(長瀬)は、心臓発作で入院中のサトル(坂口健太郎)に心臓を提供しようとしていることを凜華(吉岡里帆)に明かしますが、律の余命のことなど知らない凜華は、ちんぷんかんぷん。「冗談言わないで!」と怒って、律のもとを去ってしまいました。 早速、律は「死後、心臓を日向サトルに譲ります」と紙に書き、誓約書を作成。麗子(大竹しのぶ)に余命が「1カ月か、そこまでもたないかもしれない」ということを告白し、誓約書を手渡します。しかし、律が自分の息子であることを知らない麗子は、「どうしてそこまでしてくれるの? わからない」と凜華同様にちんぷんかんぷんです。 病院では、意識が回復したサトルが、麗子に「僕、凜華と結婚しようと思うんだ」と勝手に宣言。凜華も重病人の手前、「はい……」と、イヤイヤ受け入れるしかありません。 また、“これでサトルの命が助かるわ~”とばかりにルンルンの麗子は、サトルに心臓移植ができることになったと報告。不信に思ったサトルは、麗子が席を外した隙に、バッグに入っていた律の誓約書を取り出し、勝手に見てしまいます。前回のスマホの盗み見といい、最近のサトルは人の所有物をやたらあさりますね。 そんな中、凜華はサトルとの結婚話を断ることを決意。それを父・恒夫(中村梅雀)に伝えるも、律の余命を知っている恒夫は、いきなり「あいつだけはダメだ! あいつは死ぬんだよ!」と暴露します。 えー! 凜華が律の余命のことを知るきっかけが、このタヌキ親父だなんて! せっかく第9話まで引っ張ってきたのに、意外とあっさり凜華にバレてしまいました。 一方、その頃、律がサトルの病室へ。サトルが「僕に心臓をくれようとしてるよね。どうして?」と質問すると、律はサトルの心臓発作も恐れず「俺の弟だからだよ」と暴露。率はその帰り道、頭が痛み、嘔吐。意識を失い、ゴミ置き場に倒れこんでしまいます。 目を覚ますと、目の前には頭をサワサワと撫で、微笑む凜華の姿が。そのまま、2人はホテルへGO! 脳死寸前ってわかっていても、病院ではなく、ホテルへ直行しちゃうあたりが『ごめん、愛してる』の世界観です。 ベッドで休む律に、凜華はチャンスとばかりに「あなたのそばにいて、一緒に泣きたい」と果敢にアタック。凜華からキスをした後、お風呂に入ってベッドにスルリ。しかし、律は一向に抱いてくれません。「バカ……」と言い放ち、不貞寝する凜華。律は「ごめんな」とのメモを残し、欲求不満な凜華を残してホテルから去ってしまいました。 その後、律が歩いていると、「私は淫乱ですし」でお馴染み(関連記事)のアバズレサックス奏者・塔子(大西礼芳)の姿が。偶然か、はたまた2人は落ち合ったのか? 疑問を残しつつ、第9話は終了です。最終回くらいは泣きたい!
最終回直前らしく、暴露合戦に終始。さらに、麗子を執拗に追いかけているジャーナリストの加賀美(六角精児)が、自分は律の父親である黒川(山路和弘)の死んだ妻の弟だということも発覚しました。ってことは、律と加賀美は遠い親戚? これでサトルの父親が恒夫なんかだったら、さらに親戚だらけになってしまいますね。ちなみに、六角はいち早くクランクアップしたようなので、最終回は出なさそうな予感。加賀美の出番、思ったより少なかったなあ……。 そして、今回は“ついに塔子の登場シーンがなくなってしまった……”と諦めかけていたところ、最後の最後で大物の貫禄をまとって登場しました。しかも、赤いスポーツカーの横に立っているという最高の画。ああ、こんなにも塔子の登場を期待するようになったのは、一体いつからでしょう。何をしでかすかわからない女って、一周回ると魅力的に見るから不思議です。 さて、相変わらず韓流展開てんこ盛りの同作ですが、来週はいよいよ最終回。何やら、サトルが秘密を告白するようです。今まで不自然なほど触れられてこなかった父親のことでしょうか? なんにせよ、初回からまだ一度も泣けていないので、最終回くらいは泣きたい! 涙腺にアタックしてくるような展開を、よろしくお願いします。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)日テレ『ウチの夫は仕事ができない』で錦戸亮が覚醒も、自己最低7.8%……最終回を大胆予想!
関ジャニ∞・錦戸亮主演のお仕事ホームドラマ『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ系)。『24時間テレビ』の影響で2週ぶりの放送となった第8話の平均視聴率は、自己最低となる7.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。 思わず「クソ脚本め!」と叫んでしまった回もあったものの、全体的にはほんわかステキムードが漂っている同作。あらすじを振り返ります。
最初から仕事できたけど……
これまで小さいイベントばかり担当してきた司(錦戸)ですが、実績が認められ、土方チームリーダー(佐藤隆太)から重要な仕事を任されることに。その仕事とは、大口クライアント「轟リゾート」の轟夢子会長(84歳)ひとりを喜ばせるためのパーティーの企画・設営。毎年行われており、会長の満足度が来年の契約内容に関わってくるそうです。 翌日、あいさつに行くと、会長が車椅子に乗って登場。「やりたいことはやりつくした。そんな私を、あなたは満足させるのです」「去年の企画はギリギリだったわ」と高圧的です。 後日、司は小学校の同窓会に出席。一番仲の良かった高杉(和田正人)は、映像技術を提供する会社の社長になって大金持ちに。なにやら、プロジェクションマッピングを初めて日本に導入した人物なんだそうです。 その後、とりあえず会長の故郷である埼玉県の守沢村を訪れてみる司。しかし、村はダムの底に沈んでおり、なくなっていました。そこで、残っている川や森、資料館にあった会長の家族写真などをカメラで記録。足が不自由で、この風景を見に来ることができない会長のために、写真展を開くことを思いつきます。 さらに、写真展の相談のため高杉の元を訪れると、高杉は3Dホログラムの最新技術を使うことを提案。デモンストレーションとして、何もない空間に2人が通っていた小学校を再現して見せます。また、高杉がここまで協力的なのは、小5のときに、司からひまわりの写真を褒められたことで「自信がついて、だから今の俺がいる」と恩を感じているからだそうです。 パーティー当日、会長の前でかつての守沢村を再現。さらに、現地で分けてもらったスイカを用意すると、少女時代に戻ってスイカを頬張る会長。「おいしい……このスイカ、昔と同じ味だわ」と会長を感激させることに成功し、司に拍手喝采が浴びせられます。 この成功により、司は500人の社員の中からたった1人に送られる社長賞に選ばれ、社内でちやほやされる存在に。家では、沙也加(松岡茉優)が社長賞のお祝いのため、司が好きなキノコ料理を作って待っていますが、司は沙也加に連絡もせず、擦り寄ってきた社員たちと食事に行ってしまいました。 で、沙也加の「ウチの夫は、仕事ができる人になった」「なんかなんか、なんか違う」との心の声が流れ、第8話は終了です。最終回を勝手に予想
普通にいい話! 会長が3Dホログラムで再現された家族と一緒にスイカを食べるシーンでは、思わず目頭が熱くなってしまいました。ありがとう。 そして感動と同時に、「『ウチの夫は仕事ができない』なんてタイトルにしないで、最初から地味な社員の痛快サクセスストーリーにしとけばよかったんだよ!」……と、すごく思ってしまった今回でした、はい。 今回、高杉に「人ってさあ、認められたり、求められたり、賛美の声を浴びたり、それってやっぱり快感なんだよ……。ここからだよ、お前の新しいスタートは」と言われ、覚醒してしまった司ですが、姿勢や歩き方、表情まで一変。そんな錦戸の細やかな演技に、ハッとさせられました。来年公開される主演映画『羊の木』では、「ごく普通の市役所職員」を演じるといいますから、今から楽しみです。 で、次回は、仕事人間になってしまった司が、沙也加をないがしろにして悲しませる展開のようです。ということは、最終回は「仕事ができなくてもいい!」と元の司に戻り、会社を辞め、子どもが生まれ、キノコの研究員にでもなる展開でしょうか? 今回の話がよかっただけに、最終回が俄然、楽しみになってきました! (文=どらまっ子TAMOちゃん)「ペロペロ舐めて」悪女・元子に屈辱の展開も、武井咲の“デキ婚報道”が脳裏にチラつく『黒革の手帖』第7話
EXILE・TAKAHIROとのデキ婚を発表し世間を賑わせている武井咲が、銀座を舞台に暗躍する悪女役を演じるドラマ『黒革の手帖』(テレビ朝日系)の第7話が7日に放送され、平均視聴率11.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から1.7ポイント上昇しました。 さて、これまでのあらすじを少し。東林銀行で派遣社員として働いていた原口元子(武井咲)は、“黒革の手帖”に脱税者の情報を記し、税務署に密告すると脅して次長・村井亨(滝藤賢一)ら上司の口を封じ、1億8千万円を横領。それを資金に銀座でクラブ・カルネを開業し、“銀座で1番若いママ”として注目される存在となります。 勢いに乗る元子は前回、銀座で1番のクラブ・ルダンを購入するため、売り主・長谷川庄治(伊東四朗)と交渉。売値3億円に対して手付金が5,000万円、2週間以内に残金を支払えない場合、1億円の違約金&カルネの譲渡、というシビアな条件を呑んでしまうのです。 黒革の手帖を脅しのネタに、有力者から金を奪い取ればいい。そうタカをくくっていた元子ですが、裏社会に繋がりを持つ長谷川の根回しにより、あてにしていた資金はまったく手に入らず。肝心の黒革の手帖まで何者かに盗まれてしまいます。焦った元子はカルネの常連客で衆議院議員の安島富夫(江口洋介)に泣きつき、なんとか手付金だけの損失で済むように取り計らってもらいます。 カルネを手放さずに済んだと安心した元子ですが、営業前のミーティング中に村井が登場。カルネ譲渡の契約は破棄されず、新たに支配人に就いたというのです。さらに、第3話で自分の店を持つという夢を元子に潰され、強い恨みを抱く山田波子(仲里依紗)が新しいママとして登場したところで前回は終了となりました。 今回はその続きからスタート。元子への復讐心に燃える村井と波子は、ここぞとばかりに嫌がらせをします。特に波子は、「この店にいたかったらこの靴を舐めて。ペロペロ舐めて」と命じ、元子が靴を舐めようとした途端、「時間切れ」と意地の悪い顔をして見せ、キャストたちの前で元子に最大限の屈辱を与えるのです。 窮地に陥ってしまった元子ですが、さらに追い打ちをかけるように妊娠したことが発覚。心当たりは安島しかいません。その安島に妊娠の件は伏せつつ、カルネの件を相談。弁護士を紹介してもらいます。 しかし、裏社会で絶大な力をもつ長谷川を敵に回すことを恐れた弁護士は、元子の依頼を拒否。元子は途方に暮れてしまいます。そして、街中をぼんやりと歩いているところを警察に不審がられ職質を受けるのですが、横領の件で警察に対して過敏になっているために反射的に逃走。その途中で階段を転げ落ち、流産してしまうのです。 もはや残された道は長谷川への直談判しかない。そう決心した元子の前に安島が現れ、「これを持っていれば会長(長谷川)は会ってくれる」と茶封筒を手渡すのですが、その中身を見た瞬間、元子は心の中で「手帖に代わる切り札になる!」と快哉を叫びます。 そして画面が切り替わり、着物姿の元子が堂々とルダンの店内に入り、店員に向かって「近々、このルダンのママになる原口元子と申します」と自信たっぷりの表情で言い放ったところで今回は終了となりました。 さて、感想ですが、やはり触れざるをえないのは、主役を務める武井のデキ婚でしょう。ただでさえ注目を集める中、まるで狙ったかのようにドラマ内でも妊娠。しかも、警察から全力で逃走したあとに階段から転げ落ちて流産というシーンがあったため、「妊婦にそんな演技をやらせていいのか」とドラマに集中できなかった視聴者は少なくなかったかもしれません。 それと今回、元子が派遣ホステス時代に働いていたクラブのママ・岩村叡子(真矢ミキ)にカルネ譲渡の件を相談した際、「ルールを破った女に居場所はない。元々あなたは銀座に合わない女だった」と痛烈な言葉を浴びせられる場面がありました。これに対して元子は「諦めません。私はこれからもこの銀座で生きていく」と返すのですが、このシーンについても“銀座”を“芸能界”に置き換えれば今の武井の状況にぴったりだな、なんて余計なことを考えてしまいドラマに集中できませんでした。 結婚も妊娠も武井の人生ですからとやかくは言えませんが、今回のドラマでせっかく悪女役に開眼しただけにもったいないな、というのが率直な意見です。また、前回から復讐の鬼と化して再登場した村井や波子も絶妙なキャラを発揮して盛り上げているだけに、せめてデキ婚発表はドラマ終了後にすれば良かったのではとも思ってしまいます。 なにはともあれ次回で最終回。安島から手渡された茶封筒には一体何が入っていたのか、元子の運命やいかに。あっと驚く展開&結末を期待して放送を待ちたいと思います。 (文=大羽鴨乃)テレビ朝日系『黒革の手帖』番組公式サイトより
森田剛の演技が泣ける! 感動ストーリーで真価を発揮!『ハロー張りネズミ』第8話
義理と人情に厚い探偵役を瑛太が演じるドラマ『ハロー張りネズミ』(TBS系)の第8話が1日に放送され、平均視聴率8.1%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回とまったく同じ数字となりました。 さて、気になる今回の依頼主は、中華料理屋の料理人・栗田精二(國村隼)。調査内容は、生き別れになった息子・伸一と娘・朋美を探し出して欲しいというもの。当初は七瀬五郎(瑛太)が担当するはずだったのですが、急に腹をくだしてしまったため木暮久作(森田剛)が代わりに調査することに。同行したいと要望してきた栗田を引き連れ、朋美が10年前に住んでいた看護学校の寮母・鈴木和子(根岸季衣)の元を訪ねます。しかし、朋美から「両親は死んだ」と聞かされていた和子は住所を教えることを拒否。木暮と栗田は追い返されてしまうのです。 車内に戻った木暮は、息子たちと離れ離れになった経緯をちゃんと説明するよう要求。そして、栗田が若い頃にヤクザ者であったこと、死別した妻のお陰で改心し中華料理店を開いたものの、兄貴分に商売の邪魔をされ、カッとなった挙句に包丁で刺殺してしまったことを知ります。 自身にも荒れた過去がある木暮はここでようやく、息子と娘に会いたいという栗田の願いを本気で叶えてあげようという気になり、和子の元に引き返して土下座。なんとか朋美の居場所を訊きだし、翌朝その住所へと向かいます。 しかし、といいますか当然ながら、栗田は朋美(松本若菜)に拒絶されてしまいます。そこで木暮は、栗田が作ったチャーハンを食べて欲しいと朋美に懇願。この作戦が功を奏し、幼少期の“思い出の味”で心を動かされた朋美から伸一の現住所を訊きだすことに成功します。ただ、朋美の家を出た直後、栗田は突然倒れ意識を失ってしまうのです。 実は脳腫瘍を患い、担当医師から余命半年と告げられていた栗田。調査のために無理したことで、すぐに入院しなければならないほど病状が悪化してしまったのですが、伸一の元へすぐに連れて行って欲しいと木暮に懇願します。 残された時間はもうわずかだと覚った木暮は、栗田が好きだという名作映画『幸福の黄色いハンカチ』(1977)にちなみ、父親に会う気があるならベランダに黄色いものを飾っておいてくれと電話したうえで伸一の元へと急ぎます。しかし、伸一が住む団地のベランダに“合図”はなく、栗田はそこで息絶えてしまうのです。 後日、栗田の葬儀には朋美だけでなく伸一(山中崇)の姿も。木暮のお陰で親子は絆を取り戻したのです。しかし、肝心の木暮の姿はそこにはありません。栗田が昔、親子4人で遊びに行った思い出の地である伊豆の海岸に向かっていたのです。そこで木暮は、黄色いハンカチをたくさん掲げた柱を立て、「おっさん見えるか!」と海に向かって叫んだところで今回は終了となりました。 さて、今回は主人公・五郎はひと休みして、グレさんこと木暮がメインで活躍する回となりました。原作コミックでは五郎が調査を担当するだけに、瑛太のスケジュールの都合だったのか、あるいはこれまで脇役に甘んじていた森田にスポットライトを当てるためだったのかは定かではありませんが、なんにせよ森田は栗田役の國村と共に抜群の演技力を見せてくれました。 正直、今回のドラマに森田は必要なのかとずっと疑問に思っていました。初回こそ出番が多く、原作とは違う瑛太とのバディものになるのかと期待したのですが、第2話以降は瑛太に横からチャチャを入れるだけの役に成り下がった印象がありました。意味もなくハイテンションになったり、つまらないギャグを連発することもあったため、存在が邪魔だとすら思ったこともあります。 しかし今回は、栗田が殺人で服役していた事実を知ったあたりから一変。これまでとはまるで違うシリアスモードになり、グッと引き込まれてしまいました。展開的にはありがちなストーリーでしたし、栗田の病状が悪化するのが唐突すぎるとか細かいツッコミどころはありましたが、そこは役者陣の演技力がカバー。森田、國村はもちろんのこと朋美役を演じた松本も、何十年ぶりに父親のチャーハンを食べた際の心情をうまく表現し、涙を誘っていました。 今回、人情モノで感動させてくれましたが、次回は『あかつか探偵事務所』のメンバーがヒーローショーへの出演依頼を受けるとのことで、予告動画を見る限りでは駄作の予感が……。しかし、第4話と5話で名演技を見せてくれた霊媒師・河合節子役の蒼井優が再登場ということで、その点では見逃せない回となりそうです。 (文=大羽鴨乃)TBS系『ハロー張りネズミ』番組公式サイトより
最終回目前で1ケタ転落の『過保護のカホコ』 この保守的な家族像は健全なのか、不健全なのか問題
このレビューでは以前から、このドラマが描く家族愛は「不穏だ呪いだ」と書き続けてきた『過保護のカホコ』(日本テレビ系)ですが、最終回前の第9話にして、あれー普通にいい話になるのかな? という雰囲気が漂ってきました。 ちなみに視聴率は9.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と初めて1ケタを記録しましたが、バレーボールの中継が延長になって45分押しで始まったそうなので、まあ録画して寝ようってなるよね。というわけで、今回も振り返りです。 (前回までのレビューはこちらから) さて、いろいろあってハジメくん(竹内涼真)と結婚することにしたカホコ(高畑充希)でしたが、当然ママ(黒木瞳)は大反対。「結婚する気なら親子の縁を切ってからにしてね」と勘当を宣言します。というか、重い心筋症を患っているママのママであるばあば(三田佳子)の意識がなくなってしまい、それどころではありません。 ママはばあばの入院している病院に泊まり込んで付きっきりで看病していますが、その間にも家族たちのいろんな問題が進行していきます。 ママの妹の環ちゃん(中島ひろ子)は、なんだかよくわからないけど旦那の衛おじちゃん(佐藤二朗)と離婚すると言い出し、衛おじちゃんも酒の勢いを借りて離婚届を提出してしまったので、2人の夫婦関係はおしまいに。カホコは区役所まで押しかけて衛おじちゃんに離婚しないよう説得を試みますが、なしのつぶてでした。 その下の妹の節ちゃん(西尾まり)は、チェリストの夢が破れてヤンキー化した娘の糸ちゃん(久保田紗友)がいちいち逆らうので「出てけ」と言ったら、糸ちゃんがホントに家出。その後、糸ちゃんは弾けなくなったチェロを「売る」と家から持ち出し、ヤンキー仲間のミニバンに乗り込んでいきます。カホコは「チェロは糸ちゃんの魂!」などと言って引き留めようとしますが、こちらもなしのつぶて。糸ちゃんの両親も「あんたは奇跡を起こせる子」「音楽の力でたくさんの人を幸せにできる」「そのときまで応援させてもらえないか、普通の人間にできるのはそれくらいだから」と土下座までしてますが、糸ちゃんはミニバンに乗りこんで去っていってしまいました。 この2つのエピソードって、すごく保守的です。家族だって夫婦だって上手くいかなければ別れたほうがいいことだってあるだろうし、手の神経に障害が出て弾けなくなったチェロなんて売り払って、シンセとMacでも買って新たな音楽表現の手段を一緒に模索したりするのが「応援する親」の役目だろうと思うんですが、とにかくカホコも糸ちゃんの両親も、既存の型を壊さないことに執心するだけ。自分たちのエゴを「家族愛」というパッケージにくるんで繊細なアル中おじさんと繊細な女子高生に押しつけまくります。糸ちゃんが逃げたくなる気持ちがよくわかる。 その「既存の型」の象徴が、ママたちが生まれ育った並木家の実家であり、ママたちを育てたばあばです。病院で目を覚ましたばあばは、開口一番「帰りたい」と言います。ばあばに1日でも長生きしてほしいママは「無理に決まってるでしょ」とたしなめますが、ばあばは「もう一度、私の家が見たいの」と強硬です。カホコも「ばあばにとってあの家は、みんなとの思い出がいっぱい詰まったすっばらしい家なんだよ」と、ばあばに同調。ママが折れて、ばあばは在宅医療に切り替えることに。結果、すぐ死んでしまいました。 ばあばは遺言として、ママにこんな話をしたんです。 「カホコのこと愛しすぎたんじゃないの? 大事なのは、その愛に、自由があるかどうかよ。カホコから考えることを奪わないで」 そしてカホコには「これからは、あなたがこの家と、家族のこと守ってちょうだい」と言い残しました。 ばあばの死は、それこそ情感たっぷりに描かれるわけですが、特にカホコへの遺言は「うぜえな」と思ったんです。糸ちゃんや衛おじさんに追いすがるカホコも「うぜえな」と思ったし、このドラマは、こうしたステレオタイプの保守的な家族愛を「うぜえな」と思わせる方向で作っていたと、ここまで思っていたのです。 3姉妹がみんな実家の近くに暮らして、誰かの誕生日があれば全員で集まってお祝いして……という家族の在り方そのものの、ある意味での“不健全さ”が、もしかしたらストレートに“健全です”という方向で描かれていたのだとすれば、私はドラマ全体を見誤っていたかもしれません。「こんな家族、大嫌い! 気持ち悪い!」と叫び続けた糸ちゃんにこそ共感していた私のほうが、実は不健全なのかもしれない。「家族を守って」という遺言は、呪詛ではなく祝詞なのかもしれない。次週予告にはカホコとハジメの結婚式の様子がありました。そこには、離婚したはずの衛おじさんの顔も並んでいます。 この予告の通り、家族みんな仲良しで大団円のハッピーエンドが訪れるのでしょうか。ずっと不穏当だと思っていたドラマが、実は穏当なもので、こっちの見方がうがっていただけなのでしょうか。 『過保護のカホコ』は、どういう作品だったのか。過保護に育った女子大生を天才若手女優が怪演するキャラクタードラマとしてだけでも十分おもしろかったんですが、ちょっと来週の最終回を見ないと、なんとも言えない感じです。 (文=どらまっ子AKIちゃん)日本テレビ系『過保護のカホコ』番組公式サイトより
最低視聴率記録! 嫌味な元・姑役を演じる斉藤由貴が、スキャンダルにより本気で視聴者に嫌われる?『カンナさーん!』第8話
お笑い芸人・渡辺直美がシングルマザー役を熱演しているドラマ『カンナさーん!』(TBS系)の第8話が5日に放送され、これまでで最低となる平均視聴率7.9%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。右肩下がりが続いてしまっています。 さて、これまでのあらすじを少し。前回、元夫・鈴木礼(要潤)が不倫の罪滅ぼしのために購入したマンションに引っ越した河東カンナ(渡辺直美)とその息子・麗音(川原瑛都)ですが、再び3人での生活が始まるのかと思いきや、礼の幼なじみ・緒川俊子(泉里香)が登場したことにより雲行きが怪しくなってしまいました。 礼の母・柳子(斉藤由貴)が礼&麗音と俊子をくっつけたがっていることを感じ取り、一抹の不安を覚えるカンナですが、プライベートなことばかりに気を取られてはいられません。長年ファッションデザイナーとして働いてきたブランドが存続危機に陥り、リストラの可能性が出てきてしまったのです。 そんな中、礼と俊子と一緒に公園で遊んでいた麗音がジャングルジムから落下。救急車で搬送されたという連絡を受け、カンナが病院へ駆けつけたところで前回は終了となりました。 さて、今回はその続きから。頭に怪我を負ったものの脳波には異常がなく無事だった麗音ですが、大事をとってしばらく保育園を休むことに。責任を感じた俊子が面倒を見ると言い出すのですが、仕事のことでいっぱいいっぱいのカンナは、昼間だけ麗音を託すことに決めます。 一方、仕事に関しては年内いっぱいでのブランド撤廃が正式決定。カンナは、出張が頻繁にある生産管理部へと異動するか、あるいは早期退職するかどちらかの選択を迫られてしまうのです。 会社に必要とされていないという現実を突きつけられ落ち込むカンナですが、そこへ追い打ちをかけるように、麗音が「トンコ先生(俊子のこと)が1番好き」と俊子に抱きつく動画を柳子から見せられたことで、「あたし、(仕事でも家庭でも)全部リストラだ」とネガティブモードへと突入してしまいます。 おまけに家に帰ると玄関先で麗音に止められ、「ママは入っちゃダメ」のキツイ一言。カンナは居たたまれなくなり、逃げるように外へ駆け出します。そして、追いかけてきた俊子に向かって思わず「礼と麗音をよろしくお願いします」と頭を下げてしまうのです。しかし、そんなカンナに俊子は優しく微笑みかけ、無言で家へと連れ戻します。 実はカンナを励ますために礼と麗音、俊子は3人で紙人形劇を作っていたんですね。その準備の最中にカンナが帰ってきたため、麗音は「ママは入っちゃダメ」と言ったのです。また、柳子が勝手に盛り上がっていただけで、俊子には礼と一緒になる気がないことも発覚。すべてが早とちりだと分かり安堵するカンナですが、麗音が「ママのことが0番(俊子よりも)好き」と抱きついてきたことで改めてその存在の大切さに気づかされます。 そして、カンナはひとつの決断を下します。今の会社を早期退職して、子育てを優先していくことに決めたのです。とはいえ、先立つものは何もありません。河東親子の今後の生活はどうなってしまうのか、カンナと礼の復縁はあるのか……。と、ここで今回は終了となりました。 さて、感想ですが、今回はいつにも増してカンナの元姑・柳子が出しゃばる回となりました。礼を俊子と再婚させ、麗音と3人で暮らすよう画策するのですが、カンナに対する嫌味ったらしさは視聴者を不快にさせ、カンナへの同情心を引き起こさせる効果抜群。本来であれば斉藤由貴の演技は褒められてしかるべきだと思います。 しかし、先月3日発売の「週刊文春」(文藝春秋)で医師との不倫疑惑が報じられ、まるで図ったように今回の放送日に発売された「FLASH」(光文社)でその医師とのキス写真が掲載されてしまい、世間の印象は最悪。いくら演技が上手くても、このタイミングでの今回の役回りは視聴者に「顔も見たくない」という感情を抱かせ、それが視聴率続落の一因になっている可能性もあります。 それと、いくら仕事と子育てで追い込まれたとはいえ、カンナが麗音を手放す決心をしたシーンは衝撃的でした。河東親子の絆ってそんなものなんですかね。それでいて、麗音の「ママのことが0番好き」のひとことで退職を決意って、考えがコロコロ変わりすぎでしょ。礼との離婚やその後のつかず離れずの関係といい、あまりに猪突猛進かつ情緒不安定すぎるキャラクターに思えてきてしまいました。 次回は、デザイナーとして会社に残るチャンスが巡ってくるということで、また一波乱ありそうです。ドラマも残りわずかとなりましたが、カンナは公私ともに軌道に乗り、幸せを掴むことができるのでしょうか。 (文=大羽鴨乃)TBS系『カンナさーん!』番組公式サイトより
5.2%自己最低の『僕たちがやりました』は、火曜ゴールデンでなんてものを見せるのか! だがそれがいい!!
高校生が爆弾を仕掛けて10人くらい殺したり、メーンキャスト4人のうち主人公を含む2人が劇中で、最終回でもないのに自殺未遂しているという超珍しい学園ドラマ『僕たちがやりました』(フジテレビ系)も第8話。そんな陰惨な感じですので、視聴率は相変わらずの5.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と低迷中です。第6話と並んで過去最低だって。 ただし物語は、回を重ねるにつれてぐいぐい面白くなっています。序盤から多用されてきたクロスカッティング多様の演出も冴えてますし、劇伴もスタイリッシュです。こういうドラマは楽しんだもん勝ちだなーと思いますねえ。というわけで、今回も振り返りです。 (前回までのレビューはこちらから) 衝動的な飛び降り自殺が未遂に終わり、“生まれ変わる”ことに成功したように見えるトビオ(窪田正孝)は、互いに惹かれ合っていた幼なじみの蓮子(永野芽郁)と正式に付き合うことに。普通にデートしているだけで超楽しいし、自殺未遂以前のように「幸せを感じると吐き気がする」という罪悪感に苛まれることも少なくなったようです。 気がかりなのは、爆破事件の被害者で後遺症に苦しむ市橋(新田真剣佑)のこと。同じ病院に入院したことから仲良くなったトビオと市橋でしたが、トビオは市橋が蓮子に想いを寄せていることを知っています。 そこでトビオは、市橋に蓮子と付き合ったことをちゃんと言おうとしますが、市橋を女手ひとつで育ててくれたお婆ちゃんが亡くなったことを聞き、言いそびれてしまいます。 一方、もうひとりの自殺未遂者である伊佐美(間宮祥太朗)は、彼女の今宵ちゃん(川栄李奈)から妊娠を告げられます。そして、同時に「てことなんで、翔くんとは別れる」と、一方的に別れを宣言されてしまいました。ワケのわからないまま「触らないで、出てって」と部屋を追い出される伊佐美。「なんでだよ……」という呟きは、空しく夜空に消えるのでした。 そんなナーバスな2人をよそに、罪悪感ゼロで元気いっぱいなのがマル(葉山奨之)でした。しかし、マルには宿命のライバルがいます。ウンコ(加藤諒)です。マルとウンコは互いに闇討ちをし合う関係でしたが、ここにいたって1対1で対峙し、決闘することになりました。金属バットで襲い掛かるマルに、トンファー術で対抗するウンコ。ケンカ慣れしていない2人の、グダグダな決闘が始まります。 マルとウンコが決闘をするのは、これで2度目です。1度目は爆破事件の前。不良の極みだったころの市橋たちに拉致され、無理やり決闘させられたのでした。このときはマルが勝利を収めたものの、その後、市橋の手下にボコボコにされて箱詰めに。このときの恨みからマルは爆破事件を起こし、ウンコはマルへの復讐を誓うことになったのです。ウンコの復讐が市橋たちでなく、同じ被抑圧者であるマルに向くあたり、実に悲しいです。 そのころは絶対権力者だった市橋も、事件以降は学校での立場を失い、さらに今回、唯一の親族だったお婆ちゃんも失い、重ねて、お医者さんからはリハビリしても脚の完治が難しいことを知らされました。そんな市橋は、トビオを誘ってひととき、普通の高校生の遊びに興じます。ボーリング、ダーツ、カラオケ、2人はまるでずっと昔からの親友のようにハシャいだし、深い話もしました。トビオの、自分が蓮子と付き合っていることを早く言わなければ、という思いが募ってきます。 ■そしてパイセンは父親に会いに行く この物語の根幹にあるのは、パイセン(今野浩喜)の金です。トビオ、伊佐美、マルがパイセンと仲良くなったのもパイセンの金のおかげですし、爆弾もパイセンの金で作りました。湯水のように、銀行に金が振り込まれるパイセン。パイセンはそれを、顔も知らぬ父親の愛情の証だと理解していました。ニセモノの真犯人を出頭させて自分を罪から解放してくれたのも、父親の愛情ゆえだと。 しかし、事件を捜査していた刑事・飯室(三浦翔平)によれば、どうやらそうではないようでした。父親の輪島(古田新太)は、闇社会のドンであるがゆえ“殺人犯の父親”であることが不都合であり、事件をもみ消したのも単に利己的な理由だというのです。 いてもたってもいられなくなったパイセンは、父親を見つけ出して問い詰めます。 「俺のこと、愛してますか、お父さん?」 しかし輪島は、「誰これ」と言いました。顧問弁護士(板尾創路)に確認して、ようやくそれが13番目の愛人の子だと理解します。事件のもみ消しも、金の振り込みも、優秀な弁護士が業務の一環として行っていたことであり、輪島自身は一切関与していなかったというのです。 輪島は言います。 「お前が生まれたとき、こう思ったよ。ブサイク、と」 パイセンのブサイクな顔面が、さらに歪みます。生まれた子がブサイクだったがゆえ、母と父は疎遠になったというのです。そのまま身体を壊して亡くなった母が、このブサイクを「大事にしたい」と言っていたから、金を振り込んでいたと。 そして、久しぶりに会った我が子を見て、こう思ったといいます。 「とても、ブサイク、と」 パイセンは、ブサイクだから捨てられた子でした。金だけを与えられたために、金でしか人間関係を築けない。愛を知らない自分は、生きている価値なんてない。 「金はもうええねん! 誰が子どもに、愛、教えてくれるんすか!」 パイセンが「死んでもいい」とか言い出すものだから、輪島は、じゃあ殺すことにしました。ハンサムな2番目の愛人の子・玲夢(山田裕貴)が、まだ人を殺したことがないので、ちょうどいいから経験を積ませることにしたのです。 「ヘルプミー! ヘルプミー!」 やっぱり死にたくなくなったパイセンは、玲夢に顔面を踏まれると、その靴をナメナメするという卑屈っぷりで一命を取り留めます。そんなパイセンに、輪島は「秀郎」と名付けた理由を教えてあげることにしました。 「生まれたとき、おまえの顔が“ひでえやろう”だったからだ」 ■それぞれが、やはり行き場所をなくしていく 伊佐美は、今宵ちゃんに言われました。 「だって翔くん、きれいな人間じゃないじゃん。あたしに隠してることあるじゃん。矢波高の事件のこと、近くにいたからわかるよ」 今宵ちゃんも、伊佐美のことは本当に好きなのです。だけど「この子が大きくなったときに犯罪者の子っていわれないように」と、伊佐美と別れることにしたのです。 「気付いたら好きすぎてやべえよ、おまえのこと……」伊佐美は、涙が止まりません。 マルとウンコの決闘は引き分けに終わりました。「似た者同士かもしれない」と、ウンコと友だちになろうとしたマルでしたが、ウンコはマルを引っ叩いたうえに「ともだちいねえだろ、その時点で人生の負けなんだよ!」と吐き捨てて去っていきました。この言葉を聞いて、マルは初めてパイセンとの関係が金だけじゃなかったことに気付きますが、パイセンもトビオも伊佐美も電話がつながりません。 伊佐美とマルが心を裸にする一方、まだ取り繕っているのがトビオです。市橋に「面と向かって言えないことを」と自画撮り動画をメールしますが、その中で「変な言い方だけど、事件がなかったら仲良くなってなかった」などときれいごとを言います。身寄りを亡くし、一生歩けなくなった市橋を励ましたい気持ちは本物です。だけど、やっぱり全部は言えないのがトビオなのです。 「犯人クソ野郎だよ、きっと。自分がやったこと、絶対後悔してるからさ」 この期に及んで、自分が犯人だとは言わない。それは保身でもあるし、市橋にとって唯一の親友である自分が犯人だったら、市橋がもっと孤独になってしまうということを理解した上での、優しさでもありました。 ところで、冒頭で2人の自殺未遂者がいると書きましたが、トビオと伊佐美だけでなく、この市橋も自殺未遂を経験していました。第5話で、蓮子が手下だった不良たちに襲われそうになったとき、自分が脅されていたナイフを奪って切腹を試みたのです。 「やりたきゃ俺を殺せ。もう終わった人間なんだよ」 刃先をグイグイと腹にねじ込ませながら、あのとき市橋はそう言っていました。 トビオが蓮子と付き合っていることを知った市橋は、「こんぐらっちねいしょん」と言って祝福しました。そしてトビオと同じように、動画で「おまえは俺が会った中で、最高の友だちだ」と告げ、「蓮子のこと、幸せにしろよ」と。 病院からの帰り、エントランスを出たところでその動画を微笑ましく眺めていたトビオの背後に、人が落ちてきました。市橋でした。今度の自殺は飛び降りで、未遂ではなく既遂でした。 ■火曜のゴールデンに、なんてものを見せるのか 『僕たちがやりました』が冴えたクロスカッティングとスタイリッシュな劇伴で描くのは、こうした陰惨な物語です。若者たちが自分の生きる意味を、実の親から否定されて踏みにじられたり、自ら否定して命を放り出したり、その命が放り出される姿を目の当たりにする物語です。 もう逃亡劇でもなんでもありません。青春ドラマでもありません。未熟な若者が未熟さゆえに死者を出す事件を起こし、逮捕されることも裁判にかけられることもなかったために、その罪の「許され方」もわからずに命がけで断罪される様が描かれたのです。この回は特に「火曜のゴールデンに、なんてものを見せるのか」と思いました。 あと2回、どんなものを見せてくれるのでしょう。原作を読んでるので、まあだいたいは予想つくんですが、それでも改めて映像で見せられるとね、演出も演者もいいだけにキツいですよ! キツおもしろい! (文=どらまっ子AKIちゃん)関西テレビ『僕たちがやりました』番組公式サイトより







