最終回6.0%の『僕たちがやりました』 原作以上の残酷さに痺れる「物語が主人公を救わない」物語

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関西テレビ『僕たちがやりました』番組公式サイトより
 この8月で29歳になった窪田正孝が高校生役を演じることに「無理がある」とか「ない」とかいう話題も、すっかり懐かしくなった『僕たちがやりました』(フジテレビ系)も最終話。このドラマに関しては、気に食わない人は徹底的に気に食わなかったようで、視聴率は今回も6.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と前回の第9話を下回りました。  で、結論から言えば、面白かったです。面白かったという感想を前提に、話を進めます。 (前回までのレビューはこちらから)  前回、野音で開催されているコンサートに乱入し、ド派手な“自首”を敢行したトビオ(窪田正孝)たち矢波高爆破事件の真犯人4人組。一度は揉み消されたその容疑を自白し、互いに手を取りながら「僕たちがやりました!」と絶叫。清々しい表情を浮かべていましたが、そんなに事は思い通りには進みません。何しろこのドラマでは、冒頭の爆破事件からして、何ひとつ彼らの思い通りには進まないのです。  彼らの“自首”がひとしきり終わると、ステージには動物マスクをかぶった怖い人たちがハンマーを担いで乱入。思い切り4人の頭をブッ叩いて、そのまま拉致していきました。  案の定、拉致したのは容疑をもみ消したパイセン(今野浩喜)の父親・輪島宗十郎(古田新太)の手下たちでした。トビオが目を覚ますと、廃倉庫のような場所。顧問弁護士の西塚(板尾創路)と、パイセンの異母弟で超怖いレイム(山田裕貴)がいて、一緒に拉致されてきたパイセンと伊佐美(間宮祥太朗)、マル(葉山奨之)は正座させられています。  弁護士は、とりあえずパイセンだけ殺して闇に葬って、あとの3人は逃がすことにしたようです。マルと伊佐美は言うことを聞いてすぐ逃げましたが、トビオは逃げません。 「逃げた2人のほうが意味わかんねえよ、今までの自分、殺すために来たんじゃねえのかよ!」  レイムくんは、パイセンに加えてトビオも殺せることになったので、楽しそうです。飛びかかってきたトビオに暴れられてナイフこそ手放してしまったものの、パイセンに馬乗りになってボコボコにしています。 「上手くいくと思ったか? 世の中、お前が勝つようにはできてねえんだわ。ゴミは死ぬまでゴミなんだよ!」  拳とともに、レイムくんの言葉のナイフがパイセンに突き刺さります。しかしその直後、レイムくんの腹にパイセンの手にしたナイフがぐっさりと刺さるのでした。 「俺のどこが悪いねん、どこがゴミやねん。俺がゴミやったらお前らもゴミやぞ! 同じ人間ちゃうんか! みんなゴミちゃうんか! 生きる価値なんか、みなないぞ!」  転がるレイムくんに、今度はパイセンが馬乗りになります。 「俺はただ、楽しく生きたかっただけじゃ!」  ナイフが振り下ろされ、レイムくんは息絶えました。  レイムくんを殺害したパイセンを、警察が確保。それでも結局、輪島が裏から手を回し、パイセンは誤認逮捕で錯乱し、トビオたち高校生3人を脅迫して“自首”を試みたものの、結局「矢波高爆破事件は起こしていない」ということになり、トビオはまたしても罪を償う機会を失うのでした。  というところまでは、細部こそ違えど、ほぼ原作通り。ここから、大きな改変が行われることになります。 ■この改変に「主演・窪田正孝の見せ場を作る」以上の意味があったのか  このドラマは、オリジナルキャラを投入したり時系列をいじったりしながらも、話の筋の“面白さ”や“作品の思想”といった部分は、原作コミックに頼り切っていたように見えました。ドラマ単体で何かを主張することはなく、だからこそ原作ファンからも「原作通りだ!」という評価を得てきたのだと思います。  以前より、「ラストはオリジナルになる」と公言されてきた『僕やり』が、いよいよそのラストに向けて走り出すことになります。  普段からパイセンが入り浸っていたトビオたちの高校には、マスコミが大挙して押し寄せています。そのマスコミに対し、トビオは屋上から、再び“自首”を試みます。  自分たちが真犯人であることを証明するため、余っていた爆弾を教室の窓ガラスに仕掛け、それを爆発させたのです。2階の教室のガラスが、1枚割れます。とても、10人も死者が出るような爆発ではありません。 「あの日、俺らがやろうとしてたのは、たったこれだけのことだったんだよ!」  プロパンガスに引火し、大爆発が起こってしまったあの事件。10人も死んで、実感がわかなくて、ただ怖くて、ずっと逃げて、関係ない人まで巻き込んで、大事な人まで騙して、死ぬこともできなくて、そんな自分でも「最高の友だちだ」と言ってくれた爆破事件被害者の市橋(新田真剣佑)も自殺しちゃって、もうどうしたらいいのか、トビオは本当にわからないのです。  だから、やっぱり自首するしかなかった。自由になるためには、自首するしかなかった。 「ごめんなさい、ごめんなさい、頼むから、俺たちを捕まえてくれよ……」  トビオの告白は、しこたま胸を打ちます。テレビで見ていた伊佐美もマルも、すぐに出頭するしかありません。  自首することで自由になろうとした若者が、結局自首できず、罪を償う機会を与えられないまま、その後の人生を過ごす苦悩が描かれたのが、原作のラストでした。一方でドラマ版のトビオは、自首に成功します。  ここまで語られてきた物語の定義として「自由を得るための唯一の方法は自首」でした。そして原作では、「あの事件で自首できなかったから、その後もトビオは自由ではなかった」という形のエピローグになっています。ドラマでは、事件について正反対の落とし前がつけられました。どちらがいいとか悪いとかいう話ではなく、それだけ大きな改変が行われたということです。  おかげで、最終回にふさわしい主人公の大演説シーンが繰り広げられ、ドラマは大いに盛り上がることになりました。 ■「罪を償った」はずのドラマ版では、物語はトビオを救わない  トビオ、伊佐美、マルの3人は、どうやら少年院に送られたようです。出所後、トビオは職を転々としますが、どこに行っても矢波高爆破事件のネットニュース記事が残っているせいで、自主退社を余儀なくされています。もう事件から、10年が経っていました。  そしてある日、出所してきたパイセンが3人に集合をかけます。4人は再会を喜び合いますが、あのころのように楽しかったのは、ほんのひとときでした。  パイセンは、お笑い芸人を目指すと言います。小坂から大坂に改名し、獅子舞をかぶって「ファルコン大坂」という芸名で、ピン芸人をやると言うのです。もうすでに、ピンネタも作っていました。あまりにしょうもないので、伊佐美とマルは帰っちゃいました。  トビオは「人を殺してるのに、楽しそうに夢を語っている」パイセンが気に食わない様子。しかし、パイセンは「生きてんねんやから、しゃーないやろ」と言います。残っているのは「笑いだけなんよ」と。まあ初回からいろいろギャグとかやってたパイセンですが、売れる見込みがないことは誰の目にも明らかです。それでも「生きてんねんやから、しゃーないやろ」と。「トビオ、お前には何が残ってる?」と。  トビオは目を伏せ、静かにそれを言葉にします。 「ときどき、死にたくなる自分です」  パイセンの返事は重く、とても優しいものでした。 「そうか、でも、たまーに死にたくなるのが、お前が生きてる証拠や」  伊佐美は2人目の子どももできて、幸せに暮らしていました。マルは自首作戦に費やしたパイセンの金の余りをくすね、その資金でキャバクラを開業し、相変わらずしたたかに生きています。事件前に、彼らが標榜していた「そこそこの日常」を生きています。  この再会のくだりも、ほとんど原作のままのセリフ回しで再現されました。違うのは、原作のトビオも「ときどき死にたくなる」ものの、仕事も家庭もあって、それなりに「そこそこの日常」を生きているということです。その日常の中で、それでも絶対に拭いきれない罪悪感との折り合いの付け方を見出し、とりあえずは苦しみから解放されながら生きていくことになります。  ドラマ版のトビオは、「いつか望んでいたそこそこの日常は、もう永遠に手にすることはできない」と言います。「永遠に」だし、それでも「生きる、生き続けなきゃ……」と悲壮な決意を持って、終幕を迎えます。  これ、めちゃくちゃ残酷だなーと思ったんです。自首が成功して、少年院に入っても罪悪感が軽くならないなら、じゃあどうすればいいんですか、脚本家さんと。トビオは、ほんのイタズラに加担しただけで、一生苦しめというのですかと。そこそこの日常が永遠に手に入らない人生を、それでも「生き続けろ」と、最後の最後で主人公に救いを与えず突き放した脚本に、背筋が寒くなるのです。結果、ドラマ版の『僕たちがやりました』がトビオに与えた人生は、地獄そのものでしかありませんでした。  そしてたぶん、それは脚本が意図的に与えたものではなかったはずです。ドラマ版のオリジナルのラストシーンを模索していくうちに、やはり窪田くんの見せ場を増やした方がよかろうという判断から「屋上での大演説→自首成功」というシークエンスが生まれ、それにGOサインが出た。結果、自由になりたくて自首したはずのトビオに、物語は自由を与えることができなかった。表面上は取り繕ったものの、どうしても思想的な辻褄が合わなくなってしまったのだと思います。  最終回を盛り上げることと引き換えに、物語のメッセージがボヤけることになった。テレビドラマとしてそれがいいとか悪いとかいう話でなく、じっくり見ていて「そういう状態になってるなー」と感じた、という話です。 ■じゃあ、どこが面白かったのか  テンポのいい演出と劇伴がいいね、ということは何度も書いていますが、『僕たちがやりました』の最大の長所は、やっぱり俳優だと思います。  主演の窪田正孝は、初回のボンヤリ感からして見事に高校生だったと思いますし、中盤の逃亡シーンでも、そのボンヤリ感をずっと残したまま、過酷な状況に身を置いていました。  ボンヤリ感がクライマックスまで残っていたことにより、最終回の屋上での演説の必死感、たどり着いた感がより際だつことになったと思います。“キャラが薄い”ことが個性だったトビオという役を、キャラが薄いまま最終局面まで運んできたのは明らかに計算された演技プランのはずですし、第1話の冒頭と最終話のラストで、まるで別人のような顔に見えたことは、主役が物語を演じきったことの証左だと思います。  間宮祥太朗と葉山奨之は、このドラマを見ていた人からすると、しばらくは「伊佐美の人」「マルの人」というイメージが抜けないのではないでしょうか。ともにマンガ的なデフォルメを残しつつ、デフォルメのないトビオとの対話を違和感なくこなしていました。その上で間宮は根っからのヤリチンに見えたし、葉山はクソ野郎に見える。そして、間宮は最終話でも基本いい奴であまり変わってないし、葉山はクソ高校生からクソ度合が増したクソ大人に成長しているように見える。振る舞いひとつにも、彼らに流れた10年が見えたような気がします。  永野芽郁はすごいですね。17歳でこの落ち着き、この存在感。セリフ回しにリアリティあるし、表情の変化も大きくて、見ていて楽しい女優さんです。川栄李奈は役回りの関係で振り幅が少なく、能力全開とはいきませんでしたが、安定感あってよかったと思います。 ■そして何より、パイセンなんです  第1話のレビューも書きましたが、この物語のキーになるのは、明らかにパイセンだと思いました。キャラも顔面もセリフも、まったくリアリティが考慮されないマンガキャラ。普通に考えて、実写にしたらスベるし、冷めるし、画面から浮くし、演じる俳優が損をする役回りです。そういうキャラが、物語の中心に立ってる。難役だし、重い仕事だと思いました。  今野浩喜、最初から最後まで、まったくスベってません。画面上でスベりながら、役柄としてスベらない。こんなことをできる役者って、日本に何人いるのかってレベルだと思いました。ホメ過ぎでもなんでもなく、すげえー! と思ったのです。  というか、白状してしまえば、わたしは今野くんとは古い知り合いで、彼のキャリアについてもよく知っていますので、今野くんが校舎の壁を乗り越えたり護送車に乗せられたりしているシーンには変な笑いが出てしまいましたし、最終回で「俺には笑いしか残ってない」とか言われたら変に泣きそうになってしまったりしちゃうわけですが(このセリフは今野への当て書きではなく原作通りです)、そういうの抜きにしても、この作品での当たり役は俳優としてのさらなる飛躍のきっかけになると思うし、なってほしいと願うのです。  独特な顔面に加え、長年コントで培った独特な会話リズム、ナレーション仕事もこなす意外に独特な美声、奇妙に整った独特なスタイルなど、使われようによっては、まだまだ新しい今野浩喜が見られると思いますので、みなさま何卒よろしくお願いいたします。 (文=どらまっ子AKIちゃん)

現実はこんなに甘くない!? 錦戸亮『ウチの夫は仕事ができない』最終回に卑屈になるワケ

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 関ジャニ∞・錦戸亮主演のお仕事ホームドラマ『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ系)。16日放送の最終回の平均視聴率は、前回より0.7ポイントアップの8.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。全話平均は8.7%でした。  司(錦戸)が“仕事ができる男”として描かれるようになってからというもの、あの完成度の高い“ションボリ顔”が見られなくなってしまいましたが、最終回であれを超える感動は得られるでしょうか? あらすじを振り返ります。

妻の出産前後に休める会社

 出産予定日まで3週間となった沙也加(松岡茉優)のため、「20日から月末まで休みの申請してるから」(予定日は23日)という司(錦戸)。もし、司がお荷物社員のままだったら、同僚に悪態つかれ放題だったかもしれませんね。  また、司は家庭だけでなく、仕事のほうもバリバリ。司が担当した四ツ谷自動車の社内イベントが好評を博し、「超でかい仕事」だという『アジアモーターショー』の仕事まで引っ張ってくることに成功します。  これには、沙也加も大喜び。同時に、万が一、出産と大事な仕事が重なった場合は「仕事を優先してほしいの」と伝えます。 『アジアモーターショー』の最初の打ち合わせ当日、司を送り出した後の沙也加に陣痛が。これをメールで知った司は、動揺しながらも、仕事を優先。  しかし、同僚の田所(Hey! Say! JUMP・薮宏太)のケータイに、司の姉で恋人のみどり(江口のりこ)から「沙也加さんが破水した」との連絡が入ったため、同僚たちがザワザワ。部員全員で司を追いかけ、土方(佐藤隆太)が「そういうときは人に振るんだよ」「こんなにいるんだよ、うちの部には。お前のことを心配してる人間が」「行ってこい!」と促し、司は病院へダッシュ。立会い出産には間に合わなかったものの、即座に「君の名前はねえ、あゆむくんだよ」と名付け。退院後も、沙也加がドン引きするほど育児参加に積極的です。  後日、土方に呼び出された司は、『アジアモーターショー』の打ち合わせに代理で参加した三好と柳田を先方が気に入ったため、2人に引き継いでもいいかと問われ、快諾。  これを知った沙也加は、「本当はもっと、仕事したんじゃないかな」と悩み始めます。さらに、司が「男ってつらいよ」というタイトルの講座を企画していることを知り、「やっぱり無理させてるんだ」とドンヨリ。そんな沙也加を、司は「男ってつらいよ講座」に誘います。

山場の長ゼリフ

 当日、講座をお願いしていた社会学者が乗っていた飛行機が、エンジントラブルに見舞われ会場に来れないことに。しかし、帰ろうとする受講者たちを、司が「うまく伝えられるかわかりませんが、僕に少し時間をください」と引き止めます。  ここからは、約10分間の長ゼリフがスタート。「この腕の中で、ひざの上で、パパーと見上げてくるあの子をぎゅっと抱きしめられる時間は、とても、とても短い。私は思います。仕事は大切です。生きていくために必要です(略)私たちは、親になって知ったはずです。自分の命よりも、大切な存在がこの世にあることを。子どもは、未来に向かって羽ばたいていきます。子を育てるということは、未来を育てるということなんです。豊かな人生とは、どんな人生なのか?」などと、社会学者の言葉を代弁。  さらに、「どうしても、僕の人生の中で、仕事が一番に来ないんですよね。どうしても、どうしても、家族が一番にきてしまうんです」と、自分のエピソードも。「仕事を一番に考えられない人間は、もしかしたら社会では、できない人と呼ばれてしまうのかもしれません。だとしたら、僕は、胸をはって妻に言います。僕は仕事ができません」と締めると、沙也加号泣。受講者たちからも、温かい拍手が起こります。  その後、田所とみどりの結婚式で、みんなでシャインダンスを踊る場面や、「つかぽんのお嫁さんになれて、一番幸せ。うふふふ」「ありがとう、サーヤ」と司と沙也加のイチャイチャキスシーン、さらに、沙也加の「うちの夫は、たのもしくて、立派な夫だ」とのナレーションが入り、ラストは会社で愛妻弁当を食べる司の画で終了です。

沙也加が妬ましい……

 すなわち『ウチの夫は仕事ができない』とは、妻目線で見ると、仕事と育児を両立できるスーパー亭主をゲットした話。夫目線で見ると、仕事ができることだけが人生の豊かさじゃないかもよ? という話という感じでしょうか?  でもやっぱり、この最終回を見てしまうと、序盤で司のできなさっぷりが全く描かれていなかったことが悔やまれますね。明らかに失敗したのって、第4話でラップバトルの出場者に事前に出場確認をしなかったことくらいなんじゃ……。  また、仕事ができないとされていた頃は、理想的な妻に見えていた沙也加も、後半は自分勝手な行動も目立ち、働く男の敵に見える場面もちらほら。  はい、そうです。要は、沙也加が羨ましいんですよ、ええ。だって、夫が大手企業の花形部署に勤めてるとか、明らかに勝ち組だし、若いし、共働きじゃないし、暇そうだし、ベランダで家庭菜園とかしてるし、キッチンでおしゃれなデトックスウォーターとか作ってるし……(ブツブツ)。  筆者夫婦(共働き、子あり、夫の帰宅は子が寝た後)みたいに時間に余裕がない上に、心の狭い人間は、卑屈になっちゃうんですよ、特に後半。現実って、厳しいですもん。妊娠中は、保育園に入れるかどうかってことばかり考えて、鬱々としてたなあ……(世田谷区民)。そりゃあ、ドラマですし、湿っぽいドラマより、これくらいポップに描いてくれたほうが気分がいいですよ。はあ、沙也加になりたい……。  というわけで、最初は微笑ましく見ていたものの、終わってみると自分の心の狭さにうんざりさせられた『ウチの夫は仕事ができない』。一番の収穫は、なんといっても錦戸のションボリ顔でしょう。うだつの上がらないサラリーマン役をやらせたら、トップクラスだと思います。ただ、視聴率が微妙だったので、続編やスペシャルは絶望的か……?  ちなみに次クールは、嵐・櫻井翔主演『先に生まれただけの僕』。3クール連続でジャニーズ主演ドラマが続いていますが、この土曜ドラマ枠って、いつからジャニーズ枠になったんでしょう。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)

山下智久のウジウジ病もあっさり解決! 月9『コード・ブルー』最終回が伏線回収に必死!!

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 山下智久主演の月9『コード・ブルー~ドクターヘリ緊急救命~THE THIRD SEASON』(フジテレビ系)。18日放送の最終回の平均視聴率は、過去最高の16.4%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。全話平均は14.6%で、フジテレビじゃないみたいな数字をたたき出しました。  前回、地下鉄のトンネル内で生き埋めになっていた藍沢(山下)ですが、最後に主人公が死ぬという『○○妻』(日本テレビ系)的展開でしょうか? あらすじを振り返ります。

主人公の生き埋めは“釣り”だった!

 トンネル内で起きた崩落事故は、死者複数名の大事故に。白石(新垣結衣)が現場全体の医療指揮を担当し、藍沢、藤川(浅利陽介)、緋山らは、トンネル内に残された重傷者の治療に当たります。  そんな中、天井が再度崩落。藤川は、その場で泣き叫んでいた子どもを庇い、下半身が巨大な瓦礫の下敷きに。藍沢も、生き埋め状態となってしまいました。と思ったら、藍沢はサイボーグのようにガバッと起き上がり、無傷! すぐさま患者への治療を再開しました。前回のラストで生き埋めになっていた藍沢ですが、釣り映像だったみたいです。騙されたー!  また、トンネル内にいた緋山(戸田恵梨香)と名取(Hey! Say! JUMP・有岡大貴)も無事でしたが、出口が塞がれ、妊婦の患者と一緒に閉じ込められてしまいました。  で、この妊婦は脳脱(ググると、グロ画像が出てくるので注意!)しており、助かる見込みはなし。しかし、この場で帝王切開すれば、子どもは助けられそう。緋山は、心臓マッサージをしながら、妻に付き添う夫に決断を迫りますが、夫は「子どもはいいです。1人で育てるなんてできない」「障害が残るかもしれない」とか言い出します。  それでも、名取が「たぶんあなたは、いままで自分の人生に真面目に向き合ってこなかった」などと説教じみた説得を繰り返した結果、父親はようやく「子ども、助けてやってください」と心変わり。緋山は、その場で子どもを取り上げます。  一方、瓦礫の下敷きになった藤川は、トンネル内で泣き続ける少年・カケルくんにペンライトを渡し、隣の辻が谷駅まで1人で歩いて行くよう指示。藤川が「1歩1歩、歩くたびに数を数えてごらん」と笑顔で伝えると、カケルくんは言われるままに「1、2、3……」と出発。辻が谷駅に着いたカケルくんは、ここで患者の救護にあたっていた藤川の妻・冴島(比嘉愛未)に「先生、埋まってるー。えーん」と藤川が生き埋めになっていることを伝えます。  すぐさま、横峯(新木優子)と冴島が藤川の元へ向かい、藍沢も合流。ここら辺から、劇中BGMはサイバーな感じのダンスミュージックとなり、スピード感を演出します。ズンズンズンズン!  ここまで、やたらペラペラしゃべっていた藤川ですが、乗っかっていた瓦礫をレスキュー隊員が除けた途端、心室頻拍というヤバい状態に。しかも、下敷きになっていた右足は、2時間以内に搬送しないと切断を余儀なくされる状況だといいます。  しかし、脱出までは時間がかかりそう……。藍沢は藤川の右足に血液を流すため、ここでのオペを決断。その結果、藤川は無事生還し、結局、主要キャストは誰も死にませんでした。藍沢の生き埋め映像も、冴島がやたら藤川に「トンネルには行かないで」と言っていたのも、死亡フラグではなく、煽り目的だったようです。

後半のあっさり感

 次の瞬間、2日後へジャンプ。ここからは、タッタカタ~と足早に伏線回収が始まります。  まず、藍沢に後遺症はないと嘘をつかれたことにご立腹のピアニスト・奏(田鍋梨々花)は、新海(安藤政信)から「あいつは自分のキャリアを失ってでも、きみの命を救おうとした。後遺症のことを曖昧にしたまま、オペに挑んだんだ。訴えられたら負ける。あいつはそれでも構わないと言った」「藍沢を許してやってくれ」と言われ、納得。藍沢に「私、絶対弾けるようになる」と笑顔で宣言し、仲直りです。  また、以前から冴島に危険だからヘリを降りてほしいと言われていた藤川は、ようやく一般整形外科へ移ることを決意。しかし、冴島から「本当に一般整形に移って、外来をこなす日々を望んでる?」「本当に行きたい道を歩いて」と言われ、やっぱり救命で続けることにしました。ズコーー。  前回、拡張型心筋症を患う息子・優輔の意思を無視し、心臓移植を強行した橘(椎名桔平)は、休暇を取って優輔のお見舞いへ。優輔は怒るどころか、「お父さん、移植を受けさせてくれてありがとう。僕はお父さんを嫌いになったりしない」「将来、お父さんみたいな医者になる」とニッコニコです。あっさり!  PTSDに陥っている灰谷(成田凌)は、白石から過去の失敗談や、「あなたは1人じゃない」という言葉を聞き、前向きな表情に。  名取総合病院を経営する父親から「戻って来い」と言われていた名取は、「俺はここで学びたい」と翔北に残ることを決意。  前回、緒方に(丸山智己)「障がいのある俺といたら、夢を追うどころじゃなくなる」と別れを切り出された緋山は、「私は、あなたがいるからって、夢を失わったりしない」と、緒方との恋愛続行を宣言。  白石は、「強いリーダーシップもない。すぐへこむ。いつも迷ってばかり」の自分でも、「それを精一杯やっていくしかない」と悟り、一歩ステップアップ。  結局、トロント大へ行くことを決めた藍沢は、「9年前、ここに来た理由は、難しい症例が集まるからだった。あの頃の俺は、自分のために医者をやってた。今は誰かのために医者でありたいと思う。俺はそれを、お前たちから教わった。俺は出会いに恵まれた」と、人が変わったようにま~るくなり、最後は藍沢を乗せて飛び立つドクターヘリの画で終了です。

伏線回収で精一杯?

 シーンの切り替えが激しく、1時間半近く見るのは正直、疲れましたが、前半のトンネル事故のパートは、目を背けられないハラハラ感がエキサイティング。藤川が死にそうになったのも、最終回のスペシャル感が漂っていてよかったです。  ただ、キャラの数だけ散々張り巡らされたエピソードは、どれもこれも嘘みたいにキレイに収まり、少々拍子抜け。これまでのシーズンとは違い、医者自身のウジウジエピソードの数々が並行して描かれてきた今シーズンですが、9回悩んで、1回で解決というバランスの悪さが良くも悪くもドラマっぽい印象でした。  また、本編終了後には、「2018年映画化決定」のお知らせが。劇中では、年明けにトロントに行くと言っていた藍沢ですが、映画はトロントに行く前の話でしょうか? 今シーズンは、藍沢の見せ場が少なかったため、映画では胸筋をムキムキさせて、もっとヘンテコな場所で患者の頭にギコギコと穴を空けてほしいです。  というわけで、賛否両論あったものの、最後は無理やり小ギレイにまとめられた『コード・ブルー』。これを足がかりに、月9ブランドが復活するといいですね。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)

徳川埋蔵金ネコババで解散回避! キャスト一部変更での特番に期待!『ハロー張りネズミ』最終話

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TBS系『ハロー張りネズミ』番組公式サイトより
 瑛太が人情味あふれる探偵を演じるドラマ『ハロー張りネズミ』(TBS系)の最終話が15日に放送され、平均視聴率6.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。前回から0.2ポイント増となりました。  その前回、家賃滞納で大家から立ち退きを命じられた『あかつか探偵事務所』。このままでは解散もやむなし。そんなタイミングで現れた権田辰夫(柄本時生)の調査依頼は、徳川埋蔵金を探し出して欲しいというものでした。  権田の話によれば、亡くなった祖父が寝たきり状態だった時、まばたきによるモールス信号で「家は売るな。徳川の埋蔵金がある。土蔵のから…」というメッセージを送ってきたというのです。  七瀬五郎(瑛太)をはじめ事務所の面々は最初、権田に担がれているのではないかと疑います。しかし、ネットで検索してみると徳川埋蔵金は3千億円(諸説あり)で、そこから算出した成功報酬が30億円になることがわかり、事務所継続を賭けて調査を請け負うことに決めるのです。  というわけで、事務所のメンバー総出で権田の家がある群馬県へ向かうことに。そして到着早々、土蔵の中の調査を開始するのですが、カラクリダンスの中から古びた文書を発見。権田の祖父の遺言「土蔵のから…」は「土蔵のカラクリダンス」という意味だったのですね。そして、その文書には権田が、徳川家の財宝を埋めたとされる江戸勘定奉行・小栗上野介忠順の子孫であることも記されていたのです。  さらに、その文書の中には暗号文も書かれ、それを解読すると権田家の裏山に埋蔵金があることが発覚。早速、裏山を探ってみると洞穴があり、その中には確かに徳川埋蔵金が存在していたのです。しかし、喜んだのも束の間。突如として地震が起こり、金は崩れ落ちる岩の下敷きになってしまったのです。  命からがら逃げだしてきた五郎たちですが、岩を掘り起こせば金は手に入ると、再びやる気を出します。しかし、金を発見した際、武士の幽霊を見た権田は、祖父の遺言は埋蔵金を掘り起こせというものではなく守れ、という意味だったのだと気づき、発掘を中止したいと言い出します。五郎たちはその気持ちを尊重し、調査料だけを貰って事務所へと引き返したのでした。  あてにしていた30億円は手に入らず。事務所をたたむことになるのかと思いきや、五郎と木暮久作(森田剛)はこっそり小判をネコババしていたのです。当座の経営資金が揃い、事務所継続が決定したところでドラマは終了となりました。  さて、遂に今回でラストとなりましたが、なんだかあっさりと埋蔵金に辿り着いてしまった印象を受けました。それだけに話が軽くなってしまい、最終回としてはちょっと物足りないかなぁ、と。前回のくだらないヒーローコントではなく、今回を前編後編に分け、歴史ミステリー的な部分をもう少し重厚に脚色して放送した方が良かったのではないかと思ってしまいました。  これは全放送を振り返っての感想なのですが、原作コミックからのチョイスについて、「なぜこれを!?」と選択眼を疑ってしまうような回がいくつかありました。そのせいでムラが出ちゃったんですよね。それは視聴率という数字にも表れてしまっています。それと、方向性もバラバラ。なんでも請負う探偵事務所といっても、短期間しか放送しないドラマで超常現象を扱ったかと思えば純愛ものと、あまりに振れ幅が広すぎてついてこれない視聴者は少なくなかったのではないでしょうか。  キャスティングについても残念な部分がありました。主演の瑛太は初回からキャラ立ちしていたと思います。その相棒を務めた森田も、第8話のお涙頂戴ストーリーで素晴らしいい演技を見せていました。しかし、所長役を務めた山口智子のサバサバ演技は、他のドラマで見るのとなんら変わらず。原作では28歳の役になぜ52歳の山口を起用したのかわかりません。瑛太や森田とのコミカルなやり取りも年齢差があるからかノリが異なり、うまく噛み合っていないように感じました。  それと、最大のキャスティングミスは四俵蘭子役の深田恭子でしょう。依頼人として登場した第2話、3話と2話分でメインになったにもかかわらず、個性を発揮できず。事務員として居座ることになった後も終始、お得意のキョトン顔を浮かべるだけのお飾りと化してしまっていました。  その代わりといってはなんですが、ゲスト出演した蒼井優や國村隼などといった実力派たちがしっかりとした演技を披露していたのは印象深かったです。原作コミックにはまだまだ面白いストーリーがあり、ネコババはいけませんが事務所の存続も決定したということで、キャストを一部変更しての続編あるいはスペシャル版での復活を期待したいと思います。 (文=大羽鴨乃)

長瀬智也『ごめん、愛してる』最終回で「チョメチョメはあった!?」 穴だらけの展開が許されたワケ

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 TOKIO・長瀬智也が韓流風恋愛ドラマに挑戦した『ごめん、愛してる』(TBS系)。17日に放送された最終回の平均視聴率は、自己最高で2度目の2ケタとなるとなる12.8%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)。全話平均は9.7%と、わずかに2ケタには届きませんでした。  前回、“ぼけちん”こと凜華(吉岡里帆)が体を火照らせていたものの、自分の余命を気にして抱こうとしなかった漢の中の漢・律(長瀬)ですが、2人は結ばれるのでしょうか? あらすじを振り返ります。 ※前回のレビューはこちら

ベッドシーンはなし

「ごめんな」とのメモを残し、どこかへ行ってしまった律を探す凜華は、律が居候する若菜(池脇千鶴)の家へ。出払っていたものの、勝手に部屋へ上がりこんじゃいます。  凜華が律の服の臭いをくんかくんか嗅いでいると、そこへ凜華の父・恒夫(中村梅雀)が登場。「律がいないと苦しくて、息が詰まって死にそうになるの。あの人のこと愛してるの」と訴える娘を前に、恒夫は観念したのか涙を流します。  その頃、凜華から逃げるように、塔子(大西礼芳)の別荘に身を寄せていた律。死期が近いのか、苦しそうに部屋でのた打ち回っています。  次の日、律の居場所を知った凜華は、塔子の別荘へ。律に「一緒にいさせて」と訴えた次の瞬間、パジャマ姿で抱き合って眠る2人の画へ。これは、初チョメチョメ後でしょうか? それともパジャマに着替えて寝てるだけ? 気になるところですが、そこはあえてボヤかしているのかもしれません。  そうこうしていると、サトル(坂口健太郎)が律の元へ。これまで種違いの兄弟かと思われていた2人ですが、サトルは「僕はお母さんの本当の子どもじゃないんだ。養子なんだよ」と、カミングアウト。サトルが律に、「僕が手遅れになる前に、事情を打ち明けないと」と母・麗子(大竹しのぶ)に真実を話すよう説得していると、また心臓発作を起こし、律と共に病院へ。  すると、律の前に現れた恒夫が、生後間もない律を施設の前に捨てたのは自分だと告白。麗子には、医者と口裏を合わせて「死んだ」と伝えたのだそうです。この病院、やばいですね。  なぜ、そんな惨いことをしたのかという理由については、「私はあの男の、子を産むことが許せなかった」と説明。どうやら、麗子と不倫関係にあった指揮者の黒川龍臣のことを、憎んでいたようです。てっきり、恒夫は麗子のことを女性として愛していて、サトルの父親は恒夫なのかと思っていましたが、そんなことはありませんでした。

死亡シーンすっ飛ばし

 入院中のサトルは、律と麗子を2人きりにするため、2人で自宅に行き、ヘッドフォンを取ってきてほしいと指示。自宅で「あなたに何かお礼がしたい」と言う麗子に、律は「飯、作ってください」と返答。麗子が冷や飯で卵雑炊を作ると、律は少し食べ、いきなり「すいません」と言い残し、家を出て行ってしまいました。  この直後、律はケータイに撮り溜めていた88個もの自撮り動画を一気に消去(ああ、ジャニヲタに売れば……)。そして、「母ちゃん、産んでくれてありがとう。生まれ変わっても、また親子になろうな」と1人でぶつぶつ言いながら、別荘へ戻ります。  別荘へ着くと、寝ている凜華の手からケータイを取り上げ、自分が写っている思い出の画像を勝手に消去。そのまま寝ている凜華にキスをし、海へ。そこから凜華に電話し、「ぼけちん、ごめん、愛してる」と伝えます。  キター! タイトル言ったー! とアガっていると、あっという間に1年後の世界へジャンプ。サトルは律から心臓をもらったおかげで、ピアニストとして復活。復帰コンサートでは、律にショパンの「別れの曲」を捧げます。  客席では、律を思って涙を流す麗子の姿が。塔子に「泣いてなんかいないわ。私の息子は、サトル1人だけよ。もう1人息子がいたけど、遠い昔に捨てたの。その子のために涙を流す資格は、あたしにはないわ」と話していることから、どこかのタイミングで律が息子であることを知ったようです。  また、若菜は「いつ帰ってくるのかなあ、りっくん」といまだに律の帰りを待っている様子。  一方、凜華は、初回で律と一夜を明かした、ソウルの隠れ家にあるきったないマットレスへゴロン。律の「しっかりしろ、ぼけちん」という幻聴が聞こえ、ラストは微笑みながら前へ進む凜華の顔のアップで終了です。

後半の路線変更に戸惑い

 中盤までは、面白展開連発のトンデモドラマという印象でしたが、塔子の出番が激減したここ数回は、突飛なシーンもさほどなく、感動路線に終始。最終回も、韓国版同様に1年間をすっ飛ばしたことで、生々しい描写は皆無。至極、キレイにまとめていた印象でした。  なので、主人公がどんな最期であったかは、想像するしかありません。韓国の組の鉄砲玉になったのか、死を急いで自殺したのか……? ちなみに、韓国版では、空白の1年を描いたアニメ作品が存在しますので、気になる方は是非。設定など、日本版とは異なりますが。  筆者的には、塔子が律にいきなりキスをかましたり、麗子が若菜の窃盗を疑って「服を脱ぎなさい」と掴みかかったりと、激しい展開が目立っていた頃が懐かしい……。  それに、このドラマは、かな~り穴だらけです。あんなに異性関係が注目されていた麗子なのに、サトルの父親を世間が誰と認識していたのか最後まで謎でしたし(隠し子釈明会見でも触れられず)、初回から笑っちゃうような偶然のオンパレード。しかし、その全てが「このドラマは、ベタドラマだから」という理由で許されてきたわけです。なので、できれば最後まで「えー!」と驚くような展開を少しでも混ぜてほしかった……。とにかく後半が淡白すぎて、「おいおい、最初、そんなんじゃなかっただろ!」とツッコミたくなってしまいました。  とはいえ、律が抱いていた、玲子、凜華、サトルそれぞれへの「ごめん、愛してる」な感情が最終回で描かれていた点は、素敵。ただ、全く泣けなかったけど……。  さて、次クールの「日曜劇場」は、池井戸潤原作、役所広司主演の『陸王』です。あらすじを読む限り、『下町ロケット』的な臭いがプンプン。ヒットの予感しかしませんから、初回から見逃さないように気をつけましょう。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)

全主婦を敵に回した!? 錦戸亮『ウチの夫は仕事ができない』家出展開に「ふざけんな!」と怒りの声

全主婦を敵に回した!? 錦戸亮『ウチの夫は仕事ができない』家出展開に「ふざけんな!」と怒りの声の画像1
 関ジャニ∞・錦戸亮主演のお仕事ホームドラマ『ウチの夫は仕事ができない』(日本テレビ系)。9日放送の第9話の平均視聴率は、自己最低となる7.3%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)でした。  前回、重要な仕事を成功させ、賞賛を受けたことでピキーンと覚醒してしまった司(錦戸)ですが、このまま仕事人間になってしまうのでしょうか? あらすじを振り返ります。

出世街道まっしぐらの夫

 覚醒から3カ月後、すっかり仕事ができる男になった司は、フランスで開催される和食フェスティバルの責任者として奔走。忙しさのあまり、沙也加(松岡茉優)と夕食を食べる機会も減り、「今日の出来事」を沙也加に話すこともなくなりました。  そんな夫に寂しさを覚えながらも、「できる男の妻なんだから、しょうがない」と自分に言い聞かせる沙也加。「私にできることは、お弁当を作るくらい」と、凝った弁当を毎朝こしらえます。  そんなとき、司が社内報に載ることに。取材に訪れた社報課の中年独身社員・宝田(小林隆)は、仕事にやる気がなく、責任感もなし。記事の事前チェックで司が訂正を求めるも、「仕事より大事なことがあるものですから」とさっさと定時に帰ってしまいました。  翌日、和食フェスティバルの担当者から、いろいろな魚のさばき方が投稿されている動画チャンネルを見せられ、アップロード主の“さばける名人”を探してほしいと依頼される司。釣り人などに聞いて回るも、手がかりが掴めません。  途方に暮れていると、偶然通りかかった宝田のお陰で、この“さばける名人”が元社員の吉田(塚地武雅)であることが発覚。早速、吉田に交渉しに行くも、あっさり断られてしまいます。  しかし、翌日、和食フェスティバルの担当者から「吉田からOKのメールが来ました」との連絡が。吉田はフランスのテレビ番組に出演し、現地で大ウケ。どうやら司が断られた後、吉田が恩を感じている宝田から、何かしらの後押しがあったようです。  この功績が評価され、二期連続で社長賞を授与されることになった司。さらに、このままいけば、パリオリンピックプロジェクトのリーダーにも抜擢されそうです。

仕事の足を引っ張る妻

 一方、司に急な会食が入って夕飯が無駄になったり、朝食に手を付けず慌てて出社したり……という日々が数日続き、しょんぼりしていた沙也加。さらに、弁当を残してきた司に「急きょ、ランチミーティング入っちゃって」「お昼に食べられることも少ないし、お弁当しばらく大丈夫だよ」と言われてシクシク……。翌朝、「しばらくひとりになりたいです」とのメモを残し、家出してしまいました。  司は、沙也加の居場所がママ友・あかり(イモトアヤコ)の元であることを突き止めますが、話し合いどころか、口げんかに。「サーヤと生まれてくる子のために一生懸命頑張ってるのに、なんでわかってくれないの?」と言う司に、沙也加は「自分のためでしょ! ツカポン変わったよ。あたしの好きだったツカポンって、どこいっちゃったの!?」「今のツカポンと話しても、意味ないよ」と言い放ち、あかりの元へ戻ってしまいました。  その後、司は、少年野球チームのコーチをしている宝田に遭遇。子どもたちに野球を教えるその姿は、会社とは違ってイキイキとしています。  また、沙也加のいない自宅に戻ると、額に入れて飾られたエコー写真を発見。前から沙也加がリビングに飾っていたものの、司は仕事のことで頭がいっぱいで、気付かなかったようです。さらに、台所で沙也加が密かに付けていたお弁当日記を発見。そこには、日々のお弁当のテーマや、司への応援メッセージも添えられており、司はこれを見てシクシク……。  翌朝、司は土方チームリーダー(佐藤隆太)に、宝田の手柄を横取りしたくないと社長賞を辞退。さらに、パリオリンピックプロジェクトのリーダー候補の辞退も申し入れます。  この日、家に戻って来た沙也加に、これを報告。「僕が一番大事なのは、家族だから」と告げると、沙也加も「おかえり、ツカポン」とルンルン。仲直りし、第9話は終了です。

悩みが贅沢すぎて、妬ましい……

 いやあ~、平日は1日たりとも夫婦で食事が取れない(それでいて、出世の見込みもない)筆者から言わせると、悩みが贅沢すぎて「ふざけんな!」という感じの展開でしたが、沙也加に共感した視聴者っていたんでしょうか? なんにせよ、今回、結構な数の視聴者を敵に回した気が……。  沙也加の何が酷いかというと、司に「今後、仕事にどの程度の比重を置きたいと思っているのか?」という意思を確認しないまま、自分勝手に家出したり、忙しい司を頭ごなしに否定したり、理想の夫像を押し付けたりしたことでしょう。運よくも、司は「仕事より家庭を大事にしたい」と思うタイプでしたが、この流れでは、最終回が終わっても「仕事をできなくしてるのは、妻だった」という印象が残りそうで怖いです。  ただまあ、沙也加は妊婦ですしっ! この程度のことで家出したのも、妊娠中のホルモンの影響で情緒不安定になったからかも……ということで納得してみます。  それに、なんだかんだ言って、この夫婦のラブラブぶりが羨ましいんですよね。これまで“仲良し”がデフォルトだっただけに、ケンカのシーンを見ると異様に悲しくなるんですよ……。それだけ、2人を愛おしい目で見ているんだと思います。  さて、次回はついに最終回。番組のインスタグラムによれば、「最終回の10話には司が1人で喋り続けるシーンがあります。ページにすると10ページ、時間にして12分 ムチャな要求なのに錦戸さんにホンを渡した感想は『素敵なゴール』…でした。ウチの座長は本当にスゴイ人です。このドラマを作って良かった…最高の10話が出来ました」とのこと。  長ゼリフといえば、『セシルのもくろみ』(フジテレビ系)最終回の真木よう子の長ゼリフが「サムすぎる」と話題になりましたが(関連記事)、きっと錦戸くんはキメてくれるはず! ワクワクしながら待ちましょう。 (文=どらまっ子TAMOちゃん)

最高視聴率記録で有終の美! 元子のラストスマイルの意味は?『黒革の手帖』最終話

最高視聴率記録で有終の美! 元子のラストスマイルの意味は?『黒革の手帖』最終話の画像1
テレビ朝日系『黒革の手帖』番組公式サイトより
 武井咲が銀座を舞台に暗躍する悪女を演じるドラマ『黒革の手帖』(テレビ朝日系)の最終話が14日に放送され、これまでで最高となる平均視聴率13.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)を記録。有終の美を飾りました。  さて、これまでのあらすじを少し。銀座で1番のクラブ・ルダンを購入するため、売り主である政財界のドン・長谷川庄治(伊東四朗)と交渉した原口元子(武井咲)。売値3億円はすぐに手に入るとタカをくくっていたのですが、長谷川の策略により用意することができませんでした。そのため違約金5千万円だけでなく自身が所有するクラブ・カルネを奪われてしまうことに。さらに、銀行員時代に脱税者の個人情報をメモした“黒革の手帖”まで何者かに盗まれてしまったのです。  おまけに、密かに身ごもっていた衆議院議員・安島富夫(江口洋介)の子供まで事故で亡くしてしまい、途方に暮れる元子。残された道は、長谷川に直談判してカルネを返してもらうしかない。そう決意したところに安島が現れ、「これを持っていれば会長(長谷川)は会ってくれる」と茶封筒を手渡されたのでした。その中身を確認した元子は何やら急速に自信を取り戻し、そこで前回は終了となりました。  茶封筒の中身は一体何だったのか。その謎は今回の序盤ですぐに明らかとなります。長谷川は、懇意にしている建設会社に羽田空港の滑走路拡張工事を請け負わせるため、都知事の政治団体に口利き料として1億円の献金をした過去があるのですが、茶封筒にはその時の領収書が入っていたのです。つまりそれは、長谷川にとって贈収賄罪の証拠となる爆弾なわけです。元子はこれを脅しのネタにして、カルネと黒革の手帖を取り返すことに成功します。  しかし、それだけでは満足できない元子は、ルダンも譲ってくれと迫ります。これを泣く泣く承諾する長谷川ですが、譲渡契約書にサインをしている途中、心臓発作を起こして突然死してしまうのです。一瞬慌てる元子ですが、すぐに冷静さを取り戻し、安島に連絡。駆けつけた安島に警察への対応を任せ、その場から逃げ去ります。  安島がうまく立ち回ってくれたお陰で害は及ばず。ホッとする元子ですが、そこへ魔の手が。マンションを訪ねてきた中岡市子(高畑淳子)にこっそり黒革の手帖と1億円の領収証を盗まれてしまい、警察にタレ込まれてしまったのです。  実は、羽田空港の滑走路拡張工事の件は、安島も議員秘書時代に関わっていたんですね。そのため、安島は堂林京子(江口のりこ)との結婚披露宴の場で東京地検特捜部に連行されることに。そして元子にも捜査が及ぶのですが、元子はなぜか刑事たちに向かって勝ち誇ったような笑みを浮かべ、そこでドラマは終了となったのでした。  さて、感想ですが、今回はやはり元子の最後の笑みが気になりました。何も考えずに観ていれば、「また黒革の手帖を盗まれて警察に捕まってバカだな、因果応報だな」ともとれます。しかし見方を変えれば、たとえ市子に盗まれなくても元子は自分で警察に1億円の領収書を届けたのではないかとも思えるのです。なぜなら、それによって安島の結婚が破談になり、初回から密かに恋心を抱いていた“本当に欲しいもの”である安島を手に入れることができるから。自分の元に警察が来たということは、安島にも手が及んだ。それを確信した上でのラストスマイルだったのではないか、とも思えました。  それともう1つ気になったのは、安島も連行された際に微笑んだこと。“あいつやりやがったな”という意味だったのかもしれませんし、あるいは計算通りだったのかもしれません。なぜなら、京子との政略結婚は長谷川の圧力があったからで、安島にとっては本意ではなかった。心は元子に移っていた。そこへ、思いもよらない長谷川の死。安島にとって足枷が無くなったわけです。羽田空港の件に関しても、安島が議員秘書をしていた時の話ですから直接的に罪に問われることはないでしょう。これまで欲しいものは何がなんでも手に入れてきた元子ですが、安島も同じタイプの人間だった。そんな2人がこの先、結ばれる。そう予感させるように仕向けた終わり方だったのかもしれません。  今回で最終回ということですが、これまで何度も映像化されてきた作品ながら、脇役たちがそれぞれ個性を発揮したことで毎回飽きることなく観ることができました。また、武井に関しては、原作の主人公が30代前半ということもあり、「銀座のママ役を務めるには力不足」と、放送前はあまり期待されていませんでした。しかし、抑えた演技と目力の強さで見事に悪女役をこなし、下馬評を覆すことに成功したのではないでしょうか。先日、EXILE・TAKAHIROとのデキ婚を発表し、今後は産休のためにブランクが空いてしまうかもしれませんが、復帰後の活躍に期待したいところです。 (文=大羽鴨乃)

あかつか探偵事務所が“多田便利軒化”で、下赤塚のPR動画状態に?『ハロー張りネズミ』第9話

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TBS系『ハロー張りネズミ』番組公式サイトより
 俳優・瑛太が、ちょっとスケベだけど情に厚く実直な探偵役を演じるドラマ『ハロー張りネズミ』(TBS系)の第9話が8日に放送され、ワーストタイとなる平均視聴率6.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークしてしまいました。  さて、まずはあらすじ。東京都板橋区下赤塚にある『あかつか探偵事務所』は人情とお節介がモットー。これまで、大手探偵事務所が相手にしないような風変わりな依頼も積極的に引き受けてきたのですが、採算度外視だったため経営はボロボロ状態に。家賃を5カ月も滞納し、いつ退去命令が出されてもおかしくない状況なのです。これではまずいとようやく焦り始めた所長・風かほる(山口智子)の命令で、七瀬五郎(瑛太)や木暮久作(森田剛)は、探偵業だけでなく余興や物真似など何でも屋状態の宣伝文句を並べたチラシを街中で配ります。  そのチラシを配っている途中、五郎は憧れだった元・悪役レスラー・外道番長こと五十嵐圭吾(後藤洋央紀)を発見。威圧的な風貌にビビりながらもサインを貰いに行くと、意外にも気さくな人柄であることがわかり、ますますファンに。しかし、園児を引き連れて歩く『あかつか幼稚園』の教諭・岸本杏里(樋井明日香)を見た途端、五十嵐が急に真顔になりその場から立ち去ってしまったため、キョトンとさせられてしまいます。  その後、チラシを手にした杏里が事務所に現れ、園児たちのためにヒーローショーを開催して欲しいと依頼してきます。どんな仕事でもウェルカム状態のかほるはこれを引き受けるのですが、探偵業とかけ離れた仕事に五郎はイマイチ気が乗りません。  しかし、元カレの暴力でどん底状態だった時に園児たちの笑顔に救われ、その恩返しに園児たちが笑顔になるようなショーをプレゼントしたいという杏里の願いを聞いたことで心を動かされます。事務所のメンバーだけでなく、同じビル内にあるスナック・輝(キララ)のマスター(ロッチ・中岡創一)と店員・萌美(片山萌美)を巻き込み、板橋界隈で有名な激安衣料品店『のとや』で衣装を買い集め、稽古を積んで『下赤塚戦士レッドマン・ヒーローショー』を作り込んでいきます。  そして迎えた本番。多少グダグダになりながらもショーは進行していくのですが、その途中で突如として五十嵐が乱入。実は杏里に暴力を振るっていた元カレは五十嵐だったのです。五十嵐の暴走を食い止めようにも、五郎や木暮ではまったく歯が立たず。しかし、五郎の招待でショーを見に来ていた霊媒師・河合節子(蒼井優)が金縛りの術をかけ、身動きがとれなくなったところを成敗。リアルな勧善懲悪ショーに園児たちも大喜びで結果オーライとなりました。  大立ち回りをして満身創痍となった五郎たちですが、追い打ちをかけるようにビルのオーナーであるマスターから立ち退きを命じられてしまい、『あかつか探偵事務所』の存続やいかに、というところで今回は終了となりました。  さて、感想。同ドラマは人気漫画家・弘兼憲史による同名コミックを原作にしていますが、今回は初のオリジナルストーリーとなりました。しかし、なぜこれを放送したのか? というのが率直な意見です。  まず、事務所の経営が逼迫しているという設定に違和感を覚えました。これまでの放送回でそういった情報がなかっただけに、瑛太・主演映画『まほろ駅前多田便利軒』のごとく事務所を便利屋化するために強引に設定を変えたように感じてしまいました。  また、資金難のために5,000円の予算しか用意できず、みすぼらしくなってしまった『下赤塚戦士レッドマン』の衣装ビジュアルで笑いを取ろうとしたのかもしれませんが、見事にスベッた感がありました。稽古や本番での“ヒーローコント”も退屈。サブストーリーだと言い聞かせ我慢しようにも、メインである杏里と五十嵐の“逃げる女とストーカー暴力男”のストーリー展開に何の捻りもないのです。ついでに言ってしまえば、ドラマ冒頭でなぜ五十嵐が“意外とイイ奴”として描かれていたのかよくわかりませんし、幼稚園に突如として乱入してきた展開も無理やり感があり理解できませんでした。  正直、今回に関しては、板橋区から依頼されて低予算で下赤塚のPR動画を制作したのかと思うほど、質の低い回となってしまった印象です。原作コミックが下赤塚という土地柄を色濃く反映した作品ならまだしも、それほどでもありませんし、原作には面白いストーリーがたくさんあるだけに、よくもこんな陳腐な話を放送してくれたな、という想いでいっぱいです。  個人的には、徳川埋蔵金の謎を追う次回のストーリーを今回と2度に分けて本格歴史ミステリー路線で放送した方が良かったのではないかと思うのですが……。なにはともあれ、次回でラスト。原作超えの面白さを期待したいところです。 (文=大羽鴨乃)

あかつか探偵事務所が“多田便利軒化”で、下赤塚のPR動画状態に?『ハロー張りネズミ』第9話

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TBS系『ハロー張りネズミ』番組公式サイトより
 俳優・瑛太が、ちょっとスケベだけど情に厚く実直な探偵役を演じるドラマ『ハロー張りネズミ』(TBS系)の第9話が8日に放送され、ワーストタイとなる平均視聴率6.6%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)をマークしてしまいました。  さて、まずはあらすじ。東京都板橋区下赤塚にある『あかつか探偵事務所』は人情とお節介がモットー。これまで、大手探偵事務所が相手にしないような風変わりな依頼も積極的に引き受けてきたのですが、採算度外視だったため経営はボロボロ状態に。家賃を5カ月も滞納し、いつ退去命令が出されてもおかしくない状況なのです。これではまずいとようやく焦り始めた所長・風かほる(山口智子)の命令で、七瀬五郎(瑛太)や木暮久作(森田剛)は、探偵業だけでなく余興や物真似など何でも屋状態の宣伝文句を並べたチラシを街中で配ります。  そのチラシを配っている途中、五郎は憧れだった元・悪役レスラー・外道番長こと五十嵐圭吾(後藤洋央紀)を発見。威圧的な風貌にビビりながらもサインを貰いに行くと、意外にも気さくな人柄であることがわかり、ますますファンに。しかし、園児を引き連れて歩く『あかつか幼稚園』の教諭・岸本杏里(樋井明日香)を見た途端、五十嵐が急に真顔になりその場から立ち去ってしまったため、キョトンとさせられてしまいます。  その後、チラシを手にした杏里が事務所に現れ、園児たちのためにヒーローショーを開催して欲しいと依頼してきます。どんな仕事でもウェルカム状態のかほるはこれを引き受けるのですが、探偵業とかけ離れた仕事に五郎はイマイチ気が乗りません。  しかし、元カレの暴力でどん底状態だった時に園児たちの笑顔に救われ、その恩返しに園児たちが笑顔になるようなショーをプレゼントしたいという杏里の願いを聞いたことで心を動かされます。事務所のメンバーだけでなく、同じビル内にあるスナック・輝(キララ)のマスター(ロッチ・中岡創一)と店員・萌美(片山萌美)を巻き込み、板橋界隈で有名な激安衣料品店『のとや』で衣装を買い集め、稽古を積んで『下赤塚戦士レッドマン・ヒーローショー』を作り込んでいきます。  そして迎えた本番。多少グダグダになりながらもショーは進行していくのですが、その途中で突如として五十嵐が乱入。実は杏里に暴力を振るっていた元カレは五十嵐だったのです。五十嵐の暴走を食い止めようにも、五郎や木暮ではまったく歯が立たず。しかし、五郎の招待でショーを見に来ていた霊媒師・河合節子(蒼井優)が金縛りの術をかけ、身動きがとれなくなったところを成敗。リアルな勧善懲悪ショーに園児たちも大喜びで結果オーライとなりました。  大立ち回りをして満身創痍となった五郎たちですが、追い打ちをかけるようにビルのオーナーであるマスターから立ち退きを命じられてしまい、『あかつか探偵事務所』の存続やいかに、というところで今回は終了となりました。  さて、感想。同ドラマは人気漫画家・弘兼憲史による同名コミックを原作にしていますが、今回は初のオリジナルストーリーとなりました。しかし、なぜこれを放送したのか? というのが率直な意見です。  まず、事務所の経営が逼迫しているという設定に違和感を覚えました。これまでの放送回でそういった情報がなかっただけに、瑛太・主演映画『まほろ駅前多田便利軒』のごとく事務所を便利屋化するために強引に設定を変えたように感じてしまいました。  また、資金難のために5,000円の予算しか用意できず、みすぼらしくなってしまった『下赤塚戦士レッドマン』の衣装ビジュアルで笑いを取ろうとしたのかもしれませんが、見事にスベッた感がありました。稽古や本番での“ヒーローコント”も退屈。サブストーリーだと言い聞かせ我慢しようにも、メインである杏里と五十嵐の“逃げる女とストーカー暴力男”のストーリー展開に何の捻りもないのです。ついでに言ってしまえば、ドラマ冒頭でなぜ五十嵐が“意外とイイ奴”として描かれていたのかよくわかりませんし、幼稚園に突如として乱入してきた展開も無理やり感があり理解できませんでした。  正直、今回に関しては、板橋区から依頼されて低予算で下赤塚のPR動画を制作したのかと思うほど、質の低い回となってしまった印象です。原作コミックが下赤塚という土地柄を色濃く反映した作品ならまだしも、それほどでもありませんし、原作には面白いストーリーがたくさんあるだけに、よくもこんな陳腐な話を放送してくれたな、という想いでいっぱいです。  個人的には、徳川埋蔵金の謎を追う次回のストーリーを今回と2度に分けて本格歴史ミステリー路線で放送した方が良かったのではないかと思うのですが……。なにはともあれ、次回でラスト。原作超えの面白さを期待したいところです。 (文=大羽鴨乃)

『過保護のカホコ』最終回のハッピーエンドに隠された「怨嗟と呪い」の物語を垣間見る

『過保護のカホコ』最終回のハッピーエンドに隠された「怨嗟と呪い」の物語を垣間見るの画像1
日本テレビ系『過保護のカホコ』番組公式サイトより
 高畑充希主演の『過保護のカホコ』(日本テレビ系)も最終回。視聴率は14.0%(ビデオリサーチ調べ、関東地区)と過去最高を記録。有終の美を飾りました。  さて、このレビューでは本作で描かれる家族愛を、主に「不穏だ呪いだ」と書き続けてきました。脚本の遊川和彦さんが、カホコやママの異常な家族依存を、若干の悪意を込めてデフォルメしていると思っていたのです。  しかし、どうやらそうでもなかったのかな、というのが最終回を見終えた感触でした。というわけで、振り返りです。どう受け取ったらいいのかわからないまま書き始めてます。 (前回までのレビューはこちらから)  病気で亡くなったばあば(三田佳子)から「この家族を守って」と遺言されたカホコ(高畑充希)は、さっそく親戚たちの問題解決に乗り出します。  やもめとなったじいじ(西岡徳馬)は、カホコに「ばあばに会いに行ってくる、もう探さないでくれ」と言い残して姿を消します。で、どこにいたかと思えば、実家の庭の片隅に身を隠していました。聞けば、結婚したばかりのころ、ばあばとよくかくれんぼをした場所なのだそうです。 「俺はずっとここにいる」と言い張るじいじに、カホコが何やら美辞麗句を並べると、態度が一変。あっという間に立ち直りました。  続いて、先日離婚届を提出したばかりの衛おじちゃん(佐藤二朗)と、ママ(黒木瞳)の妹・環ちゃん(中島ひろ子)の問題も、カホコが「離れてほしくない、一緒にいてほしい、いるべきだ!」と主張すると、あっさり翻意。衛おじちゃんは涙ながらに「俺は君とずっと一緒にいたい、ここにいるみんなとも」とか言い出しました。  このあたりからして、「家族だから」という理由だけで個人が集団に取り込まれていくように見えて、薄気味悪かったんです。それぞれが自分の個人的な悩みと正面から向き合うことを放棄している、つまりは個人でなくなっていく、まるで「家族愛」という毒に感染して人ならざる者になっていくように見える。  なぜなら、カホコが唱える「家族だから一緒にいるべき」という思想は、カホコが個人的な社会経験によって抱いたものではないからです。ママに「家族が常に一緒にいるのは当たり前」と生涯にわたって刷りこまれた上に、ばあばに「家族を守れ」と言い残されたから、という理由だけで、カホコは「家族だから一緒にいるべき」と主張している。以前、従妹の糸ちゃん(久保田紗友)に「家族なんて大嫌い! 気持ち悪い! 特にカホコが嫌い!」と面罵されたことがありましたが、カホコはただびっくりして泣いただけで、糸ちゃんの気持ちを慮ることは一度もありませんでした。糸ちゃんという一個人の心情に寄り添おうとはしませんでした。  今回、手の神経障害で弾けなくなったチェロを売りに行った糸ちゃんから、そのチェロを奪った挙句に「カホコが買う、300万なら貯金ある」と言い出す姿など、醜悪ですらあります。糸ちゃんが、金が欲しくてチェロを売ろうとしているわけじゃないことすらわからないのか、わかっていてこんなに人を傷つけることを言える無神経な女なのか、どう描こうとしたの不明瞭なのですが、カホコの頭を埋め尽くす「家族愛=絶対的正義」という価値観は揺るぎません。そして、そんな家族愛あふれるカホコは、糸ちゃんに「どうしてそんなにチェロを売りたいの?」と質問することもありません。対話を拒絶し、共に進歩や成長を模索することを拒絶し、「おまえはチェロ弾きの女っつー設定なんだから、その設定を守れよ!」と強いるのです。もはや暴力です。  で、まあなんだかんだでカホコはハジメくん(竹内涼真)と結婚して、糸ちゃんも神経障害をおして結婚式でチェロを弾いて、ママも許してくれて、ハッピーエンドとなりました。 ■さて、『過保護のカホコ』とはなんだったのか  先に、「毒に感染して人ならざる者になっていく」と書きました。では、感染源はどこなのか。  それは、ばあばです。ママたちが生まれ育った並木家に嫁いだ当時、ばあばは姑や小姑からひどいイジメを受けていたといいます。  72歳で亡くなったばあばは、21歳でカホコのママ(51)を産んでいますから、イジメを受けていたのはその前の5年間くらいでしょうか。1961~66年あたりだとすれば、世は高度経済成長の真っ只中。洗濯機や冷蔵庫が普及し、家庭における女性の役割に大きな変化が訪れました。一方で、厚生労働省の「人口動態統計(確定数)の概況」によれば、65年の離婚件数は約7.7万件で、終戦直後の47年とほぼ同数だそうです。2016年の資料では21.7万件となっているので、離婚そのものが現代に比べれば、あまり一般的ではなかった時代です。  そうした時代に、姑や小姑からひどいイジメを受けたばあばには、それに耐えるしか選択肢がなかったのかもしれません。しかも、夫はそのイジメを止めようともせず、夫婦2人で家を出ようと提案することもなく、ばあばに水鉄砲で水を浴びせたり、せっかく片づけた落ち葉を頭からぶちまけたりする男です。  そんな環境で、若かりしころのばあばは、幼児退行を起こしたのでしょう。水鉄砲攻撃や落ち葉攻撃といった夫の悪ふざけが「楽しかった」のだそうです。「くよくよしててもしょうがないなーって、吹っ飛んじゃう」のだそうです。それは、苛烈なイジメを受けながらも、この並木家に根差すしか選択肢のなかったばあばの心の闇が作り出した「せめて夫とのひとときを楽しむしかない」という逃避的思考だったのかもしれません。  こうして「家に根差す」以外の選択肢、価値観を失ったばあばの思想は、娘たちにも伝播します。特に、長女であるカホコのママに、ばあばは「厳しく当たった」と言いました。きっとその厳しい指導の中には「家族は一緒で当たり前」という思想も含まれていたことでしょう。  ばあばのこの思想には、作中で語られたエピソードから推測するだけでも「家族は一緒で当たり前(だって、私は逃げられなかったし)」という怨嗟が含まれているように感じます。しかし、おそらくばあばはそうした怨嗟に無自覚ですので、カホコのママにはそれが「家族は一緒で当たり前(だって、その方が幸せに決まってる)」と伝わっていると考えられます。何不自由なく育った中で、怨嗟を種にした「家族愛=絶対正義」という思想だけがママに受け継がれたわけです。それがカホコへの教育方針に反映されていることは、言うまでもありません。  さらに、ママが過酷な不妊治療を経てカホコを出産したことも語られました。このことが、さらにカホコへの過干渉を強めた原因であることは、ママ自身も自覚していたようです。  そんなママに純粋培養されたカホコは、ママがカホコに向けていた過干渉を、親戚一同に対し、全方位的に実行していくことになります。登場した当時は「おまえのような過保護が日本を滅ぼす」と言っていたハジメくんを巻き込み、親戚全員を「家族愛」に感染させ、さらにばあばが「逃げられなかった」並木家の実家に陣取って、その種が怨嗟であることを知らないまま家族愛の絶対神として君臨していくことになるのです。  ハジメくんは結婚1年後も似顔絵屋で収入が不安定なうえ、まだ「創作活動が」とか言っていますので、カホコは思想的にも経済的にも、家の支柱となります。もう誰も、カホコに逆らうことができません。もとより、家族愛という絶対的価値観に支配された親戚たちには、もう逆らう意思もないのです。まるで礼拝のように、誰かの誕生日になれば並木家に集合して祈りを捧げるしかないのです。 ■テーマは「過保護なママ」の解放だったのかな  一方で、カホコを嫁に出したあと、「過保護なママ」だった泉は夫に離婚を切り出します。 「ねえパパ、離婚しよっか?」 「カホコがいなかったら一緒にやることもないし、いいんじゃない? あたしたち」  この提案は、カホコが聞いたら目ん玉飛び出しちゃうくらい、とんでもなく意味がわからない発言でしょう。自ら思考せず、形骸化した「家族愛」だけに囚われるカホコにとって、家族であることは「どんなことがあってもやめられない」(と糸ちゃんに言ってた)ものなので、ママがこんなことを言い出すなんて、完全に想定外であるはずです。  しかし、この「離婚しよっか?」は、並木家でイジメに遭っていたばあばが、決して言い出せなかった一言でもあるはずです。  作中、ママが提案した離婚が夫婦間で成立したかどうかは「想像にお任せします」とのことでした。  第1話から、オープニングで常に表示されていた、歪んだハートマークで囲われたエリア。そのエリアから一歩でも外に出ると、ママはまともに口をきくこともできないという病理が繰り返し語られています。  しかし最終回、カホコを嫁に出すことを決心したママは、エリアの外でも普通に会話し、行動することができました。  離婚を口にしたあと、この歪んだハートマークの歪みは取り除かれ、バランスのいい美しいハートになって徐々に拡大し、消えていきました。ママが、いつどこに行っても自分の意思と行動を妨げられず、思うままに自己表現できる人間になったことが示されます。  この物語は、ばあばにとって地獄だった並木家という環境が、その逃げ道として「家族愛」という毒を生み出し、その毒に犯されたママが、カホコを手放すことによって「家族愛」だけが絶対的な価値観ではないという気付きを得る物語だったのかもしれません。そうして呪縛から解き放たれ、ママが今一度、個人としての人生を取り戻す姿を描いた“失われた時間の再生”の物語。そう解釈すると、わりとすんなり、いろんなことが腑に落ちるかな、という感じです。  だけど、カホコは純粋培養ゆえに気付きの機会がなく、糸ちゃんも、すでに感染済み。並木家の呪いは拡散しながら、未来永劫続いていく……。このドラマは不穏だってずっと言い続けてきましたが、やっぱりこれは呪いだし、この構造は完全にホラーじゃんね。(あくまで個人の感想です)  あ、面白いか面白くなかったかでいえば、最終回を見た直後はわからなかったんですが、ここにいたり「すげえ面白い」となってます。はい。 (文=どらまっ子AKIちゃん)