FMラジオにもっと音楽をーー楽曲重視の編成改革を進める「インターFM」の挑戦

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インターFMの音楽重視路線は、熱心なリスナーから歓迎されている

【リアルサウンドより】  今、インターFMが面白い。そんな声が多方面で聞かれるようになった。筆者が以前、当サイトで「FMラジオから歌が消えた?音楽よりもトークが多く放送されるようになったワケ」という記事を執筆した際にも「インターFMは面白いじゃないか」といったお叱りの声を多数頂いた。その指摘は正しい。インターFMは時代の潮流に反して、今でも音楽に傾倒している稀有な放送局である。しかし、そんなインターFMもほんの数年前までは試行錯誤を続ける「よくあるFM局」のひとつに過ぎなかった。いったい何が同局を変えたのだろうか?  首都圏にお住まいの方以外にとってインターFMはあまり馴染みのないラジオ局かもしれない。インターFMの正式名称はエフエムインターウェーブ株式会社。1996年4月1日に外国語放送として開局した後発のFM局である。放送エリアは東京ローカルで、東京都および隣接県でのみ聴取することができる。開局当初はコンセプトに「Tokyo's No.1 Music Station」を掲げ、洋楽中心の選曲と外国人DJによる英語のトークが本場アメリカのFMを彷彿させ一部で熱狂的なファンを集めた。  しかし、聴取率では振るわず経営的にも厳しい状況が続く。開局時は精密生成品を製造する大手部品メーカー「ニフコ」及びその傘下にある英字紙「ジャパンタイムズ」によって経営されていたが、2006年にニフコは株式をテレビ東京の関連会社であるテレビ東京ブロードバンドに売却。2009年にはテレビ東京の完全子会社となった。経営母体がテレビ東京に変わる前後から番組の編成も大きく変わり始める。J-POPの選曲が増え始め、英語ニュースを除いてほとんどが日本語の番組となった。日本人ミュージシャンがDJを務める番組も増加し、開局当初にみられたようなアメリカのFMテイストは徐々に影を潜めるようになる。あるラジオ関係者はこう語る。「開局時からレイティングで万年最下位だったインターFMは広告売上においても苦戦していた。テレビ東京傘下となり広告のとれる番組編成へと大きく舵を切り替えたが、その結果ほかの在京FMと差別化するのが難しくなっていった。突然終了する番組も多く、内部は混乱していたようだ」。  インターFMに転機が訪れたのは2012年。株式の90%がテレビ東京から木下工務店系列のキノシタ・マネージメントに譲渡され、同社を親会社に経営されることになった。本来スポンサー側の企業へと経営母体が移ることで、当初は「これまで以上に営業的な番組編成となるのでは」と不安の声も多々聞かれた。しかしその心配は杞憂に終わる。以前から映画や音楽、スポーツなど文化事業を積極的に支援していたキノシタ・マネージメントはインターFMの経営においても文化的側面を重視。音楽評論家で人気ラジオDJでもあるピーター・バラカン氏を執行役員に置き、「インターFMはラジオに魔法を取り戻す」「ラジオに魔法をかけた100曲」というキャンペーンを展開。音楽を重視した編成に再度切り替え、アーティストの作品感が伝わるよう継続的に楽曲を流すようになった。  「選曲も往年の名盤から最新のミュージシャンまで幅広く、芸術的価値の高い楽曲がこだわりを持って並べられるようになった。また各番組のDJもバラカン氏に刺激を受け、クオリティの高いトークを行おうと奮闘している」(前出のラジオ関係者)  前述のキャンペーンで多くの支持を集めたインターFMは、2013年よりステーションコピーを「The Real Music Station」に変更。「本物の音楽」を発信し続ける決意を改めて表明し、今日も放送を続けている。ピーター・バラカン氏は執行役員就任にあたり以下のように語っている。「元々音楽が大好きなコアなリスナー層だけでなく、潜在的に良い音楽を求めている人達は沢山いるんです。インターFMがリスナーのために良い音楽をかけていれば、もっと多くのリスナーがラジオを聴いてくれるようになるのではないかと考えています。それを実現するのは本当に大変な事だと思いますが、今、私たちがやらなければいけない」。インターFMの挑戦、それは失われつつあった「ラジオで音楽を愉しむ喜び」の再発見だ。最近新しい音楽との出会いがない、そう感じている方はインターFMを聴いてみてはいかがだろうか。 (文=北濱信哉)

洋楽の逆襲がついに始まった? レディー・ガガ、A・ラヴィーンらがチャート上位を独占

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レディー・ガガ『アートポップ-デラックス・エディション』(ユニバーサルミュージック)

【リアルサウンドより】  実に11年ぶりとなるポール・マッカートニーの来日公演に日本中が沸いた今週、オリコン週間アルバム・チャート(11月4日~11月10日集計分)にちょっとした異変があった。初登場首位を記録したレディー・ガガをはじめ、2位のアヴリル・ラヴィーン、そして5位のケイティ・ペリー……トップ5のうち3つを洋楽女性アーティストが占めるという、とても珍しい事態が生じたのだ(ちなみに3位は赤西仁、4位は嵐だった)。「洋楽不振」と言われて久しい昨今、この状況は果たして何を意味しているのだろうか。  まず、彼女たちに共通しているのは、リリース時点で「来日」が決定していたことである。10月下旬に来日を果たしたケイティ・ペリーは、11月1日の『ミュージック・ステーション』をはじめ、様々なテレビ番組に出演。『めざましテレビ』では、互いにリスペクトしているという、きゃりーぱみゅぱみゅとの対談も実現した。そして、YUImiwaなど日本の女性シンガーにも大きな影響を与えているアヴリル・ラヴィーンは、今週プロモーション来日を果たし、15日の『ミュージック・ステーション』に出演した。  一方、すでに同番組への出演経験のあるレディー・ガガは、前回の来日時に『笑っていいとも』や『徹子の部屋』といった人気番組に出演するなど、もはや日本での知名度も抜群である。11月下旬に、プロモーションで再び来日することが決定している彼女は、大の親日家としても知られており、今週リリースしたニューアルバムは、彼女の意向を反映し、世界に先駆け日本で先行発売されることも事前に告知されていた。  「洋楽不振」が叫ばれる中、いまレコード会社各社は「世界的にヒットした曲が必ずしもウケない」と言われている日本市場を攻略すべく、さまざまな施策を試みている。  そのなかでもいまいちばん気になるのは、11月27日にニューアルバム『ミッドナイト・メモリーズ』のリリースを予定しているワン・ダイレクションの存在だ。デビューから2年にして、全世界でのトータル・セールスが3200万枚を超えるイギリス発の男性5人組、ワン・ダイレクション。今月初め、約8ヶ月にわたるワールド・ツアーの締め括りとして初の来日公演を開催、約25000人のファンを集めたことも記憶に新しい彼らだが、日本以外での国ではすでにスタジアム級のライヴを行っている彼らにとって、その数字は決して多いものではないという。  しかし、その背後には、日本における発売元であるソニー・ミュージックの綿密なプロモーション計画があったようだ。今年1月に、全世界で初となる「公式ファンクラブ」を日本で設立、日本向けのツイッター・アカウントも設置し、地道にファンとの交流を深めてきたワン・ダイレクション。今月初頭の来日時には、もちろん『ミュージック・ステーション』にも出演。その楽屋で、AKB48のメンバーとアカペラで歌う特別映像も、後日公式サイトにアップされた。そして、多くのメディアが報じた幕張メッセでの初来日公演。その興奮もさめやらぬ中、満を持してリリースされるのが、彼らのニューアルバムなのだ。  彼らの成功要因のひとつは、本国での人気を笠に着ることなく、「ファンクラブ」や「テレビ出演」といった日本ならではの慣習に則った形で、決して慌てることなく長い時間をかけて、日本のファンとの関係を地道に築き上げてきたことにある。それが、いよいよ大きな結果として表れるであろう今回のニューアルバムのリリース。果たして彼らは、「洋楽不振」の声を覆すほど、圧倒的なセールスを、この日本で記録することができるのだろうか? 彼ら以外にも、エミネムやジェイク・バグなど、注目の作品のリリースが目白押しの11月。いずれにせよ、ここへ来て洋楽勢が勢いを増しているのは、どうやら間違いのないことのようだ。 (文=麦倉正樹)

華原朋美 「ダメな人生でよかったなって思う」  単独コンサートで現在の心境を告白

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ライブでの様子(クリックで拡大)

【リアルサウンドより】  華原朋美が14日、7年ぶりの単独コンサート『DREAM ~TOMOMI KAHARA CONCERT 2013~』を東京・青山劇場にて開催。復帰後初の単独公演とあって、会場は多くのファンの熱気で満たされた。  念願の単独コンサートのステージに立った華原は、「本当に今日はみんなに会えて嬉しい」と述べ、観客の声援に涙を浮かべるシーンも。「20代は芸能人になれて本当に嬉しかった。けど、何もかもなくなって、生きてる価値がないって自分で自分をすごい責めたりして」と苦しかった日々のことを明かしながらも、「それでもどこかに必ず光があった」とコメント。また、「私はこういう立場だから、不器用だし隠せないから、皆に見てもらって来たんだなって、それさえも感謝の気持ちになれて。ダメな人生でよかったなって思うときもすごくあります」「まだ終わりじゃないし、スタートなんだってまた思えるようになりました。だから、何度も何度も休んだり、歌ったり、繰り返して皆を振り回したかもしれないけど、でも、これが今の私です」と前向きに語った。
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ライブでの様子(クリックで拡大)

 披露したのは、華原の代表曲「I'm proud」や「I BELIEVE」、さらに13日リリースの『DREAM -Self Cover Best- Premium Edition』から「アメイジング・グレイス」や「夢やぶれて -I DREAMED A DREAM-」など全18曲。昨年の復帰の際、自腹でボイトレに通っていたと報じられた華原。ブレイク当時は、透き通った声質と揺らぎのある高音が“ヘタウマ”な印象だったが、現在の歌唱は発声に深みが増し、伸びやかさが目立つように。音楽番組に出演した際は、いつも「昔よりうまくなった」と話題になるほどだ。明治天皇の玄孫で作家の竹田恒泰氏と親密な関係であることが報じられるなど、何かとお騒がせな華原だが、歌手としての復活は今後の活動の大きな柱となりそうだ。 (文=編集部)

Charaが「いろんな男との恋物語」を告白!? 『ARTiST』で大宮エリーと“女子トーク”繰り広げる

profile-chara.jpg 【リアルサウンドより】  13日にセルフカバーアルバム『JEWEL』をリリースしたChara。テレビへの露出も活発だが(参照)、14日には大宮エリーが司会を務める『ARTiST』(TBS)に出演した。  大宮は開口一番、「すごく会いたかったんです、本人を前にして言うのも何ですけど」と告白。Charaは「何かCharaに関する思い出が?」と問いかけ、「ありますあります。すごく聞き込んでましたね」という返答した大宮に対して、胸の前で指をひらひらと動かしながら「いろんな男との恋物語とか?」と切り返し、早速スタジオを笑わせた。  大宮はCharaの楽曲を「こういう女性になれたらいいのになあ」という憧れの気持ちをもって聞いていたという。「どういう暮らししてんだろう、みたいな」という疑問を投げかけると、「意外とちゃんと朝早起きとかしてるよ。子どもいるからね」とChara。「いるんでしょうけど、いる感じがしないというか、乙女感がある」という意見については「声ちっちゃいからかな。ぼそぼそしてない? けっこう聞き取りにくいでしょ、私の声」と返した。大宮によると、Charaの話し声は「ウイスパーだから聞き取りにくいはずなんだけど、聞き取れちゃう」「テレパシーのように伝わってくる。岩盤浴みたい」だという。  話題は“Chara”という名前の由来へ。9歳からのニックネームで、“しゃらっと”という言葉からとられたと言い、「泣いてたかと思えば、次の瞬間にはしゃんとして切り替える様、みたいな意味。泣き虫だったんだけど、学校の先生がそうつけたの」。大人になってテレビなどに出演し、「チャラチャラしてるからCharaなの?」と聞かれた際、説明が面倒で「まあそんな感じ」と答えていたら、先生から「違うわよ」と間違いを指摘する手紙がきたこともあったという。  幼少期のCharaは、何かに集中すると他のことが目に入らなくなる性質で、ランドセルを学校に忘れて帰ってしまったことも。今でもその性格は変わらず、母親が作ったモツ煮込みが入った大きなタッパーを車の上に置いたまま走り出し、道にぶちまけてしまったという意外な“大ドジ”エピソードも明かした。  そんな失敗談も含めて、どこか掴みどころのないChara。大宮が「妖精っぽいですよね。魔法とか使えないですか」と問うと、「音楽をやっていると、そういう魔法がかった瞬間とか味わったことあるし、実際音楽にすごく助けられている人というか、“ミュージック”“メディック”“マジック”だっけ? それはわかるよね。そんな瞬間は、年をとってきて、若いときよりもわかる」と話した。  「やさしい気持ち」を歌うためにステージに移ったCharaだが、特別に大宮が好きな「タイムマシン」も披露。ヘアメイクを整えられながら歌い始め、さらには途中で「これ、歌ってもいいの?」「歌ってください!」というやりとりを挟むなど、音楽番組ではなかなか見られないライブ感のある歌唱シーンとなり、大宮も「予定にない曲を歌ってくれた人は初めて」と感激した様子だった。  「やさしい気持ち」の感想として「毎日聞いていたら恋できそう、と思って聞いてたんです」と話したエリーに、「恋はいいよね」と頷くChara。恋をするコツとして「怖がらないことがポイントなんですか」と訊ねられた際は、「ああ、でも、“怖気づかずに生きる”ことがテーマだった」と、強くしなやかなCharaのイメージに似合うの発言も飛び出した。  そして「あなたを愛することが私にとって最高傑作」というテーマで作られたアルバムの話へ。ジャケットには愛娘・SUMIREの顔写真が使われているが、大宮が「きちんと育ったんだなという顔をされてますよね、娘さん」と言うと「愛されてるよ。それは言える」と断言。娘とは喧嘩をしないというが、思春期である息子とは揉めることもあり、また「お母ちゃん」と呼ばれている、という子育てエピソードを話した。  3曲目は、アコースティックギターの音が心地よい「ミルク」を座って披露。番組の最後には、番組へのお土産として、「おっぱいが柔らかそうな女の子のイメージで作った」という香水をプレゼントした。大宮のCharaに対する思いと、Charaの気さくな人柄が表れる回となった。 (文=編集部)

セクシー女優、RIOがシースルー衣装で挑発ダンス 世界中で“お色気PV”が増加しているワケ

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RIO『アイム・セクシー~Da Ya Think I'm Sexy?~【初回限定盤A】』(ビクターエンタテインメント)

【リアルサウンドより】  最近、女性のセクシーな魅力を売りにした音楽PVが増加傾向にある。米国では、R&Bシンガー・ロビン・シックがヌードの美女とともに踊るPVを公開、大ヒットとなった。韓国ではセクシー路線の女性アイドルグループが人気で、KARAの“お尻ダンス”に代表されるように、振り付けも刺激的なものが多い。日本でも、つい先日発表されたGLAYのPVに釈由美子が登場。大胆な“濡れ場”を演じて話題となったのは、記憶に新しいところだ。  このように、ポップミュージック界では世界的にセクシー系PVが流行しているが、性産業の先進国である日本では独自の潮流も見られる。アダルト業界が本格的に音楽コンテンツの制作に臨んでいるのだ。  今年4月に解散したセクシーアイドルグループ、恵比寿マスカッツのエースだったRIOは、12月4日にシングル『アイム・セクシー~Da Ya Think I’m Sexy?~』で、本格的に歌手デビューすることが決定。11月11日に公開されたPVでは、ボディラインがくっきりと浮き出たシースルーの衣装に身を包み、腰をくねらせる妖艶なダンスを披露している。

RIO『アイム・セクシー~Da Ya Think I’m Sexy?~』

 ミュージシャンとAV制作会社がコラボし、独自の作風のPVを作り上げた例もある。ヒップホップ・ミュージシャンのPUNPEEが人気AV女優のつぼみと共演した「Bad habit」は、AVメーカーの「性格良し子ちゃん」が制作。スタイリッシュな映像と先端的な音楽性で、アート性の高いセクシーPVとなっている。

PUNPEE『160OR80』(Thailandbookstore)収録「Bad habit」

 今が旬のセクシー女優といえば、壇蜜の名が上げられるだろう。彼女もまた、音楽PVに出演し、お色気たっぷりのダンスを披露している。このPVでは、コミック系バンドとして知られる仙台貨物の千葉とコラボ。ゴールデンボンバーのヒット曲「女々しくて」の替え歌に合わせて、着ている服をどんどん脱がされていく。

仙台貨物&壇蜜「やりたくて」

 これらのようなPVには賛否両論があるだろうが、セクシーな映像を盛り込むことによって、多くの人々がその動画を観るきっかけになるのは間違いのないところ。実際、当サイトでもセクシー系の音楽PVは群を抜いて人気で、先ほどの「Bad habit」を紹介した「つぼみ、早乙女らぶ……人気AV女優も出演 “ヌード系PV”がエロかっこいい」という記事は、数か月間に渡ってアクセスランキングの上位に食い込み続けるほどだった。  YouTubeなどの動画サイトの影響で、無料で観ることができる映像コンテンツが溢れる昨今、その中でも確実に多くの人々の関心を集めることができるセクシー系PVは、今後も増加していきそうだ。 (文=松下博夫)

キスマイが“お笑い路線”を邁進!? ジャニーズ若手楽曲の新機軸とは

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デビュー前はKAT-TUN的なキャラクターだったというが……

【リアルサウンドより】  Kis-My-Ft2のメンバーのうち、後列の4人である横尾渉、宮田俊哉、二階堂高嗣、千賀健永が組んだユニット「舞祭組(ブサイク)」が、従来のジャニーズとは異なる路線でデビューし、注目を集めている。舞祭組は、SMAPの中居正広がプロデュース、作詞・作曲・振り付けまでを手掛け、これまであまりスポットを浴びなかった4人のキャラを、自虐的なユーモアを交えて演出しているのが特徴だ。  11月12日深夜に放送された新音楽番組『Sound Room』(TBS)では、デビュー曲の『棚からぼたもち』を地上波で初披露。「僕たち四人で大丈夫なのか?」「いきなり注目厳しいかな」といったフレーズを、地味なスーツ姿でヤケクソ気味に歌うパフォーマンスに、ネット上では「舞祭組インパクトすごすぎ」「横尾さんの歌いっぷりが面白すぎてニヤニヤしてしまう」「想像してたのとだいぶ違うけど、これはこれでありだな」といった声が上がっている。  いったいなぜ、Kis-My-Ft2は思い切った楽曲をリリースしたのか。その狙いを、ジャニーズに詳しい芸能ライター、ジャニ子氏に訊いた。 「舞祭組は、『キスマイBUSAIKU!? 』(フジテレビ)という番組で組まれたユニットなんですが、そもそもこの番組自体が従来のジャニーズの常識を覆すようなものでした。インターネットでキスマイを検索すると、予測検索で2番目に『ブサイク』と出てしまうことを受けて、本当にキスマイはブサイクなのかを検証するというバラエティ番組で、メンバーが自分でカッコイイと思うことをビデオ撮影し、それをファンではない女性に見せて、どれくらいキモがられるかを競うという内容なんです。今までだったら聴こえないフリをしていれば済んだアンチの声を、あえてネタにしているんですね。今回、人気のない4人を抱き合わせて売り出したのも、そういった“三枚目路線”の延長にあるのでは」  インパクトの強い今回の楽曲も、実はよく計算されているという。 「あそこまで自虐的な笑いに走ったのは珍しいですが、ユニークな楽曲は、実は昔からジャニーズが得意としてきた路線。たとえばシブがき隊の『スシ食いねェ!』などは、その典型です。キスマイはもともと『SHE! HER! HER! 』のように、聴いた人が『なにそれ?』と気になってしまうようなキャッチ―な曲を得意としていましたから、今回の楽曲もハマっているんじゃないですかね」  Kis-My-Ft2は今後、ジャニーズの中でどのようなポジションを占めていくのだろう。 「キスマイはよく、SMAPと抱き合わせでテレビ出演することが多いのですが、飯島マネージャーは彼らをSMAPの後釜にしたいと考えているのではないでしょうか。SMAPに弄られているグループとなれば、多くのSMAPファンも彼らのことが気になるでしょうし、飾らないキャラクターの4人と、イケメン路線の3人の組み合わせは、幅広い層に受け入れられる可能性が高いです。一見するとおちゃらけた企画ばかりしているようですが、メンバーの中にバラエティ担当やドラマ担当など、突出したキャラクターを育てている最中なのだと思います。いずれはとともに、ジャニーズの二大巨頭にしたいのでは」  中居プロデュースで、さらにSMAPとの近しさを感じさせたKis-My-Ft2。今回のユニークな楽曲は、多くのひとに「親しみやすさ」を感じさせたのではないだろうか。 (文=編集部)

AKBグループはドラフト会議後どうなる? 新メンバー争奪戦で見えてきた各チームの課題

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AKB48『ハート・エレキ Type4(初回限定盤)』(キングレコード)

【リアルサウンドより】  11月10日に東京・高輪プリンスホテルで「AKB48グループドラフト会議」が開催され、20人が48グループメンバーの一員としての第一歩を踏み出すこととなった。このドラフト会議、開催当初は元メンバーや他のアイドルグループ経験者が立候補するのでは? という噂もあり注目を集めたが、実際はそのような立候補もなく、単純に48グループの新たなる人材発掘の場としての機能以上は果たさなかったため、世間への話題性は今ひとつだったかもしれない。  研究生から正規メンバーへと昇格する、という既存の研究生制度がある中で、今回のドラフト開催にはファンの間でも少なからず疑問の声が上がっていた。ただ、今回のドラフト候補生が、他の48グループの研究生とは明確に違うところがひとつだけある。それは、彼女らがコレオグラファーの牧野アンナ氏のレッスンを1ヶ月受けることが出来た、ということ。この状況はSKE48の立ち上げ時以来である。SKE立ち上げメンバーは研究生という時期を経験せず、直接正規メンバーとして、ステージに立たなければならなかった。今回の候補生たちには、それと同じ環境を与え、ある程度鍛え上げた上でのドラフトということになる。その意味では、即戦力を“作り上げる”ためのプログラムだったといえよう。  いっぽう、各チーム16人で行われている劇場公演には、別の危惧もある。2012年に行われたAKB48の組閣では、16人を超えるメンバーが各チーム所属となりレギュラーで劇場に立てる“スタメン”に対し、そのスタメンが休演するときにしかステージに立つことが出来ない“スタベン”問題が発生しているが、今回のドラフトでAKB以外の各地グループも“スタベン”を抱える可能性があるため、一部のファンからはそのような状況を不安視する声も上がっている。  だが、このドラフト会議が48グループにとって大きな糧となったことは間違いないだろう。ドラフト会議で実際に指命するのはキャプテンやリーダーではあるが、AKBのチームKは皆で島田晴香の家に集まり、事前にドラフト候補生の映像や資料を観ながら指命を検討していたという。また当日開場でも第二順以降、プロ野球のドラフト同様にメンバー間で話し合いが行われている姿も見られた。既存のメンバーにとっては、自分たちのチームの色やスタイルを再確認するキッカケとなったのではないのだろうか。  AKB48チームKの大島優子は、若いメンバーを獲得しチームにバラエティある人材を揃えようとし、SKE48チームKⅡの佐藤実絵子は同期の仲間の重要性を説くなど、各チームがそれぞれに議論することで、思い描くチーム像が明確になったように思われる。歌やダンスの技術よりも“根性”という、ファンが最も感情移入しやすいステータスを優先したのは、HKT48支配人の指原莉乃。正規メンバーが15人のHKT48に、地元出身のメンバーをひとり獲得し、“スタベン”問題を抱えることもなくドラフトを展開したあたりは、さすがといえよう。  ドラフト会議前日には、AKB48グループ総支配人の戸賀崎智信氏より、来年1月から各劇場公演の倍率などによる、チーム間のペナントレースが開催されることが発表された。劇場公演にゲーム性を導入することで、48グループの原点である劇場を活性化させようという試みだ。ネタ元の野球のように、本当の意味で国民的に愛されるエンタテインメントを目指し、48グループの挑戦は続く。 ■エドボル 放送作家。『妄想科学デパートAKIBANOISE』(TOKYO FM水曜25:00-)『安田大サーカスクロちゃんのIdol St@tion』(目黒FM隔週木20:00-)、『Tokyo Idol Festival2013』(フジテレビNEXT)など、テレビ・ラジオなどの構成を担当。サイゾー、SPA!などでもアイドル関連のインタビューを中心に執筆中。

田中聖がツイッターで"人情家”ぶりをアピール ジャニーズ在籍時には後輩の脱退を止めた逸話も

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後輩達からはアニキ的な存在として慕われていた田中聖

【リアルサウンドより】  元KAT-TUNの田中聖が、自身の誕生日11月5日にTwitterを開始して数日が経過、その発言内容に、ファンはもちろんのこと、今まで関心のなかった男性からも注目が集まっている。  事の発端は「みんなが俺にコメントみたいにくれるのをお返しするのってどうやるんですか?」という本人のツイート。Twitter初心者として素直に教えを請う姿は、かつての尖ったオラオラ系のイメージと異なっていたためか、好感を寄せる声が多数見られた。田中は「これでいいのかな?」、「リプライって言うの?リプってやつか」と、不慣れながらも精力的にファンとコミュニケーションをとり、14歳のファンからのメッセージには「頑張ってる事に年齢は関係ないと思うよ。一緒に頑張ろうね。」と、誰に対しても敬意を持って接する姿勢を見せた。  また、避難所に救援物資を届けるなど、被災地への思いが強い田中は、宮城県在住だというファンに対し「まだまだそっちは大変だと思うけど頑張ろうね。出来る事があったら言ってほしい」という言葉を投げかけた。 「ご飯を急速炊きにして待ってる間に質問が多かったモノ返事します。(中略)ポケモンXで全クリして今は図鑑埋めてクリア後のストーリーやってます」、「ドンキに行って突っ張り棒とコンディショナー買って帰り際にラーメン食べようかなっていう予定です」といった日常的なツイートからは、等身大の20代男性の生活が見え、共感を寄せる男性ファンの声も多い。  KAT-TUN時代にはラッパーとして「JOKER」と名乗っていた田中だが、ネット上ではその人情家ぶりとかけて「人ジョーカー」というあだ名も付いているようだ。  田中聖は、ジャニーズ時代から男に慕われるアニキタイプのキャラクター。プライベートでも5人兄弟の次男として、年下の面倒をよく見てきた。事務所の後輩から相談を受けていたというエピソードも多い。赤西仁の脱退など、何かと問題が多かったKAT-TUNのメンバーとして幾度と無くふんばってきた経験から、ジャニーズの後輩が陥りがちな悩み事に親身になって答えていたという。Hey! Say! JUMPの有岡大貴や、Sexy Zoneの菊池風磨、Kis-My-Ft2のメンバーには特に親しまれていたとか。辞めようと考えていたメンバーに「もう少し頑張ってみろ」と活を入れ、後にデビューにつながった……という逸話もあるほどだ。  KAT-TUNというブランドを脱ぎ捨て、意外な人間性が浮き彫りになってきた田中。Twitterでは、出演映画『サンブンノイチ』のプロモーションのため、吉本興業や角川書店と打ち合わせをしていると発言していたが、今後はそのユニークなキャラクターを活かして、バラエティタレントに転向することもあるかもしれない。 (文=ジャニ子)

前田敦子が年末の大型フェスCDJに出演決定 アイドルのロックフェス出演はなぜ増えた?

【リアルサウンドより】  12月28日から31日にかけて千葉・幕張メッセ国際展示場で開催されるロックフェスティバル「COUNTDOWN JAPAN 13/14」(以下CDJ)に、元AKB48の前田敦子、チームしゃちほこ、BABYMETALなどのアイドル勢が出演することが発表された。ロックバンド中心のラインナップで知られるCDJが本格的にアイドルを招くことには、音楽ファンの間からも驚きの声が上がっている。  CDJの運営側はどのような意図で、前田敦子をはじめとするアイドル勢を出演させることになったのだろうか。フェス事情に詳しい音楽ライターの柴那典氏は、「いまやロックフェスにアイドルグループが出演するのは珍しいことではない」と前置きしつつ、その背景を以下のように解説する。 「基本的にはフェスというものの幅を拡げようとしているのだと思います。前田敦子さんが出ることは確かに驚きなのですが、これまでもCDJやRIJ(ロック・イン・ジャパン・フェスティバル)には“ロキノン系”と言われるようなバンド以外も出演してきました。今回だと、声優の坂本真綾さんなども出演しています。もちろん、CDJの主な客層は10代、20代のロックファンが多いので、『なんで前田敦子が出るの?』と疑問に思う人もいるでしょう。しかし、そういった衝突はこれまで何度も繰り返されてきたことですし、ブッキングによって異なるカルチャーが衝突するのは、ある意味フェスの魅力のひとつと言って良いかと思います。というのも逆に言えば衝突が起こらないフェスというのは、ある意味すでに最適化されてしまっていて、マンネリの状態とも言えるからです。前田敦子さんをブッキングしたのは、試みとしてはかなり刺激的だと思います」  元AKB48の前田敦子がCDJに登場することは、彼女のキャリアを考える上でも興味深いと柴氏。その理由を、AKB48とCDJに共通する”ゲーム的な構造”という視点から説明する。 「AKBやジャニーズ、あるいはEXILEといったグループには、それ自体に階層を勝ち上がるゲーム的な構造があります。AKBなら総選挙がありますし、ジャニーズにはジャニーズJrといった下部構造があって、そこからいかに歌手デビューするかがひとつの目標になっています。EXILEもまた、THE SECOND from EXILEやGENERATIONSといったグループのトップにEXILEが君臨するという構造を持っています。それぞれ、ひとつの文化現象を形成しているといってもいいかもしれません。そしてCDJにもまた、ゲーム的な構造があります。PerfumeがRIJで毎年ステージのランクが上がっていき、今年の夏にはトリを務めたように、CDJでは各日のヘッドライナー、そして年越しのカウントダウンを任されるアクトが階層のトップに位置づけられます。(参照:"ゲーム化"する夏フェスで、Perfumeはいかにして勝ち上がったか)そのように考えると、AKBのセンターを何度も務めて卒業した前田敦子さんは、AKBというゲームを制した後に、CDJというゲームに参戦してきた、と捉えることもできます」  前田敦子は果たして、CDJでステージを成功させることができるだろうか。 「前田敦子さんが成功するかどうかは未知数ですが、実は少し前に彼女が出したシングル『タイムマシンなんていらない』は、アイドルファン以外の音楽好きにも結構評判が良かったんですよね。たぶん今、彼女はAKBを卒業してとても自由な状態だと思うので、音楽的にはなんでもアリというか、どういう路線にでも行けるんじゃないかな、とは思います」  ここ数年のトレンドである「ロックフェスへのアイドル登場」の中でもインパクトのある、今回の前田敦子のCDJ出演決定。従来の場合はアイドルグループの出演が一般的であり、彼女のようなソロのアイドルがどこまでステージを盛り上げるかという点でも、今後の試金石となりそうだ。 (文=編集部)

郷ひろみから櫻井翔、中丸雄一まで…ジャニーズとブラックミュージックの長くて深い関係

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【リアルサウンドより】  今年の3月に早稲田大学を卒業したKAT-TUNの中丸雄一。卒業論文では「黒人音楽のグローカリゼーション」というテーマを執筆し、最高評価の「A+」を獲得していたことが話題となった。「グローカリゼーション」とは、物事が世界中へと拡散していく「グローバリゼーション」と地域の特性にあわせて進化していく「ローカリゼーション」を組み合わせた混成語。19世紀に誕生したブラックミュージックが1960年代末からの黄金期を経て世界中に伝播し、その過程で地域の文化と混ざり合い独自に進化を遂げていったことを考察したものと思われる。このテーマ、ここ日本におけるブラックミュージックの地域化という切り口で考えると非常に興味深い。というのもそれを担っていた張本人こそ、KAT-TUNの属するジャニーズのアイドルたちなのだ。  ジャニーズとブラックミュージックの交わりは1970年代までさかのぼる。先駆けとなったのは郷ひろみ。彼が1974年にリリースした「君は特別」はスティーヴィーワンダー「Superstition」(1972年)を意識したアレンジに仕上がっており、他にも所々でマーヴィン・ゲイやカーティス・メイフィールドの影響を感じさせる名曲だ。郷ひろみは1976年リリースの「恋の弱味」でもCHICのナイル・ロジャース調のカッティングギターを取り入れたダンスナンバーを(本家に先駆けて)リリースしており、日本のポップスにブラックミュージックの要素を取り入れる礎を築いた人物といえる。  その後もジャニーズにおけるブラックミュージックの要素は田原俊彦や近藤真彦、少年隊へと引き継がれていく。そして登場したのが1988年デビューのSMAP。95年リリースの「しようよ」は「Saturday in the Park」(1972年のシカゴのヒット曲)風のイントロで始まる名曲だ。随所にボビー・ブラウンのいたニュー・エディションの影響を感じさせるニュー・ジャック・スウィング風のアレンジも見られる。また97年リリースの「ダイナマイト」はブラック・ミュージックから派生したハウス・ミュージックの影響が色濃い。90年代に登場したサンプラーや打ち込みによるプログラミングを盛り込んでおり、その後のJ-POPシーンの楽曲制作のあり方に多大な影響を与えた一曲だ。  ジャニーズによるブラックミュージックのローカライズについて、音楽家であり批評家の大谷能生は以下のように語っている。「ジャニーさんが完全に切ったものは、ディスコのアンダーグラウンド感ですよね。あと匿名性っていうのも切った……置き換え可能だし、80年代ジャニーズがぐんぐん伸びていくというのは、そういうプロダクションをディスコを経由してうまくやってるから(大谷能生・速水健朗・矢野利裕『ジャニ研!』より)」。ブラックミュージックを大衆的なものに変え、“置き換え可能”な形にできたからこそ、今のような形でJ-POPとブラックミュージックが融合し普及していったのだと考えられる。  ジャニーズの功績により、今やJ-POPに欠かすことのできない要素となったブラックミュージック。その後もジャニーズはV6の森田剛やの櫻井翔を筆頭に、楽曲へラップを取り入れることに積極的であり、今なおブラックミュージックへのアプローチを続けている。今後のジャニーズの音楽、そしてJ-POPはどのように変化を遂げていくのだろうか。 (文=北濱信哉)