
アダルト業界で絶大な人気を誇るつぼみは、その性格の良さから制作スタッフの間でも人気が高い。
【リアルサウンドより】
アメリカのR&Bシンガー、ロビン・シックの「ブラード・ラインズ~今夜はヘイ・ヘイ・ヘイ♪」が、ヌード姿MVで世界的にヒットするなど、海外のポップミュージックではセクシー系のMVが当たり前のコンテンツとして流通している。そんな中、AVメーカーである『性格良し子ちゃん』は、日本初の“ヌードMV”を制作。ラッパーのPUNPEEとAV女優のつぼみがコラボレーションした「Bad Habit」は、大胆にヌード映像を使用しつつも、ファッション性の高いクールな作品に仕上がり、YouTubeで再生回数23万回を突破した。
同MVのヒットにより、国内でもヌードMVに対する需要があったことが示されたが、こうした作品は今後、日本の音楽シーンに浸透していくのだろうか。また、ヌードMVにはどんな可能性があるのか。『性格良し子ちゃん』の代表兼映像ディレクターで、「Bad Habit」のMVを制作したターボ向後氏に話を訊いた。

ターボ向後氏は、エロチックでありながらもポップな写真にも定評がある。
――今回、MVでヌードを撮ろうと思ったきっかけは?
ターボ向後(以下、向後):もともと僕は洋楽が好きで、向こうのヒップホップやエレクトロなどのシーンでよく観る、ヌードを使ったMVが面白いコンテンツだと思っていました。最近だと、ファレル・ウィリアムスがやっているN*E*R*DっていうバンドのMVでも、ヌードを使用しています。でも、日本ではそういう表現がまったく受け入れられていなかった。実は10年くらい前に、当時GOING STEADYとして活動していた峯田和伸さんと、写真家の佐内正史さんに協力していただいて、『I LOVE YOU』っていう、音楽とエロを融合したようなAVを作ったことがあるんです。音楽系の雑誌とかHMVやタワレコに「これ、AVだけどスゴい作品だから!」って売り込んだんですけど、当時は誰も相手にしてくれなくて(笑)。その時の思いがくすぶっていた、というのがまずありました。
――実は再チャレンジだったと。この10年でエロに対する世間のイメージは変わりましたか。
向後:流れが変わってきたのはここ数年ですね。『SR サイタマノラッパー』や『劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ』を制作した、スポッテッドプロダクションズっていう制作会社では、MOOSIC LABっていう、MVと映画の中間のような映像作品のシリーズをやっています。それがとても盛り上がっているんです。内容的には僕が10年前にやっていたことに近いのですが、当時と違って今は、エロのテイストがあるコンテンツでも、いろんな層にリーチしやすくなっているのかな、と思います。

ターボ向後氏は、カンパニー松尾やバクシ―シ山下といった有名AV監督を輩出したV&Rプランニング出身。『girlfriends ピュア系女の子のドキュメント』シリーズは、他社がこぞって真似するほどの大ヒットとなった。
――そういった変化はなぜ起きたのでしょうか。
向後:ネットメディアや、SNSの影響が大きいのではないでしょうか。10年前は、エロ系のコンテンツはエロ系の媒体にしか載せられないし、音楽系のコンテンツは音楽系の媒体にしか載せられない、といった感じで、異なるカルチャー間である種の断絶があったと思います。でも今はSNSなどがあるので、カルチャー間の壁が壊れてしまったのではないかと。言い換えれば、ちゃんと面白いコンテンツであれば拡散されていくので、「エロだから」という理由で壁にぶつかることが少なくなったのかなと思います。実際、「Bad Habit」はリアルサウンドを含めたウェブマガジンでの情報掲載と、SNSやブログなどの口コミだけで再生回数23万回を突破しましたから。
――「Bad Habit」の映像では、どんな点に注力し、視聴者からはどんな反応を得た?
向後: 僕はPUNPEE君をすごくエロい人だと思っているんですよね。男の色気があるというか。これまでの彼の作品では、彼のそういう部分にスポットを当てたものはなかったので、今回はそれを映像で引き出してみたい、というのがありました。また、つぼみちゃんはAV女優として素晴らしい才能を持っていますが、それ以前に、ひとりの女性としての魅力に溢れています。そして、AVでは彼女の魅力は10分の1も伝わらない、という思いがずっとありました。AVはセックス・シーンばかりが求められるものですが、彼女の魅力はそこだけではないぞ、と。今回、MVというメディアの枠組みの中で撮ったことで、ほかの映像では観れない二人の“被写体としての力”を引き出すことができたのではないかと思います。エロというとキワモノ扱いされることが多いのですが、「Bad Habit」に関しては、「カッコイイ」とか「カワイイ」といった声をたくさん頂き、嬉しかったですね。少なくとも、ヌードMVがコンテンツとして“アリ”だってことは、証明できたのではないかと。
PUNPEE STARRING つぼみ「Bad habit」
――今後、こういったMVは増加していく?
向後:僕は音楽とセックスはすごく似ているものだと思っていて、その二つはMVの中でこそ両立すると思うんですよね。それがアートかどうかっていうと、わからないですが、海外では有名なクリエイターがそういう映像を撮っていたりします。だから、日本にもそういうシーンがあってもいいのではないかと。AV女優にはほかにも、エロ以外のタレント性を兼ね揃えた女性がたくさんいますしね。『性格良し子ちゃん』では、「Bad Habit」が好評だったため、近々ヌードMVの第二弾を公開する予定です。今度はロック系のミュージシャンとコラボしていて、やはり意外性のある作品に仕上がっているかと思います。これがきっかけとなって、ヌードMVを撮る映像作家が増えていったら嬉しいですね。
(文=リアルサウンド編集部)

『160OR80』
■リリース情報
『160OR80』(CD版)
発売日:2013年12月25日
価格:¥1,800
※初回限定版には付録DVD付き。
AVメーカー性格良し子ちゃん制作による「Bad Habit」と「year-end taxadjustment」のFULL NAKEDバージョンが収録される。
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