ミステリーと日常の描き方に違和感が残る『お天気お姉さん』

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『お天気お姉さん』公式サイトより

 今期の連続ドラマが出揃ったが、相変わらずミステリードラマが多い。ミステリードラマの強みは1話完結で、物語のフォーマットが決まっていることだ。90年代ならいざしらず、インターネットと携帯電話が普及して、競合するコンテンツやコミュニケーションツールが多様化している現在において、1週間に(約)1時間のドラマを1話ずつ放送するという形態は、視聴者にとって年々敷居が高くなっている。1週間もたてば先週のあらすじを覚えていない人も多く、1話でも見逃せば次から見なくてもいいや、という視聴者も多い。

 そんな中でコンスタントに視聴率を獲得しているのが、1話完結のミステリードラマか、1話15分を月~土曜日にかけて連続で放送する朝の連続テレビ小説のみというのは当然のことだ。

『ご縁ハンター』の観月ありさが体現する、婚活における「根拠のない自信」の無力さ

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『ご縁ハンター』公式サイトより

 観月ありさは初主演となった『放課後』(フジテレビ系、1992年)以降、テレビドラマでは主演以外をやったことがなく(ゲスト出演を除く)、連続主演記録はギネスにも認定されているらしい。

 演技も歌も決して突出しているわけではない。しかし、彼女はいつも自信満々で、自分が観月ありさであることに対して一切疑いを抱いておらず、それこそが彼女の持つ強さであり、視聴者もまた、美少女の持つふてぶてしい強さを求めた。とんねるずのバラエティ番組や、デビュー曲「伝説の少女」によって刷り込まれた「観月ありさはすごい」という漠然としたイメージを世の中の人々が抱いたまま、2013年現在まで突き進んだ結果が、先に挙げた連続主演記録なのだろう。

 そんな彼女の最新作がNHKで放送中の『ご縁ハンター』だ。もちろん主演作なのだが、どうも、いつもの観月ありさ作品とは勝手が違うようだ。

『リーガル・ハイ』、物語を信じない弁護士の「人間なんてこんなもん」の肯定力

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『リーガル・ハイ』/TCエンタテイ
ンメント

 『リーガル・ハイ』(フジテレビ系)は、勝つためなら手段を選ばない連戦連勝の弁護士・古美門研介(堺雅人)と、正義感が強い生真面目な新米弁護士・黛真知子(新垣結衣)が主人公のコメディテイストの法廷ドラマ。脚本を担当したのは『相棒』(テレビ朝日系)、『鈴木先生』(テレビ東京系)で完成度の高い脚本を執筆する古沢良太。堺雅人の演じる古美門が次から次に早口で繰り出す長台詞と、明らかにモデルがあるだろう訴訟ネタの面白さが話題となった2012年を代表するテレビドラマだ。

 4月13日に放送されたSPドラマは、昨年、大津市で起きた中学2年生の自殺事件以降、盛り上がったいじめをテーマにとした物語だ。ある中学で起きた生徒の飛び降り事件で、息子が昏睡状態となった母親が、背景にイジメがあったのではないかと学校を訴え、原告側の弁護士として、古美門と黛は学校側と争うことになる。新登場人物として、古美門と戦うライバル弁護士・勅使河原勲を北大路欣也が、古美門と対立する女裁判官・別府敏子を広末涼子が演じ、テレビシリーズ以上に豪華な仕上がりとなっていた。

『リッチマン、プアウーマン』が描いた、恋愛と流行の生き生きとした“軽薄”さ

フジテレビ公式サイトより

 元ライブドア社長・堀江貴文(ホリエモン)が仮釈放された、3月29日から3日後の4月1日、『リッチマン、プアウーマンinニューヨーク』(フジテレビ系)が放送された。本作は、昨年フジテレビの月曜9時枠(月9)で放送された連続ドラマ『リッチマン、プアウーマン』(以下、『リチプア』)のSPドラマだ。

 物語は新進気鋭のIT企業「NEXT INNOVATION」の若き天才社長・日向徹(小栗旬)と、東京大学理工学部に通う就活中の女子大生・夏井真琴(石原さとみ)のラブストーリーが中心だが、そこに副社長の朝比奈恒介(井浦新)の、日向への嫉妬を交えたBL的な男の愛憎劇を絡めることでストーリーを盛り上げており、久々に現れた月9らしい恋愛ドラマとなっていた。