『とと姉ちゃん』戦争終結で新展開も――常子の叔父・鉄郎に非難の声上がったワケ

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『連続テレビ小説 とと姉ちゃん Part1』(NHK出版)

『とと姉ちゃん』(NHK 総合/月~土、午前8時) 幼くして父を亡くした小橋常子(高畑充希)が、「父(とと)」の代わりとして、母と妹2人を守りながら、怒涛の戦前・戦後をたくましく生き抜いていく物語。総合誌「暮しの手帖」の創業者たちの軌跡をモチーフにしている。

『ゆとりですがなにか』、ヤンキーで暴力的な男に終わらない柳楽優弥の魅力

<p>宮藤官九郎が脚本を手掛けたドラマ『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)が完結した。主人公は食品メーカーの営業職で、会社直営の居酒屋「鳥の民」高円寺店の店長を務める坂間正和(岡田将生)。ここに小学校の教師で、実は童貞の山路一豊(松坂桃李)と、おっぱいパブの客引きをやっている道上まりぶ(柳楽優弥)が加わり、ゆとり第一世代と言われる1987年生まれの三者三様を描いた群像劇だ。</p>

『とと姉ちゃん』及川光博演じる、五反田一郎のキザなセリフに女性視聴者悶絶!!

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『連続テレビ小説 とと姉ちゃん Part1』(NHK出版)

『とと姉ちゃん』(NHK 総合/月~土、午前8時) 幼くして父を亡くした小橋常子(高畑充希)が、「父(とと)」の代わりとして、母と妹2人を守りながら、怒涛の戦前・戦後をたくましく生き抜いていく物語。総合誌「暮しの手帖」の創業者たちの軌跡をモチーフにしている。

『99.9』は嵐・松本潤の飛躍となるか? 少女マンガを脱した“新しい主人公”像の是非

<p> TBS系の日曜劇場(日曜午後9時枠)で放送されている『99.9-刑事専門弁護士-』(TBS系、以下『99.9』)が好調だ。平均視聴率は第1話が15.5%(関東地区、ビデオリサーチ調べ/以下同)、第2話では19.1%を獲得。それ以降も高い数字を獲得しており、今期の連続ドラマの中ではダントツとなっている。</p>

坂口健太郎、俳優としての魅力とは? 『重版出来!』『とと姉ちゃん』で見た意外な才能

<p> 『重版出来!』(TBS系)、連続テレビ小説『とと姉ちゃん』(NHK)と、坂口健太郎の出演作が続いている。坂口は現在24歳、「MEN’S NON-NO」(集英社)の専属モデルとして活躍中で、昨年『コウノドリ』(TBS系)で連続ドラマ初出演を果たした。</p>

『世界一難しい恋』は嵐・大野智の集大成? 冷酷さ+子どもっぽさを両立する役者の魅力

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『世界一難しい恋』(日本テレビ系)公式サイトより

 日本テレビ系で水曜午後10時から放送されている『世界一難しい恋』は、嵐の大野智が主演を務める恋愛コメディだ。大野が演じるのは鮫島ホテルズの社長・鮫島零治。34歳にして社長を務める零治は、ビジネスの才能はあるのだが、幼稚で傲慢な性格のため、社員からは敬遠され、女性からも嫌われていた。

 零治はライバル企業であるステイゴールドホテルの社長・和田英雄(北村一輝)への対抗心から、2カ月後のホテル協会のパーティーに婚約者を連れて行こうと考えていた。そのためにお見合いを繰り返すが、「君は(顔を)いじってないようだな」などと、思ったことをすぐに口にしてしまうため、いつも断られていた。そんな時、中途採用で入った社員の柴山美咲(波瑠)と零治は出会い、彼女をパーティーに連れて行こうと目論む。

『いつ恋』で魅力的だったAAA・西島隆弘の芝居――朝陽の誠実さと葛藤が伝わる名場面

<p> 『いつかこの恋を思い出してきっと泣いてしまう』(以下、『いつ恋』)が完結した。本作は月9(フジテレビ系月曜午後9時枠)で放送されていた恋愛ドラマ。脚本は『東京ラブストーリー』(同)や『最高の離婚』(同局系木曜午後10時)で知られる坂元裕二。東京で暮らす地方出身の若者たちを主人公にした恋愛群像劇としてスタートした本作は、華やかな恋愛ドラマが多い月9では異例とも言える、若者の経済格差や介護業界のブラックな労働環境の描写から、物議を醸す事態となった。<br /> </p>

漫画的キャラを脱した俳優・香取慎吾――『家族ノカタチ』で演じた「等身大の男」の魅力

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『家族ノカタチ』/TCエンタテインメント

 今年のテレビドラマのことを考えるとき、今後大きな影響を与えそうなのが、SMAPの分裂・解散騒動と、1月18日にバラエティ番組『SMAP×SMAP』(フジテレビ系)で行われた謝罪会見だ。

 木村拓哉以外の4人がジャニーズ事務所から独立することで、SMAPが解散するかもしれないという報道は日本中で大きな話題となったが、世間を騒がせたことに対してSMAPの5人が謝罪するという名目で行われた会見は、とても痛々しいものだった。

『あさが来た』『ダメな私に恋して~』ディーン・フジオカ、イケメン俳優としての立ち位置

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『ダメな私に恋してください』(TBS系)公式サイトより

 毎週の平均視聴率が23.0%(関東地区)を超えて、近年の朝ドラでは一番のヒット作となりつつある『あさが来た』(NHK)。本作は明治時代に活躍した女性実業家・広岡浅子の生涯をモデルとしたヒロイン・白岡あさ(波瑠)を主人公にした女の一代記だ。

 時代考証をしっかりと行いつつも、夫が妾をとるかどうかといった問題を史実とズラすことで、現代の視聴者が安心して見られるように作りこまれた、実に巧みな作品だ。中でも見どころとなっているのは、いい男たちが次々と登場するイケメンドラマとしての側面である。

嵐・二宮和也『坊っちゃん』が映した、「等身大の若者」ではなくなった俳優・二宮の課題

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『坊っちゃん』(フジテレビ系)公式サイトより

 年末年始にかけて、二宮和也の出演するドラマが2本放送された。1作は昨年の12月28日に放送された『赤めだか』(TBS系)、もう1作は1月3日に放送された『坊っちゃん』(フジテレビ系)。

 『赤めだか』は落語家の立川談春のエッセイを元にドラマ化したもので、二宮は立川談志に弟子入りした若き日の談春を演じた。ドラマ版では師匠と弟子の関係がフォーカスされている。舞台が80年代末ということもあってか、ノスタルジックな青春ドラマとしてうまく仕上がっていた。

 一方、『坊っちゃん』は言わずと知れた夏目漱石の有名小説をドラマ化したもので、二宮演じる「坊っちゃん」と呼ばれている血気盛んな若者が、中学教師として赴任した四国で、さまざまな騒動に巻き込まれていく姿を描く。『赤めだか』は80年代末、『坊っちゃん』は明治時代という過去の時代を舞台としており、二宮が演じるのは、どちらも血気盛んな青年という役まわりだった。

 とはいえ、この2作における二宮の立ち位置は、少しだけ異なる。

 『赤めだか』で、二宮が演じたのは高校3年で弟子入りしてから二つ目(一人前の落語家とみなされる階級)になるまでの時代だ。年齢でいうと高校卒業から大学卒業までの18~22歳くらいまでの期間だろう。

 一方、『坊っちゃん』で二宮が演じるのは、20代前半くらいの若者だ。しかし、坊っちゃんの職業が教師であるため、弟子の立場だった『赤めだか』と違い、自分よりも子どもの中学生たちと向き合うことになる。『坊っちゃん』を見ていて印象的なのは、教頭の赤シャツ(及川光博)のような狡猾な大人ではなく、坊っちゃんの行動を影から監視している中学生たちの不気味さだ。

 「風呂で泳いでいた」、「蕎麦を四杯食べた」といった黒板に書かれた文字は、生徒たちの側に具体的な名前を持った登場人物がいないためか、ネット上の匿名掲示板に書かれた悪意のある悪口のように見える。曲がったことが嫌いな若者が、狡猾な大人と対立する話として『坊っちゃん』は知られているが、実は子どもたちとも断絶しているのだと、本作を見てあらためて気づかされた。

 そんな大人とも子どもとも断絶している坊っちゃんの姿は、現在の二宮が抱えている問題をそのまま映し出している。

◎「大人」を演じられない俳優・二宮
 クリント・イーストウッド監督の映画『硫黄島からの手紙』や、倉本聰が脚本を手掛けたテレビドラマ『優しい時間』『拝啓、父上様』(ともにフジテレビ系)に出演した二宮は、年配のクリエイターたちから、その演技力を高く評価されてきた。

 一方、『流星の絆』(TBS系)や『フリーター、家を買う。』(フジテレビ系)といった現代が舞台のドラマでも主人公を演じ、ひねくれた若者の持つ苛立ちや焦燥感を演じさせたら右に出るものがいない存在だった。10代後半から20代にかけての二宮は、自分の得意とする演技と役柄の相性がうまく噛み合った幸福な時代を過ごしてきたと言える。

 しかし現在の二宮は32歳。これは、嵐のメンバー全員にいえることだが、若者役を演じることが年々、厳しくなってきている。かといって、アイドルということもあってか、若々しい外見のため、いきなり中年男性や父親役を演じるというわけにはいかず、青年にも中年にもなれない立ち位置にいる。

 そんな二宮の状況が画面に出てしまったのが、2014年に放送された『弱くても勝てます~青志先生とへっぽこ高校球児の野望~』(日本テレビ系)だろう。二宮は野球部を受け持つ教師を演じたが、生徒役を演じた福士蒼汰や本郷奏多たちに比べると明らかに大人なのに、教師役をやるには若すぎるというどっちつかずの印象で、どう演じていいか戸惑っているように見えた。

 若者役が難しくなってきているのは嵐のメンバー全員にいえることだが、二宮以外のメンバーは、年齢とは関係ないマンガのキャラクターを演じることで、その問題をうまく保留にしている。そんな中、等身大の若者を生々しく演じられることで高い評価を受けてきた二宮は、真っ先に年齢の壁とぶつかってしまったように見える。

 それ以降の二宮は、現代を舞台にした連続ドラマには出演していない。そして、今回のスペシャルドラマでは2作とも舞台が過去となっている。

 過去を舞台にすれば、まだまだ青年役を違和感なく演じられるということは、『赤めだか』に関しては証明できたと言えるだろう。現在公開されている映画『母と暮らせば』でも戦後を舞台に吉永小百合の息子役を演じているが、しばらくはこの路線に活路を見いだすのかもしれない。

 『坊っちゃん』のラストでは、自分の信念を貫いて教頭の“赤シャツ”を殴った坊っちゃんが、教師を辞めて東京に戻り、その後、亡くなったことがナレーションで語られる。つまり、大人になれずに死んだことが暗示されて物語は終わるのだが、果たして二宮はうまく青年から中年になれるのだろうか。

 それはそのまま、国民的アイドルグループの嵐が30代をどう生きていくのかという課題ともつながっている。
(成馬零一)