水曜深夜に放送されている『わにとかげぎす』(TBS系)が面白い。 深夜のスーパーマーケットで働く38歳の富岡ゆうじ(有田哲平)は、孤独な日々に不安を覚えて、流れ星に「友達をください」と願う。そんな富岡の元に同じアパートで暮らす美女・羽田梓(本田翼)が現れ、富岡の人生は一変していく。 本作は、90年代に大ヒットしたギャグ漫画『行け!稲中卓球部』や暗黒青春漫画『ヒミズ』の作者として知られる古谷実の同名漫画をドラマ化したものだ。 古谷はコメディとシリアスの間を横断することで、哲学的な要素を描く漫画家だ。この『わにとかげぎす』も、笑いの中に怖さが、怖さの中に笑いがあり、その往復によって人生の深淵を表現している。 染谷将太と二階堂ふみの荒々しいぶつかり合いと、物語を震災直後に変更して被災地の風景を取り込んだ園子温監督の『ヒミズ』や、森田剛が演じる連続殺人鬼の怪演が話題となった吉田恵輔監督の『ヒメアノ~ル』など、近年、古谷作品の映像化は増えているが、傑作が多い。 どの作品も漫画のビジュアルやストーリーを単純になぞるのではなく、原作の良さを残した上で、現代の物語に脚色している。そして、役者の魅力を最大限引き出し、実写映像ならではの面白さを生むことに成功している。 本作も、放送前は、くりぃむしちゅーの有田哲平が主演とあって、イメージが違うのではないかと不安だったが、思った以上にハマっている。 水曜日のカンパネラのコムアイや、ラッパーのDOTAMAなど、普通のドラマでは見られないユニークなキャスティングも功を奏している。中でも一番健闘しているのは、羽田梓を演じている本田翼だろう。 本田が演じる羽田はモデル体形の美女でありながら、38歳のさえない中年男性の富岡のことを好きになり、ストーカーみたいにつきまとう。 古谷の漫画には、不細工でさえない男のことを無条件に好きになってくれる女性が必ず登場する。その多くは、スタイルの良いモデル系の美人なのだが、本田は古谷のヒロインそのものだといえる。 羽田は、トランプに描かれたジョーカーのイラストのおじさんが初恋の人で、富岡のことも顔が理由で惚れたのだが、クールなたたずまいで富岡につきまといながら、そんな自分の変態性に恥じらいを感じている。恋愛となると必要以上に照れて狼狽するのは古谷作品の特徴で、それはどんな美女でも例外ではない。羽田も富岡を前にするとデレデレで、クールな外見とのギャップがすさまじくカワイイ。 モデル出身の美女がテレビドラマや映画に出演すると、演技がヘタとか棒読みとかボロクソに言われる。「non-no」(集英社)の専属モデルとして活躍する本田も例外ではない。個人的にはそんなに悪いとは思わなかったが、2年前に主演を務めた月9の恋愛ドラマ『恋仲』(フジテレビ系)での演技も、散々な言われようだった。 おそらくこれは本田やモデル出身の女優の問題というよりは、そういうモデル系のクールな美女を生身の人間としてちゃんと描ける作家が、極端に少ないことが問題なのだろう。決して彼女たちの責任ではない。 そんな中、『わにとかげぎす』は、本田の魅力をこれ以上ない形で魅力的な人間として描き出している。第3話では、彼女が富岡に、かつての彼氏に、隠しカメラでトイレ姿を盗撮されて、動画をネットに流出させられたという悲しい過去を告白。「汚れてますよね。終わってますよね、私。変態ですよね」と言いながら、なげやりに笑う表情はとても素晴らしかった。 ともすれば、男に都合のいい記号的な美女になりかねないが、きちんと生活感のある、一人の人間として描かれているのだ。 もちろん、ビジュアルの見せ方も完璧で、長い脚を惜しみなく披露している。 劇中ではショートパンツのボタンが外れて下着が少しだけ見えているカットが何度か入るのだが、はっきり言ってナマ脚のほうが100倍エロい。「本田翼といえばナマ脚」というイメージは、本作で決定付けられたと言っても過言ではない。おそらく本田にとっては、女優としての転機となることは間違いないだろう。 (文=成馬零一) ●なりま・れいいち 1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。『わにとかげぎす』TBS
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ひふみん、梅沢富美男、出川哲朗、城島茂……芸能界に増殖する「老いドル」たち
どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。 いま、芸能界は「老いドル」で活気づいている。 元棋士の加藤一二三(77)、梅沢富美男(66)、出川哲朗(53)、TOKIO・城島茂(46)ら、各年代に一人ずついる「おじさんスター」。 老いを味方につけた彼らの人気に迫ってみた。 ■「一人電波少年」出川 まずは出川哲朗。 メディアでは今、「時代が出川に追いついた」ともてはやされているが、彼が『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ系)でやっていることは、『進め!電波少年』(同)の企画と、いい意味でまったく変わらない。 『電波少年』は、1992~98年まで放送されていた、体当たり企画が人気の伝説のバラエティだ。 例えば「羽生善治に勝ちた~い!」と、羽生に「王」しか駒を持たせずに対局したり、「バツイチになりた~い!」と、公募した一般女性と結婚して3日後に離婚したり、「渋谷のチーマーを更生させた~い!」と渋谷に繰り出したものの逆にボコボコにされるなど、今ではオンエアできないような挑戦を毎週行っていた。 ちなみに、『イッテQ』の中でハリウッドスターを激写する「パパラッチ出川」という企画があるが、これを『電波』流に言い換えれば、「世界のセレブと2ショットを撮りた~い!」だ。 また、「はじめてのおつかいin ニューヨーク」で出川が、拙い英語と旺盛なバイタリティで現地人に道を尋ねる姿も、『電波』ではおなじみだった。 そんな『電波』でかつて、「ロサンゼルスのコールガール(売春婦)を更生させた~い!」という企画があった。 ロスの夜の街に一人繰り出した出川。ようやく、あるコールガールをカタコトでモーテルに誘い、仕事を辞めるよう説得しようとしたのだが、そんな出川を怪しいと思ったのか、女性が部屋から電話。 しばらくすると、彼女のバックについていると思われる組織の男数人が部屋を急襲! 出川を拉致するという“事件”が発生した。 数時間後、モーテルの前に、顔を布のようなものでぐるぐる巻きにされた出川が投げ捨てられていた。 何かあったときのために出川の腰に装着していたカセットテープを再生してみると、男たちに「お前は警察か?」と問いただされたり、「お前を殺す!」などと恫喝されても、言われている意味が理解できず、すべて「イエス」と答えている出川の声が録音されていた。 そんな出川も、加齢に伴い、 今まで耳ざわりだった甲高い声が若干低くなった。また、滑舌がより悪くなって、ポンコツぶりに拍車がかかった。青年期のシュッとした面長の顔から、丸みを帯びた「小太りじいさん」顔に。 ギラギラした「男性性」丸出しの風貌がうまい具合に抜け切り、いつしか女子高生から「かわいいい」とまで言われるようになった。 もちろん、度重なるケガや病気、そして加齢で体にガタがきていることも、逆に「応援したくなる」ポイントに。 つまり出川は、やっていることは変わらないのに、「おじさん」という通行手形を得たことで、いま好感をもって受け入れられているというわけだ。 ■梅沢富美男の「棚上げ」感 続いては梅沢富美男だ。 ひな壇の最前列、司会者の近くに座る「ご意見番」としてバラエティ番組の会議で挙がる名前といえば、これまではもっぱら、高橋英樹か中尾彬だった。 しかしここ最近、梅沢の名が急伸してきた。 人気の理由は、その「浮気過去」と「妻に頭が上がらない感じ」にある。 これは彼がよく自分で話しているが、浮気相手と沖縄へ行ったものの台風に遭い、空港で待機していた姿がテレビ中継にバッチリ映り込み、妻でフィトセラピスト(植物療法士) の池田明子さんにバレたこともあったという。 最近も、その妻の出版記念イベントに同席するなど、妻にうまく操縦されているようなところがある。 口ではエラそうなことを言っていても、その「脇の甘さ」「すき」が、視聴者にツッコミどころ、親近感を与えてくれる。 かつて有吉弘行が、「自分のことは棚に上げていろいろ言うのが毒舌タレント」と語っていたが、まさにその典型が梅沢なのである。 ■老いていく過程を売りにできる城島茂 続いて、TOKIOのリーダー城島茂。 「最近、朝起きたら肋骨痛い。横になって寝ているだけなのに」(フジテレビ系『TOKIOカケル』2017年5月24日』) 「40代は7~8割が髪に不安を抱えているから。私もしっかり対策しとかんとね」(日本テレビ系『ザ!鉄腕!DASH!!』2016年10月23日) 自虐ともとれる、数々の「老い」発言。 またその『DASH』では、「城島は再びバック転できるか?」(2012年5月13日放送)という、ジャニーズタレントにとって、屈辱的な企画にも挑戦している。 こうして、老いを売りにできるジャニーズも、彼をおいてほかにいないだろう。 ■ゆるキャラ・ひふみん 最後は“ひふみん”こと加藤一二三九段だ。 彼の特徴のひとつはやはり、前歯がないことだろう。 その理由は、かつて前歯に義歯を入れたものの、頭の働きがストップし、将棋の戦績が振るわなくなってしまったためだという。 そしていまや、このクシャクシャの「老人顔」と「フガフガ」しゃべりが、視聴者に安心感を与えている。 ちなみに、歯があったころの彼の顔は、精悍そのものである。 今年もアメリカから出稼ぎに来た野沢直子が、彼を初めて見て「何!? この一人ジブリ」と驚いたというが、確かに「ゆるキャラ」的な存在である。 余談だが、時代を作った「歯抜けスター」は、これまでにもいる。 伝説の番組『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』(日本テレビ系)で発掘された素人で、吉田十三(とうぞう)さんという方がいた。福島・郡山出身。当時83歳。「エンペラー吉田」というニックネームで大人気になる。 「偉く、なくとも、正しく生きる!」が口癖。東北訛りで、しゃべるたびに、入れ歯がよく外れるおじいちゃんだった。 番組では、ジェットコースターに乗ったり、肝試しに参加したり、起震車(地震体験車)に揺られていた。今、こんなことをやらせたら、「老人虐待」と訴えられ、BPOに通報されてしまうだろう。 高田純次が、吉田さんが寝ている間に入れ歯をこっそり外し、そのシワシワのおでこにそっと乗せたシーンは、バラエティ史に残る名場面である。 また、横山昭二弁護士もいた。 彼は、オウム真理教教祖・麻原彰晃(松本智津夫)の最初の私選弁護人となった人だ。 麻原被告の接見に行くときにマスコミに揉みくちゃにされ、「やめて~!」などと叫んでいたシーンが話題となり、『ロンドンハーツ』(テレビ朝日系)などのバラエティに出演していたが、彼もまた前歯がなかった。 松本人志に見いだされ、映画『さや侍』に主演した野見隆明さんも歯がなかった。 つまり、歯のないお方はバラエティ的には最強なのである。 その伝統は今も、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)や『有吉ジャポン』(TBS系)などにも受け継がれている。 *** いまや4人に1人が65歳以上という日本。2060年には国民の約2.5人に1人が65歳以上の高齢者という社会が到来すると推計されている。 今後はこうした、「老いていく」ことをセールスポイントにするタレントが増えていくに違いない。新たな「老いドル」の誕生に期待したい。 (文=都築雄一郎) ◆「ズバッと芸能人」過去記事はこちらから◆『イッテQ! エブリデイ出川語録2』(日販アイ・ピー・エス)
自分が好きなものを、いかに人に伝えるか――『有田と週刊プロレスと』という伝え方の教科書
「プロレスとは人生の教科書」 そんな言葉を聞いた時点で、拒否反応を示す人は多いだろう。プロレス好きでもない人にとって、プロレスファンのそういった物言いは圧が強すぎるし、実際に話を聞いたとしても、「ああ、そうですか」としか反応できない。 自分が好きなものを、それに興味がない人に話すのは、とても難しいことだ。 そんな中、冒頭の言葉がキャッチフレーズになっている番組がある。それがAmazonプライム・ビデオで配信されている『有田と週刊プロレスと』(毎週水曜更新)だ。 番組はその名の通り、くりぃむしちゅー・有田哲平が「週刊プロレス」(ベースボール・マガジン社)を元に語り、その中から人生の教訓を導き出していくというもの。 「だったら、私はプロレスファンじゃないし、結構です」となってしまうのは、あまりにもったいない。 番組は昨年11月からシーズン1が始まり、今年5月まで全25回配信された。それが好評を博し、早くも7月26日よりシーズン2の配信が開始されたのだ。 アシスタントは元AKB48の倉持明日香。小橋建太の大ファンだ。現在のプロレスには詳しいが、昭和のプロレスはそれほど知識がないという。 ゲストは、ピース・綾部や宮澤佐江のようなまったくのプロレス初心者から、武井壮やアンガールズ・田中のように一時期だけプロレスを見ていた人、そしてケンドーコバヤシや水道橋博士のようなプロレスマニアまでさまざま。 もちろん、プロレスマニアがゲストの回は話がスイングして面白いが、何よりも面白いのは、プロレスに対し、あまり知識のない人がゲストの時だ。そんな時、有田の驚異的な解説力が浮き彫りになるのだ。 有田はまず、時系列を簡潔かつ丁寧に説明する。そして、マニアックで激似なモノマネを駆使しながら、表舞台で起こったことはもとより、裏で交わされた話も、あたかも現場にいたかのような臨場感たっぷりに話していく。 最初は、“お仕事”的に話を聞いていたゲストが、徐々に前のめりになり、最後には有田の語り口に魅了され、興奮していく。実際、番組を見終わると、そこで語られたことや試合をネットで検索せずにはいられなくなってしまう。 番組では、最初に有田に封筒が渡される。そこに入っているのは1冊の「週刊プロレス」。どの時期のどんな号が入っているかは、事前に知らされてはいない。その場で見て、それをテーマに語るのだ。 いきなり渡されて語れるというだけでもスゴいが、それだけではない。とかくプロレスファンは、昔であれば「新日本プロレス派」「全日本プロレス派」など思い入れのある団体以外は見ないということになりがちだが、有田は新日、全日、UWF……なんでも見ている。好みに濃度の違いはあったとしても、優劣をつけて語ったりはしない。 そしてなにより、昭和プロレスファンと現在のプロレスファンの断絶がいわれる中、今も現役で見続けているという強みがある。昭和プロレス好きは、最近のプロレスは語れないという人が多いが、有田は最近の「週刊プロレス」がお題でも、難なく解説してみせるのだ。 また、この番組が特異なのは、プロレスを語る番組を作ろうという時、そのテーマをたとえば「長州力」だとか「新日本プロレス」だとか個人や団体、あるいは「長州力vs藤波辰爾」のようなある一戦などにしがちだが、そうではなく1冊の「週刊プロレス」にしたということだ。 日本のプロレスは、独自の進化を遂げた。もちろん、アントニオ猪木やジャイアント馬場をはじめ、プロレスラーや団体運営者の力が大きかったのは言うまでもないが、それとは別の側面から見ると、「週刊プロレス」などのような活字メディアの力が大きかった。 それは「活字プロレス」と呼ばれ、試合だけではなく、その背景や心情などを伝えることで、プロレスに奥行きを生み、ファンの想像力を膨らませていった。いわば、活字メディアがプロレスファンを育てていったのだ。 個人的な話をすれば、僕も「プロレスファン」というよりは「プロレス雑誌ファン」だった。実際の試合を見るよりは、そのレポートやコラム、インタビューなどを読むことが主眼になるという本末転倒な状態にもなった。 けれど、そういうファンが多いからこそ、プロレスは、歴史をひもとき、背景を探りながら「語る」べき対象になったのだ。 だから「週刊プロレス」は、たとえ1冊だけでも、さまざまなことが語れてしまうのだ。その語り部に、全方位のプロレスファンであり、いまだに「週刊プロレス」を毎週読み込んでいるという有田ほど、うってつけな人材はいない。 たとえば、2017年2月22日号をテーマにした回。札幌でのオカダ・カズチカvs鈴木みのる戦が表紙だ。そこには「もう事件はいらない!」という意味深なコピーが添えられている。 「アジャ・コング?」 と、オカダ・カズチカの写真を見て言ってしまうほどプロレスに疎い宮澤佐江を相手に、そのコピーの意味を有田が解説してくのだ。 まず有田は、オカダや鈴木がどんな存在なのか、また現在の新日本プロレスの勢力図を、AKBなどを例えに出しながら、わわかりやすく示していく。その上で、コピーに書かれている「事件」とはどういう意味なのかを語り始める。 それは1983(昭和58)年までさかのぼる。そこで有田がプロレスを見始めるきっかけとなった長州力vs藤波辰爾戦が行われ、初めて長州が藤波を破り、王者となった。そして翌84年2月、札幌で長州vs藤波の再戦が組まれたのだ。選手自身もファンも待ち望んだ試合だったが、入場時に長州が藤原喜明に襲撃を受け、試合が不成立になってしまうのだ。いわゆる「雪の札幌テロ事件」である。 「その後、藤波さんは控室に戻らずに、そのまま雪の街を歩いてパンツ一丁で。記者が追っかけていって『大丈夫ですか、藤波さん?』と。藤波さん、ちょっと泣いてるんですよ。『こんな会社辞めてやる』って言って。それくらい藤波さんはこの試合をやりたくて、(できなかったのが)悲しかったの」 と、有田は現場で見ていたかのように生々しく語り、それ以降、札幌は新日本プロレスにとって「事件が起こる場所」になったということをひもといていく。 「だから、札幌、『もう事件はいらない!』なんです!」と、再び「週刊プロレス」の表紙を見せる有田。 オカダと戦ったのは、長州を襲撃した藤原の直系の弟子筋に当たる鈴木。彼自身も試合前のインタビューなどで「事件」をにおわせていた。だが、「事件」は起こらなかった。 「この日、オカダ・カズチカと鈴木みのるは事件をまったく起こさず、普通に試合をして、めちゃくちゃ盛り上げたんです!」 つまり、現在の新日本は、「事件」に頼らずとも、試合内容そのもので盛り上げることができる。そのことを表現した表紙だった。その短いコピーの中に、それだけの歴史と意味が詰まっていることを、有田は鮮やかに解説するのだ。 好きなものを伝える時、熱すぎても相手は冷めてしまう。逆に冷静に客観視しても、相手は引き込まれない。ならば、どうすればいいのか? そのお手本が『有田と週刊プロレスと』の有田の解説だ。自分の知識をひけらかしたり、自分の好みと物事の優劣とを混同したりは決してしない。いかに相手に伝わるかを第一に考え、提示する情報を取捨選択していく。その上で思い入れを加えることでメリハリが生まれ、話自体が面白く、聞きやすくなる。 「プロレスとは人生の教科書」と番組は言うが、『有田と週刊プロレスと』の有田の語り口こそ、人への伝え方の教科書なのだ。 (文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/) ◆「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから『有田と週刊プロレスと』公式サイトより
「バイアグラ」は女性にも効くというウワサ――元極妻が語る、セックスドラッグ裏話
今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
毎日暑いですね。お元気でいらっしゃいますか? 少し前ですが、テレビをつけたら朝から画面に「バイアグラ」の文字が躍っていて、クラクラしました。松居一代さんがらみですね。
極妻時代は、朝から若い衆と掃除や洗濯、朝食づくりに追われていて、その間テレビがずっとつけっぱなしになっていました。
「わ、○○親分、逮捕(パク)られてるし!」「□□(芸能人の名前)、またシャブ? ウチも警察来るかしら」などとニュースやワイドショーを見ながらワイワイとやっておりました。懐かしいですね。
極妻引退(?)後は、しばらくテレビも見ていなかったのですが、最近は、朝、時計代わりにつけています。それで松居さんのニュースを見て、バイアグラの知識なら負けないなあと思ってしまいました。
■勃起薬はヤクザの合法シノギでもあり
1998年にアメリカで発売されたバイアグラが、日本で販売されるようになったのは翌99年でした。もちろん98年から、不良の間では「アメリカのすごいクスリがある」と話題でした。
「(自分の気持ちとは無関係に)飲んだ瞬間に、とにかくムックムクなんスよ!」と、試してみたという若い衆たちがはしゃいでましたね。若いんだからいらないんじゃないかと思いましたが、単なる新しもの好きなんです。で、こういうのを輸入できる不良がいるんですね。不良といってもいろいろで、英語はもちろん中国語やロシア語ができるとか、株の知識がめっちゃあるとかいう人も珍しくありません。
こういう人は、「小さな頃から悪ガキ」というよりは、大卒で大手企業にお勤めだったのに、主に女性問題などを「やらかして」いられなくなって、不良の世界へ……というルートが多かったです。今も同じなんじゃないですかね。こういう組員がいる組は、海外の合法ドラッグの買い付けや、株やFXで相当儲かってたと思います。もちろんウチは無縁でしたが。
たとえば私のオットの兄弟分のAさんは、海外の合法勃起薬の輸入販売で儲けておられました。もちろん豪邸は「バイアグラ御殿」と呼ばれてます。合法ですからリスクはほぼありませんし、傘下のソープランドとかでも売れるのでウハウハです。
この親分経由で、ウチにもいろんなセックスドラッグが来ていました。ウチの組もソープに卸していたようです。まあオンナがシノギに口を出すことは(タテマエとしては)ないので、私も深くは聞いていません。
違法薬物ではありませんが、パッケージからして、もうアヤしい。しかも英語や中国語ですからね。でも、若い衆たちは喜んで使っていました。ちゃんとした「バイアグラ」の日本での認可はアメリカでの発売から1年後でしたし、お医者さんの処方が必要なので、それまではもっと手軽なジェネリック系「なんちゃってバイアグラ」や漢方系の興奮剤のほうが人気でしたね。こちらは錠剤以外にも、フィルム状で舐めるタイプや粉薬タイプ、液体と、形状もいろいろ。
フィルムをうれしそうに見せながら、「これ、射精の直前に舐めると、マジ昇天しそうになるんスよ!」とニコニコしていた若い衆の英ちゃんも今や3児の父です。
■「女性用バイアグラ」はめんどくさい
ご承知のようにバイアグラは男性用ですが、一時は女性にも効くというウワサが出回っていました。まあ「血行を極端によくするクスリ」なので、女性でも血流はよくなるということのようです。その一方で、女性を興奮させるセックスドラッグの開発はなかなか進んでいませんね。女性用バイアグラは、日本のメーカーも開発していたと思いましたが、検索したらないようです。昔は、私も試供品をもらったことがあります。
「姐さん、これ女性用バイアグラです」
「へえー。そんなのもあるのね」
若い衆がうれしそうにくれたので、使ってみたこともありますが、効きませんでした。後で聞いたら、「酒が強い人には効かない」タイプだったようです。そんなものを私に持ってくるとは(笑)!
アメリカで販売されている女性用バイアグラは「アディー」ですね。「性的欲求低下障害」の治療薬「フリバンセリン」の商品名です。あくまでも「治療薬」なんですよ。実はバイアグラも商品名で、勃起治療薬としては「シルデナフィル」です。
ただし、アディーはバイアグラと違ってイタさない日も毎日飲まないと効果がないとか、けっこう面倒くさいようです。効き方も個人差があるとか。そもそも「性的欲求低下」っていわれても、オンナだって、したくない日はありますよね。年がら年中したいのは「セックス依存症」とかいわれて、ヤクザに利用されますから、ご注意を。って、裏社会の住人だった私が言うことじゃありませんね……。
「バイアグラ」は女性にも効くというウワサ――元極妻が語る、セックスドラッグ裏話
今は亡き某指定組織の三次団体幹部の妻だった、待田芳子姐さんが語る極妻の暮らし、ヤクザの実態――。
毎日暑いですね。お元気でいらっしゃいますか? 少し前ですが、テレビをつけたら朝から画面に「バイアグラ」の文字が躍っていて、クラクラしました。松居一代さんがらみですね。
極妻時代は、朝から若い衆と掃除や洗濯、朝食づくりに追われていて、その間テレビがずっとつけっぱなしになっていました。
「わ、○○親分、逮捕(パク)られてるし!」「□□(芸能人の名前)、またシャブ? ウチも警察来るかしら」などとニュースやワイドショーを見ながらワイワイとやっておりました。懐かしいですね。
極妻引退(?)後は、しばらくテレビも見ていなかったのですが、最近は、朝、時計代わりにつけています。それで松居さんのニュースを見て、バイアグラの知識なら負けないなあと思ってしまいました。
■勃起薬はヤクザの合法シノギでもあり
1998年にアメリカで発売されたバイアグラが、日本で販売されるようになったのは翌99年でした。もちろん98年から、不良の間では「アメリカのすごいクスリがある」と話題でした。
「(自分の気持ちとは無関係に)飲んだ瞬間に、とにかくムックムクなんスよ!」と、試してみたという若い衆たちがはしゃいでましたね。若いんだからいらないんじゃないかと思いましたが、単なる新しもの好きなんです。で、こういうのを輸入できる不良がいるんですね。不良といってもいろいろで、英語はもちろん中国語やロシア語ができるとか、株の知識がめっちゃあるとかいう人も珍しくありません。
こういう人は、「小さな頃から悪ガキ」というよりは、大卒で大手企業にお勤めだったのに、主に女性問題などを「やらかして」いられなくなって、不良の世界へ……というルートが多かったです。今も同じなんじゃないですかね。こういう組員がいる組は、海外の合法ドラッグの買い付けや、株やFXで相当儲かってたと思います。もちろんウチは無縁でしたが。
たとえば私のオットの兄弟分のAさんは、海外の合法勃起薬の輸入販売で儲けておられました。もちろん豪邸は「バイアグラ御殿」と呼ばれてます。合法ですからリスクはほぼありませんし、傘下のソープランドとかでも売れるのでウハウハです。
この親分経由で、ウチにもいろんなセックスドラッグが来ていました。ウチの組もソープに卸していたようです。まあオンナがシノギに口を出すことは(タテマエとしては)ないので、私も深くは聞いていません。
違法薬物ではありませんが、パッケージからして、もうアヤしい。しかも英語や中国語ですからね。でも、若い衆たちは喜んで使っていました。ちゃんとした「バイアグラ」の日本での認可はアメリカでの発売から1年後でしたし、お医者さんの処方が必要なので、それまではもっと手軽なジェネリック系「なんちゃってバイアグラ」や漢方系の興奮剤のほうが人気でしたね。こちらは錠剤以外にも、フィルム状で舐めるタイプや粉薬タイプ、液体と、形状もいろいろ。
フィルムをうれしそうに見せながら、「これ、射精の直前に舐めると、マジ昇天しそうになるんスよ!」とニコニコしていた若い衆の英ちゃんも今や3児の父です。
■「女性用バイアグラ」はめんどくさい
ご承知のようにバイアグラは男性用ですが、一時は女性にも効くというウワサが出回っていました。まあ「血行を極端によくするクスリ」なので、女性でも血流はよくなるということのようです。その一方で、女性を興奮させるセックスドラッグの開発はなかなか進んでいませんね。女性用バイアグラは、日本のメーカーも開発していたと思いましたが、検索したらないようです。昔は、私も試供品をもらったことがあります。
「姐さん、これ女性用バイアグラです」
「へえー。そんなのもあるのね」
若い衆がうれしそうにくれたので、使ってみたこともありますが、効きませんでした。後で聞いたら、「酒が強い人には効かない」タイプだったようです。そんなものを私に持ってくるとは(笑)!
アメリカで販売されている女性用バイアグラは「アディー」ですね。「性的欲求低下障害」の治療薬「フリバンセリン」の商品名です。あくまでも「治療薬」なんですよ。実はバイアグラも商品名で、勃起治療薬としては「シルデナフィル」です。
ただし、アディーはバイアグラと違ってイタさない日も毎日飲まないと効果がないとか、けっこう面倒くさいようです。効き方も個人差があるとか。そもそも「性的欲求低下」っていわれても、オンナだって、したくない日はありますよね。年がら年中したいのは「セックス依存症」とかいわれて、ヤクザに利用されますから、ご注意を。って、裏社会の住人だった私が言うことじゃありませんね……。
ハマるのは3番手? TBS『ごめん、愛してる』ヒロイン・吉岡里帆に、一抹の不安
TBS日曜劇場『ごめん、愛してる』は、報われない片思いが連鎖していくメロドラマだ。 韓流ドラマのリメイクということもあってか、とにかく内容がコッテリとしている。 韓国で裏社会の仕事をしていた岡崎律(長瀬智也)は、頭部を銃で撃たれたことで、いつ命を落としてもおかしくない状態となる。残り少ない人生で、生き別れとなった母親と再会したいと思った律は、日本に帰国。そこで、韓国で偶然、助けた三田凜華(吉岡里帆)と再会する。 律の母親の日向麗子(大竹しのぶ)は、律のことを実の息子と気づかずに嫌悪しており、天才ピアニストの息子・サトル(坂口健太郎)を溺愛する。 幼なじみのサトルのスタイリストとして働く凜華は、彼に片思いしているが、サトルは天才サックス奏者で自由奔放な古沢塔子(大西礼芳)に魅かれている。 母親に正体を明かせぬまま、サトルのボディーガードとなった律は、自分と似た、届かぬ思いを抱える凜華と打ち解けていく。 吉岡が演じる凜華は、献身的に尽くす女性で、これまでにない純粋でまっすぐな正統派ヒロインだ。 彼女にとっては初めての大役で、ドラマの主役を演じられるような女優へとステップアップできるかどうかは、この役をどう演じるかで決まるといっても過言ではないだろう。 そのため、放送前から注目していたのだが、第2話まで見た印象でいうと、今までとは違う立ち位置に若干戸惑っているように見える。 初めて吉岡を意識したのは、2015年のNHKドラマ『美女と男子』だ。 彼女は若手清純派女優・朝倉かれん役を演じたのだが、一見清純派に見えながら、実は肉食系で、共演した若手俳優を翻弄していく姿はとても印象的だった。同時期に「週刊プレイボーイ」(集英社)で披露した水着グラビアの色っぽさも衝撃的だった。 その後、吉岡はNHK連続テレビ小説『あさが来た』に出演。のぶちゃんこと田村宜役を演じた。着物にメガネというチャーミングなルックスが受けて、マスコットキャラ的な人気を獲得した。 宮藤官九郎脚本の『ゆとりですがなにか』(日本テレビ系)では、小学校に赴任する教育実習生・佐倉悦子を好演。童貞の小学校教師・山路一豊(松坂桃李)を惑わす、魔性の女を演じた。 どの役も決して大きくない3番手、4番手の役なのだが、数分しか映らない場合でも、吉岡は着実に爪痕を残してきた。 彼女の演技は、なぜかとても目を引く。たとえば『ゆとりですがなにか』で、山路先生を見つめる場面は、瞬きをしていないこともあってか、異様な迫力があった。 彼女の演技には、意地でも目立ってやろうとする、成り上がり根性がにじみ出ている。そういう必死なところが、逆にかわいいなぁと思っていた。 そして、今年の冬クールに放送された『カルテット』(TBS系)で演じた来生有朱(きすぎ・ありす)は、吉岡にとって、最もハマった当たり役だといえるだろう。 ライブレストランでウエイトレスとして働く元地下アイドルの有朱は、とにかくめちゃくちゃな女だった。小学生時代のあだ名は淀君で、彼女が原因で必ず学級崩壊が起きたという。目が笑っていない有朱は生粋のトラブルメイカーで、劇中では主人公の楽器を盗んでメルカリに売ろうとする。底の浅い行動を繰り返しては、周囲の人間関係をかき乱していくのだ。 有朱は清純派の皮をかぶった魔性の女という、これまで吉岡が演じてきたキャラの総決算のような存在だった。計算高いが思慮の浅い、かわいいだけの中身が薄っぺらい女を演じさせたら、今の吉岡は完璧である。 しかし『カルテット』での成功は、主演女優にシフトしようとする際には、マイナスに働いているように見える。『ごめん、愛してる』で、どれだけけなげでかわいいヒロインを演じても、「ウソつけ!」と思ってしまうのだ。 気になったのは、吉岡の演技が『カルテット』の時と変わらないことだ。特に酔っ払って長瀬に絡むシーンのしゃべり方は有朱と同じなので、コイツ本当は腹黒い女なんじゃないかと、疑ってしまう。 脇役の時は、とにかく爪痕を残そうとする過剰な演技はプラスに働いていたが、画面に出ずっぱりの主演となると、主張が強すぎてうるさく見える。 凛果を演じるためには、今までとは違う主演の演技をしなければならない。今のところ1話よりは2話のほうが一歩引いた落ち着いたトーンになってきており、少しずつハマりつつあるが、それでもやっぱり隠しきれない過剰さがにじみ出てしまっているのだ。 果たして吉岡は、主演級の女優にステップアップできるのだろうか? 個人的には『カルテット』ぐらいのポジションで、脇でおいしいところを持っていく女優として定着するほうが彼女には合っていると思う。しかし、野心家の吉岡としては、そこにとどまるなんて我慢できないだろう。ドラマ自体の出来栄えもさることながら、吉岡の成り上がりストーリーの今後を占う上でも、見逃すことができない作品である。 (文=成馬零一) ●なりま・れいいち 1976年生まれ。ライター、ドラマ評論家。ドラマ評を中心に雑誌、ウェブ等で幅広く執筆。単著に『TVドラマは、ジャニーズものだけ見ろ!』(宝島社新書)、『キャラクタードラマの誕生:テレビドラマを更新する6人の脚本家』(河出書房新社)がある。吉岡里帆オフィシャルブログ
アイドル愛を語り、杉作J太郎を絶賛、クラブで号泣……フジ『真夜中』が暴く、指原莉乃の本性
「Jさんに会いたいですもん、もはや!」 指原莉乃が、ラーメンをすすりながら言った。 「Jさん」とは、あの杉作J太郎。かつて、彼が地上波の番組で、女性アイドルにこれほど求められたことがあっただろうか? この少し前まで指原は、苦手な渋谷のクラブ(踊るほう)に連れていかれ、ついには泣きだしてしまっていた。 気分転換に、と入ったラーメン屋で、アイドルとしての節制で何年も食べていなかったというラーメンを食べて、ようやく落ち着きを取り戻した。 「ラーメンなかったら、『真夜中』嫌いになって帰ってた」 『真夜中』(日曜深夜1時25分~/フジテレビ系)は、今年4月から始まった指原とリリー・フランキーのロケ番組。その名の通り、“真夜中”に活動するさまざまな場所に赴き、そこにうごめく人々の話を聞くという内容だ。 街での移動は、帯同するスタッフも少人数で、カメラはほぼスマホのみという完全ゲリラ撮影だという。 たびたび指原が「人生初めて」と口にする通り、超がつくほどインドアな彼女にとっては、未体験で未知の世界。それをナビゲートするのが、“深夜”を中心に何十年も活動をしてきたリリー・フランキーというのは、まさにうってつけのキャスティングといえるだろう。 最初は、ピエール瀧を迎えた「銀座」編(第1~3夜)。銀座の高級クラブ(踊らないほう)で、夜の女の極意やお酒について語り合った。 次に訪れたのは「新宿2丁目」(第4~7夜)。ミッツ・マングローブがガイドする形でゲイバーなどを訪れ、ゲイカルチャーの歴史を聞く。マツコ・デラックスの編集者時代など興味深い話も連発で、指原も前のめりになって質問をしていた。 そして、やや趣が変わった「ファミレス」編(第8~11夜)。この収録の直前、指原は親知らずを一気に4本抜いたばかり。顔が腫れ、食べることはもちろん、笑うこともツラそうな最悪のコンディション。そんな中、ファミレスで待ち構えていたのは、吉田豪、杉作J太郎、土屋大樹、岩岡としえという、テレビとは思えない濃厚なメンバーだった。指原も、プロインタビュアーの吉田以外は、まったくの初対面だ。恐る恐るといった感じで、席に着く。 しかし、リリーが「夜中でみんなが集まってする話といえば、趣味の話」というように、趣味の話をし始めると、それが一変する。指原とほかの4人はみな、女性アイドルファンなのだ。 4人の話を聞きながら、みるみるテンションが上っていき、「懐かしー!」「ヤバい!」「泣きそうになる!」と大興奮の指原。 特に杉作のアイドルの愛し方やそのエピソードの数々に、笑うと痛む歯に「痛い、痛い!」と言いながら大爆笑。 「最近出会った人間の中で一番面白い」 と、絶賛していた。 指原は子どもの頃からアイドルファン。きっかけは、モーニング娘。の後藤真希だったという。大分に住んでいた指原はまだ小・中学生だったから、東京まで後藤を追っかけることはできない。だが、ハロー!プロジェクトのアイドルが、福岡など九州でライブをやるとなれば駆けつけた。その結果、いわゆる「ハロヲタ」になったのだ。 そして、トップアイドルになった今でも、現役のアイドルヲタだという。極力現場へ赴き、移動中や家ではアイドルのDVDを見て過ごす。 それがまったくウソではないことは、すぐに証明された。 番組では、ファミレスからイベントスペースの「渋谷ロフト9」へ移動。アパッチとケンケンというアイドルファンも合流し、アイドル映像鑑賞会をやるという。まずハロヲタのケンケンが紹介したDVDの映像を見始めると、紹介者よりもテンションが上がり、「一番泣けるところ!」「かわいい!」などと絶叫しながら踊りだす。 「誰よりもヤバい奴じゃん」 リリーが苦笑する中、指原は紹介者のお株を奪うように解説を始め、「このDVDなら、私が一番見せたいのがあります!」と言って、別のシーンを再生。 繰り返し見ているという指原は、そのシーンのどこがいいのかを「キャー、エモい!」と興奮しながら伝えるのだ。 「一回自分がアイドルを応援してきたからこそ、アイドルはこうあるべきとかがわかる」 と、リリーは指原のアイドルとしての強さを語ったが、まさにそれを如実に表すハイテンションな放送だった。 しかし、次の回(第12夜)では、そのテンションが一変することになる。前述の通り、渋谷のクラブに行くというのだ。 これも、指原にとって「人生で初めて」の体験。「偏見」だと自覚しつつも、「一番苦手」「クラブとかフェスに行くような人と、友達にもなりたくない」「信用できない」と、道中に嫌悪感をあらわにしている。 番組では、FPM・田中知之、高木完、川辺ヒロシらが、クラブシーンやDJの歴史の変遷などを指原にレクチャーしていく。 この3人は、いずれも落ち着いた雰囲気。指原が抱くクラブやDJの人のイメージとは離れているため、素直に話を聞き、凝り固まった偏見が徐々にほぐれていく。 高木指導のもと、ラップにも初挑戦。 「人生でやった仕事で一番恥ずかしい」 と言いながらも、なんとか仕事を全うしている感じだった。 そうやって、偏見を解いていき、最後には「新しい世界が好きになりました!」みたいな展開が、よくテレビで見かける流れだ。 しかし、いざ実際にクラブを訪れると、やはり顔がこわばってしまう指原。プロのダンサーの踊りに圧倒されながらも、それ以上に「酔っ払って踊ってる人が怖い」と、その場の客の雰囲気になじめない様子。 実は、何軒かクラブを回った後、最後にDJがAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」を流し、そこで指原がステージに上り、みんなで一緒に踊るというプランがあった。 「怖い」と繰り返す指原に、リリーは「人と出会ったり、みんなでパーティーを楽しみたいっていう人のイベントが大箱であるっていうことは、そういうのが求められているってこと。そこで楽しんでいる人も、今日の指原みたいに、最初は怖い、嫌だって思っているうちに、そうじゃないって誤解を解いていく瞬間がある」などと、実際に経験すると変わることもあると言って、エンディングのプランを話すと、指原は一層顔をこわばらせた。 「怖い……。シンプルに……」 そう言うと、みるみる目に涙がたまっていき、「ごめんなさい」と、ついに我慢できずにないてしまうのだ。結局、指原は番組が用意したプランを実行することができないまま、ラーメン屋のシーンにつながっていくのだ。 それはテレビ的な予定調和ではない、指原莉乃のドキュメントだった。たとえ、偏見が緩和されても、「好き」や「嫌い」は簡単に変わることはない。番組の冒頭には、雑誌「真夜中」発行人・孫家邦(リトルモア代表)の言葉が引用されている。 「真夜中に、陽のあたる場所で言えなかったことを言おう 真夜中に、陽のあたる場所でできなかったことをしよう」 真夜中は、そこでうごめく人たちの昼間では見せない本性が暴かれる時間だ。取り繕うことをやめ、「好き」や「嫌い」に忠実になって、むき出しになる。それを『真夜中』は切り取っていくのだ。 「Jさんに会いたい」と指原がつぶやいた直後、次回予告的に杉作J太郎が自転車で真夜中の街を疾走するシーンが挟み込まれた。 まさにそれは、指原を助けにくる救世主のようだった。 しかし、実際に杉作が再登場すると、指原は「この番組は杉作J太郎しか呼べないの?」と、うれしそうに笑った。 (文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/) ◆「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから撮影=後藤秀二
アイドル愛を語り、杉作J太郎を絶賛、クラブで号泣……フジ『真夜中』が暴く、指原莉乃の本性
「Jさんに会いたいですもん、もはや!」 指原莉乃が、ラーメンをすすりながら言った。 「Jさん」とは、あの杉作J太郎。かつて、彼が地上波の番組で、女性アイドルにこれほど求められたことがあっただろうか? この少し前まで指原は、苦手な渋谷のクラブ(踊るほう)に連れていかれ、ついには泣きだしてしまっていた。 気分転換に、と入ったラーメン屋で、アイドルとしての節制で何年も食べていなかったというラーメンを食べて、ようやく落ち着きを取り戻した。 「ラーメンなかったら、『真夜中』嫌いになって帰ってた」 『真夜中』(日曜深夜1時25分~/フジテレビ系)は、今年4月から始まった指原とリリー・フランキーのロケ番組。その名の通り、“真夜中”に活動するさまざまな場所に赴き、そこにうごめく人々の話を聞くという内容だ。 街での移動は、帯同するスタッフも少人数で、カメラはほぼスマホのみという完全ゲリラ撮影だという。 たびたび指原が「人生初めて」と口にする通り、超がつくほどインドアな彼女にとっては、未体験で未知の世界。それをナビゲートするのが、“深夜”を中心に何十年も活動をしてきたリリー・フランキーというのは、まさにうってつけのキャスティングといえるだろう。 最初は、ピエール瀧を迎えた「銀座」編(第1~3夜)。銀座の高級クラブ(踊らないほう)で、夜の女の極意やお酒について語り合った。 次に訪れたのは「新宿2丁目」(第4~7夜)。ミッツ・マングローブがガイドする形でゲイバーなどを訪れ、ゲイカルチャーの歴史を聞く。マツコ・デラックスの編集者時代など興味深い話も連発で、指原も前のめりになって質問をしていた。 そして、やや趣が変わった「ファミレス」編(第8~11夜)。この収録の直前、指原は親知らずを一気に4本抜いたばかり。顔が腫れ、食べることはもちろん、笑うこともツラそうな最悪のコンディション。そんな中、ファミレスで待ち構えていたのは、吉田豪、杉作J太郎、土屋大樹、岩岡としえという、テレビとは思えない濃厚なメンバーだった。指原も、プロインタビュアーの吉田以外は、まったくの初対面だ。恐る恐るといった感じで、席に着く。 しかし、リリーが「夜中でみんなが集まってする話といえば、趣味の話」というように、趣味の話をし始めると、それが一変する。指原とほかの4人はみな、女性アイドルファンなのだ。 4人の話を聞きながら、みるみるテンションが上っていき、「懐かしー!」「ヤバい!」「泣きそうになる!」と大興奮の指原。 特に杉作のアイドルの愛し方やそのエピソードの数々に、笑うと痛む歯に「痛い、痛い!」と言いながら大爆笑。 「最近出会った人間の中で一番面白い」 と、絶賛していた。 指原は子どもの頃からアイドルファン。きっかけは、モーニング娘。の後藤真希だったという。大分に住んでいた指原はまだ小・中学生だったから、東京まで後藤を追っかけることはできない。だが、ハロー!プロジェクトのアイドルが、福岡など九州でライブをやるとなれば駆けつけた。その結果、いわゆる「ハロヲタ」になったのだ。 そして、トップアイドルになった今でも、現役のアイドルヲタだという。極力現場へ赴き、移動中や家ではアイドルのDVDを見て過ごす。 それがまったくウソではないことは、すぐに証明された。 番組では、ファミレスからイベントスペースの「渋谷ロフト9」へ移動。アパッチとケンケンというアイドルファンも合流し、アイドル映像鑑賞会をやるという。まずハロヲタのケンケンが紹介したDVDの映像を見始めると、紹介者よりもテンションが上がり、「一番泣けるところ!」「かわいい!」などと絶叫しながら踊りだす。 「誰よりもヤバい奴じゃん」 リリーが苦笑する中、指原は紹介者のお株を奪うように解説を始め、「このDVDなら、私が一番見せたいのがあります!」と言って、別のシーンを再生。 繰り返し見ているという指原は、そのシーンのどこがいいのかを「キャー、エモい!」と興奮しながら伝えるのだ。 「一回自分がアイドルを応援してきたからこそ、アイドルはこうあるべきとかがわかる」 と、リリーは指原のアイドルとしての強さを語ったが、まさにそれを如実に表すハイテンションな放送だった。 しかし、次の回(第12夜)では、そのテンションが一変することになる。前述の通り、渋谷のクラブに行くというのだ。 これも、指原にとって「人生で初めて」の体験。「偏見」だと自覚しつつも、「一番苦手」「クラブとかフェスに行くような人と、友達にもなりたくない」「信用できない」と、道中に嫌悪感をあらわにしている。 番組では、FPM・田中知之、高木完、川辺ヒロシらが、クラブシーンやDJの歴史の変遷などを指原にレクチャーしていく。 この3人は、いずれも落ち着いた雰囲気。指原が抱くクラブやDJの人のイメージとは離れているため、素直に話を聞き、凝り固まった偏見が徐々にほぐれていく。 高木指導のもと、ラップにも初挑戦。 「人生でやった仕事で一番恥ずかしい」 と言いながらも、なんとか仕事を全うしている感じだった。 そうやって、偏見を解いていき、最後には「新しい世界が好きになりました!」みたいな展開が、よくテレビで見かける流れだ。 しかし、いざ実際にクラブを訪れると、やはり顔がこわばってしまう指原。プロのダンサーの踊りに圧倒されながらも、それ以上に「酔っ払って踊ってる人が怖い」と、その場の客の雰囲気になじめない様子。 実は、何軒かクラブを回った後、最後にDJがAKB48の「恋するフォーチュンクッキー」を流し、そこで指原がステージに上り、みんなで一緒に踊るというプランがあった。 「怖い」と繰り返す指原に、リリーは「人と出会ったり、みんなでパーティーを楽しみたいっていう人のイベントが大箱であるっていうことは、そういうのが求められているってこと。そこで楽しんでいる人も、今日の指原みたいに、最初は怖い、嫌だって思っているうちに、そうじゃないって誤解を解いていく瞬間がある」などと、実際に経験すると変わることもあると言って、エンディングのプランを話すと、指原は一層顔をこわばらせた。 「怖い……。シンプルに……」 そう言うと、みるみる目に涙がたまっていき、「ごめんなさい」と、ついに我慢できずにないてしまうのだ。結局、指原は番組が用意したプランを実行することができないまま、ラーメン屋のシーンにつながっていくのだ。 それはテレビ的な予定調和ではない、指原莉乃のドキュメントだった。たとえ、偏見が緩和されても、「好き」や「嫌い」は簡単に変わることはない。番組の冒頭には、雑誌「真夜中」発行人・孫家邦(リトルモア代表)の言葉が引用されている。 「真夜中に、陽のあたる場所で言えなかったことを言おう 真夜中に、陽のあたる場所でできなかったことをしよう」 真夜中は、そこでうごめく人たちの昼間では見せない本性が暴かれる時間だ。取り繕うことをやめ、「好き」や「嫌い」に忠実になって、むき出しになる。それを『真夜中』は切り取っていくのだ。 「Jさんに会いたい」と指原がつぶやいた直後、次回予告的に杉作J太郎が自転車で真夜中の街を疾走するシーンが挟み込まれた。 まさにそれは、指原を助けにくる救世主のようだった。 しかし、実際に杉作が再登場すると、指原は「この番組は杉作J太郎しか呼べないの?」と、うれしそうに笑った。 (文=てれびのスキマ http://d.hatena.ne.jp/LittleBoy/) ◆「テレビ裏ガイド」過去記事はこちらから撮影=後藤秀二
なんで、こんなんしまっていたのだろう……いつの間にか資料棚が歴史の宝庫になっていた話
なんで、こんなモノを後生大事にしまっていたのだろう……。 取材して書くことを生業にしていると、どんどんと資料がたまっていくもの。だから普段からため込まないように気をつけてはおります。作家・吉村昭は作品を書き終えると、次に必要としている人のために資料を放出していたそうです。 ところが筆者の場合、ちょっと事情が違う。 「これもいつか役に立つかもしれない……」そう考えれば捨てるに捨てられず、しまいこんでしまうのであります。 けれども、そろそろ整理をする時がきたのではないか。そう思って資料棚をいじくっていると、グッとくるやら、自分にあきれるやら。そんな資料の数々を紹介してみたいと思います。 ということで、資料棚のファイルケースをはじから順に空けてみたのですが、出るわ出るわ。とりわけ、児童ポルノ法やら東京都青少年健全育成条例の資料は、ダブりもいっぱい。そして、もう必要ないだろうモノがあふれかえっています。 例えば表現規制反対派からは「規制派の御用学者」のごときレッテルで非難され続けた首都大学東京の前田雅英先生が、各種の議会などで提出した意見書の類いは、山のように……。
八王子の山の中まで、お話をお伺いしにいった際、お土産のとらやの羊羹を「これは、受け取れません」と、固辞されたのが印象的でした。ま、持って帰るのも面倒くさいので、最後は受け取ってもらいましたけど。 児童ポルノ法関連では、2009年の改定騒動の際に、自民党の葉梨康弘衆議院議員が資料として配った自作のイラスト集が。「ジャニーズも乳首が映っていれば児童ポルノ」「自白は証拠の王様」「冤罪なんて起こらない」というぶっ飛んだ発言の数々も、今となっては懐かしいものです。最近は登場も少なくなった前田先生。大学教授としての面倒見のよさには定評があった
そんな資料と共に発掘されるのは、よくわからないグッズの数々。未開封の青林工藝舎創立十周年記念グッズとか、つくば万博の「絵入りはがき」。これらの催しに行った記憶がまったくないのですが、なんで私はこれを持っているのだろう……。独特のイラストセンスで世間を騒がせた葉梨議員。現在は、ようやく議員として復活
なんだかわからないグッズの山は尽きないもので、幸福実現党がコミケ会場前で配布していた、さとうふみやのイラスト入りのうちわが10枚も。まったく必要ないので、これは処分ということで……。つくばエクスプレスもない時代に。よくもまあ、こんな遠いところまで見物にいったものだ
さらに、何かわからぬポスターを開けば、アニメ雑誌「ニュータイプ」(KADOKAWA)の付録だった『星方武侠アウトロースター』のメルフィナのポスターが。いや、私はまだ伊東先生が続きを書いてくれると信じてずっと待ってますよ……。なんで、10枚も持っていたのだろう。そうだ、配布しているお姉ちゃんが可愛かったんだ
でも、これなんかまだマシなほう。t.A.T.u.のアニメ化告知チラシをまじまじと眺めて、結局この企画はなんだったのかと、あらめて首をかしげるしかありません。さらに一時、秋葉原を騒がせた沢本あすかの告知チラシには、諸行無常を感じるばかり。今はどうしているのかと検索したら、フツーにブログで活動が告知されていて、さらに驚きであります。いやね、絶対にまだ伊東先生は続きを書いてくれる。そう思って保存していたのだと思う
いや~このアニメつくって欲しかったな。たしかグッズもあったはずだが販売されたんだっけ……?
その秋葉原といえば、いまや語る人も少なくなった「秋葉原解放デモ」の資料も。昔は自分の書いた記事をちゃんと切り抜いて保存していたことを思い出しました。いろいろあった出来事ですが、首謀者の皆さんもそれぞれに出世されて何よりです。この人、まだ活動してるんだ。すごいな。あの頃の秋葉原は今よりも楽しかった
とまあ、多少は棚のスペースを空けることができるかと思って始めた作業。いざとなると、どれも捨てる勇気は起きません。あと50年も保管しておけば歴史的価値が出るかも知れない。かくて、ほぼすべては処分することなく、そっと棚に戻されたのでありました。 (文=昼間たかし) ※次ページで、もう少し紹介します。しつこく、こんなものを保存してるのはなぜだろう。まあみんな議員になったし市役所職員になったり出世したしね
雑誌の切り抜きは保存していたのだけど、元の画像データが入った外付けHDDが見当たらず。勿体ないことをした……
事件になったことも話題だが、これで興奮するということに世界の広さを感じる
これを見るとVRってスゴイスピードで進化しているのだと、改めて知ることができる
これ大きなプロジェクトだったような気もするけど、どうなったんだっけ?
ベッキー、ローラ凋落で新ハーフ女王へ! 滝沢カレン、大いなる可能性への期待
どうしてあのタレントは人気なのか? なぜ、あんなにテレビに出ているのか? その理由を、業界目線でズバッと斬る「ズバッと芸能人」。 滝沢カレンが快進撃を続けている。2017年上半期テレビ出演本数ランキングによると、133本で女性モデル・タレント・アイドル部門10位。2年前の『踊る!さんま御殿!!』(日本テレビ系)で「変な日本語をしゃべるハーフ」として注目を浴びて以降、着実にキャリアを積んでいる。当初は「そこまで賞味期限は長くない」と業界ではウワサされていたが、そんな予想をはるかに裏切る“長持ち”ぶりだ。その秘密は、どこにあるのだろうか? ■ハーフタレントの淘汰 前提として、一時期は乱立状態にあったハーフタレントが「整理」されてきたことがある。 “絶対女王”ベッキーはゲス不倫で失脚、SHELLYはママタレントとしてステップアップ、マギーも不倫スキャンダルでオファー減、ローラは父親の逮捕、さらには最近取り沙汰されている所属事務所社長との確執で露出減、その後輩であるダレノガレ明美は、「悪くはないが決め手がない」といった理由で爆発的なブレークに至っていない。 対抗馬は藤田ニコル、ホラン千秋の2人だが、藤田は純製の「おバカ」だし、ホランは「キャスター」と、そこまでの“かぶり”はない。 つまり、王道バラエティで“使える”ハーフタレントへのオファーは今、滝沢に一極集中しているのだ。 ■四字熟語、ナレーション、実況……変な日本語のアプローチが多彩 快進撃の第2の理由、それは「変な日本語」の“活用法”が独自の進化を遂げているということだ。 今年3月29日の『ザ!世界仰天ニュース』(日本テレビ系)に出た彼女は、共演者を四文字熟語で表現するという芸当を自ら始めた。 笑福亭鶴瓶を「快楽名人」、中居正広を「支配抜群」、関口メンディーを生涯踊子(おどりこ)」、尾上松也は歌舞伎俳優の中でバラエティに1人だけ出ていることから「単独行動」と表現。強烈な存在感を業界に改めて示し、すぐに消費されてしまうようなハーフタレントではないところを見せたのだ。 7月16日の『ニノさん』(同)でも、引きこもりがちでゲーム好きで知られる嵐・二宮和也を「趣味在宅」と評し、話題を呼んだ。 さらに、滝沢の「ヘンテコ」なワードセンスは、ニュースバラエティ『全力!脱力タイムズ』(フジテレビ系)で花開いた。ここでは毎回、絶品グルメのナレーションを担当しているのだが、スタッフはぶっつけ本番で彼女に原稿を読ませている。しかも、漢字にはルビなど振られていない。案の定、「常連」を「つねれん」、「老舗」を「ろうほ」、文豪を「ごうもん」、また「蜘蛛」をなぜか「ちょうちょ」などと読み間違う、奇跡の失態ぶりを続けている。 真骨頂は、調理の工程を、ナレーションやメモも一切なく実況している場面だ。穴子天丼を作るため、職人が穴子を包丁で手際よく切り裂くシーンでは、「あっという間に、血も涙もないかのように切り裂いていきます」。ゆでた稲庭うどんを水でしめているときは、「今まで嫌だったことをすべて水で洗い流し」などアドリブ解説している。 ■最近は「食レポ」「即興ソング」「朗読」も そんな滝沢に「食レポ」をやらせようと考えたのが、名古屋のローカル番組『本能Z』(CBCテレビ)だ。あるロケでは開口一番、「名古屋のみなさーん、何してますか? 滝沢カレンです」と始まり、取材先のパンケーキ店に入るや「いろんな人がいます」とレポート。さらに、紫芋のパンケーキを食べた途端、「ラーメンで例えるんだったら塩ラーメン」と評し、店主に「なんでこんなの作ろうと思ったんですか?」と、丁寧な口調でケンカを売るという高度な芸当を見せた。 ほかにも、『しゃべくり007』(日本テレビ系)では、「出演した今の気持ちを歌にして」と、くりぃむしちゅー有田哲平に振られ、即興でオリジナルソングを披露したり、4月からはEテレで『NHK高校講座 あらためましてベーシック国語』に出演し、名作を朗読している。 このように、ローラが切り開いた「おとぼけでかわいいハーフ」という同じ道を歩きつつも、四字熟語、ナレーション、実況、食レポ、即興ソング、朗読と、変な日本語をさまざまな切り口でアレンジ。さらに、スタッフやタレントからの「無理難題」にも堂々と応え、「いじられハーフ」という新たなポジションを獲得した滝沢カレン。今後の可能性に期待したい。 (文=都築雄一郎) ◆「ズバッと芸能人」過去記事はこちらから◆滝沢カレンインスタグラムより(@takizawakarenofficial)

















