保活が終わっても地獄? 「タバコを吸ってる保護者がいる」との密告で窮地に立たされるママも

 少子化といわれている現代。出産可能とされている15歳から49歳までに、1人の女性が産む子どもの数の平均を示す「合計特殊出生率」は、平成27年の発表によると「1.42」となっている。

 特に、ワーキングウーマンが多い都心部では、一人っ子が多く、自ずとお母さんの視線はその子だけに注がれる。特に、経済的理由から2人目を諦めた場合は、一人の子どもに対しての期待度が高くなってしまう。祖父母が地方に住んでいるために育児の協力を頼めない場合など、すべての判断がママに委ねられるために孤立しがちと言える。さらには、高齢出産や不妊治療の苦労などが影響し、子どもに対してつい度を越えた過保護になってしまうお母さんもいるようだ。いまだ解消されぬ待機児童問題の中、せっかく入園できた保育園を退園してしまう園児もいるが、その背後には、モンペと呼ばれるママたちの姿が見え隠れする。今回は、実際に保育園に勤務している保育士の「モンペママのせいで精神的に追い詰められた」という告白に着目。東京の育児ママたちの“保活のその後”に迫っていく。

■保育士「そんなに大事なら自分で育ててほしい」

 「潜在保育士」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは、実際に保育士の資格を持っていながらも、なんらかの理由で保育士の仕事に就いていない人を指す。よく保育士の賃金の安さがニュースなどでも取りざたされているが、問題はそれだけではない。

 都内で派遣社員として働いている香織さん(仮名)も、潜在保育士の1人だ。

「テレビのニュースなどで、保育士不足というのを見ると胸が痛みますが、戻る気はないです。園のお遊戯会で使う小道具を作ったり、土曜保育があるので土曜日も出勤したり。本当、休みが少なくてお給料も安いんです。子どもが好きだったので、最初はやりがいを感じていたのですが、お着がえの入れ間違いや、帽子をかぶせないで散歩に出かけたのを親からきつく言われたり、なんでも現場の保育士のせいにして知らん顔をする経営者に嫌気がして、辞めてしまいました」

 保育士不足の問題の一因にモンペママが絡んでいるようだ。

 恵美さん(仮名)は、中学生の頃からの夢が「保育士」だった。幼くして父親を亡くしたため、看護師として働いていた母親に育てられた。同じく看護師になるのも考えたが、卒業までに3~4年かかる看護学校の学費なども考慮し、保育士の資格が取得できる2年制の専門学校に進学。「20歳で保育園に就職が決まったのですが、最初の1年はストレスで髪が抜け落ちたり、蕁麻疹が出たりしていました」と語る。

「就職する前に、宗教系の保育園にインターンシップ制度で働いていました。その園は、園長が厳しく教育方針が合ったお子さんが通っていたのでトラブルは少なかったんです。就職先の認証保育所は、小規模保育だったので3歳までの園児しか預かれなかったのですが、ビルのワンフロアくらいの広さの中で、乳児たちが泣きわめいて地獄でしたね」

 毎年、新年度の4月になると、子どもたちの情緒が不安定になるため1日中泣き止まないこともよくあるらしい。

「劣悪な職場環境だとは思わなかったんですけど、やはり窓も開けられないような部屋で延々と乳児たちが泣き叫ぶのは、聞いていて気が狂いそうになりました。入社してすぐに保育士さんが辞め、さらに1年で3人も自己都合で辞めていったんです。そんな保育士が一時的に足りない時に、野外保育の公園で遊んでいる男児が滑り台でケガをしてしまったんですが、それを伝え忘れてから、ママさんの態度が豹変しました」

 その後、そのママの言動はどんどんエスカレートしていった。

「受け渡しの時に、“肌着を後ろ前に着せられていた”から始まり、自分でひっかく癖のあるお子さんだったのですが“お前の抱っこの仕方が悪い”と怒られ、立ったまま20分、多いときで40分近くクレームを言われ続けたこともあります」

 ついには、連絡帳に書く内容についても、細かく指示をされるようになった。

「おむつを替えた回数、離乳食の量、ミルクの回数など記入漏れがあると怒り出すんです。給食の配膳が少ないと文句をつけられて、園長が臨時保護者会を開いて説明しました。そんなに大事な子どもだったら、自分で育ててほしいって思いました」

 あくまで保育園は、「日中働いていて、育児ができない両親に代わって、子どもを預かる」場所であり、親代わりではない。しかし、乳児が家で長時間泣いたり、思うようにミルクを飲まないなどの様子が見られると、「日中関わっている保育士が原因ではないか」と思い込んでしまう親もいるそう。忙しく働くことで、精神的な余裕がないワーママがモンペママ化してしまうのかもしれない。

 保育士が抱えるモンペママ問題とは反対に、保育園側がママたちにクレームを付けるケースもあるという。俗に“園ルール”と呼ばれる独自の決まり事があり、それに違反したママに注意が入るのだ。規律の厳しい園では、送迎時の親の寄り道は禁止のため、買い物袋を提げて迎えに行くのはNG。あくまで保育は、仕事などやむを得ない理由があって子どもを預かっているという建前のため、買い物などはもっての外だという。

 この園ルールは、入園前の説明会などでさらっと説明をして終わるだけの園もあるので、事前に、児童館や地域センターを利用し、地元で子育てを行うママ友ネットワークを駆使して、園の雰囲気を知ることが重要と言える。しかし、前情報を得ていたとしても、保育士だけでなく、“同じ園に通っているママさん”からルール違反を厳しくチェックされ、苦しむママが続出しているという。

「喫煙者なので、出社前に一服したいんです。最近は、禁煙の駅も多いので保育園の近くにあるタバコの販売所が喫煙所代わり。でも、送迎中のママさんに見られたみたいで“保育園を出たところでタバコを吸っている保護者がいます”と、園から配られるお知らせに書かれました」

 彼女は、受け入れ先の幅が広がる3歳を目安に、転園も考えている。

 モンペママの傾向に、「自分がルールを守っているのに、守っていない人がいるのが許せない」というのがあるようだ。ある保育園では、子どもが着ているものにまで、文句を言うママがいたという。4歳になる女児を持つ美穂さん(仮名)は「4歳になると、アニメやテレビの影響でスカートを穿きたがるんです。でも保育園のルールはズボンのみ。同じクラスに通う女の子で、スカートとパンツが一体型となった“スカッツ”を穿いている子がいたんですが、『本人や親に“スカートはルール違反ですよ”って言っても“これはスカートじゃなくてズボンだ”と言い張るので、園長から注意してもらった』と話していたママがいました。1人が許されると、全体がまねするからだそうです」と語る。

 まるで、厳しい公立中学の学区で起きた話のようだが、歴とした保育園に通うママ同士のトラブル。“保活”をしていると、子どもは、預け先が見つかるまでが地獄で、入ってしまえば天国のように錯覚してしまうが、そんなことはない。0歳児で入園すると、卒園までの6年間を過ごすことになる保育園では、なにごともなく、無事に卒園を迎えられるのは少数と言えるかもしれない。
(文=池守りぜね)

 

保活が終わっても地獄? 「タバコを吸ってる保護者がいる」との密告で窮地に立たされるママも

 少子化といわれている現代。出産可能とされている15歳から49歳までに、1人の女性が産む子どもの数の平均を示す「合計特殊出生率」は、平成27年の発表によると「1.42」となっている。

 特に、ワーキングウーマンが多い都心部では、一人っ子が多く、自ずとお母さんの視線はその子だけに注がれる。特に、経済的理由から2人目を諦めた場合は、一人の子どもに対しての期待度が高くなってしまう。祖父母が地方に住んでいるために育児の協力を頼めない場合など、すべての判断がママに委ねられるために孤立しがちと言える。さらには、高齢出産や不妊治療の苦労などが影響し、子どもに対してつい度を越えた過保護になってしまうお母さんもいるようだ。いまだ解消されぬ待機児童問題の中、せっかく入園できた保育園を退園してしまう園児もいるが、その背後には、モンペと呼ばれるママたちの姿が見え隠れする。今回は、実際に保育園に勤務している保育士の「モンペママのせいで精神的に追い詰められた」という告白に着目。東京の育児ママたちの“保活のその後”に迫っていく。

■保育士「そんなに大事なら自分で育ててほしい」

 「潜在保育士」という言葉を聞いたことがあるだろうか。これは、実際に保育士の資格を持っていながらも、なんらかの理由で保育士の仕事に就いていない人を指す。よく保育士の賃金の安さがニュースなどでも取りざたされているが、問題はそれだけではない。

 都内で派遣社員として働いている香織さん(仮名)も、潜在保育士の1人だ。

「テレビのニュースなどで、保育士不足というのを見ると胸が痛みますが、戻る気はないです。園のお遊戯会で使う小道具を作ったり、土曜保育があるので土曜日も出勤したり。本当、休みが少なくてお給料も安いんです。子どもが好きだったので、最初はやりがいを感じていたのですが、お着がえの入れ間違いや、帽子をかぶせないで散歩に出かけたのを親からきつく言われたり、なんでも現場の保育士のせいにして知らん顔をする経営者に嫌気がして、辞めてしまいました」

 保育士不足の問題の一因にモンペママが絡んでいるようだ。

 恵美さん(仮名)は、中学生の頃からの夢が「保育士」だった。幼くして父親を亡くしたため、看護師として働いていた母親に育てられた。同じく看護師になるのも考えたが、卒業までに3~4年かかる看護学校の学費なども考慮し、保育士の資格が取得できる2年制の専門学校に進学。「20歳で保育園に就職が決まったのですが、最初の1年はストレスで髪が抜け落ちたり、蕁麻疹が出たりしていました」と語る。

「就職する前に、宗教系の保育園にインターンシップ制度で働いていました。その園は、園長が厳しく教育方針が合ったお子さんが通っていたのでトラブルは少なかったんです。就職先の認証保育所は、小規模保育だったので3歳までの園児しか預かれなかったのですが、ビルのワンフロアくらいの広さの中で、乳児たちが泣きわめいて地獄でしたね」

 毎年、新年度の4月になると、子どもたちの情緒が不安定になるため1日中泣き止まないこともよくあるらしい。

「劣悪な職場環境だとは思わなかったんですけど、やはり窓も開けられないような部屋で延々と乳児たちが泣き叫ぶのは、聞いていて気が狂いそうになりました。入社してすぐに保育士さんが辞め、さらに1年で3人も自己都合で辞めていったんです。そんな保育士が一時的に足りない時に、野外保育の公園で遊んでいる男児が滑り台でケガをしてしまったんですが、それを伝え忘れてから、ママさんの態度が豹変しました」

 その後、そのママの言動はどんどんエスカレートしていった。

「受け渡しの時に、“肌着を後ろ前に着せられていた”から始まり、自分でひっかく癖のあるお子さんだったのですが“お前の抱っこの仕方が悪い”と怒られ、立ったまま20分、多いときで40分近くクレームを言われ続けたこともあります」

 ついには、連絡帳に書く内容についても、細かく指示をされるようになった。

「おむつを替えた回数、離乳食の量、ミルクの回数など記入漏れがあると怒り出すんです。給食の配膳が少ないと文句をつけられて、園長が臨時保護者会を開いて説明しました。そんなに大事な子どもだったら、自分で育ててほしいって思いました」

 あくまで保育園は、「日中働いていて、育児ができない両親に代わって、子どもを預かる」場所であり、親代わりではない。しかし、乳児が家で長時間泣いたり、思うようにミルクを飲まないなどの様子が見られると、「日中関わっている保育士が原因ではないか」と思い込んでしまう親もいるそう。忙しく働くことで、精神的な余裕がないワーママがモンペママ化してしまうのかもしれない。

 保育士が抱えるモンペママ問題とは反対に、保育園側がママたちにクレームを付けるケースもあるという。俗に“園ルール”と呼ばれる独自の決まり事があり、それに違反したママに注意が入るのだ。規律の厳しい園では、送迎時の親の寄り道は禁止のため、買い物袋を提げて迎えに行くのはNG。あくまで保育は、仕事などやむを得ない理由があって子どもを預かっているという建前のため、買い物などはもっての外だという。

 この園ルールは、入園前の説明会などでさらっと説明をして終わるだけの園もあるので、事前に、児童館や地域センターを利用し、地元で子育てを行うママ友ネットワークを駆使して、園の雰囲気を知ることが重要と言える。しかし、前情報を得ていたとしても、保育士だけでなく、“同じ園に通っているママさん”からルール違反を厳しくチェックされ、苦しむママが続出しているという。

「喫煙者なので、出社前に一服したいんです。最近は、禁煙の駅も多いので保育園の近くにあるタバコの販売所が喫煙所代わり。でも、送迎中のママさんに見られたみたいで“保育園を出たところでタバコを吸っている保護者がいます”と、園から配られるお知らせに書かれました」

 彼女は、受け入れ先の幅が広がる3歳を目安に、転園も考えている。

 モンペママの傾向に、「自分がルールを守っているのに、守っていない人がいるのが許せない」というのがあるようだ。ある保育園では、子どもが着ているものにまで、文句を言うママがいたという。4歳になる女児を持つ美穂さん(仮名)は「4歳になると、アニメやテレビの影響でスカートを穿きたがるんです。でも保育園のルールはズボンのみ。同じクラスに通う女の子で、スカートとパンツが一体型となった“スカッツ”を穿いている子がいたんですが、『本人や親に“スカートはルール違反ですよ”って言っても“これはスカートじゃなくてズボンだ”と言い張るので、園長から注意してもらった』と話していたママがいました。1人が許されると、全体がまねするからだそうです」と語る。

 まるで、厳しい公立中学の学区で起きた話のようだが、歴とした保育園に通うママ同士のトラブル。“保活”をしていると、子どもは、預け先が見つかるまでが地獄で、入ってしまえば天国のように錯覚してしまうが、そんなことはない。0歳児で入園すると、卒園までの6年間を過ごすことになる保育園では、なにごともなく、無事に卒園を迎えられるのは少数と言えるかもしれない。
(文=池守りぜね)

 

産科病棟でヘロイン売る新米パパ、不法侵入でスナチャの女子……2017年アメリカおバカニュース

 2017年のアメリカは、異例の低支持率でドナルド・トランプ政権がスタートするなど、年明け早々から幸先が悪かった。激化するデモ、史上最悪の銃乱射事件、ハリウッドや政界における権力者たちのセクハラ問題……国内外でテロの恐怖におびえ、遠く離れた北朝鮮の挑発にも気を揉み、「多様性が大切」と主張する人が多いわりには、差別や格差が一層進んだようにも感じられる、まさに怒涛の1年だった。

 物騒な事件が多く、何度も全米が大きな悲しみに包まれることもあったが、そんな中でもなんともアメリカらしい/アメリカならではのおバカ事件が次々と発生。今回は17年に、アメリカで起こった事件の中から「全米おバカニュース ベスト10」をご紹介しよう!

■クレーマーカップル「チキンが冷めてる!」と店主をボコボコに
 食べることが大好きなアメリカ人は多い。裕福な層には意識高い美食家たちも少なからず存在するが、貧困層は安くて量が多くてお得感満載なファーストフードをこよなく愛す。そのためか、ファーストフード店で「量が少ない!」とクレーマーに豹変し、大騒ぎして逮捕される事件が後を絶たない。そんなクレーマーの中でも史上最悪な事件が6月、複数の米メディアで報じられた。

 事件は、ジョージア州バックスレイにある「クイック・チック」というフライドチキンが売りの小さなレストランで発生した。夫婦でやってきた客が「チキンが冷めてる!」「ポテトの量が少ない!」とクレームをつけ、女性店主は「そういうことなら」と返金する。それでも2人の怒りは収まらず、店の外に出ても怒鳴りまくり、外に出てきた女性店主に罵声を浴びせてボコボコに殴り倒し、止めに入ろうとした店主の娘の顔面にもパンチするという暴れぶりだった。

 2人が殴られている様子は防犯カメラに撮られており、メディアがこぞって放送。その暴行の様子があまりにもひどすぎて、話題騒然となったのだ。

 映像には、でっぷりと太った中年の男がレストランの外で女性店主に罵声を浴びせている様子が映し出されている。音声はないが、中年の男は全身で怒りをあらわにし、怒鳴りまくっている様子がわかる。

 と、次の瞬間、痩せた女が駆け足で現れ、女性店主に殴る蹴るの暴行を開始。手加減なしでボコボコにされ、店主は倒れてしまう。店前に止めてあった車からオーナーの娘(15)が果敢に飛び出して2人に抗議すると、男はなんと娘の顔面にもパンチ! 2人はさっさとその場から逃げ出したが、セキュリティがすぐに駆けつけた。女性セキュリティは号泣する娘をハグし、母である店主もタオルで鼻を押さえながら、あたりの様子を見渡している。

 このクレーマー夫婦は、防犯カメラのおかげで間もなく逮捕。45歳のナサニエル・エリック・スミスと28歳のラターシャ・デニス・スミスという年の差夫婦で、11月に行われた裁判で加重暴行と未成年に対する暴行の罪状を認めた。刑はまだ確定していないが、かなり厳しいものになるのではないかと見られている。

 ボコボコにされた女性店主と顔面パンチされた娘には、地域住民から同情が集まり、その後、店は大繁盛しているそうだ。

 11月16日、ワシントン州オカノガン郡の真っ青な空に、どこからどう見てもいきり立ったチンコにしか見えない雲が出現した。チンコの下にはご丁寧に睾丸も2つ描かれており、目撃者が次々とSNSに投稿。「偶然のチンコ雲なのかしら?」「どう考えても飛行機雲なんだけど、誰がリクエストしたのだろう?」と、ネット上でたちまち話題になった。

 何かとスケールが大きいアメリカでは、プロポーズの言葉を飛行機雲で描いてもらうというサービスがある。奥手な男が意中の女性に「一発やろう」となかなか言えず、飛行機に頼んだのだろうかという妙な臆測も流れたが、その後、なんと海軍が謝罪声明を発表し、全米を驚かせた。海軍のホイットビー・アイランド航空基地に所属するパイロットが、ふざけてこのチンコ形の飛行機雲を描いたというのだ。

 海軍は「不快な思いをさせてしまい、心よりお詫び申し上げる」「このような幼稚で性的ないたずらは、到底容認できない行為」だとパイロットを非難。このパイロットは、飛行停止処分を受けたと報じられた。

■袋詰めのエビをパンツに押し込み、万引を試みた男が逮捕
 ドナルド・トランプ政権樹立後の今年も、アメリカの庶民の暮らしはあまり改善されなかった。社会の底辺で暮らす人たちは、さらに貧しく厳しい状況に追い込まれているとされる。そのため貧しさから食べ物を万引きする事件も、全米で起こっているのだ。
 
 そんな中、11月9日、ペンシルベニア州ドーフィン郡にある食品小売チェーン店ワイス・マーケットで、袋詰めされたエビをパンツに押し込み、何食わぬ顔で店を立ち去ろうとした49歳の男が逮捕されるという、なんともクサそうな事件が報じられた。

 アニバル・バウティスタ・ジュニアという名前のこの男は、複数の袋詰めされたエビをパンツの中に押し込み、隠したつもりになっていたが、不自然な股間の膨らみに店員が気がつき、警察に通報。パンツに隠されていた袋詰めのエビは押収され、男は窃盗罪で逮捕された。

 商品をパンツに隠して万引きするケースはよくあるものの、「生のエビを隠し入れたというのは聞いたことがない」と、地元警察もあきれ返っていたと伝えられている。

 9月9日午後3時すぎ、ウィスコンシン州ソークビルのヒルクレスト・ロードならびにクレアモント・ロードの周辺で「子どもを入れたビニールプールを屋根に載せたミニバンが走っている」と複数の目撃情報が911に寄せられた。

 何かとユルいアメリカの田舎でも、近年ではシートベルトを着用していないドライバーや、飲酒運転に対する取り締まりが厳しく行われている。また、同乗している子どもには、年齢に合わせて適切なチャイルドシートやシートベルトを使用させなければならないという細かい規則があるのだが、シートベルトどころか、走行している車の上に乗せる非常識ぶりに、目撃者たちは驚愕した。

 車を運転していたのは28歳のアンバー・シュマンクという女性。駆けつけた警察官に「プールを運ばなくちゃいけなかったけど、車の中にはスペースがなかったから、上に載せた。でも、そのまま走ると飛んでいってしまうから、9歳になる息子に『プールの上に乗って、きちんと押さえろ』と言ったの」と悪びれることなく説明したという。警察官に「息子が転げ落ちて大けがをする可能性もあったんだぞ」と叱咤されても、「でも、息子と同じ年の頃、アタシもパパに言われて似たようなことしてたし」と罪悪感ゼロだったという。

 アンバーは、第二級無謀運転容疑で逮捕・起訴され、最高で10年間の禁錮刑を受けることになってしまったと報じられている。

■「娘が生まれた! 産科病棟でヘロインを売ろう!」

 10月19日、ペンシルベニア州グリーンズバーグのノースメインストリートで、警察官が停止を銘じた車の中から、薬物摂取器具が発見された。薬物使用の疑いをかけられた運転手は「エクセラ・ウェストモーランド病院の産科病棟の病室で、男からヘロインを買った」と、あっさり自白。警察官がすぐに病院へ行き、問題の病室に入ったところ、確かにそれらしき男がいて「ここで部屋に来る奴らに売った」と、これまたあっさりと罪を認めた。

 男の名前はコーディ・ハルス(25)。なぜ産科病棟にいたかというと、交際相手が自分の赤ん坊を出産したから。ミルク代&オムツ代を稼がなければと思ったのか、注射器やスプーン、ゴムバンド、そして34袋に小分けしたヘロインをポケットにパンパンに詰め込んで、病室に駆けつけたのだ。

 赤ん坊は女の子で無事に生まれたものの、コーディは出産を終えたガールフレンドや生まれたての我が子を見ても神妙な気持ちにはならなかったのか、同じ病室に見舞いに来る人たちに、ヘロインや器具を販売しまくった。ガールフレンドはお産の疲れからかまったく気づいておらず、逮捕後「まさか」と驚いていたと伝えられた。

 コーディは規制物質の販売、規制物質所持、薬物摂取器具の所持、児童福祉を危険にさらした罪で逮捕・起訴された。

 7月16日、911緊急通報センターに、切羽詰まった男から電話がかかってきた。フロリダ州フォート・ウィルトン・ビーチ在住の男からで、内容は車上荒らし被害の通報だった。盗まれたのは現金50ドル(約5600円)とコカイン約7グラム。男は「被害届を出したいから、早く警察を呼んでほしい」と主張した。

 通報を受けて駆けつけたオカルーサ郡警察の保安官に、男は「自分は薬物売人のデヴィッド・ブラックモン。35歳です」と自己紹介。「早く犯人を探してほしい」とイラつく彼を落ち着かせ、保安官が車内を調べたところ、袋に入ったコカイン、クラック・コカインの塊、クラックを吸引するためのパイプなどが見つかり、デヴィッドはコカイン所持・薬物摂取器具所持の容疑で、その場で逮捕された。

 ちなみにデヴィッドは「自分は車両荒らしの被害者なんですよ!?」と納得できず、納得せず暴れたため、逮捕に抵抗した容疑がプラスされることに。なお、彼は「職業・薬物売人」を名乗るだけあり金は持っているらしく、4,000ドル(約45万円)の保釈金を支払い、すぐに釈放された。

■出所目前、刑務官の「もう戻ってくるなよ」にイラッ

 8月下旬、コネチカット州ブリッジポートの刑務所で、出所直前に「もう戻ってくるなよ!」と声をかけた刑務官を殴り、そのまま刑務所へ逆戻りになったアホな男がいたと報じられた。

 男の名はマーカス・コロン、23歳。昨年12月6日、盗難車に乗り込もうとしたところを警察官に目撃され、御用になっていた。盗難車の中からは盗難品が次々と見つかり、スタンフォードで盗難届の出されていたものだと判明。マーカスは窃盗罪と盗難罪で逮捕・起訴され有罪となり、禁錮9カ月の判決を受けた。

 ブリッジポート刑務所に入れられたマーカスは、真面目に刑に服した。その結果、予定通り9カ月で釈放されることになる。8月下旬、釈放手続きを終え、囚人服から私服に着替え、晴れてシャバに出るというその瞬間、刑務所のゲートで刑務官が「もう戻ってくるなよ」と声をかけた。アメリカは、再犯率がとても高い。司法省機関BJSによると、05年に30ヵ所の刑務所から釈放された40万人のうち、68%が3年以内に、77%が5年以内に再び逮捕されているという。とにかく刑務所に舞い戻ってくる輩が多すぎるため、刑務官は釈放される者たちに「もう戻ってくるな」と活を入れることがあるのだ。

 しかし、気分良くシャバに出ようとしていたマーカスは、この言葉にムカッときてしまう。そのまま進めば刑務所の外だというのに、ぐるりと回れ右して、刑務官を殴ってしまったのだ。

 すぐにほかの刑務官に取り押さえられ、催眠スプレーまでかけられ、そのまま刑務所内へと引きずり込まれた。現行犯逮捕された彼は、公務執行妨害、刑務官への暴行、治安紊乱行為で起訴され、さらに長い月日を刑務所で過ごすハメとなった。

 9月19日、テキサス州10大最重要指名手配リストに載っていた18歳のクリストファー・リカルド・ゴンザレスが、ロサンゼルス郊外で逮捕された。リトル・クリストというギャング名で呼ばれていたこの少年は、ストリートギャング「ブラッズ」の構成員で、殺人、強盗の容疑をかけられて逃亡中だった。

 逃亡中の犯罪者というと、息をひそめて潜伏生活を送っているイメージがある。しかし、このクリストファーはSNS命のミレニアル世代。5,000ドル(約56万円)の賞金がかけられている身で、警察に捕まったら重刑は免れないというのに、なんとインスタグラムのライブ配信で、拳銃や武器を見せながら得意げに生中継し始めたのだ。

 彼を追っていたテキサス州ダラスの警察は、当然彼のインスタグラムもマークしており、配信開始後、すぐにロサンゼルス市警に連絡を入れる。GPSもトレースできていたため、覆面捜査官はすぐに彼の居場所を特定した。

 レンタル中のシボレーSUV車内で武器自慢していたクリストファーは、捜査官たちの姿に驚きつつも、迷うことなく逃走を開始する。そして、パトカーとのカーチェイスを繰り広げた挙げ句、電信柱に衝突。車から飛び出し、逃走しかけたところを警察犬に飛びかかられ、御用となった。

 逮捕現場となった庭のオーナーは、「撃ち合いになるかと冷や冷やしたけど、警察はノン・リーサル・ウェポン(催眠スプレーやスタンガンなどの非致死性兵器)で奴を逮捕した。見事なもんだった」と、深夜2時前に繰り広げられた逮捕劇を興奮した口調で地元メディアに伝えた。

■ウォーター・パークに不法侵入して、スナチャで自慢

 サウスカロライナ州最大のウォーター・パーク、マートル・ウェイブス・ウォーター・パークは、流れるプールに滝のプール、アトラクションも満載で、家族で思いっきり楽しめるスポットとして人気を集めている。

 今夏、真夜中に、このマートル・ウェイブスのフェンスを越えて不法侵入した18歳の少女2人が逮捕された。2人は、7月1日午前4時頃壁をよじ登って不法侵入し、スナップチャットにはしゃぎまくる動画を投稿。「これで、全てのウォータースライドを滑り終えたね!」などと騒ぎ、鍵のかかっていないアイスクーラーから、8ドル(約900円)相当のイタリアン・アイスを取り出して食べる姿も配信していた。

 これを見た女性が、「どう見ても不法侵入したとしか思えない」と、3日になって警察に通報。警察はスナチャのユーザー名から犯人を特定、不法侵入と無銭飲食の容疑で、ローガン・ブルック・ラリモアとファレン・マリー・レーンを逮捕した。

 2人はその後、第3級侵入窃盗罪で起訴されたが、軽犯罪ということもあり、すぐに釈放。その後ローガンはTwitterで「誰が警察にタレ込んだのか、白状してくれない?」とツイート。世間は、あまりの図太さに白目をむいた。

■犯人も同じなら通報者も同じ 二度目のコンビニ強盗

 昨年10月30日、メリーランド州ボルチモアのブロードウェイにあるコンビニに強盗が入った。男は商品を購入するふりをして店員に近づき、「レジの金を出せ」と要求。「銃で撃つ」とも脅され、店員が焦ってオタオタしているうちに、犯人は何も盗らずに店を飛び出していった。

 店員はすぐに警察に通報、犯人の顔の特徴などを詳しく伝えたため、、間もなく逮捕につながった。犯人は19歳のエリック・チャップマンという男で、拳銃強盗未遂の容疑で起訴され、禁錮8カ月と2年間の保護観察処分の判決を受けた。

 真面目に刑務所生活を過ごし、6月6日に釈放されたエリックは、その20日後、再びコンビニ強盗を試みる。しかも、事もあろうに、前回逮捕時と同じコンビニに押し入ったのだ。エリックは、今回は「レジを開けろ、さもないと撃つぞ」と書いたピンクの紙を店員に渡した。受け取った店員は、エリックの顔を見てあぜんとした。そう、前回の強盗未遂時に居合わせた店員だったのだ。

 店員はあきれながらも今回は冷静にパニック・アラーム(防犯装置の一種)を押したため、驚いたエリックは一目散に逃走した。地元メディアの取材に対して警察の捜査担当者は、同じコンビニに押し入るアホさにあきれつつ「前回も今回も『拳銃で撃つ』と脅した手口に、本当にうんざりする」と述べ、不法に銃を所持する犯罪者が多すぎることに対し憤りをあらわにした。

“輝かしい過去”を忘れられない!? 現実と自意識のギャップが匂う「女子アナベスト3」

――オンナの花形職業“女子アナ”をウォッチし続けるライターの仁科友里が、2017年、テレビやネットを騒がせた女子アナを“ある視点”からランキング化する。

 人は全盛期を引きずるものである。シジュウをすぎても、1月になると元東大生たちが一斉にセンター試験の点数を語りだすのも、若かりし頃の面影がないくらい中年太りした元美少女が、今も男性が自分に注目している前提で話を進めるのも、それだけ甘美な時を過ごしたから。

 恵まれし人生を過ごしてきたであろう女子アナの皆さんも素晴らしい過去をお持ちのようだが、常に変化する芸能界の一線に立ち続けようとするのなら、“引きずること”は完全にマイナスである。というわけで、“2017年引きずる(引きずっているように見える)女子アナベスト3”をお届けする。

第1位:宮崎宣子(フリー)
テレビの法則を無視して“おごられ上手な私”をアピール

 スタジオで涼やかに微笑んでいるだけでは、仕事が来ないのがフリーというもの。フリーの女子アナが、キャラクターを確立するためにプライベートを公開するのはよくあることだが、宮崎宣子アナはどうもそれがヘタ。大手企業サラリーマンとの離婚原因を「尽くしすぎて」と説明して、女性視聴者の共感を集めようと思ったのかもしれないが、「結婚=幸せ」「離婚=不幸」という二元論でできているテレビの価値観からいうと、インパクトが弱い。相手に浮気されたなど、離婚の理由は、はっきりした“不幸”でないと、テレビ的にしっくりこないのだ。

 逆にそこは見せない方がいいのと思ったのが、“おごられ上手”な面である。『友だち+プラス』(TBS系)に出演した宮崎は、有名ウナギ店の店主、有名割烹店のオーナー、高級ブランド牛生産社、タイヤメーカー経営の“社長サン”に高級料理をおごられていた。高級外車で迎えに来てもらってご馳走になるのは、バツなし独身時代からの習慣だろう。しかし、テレビ的にいうのなら、バツイチとなった今の宮崎は、昔のやり方を捨てて、不幸っぽくしないと、視聴者の共感は集まらない。プライベートはともかく、昔のやり方をテレビの前で引きずってはいけないのだ。

 ちなみに、『芸能界PTAワケあり芸能人の親大集合SP』(フジテレビ系)に出演した宮崎の母は、離婚の原因を「生活がだらしなく、料理など家のことが何もできない」「金遣いが荒くて、日テレ時代も10万仕送りをしていた」と説明していた。やはり、あらゆる意味で、昔のやり方を引きずるのは、辞めた方がいいと思われる。

第2位:田中みな実(フリー)
病んでる”設定なのに、オンナには高圧的!

 女子アナになって、ジャニーズのタレントとつきあって、「an・an」(マガジンハウス)の表紙までやって、それで「私なんて」「生きてるのがつまらない」っていわれた日には、一般人は死ぬしかないんですけど! とツッコミたくなるくらい、ダウンタウンなど男性司会者の前では“病んでますアピール”が強い、ミナミ・タナカ。

 善良なる一般人男性諸氏は、弱々しく見える田中により一層股間を熱くするのだろうが、田中は女性タレントと共演する時は、割と高圧的である。『もしかしてズレてる?』(フジテレビ系)では、交際経験がないハリセンボン・近藤春菜に「幸せになったことがなくて、うらやましい」など言いたい放題である。

 後輩にも、当たりはきつい。『ダウンタウンなう』(同)で、タレントのホラン千秋と共演した際は、「しばらく恋愛していない」というホランに「うらやましいよね、こんな(人生が)平坦でいられる人」、写真週刊誌に撮られたことがないというホランに「(撮られたことがないのではなく)張られていないと思う」と暗に芸能人としての価値が低いとでも解釈できる発言を繰り返す。ホランが田中の大学の2年後輩ということもあって言いやすいのかもしれないが、ここで見逃すわけにいかないのが、ホランは就活でキー局のアナウンサー試験に全敗していることである。

 田中は「倍率数千倍という女子アナの採用試験をパスしたワタシ」という“22歳の自意識”を引きずっており、故に思ったような仕事が来ないことに落ち込み、女子アナ試験を落ちた自分より“下”の同性には強く出るのではないだろうか。

第3位:高橋真麻(フリー)
お嬢さん育ちならではの自意識過剰

 『ダウンタウンDX』(日本テレビ系)で、ヴィトン柄のコートを披露した高橋真麻。フジテレビ時代、働いている自分へのご褒美として、40万円で買ったそうだが、上司に生意気と思われたらどうしよう、どうせお父さん(俳優・高橋英樹)に買ってもらったと言われると考えてしまい、一度も袖を通さずじまいだったそうだ。「せっかく買ったのに、いくじなし!」と真麻は自らをなじってみせたものの、それは自意識過剰というものではないか。

 というのも、フジの女子アナが、ブランド物のコートをうらやましく感じるとは思えないからだ。高給取りであろうアナウンス部の女性は、欲しければ自分の給料でブランド物のコートなど余裕で買えるだろうし、いろいろなお付き合いで安く手に入れることもできるはず。女子アナとお近づきになりたくて、献上する男性も多数いることだろう。

 お嬢さん育ちで人を妬む経験が少ない真麻は、単純に「値段が高い=妬まれる」と思っているのかもしれないが、実力のある人間にとってカネで解決できることは、妬みの対象にはならないと私は思っている。妬ましいのは、育ちやチャンスなど、いくら金を積んでも買えない、もしくは努力でどうにもならないものなのである。真麻は入社直後に、コネ入社だとバッシングされたことを引きずっているようだが、そんなことはもうどうでもよい。フリーとなっても仕事が途切れない“今”が全ての答えである。

【総評】TBSのアナウンサーから、タレント、エッセイストに転身を果たした元TBS・小島慶子は、「週刊プレイボーイ」(集英社)の連載において、「女子アナという職業が、なくなればいい」とまで書いていた。1人の女性に、こんなにも愛憎を抱かせる女子アナという職業は、何なのか。来年も注目させてもらいます。

仁科友里(にしな・ゆり)
1974年生まれ、フリーライター。2006年、自身のOL体験を元にしたエッセイ『もさ子の女たるもの』(宙出版)でデビュー。現在は、芸能人にまつわるコラムを週刊誌などで執筆中。気になるタレントは小島慶子。著書に『間違いだらけの婚活にサヨナラ!』(主婦と生活社)、最新刊は『確実にモテる 世界一シンプルなホメる技術』(アスペクト)。
ブログ「もさ子の女たるもの

「おもしろ人間図鑑」か「先にやってきた未来」か──“脱北YouTuber”が語る北朝鮮のリアル

 こんにちは。安宿緑です。「脱北YouTuber」をご存じでしょうか?

 文字通り、脱北者がYouTuberとして番組を配信しているのです。正確には、「アフリカTV」というチャット機能付きの動画配信サイトからYouTubeにも転載をしている形です。韓国では脱北BJ(配信者)と呼ばれています。

 彼ら脱北YouTuberが台頭してきたのは2016年頃からで、現在多くのチャンネルがあるのを確認できます。とはいえ元庶民ですから政情には詳しくないようで、もっぱら恋愛や食べ物などの生活ネタ、北朝鮮に対する質問に答えるのを主なコンテンツとしているようです。

 その中から、特徴的なYouTuberをピックアップしてみました。

「脱北ブローカーが『国境を越えたら、北斗七星の方向を目指していけ』と言った。内モンゴルの砂漠をひたすら走り、国境警備隊を避けるために、夜の砂漠の真ん中で息を潜めた時は、心臓が凍りつくように寒かった」

 BJイピョンさん(23歳)が語る脱北時の様子は、映画のワンシーンのようです。

●BJイピョン
https://www.youtube.com/channel/UCBiFOp2g0ER25Tb5OA0G0kg

 アフリカTVの累積視聴者数は3カ月で28万人超、YouTubeに上げた脱北経緯についての動画は120万アクセスを記録。端正な容姿にピアスに刺青という、韓流アイドルのような容姿も人気の理由のようです。

 彼が放送を始めたきっかけは、「脱北者が“アカ”呼ばわりされたり、貧しい人間扱いされるのが嫌だったから」とのこと。

「北朝鮮の人は本当に人肉を食べるのか」「全員が暗殺術を習うのか」などの質問を受けることもあり、自身の放送を通じて、こうした偏見を取り除き、北朝鮮へのイメージを正したいと話しています。

 脱北したとはいえ、好き放題言われるのは我慢ならんということでしょうか。

 続いて、容姿端麗といえばイ・ソユルさん(30歳)。30歳とは思えぬ美貌とスタイルが人気で、自らフィッティングモデルを務める洋服の通販サイトを運営しています。しかしこんな美人でありながら、放送内容がえぐいのが彼女の特徴であります。

●ソユル 脱北女子 イ
https://www.youtube.com/channel/UC9jMdW7ZEnPBYhQ-sIksoDw

 先日、軍事境界線を乗り越えてきた脱北兵士の体内から回虫が発見された件についても、彼女はこのようにコメントしました。

「回虫くらい当然のこと。驚きませんでした」

 そういって、寄生虫エピソードを次々と披露します。

・北朝鮮では年に1回、駆虫剤を飲む
・回虫は最大でボールペンくらいの太さ
・シラミもわくので洗濯用洗剤で全身を洗っていた
・一度、洗濯用洗剤で洗ったら余計シラミがわいて「この洗剤は安企部(安全企画部=現:韓国国家情報院)が流布したものだ」という噂が出回った
・脇毛にシラミがわいた人がいた

 さらには「私は女性なので話すのは迷ったのですが……話しちゃいます!」と照れながら、喉に違和感を覚え、引っ張り出したら回虫だったという話まで披露。満面のスマイルで「もう10年前の話なんで、汚く思わないでくださいね★ ウフフッ★」と締めます。

 いや、全然笑えないんだが……という感じですが、壮絶な体験をサラリと話してしまうのも脱北YouTuberの魅力といえましょう。

 笑えないはずだが、一周回って笑える動画といえば、「脱北女子ソニー」。

●NorthKorean Sunny
https://www.youtube.com/channel/UCiIBRxfi5PspgJSTcvi-pHg

「私たちはお金がなかったので」と生々しい前置きをし、北朝鮮で自作していた化粧品の作り方という、ある意味「誰得」な動画をアップしています。ラインナップは、どれもDIY精神を感じさせるものになっております。

 赤いクレヨンを油で溶きながら「北にいる時は、ごま油でやってて臭かった」と言ったり、「描けない!」「痛い!」などと言いながら木串のアイラインを解説する姿は、笑っていいのかダメなのか微妙なところです。そうやってさんざん詳細に語っておきながら、最後は「体に悪いからやめたほうがいいです」と視聴者にアドバイス。いや、作らないから安心してほしい。

 そして真打ちとも言える存在が彼女、ソン・ポムヒャンさん(31歳)です。YouTube登録者数は約14万人と、桁違い。

●ソン・ポムヒャンTV
https://www.youtube.com/channel/UCuUPV5b6jt3d4B4u8a_8XNg

 彼女が他のYouTuberと違うのは、積極的に「炎上スタイル」を取っていく点です。よどみないマシンガントークと、ディスられたら「お前、バカだろ?」と2倍、3倍にしてディスり返す姿勢は意図せずして朝鮮中央通信、北朝鮮スタイルそのものです。

 アフリカTVのチャットでは、彼女に対し「アカ女」「北朝鮮に帰れ」など挑発的なコメントをするユーザーも多く、そのたびに直接対決を繰り広げております。中には、不埒なコメントをしたユーザーに18分間キレ続けるという動画もあります。

 彼女の名を知らしめたのは、2012年に出演した、脱北者を紹介する番組『今、会いにゆきます』(チャンネルA)でした。彼女が半生を語った回は大きな反響を呼び、一部では「神回」として語り継がれているようです。

 北朝鮮の最北端、咸鏡北道穩城郡の貧村に生まれたソン・ポムヒャンさん。

 当時は「苦難の行軍」と呼ばれる大飢饉が起きた時代。村では食料そのものが存在せず、常に飢えていたといいます。そんな中、ポムヒャンさんは、病弱な姉が意識混濁状態で壁の土を食べている姿を発見してしまいます。その2日後に、姉は16歳で死亡しました。

 父親はアルコール中毒で頼れず、母親はこれ以上、子どもたちを死なせないためにと、出稼ぎに中国へ渡ります。しかし待てど暮らせど、母親からの知らせはなく、母を追う決心をしたポムヒャンさんは妹を連れて、一週間かけて中朝国境まで歩き、国境線となる川・豆満江にたどり着きました。

 しかし、いざ川を渡る段階になると妹がぐずり出してしまいます。ポムヒャンさんは泣く泣く妹を川辺の林に隠し、一人で川を渡りました。

 中国で最初に頼った民家では、生まれて初めてのご馳走を振る舞ってくれましたが、そこは人身売買の拠点で、ポムヒャンさんは、そのまま中国人夫婦の養子として売られてしまったのでした。

 そして5年がたつ頃にはすっかり朝鮮語を忘れ、中国人として生きていましたが、ある日、夢の中に亡くなった姉が出てきて、このように言いました。

「お母さんとお姉ちゃんが待ってるから、北朝鮮に帰りなさい」

 夢に従い、ポムヒャンさんは養父母に置き手紙をして出奔。警察に「私を北朝鮮に帰してください」と直談判をしにいきました。そして3カ月の調査を受け、身元が確認されると、延辺の刑務所に移送されることになりました。

「なぜ、罪を犯したわけでもないのに、刑務所に行かなくてはならないの」

 ポムヒャンさんが泣きながら女子房に入ると、そこにいた脱北女性たちの中に一人だけ、中国語を理解する人がいました。ポムヒャンさんが身の上を話すと、その中で一人の女性が自分をじっと見つめていることに気づきました。女性はポムヒャンさんに近づき、言いました。

「ポムヒャンなの?」

 そう、なんとポムヒャンさんは亡き姉が夢で導いたとおり、刑務所で10年ぶりに母親と再会したのでした。朝鮮語も、自分の本名すら忘れていたポムヒャンさんは、その時、初めて自分の名前を知ることになったといいます。

 その後、北朝鮮に戻るも、母親とともに再脱北し延辺に行きますが、母親に「ここではもう暮らせない。韓国に行きなさい」と促され、偽造旅券を持って飛行機で韓国へ。韓国の存在も、それまで知らなかったとか。

 ほどなくして母親も韓国に到着し、紆余曲折を経て妹も召喚することに成功。晴れて、自由社会での生活をスタートさせようとした矢先に、さらなる悲劇が襲います。

 妹が、渡韓してたった2カ月後に交通事故に遭ってしまうのです。音楽プレイヤーを拾おうと車から頭を出したところを、後続車に轢かれてしまうという痛ましい事故でした。

 意識不明となった妹は幸い8カ月後に目を覚ましましたが、神経を破壊され片目が開かない状態の上、母やポムヒャンさんを識別できなくなっていました。唯一残っていたのは、北朝鮮で苦労した記憶だけだったといいます。

 10歳で脱北して朝鮮語と自分の名前を忘れることがあるのか、また妹は豆満江からどうやって自宅まで戻ったのかなど、いろいろとツッコミどころはあるのですが、ストーリーの出来としては100点満点でございましょう。

 ポムヒャンさんは当初は警察官を目指していましたが、妹の事故をきっかけに看護助手となります。しかし幼い頃の栄養失調がたたり、虚弱体質で、持病の貧血で突然倒れることがしばしばあり、そのせいで仕事をクビになることが相次ぎました。そんな中、自宅で暇つぶしに始めたのがアフリカTVの配信だったといいます。

 韓国では、脱北者を「先にやってきた未来」と呼ぶ場合もあります。南北統一し、両国の住民が忌憚なく交流する未来を先取りした存在という意味です。

 これまで脱北者は韓国人が持つ北朝鮮へのマイナスイメージを一身に受け、差別の対象になったり不可侵民の扱いを受けることがしばしばありましたが、脱北YouTuberの登場は、そうした偏見を取り払う一定の役割があると期待されています。

 確かに、脱北YouTuberは朝鮮人民同様、人間として興味を惹かれる存在であることは間違いありません。死線をくぐってきた経験談はどの映画、小説よりも訴求性があります。

 一方で、彼らを材料に北朝鮮の全てを論じるのは早計であるといえます。彼らが話す北朝鮮の現状はおよそ10~20年前のものであるため、鵜呑みにすることはできません。むしろ、彼らが韓国に順応し生活が長くなるとともにその希少性と情報は色あせていくでしょう。個人的には、あくまで「おもしろ人間図鑑」としてウォッチしていきたいと思っています。

●やす・やどろく
ライター、編集者。元朝鮮青年同盟中央委員。 政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>

「おもしろ人間図鑑」か「先にやってきた未来」か──“脱北YouTuber”が語る北朝鮮のリアル

 こんにちは。安宿緑です。「脱北YouTuber」をご存じでしょうか?

 文字通り、脱北者がYouTuberとして番組を配信しているのです。正確には、「アフリカTV」というチャット機能付きの動画配信サイトからYouTubeにも転載をしている形です。韓国では脱北BJ(配信者)と呼ばれています。

 彼ら脱北YouTuberが台頭してきたのは2016年頃からで、現在多くのチャンネルがあるのを確認できます。とはいえ元庶民ですから政情には詳しくないようで、もっぱら恋愛や食べ物などの生活ネタ、北朝鮮に対する質問に答えるのを主なコンテンツとしているようです。

 その中から、特徴的なYouTuberをピックアップしてみました。

「脱北ブローカーが『国境を越えたら、北斗七星の方向を目指していけ』と言った。内モンゴルの砂漠をひたすら走り、国境警備隊を避けるために、夜の砂漠の真ん中で息を潜めた時は、心臓が凍りつくように寒かった」

 BJイピョンさん(23歳)が語る脱北時の様子は、映画のワンシーンのようです。

●BJイピョン
https://www.youtube.com/channel/UCBiFOp2g0ER25Tb5OA0G0kg

 アフリカTVの累積視聴者数は3カ月で28万人超、YouTubeに上げた脱北経緯についての動画は120万アクセスを記録。端正な容姿にピアスに刺青という、韓流アイドルのような容姿も人気の理由のようです。

 彼が放送を始めたきっかけは、「脱北者が“アカ”呼ばわりされたり、貧しい人間扱いされるのが嫌だったから」とのこと。

「北朝鮮の人は本当に人肉を食べるのか」「全員が暗殺術を習うのか」などの質問を受けることもあり、自身の放送を通じて、こうした偏見を取り除き、北朝鮮へのイメージを正したいと話しています。

 脱北したとはいえ、好き放題言われるのは我慢ならんということでしょうか。

 続いて、容姿端麗といえばイ・ソユルさん(30歳)。30歳とは思えぬ美貌とスタイルが人気で、自らフィッティングモデルを務める洋服の通販サイトを運営しています。しかしこんな美人でありながら、放送内容がえぐいのが彼女の特徴であります。

●ソユル 脱北女子 イ
https://www.youtube.com/channel/UC9jMdW7ZEnPBYhQ-sIksoDw

 先日、軍事境界線を乗り越えてきた脱北兵士の体内から回虫が発見された件についても、彼女はこのようにコメントしました。

「回虫くらい当然のこと。驚きませんでした」

 そういって、寄生虫エピソードを次々と披露します。

・北朝鮮では年に1回、駆虫剤を飲む
・回虫は最大でボールペンくらいの太さ
・シラミもわくので洗濯用洗剤で全身を洗っていた
・一度、洗濯用洗剤で洗ったら余計シラミがわいて「この洗剤は安企部(安全企画部=現:韓国国家情報院)が流布したものだ」という噂が出回った
・脇毛にシラミがわいた人がいた

 さらには「私は女性なので話すのは迷ったのですが……話しちゃいます!」と照れながら、喉に違和感を覚え、引っ張り出したら回虫だったという話まで披露。満面のスマイルで「もう10年前の話なんで、汚く思わないでくださいね★ ウフフッ★」と締めます。

 いや、全然笑えないんだが……という感じですが、壮絶な体験をサラリと話してしまうのも脱北YouTuberの魅力といえましょう。

 笑えないはずだが、一周回って笑える動画といえば、「脱北女子ソニー」。

●NorthKorean Sunny
https://www.youtube.com/channel/UCiIBRxfi5PspgJSTcvi-pHg

「私たちはお金がなかったので」と生々しい前置きをし、北朝鮮で自作していた化粧品の作り方という、ある意味「誰得」な動画をアップしています。ラインナップは、どれもDIY精神を感じさせるものになっております。

 赤いクレヨンを油で溶きながら「北にいる時は、ごま油でやってて臭かった」と言ったり、「描けない!」「痛い!」などと言いながら木串のアイラインを解説する姿は、笑っていいのかダメなのか微妙なところです。そうやってさんざん詳細に語っておきながら、最後は「体に悪いからやめたほうがいいです」と視聴者にアドバイス。いや、作らないから安心してほしい。

 そして真打ちとも言える存在が彼女、ソン・ポムヒャンさん(31歳)です。YouTube登録者数は約14万人と、桁違い。

●ソン・ポムヒャンTV
https://www.youtube.com/channel/UCuUPV5b6jt3d4B4u8a_8XNg

 彼女が他のYouTuberと違うのは、積極的に「炎上スタイル」を取っていく点です。よどみないマシンガントークと、ディスられたら「お前、バカだろ?」と2倍、3倍にしてディスり返す姿勢は意図せずして朝鮮中央通信、北朝鮮スタイルそのものです。

 アフリカTVのチャットでは、彼女に対し「アカ女」「北朝鮮に帰れ」など挑発的なコメントをするユーザーも多く、そのたびに直接対決を繰り広げております。中には、不埒なコメントをしたユーザーに18分間キレ続けるという動画もあります。

 彼女の名を知らしめたのは、2012年に出演した、脱北者を紹介する番組『今、会いにゆきます』(チャンネルA)でした。彼女が半生を語った回は大きな反響を呼び、一部では「神回」として語り継がれているようです。

 北朝鮮の最北端、咸鏡北道穩城郡の貧村に生まれたソン・ポムヒャンさん。

 当時は「苦難の行軍」と呼ばれる大飢饉が起きた時代。村では食料そのものが存在せず、常に飢えていたといいます。そんな中、ポムヒャンさんは、病弱な姉が意識混濁状態で壁の土を食べている姿を発見してしまいます。その2日後に、姉は16歳で死亡しました。

 父親はアルコール中毒で頼れず、母親はこれ以上、子どもたちを死なせないためにと、出稼ぎに中国へ渡ります。しかし待てど暮らせど、母親からの知らせはなく、母を追う決心をしたポムヒャンさんは妹を連れて、一週間かけて中朝国境まで歩き、国境線となる川・豆満江にたどり着きました。

 しかし、いざ川を渡る段階になると妹がぐずり出してしまいます。ポムヒャンさんは泣く泣く妹を川辺の林に隠し、一人で川を渡りました。

 中国で最初に頼った民家では、生まれて初めてのご馳走を振る舞ってくれましたが、そこは人身売買の拠点で、ポムヒャンさんは、そのまま中国人夫婦の養子として売られてしまったのでした。

 そして5年がたつ頃にはすっかり朝鮮語を忘れ、中国人として生きていましたが、ある日、夢の中に亡くなった姉が出てきて、このように言いました。

「お母さんとお姉ちゃんが待ってるから、北朝鮮に帰りなさい」

 夢に従い、ポムヒャンさんは養父母に置き手紙をして出奔。警察に「私を北朝鮮に帰してください」と直談判をしにいきました。そして3カ月の調査を受け、身元が確認されると、延辺の刑務所に移送されることになりました。

「なぜ、罪を犯したわけでもないのに、刑務所に行かなくてはならないの」

 ポムヒャンさんが泣きながら女子房に入ると、そこにいた脱北女性たちの中に一人だけ、中国語を理解する人がいました。ポムヒャンさんが身の上を話すと、その中で一人の女性が自分をじっと見つめていることに気づきました。女性はポムヒャンさんに近づき、言いました。

「ポムヒャンなの?」

 そう、なんとポムヒャンさんは亡き姉が夢で導いたとおり、刑務所で10年ぶりに母親と再会したのでした。朝鮮語も、自分の本名すら忘れていたポムヒャンさんは、その時、初めて自分の名前を知ることになったといいます。

 その後、北朝鮮に戻るも、母親とともに再脱北し延辺に行きますが、母親に「ここではもう暮らせない。韓国に行きなさい」と促され、偽造旅券を持って飛行機で韓国へ。韓国の存在も、それまで知らなかったとか。

 ほどなくして母親も韓国に到着し、紆余曲折を経て妹も召喚することに成功。晴れて、自由社会での生活をスタートさせようとした矢先に、さらなる悲劇が襲います。

 妹が、渡韓してたった2カ月後に交通事故に遭ってしまうのです。音楽プレイヤーを拾おうと車から頭を出したところを、後続車に轢かれてしまうという痛ましい事故でした。

 意識不明となった妹は幸い8カ月後に目を覚ましましたが、神経を破壊され片目が開かない状態の上、母やポムヒャンさんを識別できなくなっていました。唯一残っていたのは、北朝鮮で苦労した記憶だけだったといいます。

 10歳で脱北して朝鮮語と自分の名前を忘れることがあるのか、また妹は豆満江からどうやって自宅まで戻ったのかなど、いろいろとツッコミどころはあるのですが、ストーリーの出来としては100点満点でございましょう。

 ポムヒャンさんは当初は警察官を目指していましたが、妹の事故をきっかけに看護助手となります。しかし幼い頃の栄養失調がたたり、虚弱体質で、持病の貧血で突然倒れることがしばしばあり、そのせいで仕事をクビになることが相次ぎました。そんな中、自宅で暇つぶしに始めたのがアフリカTVの配信だったといいます。

 韓国では、脱北者を「先にやってきた未来」と呼ぶ場合もあります。南北統一し、両国の住民が忌憚なく交流する未来を先取りした存在という意味です。

 これまで脱北者は韓国人が持つ北朝鮮へのマイナスイメージを一身に受け、差別の対象になったり不可侵民の扱いを受けることがしばしばありましたが、脱北YouTuberの登場は、そうした偏見を取り払う一定の役割があると期待されています。

 確かに、脱北YouTuberは朝鮮人民同様、人間として興味を惹かれる存在であることは間違いありません。死線をくぐってきた経験談はどの映画、小説よりも訴求性があります。

 一方で、彼らを材料に北朝鮮の全てを論じるのは早計であるといえます。彼らが話す北朝鮮の現状はおよそ10~20年前のものであるため、鵜呑みにすることはできません。むしろ、彼らが韓国に順応し生活が長くなるとともにその希少性と情報は色あせていくでしょう。個人的には、あくまで「おもしろ人間図鑑」としてウォッチしていきたいと思っています。

●やす・やどろく
ライター、編集者。元朝鮮青年同盟中央委員。 政治や民族問題に疲れ、その狭間にある人間模様の観察に主眼を置く。しばしば3重スパイ扱いされるのが悩み。日朝和平、北朝鮮のGDP向上、南北平和統一を願う一市民。ペンネームは実家が経営していたラブホテルの屋号(※とっくに倒産)。<http://blog.livedoor.jp/yasgreen/>

「ギプスをつけてでも出ろ」!? ジャニーズのケガと、揺るがぬ「SHOW MUST GO ON!」の精神

 KAT-TUN亀梨和也さんが、来年1月期放送のドラマ『FINAL CUT』(フジテレビ系)の撮影中に左手を骨折! とのニュース。なんだかんだ、ジャニーズにケガはつきものです。そりゃ、アクロバットにダンス、その他いろいろやっていれば、ケガもします。

 ジャニーズのドラマ撮影中に大きなケガをした……といって思い出されるのは、ドラマ『さすらい刑事旅情編』(1993年、テレビ朝日系)で少年隊・植草克秀さんがした、北海道ロケ中の“大やけど”でしょうか。このケガは、ドラマ撮影中の安全管理を見直すきっかけとなり、業界内に大きな影響を与えたと言われています。ちなみに、ドラマは脚本が書き換えられ、植草さんが演じた役は「研修中」という名目でお休み状態に。放送自体はそのまま進行しました。同年にリリースした少年隊のシングル「EXCUSE」は、植草さんは立ったまま、錦織一清さんと東山紀之さんがダンスをしていました。

 舞台となると、さらにケガが多くなってきます。比較的最近の話では、V6三宅健さんが『滝沢歌舞伎2016』で右足を骨折。その後、演出を一部変更して出演していました。私はケガをした後の公演を見に行ったのですが、ギプスをはめたままでの出演は、「ちょっと痛々しい……」と思った記憶があります。逆に、ダンスシーンでイスに座ったまま踊る三宅さんは、ジャニーズJr.を従えているみたいでカッコよかった……。同舞台の座長である、タッキー&翼・滝沢秀明さんも10年の『滝沢歌舞伎 -TAKIZAWA KABUKI-』の公開稽古で、目の上を切ってしまったことがありました。また14年の『Endless SHOCK 2014』千穐楽では、KinKi Kids堂本光一さんから「肋骨をやっちゃって」という発言も。しかし、どの舞台もすべて中止することなく、そのまま進行しています。

 ミュージカル『PLAYZONE』でも、V6坂本昌行さんがデビューして間もない97年、稽古中に骨折し松葉杖で出演。さらに03年『PLAYZONE'03 Vacation』では、東山さんの骨折もありました。A.B.C-Z河合郁人さんも11年『PLAYZONE'11 SONG & DANC'N.』の公演中に骨折。その直後に出演した舞台『少年たち 格子無き牢獄』では、車椅子で出演していました。その後河合さんは、テレビで「ジャニーズはデビューする前にケガすると売れるってジンクスがあるんですよ!」と言っていました。それだけ、ジャニーズにケガが多いということなのかもしれません。

 デビュー前……つまりJr.のケガはあまり報道されないため、本当はものすごくケガをしているのかもしれません。今はSNSでファンが公演のレポートを投稿することも多く、調べればその日の舞台の様子がなんとなくわかります。そこで、ケガや体調不良の情報を知ることもありますよね。でも昔は、舞台を見に行った人しか状況がわからず、さらにJr.の場合はテレビや新聞で扱われることもなかったため、ケガの現場を見た人たちからウワサを聞いて、心配をするのがファンの限界でした。ファンにできることは今と変わらないかもしれませんが、当時は限られた人しか情報を得られなかったので、臆測が臆測をよんで……なんてこともありました。

 さらに古い話をすれば、元光GENJIの諸星和己さんがよくケガをしていたイメージがあります。彼らはローラースケートでのアクションに加え、おそらく今とは比べものにならないくらいのハードスケジュールだったはず。06年発売の雑誌「CONTINUE Vol.29」(太田出版)のインタビュー記事で諸星さんは、「僕が両足骨折したことがあるんですよ。スケート履けないからどうしようって話になったときに、ジャニーがなんて言ったと思います? 車椅子じゃないんですよ。『ユー、ギブスにタイヤ付けろ!』って(笑)」と、ジャニー喜多川社長からとんでもないことを言われた、と語っていました。

 ケガをしていても舞台に出演し続け、テレビにも出続け……ファンとしては心配になりますが、でもこれって結局、諸星さんが話していたジャニー社長の「ギプスにローラーつけてでも出ろ」という言葉に集約されてしまう気がします。そうです、舞台班にはもはやおなじみ、なにがあってもショウを続けなければならない、「SHOW MUST GO ON!」の精神です。亀梨さんも、ケガの直後にもかかわらずドラマの撮影を行っていましたし、音楽番組にも出演していましたよね。今回のケガをきっかけに、改めてジャニーズに「SHOW MUST GO ON!」の精神が根付いていることを感じさせられました。

 とはいえ、やっぱり体は大事にしてほしい……。誰かがケガをした時の現場にいると、ファンとしてトラウマになったりするから……。ジャニーズアイドルのみなさん、そしてジャニーさん、無理はしないように何卒よろしくお願いいたします。

■トモノトモエ
 “ジャニオタ歴30年”の事務所担ライター。初めて行ったコンサートは少年御三家の武道館公演。1番初めに好きになったのは少年隊。酸いも甘いも味わってきたジャニオタライフを活かし、全ジャニオタに役立つ情報を発信している。近著に『嵐のコンビ愛 まとめBOOK』『踊る! Kis-My-Ft2 with A.B.C-Z 大辞典~パーフェクトデータブック』(いずれもサイゾー)。

子どもといると気が狂うから保育園に入れたい。ママ同士を対立させる“仮面保活”の実態

 既婚女性にとって、出産の次に訪れる大仕事といえば、子どもの預け先を探す「保活」。つい最近も、芸人のピーマンズスタンダード・南川聡史が、自身のブログの中で、「月極22万円の保育園しか空きが見つからない」という保活の厳しさを明かしたばかりだ。

 今回は、「子どもと四六時中一緒にいると、気が狂いそうになる」と語るワーママの声に着目。保活を通して見えてきた、東京の育児ママたちの本音に迫っていく。

 必死の形相で「どうしても保育園に入れなければならない」と訴えているのを聞くと、すぐに復職をしなければポジションが奪われてしまうような、キャリアウーマンを想像してしまいそうだが、実際はそうではないらしい。認可保育園に1歳になる男児を通わせているゆかりさん(仮名)は、「育児よりも、仕事の方が楽」と語る。

■復職後は、出世は望めないマミートラックポジション

 ゆかりさんは、企業情報を扱うシンクタンクの正社員。一昨年7月に男児を出産し、昨年4月から職場に復帰している。彼女は教育熱心な母親のもとに生まれ、中高一貫の女子校に進学。有名私大の政治経済学部を卒業し、大手シンクタンクに総合職として入社した。日本各地にある支所への転勤も可という希望を出し、社内試験などにも合格して出世コースを歩んでいたが、大学時代の同級生と28歳で結婚、30歳で出産をすると事態は急変する。

 男児は、女児と比べて、個体差が激しく乳児の時は風邪などひきやすいといわれ、ゆかりさんの長男も体調を崩しやすかった。認可保育園に無事入園ができたものの、子どもの体調次第では保育園からすぐに呼び出しの電話がかかってくる毎日。「すみません、子どもが熱で……」そう言いながら、仕事を早退する罪悪感に耐えられなくなり、職域を一般職扱いに変えた。大幅な昇給がない代わり、ファイリングや文具の発注など、責任のない雑務を担当する庶務へ異動したのだ。

 このような状態を、保活を行っているワーママたちの間では「マミートラック」という。一般的に「マミートラック」とは、出産後のワーママが、育児が優先できる代わりに、出世や昇給というキャリアコースから外れることを指す。ゆかりさんも、最初は「キャリア形成が、出産によって閉ざされた気分になってショックでした」という。

 しかし最近では、この現象を逆手に取り、自らマミートラックに乗ることを希望する者が増えているという。インターネットで「マミートラック」と検索すると、「乗りたい」という予測ワードが出てくる状況で、その背景には、「子育てしながら、総合職としては働くのはしんどい」が、「専業主婦になって子育てだけをするのは息が詰まる」という思いがあるようだ。

そして、当初はマミートラックに乗ってしまったことに絶望していたゆかりさんも、今では、「マミートラックから降りたくない」と考えるようになったという。

「私が子どもを預けている自治体では、一度入園が決まってしまえば、その後、時短勤務になろうが、正社員ではなくなろうが、退園にはならないんです。最初はマミートラックに乗るつもりはなかったけれど、今は降りたくないから仕事を続けている面もあります」

 このように、手放したくない仕事があるから保活をしているという表向きの理由の中には、「離乳食だ」「おむつ替えだ」とまだ手の掛かる乳児を預けたいという、本心が隠されていることもありえるのだ。

 少し前にネットを中心に炎上をした牛乳石鹸のWEBムービーや、ムーニーのおむつのCM。どちらの動画にも共通して描かれているのが、女性が主体となって育児をこなしている「ワンオペ育児」と呼ばれている状況だ。東京で結婚したものの、親が遠方に住んでいるために育児の協力を頼めないケースや、義母とうまくいっていないため、自力で産後を乗り切らなければならないケースも、現代では珍しくないといえる。そんな「里帰り出産」ができないママにとって、慣れない育児のストレスや、言葉も通じず泣き続ける乳児と狭いマンションの部屋で四六時中一緒にいるという状況は、思わずイライラして手が出てしまうことがあっても不思議ではないのかもしれない。

 典子さん(仮名)は、テレビなどで幼い子どもを母親が虐待したというニュースを見て、他人事のように思っていた。しかし「自分も、まだ1歳にもならない娘を、叩いてしまったことがあります」と語りだした。

「育児休暇中、夫の帰りが遅いと、娘と2人きりの状況になり、余裕がなくイライラしがちでした。ものに八つ当たりすることもよくありましたね。夫にLINEでメッセを送り続けても、既読がつかず、『自分一人だけで育児をしている』という不満が募り……そんな時、まだ赤ちゃんだった娘が私のスマホを取り上げて放り投げ、運が悪いことに、ちょうど動こうとしていた私の右目に角が直撃したんです。それで、発作的に娘に手をあげてしまいました。あの時はどうかしていたと思いますが、子どもと締め切りの部屋で四六時中一緒にいると鳴き声で気が狂いそうでしたね」

 実は、典子さんの夫は大手のゼネコンに勤務している建築士。出張なども多いため、家も空けがち。子どもが小さいうちは、夫の収入だけで生活をし、専業主婦になることも可能だったそうだが、夫の言い分を無視して保活に励んだという。

「出産前から働いていた半導体などを扱うメーカーの事務に、時短勤務で復帰しました。認可外に通うことになると、収入のほとんどが保育料に消えていくことになるので、認可保育園に預けました。仕事に復職したい理由は、『子どもと一緒にいたくない』から。もちろん子どもはすごく可愛く思えるときもあるのですが、それは保育園に預けて、離れた時間ができたからだと思います。ただ、地元の友人は、私が建築士と結婚をしているのを知っていて、『そこまでして保育園に入れる必要あるの?』って聞いてきました。なかには『0歳から保育園に預けるなんてかわいそう』と言う子もいたんですよ。結局、保育園に預けて働かないと破産しそうな家のママからしたら、私みたいな“仮面保活”はむかつくみたいですね」

 本来ならば、どのような理由であれ親が望むならば全入保育ができるのが理想といえる。深刻な保育園不足が、育児を息苦しくしているのかもしれない。

 生まれたばかりの子どもを、身を削るような思いで0歳児から預けて働きに出ているワーママ。それに対して、無慈悲な言葉を投げかけるのが、いまだ根強い“3歳児神話”と呼ばれている育児論を振りかざす母親世代だ。簡単に説明すると、子どもが3歳になるまで母が育児に専念し、一緒にいないと成長に悪影響を及ぼすという考え。専業主婦の母に育てられた真理子さん(仮名)も、この“3歳児神話”に振り回されたという。

「保活で最大の敵は実母でしたね。『なんでそこまでして働くの?』『あんたに母性はないの?』って言われたので、イラッとして絶縁しました」

 出産した病院で知り合った高齢出産のママ友も、“3歳児神話”を信じていたそうで、「私が妊娠中から保活に励んでいる姿を、かわいそうっていうふうな目で見ていましたね」とのこと。出産したら、母親は子どものそばにいて当たり前。育児はつらくない、というような“母性”を前提とした価値観に、疑問を感じ、「結局、子どもを預けて働くっていうのは、母親世代にとっては“楽をしている”って思うみたいです」と語った。

 現代の「保活」に隠れた闇。母親がつきっきりで子どもを育てることが当たり前だった時代と違い、女性にとって育児が最優先ではなくなってきている。保活全てが「生活」や「収入」のためだけではない。その裏には、1人で育児を抱え込むしかなかったワーママたちの嘆きが潜んでいた。
(文=池守りぜね)

浜崎あゆみが画像修正するワケ――「自分や時代の変化に気づいている」とプロ筆跡鑑定人が指摘!

 2000年代前半にカリスマ的人気を誇っていた歌姫・浜崎あゆみ。最近では、体形の変化やライブのドタキャンなど、本人にしたら不本意であろう話題で取り上げられることが多い。今回、浜崎あゆみの1999年(21歳)、2005年(27歳)、16年(38歳)の手書き文字を、筆跡鑑定人で筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)の著者、牧野秀美氏に読み解いてもらった。

【THE 筆跡鑑定ファイル バックナンバー】
画像無断転載、ものまねメイク加工疑惑……ざわちんの“筆跡”からわかる「炎上しやすい体質」
土屋太鳳は「女優気質ではない?」……プロ筆跡鑑定人が指摘、「スリルを求める」傾向も
小池百合子は波瀾に強い「女優気質」、一方「リーダー気質」は……?【THE 筆跡鑑定ファイル】

■傷つきやすく、ストレスがたまりやすいタイプ

――浜崎さんは00年に「vogue」「Far away」「SEASONS」の“絶望三部作”と呼ばれる、物悲しい歌詞のシングルを立て続けにリリースし、大ヒットさせています。しかし、99年の字は若いというのもありますが、随分ハイテンションですね。文字の年齢の重ね方も興味深いです。

牧野秀美氏(以下、牧野) 99年は一見子どもっぽい印象の文字ですが、16年になると、文字も大人っぽく変化していますね。文字も、面影を残しながら年を取っていくことがわかります。

 浜崎さんの文字には、変化している部分と、一貫して変わっていない部分があります。まず変わっていない部分ですが、「君」の字の「口」部分の左上の角が閉じていることから、真面目で素直に物事をとらえる傾向があります。傷つきやすく、ストレスがたまりやすいタイプとも言えます。

 全体的に右上がりが強いのは、上からの指示を素直に受け、その期待に一生懸命応えようとする気持ちの表れです。しかし、「君」の文字の右側の角は角型と丸型が混ざっていることから、行動面はその時の状況に応じて、機敏に方向転換することもある。それは売れっ子に見られるワンマンさと捉えることもできるでしょうが、争ってまで自分の主張や我を通す性格ではなさそうです。

 さらに「何」のへんとつくりの間隔が広くハネがないこと、「全」の字の、右側の払いが短く止めて書かれることから、物事に固執せず、誰に対してもオープンに接しますが、常に自分の気持ちは抑えがちのようです。これは本来の気質であると考えられます。また、寂しがり屋で人に囲まれていたい面、冷静でドライな面、オープンでおおらかな面、周囲の目を気にする面が同居しています。自分の相反する気持ちを切り替えながら、時代の最先端でエンターテイナーとして今も走り続けようとする、浜崎さんの姿が浮かび上がります。

――どんな人にも多かれ少なかれあるでしょうが、「相反する」要素を多く持っている人なんですね。ブレのないキャラがあるというより、揺らいでいること自体がキャラクターになっているというか。

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牧野 一方、浜崎さんの字で変化した部分を見てみます。「全」の字で見ますと、昔に比べると、左側の払いが明らかに長くなっています。この特徴は、今まで何回も出てきた「華やか好みの目立ちたがり屋、華麗に自分を演出したい」といった面を表しています。

 さらに、「本」の字で見られる上への突出が、最近の文字「教」「動」といった字では見られません。この突出はリーダー気質の表れで、上に出れば出るほど、皆を引っぱっていこうとする気質が強いといわれています。

――デビュー当時から、ずっと華やかなステージでカリスマとして君臨してきた浜崎さんですが、かつてはあまりなかった「華やかに自分を演出したい」気質が、なぜ、今になって文字に表れてきたのでしょうか?

牧野 若い頃は、「周りからの期待を裏切ってはいけない」という思いから、用意されたレールの上を疑うことなく、がむしゃらに進んできたのでしょう。そもそも若さとパワーあふれる全盛期は、存在が華やかさそのものですので、あえてそれを意識したり演出したりする必要がなかったのでしょう。

 しかし、今は昔と違う。浜崎さん自身もそれに気づいていて、だからこそ、さまざまな演出を試みているのだと思われます。人は年を取るものだし、それとともに体形にしても体力にしても気持ちにしても、何もかもが移り変わっていくのが当たり前です。

 浜崎さんは心の奥底では自分自身や時代の変化に気づいているのですが、考え方が真面目ゆえに、「それを認めてはいけない」「全盛期と現在の変化を埋めなければ! 頑張らなければ!」と感じているのでしょう。とはいっても、浜崎さんは重苦しく物事の本質に迫っていく「攻め」のタイプではありません。もともと、へんとつくりの間が広いことから、受け身のほうが落ち着く「守り」のタイプといえるでしょう。突出が控えめになったのは、守りのタイプがずっと攻めのタイプを演じてきたので、疲れてしまったと読めるかもしれません。この形が今の浜崎さんにはフィットしているはずですので、無理に頑張ってしまうと、逆にストレスを感じてしまうことになりそうです。

 あえて昔の自分と張り合わず、そこから距離を置くことで、もしかすると、もっと自分を楽に表現できるようになるかもしれません。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所

画像無断転載、ものまねメイク加工疑惑……ざわちんの“筆跡”からわかる「炎上しやすい体質」

 一般人が撮影した東京ディズニーシーの写真を自身が撮影したかのようにブログに投稿したり、SNSへの非常識な内容の投稿で炎上(既報)、また得意の「ものまねメイク」への画像加工疑惑について、ネットで有志が解析会社に依頼した結果、「クロ」であったざわちん。他人の撮影した写真を使用したことは、画像検索の機能を使えばネットで簡単に調べられるが、そんな「調べればすぐにバレること」をやってのけてしまう背景には何があるのか? ざわちんの人となりを、筆跡鑑定人で、筆跡心理学に基づいた書籍『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)の著者・牧野秀美氏に、Twitterにアップされた手書きの筆跡から読み解いてもらった。

■理屈ではなく、反射的に行動するタイプ

――ざわちんさん、読みやすい字ですよね。

牧野秀美氏(以下、牧野) 余白の多い、見やすいレイアウトは、古風で好ましい感じを受けます。書字技量は決して高いとはいえませんが、ひらがなの形がきれいなのと、字間の詰まっていない縦長文字から、落ち着きを感じさせます。前回の土屋太鳳さんのような、息苦しい圧迫感を感じません。

――ちなみに、習字で字の矯正をしていても、筆跡に個性は出るものなのでしょうか?

牧野 書道や硬筆などを習っていた場合、同じお手本で練習しているわけですから、文字の形は矯正されますが、書き続けているうちに、自分なりのクセは出てくるものです。

 さて、ざわちんさんの字ですが、「おっとり」というよりも、「マイペース、ゴーイングマイウェイ」タイプですね。

 まず、書き始めもひねりなどはなく、相手にあまり警戒心を抱かせないタイプだといえそうです。また、「今」の字の長い左払いは、見られることが心地いい、華やかな場所で活躍したいといった願望を表していることや、「澤」の字のへんとつくりの間隔が狭く、自分の世界に没頭する職人気質であることから、自身の世界を追求するモノマネメイクのお仕事は、まさに天職だといえるでしょう。

――ただ、字の配置が、たまに妙ですよね。

牧野 はい。問題なのは「高校生活青春できな…」で見られる行のブレや、「青春」の横線の間隔がばらばらであること、「勝」の字で表れている線と線が衝突している異常接筆、これらの特徴は、高い精神性や理想を持ちながらも、それをぶち壊してしまう衝動性を表しています。それが普通の人なら、しり込みするようなことを平気でやってのける行動力につながっていると考えられます。ざわちんさんは理屈ではなく、ぱっとひらめいたものに対して反射的に行動するタイプなのかもしれません。

 また、全体的にハネが弱く、切り替えが早い方です。何事もあまり深く考えず、手早くササッとやってしまうのでしょう。

 

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――「炎上上等!」という感じではなく、「あまり考えずに、さくっとやっちゃう」みたいな感じなんですね。かえって怖いですが。

牧野 また、「日」や「男」の字の接筆(四角い文字の左上の角)が開いていたり閉じていたり、角が丸かったり角ばっていたりと、一貫性がないことから、考え方や行動の基準が一定しておらず、「まあいいか」と自分勝手に物事を考えてしまいがちな面が出てくるようです。本人的には、それらを深刻な問題として捉えていないのではないでしょうか。

――「大胆なことをしたい」+「切り替えが早い」+「まあいいか、で深刻にとらえない」となると、ハートが強すぎますね。真木よう子さんもTwitterで炎上を何発かやらかして、今はやめてしまいました。また、体調不良で、出演予定だった映画を降板しています。その原因がTwitterかはわかりませんが、つくづく、SNSは向き不向きがありますね。

牧野 ざわちんさんは、ものまねメイクにおいて、仕上がりに対する高い完成度を安易に求めてしまう、つまり、過度の演出をコントロールできない衝動性が、今回のように騒がれる問題を引き起こしているのかもしれません。実際、TVやイベントはメイクとアングルのみの勝負ですし、結果を出しているからこそ、こうして活躍されているのですから、疑惑を招くような小細工は必要ないのでは、とも思います。これからは、影響力のあるタレントとして、自身の行動を意識していくことは大切だと思います。いろいろな経験をバネに、自分の価値観を確立して、さらに活躍してほしいと思います。
(石徹白未亜)

牧野秀美
筆跡鑑定人。筆跡アドバイザー・マスター。筆跡心理学をもとにした鑑定と診断を行う。著書に『自分のイヤなところは直る! ~名前を書くだけ~』(東邦出版)
ほっかいどう筆跡鑑定研究所