下世話、醜聞、スキャンダル――。長く女性の“欲望”に応えてきた女性週刊誌を、伝説のスキャンダル雑誌「噂の真相」の元デスク神林広恵が、ぶった斬る!
コロナ感染拡大で国民に我慢を強いる一方、銀座クラブ遊びとウソがばれた与党議員たち。呆れるというより、これが多くのオヤジ国会議員の実態、本来の姿、レベルの低さの証明なのだと思う。
第539回(1/28〜2/2発売号より)
1位「独占インタビュー 180分 貴乃花光司“勘当”長男が決意の告白 大横綱父の虚言 モラハラ 暴力」(「週刊女性」2月16日号)
2位「芸能人の独立裏事情」(「週刊女性」2月16日号)
3位「新連載 私たちの80年代 青木さやか『ルンルンを買っておうちに帰ろう』(林真理子)」(「女性自身」2月16日号)
これまた衝撃的な告白だ。かつての大横綱・貴乃花光司が自身の長男である花田優一にモラハラや暴力を告発された。しかし「週刊女性」に掲載されたこの告白、衝撃であると同時にいろんなことが微妙すぎて、どう評価していいやら、という代物ものなのだ。
ご存じとは思うが、今回父親を告白した優一は、そもそもイタリアで修行した「靴職人」で、帰国後は両親の“七光り二世枠”でテレビなどに出演するようになった“芸能人”だ。しかし、その後は靴を注文した客とのトラブルが報じられ、師弟関係を公言していたイタリアの有名靴職人との関係も否定されることに。一方で、歌手として『NHK紅白歌合戦』出場を宣言するなど、すでにお騒がせの評価が定着しつつある人物。
一方の父親・貴乃花も、ここ数年だけでも弟子の暴力問題での無責任ぶり、相撲協会との確執と退職、さらに妻・河野景子との離婚など数々のトラブルがあり、そのたび「大丈夫か?」と心配になる言動、迷走ぶりをみせている。
最近では、この父子の確執が伝えられていた。そして貴乃花は常々、母親の河野とべったりの息子に苦言を呈した挙句、今年の1月22日にはオンライン会見で「息子は完全に勘当しております」という衝撃発言をして大きな話題になった。今回の告発はこの「勘当」発言を端緒にしたもののようだが、そんな背景を考慮しつつ、この告発内容を見ると――。
例えば、モラハラと暴力。優一によると貴乃花は2015年前後から急速にアルコールに頼るようになり、妻だった景子につらく当たるようになったという。そのため幼かった妹たちが兄・優一に助けを求め、優一はイタリアから緊急帰国。そして母と妹たちを実家近くのワンルームマンションにかくまうが、その際、父親から壮絶な暴力を振るわれたという。確かにモラハラについては家族内のことでもあり、告発の内容は事実なのだろうと思える。しかし、暴力については少々クエスションが。
記事によれば、暴力があったのは17年2月12日、品川区内の高級住宅街でのことだったという。優一のマンションに乗り込んだ貴乃花が、外に出た優一につかみかかった。
「父がみたこともない形相で突然つかみかかってきました。そのまま道端で1時間半くらいつかみ合って……殴られて……。通りかかった人も、ギョッとして、逃げるように通り過ぎて行きました」
高級住宅街の道端で1時間半殴られた。目撃した人もいた。しかし誰も警察を呼ぶこともせず、止めることもしなかった? それはあまりに不自然だ。しかも横綱までいった貴乃花だ。靴職人の息子がこれだけ長時間暴力にさらされたら、かなりやばい状況になるのではないのか。さらに告発では、その後、優一は父に髪を掴まれ引きずられるように実家に。そしてリビングで正座させられたという。
「さらに理不尽に僕を痛めつけると気がすんだのか、父は“帰れ!”と吐き捨てるように言って、解放されました」
そして心配した母の進言で病院に行ったという。しかし、なぜか記事には診断結果(たとえば全治⚫週間とか)の記載はない。かなり盛っているのでは、と疑問に思わざるを得ないのだ。
一方で、貴乃花も「離婚は優一のせい」だと週刊誌で発言するなど、息子への不信感をあらわにしてきた。そもそも自分たちの離婚を息子のせいにするというのは、どういう神経だと思うが、そんな父親なのだろう。つまりどっちもどっち。
そう考えると、この告発も半分くらいに思いながら読むといい。
それにしても、若貴の大フィーバーを懐かしく思い出す。若貴兄弟が快進撃を続け、その両親とともに日本を代表するような一家の姿が連日報じられた。しかしだからこそ、その後の展開は人々を驚かせた。宮沢りえとの破局で「もう愛情がなくなった」と突き放すように語り、その後は洗脳騒動が勃発。結局母親の藤田紀子、そして兄・若乃花虎上と断絶した。その後も波乱万丈、トラブルを引き起こし続けてきた貴乃花。そして今回は実の子どもからも――。
そこには人を切り、人から切られ、そして孤立していった貴乃花の姿が浮かぶ。
この告発に対し、貴乃花サイドは「週刊女性」の取材に対し、「看過できる内容ではない」と答えている。今後どんな展開があるのか、父親の逆襲はあるのか、注目したい。
昨年頃から続出しているのが一流芸能人と言われる人たちの事務所からの独立だ。そんな独立事情について「週刊女性」が特集していて面白い。
まず指摘されるのが、「芸能界を引っ張ってきた敏腕と言われるような人たちが、健康面を含めて老体化してきたという点が挙げられるでしょう」(芸能レポーター石川敏男氏のコメント)
もってまわった言い方だが、要は芸能界のドンとか天皇とか言われる芸能事務所幹部が高齢化し、その影響力が衰えたり、実権がなくなったり、時には亡くなってしまうということだろう。確かに、これまで芸能界を牛耳ってきた強面大手事務所の幹部は、そろって高齢になっている。
さらに指摘されているのが19年、公正取引委員会が出した見解だ。
「公正取引委員会が芸能人などの活動にも独占禁止法を適用すると見解をまとめたことが大きい」(同)
これももってまわった言い方だが、19年、公正取引員会は、ジャニーズ事務所から独立した元SMAP3人(新しい地図)を干した疑いがあるとして、ジャニーズ事務所に“注意処分”をした。確かにここから流れは変わっていったのだが、しかし「週女」もジャニーズに気を使うようになり、ジャニーズではなく、のん(能年玲奈)のケースを紹介している(笑)。
ともあれ、旧態依然とした体質の芸能事務所とタレントの関係が少しずつだが変わってきたもの事実。時代の流れを感じる特集だった。
1980年代、当時の本やおしゃれについて同世代の女性と振り返るという「女性自身」の連載企画「私たちの80年代」。今週は青木さやかが林真理子のデビュー作『ルンルンを買っておうちに帰ろう』(1982年)を選んで紹介している。青木より少し上の世代だが、高校時代に同著を速攻で購入した者として、青木の言葉に共感し、また懐かしく思った。そして思い出した。昨年8月、林の「週刊文春」(文藝春秋)エッセイに悪口を書かれたことを。
「同じように『噂の真相』の元編集者の肩書きで、平気で雑誌に書いている女性ライターもいるけど、彼女もそう。
『裏社会を歩きます』
と決めたんだったら、それを貫くか、別の仕事をするかだ。」
はあぁ〜?