高橋一生と蒼井優が、ウソをつく夫と秘密を抱える妻を熱演『ロマンスドール』鑑賞券プレゼント

 高橋一生と蒼井優のダブル主演映画『ロマンスドール』が、1月24日より全国公開されます! メガホンを取るのは、2008年に蒼井が主演を務めた映画『百万円と苦虫女』を手掛けたタナダユキ監督。本作はタナダ監督が08年に雑誌「ダ・ヴィンチ」(KADOKAWA)に連載していた同名小説を映画化したものです。ラブドール職人である北村哲雄(高橋)と、彼が一目惚れした妻・園子(蒼井)の10年の月日を描いた、大人のラブストーリーとのこと。早速あらすじを見てきましょう!

 北村哲雄は、美大卒業後にひょんなことからラブドール製作工場で働き始める。その後、美人で気立ての良い園子と出会い一目惚れ。無事、結婚し穏やかな生活を送っているが、自分がラブドール職人であることを園子に隠し続けていた。平穏に過ぎていく日常の中で、哲雄は仕事にのめり込み、園子とは次第にセックスレスになっていく。いよいよ夫婦の危機かと思ったとき、園子はずっと胸の中に抱えてきた秘密を哲雄に打ち明ける……。

 哲雄を演じた高橋は、役作りのために書籍などを読み込み、実際にラブドールメーカーのオリエント工業に訪問、製造工程の実習に複数回参加したそうです。高橋がどんな演技を見せるのかにも要注目ですね。

 今回は、映画『ロマンスドール』の鑑賞券を3名の方にプレゼント。ラブドール職人はどんな仕事をしているのか……「興味深い」と思っている方は、ぜひ劇場に足を運んでみてはいかがでしょう。サイ女読者の皆さま、奮ってご応募ください。お待ちしております!

※1月6日正午〆

ご応募はこちらから
カテゴリー: 未分類

職人技光る“皇室愛用ブランド”が廃業――「デパート」「通販」の台頭で消えゆく伝統【日本のアウト皇室史】

 皇室が特別な存在であることを日本中が改めて再認識する機会となった、平成から令和への改元。「皇族はスーパースター」と語る歴史エッセイストの堀江宏樹さんに、歴史に眠る破天荒な天皇家のエピソードを教えてもらいます!

雅子さまが着用した“ローブデコルテ”、女性皇族のファッション事情

――前回、「御用達品」の制度についてお話をうかがいましたが、今日は女性皇族のご用達ブランドについて詳しく教えてください。

堀江宏樹(以下、堀江) この秋は、新帝陛下の即位にともなう儀式がたくさんあり、皇族の方々のさまざまな姿を目にする機会が多かったと思います。

 特に、雅子さまを始めとする、女性皇族のお姿は華やかでしたね。平安時代以来の歴史を持つ、正式名は「五衣唐衣裳(いつつぎぬからぎぬも)」、一般的には「十二単」と呼ばれる有職装束。それから洋装の中で最高の格式を誇る「ローブデコルテ」などのドレスは、みなさんの目を引いたことでしょう。

――雅子さまが着用なさった「ローブデコルテ」は、人気があったようです。そもそも「“ローブデコルテ”って何?」ということで、ネットでも検索順位が一気にはね上がったとか。

堀江 「ローブデコルテ」とは、襟元を大きく開けて、首筋から肩あたりまでを見せるデザインのドレスです。その歴史は長く、シンプルにまとめると、第二次世界大戦後以降の欧米の社交界で最高の格式を持つ礼装として着用された、ドレス。デザインは、いわゆる「十二単」のように「こういう形でなくてはならない!」という縛りは厳密にはなく、雅子さまのローブデコルテは襟が大きく波打ち、フリルみたいになっていますね。このデザインには、襟まわりの過度な露出を控えるという目的があるのだと思いますよ。ただし、女性皇族方のローブデコルテの色は白か淡い単色に限定されており、これは男性皇族が、ホワイトタイ(いわゆる燕尾服)で正装なさる時の、白いタイの色に合わせるためといわれます。

――男性の正装を意識して、コーディネートされているのですね。皇室ゆかりの京都府・上賀茂神社での結婚式では、これまた皇室ゆかりのローブデコルテを着用できるプランが非常に人気になっているそう。前回から皇室御用達ブランドについてお話をうかがっていますが、やっぱり影響力があるんですね。

堀江 あと女性皇族のファッションで、毎回注目を集めるモノといえば、独特なお帽子でしょうか。トランプ大統領が来日された時も、みなさまいろいろな帽子をかぶっておられました。ああいう帽子は、ドレスに合わせて、専門の高等技術を持つ帽子職人がいるお店に別にオーダーするんですよ。

 今は廃刊になっている「angle」(主婦と生活社)というタウン情報誌の1980年(昭和55年)10月号に、女性皇族御用達の帽子店として、千代田区・麹町の「ベル・モード」が挙げられています。31年(昭和6年)から皇室との御縁が始まり、現在でも(少なくとも)紀子さまの帽子は「ベル・モード」が作っているそうです。

 昭和天皇の皇后である香淳皇后は、当時の店主・筒井光康さんがテレビ出演すると、ちゃんと見てくれて「筒井、今朝テレビに出ていましたね」と一言くださる、「お優しい方」だったそうです。生まれながらに人の上に立つような方でしたから、この方に尽くしたい! という職人魂を掻き立てるのがお上手だったようで……。

 ちなみに男性皇族の場合は「金洋服店」のように、定番的存在がある一方、女性皇族の衣服やドレスについて明確な御用達はないようですね。当然ですが、好みは人それぞれですし、時代によっても変わるからでしょう。

――前回、「御用達制度」は54年(昭和29年)に廃止されたと聞きましたね。「とらや」のように、皇室御用達のブランドを今も保持しつづけるお店がある一方で、商いを畳んでしまうお店もあるのでしょうか。

堀江 かつて、雑誌やテレビに御用達店の代表のように登場していた店も、けっこうな割合でひっそりと潰れてるんですね。今回調査して、驚きました。代替わりで、御用達認定された当時のご店主が引退、カリスマ性が薄れたら、それで経営が危なくなるお店も多いみたい。

 もちろん老舗の中の老舗として営業を続けているお店も多いのですが、例えば美智子さまがとりわけ愛用なさっていたという銀座の草履のお店「小松屋」は、2017年中にひっそりと閉店してしまっています。昭和の頃、ご店主・小松長作さんは、お客さんの足に少しだけ触れるだけで、その人にぴったり合った草履と鼻緒が作れるという特殊技能の持ち主だったそうです。美智子さまが皇室に嫁がれるという時、小松さんは美智子さまの実家・正田家から「娘に草履を作ってほしい」と頼まれたといいます。その際、美智子さまにも「足を触らせてください」というと、美智子さまのお母さまに叱られてしまったそうです(笑)。理由を説明し納得してもらった後、完成した草履は「一日中履いても、少しも疲れませんでした」と美智子さまからの感想が届くほど素晴らしい物になったそうな。その後、ずっと美智子さまは「小松屋」をご贔屓になさっていたようなのですが……。

――そんな名店も消えてしまったのですね。

堀江 昭和後期くらいから、皇族の方もデパートで買い物するケースが増えてきたのも無関係ではないかもしれません。かつてはそれこそ小松屋みたいな専門店でのみ、皇族のお買い物はされていたそうです。

 73年8月1日号の「女性セブン」(小学館)によると、デパートは「高島屋、三越、大丸、松屋」が主だといい、家具や装飾品はデパートで。その他の消耗品(食材など)は専門店で……というスタンスだったそうです。

 現代では、専門店よりもデパートなどの利用比率は増えているかもしれません。あるいは通販なども場合によってはありうるのではないでしょうか(笑)。2015年6月4日号の「セブン」が、佳子さまのタンクトップ姿を掲載し、話題になりましたが、一説に女子大生に人気の「ローリーズファーム」や「ローズバッド」といったブランドの服だといわれます。けれど、そういうブランドが御用達の看板を掲げるわけでもありませんしね。

――衣服や装飾品には流行がありますよね。いくら“皇室愛用”というブランド価値が付いていても、一般受けしなければ人気がなくなってしまうかも。それに比べ、食材のお店などは安泰なのでは?

堀江 皇室の方も“個人”として買い物をしているだけで、その店のパトロンではない。なので、店側の経営が何らかの理由で困難になれば、消えてしまいます。

 例えば、皇室に長年、お米を納入し続けたことで知られる、文京区・目白台の小さな米屋「小黒米店」も最近、閉店してしまったようですね。グーグルマップで住所を調べてみたら、2019年の初夏の時点にはあったお店の土地が、現在は不動産屋に買われ、彼らの手で売りに出されていました。

 ちなみに、小黒米店は戦後、店主の米えらびのセンスが高く買われ、皇室に米を納めることになったそうです。また、皇室の方々が食べているお米は10キロ3260円の「標準米」(※標準米制度は2004年に廃止)だったそうな。調べましたが、1980年時点での米の平均価格はこれくらいでした。

 御用達業者になった理由でもある、「店主の米選びのセンス」が生きるのは、年に限られた機会だけだといい、そのうちの1つがお正月用のもち米だったとか。もち米には、「標準米」が存在せず、「良いもの」を納入できたそう。皇室が買うものは、実質的に最高級品が中心なのですが、質素を主とするということで、お米の場合は“平均価格”の「標準米」。それも、皇室からはあまり精白せず、玄米に近い黒っぽいお米を(おそらく健康上の理由で)望まれたため、それを納入していたそうです。

 ほかの御用達業者がいかにも高級な店構えなのに対し、在りし日の小黒米店は、本当に街中のお米屋さんそのものの外見で、それが面白いという理由で、時々テレビに取り上げられたりしていました。ただ、今は閉店してしまっていますから、別の業者が、皇室にお米を納入しているのかも……。

――御用達だったお店が、いつしかまったく違う業種に鞍替えしちゃうケースなどは?

堀江 それもあるようで、青山にあった高級肉店の「吉橋」がその一つ。御用達になった経緯からして面白くて、23年(大正12年)頃に、お店の前に馬車が止まり、皇居から来た宮内庁の役人が「御用を命じる」とか言って、その場で御用達になっちゃったようです。昭和後期には毎月4キロ、松阪牛のロース肉などを納めていたそう。

 高級肉店と書きましたが、「吉橋」は昭和の後期になっても牛肉しか取り扱わないお店だったようですね。宮家などからオーダーがあった時のみ、鶏肉や豚肉は取り扱うのだとか。73年8月1日号の「セブン」の記事で、「吉橋」に取材した記者によると「三笠宮家のお子さまは鶏肉がお嫌い」だとかいう情報が得られたそうです(笑)。

 その後、「吉橋」は日本初の24時間営業を導入した、青山の高級スーパー「ユアーズ」内に店舗を移動。「ユアーズ」閉店後は、赤坂に移動、業種を肉屋から、すき焼き屋に変えて「よしはし」と名乗り、ミシュランから一つ星をもらったそうです。ただ、この「よしはし」も2017年には閉店。その後は御用達の店「吉橋」の伝統を継いだ形の営業はないようで、御用達業者の歴史は途絶えてしまったようです。

「お菓子を配るのは、派遣女子社員の仕事」だった。「男が悪いから」じゃない、社会の構造の問題

 昔々あるところに、ひとりの女性がいました。彼女は大学院の修士課程を終えたばかりで、博士課程に進むべきか悩んだ結果、研究者の道をあきらめ、就職することに決めました。

 ところが、ぐずぐずと決断を先延ばしにしているうちに、すでにほとんどの企業は募集を締め切っており、新卒の枠は受けられそうにありませんでした。そこで彼女は、当面の生活費を稼ぐために、とある総合商社の派遣社員として働くことを決めました。

 募集要項には、英語が話せる女性を求めていること、仕事内容は海外の取引先とのやりとりや書類作成であること、と明記されていました。しかし、実際に仕事を始めてすぐ、仕事はそれだけではないということがわかりました。

 歓迎会が行われ、その席では、「〇〇部長が面接したんでしょ? やっぱりなー〇〇部長のタイプだもん」と中年男性社員に言われるなど、不快な出来事は当初から数々ありました。数々の不快な出来事のひとつが、「派遣社員の女性がお菓子を配る係になっている」というものです。

 会社の業種柄、毎週誰かが出張に行っており、そのたびにお菓子の箱を下げて帰ってきます。けれど、お土産を買ってきた営業職の男性たちは、なぜか絶対にお菓子を配りません。「これ買ってきたから」と派遣社員に渡すだけです。

 どうして彼らはお菓子を配らないのか。「自分で配れないなら買わなければいいのに」「契約していた仕事内容と違う」と思いつつも、彼女は毎週、お菓子を配っていました。

日本の労働現場での女性の「軽んじられ方」は、外から見たら異常
 日本の労働現場で些末な頼まれごとをして、「これくらい自分でしたらいいのに」と不満に思ったことがある女性は多いのではないでしょうか。

 フランスの監督兼脚本家で、女性が被る苦難と解放を描いた小説『三つ編み』(早川書房)がベストセラーとなったレティシア・コロンバニは、インタビューで「日本で三つ編みのような物語を書くとしたら?」と問われ、「舞台は労働現場」と即答しています。(※1)

 レティシアは、日本企業で男性の上司や同僚のために女性社員がお茶やコーヒーを入れることがあるという事実を知り、ショックを受けたと言います。

「賢い日本男性は当然、自分でお茶やコーヒーを淹れられるはずですよね? そんな簡単なことを敢えて他者にさせる行為には、その相手を軽んじ、服従させるという精神性が表れています」

「小さな習慣にも、それを毎日生きる女性たちには『自分の価値を下げられている』という意味が含まれているのだと、伝えたいと思います」

 「あえて雑務をさせることで服従させられている」「自分の価値を下げられている」、それこそまさに、冒頭で記した“昔々あるところに”のお話で派遣社員の女性が感じたことだったのです。

 自分が派遣社員だから軽く扱われていると感じるとともに、女性だから下に見られているということも、彼女は敏感に感じ取っていました。

 なぜなら、その会社では事務職は正規・非正規に関わらず100%女性しか採用しておらず、ある女性が「自分の弟を事務職に」と推薦したところ、「男性にしては給与が安いから」と、面接すらしていないことを知っていたからです。

「敵は男性ではなく、社会の構造だ」

『三つ編み』(早川書房)
 女性だからという理由で軽んじられたり、損な役回りを押し付けられたりした経験は、派遣社員でなくても一度や二度はあるでしょう。『三つ編み』は、女性だからという理由で様々な抑圧や差別を受けている三人の女性が主人公です。

・インドのスミタ

 インド人のスミタは不可触民で、上位カーストの家をまわり、素手で排泄物を集めることを仕事としています。娘のラリータには、この仕事を継がせまいと奮闘しますが、うまくいきません。

 スミタは代々受け継がれた仕事を放棄して別の場所でやり直したいと思いますが、同じ不可触民の女性が逃げようとしてレイプされた事件を知っていたため、安易には行動に移せません。ここでは、レイプはレイプされた側の罪であり、誰も助けてはくれないのです。

・イタリアのジュリア

 イタリア人のジュリアは、父が経営する毛髪工場の作業場で働いていますが、ある日、父が交通事故にあい、昏睡状態に陥ります。

 さらに、順調だと思っていた工場経営も実は赤字で、倒産寸前だという事実が発覚。「男を立てる」伝統的な男女観を持ったジュリアの母は、一族を守るために、金持ちの息子と結婚するようジュリアに勧めます。

・カナダのサラ

 カナダ人のサラは、やり手の弁護士です。ガラスの天井をものともせず、シングルマザーとして3人の子どもの世話をしながらバリバリ働いてきました。

 子どもをベビーシッターにあずけることには罪悪感はありますが、勝ち取ってきたキャリアには自信があります。しかし乳がんを宣告されてから、すべてが変わりはじめます。

 妊娠したことで降格になった女性弁護士がいることを知っていたサラは、妊娠中、ギリギリまで妊娠している事実を隠し通していました。病気も同じように隠そうとするのですが、結局バレてしまい、そこから周囲の態度は徐々に、しかし確実に変化していきます。

___

 最初はバラバラに見える三人の物語は、『三つ編み』というタイトル通り、髪が編まれていくように、次第に繋がっていきます。構成力も見事で、終盤、パズルのピースがピタッとはまったような爽快感が得られる作品です。

 女性の自立や解放を描いているためフェミニズム小説に分類されることも多い本作。フランス本土では、100万部以上のベストセラーになり、32の言語で翻訳・出版されています。

 私は、多くの読者から賞賛される作品になり得た理由のひとつに、「男性が嫌悪を感じない内容になっているため、男女両方から支持を得ることができたこと」が挙げられると考えます。

 どこの国にも、フェミニズムとかフェミニストという言葉を聞いただけで、拒否反応や嫌悪感を示す男性はいます。その嫌悪は、フェミニストとは「男性の既得権益を奪おうとしている人」で「男性嫌いで男性を攻撃してくる人」である、という勘違いをしているために現れる感情なのだと思います。

 『三つ編み』は、女性であるがゆえの苦しみを明確に描きつつも、そういったフェミニズムへの誤解を排除することに成功しています。

 3人の女性の物語中には、ずる賢く人を蹴落とそうとする女性も出てきますし、スキルの高いベビーシッターの男性や、愛情深くヒロインに寄り添い心の支えとなる男性も出てきます。世の中を男と女に単純化して、男性を敵だとみなすような視点は、この小説には皆無。悪も善も性別には関係ないことが明示されています。

 主人公の女性たちが苦しんでいるのは、「男が悪いから」ではなく、「社会の構造の問題」なのです。

慣習に疑問を持ち、現状を変えていく方法
 冒頭のお話の続きです。派遣社員の女性は、数カ月お菓子を配り続けましたが、やはりおかしい、という気持ちは拭えませんでした。

 そこで上司に「お菓子は配るのではなく、一箇所に置いて、そこから食べたい人がとる、という形にしたらどうでしょうか?」と提案すると、その後、一切お菓子を配る必要はなくなったのです。

 喜ばしいことでしたが、彼女は契約満了前にクビを言い渡されてしまいます。理由は……忘れました。お菓子のことは関係ないと思います。たぶん。

 しかし解雇されたことは、彼女にとってラッキーな出来事でした。その後、自分の適正を見つめ直し、結果的に好きな本を紹介するライターになれたので、人生万事塞翁が馬ですね。

 「派遣女子だけがお菓子を配る風習をやめたい」と上司に言えたのは、ふたつの理由があります。ひとつは、その会社にずっといる人間ではなかった、ということ。ずっとそこで事務員として生きていく予定の正社員なら、お菓子配りが嫌でも「波風立てたくないし」となかなか言い出せなかったかもしれません。

 もうひとつの理由は、「これが当たり前だし、仕方ないんだ」と思わなかったからです。「これはおかしいし、変えるべきだ」と強く思えたからこそ、行動に移すことができました。

 「これはおかしい」と思えたのは、日本にある構造的な男女差別や、経済面・政治面でとくに大きい男女格差について、知識を得ていたから。理不尽な不平等に、怒りを感じていたのです。

 構造的な差別を、「伝統だから」「合理的だから」「生き物として自然だから」などと肯定する声に、耳を傾ける必要はありません。行動次第で現状を改善できる可能性があるという勇気を持つことができれば、「ただ慣習に従うだけ」の状態から脱せるかもしれません。

 まずは「どのような差別があり、どのように立ち向かってきた人がいたのか」を学ぶと、慣習を疑い、構造的な差別に立ち向かう勇気を得ることができます。

 『三つ編み』には、3つの大陸でみられる構造的な差別と、悩み苦しみながら現状を打ち破る強さを獲得していく女性たちの軌跡が描かれています。「何か変だ」「女性だからという理由で軽んじられている気がする」「でも私が何かしたところで、何も変わらないだろう」――あなたがそんな風にモヤモヤを感じているなら、一歩踏み出す勇気を得られる一冊だと思います。

カテゴリー: 未分類

『スカーレット』がほかの朝ドラと一線を画すワケ――父・常治と娘・喜美子の関係性の妙

――現在放送中のNHK朝ドラ『スカーレット』。視聴者の間で好評を博す本作について、『ぼくらが愛した「カーネーション」』(高文研)、『連続テレビ小説読本』(洋泉社)などの編著者である佐野華英氏は、「ほかの朝ドラと一線を画す」と述べる。今回、その真意をつづってもらった。

 

喜美子の父・常治、死す――二分した視聴者の反応

 滋賀県・信楽の地で女性陶芸家の草分け的存在となる川原喜美子(戸田恵梨香)の人生を描いた連続テレビ小説『スカーレット』(NHK)が好評だ。「ものづくり」というテーマを追求した丁寧な作劇で、ドラマ好きから厚い支持を受けている。毎話わずか15分のなかに息を呑むような心情描写と人間の「生」がみっしりと詰まっていて、泣かせにきたと思えば、不意に笑える台詞でサッとかわすユーモアに、思わずクスリとさせられる。説明台詞やあざとい扇情を極力排除し、見る者にいろいろと想像させてくれるという豊かな行間を置く“大人の演出”も見事だ。

 そんな本作品もいよいよ折り返し地点に達し、年内最後の週「愛いっぱいの器」(12月23〜28日放送)では、喜美子の父・常治(北村一輝)が不治の病で他界する。SNSでは多くのファンが常治の死を悲しむ一方、「死んで今までの蛮行がチャラになると思ったら大間違い」といった厳しい意見も見受けられた。つまりこの常治は、実に視聴者の反応を二分するキャラクターだった。

 亭主関白の頑固親父で飲んだくれ。山っ気が強いのに商才がなく、いつまでたっても金が身につかない。頭に血が上れば怒鳴る、手が出る、ちゃぶ台をひっくり返す。おまけに娘たちの進路を独断で決めてしまう。「ふわごこち」重視の傾向をたどる近年の朝ドラとは一線を画し、「The 昭和の親父」を豪速球でぶち込んできたな、といった印象だ(とは言っても、向田邦子やジェームス三木が描いたハードコアな「昭和の頑固親父」に比べれば、まだまだソフトな方なのだが……)。それだけに「家族への愛情は揺るがない、愛すべき不器用親父」と見るか、「娘を抑圧し束縛する狭量親父」と見るか、常治という人物をどの視点から眺めるかで、その反応は両極に分かれたのではないだろうか。

 『スカーレット』の登場人物は、とにかく造形がリアルで、脚本家の水橋文美江氏と、制作統括の内田ゆきプロデューサーはこの部分に相当力を入れたと思われる。そのリアルさは、人物が抱え持つ「欠け」の部分もあるがままに存在させているからこそ、生まれるものだろう。登場人物が、実際にその世界のなかで「生きている」と感じさせるゆえんもここにある。焼き物の凹凸や色合いが光の当て方によってさまざまな表情を見せるように、背中合わせで併存しながら反転を繰り返す人間の「美点」と「欠点」。どこをどちらととらえるかは見る側が決めることで、作り手側が見方を誘導したりしない。バッシングも覚悟のうえだろう。「精魂込めて作りました。感じるままに、自由に受け取ってもらえたら」という制作陣の矜持と視聴者への敬意が感じられる。まさしく常治というキャラクターは、そういった本作品の「真面目な作劇」の産物であり、視聴者の反応が両極化したのも自然な成り行きと言えるだろう。

 また、登場人物の「過去」と「行動原理」に矛盾がないのも、登場人物にリアルさを与えている。常治は、大正の時代に生まれ、早くに両親を亡くした過去を持つ。学校もろくに行けずに丁稚奉公で叩き上げ、独立して商売を興すもうまくいかず、愛する家族を残して徴兵された。2人の兄は戦死し、復員しても仕事に恵まれず、借金ばかりが膨らんだ。生まれ育った境遇に、戦争が追い打ちをかけた。登場人物それぞれに残る「戦争の爪痕」をきっちりと描くこのドラマの中でも、ことさら戦争に翻弄された人生を送ったのが常治だ。

 そんな過去を持つ常治は、「氏素性は争われぬ」の価値観が色濃い戦前派のいちモデルであり、一方の喜美子は「奮闘努力さえすれば望む道に進める」戦後派のいちモデルだ。この父娘の世代間ギャップと衝突、そして「それぞれの言い分」は、昭和30年代に限ったことではなく、現代に連綿と受け継がれる光景ではないか。

 広い世界を知らず、「金なし・学なし・教養なし」が生む負の連鎖から抜け出せない父と、外に出て人生の師と出会い世界が開けていく娘との対比が痛烈だった。信楽に戻り、絵付けの師匠・深野心仙(イッセー尾形)に心酔する喜美子に、常治が放った言葉が今も重石のようにずしりと響く。

「世間のどんだけの人間がやりたいことやってると思っとんねん。好きなこと追っかけて、それで食える人間がどんだけおる思とんねん」

 夢を叶えられないどころか、夢を持つことさえできない側の人間の悲哀が、喜美子と、そして視聴者にこれでもかと迫ってくる。だからこそ、その一握りの「好きなこと追っかけ」る人になれた喜美子は、これから命がけで陶芸と向き合っていかねばならないのだろう。

 北村一輝の魂の芝居が胸を貫く。『土曜スタジオパーク』(NHK)に出演した際、常治役への取り組みについて聞かれた彼は、「朝ドラは毎日見られるもの。だから嘘やごまかしはすぐバレてしまう」と、その覚悟を語った。スタッフの気概と役者の本気が呼応しあって作りあげた唯一無二の「ヒロインの父」が、そして戦後日本のどこかにいたであろう「市井のお父ちゃん」が、確かに『スカーレット』の世界で「生きていた」。常治が事切れる寸前のシーンの臨場感と壮絶さは、朝ドラの新たな地平が切り開かれた瞬間であった。

 ところで「朝ドラあるある」の一つとして、「太陽と月のキャラクター配置」というのがある。ヒロインを「太陽」に喩えるなら、映し鏡として相対する「月」にあたる人物が登場する。たいがい「月」は「太陽」の親友、ライバル、同性の家族のいずれかで、ときに見守り、ときにツッコミ役にまわり、ときにヒロインの発奮材料となる。また「月」は、ヒロインにとっての「もしかしたらこっちだったかもしれない」姿を体現する存在とも言え、つまりヒロインの物語の陰に隠れた裏面史でもあるのだ。

 『ちゅらさん』(2001年)ならえりぃ(国仲涼子)に対しての真理亜(菅野美穂)、『ちりとてちん』(07年)なら喜代美(貫地谷しほり)に対しての清海(佐藤めぐみ)だ。『カーネーション』(11年)では糸子(尾野真千子)と奈津(栗山千明)が、『あさが来た』(15年)ではあさ(波瑠)とはつ(宮崎あおい)がその関係性と言える。

 では『スカーレット』で、「太陽(喜美子)」に対しての「月」は誰か。ヒロインを見守り、ツッコみ、発奮剤になり、裏面史でもある……これ、常治ではないか? ヒロインの「月」が父親。これは、それだけ父娘の関係が密であるということだろうし、ほかの朝ドラとは違うこのドラマの重要なポイントとも言える。

 「太陽と月」の構図を考えたとき、喜美子に不器用な愛情を注ぎながらも、いつも娘の前に立ちはだかり、めんどくさい存在である常治の「勝手」が、実は事を動かしていることに気づかされる。

 常治が勝手に“拾ってきた”草間宗一郎(佐藤隆太)は、喜美子の最初の「師」となる。「大阪行きたない」と泣く喜美子への「夕焼け見てこい」という禅問答のような言いつけは、喜美子に「緋色の原風景」とお守りとなる焼き物の欠片をもたらした。常治の独断で決めてきた働き口、大阪の荒木荘では、2人目の師匠・大久保のぶ子(三林京子)や、その後の人生で重要なメンターとなる庵堂ちや子(水野美紀)と出会う。さらに、常治の都合で喜美子を信楽に呼び戻したことで、絵付けの仕事とその師匠・深野心仙に出会わせ、やがてのちの夫となる十代田八郎(松下洸平)、そして陶芸の道に引き合わせる。

 娘を手の内に留めようとする常治の思いとは裏腹に、無自覚のまま喜美子を外の世界に羽ばたかせるきっかけを与えるのが、なんとも皮肉であり、このドラマの面白さだ。「金なし・学なし・教養なし」の常治の不器用な親心が、結果として喜美子に「技術」や「学」や「教養」を授ける、「知らぬ間のギフト」に涙を禁じ得ない。亡くなった常治の戒名は「常光良道信士」。欠けたり満ちたりしながら常に喜美子を月の「光」で照らし「良い道」に導いていたのは、まぎれもなく常治だった。

 喜美子にとって大好きなお父ちゃんであり、同時に枷でもあった常治が逝った。増築費用の月賦と、めんどくさい重石と、大きなギフトを残して逝った。これからがまさに喜美子の人生の第2章というわけだ。あれだけ「腹の足し」になるものしか信じなかった常治が、家族から贈られた絵皿を前に今際の際、「(ものづくりとは)心を伝えるいうことやな」と発した。その言葉を抱いて、喜美子はこの後、どんな陶芸家になっていくのか。月を失い、これから彼女は自力で「赤い太陽のように」光らなければならない。年明けから始まる新たな物語を見守りたい。

佐野華英(さの・かえ)
ライター/編集者/タンブリング・ダイス代表。エンタメ全般。『ぼくらが愛した「カーネーション」』(高文研)、『連続テレビ小説読本』(洋泉社)など、朝ドラ関連の本も多く手がける。

CUBERS・末吉9太郎が自ら選ぶ! お気に入りの「オタクあるある動画」ベスト3発表!!

――2019年もあとわずかで終了。芸能界、政界、スポーツ界、あらゆる世界で激動続きだったこの1年を、個性豊かな著名人の方々に振り返ってもらいました。今回は、「オタクあるある動画」がSNSで累計1.5億回以上再生されるなど、いま大注目を浴びている5人組ボーイズグループ・CUBERSの末吉9太郎さんが登場。アイドルオタク「よしえ」に扮した9太郎さんが、さまざまなシチュエーションでの「オタクあるある」を表現する動画は、今年多くの人々の爆笑と共感をかっさらい、「よしえ」の決め台詞「それなー!」もブームになっている中、果たしてご本人が選ぶお気に入り動画ベスト3とは?

■末吉9太郎が選ぶ! お気に入り“オタクあるある動画”ベスト3
【1位】
「MCで推しが昔の話題を出した時に大袈裟に笑って周りにマウントを取る古参オタク」

理由:そんなに言わなきゃいけない台詞もなく、撮ってる最中もただ楽しんで撮れました。撮り終えて、自分で動画を確認した時もゲラゲラ笑っちゃって、つられ笑いもしたし、こういうオタクいるし、一番お気に入りですね。定期的に見ます。

【2位】
「推しグループのMVが公開されて優勝するオタク」

理由:スクショ祭はオタクなら全員やる! 僕もやる! MVが公開されたら全オタクが優勝するので、この動画は我ながらお気に入りです! スクショの音がちゃんと入ってるのも可愛い。

【3位】
「ツイッターで繋がってるオタクに現場で初めて会ったオタク」

理由:とにかく数字が伸びた(笑)。「11万いいね」はとってもびっくりしました! 沸いたー! 指原(莉乃)さんがリツイートしてくれたのもこの動画で、通知欄に指原さんの名前を見つけた時は手が震えました。ライブハウスでお馴染みのLIQUIDROOM前っていうのもポイントです。

まだ世に出していない「よしえ」のマル秘設定は?
 CDもめちゃめちゃ積むし、いつも強気でマウントも取るし、現場ではオタクたちのお姉さん的存在だけど、推しに干されてこっそり家で1人泣いてることもあります。

■2019年のベストニュースは?
◎世間のニュース
カントリー・ガールズ活動休止
 嗣永桃子さんが愛を持って育ててきたグループが活動休止してしまう、こんな寂しく切なく悲しいことはないなと。この発表がされてから、数日間「VIVA!!薔薇色の人生」をずっと聞いていたんですが、カントリーのメンバーの皆さん、卒業されていったメンバーの皆さんには1人残らず全員、幸せになってほしいなと思います。

◎個人のニュース
ほぼほぼモーニング娘。としてメジャーデビュー!!
 つんくさんの楽曲、夏まゆみ先生の振り付けでメジャーデビュー。ほぼほぼモーニング娘。としてデビューできて、とてもうれしいです。

■2020年に制作してみたい“動画”は?
 最近、マウントを取る系の動画をあまり上げていなくて、やったにしてもソフトなマウントなんで、がっつりこてこてにマウントを取る動画は撮りたいですねぇ(笑)。

末吉9太郎(すえよし・きゅうたろう)
5人組ボーイズグループ・CUBERSメンバー。ハロー!プロジェクトの大ファンで、アイドルにあこがれ続けたものの、オーディションに 8 年間落選、しかし、ついに念願かなって合格し、CUBERSとして活動を開始。特技はピアノ弾き語り、自撮り、お絵かき。2020年の予定は「企画でMVPを獲って、ソロ曲を制作してもらえるになりました! お楽しみにー! それなー!」(9太郎さん)とのことで、今後も目が離せない。

CUBERS公式サイト(http://cubers.jp/)
末吉9太郎公式Twitter(https://twitter.com/9taro_cubers)
YouTubeチャンネル「9太郎の9ちゃん動画」(https://www.youtube.com/channel/UC-gb0FmFMDjNT17XXEPOC-Q/featured)

【米エンタメ2019年】ヒップホップ界における「男らしさ」、ディズニー進歩路線を阻む中国……ショービズ界の社会正義はどうなる?【渡辺志保×辰巳JUNK対談(下)】

 渡辺志保さんと辰巳JUNKさんによる、2019年米ショービズ界を振り返る対談は、これが最終回。ヒップホップ界における「男性らしさ」の変化、アーティストの融和路線、そして多様な人種をキャスティングして挑戦的な作品を作ってきたといわれるディズニーの進歩路線と中国資本の影響など、ショービズ界における「社会正義」について語ってもらいました。

【米エンタメ2019年総決算】カニエ「宗教に傾倒」、カーダシアン家「コントロール不能」、ビヨンセは「優等生すぎ」!?【渡辺志保×辰巳JUNK(上)】

【米エンタメ2019年総決算】2019年はボディポジティブで稼いだセレブ、来年は環境系ビジネスに注目!?【渡辺志保×辰巳JUNK対談(中)】

――近年は「#MeToo」ムーブメントからさらに進んで、アメリカでは「有害な男らしさ(トキシック・マスキュリニティ)」という概念が広がってきたように思います。カミソリメーカー「ジレット」が1月に啓蒙的なCMを作って大きな話題となりましたし、ブラッド・ピット主演の『アド・アストラ』(2019)も作品の根底には男らしさへの懐疑といったテーマがあったように見受けられます。お二人は、それを象徴するようなニュース、出来事で印象に残っているものはありますか?

渡辺志保さん(以下、渡辺) 私はヒップホップ界隈を中心に見がちなんですが、ここ1~2年、どんどん「マスキュリニティ」自体をどう表現していくか、その意味合いも含めて変化してきていると感じました。

――長年ヒップホップ界隈は男性社会で、成功の証しとして「家・車・オンナ」を歌ってきたし、ミソジニー(女性蔑視・女性嫌悪)やホモフォビア(同性愛嫌悪)が強い業界といわれてきましたが……。

辰巳JUNKさん(以下、辰巳) ヒップホップ界隈だと、ジェイ・Zの動きは早かったと思います。2017年に発売したアルバム『4:44』に収録された「Smile」という曲では母親が同性愛者だと告白しているし、ライブでは客席にいる女の子に向かって「いまのアメリカは人種差別主義より、性差別のほうがキツい。でもきみは何にでもなれるんだよ。きみが信じれば大統領にだってなれる」と語りかけたニュースもインパクトが大きかった。彼はヒップホップ界のスーパースターじゃないですか。そういう人が性差別を認めたのは大きい。ケンドリック・ラマーも賛否はあれど「フォトショップ修正していない、ストレッチ・マークがついたリアルな体のほうがいい」とラップして話題になったり、その次はドレイクが女性スターを集めて称賛した……。

渡辺 「Nice for What」のMVですね。

辰巳 ドレイクゆえに商業的というか、なんかあざとい(笑)。でも「あざとい」と言われようと、スーパースターがそういう動きを見せたのは、やっぱり大きな変化ですし。今年は何より女性ラッパーの活躍が目に見えて大きいから、確実に時代は変わってきてますよ。

渡辺 辰巳さんのおっしゃる通りだと思います。そして、ここに至るまではカニエ・ウェストの動きも大きかったのでは、と。彼はファッションデザイナーとして活動していることもあって、ルイ・ヴィトンやバルマン、クリスチャン・ディオールの人たちと付き合い始めたんですよ。メゾン界は同性愛者の男性も少なくないと思うのですが、そういう人たちと仕事することを全く厭わない。ヒップホップはマッチョなイメージ強いから、男性は常にダボダボのファッション、でかい服を着て体をでかく見せることがひとつのスタンダードだったんです。その中でカニエがタイトなファッションに身を包んで、同性愛者のデザイナーと行動を共にするのは、大きなブレイクポイントだったと思うんです。

 その後にオッド・フューチャーというクルーが台頭してきて。オッド・フューチャーには、レズビアンのシドがいたり、「初恋の相手は男性だった」とカミングアウトしたフランク・オーシャンがいたりと、ジェンダーやセクシャリティの観点から見ても非常に多様性に富んだクルーなんです。それが世界規模で人気を得た。同じ頃に人気を得たエイサップ・モブというクルーのエイサップ・ロッキーも、アレキサンダー・ワンやリック・オウエンスなどのファッションブランドとも仲良く付き合っていて、彼自身もフェミニスト。そういう下地がヒップホップのシーンにはあったんです。

 今年は、ミーガン・ジー・スタリオンやリゾ、去年大ブレイクしたカーディ・Bら、言いたいことをはっきり言って、自分がいいと思う姿のままで作品を作り続けるような女性アーティストが台頭してきた。なので、ヒップホップにおけるミソジニー、マスキュリニティはここ5年ぐらい、すごいスピードで変わってきていると感じます。

辰巳 タイラー・ザ・クリエイターが今年新作アルバム『IGOR』を出したんですが、その中に「A BOY IS A GUN」という曲があって。もともとフェミニストのスローガンの「A GIRL IS A GUN(女性を弱い存在と決めつけるな)」というフレーズを逆転させて「A BOY~」とすることで、「どんなジェンダーや性別でも、恋愛関係は銃のように危険だよな」という曲になっているらしくて。もともとタイラーは過激な歌詞を書いたことで、オーストラリアから入国拒否されたこともあって……。

渡辺 そうそう。彼はかつて蔑視用語である「Faggot」(男性同性愛者を侮辱する言葉)を多用して、人権団体から抗議されたこともあったんですよ。でも彼の周りにはフランク・オーシャンやシドがいて、もともとそういうコミュニティの中にいたからこその発言だったのかなとも思うんだけど。

辰巳 しかも本人も、男性に対するセクシャリティをほのめかしている。そういう経緯もあって、なおかつそんな彼がセクシャリティについて考えさせるような曲を作り、売れているという現象を含めて、多様になっているのがおもしろいですよね。

渡辺 アメリカで今年一番売れたのはリル・ナズ・Xの「Old Town Road」ですが、彼も自分がゲイだとカミングアウトしてます。あれは飛び道具的なヒット曲ではあるけど、「Billboard Hot 100」で19週連続1位という大記録を更新するほどのヒット曲を歌っているラップアーティストが同性愛者だというのは、興味深いトピックとして挙げられると思います。

――去年に続いてカーディ・Bの躍進がすさまじく、一方でラップ界の女王ニッキー・ミナージュは「アデルとコラボした」と軽はずみなリップサービスし、それを真に受けたファンからバッシングされたり、結婚・引退宣言をしたり(その後すぐ撤回)、なにか空回りしているような空気がありました。

渡辺 カーディはセールス的な面もすごいのですが、彼女は10代の頃からストリッパーとして働いていて、それを隠すことなく、SNSでのぶっちゃけキャラとしても人気を博した。ニッキーは、その反対なんですよ。彼女もメジャーデビュー前は露出度高い格好で売っていたんですが、メジャー契約した途端に「バービー」になった。ピンクのウイッグをつけて、ジャケ写でもありえないくらい脚を長くして、自分をお人形さんに仕立て上げて、ラッパーとしてのキャリアを築いていった。彼女はリル・ウェインやドレイクがいるヤングマネーというクルーに所属してるんですけど、その中の紅一点という形でデビューしたんですよ。カーディにそういうクルーはおらず、自分ひとりでのし上がった。今はもう「自分」をどんどん出していって、セルフメイドなアーティストじゃないと成功しないことを、カーディが証明したのかなと私は思っていて。今年リゾとかミーガン・ジー・スタリオン、キャッシュ・ドールといった女性ラッパーがブレイクして、いろんな女性ラッパーがいていいんだよという扉を開いたのが、カーディだったんじゃないかなと思います。

辰巳 今まで「ヒップホップのクイーンは1人しかいない」と神話的な感じでいわれてたらしいんですけど、カーディが2週連続1位を獲った後にリゾが1位を獲ったり、いろんな女性アーティストが出てきたということは、その神話が崩れて、もっとバラエティー豊かになるんじゃないのかな。あとポップシンガー含む、女性アーティストの融和路線が目立ってきているといわれていて、リゾやビリー・アイリッシュもそうですが、ほかのアーティストとケンカしない。これまでケイティ・ペリーとレディー・ガガがレーベルに楽曲のリリース日をぶつけられたことがあったけど、最近はそういうのもないですね。

渡辺 ティナーシェという黒人女性アーティストが、「男性ラッパーは何百といるのに、黒人女性アーティストといったら、ビヨンセかリアーナしか聞こえてこない」みたいなことをインタビューで言っていて。多分それはヒップホップ界の女性ラッパーにとっても同じで、ここ10年ぐらい席がひとつだけっていう時代だったんでしょうが、今年はラプソディやイギリスのリトル・シムズといった女性ラッパーたちも素晴らしいアルバムを出している。しかもそれがちゃんと評価されている。当たり前ですけど、ヒップホップだけを見ても、男性アーティストは誰かひとりだけに絞るなんてない。ジェイ・Zもカニエもケンドリックも同時代に売れてるし、ほかにもいろんな席がある。女性ラッパーもそういった状況になり始めてきているのかなと、去年~今年、非常に感じるところですね。

――融和路線でいえば、長年いがみ合っていたケイティ・ペリーとテイラー・スウィフトが今年電撃和解をしましたが、辰巳さんはどう見ていましたか?

辰巳 あれも融和路線ですよね。融和路線は多分、アリアナ・グランデの「thank u, next」という曲ぐらいからブームになってきていて。アリアナが曲で元カレたちをディスるのかと思ったら、彼らとの付き合いを肯定して前に進むような、ポジティブな感じのムードが生まれましたね。最近は明るいポップなムードの曲のはやりが戻ってきて。テイラーも、その流れについてきていますね。明るく友好的な愛を説いている。

渡辺 辰巳さんは、2020年はどういうムードになると思いますか?

辰巳 どうなんですかね。2019年は、キャンセルカルチャー(炎上や批判などによって商品やサービスを停止に追い込むだけではなく、特定個人のキャリアに終止符を打とうとする動き)や、行きすぎたウォークカルチャー(awake<目覚める>から派生したスラングで、不当な差別などに目覚めてアクションを起こすというもの)への批判が活発になったと聞きました。アリアナ・グランデ、チャーリー・XCXらも間接的にですが、「フェイクウォーカー」を批判したこともあったんです。この場合、「フェイク」とつくので、社会正義運動のように見せかけて精査せずにバッシングするユーザーやメディア媒体を批判するニュアンスで、キャンセルカルチャーと距離が近い。

渡辺 あらを探そうと思えば、絶対誰もが持っているじゃないですか。

辰巳 そうなんですよ。でも批判に対して、企業側も自粛しすぎたことがキャンセルカルチャーを勢いづけた部分もあると思う。バーバリーのショーに参加したモデルが、マリン・テーマのフーディーについて「ひもが、首つり自殺のひもに見える」との批判をインスタグラムに投稿したら、メディアがすぐに「バーバリーが自殺フーディーを発売」と報じて、バーバリー側もすぐ謝る。個人的に、このケースは、議論を深めていってもよかったと思うんですが……企業側はメディア対応も大変でしょうし、すぐに火消ししたほうが商売的には楽なんでしょうね。そういったキャンセルカルチャー的な動きは、反省や再構築が進みそうです。でもアメリカのポップカルチャーがすごいのは、カニエとか、映画『ジョーカー』(2019)のトッド・フィリップス監督ら、ウォークカルチャーなどの今までネガティブ意見を言いにくかった潮流を批判したクリエイターの作品が、興行的・数字的にもトップを取っていて。

渡辺 そこがすごいところですよね。みなさんが作品として享受するし、金になるし、作品は消えない。

辰巳 いろんな議論があって、その賛否両方が作品にすぐさま取り込まれるし、それを表現した作品も受け入れられる。議論としてどっちが良い悪いという話ではなくて、ダイナミズム自体、吸収力自体がすごいところだなと思います。

渡辺 確かに日本だとキャンセルカルチャーって、炎上してなくなって終わりになることのほうが多い。

辰巳 あと「社会正義」系列でいうと、近年はディズニー映画の進歩主義路線が賛否を呼んでいるわけですが、実はハリウッドの劇場大作は世界各地で売り上げを立てなきゃいけない。業界として一番重視しているのが中国市場なわけです。セクシャルマイノリティを感じさせるシーンを入れると、中国などで規制されるリスクがある。実写版『美女と野獣』(2017)やフォックスの『ボヘミアン・ラプソディ』(18)が複数の国で規制対象や騒動になってからは(※1)、ハリウッド・スタジオ全体が抑えめになってきていると報道されています。それはキャンセルカルチャーとかじゃなく、国家介入、表現規制の問題ですよね。

渡辺 しかも今ハリウッドって、中国資本が至る所に入ってるわけですから。

辰巳 ドルチェ&ガッバーナの事件(※2)のように、本当に市場から締め出される恐怖もある。NBA騒動(※3)もありましたし、2020年以降は他国市場のコンテンツ検閲リスクに関する議論が大きくなるのではと思っています。今は自由でクリエイティブといわれている「ネットフリックス」も、競争の中で国際展開重視になってきてるし、新しい実験的な作品を出すというスタイルは続けられないかもしれない。なので、2010年代はいろんな議論や反発があり、ウォークカルチャーのストレスもたまっているんですが、将来2010年代を振り返ったときに、「1970年代みたいに自由とか開放とか革命とかがあったよね」「中国とかインドの興行をあまり気にせずに作品を作れた時代だった」と言われる可能性もあると思います。国際情勢を考えたら、グローバル展開コンテンツがアメリカ的自由を世界中で貫くというのは難しいかもしれない。

――今まではアメリカの自由を流布できたけど、今後は中国とかインドで受け入れられるものに、どうしても近づかざるを得ない?

渡辺 インドは今、エンタメ的にボリウッド時代とは違う注目のされ方だと感じます。「Spotify」でも「デシラップ」という公式プレイリスト(現在はインドの国番号を用いた「+91」というタイトルに改名)が人気を集めています。「デシ」ってインド系、またはインドに近いバングラデシュなどの南アジア系の人々や文化を指す言葉とのことで、場合によっては差別的な意味合いを持つので、Spotifyのプレイリストも改名されたのではと思うのですが。今年、アカデミー賞の短編ドキュメンタリー賞を撮ったのが『ピリオド ―羽ばたく女性たち―』という作品なんです。これはインドの女の子たちの生理事情、ナプキンなどの生理用品が手に入らず、でもそれをどうにかしようという内容の、30分のショートドキュメンタリー。それがアカデミー賞を受賞して、かつネットフリックスで公開されている。インドは今、経済的にもすごい勢いで発展しているし、人材的にも優秀な人がそろっている国。今後アジアは、韓国・日本・中国ではなく、インドや東南アジアが注目されていく時代なのかもしれません。

辰巳 そうですね。ビジネス的にも、インドの時代といわれてます。

渡辺 だから、どうアジアが発展するかで、アメリカにおけるアジアの立ち位置や、カルチャーの流れも変わっていくと思います。

※1 『美女と野獣』はマレーシアで、『ボヘミアン・ラプソディ』は中国で、キャラクターが同性愛者だと感じさせるシーン、カミングアウトするシーンが削除・修正された

※2 もともとドルチェ&ガッバーナの中国向け広告動画において、「不自由そうに箸でピザを食べる」といった描写があり、人種差別的だと批判が相次いだ。その後、とあるインスタグラムユーザーが、同ブランドのデザイナー、ステファノ・ガッバーナとのやりとりの中で、彼が中国を侮辱するようなコメントをしたとスクリーンショット付きで拡散(ステファノはアカウントが乗っ取られたと主張)。予定したファッションショーが中止になったほか、中国最大のネットショッピングサイト「アリババ」や百貨店、免税店などが同ブランドの商品の取り扱いを中止するなど、事実上、中国市場から締め出された形となった

※3 米プロバスケットボール(NBA)のヒューストン・ロケッツのジェネラルマネジャー、ダリル・モーリー氏が、香港でのデモを支持する旨をTwitterに投稿。これに対し、NBAをスポンサードしていた中国企業が出資の取りやめ・一時停止を次々と発表し、中国におけるNBAの放映権を持つテンセントも一時放映を停止した。その後、ダリル氏は該当ツイートを削除したが、米メディアやファンは「NBAから表現の自由が失われる」と批判。後日、スポンサードの一時停止が解消され、試合の放映も再開されたが、米中共に禍根を残す形となった

 

万引き犯に「おれと結婚してくれないか」と口説かれ……Gメンが呆れた「生活保護老人」の顛末

 こんにちは、保安員の澄江です。

 仕事柄、万引き事件に関する報道は、毎日必ずチェックしていますが、長年にわたって万引きの現場に携わってきた私から見ても、近頃の事案は目を疑う内容のものばかりです。特に衝撃を受けたのは、連続発生した警察官による万引き。なかでも、山形県警の警視(49)による事件には驚愕しました。地元で交通安全講習の講師を務めた帰り、県内にある百貨店の食品売場に立ち寄って、牛タンやタラバ蟹の缶詰(1個・5,400円)などを複数ずつ盗んで逮捕(被害総額は1万3,000円相当)されたそうです。報道によれば、声をかけた女性保安員を突き飛ばして、20メートルほど逃走した後、たまたま居合わせた人たちに取り押さえられたとのこと。事後強盗(窃盗犯が、財物の取り返しを防ぐため、逮捕されることを免れるため、または、罪証隠滅のために、暴行・脅迫をすること)にもなり得る事案といえ、我が事として立場を置き換えて考えてみれば、とても許せる内容ではありません。犯行理由を問われた警視は、なんで盗んでしまったのか自分でもわからないと供述しているそうですが、盗んだモノや数から判断するに初めてのこととは思えず、常習性を感じてしまいます。

 また、車やラブホテルを根城にして、埼玉県下で万引きや店舗荒らしなどを繰り返していた泥棒一家の摘発も衝撃的でした。盗みの実行役は父親と息子で、盗品を高値で買い取らせるために磨き、換金するのは母親や長女といった具合に役割分担していたそうで、家族で組織的な犯行に臨む暮らしぶりは昔の盗賊のように思えます。盗んだモノを食らい、換金することで生活してきた一家の行く末を思うと、暗澹たる気持ちにさせられました。

 失うモノのない人が、一番強い。

 近頃は、規範意識はおろか、モラルの欠片もない、いわゆる志願兵(刑務所に入りたくて万引をする人)をはじめ、「無敵の人」による犯行が目立ちます。万引きだけでは警察に相手にしてもらえないからと、声をかけてきた店の人や保安員に暴行をして、留置場入りを目指す人まで存在するのです。もはや、年金や生活保護などを受給できる立場にあるだけでも、幸せなのかもしれません。今回は、とある生活保護受給者を捕らえた時のことについて、お話ししていきたいと思います。

 この日の現場は、関東郊外にある公営ギャンブル施設に隣接する食品スーパーL。夕方のピークを迎えて、メインの出入口を見渡せるパン売場に佇んで、入店者のチェックをしていると、居合わせた男性客から突然に声をかけられました。

「ねえ、お姉さん。どのあんぱんが、一番うまいと思う?」

 反射的に顔を見上げれば、70代前半と思しき見知らぬ男性が、人懐こい顔で私の顔を見ながらニヤニヤしています。大きめの顔についた小さな目と、数本の歯しか残っていない幅広い口が印象的な笑顔は、アンパンマンに出てくるカバオくんを彷彿させ、どこか憎めない感じがしました。

「いつもこれを買うけど、口に合うかしら」
「へえ……。小さいのが、たくさん入っているなあ。ねえ、一緒に食べない? 今日はボートで勝ったから、ごちそうするよ」
「あらー、ありがたいわね。でも、時間ないから遠慮しとくわ」

 酒とするめいかが混じったような臭い呼気を吸わないように顔を背けて誘いを断ると、その場で地団駄を踏んでみせたカバオくんが、少し大きめの声で悔しそうに言いました。

「なんだよ。今日は、大勝ちして金あるから、遠慮しないでいいのに……」

 まるで旧知の知り合いのように話しかけてくるので、微笑みながら軽くいなして立ち位置を変えると、あんぱんをカゴに入れたカバオくんは、続けて草大福を手に取って売場を離れていきます。草大福を握った手をカゴの中に入れたまま歩き始めたので、それが気になって後を追えば、まもなくしてズボンのポケットに隠してしまいました。先ほど、お金があると自慢していたのは、周囲を油断させるためのことだったのでしょうか。カバオくんは、草大福をポケットに隠したまま、素知らぬ顔でカゴにある商品の支払を済ませ、購入した商品を袋に詰めると出口に向かって歩いていきます。

(お饅頭ひとつだけだし、面倒くさそうな人だから、見送ってしまおうか……)

 そんな気持ちで行動を見守れば、カバオくんは出入口脇に設置された生花売場の前で立ち止まり、一対分の生花を手にして店の外に出て行ってしまいました。

(やっぱり、声をかけないとダメね)

 出入口脇にある駐輪場で、使い古された自転車のカゴにレジ袋を入れたカバオくんに、警戒されぬよう親しげに声をかけます。

「もう、お帰りなの? なにか、お忘れじゃないかしら?」
「ああ、あんぱん? あげるからウチで一緒に食べようよ。女房が死んでからは、おれひとりだから、大丈夫。汚いアパート住まいだけど、金はあるよ」

 身分を明かすことなく声をかけてしまったのが悪かったのか、随分と勘違いしている様子のカバオくんに、あらためて用件を告げます。

「私、実は、このお店の保安員なんです。あんぱんじゃなくて、草大福とお花のこと、ちょっと聞かせてもらいたいのよ」
「ああ、花と大福は、死んだ女房の仏壇にあげるんだよ。すぐそこだから、線香でもあげてやってよ」
「そうじゃなくて、ちゃんとお金を払っていただかないと困るんですよ。ちょっと事務所まで来てもらっていいかしら」
「ああ、そうだ。うっかりしちゃったなあ。面倒だから、ここで払うよ」

 カバオくんは、ズボンの後ろポケットから、使い込まれて四隅が白くなった黒革の二つ折り財布を取り出し、中身を見せつけるように財布を開くと、新券の1万円札を取り出して私に押し付けました。財布の中には、大量の1万円札が束で入っており、一見して100万円近くあるようにみえます。

「迷惑かけたから、釣りはいらねえよ」
「そういうわけにはいかないのよ。事務所で払ってもらっていい?」
「仕方ねえなあ」

 事務所で身分を確認させてもらうと、カバオくんは73歳。子どもはおらず、身寄りもないそうなので、ガラウケ(身柄引受人のこと)は用意できそうにありません。被害を確認すると、計3点、合計894円となりました。財布には、90万円ほどの現金が入っており、なぜ盗んだのか気になります。

「こんなにたくさんお金あるのに、どうして払わなかったんですか?」
「お供え物にお金つかうの、もったいないじゃない。すぐダメになっちゃうし、誰も食べないから」
「そんなことしたら、仏様が可哀想ですよ。ひどいなあ」
「ああ、あんた、優しい人だな。よかったら、おれと結婚してくれないか。生活保護をもらっている関係で、安アパート住まいだけど、博打で年に1000万は稼いでるから金はあるんだ。おれと一緒にいたら贅沢できるよ」

 まるで反省していない様子で、楽しそうに私を口説き続けるカバオくんに呆れた店長は、いつもなら出さない被害届を「今回は、出す」と意気込みました。これから警察対応を始めるとなると、間違いなく残業となり、経費負担が増します。早く帰宅したい一心で、再考するよう仕向けてみましたが、店長の意思を変えることはできませんでした。

 まもなく駆けつけた警察官が、カバオくんの身体捜検と犯歴照会に続けて、自転車の防犯登録を確認します。すると、その自転車が盗品であることが判明。一時は逮捕もあり得る雰囲気になりましたが、悪運が強いのか基本送致される(逮捕、拘留されることなく書類送検されること)に止まりました。

「おい、とっつあん! こんなに金を持っているんだから、生活保護なんて必要ないだろう」

 所持金の出所を自慢気に話してしまったがために、警察から市役所に通報されることにもなり、生活保護の支給まで見直される様相です。2人並んでベンチに座り、迎えのパトカーを待っていると、ようやくに自分の立場を理解したらしいカバオくんが、ひどく落ち込んだ様子で呟きました。

「えらいことになっちゃったなあ」
「仏様にひどいことした罰なのかもしれないわね」

 少し意地悪気に話すと、不意に背筋を伸ばしたカバオくんが、神妙な面持ちで手を合わせて祈り始めます。

「母ちゃん、おれが悪かったよ。勘弁してくれ……」

 盗んだモノを仏前に供えるなど、決して許されることではないのです。
(文=澄江、監修=伊東ゆう)

「メンタル強すぎ」「黙っててほしい」エゴサーチをしていると告白し話題になった芸能人3人

 女優・広瀬アリスが、12月12日放送の『バゲット』(日本テレビ系)』に出演。趣味が、ネットで自身の名前を検索する「エゴサーチ」であることを告白し、ネット上で驚きの声が上がった。

「番組で広瀬は『10分に1回、エゴサーチしてしまう』と語っており、ネガティブな意見を見つけた時は、ソファーに携帯電話を投げていることを明かしました。それでも感情を抑えられない場合は、『その人の(SNSの)アカウントに行って、めっちゃその人(の投稿を)さかのぼって、どんな人生を歩んできたか見る』そうで、『それすらもちょっと楽しい』とコメント。広瀬の発言に、ネット上では『メンタルが強すぎる』『エゴサーチごときで鬱になるなら、そもそも芸能人なんてやってないか』『10分ごとに検索するのは、自意識過剰なのでは?』など、いろいろな意見が飛び交いました」(芸能ライター)

 また、俳優・賀来賢人は10月27日放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)に出演した際、自身がドラマで主演を務める際はエゴサーチをしていると語った。

「賀来は『主演の時は気になる。(自分の演技について)ちゃんと良いことも悪いこともわかっておいた方がいいな』という理由からエゴサーチをするとのこと。しかし、『生理的に無理な顔』などネガティブな書き込みを見つけることもあるといい、『作品のことを調べていたんだけどなって……』と複雑な心境を明かしています」(同)

 演技力向上のためにエゴサーチを行っているようだが、視聴者からは「『ニッポンノワール』(日本テレビ系)は不評だったし、落ち込まないの?」「演技への評価はともかく、『生理的に無理』とかはさすがにかわいそう」「匿名の悪口なんか、気にする必要はない」など同情する書き込みがあった。

「広瀬や賀来のほかにも、エゴサーチしていると公言した芸能人がいます。タレント・鈴木奈々もその1人。7月8日放送の『有田哲平と高嶋ちさ子の人生イロイロ超会議SP』(TBS系)に出演した鈴木は、エゴサーチについて『めちゃくちゃします』とコメント。『悪口がめちゃくちゃ書かれてますね』と自虐しながらも、『でもそういうのを見ながら勉強したりします』とバッシングを学びに変えているそうです」(同)

 また、朝の情報番組に出演した際には、「うるさい」というコメントが噴出したようで、「ちょっと静かめにしようとか。エゴサーチを見て勉強してます」と反省したという。ネット上では「謙虚な姿勢に好感を覚える」と称賛する声もあったが、「そのわりには何も変わってないでしょ」「だったら、黙っててほしいんだけど」など辛口コメントも続出した。

 我々がTwitterやインスタグラムなどに何気なく書き込んだコメントは、一部の芸能人には届いているようだ。
(立花はるか)

「メンタル強すぎ」「黙っててほしい」エゴサーチをしていると告白し話題になった芸能人3人

 女優・広瀬アリスが、12月12日放送の『バゲット』(日本テレビ系)』に出演。趣味が、ネットで自身の名前を検索する「エゴサーチ」であることを告白し、ネット上で驚きの声が上がった。

「番組で広瀬は『10分に1回、エゴサーチしてしまう』と語っており、ネガティブな意見を見つけた時は、ソファーに携帯電話を投げていることを明かしました。それでも感情を抑えられない場合は、『その人の(SNSの)アカウントに行って、めっちゃその人(の投稿を)さかのぼって、どんな人生を歩んできたか見る』そうで、『それすらもちょっと楽しい』とコメント。広瀬の発言に、ネット上では『メンタルが強すぎる』『エゴサーチごときで鬱になるなら、そもそも芸能人なんてやってないか』『10分ごとに検索するのは、自意識過剰なのでは?』など、いろいろな意見が飛び交いました」(芸能ライター)

 また、俳優・賀来賢人は10月27日放送の『ボクらの時代』(フジテレビ系)に出演した際、自身がドラマで主演を務める際はエゴサーチをしていると語った。

「賀来は『主演の時は気になる。(自分の演技について)ちゃんと良いことも悪いこともわかっておいた方がいいな』という理由からエゴサーチをするとのこと。しかし、『生理的に無理な顔』などネガティブな書き込みを見つけることもあるといい、『作品のことを調べていたんだけどなって……』と複雑な心境を明かしています」(同)

 演技力向上のためにエゴサーチを行っているようだが、視聴者からは「『ニッポンノワール』(日本テレビ系)は不評だったし、落ち込まないの?」「演技への評価はともかく、『生理的に無理』とかはさすがにかわいそう」「匿名の悪口なんか、気にする必要はない」など同情する書き込みがあった。

「広瀬や賀来のほかにも、エゴサーチしていると公言した芸能人がいます。タレント・鈴木奈々もその1人。7月8日放送の『有田哲平と高嶋ちさ子の人生イロイロ超会議SP』(TBS系)に出演した鈴木は、エゴサーチについて『めちゃくちゃします』とコメント。『悪口がめちゃくちゃ書かれてますね』と自虐しながらも、『でもそういうのを見ながら勉強したりします』とバッシングを学びに変えているそうです」(同)

 また、朝の情報番組に出演した際には、「うるさい」というコメントが噴出したようで、「ちょっと静かめにしようとか。エゴサーチを見て勉強してます」と反省したという。ネット上では「謙虚な姿勢に好感を覚える」と称賛する声もあったが、「そのわりには何も変わってないでしょ」「だったら、黙っててほしいんだけど」など辛口コメントも続出した。

 我々がTwitterやインスタグラムなどに何気なく書き込んだコメントは、一部の芸能人には届いているようだ。
(立花はるか)

【100均ずぼらシュラン】セリア「お薬ポーチ」他5アイテム【週間まとめ12/23~12/27】

安くてお得に日用品を買いに行ったつもりが、あれもこれもとカゴに入れてしまう100均ショップ。「超便利!」とほくそ笑むグッズもあれば、「買わなきゃよかった……」なトホホなグッズも潜む、魑魅魍魎な100均ワールドのアイテムを、ズボラなアラサー女子が私見全開で斬る「100均ずぼらシュラン」、今週のまとめです。

ダイソー【メイクブラシ専用クリーナー】

【100均ずぼらシュラン】セリア「お薬ポーチ」他5アイテム【週間まとめ12/23~12/27】の画像1

エタノールや防腐剤などを使用したメイク道具専用の合成洗浄剤です。汚れの落ち具合は?

セリア【お薬ポーチ】

【100均ずぼらシュラン】セリア「お薬ポーチ」他5アイテム【週間まとめ12/23~12/27】の画像2

透明なEVA樹脂のポーチ。大きめサイズで、大量のお薬が収まります。ポケットつき。

ダイソー【シリコントング(大、ステンレス取っ手)】

【100均ずぼらシュラン】セリア「お薬ポーチ」他5アイテム【週間まとめ12/23~12/27】の画像3

先端がシリコーンゴムで覆われたトング。200円の商品です。

ダイソー【エンボスステッカー】

【100均ずぼらシュラン】セリア「お薬ポーチ」他5アイテム【週間まとめ12/23~12/27】の画像4

“アルファベット”や“数字”を使って小物を装飾できるステッカー。手書き文字風のエンボスタイプ。

セリア【のばしてラクラク背中洗い Nカラー】

【100均ずぼらシュラン】セリア「お薬ポーチ」他5アイテム【週間まとめ12/23~12/27】の画像5

“ねじりパン”のような見た目の背中洗いです。伸縮性抜群。

この記事も読まれています

【100均の収納アイテム・DIYグッズ】おすすめアイテム27選!【ダイソー・セリア・キャンドゥ・ワッツ】

ダイソー、セリアの商品をチェック! 100均ずぼらシュランバックナンバー