羨望、嫉妬、嫌悪、共感、慈愛――私たちの心のどこかを刺激する人気芸能人たち。ライター・仁科友里が、そんな有名人の発言にくすぐられる“女心の深層”を暴きます
<今回の有名人>
「今のように私のお金はあてにできなくなるから」小島慶子
ウェブサイト「OTEKOMACHI」インタビュー(12月24日)
人の本音は言葉に表れると信じている人は多いのではないだろうか。もちろん、それに異論はないが「言葉なら、いくらでも繕える」という部分もある。偽らないその人の本音が表れるもの、それはカネに対する態度もしくは行動ではないだろうか。
例えば、眞子さまとの婚約を延期中の小室圭氏。2017年12月26日号の「週刊女性」(主婦と生活社)が、小室氏の母親と元婚約者X氏との間に400万円の金銭トラブルが起きていることをすっぱ抜いた。これがきっかけで、国民の間に「眞子さまは小室家に嫁いで大丈夫か」という議論が起こり、因果関係は不明だが、宮内庁が18年にご婚約・ご結婚の延期を発表した。「女性自身」(光文社)の取材に答えた国際弁護士・清原博氏によると「X氏には借用書もないそうですし、裁判で勝てるなんの保証もありません。話し合いでの解決を模索するほかないでしょう。小室さん側が400万円はあくまで贈与だと主張し続けるならば学費や生活費を支援してもらったことへの謝礼という意味合いで誠意を示してもらうしかありません。返済ではなく、和解金や解決金という名目であれば、400万円の一部を小室さん側に支払うのが現実的な解決法だと思います」という。
となると、小室氏側はX氏と話し合って、ある程度のお金を“お支払い”すればいいわけだが、そのような動きの気配はない。19年12月5日号の「女性自身」では、小室氏の代理人を務める弁護士が、眞子さまと小室氏について「普通にお付き合いされている男女と同じぐらいの頻度では、連絡を取り合っているようです」とコメントしている。小室氏の行動から推測するに、彼は「眞子さまと結婚する意志は変わらないが、金銭トラブルを解決する(カネを払う)気はない」と見ることができるだろう。そこからは、小室氏のなんとも自分本位な本音を窺い知ることができる。
◎小島慶子の言う「エア離婚」は、男女平等に反する?
言葉だけでなく、カネに対する態度で、その人の本音を分析できるのではないか――元TBSアナウンサー・小島慶子が、読売新聞の運営するウェブサイト「OTEKOMACHI」で明かした「エア離婚」を知った際も、私はそう思った。「エア離婚」とは、子育てが終わったら離婚することを前提とした夫婦が、同居生活を送ることを指すのだという。
インタビューによると、小島が長男を出産し、産後クライシスに陥ったとき、夫は「人道的にありえないこと」をした(ありえないことが何を指すのかは、明かしていない)という。しかし、小さな子どもを育てなければなかったので、小島は必死でそのことを忘れようとした。6年前、夫が仕事を辞めたことを機に、小島家はオーストラリアのパースに移住。夫は専業主夫となり、小島は東京にやってきて仕事をするというスタイルを取ることにしたそうだ。
そんな小島だが、次第にお子さんの子育てにも手がかからなくなり、一家の大黒柱として働くようになったことで「お前、だいたい、あんなことしやがって」と夫への怒りが噴出し、関係をあらためて考えるようになったという。そこで、「子育てが終わった時点で離婚したいと思っていることを理解してほしい」と夫に訴え続け、夫も納得してくれたそうだ。なお、現在のところ、法的な手続きはしていないので、家族の形に変わりはないとのこと。
出産後の夫の仕打ちで、離婚を考えるという話はよく聞くし、「許せない」という感情は理屈ではないから、許す必要もない。エア離婚も法的な離婚もありだろう。しかし、ちょっと疑問に思うのだが、このエア離婚、そこに発生するカネの話を踏まえると、小島が常日頃掲げる「男女平等」には反しないのだろうか?
◎小島慶子のモラハラっぽさとは?
『直撃!シンソウ坂上』(フジテレビ系)が、小島のオーストラリア生活に密着したことがあった。その際、小島の長男が「『行ってみたらどうかな』という提案の時点で、ママがものすごく気合が入っているのがわかったから、多分行くんだろうなと思った」と、移住が小島主導であると明かしていた。お子さんたちは、オーストラリアの生活に適応できて学生生活を楽しんでいるようだが、小島の夫は、そうでもないらしい。オーストラリアにやって来た当初、英語が苦手なので、学校の先生からのメールの意味がわからず、面談をしても先生の言っていることがわからない。毎日不安で「今でもずっと落ち込んでいる」とも話していた。それに対し、小島は自分一人で家族を養わなくてはいけないプレッシャーと孤独を感じていたとし、「『何で仕事辞めたの!?』とか、『本当にあなたが仕事を辞めたから、怖くてしょうがないんだけど』とか言っちゃったんだよね」と語っていたのだ。
公務員や国家資格保持者のように食いっぱぐれのない職業ならともかく、女性一人で家族を養っていくのは、ものすごいプレッシャーだろうと想像がつく。しかし、その一方で素朴な疑問がわく。夫に働いてほしいのなら、オーストラリアに行かない方がよかったのではないか? 確率で考えるのなら、日本にいた方が仕事は見つけやすいと思うのだ。
さらに言うと、小島家のオーストラリア生活の要は、夫が専業主夫で子どもの面倒を見ることではないだろうか。海外だと学校の仕組みも違うし、言葉も生活習慣も異なる国にやって来た子どもの精神的なケアも欠かせない。信頼している人が子どもを見てくれているという安心感があればこそ、小島も日本で仕事ができるのではないだろうか。夫が日本で再就職する可能性を摘んで、オーストラリアにやって来たわけだから、夫を責めるのはお門違いではないかと感じる。
「OTEKOMACHI」のインタビューで、小島は夫に「数年後、実際に離婚することになったら、今のように私のお金はあてにできなくなるから、自立の手段を考えておいてください」と言ったと話していたが、民法的にはアリでも、「私のお金」という言い方もどうだろうと思ってしまう。男女を逆にして考えてみると顕著になるが、男性が専業主婦の女性に対して、給料を「オレのカネ」と言ったら、モラハラっぽくないだろうか。小島はウェブサイト「日経DUAL」のエッセイで「地位や収入に関係なく『平等』があるって知らないなら、それって暴力じゃないか?」と書いているそばから、収入はない(ただし、家事や育児を担っている)夫を下に見て、平等に扱っていないように感じられる発言をしているのである。
離婚に備えて、夫に自活の道を探せと言うのは、「準備期間は長いに越したことがないのだから、親切心によるものだ」と思う人もいるかもしれない。しかし、異国の地で英語が得意でもない、そう若いとも言えない人が仕事を探すのは相当な苦労が予想される。かといって、子どもがいるから日本に帰って、職探しもできない。そうなると夫は、「離婚されないため」に、小島の顔色を窺って過ごすしかなくなるのではないか。考えれば考えるほど、小島の行為はモラハラっぽく感じられる。男女平等実現のために、女性の人権が軽視されている現状を訴えてきた小島だが、夫へのこの仕打ちから考えると、女性の人権を考えているというより、自分が被害者意識を持ちやすく、自分を傷つけた人には復讐しなければ気が済まない人に見えて仕方ない。
◎小島慶子は永遠の乙女ではないか
昨年、小島は『幸せな結婚』(新潮社)を上梓し、ニュースサイト「ハフポスト」の取材を受けている。その中で、小島は夫が仕事を辞め、収入が少なくなった時に「自分の中にあったすごく保守的な男性観が、正体を現したんです」と話している。具体的に言うと、「夫がちょっと高い髭剃りとか買おうものなら『買ってあげる』と言ったり」「結局、(自分の中に)働かない男性を見下す気持ちがあったんですね。思っていたような、進歩的な女じゃなかったんだなと、ショックでした」と語っているのだ。
そうか、今頃気づいちゃったのかというのが、私の感想だ。進歩的な女は、女子アナにはなろうとしないし、なれないというのが私の意見だ。幅広い層が視聴するテレビでは、多くの人に好かれる必要がある。よってテレビ局が、育ちと見た目と頭がよく、口ではどうこう言っても、根がすれていない保守的なお嬢さんであることを女子アナに求めるのは当然のことだし、恵まれている自覚と実績がなければ、女子学生も女子アナ試験を受けないだろう。経済力のある男に媚びるのが嫌だから、高収入である女子アナになったと、小島は各インタビューで話している。高収入オトコに威張られるもの嫌だけど、無職のオトコを養うのも嫌。本当の自分はこんなんじゃない。いつも理想を探してさまよう小島は、私には永遠の乙女のように見えてならない。
(仁科友里)