田中圭、おっさんずラブで「ブリッコおじさん」がエスカレート! この路線と覚悟を決めたか

 シーズン1のファンから批判され、運営サイドの“やらかし事案”もいくつか露呈しているテレビ朝日系ドラマ『おっさんずラブ -in the sky-』だが、主演である田中圭の演技についても、変化が出ているようだ。

「田中圭が演じる春田創一は、おっちょこちょいで多少おバカな面があるけど、真面目な青年という設定。大まかなキャラクターはシーズン1のときとそこまで変わっていないんですが、作風のコメディー感が高まっているということもあってか、田中圭の演技が大げさになっていて、“ブリッコ”度合いが増しています。この演技を“かわいい”と喜ぶ視聴者がいる一方で、“おじさんのブリッコは見てられない”という視聴者も多いようです」(テレビ誌記者)

 この田中圭の“ブリッコおじさん路線”は、『おっさんずラブ』のシーズン1とシーズン2の間に出演した日本テレビ系ドラマ『あなたの番です』でエスカレートしたと言われている。

「『あな番』では、年上の妻に甘える年下夫というキャラを演じていましたからね。『おっさんずラブ』の春田創一よりも、単純にブリッコなシーンが多いんです。『あな番』を経たことで、田中圭としても自然と“ブリッコおじさん”へと向かってしまったのかもしれません」(同)

 私生活では、どちらかというとワイルド系で決してブリッコではないと言われている田中。もちろん、そういった男臭い田中圭を求めるファンも少なくないはずだ。しかし、今はあえてブリッコおじさん路線を極めるべきだという意見もある。ドラマ関係者は語る。

「絶対的な主演俳優は、その人らしいキャラクターを持っていることがほとんど。たとえば木村拓哉は“どんな役を演じても木村拓哉になる”と言われていますが、それだけ本人のスター性が強いということであり、だからこそ、代わりがいない俳優として高額なギャラが支払われるわけです。

 これまで、田中圭は3~4番手くらいの位置でいろいろな役を演じられる俳優として重宝されていましたが、その分ギャラも安かったし、休む暇もなかった。でも、田中圭のキャラクターが確立されて、絶対的主演俳優になれれば、ギャラも上がるし、スケジュールにも余裕が出る。つまり、いろいろな役をやるよりも、ブリッコおじさんを極めたほうがメリットが大きいんです。事務所としても、忙しいけど売上が少ない俳優よりは、少ない仕事で大金を稼ぎ出す俳優のほうが有り難いわけで、田中圭のブリッコ化は望むところだと思います」

 “ブリッコおじさん”のキャラクターでスターとなった俳優など、ほとんど聞いたことがない。つまり、強力なライバルはおらず、田中圭がブリッコ界のトップになるのは決定的。そういう意味でも、狙わない手はないはず。今後、40代、50代になってもブリッコを続ける田中圭を見られる……かもしれない。

米倉涼子『ドクターX』“20%神話”がついに崩壊で、シリーズワースト視聴率更新も濃厚に

 米倉涼子が主演する人気ドラマ『ドクターX~外科医・大門未知子~』(テレビ朝日系、木曜午後9時~)の第9話が12日に放送され、視聴率は18.2%(ビデオリサーチ調べ、関東地区・以下同)だった。前週より0.8ポイントアップしたもの、伸び悩みが続いている。

 同話では、日本のロックスター“勇チャン”こと九藤勇次(宇崎竜童)が東帝大学病院に痔の手術のため入院する。ところが検査の結果、九藤は未知子(米倉)が過去に患ったことがある後腹膜肉腫のステージ3と判明。成功する確率は五分五分で、その厳しい状況の中、未知子がオペに臨むという展開だった。

 同ドラマのファンから“不要論”が続出していた、「ゲスの極み乙女。」のボーカル・川谷絵音は、デビュー曲の再生回数9億回を誇る若きシンガーソングライターで、同病院に極秘入院した、新津多九也役で出演したが、登場シ-ンが少なかったため、それほど大きな批判の的にはならなかった。恒例の主要キャストの“お休み”は遠藤憲一、オリエンタルラジオ・藤森慎吾、戸塚純貴、河北麻友子の4人だった。

 同話までの平均は18.4%となり、今回の第6シリーズの平均視聴率が20%を超えるためには、残された最終回(第10話)で35%近い数字が必要。同ドラマシリーズの最高視聴率は第3シリーズ(2014年)最終回(第11話)の27.4%で、平均で20%を突破するのは絶望的となった。

 同ドラマシリーズの平均視聴率は、第1シリーズ(12年)こそ、19.1%で大台を割ったが、第2シリーズ(13年)が23.0%、第3シリーズが22.9%、第4シリーズ(16年)が21.5%、第5シリーズ(17年)が20.9%で、4シリーズ連続で20%を超えていた。テレ朝としては、今シリーズも大台突破を見込んでいたが、その“神話”は崩壊することになりそうだ。

 また、過去ワーストだった第1シリーズの平均視聴率を超えるためには、最終回で25%以上が必須。前シリーズの最終回(第10話)では25.3%をマークした実績があるが、今シリーズの大台突破はは初回(20.3%)のみで、かなり困難な数字。そうなると第1シリーズを下回って、過去最低記録を更新する可能性が高くなった。

「ワンパターンですし、さすがにマンネリ感は否めませんが、“高視聴率男”木村拓哉が主演する『グランメゾン東京』(TBS系)が11~12%台で低迷する中、平均18%台を維持しているのは立派です。今回、平均20%の大台を割り込んだとしても、テレ朝のキラーコンテンツであることに変わりはありませんし、連ドラでこれだけ高い視聴率をはじき出せるドラマシリーズは、ほかにないですよ。来年続編があるかどうかはまだわかりませんが、同局は第7シリーズの制作に向け、米倉側に熱烈オファーを出すのは間違いありません」(テレビ制作関係者)

 前シリーズまでのように20%台連発とはいかなかった今シリーズだが、最終回でグッと上げて、有終の美を飾ってほしいものだ。

ダレノガレ明美、批判受けて猛反論も冷静さを求める声が続々「間違い指摘されて被害者面?」

 タレントのダレノガレ明美がネット上からの批判に猛反論して話題になっている。

 ダレノガレは10日に投稿したツイートの中で、住宅地に下りてきたイノシシについて「イノシシの居場所をとってしまってるのは人間だよね」「だから、危ないけれどもイノシシを殺さないでほしいな」とツイート。ネット上で賛否両論を招いていた。

 そんな中、ダレノガレはこの投稿について「じゃあ、お前がイノシシ育てろよ」という否定意見が出たといい、「さすが私のアンチ!!」と苦言。さらに、「アンチがどんなに私を叩いても擦り傷より痛くないからな!!私のSNSくらい書きたい事書かせなさい!」と主張した。

 その後、12日にもツイッターを更新し、「指殺人を私にしようとしている方。私が死ぬ前に自分の指がもげるよ」(原文ママ)と、自身のアンチファンに対し警告。さらに、「私にそんなの効かない。何年炎上してると思ってるの?」とタレント業を始めて以降、これまで何度も炎上していることを明かし、「炎上怖くて発言抑えてたら自分が自分じゃなくなるよ!」「人の目気にして発言致しません。だから、私を精神的に追い込もうとしても時間の無駄」と、力強くつづっていた。

 この投稿にダレノガレのツイッターには、「めちゃくちゃ格好いい!」「メンタル強いな~!」といった声が集まっていたが、一方では、「正論返されてそれに対する反応が『追い込もうとしてる』『指殺人にしようとしてる』だの。さすがにそれは……」「間違い指摘されて被害者面ってちょっと変だよ」「誰でもかれでもアンチ認定して済ませないで、まともな指摘があるんだからそこだけ読んで欲しい」などと、冷静さを求める声も多く寄せられていた。

 イノシシは害獣とされており、放っておけば人間の命を脅かすことも。そもそもダレノガレのイノシシに関する見解に疑問の声が集まっていたことだけに、こうした開き直りには驚きを隠せないファンも多かったようだ。

サイゼリヤさん、2019年10月版の「間違い探し」ちょっと簡単になってませんか?

「わざわざ調べるほどじゃないけど、なんか気になる」「知らなくても損しないけど、どうせなら覚えておきたい」……日常にあふれる“素朴なギモン”、ズバッと聞いてきました!

 学生時代はドリンクバーだけ注文して延々とおしゃべり、家族を持てば子どもと安心してゆっくり食事を楽しみ、老後はご近所の仲間たちとワイン片手にランチに興じる……。全世代の“憩いの場”として存在するファミリーレストランといえば、イタリアンワイン&カフェレストラン「サイゼリヤ」だろう。

 同店の“人気コンテンツ”といえば、キッズメニューに掲載されている「間違い探し」。昨年7月には、これまでの間違い探しをまとめた書籍『サイゼリヤのまちがいさがし』(新星出版社)が発売されたほどで、3カ月に1回更新される問題を楽しみにしているファンは多い。

 キッズメニューの表紙と裏表紙に書かれたイラストを比較し、10個の間違いを見つけるだけなのだが、これがとにかく難しい。筆者もサイゼリヤに行くと、料理が運ばれてくるまでの間に間違いを10個見つけようと挑戦するのだが、「え!? あと3個、どこ!? 全然わからないんですけど!?」とうろたえているうちに、「ミラノ風ドリア」が到着してしまう。結局最後は、間違い探しの熱狂的なファンのブログを見て、答え合わせをしている。

 しかし、今年10月に更新された問題で“異変”が起こる。ネット上に「今回の間違い探し、すごい簡単じゃなかった?」「普通に全部見つけられて逆に驚き……」「“キャベツとアンチョビのソテー”が出てくる前に全部見つけられる程度には簡単」といった声が噴出したのだ。筆者の実感としても、今回は難なく10個間違いが見つかってしまった。一体、なぜ急に難易度が下がったのだろうか。もしかして、「難しすぎる!」とかいう、空気の読めないクレームが入ったのか……? 気になったので、直接聞いてみた。

「サイゼリヤさん、2019年10月版の『間違い探し』ちょっと簡単になってませんか?」

サイゼリヤ総務部 広報担当者(以下、担当者) 難易度を下げようとは、特に意図していませんでした。「簡単だ」というご意見が多いのであれば、お客様の“間違い探しレベル”が上がってきているのかもしれませんね。次の問題は、少々難易度を上げる必要がありそうです。

――おお、なんと好戦的な答え! 難易度って、どのように調整しているんですか?

担当者 キッズメニューの間違い探しは、「料理を待っている間も楽しく過ごしていただきたい」と考えて作成しています。なので、大人が約15分で解けるレベルを想定しており、見つけやすいネタを7~8個、残りは少し難しいネタを入れるようにしていますね。何名かの社員に被験者になってもらい、実際に時間を測りながら調整する……といった形で社内で検証を重ね、問題を練り上げています。

 なんだこの、間違い探しにかける情熱は……!? サイゼリヤが“ファミレス”だということを忘れそうである。

――そんな練りに練ったネタを、よりスムーズに見つけるコツを教えてください。

担当者 お子さまのほうが早く答えを見つけることが多いんですよ。出題者の狙いを探るなど、“先入観”がないからかもしれませんね。ヘタな勘繰りはせず、純粋な目で見比べるのが、解答のコツかもしれません。

――純粋な目……大人が失いがちなものですね……。今後も間違い探しは掲載し続けますか?

担当者 今後も続けていく予定です。食事は料理だけでなく、“その場を楽しむ”ことも大事だと考えています。これはイタリア語で「La Buona Tavola.」といい、私たちがお客さまに体験していただきたい、豊かな食事体験のことをいいます。料理を待つ時間を楽しむことも、その一環。これを補助するツールとして、間違い探しで盛り上がっていただければ幸いです。

――ちなみに、過去から現在までで、最も難しかったのはいつの間違い探しですか?

担当者 次回の間違い探しが一番難しいと思います。お楽しみに!

 老若男女を夢中にさせる、サイゼリヤの間違い探し。過去最難問だろうと、次回も「ミラノ風ドリア」が運ばれてくる前の攻略目指すぞ~!
(有山千春)

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Sexy Zone・中島健人、GENERATIONS・白濱亜嵐と「よく目が合う」不思議な関係を告白

 Sexy Zoneメンバーが交代でパーソナリティを務めるラジオ『Sexy ZoneのQrzone』(文化放送)。12月9~12日の放送には、中島健人と佐藤勝利が登場。11日の放送回で、『ベストアーティスト2019』(11月27日放送、日本テレビ系)の裏話が語られた。

 年末はすでに多数のスケジュールが入っており、クリスマス当日もグループで仕事があるというSexy Zone。しかし、中島は「クリスマスシーズンの歌番組って、なんかワクワクしない?」と、多忙な中でも仕事を楽しんでいる様子。中島いわく、大型歌番組などでは、放送開始とともに“ドカーン”と音が鳴り響くことがあるそうで、それを出演者全員が集まる舞台裏で聞くのが好きなのだという。

 「耳を塞ぐんですよ、女の子のグループとかは」と、周囲の行動を観察しているらしい中島だが、自身は最近「(音に)慣れちゃったんですよ」とのこと。「だから、耳を塞ぐ人を見て楽しむ立場になったわけ」と明かし、また実は「そんな耳塞ぐ必要ないやん」とも思っているとか。一昨年からは、「耳を塞いでいる共演者の目の前で、“塞がない俺”を見せつける」ことを楽しんでいるそうで、これには佐藤がすかさず「やめたほうがいいと思いますよ」とツッコミ。「かっこよくないと思う」と、冷静に中島を諭していた。

 一方で、最近中島は音楽番組に出演すると、GENERATIONSのメンバーとよく目が合うのだそう。『ベストアーティスト2019』でも、「エレベーターが締まる瞬間に白濱亜嵐くんと目が合って、エレベーターが閉じるっていう“エモい瞬間”がありました」とのこと。佐藤から「(白濱と)友達なんですか?」と質問されるも、中島は「いわゆるアレだよ……“目が合う友”」と曖昧な回答をするのだった。

 とはいえ、Sexy ZoneとGENERATIONSのメンバーは同世代のため、中島いわく「そんなしゃべんないけど、(目が)合うと『うーす』みたいな。ジェネさんのメンバーみんなそうなのよ」と、フレンドリーにあいさつを交わす間柄ではあるよう。しかし、佐藤は「(目を)合わせにいってるんじゃないの? ケンティーが」と懐疑的。続けて「合わせにいってんのよ。俺はだって、たぶん目が合ったこと1回もないもん」と否定しつつ、「やっぱりケンティーが“ライク”な印象を与えてるわけよ」と、中島の人柄によるものだと感じている様子。これには中島も「うれしいけどね。そうやって輪が広がっていくっていうのも」と喜び、最終的にはGENERATIONSとの「コラボ」に思いを馳せていた。

 この放送にファンからは「ジェネとコラボしてほしいな! 絶対かっこよくなる!」「まずはラジオにGENERATIONSさんを呼びませんか!?」とコラボを熱望する声のほかに、「GENERATIONSのメンバーとやたら目が合うのは、彼らが健人くんのことを大好きだからだよ。よくラジオで健人くんの話してくれてるよ~」という情報も。いつか本当にSexy ZoneとGENERATIONSのコラボが実現するかもしれない。
(華山いの)

ヘイトスピーチに刑罰を課す条例が川崎市議会で可決。その歴史的な意義とは

 川崎市議会でヘイトスピーチの禁止を含んだ、「差別のない人権尊重のまちづくり条例」が可決された。この条例が画期的なのは、ヘイトスピーチへの刑事罰を盛り込んだところである。

 この条例により、ヘイトスピーチに関する違反を3回繰り返した場合、警察などに告発することが可能になり、裁判で有罪となれば最高50万円の罰金が科せられる。ヘイトスピーチに対して刑事罰が盛り込まれた法律・条例は初である。

 ヘイトスピーチに関する法律はすでに存在する。2016年には一般的に「ヘイトスピーチ解消法」と呼ばれる、「本邦外出身者に対する不当な差別的言動の解消に向けた取組の推進に関する法律」が施行された。

 しかし、これは「理念法」であり、具体的な規制や罰則は設けられていない。結果的に、街頭でもインターネット上でも、ヘイトスピーチは垂れ流されているのが現状だ。

 では川崎市の条例は現状の打開策となり得るのか。市民団体・ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワークで、ヘイトスピーチへのカウンター活動などを行ってきた山田貴夫氏に話を聞いた。

山田貴夫
ヘイトスピーチを許さないかわさき市民ネットワーク事務局。フェリス女学院大学・法政大学非常勤講師。主な著書に『新 在日韓国・朝鮮人読本』(梁泰昊氏との共著/緑風出版)、『外国人は住民です』(江橋崇・編/学陽書房)など。

──今回の条例可決の意義について教えてください。

山田貴夫(以下、山田) 川崎市ではこれまで何度もヘイトスピーチが行われてきました。公的な施設を利用して集会が行われたこともありますし、駅前での街頭宣伝も繰り返し行われています。
 そうした流れのなかで、在日コリアンなど多くの外国人が暮らす、桜本にヘイトスピーチを叫ぶデモ隊が向かってきたことまであります。
 こういった動きを止めるには「警告」だけでは力を発揮できない。実際、彼らが公的な施設を利用するときはヘイトスピーチをしないよう警告したうえで許可することもあるんですけど、「はい。分かりました」と言いながら、後でYouTubeなどに公開された当日の模様を見てみると、ひどいヘイトスピーチをしていることが頻繁にある。
 そういう意味では、今回の条例で刑事罰の対象となることは、実効性をもたせるという意味では適切な措置だろうと思っています。

──これでヘイトスピーチはなくなるでしょうか。

山田 ヘイトスピーチをする人たちは確信犯でやっている人たちですから、今回のような条例ができても恐らくやめることはないと思うんですね。
 でも、この条例によって「ヘイトスピーチは犯罪なのだ」と社会に向けて発信することができるので、市民に対する啓発・教育効果という意味では、今回の条例でヘイトスピーチをすれば「罰則がつく」ということには大きな意味があるだろうと考えています。

──ヘイトスピーチに対する規制に反対する人々は、しばしば「表現の自由」を論点にあげます。

山田 日本も加入している人種差別撤廃条約という国際条約があって、これをもとにヘイトスピーチ規制に関する法律や条例はつくられています。
 人種差別撤廃条約に基づいてつくられた人種差別撤廃委員会でも「表現の自由」との兼ね合いに関する議論はありました。
 それが記されている一般的勧告35のなかでは、<人種主義的ヘイトスピーチから人びとを保護するということは、一方に表現の自由の権利を置き、他方に集団保護のための権利制限を置くといった単純な対立ではない。すなわち、本条約による保護を受ける権利を持つ個人および集団にも、表現の自由の権利と、その権利の行使において人種差別をうけない権利がある。ところが、人種主義的ヘイトスピーチは、犠牲者から自由なスピーチを奪いかねないのである>とあります。
 つまり、ヘイトスピーチには、マイノリティーの人々の「表現の自由」を萎縮させる効果がある。だから、他者の表現活動を制限するような差別的な表現に関しては制約が設けられてしかるべきだと述べているわけです。
 実際、日本の司法も似た立ち位置を示しています。たとえば大阪高裁は、京都朝鮮学校を相手にヘイトスピーチを行った在特会(在日特権を許さない市民の会)に対して「憲法13条の公共の福祉に反し、表現の自由の濫用であって、法的保護に値しない」としています。

──ヘイトスピーチ規制の文脈で「表現の自由」をもちだすのは、つまるところ「“差別する自由”を認めろ」と言っているようにしか聞こえません。

山田 そもそも、ヘイトスピーチ以外でも「表現の自由」というのは100%保障されているわけではありませんよね。
 名誉毀損にあたるような発言をすれば罰せられますし、公務員の政治活動など制約を受けるものもある。

──今回の条例には日本社会にとって歴史的な意義があると思うのですが、とはいえ、「50万円以下の罰金」という罰則はずいぶん甘めだなと思う部分があります。
 たとえばドイツでは、「ナチスドイツを讃美する」「ホロコーストを否認する」といった言動・行動を禁止するために、刑法第130条に「民衆扇動罪」という罰則があり、最長で5年の刑が科せられますよね。

山田 そうはいってもやはり「表現の自由」の議論に対する配慮はありましたし、あと、将来的に極右的な市長に変わった際、変な拡大解釈をされて逆に危険な条例となる可能性もありうるので、慎重な手続きを経ることになったという面はあると思います。

──マイノリティーを守るためにつくられた条例が、権力者に利用される可能性を勘案したわけですね。

山田 そうですね。
 それよりも課題だと思うのは、ヘイトスピーチに関しては基本的に「事後処理」であることです。
 公共施設の利用を許可しないといった対応はできますが、事前に中止命令などは出すことができません。
 ヘイトスピーチが行われた後に市民からの指摘に基づいて審議会が審議をし、ひどいものについては個人の氏名や団体の名前を公表、そして裁判へというかたちになっている。
 事前規制ができないというのは残念だと思いますが、一方で、表現の自由への配慮としては、やむを得ないのかなとも思います。

──マイノリティー側の人々、特に子どもは、「この社会には、自分たちの属性や出自だけを理由に、強い憎悪を抱く人がいる」という事実を目の当たりにするだけで、後々に大きな影響をおよぼすような傷が残りますよね。
 今回の条例ではインターネット上における差別的な表現は対象外ですし、まだまだ議論を続けることが求められています。

山田 インターネットを利用した不当な差別その他の人権侵害の救済に、市は必要な支援を行うとしていますが、市が削除要請などをしても運営会社がどういう対応をするのか、まだ未知数ですね。

(取材、構成、撮影:編集部)

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働くほど不幸になるシステムっておかしくない? 非正規雇用者を襲うアリ地獄『家族を想うとき』

 真面目に働けば働くほど、生活は苦しくなり、幸せが遠のいていく。矛盾した話だが、それが今ある格差社会の現実だ。休みなく働き続けても、暮らしはまるで楽にならず、身も心もボロボロになってしまう。社会派映画の巨匠ケン・ローチ監督の最新作『家族を想うとき』(原題『Sorry we missed you』)は、下流層から抜け出そうと努める平凡な家族を襲う悲劇を描いたシビアな作品となっている。

 主人公は英国のニューカッスルで暮らすターナー家の家長であるリッキー(クリス・ヒッチェン)。これまで多くの現場で肉体労働に従事してきたリッキーは、このまま誰かにこき使われるだけの人生はごめんだと、一念発起して個人事業主になることを決意する。リッキーが選んだ業種は、宅配ドライバーだ。大手宅配サービス会社とのフライチャンズ契約だが、自分の力量次第で大きく稼ぐことができるという。ネットショッピング全盛の今、仕事はいくらでもあった。

 リッキーの妻・アビー(デビー・ハニーウッド)は、パートの介護士をしている。リッキーは業務用のバンを購入するためのローンを組み、アビーがそれまで使っていた愛車は手放すことになる。「2年間我慢して働けば、念願のマイホームが手に入る」というリッキーの言葉に渋々ながら従うしかなかった。各地に暮らす高齢者や障害者たちの自宅を訪問するのにアビーはバスを利用することになり、1日の多くを移動時間に奪われてしまう。

 リッキーは朝早くから宅配便の集配所へと向かい、1日14時間、無遅刻無欠席で働き続ける。宅配便は届ける時間が細かく指定されており、道路の混雑や駐車スペースがなかったなどの言い訳は許されない。あまりの忙しさにトイレに行く暇もなく、車内に用意した尿瓶で用を足すしかなかった。一方のアビーも、厳しい状況に追い込まれる。痴呆症の高齢者に、アビーの家庭の内情は理解してもらえない。移動時間を考えると、どうしても手際よく仕事を進めなくてはならないのだが、相手は感情を持った人間であり、流れ作業で済むものではない。高齢者も障害者も自分の本当の家族のつもりで接してきたアビーは、つらい日々を過ごすことになる。

 リッキーは個人事業主として親会社とフライチャンズ契約を結んでいるわけだが、個人事業主とは名ばかりで、さまざまなルールで縛られている。そのルールを破ると、ペナルティーを支払わなければならず、その日の売り上げはまるで残らない。個人事業主なので、仕事で使っているバンの経費やメンテナンス料は自分で払う必要がある。リッキーが病気やけがをしても、仕事を休むことは許されない。もし、休むのなら自分で代わりのドライバーを見つけなくてはならず、さもないと違約金が生じることになる。

 両親が家にいる時間がほとんどなく、その影響が子どもたちに現れることになる。長男のセブ(リス・ストーン)は高校を休みがちになり、壁への落書き“グラフティー”に夢中になっていく。12歳の娘ライザ・ジェーン(ケイティ・プロクター)は、不眠症になってしまう。子どもたちの問題で、リッキーとアビーは口論が絶えない。家族のために懸命に働いているリッキーとアビーだが、2人が頑張って働けば働くほど、家族はバラバラになり、どんどん不幸になってしまう。

 電通で起きた過労自死事件がきっかけとなり、日本でも「働き方改革」が進むようになったものの、正規雇用の社員たちを対象にしたものがほとんどだ。非正規雇用の労働者たちは、その恩恵には与ることは少ない。リッキーのような個人事業主には、労働組合もない。相談できる仲間もおらず、毎日を綱渡りのように生き延びるしかないリッキー。そのしわ寄せが、妻のアビーや子どもたちに向かうことになる。勤勉に働き、慎ましく暮らしてきたターナー家は、一家そろってアリ地獄に陥ってしまった。英国だけでなく、日本でも現実に起きている非正規雇用者をめぐる悲劇である。

 以前は優等生だった長男のセブだが、真面目に学校を卒業しても父と同じような道をたどることになるのかと思うと、ますます反抗的になっていく。ギスギスしたターナー家に明るさをもたらしてくれるのは、末っ子のライザ・ジェーンだ。この子はとても純真で心が優しく、土曜日は父親の運転するバンに同乗して、宅配作業のお手伝いをする。娘が一緒なので、リッキーはいつも以上に張り切って働く。このシーンは本当にほほえましい。その日のターナー家は、久しぶりに一家全員で夕食を楽しむことになる。

 ところが、そんな家族の温かい光景が、さらなるトラブルを招くことに。リッキーが家族をバンに乗せていることが、顧客から親会社へと通報される。リッキーに圧力を掛けるのは親会社だけではなく、当たり前のように宅配サービスを享受している我々消費者もまたこのー家を苦しめていた。業務用の車に本人以外の人間を乗せることは業務違反になると、リッキーは警告される。リッキーはすべて親会社の言いなりにならざるを得ず、もはや何のために働いているのか、生きているのか分からなくなってしまう。リッキーは現代社会の奴隷そのものだった。

 社会を円滑に動かし、人々を平等に扱うはずのシステムがひとり歩きし、いつの間にかシステムそのものが人間を支配するようになってしまった。セブが学校で問題を起こし、親会社から派遣されている現場管理者のマロニー(ロス・ブリュースター)に仕事を早退させてほしいとリッキーは頼むが、答えはNOだった。マロニーは個人的な事情にいっさい左右されないことで、親会社の決めた流通システムを守ってきた。ひとりのドライバーの事情で、そのシステムを止めるわけにはいかないのだとマロニーは冷たい表情で語る。システムの中において、リッキーたちドライバーも、システムを管理するマロニーも、もはや人間ではなくシステムを動かすための歯車のひとつでしかなかった。

 社会福祉の問題点を訴えた前作『わたしは、ダニエル・ブレイク』(16)を最後に引退するつもりだったケン・ローチ監督だが、英国だけでなく世界中で広がる格差社会の劣悪な現状を見逃すことができなかった。20年間にわたって配管工の仕事をしてきたクリス・ヒッチェンら無名の俳優たちをオーディションで選び、これまで同様に本作もリアルなドラマに仕上げている。舞台となる集配所に集まる宅配ドライバーたちは、現役ドライバーか元ドライバーたちだ。ルールに厳格な鉄仮面マロニーを演じたロス・ブリュースターは、現役の警察官とのこと。なるほどと思わせる配役となっている。

 システムをつくった人間たちが、逆にシステムに支配されてしまっている。間違ったシステムの中で人間らしく生きようとすると、当然ながらボロボロになってしまう。おかしいものはおかしいと誰かが叫ばないと、いつまでも間違ったシステムの中で走り続けなくてはならない。量販店の名ばかり管理職は休日返上で働き続けて体を壊し、身も心も酷使する宅配ドライバーたちはわずか数年後には転職を余儀なくされる。フライチャンズ 契約を結んだ親会社に休むことを認められなかったコンビニ店長は自死へと追い込まれ、残された家族は多額の借金を背負わされた。叫びたくても、言葉にすることができずにいる労働者とその家族はもっともっと多い。

 1936年生まれ、83歳になるケン・ローチ監督は、そんな彼らの言葉にならない声をすくい上げ、観る者の心に響く作品に仕上げてみせている。願わくば、ふだん映画を観ない方たちにもご覧になってほしい。
(文=長野辰次)

『家族を想うとき』
監督/ケン・ローチ 脚本・ポール・ラヴァティ
出演/クリス・ヒッチェン、デビー・ハニーウッド、リス・ストーン、ケイティ・プロクター、ロス・ブリュースター
配給/ロングライド 12 月13日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほか全国順次公開(c)Joss Barratt, Sixteen Films 2019
https://longride.jp/kazoku/

Kis-My-Ft2・藤ヶ谷太輔、『キスブサ』2位に転落も「とても刺さった」「さすが」と絶賛のワケ

 Kis-My-Ft2の冠番組『キスマイ超BUSAIKU!?』(フジテレビ系)が、12月12日深夜に放送された。この日はゲスト審査員として、女優の佐藤仁美、モデルでタレントのゆきぽよ(木村有希)、ヴァイオリニストの岡部磨知が登場。「職場の彼女から『私たちのこといつまで隠すの』と言われた時」の対応に、Kis-My-Ft2メンバーがチャレンジすることとなった。

 この日最初に登場したのは、毎回安定して高得点を叩き出す藤ヶ谷太輔。会社の給湯室で二人きりになったところで、彼女から「私たちのこといつまで隠してるの?」と言われた藤ヶ谷は、「俺は周りに気を遣わせちゃうかなと思って言ってなかったけど、隠してるつもりは全然ない。聞かれたら答えてるし」と、自身はオープンな姿勢であると主張。

 「だから、普通にしておけばいいんじゃないかな」と続けるも、彼女がほかの社員から呼ばれてしまい、給湯室から出て行こうとする。ここで、藤ヶ谷は彼女の手を引っ張り、そっとキスをしてから「普通にしとけよ」とニヤリ。総合得点は87点と高得点で、10点満点を付けたゆきぽよは「いや、もうドMの私にはたまらないですね!」と大興奮。「最高ですね、このワンシーン全部やられてみたい!」と絶賛していた。

 一方、このところ調子がいい横尾渉も大健闘。彼女から「私たちのこといつまで隠してるの?」と言われ、横尾は「俺は隠してるつもりなかったけど」「マイコ(彼女)は嫌なのかなと思ったけど、俺、結構堂々としてたよ」と明かし、ここまでは藤ヶ谷と同じような展開。

 さらに横尾は、「じゃあ、タイミング見てみんなに言おうよ」と前向きな姿勢を見せ、「約束」と指切り。最後には「じゃあね」と彼女の頭をポンポンしてから、「あとで連絡する。愛してるよ」と告げて去っていった。結果、総合得点92点で藤ヶ谷を抜き、堂々1位に。しかし、ゆきぽよは8点で10点満点とはいかず、その理由を「藤ヶ谷さんが良すぎたんですよ! ドS気味だから……」と告白。周囲からも納得の声が上がると、藤ヶ谷は「俺知っちゃうと、結構ドMの女性ハマっちゃうんだよ」と豪語し、スタジオは爆笑に包まれた。

 この放送後、「私もドMなので、藤ヶ谷くんのがとても刺さりました……!」「藤ヶ谷さん、自分が求められていることをよくわかってらっしゃる。さすがです!」「藤ヶ谷担がドMだって、本人も自覚してるのね(笑)」など、ネット上では藤ヶ谷のファンからも大興奮の声が寄せられていた。
(福田マリ)

韓国映画『金子文子と朴烈』、“反日作品”が日本でロングランヒットとなった魅力とは?

近年、K-POPや映画・ドラマを通じて韓国カルチャーの認知度は高まっている。このコラムでは、『韓国映画で学ぶ韓国社会と歴史』(キネマ旬報社)の共著者であり映画研究者の崔盛旭の解説のもと、映画を通じて韓国近現代史を振り返り、社会として抱える問題、日本へのまなざし、価値観の変化を学んでみたい。

映画『金子文子と朴烈』(イ・ジュンイク監督、2017)

 2019年は、1919年に日本統治下の朝鮮で起こった「三・一独立運動」から100年目にあたる。今年はまた、韓国への輸出規制に端を発する反日的雰囲気の高まりがあり、さらにここ数年、歴史問題をめぐる日韓の対立が浮き彫りになる中で、韓国では植民地時代の抗日闘争や慰安婦、徴用工をテーマにした映画が次々と作られるようになった。

 韓国には、もともと「反日映画」と呼ぶべきジャンルがある。古くは戦争(韓国では、日本の植民地支配からの独立)直後の『自由万歳』(チェ・インギュ監督、1946)をはじめ、平均すれば年に1〜2本は必ずと言っていいほど作られてきた。中には正義=韓国 vs.悪=日本という単純な二項対立的構図の国策映画も少なくないが、植民地支配の歴史を考えると致し方ない部分もあるだろう。

 私も中高生時代は、学校で反日映画を団体鑑賞したものだ。教科書で学んだ植民地時代の歴史が、スクリーンの中で再現されることで、歴史に対する理解が深まると同時に、悪としての日本人イメージが自然に刷り込まれていく。反日映画は韓国における歴史教育の教材としても活用されてきたのだ。

 反日映画には大きく3パターンある。1)実在の歴史的事件を題材にしたもの、2)安重根に代表される抗日運動家の活躍を描いたもの、3)そして両者をうまく混ぜ合わせたものだ。だが同じような素材ばかりでネタ切れ感が否めず、観客にも飽きられる中で、フィクションを加えることで史実をよりドラマチックに再構成したり、日本人キャラクターに内面的な深みや人間的葛藤を持たせたり、反日映画自体も変化を遂げてきた。このような、立体的な人物像とエンターテインメントとしての完成度の高さに、反日的なムードが追い風になって成功を収めたのが、1000万人を超える観客動員を記録した『暗殺』(チェ・ドンフン監督、2015)と言えるだろう。

 その流れの中で公開されたのが、関東大震災前後の日本で抗日運動家、アナーキスト(無政府主義者)として活動した朴烈(パク・ヨル)とその妻で同志のアナーキストであった金子文子を描いた『金子文子と朴烈』(イ・ジュンイク監督、17)である。朴烈はこれまで韓国でもあまり知られていなかった人物で、韓国にしてみれば抗日をテーマにした新たな題材の発掘であり、実際に朴はこの映画のおかげで一気に注目を集めて広く知られるようになった。映画は235万人動員の大ヒットとなり、評論家からも好評、青少年に推奨すべき映画にも選ばれて「良い歴史教材」としてのお墨付きを得た。

 だが、それ以上に興味深いのは、本作が日本でもロングランヒットとなったことである。天皇制を否定した歴史上の人物を描く韓国の「反日映画」ともなれば、右翼の格好の標的にもなりかねないので、劇場公開を危ぶむ声もあったという。実際に劇場の周辺では上映を妨害しようとする人たちも少なからずおり、警察が配備されるなど物々しい雰囲気の中での公開となった。しかしふたを開けてみれば連日満員御礼でSNS上でも話題沸騰、上映館が次々と拡大する事態が待っていた。では、なぜこの映画が韓国のみならず、日本でも受け入れられたのだろうか?

【物語】
 1923年、関東大震災前後の東京。朝鮮人アナーキストたちの集会で出会った朴烈(イ・ジェフン)と金子文子(チェ・ヒソ)は互いに惹かれ合い、同棲を始める。朴らは「不逞社」という組織を作り反日活動をもくろむが、そんな中で起こった大震災では混乱の中、朝鮮人虐殺が相次ぎ、政府もそれを傍観しつつ、朝鮮人や社会主義者を無差別に検挙していった。刑務所に収監された朴は、皇太子爆弾暗殺計画の主犯とされ、共犯を名乗り出た金子とともに大逆事件を裁く法廷に立つことになる。

 映画は、日本では「朴烈事件」として知られる、朴と金子文子による皇太子爆弾暗殺計画という大逆事件の裁判を題材にしている。日本に植民地支配された朝鮮人はともかく、日本人女性が天皇制を否定し皇太子の暗殺を計画するとはなんたることかと、世間に衝撃を与えた事件だ。そんな二人が逮捕された後、天皇や皇太子について語る映画の中のワンシーンを取り上げてみよう。

朴:天皇が神だと思っているのか。天皇はただの人間だ。くそもするし、しょんべんもする。まめみたいに小さい人間。

金子:人間はみんな平等だ。この平等な人間世界を踏みにじる悪魔の権力が天皇であり皇太子だ。したがって彼らは消えるべき存在だ。

 死刑を覚悟した上での発言だが、天皇は神であり国体であると信じられた時代にここまで堂々と否定する大胆さには驚かずにはいられない。この後もはばかることなく言葉を放つ朴と文子の姿は、なかなか見応えがある。

 一方で「朴烈事件」は、政府が企んだ事件だとする説もある。震災当時、社会の混乱と不安のなかから生み出された「朝鮮人が井戸に毒を入れた」などというデマが広がり、自警団による朝鮮人の虐殺が生じたが、このことから国民の目をそらすために政府が朴と文子を利用したというのだ。映画では、この説を物語の一つの軸にしている。

 朝鮮人虐殺に関しては、多くの著作を通してよく知られている「15円50銭の虐殺」を描いている。見た目からは朝鮮人かどうかを判断できないので、彼らが苦手な発音を利用して「15円50銭」と言わせ、うまく発音できなかった者を殺害した。中には訛りの強い東北出身者が朝鮮人に間違われ、殺されたケースもあったという。いずれにせよ、震災の渦中で起きた朴烈事件の真相は今でもわかっておらず、謎の多い事件として語られている。

 韓国映画ではあるものの、日本を舞台に多くの日本人が登場する本作では、日本に住んだ経験もある文子役のチェ・ヒソをはじめ韓国人俳優らが話す日本語の自然さもまた、日本で違和感なく受容された大きな要因と言えるだろう。だがそれ以上に日本の観客にとって新鮮だったのは、金子文子という日本人女性の強さ、聡明さであり、それ故の美しさだったのではないだろうか。

 映画ではあまり語られていないが、文子の生い立ちは悲惨極まりないものだ。1903年に生まれた文子は無戸籍者のまま両親に捨てられて、親戚の家を転々とし、朝鮮に住んでいた叔母の元に預けられてからも虐待を受けた。だが三・一独立運動で虐げられながらも必死で闘おうとする朝鮮人に深く共感、帰国後は働きながら学問に励んだという。家族や社会から見放され、文字すら独学で習得した文子にとって、権力を拒否し自由を熱望することは自らの存在証明だったのだろう。アナーキストとは、国家権力だけでなく、あらゆる社会的権力、個人間の権力をも否定し、絶対的な自由の実現を信念とする者である。文子は国家も民族も、帝国と植民地のヒエラルキーさえぶち壊し、あらゆる束縛から自由になった自分自身を生き抜いて見せたのだ。

 

 さて、死刑から無期懲役に減刑した天皇の恩赦さえも拒否し、26年に獄中死を遂げた文子(自殺説・他殺説がある)とは対照的に、その後の朴の生き方には首をかしげたくなるものがある。朴は35年、獄中で転向を表明し、自分は「天皇の赤子」であると宣言する。45年の敗戦で釈放されると、反共を推し進める韓国政府に協力、50年に朝鮮戦争が勃発すると北朝鮮に連行された。後には、自ら北へ向かったとも言われるように、今度は北朝鮮の上層部で活躍し、74年に71歳で他界、平壌に眠っている。北朝鮮との関わりゆえ、韓国では長年朴烈の存在はタブーだったが、89年に抗日運動の功績が評価されて勲章が与えられ、故郷の土地には記念館も建てられている。時の権力に協力した余生によって本作の朴を批判するつもりはないが、自らを貫き通した文子と、転向を繰り返して生き延びた朴を比較した時に、どうしても文子の存在が際立ってくるのは否めないだろう。

 韓国で公開された際も文子は観客に大いに支持されたが、そこにはあくまで「朴烈を慕った日本人の文子」というフィルターが見え隠れしている。だが文子は決して朴の追従者などではない。韓国で製作された一本の反日映画が奇しくも、それまでほとんど無名だった一人の日本人女性の存在とその魅力を、多くの日本人観客に知らしめることとなった。そういう意味では原題は『朴烈』なのに対して、それを『金子文子と朴烈』と変えた邦題の方がしっくりくるのは私だけだろうか。

崔盛旭(チェ・ソンウク)
1969年韓国生まれ。映画研究者。明治学院大学大学院で芸術学(映画専攻)博士号取得。著書に『今井正  戦時と戦後のあいだ』(クレイン)、共著に『韓国映画で学ぶ韓国社会と歴史』(キネマ旬報社)、『日本映画は生きている 第4巻  スクリーンのなかの他者』(岩波書店)など。韓国映画の魅力を、文化や社会的背景を交えながら伝える仕事に取り組んでいる。

King&Prince・永瀬廉、Hey!Say!JUMP・山田涼介のファンに恐縮! 「待って!?」と慌てたワケ

 King&Prince・永瀬廉がパーソナリティを務めるラジオ番組『King&Prince 永瀬廉のRadioGARDEN』(文化放送)。12月12日の放送では、大型音楽番組『ベストアーティスト2019』(11月27日放送、日本テレビ系)にて、King&Princeと関ジャニ∞・村上信五が一緒に“熱唱”した際の裏話が明かされた。

 同番組では「ジャニーズ青春ドラマメドレー」というコーナーが設けられ、出演したジャニーズグループが人気ドラマの名曲を歌唱。最後はTOKIOの「宙船」(2006年)を全グループで歌ったが、最後尾にいたKing&Princeの中に、神宮寺勇太のジャケットを着て熱唱する村上が交ざっており、その姿がネット上で話題になっていた。

 永瀬いわく、本番終了後に村上から「みんなに『はしゃいでしもうて、ごめんな』って言うといて。楽しかったわ、ありがとう」というメールが届いたとか。「わざわざ送ってくれるあたり優しい」と感動し、永瀬は「僕もうれしかったし、楽しかったです」とメールを返したそう。

 番組の待ち時間には、ほかの先輩とも交流があったという。廊下の壁に寄りかかって携帯をいじっている嵐・松本潤を見つけた平野紫耀が、「潤くん、潤くん! 岸(優太)がジュースをおごってくれるから、潤くんもどうですか?」と声をかけたところ、岸が本当に松本へジュースをおごることになったとか。ただ、岸としては相当緊張する出来事だったようで、大汗をかいていたそう。永瀬はそんな岸の姿を写真に撮り、スタッフに見せて爆笑していたとのことだった。

 また、番組の後半では、Hey!Say!JUMP・山田涼介のファンから「先日、山田くんと『このあと食事に行く』と言っていましたが、どんなところに行ってどんなことを話しましたか?」と、質問が寄せられた。これに永瀬は「ちょっと待って!? 山田くんのファンも聞いてくれてるのは恐縮!」と驚き。なんでも、焼肉屋に行って「ゲームの話や山田くんの小さい頃……ジャニーズ入りたての頃の話とか、仕事の話とか。2時間半くらい(一緒にいた)かな」と、いろんな話をしたという。

 以前から仲が良いのかと思いきや、実はこれまでオンラインゲーム上で会話することはあっても、面と向かって話す機会は少なかったそう。永瀬は正面に座っている山田を見て、「ああ、山田くんって美しいな」とあらためて思ったとか。山田はその時メガネをかけていたというが、思わず永瀬も「見惚れちゃった」というほど美しかった様子。見た目だけではなく、山田からいろいろな話を聞いたことで、あらためて「尊敬する部分が増えた」としみじみする永瀬だった。