宋美玄氏、『とくダネ!』降板も? 山里亮太に「子どもの顔心配」発言でフジに抗議殺到!?

 6月3日に婚姻届を提出し結婚したお笑いコンビ・南海キャンディーズの山里亮太と女優・蒼井優が、同5日に都内でツーショット記者会見を行った。世間は祝福モードに包まれたが、6日放送の情報番組『とくダネ!』(フジテレビ系)で、記者会見についてコメントを求められた産婦人科医・宋美玄氏の「子どもの顔が心配な人は(山里との結婚は)無理」という発言が物議を醸している。宋氏は7日、自身のTwitterで謝罪。その後、山里本人からは「どうか気になさらないでください」という返信があったことから、この問題は収束に向かっているように見えたものの、一部関係者によれば「抗議が収まらず、フジ側も何らかの対応を迫られている」という。

「山里と蒼井との結婚が発表された当初、“非モテキャラ”の芸人と人気女優のカップルということもあり、ネット上は驚きの声であふれ返りましたが、二人揃っての結婚会見は微笑ましく、『とってもお似合い!』と祝福のコメントが飛び交いました。一方、宋氏は『とくダネ!』に木曜コメンテーターとして出演しており、6日の番組で山里と蒼井の話題を取り上げた際、『女性目線でいくと、結婚って子ども産んだりするじゃないですか』『私はちょっと……子どもの顔が心配な人は(山里との結婚は)無理だな』という言い方で、山里の容姿をイジったんです」(芸能ライター)

 この発言に、ネットユーザーからは「山ちゃんにも、蒼井さんにも失礼」などと批判が噴出。また、「人として神経を疑うような発言だけど、まさか産婦人科医が言うとは……」「医師として、失言なんてレベルじゃない」といった指摘も上がることに。

「その後、宋氏は自身のTwitterで『山里さんとは以前共演させていただいたことがあり、会見を見てその時の収録でいじらせていただいたことを思い出し、つい面白がって過激な表現となってしまいました』などと釈明し、謝罪。これを受け、山里本人が『僕のせいですみません』『どうか気になさらないでください。そこらへんのパンチは余裕で受けなれていますので』と、宋氏本人へ返信しました」(同)

 山里の対応に、ネットユーザーからは「良い男すぎる」「山ちゃんの好感度がうなぎ上り」と盛り上がり、騒動も収束するかのように思われたが……。

「視聴者から、フジにクレームが殺到しているんです。フジ側は抗議の数を公表していないものの、この事態を一つのニュースとして報道できるくらいの数が寄せられているとか。さらに、週末にかけては一般の視聴者だけでなく、複数の団体からも同様の抗議が届いているため、何も対応せずに、ひたすら騒動が収まることを待つのは厳しい状況になっています」(フジ関係者)

 そうなると『とくダネ!』の司会である小倉智昭が“生謝罪”するという対応も考えられるが、同番組においてはそれも難しいとか。

「小倉は、“番組中での謝罪対応”を好まない人。そこで、フジは現在『水面下で山里にゲスト出演オファーを行い、宋氏による直接謝罪を放送』などのプランを考えているんだとか。宋氏を、レギュラーコメンテーターから外すにしても、クールの変わり目でないとあの発言が原因だと丸わかりで角が立つので、現状では9月頃に何事もなかったかのように“卒業”という形を取る可能性が高いでしょう。それでも、この騒動があまりに広がるようであれば、苦肉の策での“即降板”にもなりかねませんが」(同)

 山里本人が“神対応”でも、世間が許さない限り宋氏の救済は厳しそうだ。

「埋めてこい」実の父親が指示――8歳女児を死に至らしめたもの【葛飾区女児誘拐殺害事件・後編】

 下町の風情の残る東京都葛飾区で「仙石商店」(仮称)を営む石崎伸一(仮名・37)は、若くして親から受け継いだ会社を切り盛りする“下町のプリンス”だった。妻・聡子(35)との間に、中学生の長男と小学生の長女がいたが、妻の目を盗み、事務員・八文字美佐子(25)と情事に耽る不倫関係を続けていた。約4年前から続く関係にほころびが生まれた時、一人の少女が命を奪われた。

(前編はこちら)

 昭和49年8月、妻・聡子の浮気を疑った伸一は、美佐子にこう告げた。

「あいつの浮気がはっきりとわかれば、離婚してお前と一緒になる」

 これを信じた美佐子は興信所に調査依頼を行った。すると調査に勘づいた聡子は、子どもを連れて実家に帰ってしまう。ある日突然、伸一のもとに戻ってきたが、美佐子はこれでいよいよ離婚かと、伸一の自宅二階に成り行きを確かめるため潜んだ。しかし、そこで夫婦の本当の姿を知ってしまう。

「社長さんは、奥さんが帰ってくると『愛しているのはお前だけだ』なんて言って、挙句にはセックスまでしたんです。その時の私の気持ちは……いてもたってもいられない位でした。嫉妬を感じました。その次の日に社長から会社を辞めてくれって言われたんですけど、その時なんです、私が心から社長さんを好きになっているのに気がついたのは……」(公判供述)

 伸一は、妻と体を重ね、二人でやり直すことを誓った翌朝「昨夜のことは全部知っている」と美佐子からものすごい剣幕で詰め寄られた。たじろいだのもつかの間、やはりほだされて関係を復活してしまい、間もなく美佐子を、自宅から離れた事業所に復職させた。

 その矢先、事件は起こったのである。

 昭和49年10月17日。人気のない石崎家へ入っていった美佐子は、真新しい留袖を見つけた。この日、従業員の結婚式のために媒酌人として夫婦で出席するための、聡子の晴れ着であった。この瞬間から、嫉妬の炎が急激に燃え盛り、美佐子は切り出しナイフで左の外袖にL型の裂き傷を作りながら、思った。

「私はそれじゃあ、性の道具として利用されただけなのか……」

 夫婦が結婚式場へ向かった後、取引先から自転車で美佐子が事務所に帰っていると、一人で歩いている弥生ちゃんを見つけた。

「乗せて」

 こう言われるまま、後ろに乗せた。住居と事業所が一緒になった仙石商店で事務員をしていた美佐子と、その経営者の子である弥生ちゃんは、もちろん顔見知りであった。弥生ちゃんから見れば美佐子は、父親よりちょうど一回り年下の「お姉さん」で、母親の留守には食事の支度をととのえてくれるような存在だった。

 だがこの日、自転車の後ろに弥生ちゃんを乗せた美佐子に、あるどす黒い衝動が浮かぶ。

「もしこのまま誘拐したら、社長が困るだろう」

 そのまま自転車を走らせて着いた先は、会社ではなく、そこからほど近い場所にあるアパートだった。ここは「お姉さん」と伸一が、2カ月前から夫婦として入居していた愛の巣である。美佐子は弥生ちゃんを部屋に連れてゆき、彼女の首を締め始めるが「やめて」と抵抗されてしまう。だが、二人の“愛の巣”の場所を知ってしまった弥生ちゃんを見て、美佐子は思った。

「このまま逃げられては困る……」

 急いで台所に向かい、流しの下の包丁を手に取り、その刃を弥生ちゃんの頭に突き立てる。「苦しい、息が苦しい」とうめく弥生ちゃんの背中に、美佐子はなおも包丁を数回、突き刺して殺害したのだ。

 その日の夜、近所のサウナにいたところ、弥生ちゃんがいなくなったという連絡を聡子から受けた伸一は、ある予感を感じ、二人の愛の巣へ向かうと、美佐子と、変わり果てた我が子を見つけた。伸一は自首を考える美佐子を引き止め、こう指示した。

「冷蔵庫に死体を隠せ。土曜日の晩にどこかへ埋めてこい」

 翌日、セメントを15袋買ってきた美佐子は、弥生ちゃんの遺体にそれをかけて固めた。自分と同じぐらいの重さになった遺体を、一人で軽トラックの荷台に乗せ、大宮の雑木林まで運んで荷台から下ろし、そこに横たえた。だが、その報告を聞いた伸一から「なぜ埋めてこない」と財布で頭を強く叩かれ、再度埋めなおしに行く。しかし穴の深さが浅かったことから「犬だって50センチぐらい掘り返すぞ、もう一度埋めなおしてこい」と3度目の遺棄を命じられた。

 行方不明から約2週間後の10月30日、弥生ちゃんの遺体が雑木林で発見されると、任意で取り調べを受けていた美佐子は、ついに殺害を自供。11月2日、弥生ちゃん告別式の直後、その父である伸一も、死体遺棄と犯人隠避の罪で逮捕された。

 翌年、懲役1年8月、3年間の執行猶予判決を受けた伸一が、妻子の元へ戻った一方、美佐子には、懲役13年の判決が下された。求刑は無期懲役であったが大幅に減刑されている。これには、定時制高校時代の恩師や同級生による1,760人もの嘆願書が提出されたことが、大きく影響したと見るムキもある。

 女子刑務所に服役したのち、社会に戻った美佐子。八文字家は、美佐子の母の苗字に替え、彼女も新しい苗字として暮らす。出所後、地元で彼女の姿を見たものは誰もいない。
(高橋ユキ)

【参考資料】
「週刊文春」昭和50年7月10日号
「週刊新潮」昭和49年11月14日号
「週刊文春 1990年1月4日号
「週刊ポスト」昭和49年11月15日号
「週刊大衆」昭和49年11月21日号
「女性自身」昭和50年6月26日号
「微笑」昭和50年4月26/昭和49年11月30日号
「アサヒ芸能」 昭和50年1月16日号

カラテカ入江慎也、広い人脈作りはヤリコンのため? ダウンタウン松本人志も怯える「第二弾」

 カラテカ・入江慎也の詐欺グループへの闇営業問題が波紋を広げている。

 この問題で、まだあまり語られていない視点があるとすれば、テレビ的には売れてもいない入江ごとき後輩の「顔出してくれませんか」という誘いに、なぜ、いまさら闇営業の必要もなさそうな雨上がり決死隊・宮迫博之までが、しかもノーギャラ(宮迫談)で顔を出したかというところである。

 ある放送作家は、こう話す。

「それはよく知られているように、入江は先輩芸人らの合コンのセッティング役を長く任されてきて、何人もの若い女の子を彼らに供給し続け、抱かせ続けてきたからにほかなりません。入江の頼みを聞いてやれば、またおいしい思いができるという考えがあるからですよ」

 これがまさに、入江が広く人脈を広げていった秘密でもあるのだろう。

 数年前、合コンをきっかけに知り合った入江に呼ばれて、宮迫やダウンタウン松本人志らとのヤリコンに数回参加したという、男性向けマッサージ店勤務女性はこう話す。

「当時、松本さんのレギュラー番組の収録がなかった金曜日に、よく合コンが行われていたんです。集合場所は、恵比寿の会員制バーでした。松本さんや宮迫さんは、だいたい先についていてカウンターでだべっていて、私たちが到着しても、横目でチラッと見て何を言うわけでもないすかした感じ(笑)。でも、場所を変えて合コンになると、『俺は女の子が喜んでくれるのが好き』みたいな“サービスのS”アピールをしはじめるのがお約束で、『あぁ~、今日は絶対にヤリたい』とハッキリ口にすることもありました」

 その後は、当たり前のようにホテルに移動するのだというが、

「途中のコンビニでお茶やお酒を買っていくんですけど、そのときにゴムをさりげなくカゴの下にしのばせる入江さんを見て、“相当、慣れてるんだな”と思いましたね。なんでも、松本さんがホテルに備え付けのゴムを信用していないとのことでしたね」

 あるときは、ホテルがいっぱいで入れずに、宮迫が代々木八幡に借りていた愛人との密会部屋に移動しての行為となったこともあったという。

「入江さんは終始サポート役でしたが、松本さんや宮迫さんが満足して、私たちもシャワーを浴びていたら、急に入江さんと後輩芸人がシャワーに入ってきて、“口でやって”と迫ってきたことがありました」

 こうしたヤリコンを数限りなくセッティングしながら、先輩芸人やさまざまな業界の大物たちを自分の人脈に取り込みながら「友達5000人芸人」として自身をブランディングしていったのだ。

 入江の解雇を受けて、松本は入江に連絡をとり、

「お前も悪いし、これはペナルティだからしょうがない。おとなしくしとけということしか言えなかった」

 と話したと、レギュラー番組『ワイドナショー』(フジテレビ系)で語っていた。

「『おとなしくしとけ』とは、しばらくしたら復帰させてやる、あるいはよしもと復帰は無理でも、何らかのサポートはしてやるというニュアンスも読み取れなくもない。入江にバラされたら大変なことになる、多くの秘密があるだけに歯切れが悪そうでしたね」(前出・放送作家)

 入江くん、事務所をクビになったことだし、いっそのこと自分を利用するだけ利用してきた芸人、芸能人、スポーツ選手らの実名を、全部をぶちまけてみるのはどうか?

KinKi Kids、ジャニー喜多川社長の“神対応”に感動!? 堂本光一も「カッケー!」と大興奮

 6月8日に放送されたKinKi Kidsのバラエティー番組『KinKi Kidsのブンブブーン』(フジテレビ系)に、タレントの朝日奈央がゲスト出演。今回、朝日は「これから流行るお店を紹介したい」とKinKi Kidsにリクエストした。

 はやり物への“嗅覚”があるという朝日に対し、堂本剛が「過去に『これいいな』と思ってはやったものは?」と質問すると、朝日は「KinKi Kidsさんとか、絶対はやるだろうなって!」と即答。これに対してKinKi Kidsは、手を横に振って“ないない”という仕草で反応する。そして、朝日の年齢が25歳だとわかると、堂本光一は「(朝日が)生まれる前から事務所おったわ!」と、強い口調で吐き捨てていた。

 渋谷ヒカリエにある点心専門店「ダンプリングタイム餃子時間」や、新橋にある「タイ屋台999(カオカオカオ)」などに3人で足を運ぶ中、朝日が「最近起きた哀しい出来事」を語ったところ、剛が「それも切ないけど、ドームとかでさ、ライブやってさ、リハちょっとやって楽屋の手前でさ、ガードマンに止められてる相方もキツイよ」とポロリ。

 なんでも、リハーサルでサウンドチェックなどを終え、光一が楽屋に戻ろうとしたところ、ガードマンに止められてしまったのだそう。「今、(ステージで)歌ってたの俺や!」とガードマンにツッコミを入れた光一は、「でもさ、一番近々ではお前が止められていたけどな!」と剛に向かって応戦し、本人もその事実を認めていた。

 さらに、光一は「天下のジャニー喜多川も止められてるので」と、ジャニーズ事務所のジャニー社長まで同じような経験があるのだと告白。「『ジャニーさん、止められてる!』って大爆笑していたらさ、あとでジャニーさんが言ったのは、『この警備会社は優秀だね。ちゃんと仕事してるよ!』っていう。ジャニーさんカッケーな!」と、光一は視点が柔軟なジャニー社長を“かっこいい”と語っていた。剛もこの話に乗っかり、「僕らもやっぱり、そこを見習ったのかもしれないなって話」と、KinKi Kidsがガードマンに止められたのは、ジャニー社長を見習ったものだとドヤ顔していたのだった。

 この放送にネット上では、「キンキ兄さんでも警備員さんに止められるんだ……! ジャニーさんが器でっかいね」「光一さんが警備員に止められる話は聞くけど、ジャニーさんも止められてたのね」「ジャニーさんの言ってることに納得しちゃった。確かに、きちんと仕事してるってことだよね」などのコメントが投稿されていた。

天涯孤独の人生を前フリに、風俗キャッチの1人コント……『日村がゆく!』が表現した”お笑いのセオリー”

桂枝雀(2代目)は、笑いの構造として「緊張の緩和」を唱えていた。簡単に説明すると「最初に緊張があり、それが緩和されると笑いが生じる」という考え方である。ならば、人間をシリアスな状況に置く“フリ”を用意し、それを緩和させてあげたら笑いは起こりやすくなるということだ。

 

父と母から見放された芸人が披露した「風俗キャッチ」の1人コント

 6月5日放送『日村がゆく!』(AbemaTV)が行ったのは、その名も「苦労芸人ネタGP」なる企画。芸人の苦労エピソードをまとめたVTRを流し、直後にその芸人のネタを見るという趣旨である。

 具体的に各芸人はどんな苦労を持ち、その半生を踏まえてどんなネタが生まれたのかをご紹介したい。

 鳥谷尾(とやお) だいきというピン芸人の人生は、苦労の連続である。ヤンキーの父親と箱入り娘だった母親の間に生まれた鳥谷尾。母が彼を身ごもったのは結婚前だった。母の妊娠を知った父は出産に反対した。

「経済的な問題だったのか……。(僕が生まれるのが)嫌だったんですかね?(笑) 」

 本来なら祝福されるべき新しい命の誕生を否定した父。しかし、母はこの小さな命を守った。

「母親が“この子だけは絶対に産みたい”と父親に強く言ってくれたので僕が生まれてきたって聞いてます」 

 父は荒くれ者である。家の畳や天井が壊れるほど暴れ、母には手を上げる危険人物。母は離婚を決意し、鳥谷尾を引き取った。その後、母は再婚する。

「(自立してから)毎年、僕が実家に帰ろうとするんですけど、やんわり断られるんですね 。おそらく、再婚相手の方に気を使ってるんじゃないかなと思います。たぶん、あんまり僕のこと良く思ってないんじゃないかな」

 両親に見放され、天涯孤独の身となった鳥谷尾。「親からは望まれなかったが、お笑い界で望まれる人になりたい」と大志を抱く彼のネタが楽しみだ。エピソードVTRの内容があまりに重かったため、司会のバナナマン・日村勇紀は「このままネタに行くの? マジか!?」と困惑している。

 幕が開くと、少年漫画の主人公のような顔をした鳥谷尾が派手な色のハッピを着てポーズを決めていた。どうやら、彼は1人コントを行うよう。

「俺は風俗キャッチマスター・シンヤ! 日本一の風俗キャッチマスターに、俺はなる!」

「なんですか、お兄さん。えっ、“今すぐイケる子、誰いるの”って? 風俗キャッチバトル、スタートだ! まずは俺のカード、今すぐイケる子! 高速手コキ&乳首攻めクイーン、ユミカ! ランキングは常に上位で、出勤は月2回のレアカード!」

 あまりにも低俗なネタすぎて、「ふざけんなよ(笑)」とあきれ顔の日村。ネタそのものではなく、人生がまったく反映されていない芸風を目の当たりにして吹いてしまっている。

 日村「それで行くのかい、君は。いいのか? 天涯孤独だなんて言って、いろんなライブで先にあんなVTR流してネタをやることなんかないんだぞ(笑)。お前はこの先、そのネタだけを背負って芸能界を戦っていくのか?」

 視聴者の意見を、日村が濁りなく代弁してくれた。バカ負けして生まれる種類の笑い。まさに、「緊張(苦労エピソード)」の「緩和(ネタ)」である。先人の理論にのっとって生まれた笑いだったと思う。

 兄と妹で結成されたコンビ「本田兄妹」の過去も悲しかった。中学時代のいじめを苦に、妹・あやのは引きこもりになった。7歳年上の兄・ひでゆきは妹の学校へ乗り込み、校長に詰め寄ったという。その行動に背中を押されたあやのは、中学の卒業式に出席することができた。

あやの「前日にお兄ちゃんが校長室に乗り込んでくれたので、勇気が出たというか」

ひでゆき「卒業したことによって、高校生活を新しく迎えていけるひとつのきっかけになれたんじゃないかなっていう気分でしたね、その時は」

 高校に進学したあやのは、入学2日目に友達をつくることができた。でも、ある日、その友達から「あなた、明日から万引の見張り役ね」と言われてしまう。翌日から、あやのはまた学校に行かなくなった。高校で人生をやり直すつもりだったのに……。

ひでゆき「言ったら、最初の友達じゃないですか。なのに、なんで犯罪の片棒担ぐようなことさせるんだろうって。本当、腹立ちますね。できることなら、ちゃんと言ってやりたかった。悔しいですね」

「いつか芸人として、そいつらを見返してやる」と誓い、2人は舞台に立ち続ける。本田兄妹が披露したのはコントである。自宅が火事で燃えたあやのが「誰かー!」と周囲に助けを求めると、「どうした!」とやって来たのはバスローブ姿の男だった。

あやの「誰!?」

ひでゆき「セクシー男優だ」

 業火に燃える自宅には、あやのが必死に貯めた30万円が残っている。それを、代わりに男優が取りに行くという設定である。しかし、「ア~チャチャチャ!」と熱がってすぐに戻ってくるひでゆき。身に着けたブレスレットやネックレス等の貴金属に熱が移り、どうしても彼は炎に耐え切れない。

ひでゆき「男優のブレスレットは、火事場には不向きだ……!」

 そして、あやのの自宅は全焼した。

あやの「あ~、燃えちゃった」

ひでゆき「間に合わなかった! 気持ちよくさせてやることしかできねえけど……」

あやの「どっか行って」

 かつて、日本テレビで放送されていた『ルックルックこんにちは』に「ドキュメント女ののど自慢」というコーナーがあった。一般参加者の波瀾万丈話をまとめたVTRの後にカラオケをするという内容で、今回の企画はあれをちょっと彷彿とさせる。しかし、「女の~」は「不幸→幸せ」というベクトルだが、こっちは「不幸→笑い」というベクトルだ。笑いをやっている現状は、決して幸せとは限らない。鳥谷尾のように道に迷える芸人も出場している。「ハッピーエンドばかりが是ではない」という笑いの奥深さを、今回の企画は表現していたと思う。

 また、不幸話そのもので笑いを取りに行かないところも好感が持てる。不幸話を前フリに、生きざまとまったく親和性のないネタに続く流れ。このあたり、『やりすぎコージー』(テレビ東京系)の「ビンボー烈伝」よりもすごくドライな印象を受ける。芸人の境遇と笑いが地続きなのではなく、境遇とネタの食い合わせが悪いほど笑える。食い合わせの悪さは、「緊張」と「緩和」の深度をそのまま表している。だから、笑いの返りも大きくなる。

「ドーランの下に涙の喜劇人」とはポール牧の座右の銘だが、まさにブルースのようなお笑いだった。

(文=寺西ジャジューカ)