6月7日深夜放送の『きのう何食べた?』(テレビ東京系)第9話。「俺とお揃いで指輪買ってやるっつったら、どうする?」という筧史朗(西島秀俊、以下「シロさん」)のセリフが予告映像であらかじめ流れていた回だ。2週のブランクを設けた今回のタイミングは功を奏したと思う。放送日は6月。まさに、ジューンブライドである。
いつもより、おいしそうじゃないシロさんのナポリタン
同期の結婚パーティーから帰ってきたシロさんは、自分のためにナポリタンを作った。不思議だ。彼が作るいつもの料理より、なぜかおいしそうに見えない。矢吹賢二(内野聖陽、以下「ケンジ」)が自分のために作るサッポロ一番はおいしそうだったのに……。シロさんはケンジがいつも座る食卓のイスを見つめ、心の中でつぶやいた。
「あいつの存在って、大事……」
そんな心の声を打ち消すかのように、本当の声で「つくづく健康にいいな!」とかぶせるシロさん。心の声さえ認めないのか!? でも、彼はツンデレだ。いつもほどの出来じゃないナポリタンとおいしそうだったケンジのサッポロ一番を比べると、「2人が別れたら引きずるのは俺だと思う」と認めるシロさんの言葉が蘇ってくる。
シロさんはケンジに、お揃いの指輪の購入を持ちかけた。
「結婚式の2次会で結界が欲しい。アレ付けてるだけで面倒から逃げられるなら安いもんだ」
照れ隠しだろう。さっき言いかけた「あいつの存在は大事」が彼の本音なのだから。シロさんが見せる態度は冷たい。でも、おなかを空かせたケンジに即興で作ったお茶漬けと切り干し大根が、代わりに愛情を伝えている。
一方、居酒屋で美容院の店長・三宅祐(マキタスポーツ)の浮気話を聞かされたケンジ。彼は三宅の味方にならなかった。
「別れるつもりがないなら、パートナーは大事にしなよ」
ケンジも昔は浮気やワンナイトに走ったことがある。三宅を叱ると同時に、自分に言い聞かせていたように見えた。事実、帰宅したケンジはシロさんの料理を食べ「おいちぃー!」と気持ちを伝えるのだ。パートナーを大事にしようとストレートな態度のケンジと、素直じゃないシロさんのコントラストである。
「俺とお揃いで指輪買ってやるっつったら、どうする?」
このときのシロさんが憎たらしい。頬杖しながらニンマリと切り出す姿は、完全に確信犯。小悪魔の笑みだ。ケンジの横で上町修役のチャンカワイに「惚れてまうやろー!」と言ってほしい。
異常な倹約家、そしてセクシャリティをカムアウトしていないシロさんから「指輪を買う」と言われたことがケンジには信じられない。コンビニで買うハーゲンダッツはNGでも、指輪ならOK。大喜びするのも当然である。
アクセサリー店で指輪を選ぶのはケンジ。シロさんはそこから離れ、第三者を振る舞った。そんなシロさんに店員が声を掛ける。
「お連れ様はどちらがお好みですか? ご一緒に着ける物ですから、お連れ様の好みも多少は仰ったほうが……」
「あれ?」と驚くシロさん。付き添いのふりをしていたのに、店員にはカップルだとあっさり見抜かれていた。いつもはシロさんの気持ちを慮りイチャイチャを控えるケンジも、このときはフルスロットル。「やっぱり、こっちかなぁ?」「(イニシャルは)絶対入れる!」と、まったく遠慮しない。ほかのカップルも、どうやらこっちを気にしていなさそう。そうとわかれば、腕を組んでくるケンジにシロさんもほほえみ返す。本心では、シロさんも普通のカップルのように振る舞いたかったのだ。
大事にするのは「指輪」よりも「関係」
後日、注文の指輪を受け取ったケンジは「ありがとう。大好き!」とニッコリ。「うん」と、シロさんも笑顔で応えた。指に嵌めた指輪を見つめ、ケンジは言った。
ケンジ「大事にする。でも、指輪じゃなくて……。あっ、もちろん指輪は一生大事にするよ。けど、その……大事にするっていうのはさ。シロさん。大事にするよ。大事にする」
シロさん「うん」
ケンジのこの言葉、原作では心の声の独白だった。でも、ドラマでは2人の会話になった。「パートナーは大事にしろ」と言ったケンジ。指輪はうれしい。だけど、指輪じゃない。一番大事にしたいのは、シロさんとの関係である。
法に守られていないゲイカップルは別れないための努力が必要と訴えた8話。続く今回は、カップルの絆を再確認する内容。2人以外のゲストが登場せず、シロさんとケンジの関係性にフォーカスする回だった。
(文=寺西ジャジューカ)
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