【「おたぽる」より】
「幹線道路が近い」「居酒屋やコンビニが目の前にある」「隣人や上階、階下の人間がうるさい」など、騒音での睡眠不足に悩んでいる人は少なくない。筆者も耳栓の欠かせない生活を送っているが、できれば耳栓なしでぐっすり眠りたい。当連載では今回防音専門店ピアリビング室水房子代表取締役と、梶原栄二東京支店長に話を伺っている。今回は手軽に導入できる「防音カーテン」の正しい利用方法について聞いた。
*インタビュー前編はこちらから!
9割の人が間違っている防音カーテンの使い方
――窓からの騒音を何とかしたい場合に手軽に導入できるものとして「防音カーテン」がありますよね。
室水房子氏(以下、室水) はい。ただ防音カーテンは正しく使わないとなかなか効果を感じにくいんです。例えば、防音カーテンは窓にぴったりくっつけて使えば効果的なのかと考えられる方が多いのですが、大切なのはむしろ「空気層を作ること」であり、窓からちょっと離した方がいいんです。
例えば出窓の場合、窓にピッタリのところにカーテンを引くより、窓から離したところにカーテンを引いたほうが防音効果が増します。
――今までずっと誤解していましたし、私に限らず多くの人が勘違いしているところだと思います。でも、そもそも手前にカーテンをつけたくても、もともとカーテンレールが窓のそばに設置されている家が多いですよね。
梶原栄二氏(以下、梶原) その場合、突っ張り式の後付けのカーテンレールなどを使って手前にカーテンレールをつけると効果的です。突っ張り式のレールを使えば、障子の部屋などカーテンレールがない部屋でも防音カーテンを使えるようになります。
防音カーテンを買っても、前のカーテンを捨てない方がいい理由
室水 さらに、防音は「層」が大切です。先ほど出窓のケースを挙げましたが「もともとあったカーテンレール」と「新しくより手前に作ったカーテンレール」に、2枚カーテンを引くとより防音効果がアップします。
ですので、防音カーテンを購入しても、ももともとお使いのカーテンを捨てず、もとあったカーテンに、さらに防音カーテンを足すとより防音効果が上がります。カーテンの枚数があるほど吸音していきますから。
そして、住環境的に難しい方も多いかとは思いますが、2枚カーテンを引く場合でも「カーテン間をできるだけ離して、間に空気層を作る」とより効果的です。
梶原 よく「隣の家からの音が気になる。隣と面する壁に防音カーテンを張り付けたら効果があるのでしょうか?」という質問をいただきますが、直接壁にカーテンを張り付けてもあまり意味がないんです。その間に空気層を作らないといけないんです。
なお、ライブハウスなど大きな音を出す施設を作るときは40センチ以上の空気層を作っています。外壁、40センチの空気層、壁、空気層、壁、といったように層をいくつも作ることが防音効果を高めるんです。
――「空気層」の存在が、防音においてとても大切なんですね。
室水 「空気層を作る」が防音カーテンのポイントの一点目ですが、二点目は「カーテンを引くときは、音が漏れる隙間を絶対作らない」ことです。
ただ、たいていのカーテンレールは上に隙間がありますよね。あの隙間から音が漏れてしまうんです。ですのでカーテンは天井から下げるのが理想ですね。
――「防音カーテンを引いたのに全然改善しない」という人は「カーテンレールの上から漏れてる」というケースが多いのでしょうね。でもカーテンレールの上の部分って、そもそも隙間が空いていますよね。
室水 はい。ですので当社ではカーテンレールの上を箱状に「ふさぐ」部分もセットにしたカーテン販売しています(図1)。また「ふさぐ」部分だけも販売しています。
また、カーテンのドレープ(ひだ)の「隙間」からも音は漏れるので、ここも気を付けてください。防音カーテンは「しっかりふさぐ」ことが基本です。ですので、窓が床までない「腰窓」であっても、高い防音効果を求めるなら床まで長さのあるカーテンを引くことをお勧めします。
――それほどまでの「徹底隙間対策」なんですね。そうなると素人が素人考えのままで防音カーテンを買ったら、隙間だらけで効果を感じられないケースは多いでしょうね。
室水 そうなんです。また、防音カーテンを選ぶときのポイントは「層と重さ」です。より層があり、より重いほど、防音効果は高まります。
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家に防音カーテンがあるが、効き目を感じられない人は「もとあったカーテンも追加する」「隙間をとにかく塞ぐ」など工夫をすることで防音効果がアップする可能性もあるのだ。
原稿後編では引き続き室水氏、梶原氏に、本格防音対策について話を伺う。比較的低コストで安眠環境を実現する必殺技「ドラえもん戦法」について伺う。
(文/石徹白未亜 [https://itoshiromia.com/])
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