関ジャニ∞の村上信五、丸山隆平、安田章大がレギュラー出演しているバラエティ番組『ありえへん∞世界』(テレビ東京系)の放送内容が物議を醸している。
この日の『ありえへん∞世界』では「人はお金さえ払えばカメラの前で秘密を語るのだろうか?」という新企画を放送。その検証のひとつが、道行く人に体重を答えてもらうものだった。体重は秘密にしたいもの、ということだ。
具体的には、道行く人が体重を答えたうえで、その場で体重計に乗り、洋服込みで0.1kg単位までズレなくピッタリ当たったら金一封(1万円)を贈呈するという企画だった。
体重なんて日によって変わるもので、食事内容によって1日のなかでも1kg前後の幅がある。まして、洋服まで込みとなると、0.1kg単位まで寸分違わず当てるのは至難の業だと思うのだが、炎上の理由はそこではない。
問題なのは、声をかけた「道行く人」の人選だ。番組では3組の通行人に声をかけているのだが、そのすべてが女性だった。
ひと組目は女性ひとり。彼女は申告の体重よりも0.8kgオーバーして失格した。彼女は夫に対して10kgサバを読んでいるらしく、番組が放送されることで嘘がバレる、と笑いながら心配していた。
ふた組目はフラペチーノを美味しそうに嗜む女性ふたり。このうちのひとりが企画に挑戦したのだが、実際の体重は申告よりも2kg近く軽くて失格。しかし、金一封は逃したものの、予想よりも軽い体重が計測されて満足そうな顔を浮かべていた。
最後は子どもを連れたお母さん二人組。彼女たちは金一封が出ると聞いても企画への参加を拒絶。その代わり、小学生の娘を身代わりに差し出した。結局は0.1kgの僅差で失敗。その後、娘による<ねえ次、自分やってみて>の声に観念して母も企画に参加したが、娘と同じくこちらも0.1kg違いで失敗してしまった。
こういった番組内容を受けてネットであがっている批判の多くは、女性ばかりを意図的に抽出していることを問題視しているが、そもそも、体型をネタにして嘲笑を誘おうという番組企画そのものが、いまの時代においてもはや決定的にナンセンスだ。たとえ検証内容に男性が入っていたとしても、問題視されてしかるべき企画だったのではないか。
関ジャニ∞の番組は今年の元日にもセクハラ発言などで炎上
関ジャニ∞のバラエティ番組といえば、今年の元日に放送された『関ジャニ∞クロニクル』(フジテレビ系)のお正月特番「真夜中のおひとり様 東京大捜索スペシャル」も、炎上騒動につながってしまっていた。
『ありえへん∞世界』の炎上部分は関ジャニ∞メンバーがロケに参加したものではなく、スタッフだけで取材したVTRだったが、『関ジャニ∞クロニクル』の場合はそうではない。
元日の『関ジャニ∞クロニクル』では、深夜に上野や品川、巣鴨といった街をひとりで歩いている女性に関ジャニ∞のメンバーたちが取材をするという企画を放送。その取材のやり方が問題であった。おひとり様を探すメンバーは大きなバンに乗ってスタッフと移動し、女性を見つけるとバンを路肩に止め、メンバーが外に出て声をかけるのだ。
この状況に「連れ去り」を連想するなというほうが無理な話で、ヤラセで協力した女性でなければ恐怖を覚えもしたかもしれない。しかも、取材を断った女性に対してしつこく付きまとう、全速力で追いかけるなどの場面もあった。
さらに取材の過程で、横山裕が<年下の男と付き合っていますよね?><女の色気が出ている><酔うと(男性の)膝とか触ったりしますか?>といった主旨の質問をするなど、初対面の女性に対する度し難いセクハラ発言もあった。
また横山裕は早朝、神楽坂でランニングをしている女性に<お母さん、ちょっと話聞くことって可能ですか>と声をかけたうえ、女性の横を併走した。女性は<お母さんじゃない。失礼な><テレビはダメ><どうせくだらないテレビ>と取材を拒否。しかし、それでも横山とカメラは女性を追い続け、<しんどい、やめて><しつこいね>と言われるまで話しかけ続けた。その後、取材を断られた横山はカメラに向かって<くだらないバラエティだって>と憮然とした顔を浮かべる。
テレビ製作側は早急に価値観をアップデートするべき
「常連客の性別が分からない」という依頼に応えるかたちで、一般人の免許証を見たり、体を触って性別を確認するロケ内容を放送した『かんさい情報ネットten.』(読売テレビ)、名前と上半身が隠された3人の女子フィギュア選手の写真が並べられ、そのなかからアリーナ・ザギトワ選手の脚を当てるクイズを放送した『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)など、ここ最近、バラエティ番組やワイドショーでの炎上騒動は頻発している。
今回の『ありえへん∞世界』も含め、本稿で取り上げた企画や演出はこれまでであればなんの問題もなくスルーされてきたものだろう。しかし、視聴者の価値観や倫理観がアップデートされ続ける今、違和感は増幅している。テレビ製作者サイドの“常識”も、更新し続ける必要があるだろう。