「ポスト有吉」がいない! 未来が不安なテレビ界、期待はオードリー若林と二宮和也?

 現在のテレビ界において、もっとも多くの冠番組を持っているのが、有吉弘行だ。番組名に「有吉」と入るレギュラー番組は実に11本。今年の4月からはNHKの冠番組『有吉のお金発見 突撃!カネオくん』もスタートした。

「ここまでたくさんの冠番組を持つタレントは過去のテレビ界の中でも稀有な存在。ビートたけしや明石家さんま、タモリと同じくらいのレベルだと言っても過言ではないでしょう」(テレビ局関係者)

 有吉が大ブレークしたきっかけと言われているのが、2007年の『アメトーーク!』(テレビ朝日系)における“おしゃクソ事変”だ。品川庄司の品川祐を「おしゃべりクソ野郎」と的確に表現したことで、その毒舌キャラが見出されたという。その後、徐々に人気を伸ばしていった有吉は、2011年ごろからレギュラー番組を増やし、2013年にはすでに8本の冠番組を持っていた。

「有吉がブレークしてから、すでに7~8年くらいが経とうとしているわけで、本当であればそろそろ次なるスターが出てきてもおかしくない頃。でも、有吉ほどの逸材となるとなかなか見つかるものではない。そこが今のバラエティー界の大きな悩みですね。近い将来、仮に有吉の人気が何らかの理由で低下したら、バラエティー界は相当大きなダメージを受けてしまいますよ……」(同)

 そもそも今、業界内で「ポスト有吉」として期待されているタレントはいるのだろうか。

「フットボールアワーの後藤輝基、千鳥、サンドウィッチマンあたりが、一応“有吉の次”と目されていたんですが、そこまで勢いがない。どの芸人も完全に安定していて、爆発力がない。そんななかで大きな可能性を秘めているのが、オードリーの若林です。世の中に対して少々恨みを持っているような感覚は有吉と共通するものがありますし、毒舌も行ける。自分の個性を出すこともできるし、割り切ってMCに徹することもできる。本人が『ポスト有吉になる』と決心すれば、一気に登りつめる可能性もあると思います」(同)

 さらに、テレビ界が期待するのが、ジャニーズ勢だ。

「『ポスト中居』と呼ばれている関ジャニ∞の村上信五などは、中居の椅子だけでなく、有吉の椅子を奪い取ることもありうるでしょう。しかし、村上はテレビ界が期待するほど視聴者から支持されていないんですよね。その一方で、本当に期待されているのは、活動休止後の嵐のメンバーです。現状では、相葉雅紀が完全にバラエティー路線へと進むのではないかと言われていますが、それ以上に求められているのは二宮和也の方。明るくてさわやかな相葉よりも、影がある二宮の方がそれこそ“ポスト有吉”になりうるのではないかという声が多い。2021年以降は、是非ともバラエティーに軸足をおいてほしいと願っているバラエティー関係者も多いと思います」(同)

 若林か、二宮か、それとも他の誰かなのか、はたまた有吉の天下が続くのか──令和のバラエティー界がどこに向かうのか、注目だ。

人生を詰んだ瞬間から、本当の人生が始まった!? 感動実話『ドント・ウォーリー』『HOMIE KEI』

 ジョン・キャラハンは最悪な人生を送っていた。幼い頃に実の母親に捨てられ、母親の名前すら知らない。養父母に育てられたが、13歳で酒を覚え、成人したときにはすっかりアルコール依存症となっていた。21歳のとき、酔った友人の運転する車が大破。ジョンは胸から下が麻痺状態となり、車イス生活を余儀なくされる。不幸に輪を掛けたようなドン底人生だったが、そんな中でジョンは親身に接してくれる人たちと出会い、やがて漫画家として活躍するようになる。ガス・ヴァン・サント監督の『ドント・ウォーリー』(原題『Don’t Worry ,He Won’t Get Far on Foot』)は、実話をベースにしたホロリとさせる人間ドラマとなっている。

 不幸な星のもとに生まれたことを、呪って生きてきたジョン・キャラハン(ホアキン・フェニックス)。車イスに乗るようになってからも、つらい現実を忘れるためにアルコールを手放せずにいた。そんなジョンに、キツい言葉を投げ掛ける人物が現われる。AAと呼ばれる断酒会を主宰するドニー(ジョナ・ヒル)だった。交通事故を起こしたのに見舞いにすら来なかった友人デクスター(ジャック・ブラック)を非難するジョンだったが、ドニーは「酔っぱらいの運転する車に、なんで君は乗ったんだ?」と問い掛ける。ジョンは「酔っぱらっていたので、覚えていない」と答えるのが精一杯だった。自分は同情こそされても、責められる立場ではないと思っていたのだ。

 振り返ってみれば、ジョンのそれまでの人生は母親に捨てられたことを口実に、ずっと周囲へ不満を漏らしてばかりだった。世間をディスってばかりで、自分自身は何もしていなかったことにジョンは気づく。

 ジョンは自分を育ててくれた養父母のことも嫌っていた。養父母は血の繋がった実の子どもは叱ったが、ジョンが悪戯をしても叱ることはなかった。ジョンはそのことに、ずっと疎外感を感じていた。障害者センターのスタッフの対応が悪いことにも腹を立てていた。自分の人生も周囲にいる人たちも、みんなまとめて呪い続けてきたジョン。だが、依存症だけでなく、さまざまなトラブルを抱えるドニーら断酒会のメンバーたちやセラピストのアヌー(ルーニ・マーラ)との交流によって、それまでの生き方を改めることになる。

 得意のブラックジョークを生かそうと、うまく動かない手を使い、風刺漫画を描き始めるようになるジョン。社会の底辺から世界を見つめたジョンのひとコマ漫画は、賛否両論ながらも、地方新聞や雑誌に掲載されるようになっていく。人生、詰んじゃったな……としか思えない状況から、現実を噛み締めたジョンの本当の人生がゆっくりと始まった。

 米国ポートランドを舞台にした本作の企画を立ち上げたのは、ガス・ヴァン・サント監督のヒット作『グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち』(97)に出演したロビン・ウィリアムズ。自身の主演作として漫画家ジョン・キャラハンの自伝の映画化をガス・ヴァン・サント監督に依頼していたが、ロビンは2014年に急逝。ホアキン・フェニックスが名優の遺志を継ぐ形で完成に至った。

 兄リバー・フェニックスをオーバードースで失うなど、生と死を隔てるボーダーは紙一重であることをホアキンは知っている。宗教への依存を描いた『ザ・マスター』(12)や人工知能との恋愛ドラマ『her/世界でひとつだけの彼女』(13)と並ぶ、彼の代表作となりそうだ。

 4月26日から上映が始まったドキュメンタリー映画『HOMIE KEI チカーノになった日本人』も、生死の狭間を味わった主人公が、それまでの最悪人生を逆回転させていく驚きのトゥルーストーリーとなっている。顔に大きな傷痕、背中には刺青、小指が欠けている元ヤクザのKEI。母親が育児放棄し、親戚や知り合いの家をたらい回しされながら育ったKEIは、中学卒業後は暴走族から暴力団組員へとワルの道を突き進んでいた。障害者の乗る車イスのパイプにコカインを隠して海外旅行させるなど、KEIは頭の回転がよく、ドラッグビジネスで大儲けすることになる。
 
 ところがハワイでFBIの囮捜査に引っ掛かり、KEIは米国の重犯罪者用刑務所で10年以上を過ごすはめとなる。かわいがっていたはずの弟分の裏切りだった。人種のるつぼである米国の刑務所は、リンチや殺人が平然と行なわれるこの世の生き地獄だった。黒人グループやイタリア系グループなどが割拠する刑務所内へ日本人がたった一人で放り込まれたことは、オカマを掘られるか死を意味していた。どこにも逃げ場のない絶体絶命の状況にありながらKEIは「見下されるのなら、死んだほうがまし」と不敵な態度を貫き、刑務所内の最大勢力であるメキシコ系グループ“チカーノ”のボスに気に入られる。

 刑務所で更生できずにいる受刑者が多い中、KEIはチカーノたちと出会ったことで人生が大きく変わっていく。人との繋がりを求めて暴走族や暴力団に身を置いていたKEIだったが、いつの間にか人間関係よりもお金のほうが大事になっていた。それに対してチカーノたちはお金や法律よりも、仲間同士の関係を大切にしていた。日本のヤクザが失っていた“仁義”が生きていた。KEIは刑務所でチカーノたちと家族同然の仲となり、刑務所内で上映されている映画と辞書で語学をマスター。日本に帰国後は、チカーノのファッションブランド店やクラブを経営し、成功を収めている。

 薬物とはきっぱり縁を切り、現在はチカーノカルチャーを日本で広める他、児童クラブを無償で設立し、家庭や学校に居場所のない子どもたちとの交流を育んでいる。『ドント・ウォーリー』のジョンと同じく母親と一緒に過ごした幼少期の記憶のないKEIは、チカーノの一員となったことで家族の温かさをようやく知ることができた。7年ごしでKEIを追い続けたカメラは、KEIが子どもたちと一緒になって笑っている姿を映し出す。本当は自分が幼い頃に母親にしてほしかったことを、自分が母親代わりになって子どもたちにしてあげているかのように思える。

 大事故に遭いながらも、命拾いしたジョン・キャラハン。いつ殺されてもおかしくない刑務所からの生還を果たしたKEI。2人とも単に運がよかっただけなのかもしれない。でも、ジョンもKEIも人生のドン底での出会いの中に幸運の種を見つけ、それを大事に育て続けた。彼らの本当の人生は、ドン底から始まった。

(文=長野辰次)

『ドント・ウォーリー』
原作/ジョン・キャラハン 監督・脚本/ガス・ヴァン・サント
出演/ホアキン・フェニックス、ジョナ・ヒル、ルーニー・マーラ、ジャック・ブラック、マーク・ウィーバー、ウド・キア、キャリー・ブラウンスタイン、ベス・ディットー、キム・ゴードン
配給/東京テアトル 5月3日(金)よりヒューマントラストシネマ有楽町、ヒューマントラスト渋谷、新宿武蔵野館ほか全国順次公開
C)2018 AMAZON CONTENT SERVICES LLC
http://www.dontworry-movie.com

『HOMIE KEI チカーノになった日本人』
監督/サカマキマサ 撮影/加藤哲宏 音楽/原夕輝
編集/有馬顕、大畑創、トラビス・クローゼ
配給/エムエフピクチャーズ 4月26日よりヒューマントラストシネマ渋谷ほか全国順次公開
https://homie-kei.com

『インハンド』山下智久、ドSキャラのハズが菜々緒の尻に敷かれる? 観月ありさが“不老不死の秘密”に説得力をもたらす

 山下智久が寄生虫専門のドSな医学者を演じるドラマ『インハンド』(TBS系)の第3話が先月26日に放送。今回は観月ありさがゲスト出演し、“不老不死”がテーマに描かれました。

 寄生虫学者の紐倉哲(山下)はある日、助手の高家春馬(濱田岳)を引き連れ、大学時代の恩師で、現在はパナシアンビューティーという美容会社のCEOを務める瀬見まき子(観月)の講演を聞きに行くことに。まき子には早老症を患う妹のみき子(松本若菜)がいたことをふと思い出し、すでに死んでいるに違いないと、紐倉は少しセンチメンタルな気分になったりします。

 その一方、この会社では、“不老不死の生物”といわれるベニクラゲからテロメテーゼという酵素を抽出し、アンチエイジング治療に活用しているものの、その会員らが次々とアルツハイマー症にかかっていることに疑問を抱くのでした。

 この件に関しては、サイエンス・メディカル対策室の牧野巴(菜々緒)も調査に乗り出していて、紐倉は協力を求められるものの拒否。しかし、老いていくみき子の姿を思い出したことで、現在のまき子の研究が気になり、結局は協力することになります。

 そこで、パナシアンビューティーが論文を募集していることに目をつけ、高家とともに一夜漬けで論文を作成。それが評価されたことで会社から呼び出され、まき子との面会の約束をとりつけます。

 そして、“博士”を装った高家とまき子が面会する間、紐倉はまき子の部屋へ潜入し、データを盗み出すことに成功。その結果、“若返り”の秘密は、違法に入手した若者の血を輸血することにあるのだと判明します。

 一方、高家は正体がバレてしまい、拉致されてしまいます。紐倉は牧野から助けに向かうよう依頼されて一度は断るものの、助手として愛着が湧き始めているため、まき子の家へ単身で突入。みき子の死によって老いていくことが怖くなったというまき子に対し、人類は死があるからこそ進化し続けてきたことや、不老不死になったら成長が止まり、逆に滅亡するのだと説き伏せ、一件落着となります。

 さて感想。今回は、人類が永遠に追い求めるであろう“不老不死”がテーマでした。若者の血を輸血することで血漿の若返りを図る、という医学的に正しいのかどうかはわかりませんが、ここはキャスティングの妙。観月ありさがまき子役を演じたことによって、絶妙な説得力とリアリティーが生まれました。これは山下にもいえますが、実際に法に触れるようなアンチエイジングでもしてるんじゃないかと疑うほど、2人とも若々しさを保っていますからね。

 その山下は、変人・紐倉役がすっかり板についてきました。相変わらずボソボソとした喋り方ですが、キャラが馴染んだのか、あるいはこちらが見慣れたのか、違和感が無くなりました。クールを装いつつも実は情に厚い。毎回のように牧野からの依頼を断りつつも、結局、最後には従うあたり、尻に敷かれているようにも思えます。山下が菜々緒のお株を奪うドSキャラという設定ですが、実際には牧野が紐倉と高家にリードをつなぎ、徐々に上手く操り始めているような気がしないでもありません。

 その牧野からぞんざいな扱いを受ける高家に関しては、前回同様に文句なし。天才的な探偵が主人公の作品ではステレオタイプに陥りがちな、いわゆるワトソン的な役回りを、濱田がコミカルに演じることで個性を発揮。回を追うごとに紐倉とのコンビネーションが冴え渡ってきている印象ですね。

 その紐倉の過去が毎回、少しずつ紐解かれているのですが、今回は大学時代の回想シーンが流れたことで、当時はまだ右手が義手ではなかったことが明らかになりました。さらに、以前はアメリカ疫病予防管理センター(CDC)で働いていたものの、アメリカ陸軍と揉めたことによって解雇されたことも判明。時折、戦場らしきシーンがフラッシュバックされ、その度に右手が痛む様子も気になるところではあります。

 恐らくそこには悲しい秘密が隠されているのでしょう。郊外の巨大な動植物園でひとり寂しく研究を続けてきた謎が明らかになることで、紐倉のキャラクターはさらに深掘りされて魅力が増すハズ。視聴率的には、常時15%前後を推移した『コード・ブルー -ドクターヘリ緊急救命-』シリーズ(フジテレビ系)にはまだまだ及びませんが、山下の新たな代表作になる可能性を秘めているのではないでしょうか。次回は“人を自殺させる病原体”がテーマとのことで、放送を楽しみに待ちたいと思います。
(文=大羽鴨乃)

テレ朝・弘中綾香アナが『報ステ』プロデューサーのセクハラにぴしゃり「コンプライアンス的にどうかと」

 視聴率が好調のテレビ朝日は「攻めてる」とマスコミ界隈で評判だそうですが、女性アナウンサーの宇賀なつみさん、小川彩佳さんが相次いで退社したという懸念も。そんな中、しなやかにたくましく魑魅魍魎のテレビ局を闊歩しているのが弘中綾香アナウンサーだといいます。

 今回は六本木ヒルズ森タワー51階の六本木ヒルズクラブで行われた『2019年 春  記者・制作者懇親会』の模様をレポート。司会を務めた弘中アナウンサーの、記者たちを唸らせたその手腕とは?

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 皆さん、ごきげんよう。アツこと秘密のアツコちゃんです!

「テレビ朝日、攻めてるなぁ」。マスコミ連中からそんな声が聞こえてきた『2019年 春  記者・制作者懇親会』。51階の六本木ヒルズクラブで行われるいつもの懇親会なんだけど、今回は気合いの入り方が半端なくて、いい意味で“圧”を感じたアツなのでした~。

 というのもね、今春の懇親会はまず新番組紹介VTRが凝っていて、手間暇がかかっていたのよ。例えばだけどドラマ『家政夫のミタゾノ』。最初は普通の番組紹介VTRが流れるんだけど、それが終了すると主演の松岡昌宏兄ィや伊野尾慧くん&川栄李奈ちゃんが登場して、収録スタジオで役衣装のまま「記者の皆さん、お疲れ様です。取材、お待ちしていまーす」とコメントするわけ。

 初めは1番組だけかなと思っていたんだけど、『東京独身男子』でも高橋一生さん、斎藤工さん、滝藤賢一さんが出ていらして「取材、お待ちしてます」と、全番組がこんな感じ。一生、工&滝藤さんファンの女性記者たちは呼ばれてもいないのに「行く行く~」と勝手に大騒ぎ。もちろん中にはスタッフに「言わされてる感満載」のスティック台詞を言いつつも顔には「カンペに書いてあるから言ったけど、取材なんか絶対にイヤだからね」と書いてあった俳優さんや女優さんもいらしたことは確かだけど(笑)、このひと手間をかけたスタッフの頑張りには拍手喝采よ。

「平成最後の懇親会だから力を入れたのか?」とか、「ドラマやバラエティー、営業成績も好調なテレ朝だから俳優やタレントたちも快く協力したんだろうなぁ。今のフジテレビじゃ有り得ないし、日本テレビのドラマじゃこんな協力はしてもらえないだろうし」なーんてスポーツ紙の男性記者たちは面白がって言ってたけど。でも何だかんだみんな興味深そうにVTRを見てたし、番宣に力を入れた制作陣、協力した俳優陣の心意気を感じて一気にテンションが上がったのよね。

 いつもなら途中で飽きてワイン片手に51階からのまばゆい夜景に目をやって「二次会、どこに行こうかな」等と呟く某クセ者記者もニヤニヤしながら見て喜んでたしね。でも何と言っても大きかったのは、この懇親会を盛り上げた立て役者が弘中綾香アナだったこと!

 弘中アナは、2019年入社の新人男性アナウンサー・仁科健吾アナと布施宏倖アナを従えてテンポよく司会進行。可愛いのに言う時は言うから、会場中から応援の声が聞こえてきたり、人気を爆上げしちゃっていたの。アシスタントを仰せつかった新人男性アナ2人は声よし、お顔もよしでフレッシュさ満点、大きなよく通る声で自己紹介をしてなかなか面白ったしね。女性陣で「買いかもしれないわ」なんてささやきあってたの。アツもかなりお気に入り指数が上がったんだけど肝心の「面白い自己紹介」の内容をすっかり忘れてしまってごめんなさいね。その時はすごく盛り上がったんだけどなぁ。ともかく新人男性アナウンサーは慣れない場ながらも弘中先輩の側近として、会の最初から最後まで全力で笑顔を振りまきながらお付き合いしてくれたわけ。 

 そんな宴もたけなわになった頃のこと。取材陣お待ちかねの新人女性アナウンサーの斎藤ちはるアナと下村彩里アナがご登場。斎藤アナは乃木坂46の元メンバーでアイドル出身の即戦力アナウンサーとして、正式入社前から話題を集めていたのよね。入社と同時にテレ朝の看板番組の1つである朝の情報番組ではダントツの人気と視聴率を誇る『羽鳥慎一モーニングショー』の2代目アシスタントに就任。初日から堂々としていて期待値は高まるばかりの逸材なの。もう1人の下村アナは『報道ステーション』金曜日のお天気キャスターとして活躍中で、男性からの人気が高い高い。『2016ミス・インターナショナル日本代表選出大会第3位』の経歴を誇るずば抜けた美女なのよ。男性週刊誌の記者たちが「グラビアやってくれないかなぁ」と虎視眈々だったけれど、テレ朝らしい正統派女子アナだもの。残念ながら壁は高いと思うわ。

 さて出席者が固唾を飲んで見守る中、女子アナ2人が初々しくご挨拶して、斎藤アナは「緊張ばかりですが、羽鳥さんが好きにやっていいよと言って下さるので楽しくやっています」とコメント。さらに「平成最後の4月30日の夜は『羽鳥慎一モーニングショー夜の特大版』を担当させていただきました」と押さえるところ押さえた自己紹介をして場を圧倒。さすがよね。番組プロデューサーが「羽鳥さんが毎朝、反省会をして彼女を育てていってくれてます」と裏話も披露して評判は上々だったの。一方の下村アナは「不安もありますが、私は1人じゃないというのが唯一の安心材料です。先輩MCの皆さんやスタッフの方々に助けられています」と優等生発言で上手に締めくくったんだけど、その後にちょっとあったのよね。

 上司である『報ステ』の某プロデューサーが下村アナのことを「ご覧のように彼女は背も高くプロポーションもよくて……」とコメント。褒めたつもりだったのはわかるけど、それこのご時世ではちょっとアウトな発言でしょ。そこをすかさず弘中アナが「今の発言はセクハラになりませんか?  コンプライアンス的にどうかと~」とツッコんでくれたので、会場は気まずい空気にならずに済んだわけ。

 プロデューサーのコメントを聞いてた記者連中の誰もが「出た出た。それは褒め言葉じゃないよ。古いから」と思っていたから、汲み取った弘中アナが「すみませんね~」と明るく突っ込んで、素早く謝罪した事で問題にならず一件落着という流れに感心。この対応力にはみんな「弘中アナやるなぁ。テレ朝アナウンス室を背負って立つのは彼女かもしれないな」と口々に言ってたわ。その機転で上司の失言を救い、うるさ型のマスコミ連中を一瞬にして黙らせ、感嘆させた弘中アナの評価はうなぎ登りよ。可愛い顔してサラリと凄い手腕を見せつけてくれて大感激。上から目線で申し訳ないけど「テレ朝アナウンス室もまだ大丈夫だね~」と記者仲間で盛り上がったほどよ。宇賀なつみさん・小川彩佳さんが退社してしまった今、弘中アナが頑張らなきゃね。

 さてさて、懇親会は新番組のプロデューサーたちもステージに上がって生で全力番宣をしていったんだけど、各人が趣向を凝らしていて聞きどころ見どころたっぷり。もちろん聞いてたんだけど、どうにもお料理も気になっちゃって、途中、聞き耳を立てながらお料理が並ぶコーナーへとこっそり移動。お肉にお魚にデザートにといろいろあったんだけど、何が際立っていたかと言うと『ホワイトチョコレート・ファウンテン』なの。巨大なホワイトチョコレートがグルグル回っている所へマシュマロやイチゴをつけて食べるんだけど、甘くて美味しくて手が止まらず、アツの心はとろけまくり。よくよく見てみるとデザートタイトルが『白い巨塔』と書いてあって、そのホワイトチョコレート・ファウンテンは岡田准一くん主演のスペシャルドラマ『白い巨塔』が、この懇親会のために用意したスペシャルデザートだったことがわかったの。

 だから今更だけど一応、宣伝しておくわ。5月22日から26日までの5夜に渡って放送される『テレビ朝日開局60周年記念  5夜連続ドラマスペシャル「白い巨塔」』がそれ。山崎豊子さん原作の普及の名作で、監督は巨匠・鶴橋康夫氏。(鶴橋監督の息子さんは日テレだけどね)大掛かりなドイツロケも敢行して、岡田くん始め超豪華なキャストが勢揃いしているから重厚だし見応え十分。ホワイトチョコレートが美味しかったから言うわけじゃないし(ホントか?)内容は皆さんご存知だろうからあえて紹介しないけど、岡田くん演じる財前五郎の大迫力の総回診を楽しみにしていて欲しいわ。

 ホワイトチョコレートに心奪われて他の番組の話が飛んじゃったけど、ゴールデンタイムへと枠移動して出世したKis-My-Ft2の『10万円でできるかな』のプロデューサーは、高視聴率を弾き出してホクホク顔。「タイトルは10万円とありますが、10万円に執着せずいろんな挑戦をしていきたい」と抱負を。

 期待の中で始まったばかりの『中居正広のニュースな会』のプロデューサーは「何が起きるか分かりませんしバタバタしていますが、毎回毎回、中居さんと話し合いを重ねています。これからどんどん進化していきます」とコメント。記者たちは聞きたい事は山ほどあれど、なかなか口を割らないスタッフ陣を尻目に「とりあえず、まずはお手並み拝見だね」とちょっとクールな反応だったわ。

 でもね、そんな中でもまたまた即座に空気を読んだ弘中アナがうまくスタッフをフォローして、明るくまとめていて。いやぁ今回のテレ朝懇親会は弘中アナの頑張りで盛り上がったと言っても過言じゃないと思うの。ま、『白い巨塔』のホワイトチョコレート・ファウンテンも美味しかったけど。

 世間的にも個人的にも『中居正広のニュースな会』の今後が気になるし、力の限り時間も予算もかけた『白い巨塔』も見たいし、好調なテレ朝の頑張りを見守らなくちゃね。昔からだけど、テレ朝のおもてなしは心がこもっていて有名なのよ。ただの懇親会だったらこんなにも大勢のマスコミ連中が出席しないもの。テレ朝宣伝部が総力を上げて心からのおもてなしをしてくれた長年の成果が今こそ開花しているんだと思うの。これは他局の宣伝部の皆さんにもぜひぜひ、何がなんでも見習っていただきたいところなのよね〜。取材する側される側、持ちつ持たれつの関係なんだから。

 先輩が帰り際に「テレビ局だって、結局は人間力がモノを言うんだよね」と言っていたけど、ホントそう。新しき令和という時代に生き残る局はさてど〜こだ?   うっかり食べ物に釣られちゃうダメダメなアツだけど、弘中アナを見習ってちゃんと人間力を身につけなくちゃ。一視聴者としてもしっかり見届けるべく今後も取材、頑張らなくちゃね。改めまして皆様、令和もどうぞヨロシクお願い致しま~す!

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秋篠宮家バッシングなぜ過熱? 眞子さまと小室圭さん、結婚騒動の今を皇室ウォッチャー解説

 5月1日、新しい天皇が即位し、「令和」の時代が開幕した。日本国民は祝福ムードに包まれているが、一方で、昨年から続く秋篠宮家の長女・眞子さまと小室圭さんの結婚延期問題が、平成のうちに決着しなかったことを問題視する向きもある。当初は、借金トラブルを隠していた小室さん側に国民の批判が集中していたものの、最近では、眞子さま、ひいては秋篠宮家バッシングも盛んになる中、この現状を皇室ウォッチャーX氏はどう見ているのか、話を聞いた。

――眞子さまと小室圭さんの結婚延期騒動がなかなか決着を見せず、世間では双方へのバッシングが吹き荒れています。

皇室ウォッチャーX氏(以下、X) 当初は借金トラブルを抱える小室家への批判が吹き荒れていましたが、今ではそんな圭さんと眞子さまのご結婚を許可した秋篠宮ご夫妻に対する批判に切り替わっている印象です。「小室家の借金トラブルを、きちんと調査をしていればよかったのに」という意見もあります。さらに、眞子さまが圭さんを結婚相手に選んだのは、秋篠宮家の「自由な家風」による教育の影響ではないかという批判も起こっているのではないでしょうか。

――世間の批判の矛先が、秋篠宮ご夫妻に向いたきっかけはありましたか。

X 「圭さんのアメリカ留学」ではないでしょうか。昨年8月に国際弁護士の資格取得を理由に、圭さんは3年間のアメリカ留学に発ちました。もちろん、この謎の留学に対しても批判は起こりましたが、圭さんが日本からいなくなったことにより、週刊誌も彼の取材を行うのが困難になったようで、近影はおろかニュース自体が減ってしまったのです。同時に、圭さんの母親・佳代さんもまったく姿を現さなくなりましたから。そんな中、秋篠宮家の方々がご公務を行う様子などは変わらず報じられていましたので、自然と批判の矛先が秋篠宮家に変わってしまったのだと考えます。

 もう一つ、これは「きっかけ」ではないですが、結婚延期から1年以上たったのにもかかわらず、秋篠宮ご夫妻が具体的な行動を取っていないのも、批判が起こった「理由」だと思います。かろうじて、昨年秋篠宮さまが、お誕生日会見で踏み込んだ発言をされたものの、事態はほとんど動いていない。そんなもやもやとした状況に国民が業を煮やしたのかもしれませんね。

――ネット上を見ていると、国民は秋篠宮家の方々それぞれに対して、意見や要望を訴えている様子が垣間見えます。

X 秋篠宮さまに対しては、小室家への調査が甘かったことを批判されている印象です。また、破談を望む国民からは「早く小室さんを説得して結婚辞退させてほしい」という意見が聞こえるように思います。紀子さまに関しては、眞子さまとのコミュニケーションが取れていないという週刊誌報道によって、「眞子さまと今以上に、結婚についての話し合いを進めてほしい」との声が上がっているのではないでしょうか。そして、眞子さまに対しては、やはり「なぜこれだけの批判が起こっているのに、皇族というお立場を考慮して結婚を諦めないのか」という批判が目立っています。さらに佳子さまは、最近大学を卒業する際に発表した文書で「姉個人の希望が叶ってほしい」と、眞子さまの結婚を応援するスタンスを取られたことで、一気に集中砲火が起こりました。また、悠仁さまご本人に対する直接的な批判は目立ってありませんが、問題を抱えている秋篠宮家が未来の天皇陛下である悠仁さまをきちんと教育できるのかといった不安の声があると思います。

――もともと皇室ウォッチャーの間で、秋篠宮家はどのようなご家族であるととらえられていたのでしょうか。

X 秋篠宮さまは幼い頃から、お兄様である天皇陛下に比べて、自由奔放なご性格だったように思います。学習院大学で紀子さまと出会われてご結婚したことも、皇族では珍しく「自由な恋愛をされた」と見る向きが強いです。また、ナマズや家禽類のご研究に没頭されていたり、お好きなことをやられている印象もあります。紀子さまは、秋篠宮家の職員への対応が時に厳しくなることがあるそうで、よく人員の入れ替えがあるという話も耳にしました。お出ましの際は、いつもにこやかにされている紀子さまですが、私生活では求めるハードルが高く、カリカリしている印象があります。

――平成のうちには、決着がつくだろうとみられていた結婚延期騒動ですが、結局何の動きもありませんでした。今後、どのような展開を見せると思われますか。

X とりあえず言えることは、今年中は即位関連の儀式が続くので、結婚延期騒動の決着はないでしょう。秋篠宮ご夫妻も、そんな大切な時期に事態を動かそうという思いはないと考えられます。あるとすれば、来年に入って早々、結婚延期が発表されてから2年たった頃なのではないかと思います。宮内庁の発表でも2020年までの延期とされていますし、ちょうど延期から2年たった節目は動きやすいのではないでしょうか。その際は、発表された内容同様に、結婚関連の儀式スケジュールが発表されるのか、もしくは圭さんから結婚の辞退が公表されるのか、もしくはさらなる延期期間を設けるかの3択しかないと思います。令和になっても、まだしばらくは騒動が終わることはないでしょう。

YGエンタ・BLACKPINK「Kill This Love」の楽曲性は一歩先を行く![K-POPレビュー]

――毎月リリースされるK-POPの楽曲たち。「この曲がすごい痺れる!」「なんか、このトラック好き!」の感情を別のK-POP曲につなげられたら、もっと楽しいはず! そこで、さまざまなジャンルのDJを経て現在はK-POPのクラブイベントを主宰するe_e_li_c_a氏が、K-POPを楽しみ尽くす“視点”をレクチャー。4月にリリースされた曲から[いま聞くべき曲]を紹介します!

いま聞くべき1曲‖BLACKPINK - Kill This Love


 もう説明不要かとは思いますが、YG Entertainment所属の4人組グループ「BLAKPINK」の新曲。YGといえば、ここ1カ月程はBIG BANGのV.I(スンリ)が、Drug Restaurantのチャン・ジュニョンをきっかけとしたさまざまな不祥事(「バーニング・サン」事件)に関わっていたことが明らかになり、会社としても脱税などが疑われています。しかし、そんな状況でも無理矢理、BLACKPINKをカムバックさせただけあるな、という楽曲になっていると思います。

 強そうなホーンの音から始まり、太いベースが追加され、ドラムで畳み掛ける。強い曲が来る!! と予感させるイントロが最高で、最後のサビ後のブリッジではマーチング調のドラムが響くなかロゼが歌い上げ、何度も繰り返す「Kill this love」のラインでは全員のボーカルと共にホーンが唸り、ドラムが追い打ちをかけ、そして最後はボーカルの「let’s kill this love」だけが残り、終わります。 曲の後は、その場が焦土になっているかのような圧倒さで、全体的に凶悪な雰囲気の曲調です。

 リリース後、アメリカのフェス「Coachella(コーチェラ)」へ出演して13曲を披露しましたが、セットも「Kill This Love」のMV冒頭に寄せられており、この曲のホーンが鳴り響いた瞬間の盛り上がりを、その場で体験したかったと思わされます。また、今までに比べて韻を踏む音に英語が多用され、歌詞をパッと見ただけでも英語が目に付きます。韓国語ネイティブでない人にとって英語部分は一緒に歌いやすいことから、今回展開されている北米でのプロモーションのことも考慮されているように思います。

 昨今K-POP男性アイドルはBTSを皮切りに次々と北米圏に進出していますが、楽曲の方向性に手探り感が窺える中、BLACKPINKは一歩先を行っているように感じました。

コンセプトがつながる曲‖Everglow - 봉봉쇼콜라 (Bon Bon Chocolat)


 Everglowは、3月にデビューした6人組ガールズグループで、『Produce48』に出演したキム・シヒョンやワン・イロンが在籍。所属事務所は、中国が本拠地の俳優やドラマ、映画方面に強い事務所・Yuefua(ウィエファ) Entertainmentの韓国支社(Yuefua Entertainment Korea)で、現在「IZ*ONE」で活動しているチェ・イェナも同じ事務所にいます。

 楽曲の雰囲気や方向性なども含め、同性の女性が憧れるカッコよさ、強さを感じるようなコンセプトを韓国では「ガールクラッシュ」と言いますが、「Kill This Love」や、この曲などもそこに当てはまるものかなと思います。ただ、私と楽曲の好みが似た方々から「Kill This Love」も「Bon Bon Chocolat」もあまり評判が良くなく、何が原因か考えたところ、 もしかしたら耳馴染みがない曲調だからなのかなと思いました。 これらの曲は、 2009年頃からのベースミュージックを参考にしていると感じたのですが、それらを通ってきていないのかもしれません。サビ前のクラップで畳み掛けるような感じや、クラップの「スパーン!」という響き、ドラムの打ち方に当時のベースミュージックっぽさを感じました。

 当時のHudson MohawkeやFlying Lotusなどを聞き慣れた人間からすると、この2曲を聞くと懐かしい気持ちになり、実際に私はBon Bon Chocolatが出たあとHudson MohawkeとFlying Lotusの曲をたくさん聞き返しました。

楽曲の面白さを広げる曲‖Hudson Mohawke - Chimes


 Hudson Mohawkeは、スコットランドのグラスゴー出身のプロデューサー、DJ、作曲家。12歳からPlaystationで曲作りを始め、14歳でDMC(DJの技術を競う世界大会)イギリス大会でのファイナリストとなり、若い頃から注目されます。この曲は14年にリリースされており、AppleのMacBook AirのCM楽曲として使われました。

 0:40頃から始まる太いベースは、まさに2曲の「ブオー」というベース音とそっくりです。また、Luniceとのユニット・TNGHTのこの曲など、ドラムの打ち方やベースが似ています。彼らやFlying Lotus、Rustieなどのアーティストは、はっきりとジャンルが振り分けられません。HiphopやElectronicなどさまざまなジャンルが入り混じり、また時期によっても曲調が違います。それゆえ、Warp Recordsなどの楽曲をリアルタイムで追っていた人以外は、なかなか出会えない曲調なのかもしれません。

 また、09年にリリースされたHudson Mohawkeの「Ooops!」は、02年にTimbalandがプロデュースしたTweetの「Oops (Oh My)」を丸々サンプリングしたもので、 彼がこの辺りのHip- HopやR&Bから影響を受けていることが良くわかりますし、 BLACKPINKの楽曲にはこのTimbaland節を感じる曲も多くあります。

<落選したけど……紹介したい1曲>
ENOi「bloom」:
デビュー曲なのですが、とにかく曲が良いから聞いて!!

<近況>
最近JYPへの想いが極まりすぎてJYP Mixなるものを作り、 台北までJUS2を見に行ったり、 台中にあるTwice・ツウィ母がやっているカフェに足を運んだり 、ソウルまでStray Kidsを見に行ってきました。 この原稿を書いた後、すぐにまたHiphopのフェスのために韓国に行く予定です。5月12日にはソウルのHyundai Card Understageという場所で開催される슬픔의케이팝파티(悲しみのK-popパーティ) というイベントでDJをします。 ここ1カ月は、自分が今どの国にいるのかわからなくなっています。

e_e_li_c_a
1987年生まれ。18歳からDJを始めヒップホップ、ソウル、 ファンク、ジャズ、中東音楽、 タイポップスなどさまざまなジャンルを経て現在K-POPをかけるクラブイベント「Todak Todak」を主催。K-POPを、楽曲的な面白さとアイドルとしての魅力双方から紹介する視点で人気を集める。

Twitter @e_e_li_c_a TodakTodak
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炭鉱に生まれた「白雪姫」、肥大した金と男への欲望【福岡スナックママ連続殺人・前編】

世間を戦慄させた殺人事件の犯人は女だった――。平凡に暮らす姿からは想像できない、ひとりの女による犯行。彼女たちを人を殺めるに駆り立てたものは何か。自己愛、欲望、嫉妬、劣等感――女の心を呪縛した闇をあぶり出す。

 福岡県糟屋郡志免町。志免鉱業所を擁するこの町がかつて石炭の街として大いに栄えていた頃、その愛くるしさから近所の人に「白雪姫」ともてはやされた少女がいた。やがてその少女は大人となり、故郷を捨て、その美貌を武器に、数多くの男を陥れてゆく。

[第1回]福岡スナックママ連続保険金殺人

 2004年7月22日、かつて「白雪姫」と呼ばれた女が福岡県警に逮捕された。高橋裕子(当時49)は、3年前まで中洲にスナックを構えていた。肉体関係を持った複数の客に対し「家族に私との関係をばらす」などと脅し、現金数百万円をだまし取ったという詐欺容疑である。だがこれはいわゆる“別件逮捕”だった。

 裕子の周囲では不審な死を遂げた男性が複数いた。彼女の2人目の夫で工務店を経営していた野本雄司さん(当時34歳)は1994年10月、福岡県糟屋郡にあった事務所兼自宅の居間で死亡しているのが見つかったが、腹や腰に刺し傷があり、その傍らには包丁が落ちていた。ためらい傷がなかったことなど不審な点は見られたが、雄司さんの死は自殺として処理される。これにより、裕子はその後、約1億6000万円もの死亡保険金を手にした。

 3人目の夫・高橋隆之さん(当時54)は、2000年11月12日の夜中、福岡市南区にあった自宅の浴室内で死亡した。同じく当時は自殺とみられていた隆之さんにも、裕子を受取人として総額1億3800万円もの保険金がかけられていた。だが、このうち郵便局の簡易保険約2700万円は手にするも、隆之さんの持病の糖尿病を問診時に告知していなかったため、保険会社が支払いを拒否。これを不服とした裕子は保険会社を相手取り、8000万円の支払いを求め提訴していた。

 県警はこれを聞きつけ、2人の死亡に裕子が関係しているのではと追求を続けていた。取り調べにはポリグラフ(嘘発見器)まで用いられ、とうとう裕子はこの2人の死亡について、自分が関わっていたことを認めたのである。

 志免町の目抜き通りで靴屋を営む両親のもとに1955年、裕子は生まれた。両親は商売上手なうえ、地主でもあり「何不自由ない暮らしで両親は子どもに甘かった」という。母親は炭鉱の街に似合わぬ垢抜けた女性で、地元でも目立つ存在だった。幼い裕子は「白雪姫」の名にふさわしい、大きな目の可愛らしい女の子。母親が選ぶ赤や白のワンピースが白い肌によく似合っていた。

「うちの裕子は○○の服しか着ないの」

 と、高級子ども服メーカーの名を挙げる母親も、高価な服に身を包み、地元住民とは一線を引いていた。教育熱心でもある母の元で育てられ、裕子は小学校からピアノを習い、中高一貫のミッションスクールへ進学。高校生になると、月に何度か東京へピアノのレッスンに通った。

「東京までいうたら、並大抵の費用じゃなかでしょ。ピアノは裕子ちゃんが小学校の頃に家に置いてあったとですよ。当時、この辺りでピアノがあるなんていったらすごいですよ」(地元住民)

 裕子はのち、武蔵野音楽大学に進学する。当初は器楽学科のピアノ専攻だったが、音大でピアノを究めるには、小学校4年からのスタートは遅すぎた。先生のそんなアドバイスを受け、途中から声楽学科に転向した。ここまでは、田舎育ちのお嬢様の順風満帆な人生と言っていいだろう。だがここから、裕子の欲望は徐々に肥大していく。

結婚2年で包丁を突きつけ「失敗だった」

 大学2年の裕子は、早稲田大学が主催した銀座でのダンスパーティに女友達と2人で出かけ、のちに最初の夫となる男性と出会った。慶應義塾大学商学部の学生だった鈴木克己(仮名)が、清楚で一際目立っていた裕子に一目惚れしたのだ。鈴木のアプローチが身を結び、やがて2人は交際を始めることになる。大学を卒業して1年後に結婚。商工会議所の会頭が媒酌人をつとめ、300人以上が出席する結婚式を挙げ、福島県郡山市にある鈴木の実家そばで新婚生活がスタートした。

 翌年には長女が誕生するが、姑はじめ親戚らの干渉から、裕子は何かと福岡に帰省し「ズーズー弁が移る」と親戚付き合いを避けるようになる。結婚から2年後、鈴木に包丁を突きつけ「この結婚は失敗だった」と福岡に帰ってしまった。鈴木も後を追い、2年間の期限付きで裕子の実家で暮らすことにした。しばらくすると裕子の両親の薦めと、頭金を出すという打診もあり、近くに家を購入し、長男も誕生した。

 ところが、鈴木は慣れない福岡での暮らしと、期限付きで移り住んだはいいが、家を買うことになったなどの事情から生活が荒れ、競艇やポーカーゲームなどのギャンブルにのめり込む。気づいた時には借金が膨れ上がり、それが原因となって離婚に至る。85年のことだった。

 それから2年後、裕子は住宅販売メーカーに勤務していた4つ年下の雄司さんと再婚する。出会ったときは鈴木と結婚しており、家を新築する時の施主の妻と住宅会社の担当という関係だった。離婚後、裕子が所有し子どもらと住み続けていた、その家のメンテナンスに訪れた際に親しくなる。雄司さんには子どもが3人いたが、家族や妻の反対を押し切り離婚。裕子の略奪婚だった。

 一級建築士の資格を取得した雄司さんは会社を離れ、建築設計事務所を立ち上げる。離婚後はピアノ教室を開いていた裕子だったが、「社長夫人になるので、ピアノ教室はここで終わりにします」と、生徒や保護者らに宣言し、教室を畳んで、マイホームを手放す格好で、志免町の北部に建てた3階建の豪邸に引っ越した。92年には2人の間に女児が生まれ、3年後には長男も誕生したが、裕子はもともとの裕福な育ちも影響し、派手に散財するようになる。

 加えて、融資の相談で知り合った銀行の担当者と不倫にも溺れていく。だが、金銭的な安定は長くは続かなかった。バブル景気に陰りが見え始め、雄司さんの会社は傾き、たちまち1億の負債を抱えてしまう。しかし生活レベルを落とすことのできない裕子は、雄司さんを激しく責め立てた。

「あんたが死ねば借金を返せる」

 こう何度も言われた雄司さんは思いつめ、2度、車に排気ガスを引き込み自殺を図った。だが、それでも裕子はなおも責め続けた。

「どうして死なんと! 借金はどうやって返すの!」

『完全自殺マニュアル』で不倫相手と殺人計画

 そう雄司さんを責め立てながら裕子は、長男の家庭教師として雇っていた九州大学院生の大和康二(仮名)とも不倫関係となり、こう訴えていた。「頼めるのはあなたしかいない」……裕子にネックレスをプレゼントしたり「好きです! 付き合ってください」と迫ることもあった、一途で若き大学院生はこれを間に受け、雄司さんを自殺に見せかけ殺害するため『完全自殺マニュアル』(太田出版)を読み、真面目に策を練った。

 「ベンジンをウイスキーに混ぜて飲ませたらいい。普通に家にあるものだから怪しまれないはず」とベンジンを裕子に手渡し、ウイスキーと混ぜたが、臭いがきつくとても飲ませるのは難しい。「頭のいい学生さんが考えることは、現実感が乏しい。もっとリアルな方法はないの?」とベンジンを突き返す。考えた大和が裕子に伝えた方法は「腹部を刃物で深く突き刺して動脈を傷つけ、すぐに刃物を抜く」というものだった。

 事件当日、裕子はウイスキーと睡眠導入剤を雄司さんに飲ませ、寝入ったところ、手に軍手をはめ、腹と腰に包丁を突き刺したのだった。傷は背中まで貫通していた。その後おもむろに大和を呼び出し、軍手の処分などを手伝わせた。

 当時、雄司さんの母は、壱岐にある自宅の近くで、化粧品店を経営していたが、ある日、その店の留守番電話に雄司さんとおぼしき声が吹き込まれていた。

「サ・サ・レ・タ……」

 雄司さんの娘に聞かせると、こう言った。

「これはパパの声よ」

 警察は自殺と処理したが、家族はずっと、裕子による殺人と疑っていた。

――後編は、5月4日掲載

ゴミみたいな情報ばかりに規制の嵐……Facebookは既にオワコンか

 Facebookの凋落が止まらない。TikTokなど新たなサービスが話題を集める一方でFacebookはオジサンオバサン向けのかび臭いものになりかけているのだ。

 近年の調査によればアメリカでのFacebookのユーザー数は2017年時点から1,500万人減少。実際にFacebookのアカウントを削除して止めてしまうユーザーだけでなく、放置しているユーザーを含めるとその数は膨大なものになると予測される。

 日本の場合、指摘されるのはFacebookの意味不明な投稿内容のガイドラインである。Facebookでは「テロ煽動」や「ヘイトスピーチ」に該当するとされる投稿も相次ぎ、各国が政府レベルで非難するまでにもなっている。これに対して、Facebookはそれらに該当する投稿を行ったユーザーのアカウントを停止するなどの措置をとってきた。しかし、そのガイドラインは極めて曖昧だ。

「投稿が自動で解析されているためか、芸術作品でも乳首が出ている写真を投稿した途端に警告されるのが当たり前です。試しに投稿してみると、よくわかりますよ。それならまだしも、最近では政治的な発言の多いユーザーが、交通量の多い交差点の話題で“左折なんてできるか”と投稿したら停止されたという真偽不明の話も聞きました」(ユーザー)

 これに加えて、Facebookで問題となっているのは独自のアルゴリズム。友達の投稿が投稿した時間順ではなく、Facebook側の解析で「最適」なものが順に表示されるようになっているのである。結果、特に見たくもない、誰がどこでメシを食べたみたいなゴミのような話題ばかりが上位に来たりするようになってしまっているのだ。

 もはや発信手段としても、マウント手段としてもカビ臭くなったFacebook。もういっそSNSなんかやらなくてもいいんじゃないかな。
(文=大居候)

レオはサメに襲われ、オーランドは3階の高さから落下……九死に一生を得たセレブPART2

 アクションシーンや危険な場所での撮影など、ハイリスクな仕事が舞い込む機会の多いハリウッドセレブ。そんな日常に慣れてしまい、私生活でも刺激を求めるせいか、トラブルやケガ、事故に見舞われるケースも少なくない。以前も「九死に一生を得たセレブ」を特集したが、今回はPART2として、読んでいるだけでぞわっとするような、セレブの危険すぎる体験を紹介しよう。

エリー・ゴールディング

 イギリス出身のシンガーソングライターであるエリー。2016年、彼女はツアーに同行していた写真家コナー・マクドネルと共に凍った湖の上をベルトワゴンで走行中、水面に張った氷が割れるというアクシデントが発生した。車両が沈み始めてしまい、2人は車を脱出。屋根によじ登って救出を待った。コナーはその時の写真を後日、インスタグラムに投稿。マイナス25度の湖の中で凍死する可能性があったことを明かしていた。

レオナルド・ディカプリオ

 「レオ」の愛称で親しまれている俳優レオナルド・ディカプリオは、南アフリカでのダイビング中に、死に直面したことがある。海中に設置されているケージに入り、ホホジロザメを間近で見ていたとき、サメが起こした強い波によってケージが開き、サメが入り込んできたのだ! 巨大なサメだったため体の半分しかケージに入ることができなかったため、レオはケージの底に身を伏せてその攻撃をかわした。サメは5、6回かみつこうとしたそうだが、結局届かず、レオはなんとか命拾いしたという。

 ちなみにレオ、海中だけでなく、空中でも危険な体験をしている。スカイダイビングで降下中、パラシュートのヒモが絡まり、開かなくなってしまったのだ。一緒に飛んでいたインストラクターが2つ目のパラシュートを開こうとしたが、それも絡まって大ピンチ。なんとかほどけたが、落下速度が速すぎで、地面に叩きつけられたら骨折は免れない状況だったという。しかし、そこは運の強いレオ。上手に転がりながら着地したため、大ケガはなかった。

ジョージ・クルーニー

 昨年7月、時速60マイル(約96km)でバイクを走行中、車に突っ込まれたジョージ。すぐに救急車で病院に搬送され、奇跡的に手足、骨盤の打撲という軽傷で済み、「不死身」「ラッキーガイだ」と話題になった。

 そんなジョージだが、映画『シリアナ』(2005)撮影中に、アクションシーンで頭を強打。鼻から髄液が漏れ、すぐに病院で緊急手術を受けた。その後、しばらくは、脊髄を損傷したことによる激しい頭痛に苦しんだという。痛みはすさまじく、真剣に自殺を考えたとジョージは米カルチャー誌「ローリング・ストーン」に激白、死を間近に感じたと明かした。

 危険なことには手を出さない、エレガントな女優というイメージが強いアンだが、2014年ハワイでのバケーション中、まさに「死ぬかと思った」という体験をしている。海で泳いでいた際、「離岸流」(海岸から沖合に向って発生する強い流れ)に巻き込まれてしまったのだ。近くにいたサーファーが溺れかけているアンを救出したため無事だったが、もし近くに誰もいなかったら溺死の可能性もあった。

レイチェル・ビルソン

 人気ドラマ『The O.C.』のサマー役でブレイクしたレイチェルは16歳の時、乗っていた車がトラックと正面衝突した。車を運転していたのは男友達。かなりのスピードを出していたそうで、衝突の衝撃でぺしゃんこに。救助隊は車体の一部を切断し、レイチェルら4人を救出した。幸い、全員命に別状はなかったそうだが、レイチェルは数日間昏睡状態に陥ったという。この事故がきっかけで彼女は悪友と手を切る決心をし、真剣に女優活動を開始。その結果、サマー役を手に入れることができたと明かしている。

ドナルド・サザーランド

 名優の誉れ高いドナルドは、1970年に髄膜炎で死にかけたことがあった。映画『戦略大作戦』の撮影のため滞在していた旧ユーゴスラビアで風邪をこじらせ、地元の病院に搬送された。そこで髄膜炎と診断されたものの、その院には抗生物質がなかったためにドナルドは昏睡状態に陥ってしまったのだ。一時は心拍も停止したという。後日ドナルドは意識不明の間、青いトンネルが見え、その中に入っていたと証言。視界の先には白い光が見え、「おそらくその時、死の世界に足を踏み入れたのだ」と語った。

シャロン・ストーン

 人生で2度、死に直面したと語るシャロン。1度目は1990年、交通事故に遭い、「記憶はないけど、なんとか車から脱出した」とのこと。病院に搬送された彼女は、あごや背中、肋骨、足首に骨折などを負うほどの重傷だった。背中を固定する器具を装着され、「半年間絶対安静」を言い渡されたという。

 2度目は01年。激しい頭痛に襲われ、脳動脈瘤が原因の脳内出血だと診断された。この時彼女は「白い光を見た」そうで、死の間際まで行ったことを明かしている。

 映画『パイレーツ・オブ・カリビアン』シリーズのアクションシーンでは、軽い身のこなしを見せているオーランド。彼は21歳の時、壁の排水管をよじ登っている最中に、地上3階の高さから落ちたという。この事故でオーランドは、数日間、体が麻痺したとのこと。複数回にわたる手術と、1年半にも及ぶリハビリで幸い体は元通りにになったものの、打ちどころが悪ければ死んでいた可能性もあった。

トラヴィス・バーカー

 人気ロックバンド「ブリンク182」のタトゥーだらけのドラマーとして知られるトラヴィス。2008年、彼が搭乗していた小型飛行機が墜落。足から腰、そして両手に大やけどを負った。トラヴィスはその時のことを鮮明に覚えており、「逃げるためにドアを開けようと、両手で炎を掴んでしまった。また脱出する際に翼の上で転んでしまい、体に燃料まみれとなって炎に包まれた。燃え上がった体のままで必死に走った」と回想している。この飛行機には6人が搭乗しており、トラヴィスとDJ AMの2人だけが助かった。しかしDJ AMは1年後に、薬物の過剰摂取で他界してしまった。トラヴィスも16回にわたる手術や皮膚移植、輸血などで命を取り留めたが、一時は担当医が足の切断を検討していたそうだ。

ドリュー・バリモア

 人気女優のドリューは、俳優トム・グリーンと結婚生活を送っていた2001年、自宅が炎上する災難に見舞われた。火災は夜中に発生、煙を察知した愛犬が彼女を起こしてくれたため、火の手が回る前に脱出できたそうだ。なお、命は助かったが、この火災で70万ドル(約7,700万円)の損失を被ったと報じられている。

『きのう何食べた?』第4話が描いたシロさんとケンジの馴れ初めが至高の域! 梶芽衣子も名演

 4月26日深夜に放送された『きのう何食べた?』(テレビ東京系)第4話は、父・悟朗(志賀廣太郎)の食道がん手術を控えた筧史朗(西島秀俊、以下「シロさん」)にフォーカスした。

 母・久栄(梶芽衣子)は夫が心配で落ち着かず、絵に描いたように取り乱している。そんな姿が、シロさんは意外だったようだ。

シロさん「お母さんってさあ、結構、お父さんのこと好きだったんだね」

久栄「当たり前でしょ……。大好きよ」

 帰宅した久栄は、悟朗がいつも座っている椅子を見ながらしみじみつぶやいた。

「毎日一緒に暮らしてる人って、特別なのねえ」

 今回はこの言葉に尽きる。

天ぷらを揚げるコツ「思い切り」で人生が好転したシロさん

 第4話は3年前にまでさかのぼり、シロさんと矢吹賢二(内野聖陽、以下「ケンジ」)の馴れ初めを描いた。当時の彼氏に連れられ、初めて2丁目を訪れたシロさん。端正なルックスから一般社会では女性ウケがいいシロさんも、この界隈だとモテるタイプではない。彼はこのとき、その事実を初めて思い知った。「帰りたい……」と心が折れそうになった瞬間、出会ったのがケンジである。内野聖陽はすごい。目の色だけで、ケンジがシロさんに一目惚れしているのが伝わってくるのだ。でも、2人はそのまま別れた。

 再会したのは、シロさんが髪を切りに美容室へ行ったとき。たまたまシロさんを担当したのがケンジだったのだ。そこで、ケンジはシロさんがパートナーと別れたことを知る。「あっ、そうだったんだ……」と返すケンジから、隠しきれない喜びとチャンスに懸ける意気込みがにじみ出ている。

 このドラマはすごい。原作が描いていないオリジナルシーンの制作に挑み、それが至高の域に達するのだ。友達以上恋人未満の関係性の頃、2人はデートを重ねていた。この時期について、原作は数行の説明だけで済ませている。ドラマ版はここを映像化し、きっちり再現した。カフェで待ち合わせする2人。すでに到着したシロさんに、息を切らせてやって来たケンジがガラス越しに「ゴメーン!」と手を合わせる。当時の様子から、ケンジだけでなくシロさんもちゃんと相手にデレているのがわかる。

 なんといっても、美容室でシロさんがケンジに同居を申し出たくだりである。上階からの水漏れで家が大変な状況にあると沈むケンジ。この時点で、シロさんはもう挙動不審だ。何度も上を見上げ、体は硬直気味。顔にガーゼが被さると、今度は胸板が大きく上下した。原作を知る者なら「あのシーンがついに訪れる」と上気してしまう。そして、シロさんは思い切った。

シロさん「ウチ……、来る?」

 予期せぬ言葉に動揺するケンジは後ずさりし、壁に手をやってモジモジ。ガーゼのせいで状況を把握できないシロさんは「どうした? え? 聞いてる?」。ケンジは「……いいの?」と返答し、2人の同棲生活は始まった。

 この場面で、シロさんの顔にガーゼがかかっているのが憎い。原作ではシロさんの顔にガーゼはかかっていない。でも、ガーゼがかかっているほうが確かにシロさんっぽいのだ。思い切れない性格のシロさんは、顔を見られない状況に助けられた。顔が見えないシチュエーションでアプローチするのも、ツンデレの“ツン”成分過多の彼らしさ十分である。

 久栄に天ぷらをうまく揚げるコツを聞き「思い切りよ。史朗さんに思い切りを求めても無理でしょうけど」と言われたシロさん。天ぷらをおいしく揚げるコツは、人生を好転させる秘訣でもあった。あのとき、シロさんは確かに思い切った。

 この頃から月日は流れ、シロさんとケンジの距離は縮まった。3年前のクリスマスはぎこちなく、2人は姿勢がカチコチだった。くだけた姿勢をとる今年のクリスマスとは大違いである。3年もたてば、家の様子も変化する。テーブルは1人用から2人仕様の大きなサイズとなり、飾ってある絵画は数点追加された。家電の数も明らかに増えている。

 夫を想う久栄が口にした「毎日一緒に暮らす人は特別」という言葉。シロさんはそれを自らとケンジの関係に照らし合わせた。どんなカップルも時がたてば特別な出来事は減る。日常の繰り返しの中で幸せを見つけるようになる。

 悟朗を支える久栄のために、シロさんを通じてケンジはハンドタオルをプレゼントしていた。渡すときにケンジからの物と伝えられなかったシロさんは、電話でその事実を初めて母に告げた。

シロさん「ハンドタオルをくれた人さ……あの……ケンジっていうんだ。俺の……」

久栄「一緒に住んでる彼氏さん?」

シロさん「……うん」

久栄「そう」

シロさん「名前、矢吹賢二って言って」

久栄「……よく気がつく方なのねえ。柄も好みだったわ。ありがとうってお伝えしてね」

 息子の交際相手からのプレゼントと知った瞬間、複雑な感情からわずかな間ができた久栄。でも、すぐに思い直した。息子の心へ寄り添おうと努力する母。複雑さを受け止め、前へ進む親子の一瞬を切り取っている。

 予告を見ると、次回の第5話はかなり楽しみな回だ。ケンジの魅力がかなり放出されるはず。加えて、料理にも注目してほしい。放送終了後、もしかしたら近所のスーパーでサッポロ一番がバカ売れするかもしれない。

(文=寺西ジャジューカ)