チケット転売規制法は「高額チケットに苦しむ国民救済」が目的じゃない! 弁護士がスッキリ解説

 東京オリンピックを視野に6月に施行される「チケット転売規制法」。チケットの高額転売はあとを絶たず、中学生がジャニーズのチケットを売るフリをして金をだまし取り、書類送検される事件も起きている。高額チケット転売はもはや見過ごせない社会問題であり、困っている国民のためこの法律が施行されると思っている人も多いかもしれない。

 しかし、弁護士法人ALG&Associates山岸純弁護士によると「報道のされ方でそう思っている人がほとんどですが、そういう趣旨の法律ではないんです」とのこと。読めばスッキリ、チケット転売規制法がこれでわかる!

 

高額チケットに苦しむファンのための法律ではない

――「チケット転売規制法」は転売された高額チケットに苦しむ国民のための法律ではないのでしょうか。

山岸純弁護士(以下、山岸)はい。この法律は「消費者のためのもの」ではないんです。

 なお、政府の電子図書館において「チケット転売規制法」はまだ正式なものにはなっておらず、現時点では衆議院のホームページに出ている「案」に基づいて説明します。

※ 衆議院ホームページ:特定興行入場券の不正転売の禁止等による興行入場券の適正な流通の確保に関する法律

 この法律は「興行主」、例えばジャニーズアイドルのコンサートなら「ジャニーズ事務所」を守るためのものなんです。

 

ほとんどの人が誤解している「プロバイダー責任制限法」

山岸 報道のされ方で誤解されている法律は他にもあります。例えば、「プロバイダー責任制限法」もそうですね。「2ちゃんねるなどで名誉毀損の書き込みをされた人が、プロバイダーに対し、書き込んだ人のIPアドレスに紐づいた個人情報の開示請求をすることができる法律」と理解している方も多いかと思います。

――そう思っていました。「名誉毀損された人を守るための法律」という印象を受けます。

山岸 報道を見ると確かにそう思ってしまいますよね。でも、実際は違います。そもそも名称が「プロバイダー責任制限法」であり、プロバイダーの責任を制限する、つまり“プロバイダーを守るため”の法律なんです。

 流れで見ていきましょう。まず、ネット上で名誉毀損された人はプロバイダーに書き込んだ人の個人情報を教えてほしいと言います。ただ、プロバイダーは素直に教えていいか迷いますよね。守秘義務だってありますし。書き込んだ人から「なんで勝手に教えるんだ」と報復される可能性もある。

 そのためプロバイダーは、書き込んだ人に「名誉毀損された人にあなたの個人情報を教えていいですか?」と聞くんです。そこで書き込んだ人が「教えてはダメ」と言えば、プロバイダーは個人情報を名誉毀損された人に教えなくていい。

 この一連の手順を踏みさえすれば、プロバイダーは名誉毀損された側に「なんで書き込んだ人間の個人情報を教えてくれないんだ! このプロバイダーを訴えてやる!」と言われても、損害賠償などの責任を負わなくていい、というのがこの法律の趣旨なんです。

――でも、書き込みをした人にしてみれば、自分の個人情報なんて当然教えたくないですよね?

山岸 はい。ですので、プロバイダーから名誉毀損された人に対して「書き込んだ人は自分の個人情報を教えたくないと言っている」という情報が通知されたあと、名誉毀損された人は個人情報開示のための裁判を起こすことができます。

 そうすれば裁判官によって、それぞれの事例が名誉毀損にあたるかどうかの判断が行われ、個人情報の開示が必要な場合は、裁判所からプロバイダーに開示するよう指示がいきます。「裁判所に言われたから個人情報を開示しました」となれば、書き込んだ人もプロバイダーに対して何も言えないですよね。

 チケット転売規制法の話に戻りますが、この法律でも同じような認識の間違いがあるんです。「高額でチケットを買わざるを得ない国民を救済する」ためではなく「興業主が、コンサートのチケット定価が5,000円であったら、その金額で行き渡らせるようにする」ための法律なんです。

――興行主は、なぜ定価でチケットを行き渡らせたいのでしょうか? 転売され高額になろうとも、その分は興行主の儲けには関係ないですよね。

山岸 それを理解するために、また別の法律、さまざまな経済活動を規制する「独占禁止法」についてお話します。独占禁止法には「廉価販売」の禁止があります。簡単に言えば、仕入れ価格より安く売ってはいけないよ、ということです。なぜだかわかりますか?

――消費者にしてみれば「安ければいい」とも言えますよね。

山岸 そうですね。でも法律というものは、とても広く、長期的な視野で考えているんです。

 例えばA、B、C社が原価が80円の中華まんを100円で売っていたとしましょう。 しかし、A社が70円で売り出す廉価販売をしたとします。こうなると国民が皆、A社の安い中華まんを購入しますよね。結果、 B、C 社は潰れてしまい、中華まん業界はA社の独占になってしまいます。ライバルがいなくなったのを見計らって、A 社が中華まんを120円に値上げするかもしれないですよね。それを防ぐために廉価販売をあらかじめ禁止しているんです。

 チケット転売規制法も考え方は似ています。ある興行主が「うちのアイドルの定価5,000円のチケットが5万円でじゃんじゃん転売されているが、うちとしては全く構わない」と言い切れるのであれば、構わないんです。でも、そのような状況が続いたらどうなるでしょうか。

――ファンは金にものを言わせるつらい消耗戦になるでしょうね。さらに「このアイドルのチケットはまず定価で入手できず、転売で相当高額になる」という情報は今はTwitterなどのSNSですぐ知ることができますから、新しくそのアイドルのファンになりかけた人がその過酷な争奪戦を知り、やっぱり本格的にハマるのはやめとこう、となるかもしれないですね。

山岸 そうなんです。転売されず高く買わずに済む他の興行主のアイドルの方がいいや、と競合に流れていってしまう可能性だってあります。それでは興行主側も困るわけです。

 チケット転売規制法は、直接的にはチケットを定価で売ろうとする興行主を守ることが趣旨です。ただ、法律は一番大きく考えれば広くあまねく国民のためです。そういった意味では国民のため、という論調のマスコミも間違ってはいないんですけどね。「直接的には業者のため、でも広く考えると国民のためである」という階層の構造をしているんです。

 このチケット転売規制法も含め、近年の法律は「目的」欄がありますから、そちらを見ると、誰のための法律なのかすぐわかりますよ。

――プロバイダー責任制限法はプロバイダーのため、チケット転売規制法は興行主のため。となると「特定の被害を受けて困っている個人たち」のために作られる法律というのは、ほとんどないのでしょうか。

山岸 ほぼないです。法律は特定の個人を守るものではなく「一般抽象的な国民のためのものである」と法学部の学生は憲法の授業で学びます。

* *

「誰に向けた法律なのかを理解すること」「法律は「特定の個人」ではなく、広くあまねく国民のため」――法律のこの二つの原則を理解すれば、チケット転売規制法にかかわらず、今後さまざまな法律が出ても理解の指針になるはずだ。次回も山岸弁護士に、より詳細に「チケット転売規制法」について伺っていく。

(文/石徹白未亜 [http://itoshiromia.com/])

JKの「ブラックバイト・部活」に注意喚起! 優等生を良しとする「Seventeen」に募る不安

 「Seventeen」(集英社)5月号は、「進学KAWAII元年(ハート)楽しすぎ! かわいすぎ! なJKキングダム開幕―!!」というテーマのもと、「Seventeen17人の新学期制服こーなります宣言っ!!」「キングダムJK制服着まわしSTORY」「新学期JK初遊び正解コーデ」など、新学期に胸を躍らせる企画が並んでいます。パラパラとページをめくっていくと、次々にカラフルな写真や文字が目に飛び込んできます。若さがダダ漏れする誌面に滅入りながら、読み進めていくと「ブラック部活」「ブラックバイト」というキラキラJKのバイブル「Seventeen」らしからぬ重いワードが登場。なんだか雲行きがおかしくなってきましたが、早速中身を見ていきましょう~!

<トピックス>
◎新学期JK初遊び正解コーデ
◎新友育成ケイカク☆ はじめましてのJKマナー
◎ブラック部活・ブラックバイトの見分けかた

■おしゃれさよりも、まずは「浮かない」!

 初めにチェックしていくのは「初めて学校の外で会う時に、“絶対”におしゃれと思われたいから! 新学期JK初遊び正解コーデ」です。新しくできた友達と遊びに行くファッションを、シチュエーション別かつ、「センスよく」「ノリよく」「女の子らしく」「大人っぽく」の4種類のテイストに分け、コーディネートを紹介しています。この企画には、「Seventeen」(以下ST)読者の意見も取り入れられているのですが、“絶対”おしゃれと思われたいと意気込む彼女たちのファッション必須条件は「自分らしくキャラ立ち」しつつも「まわりから浮かない」ことだそう。

 そんな難しい注文を投げてくる保守的なST読者に、どんなアドバイスをしているかというと、例えば、買い物に行く際には「トレンド意識で今っぽく」がポイントとのこと。ただ、いきなりのやりすぎはNGで、“さりげなさ”が重要だそうです。「まわりから浮かない」ように学校生活を送っているST読者にとって、私服を選ぶ時でも“なじむ”ことは大前提なのでしょう。なお、具体的なコーディネートについてですが、ノリがいいと思われたい時は、ネオンカラーのパーカーを着ることを勧めています。「明るくハキハキしているように見え、待ち合わせで見つけてもらえそう!」というものの、「まわりから浮かない」どころか目印になっているじゃなかい……とツッコまずにはいられません。トレンドを意識している割には、小学生が遠足で着る服と結果はあまり変わらなさそうです。

 次に、ファミレスに行くときは、「会話盛り上がる つっこまれ服」が正解とのこと。「なにそれー」「どこのー?」と盛り上がるシーンを想像して、コーディネートするのがST流ファミレスファッション。“浮く”可能性があるのにもかかわらず、ツッコまれネタを自ら用意するST読者の勇気に拍手です。ST読者的“つっこまれ服”として紹介されているのは「中国中国中国……」と、小さな文字で埋め尽くされた総柄ブラウスと、林家ペー&パー子を彷彿とさせるショッキングピンク色の布地に、恐竜が刺繍されたスウェット。言われてみれば、ペーパーが、長年芸能界で生き残っている要因の一つは「ピンク色」のインパクトような気もするし、個性的な刺繍は話題に欠けることがないかもしれませんが、“浮くこと”を恐れるST読者にしては大胆なファッションで、いまいち許容範囲がつかめませんでした。

 彼女たちにとってのファッションは「自己表現」というよりも、「コミュニケーションツール」の一つのようです。しかし、気になったのは、私服コーディネート企画かつ、それぞれのシチュエーションに沿って4テイストものコーディネートが紹介されているのに、どれもアイドルの衣装のような統一感があること。せっかく校則から開放される休日なのに、友人とおそろいテイストでまとめるのは、もったいないと思いました。反対に、自分はこういうファッションが好き! と、新学期の早い段階で発信して、自分を貫くのもアリなのでは? いや、でも、「友達からの厳しいファッションチェックが入るぐらいなら、いっそのことガチガチのドレスコードを決めてくれた方がラクかも……」とも思ってしまったのも事実です。

 続いて見ていくのは「新友育成ケイカク☆ はじめましてのJKマナー」です。「最初がカンジン!」ということで、新しくできた友達と初めて買い物やカフェに行くときなど、さまざまな“初めて”のマナーを手取り足取り教えてくれます。

 例えば、カフェに行く時は、事前に友達の好き嫌いやアレルギーを確認し、1,000円以下の店を3つほど調べていくのがマナーとされています。最初のうちは、食べ物のシェアや「ひとくち、ちょうだい」もNG。ここまでスマートな振る舞いをしたら、次も幹事にされてしまうのではないかと心配になりますが、友達からの評価が気になるST読者であれば、喜んで引き受ける姿が想像できました。

 この企画に登場するマナーを完璧にマスターしたら、まず嫌われることはないでしょう。ただ、空気を読めなかったとしても、「天然」「毒舌」といったキャラを、若さと勢いで押し通すことも一つの対処法なのでは? それを受け入れてくれる友達とは意外といます。“マナー”を頑張りすぎて、家に着いたらゲッソリ……なんてことにならないように願うばかりです。

■ヘビーすぎるブラック部活・バイトがJKの時間とやる気を搾取!?

 最後に見ていくのは「“読者の地獄体験談をチェック”ブラック部活・ブラックバイトの見分けかた」です。読者が経験した過酷なバイトや部活での出来事が約30個掲載されています。

まずブラックバイトのページには、休憩時間もなくサービス残業を強要されるといった体験談が寄せられていました。ほかには、店長から「かわいいね」と言われ、体を触られるなどのセクハラを受けたという告白まで。どれもこれもJKのファッション誌に収まる話ではなく、日本の社会問題が並んでいます。労働時間は普通に法律違反ですし、セクハラ問題も訴訟レベルです。

 次にブラック部活については、先生の好みで選ばれた「(顧問の名前)係」というのが存在し、ジュースを買うなどの雑用を押し付けられるという恐るべき体験談が。また、先輩の衣装を“伝統”とかこつけ徹夜で作らされた挙げ句、またしても“伝統”という理由で怒鳴られたというブラック部活の実情もつづられていました。明らかに理不尽な仕打ちを受けるようであれば、退部するのも一つの手段だと思います。上司や先生、先輩に物申すことは勇気が必要ですが、誰かが動かないと悪しき伝統はなくならないんですよね……。欅坂46の「サイレントマジョティー」を熱唱したくなりました! そんな冗談はさておき、相談機関の連絡先や対処方がどこにも掲載されておらず。体験談をネタにするだけではなく、ST読者に向けたアドバイスがほしいところでした。

 友達付き合いも真面目で、ファッションにも気を配るST読者。優等生な彼女たちの大切な時間とやる気が、ブラック部活・バイトに、搾取されないことを祈るばかりです。精神や体力を蝕まれてしまっては、元も子もありません! 先に挙げた、ファッション企画やマナー企画もそうですが、何事も頑張りすぎず、ハートや音符が飛び交う「Seventeen」誌面のテンションで毎日を送ってほしいです。
(藤本なつき)

資産家の万引き老人は、万札を放り投げた! 「地位の高い人ほど謝罪しない」現場のリアル

 こんにちは、保安員の澄江です。

 先日、東京都豊島区東池袋4丁目の都道にて、87歳の男性が運転する暴走車が通行人を次々とはね、3歳の女の子と31歳の母娘2人が死亡、8人の方が重軽傷を負うという痛ましい事故が発生しました。加害車両を運転していた人物は、国から勲章まで授与されている元高級官僚の方。これほどの事故を起こしておきながら、身柄を拘束されなかったことから、「上級国民だから逮捕されないのではないか?」などと疑問を覚えた人も多いようです。

 それよりも私が驚いたのは、事故後まもなく息子に電話をかけて、自身のホームページやSNSアカウントを削除するよう指示していたというネット上のウワサです。自宅の電話まで解約させていたという話もあり、耳にしたときは、随分と手際のいいおじいさんだなと感心しつつも、その素早い対応には嫌悪感を覚えました。しかし、この情報は現状、真偽不明とのこと。加害者が、事故原因を車両故障によるものだと訴えていたという報道があり、「事故直後から保身に走った」と感じた人が多かったことから、こうしたウワサが爆発的に広まったのではないかと思われます。被害者やご遺族の心情を思えば、やはり「自分が悪いのではなく、車が悪い」とする加害者の姿勢は、許容できるものではないでしょう。

 万引きの現場では、地位の高い人ほど犯行を否認し、謝罪することなく居直る人が目立ちます。今回は、悪質な手口を用いて犯行に及んでおきながら否認に徹する資産家万引き老人の末路について、お話ししていきたいと思います。

 あれは、2年ほど前の、冬の日のことでした。当日の現場は、東京の中でも1、2を争うと揶揄されるほど治安の悪い街にある生鮮食品スーパーS。店内に大きな生簀を有し、月に一度はマグロの解体ショーを実施するようなタイプのお店で、生鮮食品のほかにも、さまざまな食品を扱う地元の人気店です。ここは、私たちでいう「固い現場」(必ず結果が出せる現場)の一つなので、残業を避けるべく、早目の捕捉を目指して巡回を始めます。

 店内の警戒を始めてまもなく、冷蔵棚の脇にフックで下げられた無料のビニール袋を、必要以上にむしり取る70代と思しき男性が目につきました。男性の着衣は小奇麗ながらも全身がグレー系で統一されており、その顔つきを含めて、どことなくネズミを彷彿させる雰囲気です。「ネズミ男」と、勝手にあだ名を付けて行動を見守ると、ネズミ男は複数のビニール袋をカート上のカゴに入れて歩き出し、刺身コーナーで中トロ刺のパックを手に取りました。それをビニール袋に詰めてカゴの中に放り込むと、続けてホタテのパックを手に取って、同様の動作を繰り返します。客を装いながら、冷蔵棚に並ぶ刺身の値札を確認すれば、ネズミ男が手にした「クロマグロ(天然物)」の中トロ刺は1,600円ほどで、国産のシールが貼られた大粒の生ホタテは1,280円でした。高額な刺身は、どこの商店においても頻繁に万引きされています。そのなかでもマグロは、一番盗られているだろう人気商品と言え、俄然目の離せない状況になりました。

(ちゃんと買うのかしら?)

 そんな思いを抱きながら遠巻きに追尾を続けると、食パン、牛乳、ヨーグルト、チーズなど複数の商品を棚取りしたネズミ男は、刺身のパックと同じように、その一つひとつをビニール袋に詰めてからカゴに入れていきます。カゴの中を覗くと、精算が済んでいるように見え、このままサッカー台に持ち込まれてしまえば、簡単に持ち去られてしまう状況と言えるでしょう。

 すると、売場の片隅にカートを放置したネズミ男は、誰もいないレジ列を抜けて、サッカー台の傍らにあるワゴンに積まれた梱包用のダンボールを手に取りました。そして、先ほど放置したカートのところまで引き返すと、手にあるダンボールをカゴの上に被せて歩き始めます。その足先は出口の方に向いており、もはや精算する気配はありません。

(外に出たら声をかけなきゃ……)

 何度経験しても必ず感じる緊張感を胸に、ネズミ男の後を追った私は、彼が自転車の脇にカートをつけたところで声をかけました。

「あのお客様、お刺身などのお支払、お忘れじゃないですか?」
「ああん? あんた、なに言ってんだ? 全部払ったよ! これ、見てみろ」

 怯むことなく堂々と否認してみせたネズミ男は、鬼の首を取ったような顔つきでカゴに被せた段ボールを除けると、ビニール袋にくるまれた商品群を私に見せつけました。

「これ、全部払ってないですよね? 事務所に同行いただけないなら、今すぐ警察を呼びますけど、どうされます?」
「なんだとお? 呼べよ、呼べばいいじゃないか! おれが払っていたら、あんた、どう責任取ってくれるんだ? それを教えてくれ」

 大声で喚き散らすネズミ男に、周囲の視線が集まります。なるべく早く通報したいところですが、逃げられぬよう袖口を掴んでいるため、うまく通報できません。押し問答を繰り返しながら右往左往していると、たまたま通りかかった警察官が間に入ってくれました。どうやら、この店の近くで交通違反の取り締まりをしていたようで、その帰りに見かけてくれたようです。臨場した警察官による聴取で77歳だったことが判明したネズミ男は、不動産管理業で、この店の近くにあるビルの最上階にフィリピン人の恋人と住んでいると、どこか自慢気に話していました。所持品検査の結果、20万円以上の現金が出てきたので、お金に困っての犯行ではなさそうです。

 警察を呼ばれても動じずに、否認を続けたネズミ男でしたが、防犯カメラの映像を検証されて証拠があがると一転して犯行を認めます。

「映っているなら仕方がない。余計に金を払うから勘弁してくれ」

 ブランド物の派手な財布から数万円の紙幣を取り出したネズミ男は、それをテーブルに放り投げるようにして居直りました。

「お金あるのに、どうして払わなかったんですか?」
「そんなこと、わかんないよ。なんとなく、やってみたかったんだ」

 ビニールやダンボールを使ったのは精算したと見せかけるため、犯行をごまかす目的で長ネギを買ったのだと、苦笑いしながらも少し偉そうに話すネズミ男の姿を見て、ひどくイラついたことを覚えています。

 つい先日、生鮮食品スーパーSで、久しぶりに勤務を担当しました。すると、前半の終了間際に、薄汚れたグレーのジャンバーを着た高齢男性が、手に取ったサバ缶(128円)をズボンのポケットに入れるのを現認。声をかけて事務所に連れて行き、身分を確認させてもらうと、差し出された医療証に書かれた名前に見覚えがありました。

「旦那さん、前に、お会いしたことありましたっけ?」
「ああ、前にここで、あんたに捕まったことあるよ」

 顔をよく見てみれば、かなり痩せてはいるものの、あのネズミ男に違いありません。犯行を素直に認めて、おとなしくしている姿を見ると、前回の時とは別人のようです。

「ずいぶんお痩せになられたから、わからなかったですよ。お病気でもされたんですか?」
「ああ、あれからガンが見つかって、胃を取ったりしたんだ。悪いことはするもんじゃねえよ……」

 その後、サバの缶詰を一つ盗んでしまったばかりに基本送致されることになったネズミ男は、フィリピン人の彼女がガラ受けすることを条件に帰宅を許されました。時計を見れば、すでに午後9時を回っており、声をかけてから6時間以上が経過しています。たった128円の缶詰を一つ盗んだ男のために、ここまで時間をかけなければならない現状に、疑問を抱いているのは私だけではないでしょう。

 帰り際、警察署のロビーで調書の出来上がりを待っていた私に気付いたネズミ男が、警察官の制止を無視して近づいてきました。軽く身構えると、その雰囲気を察したらしいネズミ男が、ひどく申し訳なさそうな顔で言います。

「こんなに遅くまで付き合わせて申し訳ない。もうやらないから勘弁してな」

 この人は、もうやらないだろう。ガラ受けにきたフィリピン人の彼女のお尻が、異様なほど大きかったためなのか、以前と比べて明らかに小さくなったように見えるネズミ男の背中……。それを少し晴れやかな気分で見送った私は、駅前の牛丼屋で遅めの夕食を取ってから帰宅しました。
(文=澄江、監修=伊東ゆう)

『俺のスカート、どこ行った?』は期待外れ? 古田新太におんぶに抱っこで、目新しさはなし……

 4月20日より、『俺のスカート、どこ行った?』(日本テレビ系)がスタートした。個人的に、今期一番期待していたドラマだ。

 勝手に期待していたこっちが悪い。なんか、思ってたのと違ったのだ。もっと笑わせてくれる、コメディ要素満載のドラマだと予想していた。違う。この作品はLGBTやいじめといった社会問題に、案外真面目に向き合う方向性だった。ゲイで女装家の主人公・原田のぶお(古田新太)が高校の教師に転身。生意気な生徒たちと対峙し、改心させていく内容だ。『今日から俺は!!』『3年A組』に続く、日テレ日曜夜枠のお得意の手法が土曜夜へ移植された感がある。

 つまり、よくあるやつなのだ。ぶっ飛んだ言動で子どもたちに人生を教える先生。今までに『女王の教室』『ごくせん』『伝説の教師』(すべて日本テレビ系)等があったが、最も似たテイストを感じるのは『GTO』(フジテレビ系)である。型破り教師のポジションが元ヤンから女装家に変わった、と説明すればわかりやすい。

 では、設定ではなくストーリーそのものに関してはというと、説教の内容に目新しいところはなかった。自分の顔にコンプレックスを持ち、いつもマスクしている生徒に授けた「顔で得してる奴だけじゃなく、損してる奴を見て楽になれ」という考え方も、ダメな自分、頑張りすぎない自分を責めるのではなく認める昨今の風潮と合致し、ドラマのピークにはなり得ない。どの要素もテンプレ通りだった。こちらのハードルが上がっていたので酷だが、低調な初回だったと思う。

狙い過ぎの設定と白石麻衣のポコチン発言

 とにかく、狙いすぎなのだ。古田新太が女装するだけで「面白そう!」と思うに決まってる。のぶおの歓迎会で同僚の里見萌(白石麻衣)が「ポコチンはどうしてるんですか?」と聞いたくだりもそう。アイドルにスレスレのことを言わせた制作陣がドヤ顔している光景が目に浮かんでしまう。

 脇を固める役者陣も、荒川良々、大倉孝二、いとうせいこうと、妙においしいとこばかりだ。で、ここでもうゴールを決めてしまった感がある。ほかの部分(会話や流れ)にあまりに厚みがなさすぎる。こんな手練を集め、盛り上がりを感じさせない展開に仕上げるのも逆に偉業というか。古田の存在感におんぶに抱っこのドラマになってしまっていた。

 あんまり言いすぎたので、ひとつくらいはフォローしたい。今期のドラマは『きのう何食べた?』(テレビ東京系)、『腐女子、うっかりゲイに告る。」(NHK総合)など、LGBTを扱う作品が多い。もはや、はやりの題材といえる。でも、今作を「安易にはやりに乗っかったドラマ」と無下に切り捨てることはできない。

 のぼるはゲイで女装家。だからこそ、フラットな目線で世を俯瞰することができる。しかも、彼の口から多様性を説く以前に、のぼるの存在がそのままテキストになる。「どんな風に生きてもいい。でも、困難を伴うこともある」ということを、この教師は体現している。

 実はこのドラマ、94年に放送された『人間・失格〜たとえばぼくが死んだら』(TBS系)の舞台となった修和学園の校舎をそのまま使用している。あのドラマでは体育教師・宮崎信一(斉藤洋介)に女装趣味があり、その盗撮写真をばら撒かれた宮崎が逆上するというくだりがあった。時代は変わった。かつては女装すると変態扱いだったけれど、今は堂々と教師になることができる。

 第1話のエンディングは、のぼるがブルドーザーで校門を破壊する場面だった。この学校では“5分前行動”が義務付けられており、間に合ったとしても定時の5分前に校門が閉まる決まりになっている。

 時代によってルールは変わる。今は正しいルールに思えても、5年後10年後はわからない。現代のルールは永遠のルールではない。今の正義と価値観は、決して真理とはいえない。既存の価値観に意見し、変化を促すことを恐れないのがのぼるという存在だ。

 伏線をひとつ見つけた。学校ではオネエ言葉で話すのぼるが、帰宅すると自分のことを「わたし」ではなく「俺」と言っているのだ。彼は、本当はノーマルな気がする。この人はなぜ女装し、そして教師になろうとしたのだろう? この先に、何か深いテーマが潜んでいるのだと信じたい。

(文=寺西ジャジューカ)

「27歳下と不倫」渡辺えり、「22歳下と深夜デート」大竹しのぶ! 還暦女性の“恋愛事情”

 4月26日、都内で「第44回 菊田一夫演劇賞」の授賞式が行われ、大賞を受賞した女優・大竹しのぶが出席。同23日発売の「女性自身」(光文社)で、22歳年下の俳優・宮原浩暢と“深夜デート”を報じられたことについて、「まったく違います。相手に申し訳ない」と交際を否定したが、ネット上では「昔から若い男性が好きだよね」とささやかれている。

「『女性自身』によると、大竹は今月15日夜に東京・渋谷の高級ワインバーにて、宮原とデートを楽しんでいたとか。宮原はボーカルグループ・LE VELVETSのメンバーで、ミュージカルを中心に俳優としても活動。18年に大竹が主演した舞台『ピアフ』で初共演を果たしています」(芸能ライター)

 現在、大竹が61歳、宮原が39歳とあって、22歳差カップルの行方に注目が集まっていたが、大竹は授賞式後の囲み取材で交際をキッパリ否定し、「お芝居見て、一緒にご飯を食べて、そのまま帰っただけ」と説明した。

「大竹といえば、RADWIMPS・野田洋次郎のことを『ずっと好き』だと公言したことも。16年に大竹が出演した『メレンゲの気持ち』(日本テレビ系)では、『野田さんが作る詞の世界とか、音楽の世界がすごいステキ』『すごい優しくて、オシャレで』などと絶賛した上で、野田と連絡先を交換したと明かしていました。また、17年1月発売の『女性セブン』(小学館)は、前年末の『NHK紅白歌合戦』に初出場した大竹が、リハーサルで嵐・松本潤に密着していたと報道。ちなみに、野田は現在33歳、松本は35歳と、やはり大竹とは20歳以上年齢が離れています」(同)

 こうした経緯もあり、ネット上には「大竹は宮原と付き合っていないにしても、若い男性が好きなのは確実じゃない?」「交友関係は自由だけど、ちょっと節操ないイメージはある」「若ければなんでもいいのかな……と思っちゃうわ」といった声が寄せられている。

「また今月1日には、64歳の女優・渡辺えりが、13歳年下の俳優・土屋良太との離婚を発表しましたが、渡辺は13年に『週刊文春』(文藝春秋)で27歳年下の俳優・吉田侑生との不倫が報じられています。渡辺は18日発売の『女性セブン』にて、離婚と不倫は“無関係”だと話していますが、それ以上に、ネット上では『不倫相手が27歳も年下ってことが驚き』『結婚相手も不倫相手も10歳以上年下とは……!』と、驚かれていました」(同)

 また、「大竹も渡辺も還暦すぎてるのにすごい」「アラカン女に年齢は関係ないのか」といったコメントもあり、大竹と渡辺の恋愛模様に感心する人も。いくつになっても恋愛できるエネルギーが、女優業にも活かされているのは確かだろう。

【GW10連休毎日連載企画】#1 百鬼夜行の路地にある、世にも奇妙な京都名物

 

なに出汁なのか、どんなタレなのか、そもそもラーメンだったのか!?

 京都……。

 名前の響きとしては、雅やかで伝統を受け継ぐ文化の街というイメージが、日本人を含む外国人の頭にさえインプットされている。しかし、こと、グルメとなるとちと違う。

【GW10連休毎日連載企画】#1百鬼夜行の路地にある、世にも奇妙な京都名物の画像2

 もちろん、京野菜や鱧料理を始めとする、いわゆる「京料理」は有名だが、「古都」のイメージとは大きく異なる超珍級なグルメがあるのもまた、京都の一面なのだ。

 北野天満宮近くにある「妖怪通り」は、毎年秋に妖怪仮装行列「一条百鬼夜行」が開催される通りである。仮装行列が先なのか、妖怪が先なのか、近くにあった児童館の職員さんに尋ねると、

「そうねぇ……確か芸能人……女優さんが来て……なんか言うとったな……」

 腕組みをして頭を傾げたまま考え込んでしまったので、深い事情があるのだろうと納得して目的の店へ向かうことにした。

 その店は、妖怪通りの一番端っこ、その角地にあった。この通りに並ぶ店の多くは、店先に置物に化けた妖怪が待ち構え、お出迎えしてくれるのだが、この店はその数が若干多い。

【GW10連休毎日連載企画】#1百鬼夜行の路地にある、世にも奇妙な京都名物の画像3

 店内を覗いてみると、お昼時ということもあり、テーブル席は埋まり、小さなカウンターにも1人客が座っていた。その雰囲気は、どこの町にもある古ぼけたラーメン屋という感じなのだが、「妖怪通り」という地域柄、妖怪の絵やグッズが賑やかしになっている。

 壁に貼られたメニューも妖怪だらけで、それはそれでけっこうおもしろい。その中にいくつか赤字で書かれたメニューがあるのだが、そのひとつがこの店を訪れた目的、そう、「妖怪ラーメン」なのだ!

【GW10連休毎日連載企画】#1百鬼夜行の路地にある、世にも奇妙な京都名物の画像4

 壁に貼られた絵にそっくりな三つ目のオヤジに「妖怪ラーメン」を注文すると、オヤジは澄ました顔して「あいよ」的な返事を。

 本当は、(おっ、こいつ、妖怪ラーメン食うのか!?)みたいなことを思っているに違いないのだが、あえて表情に出さないのが若干ハラ立つ……。

 数分後、ラーメン屋のおばちゃんに化けた女狐が運んで来たのが、黒い丼の黒いラーメンだった。

【GW10連休毎日連載企画】#1百鬼夜行の路地にある、世にも奇妙な京都名物の画像5

 そう、今日はこれを食べに来たのだ!

 パッと見、なんの料理かわからないかもしれないが、ラーメンである。スープが黒くて、そのせいで麺も黒みがかり、紫色っぽく変色している。いったい何を煮込めばこんなに黒いスープができるのか?

 トッピングはというと、一応、チャーシューは乗っているのだが、果たして何のチャーシューかは……。そしてきわめつけは、ゆで卵だ。普通は味玉だが、この卵は、真っ黒いピータンなのだった! これだって、何のピータンだか……(笑)。

【GW10連休毎日連載企画】#1百鬼夜行の路地にある、世にも奇妙な京都名物の画像6

 疑えば疑うほど怪しく見えてくる黒いラーメン。実は、写真を撮ってる時から感じてはいたのだが、丼から立ち上る匂いが……生臭い。きっと、妖怪の香りに違いない。ならばどんな出汁がでているのかと、レンゲですくってひと口ズズズ……。

【GW10連休毎日連載企画】#1百鬼夜行の路地にある、世にも奇妙な京都名物の画像7

「くっせ~! イカスミ風味の妖怪汁かぁ~」

 匂いといい味といい、イカスミ風だが、たぶん妖怪出汁だろう。ニラやピータンの匂いも混じっているに違いない。

 勇気を決して紫色の麺をズズッとすすると、鼻から抜ける香しい妖怪の香り。何だかわからないチャーシューも、本物の豚の味がして美味いのだ。

【GW10連休毎日連載企画】#1百鬼夜行の路地にある、世にも奇妙な京都名物の画像8

 しかし、問題はコレ。レンゲですくうと、何かの目ん玉に見えてきた。血走ったように見えるのは、パプリカパウダー風の妖怪粉に違いない。思い切ってひとくちで頬張ると、これまたホンモノのピータン風で、けっこう美味だった。

【GW10連休毎日連載企画】#1百鬼夜行の路地にある、世にも奇妙な京都名物の画像9

 最初は臭かった妖怪の煮汁も、慣れてしまうと後を引き、もうひと口、もうひと口と泥沼に引き込んでいく。そう、まるで、台湾の臭った豆腐のように……。

 気がついた時には丼のほとんどを食い尽くしていて、「ああ、これでオイラも妖怪の仲間か…」そう、大きくため息をつくのだった。

 妖怪ラーメン、うもうござ……。

 

 

北野白梅 いのうえ「妖怪ラーメン」750円

SNS映え  ☆☆
味     (゜ロ゜)!!
珍級度   ☆☆☆

(写真・文=よしよし)

「援助交際と一緒にするな」「どれだけ金を引っ張れるか」愛人とは違うパパ活女子の意識とは?

 SNSの普及により、手軽に男女が出会える昨今。若い世代の女性を中心に、富裕層の男性と食事やデートをする対価として金銭援助を受ける「パパ活」がひそかなブームとなっている。パパ活を行う女性のSNS投稿からは、かつて“オンナ”を売って囲われていた「愛人」や、セックスと引き換えに金品をもらう「援助交際」とは「一緒にしてくれるな」というプライドのようなものを感じる。その一方で、肉体関係有りきの関係が蔓延している様子も垣間見られ、実際のところ、愛人・援助交際との境界線は曖昧に思える。一体、彼女たちは“パパ活”をどのように捉えているのだろうか? そこで、2月に発売された『副業愛人 年収300万円で囲えるオンナの素顔28』(徳間書店)で、1回のセックスにつき、1万円弱という安い手当で副業的に愛人を行う女性たちの実態に迫った著者・中山美里氏に、パパ活女子の自意識について見解を伺った。

■“月極愛人”から“都度払い愛人”へ
――『副業愛人 年収300万円で囲えるオンナの素顔28』を執筆されたきっかけは?

中山美里さん(以下、中山) もともとは雑誌の企画だったのですが、取材を進める中で、昔はひと月何十万円みたいな“月極”が主流だった愛人のお手当が、最近は、会うたびにお金をもらう“都度払い”に変化していることを知りました。都度払いだと傍から見れば個人売春と変わらないのに、本人は愛人というスタンスでやっている。そこの自意識や世間の認識とのギャップに興味を惹かれたんです。しかも、会ってみたら、愛人のイメージによくある“女のプロ”みたいなオーラも漂っていない普通の女性が、ほかに仕事を持ちながら副業的に愛人をやっているんですよ。それも面白くて、同じような女性を探して話を聞いていきました。

――“愛人”というと、日陰の女みたいな淫靡なイメージがありましたが、今時は違うんですね。

中山 カジュアルで、あっけらかんとやっている女性が多い印象はありますね。昔の“耐え忍ぶ女”みたいな愛人感はなくて、仕事はしているけれど、男性からもお金を引き出してワンランク上の生活を送りたいといったような、たくましく、したたかな感じです。だから、どっぷり愛人業に浸らず、いつでも身を引ける状態をキープしながら、ゲーム感覚で「どれだけお金を引っ張れるか」みたいな面白さを感じていたり、良い男がいたらすぐに愛人をやめて結婚してやるといった変わり身の早さがあったり。女性の生きる力強さを感じます。

――最近は「パパ活」がブームのようですが、パパ活とはどのようなものなのでしょうか?

中山 パパ活が生まれたのは、2011年あたりに女子大生やOLなど素人女性をウリにした「ラウンジ」が出てきたことが、大きく影響していると思います。六本木や西麻布界隈で遊んでいる富裕層の男性と素人女性との接点ができて、それがメディアにフィーチャーされ、「パパ活」という言葉が生まれたのかと。さらに、そこにアダルト業者が目をつけたことで、SNSやアプリなどを通じて、ラウンジを利用しない男女にまで広がっていったのだと思います。

――パパ活をする女性の特徴などはありますか?

中山 あるラウンジのオーナーから聞いた話や、私が実際に会ってみたパパ活女子の話を元にすると、彼女たちは愛人のような「セックスと引き換えにお金をもらう」という認識は薄く、「今の彼氏とは味わえないような、未知なるセックスを楽しめるかも」という好奇心を抱いている感じがありますね。「セックスせずに済めばラッキーだし、良い人ならヤってもいい」とか、「大人の世界を見てみたい」とか、「年上男性からいろいろと教えてもらって女磨きができる上、お金ももらえて超ラッキー!」といった感覚なのかなっていう印象を受けました。

――確かに当初、パパ活は「食事だけ」「デートだけ」の関係で、アルバイト感覚でセックスまではしないと言われていましたが、今はそのようなことはないのでしょうか?

中山 ほぼほぼないですね。今はパパ活と個人売春との区別がなくなってきたように感じます。アプリなどでパパを探している女性たちは、デリヘルや個人売春と変わらない感覚ではないでしょうか。ただ、中には雰囲気や話術でセックスなしの関係を上手に引っ張る子もいて、三軒茶屋に家賃12~13万円のオートロックマンションを借りてもらって、週に3回ほど食事をするという関係を1年半続けても、1回もセックスしていないという女性がいました。彼女は3人のパパと同時に付き合っていて、家にはエルメスの箱が積んであったくらいなのですが、誰とも体の関係をもたなかったそうです。

――彼女を含め、パパ活女子の年代や容姿はどのような感じですか?

中山 その女性はあどけなさの残る清楚で可愛い感じでしたけど、20代なのに30代くらいに見える子もいますし、年齢も10代~40代までと幅広く、共通点はないですね。ただ、容姿に自信はないけどサービス精神は旺盛とか、自分の価値をしっかり踏まえた上で、お値段プラスアルファのセールスポイントを持っていると、見た目に関係なくうまくいくことが多いようです。

――お話を聞いていると、パパ活女子から好奇心の強くて合理的な印象を受けます。彼女たちはどのような意識でパパ活を行っていると感じますか?

中山 やっぱり基本はお金です。ただ、一人が寂しいというメンヘラっぽい女性もいれば、男性に求められることで心を満たす自己評価の低い女性もいるし、とにかくお金! っていう女性もいて。“お金”という基本に、どんな願望が乗っかるかで多種多様な組み合わせができているので、あまり分類はできないですね。本当に人それぞれで、最終的なゴールもみんな違いますから。

――90年代には「援助交際」ブームがあったと思います。「援助交際」と「パパ活」の相違性を感じますか?

中山 パパ活は、相手との関係に継続性があるという面では愛人に近いものを感じますが、ブームの始まり方は、援助交際とすごく似ている印象を持ちました。援助交際もパパ活も、生活のためにやっているのではなく、「大人の世界を覗いてみたい」という遊びの延長のような感じなので、女の子が強気なんですよ。私は援助交際第一世代だから、シンパシーを感じましたね。

――パパ活女子のSNSなどでは、自身を「PJ」と称して、「援助交際と一緒にしないで」「相場を下げるようなことをしないで」といったような、パパ活女子としてのプライドを感じさせる投稿も目立ちます。

中山 私もある座談会で、パパ活女子の自意識を感じたことがあります。ただ、パパからもらえる金額やブランド、相手のタイプなど、表面的なことにこだわりすぎていて、つまらないって感じたんですよね(笑)。それよりも、いろいろ経験していく方が楽しいのになって。買う方の男性にしても、日常生活では出会えないような面白い女の子を求めているので、「私、いくらだから」とお高くとまっていたり、マウンティングし合うような普通の子は、チャンスを逃しちゃっているような気もしますね。

――確かに、パパ活女子は、SNS上で「今日は食事で0.5回収(5,000円もらった)」など状況を逐一投稿してマウンティングしあっています。

中山 援助交際でも、「何を買ってもらった」とか「あの子は旅行に行ったらしいよ」とか、女の子同士のマウンティングはあったんですよ。ただ、当時は比較対象が自分の周囲だけだったのに対して、今はSNSが発達して見ず知らずのパパ活女子の様子もわかってしまうので、マウンティングが激化している様子は感じます。あと、視覚からの情報は大きいので、写真もアップできる分、ほかのパパ活女子がブランド物のバッグを持っていたりすると、「あの子は買ってもらえて、どうして私は買ってもらえないんだろう」って、余計に固執してしまう部分もあるのかもしれませんね。

(後編につづく)

中山美里(なかやま・みさと)
1977年、東京都生まれ。フリーライター。編集プロダクション株式会社オフィスキング取締役。『16歳だった~私の援助交際記』(幻冬舎文庫)『漂流遊女~路地裏の風俗に生きた11人の女たち~』(ミリオン出版)『高齢者風俗嬢~女はいくつまで性を売れるか』(洋泉社)などがある。

【日雇いマンガ】『アラサー独身女、今日も日雇いで生きてます』【22~28話まとめ読み】

――「キツイ」「汚い」「男臭い」……なんとなく近寄りがたいイメージのある“日雇労働”。その、実態はどのようなものなのか? 日雇い労働を生業とするアラサー・柿ノ種まきこが、日雇いの日々と人間模様を紹介します。

今回は22〜28話をまとめ読みでお送りいたします。
(1〜7話まとめ読みはこちら
(8〜14話まとめ読みはこちら
(15〜21話まとめ読みはこちら)

第22話『素朴な疑問にお答え! 〜アラサーOLが日雇いを始めた理由〜』

   

 今回から、インスタグラムでフォロワーの皆さんからいただいた質問に漫画でお答えしていきます。

 まず最初は「日雇いをはじめたきっかけ」です。

 私の場合は必要に迫られて……という感じです。 いまは家業も手伝えるしこのスタイルがしっくりきています。

第23話『素朴な疑問にお答え! 〜アラサーが選ぶベスト・オブ現場〜』

   

 今回も、インスタグラムでフォロワーの皆さんからいただいた質問に漫画でお答えしていきます。

 質問は「一番楽しかった日雇いは?」です。

 これは仕事がラクなことだったり、作業が楽しいことだったり、人に恵まれている現場ということだったり……。人によって感じ方はいろいろだと思うのですが、私の場合は仕事のラクさと現場の清潔感、雰囲気ですね。

 この三拍子が揃った神現場がこの漫画の現場でしたが、超人気の現場で1回こっきりしか働けませんでした。

 また行きたいなぁ〜。

第24話『素朴な疑問にお答え! 〜史上サ・イ・ア・クな現場の1日〜』

 今回も、インスタグラムでフォロワーの皆さんからいただいた質問に漫画でお答えしていきます。

「先週の一番楽しかった現場は?」に引き続き、「最悪だった日雇いは?」という質問です。

 しんどい現場はいくつかありましたが、清潔感がない現場は本当にきついものがありました……。

 こういう現場に当たったら派遣会社に伝えて今後あたらないようにしてもらえます。それが日雇いの良いところでもありますね。

第25話『素朴な疑問にお答え! 〜そもそも、メシは食ってけるのか〜』

 今回も、インスタグラムでフォロワーの皆さんからいただいた質問に漫画でお答えしていきます。

 今回は質問の多かった「生計について」です。 日雇いは自分の都合に合わせて働けるとはいえ、必ず仕事にありつけるというわけではないので、不安定です。 私は実家暮らしなのでなんとかやっていけている感じです。

 私個人の感想では、なかなか日雇い一本での生活は厳しいものがあると思います……。

第26話 『クリスマスピッキング〜誰かのサンタになりたくて……〜』

 クリスマス間近の日雇いで、雑念が浮かぶ……。余計なこと考えずに作業作業!

 12月〜1月はアパレルピッキングの繁忙期。

 家にいる時間が増えるから、 通販でポチッとする人が多いのでしょうね。

 忙しいけど日雇い時給もUPするので頑張ります!

第27話『素朴な疑問にお答え! 〜タイプ別! オススメ現場〜』

 インスタグラムでフォロワーの皆さんからいただいた 質問に漫画でお答えする企画の最終回です。

 最後の質問は「おすすめの現場は?」です。

 どの現場もやはり一長一短があるので一つに絞るのは難しいです。 やっぱり作業内容が自分に合っていることが一番かな、と思いますよ!

 いろいろな現場に行ってみて自分に合う場所を見つけてみてくださいね。

第28話『スター降臨!? 日雇い女子が群がるオトコの正体とは……』

 日雇い作業終了後に現れる人だかり。ひとりの男性に群がって、もしや芸能人?!

 いやいや、これは作業終了の受領サインをもらう人だかりです。

  サインください〜と囲まれている現場責任者もまんざらでもなさそう?

――最新話は毎週、木曜日更新。お楽しみに!

柿ノ種まきこ/@kakinotane_makiko
日雇いをしながらマンガを描くアラサー。過去には、「iVERY」にて婚活マンガ『女もつらいよ』を連載。現在はインスタグラムにて、マンガを不定期投稿。
https://www.instagram.com/kakinotane_makiko/

【配信者マンガ】240円で何ができる? ネット配信「投げ銭システム」イイ話【第27回】

不倫バレ、嫉妬で放火、ニセ札作りに救急車……何度警察のお世話になったって、ぜ~んぶ「配信のネタ」なんです!?

マンガ芸能界の裏側ぶっちゃけていいスか!?で数々の芸能タブーをぶっちゃけてきた
怖いもの知らずのグラドル漫画家・あさの☆ひかりが、今度はなんと「ネット配信者の世界」を大暴露!!

【配信者マンガ】【第27回】の画像1

投げ銭システム

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――毎週土曜に、最新話を更新。次回をお楽しみに!

あさの☆ひかり
10月3日生まれ。東京都出身。
グラビアアイドルとして活動したのち、エッセイマンガ家として多数の作品を発表。潜入取材を得意とし、社会の裏側からサブカル、芸能界まで幅広いネタをマンガにしている。

既刊に『芸能界の裏側ぶっちゃけていいスか!? 三十路グラドルのつぶやき』(ぶんか社)『何度か消されかけましたが、こりずに芸能界の裏側ぶっちゃけていいスか!? 』(同)など。

◎あさの☆ひかりTwitter
https://twitter.com/asano_hikali


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第1回~第4回・まとめ読み
第5回~第8回・まとめ読み
第9回~第12回・まとめ読み
第13回~第16回・まとめ読み
第17回~第20回・まとめ読み
第21回~第24回・まとめ読み

第25回…三十路アイドル、「パンツ売り」で一攫千金!?
第26回…「50万円分」のスイーツ事件簿!

 

大竹しのぶ、ミニスカで悩殺デート!&JYJユチョン、足の毛剃り忘れてアウト……週末芸能ニュース雑話

大竹しのぶ、デートはミニスカで満々!?

記者H  女優の大竹しのぶが22歳年下の俳優・宮原浩暢と深夜デートする姿が「女性自身」(光文社)で報じられましたね!

デスクT  そうそう。熱愛は否定したけど、すごいよね。60歳ぐらいだよね、大竹さんって。

記者H  魔性はいつまでも魔性なんですね。尊敬します(笑)。

デスクT  「婦人公論」(中央公論新社)のインタビューでは、還暦愛について前向きな発言してたってことだったけど、もしかすると、この人が最後の……。

記者H  明石家さんまもびっくりしちゃいますね(笑)。

デスクT  でもさ、深夜じゃなければ、息子と買い物みたいな感じに見えるね!

記者H  そうですね〜。そうそう、記事では帰る宮原の手にはワインの袋があったとか。

デスクT  大竹さんがプレゼントしたんだろうね〜。なんか、いい年したママ活みたいに見えるね(笑)。

記者H  あ〜、ネットも同じコメントいっぱいありましたよ(笑)。

デスクT  あらまあ! まあ、大竹さんって野田洋一郎とか「この子いいわ〜」と思ったら自分から連絡するって言ってたもんね〜。メス力がすごい!

記者H まあ、男性経験は「30人ちょっと」と告白していただけありますよ。

デスクT  てかさ〜、びっくりしたんだけど、撮られた時の服装がミニスカートなんですけど! 安室ちゃんだっていい年になってきたら、衣装でしかミニスカートはかなかったのに……。

記者H  すごいですよね。臨戦態勢入ってますよね。

デスクT  本当はやる気満々だったのかも!

記者H  そうなんですかね〜。脚はキレイですね! ちゃんと筋肉もあって60代の脚だとは思えない。

デスクT すごいよね〜。スタイルに気を使ってるんだろうね。尊敬するわ〜。

記者H  そういうところがモテモテの秘訣なのかもしれませんね。

記者H  魔性とは違いますが、異性からは好かれる女優、吉岡里帆が、彼氏の腕型の枕・通称“彼氏枕”の良さを上白石萌音のラジオで力説してましたよ。

デスクT  何それ〜! 気になる!

記者H  友人から「里帆も彼氏つくりなよ〜」とイジラレなから誕生日プレゼントにもらったらしく、使ってみたら意外とフィットしてもう手放せないとか。

デスクT  それ本当に枕なのかな? 人の腕じゃないの〜?

記者H  本人が枕って言ってるんだから、信じてくださいよ。

デスクT うふふっ。

記者H  でもね、この彼氏枕という言葉がわからない人が多いのか、ネットは恒例の「あざとい」祭りだったんですよ〜。可哀想に。

デスクT  あはは、恒例ね!

記者H  もっと酷いだと、「男好きめ!」とか「枕営業!」とかいう声もあって。枕って言ってるのに!

デスクT  まあね〜。ほら、彼女「肌は結婚する人しか見せちゃダメって親から言われててー」なんて言ってたのに、よく脱いでるからね。

記者H  だからって、ひどくないですか? このツッコミ。

デスクT  う〜ん。どうだろうね。てか、彼氏いないんだね、今。

記者H  そう、みたいですね。すごい強調してましたからね。「いらんわ!」って。

デスクT  ということは、佐藤健とは終わったんだね。

記者H  そうかもしれませんね。ここまで言うってことは。

デスクT う〜ん。じゃあ、次の恋が楽しみだね。ふふふ。

記者H   そうですね! 恋のニュース楽しみですね!

記者H  今週、ジャニーズアイドルが国民健康保険だということがわかり、ファンが騒然としていたのって知ってますか?

デスクT  そうなの? へえ〜、国保なんだ〜!

記者H  『10万円でできるかな?』(テレビ朝日系)に中居正広がゲスト出演。その際、中居がKis-My-Ft2・北山宏光の財布をいじっていたら、ちらっと見えた保険証が国保だったようで、ファンはびっくりしたようですね。

デスクT  へえ〜。まあ、芸能人は個人事業主が多いからね。

記者H  会社員と同じ社会保険にしてあげて〜と悲痛な声が聞こえていましたよ〜。

デスクT  でもさ、別にしなくても、それなりにお金をもらってるし、個人事業主の方が何かと便利じゃん。芸能人って。

記者H  う〜ん。そうなんですかね〜。

デスクT  てか、よく放送したね。普通ならモザイクとか入れるんじゃないの?

記者H  それもそうですね。

デスクT  いろいろ気をつけないと、大変なことになるからさ。制作側には気をつけてもらわないと。

記者H  でもまあ、生放送じゃなかったし、いいんじゃないんですかね。

デスクT  まあね〜。でも気をつけてほしいね!

記者H  韓国の人気グループ・JYJのメンバー・ユチョンが、ついに麻薬取締法違反で逮捕されそうですよ。

デスクT  そうなの? 尿検査では陰性で逮捕免れそうだったのに。あらら〜。

記者H  足の毛を検査したところ、陽性反応が出たそうで、おまけに薬物を売買しているところが映った映像が見つかったとかで。もう逃げられませんよ。

デスクT  無実会見も開いてたのにね。ダメじゃんか〜。

記者H  出頭した時に、全身の毛を剃ってきたなんて話が言われてましたけど、足の毛ちょい残ししてたんですね。

デスクT  なんか、間抜けだね(笑)。

記者H  そうなんですよね〜。ネットでも、「全身剃ったのに、足の毛の存在知らなかったのか?」「全身剃って自信満々に無実会見開いたのにな(笑)」「脇が甘い」と失笑の嵐ですよ。

デスクT  そうなんだね〜。そこまでして、この結果だと、もう芸能界には戻れないね。汚点すぎるし。

記者H  そうですよね〜。

デスクT  てか、元婚約者がバラしたんだよね。相当怨み買ってたんだろうね。別れ方ひどかったのかもね。

記者H  らしいですね。なんか、婚約破棄した後に、元婚約者は「いろいろバラしてやる」とInstagramに投稿してたらしいですよ。今は消したそうですけど。

デスクT  そうなの? 怖いね〜。怨み相当じゃん(笑)。

記者H  ほら、ユチョンって性的暴行疑惑もあったし。これは無実になりましたけど、素行があまり良くないみたいですね。

デスクT  まあ、東方神起時代にも揉めて、いろいろ闇が深いって言われてたしね。

記者H  そうでしたね。なんだか、この先芋づる式にK-POPアイドルが逮捕されそうですね。

デスクT  そうだね。もうちょっと続きそうだね〜。